JP2007285112A - 開閉装置の巻取軸構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】巻取軸の自由状態側の端部に、不動部材に固定された駆動装置が配置されていても、駆動装置の駆動力を自由状態となっている巻取軸の端部に伝達できる開閉装置の巻取軸構造を提供すること。
【解決手段】開閉体であるシャッターカーテン11を巻き取り、繰り出す巻取軸10の両端部のうち、不動部材であるブラケット37に固定されていて巻取軸10を回転させるための駆動装置である開閉機40側の端部10Aは一定位置に固定されていない自由状態となっており、開閉機40と巻取軸10の端部10Aとは、巻取軸10の軸方向に直列に連結された2個の芯ずれ吸収手段であるユニバーサルジョイント51,61を介して連結される。
【選択図】図3

Description

本発明は、シャッターカーテン等の開閉体が巻取軸で巻き取られ、繰り出される開閉装置の巻取軸構造に係り、例えば、火災等の災害発生時に巻取軸から繰り出されたシャッターカーテンで防災区画を形成する防災用シャッター装置や、シャッターカーテンで出入口等の開口部を開閉する開口部用シャッター装置等を含む各種のシャッター装置、防煙垂れ幕装置、防煙垂れ壁装置及びロールスクリーン装置等の開閉装置に利用できるものである。
下記の特許文献1には、巻取軸支持手段によって上向きに支持され、開閉体であるシャッターカーテンを巻き取り、繰り出すために正逆回転可能となっている巻取軸と、不動部材であるブラケットに固定されていてこの巻取軸を回転させるための駆動装置とを含んで構成されているシャッター装置が示されており、開閉装置となっているこのシャッター装置では、前記巻取軸の両端部が不動部材であるブラケットに固定されている。
特開2000−303762号公報(図1)
ところで、上述のシャッター装置においては、巻取軸の両端部がブラケットに固定されているため、シャッターカーテンの巻き取り、繰り出しによって巻取軸でのシャッターカーテンの巻径が変化することにより、巻取軸がこの巻径の変化に追随できないおそれがある。このため、巻取軸がシャッターカーテンの巻径の変化に追随できるようにするために、巻取軸の両端部のうちの少なくとも一方の端部を一定位置に固定しない自由状態とする方式を採用することが考えられる。これにより、シャッターカーテンの巻き取り、繰り出しによって巻取軸でのシャッターカーテンの巻径が変化しても、巻取軸が自由に上下動してこの巻径の変化に追随できるようになる。
しかし、この方式において、自由状態とする巻取軸の端部を駆動装置側の端部とした場合には、駆動装置がブラケットに固定されているため、この駆動装置と、巻取軸における自由状態となっている駆動装置側の端部との間で、上記巻径の変化に伴う芯ずれが生じるおそれがあり、これによると、駆動装置の駆動力が自由状態となっている巻取軸の端部へ伝達されず、シャッターカーテンの巻き取り、繰り出しを行えないおそれがある。このため、ブラケットに固定された駆動装置の駆動力を自由状態となっている巻取軸の端部に伝達できるようになる工夫が求められる。
本発明の目的は、巻取軸の自由状態側の端部に、不動部材に固定された駆動装置が配置されていても、駆動装置の駆動力を自由状態となっている巻取軸の端部に伝達できるようになる開閉装置の巻取軸構造を提供するところにある。
本発明に係る開閉装置の巻取軸構造は、巻取軸支持手段によって上向きに支持され、開閉体を巻き取り、繰り出すために正逆回転可能となっている巻取軸と、不動部材に固定されていて前記巻取軸を回転させるための駆動装置とを含んで構成されている開閉装置の巻取軸構造において、前記巻取軸は、この巻取軸の両端部のうちの少なくとも前記駆動装置側の端部が一定位置に固定されていない自由状態となっており、前記巻取軸と前記駆動装置とは、芯ずれ吸収手段を介して連結されていることを特徴とするものである。
本発明では、巻取軸が、この巻取軸の両端部のうちの少なくとも駆動装置側の端部が一定位置に固定されていない自由状態となっており、駆動装置が不動部材に固定されているが、巻取軸と駆動装置とは芯ずれ吸収手段を介して連結されているので、駆動装置と、巻取軸における自由状態となっている駆動装置側の端部との間で芯ずれが生じても、この芯ずれは芯ずれ吸収手段により吸収され、これにより、開閉体の巻き取り、繰り出しが行えるようになる。
このため、本発明によると、不動部材に固定された駆動装置の駆動力を自由状態となっている巻取軸の端部に伝達できるようになる。
なお、巻取軸を上向きに支持するための前記巻取軸支持手段は、例えば、ローラ等のように回転する部材で巻取軸を支持するものでもよく、あるいは、巻取軸と接触する箇所が平坦面や湾曲面等となっていて回転しない受け部材等で巻取軸を支持するものでもよく、さらには、回転部材と非回転部材の両方で巻取軸を支持するものでもよい。また、巻取軸支持手段は、巻取軸を支持する部材が巻取軸の円周方向の1箇所、例えば、巻取軸の真下に配置されたものでもよく、巻取軸の円周方向の複数個所に配置されたものでもよい。さらに、巻取軸の軸方向における巻取軸支持手段の個数は任意であり、1個でもよく、複数個でもよく、さらに、巻取軸の軸方向における巻取軸支持手段の長さも任意である。
また、駆動装置の駆動力を巻取軸の端部に伝達するための方式、構造は任意であり、例えば、駆動装置の駆動軸と巻取軸の端部とが前記芯ずれ吸収手段を介して連結されるものでもよい。あるいは、駆動装置を、巻取軸の直径方向にずれた位置に配置された駆動部と、この駆動部の駆動力を巻取軸に伝達するための無端走行部材を有する駆動力伝達手段とを含んで構成されるものとし、この駆動力伝達手段と巻取軸の端部とが芯ずれ吸収手段を介して連結されるものでもよい。なお、無端走行部材はチェーンでもよく、ベルト等でもよい。すなわち、上記駆動力伝達手段は、チェーン方式のものでもよく、ベルト方式のものでもよく、歯車の歯合方式のもの等でもよい。なお、駆動力伝達手段が歯車の歯合方式のものである場合には、歯車は平歯車でもよく、傘歯車等でもよい。
本発明において、巻取軸と駆動装置とは、1個の芯ずれ吸収手段を介して連結されるようにしてもよく、巻取軸の軸方向に直列に連結されている複数個の芯ずれ吸収手段を介して連結されるようにしてもよい。
後者の場合によると、駆動装置と、巻取軸における自由状態となっている駆動装置側の端部との間で大きな芯ずれが生じても、この大きな芯ずれを吸収することができる。
なお、後者の場合においては、芯ずれ吸収手段同士は、巻取軸の軸方向に伸縮可能となった伸縮手段を介して連結されていることがより好ましい。これによると、巻取軸の軸方向に直列に連結されている前記複数個の芯ずれ吸収手段が前記伸縮手段により前記軸方向に伸縮することで、発生した大きな芯ずれがより確実に吸収されるようになる。
ここで、伸縮手段の構造、形式は任意なものを採用することができ、例えば、スプライン嵌合でもよく、スライドキー結合等でもよく、芯ずれ吸収手段同士が巻取軸の軸方向に伸縮可能となるものであればよい。
本発明において、巻取軸の両端部のうちの少なくとも芯ずれ吸収手段を介して駆動装置に連結されている側の端部は、中空部を有していなくてもよく、中空部を有していてもよい。
前者の場合では、芯ずれ吸収手段は、巻取軸の両端部のうちの少なくとも芯ずれ吸収手段を介して駆動装置に連結されている側の端部から巻取軸の軸方向に突出して設けられることになり、芯ずれ吸収手段を含めた巻取軸の軸寸法は大きくなる。これに対して、後者の場合では、芯ずれ吸収手段は、巻取軸の両端部のうちの少なくとも芯ずれ吸収手段を介して駆動装置に連結されている側の端部が有する中空部に収納配置されるようにすることができるので、芯ずれ吸収手段を含めた巻取軸の軸寸法をより小さくすることができる。
このため、巻取軸の両端部のうちの少なくとも芯ずれ吸収手段を介して駆動装置に連結されている側の端部は、中空部を有し、芯ずれ吸収手段は、この中空部に収納配置されるようにすることがより好ましい。
以上の本発明において、芯ずれ吸収手段は、駆動装置側芯ずれ吸収手段であるが、巻取軸の両端部のうちの駆動装置に連結されていない側の端部も一定位置に固定されていない自由状態とした場合において、駆動装置に連結されていない側の前記端部には、不動部材に固定されていて巻取軸の回転を制動するための制動装置を連結してもよく、連結しなくてもよい。
前者の場合には、制動装置と、駆動装置に連結されていない側の前記端部とは、制動装置側芯ずれ吸収手段を介して連結されることが好ましい。一方、後者の場合には、駆動装置に連結されていない側の前記端部は、芯ずれ吸収手段を介して不動部材に連結するようにしてもよい。
開閉体の全開状態が維持されるべき状態、すなわち、開閉体を巻き取っている巻取軸の非回転状態が維持されるべき状態において、巻取軸の回転を阻止するための機構が作動しなくなった場合には、この巻取軸に巻き取られている開閉体が自重で巻取軸から繰り出される閉じ移動を開始し、この開閉体の閉じ移動速度は次第に速くなる。言い換えると、自重による開閉体の閉じ移動により、巻取軸の回転速度が次第に速くなる。
しかし、一定位置に固定されていない自由状態となっており、巻取軸の両端部のうちの駆動装置に連結されていない側の端部に、不動部材に固定されていて巻取軸の回転を制動するための制動装置を連結し、制動装置と、駆動装置に連結されていない側の前記端部とは、制動装置側芯ずれ吸収手段を介して連結することで、制動装置による制動力が、駆動装置に連結されていない側の前記端部に作用するようになる。
これにより、巻取軸の回転速度が減速されるので、この結果、開閉体が高速で閉じ移動することが防止される。
以上の本発明において、芯ずれ吸収手段の構造、形式等は任意であり、例えば、ユニバーサルジョイントでもよく、オルダムカップリングでもよく、ゴム・樹脂カップリング等のカップリング(軸継手)でもよく、また、ねじりコイルばねでもよく、さらには、2個の棒状部材の端部同士をゴムで連結したもの等でもよい。
以上の本発明において、前記巻取軸が、この巻取軸の軸方向に移動することを阻止するための巻取軸軸方向移動阻止手段と、前記巻取軸が、この巻取軸の軸方向と直交する方向又は略直交する方向であって上下方向と直交する方向又は略直交する方向である前後方向に移動することを阻止するための巻取軸前後方向移動阻止手段とを備えていることが好ましい。
これによると、巻取軸の両端部のうちの少なくとも駆動装置側の端部が一定位置に固定されていない自由状態となっていても、巻取軸が、この巻取軸の軸方向に移動したり、前後方向に移動したりすることを阻止することができ、たとえ巻取軸に予定外の外力が作用しても、巻取軸を前記巻取軸支持手段で上向きに支持された所定位置に維持させることができる。
ここで、巻取軸軸方向移動阻止手段は、任意な形式、構造のものを採用することができるが、その一例として、巻取軸と芯ずれ吸収手段とのうちの少なくとも一方に結合されたカラー部材と、不動部材に固定されていて前記巻取軸がこの巻取軸の軸方向に移動することにより前記カラー部材が当接するストップ部材とを含んで構成されているものを挙げることができる。
なお、この巻取軸軸方向移動阻止手段は、カラー部材を巻取軸の軸方向に付勢させるための軸方向付勢手段を備えていてもよく、備えていなくてもよい。
前者の場合によると、軸方向付勢手段により、カラー部材が巻取軸の軸方向に付勢されるため、ストップ部材を不動部材に固定する場合に、このストップ部材の配置位置を正確に決める必要がなくなる。
なお、カラー部材とストップ部材のうちの一方には、巻取軸の回転時にこのカラー部材とストップ部材との間で発生する摩擦を軽減するための摩擦軽減手段を設けることが好ましい。
これによると、カラー部材がストップ部材に常時当接していても、巻取軸が回転したときにカラー部材とストップ部材との間で生ずる摩擦を摩擦軽減手段によって軽減することができる。
この摩擦軽減手段は、ボールでもよく、ボールプランジャでもよく、ローラでもよく、摩擦力が小さい油性部材等でもよい。
なお、巻取軸軸方向移動阻止手段と巻取軸前後方向移動阻止手段は、これらの手段ごとにそれぞれ個別に用意された部材によって構成してもよく、あるいは、少なくとも一部の部材又は部分が共用化されたものとしてこれらの手段を構成してもよい。言い換えると、巻取軸軸方向移動阻止手段と巻取軸前後方向移動阻止手段は、個別の手段として構成してもよく、一部又は全体が共通化された手段として構成してもよい。
以上説明した本発明は、巻取軸がこの巻取軸の巻取軸支持手段によって上向きに支持されるものとなっているため、巻取軸の自重や開閉体の重量によって下側への撓む量が大きくなる長寸法の巻取軸を備えた大スパン用の開閉装置に主に有効に適用することができるが、本発明は、これに限らず、小スパン用の開閉装置等にも適用することができる。
本発明は、任意な開閉装置に適用することができ、すなわち、本発明が適用される開閉装置は、開閉体がシャッターカーテンになっているシャッター装置でもよく、開閉体が防煙垂れ幕となっている防煙垂れ幕装置でもよく、開閉体が防煙垂れ壁となっている防煙垂れ壁装置でもよく、開閉体がスクリーンとなっているロールスクリーン装置等でもよい。
また、本発明がシャッター装置に適用される場合には、そのシャッター装置は任意な用途のシャッター装置でよく、そのシャッター装置は、巻取軸から繰り出されたシャッターカーテンで防災区画を形成するための防災用シャッター装置(エレベータのためのものを含む)でもよく、シャッターカーテンで出入口や窓等の開口部を開閉する開口部用シャッター装置でもよく、さらに、車庫用シャッター装置でもよく、物置用シャッター装置でもよく、トラック等の車両の荷台に搭載される車搭用シャッター装置等でもよい。
さらに、本発明がシャッター装置に適用される場合には、そのシャッター装置は、巻取軸を回転させるための前記駆動装置を備えたシャッター装置となるが、本発明は、巻取軸の回転を駆動装置だけではなく手操作でも行える自動式と手動式の両方の機能を備えたシャッター装置にも適用でき、さらに、本発明は、前記駆動装置がシャッターカーテンを巻取軸に巻き取るときに巻取軸を回転させるために利用され、シャッターカーテンを繰り出すときの巻取軸の回転は、シャッターカーテンの自重やウエイト部材の自重等を利用して行われるシャッター装置等にも適用できる。
また、本発明において、巻取軸の構造、形式は任意である。すなわち、巻取軸は、1本の軸により又は複数の軸を直列的に連結することにより形成されたものでもよく、中心に配置された固定軸の外周に、開閉体を巻き取り、繰り出すための回転部材が回転自在に配置されたものでもよい。また、後者における回転部材は、固定軸の外周に回転自在に嵌合された複数個のホイールと、固定軸の軸方向に離間して配置されたこれらのホイール同士を連結するバー状等の連結部材とを含んで形成されたものでもよく、あるいは、これらのホイールと、これらのホイールの外周に固定嵌合されてホイール同士を結合するパイプ状部材とを含んで形成されたもの等でもよい。
また、本発明がシャッター装置に適用される場合には、そのシャッターカーテンは、全体又は略全体が複数のスラットで形成されたものでもよく、複数のパネルで形成されたものでもよく、シートで形成されたものでもよく、リンクで連結された複数のパイプで形成されたものでもよく、ネットで形成されたものでもよく、さらには、種類が異なる複数の部材の複合、例えば、スラットとシートのように、これらのうちの複数の複合で形成されたもの等でもよい。
さらに、シャッターカーテンが、例えば、シートで形成される場合には、このシートは、大面積の1枚のシート又は小面積の複数枚のシートを縫着することにより形成してもよく、あるいは、シャッターカーテンを、互いに端部同士が重ね合わせられて左右方向に分割状態で配置された複数枚のシートや、シャッターカーテンの厚さ方向に重ね合わせられた複数枚のシートによって形成してもよい。
本発明によると、巻取軸の自由状態側の端部に、不動部材に固定された駆動装置が配置されていても、駆動装置の駆動力を自由状態となっている巻取軸の端部に伝達できるようになるという効果を得られる。
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る巻取軸構造を有する開閉装置となっているシャッター装置の全体を示す正面図であって、一部を破断して示した図である。この図1に示されているように、開閉体がシャッターカーテン11となっているこのシャッター装置は、天井部材1によって室内空間2と区画されている天井裏空間3に水平又は略水平に配置されている巻取軸10から繰り出されるシャッターカーテン11により、室内空間2に防火、防煙のための防災区画を形成するための防災用シャッター装置となっている。
図1のS2−S2線断面図である図2に示されているように、上端が巻取軸10に結合されて巻取軸10に巻き取られているシャッターカーテン11は、天井部材1に配設されたまぐさ部材4に形成されているスリットを通って天井裏空間3から室内空間2に達しており、図1で示されている室内空間2における壁や柱等の建物躯体5に取り付けられている左右のガイドレール6にシャッターカーテン11の幅方向両端部である左右両端部がスライド自在に挿入されているため、これらのガイドレール6で案内されながらシャッターカーテン11は、巻取軸10の正逆回転による巻き取り、繰り出しによって上下方向に開閉移動する。シャッターカーテン11は、金属製の座板11Aを除く全部又は略全部が、耐火塗料を塗布及び/又は含浸させた耐火シートで形成されており、シャッターカーテン11の下降で座板11Aが室内空間2の床2Aに着床することにより、シャッターカーテン11は全閉となって上記防災区画を形成する。また、シャッターカーテン11の上昇で座板11Aがまぐさ部材4に達すると、シャッターカーテン11は全開となる。
図2で示されているように、天井裏空間3に存在する建物躯体7には、L字形の支持部材31が取り付けられ、図1で示されているように、この支持部材31は巻取軸10の長さ方向に複数設けられ、これらの支持部材31の図2で示す水平部31A同士には、巻取軸10の略全長の長さとなっているベース部材32が架設固定され、このベース部材32の上に、巻取軸10の下側に配置されていて、巻取軸10を上向きに支持する巻取軸支持手段33が配置されている。本実施形態に係る巻取軸支持手段33は、回転部材である2個のローラ34と、これらのローラ34を回転自在に保持しているローラ保持部材35とで構成され、2個のローラ34は巻取軸10に巻き取られているシャッターカーテン11に巻取軸10の円周方向に離れた2箇所で下側から当接している。このため、巻取軸支持手段33は、巻取軸10を、この巻取軸10の円周方向の2箇所において下から支持する手段となっている。
このような巻取軸支持手段33は、図1で示されているとおり、巻取軸10の長さ方向に複数個設けられている。このため、巻取軸10は、これらの巻取軸支持手段33により、巻取軸10の自重とシャッターカーテン11の重量とが支持された大スパン用のものとなっている。
また、シャッターカーテン11を巻き取り、繰り出すための巻取軸10の一方の端部となっている図1の右側の端部10Aには、中空部12が形成されており、この中空部12には、中子13が挿入配置され、この中子13は溶接により巻取軸10に結合されている。なお、中子13は、ビス等の止着具などで巻取軸10に結合してもよい。
図3には、巻取軸10の図1の右側の端部10Aの拡大図が示されている。図3に示すように、巻取軸10の端部10Aに形成されている中空部12には、2個のユニバーサルジョイント51,61が収納配置され、これらのユニバーサルジョイント51,61は、巻取軸10の軸方向に直列に連結されている。芯ずれ吸収手段となっているこれらのユニバーサルジョイント51,61のうちの一方のユニバーサルジョイント51は、2個のジョイント部材52,53と、これらのジョイント部材52,53同士を連結するための十字形のピン54とを有しており、他方のユニバーサルジョイント61も、2個のジョイント部材62,63と、これらのジョイント部材62,63同士を連結するための十字形のピン64とを有している。そして、ユニバーサルジョイント51のジョイント部材52には軸部材52Aが連結されており、この軸部材52Aは、中子13の貫通孔に挿通されて溶接により中子13に回転不能に結合されている。また、ユニバーサルジョイント61のジョイント部材63にも軸部材63Aが連結されている。
ユニバーサルジョイント61のジョイント部材62には、軸部材62Aが連結されており、この軸部材62Aはスプライン軸となっている。一方、ユニバーサルジョイント51のジョイント部材53には、筒部材53Aが連結されており、この筒部材53Aは、軸部材62Aが嵌合可能なスプライン溝が形成された中空部を有している。このため、筒部材53Aと軸部材62Aとは、スプライン嵌合で連結され、これにより、ユニバーサルジョイント51と61との間で回転力が伝達されるとともに、ユニバーサルジョイント51と61の連結部分であるスプライン嵌合部70は、巻取軸10の軸方向にスライド自在となっている。
このように、本実施形態では、ユニバーサルジョイント51と61は、巻取軸10の軸方向に伸縮可能の伸縮手段になっているスプライン嵌合部70を介して連結されている。
図1のS4−S4線断面図である図4に示されているように、天井裏空間3の前記建物躯体7には不動部材であるブラケット37が取り付けられ、ユニバーサルジョイント61のジョイント部材63に連結されている前記軸部材63Aは、このブラケット37に回転自在に挿通されて取り付けられており、このようにしてブラケット37に取り付けられている軸部材63Aのブラケット37から突出した軸端には、大径スプロケットホイール38が固定されている。
また、ブラケット37には、巻取軸10からこの巻取軸10の直径方向に離れた位置において、巻取軸10を回転させるための駆動装置となっている開閉機40が取り付けられ、ブラケット37に対して巻取軸10と同じ側に配置されているこの開閉機40の駆動軸40Aはブラケット37を回転自在に貫通しており、駆動軸40Aのブラケット37を貫通して突出した軸端に小径スプロケットホイール41が固定され、この小径スプロケットホイール41と大径スプロケットホイール38とに無端走行部材であるチェーン42が架け渡されている。これらの小径スプロケットホイール41と大径スプロケットホイール38とチェーン42とにより、開閉機40の駆動軸40Aからの回転駆動力を巻取軸10へ伝達するための駆動力伝達手段43が構成されている。そして、開閉機40は、電動モータとブレーキと調速機との組み合わせからなる。
図5には、巻取軸10の図1における左側の端部10Bの拡大図が示されている。この図5に示されているように、巻取軸10の左側の端部10Bは、天井裏空間3に存在する前記建物躯体7に結合されたブラケット等の不動部材に保持されておらず、一定位置に固定されていない。すなわち、細径の軸状となっているこの端部10Bは、非固定状態となっており、上下方向等に移動可能な自由状態となっている。
また、前述したように、巻取軸10の右側の端部10Aと、開閉機40の駆動軸40Aからの回転駆動力を巻取軸10へ伝達するための駆動力伝達手段43とは、直接連結されておらず、それぞれが芯ずれ吸収手段となっている2個のユニバーサルジョイント51,61を介して連結されているため、巻取軸10の右側の端部10Aも、非固定状態となっており、上下方向等に移動可能な自由状態となっている。
このため、本実施形態では、巻取軸10の両方の端部10A,10Bが、非固定状態となっていて、上下方向等に移動可能な自由状態となっている。
なお、図1に示すように、本実施形態では、巻取軸10がこの巻取軸10の軸方向に移動してシャッターカーテン11の幅方向端部の位置が左右のガイドレール6からずれたりすることを防止するために、巻取軸10がこの巻取軸10の軸方向に所定値以上に大きく移動することを阻止するための巻取軸軸方向移動阻止手段21が設けられている。
また、図1に示すように、本実施形態では、巻取軸10が前述した巻取軸支持手段33で上向きに支持されている所定位置から脱落したりすることを防止するため、巻取軸10がこの巻取軸10の軸方向と直交する方向又は略直交する方向であって上下方向と直交する方向又は略直交する方向、すなわち、前後方向に所定値以上に大きく移動することを阻止するための巻取軸前後方向移動阻止手段27,28,29が設けられている。
巻取軸軸方向移動阻止手段21は、図3で示されている巻取軸10の一方の端部である右側の端部10A側に配置されている2個のユニバーサルジョイント51,61のうち、開閉機40側に配置されている右側のユニバーサルジョイント61のジョイント部材63に連結されている軸部材63Aに結合されたカラー部材22と、前述した複数の支持部材31の水平部31A同士に架設固定された前記ベース部材32に立設されているストップ部材23と、図5で示されている巻取軸10の他方の端部である左側の端部10Bに結合されたカラー部材24と、前記ストップ部材23と同様に、前記ベース部材32に立設されているストップ部材25とを含んで構成されている。カラー部材22,24は共に円盤状の板材で形成されており、ストップ部材23,25は共に棒状の角材で形成されている。ストップ部材23は、巻取軸10の右側の端部10Aとは反対側からカラー部材22と対向しており、ストップ部材25は、巻取軸10の左側の端部10Bとは反対側からカラー部材24と対向している。
このため、巻取軸10等に巻取軸10の軸方向への成分を有する予定外の外力が作用し、この外力で巻取軸10が巻取軸10の軸方向に移動しても、カラー部材22,24がストップ部材23,25に当接することにより、巻取軸10の大きな移動が阻止される。
巻取軸前後方向移動阻止手段27,28は、図1で示されているように、上記ベース部材32に立設されている棒状の部材であり、巻取軸前後方向移動阻止手段27は、図2及び図3からわかるように、軸部材63Aの後側、すなわち、軸部材63Aと前記建物躯体7との間に配置されている。巻取軸前後方向移動阻止手段28も、図5からわかるように、巻取軸10の左側の端部10Bの後側、すなわち、巻取軸10の左側の端部10Bと前記建物躯体7との間に配置されている。
また、図1で示されている巻取軸前後方向移動阻止手段29は巻取軸10の軸方向に複数配置されており、この巻取軸前後方向移動阻止手段29は、図2で示されているように、建物躯体7から前方へ延びる前方延出部29Aと、この前方延出部29Aの下端から下方へ延び、建物躯体7とは反対側において巻取軸10と対向する下方延出部29BとからなるL字形になっており、この下方延出部29Bに、巻取軸10に巻き取られているシャッターカーテン11と前後方向に対向するローラ30が回転自在に取り付けられている。
このため、巻取軸10等に巻取軸10の前後方向への成分を有する予定外の外力が作用しても、これらの巻取軸前後方向移動阻止手段27,28と巻取軸前後方向移動阻止手段29のローラ30とにより、巻取軸10がこの巻取軸10の前後方向へ大きく移動することが阻止され、これにより、巻取軸10が前述した巻取軸支持手段33の2個のローラ34から落下することが阻止される。
なお、巻取軸前後方向移動阻止手段29のローラ30は、巻取軸10に巻き取られるシャッターカーテン11の巻径が最大となっても、このシャッターカーテン11と干渉することがないように、巻取軸10から前方へ大きな距離離れた位置に配置されている。また、上記予定外の外力によって巻取軸10が前方へ移動しても、シャッターカーテン11に接触する部材は回転自在のローラ30であるため、シャッターカーテン11の損傷を防止できる。
通常時のシャッターカーテン11は、図1で示した座板11Aがまぐさ部材4の位置に達している全開状態となっている。そして、このときには、開閉機40の前述したブレーキがオンとなっているため、巻取軸10は回転できない状態となっている。このように巻取軸10が非回転となっていて、シャッターカーテン11が全開状態になっているときに火災が発生し、この火災を検知した図示しないセンサからの信号が開閉機40を制御する制御装置に入力することにより、あるいは、防災用シャッター装置の定期点検時等において、作業者が図示しない手操作部材を操作することにより、開閉機40のブレーキがオフとなる。これにより、巻取軸10の回転を止めていたブレーキの制動力が消滅するため、巻取軸10は、座板11Aの重量を含むシャッターカーテン11の重量によって回転し、シャッターカーテン11が巻取軸10から下方へ繰り出されることによりシャッターカーテン11は全閉となる。このようにシャッターカーテン11が下方へ繰り出されるときの巻取軸10の回転速度は、開閉機40の前述した調速機で減速されるため、シャッターカーテン11は低速で下方へ繰り出される。
また、図示しないスイッチ装置を操作することにより、前記電動モータの回転軸となっている開閉機40の駆動軸40Aが駆動し、これにより、前述した小径スプロケットホイール41と大径スプロケットホイール38とチェーン42とによる駆動力伝達手段43を介して、巻取軸10はシャッターカーテン11の繰り出し時とは反対へ回転し、シャッターカーテン11は巻取軸10に巻き取られて上昇することになる。シャッターカーテン11が全開位置に達すると、これを検知した図示しない検知手段からの信号が前記制御装置に入力することにより、開閉機40の駆動軸40Aが停止するとともに、前記ブレーキはオンとなる。これにより、シャッターカーテン11は全開位置に停止する。
以上説明した本実施形態では、シャッターカーテン11の巻き取り、繰り出しによって巻取軸10でのシャッターカーテン11の巻径が変化し、この巻径の変化により、シャッターカーテン11が巻き取られている巻取軸10は、この巻取軸10を上向きに支持している巻取軸支持手段33に対して上下動することになる。このため、図4の不動部材となっているブラケット37に取り付けられている開閉機40、本実施形態では、開閉機40及び前記駆動力伝達手段43と、巻取軸10との間で上下方向の芯ずれが生じることになる。
しかし、本実施形態では、駆動力伝達手段43を構成する部材となっている前記大径スプロケットホイール38と、非固定状態となっている巻取軸10の右側の端部10Aとは、前述したように、巻取軸10の軸方向に直列に連結されていて、それぞれが芯ずれ吸収手段となっている2個のユニバーサルジョイント51,61を介して連結されているため、上記芯ずれをユニバーサルジョイント51,61によって吸収することができる。このため、ブラケット37に取り付けられている開閉機40の駆動軸40Aからの回転駆動力を巻取軸10の端部10Aに伝達できるようになる。
また、本実施形態では、巻取軸10の右側の端部10Aには中空部12が形成されており、この中空部12にユニバーサルジョイント51,61が収納配置されているため、巻取軸10の軸方向についてのこの実施形態に係る防災用シャッター装置の全体寸法を小さくすることができ、この防災用シャッター装置の小型化を図ることができる。
また、本実施形態では、2個のユニバーサルジョイント51,61は巻取軸10の軸方向に直列に連結されているため、前記芯ずれが大きくても、この芯ずれを充分吸収することができる。
さらに、2個のユニバーサルジョイント51,61は、巻取軸10の軸方向に伸縮可能の伸縮手段になっているスプライン嵌合部70を介して連結されているため、これらのユニバーサルジョイント51と61の間で上下方向等の大きなずれが生ずることが許容され、これにより、大きな芯ずれを一層確実に吸収することができる。
また、本実施形態の防災用シャッター装置は前述した巻取軸軸方向移動阻止手段21を備えているため、2個のユニバーサルジョイント51,61の連結部が伸縮手段となっているスプライン嵌合部70になっていても、このスプライン嵌合部70によって巻取軸10が巻取軸10の軸方向に大きく移動してしまうことを阻止することができる。
なお、本実施形態の巻取軸軸方向移動阻止手段21は、前述したように、図3で示されている2個のユニバーサルジョイント51,61のうちの右側のユニバーサルジョイント61のジョイント部材63に連結されている軸部材63Aに結合されたカラー部材22と、前記ベース部材32に立設されているストップ部材23と、図5で示されている巻取軸10の左側の端部10Bに結合されたカラー部材24と、ストップ部材23と同様に、ベース部材32に立設されているストップ部材25とを含んで構成されているが、巻取軸前後方向移動阻止手段は、以下のような構造にしてもよい。
すなわち、巻取軸軸方向移動阻止手段を、図3の右側のユニバーサルジョイント61のジョイント部材63に連結されている軸部材63Aに結合されたカラー部材22と、このカラー部材22を巻取軸10の軸方向の両側から挟むようにベース部材32に立設された一対のストップ部材とによって構成してもよく、あるいは、図5に示す巻取軸10の左側の端部10Bに結合されたカラー部材24と、このカラー部材24を巻取軸10の軸方向の両側から挟むようにベース部材32に立設された一対のストップ部材とによって構成してもよい。
これによると、巻取軸軸方向移動阻止手段を構成する部品点数を、前記実施形態よりも少なくすることができ、また、巻取軸軸方向移動阻止手段の設置作業を簡単化することができる。
図6は、本発明の別実施形態に係る巻取軸構造を有する開閉装置となっている防災用シャッター装置の全体を示す正面図であって、一部を破断して示した図である。なお、以下に説明する実施形態において、前述の図1〜図5に示した実施形態と同じ部材、装置等には同一符号を付し、これらについての説明は省略する。
図6に示すように、この実施形態では、巻取軸10における右側の端部10A側の構造は、前述の実施形態と同様の構造となっているが、本実施形態が前述の実施形態と大きく異なるのは、巻取軸10の回転を制動するための制動装置81が、巻取軸10の図6の左側の端部10C側に配置されていることである。この制動装置81は、天井裏空間3に存在する建物躯体7に取り付けられているために不動部材となっているブラケット80に固定されている。
図7には、巻取軸10の図6の左側の端部10Cの拡大図が示されている。この図7に示すように、前述の実施形態における巻取軸10の右側の端部10Aと同様に、巻取軸10の左側の端部10Cは、内部に中空部14が形成された筒状となっており、この中空部14に、巻取軸10の軸方向に直列に連結された2個のユニバーサルジョイント151,161が収納配置されている。
それぞれが芯ずれ吸収手段となっているこれらのユニバーサルジョイント151,161のうちの一方のユニバーサルジョイント151は、2個のジョイント部材152,153と、これらのジョイント部材152,153同士を連結する十字形のピン154とを有している。他方のユニバーサルジョイント161も、2個のジョイント部材162,163と、これらのジョイント部材162,163同士を連結する十字形のピン164とを有している。そして、ユニバーサルジョイント151のジョイント部材152には軸部材152Aが連結されており、この軸部材152Aは、巻取軸10の内部に固定された中子15の貫通孔に挿通されて溶接により中子15に結合されている。また、ユニバーサルジョイント161のジョイント部材163にも軸部材163Aが連結されている。
ユニバーサルジョイント161のジョイント部材162には、軸部材162Aが連結され、この軸部材162Aはスプライン軸となっている。一方、ユニバーサルジョイント151のジョイント部材153には、筒部材153Aが連結され、この筒部材153Aは、軸部材162Aが嵌合可能なスプライン溝が形成された中空部を有している。このため、筒部材153Aと軸部材162Aとは、スプライン嵌合で連結され、これにより、ユニバーサルジョイント151と161との間で回転力が伝達されるとともに、ユニバーサルジョイント151と161の連結部分であるスプライン嵌合部170は、巻取軸10の軸方向に伸縮可能となった伸縮手段になっている。
そして、ユニバーサルジョイント161のジョイント部材163に連結されている軸部材163Aは、前記ブラケット80を回転自在に貫通し、このブラケット80から突出した軸部材163Aの端部に制動装置81に接続されている。
この実施形態でも、巻取軸10の右側の端部10Aは、図3で示したユニバーサルジョイント51,61を介して前記駆動力伝達手段43に連結されている。このため、この実施形態において、ユニバーサルジョイント51,61は、開閉機40側芯ずれ吸収手段、言い換えると、駆動装置側芯ずれ吸収手段になっており、これに対して図7のユニバーサルジョイント151,161は、制動装置側芯ずれ吸収手段となっている。
そして、この実施形態の制動装置81は、例えば、シャッターカーテン11が全開となっていて、開閉機40の前述したブレーキがオンとなっているときに、駆動力伝達手段43を構成する図4のチェーン42が切れた場合等には、巻取軸10は、座板11Aの重量を含むシャッターカーテン11の重量によって大きな速度で回転し、シャッターカーテン11が巻取軸10から高速で下降するため、このシャッターカーテン11の高速の繰り出しを停止又は減速させるためのものである。
このため、制動装置81は、前記軸部材163Aに接続された回転部材と、この回転部材に一方の端部が回動自在に連結され、他方の端部が回転部材の内外径方向へ開閉移動自在となっている回動部材と、この回動部材の上記他方の端部を回転部材の内径方向へ常時引っ張っているばね等の弾性部材とを含んで構成されている。チェーン42が切れる等により、巻取軸10が座板11Aの重量を含むシャッターカーテン11の重量によって大きな速度で回転し始め、シャッターカーテン11が巻取軸10から高速で下降し始めたときには、回動部材は、上記弾性部材に抗して上記他方の端部が上記回転部材から外径方向へ開き移動する回動を上記一方の端部を中心に行うことになり、この回動により、回動部材は、この回動部材の外側に配置されている係止部材に係止し、又はこの回動部材の外側に配置されているドラムの内面に摩擦力をもって圧接するため、シャッターカーテン11の高速の繰り出しは停止又は減速される。
なお、この実施形態で用いる制動装置は、以上の制動装置81に限定されず、例えば、軸部材163Aに接続されたラチェットホイールの歯に爪部材が係合することにより、シャッターカーテン11の高速の繰り出しを停止させるものでもよく、あるいは、前記開閉機40のブレーキと同様に、軸部材163Aに接続された回転部材の外周面に摩擦部材が圧接することにより、シャッターカーテン11の高速の繰り出しを停止又は減速させるものでもよい。
この実施形態では、巻取軸10の図6及び図7の左側の端部10Cと、不動部材となったブラケット80に取り付けられた制動装置81とが連結されているが、この連結は、巻取軸10の図6の右側の端部10Aと前記駆動力伝達手段43との連結と同様に、2個のユニバーサルジョイント151,161を介して行われ、しかも、これらのユニバーサルジョイント151,161同士は、巻取軸10の軸方向に伸縮可能の伸縮手段になっているスプライン嵌合部170を介して連結されているため、制動装置側芯ずれ吸収手段となっているこれらのユニバーサルジョイント151,161とスプライン嵌合部170により、開閉機40側芯ずれ吸収手段となっているユニバーサルジョイント51,61とスプライン嵌合部70による前述した作用及び効果と同じ作用及び効果を期待することができる。
また、2個のユニバーサルジョイント151,161は、巻取軸10の左側の端部10Cに形成されている中空部14に収納されているため、巻取軸10に軸方向についてのこの実施形態の防災用シャッター装置の全体寸法を小さくすることができる。
図8は、巻取軸10がこの巻取軸10の軸方向に移動することを阻止するための巻取軸軸方向移動阻止手段についての別実施形態を示す図である。この実施形態では、それぞれが開閉機40側芯ずれ吸収手段となっている2個のユニバーサルジョイント51と61との連結部分であるスプライン嵌合部70の内部構造が、前述した実施形態とは異なる。
ユニバーサルジョイント51のジョイント部材53に連結されている筒部材53Aの中空部55に、ユニバーサルジョイント61のジョイント部材62に連結されているスプライン軸となっている軸部材62Aが挿入されているとともに、中空部55には、軸部材62Aにより予めばね力が蓄圧された状態となっているコイルばね71が配置されている。このため、ユニバーサルジョイント61は、コイルばね71により、X方向、言い換えると、巻取軸10の軸方向外側方向へ付勢されている。これにより、ユニバーサルジョイント61のジョイント部材63に連結されている軸部材63Aに結合されたカラー部材22もX方向へ付勢され、このカラー部材22が、ベース部材32に立設されているストップ部材23に常時当接するようになっている。なお、コイルばね71により、ユニバーサルジョイント51が結合されている巻取軸10は、X方向とは反対方向に付勢されることになる。これにより、巻取軸10の左側の端部10B側に配置されているカラー部材24もベース部材32に立設されているストップ部材25に常時当接するようになっている。
このようにこの実施形態では、ユニバーサルジョイント51のジョイント部材53に結合されている筒部材53Aに形成されている中空部55に配置されているコイルばね71が、カラー部材22をストップ部材23側へ付勢させるための軸方向付勢手段となっている。このため、ストップ部材23をベース部材32に立設する際、ストップ部材23の配置位置に誤差が生じたとしても、コイルばね71により、カラー部材22をストップ部材23に常時当接させることが可能となる。言い換えると、ストップ部材23をベース部材32に立設する際、ストップ部材23の配置位置を正確に決める必要がなくなる。
なお、この実施形態では、軸方向付勢手段は、2個のユニバーサルジョイント51,61同士の連結部分であるスプライン嵌合部70に配置されているコイルばね71であったが、カラー部材22をストップ部材23側へ付勢させることができるものであれば、軸方向付勢手段の原理、構造、配置場所等は任意である。例えば、巻取軸10の軸方向に長い圧縮コイルばねを、巻取軸10の中子13とカラー部材22との間に圧縮状態で介入させてもよい。
また、以上は、開閉機40側芯ずれ吸収手段である2個のユニバーサルジョイント51,61同士の連結部分のスプライン嵌合部70に軸方向付勢手段を配置した場合であったが、制動装置側芯ずれ吸収手段について説明した前述の図6及び図7で示した実施形態において、2個のユニバーサルジョイント151,161の連結部分のスプライン嵌合部170にも軸方向付勢手段を配置してもよい。
また、この実施形態では、図8に示すように、ストップ部材23におけるカラー部材22と対向する側には、凹部123が形成されており、この凹部123には、コイルばね124と金属製のボール125からなるボールプランジャ126が埋設されている。なお、このボールプランジャ126は、ボール125の一部が凹部123から常時突出し、この突出した部分が、カラー部材22に点接触するように配置されている。このため、ボールプランジャ126は、巻取軸10の回転時において、カラー部材22とストップ部材23との間で発生する摩擦を軽減するための摩擦軽減手段となっている。
このようにこの実施形態では、ストップ部材23にボールプランジャ126が配置されているため、ボールプランジャ126のボール125が、巻取軸10の回転時において、回転しながらカラー部材22に点接触することになり、これにより、カラー部材22とストップ部材23との間で発生する摩擦を軽減することができる。
なお、本実施形態では、摩擦軽減手段であるボールプランジャ126は、ストップ部材23に設けていたが、カラー部材22に設けてもよい。また、このような摩擦軽減部材は、図5〜図7で示したカラー部材24又はストップ部材25に設けてもよい。
図9は、開閉機40側芯ずれ吸収手段の別実施形態と、巻取軸前後方向移動阻止手段についての別実施形態とを示す図であり、図10は、図9のS10−S10線断面図である。なお、図9において、シャッターカーテン11は図面から省略されている。
この実施形態でも、図9で示すように、それぞれが開閉機40側芯ずれ吸収手段となっている2個のユニバーサルジョイント351,352が巻取軸10の軸方向の直列に連結されているとともに、これらのユニバーサルジョイント351,352は、巻取軸10の一方の端部10Aに形成されている中空部12に収納配置されている。また、一方のユニバーサルジョイント351は、2個のジョイント部材353,354と、これらのジョイント部材353,354同士を連結する十字形のピン356とを有し、他方のユニバーサルジョイント352は、2個のジョイント部材354,355と、これらのジョイント部材354,355同士を連結する十字形のピン357を有している。このため、この実施形態では、2個のユニバーサルジョイント351,352は、ジョイント部材354が共通の部材となって構成されている。
そして、ユニバーサルジョイント351のジョイント部材353には軸部材353Aが連結され、この軸部材353Aは、巻取軸10の内部に固定された中子13の貫通孔に挿通されて溶接により中子13に結合されている。また、ユニバーサルジョイント352のジョイント部材355にも軸部材355Aが連結され、この軸部材355Aは、前記開閉機40や前記駆動力伝達手段43が配置された不動部材となっている前記ブラケット37に回転自在に挿通されて取り付けられ、ブラケット37から突出した軸部材355Aの端部には、駆動力伝達手段43の構成部材となっている大径スプロケットホイール38が固定されている。
この実施形態によると、2個のユニバーサルジョイント351,352は、ジョイント部材354が共通の部材となって構成されるため、巻取軸10の軸方向についてのこれらのユニバーサルジョイント351,352の部分の寸法を小さくできる。
また、この実施形態によると、2個のユニバーサルジョイント351,352の間にはスプライン嵌合部等による伸縮手段が配置されていないため、軸部材355Aをブラケット37に、巻取軸10の軸方向に移動不能状態にして回転自在に挿入することにより、前述した巻取軸軸方向移動阻止手段を不要にすることができる。巻取軸10に図7で示した制動装置81を連結する場合においても、制動装置側芯ずれ吸収手段を2個のユニバーサルジョイント351,352と同様の手段とし、図7の軸部材163Aを制動装置81が取り付けられたブラケット80に、巻取軸10の軸方向に移動不能状態にして回転自在に挿入することにより、巻取軸軸方向移動阻止手段を不要にすることができる。
次に、この実施形態における巻取軸前後方向移動阻止手段について説明する。図9及び図10に示すように、天井裏空間3に存在する建物躯体7には、支持部材331が取り付けられており、この支持部材331は、図1の実施形態に係る支持部材31と同様に、巻取軸10の長さ方向に複数設けられている。それぞれの支持部材331は、図10に示すように、上下方向に延び、建物躯体7に結合された第1垂直延出部331Aと、この第1垂直延出部331Aの上端から前方へ水平方向に延びる第1水平延出部331Bと、この第1水平延出部331Bの先端から下方向に延びる第2垂直延出部331Cと、この第2垂直延出部の下端から後方へ水平方向に延びる第2水平延出部331Dとからなっている。なお、図10に示すように、第2水平延出部331Dの先端は、建物躯体7や第1垂直延出部331Aまで達しておらず、第2水平延出部331Dの先端と、建物躯体7や第1垂直延出部331Aとの間をシャッターカーテン11が通過するようになっている。
図9に示すように、支持部材331の第2水平延出部331D同士には、巻取軸10の略全長の長さとなっているベース部材32が架設固定され、このベース部材32の上に、巻取軸10の下側に配置されていて巻取軸10を上向きに支持する前記巻取軸支持手段33が配置されている。
図10に示すように、巻取軸10は、支持部材331を構成する第1垂直延出部331Aと、第1水平延出部331Bと、第2垂直延出部331Cと、第2水平延出部331Dとに囲まれて配置されている。そして、図示されていないが、シャッターカーテン11が全閉位置に達したときにおける第1垂直延出部331Aの巻取軸10側の面と、この第1垂直延出部331Aと対向する巻き残されたシャッターカーテン11を含む巻取軸10の外周面との間隔は、シャッターカーテン11の巻径を含む巻取軸10の直径よりも小さくなっている。また、シャッターカーテン11が全閉位置に達したときにおける第2垂直延出部331Cの巻取軸10側の面と、この第2垂直延出部331Cと対向する巻き取られたシャッターカーテン11を含む巻取軸10の外周面との間隔も、シャッターカーテン11の巻径を含む巻取軸10の直径よりも小さくなっている。
このため、巻取軸10等に巻取軸10の前後方向への成分を有する予定外の外力が作用しても、巻取軸10が第1垂直延出部331A又は第2垂直延出部331Cに当接し、これにより、巻取軸10が巻取軸支持手段33の2個のローラ34から落下することが阻止される。
このため、この実施形態では、巻取軸支持手段33を取り付け支持するための部材となっている支持部材331は、巻取軸10がこの巻取軸10の前後方向へ大きく移動することを阻止するための巻取軸前後方向移動阻止手段を兼ねたものとなっている。
なお、本実施形態では、巻取軸10が建物躯体7側へ回転することにより、シャッターカーテン11が下方へ繰り出されるようになっているため、ガイドレール6の配置位置をこれまでの実施形態よりも建物躯体7側に近づけることができ、これにより、防災用シャッター装置全体のコンパクト化を図ることができる。
本発明は、防災用シャッター装置等のように、開閉体を巻き取り、繰り出す巻取軸と、この巻取軸を回転させる駆動装置とを備えている開閉装置に利用することができる。
本発明の一実施形態に係る巻取軸構造を有する開閉装置となっている防災用シャッター装置の全体を示す正面図であって、一部を破断して示した図である。 図1のS2−S2線断面図である。 図1で示されている巻取軸の軸方向の両方の端部のうち、一方の端部である図1の右側の端部の拡大図である。 図1のS4−S4線断面図である。 図1で示されている巻取軸の軸方向の両方の端部のうち、他方の端部である図1の左側の端部の拡大図である。 別実施形態に係る巻取軸構造を有する防災用シャッター装置の全体を示す正面図であって、一部を破断して示した図である。 図6で示されている巻取軸の左側の端部の拡大図である。 巻取軸軸方向移動阻止手段の別実施形態を示す図である。 芯ずれ吸収手段と、巻取軸前後方向移動阻止手段についての別実施形態とを示す図であって、開閉体であるシャッターカーテンを省略して示した図である。 図9のS10−S10線断面図である。
符号の説明
10 巻取軸
10A 巻取軸の軸方向の両方の端部のうちの駆動装置側の端部
10B,10C 巻取軸の軸方向の両方の端部のうちの制動装置側の端部
11 開閉体であるシャッターカーテン
12,14 中空部
21 巻取軸軸方向移動阻止手段
22,24 巻取軸軸方向移動阻止手段を構成するカラー部材
23,25 巻取軸軸方向移動阻止手段を構成するストップ部材
27,28,29 巻取軸前後方向移動阻止手段
32 ストップ部材が固定される不動部材であるベース部材
33 巻取軸支持手段
37 開閉機が固定されている不動部材であるブラケット
40 駆動装置である開閉機
51,61,351,352 駆動装置側芯ずれ吸収手段となっているユニバーサルジョイント
70,170 伸縮手段であるスプライン嵌合部
71 軸方向付勢手段であるコイルばね
80 制動装置が固定されている不動部材であるブラケット
81 制動装置
126 摩擦軽減手段であるボールプランジャ
151,161 制動装置側芯ずれ吸収手段となっているユニバーサルジョイント
331 巻取軸前後方向移動阻止手段である支持部材

Claims (9)

  1. 巻取軸支持手段によって上向きに支持され、開閉体を巻き取り、繰り出すために正逆回転可能となっている巻取軸と、不動部材に固定されていて前記巻取軸を回転させるための駆動装置とを含んで構成されている開閉装置の巻取軸構造において、
    前記巻取軸は、この巻取軸の両端部のうちの少なくとも前記駆動装置側の端部が一定位置に固定されていない自由状態となっており、前記巻取軸と前記駆動装置とは、芯ずれ吸収手段を介して連結されていることを特徴とする開閉装置の巻取軸構造。
  2. 請求項1に記載の開閉装置の巻取軸構造において、前記芯ずれ吸収手段は複数個あり、これらの芯ずれ吸収手段は、前記巻取軸の軸方向に直列に連結されていることを特徴とする開閉装置の巻取軸構造。
  3. 請求項2に記載の開閉装置の巻取軸構造において、前記芯ずれ吸収手段同士は、前記軸方向に伸縮可能となった伸縮手段を介して連結されていることを特徴とする開閉装置の巻取軸構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の開閉装置の巻取軸構造において、前記巻取軸の両端部のうちの少なくとも前記芯ずれ吸収手段を介して前記駆動装置に連結されている側の端部は、中空部を有し、前記芯ずれ吸収手段は、この中空部に収納配置されていることを特徴とする開閉装置の巻取軸構造。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の開閉装置の巻取軸構造において、前記芯ずれ吸収手段は、駆動装置側芯ずれ吸収手段であり、前記巻取軸の両端部のうちの前記駆動装置に連結されていない側の端部も一定位置に固定されていない自由状態となっており、前記駆動装置に連結されていない側の前記端部には、不動部材に固定されていて前記巻取軸の回転を制動するための制動装置が連結されており、この制動装置と前記駆動装置に連結されていない側の前記端部とは、制動装置側芯ずれ吸収手段を介して連結されていることを特徴とする開閉装置の巻取軸構造。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の開閉装置の巻取軸構造において、前記芯ずれ吸収手段は、ユニバーサルジョイントであることを特徴とする開閉装置の巻取軸構造。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の開閉装置の巻取軸構造において、前記巻取軸が、この巻取軸の軸方向に移動することを阻止するための巻取軸軸方向移動阻止手段と、前記巻取軸が、この巻取軸の軸方向と直交する方向又は略直交する方向であって上下方向と直交する方向又は略直交する方向である前後方向に移動することを阻止するための巻取軸前後方向移動阻止手段とを備えていることを特徴とする開閉装置の巻取軸構造。
  8. 請求項7に記載の開閉装置の巻取軸構造において、前記巻取軸軸方向移動阻止手段は、前記巻取軸と前記芯ずれ吸収手段とのうちの少なくとも一方に結合されたカラー部材と、不動部材に固定されていて前記巻取軸がこの巻取軸の軸方向に移動することにより前記カラー部材が当接するストップ部材とを含んで構成されており、前記カラー部材を前記巻取軸の軸方向に付勢させるための軸方向付勢手段を備えていることを特徴とする開閉装置の巻取軸構造。
  9. 請求項8に記載の開閉装置の巻取軸構造において、前記カラー部材と前記ストップ部材のうちの一方には、前記巻取軸の回転時にこのカラー部材と前記ストップ部材との間で発生する摩擦を軽減するための摩擦軽減手段が設けられていることを特徴とする開閉装置の巻取軸構造。
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