JP2007283250A - オイルミストフィルター - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間使用しても目詰まりを起こし難く、メンテナンスが容易なオイルミストフィルターを提供する。
【解決手段】ハウジング3にSiC多孔体4が収容されており、SiC多孔体4の周囲は電気ヒータ5が巻かれている。ハウジング3の両端は流入管7及び流出管8が接続されている。SiC多孔体4は綿不織布を窒素ガス中で炭化した炭素質多孔体をパルスCVI法によってSiCをコーティングすることによって製造されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、エアコンプレッサから排出される空気等、オイルミストが存在する気体中のオイルミストをろ過しながら燃焼除去する、オイルミストフィルターに関する。
エアコンプレッサの設置箇所、厨房周辺、金属加工工場、食品揚げ物工場等、様々な場所においてオイルミストは発生し、作業環境を悪化させる。このため、従来からフィルターによって空気をろ過し、オイルミストを取り除くオイルミストフィルターが用いられている(特許文献1、2)。
特開2005−279629号公報 実開平6−45621号公報
しかし、上記従来のオイルミストフィルターでは、長時間の使用によってフィルターが徐々に目詰まりを起こし、圧力損失によって性能が低下してしまうという問題があった。このため、フィルターの性能が目詰まりによって低下するたびに、新品のフィルターと交換したり、フィルターを洗浄して目詰まりをなくしたりする必要があり、メンテナンスの煩わしさがあった。
本発明は、上記従来の問題に鑑みなされたものであり、長時間使用しても目詰まりを起こし難く、メンテナンスが容易なオイルミストフィルターを提供することを解決すべき課題としている。
発明者は上記従来のオイルミストフィルターの問題を解決するために、セラミックス多孔体をオイルミストフィルターとして用い、これを常時加熱しながらろ過を行うことにより、セラミックス多孔体に捕捉されたオイルミストを燃焼除去することを考えた。こうであれば、セラミックス多孔体の目詰まりを防止できるとともに、フィルターの交換作業も不要となる。
ところが、従来から用いられている、セラミックス粉体にバインダーを加えたスラリーをウレタンフォーム等に流し込んで成形体とし、これを焼結させたセラミックス多孔体では目が粗すぎるため、オイルミストの捕捉率が不十分となるおそれがある。このため、フィルターの厚さを厚くして捕捉率を上げることも考えられるが、圧力損失が大きくなり、ガスの通過が困難となってしまう。
そこで、発明者は空孔率が極めて高く、圧力損失が少ない材料である炭素質多孔体に注目した。そして、炭素質多孔体に耐熱性を付与するために、CVD法によってセラミックスをコーティングし、これを用いてオイルミストフィルターを製造することを考えた。しかしながら、通常のCVDの手法では、炭素質多孔体の内部までセラミックスをコーティングすることは困難である。このため鋭意研究を行った結果、CVI法を用いれば、炭素質多孔体の内部にまでセラミックスを均一にコーティングすることができ、圧力損失が小さく、常時加熱再生型のオイルミストフィルターに好適に用いることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、第1発明のオイルミストフィルターは、ハウジングに収容されたセラミックス多孔体と、オイルミストを含む気体を該セラミックス多孔体に供給するガス供給手段と、該セラミックス多孔体によって捕捉された該オイルミストを燃焼させるための加熱手段とを備え、前記セラミックス多孔体はCVI法によって炭素質多孔体にセラミックスがコーティングされていることを特徴とする。
特徴とする。
第1発明のオイルミストフィルターでは、ガス供給手段によってセラミックス多孔体にオイルミストを含むガスを供給しながら、加熱手段によってセラミックス多孔体を加熱することができる。これにより、オイルミストをセラミックス多孔体によって捕捉しながら、燃焼除去することができる。したがって、長時間使用してもセラミックス多孔体が目詰まりを起こし難く、メンテナンスが容易となる。
さらに、このセラミックス多孔体はCVI法によって炭素質多孔体にセラミックスがコーティングされている。CVI法とはCVD(Chemical Vapor Deposition)法の一種であり、多孔質のプリフォームを用意し、その空孔内部まで原料ガスを浸透させてCVDを行う手法である。CVI法によってプリフォームをセラミックスでコーティングすれば、目の細かいセラミックス多孔体を容易に製造することができる。このため、粒子状物質に対するフィルターの捕捉率を大幅に上げることができ、オイルミストフィルターの小型化を図ることができる。
ここで、CVI法の種類については特に限定はないが、等温等圧CVI法、強制CVI法、パルスCVI法等を用いることができる。パルスCVI法とはCVD法の一種であり、CVD法における反応圧力及び原料となるガスの導入・排出を周期的に行う方法をいう。この方法を炭素質多孔体に適用すれば、原料となるガスが炭素質多孔体の内部にまで導入・排出が繰り返されることになり、内部まで優れた膜厚の均一性を有するセラミックスのコーティング層が形成される。また、このパルスCVI法は析出速度が大きく、製造時間が短くなるため、セラミックス多孔体の量産化が容易となる。また、パルスCVI法は、等温等圧CVI法や強制CVI法において必要とされる、炭素質多孔体に原料ガスを流すためのシールが不要である点において好ましい方法である。
また、炭素質多孔体は活性炭や炭等に代表されるように、極めて空孔率が高い物質であるため、これにセラミックスをコーティングした多孔体も極めて空孔率が大きくなり、圧力損失が小さくなる。さらに、炭素質多孔体は、極めて小さな孔を有するものを容易に製造することができるため、炭素質多孔体が有する孔に沿ってセラミックスがコーティングされたセラミックス多孔体も、極めて小さな孔を有するものとなる。このため、粒子径の小さなオイルミストであっても十分に捕捉することが可能となり、オイルミストの捕捉率が高まる。さらには、炭素質多孔体に存在する孔は、セラミックスがコーティングされた分だけ小さくなるため、コーティング時間を調節することによって孔の大きさを調節することも可能となり、所望のセラミックス多孔体を容易に製造することができる。
ガス供給手段については特に限定はないが、被処理気体を圧縮ポンプによって供給したり、被処理気体に流れがある場合にはハウジングに配管を接続して被処理気体を導入したりすることなどが挙げられる。また、セラミックス多孔体を加熱するための加熱手段については特に限定はないが、ケイ化モリブデン等のセラミックやニクロム線等からなる電気式の発熱体をセラミックス多孔体の周りに配設すること等が挙げられる。
第2発明のオイルミストフィルターは、ハウジングに収容されたセラミックス多孔体と、オイルミストを含む気体を該セラミックス多孔体に供給するガス供給手段と、該セラミックス多孔体によって捕捉された該オイルミストを燃焼させるための加熱手段とを備え、前記セラミックス多孔体はCVI法により炭素質多孔体にセラミックスがコーティングされた後、該炭素質多孔体が燃焼除去されてなることを特徴とする。
すなわち、第2発明のオイルミストフィルターに用いられているセラミックス多孔体は、CVI法により炭素質多孔体にセラミックスがコーティングされた後、炭素質多孔体が燃焼除去されている。このため、第1発明のオイルミストフィルターに用いられているセラミックス多孔体と比べて空孔率が大きくなり、オイルミストを捕捉するための容量が増大する。このため、セラミックス多孔体の大きさを小さくすることができ、ひいてはオイルミストフィルターをより小型化することができる。
第1発明及び第2発明におけるセラミックス多孔体はバルク状であることが好ましい。ここでバルク状とは、内部においても略均質な塊状の形態をいい、例えば円柱状や角柱状などの形状をいう。こうであれば、オイルミストがセラミックス多孔体の中を通過する距離が長くなり、セラミックス多孔体に衝突して付着する確率が高くなる。このため、オイル等のミストの大きさがセラミックス多孔体の孔よりも小さくても、長い距離を通過中にどこかでセラミックス多孔体に衝突し、効率よく捕捉され、さらには加熱手段によって燃焼除去される。このため、大きな孔を有し、空孔率の高いセラミックス多孔体でもオイルミストの除去が可能となり、圧力損失の小さなセラミックス多孔体を使用することができる。また、バルク状であるため、機械的強度も強いものとなる。
第1発明及び第2発明における炭素質多孔体にコーティングされるセラミックスとしては、CVI法によってコーティングが可能であって、捕捉されたオイルミストを燃焼除去可能な程度の耐熱性及び耐酸化性を有しておればよい。このようなセラミックスとして、例えば炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。この中でも、炭化ケイ素は優れた耐熱性、耐酸化性及び耐腐食性を示すため、炭化ケイ素からなるセラミックス多孔体を用いれば、極めて耐久性に優れたオイルミストフィルターとすることができる。また、炭化ケイ素の熱膨張率は炭素の熱膨張率とほぼ同じ値であるため、炭素質多孔体に炭化ケイ素をコーティングした場合、加熱による歪で破損するおそれが少ない。
第1発明及び第2発明におけるセラミックス多孔体の空孔率は75〜96%であることが好ましい。ここで空孔率とは、セラミックス多孔体の嵩密度及び比重から算出したセラミックス多孔体が保有する空孔の割合をいう。空孔率がこの範囲にあれば、実用上支障ない程度の機械的強度を保ちつつ、圧力損失もそれほど大きくならない。このため、オイルミストを含む気体が流れる方向の長さを長くし、オイルミストがセラミックス多孔体に衝突する確率を高め、ミストの捕捉率を高めることができる。しかも、圧力損失も小さく、充分圧力に耐えうる強度を有することとなる。
第1発明及び第2発明における加熱手段はセラミックス多孔体に対して600°C以上に加熱されたゾーンの形成が可能とされていることも好ましい。加熱手段がセラミックス多孔体に対して600°C以上に加熱されたゾーンの形成が可能とされていれば、セラミックス多孔体を通過するガスが必ず600°C以上に加熱されたゾーンを通過することなり、確実にオイルミストを燃焼除去することができる。さらに好ましいのは、680°C以上のゾーンの形成が可能とされていることである。
また、第1発明及び第2発明における炭素質多孔体は、有機繊維が絡み合った多孔体を炭化してなることが好ましい。このような有機繊維が絡み合った多孔体としては、例えば綿等の植物繊維、羊毛などの動物性繊維、アクリル繊維等の合成繊維からなるフェルト、不織布、紙等が挙げられる。有機繊維が絡み合った多孔体には有機繊維間に大きな空隙が存在するため、これを炭化し、さらにCVI法によってセラミックスをコーティングしたセラミックス多孔体にも、大きな空隙が存在することとなり、圧力損失を極めて小さくすることができる。なお、このように大きな空隙が存在するセラミックス多孔体は、その空隙より小さなミストを捕捉できないと考えるかもしれないが、そのようなことはない。オイルミストは粘性があり、セラミックス多孔体の中を通過している最中に、その粘性によって容易にセラミックス多孔体と衝突して付着するからである。このため、CVI法によるSiCのセラミックスのコーティングを繊維間の空隙の多くを埋めるほど厚く行わず、嵩密度の小さなセラミックス多孔体としても、セラミックス多孔体のオイルミストを含む気体が流れる方向の長さを長くすれば、オイルミストを充分な捕捉率でトラップすることができ、しかも圧力損失も小さく、充分圧力に耐えうる強度を有することとなる。
さらには、セラミックス多孔体のオイルミストを含む気体が流れる方向の長さが10mm以上であり、細孔の最大径は20〜200μmであり、細孔の最小径は0.1〜20μmであることが好ましい。セラミックス多孔体のオイルミストを含む気体が流れる方向の長さが10mm以上であれば、その途中でオイルミストは確実にセラミックス多孔体に衝突して付着する。また、細孔の最大径が20〜200μm(さらに好ましくは30〜100μm)であれば、十分な捕捉率を確保することができる。また、細孔の最小径が0.1〜20μmであれば、圧力損失もそれほど大きくならない。
以下、本発明を具体化した実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
実施形態のオイルミストフィルターは、金属加工工場や食品揚げ物工場等の工場で発生するオイルミストを除去するためのものであり、図1に示すように、吸引ダクト90及び吸引ファン91を介して送られた空気中のオイルミストをろ過し、燃焼させるためのフィルター部1と、フィルター部1の燃焼状態を制御する制御部2とからなる。
フィルター部1は図2に示すように、ハウジング3内に円柱型のSiC多孔体4が収容されており、SiC多孔体4の周囲には電熱ヒータ5が配設されており、さらにその周囲は断熱材9a、9b、9cによって囲まれている。また、SiC多孔体4の両端はアルミナリング4a、4bによって固定されている。SiC多孔体4の軸方向の中央外周には温度センサ6が当接して設置されている。電熱ヒータ5及び温度センサ6は、図1に示す制御部2に接続されている。ハウジング3の両端には流入管7及び流出管8が断熱ガスケット3a、3bを介して接続されており、流入管7は図1に示すエアコンプレッサ90に接続されている。
SiC多孔体4はパルスCVI法によって、以下のように製造した。なお、パルスCVI法以外のCVI法(例えば等温等圧CVI法や強制CVI法)を用いて製造することも可能である。
<型工程>
長方形に切り出した綿不織布(あるいは綿製厚布)を巻いて円筒状にし、フェノールレジンのエタノール5質量%溶液に浸漬した後乾燥させて、図3に示す円筒形のセルロース型10aとした。
なお、セルロース型の別の製造方法として、(1)綿不織布を円盤状に切り出し、複数個を重ね合わせた後、フェノールレジン溶液に浸漬した後乾燥させる方法や、(2)セルロースパルプを水に分散し、さらにフェノールレジン溶液を加え、円筒形の石膏型内に注入し、水分を吸収した後、形抜きし、乾燥させて円筒形のセルロース型としてもよい。
<炭化工程>
次に、型工程で得られたセルロース型10aを雰囲気炉の中に入れ、窒素雰囲気下において1000°Cで4時間の加熱を行う。そして、雰囲気炉を冷却した後、セルロース型10が炭素質多孔体となった炭化成形型を取り出す。こうして得られた炭化成形型の空孔率は93.3%と極めて高いものであった。
<コーティング工程>
さらに、図4に示すパルスCVI装置を用いて炭化成形型に炭化ケイ素をコーティングする。このパルスCVI装置には、反応容器11が備えられており、反応容器11の外側には電気ヒータ12が近接して設けられている。また、反応容器11の下端には各種ガスを導入するための導入管11aと、反応容器11内部のガスを排気するための排気管11bとが取り付けられている。導入管11aは電磁弁13及びガス混合機14を介して流量計15a、15b、15cに接続されており、流量計15a、15bは、さらに図示しない水素ガスボンに接続され、流量計15cは大気側に開放されている。流量計15aとガス混合機14との間には、内部にメチルトリクロロシランが入れられ、温度調節することが可能な飽和器16が設けられており、水素ガスボンベからの水素の供給によりメチルトリクロロシランのバブリングが可能とされている。排気管11bは電磁弁17、真空ポンプ18を介してガス洗浄器19に接続されている。電磁弁13、17、ガス混合機14、真空ポンプ18及び電気ヒータ12は、図示しない制御装置によって制御可能とされている。
このパルスCVI装置を用いて、炭化工程で得られた炭化成形型に対して次のようにして炭化ケイ素のコーティングを行う。すなわち、反応容器11を外し、炭化工程で得られた炭化成形型を載置し、再び反応容器11を被せる。そして、制御装置によって電磁弁13を閉じ、電磁弁17を開けて真空ポンプ18を駆動し反応容器11内部の圧力を1KPa以下とした後、電気ヒータ12により、反応容器11の内部の温度を1000°Cとする。さらに電磁弁17を閉じ、電磁弁13を開け、水素ガス及びメチルトリクロロシランを含む水素ガスをガス混合機14により混合してメチルトリクロロシランの濃度を約4%とした後、減圧下で反応容器11内に導入する。その後、反応容器11の排気とガス導入とを2〜4秒/サイクルの間隔で5000〜15000回繰り返す。こうして、パルスCVI法により、炭化成形型に対し炭化ケイ素のコーティングを行った後、電気ヒータ12による加熱を停止し、反応容器11を外して炭化成形型に炭化ケイ素がコーティングされたSiC多孔体(径50mm、長さ90mmの円柱型)を得た。
空隙率測定
こうして得られたSiC多孔体の空隙率を測定した結果を表1に示す。この表から分かるように、パルス数5000では空隙率が91%であり、パルス数が15000においても空隙率は89%以上あり、極めて空隙率が高いことが分かった。
細孔分布測定
また、上記表1の試料1-1及び試料2についてポロシメータにて細孔分布を測定した。その結果、表2に示すように、サブミクロンオーダーの細孔から数十ミクロンの広い範囲にわたって細孔が分布していることが分かった。
電子顕微鏡観察
また、上記のようにして得られたSiC多孔体及び炭化工程で得られた炭化成形型について、走査型電子顕微鏡による断面観察を行った。
その結果、炭化工程で得られた炭化成形型(図7及び図8参照)は、原料となった綿製の不織布(図5及び図6参照)と同様、繊維が絡まった多数の隙間を有する構造が認められ、ほぼ綿不織布の形態を保っていることが分かった。また、この炭化成型形に対してパルスCVI法によってSiCをコーティングしたSiC多孔体は、図9及び図10に示すように、繊維状の炭化物の表面にSiCの結晶が緻密かつ均一にコーティングされており、炭化成形型よりも太くなっていることが分かった。繊維の太さについては、パルスCVI法におけるパルス回数を制御する等、条件を適宜選択することによって、容易に制御することができ、これによって空孔率も容易に制御できる。また、コーティングは、SiC多孔体の内部まで均一かつ緻密になされていた。
こうして得られたSiC多孔体4を図2に示すように、ハウジング3の内部にセットし、
制御部2(図1参照)で温度センサ6の温度が700°Cとなるように電気ヒータ5を制御する。これにより、SiC多孔体4の中央部分には約700°Cのゾーンが形成され、ここで、オイルが炭化した粒子が焼却除去される。
このSiC多孔体4は極めて空孔率が高く、さらには上記表2に示すように、サブミクロンオーダーの細孔から数十ミクロンの広い範囲にわたって細孔が分布しているため、長さが90mmと長いにもかかわらず、圧力損失は極めて小さい(ターボブロワーにて送風し、ブロワーの入口及び出口の圧力を及び風速センサで風速を測定し、圧力損失を測定したところ、僅かに2KPa程度であった)。また、セラミックス多孔体の長さが90mmと長いため、繊維間に大きな空隙があるにもかかわらず、被処理ガス中のオイル等のミストはこのSiC多孔体4中を長い距離の移動をする間に繊維に衝突し、除去される。さらには、サブミクロンオーダーの細孔によって捕捉もされる。このため、オイル等のミストの大きさが繊維間の空隙よりも小さくても、効率よく除去することができる。
この発明は、上記発明の実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
オイルミストフィルターのブロック図である。 オイルミストフィルターの模式断面図である。 セルロース型の模式断面図である。 パルスCVI装置の模式図である。 綿不織布の走査形電子顕微鏡写真(100倍)である。 綿不織布の走査形電子顕微鏡写真(1000倍)である。 綿不織布炭化物の走査形電子顕微鏡写真(100倍)である。 綿不織布炭化物の走査形電子顕微鏡写真(1000倍)である。 CVI法によるSiCコーティング後の綿不織布炭化物の走査形電子顕微鏡写真(100倍)である。 CVI法によるSiCコーティング後の綿不織布炭化物の走査形電子顕微鏡写真(1000倍)である。
符号の説明
3…ハウジング
4…セラミックス多孔体
7、8…ガス供給手段(7…流入管、8…流出管)
5…加熱手段(電気ヒータ)

Claims (8)

  1. ハウジングに収容されたセラミックス多孔体と、オイルミストを含む気体を該セラミックス多孔体に供給するガス供給手段と、該セラミックス多孔体によって捕捉された該オイルミストを燃焼させるための加熱手段とを備え、
    前記セラミックス多孔体はCVI法によって炭素質多孔体にセラミックスがコーティングされていることを特徴とするオイルミストフィルター。
  2. ハウジングに収容されたセラミックス多孔体と、オイルミストを含む気体を該セラミックス多孔体に供給するガス供給手段と、該セラミックス多孔体によって捕捉された該オイルミストを燃焼させるための加熱手段とを備え、
    前記セラミックス多孔体はCVI法により炭素質多孔体にセラミックスがコーティングされた後、該炭素質多孔体が燃焼除去されてなることを特徴とするオイルミストフィルター。
  3. 前記セラミックス多孔体はバルク状であることを特徴とする請求項1又は2記載のオイルミストフィルター。
  4. 前記セラミックスは炭化ケイ素であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のオイルミストフィルター。
  5. 前記セラミックス多孔体の空孔率は75〜96%とされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載のオイルミストフィルター。
  6. 前記加熱手段はセラミックス多孔体に対して600°C以上に加熱されたゾーンの形成が可能とされていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載のオイルミストフィルター。
  7. 前記炭素質多孔体は有機繊維が絡み合った多孔体を炭化してなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項記載のオイルミストフィルター。
  8. 前記セラミックス多孔体はオイルミストを含む気体が流れる方向の長さが10mm以上であり、細孔の最大径は20〜200μmであり、細孔の最小径は0.1〜20μmであることを特徴とする請求項7記載のオイルミストフィルター。
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