JP2007282591A - スタスミンチップ及びこれを用いたスタスミン結合タンパク質の検出方法 - Google Patents

スタスミンチップ及びこれを用いたスタスミン結合タンパク質の検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
本発明は、タンパク質−タンパク質間相互作用を網羅的に解析するための手段を提供することを課題とするものであり、特に、プロテオーム解析において重要となる「細胞がある状態で特異的に発現しているタンパク質」を正確かつ効率的に検出する方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
上記課題の解決手段として、チューブリン結合タンパク質として知られるスタスミンを本体とし、その両末端にヒスチジンタグとシステインタグを含む人工タンパク質からなるチップを提供する。ヒスチジンタグはNiと結合する性質を利用してチップの精製に用い、システインタグは表面にマレイミド基を露出させたマレイミド基板に特異的に結合する性質を利用してチップの固定化に用いるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、タンパク質−タンパク質間相互作用を検出するための方法に関し、詳しくは、スタスミンを有効成分とし、システインタグ(本出願において「システインタグ」とは、数残基の、好ましくは5または6残基のシステインからなるオリゴペプチドであって、タンパク質のN末端またはC末端にペプチド結合によって結合したものを指す)とヒスチジンタグ(本出願において「ヒスチジンタグ」とは、数残基の、好ましくは5または6残基のヒスチジンからなるオリゴペプチドであって、タンパク質のN末端またはC末端にペプチド結合によって結合したものを指す)を含むタンパク質チップを用い、スタスミンが特定のタンパク質と結合する性質を利用して、スタスミン結合性タンパク質(スタスミンに結合する性質をもったタンパク質)を検出する方法に関する。
2003年にヒト染色体の全ゲノム配列が解読されて以来、次の課題として、ゲノムを構成する全遺伝子の産物である全タンパク質(プロテオーム)の網羅的かつ系統的な解析がスタートした。この解析はプロテオミクスと呼ばれ、ゲノムを構成する全遺伝子の発現を解析するとともに、その産物である全タンパク質の分離同定と定量解析を行い、それらの局在や翻訳後修飾を明らかにする「発現プロテオミクス」と、ゲノムを構成する遺伝子の産物であるタンパク質全ての機能を明らかにする「機能プロテオミクス」の2つの戦略が挙げられる。
プロテオミクスの流れとしては、(1)細胞、組織からタンパク質を抽出し、(2)タンパク質の分離・同定・定量を行い、(3)タンパク質の構造と機能を解析することで、(4)バイオインフォマティクスを利用して解析結果をデータベース化したり、創薬・早期診断など医療現場に応用することなどが考えられる。
この様な網羅的で総合的な生命現象の解析においては、ある細胞がある状態において特異的に発現している産物を検出することが重要である。遺伝子解析の分野では、マイクロアレイ技術を用い、細胞がある状態に特異的に発現している遺伝子を検出する方法が採られている。遺伝子のマイクロアレイにおいては、プローブとなる遺伝子産物を基板上に固定し、これに解析対象の細胞から抽出した遺伝子産物を結合させて化学発光や発色などの手法で検出する。
タンパク質解析分野においても、マイクロアレイと同様にタンパク質−タンパク質間相互作用を利用して、細胞がある状態で特異的に発現するタンパク質を検出する手法も有効である。この課題の解決手段として、従来、抗原抗体反応を利用したタンパク質の特異的検出方法が採られてきた。ここでプローブとなるタンパク質を基板上などに固定化する技術としては、プロテインAなどを介して抗体を担体と結合させる方法や、ヒスチジンがニッケルと結合する性質を利用し、ヒスチジン数残基からなるタグをプローブとなるタンパク質に結合し、表面にニッケルを露出させた基板や担体を用いた「ヒスチジンタグ」などが開示されている(特許文献1−4,非特許文献1−3)。
これまでの手法はいずれも、個々のタンパク質をターゲットとし、これを特異的に検出するといった手法が中心であったが、プロテオミクスを進めるためには、数多の発現タンパク質を種々の性質に従って「ふるいにかける」ことを可能とする様なプローブの開発が待たれていた。
特開2005−035891 タンパク質精製デバイスおよびタンパク質の精製方法 特開2005−164388 タンパク質チップおよびそれを用いたバイオセンサー 特開2005−172637 ポリペプチドとレセプターとの相互作用を検出する方法、該検出する方法を用いてリガンドまたはリガンド変異体をスクリーニングする方法および該検出する方法を用いる診断方法 特開2005−512019 プロテオームチップを用いるタンパク質活性の包括的分析 Janknecht R.et al.(1991) Proc.Natl.Acad.Sci.USA.88(20):8972−6. Olsen J.V.et al.(2004) Mol Cell Proteomics 3(1):82−92. MacBeath G.et al.(1999) J.Am.Chem.Soc.121:7967.
本発明は上述の現状に鑑み、タンパク質−タンパク質間相互作用を網羅的に解析するための手段を提供することを目的とするものであり、特に、プロテオーム解析において重要となる「細胞がある状態で特異的に発現しているタンパク質」を正確かつ効率的に検出する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記視点からタンパク質の網羅的な発現解析を行う中で、チューブリン結合タンパク質として発見されたスタスミン(Stathmin)に着目し、このタンパク質が上記課題を解決するためのプローブとなりうる事実を見出して、本発明を完成した。スタスミンは、様々な細胞外刺激を細胞内で伝達するとともに、細胞増殖に必要な細胞分裂に関わる微小管形成などを調節する極めて重要なリン酸化タンパク質の一種であり、中枢神経の発生や形態形成に重要な役割を果たすことやヒトの白血病細胞で特異的に増加するなど、種々の条件下で異なった調節的役割を演じる事が報告されている。また、細胞内で複数のタンパク質と特異的に結合し、「タンパク質クラスター」を形成することも明らかにされてきている。しかしこれまでは、スタスミンが形成する「タンパク質クラスター」を網羅的に解析する手段が無く、特に超微量で定量解析するためのチップ技術の開発が待たれていた。すなわち本発明は、システインタグを利用し、スタスミンを有効成分とするタンパク質検出用のチップを提供し、またこのチップを用いたスタスミン結合タンパク質の検出方法を提供するものである(図1参照)。
本発明の第1の態様は、スタスミンを有効成分とする、タンパク質検出用チップを提供する。
本発明の第2の態様は、スタスミンと、スタスミンの一方の末端に結合したシステインタグを含むポリペプチドで構成される、請求項1に記載のスタスミン結合性タンパク質の検出用チップを提供する。
本発明の第3の態様は、スタスミンと、スタスミンの一方の末端に結合したシステインタグと、システインタグと反対側の末端に結合したヒスチジンタグを含むポリペプチドで構成される、請求項1に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップを提供する。
本発明の第4の態様は、スタスミンと、スタスミンに結合した検出用の蛍光タンパク質と、C末端側に結合したシステインタグと、N末端側に結合したヒスチジンタグを含むポリペプチドで構成される、請求項3に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップを提供する。
本発明の第5の態様は、検出用の蛍光タンパク質がGFPまたはEGFPである、請求項4に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップを提供する。
本発明の第6の態様は、アミノ酸配列が配列番号1に示す配列かまたはこの一部のアミノ酸を置換して得られる配列であって、N末端側からヒスチジンタグ、EGFP、スタスミン、システインタグの順にペプチドが結合した、スタスミン結合性タンパク質検出用チップを提供する。
本発明の第7の態様は、請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップをコードしたDNAを提供する。
本発明の第8の態様は、塩基配列が配列番号3に示す配列かまたはこの一部の塩基を置換して得られる配列よりなる、スタスミン結合性タンパク質検出用チップをコードしたDNAを提供する。
本発明の第9の態様は、請求項7または請求項8に記載のDNAを組み込んだ発現ベクターを提供する。
本発明の第10の態様は、請求項3から請求項6のうちいずれか1項に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップを精製する方法であって、ヒスチジンタグがNiに結合する性質を利用することを特徴とする、スタスミン結合性タンパク質検出用チップの精製方法を提供する。
本発明の第11の態様は、請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載のチップを利用した、スタスミン結合タンパク質の検出方法を提供する。
本発明の第12の態様は、表面にマレイミド基を露出させた基板をチップの担体とし、システインタグがマレイミド基に共有結合で固定化されることを特徴とする、請求項11に記載のスタスミン結合タンパク質検出方法を提供する。
本発明を利用する事により、スタスミンと結合するタンパク質を効率的に検出するためのデバイスを利用することが可能となり、また、このデバイスを用いたスタスミン結合タンパク質の網羅的解析、ひいては細胞内シグナル伝達機能の新たな解析が可能となる。特にスタスミンはがん細胞で発現が亢進していることから、本発明を利用してスタスミンと結合するタンパク質を検出しこれを解析することは、細胞のがん化など細胞増殖に関する疾患の病体解明や治療に対して極めて大きな意義を持つものである。
以下に本発明を実施するための最良の形態を述べる。本発明の第1の態様は、スタスミンを有効成分とし、スタスミンが特定のタンパク質と結合する性質を利用した、スタスミン結合性タンパク質検出用チップを提供する。スタスミンはチューブリン結合タンパク質として発見されたが、本発明者らによって種々のタンパク質と様々な相互作用を行うことが明らかになりつつあり、特に細胞のがん化とも関連が指摘されている。本発明は、このスタスミンをプロテオーム解析における特異的タンパク質検出用のデバイスとして利用するものであり、これは細胞のがん化機構などの解明やがんの診断法・治療法の開発に道を拓くものである。
本発明の第2から第6の態様では、前記第1の態様に記載のチップにおいて、チップを構成するタンパク質が、スタスミンと、基板などに固定するために用いるシステインタグと、チップを標識するために用いる蛍光タンパク質(例えばGreen Fluorescence Protein=GFPまたはこれを一部改変して得られたEGFPなど)と、大量発現系などで生産したチップを精製するためのヒスチジンタグより構成される、スタスミン結合性タンパク質検出用チップを提供する。本発明におけるスタスミン結合性タンパク質検出用チップは、複数の領域を持つ人工タンパク質であって、検出用の本体であるスタスミンを中心に、一方の末端、好ましくはC末端側にシステインタグを含み、好ましくはスタスミンに隣接して(数残基のアミノ酸を間に挟むなどして)、これと立体障害を起こさず蛍光標識を可能とする蛍光タンパク質を含み、システインタグと反対側の末端(好ましくはN末端側)にヒスチジンタグを含んだタンパク質であって、更に好ましくは、配列番号1に示すアミノ酸からなり、N末端側から、ヒスチジンタグ、EGFP、スタスミン、システインタグの順に並んだ人工タンパク質である(図1、図3参照)。
本発明の第7から第9の態様においては、本発明の第1から第6の態様に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップをコードしたDNA、並びに前記DNAを組み込んだ発現ベクターを提供する。本発明のチップはまず、各タンパク質領域をコードしたDNAの塩基配列として設計され、好ましくは配列番号3に記載の塩基配列からなるDNAとして設計される。本発明の実施に当たっては、このDNAをベクター中に組み込み、大腸菌等を用いて大量発現させ、発現産物を回収して精製を行い、これを基板上に固定化して利用すれば良い。ここにおいて、発現させるためのベクターの種類(プラスミドベクターやウィルスベクター)は、大量発現に用いる細胞(例えば大腸菌)内で大量発現を可能にするものであればどの様なものでも良く、何ら本発明を限定するものでは無い。大量発現に用いる細胞も、細菌、真菌類、酵母等通常の大量発現系で用いられる生物であれば問題なく、本発明を限定するものでは無い。
本発明の第10の態様においては、請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップを精製する方法を提供する。上述の通り本発明のチップは、好ましくは精製のためにヒスチジン数残基(好ましくは5または6残基)よりなるヒスチジンタグを含んでいる。大腸菌などにチップとなるタンパク質を大量発現させた際、それを効率的に精製回収することが必要となるが、本態様では精製に、ヒスチジンがNiと結合する性質を利用したヒスチジンタグを用いる。例えば大量培養した大腸菌を適当な処理液で溶解し、溶液をNiビーズに懸濁させるかまたはNiカラムを通すことによって、ヒスチジンタグを含むチップタンパク質を吸着させ、洗浄などで他の余分なタンパク質を除去し、その後ヒスチジンとNiとの結合を切り離すような処理(例えば、Imidazole処理など)を行うことによって、ヒスチジンタグを持つチップタンパク質を濃縮・精製することができる。これにより、大腸菌などが産生したチップタンパク質を効率的に精製することが可能となる。
本発明の第11、12の態様においては、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のチップを利用した、スタスミン結合タンパク質の検出方法を提供する。マイクロアレイ的手法を用いてタンパク質の検出を行う際には、担体にプローブを固定することが必要となるが、本発明においては、その固定化のためにシステインタグを用いる(図2参照)。DLC(Diamond−Like Carbon)などでコートしたガラス板などの上にマレイミド基を露出させたマレイミド基板を作製し、精製したチップのシステインタグとマレイミド基とを反応させて共有結合で固定化し、これを検出用のチップとして対象となる細胞から抽出したタンパク質を反応させるというものである。本発明の利用により、例えば、A,Bそれぞれ異なる状態にある細胞から全タンパク質を抽出し、これを前記チップに反応させることで、A状態においてスタスミンと結合するタンパク質群、B状態においてスタスミンと結合するタンパク質群がそれぞれ得られ、これを比較するといった解析が可能となる。担体の材質などは、マレイミド基板を結合して露出させられるものであれば何でも良く、例えばガラス基板、シリコンコートしたダイヤモンド基板、DLCでコートしたガラス基板などが挙げられるが、これらはいずれも本発明を限定するものでは無い。
(タグ付きスタスミン発現ベクターの構築) システイン−ヒスチジンのダブルタグ付きスタスミンを作製するため、大腸菌用スタスミン発現ベクターを構築した。図3a上段に示すダブルタグ付きEGFP(改変型GFP)発現ベクターを作製し、これをもとにEGFP遺伝子と5残基のシステインをコードする領域の間に読み枠を合わせ、図3a下段の様にスタスミン遺伝子を組み込んだ。このベクター(6×His−EGFP−Stathmin−5×Cys)がコードするタンパク質は図3b下段の様にN末端部から順番に6残基のヒスチジン、EGFP、スタスミン、5残基のヒスチジンから構成される融合(リコンビナント)タンパク質であり、分子量の理論値は45kDaであった。対照として用いるダブルタグ付きGFP(図3b上段)の分子量の理論値は26kDaであった(配列番号1−4参照)。
(スタスミンチップの作製と精製−50mlスケール) 上述の方法で作製したタグ付きスタスミン発現ベクターを大腸菌BL21株にて発現させた。発現プラスミドを保有した大腸菌BL21株をアンピシリン50μg/ml入り(以下Amp50と略す)LB平板培地にて1晩、37℃にて培養し、新鮮な細胞を用意した。この培養から菌を1かき掻き取り、Amp50含有50ml Overnight Express培地(Novagen,グリセロール添加、5minオートクレーブ済、500ml三角フラスコ使用)にて1昼夜、200rpm、28℃で振とう培養した。培養した大腸菌を液ごと50mlチューブ(Falcon)に移し、予め冷やしておいたローター及び遠心機にて7000rpm,5min(4℃)遠心し、菌体をペレットとして回収した。ここにPBS30mlを加えて懸濁し、遠心回収(4℃,7000rpm,5min)した。得られたペレットにPBS1mlを加えて再懸濁し、15mlチューブに移した。−80℃に移して凍結サンプルとし、使用するまで保存した。
上述の凍結サンプルを溶かし、1.25mlPBS、250μlの10×BugBuster Protein Extract Reagent(Novagen)、2.5μl Benzonase(25unit/μl)を添加して、total2.5mlとなったサンプルをよく懸濁した。このサンプルを室温にて約30分間、振とうし、この間に菌液の粘性がいったん高くなってその後低くなるのを確認した。30分経っても菌液の粘性が高いときは、更に等量のBenzonaseを添加し、粘性が低くなるまで(30分を目安に)振とうした。この間、Niビーズ溶液1mlを15mlチューブに分注し、3ml洗浄液(10mM Imidazole含有PBS)に懸濁後、600rpm、3min遠心してビーズを洗浄し、これを2回くり返した。洗ったビーズを3mlPBSに懸濁させた。
菌液の抽出液を800mlずつ1.5mlチューブ2本に分注し、15000rpm、15min遠心(4℃)して、上清のみを新しい15mlチューブに移した。上述のビーズを再度遠心してペレットにし、PBSを捨てて、抽出液上清をビーズの入ったチューブに移した。4℃にて15分間、Niビーズ−タンパク質溶液混合チューブをゆっくりと振とうし、NiビーズにHisタグ付きタンパク質を吸着させた。
Niビーズ−タンパク質溶液をプラスチックカラム(ミニカラム、アシスト社)に移し、タンパク質を吸着したビーズを自然落下にてこし取り、回収した。このカラムにトッププラグを付け、4mlの洗浄液を加え、エンドキャップを付けて上下を逆さにし、撹拌後に両キャップを外してビーズを自然落下にて洗浄した。一連の操作を5回くり返した。
500−1000μlの洗浄液にカラム内のビーズを懸濁させ、1.5mlチューブに移した。必要に応じ、100μl×5本または500μl×1本に分注した。チューブを3000rpm、2min遠心し(4℃)、上清を捨ててビーズのみとした。Protein storage solution(50% glycerol含有TBS)をビーズの体積と等量加えてよく混ぜ、−80℃にて保存した。
(スタスミンチップの作製と精製−200mlスケール) 発現プラスミドを保有した大腸菌BL21株をアンピシリン50μg/ml入り(以下Amp50と略す)LB液体培地3.5ml中にて1晩、37℃にて培養し、新鮮な液体培養細胞を用意した。この培養から菌液2mlを、Amp50含有200mlLB培地(2l三角フラスコ使用)にてまず200rpm、37℃で2時間培養し、その後続けて1昼夜、200rpm、28℃で培養した。培養した大腸菌を液ごと500ml遠心ボトル(Nalgen)に移し、予め冷やしておいたローター及び遠心機にて7000rpm,5min(4℃)遠心し、菌体をペレットとして回収した。ここにPBS120mlを加えて懸濁し、遠心回収(4℃,7000rpm,5min)した。得られたペレットにPBS4mlを加えて再懸濁し、50mlチューブに移し再度ペレットを遠心回収(4℃,7000rpm,5min)した。−80℃に移して凍結サンプルとし、使用するまで保存した。
上述の凍結サンプルを溶かし、10mlPBS、0.5%TritonXを添加して、よく懸濁した。このサンプルを1mlずつ15mlチューブに取り分け超音波破砕し、その後4℃にて約30分間約30分間振とうした。この間、Niビーズ溶液4mlを15mlチューブに分注し、12ml洗浄液(10mM Imidazole含有PBS)に懸濁後、600rpm、3min遠心してビーズを洗浄し、これを2回くり返した。洗ったビーズを3ml洗浄液に懸濁させた。
菌液の抽出液を800mlずつ1.5mlチューブ8本に分注し、15000rpm、15min遠心(4℃)して、上清のみを新しい15mlチューブに移した。上述のビーズを再度遠心してペレットにし、PBSを捨てて、抽出液上清をビーズの入ったチューブに移した。4℃にて15分間、Niビーズ−タンパク質溶液混合チューブをゆっくりと振とうしてNiビーズにHisタグ付きタンパク質を吸着させた。
Niビーズ−タンパク質溶液をプラスチックカラム(エコノカラム、バイオラッド社)に移し、タンパク質を吸着したビーズを自然落下にてこし取り、回収した。このカラムにトッププラグを付け、20mlの洗浄液を加え、エンドキャップを付けて上下を逆さにし、撹拌後に両キャップを外してビーズを自然落下にて洗浄した。一連の操作を5回くり返した。
〜2500μlの洗浄液にカラム内のビーズを懸濁させ、1.5mlチューブに移した。必要に応じ、100μl×25本または500μl×5本に分注した。チューブを3000rpm、2min遠心し(4℃)、上清を捨ててビーズのみとした。Protein storage solution(50% glycerol含有TBS)をビーズの体積と等量加えてよく混ぜ、−80℃にて保存した。
(ビーズからのリコンビナントタンパク質の抽出) 400−500μlのタンパク質吸着ビーズを室温にて溶解し、ビーズ100μlに対し1mlのPBSを加えて3回洗浄(3000rpm、3min、4℃)した。ここに500mM Imidazole含有PBSをビーズと等量加え、懸濁した。室温にて30分間回転し、ビーズからタンパク質を遊離させた。この間、濃縮スピンカラム(YM−10,ミリポア社)を用意し、200μlPBSでprewash(12000rpm、15min、室温)した。ビーズと抽出液をカラムに通し、自然落下にて約500μlのタンパク質溶液を回収した。タンパク質溶液500μlをYM−10カラムに移し、12000rpm、30min、室温にて遠心して約50μlまで濃縮した。濃縮カラムに450μlPBSを添加し(この段階の推定Imidazole濃度は25mM)、ピペッティングにて混合した。この液を更にYM−10カラムに移し、上記の操作を2回くり返してImidazoleの最終濃度を1mM以下とした。約50μlのタンパク質溶液を1.5mlチューブに移した。
(リコンビナントタンパク質の定量) 濃縮して得られた上記タンパク質溶液から1μlおよび0.1μlを取り、SDS−PAGEにて電気泳動しゲルをCBB染色した。リコンビナントタンパク質、非特異的抽出タンパク質の精製回収程度を確認し、また1/100希釈液、1/200希釈液をLowry法にて定量した。Niビーズによる精製の結果を図3に示す。6×His−EGFP−5×Cys、6×His−EGFP−Stathmin−6×Cysとも、Niビーズにより精製されることが確認された。リコンビナントタンパク質の濃度は1−10mg/ml程度であった。タンパク質溶液は、GFPの場合で4℃にて約1ヶ月は保存可能であった。
(スタスミンチップタンパク質の基板上への固定化) Niビーズで精製したタンパク質は、Imidazoleで抽出した。タンパク質量は5−7mg/ml程度、Imidazoleの最終濃度は1mM以下とした。タンパク質溶液とポリエチレングリコール(PEG)200を1:1となるよう混合し、DLCでコートしたガラス基板にマレイミド基を結合させたマレイミド基板に8μlずつスポッティングし、暗所にて乾燥を避け、一晩静置した。
上記の各基板を24wellマルチプレートに置き、200μlPBSで5分間洗浄し、これを3回くり返した。その後500μlTBS−Tで5分間洗浄し、これを2回くり返した。洗浄後、スライドグラス上または96穴マルチプレートの蓋上にPBSとともに基板を乗せ、カバーグラスをかけて観察用とした。検出はProXPRESS(ParkinElmer)を用い、Cy2セッティング,1sec露光にて検出した。また作成したタンパク質チップは、PBS中に浸漬して4℃にて保存した。
(スタスミン特異的抗体による基板上へのスタスミン固定化の確認) 基板上に固定化したスタスミンを、スタスミン特異抗体と蛍光二次抗体を用いて検出した。図4に示す通り、約5mm角のマレイミド基板前面にHis−EGFP−Stathmin−Cysを固定化したEGFP−スタスミンチップ(No.2,3)、His−EGFP−Cysを固定化したGFPチップ(No.4)及びコントロールとして基板のみ(No.1)をそれぞれ作製した。対照のNo.1はGFP蛍光を発せず、No.2−4のチップではGFP蛍光を発することを確認した(図4上段と同様)。各チップをブロッキング後、No.3,4に対して抗スタスミン抗体を1時間常温にて反応させた。スタスミン抗体の結合を可視化するため、蛍光プローブであるAlexaFluor555融合二次抗体(Invitrogen)をNo.3,4に反応させた。No.2にも二次抗体の非特異的吸着のコントロールとして、同二次抗体のみを反応させた(図4下段)。抗体反応後チップを洗浄し、その後ProXPRESSを用いて検出を行った。その結果、Cy2セッティングで検出されるGFP蛍光は、No.2,3,4で再確認され(図4上段の黒く染まった部分)、Cy3セッティングにては、抗スタスミン抗体の結合を示すAlexaFluor555蛍光が、No.3でのみ検出された(図4下段の黒く染まった部分)。No.2 とNo.4をコントロールとして、No.3にはEGFP−Stathmin融合タンパク質が固定化されていることが確認された。これらの結果から、スタスミンが基板上に固定されていると結論された。
(質量分析による基板上へのスタスミン固定化の確認) 抗体による検出に加え、作製したEGFP−スタスミンチップとEGFPチップを質量分析にかけ、基板上に固定化されたタンパク質の同定を行った。LS−MS/MS分析により、表1に示すとおり、EGFP−スタスミン固定化チップ1枚から、スタスミンの全アミノ酸の31%をカバーする5つのペプチド断片(配列番号5−9参照)と、EGFPの1ペプチド断片(配列番号10参照)が同定された。EGFPチップからは、前記EGFPの1ペプチド断片(配列番号10)が同定された。コントロールのチップからは、いずれの断片も検出されなかった。これらの結果から、EGFP−スタスミンチップとEGFPチップには、それぞれデザインされた通りのタンパク質が固定化されていると結論された。
Figure 2007282591
本発明の提供するスタスミンチップを利用することにより、細胞が発現している全タンパク質の中からスタスミンと反応・結合して「タンパク質クラスター」を形成するタンパク質を効率的に検出することが可能となる。本発明は、タンパク質の網羅的解析のための有用なツールを提供するものであり、スタスミンチップの医学・医療への応用により、特に細胞のがん化機構の解析など、革新的な研究分野の発展や新しい診断・治療法の開発に道を拓くものである。
本発明に係るスタスミンチップの概念図を示す。 システインタグを利用したスタスミンチップの基板への固定方法の模式図を示す。DLC(Diamond−Like Carbon)でコートしたガラス基板上にマレイミド基を持つ化合物を結合させ、マレイミド基を表面上に露出させる。マレイミド基はSH基と特異的に反応して共有結合を形成する性質を有しており、タンパク質ではSH基を持つシステインと特異的に反応して共有結合を形成する。この性質を利用し、末端にシステインタグを結合したタンパク質を基板と反応させることによって、基板上に安定して固定化されたタンパク質チップを作ることが可能となる。 (A)本発明のスタスミンチップを作成するために、基板に固定化するスタスミン融合蛋白質を発現させるためのベクターの設計を示す。上段が対照に用いたダブルタグ付きEGFP(6×His−EGFP−5×Cys)を発現させるためのプラスミドベクターp6×His−EGFP−5×Cys示し、下段がスタスミンドメインを含む融合タンパク(6×His−EGFP−Stathmin−5×Cys)を発現させるためのプラスミドベクターp6×His−EGFP−Stathmin−5×Cysをそれぞれ示す。図中黒塗りの小さなボックスはスタスミン遺伝子の挿入に用いた制限酵素サイト(XhoI、KpnI)を表す。(B)基板に固定化させるために設計されたタンパク質の構成を示す。上段はA上段、下段はA下段にそれぞれ対応する。HisをHで、CysをCで略して表す。スタスミン融合タンパク質(下段)の理論上の分子量は約45kDaである。 発現させたタンパク質のNiビーズによる精製の結果を示す。左側の数字は分子量(kDa)を表し、レーンMはマーカーを示す。中2つのレーンは対照(6×His−EGFP−5×Cys)であり、左側が精製前、右側が精製後のサンプルである。右2つのレーンはスタスミンチップ(6×His−EGFP−Stathmin−5×Cys)であり、左側が精製前、右側が精製後である。どちらもNiビーズによる精製で、設計した通りの分子量のバンドを得ることができた(図中星印)。 作製したチップ上のタンパク質を、GFP自家蛍光と蛍光抗体処理により検証した。写真上段(GFP)はGFP蛍光の有無を示し、Cy2セッティングで検出されるGFP蛍光は、コントロール(No.1)では検出されなかったのに対してNo2−4では検出され、基板上にGFPを含有するタンパク質が固定化していることが確認された。写真下段は抗スタスミン抗体による検出結果を示す。一次抗体として抗スタスミン抗体処理を行い(No.3,4)、次いで二次抗体としてAlexaFluor555標識抗マウスIgG抗体処理を行った(No.2−4)。No.1,2はそれぞれの抗体処理のコントロールである。AlexaFluor555蛍光を検出するCy3セッティングにて、No.3でのみ、抗スタスミン抗体結合を示す蛍光シグナルが検出されたことから、No.3にはスタスミンを含むタンパク質が固定化されていることが確認された。GFP自家蛍光の検出結果と合わせると、No.3にはEGFP−Stathminの融合タンパク質が、No.4はEGFPがそれぞれ基板に固定化されていることが実証された。

Claims (12)

  1. スタスミンを有効成分とする、タンパク質検出用チップ。
  2. スタスミンと、スタスミンの一方の末端に結合したシステインタグを含むポリペプチドで構成される、請求項1に記載のスタスミン結合性タンパク質の検出用チップ。
  3. スタスミンと、スタスミンの一方の末端に結合したシステインタグと、システインタグと反対側の末端に結合したヒスチジンタグを含むポリペプチドで構成される、請求項1に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップ。
  4. スタスミンと、スタスミンに結合した検出用の蛍光タンパク質と、C末端側に結合したシステインタグと、N末端側に結合したヒスチジンタグを含むポリペプチドで構成される、請求項3に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップ。
  5. 検出用の蛍光タンパク質がGFPまたはEGFPである、請求項4に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップ。
  6. アミノ酸配列が配列番号1に示す配列かまたはこの一部のアミノ酸を置換して得られる配列であって、N末端側からヒスチジンタグ、EGFP、スタスミン、システインタグの順にペプチドが結合した、スタスミン結合性タンパク質検出用チップ。
  7. 請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップをコードしたDNA。
  8. 塩基配列が配列番号3に示す配列かまたはこの一部の塩基を置換して得られる配列よりなる、スタスミン結合性タンパク質検出用チップをコードしたDNA。
  9. 請求項7または請求項8に記載のDNAを組み込んだ発現ベクター。
  10. 請求項3から請求項6のうちいずれか1項に記載のスタスミン結合性タンパク質検出用チップを精製する方法であって、ヒスチジンタグがNiに結合する性質を利用することを特徴とする、スタスミン結合性タンパク質検出用チップの精製方法。
  11. 請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載のチップを利用した、スタスミン結合タンパク質の検出方法。
  12. 表面にマレイミド基を露出させた基板をチップの担体とし、システインタグがマレイミド基に共有結合して固定化されることを特徴とする、請求項11に記載のスタスミン結合タンパク質検出方法。
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