JP2007282581A - タンパク質をフォールディングさせる方法およびタグ融合タンパク質からタグを除去する方法ならびにそれらのためのキット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 タンパク質をフォールディングさせる方法であって、第一の緩衝液中に変性状態にあるタンパク質を含むタンパク質溶液を供するステップと、第四級アンモニウム塩系界面活性剤のフォールディング補助剤を含む第二の緩衝液を供するステップと、前記タンパク質を前記フォールディング補助剤と接触させるステップとを含む方法、およびタグ融合タンパク質からタグを除去する方法ならびにそれらのためのキットが提供される。
【選択図】 なし
Description
変性剤を含む第一の緩衝液中にタンパク質を含むタンパク質溶液を供するステップと、
第四級アンモニウム塩系界面活性剤のフォールディング補助剤を含む第二の緩衝液を供するステップと、
前記タンパク質を前記フォールディング補助剤と接触させるステップと、
前記フォールディング補助剤と接触させるステップと同時またはその後に、前記変性剤の濃度を低下させるステップと
を含む方法、および当該方法により得られたタンパク質が提供される。
変性剤を含む第一の緩衝液中にタグ融合タンパク質を含むタンパク質溶液を供するステップと、
第四級アンモニウム塩系界面活性剤のフォールディング補助剤を含む第二の緩衝液を供するステップと、
前記タグ融合タンパク質を前記フォールディング補助剤と接触させるステップと、
前記フォールディング補助剤と接触させるステップと同時またはその後に、前記変性剤の濃度を低下させるステップと
前記変性剤の濃度を低下させるステップの後に、前記フォールディング補助剤と接触させた前記タグ融合タンパク質を、エキソペプチダーゼと接触させるステップと
を含む方法、および当該方法により得られたタンパク質が提供される。
・Met-Lys-His-His-His-His-His-His(配列番号1)
・Met-Arg-His-His-His-His-His-His(配列番号2)
・Factor Xa:lle-Glu-Gly-Arg↓(配列番号3)
・トロンビン:P4-P3-Pro-Arg/Lys↓P1-P2(P3、P4:疎水性アミノ酸、P1、P2:酸性ではないアミノ酸)(配列番号4)
・プレシジョンプロテアーゼ:Leu-Glu-Val-Leu-Phe-Gln↓Gly-Pro(配列番号5)
・AcTEVプロテアーゼ:Glu-Asn-Leu-Tyr-Phe-Gln↓Gly(配列番号6)
・エンテロキナーゼ:Asp-Asp-Asp-Asp-Lys↓(配列番号7)
前記タグ融合タンパク質を産生する組換え生物から得られた試料を、当該タグと特異的に結合可能な分離用物質と接触させるステップと、
前記分離用物質と結合した前記タグ融合タンパク質を、前記試料に含まれるその他の成分から分離するステップと、
前記分離用物質と結合した前記タグ融合タンパク質を、前記分離用物質から分離し、前記前記精製されたタンパク質を含む前記タンパク質溶液を得るステップと
を含むことが好ましい。
・目的のヒスチジンタグ融合タンパク質を発現した大腸菌の細胞ペレット
・バッファーB(1L中):
100 mM NaH2PO4 13.8 g NaH2PO4・H2O (MW 137.99 g/mol)
10 mM Tris・Cl 1.2 g Tris base (MW 121.1 g/mol)
8 M 尿素 480.5 g (MW 60.06 g/mol)
NaOHによりpHを8.0に調整する。
・バッファーC(1L中):
100 mM NaH2PO4 13.8 g NaH2PO4・H2O (MW 137.99 g/mol)
10 mM Tris・Cl 1.2 g Tris base (MW 121.1 g/mol)
8 M 尿素 480.5 g (MW 60.06 g/mol)
HClによりpHを6.3に調整する。
・バッファーD(1L中):
100 mM NaH2PO4 13.8 g NaH2PO4・H2O (MW 137.99 g/mol)
10 mM Tris・Cl 1.2 g Tris base (MW 121.1 g/mol)
8 M 尿素 480.5 g (MW 60.06 g/mol)
HClによりpHを5.9に調整する。
・バッファーE(1L中):
100 mM NaH2PO4 13.8 g NaH2PO4・H2O (MW 137.99 g/mol)
10 mM Tris・Cl 1.2 g Tris base (MW 121.1 g/mol)
8 M 尿素 480.5 g (MW 60.06 g/mol)
HClによりpHを4.5に調整する。
(1)細胞ペレットを氷上で15分間解凍し、湿重量1gあたり5mLのバッファーBで細胞を再懸濁する。
(2)室温で細胞を15〜60分間撹拌するか、または泡だたないように注意しながら、静かにボルテックスして溶解する。
(3)ライセートを10,000×g、室温で20〜30分間遠心し、細胞破片をペレット化し、上清として清澄化したライセートを得る。
(4)1mLの50%Ni−NTA懸濁液を、清澄化したライセート4mLに添加し、室温で15〜60分間浸透しながら(ロータリー・シェーカーで200rpm)静かにミックスする。
(5)出口をキャップで閉じた空のカラムにライセート・Ni−NTAミックスを注意深くロードする。
(6)キャップを取り、フロースルーを収集する。
(7)4mLのバッファーCで2回洗浄する。
(8)0.5mLのバッファーDで4回、目的のタンパク質を溶出し、続いて0.5mLのバッファーEで4回溶出し、各フラクションを収集する。
X1およびX2は、各々独立に、ハロゲンである。X1およびX2は、ClまたはBrであることが好ましい。
R1およびR3は、各々独立に、炭素数10〜30の直鎖状または分岐状のアルキル基である。但し、R1およびR3は、エーテル結合を有してもよい。R1およびR3は、炭素数が12〜25であることが好ましく、炭素数が14〜20であることがさらに好ましい。また、R1およびR3は、直鎖状アルキルであることが好ましい。具体的には、R1およびR3の例として、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、およびイコシルが挙げられる。また、R1およびR3がエーテル結合を有する場合の例として、−(CH2)3−O−(CH2)12CH3が挙げられる。
R2およびR4は、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基またはベンジル基である。R2およびR4は、炭素数が好ましくは1〜4、さらに好ましくは1〜3のアルキル基である。具体的には、R2およびR4の例として、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルおよびベンジル基が挙げられる。
nは、0〜5の整数である。nは、0〜3の整数であることが好ましく、0であることがさらに好ましい。nが1以上の整数である場合、R4は、ピリジニウム環の任意の位置に存在してよい。)
前記タンパク質溶液と前記第二の緩衝液とを混合し、前記第一の緩衝液を希釈するステップ、および/または
前記タンパク質溶液の前記第一の緩衝液の少なくとも一部を、前記第二の緩衝液に交換するステップ
を含むことが好ましい。
(2)カラム容量までのタンパク質溶液をカラムに添加する。タンパク質溶液がカラム容量に満たないときは、カラム容量となるまでフォールディング液を加える。
(3)カラム容量より多い適当量のフォールディング液により溶出し、フロースルーを収集する。
・標的タンパク質のN末端にヒスチジンタグを融合したN末ヒスチジンタグ融合タンパク質(ヒスチジンタグのアミノ酸残基の数は偶数とする。)(標的タンパク質が、ジペプチジルアミノペプチダーゼの停止点を有さない場合は、標的タンパク質のN末端にグルタミンを介してヒスチジンタグを融合したヒスチジンタグ融合タンパク質を用いる。)
・C末端にヒスチジンタグを融合したジペプチジルアミノペプチダーゼ
・C末端にヒスチジンタグを融合したグルタミンシクロトランスフェラーゼ(標的タンパク質が、ジペプチジルアミノペプチダーゼの停止点を有さない場合)
・C末端にヒスチジンタグを融合したピログルタミルアミノペプチダーゼ(標的タンパク質が、ジペプチジルアミノペプチダーゼの停止点を有さない場合)
(1)N末ヒスチジンタグ融合タンパク質溶液にジペプチジルアミノペプチダーゼを添加し、ヒスチジンタグ融合タンパク質からヒスチジンタグを切断する。
(2)Ni−NTAマトリックスを充填したカラムに(1)で得られた反応液を添加し、当該マトリックスによりジペプチジルアミノペプチダーゼおよび切断されたヒスチジンタグを捕捉し、フロースルーを収集する。
(1)におけるヒスチジンタグの切断を、過剰量のグルタミンシクロトランスフェラーゼの存在下で行う。これにより、上記グルタミンの直前までヒスチジンタグが切断された段階で、グルタミンシクロトランスフェラーゼにより、N末端の当該グルタミンが環化され、ピログルタメートが形成される。N末端にピログルタメートを有するタンパク質は、ジペプチジルアミノペプチダーゼの基質になれず、ジペプチジルアミノペプチダーゼによるN末端の切断がピログルタメートの直前まで終了する。
(2)において、グルタミンシクロトランスフェラーゼもNi−NTAマトリックスに捕捉される。
(3)さらに、(2)で得られたフロースルーに、ピログルタミルアミノペプチダーゼを添加し、N末端のピログルタミル残基を切断する。
(4)さらに、Ni−NTAマトリックスを充填したカラムに(3)で得られた反応液を添加し、当該マトリックスによりピログルタミルアミノペプチダーゼを捕捉し、フロースルーを収集する。
〔タンパク質および生物試料〕
・以下のヒスチジンタグ融合タンパク質を発現した大腸菌の細胞ペレット
・タンパク質A(配列番号8):
SARSコロナウイルス由来タンパク質(スパイクタンパク質)のヒスチジンタグ融合組換えタンパク質
・タンパク質B(配列番号9):
A群レンサ球菌由来タンパク質(SPE−L)のヒスチジンタグ融合組換えタンパク質
・タンパク質C(配列番号10):
C群レンサ球菌由来タンパク質(SDM)のヒスチジンタグ融合組換えタンパク質
・タンパク質D(配列番号11):
SARSコロナウイルス由来タンパク質(膜タンパク質)のヒスチジンタグ融合組換えタンパク質
・タンパク質D’(配列番号12):
SARSコロナウイルス由来タンパク質(膜タンパク質)のヒスチジンタグ融合組換えタンパク質(エンドペプチダーゼであるAcTEV(インビトロジェン)の認識配列を有する。)
・精製用緩衝液I:
100mM NaH2PO4
10mM Tris・Cl
6M 塩酸グアニジン
NaOHによりpHを8.0に調整する。
・精製用緩衝液II:
100mM NaH2PO4
10mM Tris・Cl
8M 尿素
HClによりpHを6.3に調整する。
・精製用緩衝液III:
100mM NaH2PO4
10mM Tris・Cl
8M 尿素
0.5M イミダゾール
NaOHによりpHを8.0に調整する。
・精製用緩衝液IV:
6M 塩酸グアニジン
5mM イミダゾール
0.1M りん酸ナトリウム
pH8.0
・精製用緩衝液V:
8M 尿素
0.5M イミダゾール
0.1M りん酸ナトリウム
pH8.0
・精製用緩衝液VI:
20mM りん酸ナトリウム
8M 尿素
0.5M 塩化ナトリウム
0.5M イミダゾール
pH7.0
・フォールディング液I(DAPase反応用緩衝液):
150mM 塩化ナトリウム
20mM りん酸ナトリウム
pH7.0
・フォールディング液II(AcTEV反応用緩衝液):
50mM Tric−HCl
0.5mM EDTA
pH6.0
・フォールディング液III:
フォールディング液I中、0.1重量%の臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(CH3(CH2)15N(CH3)3・Cl)を含む
・フォールディング液IV:
フォールディング液II中、0.1重量%の臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを含む
・フォールディング液V:
フォールディング液I中、1重量%の塩化ヘキサデシルピリジニウム(CH3(CH2)15C5H5N・Cl)を含む
・Ni-Sepharose 6 Fast Flow(アマシャムバイオサイエンス社)
・Sephadex G-25カラム(アマシャムバイオサイエンス社、PD−10)
・DAPase(QIAGEN社)
・AcTEV(invitrogen社)
実施例および比較例に供するために、以下の通り、上記タンパク質を含む精製タンパク質溶液を調製した。
(1)細胞ペレットを氷上で15分間解凍し、湿重量1gあたり10mLの精製用緩衝液Iで細胞を再懸濁した。
(2)室温で細胞を60分間撹拌するか、または泡だたないように注意しながら、静かにボルテックスして溶解した。
(3)ライセートを10,000×g、室温で10分間遠心し、細胞破片をペレット化し、上清として清澄化したライセートを得た。
(4)1mLの50% Ni-Sepharose 6 Fast Flow懸濁液を、清澄化したライセート4mLに添加し、室温で30分間震盪しながら(ロータリー・シェーカーで200rpm)静かにミックスした。
(5)出口をキャップで閉じた空のカラムにライセート・Ni-Sepharose6Fast Flowミックスを注意深くロードした。
(6)キャップを取り、フロースルーを収集した。
(7)200mLの精製用緩衝液IIで洗浄した。
(8)2.5mLの精製用緩衝液IIIで目的のタンパク質を溶出した。
(9)得られたタンパク質溶液に、終濃度3mMとなるように2−メルカプトエタノールを添加した。
(10)得られたタンパク質溶液に、4倍量のアセトンを添加した。
(11)得られたタンパク質溶液を−80℃に30分間冷却した。
(12)冷却後の溶液を4℃、3100rpmで10分間遠心した。
(13)遠心により得られたタンパク質の沈殿を、表1に示すように精製用緩衝液IV〜VIに溶解した。
実施例1として、本発明にかかるフォールディング方法およびタグ除去方法により、SARSコロナウイルス由来タンパク質のヒスチジンタグ融合組換えタンパク質のリフォールディングとその後のタグ除去を行った。
(2)Sephadex G-25カラムを予め25mlのフォールディング液IIIで平衡化後、これに2.5mlのタンパク質希釈液を添加した。タンパク質希釈液のカラムへの負荷完了後、3.5mlのフォールディング液IIIでフォールディング完了タンパク質液を得た。これにより、タンパク質Aの精製タンパク質溶液の緩衝液を完全にフォールディング液IIIに置換した。用いるカラム数はタンパク質希釈液の量に応じて変更した。
(3)得られた溶出液に、予め活性化したDAPaseを添加し、37℃で1時間ヒスチジンタグの切断処理を行った。DAPaseの活性化は、使用説明書に従い、以下の通りとした。タンパク質1mgあたり10mU(1μl)のDAPaseをキットに添付のシスタミン溶液の当量と混合し、室温で5分間放置後、溶出液に添加し、37℃で保温することで切断処理を行った。
タンパク質Aの精製タンパク質溶液の代わりに、前述の精製段階(9)までのみを実施したタンパク質Bの精製タンパク質溶液を用いたこと、および10mLのタンパク質Bの精製タンパク質溶液を90mLのフォールディング液IIIに滴下したこと以外は、実施例1と同様に、ヒスチジンタグ融合組換えタンパク質のリフォールディングとその後のタグ除去を行った。
タンパク質Bの精製タンパク質溶液の代わりに、タンパク質Cの精製タンパク質溶液を用いたこと以外は、実施例2と同様に、ヒスチジンタグ融合組換えタンパク質のリフォールディングとその後のタグ除去を行った。
2mg/mLのタンパク質Aの精製タンパク質溶液の代わりに、3mg/mLのタンパク質Dの精製タンパク質溶液を用いたこと、および1mLのタンパク質Dの精製タンパク質溶液を9mLのフォールディング液IIIに滴下したこと以外は、実施例1と同様に、ヒスチジンタグ融合組換えタンパク質のリフォールディングとその後のタグ除去を行った。
フォールディング液IIIの代わりに、フォールディング補助剤を含まないフォールディング液Iを用いたこと以外は、実施例4と同様に、ヒスチジンタグ融合組換えタンパク質のリフォールディングとその後のタグ除去を行った。
2mg/mLのタンパク質Aの精製タンパク質溶液の代わりに、3mg/mLのタンパク質D’の精製タンパク質溶液を用いたこと、フォールディング液IIIの代わりにフォールディング液IVを用いたこと、1mLのタンパク質D’の精製タンパク質溶液を9mLのフォールディング液IVに滴下したこと、およびDAPaseの代わりにエンドペプチダーゼによりタグを切断したこと以外は、実施例1と同様に、ヒスチジンタグ融合組換えタンパク質のリフォールディングとその後のタグ除去を行った。
フォールディング剤IVの代わりに、フォールディング補助剤を含まないフォールディング液IIを用いたこと以外は、実施例5と同様に、ヒスチジンタグ融合組換えタンパク質のリフォールディングとその後のタグ除去を行った。
2mg/mLのタンパク質Aの精製タンパク質溶液の代わりに、5mg/mLのタンパク質Bの精製タンパク質溶液を用いたこと、および1mLのタンパク質Bの精製タンパク質溶液を4mLのフォールディング液IIIに滴下したこと以外は、実施例1と同様に、ヒスチジンタグ融合組換えタンパク質のリフォールディングとその後のタグ除去を行った。
臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを含むフォールディング液IIIの代わりに、塩化ヘキサデシルピリジニウムを含むフォールディング液Vを用いたこと以外は、実施例6と同様に、ヒスチジンタグ融合組換えタンパク質のリフォールディングとその後のタグ除去を行った。
実施例1〜7および比較例1,2において、フォールディング後(ゲルろ過後)およびタグ除去後のタンパク質の収量を測定した。表1に、各実施例および比較例における、タンパク質と、用いた緩衝液およびタンパク質濃度との関係を示す。表2に、各実施例および比較例における、フォールディングおよびタグ切断の処理条件を示す。表3に、用いたタンパク質の量、フォールディング後(ゲルろ過後)のタンパク質の収量(および収率)、ならびにタグ除去後のタンパク質の収量(および収率)を示す。また、表3に、ペプチダーゼによるタグの切断率をさらに示す。
Claims (18)
- タンパク質をフォールディングさせる方法であって、
変性剤を含む第一の緩衝液中にタンパク質を含むタンパク質溶液を供するステップと、
第四級アンモニウム塩系界面活性剤のフォールディング補助剤を含む第二の緩衝液を供するステップと、
前記タンパク質を前記フォールディング補助剤と接触させるステップと、
前記フォールディング補助剤と接触させるステップと同時またはその後に、前記変性剤の濃度を低下させるステップと
を含む方法。 - 前記タンパク質がタグ融合タンパク質である、請求項1または2に記載の方法。
- 前記タグ融合タンパク質がヒスチジンタグ融合タンパク質である、請求項3に記載の方法。
- 前記タンパク質溶液が、精製されたタンパク質を含むタンパク質溶液である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 前記タンパク質がタグ融合タンパク質であり、
前記タンパク質溶液を供するステップが、
前記タグ融合タンパク質を産生する組換え生物から得られた試料を、当該タグと特異的に結合可能な分離用物質と接触させるステップと、
前記分離用物質と結合した前記タグ融合タンパク質を、前記試料に含まれるその他の成分から分離するステップと、
前記分離用物質と結合した前記タグ融合タンパク質を、前記分離用物質から分離し、前記精製されたタンパク質を含む前記タンパク質溶液を得るステップと
を含む、請求項5に記載の方法。 - 前記変性剤の濃度を低下させるステップが、
前記タンパク質溶液と前記第二の緩衝液とを混合し、前記第一の緩衝液を希釈するステップ、および/または
前記タンパク質溶液の前記第一の緩衝液の少なくとも一部を、前記第二の緩衝液に交換するステップ
を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の方法 - 前記第一の緩衝液の少なくとも一部を、前記第二の緩衝液に交換するステップが、ゲル濾過もしくは透析により、またはタンパク質溶液の濃縮および希釈により行われる、請求項7に記載の方法。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の方法により得られたタンパク質。
- タグ融合タンパク質からタグを除去する方法であって、
変性剤を含む第一の緩衝液中にタグ融合タンパク質を含むタンパク質溶液を供するステップと、
第四級アンモニウム塩系界面活性剤のフォールディング補助剤を含む第二の緩衝液を供するステップと、
前記タグ融合タンパク質を前記フォールディング補助剤と接触させるステップと、
前記フォールディング補助剤と接触させるステップと同時またはその後に、前記変性剤の濃度を低下させるステップと
前記変性剤の濃度を低下させるステップの後に、前記フォールディング補助剤と接触させた前記タグ融合タンパク質を、エキソペプチダーゼと接触させるステップと
を含む方法。 - 前記タグ融合タンパク質が、少なくともN末端にタグが融合されたタンパク質であり、前記エキソペプチダーゼがジペプチジルアミノペプチダーゼである、請求項10または11に記載の方法。
- 前記第二の緩衝液が、ペプチダーゼ反応に適した緩衝液である、請求項10〜12のいずれかに記載の方法。
- 請求項10〜13のいずれかに記載の方法により得られたタンパク質。
- 第四級アンモニウム塩系界面活性剤を含有するタンパク質フォールディング補助剤。
- 請求項15または16に記載のフォールディング補助剤を有する、タンパク質をフォールディングさせるためのキット。
- 請求項15または16に記載のフォールディング補助剤とエキソペプチダーゼとを有する、タグ融合タンパク質からタグを除去するためのキット。
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