JP2007279233A - 微小電気機械式変調素子、微小電気機械式変調素子アレイ、画像形成装置、及び微小電気機械式変調素子の設計方法 - Google Patents

微小電気機械式変調素子、微小電気機械式変調素子アレイ、画像形成装置、及び微小電気機械式変調素子の設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転系微小電気機械素子の可動部の大きさ(サイズ)と弾性支持部の弾性力との関係を、周囲の大気による粘性の効果を含めて解析し、可動部の動的な挙動を明らかとし、その知見に基づいて、低電圧(例えば、10V以下)にて、可動部を適正に変位させ、かつ最終変位位置に保持できるような構造を実現する。
【解決手段】可動部15を、弾性支持部(ヒンジ)17によって回転変位可能に保持し、可動部15の動的プルイン電圧が、保持電圧以下になるように、可動部15の大きさと弾性支持部(ヒンジ)17の弾性力を調整し、駆動用の電極(21a,21b)には、保持電圧以上の電圧を印加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、微小電気機械式変調素子(特に、低電圧で駆動可能な、双方向に回転する回転系微小電気機械式変調素子の構造、ならびに、その変調素子を低電圧で駆動するための、粘性効果を含めた動的な解析と条件設定)、微小電気機械式変調素子アレイ、画像形成装置、及び微小電気機械式変調素子の設計方法に関する。
近年、MEMS技術(MEMS ; Micro-Electro Mechanical systems)の急速な進歩により、μmオーダーの微小機械素子を電気的に変位・移動させる微小電気機械式変調素子の開発が盛んに行われている。この微小電気機械式変調素子には、例えばマイクロミラーを傾けて光の偏向を図ることのできるテキサスインスツルメンツ社のDMD(デジタル マイクロミラー デバイス)がある(特許文献1参照)。これは、静電気力によりある一方に傾いた可動部に対して、もう一方の方向に静電気力を働かせることで、可動部を回転変位させ、可動部の有するミラー部において光の変調を行う素子である。DMDは、光学的な情報処理の分野において、投射ディスプレイ、ビデオ・モニター、グラフィック・モニター、テレビ及び電子写真プリントなどの広い用途に用いられる。また、光スイッチは、光通信、光インタコネクション(並列コンピュータにおける相互結合網など光による信号接続技術)、光情報処理(光演算による情報処理)などへの応用が期待されている。
DMDは、可動部が弾性支持部により、回転変位可能に支持された構造を有しており、可動部は、駆動部に所定の駆動電圧を印加することによって駆動される。
現状の駆動電圧は、例えば、20V〜30V程度であり、かなりの高電圧であるが、今後、集積度の向上のために、画素サイズが縮小され、また、低電圧駆動の要求が高まるものと予測される。
特開2002−189178号公報
DMDの可動部の遷移時間(可動部が一方に傾いている状態からもう一方に傾くまでの時間)または応答速度(可動部が一方に傾いている状態からもう一方に傾くときの速度)は、可動部の構造による慣性モーメントと可動部を支持する支持部の弾性力と印加される電圧の大きさのバランスで決まるため、従来は、そのバランスを従来技術の範囲で最適化すれば、適正な動作を行わせることができた。
しかし、駆動電圧を極端に低くした場合、素子の挙動解析自体はある程度までは従来の設計手法の延長で行えるが、従来にも増して微小領域における粘性の効果が高まることも考えられる。現状では、この粘性の効果を考慮するための知見は不十分であり、従来の設計手法での対応は困難で、低い駆動電圧における素子の正確な挙動は解析しきれていない状況であった。例えば、駆動電圧が低いと静電気力による引力も小さくなるため、可動部を最終変位位置(正規の停止位置)まで引き込むことができない場合が生じ得る。また、可動部を引き込めたとしても、可動部が最終変位位置に停止した状態を維持することができず、結局、元の状態に復元してしまう場合も想定される。
このように、従前の20Vを超えるような高電圧で駆動していた場合には、可動部が移動していく過程の動的な挙動解析において、周囲の空気の粘性は特に注視するほどでもなかったが、低電圧駆動をする場合には、この粘性の効果がむしろ重要となり、可動部が動いている過程を含めて事前に十分解析し、適正な構造設計に活かす必要がある。しかしながら、このような粘性の効果を加味した動的な解析は、実質的に未知の領域といえるものであった。
本発明は、このような考察に基づいてなされたものであり、その目的は、回転系微小電気機械素子の可動部の大きさ(サイズ)と弾性支持部の弾性力との関係を、周囲の大気による粘性の効果を含めて解析し、可動部の動的な挙動を明らかとし、その知見に基づいて、低電圧(例えば、10V以下)にて、可動部を適正に変位させ、かつ最終変位位置に保持できるような構造を実現することにある。
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
(1) 固定基板上で弾性変位可能に支持され双方向に回転変位する可動部と、電圧印加により前記可動部へ物理的作用力を加える駆動部と、を複数備え、前記可動部のそれぞれが変調機能を有する微小電気機械式変調素子であって、前記可動部は、前記駆動部からの物理的作用力によって、第1の方向へ回転変位して前記固定基板側に接触停止した第1の停止位置に至り、また、前記第1の方向と異なる第2の方向に回転変位して前記固定基板側に接触停止する第2の停止位置に至ることができ、また、前記第1および第2の停止位置にある前記可動部の状態をそのまま保持することができる電圧を保持電圧とし、また、前記第1および第2の停止位置にない状態の前記可動部を前記第1および第2の停止位置まで遷移時間を伴って引き込むことができる電圧を動的プルイン電圧とした場合、前記保持電圧よりも前記動的プルイン電圧が低く設定されており、また、前記駆動部は、前記保持電圧以上の駆動電圧によって前記可動部を駆動し、かつ、前記駆動電圧は、10V以下であることを特徴とする微小電気機械式変調素子。
「動的プルイン電圧」という、可動部を正規の停止位置に遷移時間を伴って引き込むのに必要な電圧(つまり、可動部の動的挙動に関係する電圧)を規定し、この動的プルイン電圧が、「保持電圧(正規の停止位置にある可動部の状態をそのまま保持できる電圧であり、その電圧に幅がある場合には、その幅内の最小の電圧をもって保持電圧とするのが好ましい。ただしこれに限定されるものではない)」以下になるように、可動部の構造(可動部の大きさに起因する慣性モーメント、可動部を支持する支持部の弾性力ならびに駆動電圧値の各々)を設計するものである。この微小電気機械式変調素子によれば、10V以下の低電圧駆動にて、可動部を適正に変位させて、例えば、適正なオン/オフ変調を実施させることが可能となる。
(2) 前記可動部が前記固定基板に対して弾性支持部を介して支持されており、かつ、前記可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力の関係をグラフ化した場合に、そのグラフ上において、前記可動部を、所定の前記駆動電圧を印加した場合に前記第1および第2の停止位置に保持できる可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力の限界を示すラインAと、所定の前記駆動電圧にて前記可動部を駆動した場合に、前記可動部を前記第1および第2の停止位置に遷移時間を伴って引き込むことができる可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力の限界を示すラインBと、を境界とし、前記ラインAの前記弾性支持部の弾性力が低くなる側の領域で、かつ、前記ラインBの前記可動部の大きさが小さくなる側の領域に含まれるように、前記可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力が規定されていることを特徴とする(1)記載の微小電気機械式変調素子。
この微小電気機械式変調素子によれば、所望の低電圧でも駆動可能なように、前記可動部の大きさ(慣性モーメントや粘性に関係するパラメータ)と、弾性支持部の弾性力(復元力による応答速度に起因するパラメータ)の関係を最適化することができる。すなわち、例えば、所望の駆動電圧(この駆動電圧は保持電圧に等しいものとする)を3Vに設定し、可動部の大きさと弾性支持部の弾性力との関係を示す平面上にて、各パラメータを少しずつ変化させながら、3V以下の電圧にて、可動部を正規の停止位置に保持できる限界点を探り、各限界点を連結してラインA(保持電圧の観点からみた限界を示す特性線)を得る。また、そのラインAよりも弾性力が低くなる方向の領域において、停止位置にない可動部を3Vで駆動した場合に、遷移時間を伴うことを許容した条件の下で、可動部が最終的に停止位置に到達する(動的にプルインする)限界点を探り、各限界点を連結してラインB(動的プルイン電圧の観点からみた限界を示す特性線)を得る。そして、ラインAよりも弾性支持部の弾性力が低くなる側の領域であって、かつ、ラインBよりも可動部の大きさが小さくなる側の領域に含まれるように、可動部の大きさに対する弾性支持部の弾性力を規定する。この微小電気機械式変調素子によれば、動的プルイン電圧を保持電圧以下とすることができ、したがって、保持電圧以上の駆動電圧であれば、可動部を変位させ、かつ所定の停止位置に保持することが可能となり、低電圧による駆動が実現される。
(3) 前記所定の駆動用電圧が、5Vの電圧であることを特徴とする(1)記載の微小電気機械式変調素子。
この微小電気機械式変調素子によれば、5V以下の低電圧駆動にて、可動部を適正に変位させて、例えば、適正なオン/オフ変調を実施させることが可能となる。
(4) 前記可動部の雰囲気圧力が大気圧の場合、前記可動部の大きさをL、前記支持部弾性力をFとしたときに、
前記ラインAが、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であり、
前記ラインBが、以下の点Qi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であることを特徴とする(2)又は(3)記載の微小電気機械式変調素子。
1=(6.00μm , 3.22×10−12Nm)
2=(8.00μm , 4.30×10−12Nm)
3=(10.0μm , 5.35×10−12Nm)
4=(11.5μm , 6.16×10−12Nm)
5=(11.6μm , 6.22×10−12Nm)
6=(12.0μm , 6.47×10−12Nm)
1=(11.5μm , 6.22×10−12Nm)
2=(11.5μm , 6.16×10−12Nm)
3=(11.6μm , 5.35×10−12Nm)
4=(11.7μm , 4.30×10−12Nm)
5=(11.8μm , 3.22×10−12Nm)
6=(12.0μm , 2.17×10−12Nm)
7=(12.6μm , 1.12×10−12Nm)
この微小電気機械式変調素子によれば、上記の1気圧、5V駆動の場合のラインA,ラインBが正確に規定されるので、可動部の大きさと弾性支持部の弾性力の範囲が明確にされる。
(5) 前記可動部の雰囲気圧力が略0.5気圧の場合、前記可動部の大きさをL、前記支持部弾性力をFとしたときに、
前記ラインAが、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であることを特徴とする(2)又は(3)記載の微小電気機械式変調素子。
1=(6.00μm , 3.22×10−12Nm)
2=(8.00μm , 4.30×10−12Nm)
3=(10.0μm , 5.35×10−12Nm)
4=(12.0μm , 6.47×10−12Nm)
この微小電気機械式変調素子によれば、上記の略0.5気圧、5V駆動の場合のラインA,ラインBが正確に規定されるので、可動部の大きさと弾性支持部の弾性力の範囲が明確にされる。
(6) 前記所定の駆動用電圧が、3Vの電圧であることを特徴とする(1)又は(2)記載の微小電気機械式変調素子。
この微小電気機械式変調素子によれば、3V以下の低電圧駆動にて、可動部を適正に変位させて、例えば、適正なオン/オフ変調を実施させることが可能となる。
(7) 前記可動部の雰囲気圧力が大気圧の場合、前記可動部の大きさをL、前記支持部弾性力をFとしたときに、
前記ラインAが、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であり、
前記ラインBが、以下の点Qi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であることを特徴とする(6)記載の微小電気機械式変調素子。
1=(6.00μm , 1.16×10−12Nm)
2=(8.00μm , 1.55×10−12Nm)
3=(8.20μm , 1.59×10−12Nm)
4=(8.30μm , 1.61×10−12Nm)
5=(10.0μm , 1.94×10−12Nm)
6=(12.0μm , 2.33×10−12Nm)
1=(8.20μm , 1.59×10−12Nm)
2=(8.20μm , 1.55×10−12Nm)
3=(8.30μm , 1.16×10−12Nm)
4=(8.40μm , 7.75×10−13Nm)
5=(8.70μm , 3.88×10−13Nm)
6=(9.40μm , 1.94×10−13Nm)
この微小電気機械式変調素子によれば、上記の1気圧、3V駆動の場合のラインA,ラインBが正確に規定されるので、可動部の大きさと弾性支持部の弾性力の範囲が明確にされる。
(8) 前記可動部の雰囲気圧力が略0.5気圧の場合、前記可動部の大きさをL、前記支持部弾性力をFとしたときに、
前記ラインAが、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であり、
前記ラインBが、以下の点Qi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であることを特徴とする(2)又は(3)記載の微小電気機械式変調素子。
1=(6.00μm , 1.16×10−12Nm)
2=(8.00μm , 1.55×10−12Nm)
3=(9.80μm , 1.90×10−12Nm)
4=(9.90μm , 1.92×10−12Nm)
5=(10.0μm , 1.94×10−12Nm)
6=(12.0μm , 2.33×10−12Nm)
1=(9.70μm , 1.92×10−12Nm)
2=(9.80μm , 1.90×10−12Nm)
3=(9.80μm , 1.55×10−12Nm)
4=(9.90μm , 1.16×10−12Nm)
5=(10.1μm , 7.75×10−13Nm)
6=(10.5μm , 3.88×10−13Nm)
7=(11.6μm , 1.94×10−13Nm)
この微小電気機械式変調素子によれば、上記の略0.5気圧、3V駆動の場合のラインA,ラインBが正確に規定されるので、可動部の大きさと弾性支持部の弾性力の範囲が明確にされる。
(9) 前記可動部の雰囲気圧力が略0.1気圧で、前記可動部の大きさが4μm〜11.5μmの場合、前記可動部の大きさをL、前記支持部弾性力をFとしたときに、
前記ラインAが、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であることを特徴とする(2)又は(3)記載の微小電気機械式変調素子。
1=(6.00μm , 1.16×10−12Nm)
2=(8.00μm , 1.55×10−12Nm)
3=(10.0μm , 1.94×10−12Nm)
4=(12.0μm , 2.33×10−12Nm)
この微小電気機械式変調素子によれば、上記の略0.1気圧、3V駆動の場合のラインA,ラインBが正確に規定されるので、可動部の大きさと弾性支持部の弾性力の範囲が明確にされる。
(10) 前記可動部の前記駆動電圧印加による挙動は、前記可動部の粘性減衰比ζが下記式を満足する挙動であることを特徴とする(1)又は(2)記載の微小電気機械式変調素子。
ζ = (4.83×105 ± 3.88×104)/2ω (ω:振動角周波数)
(11) 前記可動部の前記駆動電圧印加による挙動は、前記可動部の粘性減衰比ζが下記式を満足する挙動であることを特徴とする(1)又は(2)記載の微小電気機械式変調素子。
ζ = (3.79×105 ± 2.86×104)/2ω (ω:振動角周波数)
(12) 前記可動部の前記駆動電圧印加による挙動は、前記可動部の粘性減衰比ζが下記式を満足する挙動であることを特徴とする(1)又は(2)記載の微小電気機械式変調素子。
ζ = (1.34×105 ± 1.30×104)/2ω (ω:振動角周波数)
これら(10)〜(12)によって、回転系微小電気機械素子の可動部の大きさ(サイズ)と弾性支持部の弾性力との関係を、周囲の大気による粘性の効果を含めて解析し、可動部の動的な挙動を明らかとし、その知見に基づいて、低電圧(例えば、10V以下)にて、可動部を適正に変位させ、かつ最終変位位置に保持できるような構造を実現することができる。
(13) 前記可動部が、それぞれの前記最終変位位置に配された停止部材に接触して停止することを特徴とする(1)〜(12)のいずれか記載の微小電気機械式変調素子。
この微小電気機械式変調素子によれば、可動部が最終変位位置に到達したときに、可動部が停止部材に接触して変位動作を停止することにより、最終変位位置を超えて変位して大きな振動が発生することを抑制することができる。
(14) 前記物理的作用力が、前記可動部の複数の作用点に加えられることを特徴とする(1)〜(13)のいずれか記載の微小電気機械式変調素子。
この微小電気機械式変調素子によれば、可動部の複数の作用点に物理的作用力が加えられることで、可動部の双方向への駆動が行える。
(15) 前記駆動部により前記可動部を前記第1の方向および前記第2の方向へ変位させる物理的作用力が、静電気力であることを特徴とする(1)〜(14)のいずれか記載の微小電気機械式変調素子。
この微小電気機械式変調素子によれば、物理的作用力が静電気力であることにより、可動部の高速な回転変位が可能となる。
(16) 前記可動部の平面形状が四角形状であることを特徴とする(1)〜(15)のいずれか記載の微小電気機械式変調素子。
この微小電気機械式変調素子によれば、複数の可動部を一次元や二次元に配列した場合、可動部が四角形状であることにより隣接する可動部との隙間が小さくなり、設置効率が高められる。
(17) 前記可動部を回転変位させる物理的作用力の波形は、矩形波、sin波、cos波、鋸波、三角波のいずれかを含むことを特徴とする(1)〜(16)のいずれか記載の微小電気機械式変調素子.
この微小電気機械式変調素子によれば、矩形波、sin波、cos波、鋸波、三角波のいずれかを含む波形により可動部が回転変位される。
(18) 前記可動部を弾性変位可能に支持する前記弾性支持部は、高分子材料からなることを特徴とする(1)〜(17)のいずれか記載の微小電気機械式変調素子。
この微小電気機械式変調素子によれば、低い弾性係数を有する高分子材料を用いることで、支持部材として構成した場合に発生する弾性力を小さく抑えることができる。もって、小さな弾性力を発生させるために支持部材の大きさを過剰に小さくすることがなくなる。
(19) 前記可動部を弾性変位可能に支持する前記弾性支持部は、金属材料、樹脂材料、若しくはこれらのハイブリッド材料のいずれかからなることを特徴とする(1)〜(17)のいずれか記載の微小電機機械式変調素子。
この微小電気機械式変調素子によれば、金属材料を用いることで支持部材を小片化することができ、これにより素子形状の設計自由度が向上し、素子自体の小型化が図れる。また、樹脂材料を用いることで支持部材の大きさを過剰に小さくすることがなくなる。そして、これらの材料を組み合わせたハイブリッド材料を用いることで、所望の弾性力に容易に設定することができる。
(20) 前記可動部を駆動することで変調動作を制御する制御部を備えたことを特徴とする(1)〜(19)のいずれか記載の微小電気機械式変調素子。
この微小電気機械式変調素子によれば、制御部が可動部を駆動することで、変調動作を任意に制御することが可能となる。
(21) (1)〜(20)のいずれか記載の微小電気機械式変調素子を一次元又は二次元配列したことを特徴とする微小電気機械式変調素子アレイ。
この微小電気機械式変調素子アレイによれば、微小電気機械式変調素子を一次元又は二次元配列することで、同時に複数の素子による変調が可能となり、例えば画像信号を変調する場合に高速に処理することができる。
(22) 前記微小電気機械式変調素子のそれぞれがメモリ回路を含む駆動回路を有し、可動部と、該可動部に対峙する少なくとも2つ以上の固定部とに設けられた電極のうち一方が前記駆動回路からの素子変位信号の入力される信号電極であり、他方が共通電極であることを特徴とする(21)記載の微小電気機械式変調素子アレイ。
この微小電気機械式変調素子アレイによれば、可動部の電極と、可動部に対峙する少なくとも2つ以上の固定部に設けられた電極のうち、一方がメモリ回路を含む駆動回路からの素子変位信号の入力される信号電極で、他方が共通電極であることにより、アレイ状にした場合の配線が簡略化される。
(23) 光源と、(21)または(22)記載の微小電気機械式変調素子アレイと、前記光源からの光を前記微小電気機械式変調素子アレイに照射する照明光学系と、前記微小電気機械式変調素子アレイから出射される光を画像形成面に投影する投影光学系と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
この画像形成装置によれば、低電圧駆動の微小電気機械式変調素子アレイを利用して画像形成を高速に行うことができる。
(24) 可動部が弾性支持部により支持された構造をもつ、低電圧駆動可能な回転系微小電気機械素子の設計方法であって、前記可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力の関係を示す平面上において、所望電圧によって、前記可動部を最終変位位置に保持できる限界点をプロットしていくことによって、特性線Aを得る第1のステップと、前記平面上において、前記所望電圧にて前記可動部を駆動した場合に、前記可動部を遷移時間を伴って前記最終変位位置に引き込むことができる限界点をプロットしていくことによって、特性線Bを得る第2のステップと、前記特性線Aを境界として、前記弾性支持部の弾性力が低くなる側の領域で、かつ、前記特性線Bを境界として、前記可動部の大きさが小さくなる側の領域に含まれるように、前記可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力を決定する第3のステップと、を含むことを特徴とする回転系微小電気機械素子の設計方法。
この手法を用いることによって、可動部の大きさ(可動部の慣性モーメント)と、粘性と、支持部の弾性力との相互の関係を動的に解析し、その解析結果に基づいて、低電圧で可動部が変位し、かつその可動部が所定位置に保持される構造を実現することができる。
(25) 前記可動部の前記駆動電圧印加による挙動を解析する際に、前記可動部の粘性減衰比ζを、質量に比例する質量比例型減衰と見なして下記式により決定することを特徴とする(24)記載の回転系微小電気機械素子の設計方法。
ζ ∝ α/2ω (但し、α:実測による粘性減衰定数、ω:振動角周波数)
これによって、回転系微小電気機械素子の可動部の大きさ(サイズ)と弾性支持部の弾性力との関係を、周囲の大気による粘性の効果を含めて解析し、可動部の動的な挙動を明らかとすることが可能となる。
本発明によれば、回転系微小電気機械素子の可動部の大きさ(サイズ)と弾性支持部の弾性力との関係を、周囲の大気による粘性の効果を含めて解析し、可動部の動的な挙動を明らかとし、その知見に基づいて、低電圧(例えば、10V以下)にて、可動部を適正に変位させ、かつ最終変位位置に保持できるような構造を、確実かつ容易に実現することが可能となる。
以下、本発明に係る微小電気機械式変調素子、微小電気機械式変調素子アレイ、画像形成装置、及び微小電気機械式変調素子の設計方法の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る微小電気機械式変調素子の概念図であり、(a)は微小電気機械式変調素子の斜視図、(b)は縦断面図である。
本実施形態の微小電気機械式変調素子100は、基本的な構成要素として、基板11と、基板11に空隙13を介して平行に配置される小片状の可動部15と、可動部15の基板11側の面に接続され可動部を支持する弾性支持部であるヒンジ17と、このヒンジ17を介して可動部15を基板11上で支持するスペーサ19a,19bと、基板11の上面に配置され、ヒンジ17を中央として両側に駆動電極(固定電極)である第1アドレス電極21a及び第2アドレス電極21bと、を備える。また、可動部15は、可動部15自体が導電性を有し、あるいはその一部に可動電極を有している。さらに、基板11中には駆動回路23が設けられる。このような構成により可動部15は、ヒンジ17が振れることによって回転変位が可能となり、駆動回路23の印加する電圧に応じてヒンジ17を軸とする任意の方向の回転駆動が可能となる。
なお、駆動回路23は可動部15(可動電極)と第1アドレス電極21aとの間、及び可動部15(可動電極)と第2アドレス電極21bとの間に電位差を発生させる電圧を印加する。
微小電気機械式変調素子100は、可動部15の上面が光反射部(マイクロミラー部)となる。可動部15の平面形状が四角形状であることにより、複数の可動部を一次元や二次元に配列した場合、隣接する可動部との隙間が小さくなり、設置効率が高められる。この他、本発明に係る微小電気機械式変調素子100は、可動部15の材質を適宜選択し、或いは短絡接点等を付設することにより、光変調スイッチ、光切替スイッチ、電気スイッチとして機能させることができる。また音波、流体、熱線のスイッチング、或いはRF信号のスイッチングも可能となる。
本実施の形態において、可動部15は、特定方向の回転動作の最終変位位置に到達するに際し、停止部材に接触して停止する。これにより、最終変位位置を超えて変位して大きな振動が発生することを抑制できる。図示例においては、可動部15の表面は絶縁材料で被覆され、第1アドレス電極21a,第2アドレス電極21bが停止部材として機能する。つまり、本構成では接触型の微小電気機械式変調素子となっている。
微小電気機械式変調素子100は、その基本動作として、第1アドレス電極21a、第2アドレス電極21b、可動部15へ、それぞれ電圧を印加することによって、ヒンジ17を振り中心として可動部27を揺動変位させる。つまり、可動部15がマイクロミラー部であることにより、マイクロミラー部に照射された光の反射方向がスイッチングされる。
具体的には、駆動回路23が、第1アドレス電極21a、第2アドレス電極21bに可動部15に対する電位差を与えると、第1アドレス電極21a,第2アドレス電極21bと、可動部15との間に物理的作用力として静電気力が発生し、これによりヒンジ17を中心とした回転トルクが可動部15に働く。この際に発生する静電気力の強弱は、周囲雰囲気の誘電率、可動部15の面積(電極面積)、印加電圧、可動部15とアドレス電極21a、21bとの電極間隔に依存する。
可動部15と第1アドレス電極21aとの電位差をVaとし、可動部15と第2アドレス電極21bとの電位差をVbとしたとき、例えば、Va>Vbのときには、第1アドレス電極21aと可動部15との間に発生する静電気力が、第2アドレス電極21bと可動部15との間に発生する静電気力より大きくなり、可動部15は左側が下がるように傾く。逆に、Va<Vbのときは、第2アドレス電極21bと可動部15との間に発生する静電気力が、第1アドレス電極21aと可動部15との間に発生する静電気力より大きくなり、可動部15は右側が下がるように傾く。
このように、可動部(可動電極)15、第1アドレス電極21a、第2アドレス電極21b、駆動回路23は、可動部15を回転変位させるための駆動手段となっている。このような駆動手段から可動部15へ加えられる物理的作用力が静電気力であることで、可動部15の高速な回転変位が可能となる。
なお、可動部15に作用させる物理的作用力は、静電気力以外の物理的作用力であってもよい。その他の物理的作用力としては、電磁石などによる電磁力、ピエゾ素子などによる電歪、機械的手段などの任意の手段が採り得る。
このように、微小電気機械式変調素子100は、双方向に変位する可動部15を備え、この可動部15がスイッチング機能を有する。可動部15は、物理的作用力を加える複数の駆動手段(可動部15の可動電極、第1アドレス電極21a、第2アドレス電極21b、駆動回路23)によって重力、ヒンジ17の弾性力に抗して回転変位される。
次に、図2及び図3を参照して本発明の微小電気機械式変調素子100の動作についてさらに詳細に説明する。
図2は微小電気機械式変調素子の動作過程(a),(b),(c)を示す概念図である。
駆動回路23から電圧が印加されていない状態から、第1アドレス電極21aと可動部15との間の電位差Vaを、第2アドレス電極21bと可動部15との間の電位差Vbより大きくすると、可動部には第1アドレス電極21aに吸引される静電気力が印加される。この静電気力は、図2(a)に示すように、ヒンジ17を、その弾性力に抗して反時計方向に捩じって可動部15を左に傾ける。このとき、ヒンジ17にはヒンジの捩り角度に比例した量の弾性エネルギが蓄積される。
そして、可動部15と第1アドレス電極21aとの間に、ヒンジ17に蓄積された弾性エネルギよりも大きな静電気力を発生する電位差Vaを与え続けることにより、可動部15は左に傾いた状態で保持される。
次に、図2(b)に示すように、可動部15と第1アドレス電極21aとの間の電位差Vaを除去してヒンジ17に蓄積されていた弾性エネルギを解放すると共に、可動部15と第2アドレス電極21bとの間に、静電気力を発生する電位差Vbを与えると、可動部15は時計方向に回動を開始する。
そして、図2(c)に示すように、可動部15が第2アドレス電極21bに接触した後、可動部15は右に傾いた状態で再び保持される。以後、電位差Va、Vbを解放、印加するごとに同様の動作を繰り返し行う。
このようにして静電気力によって可動部15が回転変位して、可動部15の先端が下部へと急激に落ち込むプルイン(Pull-in)という現象を起こし、基板11へと吸着される(張り付く)。即ち、可動部15は、可動部15の可動電極、第1アドレス電極21a、第2アドレス電極21bに印加されるPu11-in電圧によって発生する静電気力で変位される。第1アドレス電極21a側にプルイン(Pu11-in)した可動部15は、Pu11-in電圧より低い電圧のPu11-out電圧を第1アドレス電極21aに印加することにより、プルインされた状態(図2(a)に示す状態)で保持される。
上記のような構造の可動部15を有する双方向駆動回転系の素子100において、電極間電位差がVbとなる電圧を第2アドレス電極21bと可動部(可動電極)15の各電極に印加して、回転角度が−θから+θまで可動部15を遷移させるとき、素子の慣性モーメントをJ=J1とすると、可動部15の回転角度が、初期位置の−θから最終位置の+θに到達するまでの遷移時間Tは、弾性支持部であるヒンジ17の支持部弾性力K、または支持部弾性力Kに応じた振動角周波数ωによって決まる。
弾性支持部は、アルミなどの金属で形成することができる。また、低い弾性係数を有する高分子ポリマー材料等を用いることによって、支持部材として構成した場合に発生する弾性力を小さく抑えることができる。この場合には、小さな弾性力を発生させるために支持部材の大きさを過剰に小さくすることがなくなる。この他にも、金属材料、樹脂材料、これらのハイブリッド材料、誘電材料であってもよい。金属材料を用いる場合は、弾性支持部を小片化することができ、これにより素子形状の設計自由度が向上し、素子自体の小型化が図れる。また、樹脂材料を用いる場合は、弾性支持部の大きさを過剰に小さくすることがなくなる。そして、これらの材料を組み合わせたハイブリッド材料を用いる場合は、所望の弾性力に容易に設定することができる。さらには、これらの材料以外でも、本発明の効果を示す材料であればいかなる材料であってもよい。
(低電圧駆動を実現するための、微小電気機械式変調素子の動的な挙動の解析)
上記のような構造をもつ微小電気機械式変調素子を、10V以下(例えば、5Vや3V)で駆動するためには、微小電気機械式変調素子の静的な状態のみを観察するだけでは不十分であり、さらに、大気の粘性を考慮した動的な挙動を詳細に観察する必要がある。まず、この点について説明する。
図3は、図1に記載される微小電気機械式変調素子の、印加電圧と変位角度の静的な関係を示す図である。ここでいう「静的な関係」とは、図1の変調素子の可動部が変移するときの、その途中の動的な挙動を無視し得るような環境下における関係、という意味である。
図3において、P1は構造Aのヒステリシス特性を示し、P2は構造Bのヒステリシス特性を示す。図示されるように、印加電圧を0Vから上昇させていくと、変位角度は徐々に大きくなる。そして、構造BについてはVbBに達すると+θ1(最終変位位置)に瞬時的に変位し、構造AについてはVbAに達すると、同様に、+θ1(最終変位位置)に瞬時的に変位する。そして、その後、印加電圧を徐々に低下しても、しばらくの間は構造A,構造B共に、可動部15の一端が最終変位位置に固定されたままであるが、印加電圧がVaとなると、ヒンジ17の弾性力が静電気力による引力に勝り、可動部15の状態を保持することができなくなり、可動部は、反対方向に向けて大きく変位する。ここで、可動部15が最終変位位置+θ1(停止位置)にあるとき、その状態を維持するために必要な駆動電圧を保持電圧ということにすると、図3中の「Va」は、最小の保持電圧ということができる。以下、Vaのことを保持電圧ということにする。また、VbB,VbAは、瞬時的な引き込みが発生する駆動電圧であり、これを静的プルイン(Pull-in)電圧ということにする。
図3の特性からわかることは、構造A,構造Bは、可動部の大きさが異なるものの共通の保持電圧Vaを有していること、両構造の静的なプルイン電圧(VbA,VbB)は異なること、である。ただし、図3のヒステリシス特性を見るだけでは、構造A,構造Bについて、駆動電圧を極端に低下させたときに、可動部15が、時間経過と共にどのような挙動を示すかについては、何らの情報も得ることができない。
図4は、図3に示される静的な特性をもつ構造A,構造Bの各微小電気機械式変調素子に、保持電圧(Va)を印加したときの、時間経過に伴う可動部の挙動の一例を示す図である。
先に説明したように、構造Aと構造Bはともに同じ保持電圧Vaを持つ。しかし可動部15の大きさが異なるため、静的プルイン電圧や振動周波数は異なる。そして、図4に示すように、両者に保持電圧Vaを印加したときの可動部15の変位を比較すると、構造Aは遷移時間(T1)を経て最終変位位置に到達するが、構造Bは到達せず、自由振動を繰り返すことになる。構造Aにおいては、印加電圧V=Va(保持電圧)にて、停止位置に引き込まれて接触し、かつ、その状態が保持される。
ここで、構造Aのように、駆動電圧Va(=保持電圧)を印加したときに、可動部の先端を最終変位位置(静止位置)に引き込み、かつ、保持することができれば、最小の電圧で可動部を適正に駆動することが可能である。つまり、任意の駆動電圧Vaを定め、この駆動電圧Vaにて駆動させる回転系素子を設計するとき、その駆動電圧Vaで、可動部が引き込まれて停止位置に接触し、かつ、保持されるように、可動部のサイズと弾性支持部(ヒンジ)の弾性力との関係を最適化することによって、低電圧駆動に適した微小電気機械式変調素子が得られることになる。
また、駆動電圧を低下させ、かつ、微小電気機械式変調素子の可動部のサイズを小さくしていくと、従来と異なる大気の粘性による効果が発現することも考えられ、大気の粘性も加味した可動部の動的な挙動を、コンピュータにより詳細にシミュレーションすることが必須となる。つまり、図4に示されるように、可動部が遷移時間を経て、やがて停止位置まで引き込まれて保持されるのか、引き込まれずに自由振動をしてしまうのか、あるいは、引き込まれて停止位置に来るものの、その状態を維持できずに離れてしまうのかといった、時間経過を伴う挙動を解析することが必要となる。
そこで、本発明では、以下の解析手法を用いて、粘性効果の知見が不十分であった、従来より微細な大きさの領域において、低電圧駆動下における可動部の動的な挙動の詳細な解析を可能とし、そして、その解析により得られたデータに基づき、可動部の大きさと弾性支持部(ヒンジ)の弾性力とがどのような関係領域にあるときに、低電圧駆動に適した微小電気機械式変調素子が得られるのかを決定し、その決定された領域内になるように、微小電気機械式変調素子の構造を設計する。このような本発明の領域の決定は、粘性を加味した詳細な動的挙動の解析によってはじめて可能となるものである。
次に、粘性の効果について説明する。
図5は、図3に示される静的な特性をもつ構造A,構造Bの各微小電気機械式変調素子に、可動部の雰囲気圧力が1気圧ならびに0.1気圧の下で保持電圧(Va)を印加したときの、時間経過に伴う可動部の挙動の一例を示す図である。
粘性の影響下で、可動部がθ1〜θ2まで変位するとき、その影響の度合いによって可動部がどのくらいの角度まで最大変位するか変わってくる。その大きさによっては、可動部は停止位置に接触したり、しなかったりする。つまり、任意の電圧Vaで駆動させる回転系素子を設計する場合に、粘性の影響によって、変位しかつ保持される構造の範囲が変化することになる。
図5において、同じ構造の素子に対して、1気圧と0.1気圧下での振動の振る舞いが示されている。点線で示されるT1は、0.1気圧下で電圧Vaを印加したときの可動部の挙動を示しており、実線で示されるT2は、1気圧下で電圧Vaを印加したときの可動部の挙動を示している。
粘性効果の大きい1気圧下では、可動部の振幅は減衰させられ、印加電圧Vaでは停止位置に到達することができない。一方、粘性効果の小さい0.1気圧下では、振幅の減衰も小さく、Vaの印加電圧で動的なプルインを生じて、可動部は停止位置に到達する。
このように、低電圧下における可動部の振る舞いを解析するためには、粘性の効果を無視することはできない。
(微小電気機械式変調素子の動的な挙動の解析方法)
次に、微小電気機械式変調素子の動的な挙動の解析方法について説明する。
下記(1)式の示す運動方程式を用い、特定の回転角度-θから+θまで可動部が遷移し、最終変位位置に到達するまでの時間を算出した。可動部(可動電極)と第1又は第2アドレス電極21a,21bとの間の電極間ギャップは可動部の変位量に応じて時々刻々と変化し、電極間に働く静電気力も時間変化する。このため、ある時間t経過後において、外力モーメントFと角度θを求め、その外力モーメントFを用いてさらに微小時間Δt経過後の外力モーメントFn+1と角度θn+1を求めるという操作を繰り返し、最終的に可動部の角度の時間変化の関係を算出した。
Figure 2007279233
粘性減衰係数:a
Figure 2007279233
上記各式において、説明のない各記号は後述の図23に示した通りである。
ここで、可動部の初期回転角度をθ、ω0 2=K/J、2μ=a/Jとし、(1)式の運動方程式を解くと、(7)式のようになる。
Figure 2007279233
回転角度θと外力モーメントFの連成解析を行うとき、ある時刻tでの回転角度をθ、外力モーメントをF1n、さらに微小時間過ぎたときの回転角度をθn+1とすると、θn+1は(8)式により求めることができる。
Figure 2007279233
図6に経過時間に対する回転角度の変化の様子を示した。可動部の回転角度は初期位置ではθであり、時間T1経過後にθに到達する(θn+1=θとなったとき、下部に接触する)。可動部が回転変位してθに到達したときの時刻をT1とすると、このT1が遷移時間となる。上記のような解析を、可動部のサイズや支持部弾性力、印加電圧などを種々変更して解析を行った。上記(7)、(8)式に示すように、回転角度θ、外力モーメントFを交互に求める連成解析が可能となって、タイムステップ毎の振動解析が行えることになる。
図7は、可動部に負荷される外力の力学的バランスの説明図である。
図示されるように、可動部15に対して、可動部15と第1アドレス電極21aとの間に所定の電位差を持たせることで、可動部15が第1アドレス電極21a側に吸引される方向に外力モーメントFが働く。このとき同時に、可動部の質量Mに応じた慣性モーメントJと、周囲雰囲気の粘性減衰係数aによる抗力が外力モーメントFとは逆方向に発生する。また、弾性支持部であるヒンジ17が捻られた状態から戻ろうとする支持部弾性力Kも逆方向に発生する。
粘性減衰係数aは、速度に比例する係数であって、一般的に減衰力は速度に比例して発生する。粘性に関しては、第2の実施形態にて具体的に説明することにする。
(低電圧駆動可能な構造の設計基準)
先に説明したように、低電圧駆動によって、可動部を適正に駆動するためには、駆動電圧Vaを印加したしたときに、停止位置にある可動部をその状態のまま保持できる構造であると共に(保持条件)、可動部が停止位置にないときは、その可動部が引き込まれて時間経過と共に変位し、やがて最終変位位置に到達する構造であること(動的プルイン条件)の2つを満たすことが最低限必要である。
これを満たすためには、保持電圧≧動的プルイン電圧の関係(必要条件)を満たす構造となっていること(かつ、実際の駆動に際し、保持電圧以上の電圧を印加すること)が必要となる。
上記のような必要条件を満たすような構造の範囲を明らかとするために、上記の解析手法を用いて、シミュレーションによる解析を行った。
(シミュレーションよる解析の結果)
(1)駆動電圧3V(図8〜図12)
本実施形態におけるMEMS素子チップは駆動電圧3Vまたは5Vで駆動されるものである。ここでは各可動部の大きさによって3Vが保持電圧となるような支持部弾性力を設定して解析を行った。
図8は、可動部の大きさと支持部(ヒンジ)の弾性力との、3V駆動かつ1気圧という条件下における適正な関係を説明するための特性図である。
まず、3Vによって可動部を停止位置に保持できる限界点を調べた。図8において、特性線X1が、3Vによって可動部を停止位置に保持できる限界(境界)を示している。つまり、特性線X1より上部の領域Z1では3Vよりも高い保持電圧が必要であるから、特性線X1よりも上の領域Z1は設計範囲外となる。言い換えれば、特性線X1より下側の領域(Z2+Z3)が、3Vによって、可動部を停止位置に保持できる領域であり、設計範囲は、この領域内にあるといえる。
さらに、図8において、特性線Y1は、3V駆動により、動的プルインが可能な限界を示しており、特性線Y1より右側の領域Z2は、可動部は動的プルインが生じず、可動部は遷移時間が経過しても停止位置に到達しない。特性線Y1よりも左側の領域Z3が、3Vで動的プルインが生じる領域であり、この領域Z3が適正な構造設計の範囲を示していることになる。図8から明らかなように、1気圧においては、可動部のサイズは、8.2μmが境界点である。したがって、可動部の大きさが4μm以上8.2μm未満の場合は、特性線X1で律束され、8.2μm以上9.0μm未満の場合は、特性線Y1で律束される。
すなわち、特性線X1より下側かつ特性線Y2よりも左側の領域Z3が、3Vで、可動部が停止位置に到達し保持される構造の領域であり、この範囲に収まるように、微小電気機械式変調素子の構造を設計すればよいことになる。
ここで、特性性X1は次のように定義できる。
可動部の雰囲気圧力が大気圧の場合、可動部の大きさをL、支持部弾性力をFとしたときに、特性線X1(ラインA)は、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線である。
1=(6.00μm , 1.16×10−12Nm)
2=(8.00μm , 1.55×10−12Nm)
3=(8.20μm , 1.59×10−12Nm)
4=(8.30μm , 1.61×10−12Nm)
5=(10.0μm , 1.94×10−12Nm)
6=(12.0μm , 2.33×10−12Nm)
また、上記特性線X1は、直線近似により、支持部弾性力Fと可動部の大きさLを、
F=1.95×10−7 L −1.0×10−14
の関係式で表すことができる。
図9は、可動部の大きさと支持部(ヒンジ)の弾性力との、3V駆動かつ0.5気圧という条件下における適正な関係を説明するための特性図である。図9の見方は、図8と同様であり、特性線X2よりも下側で、かつ、特性線Y2よりも左側の領域Z4が適正な構造の範囲である。図9から明らかなように、0.5気圧においては、可動部のサイズは、9.8μmが境界点である。
この場合の特性性X2は次のように定義できる。
特性線X2(ラインA)は、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線である。
1=(6.00μm , 1.16×10−12Nm)
2=(8.00μm , 1.55×10−12Nm)
3=(9.80μm , 1.90×10−12Nm)
4=(9.90μm , 1.92×10−12Nm)
5=(10.0μm , 1.94×10−12Nm)
6=(12.0μm , 2.33×10−12Nm)
図10は、可動部の大きさと支持部(ヒンジ)の弾性力との、3V駆動かつ0.1気圧という条件下における適正な関係を説明するための特性図である。図10の見方は、図8、図9と同様である。ただし、気圧が低くなると、粘性が低くなって可動部が回転しやすくなるため、3Vで可動部を停止位置に保持できる範囲(図10の領域Z7)であれば、動的プルインも可能であり、したがって、可動サイズの境界点は、図10内には存在しないことになる。
この場合の特性性X3は次のように定義できる。
特性線X3(ラインA)は、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線である。
1=(6.00μm , 1.16×10−12Nm)
2=(8.00μm , 1.55×10−12Nm)
3=(10.0μm , 1.94×10−12Nm)
4=(12.0μm , 2.33×10−12Nm)
次に、図11、図12を用いて、図8、図9に示す特性線X1,X2,X3およびY1,Y2の決定の根拠を示す。図11(a),(b),(c)は各々、図8,図9,図10に示される特性線X1,X2,X3の決定の根拠を説明するための図である。また、図12(a),(b)も同様に、各々、図8および図9に示される特性線Y1,Y2の決定の根拠を示す図である。
図11(a)〜(c)ならびに図12(a),(b)は、各粘性下において、イ〜トの各々のサンプルを構成し(各サンプルの可動部サイズと支持部弾性値は異なる)、各サンプルに3Vを印加したとき、可動部が停止位置に接触するかどうかを示している。ここで、各支持部弾性値は各可動部サイズにおいて保持電圧が3Vとなるように設定している。図12(a),(b)も同様であり、各粘性下において、各可動部サイズ、支持部弾性値のときの構造に3Vを印加したとき、可動部が停止位置に接触するかどうかを示している。
図11、図12において、可動部サイズを0.1μm大きくして同様の解析を行っても可動部は下部に接触しない。つまり、図11,図12は、停止位置に接触する境界の可動部サイズと支持部弾性値を表していることになる。このようなシミュレーション結果から、図8、図9、図10に示す各特性線X1,X2,X3,Y1,Y2が決定された。
この場合の特性性Y1,Y2は次のように定義できる。
特性線Y1(ラインB)は、以下の点Qi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線である。
1=(8.20μm , 1.59×10−12Nm)
2=(8.20μm , 1.55×10−12Nm)
3=(8.30μm , 1.16×10−12Nm)
4=(8.40μm , 7.75×10−13Nm)
5=(8.70μm , 3.88×10−13Nm)
6=(9.40μm , 1.94×10−13Nm)
また、特性線Y2(ラインB)は、以下の点Qi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線である。
1=(9.70μm , 1.92×10−12Nm)
2=(9.80μm , 1.90×10−12Nm)
3=(9.80μm , 1.55×10−12Nm)
4=(9.90μm , 1.16×10−12Nm)
5=(10.1μm , 7.75×10−13Nm)
6=(10.5μm , 3.88×10−13Nm)
7=(11.6μm , 1.94×10−13Nm)
ここで、特性線Y1,Y2(後述のY3も同様)は各点Qを結ぶ折れ線としてもよく、この折れ線に沿った滑らかな曲線として定義することもできる。例えば各点Qを通過するようなスプライン曲線やベジェ曲線等で定義できる。さらに、各点Qからのずれが最小となるような近似曲線(例えば二次曲線等)で定義することもできる。
(2)駆動電圧5V(図13〜図16)
多くのMEMS素子チップは駆動電圧3Vまたは5Vで駆動される。ここでは各可動部の大きさによって5Vが保持電圧となるような支持部弾性力を設定して解析を行った。
図13は、可動部の大きさと支持部(ヒンジ)の弾性力との、5V駆動かつ1気圧という条件下における適正な関係を説明するための特性図である。
まず、5Vによって可動部を停止位置に保持できる限界点を調べた。図13において、特性線X4が、5Vによって可動部を停止位置に保持できる限界(境界)を示している。つまり、特性線X4より上部の領域Z8では5Vよりも高い保持電圧が必要であるから、特性線X4よりも上の領域Z8は設計範囲外となる。言い換えれば、特性線X4より下側の領域(Z9+Z10)が、5Vによって、可動部を停止位置に保持できる領域であり、設計範囲は、この領域内にあるといえる。
さらに、図13において、特性線Y4は、5V駆動により、動的プルインが可能な限界を示しており、特性線Y4より右側の領域Z9では、可動部は動的プルインが生じず、可動部は遷移時間が経過しても停止位置に到達しない。特性線Y4よりも左側の領域Z10が、5Vで動的プルインが生じる領域であり、この領域Z10が適正な構造設計の範囲を示していることになる。図13から明らかなように、1気圧においては、可動部のサイズは、11.5μmが境界点である。したがって、可動部の大きさが4μm以上11.5μm未満の場合は、特性線X4で律束され、11.5μm以上12.5μm未満の場合は、特性線Y4で律束される。
すなわち、特性線X4より下側かつ特性線Y4よりも左側の領域Z10が、5Vで、可動部が停止位置に到達し保持される構造の領域であり、この範囲に収まるように、微小電気機械式変調素子の構造を設計すればよいことになる。
図14は、可動部の大きさと支持部(ヒンジ)の弾性力との、5V駆動かつ0.5気圧および0.1気圧という条件下における適正な関係を説明するための特性図である。
図14の見方は、図13と同様である。ただし、気圧が低くなると、粘性が低くなって可動部が回転しやすくなるため、5Vで可動部を停止位置に保持できる範囲(Z11=Z9+Z10)であれば、動的プルインも可能であり、したがって、可動サイズの境界点は、図14内には存在しないことになる。
次に、図15、図16を用いて、図15に示す特性線X4,X5,Y4の決定の根拠を示す。図15(a),(b),(c)は各々、図13、図14に示される特性線X4,X5の決定の根拠を説明するための図である。また、図16は、図13に示される特性線Y4の決定の根拠を示す図である。
図15(a)〜(c)ならびに図16(a),(b)は、各粘性下において、「イ」〜「ヘ」の各々のサンプルを構成し(各サンプルの可動部サイズと支持部弾性値は異なる)、各サンプルに5Vを印加したとき、可動部が停止位置に接触するかどうかを示している。ここで、各支持部弾性値は各可動部サイズにおいて保持電圧が5Vとなるように設定している。図16(a),(b)も同様であり、各粘性下において、各可動部サイズ、支持部弾性値のときの構造に5Vを印加したとき、可動部が停止位置に接触するかどうかを示している。
図15、図16において、可動部サイズを0.1μm大きくして同様の解析を行っても可動部は下部に接触しない。つまり、図15,図16は、停止位置に接触する境界の可動部サイズと支持部弾性値を表していることになる。このようなシミュレーション結果から、図13、図14に示すような特性線X4,X5,Y4が決定された。
この場合の特性性X4、Y4、X5は次のように定義できる。
特性線X4(ラインA)は、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線である。
1=(6.00μm , 3.22×10−12Nm)
2=(8.00μm , 4.30×10−12Nm)
3=(10.0μm , 5.35×10−12Nm)
4=(11.5μm , 6.16×10−12Nm)
5=(11.6μm , 6.22×10−12Nm)
6=(12.0μm , 6.47×10−12Nm)
また、上記特性線X4は、直線近似により、支持部弾性力Fと可動部の大きさLを、
F=5.42×10−7 L −3.0×10−14
の関係式で表すことができる。
また、特性線Y4(ラインB)は、以下の点Qi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線である。
1=(11.5μm , 6.22×10−12Nm)
2=(11.5μm , 6.16×10−12Nm)
3=(11.6μm , 5.35×10−12Nm)
4=(11.7μm , 4.30×10−12Nm)
5=(11.8μm , 3.22×10−12Nm)
6=(12.0μm , 2.17×10−12Nm)
7=(12.6μm , 1.12×10−12Nm)
特性線X5(ラインA)は、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線である。
1=(6.00μm , 3.22×10−12Nm)
2=(8.00μm , 4.30×10−12Nm)
3=(10.0μm , 5.35×10−12Nm)
4=(12.0μm , 6.47×10−12Nm)
(解析例)
図17は、実施例の微小電気機械式変調素子の詳細な構造例を示す図である。また、図18は、図23(a),(b)に示すような構造で、かつ、図17に示されるような詳細な構造をもつ微小電気機械式変調素子を1気圧下かつ3Vで駆動した場合に、可動部が停止位置に接触しかつ保持される具体的な構造の設計例を説明するための図である。
図18において、特性点S1が、設計例を示している。なお、支持部の材料としてはアルミ(Al)を想定している。
図19は、図23(a),(b)に示すような構造で、かつ図17に示されるような詳細な構造をもつ微小電気機械式変調素子を1気圧下かつ5Vで駆動した場合に、可動部が停止位置に接触しかつ保持される具体的な構造の設計例を説明するための図である。
図19において、特性点S2が、設計例を示している。なお、支持部の材料としてはアルミ(Al)を想定している。
次に、上記のシミュレーションにて使用された、粘性データの測定方法について説明する。
図20は、粘性減衰係数を求めるための装置構成を示す図である。図示されるように、真空治具200中に微小電気機械式変調素子100を封入し、真空治具200の内部を真空ポンプ300にて吸引して所定の気圧に保持する。そして、微小電気機械式変調素子100の片方の電極に電圧をかけ、可動部を傾かせる。その後、電圧を切ると、可動部は自由振動を起こして減衰し、平行位置で静止する。減衰中に、回転変位測定装置400から微小電気機械式変調素子100の可動部にレーザ光を照射し、その反射を読み取ることによって、減衰の時間変化を取得する。この測定を気圧を変えながら行った。
(粘性減衰係数について)
構造物に対する減衰力は、次の二つの形態に分けることができる。
(1)外部減衰または粘性減衰(構造物をとりまく流体などの粘性によって働くもので、速度に比例し、静止側から作用する)
(2)内部減衰または構造減衰(構造物内部で発生する微小な摩擦などによるもので、歪速度に比例し、内部での相互作用により作用する)
減衰マトリクスが、質量[M]もしくは剛性[K]マトリクスに比例するという考えはレーリー減衰と呼ばれる。いま、減衰マトリクスを[C]、比例定数をα、βとすると、減衰マトリクスは、(9)式で表される。
[C] = α [M] + β [K] …(9)
ここで、[C]がαの項だけの場合は質量比例型減衰といい、βの項だけの場合は剛性比例型減衰という。この式を変形していくと、ζを減衰比、ωを構造体の振動角周波数として、(10)式が得られる。
ζ = α/2ω + βω/2 …(10)
図21は、振動角振動数と減衰比との関係を示す図である。(10)式によれば、図21に示すように、振動角周波数ωが小さい領域では質量の影響が大きく、ωが大きい領域では剛性の影響が大きくなる。(参考文献:「振動モデルとシミュレーション」(田中基八郎・三枝省三 共著、産業科学システムズ))
図22は、構造の異なる回転系素子を、それぞれ異なる粘性条件下で自由振動させたときの振動角周波数に対する減衰比の変化を示す図であり、粘性条件毎にフィッティングカーブを算出している。このフィッティングカーブは、α/2ω の項のみに基づいてフィッテイングさせている。フィッティング結果が良好なことから、本回転系素子に対しては質量比例型減衰として扱うことが妥当であることが分かる。そこで、図中のαの値を用いることで、各粘性条件下での回転系素子の振る舞いをシミュレーション解析に用いた。粘性減衰係数aは(11)式のように表すことができる。
Figure 2007279233
なお、前記のフィッティングカーブとは、1気圧の場合、粘性減衰比ζが、(12)式に含まれる。
ζ = (4.83×105 ± 3.88×104)/2ω (12)
また、0.5気圧の場合、粘性減衰比ζが、(13)式に含まれる。
ζ = (3.79×105 ± 2.86×104)/2ω (13)
また、0.1気圧の場合、粘性減衰比ζが、(14)式に含まれる。
ζ = (1.34×105 ± 1.30×104)/2ω (14)
(解析条件)
次に、上記の解析方法に基づき、下記の変動値及び固定値を用いて解析を行った。可動部15は正方形状を仮定し、弾性支持部となるヒンジ17が可動部15の下に隠れるように、可動部15の長さによって決まるように設定した。可動部材、支持部材の材料はアルミを用いるものとする。
a)変動値
可動部長さ:L1
可動部幅:L2(=L1
支持部長さ:l1(=(L1-2.2μm)/2)
支持部幅:l2(=0.6μm)
支持部厚さ:h(=0.05μm)
可動部質量:M
電極間距離:d
電極間電位差:V
b)固定値
可動部厚さ:H=0.5μm
可動部密度:ρ=2.7g/cm3
支持部材ヤング率:E=68.85GPa
支持部材ポアソン比:ν=0.36
接触角度:θ=10 deg
粘性係数:a(1気圧環境下で設定)
図23は本発明に係る微小電気機械式変調素子モデルの構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のP−P断面図である。
この構造では、可動部15はヒンジ17の基端側が接続される支持ポスト25に一体に構成されており、ヒンジ17の他端側は図示しないヒンジ固定部に接続されている。可動部15を第1アドレス電極21aから離反するように傾斜させた状態から、第1アドレス電極21aと可動部15との間に電位差Vを発生させることで、可動部15を第1アドレス電極21aに接近駆動させて、その変位の遷移時間を計算する。
図24は、本発明の微小電気機械式変調素子モデルと対比させるための従来モデルの構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は(b)のP−Pより見た平面図、(d)は下側面図である。
この構造では、可動部27はヒンジ29の基端側が接続される支持ポスト31に一体に構成されており、ヒンジ17の他端側は図示しないヒンジ固定部に接続されている。可動部29を第2アドレス電極33bに吸着させた状態から、第1アドレス電極33aと可動部27との間に電位差Vを発生させることで、可動部29を第1アドレス電極33aに接近駆動させ、その動的な挙動を解析した。
例えば、可動部のサイズが10.8μm、12.6μmの微小電気機械変調素子の双方について、10Vによる駆動を試みたが、可動部は、遷移時間を経過しても停止位置(最終変位位置)にプルインすることができなかった。つまり、従来構造の変調素子では、3V〜5V程度では、可動部が停止位置(最終変位位置)まで到達することさえできない、ということである。
このことから、本発明の動的解析に基づく設計手法によって設計された、回転系MEMS素子の構造は、従来の構造から明らかに区別され得る、新規なものであることがわかる。
(第2の実施形態)
微小電気機械式変調素子は、図1に示す構造に限らず他の異なる構造であってもよい。図25に微小電気機械式変調素子の他の構成例(a),(b),(c)を示した。
図25(a)の微小電気機械式変調素子は、四角形の可動部15Aにおける一方の対角線が回転動作の軸となるように、対角線に沿ってヒンジ17が可動部15Aに接合されている。ヒンジ17の両端部は、スペーサ19a,19bにより支持される。この構成により、可動部15Aの回転変位の慣性力が小さくて済み、高速駆動に有利となる。
図25(b)の微小電気機械式変調素子は、可動部15Bの両縁部から延出されるヒンジ17A,17Bと、このヒンジ17A,17Bを介して可動部15Bを基板11上で支持するスペーサ19a,19bとを備える。この構成により、素子構成が簡略化しつつ、可動部27をヒンジ29,29の振れによって回転変位させることができる。
図25(c)の微小電気機械式変調素子は、可動部15Cの一端がヒンジ17A、17B、スペーサ19a,19bを介して基板11に支持固定されている。つまり、可動部15Cは、他端が自由端となった片持ち梁状に構成される。そして、基板11上には可動部15Cの自由端に対向して第1アドレス電極22aが設けられ、可動部15Cを挟んだ第1アドレス電極22aの反対側には図示しない対向基板に形成される第2アドレス電極22bが設けられている。この構成によっても、可動部15が低電圧で高速に変位できるようになる。
図26は複数の微小電気機械式変調素子のそれぞれがメモリ回路を含む駆動回路を有した構成を示す説明図である。
微小電気機械式変調素子アレイ200は、微小電気機械式変調素子100のそれぞれがメモリ回路37を含む駆動回路23(図1参照)を有する。このようなメモリ回路37を備えることで、メモリ回路37に対して、予め素子の次の変位動作を表す変位信号の書き込みが可能となる。つまり、メモリ回路37には予め素子変位信号が書き込まれて、微小電気機械式変調素子アレイ200のスイッチングのとき、各々の微小電気機械式変調素子100のメモリ回路37に記憶された素子変位信号に基づいて、微小電気機械式変調素子100への印加電圧を制御する駆動電圧制御回路39により変調駆動が行われる。
このように、メモリ回路37を用いて微小電気機械式変調素子100を駆動すると、複数の素子100のそれぞれを任意の駆動パターンで容易に動作させることができ、より高速なアクティブ駆動が可能となる。なお、ここでは、図1の微小電気機械式変調素子アレイ100の構成を示したが、これに限らず、他の構成の素子であってもよい。
次に、上記微小電気機械式変調素子100を用いて構成した画像形成装置について説明する。ここでは、画像形成装置の例として、まず、露光装置300について説明する。
図27は本発明に係る微小電気機械式変調素子アレイを用いて構成した露光装置の概略構成を示す図である。露光装置300は、照明光源41と、照明光学系43と、上述した実施の形態の微小電気機械式変調素子100を同一平面状で2次元状に複数配列した微小電気機械式変調素子アレイ200と、投影光学系45とを備える。
照明光源41は、レーザ、高圧水銀ランプ、及びショートアークランプ等の光源である。照明光学系43は、例えば、照明光源41から出射された面状の光を平行光化するコリメートレンズである。コリメートレンズを透過した平行光は微小電気機械式変調素子アレイ200の各微小電気機械式変調素子100に入射する。照明光源41から出射された面状の光を平行光化する手段としては、コリメートレンズ以外にも、マイクロレンズを2つ直列に配置する方法等がある。また、照明光源41としてショートアークランプ等の発光点が小さいものを使用することで、照明光源41を点光源とみなし、微小電気機械式変調素子アレイ200に平行光を入射するようにしても良い。また、照明光源41として微小電気機械式変調素子アレイ200の各微小電気機械式変調素子100に対応するLEDを有するLEDアレイを使用し、LEDアレイと微小電気機械式変調素子アレイ200とを近接させて光を発光させることで、微小電気機械式変調素子アレイ200の各微小電気機械式変調素子100に平行光を入射するようにしても良い。なお、照明光源41としてレーザを用いた場合には、照明光学系43は省略しても良い。
投影光学系45は、画像形成面である記録媒体47に対して光を投影するためのものであり、例えば、微小電気機械式変調素子アレイ200の各微小電気機械式変調素子100に対応したマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイ等である。
以下、露光装置300の動作を説明する。
照明光源41から出射された面状の光が照明光学系43に入射し、ここで平行光された光が微小電気機械式変調素子アレイ200に入射する。微小電気機械式変調素子アレイ200の各微小電気機械式変調素子100に入射される光は、画像信号に応じてその反射が制御される。微小電気機械式変調素子アレイ200から出射された光は、投影光学系45により記録媒体47の画像形成面に撮影露光される。撮影光は記録媒体47に対して相対的に走査方向に移動しながら投影露光され、広い面積を高解像度で露光することができる。このように、コリメートレンズを微小電気機械式変調素子アレイ200の光の入射面側に設けることで、各変調素子の平面基板に入射する光を平行光化することができる。なお、図中49はオフ光を導入する光アブソーバーを表す。
この露光装置300は、照明光学系43としてコリメートレンズを用いることに限らず、マイクロレンズアレイを用いて構成することができる。この場合、マイクロレンズアレイの各マイクロレンズは、微小電気機械式変調素子アレイ200の各微小電気機械式変調素子100に対応し、マイクロレンズの光軸と焦点面が各光変調素子の中心に合うように設計、調整される。
この場合、照明光源41からの入射光は、マイクロレンズアレイにより、微小電気機械式変調素子100の一素子よりも面積が小さい領域に集光され、微小電気機械式変調素子アレイ200に入射する。微小電気機械式変調素子アレイ200の各微小電気機械式変調素子100に入射される光は、入力される画像信号に応じて反射が制御される。微小電気機械式変調素子アレイ200から出射された光は、投影光学系45により記録媒体47の画像形成面に投影露光される。投影光は記録媒体47に対して相対的に走査方向に移動しながら投影露光され、広い面積を高解像度で、露光することができる。このように、マイクロレンズアレイによって照明光源41からの光を集光することができるため、光利用効率を向上させた露光装置を実現することができる。
なお、マイクロレンズのレンズ面形状は、球面、半球面など、特に形状は限定されず、凸曲面であっても凹曲面であってもよい。さらに、屈折率分布を有する平坦形状なマイクロレンズアレイであってもよく、フレネルレンズやバイナリーオプティクスなどによる回折型レンズがアレイされたものであってもよい。マイクロレンズの材質としては、例えば、透明なガラスや樹脂である。量産性の観点では樹脂が優れており、寿命、信頼牲の観点からはガラスが優れている。光学的な観点上、ガラスとしては石英ガラス、溶融シリカ、無アルカリガラス等が好ましく、樹脂としてはアクリル系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリカーボネイト系、スチレン系、塩化ビニル系等が好ましい。なお、樹脂としては、光硬化型、熱可塑型などがあり、マイクロレンズの製法に応じて適宜選択することが好ましい。
次に、画像形成装置の他の例として、投影装置について説明する。
図28は本発明の微小電気機械式変調素子アレイを用いて構成した投影装置の概略構成を示す図である。図18と同様の構成には同一符号を付し、その説明は省略するものとする。
投影装置としてのプロジェクタ400は、照明光源41と、照明光学系43と、微小電気機械式変調素子アレイ200と、投影光学系51とを備える。投影光学系51は、画像形成面であるスクリーン53に対して光を投影するための投影装置用の光学系である。照明光学系43は、前述したコリメータレンズであってもよく、マイクロレンズアレイであってもよい。
次に、プロジェクタ400の動作を説明する。
照明光源41からの出射光は、例えばマイクロレンズアレイにより、微小電気機械式変調素子100の一素子よりも面積が小さい領域に集光され、微小電気機械式変調素子アレイ200に入射する。微小電気機械式変調素子アレイ200の各微小電気機械式変調素子100に入射される光は、画像信号に応じてその反射が制御される。微小電気機械式変調素子アレイ200から反射された光は、投影光学系51によりスクリーン53の画像形成面に投影露光される。このように、微小電気機械式変調素子アレイ200は、投影装置にも利用することができ、さらには、表示装置にも適用可能である。
したがって、露光装置300やプロジェクタ400等の画像形成装置では、上記の微小電気機械式変調素子アレイ200が構成の要部に備えられることで、可動部15の低電圧・高速変位が可能となる。これにより、高速な感光材露光や、より高画素数のプロジェクタの表示が可能となる。また、露光光のオン・オフで階調制御がなされる画像形成装置(露光装置300)では、オン・オフ時間の短縮が可能となることで、より高階調の実現が可能となる。この結果、高速な感光材露光や、より高画素数のプロジェクタを表示させることができる。
以上説明したように本発明によれば、回転系微小電気機械素子の可動部の大きさ(サイズ)と弾性支持部の弾性力との関係を、周囲の大気による粘性の効果を含めて解析し、可動部の動的な挙動を明らかとし、その知見に基づいて、低電圧(例えば、10V以下)にて、可動部を適正に変位させ、かつ最終変位位置に保持できるような構造を、確実かつ容易に実現することが可能となる。
本発明は、低電圧で駆動可能な、双方向に回転する回転系微小電気機械式変調素子の構造、ならびに、その変調素子を低電圧で駆動するための、粘性効果を含めた動的な解析と条件設定)、微小電気機械式変調素子アレイおよび画像形成装置に用いて有用である。
本発明に係る微小電気機械式変調素子の概念図であり、(a)は微小電気機械式変調素子の斜視図、(b)は縦断面図である。 微小電気機械式変調素子の動作過程(a),(b),(c)を示す概念図である。 図1に記載される微小電気機械式変調素子の、印加電圧と変位角度の静的な関係を示す図である。 図3に示される静的な特性をもつ構造A,構造Bの各微小電気機械式変調素子に、保持電圧(Va)を印加したときの、時間経過に伴う可動部の挙動の一例を示す図である。 図3に示される静的な特性をもつ構造A,構造Bの各微小電気機械式変調素子に、1気圧ならびに0.1気圧の下で保持電圧(Va)を印加したときの、時間経過に伴う可動部の挙動の一例を示す図である。 可動部を低電圧にて駆動した場合の、経過時間に対する回転角度の変化の様子を示す図である。 可動部に負荷される外力の力学的バランスの説明図である。 可動部の大きさと支持部(ヒンジ)の弾性力との、3V駆動かつ1気圧という条件下における適正な関係を説明するための特性図である。 可動部の大きさと支持部(ヒンジ)の弾性力との、3V駆動かつ0.5気圧という条件下における適正な関係を説明するための特性図である。 可動部の大きさと支持部(ヒンジ)の弾性力との、3V駆動かつ0.1気圧という条件下における適正な関係を説明するための特性図である。 (a),(b),(c)は各々、図8、図9、図10に示される特性線X1,X2,X3の決定の根拠を説明するための図である。 (a),(b)は各々、図8および図9に示される特性線Y1,Y2の決定の根拠を示す図である。 可動部の大きさと支持部(ヒンジ)の弾性力との、5V駆動かつ1気圧という条件下における適正な関係を説明するための特性図である。 可動部の大きさと支持部(ヒンジ)の弾性力との、5V駆動かつ0.5気圧および0.1気圧という条件下における適正な関係を説明するための特性である。 (a),(b),(c)は各々、図13、図14に示される特性線X4,X5の決定の根拠を説明するための図である。 図13に示される特性線Y4の決定の根拠を示す図である。 実施例の微小電気機械式変調素子の詳細な構造例を示す図である。 図23(a),(b)に示すような構造で、かつ、図17に示されるような詳細な構造をもつ微小電気機械式変調素子を1気圧下かつ3Vで駆動した場合に、可動部が停止位置に接触しかつ保持される具体的な構造の設計例を説明するための図である。 図23(a),(b)に示すような構造で、かつ図17に示されるような詳細な構造をもつ微小電気機械式変調素子を1気圧下かつ5Vで駆動した場合に、可動部が停止位置に接触しかつ保持される具体的な構造の設計例を説明するための図である。 粘性減衰係数を求めるための装置構成を示す図である。 振動角振動数と減衰比との関係を示す図である。 構造の異なる回転系素子を、それぞれ異なる粘性条件下で自由振動させたときの振動角周波数に対する減衰比の変化を示す図である。 (a),(b)に示すような構造で、かつ、図17に示されるような詳細な構造をもつ微小電気機械式変調素子を1気圧下かつ3Vで駆動した場合に、可動部が停止位置に接触しかつ保持される具体的な構造の設計例を説明するための図である。 本発明の微小電気機械式変調素子モデルと対比させるための従来モデルの構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は(b)のP−Pより見た平面図、(d)は下側面図である。 (a)〜(c)の各々は、微小電気機械式変調素子の他の構成例を示す図である。 複数の微小電気機械式変調素子のそれぞれがメモリ回路を含む駆動回路を有した構成を示す説明図である。 本発明に係る微小電気機械式変調素子アレイを用いて構成した露光装置の概略構成を示す図である。 本発明の微小電気機械式変調素子アレイを用いて構成した投影装置の概略構成を示す図である。
符号の説明
11 基板
13 空隙
15 可動部
15A,51B,15C 可動部
17 ヒンジ
19a,19b スペーサ
21a 第1アドレス電極
21b 第2アドレス電極
23 駆動回路
25 支持ポスト
37 メモリ回路
39 駆動電圧制御回路
41 照明光源
43 照明光学系
45 投影光学系
47 記録媒体
49 光アブソーバ
51 投影光学系
53 スクリーン
θ 傾斜角度
T 遷移時間
K 支持部弾性力
ω 振動角周波数
100 微小電気機械式変調素子
200 微小電気機械式変調素子アレイ
300 露光装置
400 プロジェクタ

Claims (25)

  1. 固定基板上で弾性変位可能に支持され双方向に回転変位する可動部と、電圧印加により前記可動部へ物理的作用力を加える駆動部と、を複数備え、前記可動部のそれぞれが変調機能を有する微小電気機械式変調素子であって、
    前記可動部は、前記駆動部からの物理的作用力によって、第1の方向へ回転変位して前記固定基板側に接触停止した第1の停止位置に至り、また、前記第1の方向と異なる第2の方向に回転変位して前記固定基板側に接触停止する第2の停止位置に至ることができ、
    また、前記第1および第2の停止位置にある前記可動部の状態をそのまま保持することができる電圧を保持電圧とし、また、前記第1および第2の停止位置にない状態の前記可動部を前記第1および第2の停止位置まで遷移時間を伴って引き込むことができる電圧を動的プルイン電圧とした場合、前記保持電圧よりも前記動的プルイン電圧が低く設定されており、また、前記駆動部は、前記保持電圧以上の駆動電圧によって前記可動部を駆動し、
    かつ、前記駆動電圧は、10V以下であることを特徴とする微小電気機械式変調素子。
  2. 前記可動部が前記固定基板に対して弾性支持部を介して支持されており、
    かつ、前記可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力の関係をグラフ化した場合に、そのグラフ上において、
    前記可動部を、所定の前記駆動電圧を印加した場合に前記第1および第2の停止位置に保持できる可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力の限界を示すラインAと、
    所定の前記駆動電圧にて前記可動部を駆動した場合に、前記可動部を前記第1および第2の停止位置に遷移時間を伴って引き込むことができる可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力の限界を示すラインBと、を境界とし、
    前記ラインAの前記弾性支持部の弾性力が低くなる側の領域で、かつ、前記ラインBの前記可動部の大きさが小さくなる側の領域に含まれるように、前記可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力が規定されていることを特徴とする請求項1記載の微小電気機械式変調素子。
  3. 前記所定の駆動用電圧が、5Vの電圧であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の微小電気機械式変調素子。
  4. 前記可動部の雰囲気圧力が大気圧の場合、前記可動部の大きさをL、前記支持部弾性力をFとしたときに、
    前記ラインAが、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であり、
    前記ラインBが、以下の点Qi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の微小電気機械式変調素子。
    1=(6.00μm , 3.22×10−12Nm)
    2=(8.00μm , 4.30×10−12Nm)
    3=(10.0μm , 5.35×10−12Nm)
    4=(11.5μm , 6.16×10−12Nm)
    5=(11.6μm , 6.22×10−12Nm)
    6=(12.0μm , 6.47×10−12Nm)
    1=(11.5μm , 6.22×10−12Nm)
    2=(11.5μm , 6.16×10−12Nm)
    3=(11.6μm , 5.35×10−12Nm)
    4=(11.7μm , 4.30×10−12Nm)
    5=(11.8μm , 3.22×10−12Nm)
    6=(12.0μm , 2.17×10−12Nm)
    7=(12.6μm , 1.12×10−12Nm)
  5. 前記可動部の雰囲気圧力が略0.5気圧の場合、前記可動部の大きさをL、前記支持部弾性力をFとしたときに、
    前記ラインAが、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の微小電気機械式変調素子。
    1=(6.00μm , 3.22×10−12Nm)
    2=(8.00μm , 4.30×10−12Nm)
    3=(10.0μm , 5.35×10−12Nm)
    4=(12.0μm , 6.47×10−12Nm)
  6. 前記所定の駆動用電圧が、3Vの電圧であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の微小電気機械式変調素子。
  7. 前記可動部の雰囲気圧力が大気圧の場合、前記可動部の大きさをL、前記支持部弾性力をFとしたときに、
    前記ラインAが、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であり、
    前記ラインBが、以下の点Qi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であることを特徴とする請求項6記載の微小電気機械式変調素子。
    1=(6.00μm , 1.16×10−12Nm)
    2=(8.00μm , 1.55×10−12Nm)
    3=(8.20μm , 1.59×10−12Nm)
    4=(8.30μm , 1.61×10−12Nm)
    5=(10.0μm , 1.94×10−12Nm)
    6=(12.0μm , 2.33×10−12Nm)
    1=(8.20μm , 1.59×10−12Nm)
    2=(8.20μm , 1.55×10−12Nm)
    3=(8.30μm , 1.16×10−12Nm)
    4=(8.40μm , 7.75×10−13Nm)
    5=(8.70μm , 3.88×10−13Nm)
    6=(9.40μm , 1.94×10−13Nm)
  8. 前記可動部の雰囲気圧力が略0.5気圧の場合、前記可動部の大きさをL、前記支持部弾性力をFとしたときに、
    前記ラインAが、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であり、
    前記ラインBが、以下の点Qi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の微小電気機械式変調素子。
    1=(6.00μm , 1.16×10−12Nm)
    2=(8.00μm , 1.55×10−12Nm)
    3=(9.80μm , 1.90×10−12Nm)
    4=(9.90μm , 1.92×10−12Nm)
    5=(10.0μm , 1.94×10−12Nm)
    6=(12.0μm , 2.33×10−12Nm)
    1=(9.70μm , 1.92×10−12Nm)
    2=(9.80μm , 1.90×10−12Nm)
    3=(9.80μm , 1.55×10−12Nm)
    4=(9.90μm , 1.16×10−12Nm)
    5=(10.1μm , 7.75×10−13Nm)
    6=(10.5μm , 3.88×10−13Nm)
    7=(11.6μm , 1.94×10−13Nm)
  9. 前記可動部の雰囲気圧力が略0.1気圧で、前記可動部の大きさが4μm〜11.5μmの場合、前記可動部の大きさをL、前記支持部弾性力をFとしたときに、
    前記ラインAが、以下の点Pi(L,F)(iは正整数の指標)を通る線であることを特徴とする請求項2又は請求項3記載の微小電気機械式変調素子。
    1=(6.00μm , 1.16×10−12Nm)
    2=(8.00μm , 1.55×10−12Nm)
    3=(10.0μm , 1.94×10−12Nm)
    4=(12.0μm , 2.33×10−12Nm)
  10. 前記可動部の前記駆動電圧印加による挙動は、前記可動部の粘性減衰比ζが下記式を満足する挙動であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の微小電気機械式変調素子。
    ζ = (4.83×105 ± 3.88×104)/2ω (ω:振動角周波数)
  11. 前記可動部の前記駆動電圧印加による挙動は、前記可動部の粘性減衰比ζが下記式を満足する挙動であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の微小電気機械式変調素子。
    ζ = (3.79×105 ± 2.86×104)/2ω (ω:振動角周波数)
  12. 前記可動部の前記駆動電圧印加による挙動は、前記可動部の粘性減衰比ζが下記式を満足する挙動であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の微小電気機械式変調素子。
    ζ = (1.34×105 ± 1.30×104)/2ω (ω:振動角周波数)
  13. 前記可動部が、それぞれの前記最終変位位置に配された停止部材に接触して停止することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項記載の微小電気機械式変調素子。
  14. 前記物理的作用力が、前記可動部の複数の作用点に加えられることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項記載の微小電気機械式変調素子。
  15. 前記駆動部により前記可動部を前記第1の方向および前記第2の方向へ変位させる物理的作用力が、静電気力であることを特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか1項記載の微小電気機械式変調素子。
  16. 前記可動部の平面形状が四角形状であることを特徴とする請求項1〜請求項15のいずれか1項記載の微小電気機械式変調素子。
  17. 前記可動部を回転変位させる物理的作用力の波形は、矩形波、sin波、cos波、鋸波、三角波のいずれかを含むことを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか1項記載の微小電気機械式変調素子。
  18. 前記可動部を弾性変位可能に支持する前記弾性支持部は、高分子材料からなることを特徴とする請求項1〜請求項17のいずれか1項記載の微小電気機械式変調素子。
  19. 前記可動部を弾性変位可能に支持する前記弾性支持部は、金属材料、樹脂材料、若しくはこれらのハイブリッド材料のいずれかからなることを特徴とする請求項1〜請求項17のいずれか1項記載の微小電機機械式変調素子。
  20. 前記可動部を駆動することで変調動作を制御する制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜請求項19のいずれか1項記載の微小電気機械式変調素子。
  21. 請求項1〜請求項20のいずれか1項記載の微小電気機械式変調素子を一次元又は二次元配列したことを特徴とする微小電気機械式変調素子アレイ。
  22. 前記微小電気機械式変調素子のそれぞれがメモリ回路を含む駆動回路を有し、可動部と、該可動部に対峙する少なくとも2つ以上の固定部とに設けられた電極のうち一方が前記駆動回路からの素子変位信号の入力される信号電極であり、他方が共通電極であることを特徴とする請求項21記載の微小電気機械式変調素子アレイ。
  23. 光源と、
    請求項21または請求項22記載の微小電気機械式変調素子アレイと、
    前記光源からの光を前記微小電気機械式変調素子アレイに照射する照明光学系と、
    前記微小電気機械式変調素子アレイから出射される光を画像形成面に投影する投影光学系と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  24. 可動部が弾性支持部により支持された構造をもつ、低電圧駆動可能な微小電気機械素子の設計方法であって、
    前記可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力の関係を示す平面上において、所望電圧によって、前記可動部を最終変位位置に保持できる限界点をプロットしていくことによって、特性線Aを得る第1のステップと、
    前記平面上において、前記所望電圧にて前記可動部を駆動した場合に、前記可動部を、遷移時間を伴って前記最終変位位置に引き込むことができる限界点をプロットしていくことによって、特性線Bを得る第2のステップと、
    前記特性線Aを境界として、前記弾性支持部の弾性力が低くなる側の領域で、かつ、前記特性線Bを境界として、前記可動部の大きさが小さくなる側の領域に含まれるように、前記可動部の大きさに対する前記弾性支持部の弾性力を決定する第3のステップと、
    を含むことを特徴とする微小電気機械素子の設計方法。
  25. 前記可動部の前記駆動電圧印加による挙動を解析する際に、前記可動部の粘性減衰比ζを、質量に比例する質量比例型減衰と見なして下記式により決定することを特徴とする請求項24記載の微小電気機械素子の設計方法。
    ζ ∝ α/2ω (但し、α:実測による粘性減衰定数、ω:振動角周波数)
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