JP2007278337A - 部材接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 一方の接合部材の上面及び下面を他方の接合部材に接合する部材接合方法において、設備の簡素化を図ると共に、接合部材同士の位置決め性を確保し、溶接熱による部材の変形を抑制する。
【解決手段】 上面32及び下面31を有するサイドシル3と、該サイドシルの上面32及び下面31にそれぞれ対向する部位21a′、21a″を有する延出部21aとを上方及び下方の各対向部でそれぞれ接合する部材接合方法であって、前記下方の対向部を接着剤Aにより接着する接着ステップ(図4(a)、(b))と、該接着剤Aによる接着完了前に、前記上方の対向部を高密度熱源Bによる溶接により接合する溶接ステップ(図4(c))とを有する。
【選択図】 図4
【解決手段】 上面32及び下面31を有するサイドシル3と、該サイドシルの上面32及び下面31にそれぞれ対向する部位21a′、21a″を有する延出部21aとを上方及び下方の各対向部でそれぞれ接合する部材接合方法であって、前記下方の対向部を接着剤Aにより接着する接着ステップ(図4(a)、(b))と、該接着剤Aによる接着完了前に、前記上方の対向部を高密度熱源Bによる溶接により接合する溶接ステップ(図4(c))とを有する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、一対の部材を接合する部材接合方法に関し、接合技術の技術分野に属する。
現在、自動車の車体などは、板金をプレスして組合せ、応力分散構造となるモノコック構造が主流であるが、アルミ合金パネル等を用いて軽量化を図る際には、まずパイプ材の骨格を組み立てた後、パネルを組み付けるフレーム構造とされることがある。
そして、前記フレーム構造における骨格の組み立てにおいては、接合部材同士を接着剤により接合する方法や、レーザ等の高密度熱源により接合する方法があるが、同一接合部位で接着剤と高密度熱源とを併用し、より強固な接合構造とすることが特許文献1に開示されている。すなわち、この文献1には、接合部材同士の合せ面に接着剤を塗布し、該合せ面の端部をレーザ溶接する方法が開示されている。
特開2001−193715号公報
ところで、前記接合部材として、例えば図15に断面形状で示すように、径の異なる一対のパイプ材100,200に対して一方のパイプ材100を他方のパイプ材200に挿入した状態で上部及び下部を接合するときのように、一方の接合部材100の上面100a及び下面100bを他方の接合部材200の上部下面200a及び下部上面200bに接合する際に、接着剤又は高密度熱源の同一接合手段で上部及び下部を接合するのが一般的であるが、この場合に以下のような問題がある。
すなわち、例えば他方の接合部材200の上部下面200a及び下部上面200bに接着剤を塗布し、ここに一方の接合部材100を挿入して接着接合するようにした場合は、接着剤を塗布する際のノズルの姿勢制御が複雑になって生産性が低下する。さらに、塗布後直ぐに硬化する接着剤は扱い難いため、塗布後ある程度の時間経過したときに硬化する接着剤が使用されることになるが、接着剤が硬化するまで接合部材100,200を精密に位置調整した状態で保持しなければならないという問題がある。
また、他方の接合部材200に一方の接合部材100を挿入した状態で、他方の接合部材200の上側及び下側から高密度熱源を照射し、両接合部材100,200を上下で溶接するようにした場合は、熱源の照射角度を上下に変えなければならないので該熱源の設備の複雑化を招くことになる。また、このように溶接だけで十分な接合強度を確保しようとすると、溶接熱が大きくなって熱歪による接合部材100,200の変形が生じるおそれがあると共に、この変形に伴って接合後の接合部材100,200の位置精度が低下するという問題もある。
そこで、本発明は、一方の接合部材の上面及び下面を他方の接合部材に接合する部材接合方法において、設備の簡素化を図ると共に、接合部材同士の位置決め性を確保し、溶接熱による部材の変形を抑制することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、上面及び下面を有する第1接合部材と、該第1接合部材の上面及び下面にそれぞれ対向する部位を有する第2接合部材とを上方及び下方の各対向部でそれぞれ接合する部材接合方法であって、前記下方の対向部を接着手段により接着する接着ステップと、該接着手段による接着完了前に、前記上方の対向部を高密度熱源による溶接により接合する溶接ステップとを有することを特徴とする。
なお、前記接着手段としては接着剤や加熱により膨張して接着させる発泡充填材などがある。ここで、接着手段による接着完了前とは、接着剤の場合は未だ硬化していない液体状態のことであり、発泡充填材の場合は加熱前の状態である。また、前記高密度熱源としてはレーザビーム、電子ビーム、プラズマアーク、ガスなどがある。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の部材接合方法において、前記第1接合部材は、上面及び下面を有する挿入部を有し、前記第2接合部材は、前記挿入部が挿入される袋状部を有し、かつ、前記挿入部の上面と袋状部のそれに対向する部位とが上方の接合部とされ、前記挿入部の下面と袋状部のそれに対向する部位とが下方の接合部とされていることを特徴とする。
さらに、請求項3に記載の発明は、前記請求項2に記載の部材接合方法において、前記第2接合部材の袋状部は、前記挿入部が挿入される側の端面が上方側よりも下方側が突出するように傾斜して形成されていることを特徴とする。
一方、請求項4に記載の発明は、前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の部材接合方法において、前記接着手段は、熱硬化型または紫外線硬化型の接着剤であり、前記溶接ステップの後に、該接着剤の加熱または紫外線照射による硬化を行う接着剤硬化ステップを有することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項4に記載の部材接合方法において、前記接着手段は、熱硬化型の接着剤とされ、前記接着剤硬化ステップは、塗装乾燥工程と併せて行われることを特徴とする。
さらに、請求項6に記載の発明は、前記請求項1から請求項5に記載の部材接合方法において、前記高密度熱源は、レーザビームであることを特徴とする。
そして、請求項7に記載の発明は、前記請求項1から請求項6に記載の部材接合方法において、前記第1、第2接合部材のうちの少なくとも一方は、軽金属材料からなることを特徴とする。
まず、請求項1に記載の発明によれば、第1、第2接合部材の上方の対向部と下方の対向部とが接着手段又は高密度熱源の異なる接合手段により接合されるので、接着手段として接着剤が用いられる場合にノズルの姿勢制御を上下に変更することがなくなって制御の簡素化が図られると共に、高密度熱源の照射方向も上下に変更することがないので設備の簡素化が図られる。
また、接着手段による接着完了前に、高密度熱源による溶接により上方の対向部が接合されるので、第1、第2接合部材の相対位置が固定される。この結果、接着手段が接着完了するまで第1、第2接合部材の相対位置を精密に保持しておく必要がなくなるので、作業性が向上する。さらに、溶接が施されるのが片側だけであるから熱影響が小さくなって部材の熱歪による変形が抑制される。
ところで、上方の対向部を接着剤により接着する場合には、第2接合部材における第1接合部材の上面に対向する面に接着剤が塗布されることになるが、ここに接着剤を塗布すると液だれが生じ、接合品質の低下を招く。これに対し、本発明によれば、下方の対向部を接着手段により接合するので、接着剤の液だれが防止され、良好な接合品質が得られるという効果もある。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記第1接合部材は、上面及び下面を有する挿入部を有し、前記第2接合部材は、前記挿入部が挿入される袋状部を有し、かつ、前記挿入部の上面と袋状部のそれに対向する部位とが上方の接合部とされ、前記挿入部の下面と袋状部のそれに対向する部位とが下方の接合部とされている場合に、前記請求項1の発明の方法を適用することにより、作業性を向上しつつ、挿入部と袋状部とを良好に接合することができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、前記第2接合部材の袋状部は、前記挿入部が挿入される側の端面が上方側よりも下方側が突出するように傾斜して形成されているので、接着手段による接着作業が容易となる。つまり、接着手段として接着剤を用いる場合は、接着剤供給用のノズルが袋状部の挿入部の下面に対向する部位に近接しやすくなると共に、接着手段として発泡充填材を用いる場合は、該発泡充填材を袋状部の挿入部の下面に対向する部位に装着するときの作業性が向上する。
次に、請求項4に記載の発明によれば、前記接着手段は、熱硬化型または紫外線硬化型の接着剤であり、高密度熱源により上方の対向部が溶接された後に、前記接着剤の加熱または紫外線照射による硬化が行われるので、接着剤を確実に硬化させることができ、確実に十分な接合強度を確保することができる。
また、請求項5に記載の発明によれば、前記接着手段は、熱硬化型の接着剤とされており、この接着剤は塗装乾燥工程で硬化させる。つまり、一般に車体の組み立て後には塗装工程に移送されることになるが、塗装工程における乾燥工程で車体を乾燥するために加熱が行われるので、熱硬化型の接着剤も加熱により硬化することになる。この結果、接着剤を硬化させるための工程を別途設けることなく、既存の工程を利用して作業の簡素化が図られる。
さらに、請求項6に記載の発明によれば、前記高密度熱源としてレーザビームが使用されるので、大掛かりな付帯設備等を設けることなく、熱影響のより少ない溶接を簡単に行うことができる。つまり、高密度熱源として例えば電子ビームを使用する場合は、真空引きの設備等が必要となるので、設備が大掛かりとなるのであるが、レーザビームによる溶接はこのような大掛かりな設備は必要なく、設備の簡素化が図られるのである。
そして、請求項7に記載の発明によれば、前記第1、第2接合部材のうちの少なくとも一方は、軽金属材料からなるので、溶接熱による熱膨張、つまり熱歪による変形が生じやすいが、前記のように上方の対向部にのみ溶接が行われるので、熱影響を極力少なくすることができる。この結果、熱影響に対して弊害が出易い軽金属材料に対しても良好な接合を行うことが可能となる。
以下、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1に示すように、フレーム構造の車体1の一部としてジョイント部材2が備えられ、該ジョイント部材2は、サイドシル3とセンターピラー下部4とを連結するようになっている。
前記ジョイント部材2は、アルミニウム合金製の中空の部材であって、上部及び両側部に延出する延出部21a,21b,21cがそれぞれ設けられている。これらの延出部21a,21b,21cは断面略正方形の筒状に形成され、端部にそれぞれ開口部22…22(図中右側の延出部21bに設けられた開口部は省略する)が設けられている。両側部に設けられた延出部21a,21bは、下部が上部よりも外方に突出するように端部23,23が傾斜して形成されている。
また、図2に示すように、前記サイドシル3は、アルミニウム合金を押出成形により断面略正方形の筒状に成形したものであって、その外径は前記ジョイント部材2の側部の延出部21aに設けられた開口部22よりも若干小径とされている。そして、延出部21aの開口部22にサイドシル3が挿入されると共に、上部の延出部21cの開口部22にセンターピラー下部4が挿入され、それぞれ接合されることになる。なお、前記ジョイント部材2及びサイドシル3は、アルミニウム合金製のものに限らず、マグネシウム等の軽金属材料で成形されたものでもよい。
ここで、前記ジョイント部材2とサイドシル3との接合方法について説明する。
まず、図3に示すように、ロボットのアーム41に取り付けられた接着剤供給用のノズル42を備えた装置40が準備される。この装置40は、ノズル42の位置を3次元的に制御可能とされると共に、ノズル先端42aからは被接着面アに接着剤Aを供給可能となっている。
そして、図4(a)に示すように、ノズル先端42aが下向きとなる状態で、前記ジョイント部材2の延出部21aの下部上面21a′に近接させる。そして、ノズル先端42aから接着剤Aを供給しつつ、該先端42aを延出部21aの下部上面21a′における先端部近傍を幅方向に移動させることにより、幅方向に沿って直線状に接着剤Aが塗布される。
前記接着剤Aは、熱を加えることにより硬化する熱硬化型接着剤であり、例えば硬化時の耐衝撃性に優れるDOW社の製品名「BM1480」又は「BM1496V」などが使用される。なお、前記接着剤Aは、紫外線硬化型のものであってもよく、この場合は、例えば金属同士を良好に接着可能なスリーボンド社の製品名「3113B紫外線硬化型エポキシ樹脂」などが使用される。
次に、図4(b)に示すように、サイドシル3をジョイント部材2の延出部21aの開口部22に挿入する。このとき、前記接着剤Aは硬化していない液体状態であり、サイドシル3の端部を挿入することによりの下面31と延出部21aの下部上面21a′との間で接着剤Aが引き伸ばされることになる。そして、サイドシル3は所定の挿入深さで位置決めされ、このときサイドシル3の挿入された部分を挿入部3′とする。
この後、図4(c)に示すように、延出部21a′の上方からレーザビームBの照射を行い、延出部21aの上部21a″とサイドシル3の上面32とをレーザ溶接する。このレーザビームBは、内周側に挿入部3′が重なる範囲の延出部21aの上部21a″の幅方向中央部に点状に照射され、又は重なる範囲の延出部21aの上部21a″の幅方向に亘って線状に照射され、又は重なる範囲の延出部21aの上部21a″の複数箇所に点状に照射される。そして、レーザビームBの照射により延出部21aの照射箇所B′が溶融すると共にこれに重なるサイドシル3の上面32も溶融し、これを凝固させることにより延出部21aとサイドシル3の上部同士が接合された状態となる。
ここで、前記レーザ溶接に使用されるレーザ装置としては、図5に示すように、レーザ源51から発振されたレーザBを複数のミラー52…52で反射させることによって、被溶接面イに焦点を設定する所謂リモートレーザ装置50が用いられる。この装置50では、矢印ウ、エで示すように、ミラー52…52の角度を変更することにより焦点の位置をずらすことが可能であり、例えば線状に溶接する場合は、レーザ源51からレーザBを出力しつつミラー52…52の角度を徐々に変更していくことになる。なお、前記図4(c)で示した溶接は、レーザビームBによるものに限らず、電子ビーム、プラズマアーク、ガスなどの高密度熱源によるものであればよい。
次に、延出部21aとサイドシル3の上部同士が溶接により接合された状態で、塗装工程に送られる。この塗装工程では、電着塗装を行った後、電着乾燥炉に送られるようになっており、この電着乾燥炉で車体に熱が加えられる(例えば180〜200℃で30分の加熱)。この結果、延出部21aの下部上面21a′とサイドシル3の下面31との間に介在する接着剤Aが硬化し、前記ジョイント部材2とサイドシル3との接合が完了する。なお、接着剤Aとして紫外線硬化型接着剤が使用される場合は、塗装工程の前に、つまり前記溶接が行われた後に、該接着剤Aに対して紫外線を照射することにより該接着剤Aを硬化させることになる。そして、このとき得られた延出部21aとサイドシル3との接合構造は、上部で溶接により接合され、下部で接着剤Aにより接着接合されたものとなる。
以上のように、ジョイント部材2の延出部21aの開口部22にとサイドシル3が挿入され、これらの上部と下部とが接着剤A又はレーザビームBの異なる接合手段により接合されるので、接着剤Aを供給するノズル42の姿勢制御を上下に変更することがなくなって制御の簡素化が図られると共に、レーザビームBの照射方向も上下に変更することがないので設備50の簡素化が図られる。
また、接着剤Aの硬化前に、レーザビームBによる溶接部分が接合されるので、ジョイント部材2とサイドシル3との相対的な位置が固定される。この結果、接着剤Aが硬化するまでジョイント部材2とサイドシル3との相対位置を精密に保持しておく必要がなくなるので、作業性が向上する。さらに、溶接が施されるのが上部だけであるから熱影響が小さくなって部材2,3の熱歪による変形が抑制される。
ところで、ジョイント部材2とサイドシル3との上部を接着剤Aにより接着する場合には、ジョイント部材2の上部21a″の下面に接着剤Aが塗布されることになるが、ここに接着剤Aを塗布すると液だれが生じ、接合品質の低下を招く。これに対し、前記のようにジョイント部材2とサイドシルとの下部を接着剤Aにより接着する構成とされ、延出部21aの下部上面21a′に接着剤Aが塗布されるようになっているので、接着剤Aの液だれの問題が解消され、良好な接合品質が得られるという効果もある。
また、前記ジョイント部材の延出部21aは、端面23が上方側よりも下方側が突出するように傾斜して形成されているので、ノズル42を近接させるための間口が広くなって、接着剤Aの塗布作業が容易となる。
一方、前記接着剤Aは、熱硬化型または紫外線硬化型の接着剤であり、溶接により延出部21aとサイドシル3との上部が接合された後に、該接着剤Aの加熱または紫外線照射による硬化が行われるので、接着剤Aを確実に硬化させることができ、接合不良の発生が防止される。
また、前記実施形態のように、熱硬化型の接着剤Aが使用された場合には、塗装乾燥工程で接着剤を硬化させることが可能であるから、接着剤Aを硬化させるための工程を別途設けることなく、既存の工程を利用して作業の簡素化が図られる。
さらに、溶接する際にレーザビームBが使用されるので、大掛かりな付帯設備等を設けることなく、熱影響のより少ない溶接を簡単に行うことができる。つまり、高密度熱源として例えば電子ビームを使用する場合は、真空引きの設備等が必要となるので、設備が大掛かりとなるのであるが、レーザービームBを使用することによりこのような大掛かりな設備は必要なくなる。
そして、前記ジョイント部材2又はサイドシル3のうちの少なくとも一方は、軽金属材料からなるので、溶接熱による熱膨張、つまり熱歪の変形が生じやすいが、前記のように上部にのみ溶接が行われるので熱影響を極力少なくすることができる。この結果、熱影響に対して弊害が出易い軽金属材料に対しても良好な接合を行うことが可能となる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。この実施の形態は、前記接着剤Aに代えて発泡充填材Cを用いるものである。この発泡充填材Cは、熱を加えると体積が膨張するもので(発泡倍率1.5倍以上)、例えば共和産業の商品名「HY−100」(発泡倍率4.8倍)などが用いられる。
まず、図6、7に示すように、サイドシル3の下面31の先端部近傍には断面コ字状の発泡充填材Cが下方から装着されている。この発泡充填材Cは、射出成形により成形されたものであって、中央部にクリップDが取り付けられている。また、サイドシル3の先端部近傍の下部中央には孔部33が設けられており、該孔部33に前記クリップDの先端を嵌め込むことによりサイドシル3に対して発泡充填材Cを固定するようになっている。なお、前記クリップDは、発泡充填材Cの射出成形の際に一体成形することも可能である。
一方、図8に示すように、ジョイント部材2の延出部21aの先端近傍には、内周に亘って凹む段差部21a1が設けられている。そして、図9、10に示すように、前記サイドシル3が延出部21aに挿入されたときに、前記発泡充填材Cが前記段差部21a1に嵌り込むことになる。
この状態で、延出部21aの上方から前記同様にレーザビームBを照射して溶接し、この後、発泡充填材Cに高熱を加えて膨張させることにより、延出部21aとサイドシル3との接着作用が得られ、接合が完了する。このとき得られた延出部21aとサイドシル3との接合構造は、上部で溶接により接合され、下部で発泡充填材Cにより接着接合されたものとなる。
そして、この実施形態においても、前記第1の実施の形態と同様の作用効果が得られ、加えて、延出部21aの段差部21a1と発泡充填材Cとの係合によりサイドシル3の長手方向の接合強度が向上すると共に、発泡充填材Cを使用したときの特有の効果として振動減衰性が向上する。また、前記のように延出部21aの端部23を傾斜して形成したことにより、発泡充填材Cの段差部21a1に装着する際の作業性が向上することになる。さらに、発泡充填材Cを膨張させる工程として前記のように塗装乾燥工程を兼用させ、工程を低減させることも可能である。
次に、前記第1の実施の形態の変形例について説明すると、図11に示すように、ジョイント部材2の延出部21aの下部上面21a′に一対の直方体の突起部21a2,21a2が幅方向に並んで設けられていると共に、図12に示すように、サイドシル3の下面31に前記突起部21a2,21a2に嵌合する一対の孔部34,34(一方のみ図示)が設けられている。この構成によればメカニカルに接合強度の向上が図れ、特にサイドシル3の長手方向の衝撃に対する耐性が向上する。また、前記突起部21a2,21a2と孔部34,34を嵌合させることにより、サイドシル3を延出部21aに挿入したときのおおよその位置決めが可能であり、作業性が向上する。
また、図13に示すように、ジョイント部材2の延出部21aの下部上面21a′に一対の略半球状となる突起部21a3,21a3が幅方向に並んで設けられ、図14に示すように、サイドシル3の下面31に前記突起部21a3,21a3に嵌合する一対の窪み35,35(一方のみ図示)が設けられているものであっても、同様の作用効果が得られる。
なお、このような構造に限らず、延出部21aの突起部がサイドシル3の凹みに係合する構造であればよく、突起部の数、形状は任意でよい。また、サイドシル3に突起部を設け、延出部21aに凹みを設けるようにしてもよい。
本発明は、一対の部材を接合する部材接合方法に関し、接合の作業性を向上すると共に良好な接合構造を得ることができるので、製造産業に広く利用可能である。
2 ジョイント部材
3 サイドシル
3′ 挿入部
21a 延出部
21a′ 下部上面
21a″ 上部
31 下面
32 上面
A 接着剤
B レーザビーム
3 サイドシル
3′ 挿入部
21a 延出部
21a′ 下部上面
21a″ 上部
31 下面
32 上面
A 接着剤
B レーザビーム
Claims (7)
- 上面及び下面を有する第1接合部材と、該第1接合部材の上面及び下面にそれぞれ対向する部位を有する第2接合部材とを上方及び下方の各対向部でそれぞれ接合する部材接合方法であって、
前記下方の対向部を接着手段により接着する接着ステップと、
該接着手段による接着完了前に、前記上方の対向部を高密度熱源による溶接により接合する溶接ステップとを有することを特徴とする部材接合方法。 - 前記請求項1に記載の部材接合方法において、
前記第1接合部材は、上面及び下面を有する挿入部を有し、
前記第2接合部材は、前記挿入部が挿入される袋状部を有し、かつ、
前記挿入部の上面と袋状部のそれに対向する部位とが上方の接合部とされ、前記挿入部の下面と袋状部のそれに対向する部位とが下方の接合部とされていることを特徴とする部材接合方法。 - 前記請求項2に記載の部材接合方法において、
前記第2接合部材の袋状部は、前記挿入部が挿入される側の開口端面が上方側よりも下方側が突出するように傾斜して形成されていることを特徴とする部材接合方法。 - 前記請求項1から請求項3のいずれかに記載の部材接合方法において、
前記接着手段は、熱硬化型または紫外線硬化型の接着剤であり、
前記溶接ステップの後に、該接着剤の加熱または紫外線照射による硬化を行う接着剤硬化ステップを有することを特徴とする部材接合方法。 - 前記請求項4に記載の部材接合方法において、
前記接着手段は、熱硬化型の接着剤とされ、
前記接着剤硬化ステップは、塗装乾燥工程と併せて行われることを特徴とする部材接合方法。 - 前記請求項1から請求項5に記載の部材接合方法において、
前記高密度熱源は、レーザビームであることを特徴とする部材接合方法。 - 前記請求項1から請求項6に記載の部材接合方法において、
前記第1、第2接合部材のうちの少なくとも一方は、軽金属材料からなることを特徴とする部材接合方法。
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