JP2007272968A - 磁気ディスク装置 - Google Patents

Abstract

【課題】小型化、軽量化した場合でも、湿度制御材やガス吸着材を取り付けるための取付スペースを十分に確保できるようにする。
【解決手段】ＨＤＤ１の呼吸孔２０の外側には、呼吸孔２０の内側に実装可能な内部フィルタ７０の何十倍もの大きさの外付けフィルタ内蔵ユニット３０を装着する。そして、フィルタ内蔵ユニット３０のフィルタ４０は、ＨＤＤ１の使用環境にとって適切な湿度に調整するための湿度制御材と、有害なガスを除去するためのガス吸着材とを混合した材料を用いて形成する。
【選択図】図２

Description

本発明は、例えばハードディスクドライブ装置等の磁気ディスク装置に関する。

今までの磁気ディスク装置はコンピュータの外部記憶装置として、パーソナルコンピュータ等に搭載され、企業のオフィスや一般家庭等の環境で使用されてきた。そして、近年、磁気ディスク装置は小型化、軽量化され、衝撃耐力の向上等によってカーナビゲーション、携帯音楽プレーヤ、ＤＶＤ、携帯電話等に採用されたり、屋外で使用する家電品等にも多く採用されている。これにより、磁気ディスク装置は高温、高湿、有害ガス等の苛酷な環境での動作保証が必然的に要求されることになった。

例えば、カーナビゲーションを例にとると、夏の駐車場に放置された自動車の表面温度は、約７０℃になり、自動車内の部材からは磁気ディスク装置にとって有害なシロキサン等の有機系ガスが揮発し、また走行中には排気ガス等（硫黄酸化物、窒素酸化物等）の腐食性ガスに曝されることになる。また、雨の日は車内の湿度が１００％近くに達し、磁気ディスク装置が腐食して記録再生機能に影響を与えかねない。このような劣悪な環境から磁気ディスク装置を保護して信頼性を向上させるために、パーソナルコンピュータ用に比べ、多量の湿度制御材やガス吸着材を有したユニットを磁気ディスク装置に搭載する方法が検討されてきた（例えば、特許文献１）。
特開２００４−２６５５４５号公報

ところで、前記特許文献１に記載の磁気ディスク装置は、ヘッドディスクアッセンブリを収容する箱体の内部に湿度制御材（調湿材）を収容する構成としている。しかし、磁気ディスク装置は、小型化、軽量化が進むにつれて、ますます苛酷な環境で使用される機会が多くなってきている。そして、特許文献１に記載の磁気ディスク装置を小型化、軽量化すると、これに伴って磁気ディスク装置の箱体の内部に湿度制御材を収容するためのスペースを確保することが難しいという問題がある。

本発明はこのような問題に鑑みてなされたもので、小型化、軽量化した場合でも、湿度制御材やガス吸着材を取り付けるための取付スペースを十分に確保することができる磁気ディスク装置を提供することをその目的の一つとする。

前記従来技術の問題点を解決するための本発明に係る磁気ディスク装置は、磁気記録媒体にデータの記録、再生を行うためのヘッドディスクアセンブリが内蔵された箱体と、該箱体の壁面に貫通して設けられた呼吸孔とを備え、前記箱体の外表面には、湿度制御材およびガス吸着材のうち少なくともいずれか一方の材料からなるフィルタを、該呼吸孔を塞ぐように形成したことを特徴としている。

本発明の磁気ディスク装置に係る実施の形態について、図１および図２参照しながら説明する。

本発明の実施の形態に係る磁気記録装置１（以下、ＨＤＤ１という）は、例えばハードディスクドライブ装置であり、図１および図２に示すように、箱体１０、呼吸孔２０および外付けフィルタ内蔵ユニット３０を含んで構成されている。

箱体１０は鉄板等の金属材料を用いて直方体状をなす筐体として形成されている。そして、箱体１０は、その厚さ方向の一側（図２中の下端側）が閉塞されて他側（図２中の上端側）が開口した有底の角筒状をなす箱体本体１１と、箱体本体１１の開口端側を閉塞する略長方形の平板からなるトップカバー１２とにより構成されている。また、箱体本体１１は、第１の側壁部１１Ａ、第２の側壁部１１Ｂ、第３の側壁部１１Ｃ、第４の側壁部１１Ｄおよびこれら各側壁部１１Ａ〜１１Ｄに一体形成された底壁部１１Ｅにより構成されている。なお、トップカバー１２、各側壁部１１Ａ〜１１Ｄおよび底壁部１１Ｅは、特許請求の範囲にいう「壁面」に相当する。

また、箱体１０の内部には、磁気記録ディスク１４を回転駆動させるスピンドルモータ１３と、スピンドルモータ１３によって回転駆動される複数枚の磁気記録ディスク１４（２枚のみ図示）と、磁気記録ディスク１４にデータを書き込み及び／又は読み出す磁気ヘッド１５等が内蔵されている。なお、スピンドルモータ１３、磁気記録ディスク１４および磁気ヘッド１５等を総称してヘッドディスクアセンブリと呼ぶ。

呼吸孔２０は、箱体本体１１の第１の側壁部１１Ａと第４の側壁部１１Ｄとの角隅側に位置してトップカバー１２に円形の貫通穴として形成されている。そして、呼吸孔２０は、呼吸孔２０を通じて箱体１０内に空気等の気体が出入りすることにより箱体１０の内部と外部の圧力差、温度差等をなくすものである。

外付けフィルタ内蔵ユニット３０は、フィルタ４０およびユニットケース５０により構成されており、呼吸孔２０を覆うようにトップカバー１２の外表面のほぼ全面に亘って取り付けられている。ここで、フィルタ４０は、シリカゲル等からなる湿度制御材と、活性炭からなるガス吸着材とが混合された材料を用いて形成されている。なお、前記湿度制御材と前記ガス吸着材の混合比率はＨＤＤ１の使用環境に応じて適宜に調整されるものである。例えば、外付けフィルタ内蔵ユニット３０を高温多湿な東南アジア等で使用する場合は、フィルタ４０における湿度制御材の混合比率を高めに設定してもよいし、ＨＤＤ１をカーナビゲーション等の腐食性ガスが多い環境で使用する場合は、腐食性ガスを吸着するために例えばＫ_２ＣＯ_３等を添着した活性炭のフィルタ４０における混合比率を高めに設定してもよい。

ユニットケース５０は例えば、湿気やガスを通さない金属シート等を用いて形成されている。そして、ユニットケース５０は、上面部５０Ａ、下面部５０Ｂ、第１の側面部５０Ｃ、第２の側面部５０Ｄ、第３の側面部５０Ｅおよび第４の側面部５０Ｆを有し、その内部にはフィルタ４０が内蔵されている。また、ユニットケース５０の下面部５０Ｂは、呼吸孔２０の外縁側に位置してトップカバー１２の表面に配設された環状の粘着材５１によってトップカバー１２に着脱可能に取り付けられている。また、このユニットケース５０の下面部５０Ｂには呼吸孔２０と連通する連通孔５０Ｂ１が穿設されている。さらに、ユニットケース５０の上面部５０Ａには第２の側壁部１１Ｂと第３の側壁部１１Ｃとの角隅側に位置して空気等のガスが出入りするガス出入り口５０Ａ１が穿設されている。

なお、箱体１０の内部には呼吸孔２０の外縁側に位置して筒状ケース６０が設けられている。この筒状ケース６０はトップカバー１２に固定して取り付けられ、その内部には、フィルタ４０と同様に湿度制御材とガス吸着材とが混合された材料からなる内部フィルタ７０が収容されている。また、筒状ケース６０の端部側（図２中の下端側）には塵埃除去フィルタ７１が取り付けられている。

次に、このように構成される本実施の形態に係るＨＤＤ１の動作について説明する。まずＨＤＤ１の内部と外部の圧力差、温度差等によってＨＤＤ１の外部のガス（空気、有機系ガス、腐食性ガス等）は、図３中の矢印Ａ方向へと外付けフィルタ内蔵ユニット３０のガス出入り口５０Ａ１を通じてフィルタ４０内へと侵入する。

この結果、前記ガスの湿度はフィルタ４０の湿度制御材によりＨＤＤ１の使用環境にとって適切な湿度に調整されると共に、フィルタ４０のガス吸着材によりＨＤＤ１に対して有害なガスが除去される。

そして、フィルタ４０を通過したガスは、図３中の矢印Ｂ方向へと連通孔５０Ｂ１および呼吸孔２０を経由して内部フィルタ７０へと導かれる。この結果、前記ガスは、内部フィルタ７０の湿度制御部材によりＨＤＤ１の使用環境にとって一層適切な湿度に調整されると共に、内部フィルタ７０のガス吸着材によりＨＤＤ１に対して有害なガスがさらに除去される。そして、前記ガスは図３中の矢印Ｃ方向へと導かれ、塵埃除去フィルタ７１によりガス中に含まれる塵埃が除去された状態で箱体１０内へと侵入し、ＨＤＤ１に対して無害なガスを箱体１０内へと供給することができる。

このように構成される本実施の形態に係るＨＤＤ１によれば、ＨＤＤ１の呼吸孔２０の外側に外付けフィルタ内蔵ユニット３０を装着する構成としたので、ＨＤＤ１を小型化して形成した場合でも、外付けフィルタ内蔵ユニット３０を所望の大きさに十分に大型化して形成することができる。このため、ＨＤＤ１が受ける外部環境からの影響を外付けフィルタ内蔵ユニット３０により確実に低減でき、ＨＤＤ１の性能、信頼性等を高めることができる。

次に、図４は本発明の実施の形態の別態様を示している。なお、以下ではすでに説明した態様のものと同じ構成要素に同一の番号を付し、その説明を省略するものとする。

本態様に係るＨＤＤ１００は、箱体１０、呼吸孔２０および外付けフィルタ内蔵ユニット３０を含んで構成されている。また、外付けフィルタ内蔵ユニット３０は、フィルタ４０およびユニットケース５０により構成されている。

しかし、本態様に係るＨＤＤ１００は、ユニットケース５０の下面部５０Ｂに先に説明した連通孔５０Ｂ１よりも大径の連通孔１０１が穿設されている点、トップカバー１２に呼吸孔５１よりも大径の呼吸孔１０２が穿設されている点、および筒状ケース６０および内部フィルタ７０が廃止され、塵埃除去フィルタ７１が呼吸孔１０２の外縁部の位置でトップカバー１２に直接固定して取り付けられている点で異なっている。

このように構成される本態様でも、フィルタ４０によりＨＤＤ１に対して無害なガスを箱体１０内へと供給することができ、ＨＤＤ１００が受ける外部環境からの影響を外付けフィルタ内蔵ユニット３０により確実に低減でき、ＨＤＤ１の性能、信頼性等を高めることができる。特に、本態様では、筒状ケース６０および内部フィルタ７０を廃止したので、安価なＨＤＤ１００を提供することができる。

次に、図５および図６は本発明の実施の形態のさらに別の態様を示している。なお、以下ではすでに説明した態様のものと同じ構成要素に同一の番号を付し、その説明を省略するものとする。

本態様に係る外付けフィルタ内蔵ユニット２００は、フィルタ２４０およびユニットケース２５０により構成されている。

ユニットケース２５０は、上面部２５０Ａ，２５０Ｂ、下面部２５０Ｃ、第１の側面部２５０Ｄ、第２の側面部２５０Ｅ、第３の側面部２５０Ｆ、第４の側面部２５０Ｇを有し、その内部にはフィルタ２４０が内蔵されている。また、ユニットケース２５０の下面部２５０Ｃには、呼吸孔（図示せず）と連通する連通孔２６０が設けられている。

ここで、ユニットケース２５０の上面部２５０Ａ，２５０Ｂ、下面部２５０Ｃ、第１〜第４の側面部２５０Ｄ〜２５０Ｇは、例えば湿気、ガスを通しにくいアルミ蒸着フィルムを用いて形成されている。また、ユニットケース２５０の上面部２５０Ａは、上面部２５０Ｂの上側でかつ上面部２５０Ｂと略平行な状態で第３の側面部２５０Ｆから上面部２５０Ｂの幅方向の途中位置まで延び、その先端２５０Ａ１側の幅方向一側には略Ｌ字状をなす切欠部２５０Ａ２が形成されている。そして、ユニットケース２５０の上面部２５０Ａと上面部２５０Ｂとの間には溶着部２５１，２５２によって開口端２５３を有するガス流通路２５４が形成されている。また、上面部２５０Ａ，２５０Ｂは溶着部２５５，２５６によって下面部２５０Ｃに溶着されている。

このように構成される本態様でも、ＨＤＤに対して有害なガスを開口端２５３からガス流通路２５４内に導いてフィルタ２４０により無害なガスに置換することができ、ＨＤＤ１００が受ける外部環境からの影響を外付けフィルタ内蔵ユニット３０により確実に低減でき、ＨＤＤ１の性能、信頼性等を高めることができる。

なお、本実施の形態では、フィルタ２４０を湿度制御材とガス吸着材とが混合された材料を用いて形成する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、ＨＤＤ１の使用環境に応じて例えばフィルタ２４０を湿度制御材のみを用いて形成してもよいし、ガス吸着材のみを用いて形成してもよい。

本発明の実施の形態に係るＨＤＤの平面図である。 図１中の矢印II−II方向からみた拡大断面図である。 図２中の外付けフィルタ内蔵ユニット等を拡大して示す要部拡大断面図である。 本発明の別の態様に係るＨＤＤの図２と同様の断面図である。 本発明のさらに別の態様に係る外付けフィルタ内蔵ユニットの平面図である。 図５中の矢印VI−VI方向からみた断面図である。

符号の説明

１，１００ ＨＤＤ（磁気ディスク装置）、１０ 箱体、２０，１０２ 呼吸孔、３０，２００ 外付けフィルタ内蔵ユニット、１３ スピンドルモータ、１４ 磁気ディスク、１５ 磁気ヘッド、４０，２４０ フィルタ、５０ ユニットケース。

Claims (3)

1. 磁気記録媒体にデータの記録、再生を行うためのヘッドディスクアセンブリが内蔵された箱体と、
   該箱体の壁面に貫通して設けられた呼吸孔とを備え、
   前記箱体の外側には、湿度制御材およびガス吸着材のうち少なくともいずれか一方の材料が含有されたフィルタを、該呼吸孔を塞ぐように形成したことを特徴とする磁気ディスク装置。
2. 前記フィルタは前記箱体の外側に着脱可能に取り付けられたことを特徴とする請求項１に記載の磁気ディスク装置。
3. 前記湿度制御材およびガス吸着材のうち少なくともいずれか一方からなるフィルタを外側からアルミ蒸着フィルムなどの薄いフィルムで覆うことを特徴とする請求項１に記載の磁気ディスク装置。
   

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