JP2007272427A - 生体の疑似試験コンピュータシステム、そのコンピュータプログラム、及び生体の疑似試験方法 - Google Patents
生体の疑似試験コンピュータシステム、そのコンピュータプログラム、及び生体の疑似試験方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】生体に対する試験をコンピュータシミュレーションによって擬似的に行う。
【解決手段】 生体の疑似試験コンピュータシステム100であって、生体に対する第1試験の結果の入力を受け付ける第1試験結果入力部と、入力された前記第1試験結果に基づき、前記第1試験とは異なる第2試験を行うための生体モデルを生成する生体モデル生成部と、前記生体モデルを用いて、前記第2試験のコンピュータシミュレーションを行う第2試験シミュレーション部と、を備えている。
【選択図】図7
【解決手段】 生体の疑似試験コンピュータシステム100であって、生体に対する第1試験の結果の入力を受け付ける第1試験結果入力部と、入力された前記第1試験結果に基づき、前記第1試験とは異なる第2試験を行うための生体モデルを生成する生体モデル生成部と、前記生体モデルを用いて、前記第2試験のコンピュータシミュレーションを行う第2試験シミュレーション部と、を備えている。
【選択図】図7
Description
本発明は、糖尿病に関する試験等のように生体を対象に行う試験を、コンピュータ上で行うための生体の疑似試験コンピュータシステム、そのコンピュータプログラム、及び生体の疑似試験方法に関するものである。
糖尿病の病因1つとして、インスリン抵抗性が挙げられる。インスリンは血糖を低下させるホルモンであり、インスリン抵抗性の低い(インスリン感受性の良い)健常者の場合、末梢中のインスリンが十分であれば血糖値が高くなることが抑えられる。
ところが、インスリン抵抗性が存在すると、インスリンによる糖利用促進が低下するため、末梢中にインスリンが十分あっても血糖値が高くなってしまう。
したがって、インスリン抵抗性の的確な把握は、適切な糖尿病治療を行うために重要となる。
ところが、インスリン抵抗性が存在すると、インスリンによる糖利用促進が低下するため、末梢中にインスリンが十分あっても血糖値が高くなってしまう。
したがって、インスリン抵抗性の的確な把握は、適切な糖尿病治療を行うために重要となる。
このインスリン抵抗性の評価法として、多くの方法が提案されており、例えば、空腹時血漿インスリン濃度による評価、HOMA−R(homeostasis model assesment)による評価などがある。しかし、両者とも、被験者にインスリン分泌不全がある場合には、インスリン抵抗性の評価が困難になるという欠点があるため、簡易な評価方法として用いられている。
インスリン抵抗性の厳密な評価方法としては、グルコースクランプが知られている。euglycemic-hyperinsulinemic clampと呼ばれるグルコースクランプは、図16に示すように、生体外部から、最初の所定時間(0〜10分)は、3[mU/kg/min]程度のインスリン注入を静脈へ行った後、1.5[mU/kg/min]程度の定量インスリン静脈注入を行うとともに、生体の血糖値が目標値(例えば、100mg/dl)に保たれるように、生体外部からのグルコース注入量を調整する方法である。
血糖値が一定に保たれると、肝臓での糖新生が抑制されるため、外部から投与されたグルコースは大部分が末梢(主に筋肉)に取り込まれることになる。すなわち、グルコース注入率(GIR:glucose infusion rate)は、末梢でのグルコース吸収率とみなすことができ、したがって、グルコース注入率が、インスリン抵抗性を示すことになる。
ところが、グルコースクランプは、被験者への負担が非常に大きく、あまり実施されていないのが実情である。
すなわち、図16に示すように、被験者には、点滴によって静脈へグルコース及びインスリンを投与がなされるとともに、数分おきに、血糖値を調べるための採血が何度も行われる。
前述の空腹時血漿インスリン濃度による評価やHOMA−Rであれば、一回1の採血だけでよいため被験者への負担が軽いが、グルコースクランプでは、点滴と多数回の採血が必要であるため被験者への負担が大きい。
このため、現実の糖尿病の治療に際しては、インスリン抵抗性を考慮することが困難であった。
すなわち、図16に示すように、被験者には、点滴によって静脈へグルコース及びインスリンを投与がなされるとともに、数分おきに、血糖値を調べるための採血が何度も行われる。
前述の空腹時血漿インスリン濃度による評価やHOMA−Rであれば、一回1の採血だけでよいため被験者への負担が軽いが、グルコースクランプでは、点滴と多数回の採血が必要であるため被験者への負担が大きい。
このため、現実の糖尿病の治療に際しては、インスリン抵抗性を考慮することが困難であった。
本発明者らは、グルコースクランプのように、被験者の負担が大きいなどの理由で、実施が事実上困難な試験をコンピュータシミュレーションによって簡易に行うことができれば、様々な疾患の治療に役立つであろうとの着想を得た。
そこで本発明は、生体に対する試験をコンピュータシミュレーションによって擬似的に行うための新たな技術的手段を提供することを目的とする。
そこで本発明は、生体に対する試験をコンピュータシミュレーションによって擬似的に行うための新たな技術的手段を提供することを目的とする。
本発明は、生体の疑似試験コンピュータシステムであって、生体に対する第1試験(例えば、OGTT)の結果の入力を受け付ける第1試験結果入力部と、入力された前記第1試験結果に基づき、前記第1試験とは異なる第2試験(例えば、グルコースクランプ)を行うための生体モデルを生成する生体モデル生成部と、前記生体モデルを用いて、前記第2試験のコンピュータシミュレーションを行う第2試験シミュレーション部と、を備えている。
本発明によれば、実際に第2試験(例えば、グルコースクランプ)を行わなくても、実際に行った第1試験(例えば,OGTT)結果に基づいて生成された生体モデルを使った第2試験のシミュレーションを行うことができる。
前記生体モデル生成部は、入力された前記第1試験結果を模した疑似試験結果を再現可能な生体モデルを生成するのが好ましい。
第1試験結果を模した疑似試験結果を再現できる生体モデルであれば、その生体モデルは被験者を良く模したものということができ、適切な生体モデルによって第2試験のシミュレーションを行うことができる。
第1試験結果を模した疑似試験結果を再現できる生体モデルであれば、その生体モデルは被験者を良く模したものということができ、適切な生体モデルによって第2試験のシミュレーションを行うことができる。
入力された前記第1試験結果を模した疑似試験結果を再現可能な生体モデルに、第2試験を行うための修正を施す生体モデル修正部を備えているのが好ましい。生体モデル修正部を備えていることで、第1試験と第2試験との試験条件等の違い等に対応することができる。
なお、生体モデルが、実施形態で説明するもののように、生体の機能に関する複数のパラメータを含む数理モデルによって構成されている場合、生体モデル修正部は、パラメータを修正するものとして構成できる。
なお、生体モデルが、実施形態で説明するもののように、生体の機能に関する複数のパラメータを含む数理モデルによって構成されている場合、生体モデル修正部は、パラメータを修正するものとして構成できる。
前記生体モデルは、実際の第2試験(例えば、グルコースクランプ)において生体に与えられる入力に対応した疑似入力(例えば、インスリン注入量及びグルコース注入量)が与えられると、実際の第2試験における生体応答を模した疑似応答(例えば、血糖値)を生成するよう構成され、前記第2試験シミュレーション部は、生成された前記生体モデルに対して、前記疑似入力(例えば、インスリン注入量及びグルコース注入量)を与えて、前記第2試験のコンピュータシミュレーションを行うよう構成されているのが好ましい。
前記第1試験及び第2試験は、共通の疾患に関する互いに異なる試験であることが好ましく、前記疾患としては、糖尿病を挙げることができる。また、前記第1試験は、経口糖負荷試験(OGTT)とすることができ、前記第2試験は、グルコースクランプとすることができる。
前記生体モデルは、インスリン注入量及びグルコース注入量を与えたときの生体の血糖値変化を出力可能に構成され、前記第2試験シミュレーション部は、所定のインスリン注入量を前記生体モデルに入力したときに、前記血糖値が略目標値になるグルコース注入量を求めるよう構成されているのが好ましい。このように構成されていることで、グルコースクランプのシミュレーションを行うことができる。
前記第2試験シミュレーション部によって求められたグルコース注入量からインスリン抵抗性を判定するインスリン抵抗性判定部を更に備えているのが好ましい。この場合、医師等によるインスリン抵抗性判定が容易となる。
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、前記疑似試験コンピュータシステムとして機能させるためのものである。
また、本発明に係る方法は、生体の疑似試験をコンピュータによって行う方法であって、コンピュータに入力された第1試験結果に基づき、前記第1試験とは異なる第2試験を行うための生体モデルを生成するステップと、前記生体モデルを用いて、前記第2試験のコンピュータシミュレーションを行うステップと、を含む。
本発明によれば、第2試験を実際に行わなくても、第1試験の結果から生成された生体モデルに基づき第2試験をコンピュータシミュレーションによって行うことができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る生体の疑似試験コンピュータシステム(以下、単に「システム」ともいう)のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るシステム100は、本体110と、ディスプレイ120と、入力デバイス130とから主として構成されたコンピュータ100aによって構成されている。本体110は、CPU110aと、ROM110bと、RAM110cと、ハードディスク110dと、読出装置110eと、入出力インタフェース110fと、画像出力インタフェース110hとから主として構成されており、CPU110a、ROM110b、RAM110c、ハードディスク110d、読出装置110e、入出力インタフェース110f、及び画像出力インタフェース110hは、バス110iによってデータ通信可能に接続されている。
図1は、本発明の一実施の形態に係る生体の疑似試験コンピュータシステム(以下、単に「システム」ともいう)のハードウェア構成を示すブロック図である。本実施の形態に係るシステム100は、本体110と、ディスプレイ120と、入力デバイス130とから主として構成されたコンピュータ100aによって構成されている。本体110は、CPU110aと、ROM110bと、RAM110cと、ハードディスク110dと、読出装置110eと、入出力インタフェース110fと、画像出力インタフェース110hとから主として構成されており、CPU110a、ROM110b、RAM110c、ハードディスク110d、読出装置110e、入出力インタフェース110f、及び画像出力インタフェース110hは、バス110iによってデータ通信可能に接続されている。
CPU110aは、ROM110bに記憶されているコンピュータプログラム及びRAM110cにロードされたコンピュータプログラムを実行することが可能である。そして、後述するようなアプリケーションプログラム140aを当該CPU110aが実行することにより、後述するような各機能ブロックが実現され、コンピュータ100aがシステム100として機能する。
ROM110bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構成されており、CPU110aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータ等が記録されている。
ROM110bは、マスクROM、PROM、EPROM、EEPROM等によって構成されており、CPU110aに実行されるコンピュータプログラムおよびこれに用いるデータ等が記録されている。
RAM110cは、SRAM又はDRAM等によって構成されている。RAM110cは、ROM110b及びハードディスク110dに記録されているコンピュータプログラムの読み出しに用いられる。また、これらのコンピュータプログラムを実行するときに、CPU110aの作業領域として利用される。
ハードディスク110dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU110aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。後述するアプリケーションプログラム140aも、このハードディスク110dにインストールされている。
ハードディスク110dは、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU110aに実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いるデータがインストールされている。後述するアプリケーションプログラム140aも、このハードディスク110dにインストールされている。
読出装置110eは、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブ、又はDVD−ROMドライブ等によって構成されており、可搬型記録媒体140に記録されたコンピュータプログラム又はデータを読み出すことができる。また、可搬型記録媒体140には、コンピュータを本発明のシステムとして機能させるためのアプリケーションプログラム140aが格納されており、コンピュータ100aが当該可搬型記録媒体140から本発明に係るアプリケーションプログラム140aを読み出し、当該アプリケーションプログラム140aをハードディスク110dにインストールすることが可能である。
なお、前記アプリケーションプログラム140aは、可搬型記録媒体140によって提供されるのみならず、電気通信回線(有線、無線を問わない)によってコンピュータ100aと通信可能に接続された外部の機器から前記電気通信回線を通じて提供することも可能である。例えば、前記アプリケーションプログラム140aがインターネット上のサーバコンピュータのハードディスク内に格納されており、このサーバコンピュータにコンピュータ100aがアクセスして、当該コンピュータプログラムをダウンロードし、これをハードディスク110dにインストールすることも可能である。
また、ハードディスク110dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施形態に係るアプリケーションプログラム140aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
また、ハードディスク110dには、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)等のグラフィカルユーザインタフェース環境を提供するオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、本実施形態に係るアプリケーションプログラム140aは当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
入出力インタフェース110fは、例えばUSB、IEEE1394、RS−232C等のシリアルインタフェース、SCSI、IDE、IEEE1284等のパラレルインタフェース、およびD/A変換器、A/D変換器等からなるアナログインタフェース等から構成されている。入出力インタフェース110fには、キーボードおよびマウスからなる入力デバイス130が接続されており、ユーザが当該入力デバイス130を使用することにより、コンピュータ100aにデータを入力することが可能である。
画像出力インタフェース110hは、LCDまたはCRT等で構成されたディスプレイ120に接続されており、CPU110aから与えられた画像データに応じた映像信号をディスプレイ120に出力するようになっている。ディスプレイ120は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
画像出力インタフェース110hは、LCDまたはCRT等で構成されたディスプレイ120に接続されており、CPU110aから与えられた画像データに応じた映像信号をディスプレイ120に出力するようになっている。ディスプレイ120は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
[本システムにおける生体モデル]
図2は、本システム100における生体モデルの一例の全体構成を示すブロック図である。この生体モデルは、特に、糖尿病に関連した生体器官を模したものであり、膵臓ブロック1、肝臓ブロック2、インスリン動態ブロック3及び末梢組織ブロック4から構成されている。
図2は、本システム100における生体モデルの一例の全体構成を示すブロック図である。この生体モデルは、特に、糖尿病に関連した生体器官を模したものであり、膵臓ブロック1、肝臓ブロック2、インスリン動態ブロック3及び末梢組織ブロック4から構成されている。
各ブロック1,2,3,4は、それぞれ入力と出力を有している。すなわち、膵臓ブロック1は、血中グルコース濃度6を入力とし、インスリン分泌速度7を出力としている。
肝臓ブロック2は、消化管からのグルコース吸収5、血中グルコース濃度6及びインスリン分泌速度7を入力とし、正味グルコース放出8及び肝臓通過後インスリン9を出力としている。グルコース吸収5は、生体モデル外部から与えられるデータである。
また、インスリン動態ブロック3は、肝臓通過後インスリン9を入力とし、末梢組織でのインスリン濃度10を出力としている。
さらに、末梢組織ブロック4は、正味グルコース放出8及び末梢組織でのインスリン濃度10を入力とし、血中グルコース濃度6を出力としている。
肝臓ブロック2は、消化管からのグルコース吸収5、血中グルコース濃度6及びインスリン分泌速度7を入力とし、正味グルコース放出8及び肝臓通過後インスリン9を出力としている。グルコース吸収5は、生体モデル外部から与えられるデータである。
また、インスリン動態ブロック3は、肝臓通過後インスリン9を入力とし、末梢組織でのインスリン濃度10を出力としている。
さらに、末梢組織ブロック4は、正味グルコース放出8及び末梢組織でのインスリン濃度10を入力とし、血中グルコース濃度6を出力としている。
また、それぞれの機能ブロック1〜4は、コンピュータプログラムがシステム100のCPU110aによって実行されることにより実現される。
つぎに、前述した例における各ブロックの詳細について説明する。なお、FGB及びWsはそれぞれ空腹時血糖値(FGB=BG(0))及び想定体重を示しており、またDVg及びDViはそれぞれグルコースに対する分布容量体積及びインスリンに対する分布容量体積を示している。
[生体モデルの膵臓ブロック]
膵臓ブロック1の入出力の関係は、以下の微分方程式(1)を用いて記述することができる。また、微分方程式(1)と等価な、図3に示されるブロック線図を用いて表現することもできる。
微分方程式(1):
dY/dt = −α{Y(t)−β(BG(t)−h)}
(ただし、BG(t)> h)
= −αY(t) (ただし、BG(t)<=h)
dX/dt = −M・X(t)+Y(t)
SR(t) = M・X(t)
変数:
BG(t):血糖値
X(t) :膵臓から分泌可能なインスリン総量
Y(t) :グルコース刺激に対しX(t)に新たに供給されるインスリン供給速度
SR(t):膵臓からのインスリン分泌速度
パラメータ:
h :インスリン供給を刺激できるグルコース濃度のしきい値
α :グルコース刺激に対する追従性
β :グルコース刺激に対する感受性
M :単位濃度あたりの分泌速度
ここで、図2における膵臓ブロック1への入力である血糖値6はBG(t)と対応し、また出力であるインスリン分泌速度7はSR(t)と対応する。
膵臓ブロック1の入出力の関係は、以下の微分方程式(1)を用いて記述することができる。また、微分方程式(1)と等価な、図3に示されるブロック線図を用いて表現することもできる。
微分方程式(1):
dY/dt = −α{Y(t)−β(BG(t)−h)}
(ただし、BG(t)> h)
= −αY(t) (ただし、BG(t)<=h)
dX/dt = −M・X(t)+Y(t)
SR(t) = M・X(t)
変数:
BG(t):血糖値
X(t) :膵臓から分泌可能なインスリン総量
Y(t) :グルコース刺激に対しX(t)に新たに供給されるインスリン供給速度
SR(t):膵臓からのインスリン分泌速度
パラメータ:
h :インスリン供給を刺激できるグルコース濃度のしきい値
α :グルコース刺激に対する追従性
β :グルコース刺激に対する感受性
M :単位濃度あたりの分泌速度
ここで、図2における膵臓ブロック1への入力である血糖値6はBG(t)と対応し、また出力であるインスリン分泌速度7はSR(t)と対応する。
図3のブロック線図において、6は血糖値BG(t)、7は膵臓からのインスリン分泌速度SR(t)、12はインスリン供給を刺激できるグルコース濃度のしきい値h、13はグルコース刺激に対する感受性β、14はグルコース刺激に対する追従性α、15は積分要素、16はグルコース刺激に対して新たに供給されるインスリン供給速度Y(t)、17は積分要素、18は膵臓から分泌可能なインスリン総量X(t)、19は単位濃度当たりの分泌速度Mをそれぞれ示している。
[生体モデルの肝臓ブロック]
肝臓ブロック2の入出力の関係は、以下の微分方程式(2)を用いて記述することができる。また、微分方程式(2)と等価な、図4に示されるブロック線図を用いて表現することもできる。
微分方程式(2):
dI4(t)/dt = α2{−A3I4(t) + (1−A7)・SR(t) }
Goff(FGB) = f1 (ただし FGB<f3)
= f1 + f2・(FGB−f3)
(ただしFGB>=f3)
Func1(FGB)= f4 − f5・(FGB−f6)
Func2(FGB)=f7/FGB
b1(I4(t))= f8{1 + f9・I4(t)}
HGU(t) =r・Func1(FGB)・b1(I4(t))・RG(t)+ (1−r)・Kh・BG(t)・I4(t) (ただしHGU(t)>=0)
HGP(t) = I4off・Func2(FGB)・b2+Goff(FGB)−I4(t)・Func2(FGB)・b2 (ただしHGP(t)>= 0)
SGO(t) =RG(t)+ HGP(t)−HGU(t)
SRpost(t) = A7SR(t)
変数:
BG(t):血糖値(血液単位体積あたりのグルコース濃度)
SR(t):膵臓からのインスリン分泌速度
SRpost(t):肝臓通過後のインスリン
RG(t) :消化管からのグルコース吸収
HGP(t) :肝糖放出
HGU(t) :肝糖取込
SGO(t) :肝臓からの正味グルコース
I4(t) :肝インスリン濃度
パラメータ:
Kh :単位インスリン、単位グルコース当たりの肝臓でのインスリン依存グルコース取り込み速度
A7 :肝臓でのインスリン取り込み率
Goff :基礎代謝に対するグルコース放出速度
b2 :肝糖放出抑制率に関する調整項
r :インスリン非依存性肝糖取り込みへの分配率
α2 :インスリン刺激に対する追従性
I4off :肝糖放出が抑制されるインスリン濃度のしきい値
関数:
Goff(FGB): 基礎代謝に対するグルコース放出速度
Func1(FGB): 消化管からのグルコース刺激に対する肝糖取り込み率
Func2(FGB): インスリン刺激に対する肝糖放出抑制率
f1〜f9 : 上記の3要素の表現にあたって用いた定数
b1(I4(t)): 肝糖取り込み率に関する調整項
ここで、図2における肝臓ブロックへの入力である、消化管からのグルコース吸収5はRG(t)、血糖値6はBG(t)、インスリン分泌速度7はSR(t)とそれぞれ対応し、また出力である正味グルコース放出8はSGO(t)、肝臓通過後インスリン9はSRpost(t)とそれぞれ対応している。
肝臓ブロック2の入出力の関係は、以下の微分方程式(2)を用いて記述することができる。また、微分方程式(2)と等価な、図4に示されるブロック線図を用いて表現することもできる。
微分方程式(2):
dI4(t)/dt = α2{−A3I4(t) + (1−A7)・SR(t) }
Goff(FGB) = f1 (ただし FGB<f3)
= f1 + f2・(FGB−f3)
(ただしFGB>=f3)
Func1(FGB)= f4 − f5・(FGB−f6)
Func2(FGB)=f7/FGB
b1(I4(t))= f8{1 + f9・I4(t)}
HGU(t) =r・Func1(FGB)・b1(I4(t))・RG(t)+ (1−r)・Kh・BG(t)・I4(t) (ただしHGU(t)>=0)
HGP(t) = I4off・Func2(FGB)・b2+Goff(FGB)−I4(t)・Func2(FGB)・b2 (ただしHGP(t)>= 0)
SGO(t) =RG(t)+ HGP(t)−HGU(t)
SRpost(t) = A7SR(t)
変数:
BG(t):血糖値(血液単位体積あたりのグルコース濃度)
SR(t):膵臓からのインスリン分泌速度
SRpost(t):肝臓通過後のインスリン
RG(t) :消化管からのグルコース吸収
HGP(t) :肝糖放出
HGU(t) :肝糖取込
SGO(t) :肝臓からの正味グルコース
I4(t) :肝インスリン濃度
パラメータ:
Kh :単位インスリン、単位グルコース当たりの肝臓でのインスリン依存グルコース取り込み速度
A7 :肝臓でのインスリン取り込み率
Goff :基礎代謝に対するグルコース放出速度
b2 :肝糖放出抑制率に関する調整項
r :インスリン非依存性肝糖取り込みへの分配率
α2 :インスリン刺激に対する追従性
I4off :肝糖放出が抑制されるインスリン濃度のしきい値
関数:
Goff(FGB): 基礎代謝に対するグルコース放出速度
Func1(FGB): 消化管からのグルコース刺激に対する肝糖取り込み率
Func2(FGB): インスリン刺激に対する肝糖放出抑制率
f1〜f9 : 上記の3要素の表現にあたって用いた定数
b1(I4(t)): 肝糖取り込み率に関する調整項
ここで、図2における肝臓ブロックへの入力である、消化管からのグルコース吸収5はRG(t)、血糖値6はBG(t)、インスリン分泌速度7はSR(t)とそれぞれ対応し、また出力である正味グルコース放出8はSGO(t)、肝臓通過後インスリン9はSRpost(t)とそれぞれ対応している。
図4のブロック線図において、5は消化管からのグルコース吸収RG(t)、6は血糖値BG(t)、7は膵臓からのインスリン分泌速度SR(t)、8は肝臓からの正味グルコースSGO(t)、9は肝臓通過後のインスリンSRpost(t)、24は肝臓のインスリン通過率(1−A7)、25はインスリン刺激に対する追従性α2、26は肝臓通過後のインスリン分配速度A3、27は積分要素、28は肝インスリン濃度I4(t)、9はインスリン依存性肝糖取り込み分配率(1−r)、30は単位インスリン、単位グルコース当たりの肝臓でのインスリン依存グルコース取り込み速度Kh、31はインスリン非依存性肝糖取り込みへの分配率r、32は消化管からのグルコース刺激に対する肝糖取り込み率Func1(FGB)、33は肝糖取り込み率に関する調整項b1(I4(t))、34は肝糖取込HGU(t)、35は肝糖放出が抑制されるインスリン濃度のしきい値I4off、36はインスリン刺激に対する肝糖放出抑制率Func2(FGB)、37は肝糖放出抑制率に関する調整項b2、38は基礎代謝に対するグルコース放出速度、39は肝糖放出HGP(t)、40は肝臓でのインスリン取り込み率A7を示している。
[生体モデルのインスリン動態ブロック]
インスリン動態分泌の入出力の関係は、以下の微分方程式(3)を用いて記述することができる。また、微分方程式(3)と等価な、図5に示されるブロック線図を用いて表現することもできる。
微分方程式(3):
dI1(t)/dt = −A3I1(t)+A5I2(t)+A4I3(t)+SRpost(t)+IIR(t)
dI2(t)/dt= A6I1(t)− A5I2(t)
dI3(t)/dt=A2I1(t) − A1I3(t)
変数:
SRpost(t):肝臓通過後のインスリン
I1(t) :血中インスリン濃度
I2(t) :インスリン非依存組織でのインスリン濃度
I3(t) :末梢組織でのインスリン濃度
IIR(t) :(グルコースクランプ試験における)インスリン注入速度
パラメータ:
A1 :末梢組織でのインスリン消失速度
A2 :末梢組織へのインスリン分配率
A3 :肝臓通過後のインスリン分配速度
A4 :末梢組織通過後のインスリン流出速度
A5 :インスリン非依存組織でのインスリン消失速度
A6 :インスリン非依存組織へのインスリン分配率
ここで、図2におけるインスリン動態ブロックの入力である肝臓通過後のインスリン9は、SRpost(t)と対応し、また出力である末梢組織でのインスリン濃度10は、I3(t)と対応する。
インスリン動態分泌の入出力の関係は、以下の微分方程式(3)を用いて記述することができる。また、微分方程式(3)と等価な、図5に示されるブロック線図を用いて表現することもできる。
微分方程式(3):
dI1(t)/dt = −A3I1(t)+A5I2(t)+A4I3(t)+SRpost(t)+IIR(t)
dI2(t)/dt= A6I1(t)− A5I2(t)
dI3(t)/dt=A2I1(t) − A1I3(t)
変数:
SRpost(t):肝臓通過後のインスリン
I1(t) :血中インスリン濃度
I2(t) :インスリン非依存組織でのインスリン濃度
I3(t) :末梢組織でのインスリン濃度
IIR(t) :(グルコースクランプ試験における)インスリン注入速度
パラメータ:
A1 :末梢組織でのインスリン消失速度
A2 :末梢組織へのインスリン分配率
A3 :肝臓通過後のインスリン分配速度
A4 :末梢組織通過後のインスリン流出速度
A5 :インスリン非依存組織でのインスリン消失速度
A6 :インスリン非依存組織へのインスリン分配率
ここで、図2におけるインスリン動態ブロックの入力である肝臓通過後のインスリン9は、SRpost(t)と対応し、また出力である末梢組織でのインスリン濃度10は、I3(t)と対応する。
図5のブロック線図において、9は肝臓通過後のインスリンSRpost(t)、10は末梢組織でのインスリン濃度I3(t)、50は積分要素、51は肝臓通過後のインスリン分配速度A3、52は血中インスリン濃度I1(t)、53は末梢組織へのインスリン分配率A2、54は積分要素、55は末梢組織でのインスリン消失速度A1、56は末梢組織通過後のインスリン流出速度A4、57はインスリン非依存組織へのインスリン分配率A6、58は積分要素、59はインスリン非依存組織でのインスリン濃度I2(t)、60はインスリン非依存組織でのインスリン消失速度A5をそれぞれ示している。
また、静脈へのインスリン注入速度IIR(t)は、後述の第2試験であるグルコースクランプのときに与えられる値であり、第1試験(OGTT)のシミュレーションの際には、IIR(t)=0で演算が行われる。
また、静脈へのインスリン注入速度IIR(t)は、後述の第2試験であるグルコースクランプのときに与えられる値であり、第1試験(OGTT)のシミュレーションの際には、IIR(t)=0で演算が行われる。
[生体モデルの末梢組織ブロック]
末梢組織ブロック4の入出力の関係は、以下の微分方程式(4)を用いて記述することができる。また、微分方程式(4)と等価な、図6に示されるブロック線図を用いて表現することもできる。
微分方程式(4):
dBG´/dt=SGO(t)−u* Goff(FGB)−Kb(BG´(t)−FBG´)−Kp・I3(t)・BG´(t)+GIR(t)
変数:
BG´(t) :血糖値(単位体重あたりのグルコース濃度)
(ただしBG[mg/dl]、BG´[mg/kg])
SGO(t) :肝臓からの正味グルコース
I3(t) :末梢組織でのインスリン濃度
FBG´ :空腹時血糖(ただしFBG´=BG´(0))
GIR(t) :(グルコースクランプにおける)グルコース注入速度
パラメータ:
Kb :末梢組織でのインスリン非依存グルコース消費速度
Kp :単位インスリン、単位グルコースあたりの
末梢組織でのインスリン依存グルコース消費速度
u :基礎代謝に対するグルコース放出速度のうち
基礎代謝に対するインスリン非依存グルコース消費が占める割合
関数:
Goff(FGB):基礎代謝に対するグルコース放出速度
f1〜f3 :Goffの表現にあたって用いた定数
ここで、図2における末梢組織ブロックへの入力である末梢組織でのインスリン濃度10はI3(t)、肝臓からの正味グルコース8はSGO(t)とそれぞれ対応し、また出力である血糖値6はBG(t)と対応する。
末梢組織ブロック4の入出力の関係は、以下の微分方程式(4)を用いて記述することができる。また、微分方程式(4)と等価な、図6に示されるブロック線図を用いて表現することもできる。
微分方程式(4):
dBG´/dt=SGO(t)−u* Goff(FGB)−Kb(BG´(t)−FBG´)−Kp・I3(t)・BG´(t)+GIR(t)
変数:
BG´(t) :血糖値(単位体重あたりのグルコース濃度)
(ただしBG[mg/dl]、BG´[mg/kg])
SGO(t) :肝臓からの正味グルコース
I3(t) :末梢組織でのインスリン濃度
FBG´ :空腹時血糖(ただしFBG´=BG´(0))
GIR(t) :(グルコースクランプにおける)グルコース注入速度
パラメータ:
Kb :末梢組織でのインスリン非依存グルコース消費速度
Kp :単位インスリン、単位グルコースあたりの
末梢組織でのインスリン依存グルコース消費速度
u :基礎代謝に対するグルコース放出速度のうち
基礎代謝に対するインスリン非依存グルコース消費が占める割合
関数:
Goff(FGB):基礎代謝に対するグルコース放出速度
f1〜f3 :Goffの表現にあたって用いた定数
ここで、図2における末梢組織ブロックへの入力である末梢組織でのインスリン濃度10はI3(t)、肝臓からの正味グルコース8はSGO(t)とそれぞれ対応し、また出力である血糖値6はBG(t)と対応する。
図6のブロック線図において、6は血糖値BG(t)、8は肝臓からの正味グルコースSGO(t)、10は末梢組織でのインスリン濃度I3(t)、70は基礎代謝に対するインスリン非依存グルコース消費速度u* Goff(FGB)、71は積分要素、72は末梢組織でのインスリン非依存グルコース消費速度Kb、73は単位インスリン、単位グルコース当たりの末梢組織でのインスリン依存グルコース消費速度Kp、74は単位変換定数Ws/DVgをそれぞれ示している。
また、静脈へのグルコース注入速度GIR(t)は、後述の第2試験であるグルコースクランプのときに与えられる値であり、第1試験(OGTT)のシミュレーションの際には、GIR(t)=0で演算が行われる。
また、静脈へのグルコース注入速度GIR(t)は、後述の第2試験であるグルコースクランプのときに与えられる値であり、第1試験(OGTT)のシミュレーションの際には、GIR(t)=0で演算が行われる。
図2に示されるように、本システムを構成するブロック間の入力、出力は、相互に接続されているため、消化管からのグルコース吸収5を与えることで、血糖値、インスリン濃度の時系列変化を、数式に基づいて計算し、シミュレートすることができる。
本システムの微分方程式の計算には、例えばE−Cell(慶應義塾大学公開ソフトウェア)やMATLAB(マスワークス社製品)を用いることができるが、他の計算システムを用いてもよい。
[疑似グルコースクランプの処理手順]
図7は、本システム100を用いた疑似的なグルコースクランプの実行手順を示している。まず、被験者に対して実際にOGTT(第1試験)を行う。そして、そのOGTTの結果がシステム100に入力されると、システム100は、その被験者の糖尿病に関連した生体器官を模倣した生体モデル(図2)を生成する(ステップS1)。
図7は、本システム100を用いた疑似的なグルコースクランプの実行手順を示している。まず、被験者に対して実際にOGTT(第1試験)を行う。そして、そのOGTTの結果がシステム100に入力されると、システム100は、その被験者の糖尿病に関連した生体器官を模倣した生体モデル(図2)を生成する(ステップS1)。
続いて、システム100は、ステップS1で生成された生体モデルを、第2試験であるグルコースクランプの実行時の状態を示す生体モデルとするために、修正処理を行う(ステップS2)。
その後、システム100は、ステップS2で得られた生体モデルを用いて、擬似的なグルコースクランプ試験を行う(ステップS3)。システム100は、疑似グルコースクランプ処理によって、グルコースクランプ試験で求められるGIR(Glucose Infusion Rate;グルコース注入量(速度))の推定値を獲得し、これを出力する(ステップS4)。さらに、システム100は、GIR推定値から、インスリン抵抗性を判定し、これを出力する(ステップS5)。
その後、システム100は、ステップS2で得られた生体モデルを用いて、擬似的なグルコースクランプ試験を行う(ステップS3)。システム100は、疑似グルコースクランプ処理によって、グルコースクランプ試験で求められるGIR(Glucose Infusion Rate;グルコース注入量(速度))の推定値を獲得し、これを出力する(ステップS4)。さらに、システム100は、GIR推定値から、インスリン抵抗性を判定し、これを出力する(ステップS5)。
[第1ステップS1:生体モデル生成]
[生体モデル生成部]
図2〜図6に示す上述の生体モデルが、個々の患者の生体器官を適切に模倣するためには、生体モデルのパラメータと変数の初期値とを、個々の患者に応じて決定し、決定されたパラメータ及び初期値を生体モデルに適用する必要がある。なお、以下では、特に区別しなければ、変数の初期値も生成対象のパラメータに含めるものとする。
[生体モデル生成部]
図2〜図6に示す上述の生体モデルが、個々の患者の生体器官を適切に模倣するためには、生体モデルのパラメータと変数の初期値とを、個々の患者に応じて決定し、決定されたパラメータ及び初期値を生体モデルに適用する必要がある。なお、以下では、特に区別しなければ、変数の初期値も生成対象のパラメータに含めるものとする。
このため、本システムは、生体モデル生成部としての機能を実現するため、生体モデルの内部パラメータの組である内部パラメータセット(以下、単に「パラメータセット」ということがある)を求め、求めたパラメータセットが適用された生体モデルを生成する機能を有している。なお、この機能も、コンピュータプログラムによって実現されている。
生体モデル生成部によって生成されたパラメータセットを前記生体モデルに与えることで、生体モデル演算部が、生体器官の機能のシミュレートを行って、実際の生体応答(検査結果)を模した疑似応答を出力することができる。
生体モデル生成部によって生成されたパラメータセットを前記生体モデルに与えることで、生体モデル演算部が、生体器官の機能のシミュレートを行って、実際の生体応答(検査結果)を模した疑似応答を出力することができる。
[OGTT結果(第1試験)に基づくパラメータセット生成部]
以下、実際の被験者(生体)への第1試験であるOGTT(Oral Glucose Tolerance Test;経口ブドウ糖負荷試験)の結果(生体応答)に基づき、その被験者の生体器官を模した生体モデルを形成するためのパラメータセットを生成するパラメータセット生成部について説明する。
なお、OGTTは、口からブドウ糖を摂取して、所定時間経過後に数回採血して血糖値と血中インスリン濃度を測定する試験であり、グルコースクランプに比べると、被験者への負担が少なく、実際に良く実施される試験である。
以下、実際の被験者(生体)への第1試験であるOGTT(Oral Glucose Tolerance Test;経口ブドウ糖負荷試験)の結果(生体応答)に基づき、その被験者の生体器官を模した生体モデルを形成するためのパラメータセットを生成するパラメータセット生成部について説明する。
なお、OGTTは、口からブドウ糖を摂取して、所定時間経過後に数回採血して血糖値と血中インスリン濃度を測定する試験であり、グルコースクランプに比べると、被験者への負担が少なく、実際に良く実施される試験である。
[OGTT時系列データ入力:ステップS1−1]
図8は、システム100のパラメータセット生成部が、生体モデルのパラメータセットを求める処理手順を示している。同図に示すように、パラメータを求めるには、まず、実際の第1試験結果(生体応答)としてのOGTT時系列データの入力処理(ステップS1−1)が行われる。
OGTT時系列データは、生体モデルによる機能の模倣対象となる被験者に対して実際に行った検査であるOGTTの結果であり、本システムは、実際の第1試験結果として入力を受け付ける(第1試験結果入力部としての機能)。ここでは、OGTT時系列データとして、OGTTグルコースデータ(血糖値変動データ)と、OGTTインスリン(血中インスリン濃度変動データ)の2つが入力される。
図8は、システム100のパラメータセット生成部が、生体モデルのパラメータセットを求める処理手順を示している。同図に示すように、パラメータを求めるには、まず、実際の第1試験結果(生体応答)としてのOGTT時系列データの入力処理(ステップS1−1)が行われる。
OGTT時系列データは、生体モデルによる機能の模倣対象となる被験者に対して実際に行った検査であるOGTTの結果であり、本システムは、実際の第1試験結果として入力を受け付ける(第1試験結果入力部としての機能)。ここでは、OGTT時系列データとして、OGTTグルコースデータ(血糖値変動データ)と、OGTTインスリン(血中インスリン濃度変動データ)の2つが入力される。
図9は、入力されるOGTT時系列データとしての血糖値変動データ(図9(a))及び血中インスリン濃度変動データ(図9(b))の例を示している。
図9(a)の血糖値変動データは、図2〜図6に示す生体モデルにおける出力項目の一つである血糖値BG(t)の時間的変化に対応した実測データである。
また、図9(b)の血中インスリン濃度変動データは、図2〜図6に示す生体モデルにおける出力項目の一つである血中インスリン濃度I1(t)の時間的変化に対応した実測データである。
図9(a)の血糖値変動データは、図2〜図6に示す生体モデルにおける出力項目の一つである血糖値BG(t)の時間的変化に対応した実測データである。
また、図9(b)の血中インスリン濃度変動データは、図2〜図6に示す生体モデルにおける出力項目の一つである血中インスリン濃度I1(t)の時間的変化に対応した実測データである。
[テンプレートマッチング:ステップS1−2]
次に、本システムSSは、入力されたOGTT時系列データと、テンプレートデータベースDBのテンプレートとのマッチングを行う。
テンプレートデータベースDBは、図10に示すように、テンプレートとなる生体モデルの参照用出力値T1,T2,・・と、当該参照用出力値を発生させるパラメータセットPS#01,PS#02・・とが対応付けられた複数組のデータが予め格納されたものである。参照用出力値とパラメータセットの組を作成するには、任意の参照用出力値に対して、適当なパラメータセットを割り当てたり、逆に任意のパラメータセットを選択した場合の生体モデルの出力を生体シミュレーションシステムで求めたりすればよい。
次に、本システムSSは、入力されたOGTT時系列データと、テンプレートデータベースDBのテンプレートとのマッチングを行う。
テンプレートデータベースDBは、図10に示すように、テンプレートとなる生体モデルの参照用出力値T1,T2,・・と、当該参照用出力値を発生させるパラメータセットPS#01,PS#02・・とが対応付けられた複数組のデータが予め格納されたものである。参照用出力値とパラメータセットの組を作成するには、任意の参照用出力値に対して、適当なパラメータセットを割り当てたり、逆に任意のパラメータセットを選択した場合の生体モデルの出力を生体シミュレーションシステムで求めたりすればよい。
図11は、テンプレート(参照用出力値)T1の例を示している。図11(a)は、テンプレートとしての血糖値変動データであり、図2〜図6に示す生体モデルにおける出力項目の一つである血糖値BG(t)の時間的変化に対応した参照用時系列データである。図11(b)は、テンプレートとしての血中インスリン濃度変動データであり、図2〜図6に示す生体モデルにおける出力項目の一つである血中インスリン濃度I1(t)の時間的変化に対応した参照用時系列データである。
システム100は、上記テンプレートデータベースDBの各参照用時系列データと、OGTT時系列データとの類似度を演算する。類似度は、誤差総和を求めることによって得られる。誤差総和は、次式によって得られる。
誤差総和=αΣ|BG(0)−BGt(0)|+βΣ|PI(0)−PIt(0)|
+αΣ|BG(1)−BGt(1)|+βΣ|PI(1)−PIt(1)|
+αΣ|BG(2)−BGt(2)|+βΣ|PI(2)−PIt(2)|
+・・・
=α{Σ|BG(t)−BGt(t)|}+β{Σ|PI(t)−PIt(t)|}
ここで、
BG:入力データの血糖値[mg/dl]
PI:入力データの血中インスリン濃度[μU/ml]
BGt:テンプレートの血糖値[mg/dl]
PIt:テンプレートの血中インスリン濃度[μU/ml]
t:時間[分]
また、α及びβは規格化に用いる係数であり、
α=1/Average{ΣBG(t)}
β=1/Average{ΣPI(t)}
定式のAverageはテンプレートデータベースDB1に格納された全テンプレートに対する平均値を指す。
誤差総和=αΣ|BG(0)−BGt(0)|+βΣ|PI(0)−PIt(0)|
+αΣ|BG(1)−BGt(1)|+βΣ|PI(1)−PIt(1)|
+αΣ|BG(2)−BGt(2)|+βΣ|PI(2)−PIt(2)|
+・・・
=α{Σ|BG(t)−BGt(t)|}+β{Σ|PI(t)−PIt(t)|}
ここで、
BG:入力データの血糖値[mg/dl]
PI:入力データの血中インスリン濃度[μU/ml]
BGt:テンプレートの血糖値[mg/dl]
PIt:テンプレートの血中インスリン濃度[μU/ml]
t:時間[分]
また、α及びβは規格化に用いる係数であり、
α=1/Average{ΣBG(t)}
β=1/Average{ΣPI(t)}
定式のAverageはテンプレートデータベースDB1に格納された全テンプレートに対する平均値を指す。
図12は、テンプレートT1に対するOGTT時系列データの誤差総和(規格化なし)を示しており、具体的には、図12(a)は、図9(a)の血糖値と図11(a)の血糖値との誤差を示しており、図12(b)は、図9(b)のインスリンと図11(b)のインスリンの誤差を示している。
図9の入力データ(10分間隔の0分から180分のデータ)と、図12のテンプレートT1についてみると、
Σ|BG(t)−BGt(t)|=29
Σ|PI(t)−PIt(t)|=20
となる。ここで、α=0.00035、β=0.00105とすると、
誤差総和=(0.00035×29)+(0.00105×20)
=0.03115
図9の入力データ(10分間隔の0分から180分のデータ)と、図12のテンプレートT1についてみると、
Σ|BG(t)−BGt(t)|=29
Σ|PI(t)−PIt(t)|=20
となる。ここで、α=0.00035、β=0.00105とすると、
誤差総和=(0.00035×29)+(0.00105×20)
=0.03115
上記のようにして、CPU100aは、テンプレートデータベースDB1中の各テンプレートについて誤差総和を求め、誤差総和(類似度)が最小となるテンプレート、すなわちOGTT時系列データに最も近似するテンプレートを決定する(ステップS1−2)。
[パラメータセット獲得:ステップS1−4]
さらに、ステップS1−3では、システム100は、ステップS1−2において決定されたテンプレートに対応するパラメータセットを、テンプレートデータベースDBから獲得する。つまり、テンプレートT1に対応するパラメータセットPS#01が得られる(図10参照)。
下記表1は、このようにして得られたパラメータセットPS#01に含まれるパラメータ値の具体的数値例を示している。
さらに、ステップS1−3では、システム100は、ステップS1−2において決定されたテンプレートに対応するパラメータセットを、テンプレートデータベースDBから獲得する。つまり、テンプレートT1に対応するパラメータセットPS#01が得られる(図10参照)。
下記表1は、このようにして得られたパラメータセットPS#01に含まれるパラメータ値の具体的数値例を示している。
なお、パラメータセット(生体モデル)を生成する方法は、上記のようなテンプレートマッチングに限られるものではない。例えば、パラメータセットを遺伝的アルゴリズムによって生成してもよい。つまり、パラメータセットの初期集団をランダムに発生させ、初期集団に含まれるパラメータセット(個体)に対して、選択・交叉・突然変異処理を行って、新たな子集団を生成するという遺伝的アルゴリズムを行うことができる。この遺伝的アルゴリズムによって生成されたパラメータセットのうち、入力された第1試験結果に近似した疑似第1試験結果を出力するパラメータセットを採用することができる。
このように、生体モデル生成部は、入力された第1試験結果を模した疑似試験結果を出力できる生体モデルを生成できるものであれば、その具体的生成方法は特に限定されない。
このように、生体モデル生成部は、入力された第1試験結果を模した疑似試験結果を出力できる生体モデルを生成できるものであれば、その具体的生成方法は特に限定されない。
[疑似応答取得部(生体モデル演算部)]
システム100は、上記パラメータセットPS#01が、生体モデルに与えられると、その生体モデルに基づき演算を行い、入力されたOGTT時系列データを模した疑似応答情報(血糖値及びインスリン濃度の時系列変化)を出力する機能を有している(システム100の疑似応答取得部(生体モデル演算部)としての機能)。
つまり、システム100では、生成された生体モデルに基づき、患者の生体器官のシミュレーションを行うことができる。
医師等のシステム100のユーザは、出力されたOGTTの疑似応答情報と、実際のOGTT時系列データとを見比べることで、生成された生体モデルの正確性を確認することができる。
なお、生体モデル演算部の機能は、OGTT(第1試験)のシミュレーションのためだけでなく、グルコースクランプ(第2試験)のシミュレーションのためにも用いられる。
システム100は、上記パラメータセットPS#01が、生体モデルに与えられると、その生体モデルに基づき演算を行い、入力されたOGTT時系列データを模した疑似応答情報(血糖値及びインスリン濃度の時系列変化)を出力する機能を有している(システム100の疑似応答取得部(生体モデル演算部)としての機能)。
つまり、システム100では、生成された生体モデルに基づき、患者の生体器官のシミュレーションを行うことができる。
医師等のシステム100のユーザは、出力されたOGTTの疑似応答情報と、実際のOGTT時系列データとを見比べることで、生成された生体モデルの正確性を確認することができる。
なお、生体モデル演算部の機能は、OGTT(第1試験)のシミュレーションのためだけでなく、グルコースクランプ(第2試験)のシミュレーションのためにも用いられる。
[ステップS2:生体モデル修正部]
生体モデル修正処理では、表1に示すパラメータのうち、膵臓から分泌可能なインスリン総量の初期値(初期分泌)X(0)及び肝糖放出抑制率に関する調整項b2を0にする。この修正は、生体モデルのパラメータを、第2試験たるグルコースクランプ実施時の状態(血糖値の定常状態)にするためのものである。
生体モデル修正処理では、表1に示すパラメータのうち、膵臓から分泌可能なインスリン総量の初期値(初期分泌)X(0)及び肝糖放出抑制率に関する調整項b2を0にする。この修正は、生体モデルのパラメータを、第2試験たるグルコースクランプ実施時の状態(血糖値の定常状態)にするためのものである。
実際のグルコースクランプ試験では、試験を開始してしばらくすると、一定のインスリン注入速度において血糖値が目標値において一定である定常状態(血糖値変動がない状態)となるため、グルコース変化に反応して膵臓より分泌されるインスリン分泌は、0となる。
すなわち、インスリン分泌能X(0)には、個人差があるため、この値を予め0にすることで、インスリン分泌能の個人差を排除した試験結果を得ることができる。
この生体モデル修正処理では、膵臓からのインスリン初期分泌を0にするため、前記定常状態を直ちに得ることができるため、定常状態を得るための演算処理が不要となる。
すなわち、インスリン分泌能X(0)には、個人差があるため、この値を予め0にすることで、インスリン分泌能の個人差を排除した試験結果を得ることができる。
この生体モデル修正処理では、膵臓からのインスリン初期分泌を0にするため、前記定常状態を直ちに得ることができるため、定常状態を得るための演算処理が不要となる。
また、肝糖放出抑制率に関する調整項b2を0にするのは、肝臓モデルにおける肝糖放出(内因性グルコース放出速度)HGP(t)を0にするためのものである。すなわち、実際のグルコースクランプ試験の定常状態では、肝臓の門脈におけるインスリン濃度はほぼ一定であるので肝臓からのグルコース放出が抑制(ゼロ)され、生体外部から注入されたグルコース量が末梢でのグルコース消費量とみなせる状態となる。
この生体モデル修正処理では、肝臓糖放出HGP(t)を0にするため、前記定常状態を直ちに得ることができ、定常状態を得るための演算処理が不要となる。なお、HGP(t)を0にするには、パラメータb2を0にする他、HGP(t)を求める演算式(前述)を単に、HGP(t)=0に置き換える等の別の処理で実現してもよい。
この生体モデル修正処理では、肝臓糖放出HGP(t)を0にするため、前記定常状態を直ちに得ることができ、定常状態を得るための演算処理が不要となる。なお、HGP(t)を0にするには、パラメータb2を0にする他、HGP(t)を求める演算式(前述)を単に、HGP(t)=0に置き換える等の別の処理で実現してもよい。
なお、生体モデル修正は、必ずしも行う必要はない。つまり、実際のグルコースクランプと同様なグルコース注入とインスリン注入を行ったものとして演算を行えば、前記定常状態は得ることができる。
[ステップS3:疑似グルコースクランプ処理部;第2試験シミュレーション部]
生体モデルを用いた第1試験(OGTT)のシミュレーションでは、消化管グルコース吸収RG(t)を第1試験疑似入力として生体モデルに与えた場合の血糖値BG(t)及び血中インスリン濃度I1(t)を第1試験疑似応答として再現するものであったが、第2試験(グルコースクランプ)のシミュレーションでは、インスリン注入量IIR(t)(図5参照)及びグルコース注入量GIR(t)(図6参照)を第2試験疑似入力として前記生体モデルに与えた場合の血糖値BG(t)(及び血中インスリン濃度I1(t))を第2試験疑似応答とするものである。
なお、グルコースクランプのシミュレーションの際には、消化管グルコース吸収RG(t)=0として演算が行われる。
生体モデルを用いた第1試験(OGTT)のシミュレーションでは、消化管グルコース吸収RG(t)を第1試験疑似入力として生体モデルに与えた場合の血糖値BG(t)及び血中インスリン濃度I1(t)を第1試験疑似応答として再現するものであったが、第2試験(グルコースクランプ)のシミュレーションでは、インスリン注入量IIR(t)(図5参照)及びグルコース注入量GIR(t)(図6参照)を第2試験疑似入力として前記生体モデルに与えた場合の血糖値BG(t)(及び血中インスリン濃度I1(t))を第2試験疑似応答とするものである。
なお、グルコースクランプのシミュレーションの際には、消化管グルコース吸収RG(t)=0として演算が行われる。
グルコースクランプにおいて求めたいのは所定のインスリン注入量IIR(t)によって目標血糖値BG(t)を得るためのグルコース注入量GIR(t)であるから、システム100の疑似グルコースクランプ処理では、疑似入力として所定量のIIR(t)(例えば、1.46[μU/kg/min])を生体モデルに与え、目標血糖値BG(t)(例えば、95[mg/dl])になるように、第2の疑似入力GIR(t)[mg/kg/min]を変化させる。
なお、IIR(t)は、一定値でもよいが、被験者の体重に応じた値としてもよい。すなわち、疑似入力として与えられるIIR(t)=95[μU/min]/体重[kg]によって求めても良い。また、前記IIR(t)の式中の「95」という値も特に限定されるものではなく、例えば、80〜100の間の任意の数値としてもよく、システム100のユーザによって任意の値に設定できるようにしてもよい。
また、本実施形態では、生体モデルは、前記修正処理によって、既にグルコース試験の定常状態となっているため、疑似グルコースクランプの演算中、常に一定でよい。すなわち、実際のグルコースクランプでは、定常状態とするために、最初にインスリンを多めに注入し、その後、より少ないインスリン注入量を一定量注入するが、本実施形態では、予め定常状態の生体モデルが得られているため、はじめから一定量のインスリンを注入すればよい。
また、本実施形態では、生体モデルは、前記修正処理によって、既にグルコース試験の定常状態となっているため、疑似グルコースクランプの演算中、常に一定でよい。すなわち、実際のグルコースクランプでは、定常状態とするために、最初にインスリンを多めに注入し、その後、より少ないインスリン注入量を一定量注入するが、本実施形態では、予め定常状態の生体モデルが得られているため、はじめから一定量のインスリンを注入すればよい。
[GIR推定処理部]
疑似グルコースクランプにおいて目標血糖値を達成できるGIR(t)を求めるには、疑似入力たるGIR(t)の値を多様に変化させて疑似グルコースクランプシミュレーションを行った場合の血糖値を求め、その血糖値が目標血糖値又は目標血糖値近傍になれば、そのGIR(t)を「目標血糖値を達成できるGIR(t)」として推定することができる。
疑似グルコースクランプにおいて目標血糖値を達成できるGIR(t)を求めるには、疑似入力たるGIR(t)の値を多様に変化させて疑似グルコースクランプシミュレーションを行った場合の血糖値を求め、その血糖値が目標血糖値又は目標血糖値近傍になれば、そのGIR(t)を「目標血糖値を達成できるGIR(t)」として推定することができる。
図13は、複数のGIR(t)の候補1〜5によって、疑似グルコースクランプ処理を行った場合の血糖値変化を示している。目標血糖値が95[mg/dl]の場合、候補3が目標血糖値を達成するために最も適しており、この場合、候補3がGIR(t)推定値として得られる。
GIR(t)の値を変化させるには、例えば、遺伝的アルゴリズムを用いることができる。つまり、GIR(t)の初期値に対して、選択・交叉・突然変異処理を行って、新たなGIR(t)を生成することができる。
また、GIR(t)の候補を疑似入力として疑似グルコースクランプ処理を行ったときの疑似応答たる血糖値と目標血糖値との差に応じて、当該差が小さくなるようにGIR(t)候補値を修正し、目標血糖値を達成できるGIR(t)推定値を求めてもよい。
また、GIR(t)の候補を疑似入力として疑似グルコースクランプ処理を行ったときの疑似応答たる血糖値と目標血糖値との差に応じて、当該差が小さくなるようにGIR(t)候補値を修正し、目標血糖値を達成できるGIR(t)推定値を求めてもよい。
[ステップS4:疑似クランプ結果出力]
上記のようにして得られたGIR(t)の推定値(例えば、10.65[mg/kg/min])は、システム100のディスプレイ120に出力される(図7のステップS4)。
また、図14,15は、上記のようにして得られたGIR(t)でのグルコースクランプシミュレーションの結果として、血糖値及びインスリン濃度の時間的変化を示している。図14,15に示す結果もシステム100のディスプレイ120に出力される。
上記のようにして得られたGIR(t)の推定値(例えば、10.65[mg/kg/min])は、システム100のディスプレイ120に出力される(図7のステップS4)。
また、図14,15は、上記のようにして得られたGIR(t)でのグルコースクランプシミュレーションの結果として、血糖値及びインスリン濃度の時間的変化を示している。図14,15に示す結果もシステム100のディスプレイ120に出力される。
医師等のシステム100のユーザは、ディスプレイ120に表示された図14,15に示す結果を見ることで、シミュレーション結果の血糖値が目標血糖値又はその近傍になっていることを目視確認でき、GIR(t)推定値の妥当性を確認することができる。
出力されたOGTTの疑似応答情報と、実際のOGTT時系列データとを見比べることで、生成された生体モデルの正確性を確認することができる。
出力されたOGTTの疑似応答情報と、実際のOGTT時系列データとを見比べることで、生成された生体モデルの正確性を確認することができる。
[ステップS5:インスリン抵抗性判定]
システム100は、さらに、GIR(t)推定値に基づき、被験者のインスリン抵抗性の有無を判定する(インスリン抵抗性判定部としての機能)。
具体的には、システム100は、GIR(t)推定値が、第1しきい値(例えば、4)より低ければ、明らかなインスリン抵抗性があると判定する。また、GIR(t)が、前記第1しきい値より高いが第2しきい値(例えば、6)より低い場合、インスリン抵抗性の傾向ありと判定する。GIR(t)が、前記第2しきい値より高ければ、正常であると、と判定する。この判定結果は、ディスプレイ120に出力される。
システム100は、さらに、GIR(t)推定値に基づき、被験者のインスリン抵抗性の有無を判定する(インスリン抵抗性判定部としての機能)。
具体的には、システム100は、GIR(t)推定値が、第1しきい値(例えば、4)より低ければ、明らかなインスリン抵抗性があると判定する。また、GIR(t)が、前記第1しきい値より高いが第2しきい値(例えば、6)より低い場合、インスリン抵抗性の傾向ありと判定する。GIR(t)が、前記第2しきい値より高ければ、正常であると、と判定する。この判定結果は、ディスプレイ120に出力される。
インスリン抵抗性の有無(又は程度)をシステム100が出力することで、医師がインスリン抵抗性を判断する際の参考情報を提供することができる。
なお、インスリン抵抗性判定及びその出力は、行わなくても良い。医師は、GIRの値があれば、インスリン抵抗性を判定できるため、システム100は、GIR推定値を出力すれば足りることもあるためである。
なお、インスリン抵抗性判定及びその出力は、行わなくても良い。医師は、GIRの値があれば、インスリン抵抗性を判定できるため、システム100は、GIR推定値を出力すれば足りることもあるためである。
[シミュレーション結果]
図17〜図22は、被験者A,B,Cについて、実際のOGTT結果からGIR推定値を求めた結果を示している。
図17及び図18は、被験者Aのシミュレーション結果であり、実際のOGTT試験結果のうち、血糖値変化が図17(a)において点線で、インスリン値変化が図17(b)において点線で示されている。図17(a)(b)中の実線は、これらの試験結果に基づいて生成された生体モデルによるOGTTシミュレーション結果(図17(a)は血糖値変化、図17(b)はインスリン値変化)を示している。
図17〜図22は、被験者A,B,Cについて、実際のOGTT結果からGIR推定値を求めた結果を示している。
図17及び図18は、被験者Aのシミュレーション結果であり、実際のOGTT試験結果のうち、血糖値変化が図17(a)において点線で、インスリン値変化が図17(b)において点線で示されている。図17(a)(b)中の実線は、これらの試験結果に基づいて生成された生体モデルによるOGTTシミュレーション結果(図17(a)は血糖値変化、図17(b)はインスリン値変化)を示している。
図18は、生成された生体モデルに基づき、疑似グルコースクランプを行った結果を示している。ここでは、目標血糖値が95[mg/dl](被験者AのOGTT時の空腹時血糖値)となるGIR推定値として10.68が算出された。つまり、GIR値=10.68とした場合に、図18(a)に示すように、疑似グルコースクランプ結果(血糖値)が目標血糖値=95[mg/dl]にほぼ等しくなり、この10.68がGIR推定値として求まる。
なお、図18(b)は、当該GIR推定値での疑似グルコースクランプ結果(インスリン)を示している。
算出されたGIR推定値=10.68≧10より、被験者Aは正常であると判定される。
なお、図18(b)は、当該GIR推定値での疑似グルコースクランプ結果(インスリン)を示している。
算出されたGIR推定値=10.68≧10より、被験者Aは正常であると判定される。
図19及び図20は、被験者Bのシミュレーション結果であり、実際のOGTT試験結果のうち、血糖値変化が図19(a)において点線で、インスリン値変化が図19(b)において点線で示されている。図19(a)(b)中の実線は、これらの試験結果に基づいて生成された生体モデルによるOGTTシミュレーション結果(図19(a)は血糖値変化、図19(b)はインスリン値変化)を示している。
図20は、生成された生体モデルに基づき、疑似グルコースクランプを行った結果を示している。ここでは、目標血糖値が118[mg/dl](被験者BのOGTT時の空腹時血糖値)となるGIR推定値として4.7が算出された。つまり、GIR値=4,7とした場合に、図20(a)に示すように、疑似グルコースクランプ結果(血糖値)が目標血糖値=118[mg/dl]にほぼ等しくなり、この4.7がGIR推定値として求まる。
なお、図20(b)は、当該GIR推定値での疑似グルコースクランプ結果(インスリン)を示している。
算出されたGIR推定値=4.7(6≧4.7>4)より、被験者Bはインスリン抵抗性の傾向有り、と判定される。
なお、図20(b)は、当該GIR推定値での疑似グルコースクランプ結果(インスリン)を示している。
算出されたGIR推定値=4.7(6≧4.7>4)より、被験者Bはインスリン抵抗性の傾向有り、と判定される。
図21及び図22は、被験者cのシミュレーション結果であり、実際のOGTT試験結果のうち、血糖値変化が図21(a)において点線で、インスリン値変化が図21(b)において点線で示されている。図21(a)(b)中の実線は、これらの試験結果に基づいて生成された生体モデルによるOGTTシミュレーション結果(図21(a)は血糖値変化、図21(b)はインスリン値変化)を示している。
図22は、生成された生体モデルに基づき、疑似グルコースクランプを行った結果を示している。ここでは、目標血糖値が127[mg/dl](被験者CのOGTT時の空腹時血糖値)となるGIR推定値として2.98が算出された。つまり、GIR値=2.98とした場合に、図22(a)に示すように、疑似グルコースクランプ結果(血糖値)が目標血糖値=127[mg/dl]にほぼ等しくなり、この2.98がGIR推定値として求まる。
なお、図22(b)は、当該GIR推定値での疑似グルコースクランプ結果(インスリン)を示している。
算出されたGIR推定値=2.98(4≧2.98)より、被験者Cは明らかなインスリン抵抗性、と判定される。
なお、図22(b)は、当該GIR推定値での疑似グルコースクランプ結果(インスリン)を示している。
算出されたGIR推定値=2.98(4≧2.98)より、被験者Cは明らかなインスリン抵抗性、と判定される。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、本システムは、糖尿病以外の疾患にも適用できるものである。また、第1試験及び第2試験は、OGTT及びグルコースクランプに限られるものではなく、その他の試験であってもよい。
例えば、本システムは、糖尿病以外の疾患にも適用できるものである。また、第1試験及び第2試験は、OGTT及びグルコースクランプに限られるものではなく、その他の試験であってもよい。
また、糖尿病を対象とした場合の第2試験の他の例としては、IVGTT(Intravenous Glucose Tolerance Test)を挙げることができる。IVGTTは、被験者の空腹時にグルコースを静脈にボーラス注射(bolus injection:多量を短時間に注射)し、5分ごとに採血することで、血糖消失直線からインスリン感受性を調べる試験である。IVGTTをシステム100で擬似的に行う場合は、前記ボーラス注射に相当するGIR(t)の値を疑似入力として生体モデルに与えれば、血糖値変化がIVGTTの疑似応答として得られる。
1膵臓ブロック
2肝臓ブロック
3インスリン動態ブロック
4末梢組織ブロック
5消化管からのグルコース吸収
6血糖値
7インスリン分泌速度
8正味グルコース放出
9肝臓通過後インスリン
10末梢組織でのインスリン濃度
100 システム
2肝臓ブロック
3インスリン動態ブロック
4末梢組織ブロック
5消化管からのグルコース吸収
6血糖値
7インスリン分泌速度
8正味グルコース放出
9肝臓通過後インスリン
10末梢組織でのインスリン濃度
100 システム
Claims (12)
- 生体の疑似試験コンピュータシステムであって、
生体に対する第1試験の結果の入力を受け付ける第1試験結果入力部と、
入力された前記第1試験結果に基づき、前記第1試験とは異なる第2試験を行うための生体モデルを生成する生体モデル生成部と、
前記生体モデルを用いて、前記第2試験のコンピュータシミュレーションを行う第2試験シミュレーション部と、
を備えていることを特徴とする生体の疑似試験コンピュータシステム。 - 前記生体モデル生成部は、入力された前記第1試験結果を模した疑似試験結果を再現可能な生体モデルを生成することを特徴とする請求項1記載の生体の疑似試験コンピュータシステム。
- 入力された前記第1試験結果を模した疑似試験結果を再現可能な生体モデルに、第2試験を行うための修正を施す生体モデル修正部を備えていることを特徴とする請求項2記載の生体の疑似試験コンピュータシステム。
- 前記生体モデルは、実際の第2試験において生体に与えられる入力に対応した疑似入力が与えられると、実際の第2試験における生体応答を模した疑似応答を生成するよう構成され、
前記第2試験シミュレーション部は、生成された前記生体モデルに対して、前記疑似入力を与えて、前記第2試験のコンピュータシミュレーションを行うよう構成されている、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の生体の疑似試験コンピュータシステム。 - 前記第1試験及び第2試験は、共通の疾患に関する互いに異なる試験であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の生体の疑似試験コンピュータシステム。
- 前記疾患は、糖尿病である請求項5記載の生体の疑似試験コンピュータシステム。
- 前記第1試験は、経口糖負荷試験(OGTT)である請求項1〜6のいずれかに記載の生体の疑似試験コンピュータシステム。
- 前記第2試験は、グルコースクランプである請求項1〜7のいずれかに記載の生体の疑似試験コンピュータシステム。
- 前記生体モデルは、インスリン注入量及びグルコース注入量を与えたときの生体の血糖値変化を出力可能に構成され、
前記第2試験シミュレーション部は、所定のインスリン注入量を前記生体モデルに入力したときに、前記血糖値が略目標値になるグルコース注入量を求めるよう構成されていることを特徴とする請求項1〜8記載の生体の疑似試験コンピュータシステム。 - 前記第2試験シミュレーション部によって求められたグルコース注入量からインスリン抵抗性を判定するインスリン抵抗性判定部を更に備えていることを特徴とする請求項9記載の生体の疑似試験コンピュータシステム。
- コンピュータを、請求項1〜10のいずれかに記載の生体の疑似試験コンピュータシステムとして機能させるためのコンピュータプログラム。
- 生体の疑似試験をコンピュータによって行う方法であって、
コンピュータに入力された第1試験結果に基づき、前記第1試験とは異なる第2試験を行うための生体モデルを生成するステップと、
前記生体モデルを用いて、前記第2試験のコンピュータシミュレーションを行うステップと、
を含むことを特徴とする生体の疑似試験方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011123187A (ja) * | 2009-12-09 | 2011-06-23 | Toshiba Corp | 運転模擬装置 |
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- 2006-03-30 JP JP2006095454A patent/JP2007272427A/ja active Pending
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