JP2007268568A - プランジャスリーブおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で、溶湯の温度低下を防止することができ、容易にかつ安価に製造することができ、しかも、損傷した場合に容易に修復することが可能なプランジャスリーブおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のプランジャスリーブ1は、成形型のキャビティに溶湯を射出充填するためのダイカストマシンのプランジャにおいて、プランジャチップが嵌挿されると共に溶湯が注湯されるものであって、少なくとも断熱材層10の内側に形成されたプランジャスリーブ1の内周面を構成する溶射層11aと、プランジャスリーブ1の外周面を構成する金属層12と、を有する。金属層12は、溶射層11の周囲に鋳包みによって形成することもでき、また、金属管を溶射層11に焼ばめすることによって構成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、ダイカストマシンにおけるプランジャスリーブおよびその製造方法に関し、さらに詳しくは、成形型のキャビティに溶湯を射出充填するためのプランジャにおいて、プランジャチップが嵌挿されると共に溶湯が注湯されるプランジャスリーブおよびその製造方法に関するものである。
ダイカストマシンのプランジャは、一般に、プランジャスリーブと、プランジャスリーブ内に嵌挿されたプランジャチップと、を備えている。ダイカスト成形を行うに際しては、プランジャスリーブの注湯口から溶湯を供給し、シリンダなどによりプランジャチップを前進駆動させて溶湯を成形型のキャビティ内に射出する。溶湯は、金属材料を加熱して溶融または半溶融した状態のものである。したがって、高温の状態の下でプランジャスリーブに対してプランジャチップが摺動するため、プランジャスリーブには耐熱鋼が一般的に使用されている。また、溶湯の温度が低下するのを防止するため、断熱性を有する耐火物や断熱材と金属の複合材が使用される場合もある(例えば特許文献1を参照)。
特許文献1は、断熱保温性及び構造部材としての安定性に優れ、ダイカストマシン用プランジャースリーブとして、金属溶湯の温度降下を効果的に抑制防止し、安定した加圧鋳造操業を維持することができる積層金属部材を提供することなどを目的としたものである。
特許文献1には、セラミックスの繊維又は粉末の層を挟んで、同種又は異種の金属からなる金属円筒体を同心円状に重ね合わせ、金属円筒体の重ね合わせ面を押圧する向きの加工荷重を含む熱間又は冷間加工により形成された、金属層と金属層間に介在する圧密化された未焼結セラミックス層である熱絶縁層とからなる同心円状層構造を有することなどを特徴とする積層金属部材が開示されている。
そして、特許文献1には、積層金属部材の製造について、金属層を構成する円筒体間の隙間に熱絶縁層材料を装填し、底面側と頂面側は端板を溶接等により固定して閉塞した層材料組付け体を構成し、この層材料組付け体に加圧成形加工を行うことが開示されている(0022〜0025)。また、特許文献1には、内側に位置する第1金属層として、焼結金属の円筒体を使用する方法に代えて、焼結原料粉末を使用し、熱間等方圧加圧成形過程で第1金属層の形成(焼結)と積層構造の形成とを並行して行なわせることも記載されている(0026)。
特開2004−232059号公報
しかしながら、上記従来の技術のうち、耐熱鋼製のプランジャスリーブにあっては、熱伝導率が高いために内部に注湯された溶湯の温度が低下し易い。そのため、溶湯がプランジャスリーブと接触することにより冷却されて、成形型のキャビティに射出される前に膜状の凝固層が生成し、この凝固層がプランジャスリーブからキャビティに至るランナやゲートなどの通過経路を塞いだり、正常な凝固部分との溶着が不足し、また、製品の健全な部分の組織よりも粗大化していることによる品質低下が生じるなどの問題があった。そして、これらの問題を解決するために、プランジャスリーブに電気ヒータや油などの高温流体を循環供給するジャケットなどの加熱手段を設けることにより、プランジャスリーブを加熱することが考えられるが、かかる場合には、加熱手段を別途設ける必要があることから、設備コストがかかり、設備が大型で複雑なものとなるなどの問題があった。
また、上記従来の技術のうち、プランジャスリーブに断熱性を有する耐火物を使用する場合にあっては、その機械的強度の面から、内面だけを耐火物として外側には金属材料を使用した二重構造にする必要がある。かかる場合には、耐火物の熱膨張が一般に低いため、この耐火物の熱膨張率に合わせて外側の金属材料も熱膨張率が低い特殊金属材料を使用する必要がある。このような熱膨張率が低い特殊金属材料は一般に高価であるため、設備コストがかかるという問題があった。また、耐火物は、断熱性がよいが一般に靭性が低いことから、熱的な衝撃により割れが発生し易いという問題もあった。そして、耐火物を使用した従来のプランジャスリーブにあっては、割れが生じた場合には、その修復が困難であるという問題もあった。
さらに、上記従来の技術のうち、特許文献1にあっては、金属層を構成する円筒体間の隙間に熱絶縁層材料を装填して層材料組付け体を構成し、この層材料組付け体に加圧成形加工を行う必要があり、工程数が多く煩雑で、各層を正確な厚さの同心円状層構造に構成することが困難であるなどの問題があった。また、特許文献1にあっては、内側に位置する第1金属層として焼結原料粉末を使用して、その形成を熱間等方圧加圧成形過程で積層構造の形成と並行して行なわせることなどと記載されているが、熱絶縁層を構成するセラミックス層だけを未焼結のままに維持して、第1金属層だけを焼結により形成し、積層することは現実的には困難であるという問題があった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、溶湯の温度低下を防止することができ、容易にかつ安価に製造することができ、しかも、損傷した場合に容易に修復することが可能なプランジャスリーブおよびその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1のプランジャスリーブに係る発明は、上記目的を達成するため、成形型のキャビティに溶湯を射出充填するためのプランジャにおいて、プランジャチップが嵌挿されると共に溶湯が注湯されるプランジャスリーブであって、少なくとも断熱材層の内側に形成されたプランジャスリーブの内周面を構成する溶射層と、プランジャスリーブの外周面を構成する金属層と、を有することを特徴とするものである。
また、請求項2のプランジャスリーブの製造方法に係る発明は、上記目的を達成するため、成形型のキャビティに溶湯を射出充填するためのプランジャにおいて、プランジャチップが嵌挿されると共に溶湯が注湯されるプランジャスリーブを製造する方法であって、少なくとも断熱材層の内側にプランジャスリーブの内周面を構成する溶射層を形成し、該断熱材層と溶射層の外側にプランジャスリーブの外周面を構成する金属層を形成することを特徴とするものである。
請求項1の発明では、溶射層がプランジャスリーブの少なくとも内周面を構成して、注湯された溶湯と接するとともに、嵌挿されたプランジャチップが摺動される。溶湯は、前記溶射層の外側に位置する断熱材層によってその温度が低下することなく保持される。そして、プランジャスリーブの外周面を構成する金属層は、断熱材層によって溶湯の熱の影響を受けることはない。さらに、溶射層は、微細な穴が無数に形成されているため、溶湯と接することにより局部的に温度上昇して不均一な熱膨張が生じた場合で合っても、そのような不均一な熱膨張を吸収することができる。また、溶射層は、プランジャチップが摺動することにより摩耗したり、変形や損傷した場合であっても、内側から同じ素材を溶射することにより、容易に補修を行うことができる。
また、請求項2の発明では、少なくとも断熱材層の内側にプランジャスリーブの内周面を構成する溶射層を形成し、この断熱材層と溶射層の外側にプランジャスリーブの外周面を構成する金属層を形成する。溶射層は、注湯された溶湯と接するとともに、嵌挿されたプランジャチップが摺動される。溶湯は、前記溶射層の外側に位置する断熱材層によってその温度が低下することなく保持される。そして、外側に配置された金属層は、溶射層の断熱材層によって溶湯の熱の影響を受けることはない。さらに、溶射層には、微細な穴が無数に形成されているため、プランジャスリーブの内部に溶湯が供給されて局部的に温度上昇して不均一な熱膨張が生じた場合で合っても、そのような不均一な熱膨張を溶射層が吸収することができる。また、プランジャチップが摺動することにより摩耗したり、プランジャスリーブが変形や損傷した場合であっても、内側から同じ素材を溶射することにより、容易に補修を行うことができる。
なお、金属層は、溶射層と断熱材層の外側に金属材料をを鋳包むことにより形成することができ、また、溶射層と断熱材層の外側に管状の金属素材を配置して焼き嵌めすることにより形成することもできる。
請求項1の発明によれば、少なくとも断熱材層の内側に形成されたプランジャスリーブの内周面を構成する溶射層と、プランジャスリーブの外周面を構成する金属層と、を有するという簡単な構成で、溶湯の温度低下を防止することができ、容易にかつ安価に製造することができ、しかも、損傷した場合に容易に修復することが可能なプランジャスリーブを提供することができる。
請求項2の発明によれば、少なくとも断熱材層の内側にプランジャスリーブの内周面を構成する溶射層を形成し、該断熱材層と溶射層の外側にプランジャスリーブの外周面を構成する金属層を形成するという簡単な構成により、溶湯の温度低下を防止することができ、容易にかつ安価に製造することができ、しかも、損傷した場合に容易に修復することが可能なプランジャスリーブの製造方法を提供することができる。
最初に、本発明のプランジャスリーブの実施の一形態を、主に図1および図2に基づいて詳細に説明する。図において、同一符号は同様の部分または相当する部分に付すものとする。
本発明のプランジャスリーブ1は、概略、成形型のキャビティに溶湯を射出充填するためのダイカストマシンのプランジャにおいて、プランジャチップが嵌挿されると共に溶湯が注湯されるものであって、少なくとも断熱材層10の内側に形成されたプランジャスリーブ1の内周面を構成する溶射層11aと、プランジャスリーブ1の外周面を構成する金属層12と、を有する。
断熱材層10は、例えばアルミナ・シリカなどを主成分とした繊維を所定の密度で5〜7mm程度の厚さに積層してなるシート状のセラミックファイバーブランケットにより構成することができる。断熱材層10を構成するセラミックファイバーブランケットは、1枚で使用することもできるが、図3に示すように、複数枚のセラミックファイバーブランケット(10a、10b、10c・・・)をプランジャスリーブ1の軸方向に隙間を開けて配置してもよく、また、1枚のセラミックファイバーブランケット10に穴またはスリット(100)を設けてもよい。シート状のセラミックファイバーブランケット10を丸めるように湾曲してその互いに対向する端縁を接合することにより、この実施の形態では後述するように内側と外側の溶射層11a、11bの間で断熱材層10が形成される。
溶射層11は、その材料を燃焼ガスや電気あるいはレーザーなどにより加熱溶融し微粒子状にして加速し被覆対象物表面に衝突させて,扁平に潰れた粒子を凝固・堆積させたものにより構成することができる。溶射層11は、堆積された粒子の間隙により無数の微細な穴が形成されている。このような無数の微細な穴が形成されていることにより、プランジャスリーブ1内に溶湯が注湯されて局部的に温度上昇して不均一な熱膨張が生じた場合で合っても、部分的な変形が許容されるため、不均一な熱膨張を吸収することができる。また、溶射層11が無数の微細な穴を有していることにより、断熱材層10の内側11aと外側11bで挟み込むようにして形成する場合であっても、断熱材層10を押し潰すことなくその密度が維持される。溶射層11は、後述する方法などによって断熱材層10の少なくとも内側11a(プランジャスリーブ1の少なくとも内周面を構成する)、この実施の形態においてはさらに外側11b、および、軸方向端部11cに形成し、断熱材層10を包み込むように構成することができる。また、図3に示したように、複数枚のセラミックファイバーブランケット(10a、10b、10c・・・)をプランジャスリーブ1の軸方向に隙間を開けて配置したり、1枚のセラミックファイバーブランケット10に穴またはスリット(100)を設けた場合には、溶射層11は、複数のセラミックファイバーブランケット(10a、10b、10c・・・)の間、または、1枚のセラミックファイバーブランケット10に設けられた穴もしくはスリット(100)の内部にも形成され、断熱材層10の内側の溶射層11aと外側の溶射層11bがより強固に結合される。溶射層11は、全体を同一の材料で形成することができ、また、断熱材層10の内側11aと外側11bで材料を異ならせることもできる。この実施の形態では、溶射層11の材料として、SKD61(JIS)などの合金工具鋼が溶射層全体に使用されている。断熱材層10が崩れたり変形しないような材質である場合には、溶射層11は、必要に応じて外側11bや軸方向端部11cを省略することもできる。
プランジャスリーブ1の外周面を構成する金属層12は、断熱材層10と溶射層11を保持するもので、プランジャスリーブ1内に供給された溶湯の熱が溶射層11内の断熱材層10によって遮断されるため、従来の耐熱性を有する高価な金属材料を使用する必要はないが、例えば溶射層11と同じであるSKD61(JIS)などの合金工具鋼を使用することができる。金属層12は、溶射層11の外側に鋳包みによって形成することができ、また、筒状の金属管により構成してその内部に断熱材層10と溶射層11を内嵌し金属管を焼ばめすることなどによって配置することもできる。
なお、本発明のプランジャスリーブでは、その内部に溶湯を供給するための注湯口が設けられる。断熱材層10は、注湯口と対応する部分が切り取られるなどして取り除かれている。そして、断熱材層10が取り除かれた部分と対応する位置における溶射層11は、かかる部分も含めて形成した後にかかる部分の端縁に沿って切削などにより取り除くことができ、また、かかる部分の端縁に沿って断熱材層10を包み込むようにして形成することもできる。また、注湯口と対応する位置における金属層12は、注湯口となる部分も含めて形成した後にかかる部分の端縁に沿って単独であるいは溶射層11と共に取り除き、または、注湯口となる部分の端縁に沿って形成することにより、注湯口を設けることができる。
次に、本発明のプランジャスリーブ1の製造方法を、図4〜図9に基づいて、詳細に説明する。なお、この実施の形態で説明するための図において、上述したプランジャスリーブ1の実施の形態における説明と同一符号は、同様の部分または相当する部分に付すものとする。
本発明のプランジャスリーブ1の製造方法は、概略、成形型のキャビティに溶湯を射出充填するためのプランジャにおいて、プランジャチップが嵌挿されると共に溶湯が注湯されるプランジャスリーブ1を製造する方法であって、少なくとも断熱材層10の内側にプランジャスリーブ1の内周面を構成する溶射層11aを形成し、この断熱材層10と溶射層11の外側にプランジャスリーブ1の外周面を構成する金属層12を形成するものである。
プランジャスリーブ1を製造するにあたり、最初に図4に示すように、被覆対象物を構成する砂型中子2を形成し、その周囲に溶射層11の材料(たとえばSKD61などの合金工具鋼)を加熱溶融し加速させて砂型中子2の表面に衝突させ、材料の粒子を凝固させることにより、所定の厚さで堆積させる。この堆積させる厚さは、たとえば5〜10mm程度とすることができる。また、砂型中子2の径は、後の工程で、プランジャスリーブ1の内周面を構成する溶射層11の機械加工(後述する)を考慮して、製造するプランジャスリーブ1の内径以下に設定される。
砂型中子2の周囲に溶射層11aを形成した後には、図5に示すように、断熱材層を構成するセラミックファイバーブランケット10を溶射層11aに巻回し、針金など固定部材3で固定する。断熱材層10の内側に溶射層11aが形成されプランジャスリーブ1の内周面を構成する状態となる。そして、この実施の形態では図6に示すように、さらにセラミックファイバーブランケット10の外周面と軸方向端部(図6の左右端部)に溶射層11b、11cを形成することにより、断熱材層10を包み込むように溶射層11が一体に形成される。なお、断熱材層を構成するセラミックファイバーブランケット10の厚さは、たとえば5〜7mm程度とすることができ、また、断熱材層10の外側に溶射することにより形成された溶射層11bの厚さは、1〜2mm程度とすることができる。そして、断熱材層10の外側に溶射することにより形成される溶射層11bの材料は、内側の溶射層11aと同じとすることができ、また、内側の溶射層11aとは異なる材料を使用することができる。
次いで、溶射層11の外側に金属層12を形成するために、この実施の形態では図7および図8に示すように、断熱材層10を含む溶射層11が形成された砂型中子2を鋳型4内に配置し、型閉じにより溶射層11の外側にキャビティ40を形成して、溶融金属をスプール41からランナ42およびゲート43を介してキャビティ40に鋳込む。金属層12の材料は、たとえば溶射層11と同じSKD61などの合金工具鋼などを使用することができ、また、必要に応じて異なるものを使用することができる。キャビティ40内で金属層12の材料が冷却固化すると、型開きして砂型中子2と共に鋳型4から取り出す(図9)。キャビティ40内で冷却固化された金属は、溶射層11の外側に鋳包まれて、プランジャスリーブ1の外周面を構成して断熱材層10を有する溶射層11を保持するための金属層12を構成する。金属層12の厚さは、例えば20〜30mm程度に設定することができる。そして、砂型中子2を取り除き、内部にプランジャチップを摺動可能に嵌挿できるようにするための溶射層11の内周面の切削加工や、金属層12の端部にフランジ1a(図1または図3を参照)を形成するための切削加工、あるいは、注湯口を設けるための穴開け加工など、機械加工を行う。なお、金属層12の端部におけるフランジ1aの形成は、機械加工によることなく、鋳型4のキャビティ40の形状によって成形することもできる。
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、溶射層11の外径よりも僅かに大きい径を有する金属管を溶射層11に外嵌して焼ばめすることによって金属層12を構成することもできる。
本発明により製造されたプランジャスリーブ1は、最も内側に溶射層11aが位置し、最も外側には金属層12が位置する。上述したように、溶射層11に無数の微細な穴が形成されていることにより、プランジャスリーブ1内に溶湯が注湯されて局部的に温度上昇して不均一な熱膨張が生じた場合で合っても、部分的な変形が許容されるため、不均一な熱膨張を吸収することができる。また、プランジャチップの摺動などによってプランジャスリーブ1の内周面が摩耗や変形などにより損傷した場合であっても、溶射層の材料と同じ材料を溶射することにより損傷部分を容易にかつ安価で修復することができる。
また、断熱材層10の外側に位置する溶射層11bおよび金属層12は、断熱材層10によってプランジャスリーブ1内に供給される溶湯の温度に影響されることがないため、断熱材層10の内側に位置する溶射層11aの材料よりも安価な一般的な材料を用いることができる。なお、本発明のプランジャスリーブ1は、図に概念的に示されたものであり、その軸方向の長さは、プランジャチップのストロークなどによって適宜設定することができる。
本発明のプランジャスリーブの実施の一形態を概念的に説明するために示した断面図である。 図1の縦断側面図である。 本発明のプランジャスリーブの別の実施の形態を概念的に説明するために示した断面図である。 本発明のプランジャスリーブの製造方法の実施の一形態を説明するための、砂型中子の周囲に溶射層を形成した状態を示した断面図である。 図4の状態から溶射層の周囲に断熱材を巻回して断熱材層を構成し針金により固定した状態を示す断面図である。 図5の状態から断熱材層の外側と軸方向端部にさらに溶射層を形成した状態を示した断面図である。 図6に示した砂型中子の周囲に断熱材層を備えた溶射層を形成したものを、金属層を形成するための鋳型に収容した状態を説明するための概念図である。 図7の縦断側面図である。 断熱材層を備えた溶射層の周囲に金属層を形成した状態を示す断面図である
符号の説明
1:プランジャスリーブ、 10:断熱材層、 11:溶射層、 12:金属層、 2:砂型中子、 3:固定部材、 4:鋳型

Claims (2)

  1. 成形型のキャビティに溶湯を射出充填するためのプランジャにおいて、プランジャチップが嵌挿されると共に溶湯が注湯されるプランジャスリーブであって、
    少なくとも断熱材層の内側に形成されたプランジャスリーブの内周面を構成する溶射層と、
    プランジャスリーブの外周面を構成する金属層と、
    を有することを特徴とするプランジャスリーブ。
  2. 成形型のキャビティに溶湯を射出充填するためのプランジャにおいて、プランジャチップが嵌挿されると共に溶湯が注湯されるプランジャスリーブを製造する方法であって、
    少なくとも断熱材層の内側にプランジャスリーブの内周面を構成する溶射層を形成し、
    該断熱材層と溶射層の外側にプランジャスリーブの外周面を構成する金属層を形成することを特徴とするプランジャスリーブの製造方法。
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