JP2007268094A - 浴槽装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】足裏に特殊パターンの噴流による刺激を与えることでバランス感覚に関する感覚受容器及び神経系の機能回復を図る機能を兼ね備えた浴槽装置を提供する。
【解決手段】入浴者の足裏の前後にそれぞれ対応して噴流を噴出する前用噴出ノズル211,212及び後ろ用噴出ノズル213,214を有する噴出口を浴槽内壁に備えた浴槽装置からなり、前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルのそれぞれから噴出する噴流から足裏前後が受ける刺激の大小関係を交互に変化するように噴流の噴出状態を切り替えることで、バランス感覚に関する感覚受容器及び神経系の機能回復を図るようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、特殊なパターンの噴流による刺激を足裏に与えることでバランス感覚に関する感覚受容器及び神経系の機能回復を図る特別な機能を兼ね備えた浴槽装置に関する。
浴槽への入浴中に浴槽内の湯水の噴流を利用して足裏をマッサージする浴槽装置は従来から知られている。このような浴槽装置の一例として、例えば特許文献1に記載の浴槽装置が開示されている。
かかる特許文献1に記載の浴槽装置は、浴槽の湯水を循環させて噴流を発生させている。また、入浴者が足を載せることができる足置き部が浴槽の一方側部に傾斜して設けられている。そして、足置き部には足裏に向けて噴流を噴出する足裏用吐き出し口が設けられている。これによって、入浴者が足首を無理に曲げることなく自然な姿勢のままで足裏を噴流で刺激してマッサージするようになっている。
特開2005−287541号公報(4頁、図1)
しかしながら、上述した特許文献1に記載の浴槽装置によって解決できる課題、即ち入浴中に入浴者の足裏をマッサージしてリラックス効果を入浴者に与えたいという課題と異なる課題の解決が近年要望されている。この新たな課題は、近年、転倒によって骨折し、寝たきりや介護が必要になる高齢者が増えて社会問題化していることに起因しており、高齢者のバランス感覚や歩行能力の向上を図ってこのような社会問題を低減したいという課題である。
かかる高齢者のバランス感覚や歩行能力を低減させる要因として、図31に見られるように、加齢に伴い体力は全体的に低下していくが、とりわけバランス能力が急激に低下している点が挙げられる。その理由としては、筋量の減少及びこれに伴う筋力の低下も考えられるが、それよりもこれらの筋肉に繋がる感覚受容器及び神経回路の機能低下が主な原因と考えられている。
そして、バランス能力が失われると転倒により骨折したり寝たきりになったりする危険性が高まるため、バランス能力を回復することが重要である。近年、転倒予防に向け、フィットネスクラブなどに設置されたトレーニング機器を用いた筋力トレーニングが盛んに行われているが、この筋力トレーニングだけでは単に筋力を付けるのに役立つだけで、バランス能力をつかさどる感覚受容器及び神経系を活性化してこれらの機能回復を実現して問題の根本的解決を図るには難しい。
本発明の目的は、足裏に特殊パターンの噴流による刺激を与えることでバランス感覚に関する感覚受容器及び神経系の機能回復を図る機能を兼ね備えた浴槽装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明にかかる浴槽装置は、
入浴者の足裏の前後にそれぞれ対応して噴流を噴出する前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルを有する噴出口を浴槽内壁に備えた浴槽装置からなり、
前記前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルのそれぞれから噴出する噴流から足裏前後が受ける刺激の大小関係を交互に変化するように噴流の噴出状態を切り替えることを特徴としている。
このような浴槽装置を用いることで、入浴者の足裏の前後への刺激が交互に変化する噴流で足裏に刺激を与えることができる。即ち、足裏前後への刺激の差分が足裏前後に交互に作用することになる。その結果、入浴中の温熱効果により神経を敏感にすることと相俟って、バランス感覚に関する感覚受容器及びこれに至る神経系の機能回復を図ることができる。
即ち、足裏の前後に交互に刺激を与えることで、足裏へ擬似荷重として刺激を与えることができる。これは、入浴姿勢のように寝そべった状態においても、足裏へ立っていることを錯覚させるような擬似荷重を振動により伝えることができるので、これによって、入浴姿勢でも立っている状態を錯覚させることを期待する。更に、前後に交互に刺激の大小を切り替えるので、例えば立っている時の足裏の圧分布は、前側が強いときには、姿勢が前へ傾いていると認識し、逆に、後ろ側の刺激が強いときには後ろ側へ姿勢が傾いていると認識するので、同様に擬似荷重で前後の刺激の大小関係を切り替えることで姿勢の変化を錯覚させることを期待できる。このような擬似荷重のパターンを与えることにより、足裏で受ける圧分布の認識力を向上させ、バランス感覚に必要な足裏の感覚受容器の認識能力を高める。更に、足裏からの前後刺激を切り替えて、姿勢の変化を錯覚させることで、姿勢を認識する神経回路まで情報伝達を促し、神経回路の促通性をも高めることが可能となる。
なお、浴槽内では浮力が入浴者に常に作用するため、各感覚受容器への重力などによる余分な入力を遮断し、足裏前後が交互に受ける刺激の差分にのみ神経系を集中させることができるので、このような刺激を足裏に与えることでバランス感覚に関する神経回路の促通性を高めることが可能となる。
また、入浴中に浮力が入浴者に常に作用するので、入浴者が感覚的に立位に近い入浴姿勢をとることができ、足裏前後が交互に受ける刺激の差分からの刺激だけであたかも立位姿勢であるようにバランス感覚に関する感覚受容器及び神経系に錯覚を起こさせることができ、これによって、感覚受容器及び神経系のバランス感覚に関する機能回復を図ることができる。
また、本発明の請求項2に記載の浴槽装置は、請求項1に記載の浴槽装置において、
前記足裏前後に与える噴流からの刺激の大小関係の切り替え時間を変化させるようにしたことを特徴としている。
切り替え時間を徐々に長くしたり短くしたり、突然変化させたりするなど切り替え時間のタイミングを変えることで、バランス感覚に関する感覚受容器及び神経系の振動刺激に対する順化を防止する。
また、本発明の請求項3に記載の浴槽装置は、請求項2に記載の浴槽装置において、
噴流が足裏前後に与える刺激の交互の切り替えは、噴流の強さをなす噴流の流速、噴流の流量、噴流の周波数の少なくとも何れか一つを変化させて行われることを特徴としている。
流量、流速、周波数を徐々に変えたり、突然変えたりすることで、足裏に実際の立位状態に対応する擬似荷重の圧分布を生じさせ、バランス感覚に関する感覚受容器及び神経系の振動刺激に対する順化を防止する。
また、本発明の請求項4に記載の浴槽装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の浴槽装置において、
前記噴出口を入浴者の左右の足に対応するように前記浴槽内壁に左右に2列設け、前記前用噴出ノズルからの足裏前後への噴流の噴出が左右の前用噴出ノズルで同時に行われると共に、前記後ろ用噴出ノズルからの足裏後側への噴流の噴出が左右の後ろ用噴出ノズルで同時に行われるようにしたことを特徴としている。
前用噴出ノズルと後ろ用噴出ノズルのそれぞれから左右の足に同時に噴流が噴出した方がバランス訓練を行う際の効果がより大きくなる。
また、本発明の請求項5に記載の浴槽装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の浴槽装置において、
前記噴出口を入浴者の左右の足に対応するように前記浴槽内壁に左右に2列設け、前記左右の前用噴出ノズルの何れか一方から足裏前後に噴流が噴出すると同時に前記左右の後ろ用噴出ノズルの何れか他方から足裏後側に噴流を噴出することと、前記左右の前用噴出ノズルの何れか他方から足裏前側に噴流を噴出すると同時に前記左右の後ろ用噴出用ノズルの何れか一方から足裏後側に噴流を噴出することを交互に行うようになったことを特徴としている。
歩行訓練を行う際にこのような噴流を足裏前後に噴出することで足裏にあたかも歩いているような刺激を与えることができ、歩行訓練を行う際の効果がより大きくなる。
また、本発明の請求項6に記載の浴槽装置は、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の浴槽装置において、
前記噴出口を入浴者の左右の足に対応するように前記浴槽内壁に左右に2列設け、前記噴出口の左右何れか一方の側の後ろ用噴出ノズルから前用噴出ノズル、これに続いて前記噴出口の左右何れか他方の側の後ろ用噴出ノズルから前用噴出ノズルの順番で前記噴流が足裏前後に与える刺激の大小関係を切り替えるように制御することを特徴としている。
足裏前後に与える刺激の大小関係をこのように左右の足ごとに前後順番に切り替えることで、健常の歩行パターンの圧分布、即ち歩行に関する擬似荷重を足裏に積極的に与えることができ、歩行に重要な圧受容器の感度の向上と神経回路の促通性を入浴中に高める。即ち、健常の歩行パターンを中枢神経に認識させることで、歩行のテンポを入浴中に覚えさせ、正しい歩行ができるようにする。
また、本発明の請求項7に記載の浴槽装置は、
入浴者の左右の足裏の踵部、足裏の外側部、足裏の指先内側部にそれぞれ噴流を噴出する噴出ノズルを浴槽内壁の所定位置に設けた浴槽装置からなり、
左右何れか一方の足の踵部、足裏の外側部、爪先内側部、これに続いて左右何れかの他方の足の踵部、足裏の外側部、爪先内側部の順番で噴出ノズルから足裏が受ける刺激の大小関係を切り替えることを特徴としている。
成人は踵接地と爪先蹴りを区別して行うことで歩行中に足裏に圧分布が生じるが、高齢者ではすり足のように歩くので歩行中に足裏に圧分布が生じない。
しかしながら、このように実際の歩行中の足裏接地領域に対応するように噴出口を設けることで、歩行時に受ける圧分布をより忠実に再現することができ、入浴中に現実に近い歩行パターンを中枢神経及びこれに至る神経回路に認識させることができ、その結果、高齢者の歩行パターンを成人の歩行パターンに少しでも近づけるようにできる。
また、本発明の請求項8に記載の浴槽装置は、
入浴者の足裏の前後に向かって択一的に噴流を噴出可能な噴流噴出方向可変の噴出ノズルを有する噴出口を浴槽内壁に備えた浴槽装置からなり、
足裏前後が受ける噴流からの刺激の大小関係が足裏前後で交互に変化するように前記噴出ノズルから噴出する噴流の向きを交互に切り替えることを特徴としている。
このような構成を有していても、請求項1に係る浴槽装置と同等の作用を発揮することが可能である。
また、本発明の請求項9に記載の浴槽装置は、請求項1乃至請求項8に記載の浴槽装置において、
入浴者の足裏を、浴槽内壁の所定位置に位置決めする足裏位置決め手段を備えたことを特徴としている。
足の位置決め手段を備えているので、確実に足の位置を決めることができ、前用噴出口からでる噴流と後用噴出口から出る噴流をそれぞれ足裏の前と後に確実に与えることができる。これによって、効果的に感覚受容器及び神経系のバランス感覚に関する機能回復を図ることができる。
また、本発明の請求項10に記載の浴槽装置は、請求項9に記載の浴槽装置において、
前記足裏位置決め部は、入浴者の踵が浴槽の底壁に接しないように浴槽底壁よりも上方にあることを特徴としている。
足裏位置決め部をこのような位置に設けることにより、足裏位置決め部に足を当てている間ずっと下肢筋を伸張させるようになり、入浴中常に下肢筋を活動させてより立位に近い状態で入浴することができる。すなわち、座位では、運動状態で活動する中枢神経が休止状態にあり、体性感覚に振動刺激を与えても、バランス感覚に関する神経回路の促通効果は完全とはならないが、特にこのような足の位置決め手段によって入浴中下肢筋を伸張させて活動させたまま振動刺激を与えることにより、中枢神経の活性化が実現でき、その結果、バランス感覚に関する神経回路の促通性を高くしてバランス訓練を効果的に行うことができる。
また、本発明の請求項11に記載の浴槽装置は、請求項1乃至請求項10の何れかに記載の浴槽装置において、
前記前用噴出ノズル若しくは後用噴出ノズルの位置を調整する位置調整手段を備えたことを特徴とする。
足裏の前後にあたるように噴出ノズルの位置を変えることができるので、足裏の前後に確実に噴流による刺激をあたえることができる。また、足の大きい人や小さい人にも対応することができる。
本発明によると、足裏に特殊パターンの噴流による刺激を与えることで感覚受容器及び神経系の機能回復を図る機能を兼ね備えた浴槽装置を提供することができる
より具体的には、本発明による浴槽装置を用いることで、浴槽内で入浴者の足裏の前後への刺激が交互に変化する噴流で足裏に刺激を与えることができる。即ち、足裏前後への刺激の差分が足裏前後に交互に作用することになる。その結果、入浴中の温熱効果により神経を敏感にすることと相俟って、バランス感覚に関する感覚受容器及びこれに至る神経系の機能回復を図ることができる。なお、浴槽内では浮力が入浴者に常に作用するため、各感覚受容器への重力などによる余分な入力を遮断し、足裏前後が交互に受ける刺激の差分にのみ神経系を集中させることができるので、バランス感覚に関する神経回路の促通性を高めることが可能となる。
また、入浴中に浮力が入浴者に常に作用するので、入浴者が感覚的に立位に近い入浴姿勢をとることができ、足裏前後が交互に受ける刺激の差分だけであたかも立位姿勢であるようにバランス感覚に関する感覚受容器及び神経系に錯覚を起こさせることができ、これによって、感覚受容器及び神経系のバランス感覚に関する機能回復を図ることができる。
以下、本発明の第1の実施形態にかかる浴槽装置について説明する。本発明の第1の実施形態にかかる浴槽装置1は、図1に示すように、浴槽110と、浴槽110の長手方向一方の端部内壁面に備わった足裏位置決め部(図2参照)220と、足裏位置決め部220に位置決めされる足裏の前後に対応して設けられた前用噴出ノズル211,212及び後ろ用噴出ノズル213,214からなる噴出口210と、ポンプ120を介して浴槽内の湯水を噴出口210に循環させる循環流路130と、循環流路130のポンプ120と噴出口210との間に介在した電磁弁140と、ポンプ120及び電磁弁140を制御する制御部150を備えている。
そして、浴槽装置1の足裏位置決め部220は、それぞれ図2に示すように、入浴者の踵の外郭にほぼ一致する曲率をもった湾曲した凸条の突起部221,222からなり、浴槽底面よりも所定距離だけ上方の浴槽内壁において幅方向所定間隔隔てて設けられている。
また、噴出口210は、左右の足裏位置決め部220にそれぞれ対応して設けられ、左側の噴出口210が前用噴出ノズル211と後ろ用噴出ノズル213を備えると共に、右側の噴出口210が前用噴出ノズル212と後ろ用噴出ノズル214を備えている(図2参照)。そして、前用噴出ノズル211,212から噴出する温水と後ろ用噴出ノズル213,214から噴出する温水が足裏位置決め部220に位置決めされた入浴者の足裏前後にそれぞれ対応して噴出するようになっている。なお、ここでいう足裏の前とは、図3に示すように、足裏の指及び指の付け根並びにその近傍領域を指し、足裏の後ろとは、足裏の踵部及びその近傍領域を指す。より具体的には足裏の前側と後側で健常な成人の歩行時に圧力分布を構成する各領域をいう。
ポンプ120は、浴槽内の湯水を、循環流路130を介して噴出口210に向かって送り出しながら循環させる役目を果たしている。
また、循環流路130は浴槽内に一端が接続され途中にポンプ120を備えた共通温水流路131と、共通温水流路131から分岐して左右の前用噴出ノズル211,212に温水を供給する前用温水流路132及び左右の後ろ用噴出ノズル213,214に温水を供給する後ろ用温水流路133から構成されている。
また、電磁弁140は、前用温水流路132に備わった前用電磁弁142と、後ろ用温水流路に備わった後ろ用電磁弁143から構成されている。そして、前用電磁弁142は、制御部150の制御により前用温水流路132を開閉する開閉バルブからなり、開放状態でポンプ120から供給される湯水をそのまま前用噴出ノズル211,212に供給してこのノズルから流量の大きい湯水を足裏位置決め部に位置決めされた足裏前側にそのまま噴出するようにし、閉塞状態ではポンプ120から供給される湯水の流れを止めて足裏前側に湯水を噴出しないようになっている。
また、後ろ用電磁弁143も、制御部150の制御により後ろ用温水流路133を開閉する開閉バルブからなり、開放状態でポンプ120から供給される温水をそのまま後ろ用噴出ノズル213,214に供給してこのノズルから流量の大きい温水を足裏位置決め部に位置決めされた足裏の後ろ側にそのまま噴出するようにし、閉塞状態ではポンプ120から供給される湯水を止めて足裏後ろ側に湯水が噴出しないようになっている。
また、制御部150は、ポンプ120の駆動を制御すると共に、噴出口210の前用噴出ノズル211,212から噴出する温水の流量(強さ)と後ろ用噴出ノズル213,214から噴出する温水の流量(強さ)を交互に切り替えるようになっている。具体的には、図4に示すように、予め決まった所定の秒数ごとに前用電磁弁開、後ろ用電磁弁閉の状態と前用電磁弁閉、後ろ用電磁弁開の状態を交互に繰り返し、前用噴出ノズル211,212と後ろ用噴出ノズル213,214から足裏の前後に交互に温水を噴出し、これら交互に噴出する噴流から足裏前後が受ける刺激の差分を足裏前後で交互に変化させるようになっている。
続いて、このような構成を有する浴槽装置1の実際の使用方法と作用について説明する。最初に入浴者は浴槽内の湯に浸ると共に足裏位置決め部220に足裏を当てる(位置決めする)。この際、図2に示す足裏位置決め部220に左右の足の踵を当てるだけで噴出口210の前用噴出ノズル211,212を足裏の前側に合致させ、後ろ用噴出ノズル213,214を足裏後ろ側に合致させることができる。
次いで、制御部150がポンプ120を作動させ、浴槽内の湯を、共通温水流路131を介して前用温水流路132と後ろ用温水流路133に供給する。
これと同時に制御部150は、図4に示すように、前用電磁弁142と後ろ用電磁弁143を交互に開閉する。なお、本実施形態の場合、3秒ごとに前用電磁弁142と後ろ用電磁弁143を開閉するようになっているが、必ずしもこの時間に限定されるものではない。
前用電磁弁142と後ろ用電磁弁143をこのように交互に開閉することによって、前用噴出ノズル211,212と後ろ用噴出ノズル213,214から3秒ごとに交互に温水が噴出する。その結果、入浴者は足裏前側と足裏後ろ側に噴出する温水からの刺激(図3参照)を3秒ごとに交互に受ける。
足裏前後がこのような噴出口210からの温水の交互の刺激を受けることと浴槽内において入浴者の全身に作用する浮力によって、入浴者は入浴中あたかも立位状態にあるような擬似荷重を足裏前後に受けることができ、入浴中であるにも関わらず以下に説明するようにバランス感覚向上の訓練を行うことが可能となる。
続いて、本発明の特徴部分である入浴中に足裏前後に交互に刺激を受けることでバランス感覚が向上する知見を本出願人が得た理由について説明する。バランス能力とは、図32に示すように外的情報を感覚器(前庭系、視覚、体性感覚)を通じて取り込み、中枢神経回路内で情報を統合し、最終的に身体姿勢を最適な状態に保持する為に筋肉を駆動させる一連の機能を総称している。ここで、体性感覚が備える機能は、深部受容器と皮膚受容器の2つに分類できる。ここで、深部受容器は筋紡錘やゴルジ腱器官など筋肉の張力などの動きを検知してこれに反応し、筋の張力を均等に保っている。一方、皮膚受容器に関しては足底の圧を検出するパチニ小体などが大きく関係している。バランス能力に関しては、特に、身体が前傾後傾した場合に発生する足底の圧力差分を算出することでバランスを保持することが知られている。
このように足裏の圧受容器はバランス能力に大きく関係している。そして、高齢者はこの圧受容器の感度が鈍くなり、自分の姿勢がどの状態にあるのかを正確に認識しづらくなると言われている。
続いて、足裏の圧受容器についてより詳細に説明する。バランス能力に関して足裏の圧受容器は非常に敏感である。具体的には、図33に示すように、足底に対して前部、後部、右部、左足の4つの方法で振動刺激を与えると、その振動刺激に対して圧受容器が反応する。足裏前部(拇指球)のみに振動刺激を与えると感覚受容器は重心が前部に傾いていると錯覚する。その傾きを検出し姿勢の安定性をはかるために身体が無意識のうちに後に倒れるようにフィードバックされる。同様に、後部、右足、左足に刺激を与えるとそれぞれの刺激に対し傾きを検出し、この振動刺激に対して負のフィードバックを行う反応を示す。
さらに、人の立位姿勢における重心動揺を考えた場合、図34に示すように前額面から観察される両足からなる2支点の側方動揺よりも、矢状面から観察される足関節1支点からの縦方動揺が大きく、また、足関節は1軸性の蝶番関節であり、その構造上足関節の側方への可動はほとんど行われず、主に背屈及び底屈の機能を有している。
従って、バランス能力に伴う感覚受容器の機能回復と神経系の賦活化を目的とした訓練を考えた場合、これら立位支点や足関節の特性から、図34(a)及び図34(b)に示すように、矢状面から観察される縦方向(前後)への活動を誘発する刺激を与えると動揺が大きくなるため、訓練の効果も大きくなると考えられる。また、前後方向への重心の移動が多いということは、その分重心が崩れやすくなるため、転倒する危険性も高く、前後方向の圧分布の認識力が重要であるといえる。
従って、転倒やこれに伴う骨折を未然に防ぐために、足裏の圧受容器に着目して入浴中に足裏前後が噴流から受ける刺激の差分を足裏前後で交互に変化させて圧分布を与えることで圧受容器の機能回復を図ると共にその反応を伝える神経系の促通性を高めるとバランス感覚の維持や向上を図ることが可能であると本出願人は思い至った。
そのため、本発明は、従来の浴槽内温水噴出マッサージ器のように、足裏前後に同時に温水を噴出したり、足裏の先端から踵に向かって一方向に温水を噴射することによるリンパマッサージを達成したりするものとは本質的に異なり、これら従来の浴槽内と温水噴出マッサージ器が有さない効果、即ち、前後方向で圧分布を認識できる程度まで足裏の前後に交互に刺激の状態を変えることで足裏前後に立位状態に相当する擬似荷重を交互に与えるようになり、バランス能力に伴う感覚受容器の機能回復と神経回路(フィードバック機構)の賦活化を図ることを可能としている。また、バランスを崩す時、足裏の圧分布の変化は瞬時に起こるが、本発明は、交互に噴流を与えることができるので、圧分布を瞬時に切り替えることが可能である。また、前後切替のタイミングをオーバーラップさせる状態を作ることも可能であり、バランスが前後に移動する際に一瞬足裏の前後に同時に圧がかかるといった状態も再現できる。このように、前後の噴流を切り替えることで、オーバーラップや瞬時切替など様々な制御が可能となり、より現実に近い状態を再現することで、バランス訓練をより効果的にすることができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の実施形態における浴槽装置1は、浴槽内壁の長手方向一方の端部内壁に底壁から若干離れた高さで足裏位置決め部220を備えると共に、足裏位置決め部220に位置決めされる足裏前後に対応する前用噴出ノズル211,212及び後ろ用噴出ノズル213,214をそれぞれ有した噴出口210を備え、制御部150がポンプ120及び前用電磁弁142、後ろ用電磁弁143を所定のパターンで制御して前用噴出ノズル211,212と後ろ用噴出ノズル213,214から足裏前後に交互に温水を噴出することで足裏前後に交互に異なる大きさの刺激を与え、これによって入浴者のバランス感覚を向上させることができる。
特に高齢者の場合、例えばバス乗車中や路面凍結時に誤って転倒して大怪我をすることがあるので、特別な訓練器を用いてバランス感覚向上の訓練を立位状態(立ったままの姿勢)で行う必要なく、このようなバランス感覚向上の訓練を毎日の入浴と兼ねて実行することで、バランス感覚向上の訓練を行っているという意識を持つことなく自然にバランス感覚を向上させることができるので、そのメリットは大きい。
また、立位状態でバランス感覚の訓練を行う場合のように、膝や足首などの関節が訓練中体重を支える必要なく、これらの関節に大きな負荷がかからなくて済むので、体にやさしいバランス感覚向上の訓練を毎日無理なく実行することができる。
なお、足裏位置決め部は、図5に示すように、入浴者の左右の踵が当たる位置に踵の形状に対応する曲率を有する円弧状の凹み部231,232を後ろ用噴出ノズル213,214の下方に設けても良い。足裏位置決め部230がこのような凹み部231,232で形成されていることで、入浴者が足の指先を足裏位置決め部230にぶつけるようなことがない。
また、図6に示すように、足裏位置決め部が入浴者の足の指先に突き当たる突起部241,242を前用噴出ノズル211,212の上方に設けた形態の足裏位置決め部240であっても良い。
また、図7に示すように、足裏位置決め部が左右の足の土踏まずに対応する位置に突起部251,252を設けた形態の足裏位置決め部250であっても良い。このような足裏位置決め部250を設けることで、足裏の位置決めと同時に土踏まずを足裏位置決め部250で押圧して本発明の主な目的であるバランス感覚や歩行能力の向上の他にマッサージ効果を入浴者に与えることができる。
また、図8に示すように、足裏位置決め部が左右の足裏の両側部に対応する足裏側方位置決め用突起261〜264を浴槽内壁の前用噴出ノズル211,212と後ろ用噴出ノズル213,214の間に設けた形態の足裏位置決め部260であっても良い。このような足裏側方位置決め用突起261〜264を設けることで、入浴者の足裏の位置及び向きを噴出口210に対して最適な状態に位置決めすることができ、前用噴出ノズル211,212及び後ろ用噴出ノズル213,214から入浴者の足裏前後の適所に温水を噴出することができる。
また、図9に示すように、足裏位置決め部が入浴者の左右の足裏形状に対応する足形状の凹み部271,272とした形態の足裏位置決め部270であっても良い。このような凹み部271,272で足裏位置決め部270を形成することで、入浴者が足の指先を足裏位置決め部270に不用意にぶつけることがない。なお、この場合浴槽内壁に凹み部を設ける代わりに入浴者の足形に相当するシールを貼布してこの足裏位置決め部を形成しても良い。
また、図10に示すように、入浴者の下肢部のみ入浴者の臀部から一定の高さだけ上げる下肢載せ用段部111を備えるような浴槽の形状とし、この下肢載せ用段部111に載せられた足の足裏前後に対応するように噴出口210の前用噴出ノズル211,212と後ろ用噴出ノズル213,214からなる噴出口210を浴槽内壁に設けるようにしても良い。
この場合、下肢載せ用段部111が足裏位置決め部としての役目も果たすので、このような下肢載せ用段部111に入浴者が下肢を載せるだけで足裏が噴出口210に当たるように足裏を位置決めできる。また、このような下肢載せ用段部111を設けることで、入浴者の下肢に無理をかけず立位(立ったままの姿勢)に近い状態を維持するので、リラックスしながらバランス感覚向上の訓練を行うことができ、特に足腰の弱った高齢者や足腰に障害のある入浴者が入浴する際の使い勝手が良い。
また、この場合、下肢載せ用段部111に下肢を載せるだけで、足裏が噴出口210に自然に位置決めされるので、温水噴出口近傍の浴槽内壁部に足裏位置決め部の特別な凸部や凹部を設ける必要はない。
続いて、本発明の第2の実施形態にかかる浴槽装置について説明する。なお、本発明の第2の実施形態にかかる浴槽装置の基本的構成は、制御部150の制御パターンを除いて図1と同様であるので、共通する構成についての説明を省略する。なお、図11は第2の実施形態にかかる浴槽装置によって刺激を受ける足裏前後の領域を示したものであり、図3に示す第1の実施形態の場合と同様であることが分かる。
第2の実施形態にかかる浴槽装置2は、図12に示すように、制御部150による前用電磁弁142と後ろ用電磁弁143の開閉パターンに特徴を有している。
具体的には、図12に示すように、前用電磁弁142の開放時間と閉塞時間(図中上段)及び後ろ用電磁弁143の開放時間と閉塞時間(図中下段)が入浴経過時間に応じて変化するようになっている。
図12においては、前用電磁弁及142及び後ろ用電磁弁143の開放時間と閉塞時間が共に入浴経過時間に応じて長くなっている。しかしながら、これとは異なり、元々長く設定された前用電磁弁142及び後ろ用電磁弁143の開放時間と閉塞時間が共に入浴経過時間に応じて短くなるようにしても良い。即ち、前用電磁弁142と後ろ用電磁弁143の開放時間と閉塞時間が入浴経過時間に応じて徐々に長くなることと徐々に短くなることを適宜繰り返せば良い。
また、図13に示すように、前用電磁弁142と後ろ用電磁弁143の開放時間と閉塞時間が入浴経過時間に応じて常に不規則に変化するようにしても良い。
制御部150がこのような制御パターンで前用電磁弁142と後ろ用電磁弁143の開閉を制御することで、入浴者の刺激に対する順化(同じ刺激を受け続けることによりその刺激に慣れてしまうこと)が生じてバランス感覚向上のトレーニングにならなくなるのを防止することができる。
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態の何れにおいても、図14に示すように、制御部150が前用電磁弁142と後ろ用電磁弁143を共に一定時間閉塞して前用噴出ノズル211,212及び後ろ用噴出ノズル213,214から温水を全く噴出しない時間を時々設けるようにしても良い。
このような温水無噴出状態を時々生じさせることで、入浴者の神経伝達回路をリセットして、再度刺激を受けたときに新たな刺激が神経伝達回路に効率的に伝達するようにし、バランス感覚の訓練の効果をより高めることができる。
続いて、本発明の第3の実施形態にかかる浴槽装置について説明する。本発明の第3の実施形態にかかる浴槽装置3は、第2の実施形態にかかる浴槽装置2と関連しており、制御部150による前用電磁弁142と後ろ用電磁弁143の開閉パターンに特徴を有している。従って、第1の実施形態及び第2の実施形態と共通する基本的構成は図1と同様であるので、この共通する構成についての説明を省略する。
この第3の実施形態にかかる浴槽装置3の前用電磁弁142と後ろ用電磁弁143の具体的な開閉パターンは、図15に示すように、装置使用開始後0秒から4秒においては前用電磁弁142が開き状態で20L/minの流量の温水を前用噴出ノズル211,212から噴出し、後ろ用電磁弁143が閉じ気味状態で5L/minの流量の温水を後ろ用噴出ノズル213,214から噴出する。そして、装置使用開始後4秒から8秒においては、この流量が反転して後ろ用噴出ノズル213,214から噴出する温水の流量が前用噴出ノズル211,212から噴出する温水の流量よりも大きくなり、装置使用開始後8秒から15秒においては30L/minの流量の温水が前用噴出ノズル211,212から噴出し、後ろ用電磁弁閉塞状態で後ろ用噴出ノズル213,214から温水が噴出しなくなる。
このように入浴経過時間に応じて異なる流量の温水が前用噴出ノズル211,212と後ろ用噴出ノズル213,214から噴出することで、各噴出口210から受ける刺激が足裏前後で交互に変化し、刺激に対する順化を防止することができる。
続いて、本発明の第4の実施形態にかかる浴槽装置について説明する。本発明の第4の実施形態にかかる浴槽装置4は、図16に示すように、噴出口210から噴出する温水に例えば20Hz〜100Hz程度の所定の周波数で空気を含ませて泡沫温水として入浴者の足裏を刺激するようになっている。ここで、空気を含ませた噴流の周波数は、電磁弁の開閉で行なうことが可能であり、又、空気を用いずに電磁ポンプなどの脈流の周波数で刺激を変化させたり、水車で水流を周期的に遮断して脈流を発生させることもできる。
そして、前用噴出ノズル211,212から噴出する温水に加える空気の周波数と、後ろ用噴出ノズル213,214から噴出する温水に加える空気の周波数を常に異ならしめて前用噴出ノズル211,212から入浴者の足裏前後が受ける温水からの刺激の強さと後ろ用噴出ノズル213,214から入浴者の足裏後ろ側が受ける温水からの刺激の強さを交互に変えるようになっている。これによっても上述した効果と同等の効果を発揮する。即ち、浴槽内で入浴者の足裏の前後への刺激が交互に変化する泡沫温水で足裏に刺激を与えることができ、入浴中の温熱効果により神経を敏感にすることと相俟って、バランス感覚に関する感覚受容器及びこれに至る神経系の機能回復を図ることができる。
なお、以上説明した様々な実施形態から明らかなように、噴出口210から噴出する温水による入浴者の足裏の受ける刺激の強さとは、噴出する温水の流量、流速、周波数などの大きさで規定され、この何れを利用しても本発明の作用を発揮することが可能である。
図17では、円の大きさが各噴出ノズルの口径を表しており、前後で口径を変えることで流速が変化し、それによって、足裏が受ける刺激の状態が変化するようになっている。即ち、口径を絞ることで流速を上げ、それを交互に繰り返すことで刺激の状態の大小関係を交互に切り替えるようになっている。ここでは、遮蔽板を用いて、開口部の一部を塞ぐことで口径を絞るようにしている。
続いて、本発明の第5の実施形態にかかる浴槽装置について説明する。この第5の実施形態にかかる浴槽装置5は、図18に示すように、浴槽の長手方向一方の端部内壁に設けられた足裏位置決め部520と、前用噴出ノズル511,512及び後ろ用噴出ノズル513,514を有し、足裏位置決め部520は浴槽底面よりかなり上方に設けられ、入浴者が足裏位置決め部520に足裏をあてると膝関節が上述の実施形態に比べてより曲がった状態を保ちながら前用噴出ノズル511,512及び後ろ用噴出ノズル513,514が足裏の前後にそれぞれ位置するようになっている。なお、その他の構成については図1と同様であるので、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施形態では、浴槽内壁の底壁よりも比較的離れた位置に足裏位置決め部520と温水噴出口510を有することで、入浴者の下肢がかなり曲げられた状態で各温水噴出口510から噴出する温水より入浴者が足裏前後にうける刺激の大きさが交互に入れ替わるようになり、入浴者が立位により近い状態でこのような特殊なパターンの刺激、即ち立位状態における擬似荷重を足裏に受けようになり、同じ入浴時間であっても上述の実施形態よりもバランス感覚をより向上させることができる。
即ち、足裏位置決め部をこのような位置に設けることにより、足裏位置決め部に足を当てている間ずっと下肢筋を伸張させるようになり、入浴中常に下肢筋を活動させてより立位に近い状態で入浴することができる。すなわち、座位では、運動状態で活動する中枢神経が休止状態にあり、体性感覚に振動刺激を与えても、バランス感覚に関する神経回路の促通効果は完全とはならないが、特にこのような足の位置決め手段によって入浴中下肢筋を伸張させて活動させたまま振動刺激を与えることにより、中枢神経の活性化が実現でき、その結果、バランス感覚に関する神経回路の促通性を高くしてバランス訓練を効果的に行うことができる。
続いて、本発明の第6の実施形態にかかる浴槽装置について説明する。この第6の実施形態にかかる浴槽装置6を説明するにあたって、図19に示すように、高齢者と成人の歩行時の前足部が受ける衝撃力と時間との関係及び踵部が受ける衝撃と時間との関係並びに足裏全体が受ける衝撃力と時間との関係について説明する。
なお、図19及びこれに関する記載について参照した文献としては以下の通りである。
著者:富田隆太氏、井上勝夫氏、川又周太氏
題名:高齢者及び成人の歩行特性と歩行感からみた床仕上げ構造に関する検討
日本建築学会環境系論文集 第569号、7−14、2003年7月発行
図19から明らかなように、成人は一歩の歩行中に最初に足裏着地時に踵部が大きな衝撃力を短時間受けてその後の足蹴り返し時に前足部が大きな衝撃を短時間受けていることが分かる。一方、高齢者は一歩の歩行中に足裏全体において小さな衝撃力を長時間受けていわゆるすり足のような歩き方となっており、成人のようにメリハリのついた歩き方とは異なっていることが分かる。即ち、成人の歩行中においては、踵接地及び爪先蹴りがはっきりと行われるが、高齢者はすり足のように歩くので圧分布が生じない。このように高齢者は普段の生活でも足裏の圧分布を感じることができなくなっており、また、歩行のテンポも悪くなってしまっている。従って、入浴者が高齢者の場合、成人の歩行パターンに似せた擬似荷重のパターンを左右の足裏に前後特定の順番で加えることで、高齢者の中枢神経やこれに至る神経回路にこのパターンを刻み込んで成人の歩行パターンを覚え込ませ、実際に少しでも成人の歩行パターンに近い歩行パターンで歩行できるように訓練することが可能であると本出願人は考えた。
より具体的には、歩行中においては足裏に圧分布が生じており、一方の足の踵、爪先、他方の足の踵、爪先という順番に圧がかかる。この圧分布から神経回路を介して中枢神経に入力される信号が歩行のタイミングを計る一つの情報源と考えられている。一方、実際に歩行する際は、歩行タイミングを指示するパターン発生器のようなものを中枢神経が備えており、それによってテンポ良く歩行が行われる。このとき、成人と高齢者では足裏への圧のかかり方が異なる。
従って、足裏前後に与える刺激の大小関係をこのように左右の足ごとに前後順番に切り替えることで、健常の歩行パターンの圧分布、即ち歩行に関する擬似荷重を足裏に積極的に与えることができ、歩行に重要な圧受容器の感度の向上と神経回路の促通性を入浴中に高めると共に、健常の歩行パターンを中枢神経に認識させ、歩行のテンポを入浴中に覚えさせ、正しい歩行ができるようにする。
これを実現するために、足裏の前後に特別なパターンの温水の噴出、即ち片方の端の足裏後側から足裏前側、続いてもう片方の足の足裏後側から足裏前側に順々に温水を噴出することで高齢者の歩行パターンを成人の歩行パターンに少しでも近づけることができることに本出願人は思い至った。そして、高齢者の歩行形態を成人の歩行形態に近づけることによって、高齢者の歩行中における転倒防止等に役立つことが可能となると考えた。
図20は、入浴者の左右の足裏において図1に示す各温水噴出ノズル211〜214から噴出する温水の当たる領域を個別に示したものである。また、図21は、装置使用開始から入浴者の左右の足裏前後にあたる温水の噴流の大きさを図20に示した領域ごとに示すタイミングチャートである。これらの図から分かるように、本実施形態にかかる浴槽装置の制御部150は、一方の足裏後ろ側(踵部であり図20及び図21のA)から前側(つま先側であり図20及び図21のB)、続いて、他方の足裏後ろ側(踵部であり図20及び図21のC)から前側(つま先側であり図20及び図21のD)の順番でそれぞれ対応する各温水噴出ノズル213,211,214,212から左右足裏の前後領域A〜Dにそれぞれ一定時間ごとに温水を順々に噴出するようになっている。
以降、この順番で使用者の連続歩行形態に対応するように各温水噴出ノズルから温水を繰り返し噴出させる。
通常の歩行は、一歩二歩では終わらず、継続的に行われる。従って、温水噴出による擬似的歩行パターンを繰返し与えることで、通常に近い歩行を再現し、歩行訓練を効果的に行うことができる。
このように温水を噴出することによって、成人が歩行中に足裏に受ける実際の荷重を高齢者である入浴者の足裏に擬似荷重として温水の刺激で与えることができ、入浴中であるにも関わらず入浴者の中枢神経やこれに至る神経伝達回路にあたかも成人の頃の歩行パターンをよみがえらせ、実際の歩行パターンを成人の歩行パターンに少しでも近づける訓練を行うことが可能となる。
続いて、以上の本出願人の知見を利用した第6の実施形態の変形例について説明する。この実施形態の変形例に係る浴槽装置6’は、図22に示すように、左足の入浴者の踵、足側方部、親指付け根、親指の各領域をA,B,C,D、右足の入浴者の踵、足側方部、親指付け根、親指の各領域のE,F,G,Hとし、このそれぞれに対応する温水噴出口610として温水噴出ノズル611〜614,615〜618を図23に示すように浴槽内壁の図示しない足裏位置決め部に対応して設けている。なお、図23に示す他の構成要素については上述した実施形態と同様であるので、対応する符号を付して詳細な説明を省略する。また、図24は、実際の歩行時に圧分布が生じる足裏の各領域を図22に対応して示す図である。
この変形例においては、制御部の制御を介して各電磁弁641〜644,645〜648の開閉が順次切り替えられ、ポンプ120によって循環される浴槽内の温水がこれに応じて各温水噴出ノズル611〜614,615〜618の順に噴出し、足裏の受ける刺激が図25に示すようにAからHの各領域の順に変化するようになっている。
より具体的には、本変形例の場合、図25に示すように、左足の踵(図22及び図25中A)、外側部(図22及び図25中のB)、親指の付け根(図22及び図25中のC)、親指(図22及び図25中のD)の順に各温水噴出ノズル611〜614から温水を噴出し、次いで右足の踵(図22及び図25中のE)、外側部(図22及び図25中のF)、親指の付け根(図22及び図25中のG)、親指(図22及び図25中のH)の順に各温水噴出ノズル615〜618から温水を噴出してこの順に足裏に刺激を与えるようになっている。
以降、この順番で使用者の連続歩行形態に対応するように各温水噴出ノズルから温水を繰り返し噴出させる。
通常の歩行は、一歩二歩では終わらず、継続的に行われる。従って、温水噴出による擬似的歩行パターンを繰返し与えることで、通常に近い歩行を再現し、歩行訓練を効果的に行うことができる。
これによって歩行中の足裏側方を利用したいわゆるあおりを伴う成人の実際の歩行パターンにより近似した擬似荷重を入浴中の高齢者の足裏に与えることができ、例えば高齢者の神経伝達回路や中枢神経に成人の歩行パターンを入浴中に刻み込み、実際の歩行中に成人の歩行パターンにより近づけるように訓練することが可能となる。
最後に、以上の実施形態にかかる浴槽装置の基本的構成の変形例について説明する。図26乃至図30は係る変形例を示した図である。図26は、前用温水流路132と後ろ用温水流路133にそれぞれ電磁弁を設ける代わりに、前用ポンプ122と後ろ用ポンプ123を各温水流路132,133に設け、足裏の前後に噴出する温水の流量、流速、周波数の何れかを交互に変化させて足裏の前後が受ける刺激の強さ(歩行時の擬似荷重)を交互に変化させるようにしたものである。
また、図27は、図26の前用ポンプと前用噴出ノズルを一体化した前用ノズル付きポンプ125,126を用いると共に、後ろ用ポンプと後ろ用噴出ノズルを一体化したノズル付き後ろ用ポンプ127,128を用いた浴槽装置を示している。このような構成であっても、入浴者の足裏の前後に交互に異なる強さの刺激、即ち立位状態や歩行中における擬似荷重を与えることができ、バランス感覚の訓練や歩行訓練を入浴中に行うことができるようになる。
また、図28は、入浴者の右足裏の前後に対応する温水噴出ノズル212,214に噴出ノズルカバー282,284を設け、噴出ノズルカバー282,284を回転させて温水噴出位置を変更可能とする構成を示している。同図から明らかなように、温水噴出ノズル212,214が浴槽内部に向かって僅かに膨出したカップ形状を有した噴出ノズルカバー282,284に備わり、噴出ノズルカバー282,284は浴槽内壁に回転自在に嵌合されている。そして、温水噴出ノズル212,214は、噴出ノズルカバー282,284の中心部から半径方向一側に偏倚して備わり、入浴者が例えば温水噴出ノズル212,214からの温水を足裏の指先の先端側及び踵の後端側に近づけて噴出したい場合は、噴出ノズルカバー282,284を回転させて図28(a)に示すように位置決めし、温水噴出ノズル212,214からの温水を足裏指先より内側及び踵の内側に噴出したい場合は、これとは逆に噴出ノズルカバー282,284を180°回転させて図28(b)に示すように位置決めする。
なお、入浴者が男性又は女性によって足の平均的な大きさは異なってくるが、このような噴出ノズルカバー282,284によって温水噴出ノズル212,214の位置を微調整することで、使用者の性別や年齢に伴う足の大きさの違いによらず、常に最適な温水を足裏前後に噴出することが可能となる。
また、このような噴出ノズルカバー282,284の変形例として、図29に示すような噴出ノズルカバー292,294を用いても良い。この噴出ノズルカバー292,294は、浴槽内部に向かって膨出したカップ形状を有し、浴槽内壁に回転自在に嵌合されている。そして、温水噴出ノズル212,214は、噴出ノズルカバー292,294の直径方向であって浴槽の上下方向に延在する長孔292a,294aを有し、温水噴出ノズル212,214がこの長孔292a,294aに沿ってスライド可能に備わっている。
これによって、入浴者の性別や年齢、体格に合わせた足の大きさに合致するように温水噴出ノズル212,214を噴出ノズルカバー292,294の長孔292a,294aに沿って移動させて調整することが可能となる。このような構成によっても温水噴出ノズル212,214からの温水を足裏前後の最適な位置に常に噴出することが可能となり、入浴者の足の大きさによらず本発明の作用を十分に発揮することが可能となる。
なお、以上のような噴出ノズルカバーを備えることで、使用者の足のサイズの違いに対応することが可能になることに加えて、噴出ノズルに足を適当にあてた場合でも、噴出ノズルの位置を調整することにより、足裏の前後に噴流を確実に与えることができるようになる。
図30は、噴出口900について上述の実施形態のように前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルを別々に設けるのではなく、噴出方向を可変とした単一の温水噴出ノズルを備えた噴出口の具体的構成である。この噴出口900は、噴出ノズル901と、噴出ノズル901から噴出する温水の噴出方向を変化させるスロート902と、噴出ノズル901に温水を供給するポンプ903及びモータ904と、噴出ノズル901の温水に空気を混入させて足裏に刺激を与えるエアホース905と、スロート902の先端を浴槽内部に突出させかつ浴槽内の湯水をポンプ内に導入可能とした化粧カバー906を備え、浴槽内壁に形成された取り付け穴に液密に取り付けられている。
噴出口900がこのような構成を有していても、スロート902の向きを足裏位置決め部に位置決めされる足裏の前側又は後ろ側に選択的に向けることで、上述のバランス訓練に関する実施形態と同様な特別の温水噴出パターンで足裏前後に交互に泡沫温水を噴出することができ、入浴者のバランス感覚向上の訓練を入浴と同時に行うことが可能となる。また、左右の足裏の前後に上述の歩行訓練に関する実施形態のような特定の順番で温水の泡沫噴流を当てることでより成人に近い歩行パターンを入浴者の中枢神経及びこれに至る神経伝達回路に刻み込むことができ、実際の歩行中に成人の歩行パターンに少しでも近づけることが可能となる。
以上説明したように本発明による浴槽装置を用いることで、浴槽内で入浴者の足裏の前後への刺激の大きさが交互に変化する噴流によって足裏前後に刺激を与えることができ、入浴中の温熱効果により神経を敏感にすることと相俟ってバランス感覚に関する感覚受容器及び神経系の機能回復を図ることができる。なお、浴槽内では入浴者に浮力が作用するので、各感覚受容器への重力などによる余分な入力を遮断し、足裏から受ける刺激にのみ神経系を集中させることができ、神経回路の促通性を高めることが可能となる。
また、入浴中に浮力が常に作用するので入浴者は立位に近い入浴姿勢をとることができ、足裏からの刺激だけであたかも立位姿勢であるように感受受容器及び神経系に錯覚させるようになり、これによって感覚受容器及び神経系の機能回復を図ることができる。
また、足裏前後に与える刺激の大小関係を左右の足ごとに前後順番に切り替えることで、健常の歩行パターンの圧分布を足裏に擬似的に生じさせることができ、歩行に大切な圧受容器の感度を向上させかつ神経回路の促通性を入浴中に高めると共に、健常の歩行パターンを中枢神経に認識させ、入浴中に歩行のテンポを覚えさせて正しい歩行ができるようにする。
なお、上述した各実施形態は浴槽装置がポンプを介して浴槽内の湯水を噴出口に循環する循環式浴槽装置のタイプとして説明したが、必ずしもこのような循環式浴槽装置のタイプには本発明は限定されず、給湯器からの温水を、電磁弁を介して温水噴出ノズルから上述した特別なパターンで入浴者の足裏前後に噴出し、浴槽内の余った湯水を排水口から適宜排水するようにしても良い。
本発明の第1の実施形態にかかる浴槽装置を入浴者と共に示す概略構成図である。 図1に示した浴槽装置の浴槽の部分を長手方向に沿って切断して示す断面図である。 図1に示した浴槽装置の温水噴出ノズルと入浴者の足裏との位置関係を示す説明図である。 図1に示した浴槽装置の前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルから噴出する温水の流量を装置使用開始からの経過時間に沿って示すタイミングチャートである。 図1に示した浴槽装置の足裏位置決め部の変形例を示す浴槽の一部断面図である。 図5とは別の足裏位置決め部の変形例を示す浴槽の一部断面図である。 図5及び図6とは別の足裏位置決め部の変形例を示す浴槽の一部断面図(図7(a))及びこの足裏位置決め部に入浴者が足を当てた状態を示す浴槽の一部断面図(図7(b))である。 図5乃至図7とは別の足裏位置決め部の変形例を示す浴槽の一部断面図(図8(a))及びこの足裏位置決め部に足を当てた状態を示す浴槽の一部断面図(図8(b))である。 図5乃至図8とは別の足裏位置決め部の変形例を示す浴槽の一部断面図である。 図1に示した浴槽装置の浴槽に下肢載せ部を備えた浴槽装置の変形例を示す概略構成図である。 本発明の第2の実施形態にかかる浴槽装置の温水噴出ノズルと入浴者の足裏との位置関係を示す説明図である。 図11に示した第2の実施形態にかかる浴槽装置の前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルから噴出する温水の流量を装置使用開始からの経過時間に沿って示すタイミングチャートである。 図12に示した第2の実施形態の変形例にかかる浴槽装置の前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルから噴出する温水の流量を装置使用開始からの経過時間に沿って示すタイミングチャートである。 図12に示した第2の実施形態の更なる変形例にかかる浴槽装置の前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルから噴出する温水の流量を装置使用開始からの経過時間に沿って示すタイミングチャートである。 本発明の第3の実施形態にかかる浴槽装置の前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルから噴出する温水の流量を装置使用開始からの経過時間に沿って示すタイミングチャートである。 本発明の第4の実施形態にかかる浴槽装置の前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルから噴出する泡沫温水の周波数を装置使用開始からの経過時間に沿って示すタイミングチャートである。 本発明の第3及び第4の実施形態にかかる浴槽装置の浴槽装置の温水噴出ノズルと入浴者の足裏との位置関係を各温水噴出ノズルの口径と共に示す説明図である。 本発明の第5の実施形態にかかる浴槽装置を入浴者と共に示す概略構成図である。 高齢者と成人の歩行時の前足部が受ける衝撃力と時間との関係及び踵部が受ける衝撃と時間との関係並びに足裏全体が受ける衝撃力と時間との関係について説明する図である。 本発明の第6の実施形態にかかる浴槽装置に関連して高齢者と成人の歩行パターンを足裏の各領域との関係で説明する図である。 装置使用開始から入浴者の左右の足裏前後にあたる温水の噴流を図20に示した領域ごとに示すタイミングチャートである。 第6の実施形態の変形例にかかる浴槽装置に関連して高齢者と成人の歩行パターンを足裏の各領域との関係で説明する図である。 第6の実施形態の変形例にかかる浴槽装置を入浴者と共に示す概略構成である。 図22に対応した図であり、実際の歩行時に圧分布が生じる足裏の各領域を説明する図である。 装置使用開始から入浴者の左右の足裏前側、側方、及び後ろ側にあたる温水の噴流を図22に示した領域ごとに示すタイミングチャートである。 各実施形態にかかる浴槽装置の基本的構成の変形例を入浴者と共に示す概略構成である。 図26とは別の浴槽装置の基本的構成に関する変形例を入浴者と共に示す概略構成である。 各噴出ノズルに噴出ノズルカバーを設け、噴出ノズルカバーを回転させて温水噴出位置を変更した変形例を説明する図であり、前用噴出ノズルと後ろ用噴出ノズルとの間隔を広めた状態を浴槽の一部断面と共に示す斜視図(図28(a))及び前用噴出ノズルと後ろ用噴出ノズルとの間隔を狭めた状態を浴槽の一部断面と共に示す斜視図(図28(b))である。 図28に対応する更なる変形例を示す図であり、前用噴出ノズルと後ろ用噴出ノズルとの間隔の中間状態を浴槽の一部断面と共に示す斜視図(図29(a))及び前用噴出ノズルと後ろ用噴出ノズルとの間隔を狭めた状態を浴槽の一部断面と共に示す斜視図(図29(b))である。 噴出方向を可変とした単一の温水噴出ノズルを有する噴出口の断面図である。 筋力とバランス力の加齢に伴う変化を示す図である。 バランス感覚の要因を説明する図である。 圧受容器刺激による姿勢制御を説明する図である。 人の立位姿勢における重心動揺の説明図であり、立位者の前額面、矢状面、水平面に作用する力を説明する図(図34(a))及び重心動揺範囲を説明する図(図34(b))である。
符号の説明
1〜6,6’ 浴槽装置
110 浴槽
111 下肢載せ用段部
120 ポンプ
122 前用ポンプ
123 後ろ用ポンプ
125,126 前用ノズル付きポンプ
127,128 ノズル付き後ろ用ポンプ
130 循環流路
131 共通温水流路
132 前用温水流路
133 後ろ用温水流路
140 電磁弁
142 前用電磁弁
143 後ろ用電磁弁
150 制御部
210 噴出口
211,212 前用噴出ノズル
213,214 後ろ用噴出ノズル
220 足裏位置決め部
221,222 突起部
230 足裏位置決め部
231,232 凹み部
240 足裏位置決め部
241,242 突起部
250 足裏位置決め部
251,252 突起部
260 足裏位置決め部
261〜264 足裏側方位置決め用突起
270 足裏位置決め部
271,272 凹み部
282,284 噴出ノズルカバー
292,294 噴出ノズルカバー
292a,294a 長孔
510 温水噴出口
520 足裏位置決め部
511,512 前用噴出ノズル
513,514 後ろ用噴出ノズル
610 温水噴出口
611〜618 温水噴出ノズル
641〜648 電磁弁
900 噴出口
901 噴出ノズル
902 スロート
903 ポンプ
904 モータ
905 エアホース
906 化粧カバー

Claims (11)

  1. 入浴者の足裏の前後にそれぞれ対応して噴流を噴出する前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルを有する噴出口を浴槽内壁に備えた浴槽装置からなり、
    前記前用噴出ノズル及び後ろ用噴出ノズルのそれぞれから噴出する噴流から足裏前後が受ける刺激の大小関係を交互に変化するように噴流の噴出状態を切り替えることを特徴とする浴槽装置。
  2. 前記足裏前後に与える噴流からの刺激の大小関係の切り替え時間を変化させるようにしたことを特徴とする、請求項1に記載の浴槽装置。
  3. 噴流が足裏前後に与える刺激の交互の切り替えは、噴流の強さをなす噴流の流速、噴流の流量、噴流の周波数の少なくとも何れか一つを変化させて行われることを特徴とする、請求項2に記載の浴槽装置。
  4. 前記噴出口を入浴者の左右の足に対応するように前記浴槽内壁に左右に2列設け、前記前用噴出ノズルからの足裏前後への噴流の噴出が左右の前用噴出ノズルで同時に行われると共に、前記後ろ用噴出ノズルからの足裏後側への噴流の噴出が左右の後ろ用噴出ノズルで同時に行われるようにしたことを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の浴槽装置。
  5. 前記噴出口を入浴者の左右の足に対応するように前記浴槽内壁に左右に2列設け、前記左右の前用噴出ノズルの何れか一方から足裏前側に噴流が噴出すると同時に前記左右の後ろ用噴出ノズルの何れか他方から足裏後側に噴流を噴出することと、前記左右の前用噴出ノズルの何れか他方から足裏前側に噴流を噴出すると同時に前記左右の後ろ用噴出用ノズルの何れか一方から足裏後側に噴流を噴出することを交互に行うようになったことを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の浴槽装置。
  6. 前記噴出口を入浴者の左右の足に対応するように前記浴槽内壁に左右に2列設け、前記噴出口の左右何れか一方の側の後ろ用噴出ノズルから前用噴出ノズル、これに続いて前記噴出口の左右何れか他方の側の後ろ用噴出ノズルから前用噴出ノズルの順番で前記噴流が足裏前後に与える刺激の大小関係を切り替えるように制御することを特徴とする、請求項1乃至請求項3の何れかに記載の浴槽装置。
  7. 入浴者の左右の足裏の踵部、足裏の外側部、足裏の指先内側部にそれぞれ噴流を噴出する噴出ノズルを浴槽内壁の所定位置に設けた浴槽装置からなり、
    左右何れか一方の足の踵部、足裏の外側部、爪先内側部、これに続いて左右何れかの他方の足の踵部、足裏の外側部、爪先内側部の順番で噴出ノズルから足裏が受ける刺激の大小関係を切り替えることを特徴とする浴槽装置。
  8. 入浴者の足裏の前後に向かって択一的に噴流を噴出可能な噴流噴出方向可変の噴出ノズルを有する噴出口を浴槽内壁に備えた浴槽装置からなり、
    足裏前後が受ける噴流からの刺激の大小関係が足裏前後で交互に変化するように前記噴出ノズルから噴出する噴流の向きを交互に切り替えることを特徴とする浴槽装置。
  9. 入浴者の足裏を、浴槽内壁の所定位置に位置決めする足裏位置決め手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8に記載の浴槽装置。
  10. 前記足裏位置決め部は、入浴者の踵が浴槽の底壁に接しないように浴槽底壁よりも上方にあることを特徴とする、請求項9に記載の浴槽装置。
  11. 前記前用噴出ノズル若しくは後用噴出ノズルの位置を調整する位置調整手段を備えたことを特徴とする、請求項1乃至請求項10の何れかに記載の浴槽装置。
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