JP2009291466A - 浴槽装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入浴者に継続的に運動させることができる浴槽装置を提供する。
【解決手段】浴槽2と、前記浴槽に設けられ背もたれ可能な第一の浴槽壁面2aと、前記第一の浴槽壁面に対向して設けられた第二の浴槽壁面2bと、前記第二の浴槽壁面に設けられ、足に噴流を吐水する吐水部3と、前記吐水部から吐水する噴流を制御する制御部5と、を備え、前記制御部5は、噴流が吐水していない状態から噴流が吐水している状態に変化させることで足を屈曲させることを可能とし、その噴流の吐水の水量を変化させることにより足の屈伸運動を促進する制御部であることを特徴とする浴槽装置1が提供される。
【選択図】図1
【解決手段】浴槽2と、前記浴槽に設けられ背もたれ可能な第一の浴槽壁面2aと、前記第一の浴槽壁面に対向して設けられた第二の浴槽壁面2bと、前記第二の浴槽壁面に設けられ、足に噴流を吐水する吐水部3と、前記吐水部から吐水する噴流を制御する制御部5と、を備え、前記制御部5は、噴流が吐水していない状態から噴流が吐水している状態に変化させることで足を屈曲させることを可能とし、その噴流の吐水の水量を変化させることにより足の屈伸運動を促進する制御部であることを特徴とする浴槽装置1が提供される。
【選択図】図1
Description
本発明は、浴槽装置に関し、特に、入浴者に運動させる浴槽装置に関する。
近年、健康やリラクゼーションへの関心が高まり求められている。そして、一般家庭浴槽において、水流浴機能を備える商品が広く展開されている。水流浴商品の主目的は、水流による入浴者へのマッサージ、疲労回復、そして、癒しとなっている。
例えば、特許文献1には、一方向に流れる直接的かつ連続的にあたる一様流を生成し、完全に脱力できる状態の入浴者へ一様流をあて、体表面を刺激する技術が開示されている。
さらに特許文献2には、一様流ではなく流水循環ポンプの回転数を変速可能にして、流水の吐出量及び吐出圧を制御することが記載されている。
さらに特許文献2には、一様流ではなく流水循環ポンプの回転数を変速可能にして、流水の吐出量及び吐出圧を制御することが記載されている。
また、部分的なマッサージとして、特許文献3に、浴槽内部に足置き部が設けられ、この足置き部に噴流を噴出する吐出口が設けられた循環式浴槽が開示されている。
一方、浴槽内での運動を行う提案もある。特許文献4には、浴槽内に踏み込み可能な踏み台を設ける技術が開示されている。踏み台にはバネによって踏み込み負荷が与えられており、入浴者は座位姿勢のまま片足で踏み台を踏み込むことにより、運動することができる。
特開平2−1272号公報
特開平3−16568号公報
特開2005−287541号公報
特開2003−236014号公報
上述したように、一般家庭浴槽での水流浴では水流による入浴者へのマッサージが主流となっており、筋力強化を目的としているものが少ない。また、浴槽内に踏み込み可能な踏み台を設ける技術は普段から運動習慣の無い人が運動を行うには、自ら運動しようという相当な意志の力を要する。特に、入浴時はリラックスした精神状態になっているため、意志の力を発揮することは困難である。このため、浴槽内に運動器具を設置しても、運動が長続きしないことが予想される。また、運動器具の取付・取り外しが面倒という問題もある。
本発明の目的は、入浴者に継続的に運動させることができる浴槽装置を提供することで
ある。
本発明の目的は、入浴者に継続的に運動させることができる浴槽装置を提供することで
ある。
本発明の一様態によれば、浴槽と、前記浴槽に設けられ背もたれ可能な第一の浴槽壁面と、前記第一の浴槽壁面に対向して設けられた第二の浴槽壁面と、前記第二の浴槽壁面に設けられ、足に噴流を吐水する吐水部と、前記吐水部から吐水する噴流を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、噴流が吐水していない状態から噴流が吐水している状態に変化させることで足を屈曲させることを可能とし、その噴流の吐水の水量を変化させることにより足の屈伸運動を促進する制御部であることを特徴とする浴槽装置が提供される。
本発明によれば、入浴者に継続的に運動させることができる浴槽装置を実現することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図である。
図1は、本実施形態に係る浴槽装置を例示する模式的断面図である。
浴槽装置1には、浴槽2が設けられている。浴槽2の形状は例えば略直方体形状となる。そして、長手方向の一端部の内側面は、入浴者Mが入浴姿勢を保持し、入浴者の背面m1で背もたれ可能な第一の浴槽壁面2aとなっている。また、浴槽長手方向において、第一の浴槽壁面2aと対向して第二の浴槽壁面2bが設けられており、入浴者Mの足裏m2が接触する壁面となっている。第一の浴槽壁面2aと第二の浴槽壁面2bとは、底面2cと接している。
浴槽2の長手方向の長さ、すなわち、浴槽2における第二の浴槽壁面2bと第一の浴槽壁面2aとの間の長さは、標準的な体格の入浴者Mが入浴姿勢をとったとき、背中m1を浴槽2の第一の浴槽壁面2aに充てて、足裏m2を第二の浴槽壁面2bに対向させたときに、足裏m2で吐水部3を覆うことができる程度の長さである。また、臀部においては、浴槽2の底面2cに接触させるようにする。
浴槽2の第二の浴槽壁面2bには、左脚用の吐水部3L及び右脚用の吐水部3R(以下総称して「吐水部3」とも言う)が設けられている。この吐水部3は、入浴者Mの足裏を中心とした両脚部へ噴流を交互に吐水することを可能にする駆動部4と接続されている。この噴流の方向は、第二の浴槽壁面2bから第一の浴槽壁面2aに向かう方向である。これらの一対の吐水部3は、水平方向に配列されており、例えば、第二の浴槽壁面において上下方向に延びる中心線に関して対象となる位置に配置されている。
尚、図1においては、図示の便宜上、吐水部3L及び3Rはを相互にずらして描いているが、実際には左脚用の吐水部3L及び右脚用の吐水部3Rは同じ高さに配置されている。後述するほかの断面図におていも同様である。
また、浴槽装置1には、水流を生成する駆動部4が設けられている。駆動部4は、吐水部3にそれぞれ接続されたポンプによって構成される装置である。駆動部4の吸入口4sは浴槽2の内部に連通されている。これにより、駆動部4は浴槽2内から水を汲み上げ、水流を生成する。
更に、浴槽装置1に備わる駆動部4は、吐水部3より“噴流を吐水しない状態”から“噴流を吐水する状態”に水流の水量を調節する。その際、駆動部4による水流の水量調節は、駆動部4に接続される制御部5からの制御によって行われる。
次に、本実施形態の動作について図1から図4を用いて説明する。
図1に示すように、浴槽2内に水(湯)Wを入れた状態で、入浴者Mが浴槽2内に入り、入浴姿勢をとる。すなわち、入浴者Mは、臀部を浴槽2の底面2cに接触させ、背中m1を浴槽2の第一の浴槽壁面2aに当接させ、足裏m2を第二の浴槽壁面2bに対向させる。そして、入浴者Mは、両足裏m2で吐水部3L及び3Rを覆うように、足裏m2を配置し、吐水部3から吐水される水流を足裏m2で捉える初期姿勢をとる。
このとき、入浴者Mはリラックスした状態にあるが、浮力の働きによって身体が湯水内に水没しないよう、脚部(足裏)、臀部、体幹部(背中)で浮力に抗じるため、各支持点周りの筋群は微小な筋の活動を行うこととなる。しかしながら、これら筋群の活動は微小であり、無意識に行われているため入浴者は、上述した入浴の姿勢を普段入浴する時と同様に楽に保持することが可能となる。さらに、入浴者Mは、入浴者自身に加わる浮力の働きが入浴姿勢のバランスを乱し、それに対して、入浴者は、無意識に全身の筋肉を働かせて姿勢を安定させようとする補償動作を行う際に筋が活動する。
図2は、本実施形態に係る浴槽装置1の動作を例示する模式的平面図であり、左脚用の吐水部3L及び右脚用の吐水部3Rから水流を交互に吐水させる場合を示す。
まず、駆動部4及び制御部5を作動させる。これにより、駆動部4が浴槽2内の水を吸入口4sから汲み上げて水流を生成する。そして、駆動部4が生成する噴流の水量は、制御部5からの指令を受けて駆動部4によって調節される。制御部5は、吐水部3から“足を屈曲させない第一の噴流状態”から“足を屈曲させる第二の噴流状態”へと制御し駆動部4からの水量を調節していることを示す。
まず、駆動部4及び制御部5を作動させる。これにより、駆動部4が浴槽2内の水を吸入口4sから汲み上げて水流を生成する。そして、駆動部4が生成する噴流の水量は、制御部5からの指令を受けて駆動部4によって調節される。制御部5は、吐水部3から“足を屈曲させない第一の噴流状態”から“足を屈曲させる第二の噴流状態”へと制御し駆動部4からの水量を調節していることを示す。
そして、制御部5は、吐水部3L及び3Rより左右の足に噴流を吐水するように駆動部4を制御する。左右交互の吐水は、t1においては、吐水部3Lより第二の噴流状態の吐水となる。次に、t2において、吐水部3Lは第一の噴流状態の吐水となり、t3においてt1同様に第二の噴流状態にする。一方、吐水部3Rにおいては、t1においては、第一の噴流状態、t2、t4においては、第二の噴流状態となる。
そして、t1において吐水部3Lが足を屈曲させる第二の噴流状態になったとき、入浴者Mの左脚の足関節、膝関節及び股関節は屈曲し、左足部が、第二の浴槽壁面2bから離れ第一の浴槽壁面2aに向かって移動する。
図3の(a)から(c)は、横軸に時間をとって本実施形態に係る浴槽装置1からの吐水量を例示するグラフ図であり、(a)の縦軸は一方の吐水部からの吐水量を表し、(b)の縦軸は他方の吐水部の吐水量を表し、(c)の縦軸は両吐水部から吐水される合計吐水量の理論値を表す。図3に示すように、ある時刻t1においては、吐水部3Lは、足を屈曲させる第二の噴流状態を示し、吐水部3Rは足を屈曲しない第一の噴流状態を示す。t2時刻においては、吐水部3Lからの水流は、第一の噴流状態となり、吐水部3Rは第二の噴流状態となる。
例えば、噴流の吐水時間t1〜t4は、2秒程度にする。ただし、バランス能力をトレーニングする場合、t1〜t4をゆっくりとした3〜6秒程度にすると良い。ゆっくりとした周期の吐水は、インナーマッスルなどを鍛えることが可能となる。また、よりウォーキング動作に近づける場合は、t1〜t4を1〜2秒程度にするとよい。
また、図3に示すt2の際、吐水部3Lは噴流の水量が低下し、一方、吐水部3Rは噴流の水量が増えている。水量の変動を以下に駆動部4に含まれるポンプを例として説明する。吐水部3Lに接続されるポンプの回転数が低下すると共に吐水の水量が減少し、一方吐水部3Rに接続されるポンプの回転数が上昇すると共に水量が増して行く。これによって、吐水部3L及び3Rより、交互の吐水を行うことが出来る。
第二の噴流状態から第一の噴流状態へと移るとき、左足裏を押圧する力は、水量の低下と共に弱くなるため、脚部の足関節、膝関節及び股関節が自然に伸び、左足部は第二の浴槽壁面2bに向かって移動する。そして、入浴者Mは、図4に図示された脚部の伸展の状態になる。水量の低下と共に脚部が伸展する際、弱まる水流は、呼び水の如く入浴者の足部を吐水部3Rの位置近傍へ誘導する。もしくは入浴者が慣れない場合、吐水部3を覆うように足の位置を微調節することにより、足部を吐水部3の近傍に戻す。
その後、図2で示す、時刻t4において、制御部5の指令を受けた駆動部4が、右足用の吐水部3Rより噴流を吐水することで、入浴者の脚部が屈曲し、足部が、第二の浴槽壁面から離れ第一の浴槽壁面2aに向かって移動する。以上、上述の吐水状態を左右の吐水部3L及び3Rにおいて繰り返すことにより、入浴者は、吐水部3L及び3Rから交互に吐水される噴流によって、左右脚部を交互に屈伸運動を行う。
図4は、上述してきた吐水状態によって、入浴者Mがとりうる動作・状態を示す。(a)図示するように、入浴者Mの脚部は、足を屈曲させない第一の噴流状態では、脚部が伸びたままの状態となる。そして、(b)図のように吐水部3が足を屈曲させる第二の噴流状態になったとき、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節は屈曲し、足部が、第二の浴槽壁面2bから離れ第一の浴槽壁面2aに向かって移動する。
さらに、屈曲する状態を作る第二の噴流状態では、噴流が足部を包むように流れ場を生成する。そのため、噴流の中心から足部が外れない効果を有することとなる。これと同じ現象は、噴水の上にピンポン玉を載せた時にピンポン玉が噴流の中心で留まる現象である。これによって効率よく噴流によって入浴者は脚部の屈伸運動ができる。
従って、吐水部3L及び3Rが交互に水流を吐水することにより、入浴者の左右足部が浴槽2の長手方向に沿って交互に往復し、結果、入浴者の左右の脚部を交互に屈曲運動させることが可能となる。すなわち、本発明の装置は、入浴者に歩行を模した水中ウォーキングの運動を行わせることとなる。
また、図3の(c)及び(d)に示されたとおり、吐水部3L及び3Rから吐水される噴流は、駆動部4L及び4Rの働きによって吐水部3L及び3Rから吐水される水量が調節される。駆動部4L及び4Rは、生成する水量を0リットル/分に落とさない。即ち駆動部4を完全停止させないことにより、水量調節が素早く行うことが出来る。それによって、駆動部4に加わる負荷を軽減することが出来る。
図5の(a)と(b)より、具体的に、他動的な屈伸運動によって起こる筋の活動を説明する。図5の(a)は、水流によってもたらされる他動運動によって活動する筋群を例示した図であり、(b)で示されている筋群の位置を示す。(b)は、縦軸に筋の活動量を示し、横軸に時間をとり、吐水状態に応じて脚部の異なる筋が活動していることを示す。第二の噴流状態となるS1時間において脚部が屈曲する。それにより前脛骨筋M5が活動し始める。足部が第二の浴槽壁面より離れ、第一の浴槽壁面へ移動している状態で筋の活動が起こっている事を意味する。
そして、次にS2時間で屈曲しない第一の噴流状態へ水量が調節される。それによって、S3時間において入浴者の足部が第二の浴槽壁面2bへ移動し、吐水部3と第二の浴槽壁面2bに近接する。入浴者の足部が第二の浴槽壁面2bに接すると、ハムストリングス(大腿二頭筋他)が活動することを図5の(b)より示している。このように、噴流に伴って起こる脚部の屈伸運動は、異なる筋群を働かせることで運動効果を高める。
図5に図示されていた前脛骨筋M4は、ヒトの身体セグメントにおける下腿部に備わった筋である。前脛骨筋M5の働きは、歩行時、地面と足部とのクリアランスをとるために働く筋肉として知られている。よって、前脛骨筋M5を活動させる運動とは、転倒予防に貢献する運動を意味する。
同じく、図5に図示されたハムストリングスM5は、ヒトの身体セグメントにおける大腿部に備わった筋群である。ハムストリングスは、大腿二頭筋M5、半膜様筋、半腱様筋、そして大内転筋によってなる筋群である。大腿二頭筋M5の働きは、主として歩行時における蹴りだす力、推進力を生成する筋として知られている。よって、ハムストリングスを刺激する運動とは、歩行速度の維持と歩行機能の向上に貢献できる運動を意味する。
吐水部3からの脚部が屈曲する第二の噴流状態を作る水量は、入浴者Mが背中m1を第一の浴槽壁面2bに当接させ、足裏m2を吐水部3に対向させたときに、入浴者Mの足関節、膝関節及び股関節を同時に屈曲させることが可能な量であり、例えば、80から300リットル/分である。尚、300リットル/分を超えると、浴槽2から水が溢れ出すことがある。
そして、吐水部3からの脚部が屈曲しない第一の噴流状態を作る水量は、第二の噴流状態によって屈曲させられている脚部を、第一の噴流状態にすることで入浴者の脚部が足関節、膝関節及び股関節を同時に伸展することが可能な量であり、例えば水流の大きさが50から80リットル/分である。
吐水される水量が110リットル/分を超えると吐水される噴流の押圧によって脚部移動距離が140mm以上になり、この条件を境に使用者が、水流による屈伸運動で運動感を感じることが確認されている。尚、モニター人数35名において、110リットル/分を超えると吐水で足部が140mm以上移動し、運動感を感じることを確認している。
さらに屈伸運動において効果的で高い運動効果を得るには、140リットル/分程度の水流で運動を行うことが良く。さら好ましくは、180リットル/分程度の水流による運動が効果的である。なお、この水流の大きさは、一般家庭用浴槽を対象とした循環式浴槽において、マッサージ用に噴出される水流の大きさよりもかなり大きい。
尚、第一の噴流状態から第二の噴流状態へと移る水量の変化は、第一の噴流状態50リットル/分から第二の噴流状態110リットル/分へ移行し、その差60リットル/分となることが良い。好ましくは、第一の噴流状態50リットル/分から第二の噴流状態140リットル/分へ移行し、その差90リットル/分となることが良い。さらに好ましくは、第一の噴流状態50リットル/分から第二の噴流状態180リットル/分へ移行し、その差130リットル/分となることが良い。
第一の噴流状態から第二の噴流状態へと移る水量の変化は、変化幅が大きい程、屈伸運動の可動範囲が大きくなる。即ち、足、膝、腰関節において広い可動範囲の運動は、脚部に備わる筋群を効果的に刺激するとともに、全ての関節の柔軟性を向上させることが実験より確認されている。
上述した通り、第一の噴流状態から第二の噴流状態に可変させ水量を増やすことで足裏を押圧する力を増加させるとともに屈伸運動の可動範囲を広くする。この噴流の増加に伴って、足裏に備わる感覚器と脚部に備わる腱器官をより効果的に刺激する事で歩行に働く機能を効果的促進させることが可能となる。
また、吐水される湯温を、36〜41℃帯域で使用するのが好ましい。例えば、温度が体温に近く、温熱の負荷が低い場合の36〜38℃では、吐水の水量を多くし屈伸運動の回動量を増やす、もしくは、吐水の周期を早くすることで屈伸運動の回数を増やすことにより運動強度を高め、効果的な運動を入浴者へ提供することが可能となる。
一方、比較的短い時間で十分な運動を求める場合は、湯温度を高めに設定し(例えば39〜41℃)、温熱と運動の効果の相乗効果によって、湯の温度を低く設定した時に比べ、短い時間でエネルギー消費を起こし、効果的な運動を短い時間で行うことができる。
温熱の効果と運動効果について、図6において説明する。
図6は、縦軸に脂肪の燃焼効率を示す呼吸商を示し、横軸に経過の時間を図示し、速歩と水流による他動運動を行った際の呼吸商を比較した値を示している。
条件は、陸上での時速4.3キロ程のウォーキングと湯温39度で吐水量が180リットル/分程度の水流を選択した本発明による水中ウォーキングの場合を呼吸商より比較した。結果、高い脂肪燃焼効果が得られる領域に本発明による装置を用いた水中ウォーキングが、陸上のウォーキングより速い時間帯で突入したことを示している。上記結果は、本装置が温熱と運動の相乗効果によって高い運動効果を生成することを示すものである。
図6は、縦軸に脂肪の燃焼効率を示す呼吸商を示し、横軸に経過の時間を図示し、速歩と水流による他動運動を行った際の呼吸商を比較した値を示している。
条件は、陸上での時速4.3キロ程のウォーキングと湯温39度で吐水量が180リットル/分程度の水流を選択した本発明による水中ウォーキングの場合を呼吸商より比較した。結果、高い脂肪燃焼効果が得られる領域に本発明による装置を用いた水中ウォーキングが、陸上のウォーキングより速い時間帯で突入したことを示している。上記結果は、本装置が温熱と運動の相乗効果によって高い運動効果を生成することを示すものである。
本実施形態の効果について説明する。
このように、本実施形態によれば、入浴者Mに運動をさせることができる。この運動は外部から与えられる他力的な他動運動となる。一般的な浴槽内で入浴姿勢をとると、実は、使用者の取り得る入浴姿勢は、浮力に抗じるように姿勢を保持するために無意識のうちに微小な筋の活動を起こす。この微小な筋活動を誘発した状態で、入浴者は、第一の噴流状態、第二の噴流状態、第一の噴流状態、第二の噴流状態と水量の変化した噴流を吐水部3L及び3Rより交互に受ける。その結果、入浴者Mが噴流によって他動的に水中ウォーキング運動を行う。そして、脚部筋群や脚部を支える体幹部に備わる筋を活動させることができる。
このように、本実施形態によれば、入浴者Mに運動をさせることができる。この運動は外部から与えられる他力的な他動運動となる。一般的な浴槽内で入浴姿勢をとると、実は、使用者の取り得る入浴姿勢は、浮力に抗じるように姿勢を保持するために無意識のうちに微小な筋の活動を起こす。この微小な筋活動を誘発した状態で、入浴者は、第一の噴流状態、第二の噴流状態、第一の噴流状態、第二の噴流状態と水量の変化した噴流を吐水部3L及び3Rより交互に受ける。その結果、入浴者Mが噴流によって他動的に水中ウォーキング運動を行う。そして、脚部筋群や脚部を支える体幹部に備わる筋を活動させることができる。
さらに、入浴者Mは、吐水部3より吐水される噴流と、入浴者自身に加わる浮力の働きが入浴姿勢のバランスを乱し、それに対して、入浴者は、無意識に全身の筋肉を働かせて姿勢を安定させようとする補償動作を行う。これによっても全身の運動をすることができる。このため、入浴者の意志力に依存する部分が少なく、長続きしやすい運動を本装置によって提供することが可能となる。また、この運動は入浴姿勢のまま行うことができるため、通常の入浴から運動へと移行がし易く、生活習慣の中で無理なく行える運動となる。この結果、運動を継続しやすい。
上述の運動を35名が体験した。その結果、入浴中の水中ウォーキングが入浴姿勢から、水流によって無理なく行われること。そして継続して水中ウォーキングを行うと運動感、筋の使用感を感じる。また風呂から出たあと、足が温かい。ジョギングより運動感を感じる、といった運動の効果を体験者が体感していることを確認している。さらに、5分を経たずに、発汗作用が促進されることなども体感しており、ダイエット効果にも適しておりメタボリック対策になるなどの所見も得た。
更に本実施形態によれば、左脚用の吐水部3Lと右脚用の吐水部3Rから左右交互に入浴者の足裏へ噴流を吐水するため、入浴者は、脚部の屈伸運動に加え骨盤を中心とした旋回運動を起こすこととなる。その結果、脚部周りの筋群への運動効果に加えて、腹直筋、腹斜筋そして背筋群などへの運動効果が得られることを確認している。このように、上述の運動を浴槽内で行うことにより、脚部のみならず身体の広い範囲に対しての運動となり、効果的な運動を入浴者が得られることができる。
更に本実施形態によれば、入浴者は、両足の吐水部3L及び3Rから吐水される水量に応じて屈伸運動より得る運動感が異なる。図7に示す実線Lは、吐水部3からの吐水が第一の噴流状態から第二の噴流状態に移行することで入浴者の脚部が、屈曲する。この水量の変化によって、入浴者の足部が、第二の浴槽壁面2bより離れて移動する距離と吐水の流量との関係を表している。
実線Lに示すように、足部の移動距離と第二の噴流状態における吐水の水量には相関関係がある。そして、第二の噴流状態における吐水量が多くなると脚部移動量が増える。第二の噴流状態において、足部の移動距離が第二の浴槽壁面より離れ脚部の屈曲が起こるのが80リットル/分程度からとなる。また、より効果的な運動を入浴者が行うには、吐水量を110リットル/分とするとよい。
本実施例では、足部の移動距離は140mm程度となっていた。さらにより効果的な運動を得ようとすると、入浴者は第二の噴流状態の吐水量を、180リットル/分に選択すると良い。さらに高い効果的な運動を得ようとすると、200リットル/分となるように水量を調節してもよい。その際の脚部の移動距離は250mm―300mm程度となっていることが実験より分かっている。
本具体例においては、浴槽2内に水(湯)Wを溜めた状態で、入浴者Mが浴槽2内に入り、入浴姿勢をとる。そして、制御部4の操作ボタンを操作することにより、浴槽装置11を使用した運動の実行時間及び屈伸運動の周期を任意に設定する。尚、制御部4の中に予め複数の種類の運動モードが設定されており、入浴者が好みの運動モードを選択するようにしてもよい。
例えば、入浴者が、運動負荷の高いモードを選択すると、タイマーが比較的短い周期で第一の噴流状態、第二の噴流状態へと水量を切替える制御を、制御部5から駆動部4に対して出力する。又は、運動時間及び運動周期はタイマーが自動的に設定してもよい。例えば、湯の設定温度が39℃であるとき、タイマーは、1セットの運動時間を10分間に設定する。
このように、本具体例によれば、運動の負荷を入浴者の好みに応じて任意に設定することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
このように、本具体例によれば、運動の負荷を入浴者の好みに応じて任意に設定することができる。本具体例における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第1の実施形態と同様である。
次に、第1の実施形態の変形例について説明する。
図8は、第1の実施形態に係る浴槽装置の変形例を例示する模式的断面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る浴槽装置11においては、前述の第1の実施形態に係る浴槽装置1(図1参照)に対して、第一の浴槽壁面2aと第二の浴槽壁面2b、そして、底面2cに接する浴槽側壁面2dに、浴槽手すり7が備わっていることが異なる。
図8は、第1の実施形態に係る浴槽装置の変形例を例示する模式的断面図である。
図8に示すように、本実施形態に係る浴槽装置11においては、前述の第1の実施形態に係る浴槽装置1(図1参照)に対して、第一の浴槽壁面2aと第二の浴槽壁面2b、そして、底面2cに接する浴槽側壁面2dに、浴槽手すり7が備わっていることが異なる。
この第1の実施形態の変形例において、入浴者Mは、手すり7を握ることで第一の浴壁面2aに背中m1を接することのない入浴姿勢を保持する。この入浴姿勢において、入浴者Mは、吐水部3より吐水される噴流を受けて水中ウォーキングを行う。この際、噴流が足裏を押圧する力は、下肢を伝わり、上肢に伝達される。すなわち、手すり7を力点として前腕部、上腕部において力に抗じようと腕周りの筋群も活動することとなる。もちろん、下肢と上肢の間に位置する腹回りの筋群も活動する。よって、全身運動を可能にする。
さらに、入浴者Mは、手すり7を使うことで、背中m1を第一の浴槽壁面2aにもたれることが出来ない場合においても、浴槽2のサイズと関係なく吐水部3L及び3Rより吐水される噴流によって水中ウォーキングを行うことが可能となる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図9は、本実施形態に係る浴槽装置21の動作を例示する模式的平面図であり、左側の吐水部3Lと右側の吐水部3Rから同位相で第一の噴流状態と第二噴流状態を交互に噴出させる場合を示す。
図9に示すように、本実施形態に係る浴槽装置21においては、前述の第1の実施形態に係る浴槽装置1(図1参照)と比較して、吐水部3が左右足へ同位相で第一の噴流状態と第二の噴流状態を交互に吐水できるように、制御部5が駆動部4へ制御し、左右の吐水部3L及び3Rに同時吐水を行う。
図9は、本実施形態に係る浴槽装置21の動作を例示する模式的平面図であり、左側の吐水部3Lと右側の吐水部3Rから同位相で第一の噴流状態と第二噴流状態を交互に噴出させる場合を示す。
図9に示すように、本実施形態に係る浴槽装置21においては、前述の第1の実施形態に係る浴槽装置1(図1参照)と比較して、吐水部3が左右足へ同位相で第一の噴流状態と第二の噴流状態を交互に吐水できるように、制御部5が駆動部4へ制御し、左右の吐水部3L及び3Rに同時吐水を行う。
この結果、入浴者Mは、両足において、第二の噴流状態時に足・膝・股関節を屈曲することとなる。さらには、第一の噴流状態で、足・膝・股関節を屈曲しない状態、すなわち伸展することとなる。この両脚における屈伸運動は、入浴者に運動を飽きさせることなく快適な運動を継続させることが可能となる。本実施形態における上記以外の構成、動作及び効果は、前述の第一の実施形態と同様である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図10は、本実施形態に係る浴槽装置31の動作を例示する模式的平面図であり、吐水部3L及び3Rのどちらか一方より第一の噴流状態から第二噴流状態に噴出させる水量を変化させる場合を示す。
図10は、本実施形態に係る浴槽装置31の動作を例示する模式的平面図であり、吐水部3L及び3Rのどちらか一方より第一の噴流状態から第二噴流状態に噴出させる水量を変化させる場合を示す。
任意の脚部における屈伸運動は、脳疾患などによる半身のみのリハビリ療法として効果的に損傷部位側を噴流を用いた屈伸運動によって行うことが可能となる。
また、入浴者に運動を飽きさせるだけではなく、運動を継続させることが可能となる。。
また、入浴者に運動を飽きさせるだけではなく、運動を継続させることが可能となる。。
1 11 21 31 浴槽装置、2 浴槽、2a 第一の浴槽壁面、2b 第二の浴槽壁面、2c底面、3、3L、3R 吐水部、4 駆動部、4s 吸入口、5 制御部、60 浴室ユニット、61 防水パン、62 壁パネル、7 手すり、M 入浴者、m1 背中、m2 足、W 水
Claims (5)
- 浴槽と、
前記浴槽に設けられ背もたれ可能な第一の浴槽壁面と、
前記第一の浴槽壁面に対向して設けられた第二の浴槽壁面と、
前記第二の浴槽壁面に設けられ、足に噴流を吐水する吐水部と、
前記吐水部から吐水する噴流を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、足を屈曲させない第一の噴流状態から足を屈曲させる第二の噴流状態へと、
噴流の吐水の水量を変化させることにより足の屈伸運動を促進する制御部であることを特徴とする浴槽装置 - 前記吐水部が一対の吐水部であることを特徴とする請求項1に記載の浴槽装置
- 前記一対の吐水部が水平方向に配列された一対の吐水部であることを特徴とする請求項1また2に記載の浴槽装置
- 前記制御部が前記一対の吐水部からの噴流を、交互に吐水していない状態から噴流が吐水している状態へ変化させる制御部であることを特徴とする請求項1また2に記載の浴槽装置
- 前記一対の吐水部に、それぞれ独立したポンプを有することを特徴とする
請求項1から4のいずれかに記載の浴槽装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008149042A JP2009291466A (ja) | 2008-06-06 | 2008-06-06 | 浴槽装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008149042A JP2009291466A (ja) | 2008-06-06 | 2008-06-06 | 浴槽装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009291466A true JP2009291466A (ja) | 2009-12-17 |
Family
ID=41540207
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008149042A Pending JP2009291466A (ja) | 2008-06-06 | 2008-06-06 | 浴槽装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009291466A (ja) |
-
2008
- 2008-06-06 JP JP2008149042A patent/JP2009291466A/ja active Pending
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