JP2007266517A - 電力用変圧器 - Google Patents
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Abstract
【課題】変圧器のタンク底面とベースと設置面とによって構成される空間において発生する騒音を簡易に低減すること。
【解決手段】床面等の設置面上に形鋼等からなるベースを介して設置される電力用変圧器において、前記電力用変圧器の下部には、該電力用変圧器のタンク底板とベースと設置面とによって複数の空間が形成されており、前記複数の空間のうち、その長手方向及び/または幅方向が、一方端がベースにより閉鎖され他方端が開口した状態の一端開空間となっている空間においては、前記一端開空間の長さ寸法が、該一端開空間において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法であるときに、前記一端開空間における一方端を閉鎖するベースに、該ベースの強度に悪影響を及ぼさない大きさで孔部を設けるようにした。
【選択図】図3
【解決手段】床面等の設置面上に形鋼等からなるベースを介して設置される電力用変圧器において、前記電力用変圧器の下部には、該電力用変圧器のタンク底板とベースと設置面とによって複数の空間が形成されており、前記複数の空間のうち、その長手方向及び/または幅方向が、一方端がベースにより閉鎖され他方端が開口した状態の一端開空間となっている空間においては、前記一端開空間の長さ寸法が、該一端開空間において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法であるときに、前記一端開空間における一方端を閉鎖するベースに、該ベースの強度に悪影響を及ぼさない大きさで孔部を設けるようにした。
【選択図】図3
Description
本発明は、送受配電用設備に使用する電力用変圧器に係り、その目的は、電力用変圧器の運転中に発生する騒音を良好に低減することにある。
従来、変圧器において発生する騒音の主体は、鉄心を構成するけい素鋼板の磁歪に起因する無負荷時の励磁騒音であり、前記励磁騒音の周波数の主成分は、電源の周波数が50Hzの場合100Hzの整数倍(100Hz、200Hz、300Hz、…)、電源の周波数が60Hzの場合120Hzの整数倍(120Hz、240Hz、360Hz、…)であることはよく知られている。
一方、励磁騒音の他に、変圧器に負荷を接続することにより発生する騒音がある。この騒音は通電騒音と呼ばれ、従来はほとんど問題にならなかったが、励磁騒音の低減にともなって前記通電騒音を無視できない場合も出てきた。変圧器に負荷を接続することにより巻線に電磁力(F=I×B)が発生する。この電磁力は、巻線の半径方向と軸方向に発生し、巻線を半径方向と軸方向に振動させるとともに、漏れ磁束の通路にある変圧器タンクや磁気シールド等にも、この電磁力に起因する振動が発生する。前記通電騒音は、前述のように巻線や変圧器タンク等の振動により発生するものである。そして、通電騒音の周波数は、電源の周波数が50Hzの場合は100Hz、電源の周波数が60Hzの場合では120Hzが主となる。
つづいて、変圧器を床面等の設置面上に、例えば、H形鋼等の形鋼からなるベースを介して設置した状態で使用する場合、前記変圧器において発生する通電騒音が、前記変圧器のタンク底面とベースと設置面とによって形成される空間において共鳴し、これにより前記空間の開口部から発生する通電騒音が増大することがある。前記通電騒音の増大を防ぐために、従来においては、変圧器のタンク底面とベースと設置面とによって形成される空間の開口部を、板材等を用いて閉鎖するとともに、前記閉鎖された空間内に発泡材を充填するようにしていた(例えば、特許文献1参照)。
然るに、特許文献1記載の技術においては、空間の開口部を板材等を用いて閉鎖したり、前記開口部を閉鎖した空間内に発泡材を充填したり、更には、前記板材等と設置面との間の隙間に音漏れを防ぐためのコーキングを施したりする等といった作業が必要となるため、非常に手間と時間が掛かり面倒であるばかりでなく、前記空間内に充填する発泡材が多量に必要となるため、製造コストが増大する等という問題があった。
本発明は、前記種々の問題点に鑑み、変圧器のタンク底面とベースと設置面とによって構成される空間において発生する騒音を簡易に低減することが可能で、かつ、製造コストの増大を良好に防ぐことが可能な電力用変圧器を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、床面等の設置面上に形鋼等からなるベースを介して設置される電力用変圧器において、前記電力用変圧器の下部には、該電力用変圧器のタンク底板とベースと設置面とによって複数の空間が形成されており、前記複数の空間のうち、その長手方向及び/または幅方向が、一方端がベースにより閉鎖され他方端が開口した状態の一端開空間となっている空間においては、前記一端開空間の長さ寸法が、該一端開空間において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法であるときに、前記一端開空間における一方端を閉鎖するベースに孔部を設けるようにしたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の電力用変圧器において、前記孔部は、ベースの所定位置に、該ベースの強度に悪影響を及ぼさない大きさで設けるようにしたことを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、長手方向及び/または幅方向が一端開空間である空間において、前記一端開空間の長さ寸法が、該空間において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法となっている場合、前記一端開空間の一方端を閉鎖しているベースに孔部を設け、前記空間を一端開空間から擬似的な両端開空間とすることにより、前記空間において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器の通電騒音の周波数とが一致しなくなり、この結果、前記空間から発生する騒音を良好に低減することができる。また、一端開空間の一方端を閉鎖しているベースに孔部を設けるという簡易な手段により、空間から発生する騒音を低減することができるので、電力用変圧器の製造コストが増大するのを良好に防ぐことができる。
請求項2記載の発明によれば、ベースの所定位置に孔部を、前記ベースの強度に悪影響を及ぼさない大きさで設けるようにしたので、ベースに孔部を設けることにより、前記ベースの強度が低下するという問題を確実に防ぐことができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図1ないし図7を参照しながら説明する。図1は電力用変圧器の一例を示す側面図、図2は同じく電力用変圧器の一例を示す正面図である。図1,2で示すように、電力用変圧器1は、鉄心2及び巻線3からなる変圧器中身4を絶縁油とともにタンク5内へ収容することにより構成されている。前記タンク5の底板5aには、図3で示すように、例えば、H形鋼等の形鋼を用いて井桁状に形成した前記底板5aの補強を兼ねるベース6が溶接等により取付けられており、前記ベース6を設置面7に埋設した図示しない埋込ベースにボルト等を用いて固定することにより、前記電力用変圧器1は設置面7上に揺動不能に設置される。
なお、図1,2において、8,9はタンク5の上面に所定数設けた1次及び2次ブッシングである。また、図1,2には図示していないが、前記タンク5の側壁には、その高さ方向(図1,2の上下方向)、長手方向及び幅方向(図1,2の左右方向)に沿って、例えば、H形鋼等の形鋼からなる補強部材が取付けられている。
つづいて、前記のようにベース6を介して設置面7上に設置した電力用変圧器1に負荷を接続すると、巻線3に流れる電流と磁場との相互関係により電磁力が発生し、この電磁力により前記巻線3は半径方向及び軸方向に振動するとともに、タンク5にも前記電磁力に起因する振動が発生する。そして、これらの振動が電力用変圧器1において発生する通電騒音の要因となる。
このとき、前記電力用変圧器1の下部には、タンク5の底板5aとベース6と設置面7とによって、図3で示すように、複数の空間S1〜S4が形成されている。一般に、電力用変圧器1において発生する通電騒音の周波数と、前記空間S1〜S4において共鳴が発生する周波数(空間S1〜S4における定在波の周波数)とが一致している場合に、騒音が増大することが知られている。前記空間S1〜S4において共鳴が発生する周波数は、次の(1)式及び(2)式により求めることができる。
ここで、f:空間において共鳴が発生する周波数
m:1以上の整数
V0:音速
d:空間の長さ寸法
をそれぞれ示す。
m:1以上の整数
V0:音速
d:空間の長さ寸法
をそれぞれ示す。
前記(1)式及び(2)式より、空間S1〜S4において共鳴が発生する周波数は、前記空間S1〜S4における3辺(長手方向、幅方向,高さ方向)の長さ寸法を適宜設定することにより、電力用変圧器1の通電騒音の周波数と一致しないようにできることがわかる。
しかしながら、電力用変圧器1を設計する上での種々の理由により、前記空間S1〜S4における3辺の長さ寸法のうち、少なくとも1辺の長さ寸法が、空間S1〜S4において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法となるのを避けられないことも有り得る。
前記のように空間S1〜S4における3辺の長さ寸法のうち、少なくとも1辺の長さ寸法が、空間S1〜S4において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法になっている場合に、電力用変圧器1の下部(即ち、空間S1〜S4)から発生する騒音は増大する。特に、空間S4を除く空間S1〜S3は、その高さ方向(図3の上下方向)を除く長手方向(図3の左下−右上方向)及び/または幅方向(図3の左上−右下方向)が、一方端がベース6により閉鎖され、かつ、他方端(外周側)が開口した一端開空間となっているため、前記一端開空間における長さ寸法が、一端開空間において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法となっていると、電力用変圧器1の下部(一端開空間の開口部)から発生する騒音は顕著となる。
そこで、本発明においては、電力用変圧器1を設計する上での種々の理由により、前記電力用変圧器1の下部に形成される空間S1〜S4のうち、例えば、空間S3における長手方向(図3の左下−右上方向)の長さ寸法が、空間S3において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法となっているような場合に、前記空間S3から発生する騒音を低減するための手段として、図3で示す如く前記空間S3の長手方向の一方端を閉鎖するベース6に、該ベース6の強度に悪影響を及ぼさない大きさで孔部6aを設けるようにした。
前記のように、ベース6に孔部6aを設けることにより、空間S3の長手方向は一端開空間から擬似的な両端開空間となる。このとき、ベース6に孔部6aを設ける場合と設けない場合において、空間S3における長手方向の長さ寸法が同一であるとすると、段落[0016]に記載した(1)式及び(2)式より、空間S3で共鳴が発生する周波数は、前記空間S3の長手方向が一端開空間である場合と、両端開空間である場合とでは一致しないことがわかる。従って、空間S3における長手方向が一端開空間である場合には電力用変圧器1の通電騒音の周波数に対して共鳴を発生しても、前記空間S3における長手方向を、その一方端を閉鎖しているベース6に孔部6aを設けて擬似的な両端開空間とすることにより、電力用変圧器1の通電騒音の周波数に対して共鳴が発生し難くなるものと考えられる。
次に、前記の如く空間S3における長手方向の一方端を閉鎖するベース6に孔部6aを設けることにより、前記空間S3から発生する騒音を低減することが可能であることを確認するために、図4ないし図6で示す空間モデルM1〜M4を使用して検証を行った。
図4で示す空間モデルM1は、ベース6に孔部6aを設けていない場合の空間S3を模擬している。前記空間モデルM1は、その高さ方向における上方端、長手方向における一方端及び幅方向における両端が、それぞれ電力用変圧器1のタンク5の底板5a及びベース6を模擬した壁面により囲繞されており、かつ、長手方向における他方端には開口部k1が開口されている。また、前記空間モデルM1における長手方向の長さ寸法Lxは、空間モデルM1において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法に、高さ方向及び幅方向の長さ寸法Ly,Lzは、空間モデルM1において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致しない長さ寸法に、それぞれ設定されている。
また、図5で示す空間モデルM2,M3は、ベース6に孔部6aを設けた場合の空間S3を模擬している。前記空間モデルM2,M3は、その長手方向における一方端を閉鎖する壁面に、ベース6に設けた孔部6aを模擬した孔部hが設けられている点を除いて、空間モデルM1と同様に形成されており、また、前記空間モデルM2,M3の各方向における長さ寸法Lx,Ly,Lzも、空間モデルM1と同様に設定されている。なお、図5(a)で示す空間モデルM2に設けた孔部hの幅方向における長さ寸法Lhは、前記空間モデルM2の幅方向における長さ寸法Lzの約20%に設定されており、図5(b)で示す空間モデルM3に設けた孔部hの幅方向における長さ寸法Lhは、前記空間モデルM3の幅方向における長さ寸法Lzの約60%に設定されている。また、前記孔部hの高さ方向における長さ寸法は、空間モデルM2,M3の高さ方向における長さ寸法Lyとほぼ同一となるように設定されている。
更に、図6で示す空間モデルM4は、長手方向における両端部に開口部k1,k2を開口した、即ち、前記長手方向を両端開空間とした空間を模擬している。前記空間モデルM4は、長手方向における両端部に開口部k1,k2を開口した点を除いて、空間モデルM1とほぼ同様に形成されており、また、前記空間モデルM4の各方向における長さ寸法Lx,Ly,Lzも、空間モデルM1と同様に設定されている。
そして、前記のように設定した空間モデルM1〜M4を床面等の設置面上に設置するとともに、前記空間モデルM1〜M4上の所定位置に電力用変圧器1を模擬した音源を配置し、この状態で、前記音源に起因して空間モデルM1〜M4の長手方向における他方端に開口した開口部k1から発生する音圧を測定した。
この結果、空間モデルM1の開口部k1から発生する音圧は、図7に実線で示すように、電力用変圧器1の通電騒音の周波数である100〜120Hz付近において最大となった。
また、空間モデルM2,M3の開口部k1から発生する音圧は、図7に点線で示すように、電力用変圧器1の通電騒音の周波数である120Hzよりも高い周波数(160〜190Hz付近)において最大となり、かつ、音圧の最大値は孔部hを設けていない場合(図7の実線参照)に比べ、7〜8dB程度減少した。
更に、空間モデルM4の開口部k1から発生する音圧は、図7に1点鎖線で示すように、200〜220Hz付近において最大となり、かつ、音圧の最大値は一端開空間(空間モデルM1)の場合(図7の実線参照)に比べ、8〜9dB程度減少した。
以上のように、電力用変圧器1の下部に形成される空間S1〜S4のうち、例えば、空間S3の長手方向(一端開空間)における長さ寸法が、空間S3において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法となっている場合、前記空間S3の長手方向における一方端を閉鎖しているベース6に、該ベース6の強度に悪影響を及ぼさない大きさで孔部6aを設けることにより、前記空間S3(空間モデルM2,M3)における周波数特性(図7の点線参照)が、一端開空間(空間モデルM1)における周波数特性(図7の実線参照)よりも、両端開空間(空間モデルM4)における周波数特性(図7の1点鎖線参照)に近いものとなり、この結果、前記空間S3から発生する騒音を良好に低減することが可能であることを、図4ないし図6で示す空間モデルM1〜M4を使用した検証から確認することができた。
なお、本実施例においては、孔部hの幅方向における長さ寸法Lhを、空間モデルM2においてはその幅方向における長さ寸法Lzの約20%とした場合、空間モデルM3においてはその幅方向における長さ寸法Lzの約60%とした場合について検証を行ったが、図7に点線で示すように、音圧が最大となる周波数は若干異なるものの、どちらの場合も音圧の最大値にはほとんど差異を生じなかった。この結果、ベース6に設ける孔部6aを必要以上に大きくしなくても、騒音を低減させる効果が得られると考えられるので、前記孔部6aを設けることにより、ベース6の強度が低下する等という問題を確実に回避することが可能となる。
また、ベース6の所定位置に複数の孔部6aを設けた場合を想定した検証も別途行ったが(結果は図示せず)、空間モデルM2,M3を使用して行った検証結果と比べて、特性的な差異は特に見られなかった。この結果、ベース6には所定位置に1ヶ所のみ孔部6aを設ければ、十分に騒音を低減させることができるものと考えられるので、前記ベース6に孔部6aを設ける作業を、手間や時間を要することなく円滑・迅速に行うことが可能となる。
なお、前記のように、空間S3の長手方向における一方端を閉鎖するベース6に孔部6aを設けることにより、前記空間S3と隣接する空間S4における長手方向は、両端閉空間から擬似的な一端開空間となるが、これによって前記空間S4において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致しないように、前記空間S4の長手方向における長さ寸法をあらかじめ設定しておけば、前記空間S4から発生する騒音が増大するようなことはない。また、前記のように空間S3,S4間におけるベース6に孔部6aを設けることにより、前記空間S4における長手方向が擬似的な一端開空間となり、空間S4において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致してしまうような場合には、前記空間S4,S4間におけるベース6にも、該ベース6の強度に悪影響を及ぼさない大きさで孔部6aを設けて、前記空間S4の長手方向を擬似的な両端開空間とすれば、前記空間S4から発生する騒音が増大するようなことはない。
このように、本発明においては、電力用変圧器1の下部に形成される複数の空間S1〜S4のうち、長手方向及び/または幅方向が一端開空間となっている空間S1〜S3において、前記一端開空間の長さ寸法が、該一端開空間において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法となっている、即ち、前記一端開空間において通電騒音が共鳴し、前記通電騒音が増大するような場合でも、従来のように空間の開口部を板材等により閉鎖したり、前記開口部を閉鎖した空間内に発泡材を充填したり、更には、前記開口部を閉鎖する板材等と設置面との間の隙間に音漏れを防ぐためのコーキングを施したりすることなく、前記一端開空間の一方端を閉鎖しているベース6に孔部6aを設けるという簡易な手段により、前記空間S1〜S3から発生する騒音を良好に低減することが可能となる。
なお、本実施例においては、電力用変圧器1の下部に形成される複数の空間S1〜S4のうち、空間S3の長手方向(一端開空間)における長さ寸法が、空間S3において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法となっている場合を一例として説明したが、空間S1の長手方向及び/または幅方向(一端開空間)における長さ寸法、あるいは、空間S2の幅方向(一端開空間)における長さ寸法が、空間S1,S2において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法となっている場合でも、各空間S1,S2の各方向における一方端を閉鎖しているベース6に孔部6aを設け、前記各空間S1,S2の各方向を一端開空間から擬似的な両端開空間とすることにより、空間S1,S2から発生する騒音を低減することが可能となる。
また、空間S2の長手方向(両端閉空間)における長さ寸法、空間S3の幅方向(両端閉空間)における長さ寸法、空間S4の長手方向及び/または幅方向(両端閉空間)における長さ寸法が、空間S2〜S4において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器1の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法となっている場合は、各空間S2〜S4の各方向における両端部を閉鎖しているベース6のうち、いずれか一方の端部を閉鎖しているベース6に孔部6aを設け、前記各空間S2〜S4の各方向を両端閉空間から擬似的な一端開空間とすることにより、空間S2〜S4から発生する騒音を良好に低減することが可能となると考えられる。
1 電力用変圧器
5 タンク
5a 底板
6 ベース
6a 孔部
7 設置面
S1〜S4 空間
M1〜M4 空間モデル
h 孔部
5 タンク
5a 底板
6 ベース
6a 孔部
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S1〜S4 空間
M1〜M4 空間モデル
h 孔部
Claims (2)
- 床面等の設置面上に形鋼等からなるベースを介して設置される電力用変圧器において、前記電力用変圧器の下部には、該電力用変圧器のタンク底板とベースと設置面とによって複数の空間が形成されており、前記複数の空間のうち、その長手方向及び/または幅方向が、一方端がベースにより閉鎖され他方端が開口した状態の一端開空間となっている空間においては、前記一端開空間の長さ寸法が、該一端開空間において共鳴が発生する周波数と電力用変圧器の通電騒音の周波数とが一致する長さ寸法であるときに、前記一端開空間における一方端を閉鎖するベースに孔部を設けるようにしたことを特徴とする電力用変圧器。
- 前記孔部は、ベースの所定位置に、該ベースの強度に悪影響を及ぼさない大きさで設けるようにしたことを特徴とする請求項1記載の電力用変圧器。
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JP2018113380A (ja) * | 2017-01-13 | 2018-07-19 | 株式会社日立製作所 | 静止誘導電器 |
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2006
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