JP2007265919A - 導体引出構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁特性を安定して維持できる超電導機器の導体引出構造を提供する。
【解決手段】本発明超電導機器の導体引出構造は、液体冷媒6が貯留される冷媒槽と、超電導部(超電導コイル31)と電気的に接続または電磁気的に結合され、かつ冷媒槽1の壁面を貫通して冷媒槽の内側と外側との間で電気的導通をとる引出部(ブッシング4)とを具備する。この導体引出構造において、引出部の冷媒槽壁面貫通側を下方に向けて引き出すなどすることで、引出部の冷媒槽1内における電界緩和手段(ストレスコーン部42A)が常時液体冷媒に浸漬されるように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、導体引出構造に関するものである。特に、超電導機器に設けられた冷媒槽の内側から外側に導体を引き出す構造において、冷媒の液面の変動による導体の絶縁特性の低下を抑制できる導体引出構造に関するものである。
超電導機器の導体引出構造として、例えば図8に示す超電導ケーブルの端末構造がある(類似の端末構造として特許文献1参照)。この端末構造は、極低温の超電導ケーブルの端末と常温域に引き出された引出部の端部との間で電力の入出力を行う。この端末構造の主な構成要素としては、超電導ケーブル100、接続導体110、第一接続部120、冷媒槽1、真空槽2、第二接続部130、ブッシング4(引出部)、碍管5がある。
この端末構造では、超電導ケーブル100の端部からケーブルコア101が引き出され、このコアから露出された超電導導体102は、第一接続部120を介して常電導の接続導体110に接続される。この接続導体110は、水平方向に延びて真空槽2および冷媒槽1を貫通し、冷媒槽1の内部においてブッシング4の下端と第二接続部130で接続される。ブッシング4は、中心のリード部41と、その周囲を覆う絶縁部42とを有し、さらにその外周に一対のフランジ部43,44を有する棒状体である。冷媒槽1はほぼ逆T型に形成された容器で、内部に液体窒素などの液体冷媒6が貯留される。真空槽2はこの冷媒槽1の周囲を覆い、冷媒槽1の周囲を断熱している。引出部の各フランジ部43,44は冷媒槽1と真空槽2の各々に固定され、ブッシング4を第二接続部130から垂直方向に沿うように支持している。また、ブッシング4における絶縁部42の端部はテーパー状に形成され、電界緩和のためにストレスコーン部42Aを形成している。そして、このブッシング4の上部は冷媒槽1、真空槽2を貫通して、真空槽2の外部に引き出される。一方、真空槽2の上部には碍管5が配置され、真空槽2から露出したブッシング4の常温側を覆っている。碍管5の内部には絶縁油やSF6ガスなどの絶縁流体が充填される。
特開2002-238144号公報
しかし、上記の端末構造では、次のような問題があった。
(1)端末構造の絶縁特性の信頼性が低い。
図8の端末構造では、引出部における常温側の端部を上方に向けて引き出しているため、冷媒槽1の内部に気体部6Aが生じ、液体冷媒6と気体部6Aとの境界に冷媒6の液面が現われることがある。このとき、冷媒槽1の内圧の変化などにより、冷媒6の液面が低下すると、引出部のうち冷媒槽内で冷媒6に浸漬されている箇所、特に絶縁部42の端部をテーパー状に形成したストレスコーン部42A(電界緩和手段)が冷媒6から露出される場合がある。電界緩和手段の形成されている箇所は、電気ストレスが集中しやすい箇所であるため、この付近が冷媒から気体部6Aに露出されると、絶縁特性が低下する。
また、図8の端末構造において、液体窒素などの冷媒6内では、図9に示すように、端末構成部材でのわずかな発熱などにより気泡6Bが発生することがある。このとき、気泡6Bが上方に浮き上がり、ストレスコーン部42Aの表面に付着することが考えられる。ストレスコーン部の表面に付着した気泡6Bは、絶縁特性低下の起点となるため、端末構造の電気特性上、もし気泡6Bが発生してもストレスコーン部42Aに付着しないことが望まれる。
(2)端末構造のサイズ、特に高さが大きい。
図8の端末構造では、引出部における常温側の端部を上方に向けて引き出しているため、冷媒槽1の上部に大きく引出部が突出し、端末構造全体としての高さが大きくなる。そのため、天井高の制約を受ける設置箇所では、この端末構造を設置できない場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、その目的の一つは、絶縁特性を安定して維持できる導体引出構造を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、サイズを小型化できる導体引出構造を提供することにある。
本発明導体引出構造は、液体冷媒が貯留される冷媒槽と、超電導部と電気的に接続または電磁気的に結合され、かつ冷媒槽の壁面を貫通して冷媒槽の内側と外側との間で電気的導通をとる引出部とを具備する。そして、この引出構造は、前記冷媒槽内における引出部には電界緩和手段が設けられ、その電界緩和手段が常時液体冷媒に浸漬されるように構成されていることを特徴とする。
この構成により、冷媒槽内で冷媒液面の変動が生じても、電気的弱点箇所である電界緩和手段は常時液体冷媒に浸漬されているため、絶縁特性に信頼性の高い導体引出構造とすることができる。
この電界緩和手段が常時液体冷媒に浸漬されるようにする具体的構成としては、前記電界緩和手段の冷媒槽壁面貫通側(常温側)を下方に傾斜させたり、真下(鉛直下方)に向けたり、水平方向とすることが挙げられる。
この構成により、引出部の壁面貫通側が下方または水平に向いているため、冷媒槽の貫通面に液体冷媒が接触した状態を形成しやすい。それに伴い、電界緩和手段を常時液体冷媒に浸漬される状態を容易に構成でき、導体引出構造の絶縁特性の信頼性を向上させることができる。
また、仮に液体冷媒内で気泡が発生しても、気泡は上方へ浮上するため、冷媒中に浸漬される引出部の電界緩和手段から気泡が離れる方向に移動することになる。その結果、電界緩和手段に気泡が付着して導体引出構造の電気特性が低下することを抑制できる。特に、気泡の発生しやすい箇所、例えば超電導部、引出部と他の部材との接続箇所などと水平またはこれらの箇所よりも下方に電界緩和手段を位置させることで、気泡の電界緩和手段への付着を効果的に抑制できる。とりわけ、超電導部は必ず液体冷媒中に浸漬されるように設計されているため、この超電導部に対して水平以下の領域に電界緩和手段が位置すれば、その位置も必ず液体冷媒中に浸漬されることになり、高い絶縁特性の導体引出構造を実現することができる。
さらに、上述したように、引出部を所定の向きに引き出すことで、導体引出構造のサイズ、特に高さを小さくすることができる。例えば、冷媒槽の側面から水平に引出部を引き出す、或いは冷媒槽の側面から下方に傾斜して引出部を引き出すことで、水平方向への導体引出構造のサイズは大きくなるが、高さ方向への導体引出構造のサイズは小さくできる。それに伴い、天井高に制限のある空間にでも収納できる導体引出構造を構築することができる。
通常、冷媒槽に対して超電導部との電力の入出力を行うには、入力用と出力用とで合計一対の引出部が用いられる。これら各引出部は、冷媒槽(真空槽)の同一の面から引き出しても良いし、異なる面から引き出してもよい。例えば、入力用の引出部を冷媒槽の側面に設け、出力用の引出部を冷媒槽の底面に設けることが挙げられる。これにより、設置環境に応じた自由な構成の導体引出構造を実現することができる。
そして、本発明引出構造において、引出部の一端が冷媒槽から鉛直下方に引き出されている場合、この引出部の外周で冷媒槽の外側には真空断熱層が形成されていることが好ましい。
従来の引出構造のように、引出部の一端を冷媒槽から鉛直上方に引き出している場合、冷媒槽内では液体冷媒上に気体部とが形成されることが多い。この気体部は、液体冷媒の一部が気化したもので、引出部の長手方向に熱勾配を形成することに寄与すると共に、引出部を通じての熱侵入を抑制する断熱層の機能を有する。これに対し、引出部の一端を冷媒槽から鉛直下方に引き出せば、冷媒槽内における引出部の貫通箇所付近は常時液体冷媒に浸漬され、気体部が形成されることがない。そのため、引出部の外周で冷媒槽の外側には真空断熱層を形成すれば、引出部の長手方向に熱勾配を形成しやすく、かつ引出部を通じての熱侵入を効果的に抑制することができる。
本発明導体引出構造における引出部は、冷媒槽を貫通し、この冷媒槽に対して絶縁支持された導体を有する構成であればよい。代表的には常電導導体で構成されて超電導部と電気的に接続または電磁気的に結合されるリード部と、このリード部を覆う絶縁部とを有するものが挙げられる。より具体的には、Cuで構成される電流リードをFRP(繊維強化プラスチック)などの筒状体内に収納したブッシングが引出部として好適に利用できる。
この引出部には、電気ストレスの局部的集中を緩和するため、電解緩和手段が形成される。電界緩和手段には、ストレスコーンやコンデンサコーンなどが挙げられる。通常、冷媒槽(真空槽)を貫通する箇所には電界緩和手段が形成される。この電界緩和手段は、一般に電気的弱点箇所となるため、本発明においては、この箇所が常時冷媒に浸漬されるようにすることが必要である。
超電導部と常電導側引出端との間において、電界緩和手段の形成されていない箇所は液体冷媒から露出していてもよい。この露出される箇所には、例えば常電導導体からなる導体部と、その導体部を覆う一様な厚さの絶縁部とを有する構成が挙げられる。
本発明引出構造は、種々の超電導機器に適用することができる。超電導機器としては、冷媒で極低温に冷却される超電導部を有するあらゆる機器が含まれる。この超電導部は、超電導機器の種類や構造により、冷媒槽内に配置される場合と、冷媒槽外の他の冷媒収納機構内に配置される場合がある。
超電導機器の具体例としては、超電導ケーブル、超電導変圧器、超電導限流器、超電導電力貯蔵装置などが挙げられる。超電導ケーブルの場合、代表的な構成としては、導体となる第一超電導層と、この第一超電導層の外周に同軸状に配置されてシールド層または外部導体層となる第二超電導層とを具えるケーブルが挙げられ、これら超電導層が超電導部となる。超電導変圧器、超電導限流器、超電導電力貯蔵装置などの場合、超電導材料から形成された超電導コイルや超電導限流素子などが超電導部となる。
以上説明したように、本発明導体引出構造によれば、冷媒槽内における引出部のうち、少なくとも電界緩和手段の形成箇所が常時液体冷媒に浸漬されるように構成されていることで、この形成箇所の絶縁特性の低下を抑制することができる。
また、前記電界緩和手段の冷媒槽壁面貫通側を下方に向けて傾斜させたり、真下(鉛直下方)に向けたり、水平方向とすることで、液体冷媒内に気泡が生じても、この気泡が電界緩和手段の形成箇所に付着することを抑制できる。それに伴い、絶縁特性に優れた導体引出構造を構築することができる。
その他、冷媒槽から水平に引出部を引き出し、或いは冷媒槽から下方に傾斜して引出部を引き出すことで、高さ方向への導体引出構造のサイズを小さくすることができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
<実施の形態1(超電導限流器)>
まず、本発明導体引出構造を超電導限流器に適用した例を図1に基づいて説明する。この限流器は、冷媒槽1と、この冷媒槽1の外側を覆う真空槽2と、超電導コイル31と、超電導コイル31(超電導部)に接続される一対のブッシング4(引出部)と、真空槽2の外側に突出する碍管5とを有する。
円筒容器状の冷媒槽1は、液体窒素などの液体冷媒6を貯留する閉鎖容器である。冷媒6は冷媒槽1内のほぼ全体に貯留されているが、その一部が気化することで冷媒槽1内に気体部(図示せず)が形成されることがある。
この冷媒槽1の外側は、真空槽2とほぼ相似形の真空槽2が形成されている。真空槽2と冷媒槽1の間の空間は真空引きされ、冷媒槽1を外部から断熱する。一方、冷媒槽1の内部には、超電導コイル31が配されている。超電導コイル31は超電導線材を巻回して構成したもので、冷媒6中に浸漬されている。この超電導線材の各端部にブッシング4が接続される。
ブッシング4は、冷媒槽1の底面を貫通して、超電導コイル31と冷媒槽1(真空槽2)の外部と電力の入出力を行う部材で、Cuなどの常電導導体からなるリード部41と、リード部41の外周を覆う絶縁部42とを有している。絶縁部42には、極低温においても利用可能な固体絶縁材料、例えばFRPやフッ素樹脂、エチレンプロピレンゴムなどが利用できる。また、絶縁部42の両端部をテーパー状に形成して、電界緩和手段となるストレスコーン部42Aを構成することが好ましい。その他、FRPと箔電極とを積層していわゆるコンデンサー方式の電界緩和手段を絶縁部42に形成しても良い。このような電界緩和手段は、通常、電気ストレスの集中しやすい箇所に形成される。そして、このブッシング4が冷媒槽1(真空槽2)の下面を貫通している。つまり、超電導コイル31の下方にブッシング4が位置している。
一方、ブッシング4のうち真空槽2の外側に突出された箇所は、碍管5に覆われている。碍管5は沿面距離を確保するために、その外周に多数の鍔51が形成されている。この碍管5の鍔51は、その上面が中央から外周に向かって下がる傾斜面に形成されている。この鍔51の構成により、環境水が碍管5に付着した場合、傾斜面で効果的に水切りして、鍔51の下方にドライベルトを形成することができる。また、碍管5の内部には、SF6ガスや絶縁油などの絶縁流体が充填されている。
このような限流器において、定常時、超電導コイル31は冷媒に浸漬されて超電導状態に保持されている。この超電導コイル31に過大な電流が流れると、超電導コイル31はクエンチして常電導体に転移し、抵抗を生じる。この抵抗により限流器を通る電流が限流される。
ここで、ブッシング4は超電導コイル31よりも下方に位置されるため、ブッシング4のうち冷媒槽1の内部に位置する箇所、特に、ストレスコーン部42Aも常時液体冷媒6に浸漬されることになる。仮に、図1の破線の位置まで冷媒の液面が低下してもストレスコーン部42Aは冷媒に浸漬される。そのため、電気的弱点箇所であるストレスコーン部42Aが液体冷媒6から露出する状態にならず、絶縁特性に優れた限流器を構成することができる。また、例えば超電導コイル31付近で液体冷媒6が気化して気泡が生じても、その気泡は上方に移動するため、超電導コイル31よりも下方に位置するブッシング4には付着せず、ストレスコーン部42A表面への気泡の付着も回避することができる。
なお、図1では省略しているが、通常、超電導コイル31と並列に常電導コイルも配される。この常電導コイルは、クエンチした超電導コイル31に電流が流れ続けることで超電導コイル31が損傷することを回避するための分流用コイルである。
さらに、この実施形態の変形例としては、ストレスコーン部42Aと超電導コイル31の間におけるリード部41も厚みが一様な絶縁層で覆って、この箇所を連結導体としてもよい。
<変形例1−1>
次に、図1の限流器の変形例を図2に基づいて説明する。この変形例は、引出部を冷媒槽1(真空槽2)の各側面から斜め下方に向けて引き出した点が上記実施の形態1との主たる相違点である。
本例の場合、超電導コイル31からリード部41を一旦上方に引き出し、水平方向に屈曲させてからさらに下方に向けて冷媒槽1の外側に引き出している。そのため、仮に冷媒6の液面が破線部にまで低下しても、電気的弱点箇所となっているストレスコーン部42Aは冷媒6に浸漬された状態となっているため、この箇所の絶縁特性が低下することを抑制できる。
また、本例では冷媒槽1の側面から引出部の引き出しを行っているため、導体引出構造の高さは実質的に真空槽2の高さに相当し、冷媒槽1の鉛直上方に引出部を引き出した場合に比べて、導体引出構造の高さを低くすることができる。
<変形例1−2>
次に、図1の限流器の変形例を図3に基づいて説明する。この変形例は、引出部を冷媒槽1(真空槽2)の各側面から水平方向に向けて引き出した点が上記実施の形態1との主たる相違点である。
本例の場合も、変形例1−1と同様に、電気的弱点箇所となっているストレスコーン部42Aの絶縁特性が低下することを抑制でき、かつ導体引出構造の高さを低くすることができる。
<変形例1−3>
次に、図1の限流器の変形例を図4に基づいて説明する。この変形例は、図1の限流器とは異なる限流原理に基づくもので、冷媒槽1内側の引出部の端部が常電導コイル7に接続され、超電導部にはこの常電導コイル7と電磁気的に結合される超電導スリーブ32を用いている点が主たる相違点である。
この変形例は、いわゆる磁気遮蔽型の限流器で、常電導コイル7の内側に超電導スリーブ32が配置され、この超電導スリーブ32を貫通するように鉄心8が設けられている。この限流器は、等価回路的に見れば、常電導コイル7を一次コイルとし、超電導スリーブ32を短絡された二次コイルとした変圧器とみなすことができる。
定常時、常電導コイル7に電流が流れることで発生する磁界が鉄心8に侵入しないように超電導スリーブ32が遮蔽している。そのため、常電導コイル7側から見たインピーダンスは小さい。一方、故障電流などの大電流が常電導コイル7に流れると大きな磁界が発生し、超電導スリーブ32が常電導に転移してその磁気遮蔽効果を失い、鉄心8の内部に磁場が侵入することで大きな磁束ができるようになる。それにより、常電導コイル7側から見たインピーダンスが大きくなり、限流することができる。
<実施の形態2(超電導ケーブルの終端接続部)>
図5に本発明導体引出構造である超電導ケーブルの終端接続部を示す。この終端接続部は、超電導ケーブルからの電力を常温域に引き出すためのもので、図8に示した従来の終端接続部を上下逆転させたものにほぼ相当する。
この終端接続部の主たる構成部材として、超電導ケーブル100、接続導体110、第一接続部120、冷媒槽1、真空槽2、第二接続部130、ブッシング4(引出部)、碍管5がある。
この終端接続部では、まず、超電導ケーブル100の端部からケーブルコア101が引き出され、このコア101から露出された超電導導体102(超電導部)は、第一接続部120を介して常電導の接続導体110に接続される。この接続導体110は、水平方向に延びて真空槽2および冷媒槽1の各壁面を貫通し、冷媒槽1の内部においてブッシング4の上端と第二接続部130で接続される。
ブッシング4は、中心のリード部41と、その周囲を覆う絶縁部42とを有し、さらにその外周に一対のフランジ部43,44を有する棒状体である。リード部41はCuなどの常電導材料で構成され、絶縁部42にはFRPやフッ素樹脂、エチレンプロピレンゴムなどが利用できる。また、ブッシング4における絶縁部42の端部はテーパー状に形成され、電界緩和のためにストレスコーン部42Aを形成している。この電界緩和のための手段として、他にコンデンサコーンが利用できることは実施の形態1と同様である。
冷媒槽1はほぼT型に形成された容器で、内部に液体窒素などの液体冷媒6が貯留される。また、真空槽2はこの冷媒槽1の周囲を覆い、冷媒槽1の周囲を断熱している。冷媒槽1は、支持具11や吊り具12で真空槽2の内部に保持される。この冷媒槽1と真空槽2の各々に引出部の各フランジ部43,44が固定され、ブッシング4は第二接続部130から鉛直下方に沿って支持される。
真空槽2内において、ブッシング外周におけるフランジ部43,44間は、ベローズ21で囲まれた中間真空槽22を有している。ベローズ21は冷媒6の冷却に伴うブッシング4の収縮に追従する。また、中間真空槽22は、冷媒槽1の下面と真空槽2の下面との間に空間を確保し、冷媒槽1の断熱を確保する。
一方、ブッシング4の下部は冷媒槽1、真空槽2を貫通して、真空槽2の外部に引き出される。さらに真空槽2の下部には碍管5が配置され、真空槽2から露出したブッシング4の上部を覆っている。碍管5は沿面距離を確保するために、その外周に多数の鍔51が形成されている。この碍管5の鍔51は、その上面が中央から外周に向かって下がる傾斜面を持つ。単に図8の終端接続部を上下逆転させただけでは、鍔51の上部に環境水が溜まるが、鍔51の上面側を傾斜面とすることで、碍管5に付着した環境水を傾斜面で効果的に水切りし、鍔51の下方にドライベルトを形成することができる。そして、碍管5の内部には、SF6ガスや絶縁油などの絶縁流体が充填されている。
このような終端接続部において、ブッシング4は冷媒槽1の底面から外部に引き出されているため、ブッシング4のうち冷媒槽1内に位置する部分は、常時冷媒に浸漬される。特に、電気的弱点箇所となるストレスコーン部42Aも常時冷媒6に浸漬されることになる。そのため、絶縁特性に優れた終端接続部を構築できる。
また、ブッシング4は冷媒槽1内の下方に位置するため、冷媒6内で気泡が発生しても、その気泡は上方に浮上し、ブッシング4の表面に付着することもほぼ回避できる。それに伴い、一層絶縁特性に優れた終端接続部を構築できる。
なお、本例の終端接続部は、真空槽2の下方に突出した部分の貫通孔を有する支持部材140で真空槽2を支持することが好ましい。この支持構造により、冷媒の大半が貯留されて重量の大きい冷媒槽1と、それを囲む真空槽2とを安定して支持することができる。その他、超電導導体102、第一接続部120、接続導体110の周囲には補強絶縁層150が形成されている。この補強絶縁層150のうち超電導ケーブルの端部から冷媒槽1までの間の区間は接続用冷媒管160に収納され、その冷媒管160の内部には、冷媒槽1の冷媒とは独立した超電導ケーブル100の冷媒が貯留されている。さらに、この冷媒管160の外周に接続用真空槽170が設けられている。そして、接続導体110の冷媒槽貫通箇所には、紡錘状のエポキシユニット180が形成されている。
<変形例2−1>
次に、図5の終端接続部の変形例を図6に基づいて説明する。この変形例では、冷媒槽1内の第二接続部130から一旦上方にリード部41を引き出し、そのリード部41を水平方向に伸延してから鉛直下方に引き出している点が上記実施の形態2との主たる相違点である。なお、図6では図5に比べて図を簡略化して示しているが、図5と同一符号は同一部分を示している。
本例でも、ブッシング4のうち冷媒槽1内に位置する部分は、超電導ケーブル100の軸よりも下方に位置して常時冷媒6に浸漬されるため、この部分での絶縁特性の低下を抑制することができる。仮に冷媒6の液面が図6に破線で示す位置となっても、気体部に露出するのは、第二接続部130からストレスコーン部42Aに至る経路の一部に過ぎないため、絶縁特性に及ぼす影響は比較的小さい。そして、冷媒槽1内で生じた気泡が液面側に逃げることで、ストレスコーン部42Aに付着しにくいことも実施の形態2と同様である。
また、第二接続部130からストレスコーン部42Aに至る経路を屈曲させることで、第二接続部130とブッシング4の位置関係を自由に決定することができる。つまり、第二接続部130の真下以外の箇所にブッシング4を配することも容易にできる。さらに、終端接続部の高さをより小さくできる。
<変形例2−2>
次に、図5の終端接続部の変形例を図7に基づいて説明する。この変形例では、冷媒槽1内の第二接続部130から斜め下方に向けて引出部を設けている点が上記実施の形態2との主たる相違点である。なお、図7では図5に比べて図を簡略化して示しているが、図5と同一符号は同一部分を示している。
本例では、冷媒槽1(真空槽2)の一方の側面に超電導ケーブル100を接続し、その側面と対向する側面から引出部を下方に傾斜して引き出している。つまり、第二接続部130から若干長水平方向にリード部41を引き出し、このリード部41を下方に傾斜させて引き出している。また、冷媒槽1および真空槽2は、第二接続部130が収納される本体部1A、2Aと、引出部(ブッシング4)の角度に合わせて冷媒槽1および真空槽2の一部を下方に突出させた筒状部1B、2Bとを有している。
本例の終端接続部によれば、ブッシング4のうち冷媒槽1内に位置する部分は、常時冷媒6に浸漬されるため、この部分での絶縁特性の低下を抑制することができる。
また、冷媒槽1(真空槽2)側面から引出部を引き出すことで、冷媒槽1(真空槽2)の下面から引出部が引き出されておらず、終端接続部の高さを小さくすることができる。
さらに、冷媒槽1が本体部1Aと筒状部1Bとである程度分離され、その筒状部1Bが下方に向けて傾斜していることで、本体部1A内の冷媒中に生じた気泡が筒状部1B側に移動せず、ブッシング4のうち冷媒槽1内に位置する部分に気泡が付着することも抑制できる。
その他、本例では冷媒6の大半を保持する冷媒槽1(真空槽2)の本体部1Aを支持することで、安定して導体引出構造を支持することができる。その際、本体部1A、2Aの支持部材(図示せず)は、碍管5が貫通する孔を設けない構成とすることもできる。
本発明導体引出構造は、超電導機器において低温域と常温域との間を接続する接続要素の収納に利用することができる。特に、本発明導体引出構造は、超電導限流器、超電導ケーブルの終端接続部、超電導変圧器、超電導電力貯蔵装置などに好適に利用することができる。
本発明導体引出構造を用いた限流器の主要部を示す概略模式図である。 変形例1-1の限流器を示す概略模式図である。 変形例1-2の限流器を示す概略模式図である。 変形例1-3の限流器を示す概略模式図である。 本発明導体引出構造を用いた超電導ケーブルの終端接続部を示す概略模式図である。 変形例2-1の終端接続部を示す概略模式図である。 変形例2-2の終端接続部を示す概略模式図である。 従来の超電導ケーブルの終端接続部を示す概略模式図である。 図8の終端接続部で冷媒内に気泡が生じた状態を示す部分説明図である。
符号の説明
1 冷媒槽 1A 本体部 1B 筒状部 11 支持具 12 吊り具
2 真空槽 2A 本体部 2B 筒状部 21 ベローズ 22 中間真空槽
31 超電導コイル 32 超電導スリーブ
4 ブッシング 41 リード部 42 絶縁部 42A ストレスコーン部
43、44 フランジ部
5 碍管 51 鍔
6 液体冷媒 6A 気体部 6B 気泡
7 常電導コイル
8 鉄心
100 超電導ケーブル 101 ケーブルコア 102 超電導導体
110 接続導体 120 第一接続部 130 第二接続部 140 支持部材
150 補強絶縁層 160 接続用冷媒管 170 接続用真空槽
180 エポキシユニット

Claims (7)

  1. 液体冷媒が貯留される冷媒槽と、超電導部と電気的に接続または電磁気的に結合され、かつ冷媒槽の壁面を貫通して冷媒槽の内側と外側との間で電気的導通をとる引出部とを具備する導体引出構造であって、
    前記冷媒槽内における引出部には電界緩和手段が設けられ、その電界緩和手段が常時液体冷媒に浸漬されるように構成されていることを特徴とする導体引出構造。
  2. 前記電界緩和手段が、その壁面貫通側を下方に向けて傾斜されていることを特徴とする請求項1に記載の導体引出構造。
  3. 前記引出部の一端は、冷媒槽から鉛直下方に引き出され、
    この引出部の外周で冷媒槽の外側には真空断熱層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の導体引出構造。
  4. 前記電界緩和手段が水平方向に沿っていることを特徴とする請求項1に記載の導体引出構造。
  5. 前記引出部は、常電導導体で構成されて超電導部と電気的に接続または電磁気的に結合されるリード部と、このリード部の外周に設けられる絶縁部とを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導体引出構造。
  6. 前記電界緩和手段は、絶縁部に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の導体引出構造。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の導体引出構造を備えることを特徴とする超電導機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010161064A (ja) * 2008-12-15 2010-07-22 Nexans 超伝導ケーブルを備える装置
JP2013008962A (ja) * 2011-05-24 2013-01-10 Furukawa Electric Co Ltd:The 超電導素子、超電導素子の製造方法および超電導限流器

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