JP2007264267A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成動作中の紙間などにおいて、発光素子の光量計測を行なうべく露光装置を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子などの発光素子を発光させた場合でも、トナーの無駄な消費や記録紙の裏汚れ、紙詰まりといった不具合を防止する。
【解決手段】発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子13の光量計測タイミングにおいて、現像剤を供給する現像ステーション2を、感光体8から離間させる。このような制御により、光量補正時において現像剤が感光体8に移動してしまうのを防止することができる。
【選択図】図15

Description

本発明は発光素子をライン状に配置して構成された発光素子列を有する露光装置を搭載した画像形成装置、特に露光装置における発光素子の露光量を補正可能に構成した画像形成装置に関する。
予め所定の電位に帯電した感光体を画像情報に応じて露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーにより現像し、顕画化されたトナー像を記録紙に転写、加熱定着して画像を得る、いわゆる電子写真プロセスを応用した画像形成装置に用いられる露光装置として、レーザダイオードを光源とした光ビームをポリゴンミラーと呼称される回転多面鏡を介して感光体上を走査して静電潜像を形成する方式と、発光ダイオード(以降LEDと呼称する)や有機エレクトロルミネッセンス材料を用いて構成した発光素子をライン状に配置した発光素子列を用いて各発光部を個別に点灯(ON/OFF)制御して感光体上に静電潜像を形成する方式が知られている。
一般にLEDや有機エレクトロルミネッセンス材料を用いた発光素子列を構成要素として含む露光装置は、感光体のごく近傍で各発光素子を選択的に点灯して感光体上に露光光を照射するので、これらを搭載した画像形成装置はレーザダイオードを用いた画像形成装置における回転多面鏡のような可動部がなく信頼性、静粛性が高く、またレーザダイオードの出射光を感光体に導く光学系や、光の経路となる大きな光学的空間が不要で画像形成装置を小型化することが可能である。
特に発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した露光装置は、ガラスなどの基板上に薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以降TFTと呼称する)から成るスイッチング素子で構成される駆動回路と有機エレクトロルミネッセンス素子を一体として形成できるため、構造、製造工程がシンプルであり、発光素子としてLEDを搭載した露光装置と比較して更なる小型化、低コスト化を実現できる可能性がある。
しかしその一方で有機エレクトロルミネッセンス素子はその駆動に伴って発光輝度が徐々に低下する、いわゆる光量劣化が発生することが知られている。一般的なディスプレイ装置などに応用される有機エレクトロルミネッセンス素子の発光輝度は高々1000[cd/m2]程度でよいのに対し、電子写真装置などの画像形成装置に搭載される露光装置に応用される有機エレクトロルミネッセンス素子には、例えば画像形成装置の仕様として600dpi(dot/inch)、20ppm(pages/minute)程度のスペックを想定すると10000[cd/m2]以上の発光輝度が要求され、その駆動条件は高電圧、大電流の非常に過酷なものとなる。このために露光装置に応用される有機エレクトロルミネッセンス素子は、表示装置に応用される場合と比較して光量劣化の影響を受けやすく、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子の露光量を初期と同等の状態に維持するために何らかの露光量補正が必要となる。
また有機エレクトロルミネッセンス素子の発光輝度は温度依存性があることも知られている。この温度依存性は有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する有機材料によって決まり、正特性、負特性のいずれもがあり得る。上述した電子写真装置の画像形成過程には熱と圧力によって記録紙上のトナー像を定着する工程が含まれており、装置内部に大熱量を発生可能な熱源を有するため、装置内部の温度変化に伴って有機エレクトロルミネッセンス素子の発光輝度が変化する。この場合にも個々の有機エレクトロルミネッセンス素子の露光量を補正する露光量補正が必要となる。
また、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子間において、発光輝度のばらつき発生を防止することは困難であるため、素子間における露光量のばらつきを防ぐ露光量補正も必要となる。
さて露光量補正に関して、従来の有機エレクトロルミネッセンス素子を応用した露光装置を搭載した画像形成装置では、例えば特許文献1に開示される構成が知られている。特許文献1における露光装置は有機エレクトロルミネッセンス素子を形成したガラス基板上に受光センサを配置し、各有機エレクトロルミネッセンス素子の露光量をこの受光センサで検出するという構成を有している。
更に特許文献1によれば、露光装置におけるn番目の有機エレクトロルミネッセンス素子の露光量Pgnを検査治具にて予め計測すると共に、この際に上述の受光センサで露光量Phnも計測し、これらに基づいて補正係数Pgn/Phnを算出し、この補正係数を露光装置あるいは画像形成装置に搭載した記憶手段に記憶させておく。そして露光装置を画像形成装置に組み込んだ後は、適宜上述した受光センサによる光量検出結果と記憶手段に記憶された補正係数に基づき、有機エレクトロルミネッセンス素子の新たな駆動電流などを決定することで、常に有機エレクトロルミネッセンス素子の初期の露光量を維持できるとしている。
また特許文献1によれば、露光量補正動作は画像形成装置の起動直後の初期化動作、印字開始前、紙間の何れかの時点でプリンタコントローラの指令に基づいて行なうことができるとしている。
特開2004−082330号公報
上述のような構成を有する画像形成装置において、露光量補正を行なうべく発光素子の光量を検出するために発光素子を点灯させると、結果的に感光体は露光されることとなる。
紙間は言うに及ばず、起動直後の初期化動作、印字開始前などの時点であっても、例えば画像形成装置のシステム上のエラーチェックを行なうために、画像形成装置の像形成に係る構成要素は画像形成時と同様に動作しているため、感光体は露光され、感光体には正規の画像データに基づく画像形成とは無関係に潜像が形成される。この潜像は上述の過程を経て現像され結果的に感光体にはトナーが付着してしまう。この現象はたとえ感光体に記録された潜像を現像する現像ステーションに設けられ、感光体にトナーを付着する現像スリーブに印加する現像バイアスをOFFにしても(即ちトナーを感光体に移動させるクーロン力を積極的に作用させなくとも)、感光体上に潜像が形成された部位と形成されていない部位が存在していれば、この間に電位差が存在する(即ち感光体の潜像形成領域と非潜像形成領域の間の平面方向にクーロン力が作用する)ために程度の差はあれ発生する現象である。このために本来の画像形成とは無関係に無駄にトナーが消費されることとなる。
このようにして感光体に付着したトナーが転写ローラに到達すると、たとえ転写ローラに転写バイアスが印加されていなくとも、これと接触した際に受ける鏡像力や擦り応力などの力によって転写ローラの表面を汚染することとなる。
一旦転写ローラがトナーによって汚染されると、次に記録紙搬送路に記録紙が搬送された場合は、いかに転写ローラに転写バイアスが印加されていようと(転写バイアスはトナーを転写ローラ側に引き付けるように作用する)、記録紙搬送路を搬送される記録紙と転写ローラの駆動速度の微小な差に基づく擦り応力などの作用によって記録紙の裏面にトナーが転写し、いわゆる記録紙の裏汚れが発生してしまう。
このような場合に転写ローラの近傍にクリーニング部材を配置して、常に転写ローラの表面をクリーニングする構成をとることは可能ではあるが、この解決策はクリーニング部材やクリーニング後のトナーを収納する部材を配置する必要があり、コストアップや装置の大型化に直結し、いずれにせよトナーの無駄な消費は防止できないため賢明な対策とは言えない。
本発明は例えば画像形成動作における紙間などの非画像形成時において、発光素子の露光量計測を行なうべく露光装置を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子などの発光素子を発光させた場合でも、トナーの無駄な消費や記録紙の裏汚れといった不具合が発生することのない画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の画像形成装置は、記録媒体に現像剤を転写し画像を形成する画像形成装置であって、感光体と、前記感光体の表面を帯電させる帯電器と、前記帯電器により帯電した前記感光体の表面に光を照射することにより、当該表面を露光し、静電潜像を形成する複数の発光素子と、静電潜像上に現像剤を供給し、静電潜像を現像する現像ステーションと、前記発光素子の光量を計測する光量センサと、前記光量センサによって検出された前記発光素子の光量を参照し、前記発光素子の光量を補正する光量補正部と、前記光量センサが前記発光素子の光量を計測する光量計測タイミングに基づいて、静電潜像の前記感光体上への形成、又は前記感光体上に形成された静電潜像上への現像剤の供給を禁止する制御部とを備える。尚、以下の説明では、「発光素子が出射する光の光量」を、単に「発光素子の光量」と呼称する。
本発明の画像形成装置によれば、光量補正のため発光素子を発光させた場合であっても、現像剤の感光体への移動を確実に防止することができる。このため、現像剤の無駄な消費、記録媒体の現像剤による汚れ、記録媒体のつまりを防止することができる。
前記制御部は、前記光量計測タイミングに基づいて、前記感光体から前記現像手段を離間させることができる。このような制御により、光量計測時であっても現像剤が感光体に移動するのを防止することができる。
また、前記現像手段は、現像剤を前記感光体上に搬送するマグネットローラを備え、前記制御部は、前記光量計測タイミングに基づいて、前記マグネットローラの磁極位置を変更させるものであってもよい。このような制御によっても、光量計測時であっても現像剤が感光体に移動するのを防止することができる。
また、前記制御部は、前記光量計測タイミングに基づいて、前記感光体の帯電電位を画像形成時の帯電電位より上昇させるよう、前記帯電器を制御するものであってもよい。このような制御により、帯電電位の上昇と共に、露光電位も上昇し、現像バイアス電位と露光電位の差が、通常画像形成時に比べ小さくなる。従って、光量計測時であっても静電潜像が感光体上に形成されにくくなり、現像剤が感光体に移動するのを防止することができる。
さらに前記制御部は、前記光量計測タイミングに基づいて、現像剤の現像バイアス電位を画像形成時の現像バイアス電位より減少させるよう、前記現像手段を制御するものであってもよい。このような制御により、現像バイアス電位と露光電位の差が、通常画像形成時に比べ小さくなる。従って、光量計測時であっても静電潜像が感光体上に形成されにくくなり、現像剤が感光体に移動するのを防止することができる。
また、前記制御部は、前記光量計測タイミングに基づいて、前記感光体の駆動を停止させるものであってもよい。この場合、前記制御部は、前記感光体の駆動を停止させた後、前記光量計測部によって前記発光素子が出射する光の光量を計測するよう制御することができる。さらには、前記光量計測部が暗電流に対応した光量を計測した後、前記制御部が前記感光体の駆動を停止し、前記光量計測部が明電流に対応した光量を計測することもできる。
上述した制御にあっては、光量補正のため発光素子を発光させた場合であっても、感光体上への静電潜像の形成を防止することができる。
また、前記光量計測タイミングを、複数の記録媒体への連続画像形成時に設定する場合にあっては、本発明によれば、より確実に現像剤の記録媒体への移動を防止することができる。
前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子により構成することができる。
また、本発明の他の画像形成装置は、感光体と、前記感光体を露光する露光装置と、前記露光装置に設けられた発光素子と、前記発光素子が出射する光の光量を検出する光量計測部と、前記光量計測部の出力に基づいて前記発光素子が出射する光の光量を補正する光量補正部と、前記光量計測部によって前記発光素子が出射する光の光量を計測する光量計測タイミングに基づいて、前記感光体への像形成を禁止する制御部と、を備える。
以上の様に、本発明の画像形成装置によれば、光量補正のため発光素子を発光させた場合であっても、現像剤の感光体への移動を確実に防止することができる。このため、現像剤の無駄な消費、記録媒体の現像剤による汚れ、記録媒体のつまりを防止することができ、使い勝手のよい画像形成装置が提供される。
以下、本発明の基本となる構成に関する実施形態を、図面を用いて説明する。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。図1において、画像形成装置1は装置内にイエロー現像ステーション2Y、マゼンタ現像ステーション2M、シアン現像ステーション2C、ブラック現像ステーション2Kの4色分の現像ステーションを縦方向に階段状に配列し、その上方には記録媒体である記録紙3が収容される給紙トレイ4を配設すると共に、各現像ステーション2Y〜2K に対応した箇所には給紙トレイ4から供給された記録紙3の搬送路となる記録紙搬送路5を上方から下方の縦方向に構成したものである。
現像ステーション2Y〜2Kは記録紙搬送路5の上流側から順に、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナー像を形成するものであり、イエロー現像ステーション2Yは感光体8Y、マゼンタ現像ステーション2Mには感光体8M、シアン現像ステーション2Cには感光体8C、ブラック現像ステーション2Kには感光体8Kが含まれ、更に各現像ステーション2Y〜2Kには後に説明する現像スリーブ、帯電器など、一連の電子写真方式における現像プロセスを実現する部材が含まれている。
更に各現像ステーション2Y〜2Kの下部には感光体8Y〜8Kの表面を露光して静電潜像を形成するための露光装置13Y、13M、13C、13Kが配置されている。
現像ステーション2Y〜2Kは充填された現像剤の色が異なっているが、構成は現像色に関わらず同一であるため、以降の説明を簡単にするため特に明示する必要がある場合を除いて現像ステーション(現像手段)2、感光体8、露光装置13のごとく特定の色を明示せずに説明する。
図2は本発明の画像形成装置1における現像ステーション2の周辺を示す構成図である。図2において、現像ステーション2の内部にはキャリアとトナーの混合物である現像剤6が充填されている。7a、7bは現像剤6を攪拌する攪拌パドルであり、攪拌パドル7aと7bの回転によって現像剤6中のトナーはキャリアとの摩擦によって所定の電位に帯電されると共に、トナーとキャリアは現像ステーション2の内部を巡回することで十分に攪拌混合される。感光体8は図示しない駆動源によって方向D3に回転する。9は帯電器であり感光体8の表面を所定の電位に帯電する。10は現像スリーブ、11は薄層化ブレードである。現像スリーブ10は内部に複数の磁極が形成されたマグネットロール12を有している。薄層化ブレード11によって現像スリーブ10の表面に供給される現像剤6の層厚が規制されると共に、現像スリーブ10は図示しない駆動源によって方向D4に回転し、この回転およびマグネットロール12の磁極の作用によって現像剤6は現像スリーブ10の表面に供給され、後述する露光装置13によって感光体8に形成された静電潜像を現像するとともに、感光体8に転写されなかった現像剤6は現像ステーション2の内部に回収される。
尚、本実施形態においては、後述するように、発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)の発光量を補正する所定のタイミングにて、現像ステーション2が水平方向に移動可能なように構成されている。この構成は図16にて説明されているが、図2ででは、図16で示された現像当接カム210、引っ張りバネ211、現像側バネかけボス212、本体側バネかけボス213の記載を省略している。
13は露光装置である。露光装置13は露光光源としての有機エレクトロルミネッセンス素子を600dpi(dot/inch)の解像度で列状に配置した発光素子列を有しており、帯電器9によって所定の電位に帯電した感光体8に対し、画像データに応じて選択的に有機エレクトロルミネッセンス素子をON/OFFすることで、最大A4サイズの静電潜像を形成する。現像スリーブ10に所定の電位(現像バイアス)を印加すると、この静電潜像部分と現像スリーブ10の間に電位勾配が生じる。そして、現像スリーブ10の表面に供給され、所定の電位に帯電している現像剤6中のトナーにクーロン力が作用し、感光体8には現像剤6のうちトナーのみが付着し、静電潜像が顕画化される。
後に詳細に説明するように露光装置13には、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光量を計測する光量計測手段として光量センサが設けられている。
16は転写ローラである。転写ローラ16は感光体8に対し記録紙搬送路5と対向する位置に設けられており、図示しない駆動源により方向D5に回転する。転写ローラ16には所定の転写バイアスが印加されており、感光体8上に形成されたトナー像を、記録紙搬送路5を搬送されてきた記録紙3に転写する。
以降図1に戻って説明を続ける。
17はトナーボトルであり、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのトナーが格納されている。トナーボトル17から各現像ステーション2Y〜2Kには図示しないトナー搬送用のパイプが配設され、各現像ステーション2Y〜2Kにトナーを供給している。
18は給紙ローラであり、図示しない電磁クラッチを制御することで方向D1に回転し、給紙トレイ4に装填された記録紙3を記録紙搬送路5に送り出す。
給紙ローラ18と最上流のイエロー現像ステーション2Yの転写部位との間に位置する記録紙搬送路5には、入口側のニップ搬送手段としてレジストローラ19、ピンチローラ20対が設けられている。レジストローラ19、ピンチローラ20対は、給紙ローラ18により搬送された記録紙3を一時的に停止させ、所定のタイミングでイエロー現像ステーション2Yの方向に搬送する。この一時停止によって記録紙3の先端がレジストローラ19、ピンチローラ20対の軸方向と平行に規制され、記録紙3の斜行を防止する。
21は記録紙通過検出センサである。記録紙通過検出センサ21は反射型センサ(フォトリフレクタ)によって構成され、反射光の有無で記録紙3の先端および後端を検出する。
さて図示しない電磁クラッチによって動力伝達を制御しレジストローラ19の回転を開始すると記録紙3は記録紙搬送路5に沿ってイエロー現像ステーション2Yの方向に搬送されるが、レジストローラ19の回転開始のタイミングを起点として、各現像ステーション2Y〜2Kの近傍に配置された露光装置13Y〜13Kによる静電潜像の書込みタイミング、現像バイアスのON/OFF、転写バイアスのON/OFFなどがそれぞれ独立して制御される。
以降図2を用いて説明を続ける。
図2に示す露光装置13から現像領域(感光体8と現像スリーブ10の間隔が最も狭い部位の近傍)までの距離は設計事項であるから、例えば露光装置13による露光を開始して感光体8上に形成された潜像が現像領域に到達する時間も設計事項である。
本実施形態ではレジストローラ19の回転開始のタイミングを起点として、後に説明するように複数ページを連続して印字する際に、記録紙搬送路5を搬送される記録紙と記録紙の間(即ち紙間)において露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を設定して点灯させるとともに、感光体8上に形成された潜像位置に対して現像バイアスをOFFにするような制御を行なっている。
以降図1に戻って説明を続ける。
最下流のブラック現像ステーション2Kの更に下流側に位置する記録紙搬送路5には出口側のニップ搬送手段として定着器23が設けられている。定着器23は加熱ローラ24と加圧ローラ25から構成されている。
27は加熱ローラ24の温度を検出するための温度センサである。温度センサ27は金属酸化物を主原料とし、高温で焼結して得られるセラミック半導体であり、温度に応じて負荷抵抗が変化することを応用して接触した対象物の温度を計測することができる。温度センサ27の出力は後述するエンジン制御部42に入力され、エンジン制御部42は温度センサ27の出力に基づいて加熱ローラ24に内蔵された熱源(図示せず)に供給する電力を制御し、加熱ローラ24の表面温度が約170゜Cとなるように制御する。
この温度制御がなされた加熱ローラ24と加圧ローラ25によって形成されるニップ部にトナー像が形成された記録紙3が通紙されると、記録紙3上のトナー像は加熱ローラ24と加圧ローラ25によって加熱および加圧され、トナー像が記録紙3上に定着される。
28は記録紙後端検出センサであり、記録紙3の排出状況を監視するものである。32はトナー像検出センサである。トナー像検出センサ32は発光スペクトルの異なる複数の発光素子(共に可視光)と単一の受光素子を用いた反射型センサユニットであり、記録紙3の地肌と画像形成部分とで、画像色に応じて吸収スペクトルが異なることを利用して画像濃度を検出するものである。またトナー像検出センサ32は画像濃度のみならず画像形成位置も検出できるため、実施形態における画像形成装置1ではトナー像検出センサ32を画像形成装置1の幅方向に2ヶ所設け、記録紙3上に形成した画像位置ずれ量検出パターンの検出位置に基づき画像形成タイミングを制御している。
33は記録紙搬送ドラムである。記録紙搬送ドラム33は表面を200μm程度の厚さのゴムで被覆した金属製ローラであり、定着後の記録紙3は記録紙搬送ドラム33に沿って方向D2に搬送される。このとき記録紙3は記録紙搬送ドラム33によって冷却されると共に、画像形成面と逆方向に曲げられて搬送される。これによって記録紙全面に高濃度の画像を形成した場合などに発生するカールを大幅に軽減することができる。その後、記録紙3は蹴り出しローラ35によって方向D6に搬送され、排紙トレイ39に排出される。
34はフェイスダウン排紙部である。フェイスダウン排紙部34は支持部材36を中心に回動可能に構成され、フェイスダウン排紙部34を開放状態にすると、記録紙3は方向D7に排紙される。このフェイスダウン排紙部34は閉状態では記録紙搬送ドラム33と共に記録紙3の搬送をガイドするように、背面に搬送経路に沿ったリブ37が形成されている。
38は駆動源であり、本実施形態ではステッピングモータを採用している。駆動源38によって給紙ローラ18、レジストローラ19、ピンチローラ20、感光体8Y〜8K、および転写ローラ16(図2参照)を含む各現像ステーション2Y〜2Kの周辺部、定着器23、記録紙搬送ドラム33、蹴り出しローラ35の駆動を行っている。
41はコントローラであり外部のネットワークを介して図示しないコンピュータなどからの画像データを受信し、プリント可能な画像データを展開、生成する。後に詳細に説明するように、コントローラ41に搭載されたコントローラCPU(図示せず)は露光装置13Y〜13Kから発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子の光量の計測データを受け取り光量補正データの生成を行なう光量補正手段であるとともに、この光量補正データに基づき有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を設定する光量設定手段でもある。
42はエンジン制御部である。エンジン制御部42は画像形成装置1のハードウェアやメカニズムを制御し、コントローラ41から転送された画像データおよび光量補正データに基づいて記録紙3にカラー画像を形成すると共に、上述した定着器23の加熱ローラ24の温度制御を含む画像形成装置1の制御全般を行っている。
43は電源部である。電源部43は、露光装置13Y〜13K、駆動源38、コントローラ41、エンジン制御部42へ所定電圧の電力供給を行なうと共に、定着器23の加熱ローラ24への電力供給を行っている。また感光体8の表面を帯電するための帯電電位、現像スリーブ(図2参照)に印加する現像バイアス、転写ローラ16に印加する転写バイアスなどのいわゆる高圧電源系もこの電源部に含まれている。エンジン制御部42は電源部43を制御することで、高圧電源のON/OFFのみならず出力電圧値や出力電流値を調整している。
また電源部43には電源監視部44が含まれ、少なくともエンジン制御部42に供給される電源電圧、および電源部43の出力電圧をモニタできるようになっている。このモニタ信号はエンジン制御部42おいて検出され、電源スイッチのオフや停電などの際に発生する電源電圧の低下や、特に高圧電源の出力異常を検出している。
以上のように構成された画像形成装置1について、図1と図2を用いてその動作について説明する。
なお以降の説明において、画像形成装置1の構成および動作全般に関わる説明については主に図1を用い、現像ステーション2Y〜2K、感光体8Y〜8K、露光装置13Y〜13Kのように色を区別して説明するが、露光や現像過程など単色に関わる説明については主に図2を用い、簡単のために現像ステーション2、感光体8、露光装置13のように色を区別せずに説明する。
<初期化動作>
まず画像形成装置1に電源が投入された際の初期化動作について説明する。
電源が投入されるとエンジン制御部42に搭載されたエンジン制御CPU(図示せず)は画像形成装置1を構成する電気的リソース、即ち書込み/読出しが可能なレジスタ、メモリなどのエラーチェックを実行する。このエラーチェックが完了するとエンジン制御CPU(図示せず)は駆動源38の回転を開始する。上述したように駆動源38によって給紙ローラ18、レジストローラ19、ピンチローラ20、感光体8Y〜8K、および転写ローラ16を含む各現像ステーション2Y〜2Kの周辺部、定着器23、記録紙搬送ドラム33、蹴り出しローラ35が駆動される。ただし電源投入直後は記録紙3の搬送にかかわる給紙ローラ18およびレジストローラ19は、これらに駆動力を伝達する電磁クラッチ(図示せず)は直ちにOFFに設定され、記録紙3を搬送することがないように制御されている。
以降図2を中心に説明を続ける。
駆動源38(図1参照)の回転に伴って現像ステーション2の攪拌パドル7a、7bおよび現像スリーブ10も回転を始め、これによって現像ステーション2に充填されたトナーとキャリアからなる現像剤6は現像ステーション2内を周回するとともに、トナーとキャリアの相互の摩擦によってトナーはマイナス電荷を付与される。
エンジン制御CPU(図示せず)は駆動源38(図1参照)の回転を開始して所定時間経過後に、電源部43(図1参照)を制御して帯電器9をONにする。帯電器9によって感光体8の表面は例えば−650Vの電位に帯電される。感光体8は方向D3に回転しており、エンジン制御CPU(図示せず)は帯電領域が現像領域、即ち感光体8と現像スリーブ10の最近接位置に到達した後に、電源部43(図1参照)を制御して現像スリーブ10に例えば−250Vの現像バイアスを印加する。このとき感光体8の表面電位は−650Vであり、現像スリーブ10に印加された現像バイアスは−250Vであるから、電気力線は現像スリーブ10から感光体8の方向を向き、マイナス電荷を有するトナーに作用するクーロン力は感光体8から現像スリーブ10の方向となる。よってトナーは感光体8に付着することはない。
既に述べたように電源部43(図1参照)には高圧電源の出力異常(例えばリークなど)をモニタする機能があり、エンジン制御CPU(図示せず)は帯電器9や現像スリーブ10に高電圧を印加した際の異常をチェックすることができる。
これら一連の初期化動作の最後に、又は後述するような所定の他のタイミングにおいて、エンジン制御CPU91(図7参照)は、露光装置13の光量補正を実行する。エンジン制御部42(図1参照)に搭載されたエンジン制御CPU91はコントローラ41(図1参照)に対して光量補正用のダミーイメージ情報の作成要求を出力する。この作成要求に基づきコントローラ41(図1参照)は光量補正用のダミーイメージ情報を生成し、これに基づいて露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子は初期化の時点で実際に点灯制御される。
本発明に係る画像形成装置1は後に詳細に説明するように、複数の発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)を列状に形成した発光素子列を設けた露光装置13を有し、この露光装置13によって像担持体である感光体8を露光して画像形成を行なう画像形成装置であって、発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)の光量を設定する光量設定手段(上述のコントローラ41に搭載されたコントローラCPU)と、発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)の光量を計測する光量計測手段(上述の露光装置13に設けられた光量センサ)を有する。
更に本発明に係る画像形成装置1は複数の発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)を列状に形成した発光素子列を設けた露光装置13と、この露光装置13によって潜像が形成される感光体8と、この感光体8に形成された潜像を現像して顕画化する現像手段(現像ステーション2を構成する現像スリーブ10)を有しており、これも後に詳細に説明するように、発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)の光量を設定する光量設定手段(コントローラ41に搭載されたコントローラCPU)と、発光素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)の光量を計測する光量計測手段(上述の露光装置13に設けられた光量センサ)を有する。
後述するような所定のタイミングにおいて、露光装置13を構成する露光光源としての有機エレクトロルミネッセンス素子を発光させ、この光量を計測することで、光量ひいては感光体に対する露光量を補正しても感光体8にトナーは付着せずトナーを無駄に消費することはない。更に感光体8と接触回動する転写ローラ16にトナーが付着し、初期化動作に引き続いて行なわれる画像形成において、転写ローラ16に付着したトナーが記録紙3の裏面に付着して記録紙3を汚染することもなくなる。
この光量補正において有機エレクトロルミネッセンス素子を点灯することによって感光体8が露光された領域が現像スリーブ10に近接し、いわゆる現像領域を通過する際、即ち有機エレクトロルミネッセンス素子の光量を計測する計測期間に露光された感光体8の領域に対しては現像スリーブ10に印加する現像バイアスはOFFにしておくことが望ましい。これによって更に効果的に感光体8へのトナー付着を防止することが可能となる。
<画像形成動作>
次に画像形成装置1の画像形成時の動作について引き続き図1に図2を併用して説明する。
コントローラ41に外部からイメージ情報が転送されると、コントローラ41はイメージ情報を印字可能な例えば2値画像データとしてイメージメモリ(図示せず)に展開する。イメージ情報の展開が完了するとコントローラ41に搭載されたコントローラCPU(図示せず)はエンジン制御部42に対して起動要求を発する。この起動要求はエンジン制御部42に搭載されたエンジン制御CPU(図示せず)によって受信され、起動要求を受信したエンジン制御CPU(図示せず)は直ちに駆動源38を回転させて画像形成の準備を開始する。
上述した過程を経て画像形成の準備が完了すると、エンジン制御部42に搭載されたエンジン制御CPU(図示せず)は、電磁クラッチ(図示せず)を制御して給紙ローラ18を回転させ記録紙3の搬送を開始する。給紙ローラ18は例えば全周の一部を欠いた半月ローラであって、記録紙3をレジストローラ19の方向に搬送するとともに、一回転するとその回転を停止する。エンジン制御CPU(図示せず)は搬送された記録紙3の先端が記録紙通紙センサ21で検出すると、所定のディレイ期間を設けた上で電磁クラッチ(図示せず)を制御してレジストローラ19を回転させる。このレジストローラの回転に伴って記録紙3は記録紙搬送路5に供給される。
エンジン制御CPU(図示せず)は、このレジストローラ19の回転を開始のタイミングを起点として、各露光装置13Y〜13Kによる静電潜像の書込みタイミングをそれぞれ独立に制御する。静電潜像の書込みタイミングは画像形成装置1における色ずれなどに直接的に影響するため、この書込みタイミングはエンジン制御CPU(図示せず)が直接発生させることはない。具体的にはエンジン制御CPU(図示せず)は、図示しないハードウェアであるタイマなどに各露光装置13による静電潜像の書込みタイミングを予め設定しておき、上述したレジストローラ19の回転を起点として各露光装置13Y〜13Kに対応するタイマの動作を同時に開始する。各タイマは予め設定された時間が経過すると、コントローラ41に対して画像データ転送要求を出力する。
画像データ転送要求を受信したコントローラ41のコントローラCPU(図示せず)は、コントローラ41のタイミング生成部(図示せず)で生成されたタイミング信号(クロック信号、ライン同期信号など)に同期して2値画像データを各露光装置13Y〜13Kに独立して転送する。このようにして2値画像データが露光装置13Y〜13Kに送られ、この2値画像データに基づき露光装置13Y〜13Kを構成する有機エレクトロルミネッセンス素子の点灯/消灯が制御され各色に対応した感光体8Y〜8Kが露光される。
露光によって形成された潜像は、図2に示すように現像スリーブ10上に供給された現像剤6に含まれるトナーによって顕画化される。顕画化された各色のトナー像は記録紙搬送路5を搬送されてきた記録紙3に順次転写される。4色のトナー像の転写を完了した記録紙3は定着器23に搬送され、定着器23を構成する過熱ローラ24と加圧ローラ25によって挟持搬送され、この熱と圧力によってトナー像は記録紙3に定着される。
形成されるべき画像が複数ページの場合は、エンジン制御CPU(図示せず)は1ページ目の記録紙3の後端を記録紙通過検出センサ21で検出した後、レジストローラ19の回転を一旦停止し、所定の時間経過後に給紙ローラ18を回転させて次の記録紙3の搬送を開始し、更に所定時間経過後に再度レジストローラ19の回転を開始して、次のページの記録紙3を記録紙搬送路5に供給する。このようにレジストローラ19の回転ON/OFFのタイミング制御によって、複数のページにわたって画像を形成する場合に記録紙3の間の紙間を設定することができる。この紙間による時間(以降紙間時間と呼称する)は画像形成装置1の仕様によっても異なるが、一般に500ms程度を設定することが多い。もちろんこの紙間の期間には通常の画像形成動作(即ち露光装置13による感光体8に対する露光動作)が行われることはない。
図3は本発明の実施形態の画像形成装置1における露光装置13の構成図である。以降露光装置13の構造について図3を用いて詳細に説明する。図3において50は無色透明なガラス基板である。本実施形態ではガラス基板50としてコスト的に有利なホウケイ酸ガラスを用いているが、発光素子やガラス基板50上に薄膜トランジスタにより形成される制御回路、駆動回路などの発熱をより効率的に放熱する必要がある場合にはMgO、Al23、CaO、ZnOなどの熱伝導度加成因子を含有するガラス、または石英を用いてもよい。
ガラス基板50の面Aには発光素子として有機エレクトロルミネッセンス素子が図面と垂直な方向(主走査方向)に600dpi(dot/inch)の解像度で形成されている。51はプラスティックまたはガラスで構成される棒レンズ(図示せず)を列状に配置したレンズアレイであり、ガラス基板50の面Aに形成された有機エレクトロルミネッセンス素子の出射光を正立等倍の像として感光体8の表面に導く。レンズアレイ51の一方の焦点はガラス基板50の面Aであり、もう一方の焦点は感光体8の表面となるようにガラス基板50、レンズアレイ51、感光体8の位置関係が調整されている。即ち面Aからレンズアレイ51の近い方の面までの距離L1と、レンズアレイ51の他方の面と感光体8の表面までの距離L2とするとき、L1=L2となるように設定される。
52は例えばガラスエポキシ基板の上に電子回路を構成した中継基板である。53aはコネクタA、53bはコネクタBであり、中継基板52には少なくともコネクタA 53aおよびコネクタB 53bが実装されている。中継基板52は例えばフレキシブルフラットケーブルなどのケーブル56によって露光装置13に外部から供給される画像データや光量補正データ、およびその他の制御信号をコネクタB 53bを介して一旦中継し、これらの信号をガラス基板50に渡す。
ガラス基板50の表面にコネクタを直接実装することは接合強度や多様な環境における信頼性を考慮すると困難であるため、本実施形態では中継基板52のコネクタA 53aとガラス基板50との接続手段としてFPC(Flexible Printed Circuit;フレキシブルプリント回路)を採用し(図示せず)、ガラス基板50とFPCの接合は例えばACF(Anisotropic Conductive Film;異方性導電フィルム)を用いて、予めガラス基板50上に形成された例えばITO(Indium Tin Oxide;錫ドープ酸化インジウム)電極に直接接続する構成としている。
一方コネクタB 53bは、露光装置13を外部と接続するためのコネクタである。一般的にACFなどによる接続は接合強度が問題となる場合が多いが、このように中継基板52上にユーザが露光装置13を接続するためのコネクタB 53bを設けることで、ユーザが直接アクセスするインタフェースに十分な強度を確保することができる。
54aは筐体Aであり金属板を例えば折り曲げ加工により成型したものである。筐体A 54aの感光体8に対向する側にはL字状部位55が形成されており、L字状部位55に沿ってガラス基板50およびレンズアレイ51が配設されている。筐体A 54aの感光体8側の端面とレンズアレイ51の端面を同一面に合わせ、更に筐体A 54aによってガラス基板50の一端部を支持する構造とすることで、L字状部位55の成型精度を確保すれば、ガラス基板50とレンズアレイ51の成す位置関係を精度よく合わせ込むことが可能となる。このように筐体A 54aは寸法精度を要求されるため、金属にて構成することが望ましい。また筐体A 54aを金属製とすることで、ガラス基板50上に形成される制御回路およびガラス基板50上に表面実装されるICチップなどの電子部品へのノイズの影響を抑制することが可能である。
54bは樹脂を成型して得られる筐体Bである。筐体B 54bのコネクタB 53bの近傍には切欠き部(図示せず)が設けられており、ユーザはこの切欠き部からコネクタB 53bにアクセスが可能となっている。コネクタB 53bに接続されたケーブル56を介して既に説明したコントローラ41(図1参照)から露光装置13に画像データ、光量補正データ、クロック信号やライン同期信号などの制御信号、制御回路の駆動電源、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電源などが供給される。
図4(a)は本発明の実施形態の画像形成装置1における露光装置13に係るガラス基板50の上面図であり、図4(b)は同要部拡大図である。以降図4に図3を併用して実施形態におけるガラス基板50の構成について詳細に説明する。
図4においてガラス基板50は厚みが約0.7mmの、少なくとも長辺と短辺を有する長方形形状の基板であり、その長辺方向(主走査方向)には発光素子である複数の有機エレクトロルミネッセンス素子63が列状に形成されている。実施形態ではガラス基板50の長辺方向には少なくともA4サイズ(210mm)の露光に必要な有機エレクトロルミネッセンス素子63が配置され、ガラス基板50の長辺方向は後述する駆動制御部58の配置スペースを含め250mmとしている。また実施形態では簡単のためにガラス基板50を長方形として説明するが、ガラス基板50を筐体A 54aに取り付ける際の位置決め用などのために、ガラス基板50の一部に切り欠きを設けるような変形を伴っていてもよい。
58はガラス基板50の外部から供給される2値画像データ、光量補正データおよびクロック信号やライン同期信号などの制御信号を受け取り、これらの信号に基づいて有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動を制御する駆動制御部であり、これらの信号をガラス基板50の外部から受け取るインタフェース手段とインタフェース手段を介して受け取った制御信号に基づき有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動を制御するICチップ(ソースドライバ61)を含んでいる。
60は中継基板52のコネクタA 53aとガラス基板50とを接続するインタフェース手段としてのFPC(フレキシブルプリント回路)であり、コネクタなどを介さずガラス基板50に設けられた図示しない回路パターンに直接接続されている。既に説明したように露光装置13に外部から供給された、2値画像データ、光量補正データおよびクロック信号やライン同期信号などの制御信号、制御回路の駆動電源、発光素子である有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動電源は、図3に示す中継基板52を一旦経由した後にFPC60を介してガラス基板50に供給される。
63は有機エレクトロルミネッセンス素子であり、露光装置13における露光光源である。実施形態では有機エレクトロルミネッセンス素子63は主走査方向に600dpiの解像度で5120個が列状に形成されており、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63はそれぞれ独立に後述のTFT回路によって点灯/消灯を制御される。
61は有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動を制御するICチップとして供給されるソースドライバであり、ガラス基板50上にフリップチップ実装されている。ガラス面へ表面実装を行なうことを考慮しソースドライバ61はベアチップ品を採用している。ソースドライバ61には露光装置13の外部からFPC60を介して電源、クロック信号、ライン同期信号などの制御関連信号および8bitの光量補正データが供給される。ソースドライバ61は有機エレクトロルミネッセンス素子63に対する駆動電流設定手段である。より具体的には、有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量補正手段であり光量設定手段でもある、コントローラ41(図1参照)に搭載されたコントローラCPU(図示せず)によって生成された光量補正データに基づいて、ソースドライバ61は個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63を駆動するための駆動電流を設定する。光量補正データに基づくソースドライバ61の動作については後に詳細に説明する。
ガラス基板50においてFPC60の接合部とソースドライバ61は、例えば表面にメタルを形成したITOの回路パターン(図示せず)を介して接続されており、駆動電流設定手段たるソースドライバ61にはFPC60を介して光量補正データ、クロック信号、ライン同期信号などの制御信号が入力される。このようにインタフェース手段としてのFPC60および駆動パラメータ設定手段としてのソースドライバ61は駆動制御部58を構成している。
62はガラス基板50上に形成されたTFT(Thin Film Transistor)回路である。TFT回路62はシフトレジスタ、データラッチ部など、有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯/消灯のタイミングを制御するゲートコントローラ(図示せず)、および個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63に駆動電流を供給する駆動回路(図示せず、以降ピクセル回路と呼称する。)を含むとともに、さらには後述する光量センサ57をON・OFFさせるスイッチング回路(選択信号発生回路140)を含んでいる。ピクセル回路は各有機エレクトロルミネッセンス素子63に対して1つずつ設けられ、有機エレクトロルミネッセンス素子63が形成する発光素子列と並列に設けられている。駆動パラメータ設定手段であるソースドライバ61によって、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63を駆動するための駆動電流値がこのピクセル回路に設定される。
TFT回路62を構成するゲートコントローラ(図示せず)には露光装置13の外部からFPC60を介して電源、クロック信号、ライン同期信号などの制御信号および2値画像データが供給され、ゲートコントローラ(図示せず)はこれらの電源および信号に基づいて個々の発光素子の点灯/消灯タイミングを制御する。ゲートコントローラおよびピクセル回路(ともに図示せず)の動作については後に図面を用いて詳細に説明する。また、TFT回路62のセンサ側の構成については後に詳述する。
64は封止ガラスである。有機エレクトロルミネッセンス素子63は水分の影響を受けると発光領域の経時的な収縮(シュリンキング)や、発光領域内に非発光部位(ダークスポット)が生じるなどして発光特性が極端に劣化するため、水分を遮断するための封止が必要である。実施形態ではガラス基板50に接着剤を介して封止ガラス64を貼り付けるベタ封止法を採用しているが、封止領域は一般に有機エレクトロルミネッセンス素子63が構成する発光素子列から副走査方向に2000μm程度が必要とされており、実施形態でも封止しろとして2000μmを確保している。
57は、有機エレクトロルミネッセンス素子63の図4(b)における)上面に形成された光量センサである。この光量センサ57によって個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量が計測される。計測に際しては原則的には有機エレクトロルミネッセンス素子63を一つ一つ個別に点灯して光量を計測する必要があるが、計測の対象となる有機エレクトロルミネッセンス素子63から十分に離間した光量センサには、その発光の影響が殆どない(有機エレクトロルミネッセンス素子63からの出射光が減衰してしまう)ことから、実施形態では光量センサ57を複数の光量センサで構成することで複数の有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を同時に計測することを可能としている。
本実施形態においては、有機エレクトロルミネッセンス素子63、TFT回路62、光量センサ57は、ポリシリコンのモノシリックデバイスとして、集積化して形成されている。すなわち、TFT回路62を構成する低温ポリシリコンの光透過率は比較的高いため、ガラス基板50側から露光光を取り出すいわゆるボトムエミッション構成であっても、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63と対応する光量センサ57を、TFT回路62に隣接させ、埋設させることができる。この場合の光量センサは個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光面の直下全面に形成されるが、その一部に対応して形成してもよい。
複数の光量センサ57の出力は図示しない配線によって、既述したソースドライバ61に入力される。後述する光量センサの出力(光量センサ出力)は、ソースドライバ61において電荷蓄積法による電圧変換を施され、更に所定の増幅率で増幅された後にアナログ−ディジタル変換され、このディジタル変換後のディジタルデータ(以降、光量計測データと呼称する)が、FPC60、中継基板52、ケーブル56(ともに図3参照)を介して露光装置33の外部に出力される。後に詳細に説明するように光量計測データはコントローラ41(図1参照)に搭載されたコントローラCPU(図示せず)にて受信、処理されて8bitの光量補正データが生成される。
図5は本発明の実施形態の画像形成装置1におけるコントローラ41の構成を示すブロック構成図である。以降図5を用いてコントローラ41の動作を説明するとともに、光量補正について更に詳細に説明する。
図5において80はコンピュータである。コンピュータ80はネットワーク81に接続され、ネットワーク81を経由してコントローラ41にイメージ情報や印字枚数や印字モード(例えばカラー/モノクロ)などのプリントジョブ情報を転送する。82はネットワークインタフェースである。コントローラ41はネットワークインタフェース82を介してコンピュータ80から転送されたイメージ情報やプリントジョブ情報を受信し、イメージ情報を印字可能な2値画像データに展開するとともに、逆に画像形成装置側で検出されたエラー情報などをいわゆるステータス情報としてネットワーク81経由でコンピュータ80に送信する。
83はコントローラCPUであり、ROM84に格納されたプログラムに基づきコントローラ80の動作を制御する。85はRAMでありコントローラCPU83のワークエリアとして使用されるとともに、ネットワークインタフェース82を介して受信したイメージ情報やプリントジョブ情報などが一時的に記憶される。
86は画像処理部である。画像処理部86ではコンピュータ80から転送されたイメージ情報とプリントジョブ情報に基づき、ページ単位に画像処理(例えばプリンタ言語に基づくイメージ展開処理、色補正、エッジ補正、スクリーン生成など)を行って印字可能な2値画像データを生成し、これをページ単位にイメージメモリ65に格納する。
66は例えばEEPROMなど書き換え可能な不揮発性メモリによって構成された光量補正データメモリである。
図6は本発明の実施形態の画像形成装置1における光量補正データメモリの内容を示す説明図である。
以降図6を用いて光量補正データメモリにおけるデータ構造およびデータの内容について説明する。
図6に示すように光量補正データメモリ66は第1エリアから第3エリアの三つの領域を有している。それぞれの領域は露光装置13(図3参照)を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子63(図4参照)の個数と等しい5120個の8bitのデータを含み、合計15360バイトを占有している。
まず第1エリアに格納されているデータDD[0]〜DD[5119]について図6に図3と図4を併用して説明する。
既に説明した露光装置13(図3参照)は、その製造工程において露光装置13を構成する個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63(図4参照)の光量を調整する工程を含んでいる。この工程において露光装置13は所定の治具(図示せず)に取り付けられ、露光装置13の外部から供給される制御信号に基づいて、有機エレクトロルミネッセンス素子63が個別に点灯制御される。
更に治具(図示せず)に設けられたCCDカメラによって、感光体8(図3参照)の像面位置における個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の二次元の露光量分布が計測される。治具(図示せず)はこの露光量分布に基づき感光体8上に形成される潜像の電位分布を計算し、更に実際の現像条件(現像バイアス値)に基づいてトナー付着量との相関が高い潜像断面積を計算する。治具(図示せず)では有機エレクトロルミネッセンス素子63を駆動するための駆動電流値を変化させ{既に説明したようにソースドライバ61(図4参照)を介してTFT回路62(図4参照)を構成するピクセル回路にアナログ値をプログラムすることで有機エレクトロルミネッセンス素子63を駆動する電流値を設定することができる。}個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積のどれもが略等しくなるような駆動電流値、即ちピクセル回路への設定値(制御する観点からはソースドライバ61への設定データ)を抽出する。
さて有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光面積および発光面内における発光光量分布が等しく、かつ通常の現像条件を想定した場合、上述の潜像断面積は露光量とほぼ比例する。更に「露光時間を一定としたときの(発光)光量」と「露光量」は同義であり、また一般的に有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光光量と駆動電流値(即ちピクセル回路への設定値)は比例するから、全てのピクセル回路への駆動電流設定を同一とした上で個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光光量を一度計測することで、各有機エレクトロルミネッセンス素子63による潜像断面積を一定にするピクセル回路への設定値(前述のごとくソースドライバ61への設定データ)を計算によって求めることも可能である。
光量補正データメモリ66の第1エリアには、このようにして求めたソースドライバ61への設定データが格納されている。その個数は前述のごとく露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子63の個数と等しい(即ちピクセル回路の個数とも等しい)5120個である。このように光量補正データメモリ66の第1エリアには「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」が格納されている。
次に第2エリアに格納されているデータID[0]〜ID[5119]について図6に図3と図4を併用して説明する。
治具は第1エリアに格納されるデータを取得するとの同時に、露光装置13のソースドライバ61(図4参照)を介して光量センサ57(図4参照)の出力に基づく8bitの光量計測データを取得する。これによって「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」を取得できる。第2エリアにはこの8bitの光量計測データID[n]が格納されている。
さて治具によってID[n]を取得する際の有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動条件は、光量計測時と同等にしておく必要があり、実施形態では後述するように画像形成装置1の1ライン期間(ラスタ期間)である350μsを複数回適用して総計約30msの点灯期間を付与している。
このようにして露光装置13の製造工程において第1エリアおよび第2エリアに格納されるデータが取得され、これらのデータは図示しない電気的な通信手段によって治具から光量補正データメモリ66に書き込まれる。
次に第3エリアに格納されているデータND[0]〜ND[5119]について図6に図3と図4および図5を併用して説明する。
本発明の実施形態に係る画像形成装置1は、光量計測手段としての光量センサ57による計測結果に基づき、有機エレクトロルミネッセンス素子63の各々の光量を略等しく補正する光量補正手段(光量補正部){コントローラCPU83(図5参照)}を有し、この光量補正手段の出力に基づいて、光量設定手段(同じくコントローラCPU83)は画像形成を行なう際の各有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を設定する。第3エリアには光量補正手段たるコントローラCPU83によって画像形成を行なう際の各有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量の設定値、即ち光量補正データが書き込まれる。
実施形態の画像形成装置1では、画像形成装置1の初期化動作、画像形成動作の起動時、紙間、画像形成動作の完了時など、後述するような所定のタイミングにおいて、露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を計測することは既に述べたとおりである。コントローラCPU83はこれらの時点で計測された光量計測データと、露光装置13の製造工程において第1エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」と、同じく露光装置13の製造工程において第2エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」とに基づいて光量補正データを生成する。すなわち、コントローラCPU83は、光量センサ57によって検出された有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を参照し、当該素子の光量を補正する光量補正部として機能する。
以降コントローラCPU83による光量補正データの計算内容について説明するが、本発明のポイントを明確にするため、まず光量計測時の光量を画像形成時と等しくしたと想定して説明する。
第1エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」をDD[n](nは主走査方向における個々の有機エレクトロルミネッセンス素子番号、以下同じ)、第2エリアに格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくした際の光量計測データ」をID[n]、初期化動作などにおいて新たに計測された光量計測データをPD[n]とするとき、第3のエリアに書き込まれる新たな光量補正データND[n]は(数1)に基づきコントローラCPU83によって生成される。尚、光量計測データID[n]は、計測された有機エレクトロルミネッセンス素子の光量に該当するが、光量補正データND[n]は、ソースドライバ61に設定される個々の素子に流される電流値に該当する。
Figure 2007264267
このようにして生成された光量補正データND[n]は一旦光量補正データメモリ66(図5参照)の第3エリアに書き込まれる。以降画像形成に先立って光量補正データND[n]は光量補正データメモリ66からイメージメモリ65(図5参照)の所定の領域にコピーされる。画像を形成するにあたってイメージメモリ65にコピーされた光量補正データND[n]は、2値画像データとともに後述するバッファメモリ88(図5参照)に一時的に蓄積され、プリンタインタフェース87(図5参照)を介してエンジン制御部42(図5参照)に出力される。
光量計測データはソースドライバ61において電荷蓄積法による電圧変換を施される。電荷蓄積法はSN比を向上させるために有効であるが、光量センサ57(図4参照)の出力(電流値)は微小であるため、電荷蓄積にはある程度の蓄積時間を必要とする。これについては後述する。
以降図5に戻って説明を続ける。
88はバッファメモリであり、イメージメモリ65に格納された2値画像データおよび前述の光量補正データは、エンジン制御部42への転送にあたって一旦バッファメモリ88に蓄積される。バッファメモリ88はイメージメモリ65からバッファメモリ88への転送速度と、バッファメモリ88からエンジン制御部42へのデータ転送速度の差を吸収するため、いわゆるデュアルポートRAMによって構成されている。
87はプリンタインタフェースである。イメージメモリ65に格納されたページ単位の2値画像データおよび光量補正データは、タイミング生成部67が生成するクロック信号やライン同期信号と同期してプリンタインタフェース87を介してエンジン制御部42に転送される。
図7は本発明の実施形態の画像形成装置1におけるエンジン制御部42の構成を示すブロック構成図である。以降図7に図1を併用してエンジン制御部42の動作を詳細に説明する。
図7において90はコントローラインタフェースである。コントローラインタフェース90は、コントローラ41から転送される光量補正データ、ページ単位の2値画像データなどを受信する。
91はエンジン制御CPUであり、ROM92に格納されたプログラムに基づき画像形成装置1における画像形成動作を制御している。93はRAMでありエンジン制御CPU91が動作する際のワークエリアとして使用される。94はEEPROMなどのいわゆる書き換え可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリ94には例えば画像形成装置1の感光体8の回転時間、定着器23(図1参照)の動作時間など、構成要素の寿命に関する情報が格納されている。
95はシリアルインタフェースである。記録紙通過検出センサ21(図1参照)や記録紙後端検出センサ28(図1参照)などのセンサ群からの情報や電源監視部44(図1参照)の出力は、図示しないシリアル変換手段によって所定の周期のシリアル信号に変換され、シリアルインタフェース95で受信される。シリアルインタフェース95で受信されたシリアル信号はパラレル信号に変換された後にバス99を介してエンジン制御CPU91に読取られる。
一方給紙ローラ18や駆動源38(ともに図1参照)の起動・停止、給紙ローラ18(図1参照)に対する駆動力伝達を制御する電磁クラッチ(図示せず)などのアクチュエータ群96に対する制御信号や、現像バイアス、転写バイアス、帯電電位などの電位設定を管理する高圧電源制御部97に対する制御信号などは、パラレル信号としてシリアルインタフェース95に送られる。シリアルインタフェース95ではパラレル信号をシリアル信号に変換してアクチュエータ群96、高圧電源制御部97に出力する。このように実施形態では高速に検出する必要のないセンサ入力やアクチュエータ制御信号の出力は全てシリアルインタフェース95を介して行っている。一方ある程度の高速性が要求される例えばレジストローラ19を駆動/停止させるための制御信号はエンジン制御CPU42の出力端子に直接接続されている。
98はシリアルインタフェース95に接続された操作パネルである。ユーザが操作パネル98に対して行なった指示はシリアルインタフェース95を介してエンジン制御CPU91によって認識される。尚、実施形態ではユーザの指示を入力する指示入力手段としての操作パネルを有し、この操作パネルへの入力に基づいて、露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を計測し、光量を補正するようにしてもよい。この指示は外部のコンピュータなどからコントローラ41を経由して与えることももちろん可能である。具体的な使用態様としては、例えば大量の印字を行なった際にユーザが印字面に濃度ムラを発見したような場合に、ユーザが光量の補正を強制的に行なって画質確保を図るような場合が想定される。画像形成装置1が待機中であればユーザはいつでも強制的な光量補正の実行を指示することが可能であるし、画像形成時であっても画像形成装置1をオフラインに遷移させ画像形成を一時的に保留することで、ユーザは光量補正の実行を指示することができる。
いずれにしても指示手段としての操作パネル98などから光量の補正要求が入力されると、エンジン制御CPU91は<初期化動作>で説明したように、画像形成装置1の構成要素の駆動を開始し、コントローラ41に対して光量補正用のダミーイメージ情報の作成要求を出力する。この要求に基づきコントローラ41に搭載されたコントローラCPU83は光量補正用のダミーイメージ情報を生成し、これに基づいて露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子63は点灯制御される。このときに上述した露光装置13に設けられた光量センサ57で、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を検出し、この光量の検出結果に基づいて個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量が略等しくなるように光量の補正を行なう。
次に有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を計測する際の動作について、図7に図1、図5および図6を併用して詳細に説明する。
光量の補正は、後述するように画像形成装置1の起動直後の初期化動作、印字開始前、紙間、印字開始後、操作パネル98などによるユーザ指定時のタイミングで行なわれるが、簡単のために画像形成装置1の初期化動作時点で光量の計測を実行する場合について説明する。また実施形態の画像形成装置1はフルカラー画像を形成可能に構成されたものであり、既に説明したように4色に対応した露光装置13Y〜13K(図1参照)を有しているが、これも簡単のために1色に対する動作のみを説明し、露光装置13のように記載する。また以下に示す状況において例えば駆動源38(図1参照)や現像ステーション2(図2参照)などは、<初期化動作>にて既に詳細を示したように既に起動されているものとする。
画像形成装置1において画像形成動作を管理しているのはエンジン制御部42であるため、光量の補正シーケンスはエンジン制御部42のエンジン制御CPU91によって起動される。まずエンジン制御CPU91はコントローラ41に対して、画像形成に係る正規の2値画像データとは異なるダミーイメージ情報の作成要求を出力する。
エンジン制御部42とコントローラ41は双方向のシリアルインタフェース(図示せず)で接続されており、リクエストコマンド(要求)およびこれに対するアクノリッジ(応答情報)を相互にやり取りすることができる。エンジン制御CPU91が発するダミーイメージ情報の作成要求は、この双方向のシリアルインタフェース(図示せず)を用いてバス99を経由しコントローラインタフェース90からコントローラ41に出力される。
この要求に基づいてコントローラ41に搭載されたコントローラCPU83はダミーイメージ情報、即ち光量の計測に用いる2値画像データをイメージメモリ65に直接的に作成する。更にコントローラCPU83は光量補正データメモリ66の第1エリア(図6参照)に格納された「初期状態において個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63によって形成される潜像断面積を等しくするためのソースドライバ61の設定値」DD[n](n:0〜5119)を読出し、この値をイメージメモリ65の所定領域に書き込む。これらの処理を完了するとコントローラCPU83はプリンタインタフェース87を介して応答情報をエンジン制御部42に出力する。
さて上述の応答情報を受信したエンジン制御部42のエンジン制御CPU91は、直ちに露光装置13に対して書込みタイミングを設定する。即ちエンジン制御CPU91は図示しないハードウェアであるタイマなどに露光装置13による静電潜像の書込みタイミングを設定し、応答情報を受信したら直ちにタイマの動作を開始する(この機能はもともと複数の露光装置13の色毎の起動タイミングを定めるためのものである。光量の計測においてはこのような厳密なタイミング設定は不要であり、例えばタイマに0を設定してもよい)。各タイマは予め設定された時間が経過すると、コントローラ41に対して画像データ転送要求を出力する。画像データ転送要求を受信したコントローラ41はコントローラインタフェース90を介してタイミング生成部67で生成されたタイミング信号(クロック信号、ライン同期信号など)に同期して2値画像データを露光装置13に転送する。これと同時に既にイメージメモリ65に書き込まれた光量の設定値も上述のタイミング信号に同期して露光装置13に転送される。
このようにタイミング信号に同期して転送された2値画像データは露光装置13のTFT回路62に入力され、同時に光量の設定値は露光装置13のソースドライバ61に入力される。露光装置13では入力された2値画像データ、即ちON/OFF情報に基づいて該当する有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯と消灯が制御される。そしてこのときの個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量は光量センサ57で計測される。
以上述べたようにして有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯が制御され、その光量が光量センサ57によって計測される。光量センサ57の出力(アナログ電流値)はソースドライバ61において電荷蓄積法によって電圧に変換され、所定の増幅率で増幅された後、アナログ−ディジタル変換を施されて8bitの光量計測データ(ディジタルデータ)としてソースドライバ61から出力される。
ソースドライバ61から出力された光量計測データはコントローラインタフェース90を経由してエンジン制御部42からコントローラ41に転送され、コントローラ41のコントローラCPU83によって受信される。
図8は本発明の実施形態の画像形成装置1における露光装置13の回路図である。以降図8を用いてTFT回路62およびソースドライバ61による点灯制御についてより詳細に説明する。
TFT回路62はピクセル回路69とゲートコントローラ68とに大別されている。ピクセル回路69は個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63に対して一つずつ設けられており、有機エレクトロルミネッセンス素子63のM画素分を一つのグループとしてガラス基板50上にNグループ設けられている。
実施形態においては一つのグループを8画素(即ちM=8)とし、このグループを640個としている。従って全画素数は8×640=5120画素となる。各ピクセル回路69は有機エレクトロルミネッセンス素子63に電流を供給して駆動するドライバ部70と、有機エレクトロルミネッセンス素子63を点灯制御するにあたってドライバが供給する電流値(即ち有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動電流値)を内部に含むコンデンサに記憶させる、いわゆる電流プログラム部71を有しており、予め所定のタイミングでプログラムされた駆動電流値に従って有機エレクトロルミネッセンス素子63を定電流駆動することができる。
ゲートコントローラ68は入力された2値画像データを順次シフトするシフトレジスタと、シフトレジスタと並列に設けられシフトレジスタに所定の画素数の入力が完了した後にこれらを一括して保持するラッチ部と、これらの動作タイミングを制御する制御部からなる(共に図示せず)。ゲートコントローラ68はコントローラ41から2値画像データ(画像形成時はコントローラ41によって変換されたイメージ情報、光量計測時はコントローラ41によって変換されたダミーイメージ情報)を渡され、この2値画像データ即ちON/OFF情報に基づいてSCAN_AおよびSCAN_B信号を出力し、これによってピクセル回路69に接続された有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯/消灯を行なう期間および、駆動電流を設定する電流プログラム期間のタイミングを制御する。
一方ソースドライバ61は内部に有機エレクトロルミネッセンス素子63のグループ数Nに相当する数(実施形態では640個)のD/Aコンバータ72を有している。ソースドライバ61はFPC60を介して供給された8bitの光量補正データに基づいて、個々の有機エレクトロルミネッセンス素子63に対する駆動電流を設定する。
図9は本発明の実施形態の画像形成装置1における露光装置13に係る電流プログラム期間と有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯期間を示す説明図である。以降図9に図8を併用して実施形態の点灯制御について更に詳細に説明する。以降説明を簡単にするために8画素から成る一つの画素グループ(例えば図9の「主走査方向における画素番号」=1〜8)について説明を行なう。
実施形態では露光装置13の1ライン期間(ラスタ期間)は350μsに設定されており、この1ライン期間のうち1/8(43.77μs)を電流プログラム部71に形成されたコンデンサに対し駆動電流値を設定するプログラム期間として当てている。
まずゲートコントローラ68(図8参照)は画素番号=1の画素に対してSCAN_A信号をONに、SCAN_B信号をOFFにしてプログラム期間を設定する。プログラム期間にソースドライバ61(図8参照)に内蔵されたD/Aコンバータ72には8bitの光量補正データが供給されており、この供給されたディジタルデータをD/A変換したアナログレベル信号によって電流プログラム部71(図8参照)のコンデンサが充電される。このプログラム期間はゲートコントローラ68に入力される2値画像データのON/OFFに係らず実行される。これによって電流プログラム部71に形成されたコンデンサには、8bitの光量補正データに基づくアナログ値が1ライン期間の都度、毎回書き込まれる。即ち電流プログラム部71に形成されたコンデンサの蓄積電荷は常にリフレッシュされ、これに基づき決定される有機エレクトロルミネッセンス素子63の駆動電流は常に一定に保たれるのである。
プログラム期間が完了するとゲートコントローラ68(図8参照)は直ちにSCAN_A信号をOFFに、SCAN_B信号をONに切り替えて点灯期間を設定する。既に説明したようにゲートコントローラ68(図8参照)には画像形成時、光量計測時に応じて2値画像データが供給されており、点灯期間であっても画像データがOFFの場合、有機エレクトロルミネッセンス素子63は点灯しない。一方画像データがONの場合、有機エレクトロルミネッセンス素子63は残りの306.25μs(350μs−43.75μs)の期間、点灯を継続する(実際は制御信号の切り替わり時間が存在するため発光時間は若干短くなる)。既に述べたように実施形態では有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を計測する際は30msの計測期間を想定しているから、光量計測時の点灯回数は例えば100回(即ち100ライン)となるように、コントローラ41でダミーイメージ情報が生成されることとなる。
一方、図9に示す画素番号=1のピクセル回路69(図8参照)に対するプログラム期間が終了すると、ゲートコントローラ68(図8参照)は直ちに画素番号=8のピクセル回路69(図8参照)に対する電流プログラム期間を設定する。以降、画素番号1のピクセル回路に対する手順と同様に、画素番号8のピクセル回路に対するプログラム期間が完了すると直ちに当該画素番号の有機エレクトロルミネッセンス素子63(図8参照)の点灯期間に移行する。
このようにしてゲートコントローラ68(図8参照)は主走査方向における画素番号=「1→8→2→7→3→6→4→5→1....」の順にプログラム期間と点灯期間を設定していく。このような点灯順序とすることで、隣接する画素グループ間において最も近い画素の点灯タイミングが時間的に近接するため、1ライン形成時の画像段差を目立たなくすることができる。
さて、ここで電流プログラム期間にピクセル回路69(図8参照)に設定される値は、前述のとおり例えば8bitの光量補正データである。有機エレクトロルミネッセンス素子63(図8参照)は例えばスピンコートなどによる塗りプロセスによって作成されるため、隣接画素相関は極めて高くなる。この効果により特定の有機エレクトロルミネッセンス素子63(図8参照)の近傍にある有機エレクトロルミネッセンス素子63(図8参照)の発光輝度は殆ど同じになる。従ってこれら近傍の有機エレクトロルミネッセンス素子63(図8参照)に対する光量補正データの相関も非常に高いため、例えば画素番号=1の光量補正データと画素番号=8の光量補正データは大きく変わらないのである。
ゲートコントローラ68(図8参照)が制御する電流プログラム期間においては、ピクセル回路69(図8参照)に光量補正データに従った電流値を供給して、ピクセル回路69(図8参照)内のコンデンサをいわゆる定電流源にて充電することになり、充電に必要な時間は(数2)となる。
Figure 2007264267
(数2)によれば、充電時間は静電容量と比例しており、配線引き回しに伴う配線容量の増大によって静電容量Cが大きくなると充電時間が大きくなってしまう。実施形態ではソースドライバを発光素子列の延長線上の位置であり、かつガラス基板50の長辺方向の端部に配置するために、ソースドライバ61(図8参照)から最も遠い画素グループでは、通常であれば配線容量による充電遅延が懸念される。
しかし実施形態ではソースドライバ61(図8参照)によって供給されるのは、光量補正データであり、前述したように1つの画素グループ内では光量補正データの値は同一性が高いため、同一の画素グループ内では(数2)におけるVが殆ど変化しない。結局、電流プログラムの過程では順次選択される画素番号間でのVの差が充電時間を支配するが、もともと選択された画素番号間でのVの差は非常に小さいため、充電時間は極めて短くなるのである。従ってソースドライバ61(図8参照)からの配線長が長くなることに起因する電流プログラム期間の時間的不足については、実施形態においては殆ど問題がなくなり、これまで説明してきたようにソースドライバ61(図8参照)とピクセル回路69(図8参照)間の距離を大きく離せることとなる。
この辺りの事情は、電流プログラム法を用いて各画素単位に駆動電流を設定し、各画素単位に64階調、256階調といった多階調を再現するディスプレイとは大きく異なっており、2値画像データに基づいて点灯/消灯を制御し、多値の光量補正データに基づいて電流プログラム法で駆動電流を設定することが可能な露光装置13ならではのメリットであるといえる。
<光量補正動作>
次に、光量計測データを得るための、光量センサ57及びその周辺部材の構成並びに光量計測データの取得動作について詳細に説明する。
図10は、有機エレクトロルミネッセンス素子63及びそれに対応した光量センサ57、並びに光量センサ57に対しスイッチング作用を施す選択信号発生回路(スイッチング回路)140を示す。本実施形態では、上述したように、有機エレクトロルミネッセンス素子63が主走査方向に600dpiの解像度で5120個が列状に形成されている。そして、当該素子に対応して、同じく5120個の光量センサ57が形成されている。各光量センサ57(光量センサを含むセンサピクセル回路130:図11参照)は、選択線SelXを介し、各々選択信号発生回路140に接続されるとともに、ドライバ線RoXを介してソースドライバ61に接続されている(図11)。尚、選択線SelX、ドライバ線RoXは、選択信号発生回路140とともに、TFT回路62内に一体集積化され、形成されている。
選択信号発生回路140は、所定のタイミングにてコントローラ41からセンサ駆動の指示を受信し、センサ駆動信号を各センサピクセル回路130の選択トランジスタ132に出力するものである。選択信号発生回路140は、時系列に従って各センサピクセル回路130にセンサ駆動信号を出力するが、例えば、通常の二系列のシフトレジスタ(D型フリップフロップの接続)と一つの三入力AND回路から構成された出力回路を、各センサピクセル回路毎に割り当てることにより構成されうる。このような構成は一般的な選択信号発生回路と同様である。
そして、本実施形態では、16個の光量センサ57によって一つのセンサグループ120が構成されている。図示の様に各グループ内の各々の光量センサ57には、1から16までのグループ内センサ素子番号が付与されている。さらに本実施形態では、主走査方向に並んだセンサグループ群が、主走査方向にグループ1aからグループ1pという16個のセンサグループごとにカテゴリ分けされている。そして、各カテゴリ内の同じアルファベットを付与されたグループは、同じドライバ線RoXに接続されている。例えばグループ1a,2a・・・20a(合計20グループ)は、ドライバ線Ro1に接続され、グループ1p,2p・・・20pは、ドライバ線Ro16に接続されている。
各ドライバ線RoXは、図11に示すようにソースドライバ61内に設けられたチャージアンプ150に接続されている。すなわち総てのドライバ線RoX各々に対応して、合計16個のチャージアンプ150が、ソースドライバ61内に設けられている。一方、選択信号発生回路140は、図8に示したゲートコントローラ68と同様、TFT回路62内に形成されている。選択信号発生回路140(及び選択トランジスタ132:図11)は、後述する所定のタイミングにて光量センサを駆動するためのセンサ駆動信号を、選択線SelXを介してセンサピクセル回路130に入力するスイッチング回路として機能する。一方、チャージアンプ150(及びコンデンサ131:図11)は、光量センサを実際に駆動するセンサ駆動回路として機能する。そして、光量センサ57と、コンデンサ131と、チャージアンプ150より、有機エレクトロルミネッセンス素子63が出射する光の光量を計測する光量計測部が構成される。
図10、図11に示した構成を用いて、後述する所定のタイミングにおいて光量補正が実行される。この際、各光量センサからの光量センサ出力、ひいては光量計測データが読み出されるのであるが、その際のシーケンスは以下のようである。ただし、読み出しのシーケンスについては特に限定はされない。
(1)まず、ドライバ線Ro1に接続されたセンサグループの全光量センサから光量計測データが読み出される。すなわち、グループ1a,2a・・・20aの順で光量計測データが読み出される。選択線の順番では、Sel1,Sel2,・・・Sel16,Sel257,Sel258・・・Sel4864,Sel4865・・・Sel4879,Sel4880となり、この順で、選択信号発生回路140からのセンサ駆動信号がONとなる。
(2)上記(1)の読み出しは、全ドライバ線RoXで並行して行なわれる。すなわち、ドライバ線Ro1からRo16総てを介して、上述の読み出し操作が並行して同時に実行される。これにより、すべてのセンサ素子に対応して、すなわちすべての有機エレクトロルミネッセンス素子63についての光量計測データが読み出される。
図11は、光量センサ57の周辺部を拡大して示すと共に、光量センサ57とチャージアンプ150との接続関係、及び光量センサ57と有機エレクトロルミネッセンス素子63との間の作用の関係を示す図である。
各選択線SelXは、光量センサ57と、当該光量センサ57に並列に接続され、容量素子を構成するコンデンサ131と、光量センサ57及びコンデンサ131と直列に接続されたスイッチング用の選択トランジスタ132より構成されるセンサピクセル回路130に接続されている。選択トランジスタ132は、選択信号発生回路140とともに光量センサのスイッチング回路を構成する。選択線SelXは選択トランジスタ132に接続され、選択信号発生回路140から出力されたON・OFF信号からなるセンサ駆動信号が、選択トランジスタ132に入力され、当該駆動信号に従い、選択トランジスタ132はON・OFF動作を行なう。
そして、合計20グループ(グループ番号1から20)のセンサグループ120、言い換えると合計320個のセンサピクセル回路(16 x 20)が、一つのドライバ線RoXに接続され、各ドライバ線RoXは、ソースドライバ61内に設けられたチャージアンプ150に接続されている。チャージアンプ150は、増幅器151と、容量素子を構成するコンデンサ152と、充放電選択トランジスタ153より構成されている。さらにチャージアンプ150の増幅器151は、ソースドライバ61内に設けられたアナログ・ディジタル変換器(ADC)160に接続されている。チャージアンプ150は、センサピクセル回路130のコンデンサ131と協同してセンサ駆動回路を構成する。
図12は、図11で示された各部分での動作を示すタイミングチャートである。すなわち、上述した(1)のシーケンス中において、各光量センサ57毎に行なわれる光量計測データの読み出し動作のタイミングチャートに該当する。上述したように、光量計測データの基礎となる光量センサ出力は、ソースドライバ61において電荷蓄積法による電圧変換を施され、更に所定の増幅率で増幅された後にアナログ−ディジタル変換されることにより生成されるが、以下のタイミングチャートは当該工程に該当する。
光量センサ57の光量センサ出力に基づく光量計測データは、図12(a)乃至(g)のタイミングチャートに示すように、選択トランジスタ132のスイッチングを契機とし、予めコンデンサ131に蓄積された電荷を、有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量センサへの光の照射により抽出し、失われた電荷を補うために用いられたコンデンサ152の電荷に基づいて測定する。従って、本実施形態では、有機エレクトロルミネッセンス素子63の光照射により失われた電荷が基礎となる光量センサ出力に該当する。
ここで、図12(a)は、チャージアンプ150内のコンデンサ152のチャージの状態(充電状態)を示す図、図12(b)は選択トランジスタ132の動作を示す図、図12(c)は有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯タイミングを示す図、図12(d)はコンデンサ131の前段・後段の電位差(Vs)を示す図、図12(e)は増幅器151の出力電圧(Vro)を示す図、図12(f)はアナログ・ディジタル変換器(ADC)160による出力電圧(Vro)の読み出し動作を示す図、図12(g)は最終的に有効に光量計測データが得られた状態を示す図である。
まず、選択線SelXを介し、所定のタイミングにて選択信号発生回路140からON信号を受信することにより、選択トランジスタ132がONとなり(図12(b)参照)、図12(d)に示すようにコンデンサ131がチャージされ、コンデンサ131の前後に初期電圧Vrefが発生する(S1:リセットステップ)。
そして、選択トランジスタ132がOFFとなると(図12(b)参照)、コンデンサ131にチャージされた電荷が、光量センサ57を流れる光電流Isにより放電され減少するとともに、図12(d)に示すように、コンデンサ131の初期電圧Vrefは徐々に減少する(S2:光照射放電ステップ)。
そして、この状態で予め定められた時間経過後、チャージアンプ150の充放電選択トランジスタ153がOFFとなり(図12(a)参照)、コンデンサ152の電荷が移動可能となり、チャージアンプ150は有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を測定可能な状態となる(S3:測定開始ステップ)。
さらに充放電選択トランジスタ153がOFFとなったのを契機として、選択トランジスタ132がONとなり(図12(b)参照)、ステップS2で電荷が失われたコンデンサ131に、チャージアンプ150のコンデンサ152から電荷が供給される。その結果、コンデンサ131の前後に再び初期電圧Vrefが発生するとともに(図12(d)参照)、図12(e)に示すようにチャージアンプ150の増幅器151の出力電圧Vr0が上昇する(S4:電荷転送ステップ)。尚、この期間も光量センサ57の光電流は流れ、Vr0は上昇する。
その後、選択トランジスタ132が再びOFFとなり、Vr0が確定する。この確定した電圧を、アナログ・ディジタル変換器(ADC)160が、読み取り信号(図12(f)参照)に連動して読み取ることにより、図12(g)に示すように有効な光量計測データの読取動作が完了する(S5:リードステップ)。
尚、上述のステップS2及びS3を合わせた時間(蓄積時間)、すなわち、チャージアンプ150の充放電選択トランジスタ153をOFFとし、直後に選択トランジスタ130をONとするタイミングの設定については、画像印刷装置の待ち時間を短縮するという観点からは、できるかぎり短いことが好ましい。しかしながら、所定のSN、電圧検出分解能を確保するという観点からは、Vr0をなるべく大きくとることが望ましく、この場合できるだけ長い蓄積時間を確保することが要求される。従って、蓄積時間についてはこれら両方の観点から設定される。蓄積時間は有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯時間及び点滅回数(図12(c)参照)、上述(1)のシーケンスで説明した光量センサの数、グループの数により決定される。
図13は、光量補正に際し、有機エレクトロルミネッセンス素子の光量計測を実施するタイミングの種々の例を示す図である。本図では、画像形成装置の初期化(イニシャライズ)工程、連続印字工程、待機中の三つの時期に、光量補正の一環である光量計測を行なうタイミングを設定した例である。図示の(1)が初期化(イニシャライズ)工程中の光量計測、(3)、(4)が連続印字工程中の光量計測、(5)が待機中の光量計測である。(2)は、初期化工程及び連続印字工程の間の光量計測である。
初期化工程は、電源オンの後に、画像形成装置が印字の準備を行なう工程である。初期化工程においては、通常、(a)電源オンと同時に、(e)加熱ローラの加熱が開始する。その後、(d)感光体の駆動モータ(図示せず)の駆動と同時に、(f)帯電器による感光体の表面の帯電が開始する(帯電電位VOの発生)。さらにその後、(g)現像ステーションにより現像バイアス電位VBが現像剤に付与される。
(d)、(f)、(g)のステップが実行(オン)されているときにおいて有機エレクトロルミネッセンス素子63を発光すると、当該発光により露光された感光体の表面が露光電位VLに設定されてしまい、現像剤が感光体上に移動可能な状態となってしまう。この現象により記録紙が汚れてしまうことを防ぐため、(d)、(f)、(g)のステップ実行時には有機エレクトロルミネッセンス素子の光量計測は実施しない、すなわち素子を発光させないこととする。本例では、ステップ(d)、(f)の前に有機エレクトロルミネッセンス素子を発光させ(c)、光量計測(1)を実行する。(2)及び(5)の光量計測も同様の理由で実行可能である。
また、連続印字工程の最中でも、(3)、(4)の光量計測が実行可能である。特にこの間では(d)、(f)、(g)のステップが実行されているが、記録紙が搬送されてきていないので、一応光量計測は実行可能であると考えられる。しかしながら、特に以下に述べる問題が発生するおそれがある。
図14は、本発明の画像形成装置において、有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量補正を実施する際に発生しうる問題点を、改めて模式的に示したものである。本実施形態では、感光体8の表面電位(帯電器9による帯電電位)VOは−650Vに設定され、現像させるための現像バイアス電位(現像剤を用いて静電潜像を可視化する際に、感光体8と現像ステーションとの間に発生する電圧:現像スリーブ10の電位)VBは−250Vに設定され、露光装置13によって露光された感光体の部分の電位である露光電位VLは、−50Vに設定される。そして、有機エレクトロルミネッセンス素子63から、図11にて示したように光量計測データを取得するため光が発せられた場合も、露光電位VLは、−50Vに設定される。ただし、この光はあくまで光量補正のため、記録紙3に画像を形成するための光ではない。
しかしながら、この光によっても、露光後電位VLが−50Vに設定されるため、感光体8上に静電潜像が形成されるおそれがある。その場合、クーロン力により現像ステーション2(より具体的には図2に示す現像スリーブ10)から現像剤が移動し、感光体8上に現像剤(キャリアとトナー)が付着してしまう可能性は否定できない。記録紙3が供給されていないため、付着した現像剤は転写ローラ16に到達し、現像剤が無駄に消費されると共に、当該転写ローラ16を汚染することとなる。現像剤によって汚染された転写ローラ16は記録紙3の汚れ(特に裏面)の原因となる。また、一旦記録紙3の裏面に付着した現像剤は定着器23(図1参照)を構成する加圧ローラ25をも汚すため、加圧ローラ25と加熱ローラ24の間に記録紙3が巻きつくトラブルの発生原因ともなる。このような問題は、図13で説明した連続印字工程中に光量計測を行なった場合に特に問題となる。
そこで、本発明では、光量補正のための有機エレクトロルミネッセンス素子63の発光に連動した光量計測を行なうタイミングに基づいて、記録紙3に形成される画像の基礎となる基礎像を感光体上に形成することを禁止する。ここで、「基礎像の形成禁止」とは、感光体8上に静電潜像を形成することを禁止する(潜像形成禁止)ことのみならず、感光体8上に形成された静電潜像への現像剤の供給、現像剤に含まれるトナーの移動を禁止する(現像禁止)ことの双方を含む。なお、既に図2を用いて説明したように現像剤はトナーとキャリアを含み、これまでの説明および以降の説明は、いわゆる二成分現像を前提としたものであるが、現像剤がトナーのみ(より正確には電荷制御剤や、流動性を維持するためなどに必要な所定の外添剤を含む)から構成される、いわゆる一成分現像の場合であっても、光量計測によってトナーによる汚染が生じる点は全く同じである。さらに本発明は、転写ローラ16への現像剤の付着を防止するようにもしている。本発明によれば、光量計測時(非画像形成時)に感光体8又は転写ローラ16上への現像剤(トナー)付着を防止することが可能となるため、現像剤の消費防止、用紙汚れや加圧ローラ24への記録紙の巻き込みを防止することが可能となる。以下、このような効果を達成するための構成に関する種々の実施形態を説明する。
尚、「光量計測タイミング」は「光量補正タイミング」の一部をなし、光量補正前の有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を計測するタイミングである。その後の光量補正データの作成などは任意のタイミングにて実行可能である。また、以下の実施形態では、エンジン制御部42のエンジン制御CPU91(ともに図7参照)が、図13に示したような所定の光量計測タイミングに基づいて、感光体8、帯電器9、現像ステーション2、転写ローラ16各々を、各実施形態の動作に従って制御する。従ってエンジン制御CPU91は、光量計測タイミングに基づいて、各種ハードウェアを制御する。すなわち、エンジン制御部91は、光量センサ57が有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を計測する光量計測タイミングに基づいて、静電潜像の感光体8上への形成、又は感光体8上に形成された静電潜像上への現像剤の供給を禁止する制御部として機能する。また、図13示したような各種光量計測タイミングについてのプログラムは、ROM92(図7参照)に記憶させておくことができる。
(第1の実施形態)
図15は、本発明の第1の実施形態を模式的に示す図である。本実施形態においては、感光体3から現像ステーション2を、上述の光量計測のタイミングに基づいて離間させる構成を有する。このような構成は、例えば図16に示した移動機構により実現される。本機構においては、現像ステーション2の感光体8とは逆側に位置する本体端部に、現像当接カム210が当接させられている。当該現像当接カム210は、画像形成装置内に設けられた図示せぬステッピングクラッチに接続されている。また、現像ステーション2の本体側部における、感光体8に近い側に現像側バネかけボス212が設けられ、画像形成装置の本体からは本体側バネかけボス213が設けられ、二つのボスの間に引っ張りバネ211が張り渡されている。
通常状態では、図16(a)のように、現像ステーション2は引っ張りバネ211の引っ張り作用により矢印B1方向に付勢され、現像当接カム210に当接されつつも、現像ステーション2は感光体8に当接し、現像剤(トナー)が現像ステーション2から感光体8に移動可能となっている。そのため光量計測補正時に図14で示した問題が生じ得る。しかしながら、本発明では、光量計測のタイミングに基づいて、現像ステーション2が図16(a)に示した位置(当接状態)から図16(b)に示した位置(離間状態)まで移動可能な構成になっている。すなわち、光量計測のタイミングに基づき、エンジン制御CPU91の光量計測開始命令を受けたステッピングクラッチの作用により現像当接カム210が矢印Aで示すように180度回転し、現像ステーション2が、さらに矢印B2の方向に水平移動する。これにより現像ステーション2が感光体8から離間し、現像剤が現像ステーション2から感光体8に移動することを防ぐことができる(現像禁止)。第1の実施形態では感光体8に対して現像スリーブ10を離接するよう制御するため、現像方式に依存せず(すなわち一成分現像であっても、二成分現像であっても)感光体8に形成された静電潜像の現像を禁止することができる。
(第2の実施形態)
図17は、本発明の第2の実施形態を模式的に示す図である。本実施形態においては、現像ステーション2のマグネットロール12の磁極位置を変更させることにより、現像スリーブ10に付着した現像剤の現像位置(現像スリーブから感光体への移動位置)での量を減らし、感光体8への移動を防止するものである。すなわち第2の実施形態は2成分現像を採用した場合に効果を発揮する。
通常状態では、図17(a)のように、現像スリーブ10の表面に供給された現像剤6(トナー)は、感光体8への移動が可能である。本実施形態では、現像スリーブ10の表面に担持された現像剤を所定の現像位置で感光体8へ移動させる第1極がN極であり、現像剤を現像スリーブ10の表面に担持させて所定の現像位置まで搬送させる第2極がS極である。そして、本発明では、光量計測のタイミングにおいて、エンジン制御CPU91の光量計測開始命令を受けた本体側に設けられたソレノイド(図示せず)にて、図17(b)のようにマグネットロール12を回転させる(矢印C方向)。この動作により、第1、第2の磁極位置が変更される。これにより、現像位置での現像剤(キャリア)の穂立ち高さが変わるため、感光体8と現像剤間が非接触状態になり、現像剤(トナー)が現像ステーション2から感光体8に移動することを防ぐことができる(現像禁止)。
(第3の実施形態)
図18は、本発明の第3、第4の実施形態を模式的に示す図である。第3の実施形態においては、帯電器9により生ずる感光体8の表面電位VOを、通常状態より上昇させることにより、現像バイアス電位VBと露光電位VLの差を縮め、現像剤の感光体8への移動を防止するものである。
本実施形態では、図18(a)に示すように、光量計測のタイミングにおいて、感光体8の表面電位VOを、通常状態の−650V(図14参照)から−800Vに上昇させる(−200Vの上昇)。これはエンジン制御CPU91の光量計測開始命令を受けた図示せぬ帯電器電源(図1に示す電源部43に含まれる高圧電源)より帯電器9に与えられる電圧を上げることより達成される。そして表面電位の上昇に伴い、露光装置13による露光電位VLも同様に通常状態の−50V(図14参照)から−200Vまで上昇する。
画像形成装置の置かれる様々な温度・湿度などの環境条件に対応するため(静電潜像の安定性を向上させるため)、一般には露光装置13による露光量は感光体8の表面電位を−50Vまで低下させるのに最低限必要な露光量よりも大きく設定されているが(場合によっては数倍程度)、このような過剰な露光量ではなく、例えば最低限必要な露光量の1.2倍程度とすることで、露光電位(VL)を帯電電位(Vo)の上昇に伴って上昇させることが可能となる。一方、現像バイアス電位VBは変化しないため、結果的に現像バイアス電位VBと露光電位VLの差(現像ポテンシャル)が、通常の200V(=250V−50V:図14参照)から50V(=250−200)へと減少する。これにより、トナーに作用するクーロン力が小さくなるため、現像剤(トナー)の感光体8への移動が生じにくくなる(現像禁止)。
尚、表面電位の上昇電位量は特には限定されず、現像剤の感光体8への移動が生じにくくなればよい。また、表面電位の上昇電位量と露光電位の上昇量は、必ずしも等しくはならないが、上述したように露光装置13の露光量の調整によってほぼ同等にすることができる。
(第4の実施形態)
第4の実施形態においては、現像ステーション2の現像スリーブ10により与えられる現像バイアス電位VBを通常状態より下降させる(ただし感光体8が帯電されている部分に対して、現像バイアス電位VBを0V(すなわちOFF状態)にするべきではない。このようにすると現像剤に含まれるキャリアが感光体8に付着(いわゆるキャリア飛び)しやすくなる)ことにより、現像バイアス電位VBと露光電位VLの差を縮め、現像剤の感光体8への移動を防止するものである。
本実施形態では、図18(b)に示すように、光量計測補正のタイミングにおいて、現像バイアス電位VBを、通常状態の−250V(図14参照)から−150Vに下降させる(100Vの下降)。これはエンジン制御CPU91の光量計測開始命令を受けた図示せぬ現像バイアス電源(図1に示す電源部43に含まれる高圧電源)より現像スリーブ10に与えられる電圧を下げることより達成される。一方、露光電位VLは変化しないため、結果的に現像バイアス電位VBと露光電位VLの差(現像ポテンシャル)が、通常の200V(=250V−50V:図14参照)から100V(=150−50V)へと減少する。これにより、トナーに作用するクーロン力が小さくなるため、現像剤(トナー)の感光体8への移動が生じにくくなる(現像禁止)。現像バイアス電位の下降電位量は特には限定されず、現像剤の感光体8への移動が生じにくくなればよい。また現像バイアスとして直流バイアスに交流成分を重畳する、いわゆる交流バイアスを採用しているような場合にあっては、例えは交流成分のみをOFFにするようにしてもよい。上述の現像バイアスを積極的に変化させる場合と比較して、現像禁止の効果は小さいものの、現像バイアスの電圧値を制御するための部材(電圧可変な高圧電源)が不要となるためコスト的なメリットがある。
更に図18に示すように帯電器9の上流側に除電器(符号は付与せず)を有する構成においては、以下のような手順を踏めば現像バイアスを完全にOFFとして現像禁止を実現することが可能である。
i)光量計測のタイミングに応じて帯電器9をOFFにする(帯電器9をOFFにすることで、それ以降、感光体8は除電器によって完全に光暴露された状態になる)。
ii)感光体8の非帯電領域が露光装置13による露光位置に到達した時点で光量計測を開始する(このとき露光位置に対応する感光体8の部分は帯電されていないため、露光装置13により露光しても感光体8上に静電潜像は形成されない)
iii)非帯電領域が現像ステーション2の現像領域に到達した時点で現像バイアスをOFFにする(現像ステーション2のスリーブローラ(符号は付与せず)と感光体8の間に電位差がないので、現像剤(トナーおよびキャリア)に対するクーロン力は作用しない。また感光体8に帯電領域と非帯電領域が混在することによる感光体平面方向のクーロン力も発生しない)
(第5の実施形態)
図19は、本発明の第5の実施形態を模式的に示す図である。本実施形態においては、光量計測のタイミングに基づいて、エンジン制御CPU91の光量計測開始命令を受けた図示せぬ駆動モータ(図1の駆動源38)が感光体8の駆動を停止することにより、感光体8上に静電潜像を形成することを禁止するものである(潜像形成禁止)。感光体の駆動が停止すると、露光装置13が感光体の表面を面状に露光させることができなくなり、静電潜像が形成されない。そのため、現像剤が感光体上に移動することがなくなる。
尚、一枚又は図13に示したような複数の記録紙の連続印字工程に、光量計測を行なう場合、まず先に感光体8の駆動を完全に停止させた後、光量計測を実施することが好ましい。
また、通常図12の光量計測データの読み出しは、有機エレクトロルミネッセンス素子63を点灯したときの光量(明電流)を計測する工程と、素子を消灯したときの光量(暗電流)を計測する工程を含む。素子を消灯させたときも、微弱な暗電流が光量センサ57を流れるため、明電流、暗電流双方に対応する光量を読み取る必要があるからである。ここで、暗電流の光量計測データの読み出し時は有機エレクトロルミネッセンス素子63は点灯していないため、感光体8上に静電潜像が形成されることはない。そこで、感光体8の停止前に、暗電流に対応した光量計測データを計測し、感光体8を停止させた後、明電流に対応した光量計測データを計測することが考えられる。このようなシーケンスを採用することにより、感光体8の停止時間を短縮することができる。
(第6の実施形態)
上述の実施形態では、記録紙3に形成される画像の基礎となる基礎像を感光体8上に形成することを禁止した(潜像形成禁止及び現像禁止)。本発明はこの態様に限られず、光量計測のタイミングに基づいて、感光体8上に付着した現像剤の転写ローラ16への移動を禁止する態様をも含む。図20は、そのような実施形態の概念を示し、光量計測を行なうタイミングに基づいて、エンジン制御CPU91の光量計測開始命令を受けた転写ローラ16が、感光体8から離間するものである。
感光体8と転写ローラ16の離接制御、機構は図17と同様のものを採用することができる。また、感光体8の潜像形成位置と記録紙3の転写位置は予め分かっているため、転写ローラ8に偏芯カムなどの付勢部材を設け、感光体8への潜像形成タイミングに基づいて転写ローラ16を感光体8から離接するように構成してもよい。この際、転写ローラ16の回転軸を支持する支持体(図示せず)に対して付勢部材を設け、この支持体を介して転写ローラ16を変位可能に構成することが好ましい。これにより、感光体8と転写ローラ16間が非接触状態になり、感光体8から転写ローラへの16への現像剤の転写が防止され、結果的に現像剤(トナー)が記録紙3に付着することが防止可能となる。
また、感光体8と露光装置13と現像ステーション2が一体的に構成されている場合においては、これら一体的に構成された全体を転写ローラ16に対して離接するように構成してもよい。また、いずれの場合においても、現像剤の転写を防止するという観点からは転写ローラ16と感光体8とを離間したときの間隔は数100μm程度あれば足りるが写ローラ16は弾性を有し変形することも考えられるため、1mm以上に設定するのが好ましい。しかし、特に離間距離は限定されない。
(第7の実施形態)
図21は、本発明の第7の実施形態を模式的に示す図である。本実施形態においては、光量計測のタイミングに基づいて、エンジン制御CPU91(図7参照)が転写ローラ16に転写逆バイアスを印加し、転写ローラ16上に現像剤(トナー)が付着するのを防止する。
通常状態では、図示せぬ転写バイアス電源(図1に示す電源部43に含まれる高圧電源)から転写バイアスが転写ローラ16に印加され、記録紙3への現像剤(トナー)の転写が促進される。そして、本発明では、光量計測のタイミングにおいて、転写バイアスとは逆特性の逆転写バイアスが転写ローラに印加される(図21のVr(−)またはVr(+))。逆転写バイアスにより、記録紙3の裏が現像剤と同極性に帯電されることにより、感光体8に付着した現像剤が、記録紙3に転写されにくくなる。従って、結果的に現像剤が記録紙3に付着することが防止可能となる。
さて実施形態においては露光装置13を構成する有機エレクトロルミネッセンス素子63の点灯時間を一定とし、電流値を変化させることで、有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を制御する構成を前提として説明してきたが、本発明は有機エレクトロルミネッセンス素子63などの発光素子の駆動電流値を固定的に設定し、点灯時間を変化させて発光素子の光量を制御する、いわゆるPWM方式においても容易に適用できる。この場合は図6を用いて説明した第1エリアの内容を「潜像断面積を等しくするための駆動時間の設定値」と置き換えればよい。
また露光装置によっては有機エレクトロルミネッセンス素子などによって構成された発光素子列を複数列有し、感光体の回転方向に対して略同じ位置に複数回の露光を行なうことで、潜像を形成するものも知られている。このような露光装置であっても複数回の露光によって形成される潜像が現像に寄与しないように光量やPWM時間を設定することで、本発明の技術的思想を適用することが可能となる。このような露光装置では単一の発光素子列では現像に寄与する潜像は形成されないから、例えば紙間において列単位で光量を計測するようなシーケンスが考えられる。
また、実施形態ではTFT回路、有機エレクトロルミネッセンス素子と同じポリシリコンのモノシリックデバイスとして構成された光量センサを用いて有機エレクトロルミネッセンス素子63の光量を計測しているが、本発明の技術的思想はこれに限定されるものではない。例えば、アモルファスシリコンにて複数のフィルム状の光量センサを構成し、ガラス基板50の端面(図4参照)に沿って配置した構成に対しても、本発明は適用可能である。
本発明の各種実施形態を説明したが、本発明は前記実施形態において示された事項に限定されず、明細書の記載、並びに周知の技術に基づいて、当業者がその変更・応用することも本発明の予定するところであり、保護を求める範囲に含まれる。
以上のように本発明にかかる画像形成装置は、特に電子写真装置においてトナーの無駄を防止し、かつ記録紙の裏面のトナーによる汚染を有効に防止することができることから、例えばプリンタ、複写機、ファクシミリ装置、フォトプリンタなどへの利用が可能である。
本発明の基本実施形態の画像形成装置の構成図 同実施形態の画像形成装置における現像ステーションの周辺を示す構成図 同実施形態の画像形成装置における露光装置の構成図 (a)は同実施形態の画像形成装置における露光装置に係るガラス基板の上面図、(b)は同要部拡大図 同実施形態の画像形成装置におけるコントローラの構成を示すブロック構成図 同実施形態の画像形成装置における光量補正データメモリの内容を示す説明図 同実施形態の画像形成装置におけるエンジン制御部の構成を示すブロック構成図 同実施形態の画像形成装置における露光装置の回路図 同実施形態の画像形成装置における露光装置に係る電流プログラム期間と有機エレクトロルミネッセンス素子の点灯期間を示す説明図 有機エレクトロルミネッセンス素子とそれに対応した光量センサの駆動回路を示す図 センサピクセル回路とチャージアンプ150との接続関係及び光量センサと有機エレクトロルミネッセンス素子との間の作用の関係を示す図 図11で示された各部分での動作を示すタイミングチャート 光量補正のための光量計測を実施するタイミングを示すタイミングチャート 本発明が解決しようとする課題を模式的に示す図 感光体から現像ステーションを離間させる実施形態を示す図 現像ステーションを感光体から離間させる機構を示す図 現像ステーションのマグネットロールの磁極位置を変更させる実施形態を示す図 帯電器による感光体の帯電電位とともに露光電位を上昇させる実施形態及び現像バイアス電位を減少させる実施形態を示す図 感光体を停止させる実施形態を示す図 転写ローラを感光体から離間させる実施形態を示す図 転写ローラの印加バイアスを変化させる実施形態を示す図
符号の説明
1 画像形成装置
2,2Y,2M,2C,2K 現像ステーション
3 記録紙
4 給紙トレイ
5 記録紙搬送路
6 現像剤
8,8Y,8M,8C,8K 感光体
10 現像スリーブ
13,13Y,13M,13C,13K 露光装置
19 レジストローラ
20 ピンチローラ
21 記録紙通過検出センサ
41 コントローラ
42 エンジン制御部
43 電源部
50 ガラス基板
51 レンズアレイ
57 光量センサ
61 ソースドライバ
62 TFT回路
63 有機エレクトロルミネッセンス素子
64 封止ガラス
65 イメージメモリ
66 光量補正データメモリ
67 タイミング生成部
68 ゲートコントローラ
69 ピクセル回路
70 ドライバ部
71 電流プログラム部
72 D/Aコンバータ
80 コンピュータ
83 コントローラCPU
87 プリンタインタフェース
90 コントローラインタフェース
91 エンジン制御CPU
98 操作パネル
120 センサグループ
130 センサピクセル回路
131 コンデンサ
140 選択信号発生回路
150 チャージアンプ
151 増幅器
152 コンデンサ
153 充放電選択トランジスタ
160 アナログ・ディジタル変換器(ADC)
210 現像当接カム
211 引っ張りバネ
212 現像側バネかけボス
213 本体側バネかけボス

Claims (11)

  1. 記録媒体に現像剤を転写し画像を形成する画像形成装置であって、
    感光体と、
    前記感光体の表面を帯電させる帯電器と、
    前記帯電器により帯電した前記感光体の表面に光を照射することにより、当該表面を露光し、静電潜像を形成する複数の発光素子と、
    静電潜像上に現像剤を供給し、静電潜像を現像する現像手段と、
    前記発光素子が出射する光の光量を計測する光量計測部と、
    前記光量計測部によって計測された前記発光素子が出射する光の光量を参照し、前記発光素子が出射する光の光量を補正する光量補正部と、
    前記光量計測部が前記発光素子が出射する光の光量を計測する光量計測タイミングに基づいて、静電潜像の前記感光体上への形成、又は前記感光体上に形成された静電潜像上への現像剤の供給を禁止する制御部と、
    を備える画像形成装置。
  2. 請求項1記載の画像形成装置であって、
    前記制御部は、前記光量計測タイミングに基づいて、前記感光体から前記現像手段を離間させる画像形成装置。
  3. 請求項1記載の画像形成装置であって、
    前記現像手段は、現像剤を前記感光体上に搬送するマグネットローラを備え、
    前記制御部は、前記光量計測タイミングに基づいて、前記マグネットローラの磁極位置を変更させる画像形成装置。
  4. 請求項1記載の画像形成装置であって、
    前記制御部は、前記光量計測タイミングに基づいて、前記感光体の帯電電位を画像形成時の帯電電位より上昇させるよう、前記帯電器を制御する画像形成装置。
  5. 請求項1記載の画像形成装置であって、
    前記制御部は、前記光量計測タイミングに基づいて、現像バイアス電位を画像形成時の現像バイアス電位より減少させるよう、前記現像手段を制御する画像形成装置。
  6. 請求項1記載の画像形成装置であって、
    前記制御部は、前記光量計測タイミングに基づいて、前記感光体の駆動を停止させる画像形成装置。
  7. 請求項6記載の画像形成装置であって、
    前記制御部が前記感光体の駆動を停止させた後、前記光量センサが前記発光素子の光量を計測する画像形成装置。
  8. 請求項6記載の画像形成装置であって、
    前記光量センサが暗電流に対応した光量を計測した後、前記制御部が前記感光体の駆動を停止し、前記光量センサが明電流に対応した光量を計測する画像形成装置。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項記載の画像形成装置であって、
    前記光量計測タイミングが、複数の記録媒体への連続画像形成時に設定される画像形成装置。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項記載の画像形成装置であって、
    前記発光素子が有機エレクトロルミネッセンス素子により構成された画像形成装置。
  11. 感光体と、
    前記感光体を露光する露光装置と、
    前記露光装置に設けられた発光素子と、
    前記発光素子が出射する光の光量を検出する光量計測部と、
    前記光量計測部の出力に基づいて前記発光素子が出射する光の光量を補正する光量補正部と、
    前記光量計測部によって前記発光素子が出射する光の光量を計測する光量計測タイミングに基づいて、前記感光体への像形成を禁止する制御部と、
    を備える画像形成装置。
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