JP2007264085A - 電磁誘導加熱制御装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

電磁誘導加熱制御装置及びこれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電子写真プロセスの定着処理において電磁誘導加熱に用いられる励磁コイルのレアショートの発生を簡易な構成によって検出する。
【解決手段】トナーを加熱溶融するための被加熱体の電磁誘導加熱を制御する電磁誘導加熱制御装置50において、自身の温度上昇にともない電力が入りにくくなる特性を有し、被加熱体を電磁誘導によって発熱させる励磁コイル31と、その励磁コイルへの電力供給を制御すべく励磁コイルに接続されたスイッチング素子63と、そのスイッチング素子の動作を制御するための制御信号を送出するIH制御部67とを備え、IH制御部が励磁コイルに一定電力を供給すべくスイッチング素子を制御する際に、制御信号のオンデューティに基づき励磁コイルにおけるレアショートの発生の有無を判定する構成とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、トナーを記録紙に定着させるための定着処理における電磁誘導加熱を制御する電磁誘導加熱制御装置及びこれを備えた画像形成装置に関する。
従来、電子写真プロセスにより記録紙に画像を形成する画像形成装置(プリンタ、ファクシミリ、複写機及び複合機など)においては、感光体から記録紙上に転写された未定着のトナーを加熱溶融するとともに記録紙に圧着させる定着装置が設けられている。この種の定着装置では、加熱効率や熱応答性の向上等を目的として、加熱ベルトや加熱ローラ等の被加熱体を電磁誘導作用によるジュール熱で加熱する電磁誘導加熱方式が広く用いられている。
電磁誘導加熱方式では、高周波磁界を発生する励磁コイルを被加熱体の近傍に配置し、記録紙への熱伝達や周囲への放熱により被加熱体(定着部)の温度が適正範囲を外れる下限値付近まで低下すると、励磁コイルに電力供給を開始(または増大)させるように制御して温度を上昇させる一方、被加熱体の温度が上限値付近まで上昇すると励磁コイルへの電力供給を停止(または低減)させるように制御して温度を低下させることが行われている。このような制御により、定着温度を適正範囲内に保持することが可能となっている。しかしながら、何らかの原因により被加熱体の温度異常が発生して定着不良が生じる場合もあり得るので、そのような異常を速やかに検出して定着不良を防止するための種々の従来技術が存在する。
例えば、駆動回路からのパルス信号によって直流をスイッチングし、高周波電流として励磁コイルに供給するインバータ回路において、励磁コイルに供給されている電力値を指定電力値と比較して高周波電流のONduty(オンデューティ)幅を調整して、励磁コイルへ供給される電力が指定電力値となるように制御する一方、供給されている高周波電流の周期又はON duty幅を異常高温時の周期又はON duty幅に相当する基準上限値と比較することで被加熱体の異常高温の検知を行う加熱装置が知られている(特許文献1参照)。
また、例えば、商用電源ACから供給された電力を誘導コイルへ供給する誘導加熱電源部と、誘導加熱電源部へ供給される電圧値を検出する電圧検出部と、電圧検出部により検出された第1の電圧値が基準電圧値よりも小さいと判断されたら基準時間を計時するタイマと、第1の電圧値が基準電圧値よりも小さいと判断した場合、誘導加熱電源部から誘導コイルへの電力の供給を停止させ、基準時間経過後に検出された第2の電圧値が基準電圧値よりも小さいと判断した場合、画像形成するための動作の停止制御を行う制御部とを備えた画像形成装置が知られている(特許文献2参照)。
また、例えば、導電性部材で形成された被加熱体と、該被加熱体に誘導電流を生じさせて発熱させるためのコイルと、該コイルに交番電流を流すためのインバータ回路と、該被加熱体の温度変化と同時に変化するコイル電圧を検出するコイル電圧検出回路と、該コイル電圧検出回路が検出したコイル電圧の最大値が一定値以下となった場合にインバータ回路を停止させる駆動回路とを有する誘導加熱定着装置が知られている(特許文献3参照)。
特開2005−190765号公報 特開2005−115323号公報 特開平9−160406号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術では、被加熱体の異常高温を速やかに検出して被加熱体の過加熱を防止することを目的としており、励磁コイルにレアショートが発生した場合を考えると、被加熱体の温度上昇は抑制される傾向にあるので、ON duty幅が基準上限値を上回ることはなく、結果としてそのような励磁コイルの異常を検知することは困難であった。
また、上記特許文献2に記載の従来技術では、加熱電源部の入力電力異常時に定着不良の発生や定着器の誤動作を抑制することを目的とするが、入力電力に異常が発生しない限りは励磁コイルにレアショートが発生した場合であっても入力電力は一定に制御されることになり、そのような励磁コイルの異常について検知することは困難であった。
また、上記特許文献3に記載の従来技術では、被加熱体の異常高温を速やかに検出して被加熱体の過加熱を防止することを目的としており、コイル電圧が一定値以下になった場合にインバータ回路を停止させる制御を行うのみであるので、励磁コイルにレアショートが発生した場合であってもそれを検知することは困難であった。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、定着処理の電磁誘導加熱に用いられる励磁コイルでレアショートが発生した場合に、そのレアショートの発生を簡易な構成によって検出することで、定着不良及び装置の異常動作を防止することのできる電磁誘導加熱制御装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することを主目的とする。
本発明の電磁誘導加熱制御装置は、電子写真プロセスの定着処理において、トナーを加熱溶融するための被加熱体の電磁誘導加熱を制御する電磁誘導加熱制御装置であって、自身の温度上昇にともない電力が入りにくくなる特性を有し、前記被加熱体を電磁誘導によって発熱させる励磁コイルと、前記励磁コイルへの電力供給を制御すべく前記励磁コイルに接続されたスイッチング素子と、前記励磁コイルに供給すべき電力に応じて前記スイッチング素子の動作を制御する制御信号を送出する電力供給制御手段と、前記電力供給制御手段が前記励磁コイルに一定電力を供給すべく前記スイッチング素子を制御する際に、前記制御信号のオンデューティに基づき前記励磁コイルにおけるレアショートの発生の有無を判定するレアショート判定手段とを備えたことを特徴とする。
このように本発明によれば、電子写真プロセスの定着処理において、トナーを加熱溶融するための被加熱体の電磁誘導加熱に用いられる励磁コイルでレアショートが発生した場合に、そのレアショートの発生を簡易な構成によって検出することができ、励磁コイルのレアショートの発生に起因する定着不良及び装置の異常動作等を防止することが可能となるという優れた効果を奏する。
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、電子写真プロセスの定着処理において、トナーを加熱溶融するための被加熱体の電磁誘導加熱を制御する電磁誘導加熱制御装置であって、自身の温度上昇にともない電力が入りにくくなる特性を有し、前記被加熱体を電磁誘導によって発熱させる励磁コイルと、前記励磁コイルへの電力供給を制御すべく前記励磁コイルに接続されたスイッチング素子と、前記励磁コイルに供給すべき電力に応じて前記スイッチング素子の動作を制御する制御信号を送出する電力供給制御手段と、前記電力供給制御手段が前記励磁コイルに一定電力を供給すべく前記スイッチング素子を制御する際に、前記制御信号のオンデューティに基づき前記励磁コイルにおけるレアショートの発生の有無を判定するレアショート判定手段とを備えた構成とする。
これによると、簡易な構成によって、高周波磁界を発生する励磁コイルにおけるレアショートの発生を検出することができる。レアショートの発生の判定は、被加熱体の昇温時に実行することができるので、レアショートが発生している場合には定着処理を中止して定着不良及び装置の異常動作を未然に防止することができる。
ここで、励磁コイルが正常である場合(即ち、励磁コイルでレアショートが発生していないとき)、励磁コイルは電力供給による自身の温度上昇にともない電力が入りにくくなるので、電力供給制御手段は、励磁コイルへの目標電力値(一定電力)の入力を維持するために、励磁コイルの温度の上昇にともない制御信号のオンデューティを変化させる(即ち、スイッチング素子の動作を変更する)必要がある。一方、励磁コイルでレアショートが発生している場合、励磁コイルに電力を入力すると過電流が流れる傾向にあり、電力が目標電力値に達した後は、電力供給制御手段が制御信号のオンデューティ(即ち、スイッチング素子の動作)を大きく変更する必要なしに励磁コイルへの一定電力の供給が見かけ上は維持されることになる。
この場合、前記スイッチング素子をオンまたはオフするための駆動信号を当該スイッチング素子に対して出力する駆動回路を備え、前記制御信号は、前記駆動回路に対して送出される構成とすることができる。
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、前記レアショート判定手段は、前記制御信号のオンデューティの変化率が所定の基準値以下である場合、前記励磁コイルでレアショートが発生していると判定する構成とすることができる。これによると、励磁コイルにおけるレアショートの発生の有無を容易に検出することが可能となる。
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、前記被加熱体の温度を検出する温度検出手段を更に備え、前記レアショート判定手段は、前記検出された温度に応じて前記判定の実行の可否を決定する構成とすることができる。これによると、被加熱体の温度に応じて必要な場合にのみレアショートの判定を適切に実行することが可能となる。
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、上記第1の発明から第4の発明のいずれかの電磁誘導加熱制御装置を備えた画像形成装置とする。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の主要部の構成を示す模式図である。この画像形成装置1は、トナー像が形成される作像面を有する感光体ドラム2と、その感光体ドラム2の作像面を所定の電位に均一に帯電させる帯電器3と、その均一に帯電させた作像面に対してレーザー光を走査して静電潜像を形成するLSU(Laser Scanning Unit)4と、その静電潜像をトナーで現像する現像器5と、感光体ドラム2に対向して配置され、転写バイアスの印加によって感光体ドラム2のトナー像を記録材S(記録紙等)に転写するための転写ローラ6と、転写後の感光体ドラム2の作像面に残留するトナー等を除去するクリーニング装置7と、記録材Sに転写された未定着のトナーを記録材に定着させるための定着装置8と、記録材Sを格納する給紙部9とを主として備える。
画像形成装置1において画像形成処理が開始されると、給紙部9の記録材Sは、給紙経路11に沿って設けられたガイド部材12上を所定のタイミングで搬送され、矢印方向に回転する感光体ドラム2と転写ローラ6とのニップ部にてトナー像が転写された後、定着装置8においてトナー像の定着処理が実施され、装置外部に設けられた排紙トレイ13に載置される。
図2は、図1の画像形成装置における定着装置の詳細構成を示す模式図である。この定着装置8は、加熱ローラ21及び当該加熱ローラ21から所定の距離をおいて平行に配置された定着ローラ22と、加熱ローラ21及び定着ローラ22に架け渡されて定着ローラ22の回転にともない回転する一方、加熱ローラ21に対向配置された誘導加熱部23の被加熱体として加熱ローラ21とともに誘導加熱される加熱ベルト24と、加熱ベルト24を介して定着ローラ22に圧接されることにより、定着ローラ22に対する加熱ベルト24の巻き掛け部分との間に、定着処理される記録紙を挟み込むための定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ25と、加熱ベルト24の内周面側に配置され、加熱ベルト24における定着ニップ部N近傍の温度を検出するサーミスタ(温度検出手段)26とを備えており、未定着トナー像Tが形成された記録材Sは、定着ニップ部Nにおいて矢印方向に回転する加熱ベルト24及び加圧ローラ25により押圧及び加熱されることにより、トナー像Tを溶融させて記録材Sに定着させるための処理が行われる。
ここで、例えば、加熱ローラ21は、鉄、ニッケル、銅またはその合金類からなる中空円筒状の強磁性金属部材を有し、定着ローラ22は、SUS等の金属製の芯金及び表層を構成するシリコンスポンジ等からなる弾性層を有し、加圧ローラ25は、ステンレス鋼またはアルミニウム等の金属部材からなる芯金及び表層を構成するシリコーンゴム等からなる弾性層を有し、また、加熱ベルト24は、ポリイミド樹脂またはフッ素樹脂等からなる耐熱性のフィルム基材上に、シリコーンゴム等からなる弾性層及びPTFE(polytetrafluoroethylene)等からなる表面離型層などの各部材を重ねた無端状ベルトである。
誘導加熱部23は、高周波磁界を発生することにより加熱ローラ21及び加熱ベルト24を電磁誘導によって発熱させる励磁コイル31と、この励磁コイル31の内面31aの形状に適合する半円柱状をなす載置部32aを有し、加熱ローラ21及び加熱ベルト24の一部を取り囲むように配置されたコイルガイド32と、励磁コイル31の外面31bを覆うように配置されたアーチコア33と、励磁コイル31の中央部に挿入されるように配置されたセンターコア34と、アーチコア33の両側に配置されたサイドコア35とを備え、回転する加熱ローラ21及び加熱ベルト24を電磁誘導加熱によって加熱する。
コイルガイド32は、加熱ローラ21及び加熱ベルト24から励磁コイル31への熱伝達を抑制する断熱部材としても機能する。また、アーチコア33、センターコア34及びサイドコア35は、ともに磁路を構成し、励磁コイル31によって生成された磁束を通すことで外部への漏洩を防ぎ、効率的な電磁誘導加熱を可能とする。これらのコア33−35は、例えば、フェライトやパーマロイ等の強磁性体から形成することができる。
図3(a)、(b)は、それぞれ図2の定着装置における励磁コイル31の構成を示す斜視図及びそのb−b断面を模式的に示す図である。励磁コイル31は、個別に絶縁被覆された複数(例えば、10本)の銅線41(直径0.05〜0.2mm程度)が束ねられたリッツ線42を巻回して積層した構成を有する。リッツ線42は、上方の一端に取り付けられた端子43から巻回中心に位置する開口部44を徐々に拡大しつつ上述のコイルガイド32の載置部32aの形状と同様の半円柱状をなすように下方に向けて巻回されており、その他端には端子45が取り付けられている。このように構成された励磁コイル105は、後述するように、端子43,45によって高周波電源部に接続され、電力が供給されると自身の温度上昇にともない徐々に電力が入りにくくなる特性を有している。
また、励磁コイル31においては、図3(b)に示すような隣接するリッツ線42間において、素線の絶縁被膜の不具合(融解や剥がれ等)によってレアショート(層間の部分的な短絡)が発生する場合がある。そのようなレアショートが発生すると、励磁コイル31が正常に機能せずに定着処理を行うための適切な加熱が実施できなくなるので、以下で説明するように、定着装置8はそのようなレアショートを検出するための構成を備えている。
図4は、図2の定着装置において電磁誘導加熱を制御する電磁誘導加熱制御装置の構成を示すブロック図である。この電磁誘導加熱制御装置50は、励磁コイル31及びその励磁コイル31に接続された高周波電源部51から主として構成される。励磁コイル31には、共振用コンデンサ52が並列接続され、LC共振回路を構成している。
高周波電源部51は、AC電源61からの交流を直流に整流する整流回路62と、励磁コイル31への電力供給を制御すべく励磁コイル31に接続されたスイッチング素子63と、スイッチング素子63を駆動する駆動回路64と、励磁コイル31を含む回路ブロックに入力される電流値を検出するための電流検出部65と、励磁コイル31を含む回路ブロックに入力される電圧値を検出するための電圧検出部66と、これら各部を統括的に制御して電磁誘導加熱を制御するIH(Induction Heating)制御部67とを有している。
スイッチング素子63は、ダイオード68が並列接続され、駆動回路64から出力される駆動電圧(パルス信号)に従って、整流回路62によって整流された直流を高周波でON/OFFして高周波電流とし、励磁コイル31に供給する。このスイッチング素子63としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の素子を用いることができる。また、駆動回路64は、後述するCPU72からの制御信号に基づき、所定レベルの駆動電圧をスイッチング素子63の制御端子に印加することにより、そのスイッチング動作を制御する。
IH制御部67は、電流検出部65及び電圧検出部66からのアナログ出力をそれぞれデジタル量に変換するA/D変換部71と、所定の処理プログラム及びデータを用いて電磁誘導加熱制御装置50の動作を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)72と、CPU72が実行する処理プログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)73と、CPU72の制御のためのワークエリアとして機能するRAM(Random-Access Memory)74を主として有し、励磁コイル31に供給すべき電力(回路構成上、電流検出部65で検出される電流値と電圧検出部66で検出される電圧値とからの算出値による)に応じてスイッチング素子63の動作を制御する制御信号を送出する電力供給制御手段、及び励磁コイル31に一定電力を供給すべくスイッチング素子63を制御する際に、制御信号のオンデューティに基づき励磁コイル31におけるレアショートの発生の有無を判定するレアショート判定手段として機能する。
IH制御部67は、図2に示したサーミスタ26が検出した温度に基づき、定着ニップ部Nにおける定着温度を適正値に保持するように加熱ローラ21及び加熱ベルト24の加熱を制御する。このとき、IH制御部67は、サーミスタ26が検出する温度が適切な値となるように励磁コイル31へ供給する電力の目標値(以下、「目標電力値」という。)を設定し、駆動回路64に送出する制御信号のオンデューティ(即ち、スイッチング素子63をONする時間の割合に相当)を変化させることで、励磁コイル31に一定電力を供給するための制御を実施する。また、IH制御部67は、そのような一定電力を供給する制御を実施する際に、励磁コイル31でレアショートが発生しているか否かを判定し、レアショートが発生している場合には、定着装置8の動作を停止させるための制御を行う。これにより、励磁コイル31にレアショートが発生した場合でも定着不良及び装置の異常動作を未然に防止することが可能となる。
加熱ローラ21及び加熱ベルト24を昇温するべく励磁コイル31に一定電力を供給するための制御を行う場合、CPU72は、励磁コイル31に供給すべき目標電力値に応じてスイッチング素子63の動作を制御するための制御信号を駆動回路64に対して送出する。ここでの制御信号は一定周波数で出力される。このとき、CPU72は、電流検出部65及び電圧検出部66から電流値及び電圧値を取得して、これら電流値及び電圧値から励磁コイルに供給されている電力値を演算し、この電力値を目標電力値と比較した結果に基づき駆動回路64に送出する制御信号のオンデューティを調整する。駆動回路64は、その制御信号に従ってスイッチング素子63の制御端子に印加する駆動電圧(パルス信号)を調整し、これにより、励磁コイル31に供給される電力が目標電力値となるように制御される。
また、CPU72は、励磁コイル31に一定電力を供給すべく制御する際に、駆動回路64に対して送出する制御信号の変化に基づき励磁コイル31におけるレアショートの発生の有無を判定する。このとき、CPU72は、加熱制御の開始後、制御信号のオンデューティのサンプリングを開始し、取得したサンプリングデータを図示しないメモリに記憶する。CPU72は、それら取得したサンプリングデータに基づきレアショートの発生の有無を判定することができる。
図5は、励磁コイルにおけるレアショート検出方法の概要を説明するための図である。加熱制御が開始されると、CPU72は、駆動回路64に所定のオンデューティの制御信号を送出開始し、その後、励磁コイル31に供給されている電力値を目標電力値と比較しながら制御信号のオンデューティを適宜調整する。また、CPU72は、予め設定された所定時間T0になると制御信号のオンデューティのサンプリングを開始する。
ここで、励磁コイル31が正常であるとき(即ち、励磁コイル31でレアショートが発生していないとき)には、励磁コイル31は電力供給による自身の温度上昇にともない電力が入りにくくなるので、CPU72は、励磁コイル31の温度が上昇するにつれて(ここでは、時間経過とともに)制御信号のオンデューティをサンプリング開始時の値D1から徐々に増大させ、励磁コイル31への一定電力の供給を維持することになる。図5に示すように、励磁コイル31が正常な場合の制御信号のオンデューティ(実線で表示)は、開始時の値D1からサンプリングの終了時T1にはD2まで増大する。
一方、励磁コイル31でレアショートが発生しているときには、励磁コイル31に過電流が流れる傾向にあり、正常な励磁コイル31のような特性は失われるので、所定時間が経過した後には制御信号のオンデューティ(即ち、スイッチング素子63の動作)を大きく変更する必要なしに励磁コイル31への一定電力の供給が見かけ上は維持されることになる。図5に示すように、レアショート発生時の制御信号のオンデューティ(破線で表示)は、サンプリング開始時の値D0からほとんど変化しない(或いは、正常な励磁コイル31の場合に比べて変化の割合が著しく小さい)。なお、サンプリングは、適切なサンプリング間隔(例えば、1秒間隔)を設定して任意の適切なタイミングで開始することが可能であり、また、サンプリングの終了も任意の適切なタイミングで行うことができる。
上述のようなサンプリング結果より、例えば、次のように設定したオンデューティの基準下限値に従ってレアショートの検出を検出することができる。まず、サンプリング開始直後に得られた制御信号のオンデューティの値に規定値αを加え、これをオンデューティの基準下限値として設定する。図5において、励磁コイル31が正常な場合は、基準下限値はD1+αとなり、励磁コイル31でレアショートが発生している場合は、基準下限値はD0+αとなる。そこで、一定時間経過した後のオンデューティの値をそれらの基準下限値と比較し、そのオンデューティの値が基準下限値以上であれば、励磁コイル31は正常であると判定し、一方、オンデューティの値が基準下限値未満であれば、励磁コイル31でレアショートが発生していると判定する。図5では、励磁コイル31が正常な場合、サンプリング終了時のオンデューティD2≧D1+αであり、また、レアショートが発生している場合、サンプリング終了時のオンデューティD0<D0+αとなっている。
なお、上述のようなサンプリングは、レアショートの発生の有無を適切に判定可能なように、装置特性に応じて任意の適切なサンプリング間隔を設定して任意の適切なタイミングで開始することが可能であり、また、サンプリングの終了も任意の適切なタイミングで行うことができる。また、上述のサンプリング開始直後に得られたオンデューティの値は、一定時間内に取得したオンデューティの値の代表値(例えば、平均値)とすることができ、また、規定値αは、装置特性やサンプリング方法等に応じて適切な値に設定することができる。さらに、上述のようなサンプリング及び判定を複数回繰り返すことで、判定精度をより向上させることができる。
また、レアショートを検出するための別法として、上述のオンデューティの基準下限値の代わりにオンデューティの変化率(即ち、単位時間あたりのオンデューティの変化量)の基準値を設定し、この基準値に従ってレアショートの発生の有無を判定することもできる。
図6は、図4の電磁誘導加熱制御装置において励磁コイルに一定の目標電力を供給するための動作の流れを示すフロー図である。まず、定着装置8が起動すると、IH制御部67は、サーミスタ26が検出した温度に基づき、励磁コイル31に供給する電力の目標電力値(Wo)を設定する(ST101)。このとき、CPU72は駆動回路64に対して制御信号の送出を開始する。そこで、CPU72は、電流検出部65及び電圧検出部66が検出した電流値及び電圧値の情報をA/D変換部71を介してそれぞれ取得し(ST102、ST103)、それらの取得した電流値及び電圧値から励磁コイル31に入力される入力電力値(Win)を算出する(ST104)。続いて、算出された入力電力値(Win)を目標電力値(Wo)と比較する(ST105)。
そこで、入力電力値(Win)が目標電力値(Wo)と等しい場合(Win=Wo)には、現在の制御信号のオンデューティの値をRAM74に記憶し(ST106)、そのオンデューティの値を駆動回路64に対して出力するオンデューティとして設定する(ST107)。その後、再びST102に戻って上述と同様の動作が実行される。
また、ST105において、入力電力値(Win)が目標電力値(Wo)よりも大きい場合(Win>Wo)には、CPU72は、現在のオンデューティを減少させ(ST108)、上述と同様に、その減少させたオンデューティの値をRAM74に記憶し(ST106)、そのオンデューティの値を駆動回路64に対して出力するオンデューティとして設定する(ST107)。さらに、ST105において、入力電力値(Win)が目標電力値(Wo)よりも小さい場合(Win<Wo)には、CPU72は、現在のオンデューティの値を増大させ(ST108)、上述と同様に、その増大させたオンデューティの値をRAM74に記憶し(ST106)、そのオンデューティの値を駆動回路64に対して出力するオンデューティとして設定する(ST107)。なお、上述のようなオンデューティの値の変更(減少または増大)は、例えば、現在の値から予め設定した一定値を減算または加算するか、或いは、入力電力値(Win)と目標電力値(Wo)との偏差に対応したオンデューティのデータを含む情報テーブル等を準備しておくか、または上記偏差より直接演算することで実行することができる。
図7は、図4の電磁誘導加熱制御装置において励磁コイルのレアショートの発生を検出するための動作の流れを示すフロー図である。図6に示したように、励磁コイルに一定の目標電力を供給するための制御を行う際に、所定のタイミングで制御信号のオンデューティのサンプリングが開始される。そこで、まず、図5において説明したオンデューティの基準下限値が設定されているか否かの判断指標である初期値フラグが1であるか否かが判定される(ST201)。このとき、初期値フラグが1でない(即ち、オンデューティの基準下限値が設定されていない)場合、上述のように現在のオンデューティの値に規定値αを加えて基準下限値を設定し(ST202)、初期値フラグを1に設定する(ST203)。
一方、ST201において初期フラグ=1である(即ち、既に基準下限値が設定されている)場合には、続いて、現在のオンデューティの値が基準下限値よりも小さいか否かが判定される(ST204)。そこで、現在のオンデューティの値が基準下限値よりも小さい場合、異常検出したと判定されてその回数のカウントが実行された後(ST205)、現在のカウント数が予め設定された基準回数以上であるか否かが判定される(ST206)。そこで、現在のカウント数が基準回数未満である場合には、再びST201に戻って上述と同様の動作が実行される。一方、現在のカウント数が基準回数以上である場合には、励磁コイル31でレアショートが発生していると判定し(ST207)、定着装置8の動作を停止するとともに、エラー表示または警報音等によりオペレータに異常を知らせる(ST208)。
また、ST204において、現在のオンデューティの値が基準下限値以上である場合には、異常検出の回数がリセットされ(ST209)、再びST201に戻って上述と同様の動作が実行されることになる。
なお、ST202における基準下限値の設定は、サンプリングを開始してから所定時間が経過した後(例えば、レアショートが発生している場合に制御信号のオンデューティの変動が安定すると予想される時間の経過後)に開始させることができる。また、ST202の代わりにオンデューティの変化率の基準値を設定するステップを設けるとともに、ST204の代わりに現在のオンデューティの変化率をその変化率の基準値と比較するステップを設ける構成も可能である。
本発明に係る電磁誘導加熱制御装置及びこれを備えた画像形成装置は、トナーを記録紙に定着させるための定着処理の電磁誘導加熱に用いられる励磁コイルでレアショートが発生した場合に、そのレアショートの発生を簡易な構成によって検出することで、定着不良及び装置の異常動作を防止することができ、定着処理における電磁誘導加熱を制御する電磁誘導加熱制御装置及びこれを備えた画像形成装置として有用である。
本発明に係る画像形成装置の主要部の構成を示す模式図 図1の画像形成装置における定着装置の詳細構成を示す模式図 励磁コイルの構成を示す図 電磁誘導加熱制御装置の構成を示すブロック図 励磁コイルにおけるレアショート検出方法の概要を示す説明図 電磁誘導加熱制御装置が励磁コイルに一定電力を供給する動作を示すフロー図 電磁誘導加熱制御装置が励磁コイルのレアショートの発生を検出する動作を示すフロー図
符号の説明
1 画像形成装置
8 定着装置
26 サーミスタ
31 励磁コイル
50 電磁誘導加熱制御装置
51 ドライブ回路
52 共振用コンデンサ
63 スイッチング素子
67 IH制御部
72 CPU

Claims (4)

  1. 電子写真プロセスの定着処理において、トナーを加熱溶融するための被加熱体の電磁誘導加熱を制御する電磁誘導加熱制御装置であって、
    自身の温度上昇にともない電力が入りにくくなる特性を有し、前記被加熱体を電磁誘導によって発熱させる励磁コイルと、
    前記励磁コイルへの電力供給を制御すべく前記励磁コイルに接続されたスイッチング素子と、
    前記励磁コイルに供給すべき電力に応じて前記スイッチング素子の動作を制御する制御信号を送出する電力供給制御手段と、
    前記電力供給制御手段が前記励磁コイルに一定電力を供給すべく前記スイッチング素子を制御する際に、前記制御信号のオンデューティに基づき前記励磁コイルにおけるレアショートの発生の有無を判定するレアショート判定手段と
    を備えたことを特徴とする電磁誘導加熱制御装置。
  2. 前記レアショート判定手段は、前記制御信号のオンデューティの変化率が所定の基準値以下である場合、前記励磁コイルでレアショートが発生していると判定することを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導加熱制御装置。
  3. 前記被加熱体の温度を検出する温度検出手段を更に備え、
    前記レアショート判定手段は、前記検出された温度に応じて前記判定の実行の可否を決定することを特徴とする請求項1に記載の電磁誘導加熱制御装置。
  4. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の電磁誘導加熱制御装置を備えた画像形成装置。
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