以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機(弾球遊技機)1を正面からみた正面図である。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば、画像式の遊技機、コイン遊技機、および、スロット機等であってもよい。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の演出用の背景図柄と、各々を識別可能な複数種類の演出用の第1飾り図柄と、各々を識別可能な複数種類の演出用の第2飾り図柄とを可変表示し表示結果を導出表示する可変表示装置9が設置されている。この実施形態では、可変表示装置9は液晶表示装置(LCD)で構成されている。可変表示装置9における表示領域は、背景図柄を可変表示するための背景図柄表示領域(画面中央の領域)9aと、第1飾り図柄を可変表示するための第1飾り図柄表示領域(画面の左隅の小さな領域)9bと、第2飾り図柄を可変表示するための第2飾り図柄表示領域(画面の右隅の小さな領域)9cと、始動入賞口13,14に入った入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数を表示するためのメモリ表示領域(画面下側の領域)9dとに分けられている。図1に示すように、メモリ表示領域9dには、8個の始動記憶表示エリアが設けられ、最大8個の保留記憶数(始動記憶数)を表示することができる。なお、図1に示す例では、背景図柄表示領域9aとメモリ表示領域9dとは、それらの領域が境界線で区切られていないが、境界線で区切られていてもよい。
第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cにおいて、それぞれ、例えば「0」〜「9」の数字の飾り図柄が可変表示可能に表示制御される。そして、第1飾り図柄表示領域9bでは、可変表示の第1の有効実行条件が成立(例えば、打球が始動入賞口13に入賞し、かつ、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していないこと)した後に可変表示の第1の開始条件の成立(第1飾り図柄が可変表示中でなく、第1飾り図柄が大当り図柄になったことにもとづく大当り中でもないとき)にもとづいて第1飾り図柄の可変表示を開始し、所定時間経過後に可変表示を停止して表示結果を導出表示する。また、第2飾り図柄表示領域9cでは、可変表示の第2の有効実行条件が成立(例えば、打球が始動入賞口14に入賞し、かつ、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していないこと)した後に可変表示の第2の開始条件の成立(第2飾り図柄が可変表示中でなく、第2飾り図柄が大当り図柄になったことにもとづく大当り中でもないとき)にもとづいて第2飾り図柄の可変表示を開始し、所定時間経過後に可変表示を停止して表示結果を導出表示する。
背景図柄表示領域9aでは、図1に示すように、左・中・右の背景図柄が可変表示可能に表示制御される。この実施の形態では、左・中・右の背景図柄は、それぞれ、「0」〜「9」の数字の図柄とされている。背景図柄の可変表示は、遊技状態が後述する低ベース状態のときは、第1飾り図柄の可変表示と同期して実行される。すなわち、可変表示の第1の有効実行条件が成立した後に可変表示の第1の開始条件の成立にもとづいて背景図柄の可変表示を開始し、所定時間(第1飾り図柄の変動時間)経過後に可変表示を停止して表示結果を導出表示する。一方、背景図柄の可変表示は、遊技状態が後述する高ベース状態のときは、第1の有効実行条件の成立および第2の有効実行条件の成立にもとづいて可変表示が実行されるのであるが、第1飾り図柄および第2飾り図柄の可変表示と常に同期して開始されるわけではない。すなわち、第1の開始条件が成立したときに可変表示が開始されるときもあれば、第1の開始条件が成立してからしばらくした後に可変表示が開始されるときもある。同様に、第2の開始条件が成立したときに可変表示が開始されるときもあれば、第2の開始条件が成立してからしばらくした後に可変表示が開始されるときもある。高ベース状態のときの背景図柄の可変表示が開始可能な条件を第3の開始条件という。第3の開始条件については後述する(図63、図66〜図69等参照)。
図1に示すように、背景図柄表示領域9aの面積は、第1飾り図柄表示領域9bおよび第2飾り図柄表示領域9cの面積や、第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄保留記憶表示器18bの面積よりも大きい。従って、背景図柄表示領域9aに表示される背景図柄が、飾り図柄や特別図柄よりも遊技者にとって最も視認しやすい図柄である。よって、遊技者は、背景図柄に最も注目することになる。
メモリ表示領域9dでは、遊技状態が低ベース状態のときは、第1の有効実行条件が成立する毎(つまり、始動入賞口13への有効始動入賞がある毎)に、表示色が変化する(例えば青色表示から赤色表示に変化する)始動記憶数表示エリアを1増やし、第1の開始条件が成立する毎(つまり、第1飾り図柄および背景図柄の可変表示が同期して開始される毎)に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。また、遊技状態が高ベース状態のときは、原則として、第1の有効実行条件および第2の有効実行条件が成立する毎(つまり、始動入賞口13,14への有効始動入賞がある毎)に、表示色が変化する始動記憶数表示エリアを1増やす。ただし、遊技状態が高ベース状態のときは、例外として、第1の無効実行条件および第2の無効実行条件が成立したとき(例えば、打球が始動入賞口13または始動入賞口14に入賞したが、入賞したときに保留記憶数が所定の上限数(4個)に達していたとき:これを無効始動入賞という)であっても、一定の条件下において表示色が変化する始動記憶数表示エリアを1増やすこともある。また、遊技状態が高ベース状態のときは、第3の開始条件が成立する毎(つまり、背景図柄の可変表示が開始される毎)に、表示色が変化している始動記憶数表示エリアを1減らす(すなわち表示色をもとに戻す)。このような保留記憶数の表示制御の詳細については後述する。
なお、この実施の形態では、背景図柄の保留記憶数を可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいて表示するように構成しているが、背景図柄の保留記憶数を表示する表示器(背景図柄始動記憶表示器)を可変表示装置9とは別個に設けてもよい。
この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態のときは、背景図柄の保留記憶数の上限値を「4」とし、遊技状態が高ベース状態のときは背景図柄の保留記憶数の上限値を「8」としている(図70参照)。ここで、低ベース状態とは、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が低く、また普通図柄が当り図柄になったときの可変入賞球装置15における開放時間が短く、開放回数も少ない状態である。具体的には、後述する通常遊技状態のことをいう。一方、高ベース状態とは、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態(低ベース状態)より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態(低ベース状態)よりも高められた状態である(なお、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率は変化せずに、単に、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態(低ベース状態)よりも高められた状態であってもよい。)。具体的には、後述する確変状態および時短状態のことをいう。
この実施の形態では、低ベース状態のときには、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性(割合)が低いので、背景図柄の保留記憶数の上限値を少ない値(「4」)とし、遊技状態が高ベース状態のときは、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性(割合)が高いので、背景図柄の保留記憶数の上限値を多い値(「8」)としている。従って、メモリ表示領域9dに設けられている8個の始動記憶表示エリアのうち、低ベース状態のときは4個の始動記憶表示エリアが用いられ(最大4個の保留記憶数が表示され)、高ベース状態のときは8個の始動記憶表示エリアが用いられる(最大8個の保留記憶数が表示される)。
なお、背景図柄の保留記憶数の上限値を異なる値にしてもよい。例えば、低ベース状態のときに上限値を「5」とし、高ベース状態のときに上限値を「7」としてもよい。
なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄を停止表示させることである(いわゆる再変動の前の停止を除く。)。
可変表示装置9の上部には、識別情報としての特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8aおよび第2特別図柄表示器8bが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば「0」〜「9」の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、停止図柄が大当り図柄のときに確変図柄であるのか非確変図柄であるのかを把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を可変表示するように構成されていてもよい。以下、第1特別図柄表示器8aにおいて可変表示される識別情報を第1特別図柄といい、第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される識別情報を第2特別図柄という。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを、特別図柄と総称することがある。
可変表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中に、第1飾り図柄表示領域9bにおいて装飾用(演出用)の図柄としての第1飾り図柄の可変表示を行う。すなわち、第1特別図柄の可変表示と第1飾り図柄の可変表示とは同期しており、第1特別図柄の可変表示が開始されるときに第1飾り図柄の可変表示も開始され、第1特別図柄の可変表示が終了するときに第1飾り図柄の可変表示も終了する。また、第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、第2飾り図柄表示領域9cにおいて装飾用の図柄としての第2飾り図柄の可変表示を行う。すなわち、第2特別図柄の可変表示と第2飾り図柄の可変表示とは同期しており、第2特別図柄の可変表示が開始されるときに第2飾り図柄の可変表示も開始され、第2特別図柄の可変表示が終了するときに第2飾り図柄の可変表示も終了する。
第1特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄の可変表示を行う第2特別図柄表示器8bは、遊技制御基板(主基板)31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560によって制御される。また、第1飾り図柄および第2飾り図柄の可変表示を行う可変表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
第1特別図柄表示器8aの下側には、第1の開始条件の成立していない第1の実行条件の成立数(第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)数)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、第1始動入賞口13に入った有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄表示器8bの下側には、第2の開始条件の成立していない第2の実行条件の成立数(第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち保留記憶数)を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、第2始動入賞口14に入った有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。なお、この例では、保留記憶数を表示する表示器(特別図柄保留記憶表示器)が可変表示装置9とは別個に設けられているが、例えば、可変表示装置9の表示領域の一部を特別図柄保留記憶表示領域にしてもよい。
この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aは第1特別図柄表示器8aの可変表示についての保留記憶数を表示し、第2特別図柄保留記憶表示器18bは第2特別図柄表示器8bの可変表示についての保留記憶数を表示し、さらに、第1特別図柄表示器8aの可変表示および第2特別図柄表示器8bの可変表示についての保留記憶数(上限値4または8)を可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいてまとめて表示するように構成されている。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数の上限値を4とし、第2特別図柄保留記憶表示器18bの保留記憶数の上限値を4としているが、上限値をより小さい値または大きい値にしてもよい。この場合は、それに合わせて、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいて表示される背景図柄の保留記憶数の上限値も小さい値または大きな値とする。例えば、低ベース状態のときは、特別図柄の保留記憶数の上限値と同じ値とし、高ベース状態のときは、特別図柄の保留記憶数の上限値×2の値とする。
以上のように、この実施の形態では、可変表示装置9の画面の左隅の小さな領域に第1飾り図柄が表示され、画面の右隅の小さな領域に第2飾り図柄が表示され、画面の下側に保留記憶数が表示され、画面のほぼ中央に背景図柄が表示される。第1飾り図柄が第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄に対応し(両図柄の停止図柄が完全に一致する場合に限らず、両図柄の停止図柄が意味するはずれ、非確変大当り(通常大当り)、確変大当りの内容が一致する場合も含まれる。)、第2飾り図柄が第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄に対応する。
背景図柄は、低ベース状態のときは、第1飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄となるときは、はずれとなり(左中右の背景図柄が同一図柄で揃わない状態になり)、第1飾り図柄の停止図柄が大当り図柄となるときは、大当りとなり(左中右の背景図柄が同一図柄で揃った状態になり)、第1飾り図柄の停止図柄が確変大当り図柄のときは、確変大当りとなる(左中右の背景図柄が同一の確変図柄(例えば777)で揃った状態になる)。
また、背景図柄は、高ベース状態のときは、2つの飾り図柄の停止図柄がはずれ図柄となるときは、はずれとなり(左中右の背景図柄が同一図柄で揃わない状態になり)、2つの飾り図柄の停止図柄のいずれか一方が大当り図柄となるときは、大当りとなり(左中右の背景図柄が同一図柄で揃った状態になり)、2つの飾り図柄の停止図柄のいずれか一方が確変大当り図柄のときは、確変大当りとなる(左中右の背景図柄が同一の確変図柄(例えば777)で揃った状態になる)。このような画面表示によれば、見た目上、1つの図柄(背景図柄)に対して保留記憶数が8つあるように見せることができる。従って、実際は2つの図柄が並行して可変表示されるとしても、遊技者は、単純に1つの図柄に注目すればよいことになり、画面の見た目が煩雑であるような印象や遊技の進行が複雑であるような印象を遊技者に与えてしまうのを回避することができる。
可変表示装置9の下方には、第1始動入賞口13が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口13の真下には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能となり(あるいは入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14にのみ開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれにも開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。また、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを離れた位置に設けてもよい。例えば、第1始動入賞口13を可変表示装置9の下方左側に設け、第2始動入賞口14を可変表示装置9の下方右側に設けてもよい。その場合も、一方の始動入賞口にのみ可変入賞球装置を設ける構成としてもよい。
第2始動入賞口14の下方には、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合に生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開状態とされる特別可変入賞球装置が設けられている。特別可変入賞球装置は、開閉板20を備え、大入賞口を形成する。大入賞口に入った遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
可変表示装置9の下方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に左側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
なお、この実施の形態では、1つの普通図柄表示器10と1つの可変入賞球装置15が設けられているが、2つの可変入賞球装置を設けた場合(第1始動入賞口13にも可変入賞球装置を設けた場合)に、2つの普通図柄表示器を設けてもよい。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ28cが設けられている。また、左枠ランプ28bの近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が設けられ、右枠ランプ28cの近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。
遊技状態が低ベース状態および高ベース状態のいずれの場合においても、遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄の可変表示が開始される。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1特別図柄の保留記憶数が上限値(4個)に達していないことを条件に第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される保留記憶数が1増やされるとともに、背景図柄の保留記憶数が上限値(8個)に達していないことを条件に可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が1増やされる(表示色が変化する始動記憶数表示エリアが1増やされる)。なお、後述するように、第1特別図柄の保留記憶数が上限値に達しているときは、第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される保留記憶数は増やされないが、可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が増やされることもある。
また、遊技状態が低ベース状態および高ベース状態のいずれの場合においても、遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、大当り遊技終了または前回の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおいて第2飾り図柄の可変表示が開始される。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2特別図柄の保留記憶数が上限値(4個)に達していないことを条件に第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される保留記憶数が1増やされるとともに、背景図柄の保留記憶数が上限値(8個)に達していないことを条件に可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が1増やされる(表示色が変化する始動記憶数表示エリアが1増やされる)。なお、後述するように、第2特別図柄の保留記憶数が上限値に達しているときは、第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される保留記憶数は増やされないが、可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される保留記憶数が増やされることもある。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示および可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第1特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定期間(例えば29秒)が経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される。大入賞口が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または大入賞口が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、大入賞口の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が通常状態(通常遊技状態ともいう。)および時短状態(特別図柄および飾り図柄の変動時間が短縮される遊技状態である時間短縮状態、遊技者にとって有利な遊技状態である特別遊技状態の一例)よりも高い確変状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態の一例)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第1特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて確変状態に制御された場合すなわち確変状態に移行した場合には、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第1始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第2始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示および可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示は、所定時間が経過したときに停止する。停止時の第2特別図柄が大当り図柄(特定表示結果)になると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の遊技球が大入賞口に入賞するまで特別可変入賞球装置(大入賞口)が開放される。なお、大入賞口が開放されてから一定期間経過するまで、または、所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口に入賞するまでが大当り遊技状態における1ラウンドである。所定個数の遊技球が大入賞口に入賞すると、または大入賞口が開放されてから一定期間経過すると、継続権が発生し特別可変入賞球装置の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数(例えば、15ラウンド)許容される。なお、大入賞口にV入賞領域を設け、大入賞口の開放中に打球がV入賞領域に入賞したことを条件に、継続権が発生するようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動停止時の停止図柄を、確率変動を伴う大当り図柄(特別表示結果:確変図柄、例えば「7」など)にすることに決定された場合には、次に大当りとなる確率が通常状態および時短状態における確率よりも高い特別遊技状態に制御される。すなわち、確変状態という遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、第2特別図柄の停止図柄が確変図柄に決定されて大当り遊技状態終了後に特別遊技状態に制御された場合は、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄が大当り図柄になる確率が高くなるだけでなく、第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄が大当り図柄になる確率も高くなる。すなわち、第2始動入賞にもとづく大当りの判定だけでなく、第1始動入賞にもとづく大当りの判定においても通常状態よりも高い確率で大当りと判定されることになる。
特別遊技状態としての確変状態では、上述したように、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおいて可変表示される第1特別図柄および第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄(特定表示結果:例えば、0〜9のうちの奇数)になる確率が通常状態および時短状態より高められる。また、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。さらに、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される。その場合には、頻繁に特別図柄の可変表示が実行されるようになる。
なお、確変状態において、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常状態よりも短縮されるようにしてもよい。その場合には、第2始動入賞口14への始動入賞が起こりやすくなり、所定期間内での第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示回数が増加して第2特別図柄が大当り図柄になる可能性が通常状態よりも高まり、遊技者にとってさらに有利な状態になる。
第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいても大当り図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて左中右の背景図柄が揃った状態で背景図柄が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおいても大当り図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて左中右の背景図柄が揃った状態で背景図柄が停止表示される。以下、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて左中右の背景図柄が揃った状態で停止表示されることを、背景図柄の大当り図柄が表示されるというように表現する。
さらに、第1特別図柄表示器8aにおいて確変図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいても確変図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて確変図柄を想起させるような背景図柄(例えば「7」,「7」,「7」)が停止表示される。第2特別図柄表示器8bにおいて確変図柄が停止表示されるときには、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cにおいても確変図柄が停止表示され、さらに可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて確変図柄を想起させるような背景図柄(例えば「7」,「7」,「7」)が停止表示される。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。この実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した背景図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない背景図柄については可変表示(変動表示)が行われていること、および全てまたは一部の背景図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおける左、中、右の表示領域のうち左、右の表示領域には大当り図柄の一部になる背景図柄(例えば、「7」)が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行われている状態、および表示領域の全てまたは一部の図柄が大当り図柄の全てまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、左、中、右の表示領域の全てに変動表示が行われ、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行われている状態)がリーチ表示態様またはリーチになる。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行われる。その演出と可変表示装置9におけるリーチ表示態様とをリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄とは異なるもの)を表示させたり、可変表示装置9の背景(図柄およびキャラクタとは異なる地の色や模様など)の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。
次に、遊技状態の遷移について説明する。この実施の形態では、通常遊技状態または時短状態のときに確変大当りが発生すると、遊技状態が通常遊技状態または時短状態から確変状態に移行される。確変状態は、確変大当り発生後(確変大当りになると決定された後)からの変動回数が所定回数(例えば50回〜150回の間の回数)になるまで継続される。確変状態が継続可能な所定回数分の変動が行われたとき、その変動回数が特定回数(例えば100回)を超えていれば、確変状態から通常遊技状態に移行される。変動回数が特定回数を超えていなければ、確変状態から時短状態に移行される。時短状態は、確変大当りの終了後からの変動回数が特定回数になるまで継続される。なお、次回の大当りが発生するまで確変状態を継続させる構成であってもよい。また、確変状態が所定回数(例えば50回〜150回)だけ継続する構成とされた場合に、所定回数の変動が行われた後は、次回の大当りが発生するまで時短状態を継続させる構成であってもよい。
ここで、時短状態は、上述したように、大当りが発生する確率は高くならないが、特別図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮される遊技状態である。特別図柄の可変表示時間が短縮されることにより、頻繁に特別図柄の可変表示が実行されるようになり、所定時間当たりの大当り発生の可能性が高まる。さらに、時短状態では、普通図柄表示器10において、停止図柄が当り図柄になる確率が通常状態より高められるとともに、可変入賞球装置15における開放時間と開放回数とのうちの一方または双方が通常状態よりも高められ、遊技者にとってさらに有利な状態になる。なお、時短状態において、普通図柄表示器10における普通図柄の可変表示時間(変動時間)が通常遊技状態よりも短縮されるようにしてもよい。その場合には、可変入賞球装置15の所定時間当たりの開放回数が高まり、遊技者にとってさらに有利な状態になる。
確変状態のときに確変大当りが発生すると、新たに所定の変動回数(例えば50回〜150回の間の回数)だけ確変状態が継続される。確変状態のときに非確変大当り(通常大当り)が発生すると、確変状態から時短状態に移行される。時短状態は、非確変大当り発生後から所定回数(例えば100回)になるまで継続される。
確変状態のときに抽選によって確変状態を終了させる旨の判定が行われたときは(後述するステップS46参照)、そのときの変動回数が確変大当り発生後から特定回数(例えば100回)を超えていれば、確変状態から通常遊技状態に移行される。特定回数を超えていなければ、確変状態から時短状態に移行される。時短状態は、確変大当り発生後からの変動回数が特定回数になるまで継続される。
時短状態のときに非確変大当りが発生すると、時短状態から通常遊技状態に移行される。また、時短状態が継続可能な回数分の変動が終了すると、時短状態から通常遊技状態に移行される。また、通常遊技状態のときに通常大当りが発生しても、遊技状態は通常遊技状態のまま変わらない。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、およびカウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16および特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ560をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。なお、主基板31には、試験信号を遊技機外部に出力するための試験信号出力回路(図示せず)も設けられている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドを受信し、飾り図柄や背景図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器8bの表示制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10の表示制御を行う。また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の保留記憶数を表示する第1特別図柄保留記憶表示器18aおよび第2特別図柄の保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示器18bの表示制御を行うとともに、普通図柄の保留記憶数を表示する普通図柄保留記憶表示器41の表示制御も行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101およびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に、LCDを用いた可変表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
さらに、演出制御用CPU101は、入出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、入出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、ランプを駆動する信号は、入出力ドライバ351を介してランプドライバ352に入力される。ランプドライバ352は、ランプを駆動する信号を増幅して天枠ランプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28cなどの枠側に設けられている各ランプに供給する。また、枠側に設けられている装飾ランプ25に供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入出力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
なお、ランプを駆動する信号および音番号データは、演出制御用CPU101とランプドライバ基板35および音声出力基板70との間で、双方向通信(信号受信側から送信側に応答信号を送信するような通信)によって伝達される。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(飾り図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU101は、キャラクタROMから読み出したデータをVDP109に出力する。VDP109は、演出制御用CPU101から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、VDP109によって生成された画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを可変表示装置9に出力する。なお、可変表示装置の数に対応した数のVDPを演出制御基板80に搭載するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、可変表示装置9を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。また、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など)を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70やランプドライバ基板35にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、可変表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。また、第1の演出制御基板と第2の演出制御基板との2つの基板を設けた場合に、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出に関するコマンドは第2の演出制御基板に対して送信され、第2の演出制御基板から第1の演出制御基板に対してコマンドがそのまま送信されたり、加工(例えば、コマンドの形態や内容を変えたり、簡略化したり、必要なコマンドのみを選択)した後に送信されるように構成してもよい。
図4は、主基板31における回路構成および主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示すブロック図である。図4に示すように、この実施の形態では、主基板31が搭載する遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御信号送信用の8本の信号線CD0〜CD7を用いて、演出制御コマンドを中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、主基板31と演出制御基板80との間には、演出制御コマンドの取込を指示する演出制御INT信号(ストローブ信号)の信号線も配線されている。
主基板31には、図4に示すように、各種スイッチからの配線が接続されている。なお、図4では第1始動口スイッチ13aおよび第2始動口スイッチ14aのみが示されているが、主基板31には、大入賞口である特別可変入賞球装置への遊技球の入賞等を検出するためのスイッチからの配線も接続されている。さらに、主基板31には、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置を開閉するソレノイド21への配線が接続されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ560は、クロック回路501、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ502、乱数回路503a,503b、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用されるRAM55、プログラムに従って動作するCPU56、CPU56に割込要求信号を送出するCTC504、払出制御基板37や演出制御基板80と非同期シリアル通信を行うシリアル通信回路505およびI/Oポート部57を内蔵する。
なお、この実施の形態では、シリアル通信回路505を内蔵するマイクロコンピュータを搭載した基板(例えば、主基板31)とは異なる基板(例えば、払出制御基板37)のマイクロコンピュータとの通信にシリアル通信回路505を用いる場合を説明するが、シリアル通信回路505は、シリアル通信回路505を内蔵するマイクロコンピュータを搭載した基板が備える別のマイクロコンピュータとシリアル通信を行ってもよい。例えば、同じ構成の2つのマイクロコンピュータが同じ基板に搭載されている場合に、各マイクロコンピュータが内蔵するシリアル通信回路が相互にシリアル通信を行ってもよい。
クロック回路501は、システムクロック信号を27(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路503a,503bに出力する。リセットコントローラ502は、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路503a,503bに所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ560をシステムリセットする。
また、この実施の形態では、図4に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路503a,503bを搭載する。乱数回路503aは、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路503aは、12ビットで発生できる範囲(すなわち、0から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、乱数回路503bは、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路503bは、16ビットで発生できる範囲(すなわち、0から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bを包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとのうちいずれかを指す場合に、乱数回路503という。
次に、乱数回路503の構成について説明する。図5は、乱数回路503の構成例を示すブロック図である。なお、この実施の形態において、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとの基本的な構成は同じである。図5に示すように、乱数回路503は、カウンタ521、比較器522、カウント値順列変更回路523、クロック信号出力回路524、カウント値更新信号出力回路525、乱数値読取信号出力回路526、乱数更新方式選択信号出力回路527、セレクタ528、乱数回路起動信号出力回路530、乱数値記憶回路531、反転回路532、ラッチ信号生成回路533およびタイマ回路534とを含む。
この実施の形態では、乱数回路503は、複数種類の識別情報の可変表示の表示結果を特定の表示結果とするか否か(例えば、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの表示図柄の組み合わせを大当り図柄の組み合わせとするか否か)を判定するための大当り判定用の乱数を発生する。そして、CPU56は、乱数回路503が発生した乱数にもとづいて特定の表示結果とすると判定すると、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態(例えば、大当り遊技状態)に移行させる。なお、乱数回路503が発生した乱数を、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当り図柄以外の判定用乱数として用いてもよい。
カウンタ521は、セレクタ528によって選択された所定の信号を入力し、セレクタ528から入力する信号に応答してカウント値Cを出力する。この場合、カウンタ521は、所定の初期値を入力し、カウント値Cを一定の規則に従って初期値から所定の最終値まで循環的に更新して出力する。また、カウンタ521は、カウント値Cを最終値まで更新すると、カウント値Cを最終値まで更新した旨を示す通知信号をCPU56に出力する。この実施の形態では、カウンタ521から通知信号が出力されると、CPU56によって初期値が更新される。
この実施の形態において、カウンタ521は、セレクタ528から信号を入力するごとに(セレクタ528からの信号における立ち上がりエッヂが入力されるごとに)、カウント値Cを「0」から「4095」まで1ずつカウントアップする。また、カウンタ521は、カウント値Cを「4095」までカウントアップすると、カウント値Cを最終値まで更新した旨を示す通知信号をCPU56に出力する。すると、CPU56は、カウンタ521から通知信号を入力し、初期値を更新する。そして、カウンタ521は、CPU56によって更新された初期値から「4095」まで、再びカウント値Cをカウントアップする。また、「4095」までカウントアップすると、カウンタ521は、再び「0」からカウントを開始する。そして、カウンタ521は、更新後の初期値の1つ前の値(最終値)までカウントアップすると、通知信号をCPU56に出力する。なお、この実施の形態では、比較器522は、後述するように、全てのカウント値を入力すると通知信号をカウンタ521に出力する。この場合、カウンタ521は、比較器522から通知信号を入力すると、カウント値をリセットして「0」にする。
なお、比較器522は、入力したカウント値が乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値より大きいか否かを判断し、カウント値が乱数最大値より大きい(乱数最大値を越えた)と判断すると、通知信号をカウンタ521に出力してもよい。この場合、例えば、比較器522は、カウント値が乱数最大値を越えたと判断すると、クロック信号出力回路524が次に乱数発生用クロック信号SI1を出力する前に、通知信号をカウンタ521に出力する。例えば、乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値「256」が設定されている場合を考える。この場合、カウンタ521が「0」から「256」までカウントアップし、さらにカウント値「257」を出力すると、比較器522は、入力したカウント値「257」が乱数最大値「256」を越えたと判断し、カウンタ521に通知信号を出力する。比較器522から通知信号を入力すると、カウンタ521は、クロック信号出力回路524からの乱数発生用クロック信号SI1の入力を待つことなく、カウント値を「258」に更新し出力する。以上の処理を繰り返し実行することによって、比較器522は、カウント値「257」から「4095」まで入力している間、カウント値が乱数最大値を越えていると判断して、繰り返しカウンタ521に通知信号を出力する。そして、カウンタ521は、比較器522から通知信号を入力している間、クロック信号出力回路524からの乱数発生用クロック信号SI1の入力を待つことなく、カウント値を繰り返し更新し出力する。そのようにすることによって、クロック信号出力回路524が次に乱数発生用クロック信号SI1を出力するまでの間に、「257」から「4095」までカウント値を高速にカウントアップさせるように制御し、「257」から「4095」までの乱数値を読み飛ばす(乱数値記憶回路531に記憶させない)ように制御する。
カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ(RSC)536、更新規則選択レジスタ(RRC)542および更新規則メモリ543を含む。カウント値順列変更レジスタ536は、カウンタ521がカウントアップするカウント値Cの更新順である順列(初期値から最終値までの並び順)を変更させるためのカウント値順列変更データ「01h」を格納する。カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ536に数値順列変更データ「01h」が格納されているとき、カウンタ521がカウントアップして更新するカウント値Cの順列を、カウント値順列変更データ「01h」が格納されていないときとは異なる順列に変更する。「h」は、16進数であることを示す。この場合、カウント値順列変更回路523は、数値順列変更データ「01h」が格納されているとき、カウント値の順列の変更に用いる更新規則を切り換える。また、カウント値の順列の変更に用いる更新規則を切り換えた後に、カウンタ521がカウント値の更新を開始すると、カウント値順列変更レジスタ536のカウント値順列変更データは、CPU56によって、「01h」から初期値である「0(=00h)」に戻される(クリアされる)。
なお、CPU56によってカウント値順列変更データをクリアするのでなく、乱数回路503側でカウント値順列変更データをクリアするようにしてもよい。例えば、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」が書き込まれたことにもとづいて、更新規則選択レジスタ(RRC)542にレジスタ値が設定されると、カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ536のレジスタ値をクリアするようにしてもよい。
図6は、更新規則選択レジスタ(RRC)542の例を示す説明図である。更新規則選択レジスタ542は、カウンタ521が出力するカウント値の並び順の並べ替え(順列の変更)に用いる更新規則を設定するレジスタである。この実施の形態では、更新規則選択レジスタ542にレジスタ値が設定されることによって、カウンタ521が出力するカウント値の順列の変更に用いる更新規則が設定される。図6に示すように、更新規則選択レジスタ542は、8ビットレジスタであり、初期値が「0(=00h)」に設定されている。また、更新規則選択レジスタ542は、ビット0〜ビット3が書込および読出ともに可能な状態に構成されている。また、更新規則選択レジスタ542は、ビット4〜ビット7が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。従って、更新規則選択レジスタ542のビット4〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット4〜ビット7から読み出す値は全て「0(=0000b)」である。「b」は、2進数であることを示す。
更新規則選択レジスタ542の値(レジスタ値)は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」が書き込まれたことに応じて、レジスタ値が「0(=00h)」から「15(=0Fh)」まで循環的に更新される。すなわち、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列データ「01h」が書き込まれるごとに、更新規則選択レジスタ542のレジスタ値は、「0」から「1」ずつ加算され、「15」になった後「0」に戻る。
図7は、更新規則メモリ543の例を示す説明図である。図7に示すように、更新規則メモリ543は、更新規則選択レジスタ542の値(レジスタ値)と、カウント値の更新規則とを対応付けて格納している。図7に示す例では、例えば、更新規則選択レジスタ542にレジスタ値1が設定されている場合、更新規則Bを用いて、カウンタ521が出力するカウント値の順列が変更されることが分かる。なお、図7において、更新規則Aは、カウンタ521がカウント値Cを更新する規則と同一の更新規則であり、レジスタ値「0」に対応づけて更新規則メモリ543に格納される。また、更新規則メモリ543には、カウンタ521がカウント値Cを更新する更新規則とは異なる更新規則B〜Pが、レジスタ値「1」〜「15」に対応づけて格納される。
カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」が書き込まれている場合、まず、カウンタ521からカウント値の最終値「4095」が最初に入力されるまで、現在設定されている更新規則に従って、そのままカウント値を出力する。そして、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521からカウント値の最終値「4095」を入力すると、カウント値の更新規則を変更する。なお、CPU56によって初期値が変更されている場合には、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521から変更後の最終値(初期値の1つ前の値)まで入力すると、カウント値の更新規則を変更することになる。
カウント値順列変更回路523は、更新規則選択レジスタ542のレジスタ値に対応する更新規則を更新規則メモリ543から選択し、カウント値の順列の変更に用いる更新規則として設定する。また、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521によって再び初期値「0」から順にカウント値の更新が開始されると、設定した更新規則に従って、カウント値の初期値から最終値までの順列を変更する。なお、CPU56によって初期値が変更されている場合には、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521によって変更後の初期値から順にカウント値の更新が開始されると、設定した更新規則に従って、カウント値の初期値から最終値までの順列を変更することになる。そして、カウント値順列変更回路523は、変更した順列に従ってカウント値を出力する。
なお、この実施の形態では、後述する乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値が設定されていることによって、発生させる乱数の最大値が制限されている場合、カウント値順列変更回路523は、カウント値Cを乱数最大値以下に制限して順列を変更して出力する。例えば、乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値「256」が設定されているものとし、カウント値順列変更回路523が、更新規則Aから更新規則Bに変更して、カウント値の順列を変更するものとする。この場合、カウント値順列変更回路523は、比較器522の乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値「256」にもとづいて、更新規則Bに従って、カウント値の順列を「256→255→・・・→0」に変更して出力する。
以上のように、カウント値順列変更回路523は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」が書き込まれている場合、更新規則を切り替えて用いることによって、カウント値Cの順列を変更して出力する。そのため、乱数回路503が生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
図8は、カウント値順列変更回路523が、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更する場合の例を示す説明図である。図8に示すように、CPU56は、所定のタイミングで、カウント値順列変更データ「01h」をカウント値順列変更レジスタ536に書き込む。すると、更新規則選択レジスタ542のレジスタ値が1加算される。例えば、更新規則選択レジスタ542のレジスタ値が「0」から「1」に更新される。レジスタ値が更新されると、カウント値順列変更回路523は、カウンタ521から最初にカウント値の最終値「4095」が入力されるまで、更新前のレジスタ値「0」に対応する「更新規則A」に従ってカウント値を更新して出力する。このとき、カウント値順列変更回路523は、更新規則Aに従って、「0→1→・・・→4095」の順列でカウント値を出力する。
カウンタ521からカウント値の最終値「4095」が入力されると、カウント値順列変更回路523は、更新規則メモリ543から、更新後のレジスタ値「1」に対応する「更新規則B」を選択して設定する。カウント値順列変更回路523は、カウンタ521から再び初期値「0」以降のカウント値の入力を開始すると、選択設定した「更新規則B」に従って、カウント値の順列を変更して出力する。この実施の形態では、カウント値順列変更回路523は、順列を「0→1→・・・→4095」から「4095→4094→・・・→0」に変更して、カウント値を出力する。
その後、カウント値順列変更レジスタ536は、後述するように、カウント値順列変更回路523が切り替え後の更新規則に従ってカウント値の更新動作を開始したことに応じてリセットされる。そして、次にカウント値順列変更データ「01h」がカウント値順列変更レジスタ536に書き込まれるまで、カウント値順列変更回路523は、「4095→4094→・・・→0」のままの順列で、カウント値を出力し続ける。
CPU56によってカウント値順列変更データ「01h」がカウント値順列変更レジスタ536に再度書き込まれると、カウント値順列変更レジスタ536のレジスタ値が「1」から「2」に更新される。そして、カウンタ521からカウント値の最終値「4095」を入力すると、カウント値順列変更回路523は、更新規則メモリ543から、レジスタ値「2」に対応する「更新規則C」を選択して設定する。カウント値順列変更回路523は、カウンタ521から再び初期値「0」以降のカウント値の入力を開始すると、選択設定した「更新規則C」に従って、カウント値の順列を更新して出力する。この実施の形態では、カウント値順列変更回路523は、順列を「4095→4094→・・・→0」から「1→3→…→4095→0→・・・→4094」に変更して、カウント値を出力する。
以上のように、カウント値順列変更レジスタ536をリセットした後、カウント値順列データ「01h」をカウント値順列変更レジスタ536に再度書き込むことによって、カウント値の順列をさらに変更することができる。
図9は、カウント値順列変更レジスタ(RSC)536の例を示す説明図である。カウント値順列変更レジスタ536は、カウンタ521がカウントアップするカウント値の順列を変更させるためのカウント値順列変更データ「01h」を設定するレジスタである。図9に示すように、カウント値順列変更レジスタ536は、読出可能な8ビットレジスタであり、初期値が「0(=00h)」に設定されている。また、カウント値順列変更レジスタ536は、ビット0だけが書込および読出ともに可能な状態に構成されている。すなわち、カウント値順列変更レジスタ536は、ビット1〜ビット7が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。従って、カウント値順列変更レジスタ536のビット1〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット1〜ビット7から読み出す値は全て「0(=0000000b)」である。
なお、カウント値順列変更レジスタ536の値は、カウント値順列変更回路523が切り替え後の更新規則に従ってカウント値の更新動作を開始したことに応じて、CPU56によってリセットされる。この場合、CPU56は、カウント値順列変更レジスタ536に書き込まれている値を、カウント値順列変更データ「01h」から初期値である「0(=00h)」に戻す。
比較器522は、ランダムRの最大値(乱数最大値)を指定するための乱数最大値設定データを格納する乱数最大値設定レジスタ(RMX)535を備える。比較器522は、乱数最大値設定レジスタ535に格納されている乱数最大値設定データに示される乱数最大値に従って、カウンタ521が更新するカウント値の更新範囲を制限する。この実施の形態では、比較器522は、カウンタ521から入力するカウント値と乱数最大値設定レジスタ535に格納されている乱数最大値設定データ(例えば「00FFh」)に示される乱数最大値(例えば「256」)とを比較する。そして、比較器522は、入力したカウント値が乱数最大値以下であると判断すると、入力したカウント値を乱数値記憶回路531に出力する。
この実施の形態では、比較器522は、具体的には、以下のような制御を行う。比較器522は、カウント値の初期値更新の際に、CPU56からカウント値の初期値をもらい、初期値から乱数最大値までのカウント値の個数を求める。例えば、カウント値の初期値が「157」であり乱数最大値が「256」である場合、比較器522は、初期値から乱数最大値までのカウント値の個数を「100個」と求める。また、比較器522は、カウント値順列変更回路523からカウント値を入力するに従って、初期値からカウント値をいくつ入力したかをカウントアップする。初期値からカウント値を入力した回数が「100回」に達すると、比較器522は、初期値「157」から最大値「256」までの全てのカウント値を入力したと判断する。そして、比較器522は、全てのカウント値を入力した旨の通知信号をカウンタ521に出力する。カウント値の個数で判断することによって、カウント値順列変更回路523によってカウント値の順列が変更されている場合であっても、比較器522は、カウント値の更新範囲を乱数最大値以下に制限し、全てのカウント値を入力した際にカウンタ521に通知信号を出力することができる。
カウント値の更新範囲を比較器522が制限する動作について説明する。なお、この実施の形態では、カウント値順列変更回路523が更新規則Aを選択し、乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値「256」が設定されている場合を説明する。
カウンタ521が「0」から「256」までカウント値を更新している間、カウント値順列変更回路523は、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値「256」にもとづいて、更新規則Aに従って、「0」から「256」までのカウント値をそのまま比較器522に出力する。この場合、カウント値順列変更回路523は、比較器522から乱数最大値「256」の値をもらい、カウンタ521から入力するカウント値が乱数最大値より大きいか否かを判断し、更新規則が変更されているとき(例えば、更新規則B)であっても、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値「256」にもとづいて、「257」から「4095」までのカウント値を比較器522に出力しない。カウンタ521は、例えば、初期値が「0」と設定されているときに、最終値「256」までカウント値を更新すると、通知信号をCPU56に出力する。通知信号を出力すると、CPU56によって、カウンタ521のカウント値の初期値が変更される。この実施の形態では、CPU56によって、初期値が「50」に変更される。
なお、カウント値が乱数最大値「256」より大きいか否かをカウント値順列変更回路523が判断するのでなく、比較器522が判定するようにしてもよい。この場合、例えば、比較器522は、カウント値が乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値より大きいか否かを判断し、カウント値が乱数最大値より大きいと判断すると、通知信号をカウンタ521に出力する。そして、比較器522は、カウント値が乱数最大値を超えたと判断すると、クロック信号出力回路524が次に乱数発生用クロック信号SI1を出力する前に、通知信号をカウンタ521に出力する。そのようにすることによって、比較器522は、クロック信号出力回路524が次に乱数発生用クロック信号SI1を出力するまでの間に、「257」から「4095」までカウント値を高速にカウントアップさせるようにカウンタ521を制御する。そのようにすることによって、カウント値順列変更回路523からの値が「257」未満のときだけカウント値を乱数値記憶回路531に出力するようにし、カウント値順列変更回路523からの値が「257」以上のときにはカウント値を高速で更新させるようにすることができる。
更新規則Aにもとづいて、カウント値順列変更回路523から、「0」から「255」までカウント値を入力している間、比較器522は、入力するカウント値が乱数最大値「256」以下であるので、入力したカウント値をそのまま乱数値記憶回路531に出力する。次に、カウント値順列変更回路523から入力するカウント値が「256」に達すると、比較器522は、入力したカウント値を乱数値記憶回路531に出力するとともに、初期値から最大値までの全てのカウント値を入力した旨の通知信号をカウンタ521に出力する。具体的には、比較器522は、カウント値の初期値変更の際に、CPU56からカウント値の初期値(この実施の形態では、「0」)を入力し、初期値「0」から乱数最大値(この実施の形態では、「256」)までのカウント値の個数(この実施の形態では、「257個」)を求める。そして、カウント値順列変更回路523から入力したカウント値の個数が257個に達すると、全てのカウント値を入力した旨の通知信号をカウンタ521に出力する。なお、この実施の形態では、CPU56によって初期値が「50」に変更されるので、カウンタ521は、比較器522から通知信号を入力しても、カウント値をリセットすることなく、変更後の初期値「50」からカウント値の更新を行う。
カウンタ521が変更後の初期値「50」から「256」までカウント値を更新している間、カウント値順列変更回路523は、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値「256」にもとづいて、更新規則Aに従って、「50」から「256」までのカウント値をそのまま比較器522に出力する。また、カウント値順列変更回路523は、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値「256」にもとづいて、「257」から「4095」までのカウント値を比較器522に出力せず、カウンタ521の更新するカウント値が1周したとき(257回更新したとき)に、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データが書き込まれた場合には、カウント値順列変更回路523は、カウント値の順列を変更して出力する。例えば、更新規則が更新規則Bに変更された場合、カウント値順列変更回路523は、カウント値の順列を「256→255→・・・50」に変更して出力する。
カウント値順列変更回路523から、「256」から「50」までカウント値を入力している間、比較器522は、入力したカウント値をそのまま乱数値記憶回路531に出力する。次に、カウント値順列変更回路523から入力するカウント値が「50」に達すると、比較器522は、入力したカウント値を乱数値記憶回路531に出力するとともに、初期値から最大値までの全てのカウント値を入力した旨の通知信号をカウンタ521に出力する。具体的には、比較器522は、カウント値の初期値変更の際に、CPU56からカウント値の初期値(この実施の形態では、「50」)をもらい、初期値「50」から乱数最大値(この実施の形態では、「256」)までのカウント値の個数(この実施の形態では、「207個」)を求める。そして、カウント値順列変更回路523から入力したカウント値の個数が207個に達すると、全てのカウント値を入力した旨の通知信号をカウンタ521に出力する。
なお、カウント値順列変更回路523がカウント値の順列を変更した場合であっても、比較器522は、カウント値の個数が207個に達すると、通知信号をカウンタ521に出力する。そのようにすることによって、カウント値の順列が変更された場合であっても、初期値「50」から最大値「256」までの全てのカウント値を入力したことにもとづいて、通知信号をカウンタ521に出力できる。
比較器522から通知信号を入力すると、カウンタ521は、カウント値の初期値をリセットし「0」に戻す。そして、カウンタ521は、「0」からカウント値の更新を行う。カウンタ521の値が「0」から再び更新がされると、カウンタ521からのカウント値にもとづいて、カウント値順列変更回路523は「49」〜「0」までのカウント値を比較器522に出力し、比較器522はカウント値順列変更回路523からのカウント値の入力にもとづいて乱数値記憶回路531にカウント値を出力する。そして、カウンタ521は、最終値(この実施の形態では、「49」)までカウント値を更新すると、カウンタ521は、通知信号をCPU56に出力する。通知信号を出力すると、CPU56によって、カウンタ521のカウント値の初期値が再び変更される。
以上のような動作を繰り返すことによって、比較器522は、カウンタ521に、「0」から乱数最大値「256」まで連続的にカウント値をカウントアップさせ、「0」から「256」までの値を乱数値記憶回路531にランダムR(乱数値)として記憶させる。すなわち、比較器522は、カウント値の更新範囲を乱数最大値「256」以下に制限して、カウンタ521にカウント値を更新させる。
図10は、乱数最大値設定レジスタ(RMX)535の例を示す説明図である。図10(a)は、12ビット乱数回路503aが搭載する乱数最大値設定レジスタ535の例を示す。また、図10(b)は、16ビット乱数回路503bが搭載する乱数最大値設定レジスタ535の例を示す。まず、12ビット乱数回路503aが搭載する乱数最大値設定レジスタ535について説明する。図10(a)に示すように、12ビット乱数回路503aにおいて、乱数最大値設定レジスタ535は、16ビットレジスタであり、初期値が「4095(=0FFFh)」に設定されている。乱数最大値設定レジスタ535は、ビット0〜ビット11が書込および読出ともに可能な状態に構成されている。また、乱数最大値設定レジスタ535は、ビット12〜ビット15が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。従って、12ビット乱数回路503aにおいて、乱数最大値設定レジスタ535のビット12〜ビット15に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット12〜ビット15から読み出す値は全て「0(=0000b)」である。
また、乱数最大値設定レジスタ535に設定される乱数最大値は、所定の下限値が定められている。この実施の形態では、乱数最大値設定レジスタ535に下限値「256」より小さい値を指定する乱数最大値設定データ「0000h」〜「00FEh」が書き込まれた場合、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に、初期値「4095」を指定する乱数最大値設定データ「0FFFh」を設定しなおす。すなわち、乱数最大値設定レジスタ535に設定可能な乱数最大値は「256」から「4095」までであり、CPU56は、下限値「256」より小さい値が設定されていると判断すると、乱数最大値を所定値「4095」に設定しなおす。なお、CPU56は、リセットコントローラ502によって遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)がシステムリセットされるまで、乱数最大値設定データが書き込まれた乱数最大値設定レジスタ535を書込不可能に制御する。また、CPU56により書込不可能に制御するのでなく、乱数最大値設定レジスタ535は、データが書き込まれた後にリセット信号を入力するまで書込不可能になるように形成されていてもよい。
次に、16ビット乱数回路503bが搭載する乱数最大値設定レジスタ535について説明する。図10(b)に示すように、16ビット乱数回路503bにおいて、乱数最大値設定レジスタ535は、16ビットレジスタであり、初期値が「65535(=FFFFh)」に設定されている。また、16ビット乱数回路503bにおいて、乱数最大値設定レジスタ535は、ビット0〜ビット15の全てのビットが書込および読出ともに可能な状態に構成されている。
また、乱数最大値設定レジスタ535に下限値「256」より小さい値を指定する乱数最大値設定データ「0000h」〜「00FEh」が書き込まれた場合、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に、初期値「65535」を指定する乱数最大値設定データ「FFFFh」を設定しなおす。すなわち、乱数最大値設定レジスタ535に設定可能な乱数最大値は「256」から「65535」までであり、CPU56は、下限値「256」より小さい値が設定されていると判断すると、乱数最大値を所定値「65535」に設定しなおす。なお、CPU56は、リセットコントローラ502によって遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)がシステムリセットされるまで、乱数最大値設定データが書き込まれた乱数最大値設定レジスタ535を書込不可能に制御する。また、CPU56により書込不可能に制御するのでなく、乱数最大値設定レジスタ535は、データが書き込まれた後にリセット信号を入力するまで書込不可能になるように形成されていてもよい。
クロック信号出力回路524は、セレクタ528および反転回路532に出力するクロック信号の周期(すなわち、カウント値の更新周期)を指定するための周期設定データを格納する周期設定レジスタ(RPS)537を備える。クロック信号出力回路524は、周期設定レジスタ537に格納されている周期設定データに基づいて、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するクロック回路501から入力する基準クロック信号CLKを分周して、乱数回路503内部で乱数値の生成に用いるクロック信号(乱数発生用クロック信号SI1)を生成する。そのようにすることによって、クロック信号出力回路524は、クロック信号を所定回数入力したことを条件に、カウント値Cを更新させるための乱数発生用クロック信号SI1をカウンタ521に出力するように動作する。なお、周期設定データとは、クロック回路501から入力した基準クロック信号CLKを何分周させるかを設定するためのデータである。また、クロック出力回路524は、生成した乱数発生用クロック信号SI1をセレクタ528および反転回路532に出力する。例えば、周期設定レジスタ537に周期設定データ「0Fh(=16)」が書き込まれている場合、クロック信号出力回路524は、クロック回路501から入力する基準クロック信号CLKを16分周して乱数発生用クロック信号SI1を生成する。この場合、クロック信号出力回路524が生成する乱数発生用クロック信号SI1の周期は、「システムクロック信号の周期×128×16」になる。
図11は、周期設定レジスタ(RPS)537の例を示す説明図である。図11に示すように、周期設定レジスタ537は、8ビットレジスタであり、初期値が「256(=FFh)」に設定されている。また、周期設定レジスタ537は、書込および読出ともに可能な状態に構成されている。
また、周期設定レジスタ537に設定される周期設定データの値は、所定の下限値が定められている。この実施の形態では、周期設定レジスタ537に下限値「システムクロック信号の周期×128×7」より小さい値を指定する周期設定データ「00h〜06h」が書き込まれた場合、CPU56は、周期設定レジスタ537に下限値「システムクロック信号の周期×128×7」を指定する周期設定データ「07h」を設定しなおす。すなわち、周期設定レジスタ537に設定可能な周期は「システムクロック信号の周期×128×7」から「システムクロック信号の周期×128×256」までであり、CPU56は、下限値より小さい値が設定されていると判断すると、周期設定データを設定しなおす。なお、CPU56は、リセットコントローラ502によって遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)がシステムリセットされるまで、周期設定データが書き込まれた周期設定レジスタ537を書込不可能に制御する。また、CPU56により書込不可能に制御するのでなく、周期設定レジスタ537は、データが書き込まれた後にリセット信号を入力するまで書込不可能になるように形成されていてもよい。
なお、周期設定レジスタ537に下限値としての周期設定データを設定することなく、設定された周期設定データにもとづいて、例えばクロック信号出力回路524が基準クロック信号CLKをそのままカウンタ521および反転回路532に出力するようにしてもよい。この場合、CPU56は、周期設定レジスタ537に設定される周期設定データの値を下限値と比較して設定しなおす処理を行う必要がなくなる。また、カウンタ521は、クロック信号出力回路524から基準クロック信号CLKを入力する毎にカウント値Cを更新することになる。
カウント値更新信号出力回路525は、カウント値更新データ「01h」を格納するカウント値更新レジスタ(RGN)538を備える。カウント値更新データとは、カウント値の更新を要求するためのデータである。カウント値更新信号出力回路525は、カウント値更新レジスタ538にカウント値更新データ「01h」が書き込まれたことに応じて、カウント値更新信号SI3をセレクタ528に出力する。
図12は、カウント値更新レジスタ(RGN)538の例を示す説明図である。図12に示すように、カウント値更新レジスタ538は、読出不能な8ビットレジスタであり、ビット0のみが書込可能な状態に構成されている。従って、カウント値更新レジスタ538のビット1〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされる。
乱数値読取信号出力回路526は、乱数値取込データ「01h」を格納する乱数値取込レジスタ(RLT)539を備える。乱数値取込データとは、乱数値記憶回路531へのカウント値の取込を要求するためのデータである。乱数値読取信号出力回路526は、乱数値取込レジスタ539に乱数値取込データ「01h」が書き込まれたことに応じて、乱数値の読み取りを要求するための乱数値読取信号をラッチ信号生成回路533に出力する。
図13は、乱数値取込レジスタ(RLT)539の例を示す説明図である。図13に示すように、乱数値取込レジスタ539は、読出不能な8ビットレジスタである。また、乱数値取込レジスタ539は、ビット0だけが書込可能な状態に構成されている。すなわち、乱数値取込レジスタ539のビット1〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされる。
乱数更新方式選択信号出力回路527は、乱数更新方式選択データを格納する乱数更新方式選択レジスタ(RTS)540を備える。乱数更新方式選択データとは、ランダムRの値を更新する方式である各乱数更新方式のうち、いずれかの乱数更新方式を指定するためのデータである。乱数更新方式選択信号出力回路527は、乱数更新方式選択レジスタ540に乱数更新方式選択データが書き込まれたことに応じて、書き込まれた乱数更新方式選択データによって指定される乱数更新方式に対応する乱数更新方式選択信号を、セレクタ528およびラッチ信号生成回路533に出力する。
図14(A)は、乱数更新方式選択レジスタ(RTS)540の例を示す説明図である。図14(A)に示すように、乱数更新方式選択レジスタ540は、8ビットレジスタであり、初期値が「00h」に設定されている。また、乱数更新方式選択レジスタ540は、ビット0〜ビット1が書込および読出ともに可能な状態に構成されている。また、乱数更新方式選択レジスタ540は、ビット2〜ビット7が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。従って、乱数更新方式選択レジスタ540のビット2〜ビット7に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット2〜ビット7から読み出す値は全て「0(=000000b)」である。
図14(B)は、乱数更新方式選択レジスタ540に書き込まれる乱数更新方式選択データの一例の説明図である。図14(B)に示すように、乱数更新方式選択データは、2ビットのデータから構成される。乱数更新方式選択データ「01b」は、第1の乱数更新方式を指定するために用いられる。また、乱数更新方式選択データ「10b」は、第2の乱数更新方式を指定するために用いられる。なお、この実施の形態では、第1の乱数更新方式とは、カウント値更新信号出力回路525からカウント値更新信号SI3が出力されたことをトリガとして、カウント値を更新する方式である。また、第2の乱数更新方式とは、クロック信号出力回路524から乱数発生用クロック信号SI1が出力されたことをトリガとして、カウント値を更新する方式である。また、乱数更新方式選択データ「01b」または「10b」が乱数更新方式選択レジスタ540に書き込まれた場合、乱数回路503は起動可能な状態になる。一方、乱数更新方式選択データ「00b」または「11b」が乱数更新方式選択レジスタ540に書き込まれた場合、乱数回路503は起動不能な状態になる。
セレクタ528は、カウント値更新信号出力回路525から出力されるカウント値更新信号SI3、またはクロック信号出力回路524から出力される乱数発生用クロック信号SI1のいずれかを選択してカウンタ521に出力する。セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第1の乱数更新方式に対応する乱数更新方式選択信号(第1の乱数更新方式選択信号ともいう)が入力されると、カウント値更新信号出力回路525から出力されるカウント値更新信号SI3を選択してカウンタ521に出力する。一方、セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式に対応する乱数更新方式選択信号(第2の乱数更新方式選択信号ともいう)が入力されると、クロック信号出力回路524から出力される乱数発生用クロック信号SI1を選択してカウンタ521に出力する。なお、セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第1の更新方式選択信号が入力されると、カウント値更新信号出力回路525から出力されるカウント値更新信号SI3に応じて、クロック信号出力回路524から出力される乱数発生用クロック信号SI1に同期した数値データの更新を指示する数値更新指示信号を、カウンタ521に出力してもよい。
乱数回路起動信号出力回路530は、乱数回路起動データ「80h」を格納する乱数回路起動レジスタ(RST)541を備える。乱数回路起動データとは、乱数回路503の起動を要求するためのデータである。乱数回路起動信号出力回路530は、乱数回路起動レジスタ541に乱数回路起動データ「80h」が書き込まれると、所定の乱数回路起動信号をカウンタ521およびクロック信号出力回路537に出力し、カウンタ521およびクロック信号出力回路524をオンにさせる。そして、カウンタ521によるカウント値の更新動作とクロック信号出力回路524による内部クロック信号の出力動作とを開始させることによって、乱数回路503を起動させる。
図15は、乱数回路起動レジスタ(RST)541の例を示す説明図である。図15に示すように、乱数回路起動レジスタ541は、8ビットレジスタであり、初期値が「00h」に設定されている。乱数回路起動レジスタ541は、ビット7だけが書込および読出ともに可能な状態に構成されている。また、乱数回路起動レジスタ541は、ビット0〜ビット6が書込および読出ともに不可能な状態に構成されている。すなわち、乱数回路起動レジスタ541のビット0〜ビット6に値を書き込む制御を行っても無効とされ、ビット0〜ビット6から読み出す値は全て「0(=000000b)」である。
乱数値記憶回路531は、例えば16ビットレジスタであり、遊技制御処理における大当り判定において用いられる乱数であるランダムRの値を格納する。乱数値記憶回路531は、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLを入力したことに応じて、カウンタ521から比較器522を介して出力されるカウント値CをランダムRの値として格納する。そして、乱数値記憶回路531は、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLを入力するごとに、カウンタ521が更新するカウント値Cを読み込んでランダムRの値を記憶する。
図16は、乱数値記憶回路531の構成例を示す回路図である。乱数値記憶回路531は、図16に示すように、2個のAND回路201,203と、2個のNOT回路202,204と、16個のフリップフロップ回路2101〜2116と、16個のOR回路2201〜2216とを含む。
図16に示すように、AND回路201の入力端子は、ラッチ信号生成回路533の出力端子とNOT回路204の出力端子とに接続され、出力端子は、NOT回路202の入力端子とフリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16とに接続されている。NOT回路202の入力端子は、AND回路201の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路203の一方の入力端子に接続されている。
AND回路203の入力端子は、NOT回路202の出力端子と遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するCPU56とに接続され、出力端子は、NOT回路204の入力端子に接続されている。NOT回路204の入力端子は、AND回路203の出力端子に接続され、出力端子は、AND回路201の一方の入力端子とOR回路2201〜2216の一方の入力端子とに接続されている。
フリップフロップ回路2101〜2116の入力端子D1〜D16は、比較器522の出力端子に接続されている。フリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16は、AND回路201の出力端子に接続され、出力端子Q1〜Q16は、OR回路2201〜2216の他方の入力端子に接続されている。
OR回路2201〜2216の入力端子は、NOT回路204の出力端子とフリップフロップ回路2101〜2116の出力端子とに接続され、出力端子は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するCPU56に接続されている。
乱数値記憶回路531の動作について説明する。図17は、乱数値記憶回路531に各信号が入力されるタイミング、および乱数値記憶回路531が各信号を出力するタイミングを示すタイミングチャートである。図17に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560が搭載するCPU56から出力制御信号SC(この実施の形態では、ハイレベル信号)が入力されていない場合(すなわち、AND回路203の一方の入力端子への入力がローレベルの場合)、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力されると(図17に示す例では、タイミングT1,T2,T7のとき)、AND回路201の2つの入力端子への入力はともにハイレベルになる。そのため、AND回路201の出力端子から出力される信号SRはハイレベルになる。そして、AND回路201から出力された信号SRは、フリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16に入力される。
フリップフロップ回路2101〜2116は、クロック端子Clk1〜Clk16から入力される信号SRの立ち上がりエッヂに応答して、比較器522から入力端子D1〜D16を介して入力されるカウント値CのビットデータC1〜C16を乱数値のビットデータR1〜R16としてラッチして記憶する。また、フリップフロップ回路2101〜2116は、記憶するランダムRのビットデータR1〜R16を出力端子Q1〜Q16から出力する。
出力制御信号SCが入力されていない場合(図17に示す例では、タイミングT3までの期間およびタイミングT6以降の期間)、AND回路203の一方の入力端子への入力がローレベルになるので、AND回路203の出力端子から出力される信号SGはローレベルになる。AND回路203が出力する信号SGは、NOT回路204において反転され、ハイレベルの信号とされる。そして、OR回路2201〜2216の一方の入力端子に、NOT回路204からハイレベルの信号が入力される。
以上のように、OR回路2201〜2216の一方の入力端子への入力がハイレベルになるので、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、OR回路2201〜2216はハイレベルの信号を出力する。すなわち、入力されるランダムRのビットデータR1〜R16の値が「0」であるか「1」であるかに関わらず、OR回路2201〜2216から出力される信号SO1〜SO16は、全てハイレベル(「1」)になる。そのようにすることによって、乱数値記憶回路531から出力される値は、常に「65535(=1111111111111111b)」となり、乱数値記憶回路531からランダムRを読み出すことができない状態になる。すなわち、乱数値記憶回路531から乱数を読み出そうとしても、乱数値記憶回路531から常に同じ値「65535」しか読み出せない状態となり、出力制御信号SCが入力されていない場合、乱数値記憶回路531は、読出不能(ディスエーブル)状態になる。なお、16ビット乱数回路503bを用いる場合、乱数値としての値「65535」が用いられる可能性がある。この場合、CPU56は、値「65535」を読み込んだとしても、その値が乱数であるのか読出不能状態であるのかを判断することができない。そのため、図26に示す各大当り判定用の判定テーブルにおいて、あらかじめランダムRが「65535」である場合には「はずれ」と判定するように設定しておけばよい。
ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力されていないときに、CPU56から出力制御信号SCが入力されると(図17に示す例では、タイミングT4からタイミングT6までの期間)、AND回路203の2つの入力端子への入力がともにハイレベルになるので、AND回路203の出力端子から出力される信号SGはハイレベルになる。AND回路203が出力する信号SGは、NOT回路204において反転され、ローレベルの信号とされる。そして、OR回路2201〜2216の一方の入力端子に、NOT回路204からローレベルの信号が入力される。
以上のように、OR回路2201〜2216の一方の入力端子への入力がローレベルになるので、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルの場合、OR回路2201〜2216の出力端子からハイレベルの信号が出力される。また、OR回路2201〜2216の他方の入力端子に入力される信号がローレベルの場合、OR回路2201〜2216からローレベルの信号が出力される。すなわち、OR回路2201〜2216の他方の入力端子に入力されるランダムRのビットデータR1〜R16の値は、OR回路2201〜2216の出力端子からそのまま(すなわち、ビットデータR1〜R16の値が「1」のときは「1」が、「0」のときは「0」)出力される。そのようにすることによって、乱数値記憶回路531からのランダムRの読出が可能になる。すなわち、出力制御信号SCが入力されている場合、乱数値記憶回路531は、読出可能(イネーブル)状態になる。
ただし、CPU56から出力制御信号SCが入力される前に、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力されている場合には、AND回路203の一方の入力端子への入力がローレベルになるので、ラッチ信号SLが入力されている状態のままで、出力制御信号SCが入力されても(図17に示す例では、タイミングT3からタイミングT4の期間)、AND回路203の出力端子から出力される信号SGはローレベルのままになる。AND回路203が出力する信号SGは、NOT回路204において反転され、ハイレベルの信号とされる。そして、OR回路2201〜2216の一方の入力端子に、NOT回路204からハイレベルの信号が入力される。
以上のように、OR回路2201〜2216の一方の入力端子への入力がハイレベルになるので、他方の入力端子に入力される信号がハイレベルであるかローレベルであるかに関わらず、OR回路2201〜2216から出力される信号SO1〜SO16は全てハイレベルになる。そして、出力制御信号SCが入力されているにも関わらず、乱数値記憶回路531からランダムRを読み出すことができない状態のままになる。すなわち、ラッチ信号SLが入力されている場合、乱数値記憶回路531は、出力制御信号SCを受信不可能な状態になる。なお、16ビット乱数回路503bを用いる場合、乱数値としての値「65535」が用いられる可能性がある。この場合、CPU56は、値「65535」を読み込んだとしても、その値が乱数であるのか読出不能状態であるのかを判断することができない。そのため、図26に示す各大当り判定用の判定テーブルにおいて、あらかじめランダムRが「65535」である場合には「はずれ」と判定するように設定しておけばよい。
また、ラッチ信号生成回路533からラッチ信号SLが入力される前に、CPU56から出力制御信号SCが入力されている場合、AND回路201の一方の入力端子への入力がローレベルになるので、出力制御信号SCが入力されているままの状態で、ラッチ信号SLが入力されても(図17に示す例では、タイミングT5)、AND回路201の出力端子から出力される信号SRはローレベルのままになる。そのため、フリップフロップ回路2101〜2116のクロック端子Clk1〜Clk16に入力される信号SRは、ローレベルからハイレベルに立ち上がらず、フリップフロップ回路2101〜2116に格納されているランダムRのビットデータR1〜R16は、ラッチ信号SLが入力されているにも関わらず、更新されない。すなわち、出力制御信号SCが入力されている場合、乱数値記憶回路531は、ラッチ信号SLを受信不可能な状態になる。
反転回路532は、クロック信号出力回路524から入力する乱数発生用クロック信号SI1における信号レベルを反転させることによって、クロック信号の極性を反転させた反転クロック信号SI2を生成する。また、反転回路532は、生成した反転クロック信号SI2をラッチ信号生成回路533に出力する。
ラッチ信号生成回路533は、セレクタおよびフリップフロップ回路等を用いて構成される。ラッチ信号生成回路533は、乱数値読取信号出力回路526からの乱数値読取信号と反転回路532からの反転クロック信号SI2とを入力し、乱数値記憶回路531に乱数値を記憶させるためのラッチ信号SLを出力する。また、ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527からの乱数更新方式選択信号によって指定された乱数値更新方式に応じて、ラッチ信号SLを出力する。この場合、ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第1の乱数更新方式選択信号が入力された場合、反転回路532から出力される反転クロック信号SI2を選択し、ラッチ信号SLとして乱数値記憶回路531に出力する。一方、ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号が入力された場合、乱数値読取信号出力回路526から出力される乱数値読取信号を、反転回路532から出力される反転クロック信号SI2の立ち上がりエッヂに同期させて、ラッチ信号SLとして乱数値記憶回路531に出力する。
タイマ回路534は、第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)への遊技球の入賞を検出した旨の入賞検出信号SSを第1始動口スイッチ13a(または第2始動口スイッチ14a)から入力する。また、タイマ回路534は、第1始動口スイッチ13a(または第2始動口スイッチ14a)から入賞検出信号SSが継続して入力されている時間を計測する。そして、タイマ回路534は、計測時間が所定期間(例えば、3ms)になると、乱数値読取信号出力回路526の乱数値取込レジスタ539に乱数値取込データ「01h」を書き込む。例えば、タイマ回路534は、ハイレベルの信号が入力されたことに応じて起動するアップカウンタまたはダウンカウンタによって構成される。タイマ回路534は、第1始動口スイッチ13a(または第2始動口スイッチ14a)からの入力がハイレベルとなっている間(すなわち、入賞検出信号SSが継続して入力されている間)、クロック回路501から順次入力する基準クロック信号CLKをアップカウントまたはダウンカウントする。そして、タイマ回路534は、アップカウントまたはダウンカウントするカウント値が3msに対応する値になると、第1始動口スイッチ13a(または第2始動口スイッチ14a)から入賞検出信号SSが入力されたと判断して、乱数値取込データ「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込む。なお、乱数値取込レジスタ539は、第1始動口スイッチ13aと第2始動口スイッチ14aとのそれぞれに対応して用意されている。
図18は、遊技制御用マイクロコンピュータ560における記憶領域のアドレスマップの一例を示す説明図である。図18に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ560の記憶領域のうち、0000h番地〜1FFFh番地の領域は、ROM54に割り当てられている。また、7E00h番地〜7FFFh番地の領域は、RAM55に割り当てられている。さらに、FD00h番地〜FE00h番地の領域は、乱数最大値設定レジスタ535等の内蔵レジスタに割り当てられている。
また、図18に示すように、ROM54に割り当てられている0000h番地〜1FFFh番地の領域は、ユーザプログラムエリアとユーザプログラム管理エリアとを含む。0000h番地〜1F7Fh番地の領域のユーザプログラムエリアには、ユーザ(例えば、遊技機の設計者)によってあらかじめ作成されたプログラム(ユーザプログラム)550が記憶される。また、1F80h番地〜1FFFh番地の領域のユーザプログラム管理エリアには、CPU56がユーザプログラム550を実行するために必要になるデータ(ユーザプログラム実行データ)が記憶される。また、RAM55に割り当てられている7E00h番地〜7FFFh番地の領域のうち、7E00h番地〜7EFFh番地の領域は未使用領域であり、7EFFh番地〜7FFFh番地の領域はワークエリアとして用いられる。
図19は、ユーザプログラム管理エリアにおけるアドレスマップの一例を示す説明図である。図19に示すように、1F97h番地の領域には、カウンタ521に入力される初期値を変更するための方式である初期値変更方式のうち、ユーザによって選択された初期値変更方式を指定するための初期値変更方式設定データが記憶される。また、1F98h番地および1F99h番地の領域には、RAM55に割り当てられた7EFFh番地〜7FFFh番地のうち、ユーザによってあらかじめ指定されたRAM55における番地(指定RAM番地)を特定するためのRAM番地データが記憶される。この場合、指定RAM番地を示す値のうち、指定RAM番地の下位の値が1F98h番地に記憶され、指定RAM番地の上位の値が1F99h番地に記憶される。
図20は、初期値変更方式設定データの一例を示す説明図である。図20に示すように、初期値変更データは、8ビットのデータから構成される。初期値変更データ「00h」は、初期値変更方式として、初期値を変更しないことを指定するデータである。この実施の形態では、初期値変更データ「00h」が設定されている場合、乱数回路503のカウンタ521は、あらかじめ定められた初期値「0」から所定の最終値までカウント値を更新することになる。また、初期値変更データ「01h」は、初期値変更方式として、カウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560を識別するためのIDナンバにもとづく値に変更することを指定するデータである。この実施の形態では、初期値変更データ「01h」が設定されている場合、カウンタ521が更新するカウンタ値の初期値が「0」からIDナンバにもとづく値に変更され、カウンタ521は、変更後の初期値から所定の最終値までカウント値を更新することになる。
ユーザプログラムエリアに記憶されるユーザプログラム550について説明する。図21は、ユーザプログラム550の構成例を示す説明図である。図21に示すように、この実施の形態では、ユーザプログラム550は、複数種類のプログラムモジュールから構成される乱数回路設定プログラム551と、表示結果決定プログラム552と、カウント値順列変更プログラム554と、乱数値更新プログラム555と、シリアル通信回路設定プログラム556と、割込優先順位設定プログラム557とを含む。
乱数回路設定プログラム551は、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための初期設定を行う乱数回路設定処理を実行させるためのプログラムである。すなわち、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に従って処理を実行することによって、乱数回路設定手段として機能する。
図22は、乱数回路設定プログラム551の構成例を示す説明図である。図22に示すように、乱数回路設定プログラム551は、複数種類のプログラムモジュールとして、乱数最大値設定モジュール551aと、乱数更新方式選択モジュール551bと、周期設定モジュール551cと、乱数回路起動モジュール551dと、初期値変更モジュール551eと、乱数回路選択モジュール551fとを含む。
乱数最大値設定モジュール551aは、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によってあらかじめ設定されたランダムRの最大値を乱数回路503に設定させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数最大値設定モジュール551aに従って処理を実行することによって、ユーザによってあらかじめ設定されたランダムRの最大値を指定する乱数最大値設定データを、乱数最大値設定レジスタ535に書き込む。そのようにすることによって、CPU56は、ユーザによってあらかじめ設定されたランダムRの最大値を乱数回路503に設定する。例えば、ユーザによってランダムRの最大値としてあらかじめ「255」が設定された場合、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に乱数最大値設定データ「00FFh」を書き込んで、ランダムRの最大値「255」を乱数回路503に設定する。
乱数更新方式選択モジュール551bは、ユーザによって選択された乱数更新方式(第1の乱数更新方式または第2の乱数更新方式)を乱数回路503に設定させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数更新方式選択モジュール551bに従って処理を実行することによって、ユーザによって選択された乱数更新方式を指定する乱数更新方式選択データ「01b」または「10b」を乱数更新方式選択レジスタ540に書き込む。そのようにすることによって、CPU56は、ユーザによって選択された乱数更新方式を乱数回路503に設定する。よって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1の乱数更新方式または第2の乱数更新方式のうちのいずれかを、乱数回路503が乱数更新に用いる乱数更新方式として選択する機能を備える。
周期設定モジュール551cは、ユーザによってあらかじめ設定された内部クロック信号の周期(すなわち、クロック信号出力回路524がセレクタ528および反転回路532にクロック信号を出力する周期)を乱数回路503に設定させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、周期設定モジュール551cに従って処理を実行することによって、ユーザによってあらかじめ設定された内部クロック信号の周期を指定するための周期設定データを周期設定レジスタ537に書き込む。そのようにすることによって、CPU56は、ユーザによってあらかじめ設定された内部クロック信号の周期を乱数回路503に設定する。例えば、ユーザによって内部クロック信号の周期があらかじめ「システムクロック信号の周期×128×16」と設定された場合、CPU56は、周期設定レジスタ537に周期設定データ「0Fh」を書き込んで、内部クロック信号の周期「システムクロック信号の周期×128×16」を乱数回路503に設定する。
乱数回路起動モジュール551dは、乱数回路503を起動させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数回路起動モジュール551dに従って処理を実行することによって、乱数回路起動データ「80h」を乱数回路起動レジスタ541に書き込むことによって、乱数回路503を起動させる。
初期値変更モジュール551eは、カウンタ521が更新するカウント値の初期値を変更させるためのプログラムモジュールである。CPU56は、初期値変更モジュール551eに従って処理を実行することによって、初期値変更手段として機能する。CPU56は、初期値変更モジュール551eを実行して、ユーザによって選択された初期値変更方式によって、カウンタ521が更新するカウント値の初期値を変更させる。そのようにすることによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、初期値変更方式を選択する機能を備えることになる。
この実施の形態では、ユーザプログラム管理エリアの1F97h番地の領域に初期値変更方式設定データ「01h」が記憶されている場合、CPU56は、カウント値の初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560毎に付与された固有のIDナンバにもとづいて算出された値に変更させる。
例えば、CPU56は、ROM54(RAM55でも可)の所定の記憶領域に、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと、IDナンバにもとづいて所定の演算を行って求めた演算値とをあらかじめ対応付けて記憶している。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバが「100」であるとすると、IDナンバ「100」に所定値「50」を加算して求めた演算値「150」を、あらかじめIDナンバに対応付けて記憶している。また、例えば、IDナンバ「100」に所定値「50」を減算して求めた演算値「50」を、あらかじめIDナンバに対応付けて記憶している。また、例えば、あらかじめIDナンバに対応づけて所定値だけを記憶していてもよい。そして、CPU56は、あらかじめ記憶する所定値(例えば、「50」)にIDナンバ(例えば、「100」を加算して求めた値「150」を、カウント値の初期値としてもよい。また、CPU56は、あらかじめ記憶する所定値(例えば、「50」)をIDナンバ(例えば、「100」)から減算して求めた値「50」を、カウント値の初期値としてもよい。
そして、初期値変更方式設定データ「01h」が記憶されている場合、CPU56は、あらかじめ記憶するIDナンバにもとづく演算値にカウント値の初期値を変更させる。そのようにすれば、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取り込み信号を遊技機に対して発生させるなどの行為によって、大当り遊技状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
また、例えば、初期値変更方式設定データ「01h」が記憶されている場合、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと所定値とを演算して(例えば、IDナンバに所定値を加算して)求めた演算値にカウント値の初期値を変更させる。この場合、例えば、CPU56は、乱数を用いてランダムに変化させた値をIDナンバと演算することによって、演算に用いる値をランダムに更新し初期値を求めてもよい。そのようにすれば、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
乱数回路選択モジュール551fは、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する各乱数回路503の中から、遊技制御処理を含むタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路を設定するためのプログラムモジュールである。CPU56は、乱数回路選択モジュール551fに従って処理を実行することによって、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する2つの乱数回路(12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503b)のうち、いずれの乱数回路をタイマ割込処理の実行時に用いるかを設定する。例えば、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された所定の設定値(ユーザによってあらかじめ設定された値)に従って、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として、12ビット乱数回路503aまたは16ビット乱数回路503bを設定する。
なお、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bの両方を設定してもよい。この場合、CPU56は、例えば、12ビット乱数回路503aが発生した乱数にもとづいて大当り判定を行い、16ビット乱数回路503bが発生した乱数にもとづいて確変判定を行うようにしてもよい。この実施の形態では、乱数値記憶回路531は、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとにそれぞれ存在する(すなわち、12ビット用の乱数を記憶する乱数値記憶回路と、16ビット用の乱数を記憶する乱数値記憶回路とが、別個に存在する)。また、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bの両方を設定した場合、CPU56は、12ビット乱数回路503aから読み出した乱数と、16ビット乱数回路503bから読み出した乱数とを、RAM55に設けられた別々のバッファ領域にそれぞれ格納する。そのため、12ビット乱数回路503aから乱数を読み出すタイミングと、16ビット乱数回路503bから乱数を読み出すタイミングとが同じであっても、2つの異なる乱数を抽出し別々のバッファ領域に格納することができる。
乱数値更新プログラム555は、乱数更新方式として第1の乱数更新方式が選択されているときに、乱数値記憶回路531に格納されているランダムRの値を更新させるためのプログラムである。CPU56は、乱数値更新プログラム555に従って処理を実行することによって、乱数値更新手段として機能する。CPU56は、第1の乱数更新方式が選択されているときに、乱数値更新プログラム555を実行して、カウント値更新データ「01h」をカウント値更新レジスタ538に書き込むことによって、カウンタ521にカウント値を更新させ、乱数値記憶回路531に格納されているランダムRの値を更新させる。なお、乱数更新方式として第2の乱数更新方式が選択されている場合には、クロック信号出力回路537が出力する乱数発生用クロック信号によって、カウンタ521にカウント値を更新させ、乱数値記憶回路531に格納されているランダムRの値を更新させることになる。
表示結果決定プログラム552は、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける表示結果を大当り図柄とするか否かを決定するためのプログラムである。遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、表示結果決定プログラム552に従って処理を実行することによって、表示結果決定手段として機能する。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、遊技球が第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に入賞して第1特別図柄(または第2特別図柄)の可変表示を実行するための条件(第1の実行条件)が成立したことに応じて、表示結果決定プログラム552に従って処理を実行する。そして、CPU56は、乱数値記憶回路531から更新後のランダムRの値を読み出して、第1特別図柄表示器8a(または第2特別図柄表示器8b)における表示結果を大当り図柄とするか否か決定する。
図23は、第1の乱数更新方式が選択されている場合に、CPU56がランダムRの値を更新させたりランダムRの値を読出したりする動作を示す説明図である。図23に示すように、第1の乱数更新方式が選択されている場合、CPU56は、カウント値更新データ「01h」をカウント値更新レジスタ538に書き込むことによって、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値(例えば「2」)を更新させる。そして、CPU56は、遊技球が第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に入賞して第1特別図柄(または第2特別図柄)の可変表示を実行するための条件(第2の実行条件)が成立したことに応じて、乱数値記憶回路531からランダムRの値(例えば「2」)を読み出す。
なお、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値をさらに更新させる場合、前回更新時にランダムRの値を更新したときから、クロック回路501が出力するシステムクロック信号の周期以上の間隔を経過したときに、カウント値更新レジスタ538にカウント値更新データ「01h」を書き込まなければならない。なぜなら、更新後のランダムRの値を乱数値記憶回路531から読み出す時間を確保する必要があるからである。
図24は、第2の乱数更新方式が選択されている場合に、CPU56がランダムRの値を読出したりする動作を示す説明図である。図24に示すように、第2の乱数更新方式が選択されている場合、タイマ回路534は、乱数値取込コマンド「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込むことによって、カウンタ521が出力するカウント値(例えば「2」)を乱数値記憶回路531に取り込ませて、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値を更新させる。そして、CPU56は、乱数値記憶回路531から更新後のランダムRの値(例えば「2」)を読み出す。
具体的には、第2の乱数更新方式が選択されている場合、カウンタ521は、乱数発生用クロック信号SI1を入力したことをトリガとしてカウント値Cを更新する。その後、乱数値取込コマンド「01h」が乱数値取込レジスタ539に書き込まれると、ラッチ信号生成回路533はラッチ信号SLを乱数値記憶回路531に出力する。そして、乱数値記憶回路531は、ラッチ信号SLを入力したことをトリガとしてカウンタ521が出力するカウント値を読み込んで記憶する。そして、CPU56は、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値を読み出す。
なお、タイマ回路534が乱数値取込コマンド「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込まなければ、カウンタ521がカウント値を更新しても、乱数値記憶回路531は、カウンタ521が更新する乱数値を読み込まない。例えば、タイマ回路534が乱数値取込コマンド「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込み、カウンタ521が出力するカウント値「3」を乱数値記憶回路531に取り込ませて、乱数値記憶回路531が記憶するランダムRの値「3」を更新させたとする。この場合、タイマ回路534が乱数値取込コマンド「01h」を再び乱数値取込レジスタ539に書き込まなければ、カウンタ521が出力するカウント値が「3」から「4」や「5」に更新されても、乱数値記憶回路531が記憶する乱数値は更新されず、乱数値記憶回路531から読み出される乱数値は「3」のままである。
カウント値順列変更プログラム554は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」を書き込んで、乱数値記憶回路531が記憶するカウント値の順列を変更させるカウント値順列変更処理を実行するためのプログラムである。遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、カウント値順列変更プログラム554に従って処理を実行することによって、数値データ順列変更手段として機能する。CPU56は、カウント値順列変更プログラム554を実行して、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」を書き込むことによって、カウント値順列変更回路523が出力し乱数値記憶回路531に入力されるカウント値の順列を変更させる。
シリアル通信回路設定プログラム556は、シリアル通信回路505に各制御基板に搭載されたマイクロコンピュータ(この実施の形態では、払出制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信させるための初期設定を行うシリアル通信回路設定処理を実行させるためのプログラムである。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、シリアル通信回路設定プログラム556に従って処理を実行することによって、シリアル通信回路設定手段として機能する。
割込優先順位設定プログラム557は、シリアル通信回路505の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定するためのプログラムである。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)は、割込優先順位設定プログラム556に従って処理を実行することによって、優先順位初期設定手段として機能する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、図25に示すように、特図保留メモリ570と、大当り判定用テーブルメモリ571と、フラグメモリ572と、始動入賞口スイッチタイマメモリ573とを備える。それらのメモリは、具体的にはROM54またはRAM55に形成されている。なお、「ROM(またはRAM)に形成されている」とは、ROM(またはRAM)内の領域であることを意味する。また、フラグメモリ572、始動入賞口スイッチタイマメモリ573および特図保留メモリ570は、第1保留記憶と第2保留記憶のそれぞれについて設けられている。
特図保留メモリ570は、遊技球が第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に入賞して第1特別図柄(または第2特別図柄)の可変表示の実行条件は成立したが、未だ可変表示の開始条件が成立していない(例えば、第1特別図柄表示器8a(または第2特別図柄表示器8b)がまだ可変表示を実行中である)可変表示の実行条件の成立回数を含む保留データを記憶するためのメモリである。特図保留メモリ570は、4つのエントリを備え、各エントリには、遊技球が第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に入賞した順に、入賞に応じて乱数値記憶回路531から読み出したランダムRの値が格納される。また、特別図柄表示器8a(または第2特別図柄表示器8b)における第1特別図柄(または第2特別図柄)の可変表示が1回終了したり、大当り遊技状態が終了したりするごとに、可変表示の開始条件が成立し、特図保留メモリ570最上位の情報にもとづいた可変表示が実行される。この場合、第1特別図柄(または第2特別図柄)の可変表示の開始条件が成立すると、特図保留メモリ570の第2位以下に登録されている情報が1位ずつ繰り上がる。また、第1特別図柄(または第2特別図柄)の可変表示中に遊技球が第1始動入賞口13(または第2始動入賞口14)に新たに入賞した場合には、その新たな入賞にもとづいて乱数値記憶回路531から読み出されたランダムRの値が、特図保留メモリ570の空エントリに登録される。
大当り判定用テーブルメモリ571は、CPU56が第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの表示結果を大当り図柄とするか否か判定するために用いる複数の大当り判定テーブルを記憶する。具体的には、大当り判定用テーブルメモリ571は、図26(A)に示すような確変状態以外の遊技状態(通常状態、時短状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルを記憶する。また、大当り判定用テーブルメモリ571は、図26(B)に示すような確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルを格納する。なお、図26(A),(B)に示す判定テーブルを用いて大当り判定を行う場合、乱数最大値設定レジスタ535に設定された乱数最大値によって大当りと判定する確率が大きく変化することになる。この場合、例えば、設定される乱数最大値が小さすぎると、通常時大当り判定テーブルを用いた場合と、確変時大当り判定テーブルを用いた場合とで、大当りと判定する確率の差が小さくなってしまい、遊技者の遊技に対する興味を減退させてしまうことになる。そのため、乱数回路503および乱数最大値に対応づけて、複数の判定テーブル(複数の通常時大当り判定用テーブルおよび複数の確変時大当り判定用テーブル)を大当り判定用テーブルメモリ571に記憶してもよい。そして、CPU56は、大当り判定用テーブルメモリ571が記憶する判定テーブルのうち、使用する乱数回路503および乱数最大値に対応する判定テーブルを用いて、表示結果決定プログラム552に従って、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの表示結果を大当り図柄とするか否か判定するようにしてもよい。そのようにすることによって、使用する乱数回路503の種類や乱数最大値が異なっても、大当りと判定する確率がある程度同じになるように制御することができる。
なお、この実施の形態では、16ビット乱数回路503bを用いることにする。すなわち、ステップS151の処理で16ビット乱数回路503bを用いることに決定されたとする。よって、ランダムRとして、16ビットで発生できる範囲(0から65535までの範囲)の値をとりうる。
フラグメモリ572には、遊技の進行を制御する遊技制御処理において用いられる各種のフラグが設定される。例えば、フラグメモリ572には、遊技状態が確変状態であることを示す確変フラグや、大当り遊技状態であることを示す大当りフラグが設定される。
始動口スイッチタイマメモリ573は、第1始動口スイッチ13a(または第2始動口スイッチ14a)から出力される入賞検出信号SSに応じて加算またはクリアされるタイマ値を記憶する。
次に、遊技機の動作について説明する。図27は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになると、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行う(ステップS4)。なお、割込みモード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理を実行する(ステップS10〜ステップS15)。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。この例では、バックアップフラグ領域に「55H」が設定されていればバックアップあり(オン状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていればバックアップなし(オフ状態)を意味する。
バックアップありを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェック(この例ではパリティチェック)を行う(ステップS8)。ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS91)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS92)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS91およびS92の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、ROM54に格納されているバックアップ時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS93)、その内容に従って演出制御基板80に、電力供給が復旧した旨を示す制御コマンド(電力供給復旧時の初期化コマンドとしての復旧コマンド)が送信されるように制御する(ステップS94)。そして、ステップS14aに移行する。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り図柄決定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、ROM54に格納されている初期化時コマンド送信テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS13)、その内容に従ってサブ基板を初期化するための初期化コマンドをサブ基板に送信する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマンドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示すコマンド等がある。
そして、ステップS14aにおいて、CPU56は、各乱数回路503a,503bを初期設定する乱数回路設定処理を実行する。この場合、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に従って処理を実行することによって、各乱数回路503a,503bにランダムRの値を更新させるための設定を行う。
また、CPU56は、シリアル通信回路505を初期設定するシリアル通信回路設定処理を実行する(ステップS14b)。この場合、CPU56は、シリアル通信回路設定プログラム556に従って処理を実行することによって、シリアル通信回路505に払出制御用マイクロコンピュータとシリアル通信させるための設定を行う。
シリアル通信回路505を初期設定すると、CPU56は、シリアル通信回路505の割り込み要求に応じて実行する割込処理の優先順位を初期設定する(ステップS14c)。この場合、CPU56は、割込優先順位設定プログラム557に従って処理を実行することによって、割込処理の優先順位を初期設定する。例えば、CPU56は、各割込処理のデフォルトの優先順位を含む所定の割込処理優先順位テーブルに従って、割込処理の優先順位を初期設定する。
また、ユーザによって各割込処理のデフォルトの優先順位を変更することもできる。例えば、CPU56は、ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定された割込処理を指定する指定情報を、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶している。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、割込処理の優先順位を設定する。
そして、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう(ステップS15)。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、変動パターンを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。初期値用乱数とは、大当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(大当り図柄決定用乱数発生カウンタ)等の、カウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている可変表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、大当り決定用乱数発生カウンタ等のカウント値が1周(大当り決定用乱数発生カウンタ等の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
次に、メイン処理における乱数回路設定処理(ステップS14a)を説明する。図28は、乱数回路設定処理を示すフローチャートである。乱数回路設定処理において、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数回路選択モジュール551fに従って処理を実行し、遊技制御用マイクロコンピュータ560が内蔵する各乱数回路503a,503bの中から、遊技制御処理を含むタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路を設定する(ステップS151)。ユーザ(例えば、遊技機の製作者)によって設定されたタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路503を指定する指定情報は、あらかじめROM54の所定の記憶領域に記憶されている。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された指定情報に従って、12ビット乱数回路503aまたは16ビット乱数回路503bのいずれかを選択し、選択した乱数回路をタイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として設定する。なお、この実施の形態では、大当り判定に用いられる乱数として、16ビット乱数回路503bが発生する乱数を用いるが、12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503bとの双方について説明を行う。
上記のように、ステップS151において、更新可能な数値データの所定の範囲が異なる複数の乱数回路(12ビット乱数回路503aと16ビット乱数回路503b)について、それぞれ使用可能とするか否かを設定するので、タイマ割込処理の実行中に不要な乱数を処理することを防止することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)の制御負担を軽減することができる。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560が、2つの乱数回路503a,503bのうちの一方が発生する乱数のみを用いて遊技制御処理を行う場合、遊技制御処理に用いない方の乱数回路から乱数を読み出す処理等を行わないようにでき、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担を軽減できる。
CPU56は、ステップS151で使用する乱数回路503を設定すると、例えば、カウンタ521やクロック信号出力回路524の動作を停止させることによって、使用しないように設定した方の乱数回路のカウンタ521がカウント値Cを更新しないようにする。また、例えば、CPU56は、使用しないように設定した方の乱数回路のカウンタ521はカウント値Cを更新するが、CPU56は出力制御信号SCを出力しないようにし、乱数値記憶回路531から乱数を読み出せないように制御してもよい。また、例えば、CPU56は、使用しないように設定した方の乱数回路の乱数値取込レジスタ539に乱数値取込データ「01h」を書き込まないようにし、ラッチ信号生成回路533がラッチ信号SLを乱数値記憶回路531に出力しないように制御してもよい。
上記のように、使用する乱数回路503を設定するようにすることによって、使用する乱数回路503だけを設定することによって、生成する乱数の値の範囲を適切に設定することができる。また、タイマ割込処理の実行中に不要な乱数を処理することを防止することができ、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的にはCPU56)の制御負担を軽減することができる。例えば、大当りとする判定値として離れた値(例えば、「1」と「100」を含む判定テーブルを用いて大当り判定を行う場合、所定の大当り確率(例えば、100分の1)で大当りと判定するようにすると、16ビット乱数回路503bによる乱数を用いるよりも、12ビット乱数回路503aによる乱数を用いた方が、処理すべき判定値の種類の数が少なくて済み、遊技制御用マイクロコンピュータ560の制御負担が軽減される。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数最大値設定モジュール551aに従って処理を実行し、ユーザによってあらかじめ設定された乱数最大値を指定する乱数最大値設定データを、乱数最大値設定レジスタ535に書き込む(ステップS152)。そのようにすることによって、ユーザによってあらかじめ設定されたランダムRの乱数最大値を乱数回路503に設定する。なお、タイマ割込実行時に用いる乱数回路として12ビット乱数回路503aを設定した場合、CPU56は、乱数最大値(「0」〜「4095」のうちのいずれかの値)を指定する乱数最大値設定データを、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535に書き込む。また、タイマ割込実行時に用いる乱数回路として16ビット乱数回路503bを設定した場合、CPU56は、乱数最大値(「0」〜「65535」のうちのいずれかの値)を指定する乱数最大値設定データを、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535に書き込む。
なお、乱数最大値として「0」〜「255」が設定された場合には、後述する乱数最大値再設定処理において乱数最大値を所定値に設定しなおすことになる。また、乱数最大値として「256」以上の値を書き込む制御を行った場合であっても、データ化けなどの原因によって「0」〜「255」の値が乱数最大値設定レジスタ535に設定されてしまった場合には、後述する乱数最大値再設定処理において乱数最大値を所定値に設定しなおす。
上記のように、ステップS152において、生成する乱数の最大値をあらかじめ乱数最大値設定レジスタ535に設定するので、タイマ割込処理の実行中に用いる乱数の範囲より大きい値の乱数を生成してしまうことを防止でき、乱数回路503およびCPU56の処理負担を軽減することができる。
また、CPU56は、ステップS152で乱数最大値設定レジスタ535に設定した乱数最大値が所定の下限値以下でないかを確認し、乱数最大値が下限値以下である場合には、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値の再設定を行う乱数最大値再設定処理を実行する(ステップS153)。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる初期値変更モジュール551eに従って処理を実行し、乱数回路503のカウンタ521が更新するカウント値の初期値を変更させる初期値変更処理を実行する(ステップS154)。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数更新方式選択モジュール551bに従って処理を実行し、乱数更新方式選択データを乱数更新方式選択レジスタ540に書き込む(ステップS155)。そのようにすることによって、乱数回路503の乱数更新方式を設定する。なお、この実施の形態では、CPU56は、乱数更新方式選択データ「10h」を乱数更新方式選択レジスタ540に書き込むものとする。すなわち、この実施の形態では、乱数回路503の乱数更新方式として第2の乱数更新方式が設定される。
また、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる周期設定モジュール551cに従って処理を実行し、ユーザによってあらかじめ設定された乱数発生用クロック信号SI1の周期を指定する周期設定データ(基準クロック信号を何分周させるかを設定するためのデータ)を、周期設定レジスタ537に書き込む(ステップS156)。そのようにすることによって、ユーザによってあらかじめ設定された乱数発生用クロック信号SI1の周期を乱数回路503に設定する。
また、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521に入力する初期値を更新するか否かを設定する(ステップS157)。カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521に入力する初期値を更新するか否かを示す設定値は、あらかじめユーザによって設定されROM54の所定領域に記憶されている。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された所定の設定値に従って、カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521に入力する初期値を更新するか否かを設定する。この実施の形態では、CPU56は、ステップS157において、カウンタ521に入力する初期値を更新すると判定すると、所定の最終値までカウント値が更新されたとき(カウンタ521から通知信号を入力したとき)に初期値を更新する旨を示す初期値更新フラグをセットする。
なお、CPU56によってカウント値の初期値を変更するのでなく、最終値までカウント値を更新したことにもとづいて、乱数回路503側でカウント値の初期値を所定値に変更するようにしてもよい。例えば、乱数回路503は、初期値を更新する旨を示す初期値更新データを格納する初期値更新データレジスタ、および初期値の変更を行う初期値変更回路を備え、CPU56は、ステップS157において、初期値更新データを初期値更新データレジスタに設定する。この場合、カウンタ521は、最終値までカウント値を更新すると、通知信号を初期値変更回路に出力する。すると、初期値変更回路は、初期値更新データレジスタに初期値更新データが設定されているか否かを確認する。そして、初期値変更回路は、初期値更新データが設定されていることを確認すると、カウント値の初期値を所定値に変更する。なお、初期値変更回路は、後述するカウント値順列変更処理において、順列を変更したカウント値の初期値を変更してもよい。
また、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521が更新するカウント値の順列を変更するか否かを設定する(ステップS158)。カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更するか否かを示す設定値は、あらかじめユーザによって設定されROM54の所定領域に記憶されている。そして、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に記憶された所定の設定値に従って、カウンタ521によって所定の最終値までカウント値が更新されたときに、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更するか否かを設定する。この実施の形態では、CPU56は、ステップS158において、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更すると判定すると、所定の最終値までカウント値が更新されたときにカウント値の順列を変更する旨を示すカウント値順列変更フラグをセットする。この実施の形態では、ステップS158において、所定の設定値に従ってカウント値順列変更フラグをセットする場合を説明する。CPU56は、後述するカウント値順列変更処理において、カウント値順列変更フラグがセットされていることにもとづいて、カウンタ521が出力するカウント値の順列を変更する。
なお、CPU56の制御によってカウント値の順列を変更するのでなく、最終値までカウント値を更新したことにもとづいて、乱数回路503側でカウント値の順列を変更するようにしてもよい。例えば、乱数回路503は、カウント値の順列を変更する旨を示す順列変更データを格納する順列変更データレジスタを備え、CPU56は、ステップS158において、順列変更データを順列変更データレジスタに設定する。この場合、カウンタ521が最終値までカウント値を更新すると、通知信号をカウント値順列変更回路523に出力し、通知信号を入力したカウント値順列変更回路523は、順列変更データレジスタに順列変更データが設定されているか否かを確認する。そして、カウント値順列変更回路523は、順列変更データが設定されていることを確認すると、カウント値の順列を変更する。
そして、CPU56は、乱数回路設定プログラム551に含まれる乱数回路起動モジュール551dに従って処理を実行し、乱数回路起動データ「80h」を乱数回路起動レジスタ541に書き込む(ステップS159)。そのようにすることによって、CPU56は、乱数回路503を起動させる。
次に、乱数回路設定処理における乱数最大値再設定処理(ステップS153)を説明する。図29は、乱数最大値再設定処理を示すフローチャートである。乱数最大値再設定処理において、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値を読み込む(ステップS153a)。なお、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として12ビット乱数回路503aを設定した場合には、CPU56は、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値を読み込む。また、この実施の形態のように、タイマ割込処理の実行時に用いる乱数回路として16ビット乱数回路503bを設定した場合には、CPU56は、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535に設定されている乱数最大値を読み込む。
CPU56は、読み込んだ乱数最大値が所定の下限値以下であるか否かを判定する(ステップS153b)。12ビット乱数回路503aを設定した場合、12ビット乱数回路503aにおいて設定可能な乱数最大値が「256」から「4095」までであるので、CPU56は、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「256」以下であるか否かを判定する。また、16ビット乱数回路503bを設定した場合、16ビット乱数回路503bにおいて設定可能な乱数最大値が「256」から「65535」までであるので、CPU56は、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「256」以下であるか否かを判定する。
読み込んだ乱数最大値が下限値以下である場合には、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に設定される乱数最大値を所定値に設定しなおす(ステップS153c)。12ビット乱数回路503aを設定した場合には、12ビット乱数回路503aの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「256」以下であると判定すると、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に設定される乱数最大値を所定値「4095」に設定しなおす。また、16ビット乱数回路503bを設定した場合、16ビット乱数回路503bの乱数最大値設定レジスタ535から読み込んだ乱数最大値が下限値「256」以下であると判定すると、CPU56は、乱数最大値設定レジスタ535に設定される乱数最大値を所定値「65535」に設定し直す。
以上のように、乱数最大値設定レジスタ535に設定した乱数最大値が所定の下限値以下となっている場合には、乱数最大値を所定値に設定しなおす。そのため、遊技制御用マイクロコンピュータ560の誤動作や、無線信号を用いた取り込み信号を遊技機に対して発生させるなどの行為によって、過度に小さい値が乱数の最大値として設定されてしまうことを防止することができる。従って、最小値から最大値までの値の範囲が過度に小さい乱数を生成する事態が発生することを防止することができる。
なお、この実施の形態では、ステップS152において、ユーザによってあらかじめ設定された乱数最大値を指定する乱数最大値設定データが、乱数最大値設定レジスタ535に書き込まれている。何らかの原因で書き込まれたはずの乱数最大値が変わった(所定の下限値以下になった)場合でも、乱数最大値は所定の下限値以下のまま放置されることはない。また、ステップS152の処理を実行しないようにしてもよい。その場合でも、ステップS153の処理で、乱数最大値は所定の下限値以下のまま放置されることはない。
次に、乱数回路設定処理における初期値変更処理(ステップS154)を説明する。図30は、初期値変更処理を示すフローチャートである。初期値変更処理において、CPU56は、まず、ユーザプログラム実行データエリアの1F97h番地の領域に記憶されている初期値変更方式設定データを読み出し、ユーザによって選択された初期値変更方式を特定する。この場合、CPU56は、読み出した初期値変更方式設定データの値が「01h」であるか否かを判定することによって(ステップS154a)、ユーザによって選択された初期値変更方式を特定する。
初期値変更方式設定データの値が「01h」である場合、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560固有のIDナンバにもとづいて設定された値に変更する(ステップS154b)。例えば、CPU56は、ROM54の所定の記憶領域に、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと、IDナンバにもとづいて所定の演算を行って求めた演算値とをあらかじめ対応付けて記憶している。そして、ステップS154bにおいて、CPU56は、記憶されているIDナンバにもとづく演算値にカウント値の初期値を変更させる。また、例えば、ステップS154bにおいて、CPU56は、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバと所定値とを演算して(例えば、IDナンバ(例えば、「100」)に所定値(例えば、「100」)を加算して)求めた演算値(例えば、「200」)にカウント値の初期値を設定する。また、カウンタ521に入力する初期値を変更すると、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウント値の初期値を変更した旨を示す初期値変更フラグをセットする(ステップS154c)。
なお、CPU56は、ステップS154bにおいてカウンタ521に入力する初期値を変更する際、乱数回路503の比較器522の乱数最大値設定レジスタ535の値を確認し、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であるか否かを判断する。そして、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であると判断すると、CPU56は、カウンタ521に入力する初期値を変更しない(例えば、初期値を「0」のまま変更しない)。そのようにすることによって、カウント値の初期値が乱数最大値以上の値に設定されてしまう事態を防止することができる。
ステップS154aにおいて、初期値変更方式設定データの値が「01h」でない場合(すなわち、ユーザプログラム実行データエリアの1F97h番地の領域に記憶されている初期値変更方式設定データの値が「00h」である場合)、CPU56は、カウント値の初期値の変更を行わず、そのまま初期値変更処理を終了し、ステップS155に移行する。
乱数回路設定処理が実行されることによって、遊技制御処理を含むタイマ割込処理の実行時に乱数回路503に各種信号が入力され、乱数回路503内で各種信号が生成される。図31は、乱数回路503に各信号が入力されるタイミング、および乱数回路503内で各信号が生成されるタイミングを示すタイミングチャートである。
図31に示すように、クロック回路501は、所定周期ごと(図31に示すタイミングT11,T21,・・・)に、出力端子の信号レベルをローレベルからハイレベルに立ち上げることによって、乱数回路503に基準クロック信号CLK(図31(A)参照)を入力する。
クロック信号出力回路524は、クロック回路501から供給された基準クロック信号CLKを分周し、乱数発生用クロック信号SI1(図31(B)参照)を生成する。例えば、クロック信号出力回路524は、タイミングT11,T12,・・・で出力端子の信号レベルをローレベルからハイレベルに立ち上げ、タイミングT21,T22,・・・で信号レベルをハイレベルからローレベルに立ち下げることによって、乱数発生用クロック信号SI1を出力する。
なお、図31に示す例では、説明を分かりやすくするために、クロック信号出力回路524が基準クロック信号CLKを2分周して乱数発生用クロック信号SI1を生成する場合を示している。しかし、実際の乱数回路では、周期設定レジスタ537に設定可能な周期は「システムクロック信号の周期×128×7」から「システムクロック信号の周期×128×256」まである。従って、実際の乱数回路では、クロック信号出力回路524は、「システムクロック信号の周期×128×7」から「システムクロック信号の周期×128×256」までの範囲で周期設定レジスタ537に設定される周期設定データ「07h」〜「FFh」に対応した分周比で、基準クロック信号CLKを分周し乱数発生用クロック信号SI1を生成する。クロック信号出力回路524によって生成された乱数発生用クロック信号SI1は、セレクタ528と反転回路532とに出力される。
この実施の形態では、乱数回路設定処理において、第2の乱数更新方式が設定されるので、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号がセレクタ528に入力される。セレクタ528は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号が入力されると、クロック信号出力回路524から入力した乱数発生用クロック信号SI1を選択してカウンタ521に出力する。カウンタ521は、セレクタ528から供給される乱数発生用クロック信号SI1の立ち上がりエッヂが入力されるごとに、カウント値Cを更新してカウント値順列変更回路523に出力する。
反転回路532は、クロック信号出力回路524から入力した乱数発生用クロック信号SI1の信号レベルを反転させることによって、反転クロック信号SI2(図31(C)参照)を生成する。例えば、反転回路532は、タイミングT11,T12,・・・で出力端子の信号レベルをハイレベルからローレベルに立ち下げ、タイミングT21,T22,・・・で信号レベルをローレベルからハイレベルに立ち上げることによって、反転クロック信号SI2を出力する。また、反転回路532によって生成された反転クロック信号SI2は、ラッチ信号生成回路533に出力される。
ラッチ信号生成回路533には、入賞検出信号SS(図31(D)参照)がタイマ回路534に入力されてから所定時間(例えば3ミリ秒)が経過すると、乱数値読取信号出力回路526から乱数値読取信号が入力される。例えば、乱数値読取信号出力回路526の出力端子の信号レベルがローレベルからハイレベルに立ち上がることによって、ラッチ信号生成回路533に乱数値読取信号が入力される。ラッチ信号生成回路533は、乱数更新方式選択信号出力回路527から第2の乱数更新方式選択信号が入力されたことに応じて、乱数値読取信号出力回路526から入力する乱数値読取信号を反転回路532から供給される反転クロック信号SI2の立ち上がりエッヂに同期させて、ラッチ信号SL(図31(E)参照)を出力する。
以上のように、乱数回路503は、タイミングT11,T12,T13・・・においてカウント値Cを更新し、タイミングT11,T12,T13とは異なるタイミングT22においてラッチ信号SLを出力させ、乱数値記憶回路531に乱数値を記憶する。
次に、遊技制御処理について説明する。図32は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。メイン処理の実行中に、具体的には、ステップS16〜S19のループ処理の実行中における割込許可になっている期間において、タイマ割込が発生すると、CPU56は、図32に示すステップS20〜S35のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電圧低下監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定された出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、CPU56は、乱数回路設定処理において所定の最終値までカウント値が更新されたときに初期値を更新する旨の設定がされているか否か(ステップS157参照)を確認し、乱数回路503のカウンタ521に入力する初期値を更新する処理を行う(乱数回路初期値更新処理:ステップS23A)。
次いで、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
図33は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(2)ランダム2:大当りを発生させる特別図柄を決定する(大当り図柄決定用)
(3)ランダム3: 特別図柄のはずれ図柄を決定する(はずれ図柄決定用)
(4)ランダム4:特別図柄の変動パターンを決定する(変動パターン決定用)(5)ランダム5:普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(6)ランダム6:ランダム1の初期値を決定する(ランダム1初期値決定用)
(7)ランダム7:ランダム5の初期値を決定する(ランダム5初期値決定用)
(8)ランダム8:確変状態を終了させるか否か判定する(確変状態終了判定用)
(9)ランダム9:確変回数を決定する(回数決定用)
図32に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(2)の大当り図柄決定用乱数、(3)のはずれ図柄決定用乱数、(5)の普通図柄当り判定用乱数、(8)の確変状態終了判定用乱数、および(9)の回数決定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数または初期値用乱数である。なお、遊技効果を高めるために、上記(2)〜(9)の乱数以外の乱数も用いられている。
次いで、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521が出力するカウント値の順列をカウント値順列変更回路523に変更させるカウント値順列変更処理を行う(ステップS25A)。この実施の形態では、乱数回路設定処理のステップS158でカウント値順列変更フラグがセットされているか否かによって、カウント値順列変更処理を実行するか否かが決定されている。そして、CPU56は、カウント値順列変更フラグがセットされていることにもとづいて、カウント値順列変更処理を実行する。
さらに、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26A)。第1特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第1特別図柄表示器8aや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第1特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26B)。第2特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて第2特別図柄表示器8bや特別可変入賞球装置を所定の順序で制御するための第2特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて各処理中に更新する。
次いで、CPU56は、第1可変表示部9aおよび第2可変表示部9bの表示制御に関する演出制御コマンドや保留記憶数に関する演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
次いで、CPU56は、保留記憶処理を行う(ステップS29)。保留記憶処理では、CPU56は、第1特別図柄の保留記憶数(第1保留記憶数)、第2特別図柄の保留記憶数(第2保留記憶数)、および背景図柄の保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数))をカウントして管理する処理を実行する。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているが、CPU56は、出力ポートのRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS32:出力処理)。
また、CPU56は、第1特別図柄プロセスフラグの値に応じて第1特別図柄の演出表示を行うための第1特別図柄表示制御データを第1特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定するとともに、第2特別図柄プロセスフラグの値に応じて第2特別図柄の演出表示を行うための第2特別図柄表示制御データを第2特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS34)。CPU56は、例えば普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。その後、割込許可状態に設定し(ステップS35)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S34(ステップS30を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されるが、CPU56は、2つの表示器において同時に大当りが発生しないような制御を行う。
図34は、この実施の形態で用いられる特別図柄および飾り図柄の変動パターン(変動時間)を示す説明図である。図34に示すEXTとは、それぞれの変動パターンに対応した演出制御コマンド(2バイト構成)の2バイト目のデータである。
図34に示す例では、第1飾り図柄用の第1変動パターン#1〜#12の12種類と、第2飾り図柄用の第2変動パターン#1〜#12の12種類とが用いられる。なお、第1変動パターン#1〜#12のそれぞれは、第2変動パターン#1〜#12のそれぞれと同じであるが、演出制御コマンドとして別になっているので、図34において別個に示されている。以下、例えば変動パターン#n(n=1〜12)というときには、第1変動パターン#nと第2変動パターン#nの双方を意味する。
図34に示すように、通常遊技状態(通常状態)のときに変動パターン#1〜#6が用いられ、時短状態のときに変動パターン#7〜#12が用いられる。なお、確変状態のときも時短状態のときの変動パターン#7〜#12が用いられる。
図34に示すように、この実施の形態では、通常遊技状態の変動パターン♯1〜♯6として、リーチを伴わない変動パターンである「通常変動」と、リーチを伴わずかつ通常変動よりも変動時間の短い変動パターンである「短縮変動」と、リーチAを伴う変動パターンである「リーチAを伴う変動」と、リーチBを伴う変動パターンである「リーチBを伴う変動」と、リーチCを伴う変動パターンである「リーチCを伴う変動」と、特殊な態様(図59参照)の変動パターンである「特殊変動」とが設けられている。また、通常遊技状態の場合と同様に、時短状態(確変状態)の変動パターン♯7〜♯12として、リーチを伴わない変動パターンである「通常変動」と、リーチを伴わずかつ通常変動よりも変動時間の短い変動パターンである「短縮変動」と、リーチAを伴う変動パターンである「リーチAを伴う変動」と、リーチBを伴う変動パターンである「リーチBを伴う変動」と、リーチCを伴う変動パターンである「リーチCを伴う変動」と、特殊な態様の変動パターンである「特殊変動」とが設けられている。なお、変動パターン♯3〜♯5,♯9〜♯11は、大当りのときもはずれのときも選択され得るが、変動パターン♯1,♯2,♯6〜♯8,♯12は、はずれのときのみ選択される。
この実施の形態では、通常遊技状態のときの通常変動よりも、時短状態(および確変状態)のときの通常変動の方が変動時間は短い。すなわち、変動パターン#1よりも変動パターン#7の方が変動時間は5秒短い。また、通常遊技状態のときのリーチ(リーチA,B,C)を伴う変動よりも、時短状態(および確変状態)のときのリーチを伴う変動の方が変動時間は短い。すなわち、変動パターン#3〜#5よりも変動パターン#9〜#11の方が変動時間は5秒短い。なお、この実施の形態では、リーチを伴う変動パターンは、変動開始後に通常変動が行われ、通常変動の変動時間(通常遊技状態では15秒、時短状態では10秒)の経過後にリーチとなり、その後にリーチ変動(リーチ状態での図柄の変動)が所定時間(リーチAは10秒、リーチBは20秒、リーチCは30秒)行われる。このように、変動パターン#3〜#5と変動パターン#9〜#11とは、それぞれ、リーチ変動の部分の変動時間は同じであるが、通常変動の部分の変動時間は変動パターン#3〜#5よりも変動パターン#9〜#11の方が5秒短い。
また、図34に示すように、変動パターン#6と変動パターン#12とは、変動時間が同じである。なお、変動パターン#6および変動パターン#12は、後述する強制はずれと判定されたときに使用される。また、変動パターン#6および変動パターン#12の変動時間(この例では45秒)は、大当りとするときに使用されうる変動パターン#3〜#5および#9〜#11の変動時間よりも長い。
図35は、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係の一例を示す説明図である。図35に示す例では、停止図柄が偶数の図柄である場合には、はずれとなり、奇数の図柄である場合には、大当りとなり、特別図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行する。さらに、奇数の図柄のうち「3」、「7」である場合には、遊技状態が確変状態に変化する。特別図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行するような図柄を大当り図柄という。また、遊技状態が確変状態に変化するような図柄を確変図柄という。また、確変図柄ではない大当り図柄(「1」、「5」、「9」)を非確変図柄または非確変大当り図柄という。この実施の形態では、特別図柄の大当り図柄を決定することによって確変状態(特別遊技状態)と通常状態とのいずれの遊技状態に制御するかが決定される。
なお、確変図柄と非確変図柄とを区別せず、単に、大当り図柄とはずれ図柄とに分けてもよい。その場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、抽選によって決定した図柄に応じて確変状態に移行させるか否か決定するのではなく、乱数等を用いて確変状態に移行させるか否かの抽選を行う。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、確変大当りが発生した場合に、大当り遊技が開始された後(例えば、大当り遊技中や大当り遊技の終了時)に、遊技機に設けられている電気部品によって確変大当りの報知を行うようにしてもよい。そのように構成した場合には、遊技者は停止図柄から遊技状態の変化を把握することができなくなり報知によって初めて遊技状態の変更を把握することができるので遊技の興趣が向上する。
この実施の形態では、飾り図柄(第1飾り図柄、第2飾り図柄)の停止図柄と、その後に制御される遊技状態との関係についても、図35に示した内容と同じである。すなわち、停止図柄が偶数の図柄である場合には、はずれとなり、奇数の図柄である場合には、大当りとなり、飾り図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行する。さらに、奇数の図柄のうち「3」、「7」である場合には、遊技状態が確変状態に変化する。そして、飾り図柄の変動終了後に大当り遊技状態に移行するような図柄を大当り図柄といい、遊技状態が確変状態に変化するような図柄を確変図柄といい、確変図柄ではない大当り図柄(「1」、「5」、「9」)を非確変図柄または非確変大当り図柄という。
なお、この実施の形態では、特別図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄とが常に一致するわけではない。しかし、停止図柄が意味する内容(はずれ、非確変大当り、確変大当り)については、特別図柄の停止図柄と飾り図柄の停止図柄とは同じになるようにする。例えば、特別図柄の停止図柄がはずれを意味する図柄(例えば「2」)のときは、飾り図柄の停止図柄は、はずれを意味する「0」「2」「4」「6」「8」の図柄のいずれかが選択される。また、特別図柄の停止図柄が非確変大当りを意味する図柄(例えば「1」)のときは、飾り図柄の停止図柄は、非確変大当りを意味する「1」「5」「9」の図柄のいずれかが選択される。また、特別図柄の停止図柄が確変大当りを意味する図柄(例えば「7」)のときは、飾り図柄の停止図柄は、確変大当りを意味する「3」「7」の図柄のどちらかが選択される。なお、飾り図柄の停止図柄は、後述するように、演出制御用マイクロコンピュータ100によって表示結果(はずれ、非確変大当り、確変大当り)を示す演出制御コマンドにもとづいて選択される。
なお、図35では、特別図柄(飾り図柄も同様)として、数字の図柄を例示していたが、アルファベット、キャラクタ状の図柄、キャラクタ状の表示物の中に数字等が表示されている図柄、その他どのような図柄であってもよい。
次に、タイマ割込処理における乱数回路初期値更新処理(ステップS23A)について説明する。図36は、乱数回路初期値更新処理を示すフローチャートである。初期値更新処理において、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521が出力するカウント値Cを最終値まで更新した旨を示す通知信号の状態を確認する(ステップS220)。通知信号がオン状態になっていることを検出した場合には、CPU56は、初期値更新フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。すなわち、CPU56は、乱数回路設定処理において、所定の最終値までカウント値が更新されたときに初期値を更新する旨の設定がなされたか否か(ステップS157参照)を確認する。
初期値更新フラグがセットされている場合、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521が所定の最終値までカウント値を更新したときに、カウンタ521に入力する初期値を更新すると判断する。また、初期値更新フラグがセットされている場合、CPU56は、初期値変更フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS222)。すなわち、CPU56は、カウント値の初期値が現在変更されているか否か(すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値に変更されているか否か)を判断する。
初期値変更フラグがセットされている(すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値に初期値が現在変更されている)場合、CPU56は、カウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値から元の値(例えば、「1」)にもどす(ステップS223)。そして、CPU56は、初期値変更フラグをリセットし(ステップS224)、初期値更新処理を終了する。
初期値変更フラグがセットされていない(すなわち、初期値が現在変更されていない)場合、CPU56は、カウンタ521に入力する初期値を、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバにもとづく値に変更する(ステップS225)。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバが「100」であるとすると、カウンタ521に入力する初期値を、IDナンバ「100」に所定値「100」を加算して求めた演算値「200」に変更する。また、例えば、カウンタ521に入力する初期値を、IDナンバ「100」に所定値「50」を減算して求めた演算値「50」に変更する。そして、CPU56は、初期値変更フラグをセットし(ステップS226)、初期値更新処理を終了する。
なお、12ビット乱数回路503aおよび16ビット乱数回路503bの両方を設定した場合、ステップS225において、CPU56は、一方の乱数回路(例えば、12ビット乱数回路503a)から読み込んだ乱数を所定値としてIDナンバに加算して、カウンタ521に入力する初期値を求めてもよい。そして、CPU56は、他の一方(例えば、16ビット乱数回路503b)から読み込んだ乱数を、大当り判定用の乱数として用いてもよい。
また、CPU56は、ステップS225においてカウンタ521に入力する初期値を更新する際、乱数回路503の比較器522の乱数最大値設定レジスタ535の値を確認し、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であるか否かを判断する。そして、IDナンバにもとづいて設定された値が乱数最大値以上であると判断すると、CPU56は、カウンタ521に入力する初期値を所定値のまま更新しない(例えば、所定値「0」のまま更新しない)。そのようにすることによって、カウント値の初期値が乱数最大値以上の値に設定されてしまう事態を防止することができる。
なお、ステップS220において通知信号がオフ状態であると判断した場合、およびステップS221において初期値更新フラグがセットされていないと判断した場合、CPU56は、カウンタ521に入力する初期値を更新することなく、そのまま乱数回路初期値更新処理を終了する。
次に、タイマ割込処理におけるカウント値順列変更処理(ステップS25A)について説明する。図37は、カウント値順列変更処理を示すフローチャートである。CPU56は、カウント値順列変更プログラム554に従って処理を実行することによって、カウント値順列変更処理を行う。カウント値順列変更処理において、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521が出力するカウント値Cを最終値まで更新した旨を示す通知信号の状態を確認する(ステップS241)。通知信号がオン状態になっていることを検出した場合には、CPU56は、カウント値順列変更フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS242)。すなわち、CPU56は、乱数回路設定処理において、所定の最終値までカウント値が更新されたときにカウンタ521が更新するカウント値の順列を変更する旨の設定がなされたか否か(ステップS158参照)を確認する。
カウント値順列変更フラグがセットされている場合、CPU56は、乱数回路503のカウンタ521が所定の最終値までカウント値を更新したときに、カウンタ521が更新するカウント値の順列を変更すると判断する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、カウント値順列変更レジスタ536にカウント値順列変更データ「01h」を書き込む(ステップS243)。すなわち、CPU56は、カウント値順列変更データ「01h」を書き込むことによって、乱数値記憶回路531に入力されるカウント値Cの順列をカウント値順列変更回路523に変更させる。
以上のように、カウント値順列変更処理において、乱数を所定の最終値まで更新したときに、カウンタ521が更新するカウント値の順列を変更するので、乱数回路503が生成する乱数のランダム性をより向上させることができる。
図38および図39は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する第1特別図柄プロセス処理(ステップS26A)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、第1特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aおよび特別可変入賞球装置を制御するための処理が実行される。なお、第2特別図柄プロセス処理(ステップS26B)のプログラムも同様に構成される。すなわち、以下の説明において、「第1」を「第2」と読み替え、「第2」を「第1」と読み替えれば、第2特別図柄プロセス処理が説明されることになる。
なお、上述したように、この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bの2つの表示器によって第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行される。そして、この実施の形態では、2つの表示器において大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当りが同時に発生しないような制御が行われる。
また、この実施の形態では、遊技状態として通常状態、確変状態および時短状態がある。そして、所定の移行条件が成立することにより、3つの遊技状態のうちのいずれかの遊技状態に移行するように制御される。遊技状態の移行に関する制御は、確変フラグおよび時短フラグのオン/オフ(セット/リセット)にもとづいて行われる。
CPU56は、第1特別図柄プロセス処理を行う際に、遊技盤6に設けられている第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち遊技球が第1始動入賞口13に入賞する始動入賞が発生していたら(ステップS311のY)、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS312)。なお、第1始動口スイッチ通過処理の内容については後述する(図43参照)。
次いで、CPU56は、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値であるか否かを確認する(ステップS313)。第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理のいずれかに応じた値である場合には(ステップS313のY)、ステップS314,S315の処理を実行した後、第1特別図柄プロセス処理を終了する。そうでない場合には、ステップS316,S317の処理を実行した後、内部状態(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグの値)に応じて、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、この実施の形態では、第2大当り図柄停止処理〜第2大当り終了処理に応じた値は連続する値(例えば、6〜9)である。よって、CPU56のステップS313の判定処理を簡易な処理にすることができる。
ステップS314では、CPU56は、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄であったことにもとづく第2大当り遊技(大当りが発生してから終了するまでの処理)の実行中であるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して中断コマンドを送信したか否か確認する。送信済みの場合(例えば、中断コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされていた場合)には処理を終了するが、まだ送信していない場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して中断コマンドを送信した後に処理を終了する(ステップS315)。また、ステップS316では、CPU56は、中断コマンドを送信した後(例えば、中断コマンドの送信時に送信済みフラグをセットするようにして、送信済みフラグがセットされているとき)にステップS316の処理が実行される場合には、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して再開コマンドを送信した後に、ステップS300〜S309のうちのいずれかの処理を行う。なお、CPU56において、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であるか否かは、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS304の処理に応じた値であるか否かによって判定できる。また、第2大当り遊技が実行中であるか否かも、第2特別図柄プロセスフラグによって判定できる。
演出制御用マイクロコンピュータ100の演出制御用CPU101は、中断コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動(可変表示)を中断する。また、再開コマンドを受信すると、第1飾り図柄の変動を再開する。
ステップS300〜S309の処理は、以下のような処理である。
第1特別図柄通常処理(ステップS300):遊技制御用マイクロコンピュータ560は、第1特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。また、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、遊技状態が確変状態であるか否か確認し、確変状態であるときは確変状態の終了の判定を行う。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値に更新する。
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):第1特別図柄の可変表示の結果、大当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)と確変大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には第1大当りフラグをセットする。また、可変表示後の第1特別図柄の停止図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に応じた値に更新する。なお、第1大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
第1変動パターン設定処理(ステップS302):第1特別図柄の可変表示の変動パターン(ここでは変動時間に相当)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用乱数(表示用乱数の一つ)の値に応じてあらかじめ定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。また、演出制御基板80に対して、変動パターンを指令する情報(変動パターンコマンドすなわち可変表示パターンコマンド)を送信する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に応じた値に更新する。
第1遊技状態移行制御処理(ステップS303):遊技状態が確変状態に移行された後であって、遊技状態が確変状態または時短状態に制御されているときに、確変状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の開始回数(状態回数)が所定回数になったか否か確認する。そして、状態回数が所定回数になったことを確認すると、そのときの遊技状態が確変状態から時短状態に移行されているか否か確認し、時短状態に移行されているときは遊技状態を時短状態から通常遊技状態に移行させる移行制御を実行する。また、遊技状態が確変状態に移行された後に、確変状態に移行されてから確変状態における第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の開始回数(確変回数)が所定回数になったか否か確認する。そして、確変回数が所定回数になったことを確認すると、既に状態回数が所定回数になっているか否か確認し、状態回数が所定回数になっているときは遊技状態を確変状態から通常遊技状態に移行させる移行制御を実行し、状態回数が所定回数になっていないときは遊技状態を確変状態から時短状態に移行させる移行制御を実行する。
また、確変状態に制御されているときに非確変図柄での大当り(非確変大当りまたは通常大当りという)にすると決定されたことにもとづいて遊技状態が時短状態に移行された後に、時短状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の開始回数(時短回数)が所定回数になったか否か確認し、所定回数になったことを確認すると、遊技状態を時短状態から通常遊技状態に移行させる移行制御を実行する。また、大当り判定において大当りにすると決定されたときは、大当りが確変大当りか否かを確認し、確変大当りの場合は、遊技状態を確変状態に移行させる移行制御を実行する。確変大当りでない場合(非確変大当り(通常大当り)の場合)は、そのときの遊技状態が確変状態のときは時短状態に移行させる移行制御を実行し、そのときの遊技状態が時短状態のときは通常遊技状態に移行させる移行制御を実行する。さらに、第1特別図柄の変動を開始させるとともに、第1変動パターン設定処理で決定された変動パターンにもとづいて、第1特別図柄が可変表示され導出表示されるまでの可変表示時間(変動時間)を第1変動時間タイマにセットした後、第1変動時間タイマをスタートさせる。その後、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に応じた値に更新する。
第1特別図柄変動中処理(ステップS304):第1変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS303でセットされた第1特別図柄プロセスタイマがタイムアウト)すると、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305またはステップS306に応じた値に更新する。なお、特別図柄の表示結果を大当り図柄とすることに決定している場合にステップS306に応じた値に更新し、特別図柄の表示結果を大当り図柄としないことに決定している場合にステップS305に応じた値に更新する。
第1はずれ図柄停止処理(ステップS305):第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止コマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
第1大当り図柄停止処理(ステップS306):第1特別図柄表示器8aにおける可変表示を停止して停止図柄を表示させる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100に、飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止コマンド)を送信する制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値に更新する。なお、演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(飾り図柄停止コマンド)を受信すると可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄が停止されるように制御するが、変動時間が経過すると独自に第1飾り図柄の可変表示を停止させるように制御してもよい。
第1大入賞口開放前処理(ステップS307):大入賞口を開放する制御を開始する。具体的には、カウンタ(例えば大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して特別可変入賞球装置を開状態にして大入賞口を開放する。また、プロセスタイマによって第1大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に応じた値に更新する。
第1大入賞口開放中処理(ステップS308):大当り遊技状態中のラウンド表示の演出制御コマンドを演出制御基板80に送出する制御やラウンド数をカウントする処理、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立したときに、ラウンド数が所定回数(例えば15ラウンド)に達していなければ、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に応じた値に更新し、ラウンド数が所定回数に達していれば、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に応じた値に更新する。
第1大当り終了処理(ステップS309):大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に応じた値に更新する。
次に、遊技制御手段から演出制御手段に対する制御コマンドの送出方式について説明する。図40は、主基板31から演出制御基板80に送信される演出制御コマンドの信号線を示す説明図である。図40に示すように、この実施の形態では、演出制御コマンドは、演出制御信号CD0〜CD7の8本の信号線で主基板31から演出制御基板80に送信される。また、主基板31と演出制御基板80との間には、取込信号(演出制御INT信号)を送信するための演出制御INT信号の信号線も配線されている。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
図41に示すように、演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100から見ると、演出制御INT信号は、演出制御コマンドデータの取り込みの契機となる信号に相当する。
演出制御コマンドは、演出制御用マイクロコンピュータ100が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この例では、演出制御INT信号のレベルが変化することであり、認識可能に1回だけ送出されるとは、例えば演出制御コマンドデータの1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じて演出制御INT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力されることである。なお、演出制御INT信号は図13に示された極性と逆極性であってもよい。
図42は、演出制御基板80に送出される演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図42に示す例において、コマンド8000(H)〜801B(H)は、特別図柄の可変表示に対応して可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bまたは第2飾り図柄表示領域9cにおいて可変表示される飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である。なお、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8000(H)〜801B(H)のいずれかを受信すると、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bまたは第2飾り図柄表示領域9cにおいて飾り図柄の可変表示を開始するように制御する。なお、第1変動パターン指定#1〜#12のコマンドを、8000(H)〜800B(H)とし、第2変動パターン指定#1〜#12のコマンドを、8010(H)〜801B(H)とする。
コマンド9000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)を確変図柄(確変大当り図柄)とすることを指定する演出制御コマンド(第1確変大当り指定コマンド)である。コマンド9001(H)は、第1飾り図柄の可変表示の表示結果を非確変図柄(非確変大当り図柄)とすることを指定する演出制御コマンド(第1通常大当り指定コマンド)である。コマンド9002(H)は、第1飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれ図柄とすることを指定する演出制御コマンド(第1はずれ指定コマンド)である。
コマンド9100(H)は、第2飾り図柄の可変表示の表示結果(停止図柄)を確変図柄(確変大当り図柄)とすることを指定する演出制御コマンド(第2確変大当り指定コマンド)である。コマンド9101(H)は、第2飾り図柄の可変表示の表示結果を非確変図柄(非確変大当り図柄)とすることを指定する演出制御コマンド(第2通常大当り指定コマンド)である。コマンド9102(H)は、第2飾り図柄の可変表示の表示結果をはずれ図柄とすることを指定する演出制御コマンド(第2はずれ指定コマンド)である。なお、コマンド9000(H)〜9102(H)を表示結果コマンドということもある。
コマンドA000(H)は、第1飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。コマンドA001(H)は、第2飾り図柄の可変表示の停止を指示する演出制御コマンドである。
コマンドA100(H)は、第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンドであり、コマンドA101(H)は、第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンドである。
コマンドA200(H)は、第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示の中断を指示する演出制御コマンドであり、コマンドA201(H)は、第2飾り図柄表示領域9cにおける第2飾り図柄の可変表示の再開を指示する演出制御コマンドである。
コマンドBXXX(H)は、大当り遊技開始から大当り遊技終了までの間に送出される演出制御コマンドである。
コマンドB000(H)は、第1特別図柄(第1飾り図柄)にもとづく大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第1大当り開始指定コマンド)であり、コマンドB001(H)は、第1特別図柄(第1飾り図柄)にもとづく大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第1大当り終了指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、第2特別図柄(第2飾り図柄)にもとづく大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(第2大当り開始指定コマンド)であり、コマンドB003(H)は、第2特別図柄(第2飾り図柄)にもとづく大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(第2大当り終了指定コマンド)である。
コマンドB1XX(H)は、XXで示す回数目の大入賞口開放中表示(ラウンド中のラウンド表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放時表示コマンド)である。コマンドB2XX(H)は、XXで示す回数目の大入賞口開放後表示(大入賞口の開放後におけるランド間のインターバル表示)を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後表示コマンド)である。
コマンドC100(H)は、第1保留記憶数が上限値(4個)に達していないとき(未満タン時)に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第1有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC101(H)は、第1保留記憶数が上限値(4個)に達しているとき(満タン時)に第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第1無効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第2保留記憶数が上限値(4個)に達していないとき(未満タン時)に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第2有効始動入賞指定コマンド)である。コマンドC201(H)は、第2保留記憶数が上限値(4個)に達しているとき(満タン時)に第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを指定する演出制御コマンド(第2無効始動入賞指定コマンド)である。
コマンドD000(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンドである。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると図14に示された内容に応じて可変表示装置9の表示状態を変更するとともに、ランプの表示状態を変更し、音声出力基板70に対して音番号データを出力する。なお、図42に示された演出制御コマンド以外の演出制御コマンドも主基板31から演出制御基板80に送信される。例えば、大当り遊技に関するより詳細な演出制御コマンドや遊技状態を示す演出制御コマンド(例えば、初期化コマンドや確変状態を示す演出制御コマンド)も主基板31から演出制御基板80に送信される。
図43は、ステップS312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認する(ステップS320)。高ベース状態であるか否かは、例えば、状態フラグのセット状況、または確変フラグおよび時短フラグのセット状況によって確認することが可能である。
遊技状態が高ベース状態でないとき、すなわち低ベース状態であるときは(ステップS320のN)、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数(つまり、低ベース状態のときに可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される背景図柄の保留記憶数)が上限値である4であるか否かを判定する(ステップS321a)。なお、合算保留記憶数は、合算保留記憶数カウンタによってカウントされる。合算保留記憶数カウンタが示す合算保留記憶数が4でないときは(ステップS321aのN)、ステップS321cの処理に移行し、合算保留記憶数が4であるときは(ステップS321aのY)、処理を終了する。遊技状態が高ベース状態であるときは(ステップS320のY)、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数(つまり、高ベース状態のときに可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される背景図柄の保留記憶数)が上限値である8であるか否かを判定する(ステップS321b)。合算保留記憶数カウンタが示す合算保留記憶数が8でないときは(ステップS321bのN)、ステップS321cの処理に移行し、合算保留記憶数が8であるときは(ステップS321bのY)、処理を終了する。
続いて、CPU56は、第1保留記憶数カウンタが示す第1保留記憶数(つまり第1特別図柄保留記憶表示器18aが表示する第1特別図柄の保留記憶数;なお、特図保留メモリ570が記憶している第1保留記憶数であってもよい)が上限値である4に達しているかどうか判定する(ステップS321)。第1保留記憶数が4になっている場合には、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が4に達していなければ、CPU56は、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタの値を1加算する(ステップS322)。すなわち、CPU56は、タイマ割込処理を実行した回数をカウントする処理を実行する。この実施の形態では、CPU56は、ステップS322を実行することによって、タイマ割込処理を実行するごとに、タイマ割込処理を実行した回数を示す割込回数カウンタをカウントアップする。割込回数カウンタの値を1加算すると、CPU56は、割込実行回数カウンタに示されるタイマ割込処理の実行回数があらかじめ設定されている所定回数(例えば、3回)に達しているか否か確認する(ステップS323)。すなわち、CPU56は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したあと、割込実行回数カウンタが所定回数に達しているか否か確認する。なお、タイマ割込処理の実行回数が所定回数に達すると、ステップS328で、CPU56は、割込実行回数カウンタをリセットする。
ステップS323において確認されるあらかじめ設定されている所定回数は、以下のように定められる。上記のように、乱数回路503のタイマ回路534は、第1始動口スイッチ13aから入賞検出信号SSが継続して入力されている時間を計測し、計測時間が所定期間になったことを検出すると、乱数値取り込みデータ「01h」を書き込む。この実施の形態では、タイマ回路534が計測する所定期間(例えば、3ms)が、所定回数のタイマ割込処理が実行される期間(例えば、2msごとのタイマ割込処理を3回実行する場合は6ms)よりも短くなるように、ステップS323において確認される所定回数(例えば、3回)が設定される。そのように設定することによって、乱数を読み出してから、乱数値記憶回路531に記憶される乱数の値が更新される前に再び乱数を読み出してしまうことを防止することができ、前回乱数値記憶回路531から読み出した乱数と同じ値の乱数を再び読み出してしまうことを防止することができる。なお、タイマ回路534が入賞検出信号SSの入力時間を計測するのでなく、CPU56が入賞検出信号SSの入力時間を計測し、乱数値取り込みデータ「01h」を乱数値取込レジスタ539に書き込むようにしてもよい。
タイマ割込処理の実行回数が所定回数に達している場合、CPU56は、特定した乱数回路503の乱数値記憶回路531に出力制御信号SCを出力し、乱数値記憶回路531を読出可能(イネーブル)状態に制御する(ステップS324)。
CPU56は、乱数回路503の乱数値記憶回路531から、乱数値として記憶されているランダムRの値を読み出す(ステップS325)。また、CPU56は、読み出したランダムRの値をRAM55における所定のバッファ領域に格納する(ステップS326)。また、CPU56は、ランダムRの値をバッファ領域に格納すると、乱数値記憶回路531への出力制御信号SCの出力を停止し、乱数値記憶回路531を読出不能(ディスエーブル)状態に制御する(ステップS327)。また、CPU56は、割込実行回数カウンタをリセットする(ステップS328)。
さらに、CPU56は、バッファ領域に格納したランダムRの値を特図保留メモリ570の空エントリの先頭にセットする(ステップS329)。なお、特図保留メモリ570のエントリは、第1保留記憶数に応じた保存領域における大当り判定用乱数が設定される領域に相当する。また、ランダムRは、大当り判定用乱数に相当する。
さらに、ソフトウェア乱数(大当り図柄決定用乱数等を生成するためのカウンタの値等)を抽出し、それらを、抽出した乱数値として第1保留記憶数カウンタの値に対応する保存領域に格納する処理を実行する(ステップS330)。保存領域は、第1保留記憶数の上限値と同数確保されている。また、ステップS330では、図33に示された乱数のうち、ランダム2〜4,8,9が抽出される。なお、乱数を抽出するとは、乱数を生成させるためのカウンタからカウント値を読み出して、読み出したカウント値を乱数値とすることである。
以上のように、第1始動口スイッチ通過処理において、乱数値記憶回路531からランダムRを読み出すにあたって、タイマ割込処理が所定回数実行されたこと(すなわち、タイマ割込処理が所定回数実行される間継続して入賞検出信号SSが入力されたこと)を条件に、乱数値記憶回路531から乱数を読み出す。そのため、乱数を読み出してから、乱数値記憶回路531に記憶される乱数の値が更新される前に再び乱数を読み出してしまうことを防止することができる。また、前回乱数値記憶回路531から読み出した乱数と同じ値の乱数を再び読み出してしまうことを防止することができる。
図44は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理が実行される状態は、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合である。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示がなされておらず、かつ、第1大当り遊技(第1特別図柄が大当り図柄になったことにもとづく大入賞口の所定回の開放が行われる遊技)中でもない場合である。
第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1保留記憶数の値を確認する(ステップS41)。具体的には、第1保留記憶カウンタのカウント値を確認する。
第1保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS42)、第1保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS43)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。
次に、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認することによって、現在の遊技状態が確変状態(高確率状態)であるか否か確認する(ステップS44)。確変フラグは、現在の遊技状態が確変状態であること示すデータであり、確変状態を開始するときにセットされ(図52のステップS192参照)、確変状態を終了するときにリセットされる(図44のステップS51、図51のステップS185、図52のステップS202参照)。
確変フラグがセットされていないときは、CPU56は、ステップS45〜S54の処理を実行せずに、ステップS55に移行する。確変フラグがセットされているときは、CPU56は、乱数バッファ領域から確変状態終了判定用乱数(ランダム8)を読み出し(ステップS45)、確変状態の終了の判定を行う(ステップS46)。すなわち、CPU56は、あらかじめ定められている確変状態終了判定値と確変状態終了判定用乱数値とを比較し、それらが一致したら確変状態を終了させることに決定する。
確変状態を終了させることに決定したときは、CPU56は、確変フラグをリセットして確変状態を終了させる(ステップS51)。そして、CPU56は、状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS52)。なお、ステップS46の判定(抽選)をパンク抽選という。
状態フラグは、確変状態を開始するときにセットされ、確変状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)になったとき、また所定回数になる前に大当り図柄を非確変図柄にすることが決定されたときにリセットされるフラグである。
ステップS52において状態フラグがセットされているということは、確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達していない状態であることを示している。よって、CPU56は、状態フラグがセットされていることを確認したときは、時短フラグをセットして時短状態を開始させる(ステップS53)。
すなわち、この実施の形態では、パンク抽選の結果が当選(確変状態を終了させる)であれば、状態回数の残り回数だけの可変表示が行われるまで時短状態に制御される。
なお、時短フラグは、現在の遊技状態が時短状態であることを示すデータであり、時短状態を開始するときにセットされ、時短状態を終了するときにリセットされる。また、第1変動パターン設定処理(ステップS302)において、CPU56は、時短フラグがセットされているときには、時短フラグがセットされていないときよりも変動時間の短い変動パターンを選択する。
そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS55)。
図45および図46は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。第1特別図柄停止図柄設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、まず、第2大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS60)。第2大当りフラグがセットされていれば、強制はずれフラグをセットした後(ステップS66)、ステップS64に移行する。なお、第2大当りフラグは、第2特別図柄プロセス処理において、大当りとすることに決定した場合にセットされる。すなわち、第2大当りフラグがセットされているということは、第2特別図柄表示器8bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことを意味する。従って、第2大当りフラグがセットされているということは、第2特別図柄表示器8bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことにもとづいて第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の変動が実行されているか、または、第2特別図柄表示器8bの表示結果を大当り図柄にすると決定したことにもとづいて大当り遊技が実行されていることを意味する。
第2大当りフラグがセットされていない場合には、乱数バッファ領域(保存領域)から大当り判定用乱数(ランダムR)を読み出し(ステップS61)、大当り判定モジュールを実行する(ステップS62)。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値(図26参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。大当りとすることに決定した場合には(ステップS63)、ステップS81に移行する。なお、ステップS63では、CPU56は、具体的には、大当り判定用乱数値(ランダムRの値)が図26に示す大当り判定値に一致すると、大当りとすることに決定する。通常状態または時短状態では、大当り判定用乱数値と図26(A)に記載されている数値とを比較し、確変状態では、大当り判定用乱数値と図26(B)に記載されている数値とを比較する。また、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aおよび第1可変表示部9aにおいて停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
大当りとしないことに決定した場合には、CPU56は、乱数バッファ領域からはずれ図柄決定用乱数を読み出し(ステップS64)、はずれ図柄決定用乱数にもとづいて第1特別図柄のはずれ図柄(この例では偶数図柄)を決定する(ステップS65)。そして、ステップS84に移行する。
ステップS81では、CPU56は、第1大当りフラグをセットする。そして、乱数バッファ領域から大当り図柄決定用乱数を読み出し(ステップS82)、大当り図柄決定用乱数にもとづいて第1特別図柄の大当り図柄(この例では奇数図柄)を決定する(ステップS83)。そして、演出制御基板80に、確変大当りとすることに決定された場合(大当り図柄決定用乱数の値が確変図柄を示す値である場合)には確変大当り指定の演出制御コマンド(確変大当り指定コマンド)を送信し、非確変大当りとすることに決定された場合(大当り図柄決定用乱数の値が非確変図柄を示す値である場合)には通常大当り指定の演出制御コマンド(通常大当り指定コマンド)を送信し、大当りとすることに決定されなかった場合(はずれ図柄にすると決定された場合;ステップS60のYまたはステップS63のN)にははずれ指定の演出制御コマンド(はずれ指定コマンド)を送信するように制御した後(ステップS84)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1変動パターン設定処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS85)。
図47は、第1特別図柄プロセス処理における第1変動パターン設定処理(ステップS302)を示すフローチャートである。第1変動パターン設定処理において、CPU56は、乱数バッファ領域から変動パターン決定用乱数を読み出す(ステップS101)。そして、これから開始される第1特別図柄の停止図柄を大当り図柄とすることを示す第1大当りフラグがセットされ、かつ、時短フラグがセットされている場合には(ステップS102,S103のY)、時短時大当り変動パターンテーブル(図49(A)参照)から変動パターンを選択する(ステップS104)。すなわち、時短時大当り変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時大当り変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
時短フラグがセットされていない場合には(ステップS113のN)、通常時大当り変動パターンテーブル(図49(B)参照)から変動パターンを選択する(ステップS105)。すなわち、通常時大当り変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時大当り変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
第1大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、強制はずれフラグがセットされているか否か確認する(ステップS106)。強制はずれフラグがセットされている場合にはステップS110に移行する。
強制はずれフラグがセットされていない場合には(ステップS106のN)、時短フラグがセットされているときには(ステップS107のY)、通常変動の代わりに短縮変動の変動パターンが選択されることを示す短縮変動フラグがセットされているか否か確認する(ステップS108a)。なお、短縮変動フラグは、合算保留記憶数カウンタの値(合算保留記憶数)が4以上であるときにセットされた状態となる(ステップS416,S423参照)。短縮変動フラグがセットされていない場合には(ステップS108aのN)、時短時はずれ変動パターンテーブル(図49(C)参照)から変動パターンを選択する(ステップS108b)。すなわち、時短時はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。一方、短縮変動フラグがセットされている場合には(ステップS108aのY)、時短時はずれ短縮変動パターンテーブル(図50(G)参照)から変動パターンを選択する(ステップS108c)。すなわち、時短時はずれ短縮変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時はずれ短縮変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
時短フラグがセットされていない場合にも(ステップS107のN)、短縮変動フラグがセットされているか否か確認する(ステップS109a)。短縮変動フラグがセットされていない場合には(ステップS109aのN)、通常時はずれ変動パターンテーブル(図49(D)参照)から変動パターンを選択する(ステップS109b)。すなわち、通常時はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。一方、短縮変動フラグがセットされている場合には(ステップS109aのY)、通常時はずれ短縮変動パターンテーブル(図50(H)参照)から変動パターンを選択する(ステップS109c)。すなわち、通常時はずれ短縮変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時はずれ短縮変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
ステップS110では、CPU56は、強制はずれフラグをリセットする。そして、時短フラグがセットされている場合には(ステップS111のY)、短縮変動フラグがセットされているか否か確認する(ステップS112a)。短縮変動フラグがセットされていない場合には(ステップS112aのN)、時短時強制はずれ変動パターンテーブル(図49(E)参照)から変動パターンを選択する(ステップS112b)。すなわち、時短時強制はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時強制はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。一方、短縮変動フラグがセットされている場合には(ステップS112aのY)、時短時強制はずれ短縮変動パターンテーブル(図50(I)参照)から変動パターンを選択する(ステップS112c)。すなわち、時短時強制はずれ短縮変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを時短時強制はずれ短縮変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
時短フラグがセットされていない場合にも(ステップS111のN)、短縮変動フラグがセットされているか否か確認する(ステップS113a)。短縮変動フラグがセットされていない場合には(ステップS113aのN)、通常時強制はずれ変動パターンテーブル(図49(F)参照)から変動パターンを選択する(ステップS113b)。すなわち、通常時強制はずれ変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時強制はずれ変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。一方、短縮変動フラグがセットされている場合には(ステップS113aのY)、通常時強制はずれ短縮変動パターンテーブル(図50(J)参照)から変動パターンを選択する(ステップS113c)。すなわち、通常時強制はずれ短縮変動パターンテーブルを選択し、さらに、変動パターン決定用乱数に応じた変動パターンを通常時強制はずれ短縮変動パターンテーブルから選択する。そして、ステップS114に移行する。
なお、強制はずれフラグがセットされているときと強制はずれフラグがセットされていないとき(すなわちステップS63においてNoと判定されたとき)とで同じはずれ変動パターンテーブルを選択するように構成されていてもよい。すなわち、ステップS106の判定を実行せずに、ステップS102においてNoと判定されたときは、時短フラグおよび短縮変動フラグのセット状況に応じて、時短時はずれ変動パターンテーブル、時短時はずれ短縮変動パターンテーブル、通常時はずれ変動パターンテーブルまたは通常時はずれ短縮変動パターンテーブルのいずれかを選択するように構成されていてもよい。共通のルーチンで変動パターンテーブルを選択する処理を実行することができるため、制御プログラムにおいて強制はずれ用の処理を作成する必要がなくなり、プログラム容量を削減することができる。
ステップS114では、CPU56は、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、具体的には、CPU56は、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、飾り図柄コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。その他のコマンド送信処理においても同様の処理が実行される。その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1遊技状態移行制御処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS115)。
なお、図47および図48には示していないが、CPU56は、確変フラグがセットされているときは、時短フラグがセットされているときと同様に、時短時用の変動パターンテーブルを選択し、その変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択する。この実施の形態では、確変状態のときの変動パターンと時短状態のときの変動パターンとは同じ変動パターン(変動時間)を使用するようにしているからである。
図49および図50は、第1変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルの一例を示す説明図である。変動パターンテーブルは、ROM54に格納されている。図49および図50に示す変動パターンテーブルにおいて、判定値数は、対応する変動パターンを選択することになる判定値の数である。判定値数が多いほど、対応する変動パターンが選択されやすいことを示す。なお、第2特別図柄プロセス処理における第2変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルも、図49および図50に例示された構成と同様に構成される。ただし、その変動パターンテーブルには、第2変動パターン#1〜#12が設定される。つまり、図49および図50に示す例において、「第1変動パターン」を「第2変動パターン」に置き換えた形式になる。また、第1変動パターン#1〜#12のそれぞれと、第2変動パターン#1〜#12のそれぞれとが同じ変動パターンである場合には、第1変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルと第2変動パターン設定処理で使用される変動パターンテーブルとを共通のものにしてもよい。
また、図49および図50に示すように、第1変動パターン#6および第1変動パターン#12は、強制はずれフラグがセットされているときに使用される時短時強制はずれ変動パターンテーブル、時短時強制はずれ短縮変動パターンテーブル、通常時強制はずれ変動パターンテーブルおよび通常時強制はずれ短縮変動パターンテーブルのみにおいて設定されている。すなわち、この実施の形態では、強制フラグがセットされているときにのみ、第1変動パターン#6および第1変動パターン#12が選択可能である。
そして、時短時強制はずれ変動パターンテーブル、時短時強制はずれ短縮変動パターンテーブル、通常時強制はずれ変動パターンテーブルおよび通常時強制はずれ短縮変動パターンテーブルにおいて、第1変動パターン#6および第1変動パターン#12が選択される確率は、他の変動パターンが選択される確率よりも高い。
また、この実施の形態では、強制はずれ(無条件で、すなわち抽選による大当り判定を行わず、抽選結果をはずれにすること)時に用いられる変動パターンテーブル(図49(E),(F)、図50(I),(J))と、非強制はずれ(抽選による大当り判定の結果、はずれに決定されたこと)時に用いられる変動パターンテーブル(図49(C),(D)、図50(G),(H))とを別個に設けたが、それらを共通化してもよい。つまり、強制はずれ/非強制はずれに関わらず、はずれ時に共通に用いられる変動パターンテーブルを設けてもよい。その場合には、CPU56は、例えば、非強制はずれ時に第1変動パターン#6または第1変動パターン#12が選択されたときには、他の変動パターンに変更する。さらに、この実施の形態では、変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択しているが、強制はずれ時に用いられる変動パターンを固定的なものにしてもよい。その場合、例えば、第1変動パターン#6を示すデータおよび第1変動パターン#12を示すデータをROM54に格納し、ステップS112b,112cでROM54から第1変動パターン#12を示すデータを読み出し、ステップS113b,113cで第1変動パターン#6を示すデータを読み出すようにする。
図51および図52は、第1遊技状態移行制御処理を示すフローチャートである。第1遊技状態移行制御処理において、CPU56は、第1大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS171)。セットされている場合には、ステップS191に移行する。
第1大当りフラグがセットされていない場合すなわちはずれとすることに決定されている場合には、CPU56は、状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS172)。状態フラグがセットされているということは、現在の遊技状態が確変状態または時短状態であることを意味する。状態フラグがセットされていれば、CPU56は、状態回数カウンタの値を−1する(ステップS173)。状態回数は、状態フラグがセットされているときに、確変状態または時短状態を継続可能な第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数を示す。状態回数カウンタは、状態回数をカウントするためのカウンタである。例えば、ステップS46のパンク抽選によって確変状態を終了させる条件が成立した場合に、状態回数カウンタの値が0でなければ、状態回数カウンタの値が示す回数だけ第1特別図柄および第2特別図柄の変動が実行されるまで時短状態が継続する(ただし、非確変大当りが発生した場合を除く)。この実施の形態では、状態回数として例えば100回が確変状態の開始時にセットされる(ステップ192参照)。
そして、CPU56は、状態回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS174)。状態回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達したことを意味する。CPU56は、状態回数カウンタの値が0であれば、状態フラグをリセットする(ステップS175)。状態回数カウンタの値が0でなければ、ステップS182に移行する。
次いで、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する(ステップS176)。時短フラグがセットされているということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が100回に達する前に、所定の移行条件が成立したこと(確変状態終了の判定において確変状態を終了させる旨の決定がされたこと、または確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が確変回数に達したこと)により、遊技状態が確変状態から時短状態に移行されていることを意味する。そして、状態回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達したことを意味する。この実施の形態では、可変表示の回数が所定回数に達していれば時短状態を終了させるので、時短フラグがセットされていれば、CPU56は、時短フラグをリセットして遊技状態を通常状態に移行させる(ステップS177)。時短フラグがセットされていなければ、ステップS182に移行する。
ステップS178では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされているということは、確変状態に制御されているときに非確変図柄での大当りとなったことによって時短状態に移行され、時短状態が継続している状態であることを意味する。時短フラグがセットされていなければ、ステップS182に移行する。時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、変動回数カウンタの値を−1する(ステップS179)。このとき、変動回数カウンタには、時短状態の場合にその状態を継続可能な残り変動回数が設定されている。
次に、CPU56は、変動回数カウンタの値が0であるか否か確認する(ステップS180)。変動回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態から時短状態に移行されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば50回)に達したことを意味する。そこで、変動回数カウンタの値が0であれば、CPU56は、時短フラグをリセットして遊技状態を時短状態から通常状態に移行させる(ステップS181)。そして、ステップS182に移行する。
ステップS182では、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認する。確変フラグがセットされていなければ、ステップS188に移行する。確変フラグがセットされていれば、変動回数カウンタの値を−1し(ステップS183)、変動回数カウンタの値が0になったか否か確認する(ステップS184)。
確変フラグがセットされ、かつ、変動回数カウンタの値が0であるということは、遊技状態が確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が確変状態を継続可能な確変回数に達したことを意味する。なお、確変回数は、遊技状態が確変状態になっているときに、あと何回の第1特別図柄および第2特別図柄の変動がなされたら確変状態を終了するかを示す回数(可変表示可能回数)、すなわち、確変状態に移行した後に実行可能な第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数である。この実施の形態では、確変回数は所定の範囲の回数(例えば、50回〜150回)から抽選によって決定される。
変動回数カウンタの値が0になった場合、CPU56は、確変フラグをリセットして確変状態を終了させる(ステップS185)。そして、状態フラグがセットされているか否か確認する(ステップS186)。状態フラグがセットされているということは、確変状態に移行してから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)に達していない場合を意味する。逆に、状態フラグがセットされていないということは、確変状態に移行してから第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示の回数が所定回数(例えば100回)以上になっていることを意味する。状態フラグがセットされていれば、CPU56は、時短フラグをセットして時短状態を開始させる(ステップS187)。そして、ステップS188に移行する。
ステップS188では、CPU56は、第1特別図柄の変動を開始する。例えば、ステップS32の特別図柄表示制御処理で参照される開始フラグをセットする。また、RAM55に形成されている第1変動時間タイマに、変動パターンの変動時間に応じた値をセットする(ステップS189)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄変動中処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS189)。
ステップS191では、CPU56は、ステップS83で決定された停止図柄が確変図柄(例えば「3」「7」)であるか否か判定する。すなわち、確変大当りとするか否か判定する。なお、この実施の形態では、ステップS83で決定された停止図柄によって確変大当りとするか否か決定されることになるが、例えば、乱数を発生させ、発生させた乱数と判定値とを比較することによって確変大当りとするか否か決定してもよい。
確変大当りとしない場合にはステップS198に移行する。確変大当りとする場合には、CPU56は、状態フラグをセットし(ステップS192)、状態回数カウンタに状態回数として100回をセットする(ステップS193)。そして、確変フラグがセットされていない場合には確変フラグをセットし(ステップS194)、時短フラグがセットされている場合は時短フラグをリセットする(ステップS195)。なお、確変フラグおよび時短フラグは、RAM55に形成されている。
また、CPU56は、所定の範囲(例えば50回から150回の範囲)から抽選によって確変回数を選択する処理を実行する(ステップS196)。ステップS196では、乱数バッファ領域から回数決定用乱数(ランダム9)を読み出し、読み出した回数決定用乱数値に対応する回数を確変回数に決定する。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、確変回数を変動回数カウンタにセットする(ステップS197)。なお、上記のような確変回数の抽選によれば、確変回数として150回(最多確変継続回数)が選ばれる割合が低くなってしまうおそれがあるが、あらかじめ150回の確変回数に対応する回数決定用乱数値を多く設定しておくことによって、確変回数として150回が選ばれる割合を高くすることができる。そして、ステップS188に移行する。
ステップS198では、CPU56は、状態フラグがセットされているか否か確認する。状態フラグがセットされている場合には、状態フラグをリセットし(ステップS199)、状態回数カウンタの値をクリアする(ステップS200)。
なお、この実施の形態では、確変大当りに決定された場合、特別図柄の可変表示が開始されるときに確変フラグがセットされて遊技状態が確変状態に移行するが、大当り遊技の終了後に、確変フラグをセットして確変状態に移行させるようにしてもよい。そのように制御する場合には、例えば、ステップS191〜S207の処理を、ステップS309の第1大当り終了処理において実行するように構成すればよい。
次いで、CPU56は、確変フラグがセットされているか否か確認する(ステップS201)。確変フラグがセットされていない場合にはステップS205に移行する。確変フラグがセットされている場合には、確変フラグをリセットし(ステップS202)、時短フラグをセットする(ステップS203)。これにより、遊技状態が確変状態から時短状態に移行される。そして、CPU56は、変動回数カウンタに時短回数をセットする(ステップS204)。なお、時短回数は、遊技状態が時短状態になっているときに、あと何回の第1特別図柄および第2特別図柄の変動がなされたら時短状態を終了するかを示す回数(可変表示可能回数)、すなわち、時短状態に移行した後に時短状態が継続可能な第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数である。この実施の形態では、時短回数として例えば50回が設定される。その後、ステップS188に移行する。
ステップS205では、CPU56は、時短フラグがセットされているか否か確認する。時短フラグがセットされている場合には、CPU56は、時短フラグをリセットする(ステップS206)。よって、遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。また、変動回数カウンタの値をクリアする(ステップS207)。そして、ステップS188に移行する。
以上のような処理によって、確変状態において非確変大当りとなることに決定されたときに、遊技状態は時短状態に制御され、時短状態において50回の可変表示を実行可能になる(ステップS201〜S204)。時短状態において非確変大当りとなることに決定されたときに、遊技状態は通常状態に制御される(ステップS205〜S207)。
また、確変状態において状態回数カウンタの値が0にならないうちに変動回数カウンタの値が0になったときには、遊技状態は時短状態に制御される(ステップS182〜S187)。確変状態において状態回数カウンタの値が0になった後に、変動回数カウンタの値が0になったときには、遊技状態が通常状態に制御される(ステップS182〜S186)。時短状態において状態回数カウンタの値が0になった後に、変動回数カウンタの値が0になったときには、遊技状態が通常状態に移行される(ステップS178〜S181)。
次に、第1遊技状態移行制御処理におけるフラグのセット時期およびリセット時期を、図53および図54を用いて説明する。
図53には、確変状態に制御されるときに、ステップS192において状態フラグがセットされ、ステップS193において状態回数カウンタに状態回数として100回がセットされ、また、ステップS194において確変フラグがセットされ、ステップS196において確変回数として150回が抽選によって決定され、ステップS197において変動回数カウンタに150回の回数がセットされた例が示されている。
確変状態に制御されると、CPU56は、状態フラグがセットされることによって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動の開始時に、状態回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS172,S173)。また、確変フラグがセットされることによって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動の開始時に、変動回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS182,S183)。なお、図53において、カッコ内の数字は状態回数カウンタのカウント数を示し、カッコ外の数字は変動回数カウンタのカウント数を示す。確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が100回に達した時点、すなわち、確変フラグがセットされてから100回目の変動を開始する時点で、状態フラグがリセットされる(ステップS174,S175)。CPU56は、状態フラグをリセットしたときに、時短フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS176)。図53に示す例では、時短フラグがセットされていないので、時短フラグのリセットは行われない。すなわち、遊技状態の移行制御は行われない。状態フラグがリセットされると、CPU56は、状態回数カウンタによる第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数のカウントを停止する(ステップS172参照)。
その後も、CPU56は、変動回数カウンタで、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が開始される度に、第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS182,S183)。確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が150回に達した時点、すなわち、確変フラグがセットされてから150回目の変動を開始する時点で、確変フラグがリセットされる(ステップS184,S185)。CPU56は、確変フラグをリセットしたときに、状態フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS186)。図53に示す例では、状態フラグが既にリセットされているので、時短フラグのセットは行われない。すなわち、CPU56は、状態フラグがセットされていないことによって、確変状態に制御されてから100回以上の第1特別図柄および第2特別図柄の変動が行われたことを認識し、時短状態に制御する必要がないと判断し、時短状態に移行する制御を行わない。その結果、遊技状態が確変状態から通常状態に移行される。
図54には、確変状態に制御されるときに、ステップS192において状態フラグがセットされ、ステップS193において状態回数カウンタに状態回数として100回がセットされ、また、ステップS194において確変フラグがセットされ、ステップS196において確変回数として50回が抽選によって決定され、ステップS197おいて変動回数カウンタに50回の回数がセットされた例が示されている。
この場合も、図53に示す例と同様に、状態フラグがセットされることによって、CPU56は、状態回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントし(ステップS172,S173)、また、確変フラグがセットされることによって、変動回数カウンタが第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS182,S183)。その後、確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が50回に達した時点で、すなわち、確変フラグがセットされてから50回目の変動を開始する時点で、変動回数カウンタの値が0になると、確変フラグがリセットされる(ステップS184,S185)。CPU56は、確変フラグをリセットしたときに、状態フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS186)。図54に示す例では、状態フラグがまだセットされているので、時短フラグのセットが行われる(ステップS187)。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、状態フラグがセットされていることによって、確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動が100回未満であることを認識し、時短状態に制御する必要があると判断して、時短状態に移行する制御を行う。この結果、遊技状態が確変状態から時短状態に移行される。
その後も、CPU56は、状態フラグがセットされていることにもとづいて、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が開始される度に、状態回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS172,S173)。確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が100回に達した時点、すなわち、確変フラグがセットされてから100回目の変動を開始する時点で状態フラグがリセットされる(ステップS174,S175)。CPU56は、状態フラグをリセットしたときに、時短フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS176)。図54に示す例では、時短フラグがセットされているので、時短フラグのリセットが行われる(ステップS177)。その結果、遊技状態が時短状態から通常遊技状態に移行される。
なお、遊技状態が確変状態に制御されているときに、確変状態終了の判定(ステップS46)で確変状態を終了する旨の決定がされ、確変状態から時短状態に移行した場合(ステップS51,S53)についても、図54に示す例が該当する。
例えば、確変状態に制御されるときに、ステップS193において状態回数カウンタに状態回数として100回がセットされ、ステップS196において確変回数として80回が抽選によって決定され、ステップS197において変動回数カウンタに80回の回数がセットされた場合を考える。その場合において、確変状態に制御されてから50回目の変動の開始時に確変状態終了の判定(ステップS46)で確変状態を終了する旨の決定がされると、確変フラグがリセットされるとともに時短フラグがセットされて(ステップステップS51,S53)、遊技状態が確変状態から時短状態に移行される。そして、変動回数カウンタの値がクリアされる(ステップS54)。この場合においても、それ以降、第1特別図柄および第2特別図柄の変動が開始される度に、状態回数カウンタで第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数をカウントする(ステップS172,S173)。そして、確変状態に制御されてから第1特別図柄および第2特別図柄の変動回数が100回に達した時点で状態フラグがリセットされる(ステップS174,S175)。そして、時短フラグもリセットされる(ステップS176,S177)。その結果、遊技状態が時短状態から通常状態に移行される。
図55は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄変動中処理(ステップS304)の処理を示すフローチャートである。第1特別図柄変動中処理において、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、第1大当りフラグがセットされている場合には(ステップS123のY)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り図柄停止処理(ステップS306)に対応した値に更新し(ステップS123,S124)、第1大当り図柄表示時間タイマをセットする(ステップS125)。第1大当りフラグがセットされていない場合には(ステップS123のN)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1はずれ図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS126)。第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図56は、第1特別図柄プロセス処理における第1大当り図柄停止処理(ステップS306)の処理を示すフローチャートである。第1大当り図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄の変動を既に終了させた場合には(ステップS130のY)、ステップS133に移行する(ステップS130)。まだ終了させていない場合には(ステップS130のN)、第1特別図柄の変動を終了させる(ステップS131)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットする。また、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。
そして、第1大当り図柄表示時間タイマの値を−1し(ステップS133)、第1大当り図柄表示時間タイマの値が0になった場合には(ステップS134)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS135)。
以上のような第1大当り図柄停止処理によって、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間が、ステップS125で設定された値に応じた所定時間(例えば、0.6秒)継続する。また、第2特別図柄プロセス処理が実行されるときにも、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理に応じた値になっている時間が、所定時間(例えば、0.6秒)継続する。なお、そのような所定時間を設けることは必須のことではない。
図57は、第1特別図柄プロセス処理における第1はずれ図柄停止処理(ステップS305)の処理を示すフローチャートである。第1はずれ図柄停止処理において、CPU56は、第1特別図柄の変動を終了させる(ステップS141)。例えば、ステップS33の特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットする。また、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS142)。その後、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS143)。
図58は、以上に説明したような遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)の制御例を示すタイミング図である。CPU56は、第2始動口14に遊技球が入賞したことにもとづいて大当りとするか異な否か決定する(すなわち、抽選する)ときに、大当りにすることに決定した場合には、第2大当りフラグをセットする(図46のステップS81参照。図46は第1特別図柄プロセス処理における処理であるが、第2特別図柄プロセス処理でも同様の処理が実行される。)。
図58に示すA〜Dのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)のそれぞれにおいて、CPU56は、第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄停止図柄設定処理で、大当り判定用乱数にもとづく抽選処理により大当りとするか否か決定するが(ステップS61,S62,S63参照)、第2大当りフラグがセットされているときには、抽選処理を実行しないようにする(ステップS61,S62,S63の処理をスキップする)。図58に示す例では、B,Cのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)で実行される抽選では、無条件で抽選結果をはずれにする。無条件で抽選結果をはずれにすることが強制はずれである。なお、A,Dのタイミング(具体的には、変動が開始されるとき)で実行される抽選では、第2大当りフラグはセットされていないので、抽選結果が大当りとなることもある。
そして、第2飾り図柄および第2特別図柄の変動時間が終了して大当り図柄が導出表示されるときに、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動が停止して停止図柄が導出表示されることが防止される。なぜなら、大当り図柄が第2飾り図柄および第2特別図柄の停止図柄として導出表示されるときには第2特別図柄プロセスフラグの値は第2大当り図柄停止処理に応じた値であり(図55のステップS124参照。図55は第1特別図柄プロセス処理における処理であるが、第2特別図柄プロセス処理でも同様の処理が実行される。)、その場合には、図38に示すステップS313の処理によって、ステップS300〜S309の処理(特に、ステップS304の処理)が実行されず、処理が中断されるからである。つまり、ステップS304の処理が中断されることによって、ステップS121,S122の処理は実行されず、その結果、ステップS131,S132,S141,S142の処理が実行されない。よって、第1特別図柄の変動が停止することはない。また、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることはない。
なお、第1飾り図柄については、演出制御用マイクロコンピュータ100によって制御される。そして、ステップS315の処理によって、演出制御用マイクロコンピュータ100には中断コマンドが送信され、演出制御用マイクロコンピュータ100における演出制御用CPU101は、中断コマンドを受信すると、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける飾り図柄の変動を中断する。また、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動を中断しているときにその旨を報知する。
また、演出制御用CPU101は、飾り図柄の変動を中断しているときに、例えば、第1飾り図柄をはずれ図柄で揺れ表示させるように制御してもよい。なお、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bの第1飾り図柄の変動を続行し、その他の表示(キャラクタ等)のみを止めるように制御してもよい。
図59は、第1変動パターン#6および#12の第1飾り図柄の変動態様(特殊変動ともいう。)の一例を示す説明図である。第1変動パターン#6および#12では変動期間(変動時間)中に、図59(A)に示すように、5つの期間(第1期間〜第5期間)において第1飾り図柄を可変表示する。それぞれの期間の間には、停止期間が設けられている。停止期間では、第1飾り図柄のはずれ図柄が仮停止表示される。「仮停止表示」とは、最終停止図柄(確定図柄)を停止表示する「導出表示」と異なり、最終停止図柄でない図柄を変動の途中で一旦停止表示することをいう。なお、この実施の形態では、第1変動パターン#6および#12の第1飾り図柄の変動態様を図59に例示された変動態様とするが、図59に例示された変動態様は、第1変動パターン#6および#12とは異なる変動パターンが指定されたときに用いられる変動態様としてもよい。
また、各期間において、可変表示装置9(の例えば背景図柄表示領域9a)では、それぞれ異なる予告演出が実行される。例えば、各期間において、異なるキャラクタが可変表示装置9において表示(静止表示または運動表示)される。
そして、図59(B)に示すように、第1変動パターン#6および#12の第1飾り図柄の可変表示が行われているときに可変表示の中断がなされると、可変表示の再開後のそれぞれの期間において、予告演出は実行されなくなる。
なお、図59(B)には、可変表示の再開時に予告演出が中止される例(以降の期間において予告演出を実行しない)が示されているが、以降の期間の間の変動停止期間をなくすことによって、遊技者に、予告演出がなくなったように見せてもよい。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する普通図柄プロセス処理(ステップS27)について説明する。図60は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。普通図柄プロセス処理では、遊技制御用マイクロコンピュータ560のCPU56は、ゲート32を遊技球が通過してゲートスイッチ32aがオン状態となったことを検出すると(ステップS511)、ゲートスイッチ通過処理(ステップS512)を実行する。そして、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じてステップS500〜S504に示された処理のうちのいずれかの処理を実行する。
ゲートスイッチ通過処理(ステップS512):CPU56は、ゲート通過記憶カウンタのカウント値(ゲート通過記憶数)が最大値(この例では「4」)に達しているか否か確認する。最大値に達していなければ、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を+1する。なお、ゲート通過記憶カウンタの値に応じて普通図柄保留記憶表示器19のLEDが点灯される。そして、CPU56は、普通図柄当り判定用乱数(ランダム5)の値を抽出し、ゲート通過記憶数の値に対応した保存領域(普通図柄判定用バッファ)に格納する処理を行う。
普通図柄変動待ち処理(ステップS500):CPU56は、普通図柄の変動を開始することができる状態(例えば普通図柄プロセスフラグの値がステップS500を示す値となっている場合、具体的には、普通図柄表示器10において普通図柄の変動表示がなされておらず、かつ、普通図柄表示器10に当たり図柄が導出表示されたことにもとづく可変入賞装置15の開閉動作中でもない場合)には、ゲート通過記憶数の値を確認する。具体的には、ゲート通過記憶カウンタのカウント値を確認する。ゲート通過記憶数が0でなければ、ゲート通過記憶数=1に対応する保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに、ゲート通過記憶数の値を1減らし(ゲート通過記憶カウンタのカウント値を1減らし)、かつ、各保存領域の内容をシフトする。すなわち、ゲート通過記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている当り判定用乱数値を、ゲート通過記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。よって、各ゲート通過記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている普通図柄当り判定用乱数値が抽出された順番は、常に、ゲート通過記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。そして、普通図柄プロセスフラグを普通図柄判定処理を示す値に更新する。
普通図柄判定処理(ステップS501):CPU56は、乱数格納バッファから普通図柄当り判定用乱数を読み出し、当りとするかはずれとするかを決定する。具体的には、普通図柄当り判定用乱数の値が当り判定値と一致するか否かが判定され、一致する当り判定値があれば当りと決定される。当り判定値は、例えば、確変状態および時短状態(高ベース状態)のときには3〜12のいずれかとして高確率で当りとなる状態とされ、通常遊技状態(低ベース状態)のときには3または7として比較的低確率で当りとなる状態とされる。そして、CPU56は、普通図柄の変動時間データを普通図柄プロセスタイマに設定し、普通図柄変動時間タイマをスタートする。例えば、確変状態および時短状態のときには、普通図柄変動時間タイマに5.1秒に相当する値を設定する。通常遊技状態のときには、普通図柄変動時間タイマに29.2秒に相当する値を設定する。そして、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動処理を示す値に更新する。
普通図柄変動処理(ステップS502):CPU56は、普通図柄変動時間タイマがタイムアウトしたか否か確認し、タイムアウトしていたら、普通図柄プロセスフラグを普通図柄停止処理を示す値に更新する。
普通図柄停止処理(ステップS503):CPU56は、普通図柄の変動を停止させる。当りとすることに決定されているときには、普通図柄プロセスフラグを始動入賞口開閉処理を示す値に更新する。また、はずれとすることに決定されているときには、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動待ち処理を示す値に更新する。
始動入賞口開閉処理(ステップS504):CPU56は、遊技状態が通常遊技状態(低ベース状態)であれば、例えば可変入賞装置15を1回だけ0.2秒間開放するように制御を行う。遊技状態が確変状態または時短状態(高ベース状態)であれば、例えば可変入賞装置15を2秒間開放したあと3秒の閉成期間をおいて再度2秒間開放するように制御を行う。そして、普通図柄プロセスフラグを普通図柄変動待ち処理を示す値に更新する。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行する保留記憶処理(ステップS29)について説明する。図61および図62は、保留記憶処理の一例を示すフローチャートである。保留記憶処理において、CPU56は、まず、遊技状態が高ベース状態であるか否か確認する(ステップS401)。高ベース状態であるか否かは、例えば、状態フラグのセット状況、または確変フラグおよび時短フラグのセット状況を確認することによって判断することができる。この実施の形態では、後述するように、低ベース状態のときは、第1始動入賞のみにもとづく背景図柄の保留記憶数の表示を行い(すなわち、第2始動入賞にもとづく背景図柄の保留記憶数の表示を行わず)、高ベース状態のときは、第1始動入賞および第2始動入賞にもとづく背景図柄の保留記憶数の表示を行う(図76参照)。
遊技状態が高ベース状態でないとき、すなわち低ベース状態であるときは(ステップS401のN)、第1保留記憶数カウンタの値(第1保留記憶数)が上限値4であるか否か判定する(ステップS402)。第1保留記憶数カウンタの値が4でないときはステップS404の処理に移行し、第1保留記憶数カウンタの値が4であるときはステップS417の処理に移行する。一方、高ベース状態であるときは(ステップS401のY)、合算保留記憶数カウンタの値(合算保留記憶数)が上限値8であるか否か判定する(ステップS403)。合算保留記憶数カウンタの値が8でないときはステップS404の処理に移行し、合算保留記憶数カウンタの値が8であるときはステップS417の処理に移行する。
次いで、CPU56は、始動入賞が第1始動入賞口13への入賞であるか、第2始動入賞口14への入賞であるかを判定する(ステップS404,S409)。このような始動入賞の種別の判定は、第1始動入賞口スイッチ13aによる入賞検出であったか、第2始動入賞口スイッチ14aによる入賞検出であったかを確認することによって行うことが可能である。
第1始動入賞口13への入賞であったときは(ステップS404のY)、第1保留記憶数カウンタの値(第1保留記憶数)が上限値4であるか否かを判定する(ステップS405)。第1保留記憶数カウンタの値が上限値4に達していない場合は(ステップS405のN)、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を+1し(ステップS406)、第1始動入賞口13に遊技球が入賞し、かつ第1保留記憶数が上限値に達していないこと(つまり、第1始動入賞口13に有効始動入賞があったこと、第1の有効実行条件が成立したこと)を示す第1有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS407)。そして、ステップS414の処理に移行する。一方、第1保留記憶数が上限値に達している場合は(ステップS405のY)、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞し、かつ第1保留記憶数が上限値に達していること(つまり、第1始動入賞口13に無効始動入賞があったこと、第1の無効実行条件が成立したこと)を示す第1無効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS408)。そして、ステップS417の処理に移行する。
第2始動入賞口14への入賞であったときは(ステップS409のY)、第2保留記憶数カウンタの値(第2保留記憶数)が上限値4であるか否かを判定する(ステップS410)。第2保留記憶数カウンタの値が上限値4に達していない場合は(ステップS410のN)、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を+1し(ステップS411)、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、かつ第2保留記憶数が上限値に達していないこと(つまり、第2始動入賞口14に有効始動入賞があったこと、第2の有効実行条件が成立したこと)を示す第2有効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS412)。そして、ステップS414の処理に移行する。一方、第2保留記憶数が上限値に達している場合は(ステップS410のY)、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、かつ第2保留記憶数が上限値に達していること(つまり、第2始動入賞口14に無効始動入賞があったこと、第2の無効実行条件が成立したこと)を示す第2無効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS413)。そして、ステップS417の処理に移行する。
ステップS414において、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値を+1し、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であるか否かを判定する(ステップS415)。そして、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であれば、短縮変動フラグをセットする(ステップS416)。上述したように、短縮変動フラグがセットされると、「短縮変動」の変動パターン♯2,8を含む短縮変動パターンテーブル(図50(G)〜(J))を用いて変動パターンが選択される。なお、合算保留記憶数カウンタの値が4以上であったときに、既に短縮変動フラグがセットされていたときは、そのままフラグがセットされた状態となる。
ステップS417において、CPU56は、変動開始タイミングであるか否かを判定する。また、変動開始タイミングであるときにその変動が第1特別図柄の変動であるか否かを判定する(ステップS418)。例えば、第1特別図柄プロセスフラグの値が第1特別図柄停止図柄設定処理を示す値であるときは、第1特別図柄の変動開始タイミングであると判断することができ、同様に、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2特別図柄停止図柄設定処理を示す値であるときは、第2特別図柄の変動開始タイミングであると判断することができる。
変動開始タイミングでなければ(ステップS417のN)、処理を終了する。第1特別図柄の変動開始タイミングであれば(ステップS418のY)、第1保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS419)、第2特別図柄の変動開始タイミングであれば(ステップS418のN)、第2保留記憶数カウンタの値を−1し(ステップS420)、そして、合算保留記憶数カウンタの値を−1する(ステップS421)。そして、CPU56は、合算保留記憶数カウンタの値が4未満(すなわち3以下)であるか否かを判定し(ステップS422)、4未満であれば、短縮変動フラグをリセットして(ステップS423)、処理を終了する。
次に、背景図柄の変動(可変表示)の実行タイミング、切替ポイントの概念および保留記憶表示の表示制御などについて説明する。
この実施の形態では、遊技状態が低ベース状態のときは、背景図柄の変動は、第1飾り図柄(および第1特別図柄)の変動と同期して開始され、第1飾り図柄(および第1特別図柄)の変動と同期して終了する。遊技状態が低ベース状態のときは、可変入賞球装置15が開放される確率が低く、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する可能性が低い(ほとんど第2始動入賞口14に入賞しない)ので、第2始動入賞口14への始動入賞を背景図柄の変動に反映させず、第1始動入賞口13への始動入賞のみ背景図柄の変動に反映させるようにしている。すなわち、低ベース状態のときは、第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく背景図柄の変動を行わないように構成されている。また、遊技状態が低ベース状態のときは、可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される背景図柄の保留記憶数は第1特別図柄の保留記憶数のみ反映され(背景図柄の保留記憶数は第1特別図柄の保留記憶数と同じ値とされ)、背景図柄の保留記憶数の上限値も第1特別図柄の保留記憶数の上限値と同じ値(「4」)とされている。このような構成によれば、低ベース状態のときは背景図柄の変動を第1特別図柄の変動にのみ対応付ければよく、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御負担を軽減することができる。
但し、第2始動入賞口14への始動入賞を完全に無視するわけではなく、低ベース状態のときであっても、遊技者の不利とならないように第2始動入賞口14への始動入賞にもとづく大当りの判定(ステップS62参照)は実行される。そして、大当りの判定で大当りになると決定されたときは、大当り遊技状態に移行される。なお、このときは、背景図柄の変動が実行されずに、突然、大当り遊技状態に移行されることになる。この実施の形態では、このように大当り遊技に突然移行されることを「突然大当り」という。
この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態のときは、背景図柄の変動は、第1飾り図柄または第2飾り図柄のどちらかの変動開始と同期して開始される。すなわち、背景図柄の変動が開始可能なとき(背景図柄が変動中でなく、大当り中でもないとき)に第1飾り図柄の変動が開始されると、その第1飾り図柄の変動開始と同時に背景図柄の変動が開始される。また、背景図柄の変動が開始可能なとき(背景図柄が変動中でなく、大当り中でもないとき)に第2飾り図柄の変動が開始されると、その第2飾り図柄の変動開始と同時に背景図柄の変動が開始される。
高ベース状態のときの背景図柄の変動は、原則として、背景図柄の変動開始のときに同期した飾り図柄(第1飾り図柄または第2飾り図柄のどちらか)の変動終了と同期して終了する。すなわち、背景図柄の変動が第1飾り図柄の変動開始と同期して開始されたときは、第1飾り図柄の変動終了と同期して終了する。また、背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始と同期して開始されたときは、第2飾り図柄の変動終了と同期して終了する。ただし、例外として、背景図柄の変動開始のときに同期した飾り図柄とは別の飾り図柄の変動終了と同期して終了することもある。これについては図68および図69を用いて後で説明する。
図63は、高ベース状態における背景図柄の変動中の切替ポイントおよび保留記憶表示の表示制御タイミングを示すタイミング図である。図63に示すように、背景図柄は、第1飾り図柄の変動開始と同期して変動を開始したものとする。また、第1飾り図柄の変動時間は40秒であったものとする。なお、背景図柄の変動開始と同期している第1飾り図柄の変動時間が40秒であるため、背景図柄の変動時間も40秒が選択されている。
第1特別図柄の変動が開始されたときに(第1特別図柄と同期して第1飾り図柄も変動が開始される)、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(図63中、メモリ表示と示している)が1つ消去される。また、第1特別図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されたとき、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示も1つ消去される(例えば始動記憶数表示エリアの赤色の表示色を青色の表示色に1つ変化させる)。
なお、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したのと同時に第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されたときは、保留記憶数表示が点灯されずに第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されるのが一般的である。しかし、この実施の形態では、説明を解りやすくするために、そのような場合であっても保留記憶数表示の点灯と消去(消灯)とが瞬時に行われるものとして説明する。
第1特別図柄および背景図柄の変動が開始されてから所定時間(例えば5秒)経過後に第2始動入賞口14に遊技球が入賞し、第2特別図柄の変動が開始されるものとする。このとき、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことにより、第2特別図柄表示器18bにおける保留記憶数表示が点灯され、第2特別図柄の変動が開始されたことにより、第2特別図柄表示器18bにおける保留記憶数表示が消去される。一方、背景図柄は変動中であり、第2特別図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されなかったため、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示が1つ点灯される(例えば始動記憶数表示エリアの青色の表示色を赤色の表示色に1つ変化させる)。
本来、背景図柄の変動時間が40秒の場合は、背景図柄の変動開始後に通常変動が10秒間行われ、その後にリーチが発生して30秒のリーチCを伴う変動が行われる。ところが、背景図柄の変動が開始されてから特定時間(例えば10秒)経過するまでに、背景図柄と変動が同期した特別図柄(図63では第1特別図柄)とは別の特別図柄(図63では第2特別図柄)の変動が開始されたときは、図63に示すように、背景図柄の変動が開始されてから特定時間経過後に背景図柄の停止図柄として事前に決定された停止図柄(ステップS616で決定される停止図柄)が仮停止表示され、そして再び通常変動が10秒間行われ、その後にリーチが発生して20秒のリーチBを伴う変動が行われる。すなわち、背景図柄の変動が開始されてから特定時間経過後に背景図柄が仮停止された後に背景図柄の変動パターンが切り替えられる。このように背景図柄の変動パターンを切り替える時点(背景図柄の変動開始後10秒経過した時点)を「切替ポイント」という。
図63に示す例では、背景図柄の変動開始後から切替ポイントまでは、背景図柄の変動は、第1特別図柄(第1飾り図柄)の変動開始にもとづく変動とみなされ、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動開始にもとづく変動とみなされる。従って、切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示、つまり、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける始動記憶数表示エリアが1つ消去される。また、第1特別図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動と第2特別図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動との切れ目を遊技者に認識させやすくするために、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示させる制御が行われる。
このように、背景図柄の変動開始後から切替ポイントまでに第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動が開始されたときは、切替ポイントにおいて第1特別図柄の変動開始にもとづく変動から第2特別図柄の変動開始にもとづく変動に切り替え、さらに切替ポイントにおいて背景図柄の保留記憶数(第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計)を1つ減少させるように構成したことにより、遊技者に違和感を与えることなく、並行して変動が行われる第1特別図柄(第1飾り図柄)および第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動に対応した背景図柄の変動表示(可変表示)を効率よく実現することができる。その結果、並行して実行される第1特別図柄および第2特別図柄の変動の停止タイミングと、第1特別図柄および第2特別図柄に対応して実行される背景図柄の変動の停止タイミングとのずれを少なくすることができるようになる。
上述したように、図63に示す例では、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2特別図柄の変動開始にもとづく変動であるため、第2特別図柄の停止図柄がはずれ図柄である場合は、背景図柄の停止図柄もはずれ図柄にすべきである。しかし、図63に示す例では、第1特別図柄(つまり第1飾り図柄)の停止図柄を大当り図柄にすると決定され、第1特別図柄の変動が終了するときに大当り図柄が停止表示(導出表示)されており、また、背景図柄は第1特別図柄の変動終了と同期して変動が終了している。従って、遊技者にとって最も視認しやすい背景図柄の停止図柄が大当り図柄にならないと、背景図柄の停止図柄としてはずれ図柄が停止表示されたにもかかわらず大当り遊技が開始されてしまうことになり、背景図柄の停止図柄と遊技状態との整合がとれないことになってしまう。そこで、この実施の形態では、背景図柄と同期して変動が終了する特別図柄の停止図柄の種別(はずれ、非確変大当り、確変大当り)に応じて、背景図柄の停止図柄の種別を決定し、決定した種別の停止図柄を停止表示(導出表示)する制御が行われる。
図63に示す例では、第1特別図柄および背景図柄の大当り図柄が停止表示される前に、第2特別図柄の変動が開始され、第1特別図柄および背景図柄の大当り図柄が停止表示されたときに、第2特別図柄の変動が継続中である。この場合は、上述したように、第2特別図柄の変動が中断される(ステップS313〜ステップS315参照)。また、第2特別図柄の変動が中断中において、第2特別図柄の変動は一旦中断しているが変動自体は継続中であること(変動が終了していないこと)を報知する制御が行われる。
なお、この実施の形態では、第1飾り図柄は第1特別図柄と完全に同期して変動が実行され、また、第2飾り図柄は第2特別図柄と完全に同期して変動が実行されるので、第1特別図柄が変動開始可能な保留記憶数と第1飾り図柄が変動開始可能な保留記憶数とは一致し、また、第2特別図柄が変動開始可能な保留記憶数と第2飾り図柄が変動開始可能な保留記憶数とは一致する。従って、以下の説明において、第1特別図柄保留記憶表示器18aに表示される第1特別図柄の保留記憶数のことを第1飾り図柄の保留記憶数と表現し、また、第2特別図柄保留記憶表示器18bに表示される第2特別図柄の保留記憶数のことを第2飾り図柄の保留記憶数と表現している箇所もある。
図64および図65は、図63に示した各図柄の変動実行タイミングにおける表示例を示す説明図である。図64および図65には、可変表示装置9と第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとが示されている。また、可変表示装置9の画面は、背景図柄表示領域9aと第1飾り図柄表示領域9bと第2飾り図柄表示領域9cとメモリ表示領域9dとに分けられている。
図64に示すように、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動の開始と同期して背景図柄の変動が開始される。背景図柄の変動は、変動開始後から所定時間(10秒)経過するまでは通常変動(図柄が高速に変動する高速変動)が行われる。その後、第2飾り図柄の変動が開始されるが、背景図柄は変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動は開始されない。ただし、背景図柄の保留記憶数表示は1つ点灯される。その後、切替ポイントになると、図64に示すように、背景図柄は仮停止表示される。なお、仮停止の図柄は、はずれ図柄(図64では「527」)である。このとき、第1飾り図柄(第1特別図柄)および第2飾り図柄(第2特別図柄)は変動中である。
背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動パターンの切り替えが行われ、切替ポイント以降に再び背景図柄の通常変動(高速変動)が行われる。背景図柄の通常変動の再開時に、背景図柄の保留記憶数表示(第2飾り図柄の保留記憶数に対応する保留記憶数表示)が1つ消去される。
そして、所定時間(10秒)経過後、左右の背景図柄が揃うことによりリーチになる。このとき、第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動はすでに終了し停止図柄が表示されている。なお、第2特別図柄と第2飾り図柄の停止図柄は同じ種別の図柄(はずれ図柄、非確変図柄、確変図柄)であればよく、図柄の数字が完全に一致している必要はない。図64に示す例では、第2特別図柄は、はずれ図柄「0」が表示され、第2飾り図柄は、はずれ図柄「8」が表示されている。
その後、リーチを伴う変動が所定時間行われ、第1飾り図柄の変動終了と同期して背景図柄の変動が終了し、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の停止図柄が導出表示される。このとき、図64に示す例では、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄「7」が導出表示され、第1飾り図柄の停止図柄として大当り図柄「7」が導出表示され、背景図柄の停止図柄として大当り図柄「777」が導出表示されている。
第1特別図柄、第1飾り図柄および背景図柄に大当り図柄が導出表示されたとき、第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が中断され、はずれ図柄が停止表示される。これにより、第1特別図柄にもとづく大当り遊技中に第2特別図柄にもとづく大当りが発生してしまうのを防止することができる。なお、図64に示す例では、第2特別図柄の停止図柄としてはずれ図柄「4」が停止表示され、第2飾り図柄の停止図柄としてはずれ図柄「6」が停止表示されている。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されると、大当り遊技が開始されて大当り遊技状態に移行する。具体的には、図65に示すように、大当りが発生したこと(大当り遊技が開始されること)を遊技者に報知するために可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに「大当り!」の文字が表示され、その後に、大入賞口の開放に伴うラウンドの遊技が所定回数実行される。この実施の形態では、大当り遊技中において、第2飾り図柄の変動は中断されているが変動自体は継続中であること(変動が終了していないこと)を報知するために、背景図柄表示領域9aにおける第2飾り図柄表示領域9cの真上に「変動継続中」という文字が表示されている。
図65に示すように、大当り遊技が終了するときに、大当り遊技の終了を報知するために可変表示装置9の背景図柄表示領域9aに「またね」という文字が表示される。その後、大当り遊技が終了すると、第1特別図柄、第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されるとともに、中断していた第2特別図柄および第2飾り図柄の変動が再開される。
次に、高ベース状態のときの様々な状況における各図柄の変動(可変表示)の実行タイミング、各図柄に対応した保留記憶表示の消去タイミングおよび背景図柄の変動時間の変更などについて説明する。
図66は、切替ポイントの前後に第2飾り図柄の変動が開始された場合における各図柄の変動の実行タイミングおよび各図柄に対応する保留記憶表示の消去タイミングの一例を示すタイミング図である。
図66に示す例では、図63に示した例と同じように、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(第1特別図柄の保留記憶数表示)が1つ消去されるとともに、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示(背景図柄の保留記憶数表示)も1つ消去される。
第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されたことによって、第2特別図柄保留記憶表示器18bの保留記憶数表示(第2飾り図柄の保留記憶数表示)が1つ点灯され直ちに消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ点灯される。切替ポイントになると、背景図柄が仮停止表示され、背景図柄の変動パターンが切り替えられる。
その後に、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動時間が経過すると、第2飾り図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第2始動入賞口14に遊技球が入賞していた場合は、第2飾り図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、第2飾り図柄の変動が開始される。図66に示すように、第2飾り図柄の変動が開始されたときのタイミングは、背景図柄の変動中における切替ポイントの後で背景図柄の変動終了前である。背景図柄の保留記憶数表示は、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいてすでに1つ点灯されているが、第2飾り図柄の変動開始のときに背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづいて消去されない。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化の状態となる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第1始動入賞口13に遊技球が入賞していた場合は、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第1飾り図柄および背景図柄の保留記憶数表示がいずれも1つ消去され、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して開始される。第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は10秒であったものとする。このとき、第1飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動は第1飾り図柄の変動開始にもとづくものである。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなる。
再び、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、第1特別図柄の第1保留記憶数が0のときは、第1飾り図柄と同期した背景図柄の変動は行われないが、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなっているので、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が開始される。なお、背景図柄の変動が開始されるときに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。これにより、未消化の飾り図柄の変動が消化されて、未消化の飾り図柄の変動が存在しない状態になる。
なお、図66において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図67は、切替ポイント後に第2飾り図柄の変動が開始された場合における各図柄の変動の実行タイミングおよび各図柄に対応する保留記憶表示の消去タイミングの一例を示すタイミング図である。
図67に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄保留記憶表示器18aの保留記憶数表示(第1特別図柄の保留記憶数表示)が1つ消去されるとともに、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける保留記憶数表示(背景図柄の保留記憶数表示)も1つ消去される。
変動が開始されてから切替ポイントに至るまで背景図柄の通常変動が行われ、その後にリーチAを伴う変動が行われる。図67に示す例では、第2飾り図柄の変動が開始されるタイミングは、背景図柄の変動中における切替ポイントの後で背景図柄の変動終了前である。背景図柄の保留記憶数表示は、第2始動入賞口14への遊技球の入賞にもとづいてすでに点灯されているが、第2飾り図柄の変動開始のときに背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄の変動開始にもとづいて消去されない。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化の状態となる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動時間が経過すると、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が停止表示されて変動が終了する。このとき、すでに第1始動入賞口13に遊技球が入賞していた場合は、第1飾り図柄および背景図柄の停止図柄が所定時間(例えば0.5秒)停止表示された後、第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の保留記憶数表示がいずれも1つ消去され、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して開始される。第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は20秒であったものとする。このとき、第1飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始されているので、背景図柄の変動は第1飾り図柄の変動開始にもとづくものである。従って、第2飾り図柄の変動開始にもとづく背景図柄の変動が未消化のままとなる。
第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されてから所定時間(10秒)経過すると、切替ポイントに至る。このとき、未消化の飾り図柄の変動が残っているので、切替ポイントにおいて未消化の飾り変動を消化させるために、背景図柄を仮停止表示し、背景図柄の変動パターンを切り替える制御が行われる。そして、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。これにより、未消化の飾り図柄の変動が消化されて、未消化の飾り図柄の変動が存在しない状態になる。その後、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間が経過することにより、第1飾り図柄および背景図柄の変動が同期して終了する。
なお、図67において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
次に、高ベース状態のときの背景図柄の変動時間の変更について説明する。図68は、先に変動開始された背景図柄の変動時間の変更を示すタイミング図である。図68に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されてから切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始されたことによって、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ点灯され直ちに消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示が1つ点灯される。ここで、第2飾り図柄の変動時間は20秒であるものとする。切替ポイントになると、背景図柄が仮停止表示され、背景図柄の変動パターンが切り替えられる。その後に、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去され、背景図柄の通常変動が再び行われる。
上述したように、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は20秒であり、第2飾り図柄(第2特別図柄)の変動時間も20秒である。また、第1飾り図柄および背景図柄の変動の方が先に開始されているので、第2飾り図柄の変動が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する。このように、第1飾り図柄および背景図柄の変動が先に開始され、また切替ポイントまでに第2飾り図柄の変動が開始され、また第2飾り図柄の変動の方が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する場合は、先に変動開始された背景図柄の変動時間を延長(変更)して、背景図柄の変動終了タイミングを後に変動開始された第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる。
なぜなら、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2飾り図柄の変動開始にもとづく変動であるので、第2飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動も終了させるのが好ましい。また、第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときは、第2飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示したときに背景図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示させる必要があるからである。そこで、図68のような状況が生じた場合には、先に変動開始された背景図柄の変動時間を延長する。ただし、このような場合でも、第1飾り図柄の変動と第1特別図柄の変動とを完全に同期させるようにしているので、先に変動開始された第1飾り図柄の変動時間については延長しない。
なお、先に変動開始された飾り図柄(図68では第1飾り図柄)の停止図柄が大当り図柄である場合は、その飾り図柄の大当り図柄を導出表示するときに背景図柄の大当り図柄を導出表示する必要がある。従って、そのような場合には、先に開始された背景図柄の変動時間の延長は禁止される。
背景図柄の変動時間の延長は、背景図柄の変動開始後10秒経過した時点に設けられている切替ポイントを後ろにずらし、切替ポイントまでの通常変動(高速変動)の時間を延長することにより行われる。例えば、図68に示す例において、第2飾り図柄の変動が背景図柄(および第1飾り図柄)の変動開始から5秒経過後に開始された場合は、背景図柄の変動終了タイミングと第2飾り図柄の変動終了タイミングとを同期させるために、切替ポイントを背景図柄の変動開始後15秒経過した時点にずらし、切替ポイントまでの通常変動の時間を5秒延長し、切替ポイント以降の変動時間は一定のままにする。これにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
このように、切替ポイントまでの通常変動の時間を追加することにより背景図柄の変動時間を延長するようにしているのは、次の理由による。この実施の形態では、切替ポイントまでは常に通常変動が行われるように構成されている。通常変動のように図柄が高速に変動されていると変動している図柄が見えない(見えにくい)ので、変動時間を延長しても遊技者に違和感を与えることがない。また、リーチを伴う変動のように図柄が低速または中速に変動している場合、その変動時間を延長し、かつ、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が困難であるが、通常変動のように図柄が高速に変動している場合は、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が比較的容易である。このように、切替ポイントが後ろにずれた場合は、後ろにずれた切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。
第1飾り図柄の変動が先に終了したときに第1始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、第1飾り図柄の変動が背景図柄の変動と同期せずに開始される。このとき、第1飾り図柄の保留記憶数表示は1つ消去されるが、背景図柄の保留記憶数表示は点灯されたままとなる。背景図柄および第2飾り図柄の変動が終了したときに第2始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、背景図柄と第2飾り図柄とが同期して変動が開始される。このとき、第2飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
第2飾り図柄および背景図柄の変動が終了すると、まだ未消化の保留記憶が存在しているので、その保留記憶を消化するために、背景図柄の変動が開始される。そして、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。これにより、未消化の飾り図柄の変動が消化されて、未消化の飾り図柄の変動が存在しない状態になる。
なお、図68において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図69は、後に変動開始された背景図柄の変動時間の変更を示すタイミング図である。図69に示す例では、第1飾り図柄(第1特別図柄)の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始される。なお、第1飾り図柄の変動時間は20秒であり、背景図柄の変動時間も20秒が選択されている。第1飾り図柄(第1特別図柄)および背景図柄の変動が開始されたときに、第1特別図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。
図69に示すように、第2飾り図柄の変動は、第1飾り図柄および背景図柄の変動における切替ポイント(変動開始後10秒経過した時点)以降に開始されている。ここで、第2飾り図柄の変動時間は20秒であるものとする。その後、第1飾り図柄および背景図柄の変動が終了したときに第1始動入賞にもとづく保留記憶が存在している場合は、第1飾り図柄と背景図柄とが同期して変動が開始される。このとき、第1飾り図柄の保留記憶数表示が1つ消去されるとともに、背景図柄の保留記憶数表示も1つ消去される。ここで、第1飾り図柄の変動時間が10秒であるものとする。従って、通常は、背景図柄の変動時間として10秒が選択される。また、第1飾り図柄および背景図柄は、第2飾り図柄の変動開始後5秒経過した時点で変動が開始されたものとする。
上述したように、第2飾り図柄の変動時間は20秒であり、第1飾り図柄の変動時間は10秒である。また、第1飾り図柄および背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始から5秒後に開始されている。従って、第1飾り図柄および背景図柄の変動が第2飾り図柄の変動開始後10秒経過する前に開始され、第2飾り図柄の変動が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する。このように、第1飾り図柄および背景図柄の変動が後に開始され、また第2飾り図柄の変動開始後10秒経過までに第1飾り図柄の変動が開始され、また第2飾り図柄の変動の方が第1飾り図柄および背景図柄の変動よりも後に終了する場合は、後に変動開始された背景図柄の変動時間を延長(変更)して、背景図柄の変動終了タイミングを先に変動開始された第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる。
このように背景図柄の変動時間を延長する理由も、図68において説明した理由と同様である。すなわち、背景図柄と同期せずに第2飾り図柄が先に変動開始され、第2飾り図柄の変動開始後10秒経過するまでに第1飾り図柄が背景図柄と同期して変動開始された場合は、背景図柄の変動において効率よく第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動を消化させるために、第2飾り図柄の変動開始後10秒経過した時点(ここが切替ポイントになる)で、背景図柄の変動を第1飾り図柄の変動にもとづく変動から第2飾り図柄の変動にもとづく変動に切り替えるのが好ましい。そして、切替ポイント以降の背景図柄の変動は、第2飾り図柄の変動開始にもとづく変動であるので、第2飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動も終了させるのが好ましい。また、第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときは、第2飾り図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示したときに背景図柄の停止図柄として大当り図柄を導出表示させる必要がある。そこで、図69のような状況が生じた場合には、第2飾り図柄よりも後に第1飾り図柄と同期して変動開始された背景図柄の変動時間を延長する。ただし、このような場合でも、第1飾り図柄の変動と第1特別図柄の変動とを完全に同期させるようにしているので、第2飾り図柄よりも後に変動開始された第1飾り図柄の変動時間については延長しない。
なお、後に変動開始された飾り図柄(図69では第1飾り図柄)の停止図柄が大当り図柄である場合は、その飾り図柄の大当り図柄を導出表示するときに背景図柄の大当り図柄を導出表示する必要がある。従って、そのような場合には、後に開始された背景図柄の変動時間の延長は禁止される。
背景図柄の変動時間の延長は、先に変動開始された第2飾り図柄の変動開始後10秒の時点を背景図柄における切替ポイントとし、切替ポイント以降の変動時間を第2飾り図柄の変動開始後10秒経過した後の変動時間と一致させることにより行われる。例えば、図69に示す例において、背景図柄(および第1飾り図柄)の変動が第2飾り図柄の変動開始から5秒経過後に開始された場合は、第2飾り図柄の変動終了タイミングと背景図柄の変動終了タイミングとを同期させるために、第2飾り図柄の変動開始後10秒の時点(背景図柄の変動開始後5秒の時点)を背景図柄における切替ポイントとし、切替ポイント以降の変動時間を第2飾り図柄の変動開始後10秒を経過した後の残り変動時間(図69では10秒)と一致させる。これにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
なお、図69に示す例において、先に変動開始される第2飾り図柄の変動時間が30秒であり、後に変動開始される第1飾り図柄の変動時間が20秒である場合は、図68に示した例と同様に、第1飾り図柄の変動開始後10秒の時点の切替ポイントが5秒後ろにずらされることにより、背景図柄の変動時間が5秒延長される。
このように、切替ポイントまでの通常変動の時間を追加することにより背景図柄の変動時間を延長するようにしているのは、図68において説明した理由と同様の理由による。すなわち、通常変動のように図柄が高速に変動されていると変動している図柄が見えない(見えにくい)ので、変動時間を延長しても遊技者に違和感を与えることがなく、また、通常変動のように図柄が高速に変動している場合は、延長された変動時間においてあらかじめ決められている停止図柄を停止表示させる制御が比較的容易である。このように、切替ポイントが後ろにずれた場合(図69の例では切替ポイントが新たに追加された場合)は、後ろにずれた切替ポイントにおいて、背景図柄の保留記憶数表示が1つ消去される。
第2飾り図柄および背景図柄の変動時間が経過すると、第2飾り図柄および背景図柄の変動が同期して終了する。
なお、図69に示す例において、例えば、第2飾り図柄の変動が開始されてから9.8秒後に第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始される場合、背景図柄の変動開始から切替ポイントまで0.2秒しかないことになる。このような場合、切替ポイントまでの時間が短すぎて通常変動を実質的に実行できないことになる。従って、第2飾り図柄の変動が開始されてから例えば8秒以上経過した後に第1飾り図柄および背景図柄の変動が開始されても、背景図柄の変動時間を延長しないように構成されていてもよい。このような構成によれば、切替ポイントまでの時間として少なくとも2秒の通常変動の時間を確保することができる。
なお、図69において、第1飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係と、第2飾り図柄と背景図柄の変動実行タイミングの対応関係とを入れ替えたとしても、上述したのと同様の制御が行われる。
図70は、低ベース状態のときと高ベース状態のときの保留記憶数の上限を示す説明図である。上述したように、低ベース状態(通常遊技状態)のときは、可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される背景図柄の保留記憶数の上限値は「4」であり、高ベース状態(確変状態または時短状態)のときは、可変表示装置9のメモリ表示領域9dに表示される背景図柄の保留記憶数の上限値は「8」である。なお、背景図柄の保留記憶数の上限値は、低ベース状態のときは「4」で、高ベース状態のときは「8」としているが、異なる値であってもよい。
図71は、高ベース状態のときのダミーの背景図柄保留記憶表示の点灯条件を示す説明図である。図71の上図では、第1特別図柄保留記憶表示器18aにおける第1特別図柄保留記憶表示が4個点灯されており、第2特別図柄保留記憶表示器18bにおける第2特別図柄保留記憶表示が1個点灯されており、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおける背景図柄保留記憶表示は5個点灯されている。そして、差数カウンタは±0となっている。なお、差数カウンタは、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と、背景図柄の保留記憶表示の数との差をカウントするカウンタである。つまり、第1保留記憶数カウンタのカウント値と第2保留記憶数カウンタのカウント値の合計と、背景図柄の保留記憶表示として実際に表示されている表示数との差をカウントするカウンタである。
上図の状態において、第1始動入賞口13に遊技球が入賞し、第1始動入賞が発生したとする。この場合、図61および図62に示したように、第1保留記憶数カウンタのカウント値はすでに4であるため(ステップS405のY)、新たな第1始動入賞は無効となり、この第1始動入賞にもとづく第1特別図柄(および第1飾り図柄)の変動は開始されないが、第1無効始動入賞コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信される(ステップS408)。そして、図71の下図に示すように、演出制御用マイクロコンピュータ100では、第1無効始動入賞コマンドの受信に応じて、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいて背景図柄の保留記憶表示を新たに1つ点灯する。そして、差数カウンタの値を+1する。
このように、無効な始動入賞にもとづく無効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、そのコマンドに応じて背景図柄の保留記憶表示を点灯させるようにしているのは、次の理由による。遊技者は、視認度の高い背景図柄と背景図柄保留記憶表示に注目し、背景図柄と背景図柄保留記憶表示にもとづいて残り変動回数と保留可能な残り始動入賞数を認識する。従って、図71の上図の状態では、遊技者は残り5回の背景図柄の変動が行われ、まだ3回分の始動入賞が保留可能であると認識する。このとき、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しても、上述したように、その始動入賞は無効になってしまう。この場合、従来通りに背景図柄の保留記憶表示を点灯させない構成であると、遊技者は、3回分の始動入賞が保留可能であるのにどうして背景図柄の保留記憶表示が点灯しないのか疑問に感じてしまう。あるいは、8個分の始動入賞の保留記憶があり、かつ、まだ5個の保留記憶表示しか点灯していないのに、保留記憶表示が点灯されないと遊技条件(始動条件の成立)が不利なように感じてしまう。そこで、この実施の形態では、無効な始動入賞であっても、背景図柄の保留記憶表示を点灯させることにより、遊技者に始動条件の成立に対して不利な印象を与えないようにしている。
差数カウンタが+1された場合は、その後に現れる切替ポイントにおいて背景図柄の保留記憶表示を1つ消去することにより、または、無効始動入賞にもとづく背景図柄の変動を開始する時点において背景図柄の保留記憶表示を1つ消去することにより、実際に表示されている背景図柄の保留記憶数と背景図柄の変動回数とを整合させるようにしている。
なお、第2特別図柄保留記憶表示器18bにおける第2特別図柄保留記憶表示が4個点灯されており、そのときに第2始動入賞口14に遊技球が入賞して第2始動入賞が発生した場合も、第2無効始動入賞コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ100に送信され、その第2無効始動入賞コマンドに応じて背景図柄の保留記憶表示が点灯される。
なお、差数カウンタは、無効な始動入賞が発生した場合だけでなく、図66や図67などに示したように、未消化の変動が生じた場合、つまり、飾り図柄の変動が行われているが、それに対応する背景図柄の変動がまだ行われていない状態になったときにも+1される。
図72は、高ベース状態における予告演出の実行タイミングを示すタイミング図である。図72に示すように、この実施の形態では、背景図柄の変動中に大当りが発生することやリーチが発生することを予告する予告演出が実行されることがある。例えば、変動開始から10秒以内の通常変動の実行中に、大当りのチャンスがあることを予告する予告演出を実行し、変動開始後10秒から20秒までのリーチAを伴う変動の実行中に、大当りの可能性が高いことを予告する予告演出を実行し、そして、変動開始後20秒から30秒までのリーチBを伴う変動を経た後に、背景図柄の停止図柄として大当り図柄を停止表示するような態様が考えられる。
このような変動態様が選択された場合であっても、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われることがある。例えば、図72に示す例では、背景図柄と第1飾り図柄とが同期して変動開始され、そして、通常変動中に予告演出が実行されている。そして、切替ポイントに至る前に第2飾り図柄の変動が開始されたことにより、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われている。この場合、切替ポイントの前にすでに予告演出が実行されているので、切り替え後の変動においても、すでに実行した予告演出に態様に応じた予告演出を実行しなければ、演出の整合性がとれないことになる。そこで、切替ポイントの前に実行した予告演出の有無や演出態様を記憶しておき、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えが行われても、すでに予告演出が実行されていたときはその予告演出の態様に応じた予告演出を切り替え後の変動において実行するように構成されている。
図73は、予告演出の表示例を示す説明図である。図73に示すように、背景図柄と第1飾り図柄(および第1特別図柄)とが同期して変動開始され、その後、通常変動の実行中に予告演出として「もしかして・・」という文字が背景図柄表示領域9aに表示される。そして、切替ポイントに至る前に第2飾り図柄の変動が開始されると、切替ポイントにおいて背景図柄の仮停止表示が行われ、変動パターンの切り替えが行われる。そして、通常変動が再び開始される。この場合、切替ポイントの前にすでに予告演出(「もしかして・・」の表示)が実行されているので、切り替え後の通常変動においても、すでに実行した予告演出に態様に応じた予告演出を実行する。図73に示す例では、「大当りかも?」という文字が背景図柄表示領域9aに表示される。その後、左右の背景図柄が「7」で揃うことによりリーチが発生して、リーチAを伴う変動が実行される。そして、変動時間が経過したときに、背景図柄の停止図柄(図73に示す例でははずれ図柄「767」)が停止表示(導出表示)される。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図74は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:ステップS704)。次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS705)。第1飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第1飾り図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bの表示制御を実行する。また、第2飾り図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第2飾り図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第2飾り図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cの表示制御を実行する。また、背景図柄プロセス処理を行う(ステップS707)。背景図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(背景図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して可変表示装置9の背景図柄表示領域9aの表示制御を実行する。さらに、予告決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS708)。その後、ステップS702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存される。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図42参照)であるのか解析する。
図75は、メイン処理におけるコマンド解析処理(ステップS704)を示すフローチャートである。遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、コマンド受信バッファに格納される。コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。
受信した演出制御コマンドが、始動入賞(有効始動入賞および無効始動入賞)が発生したことを指定する始動入賞指定コマンド(C100(H)〜C201(H))であれば(ステップS613)、演出制御用CPU101は、背景図柄保留記憶表示制御処理を実行する(ステップS614)。なお、背景図柄保留記憶表示制御処理の具体的な内容については後述する(図76参照)。
また、受信した演出制御コマンドが、飾り図柄の可変表示の表示結果(確変大当り、非確変大当り、はずれ)を指定する演出制御コマンド(9000(H)〜9102(H))であれば(ステップS615)、第1飾り図柄、第2飾り図柄、背景図柄の停止図柄を決定し格納する処理を実行する(ステップS616)。
具体的には、演出制御用CPU101は、表示結果コマンドを受信すると、表示結果コマンドが第1飾り図柄の可変表示の表示結果を指定する演出制御コマンドであるか、第2飾り図柄の可変表示の表示結果を指定する演出制御コマンドであるかを確認し、また、表示結果の内容が確変大当り、非確変大当り、はずれのいずれであるかを確認する。そして、飾り図柄決定用乱数および背景図柄決定用乱数を抽出し、抽出した乱数の値にもとづいて、第1飾り図柄、第2飾り図柄、背景図柄の停止図柄を決定する。例えば、第1飾り図柄の表示結果を指定する演出制御コマンドであり、表示結果の内容がはずれであるときは、飾り図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれ図柄である第1飾り図柄の停止図柄を決定するとともに、背景図柄決定用乱数の値にもとづいて、はずれ図柄である背景図柄の停止図柄を決定する。また、第2飾り図柄の表示結果を指定する演出制御コマンドであり、表示結果の内容が確変大当りであるときは、飾り図柄決定用乱数の値にもとづいて、確変図柄である第2飾り図柄の停止図柄を決定するとともに、背景図柄決定用乱数の値にもとづいて、確変図柄である背景図柄の停止図柄を決定する。そして、上記のように決定した第1飾り図柄、第2飾り図柄、背景図柄の停止図柄をそれぞれ第1飾り図柄格納領域、第2飾り図柄格納領域、背景図柄格納領域に格納する。これらの格納領域は演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMに形成されている。
次いで、演出制御用CPU101は、表示結果コマンドで指定された表示結果の内容が大当り(確変大当り、非確変大当り)であるか否かを確認し(ステップS617)、表示結果の内容が大当りのときは(ステップS617のY)、背景図柄が変動中であるか否かを確認する(ステップS618)。背景図柄が変動中であるか否かは、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理を示す値であるときは、背景図柄は変動中ではなく、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理を示す値でないときは、背景図柄は変動中である。なお、背景図柄プロセスフラグの値が大当り表示処理および大当り遊技中処理を示す値のときは、表示結果コマンドが送信されない(図38のステップS313参照)。
表示結果コマンドで指定された表示結果の内容が大当りであり、かつ、背景図柄が変動中である場合は、停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動が背景図柄と同期せずに開始されることになる。この場合は、飾り図柄の変動終了と同期させて背景図柄の変動を終了させるとともに、背景図柄の停止図柄を大当り図柄にする必要がある。例えば、図69において、第2飾り図柄の変動が開始されるときには、背景図柄が変動中であるため、第2飾り図柄は背景図柄と同期せずに変動が開始される。第2飾り図柄の停止図柄が大当り図柄である場合は、第1飾り図柄と同期して変動が開始された背景図柄の停止図柄を大当り図柄に変更する必要があり、また、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと同期させる必要がある。そこで、図柄強制同期変更フラグをセットする(ステップS619)。この図柄強制同期変更フラグがセットされると、後述するように、背景図柄の変動終了タイミングが停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動終了タイミングと同期される。
表示結果コマンドで指定された表示結果の内容が大当りであり、かつ、背景図柄が変動中でない場合は、停止図柄が大当り図柄になる飾り図柄の変動が背景図柄と同期して開始されることになる。この場合においても、飾り図柄の変動終了と同期させて背景図柄の変動を終了させるとともに、背景図柄の停止図柄を大当り図柄にする必要がある。通常は、飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始されたときは、飾り図柄の変動終了と同期して背景図柄の変動も終了するが、図68に示したように、背景図柄の変動時間が延長されて、飾り図柄と背景図柄とが同期して変動終了しないこともある。そこで、変動時間変更禁止フラグをセットする(ステップS620)。この変動時間変更禁止フラグがセットされると、後述するように、背景図柄の変動時間の変更が禁止される。
また、受信した演出制御コマンドが、飾り図柄の変動パターン(変動時間)を指定する演出制御コマンド(8000(H)〜8019(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、そのコマンドのEXTデータをRAMにおける変動パターンデータ格納領域に格納し(ステップS622)、受信した変動パターンコマンドの内容から現在の遊技状態が低ベース状態か高ベース状態かを確認する(ステップS623)。そして、遊技状態に応じた演出側状態フラグをセットする(ステップS624)。演出側状態フラグは、遊技状態が低ベース状態であるか高ベース状態であるかを示すフラグである。例えば、この実施の形態では、演出側状態フラグがセットされているときは高ベース状態であるものとする。その後、演出制御用CPU101は、背景図柄の変動を制御するための図柄変動制御処理を実行する(ステップS625)。なお、図75には示していないが、ステップS625の図柄変動制御処理は、遊技状態が高ベース状態のときにのみ実行され、遊技状態が低ベース状態のときにはスキップされる。図柄変動制御処理の具体的な内容については後述する(図77および図78参照)。
ステップS612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU101は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(ステップS626)。
図76は、背景図柄保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。背景図柄保留記憶表示制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、現在の遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認する(ステップS630a)。高ベース状態であるか否かは、演出側状態フラグがセットされているか否かで判断することができる。遊技状態が高ベース状態であれば(ステップS630aのY)、ステップS631の処理に移行する。遊技状態が高ベース状態でなく低ベース状態であれば(ステップS630aのN)、演出制御用CPU101は、受信した始動入賞指定コマンドが第1有効始動入賞指定のコマンド(第1有効始動入賞コマンド)であるか否かを確認する(ステップS630b)。第1有効始動入賞コマンドでなければ(ステップS630bのN)、そのまま処理を終了する。すなわち、低ベース状態のときは、第2始動入賞にもとづく背景図柄保留記憶表示を行わず、また、無効始動入賞にもとづく背景図柄保留記憶表示も行わない。
第1有効始動入賞コマンドであれば(ステップS630bのY)、可変表示装置9のメモリ表示領域9dに実際に表示されている背景図柄保留記憶表示の数をカウントする保留記憶表示数カウンタの値が低ベース状態のときの上限値4(図70参照)であるか否かを確認する(ステップS630c)。保留記憶表示数カウンタの値が4であるときは(ステップS630cのY)、処理を終了する。一方、保留記憶表示数カウンタの値が4でないときは(ステップS630cのN)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示数カウンタの値を+1し(ステップS630d)、メモリ表示領域9dに背景図柄保留記憶表示を1つ点灯する制御を実行する(ステップS630e)。そして、処理を終了する。
ステップS630aにおいて、遊技状態が高ベース状態であるときは(ステップS630aのY)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示数カウンタの値が高ベース状態のときの上限値8(図70参照)であるか否かを確認する(ステップS631)。
保留記憶表示数カウンタの値が8でないときは(ステップS631のN)、演出制御用CPU101は、保留記憶表示数カウンタの値を+1し(ステップS632)、メモリ表示領域9dに背景図柄保留記憶表示を1つ点灯する制御を実行する(ステップS633)。このとき、保留記憶表示数カウンタの値が8でなければ、有効始動入賞指定コマンドを受信した場合のみならず、無効始動入賞指定コマンドを受信した場合でも、背景図柄保留記憶表示が1つ点灯されることになる。無効始動入賞指定コマンドにもとづく背景図柄保留記憶表示は、図71の下図に示したダミーの保留記憶表示である。
次いで、演出制御用CPU101は、受信した始動入賞指定コマンドが無効始動入賞指定コマンドであるかどうかを確認し(ステップS634)、無効始動入賞指定コマンドであるときは(ステップS634のY)、差数カウンタを+1する(ステップS635)。また、無効始動入賞にもとづくダミーの保留記憶表示の数をカウントするダミー表示数カウンタの値を+1する(ステップS636)。
ステップS631において、保留記憶表示数カウンタの値が8であるときは(ステップS631のY)、演出制御用CPU101は、受信した始動入賞指定コマンドが有効始動入賞指定コマンドであるかどうかを確認し(ステップS637)、有効始動入賞指定コマンドであるときは(ステップS637のY)、ダミー表示数カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS638)。ダミー表示数カウンタの値が1以上であるときは(ステップS638のY)、差数カウンタの値を−1するとともに(ステップS639)、ダミー表示数カウンタの値を−1する(ステップS640)。
保留記憶表示数カウンタの値が8であるとき、すなわち、メモリ表示領域9dに背景図柄の保留記憶表示が8つ表示されているときであっても、その8つの保留記憶表示の中にダミーの保留記憶表示が含まれていることがある。その場合において、ステップS637〜S640の処理では、有効始動入賞が発生したときに、8つの保留記憶表示の中に含まれるダミーの保留記憶表示をダミーでない保留記憶表示(有効始動入賞にもとづく保留記憶表示)に入れ替えるように構成したものである。
なお、図76に示した例では、高ベース状態のときに保留記憶表示数カウンタにて有効始動入賞および無効始動入賞を区別せずに始動入賞の数(保留記憶数)をカウントしていたが、このような構成に限られるわけではなく、例えば、有効始動入賞の数をカウントするカウンタ(有効始動入賞数カウンタ)と、無効始動入賞の数をカウントするカウンタ(無効始動入賞数カウンタ)とを別々に設ける構成であってもよい。この場合、図76に示す例において、まず、演出制御用CPU101は、始動入賞指定コマンドを受信したことにもとづいて、有効始動入賞数カウンタの値が8であるか否かを判定し、その値が8であるときは、処理を終了する。有効始動入賞数カウンタの値が8でないときは、演出制御用CPU101は、有効始動入賞数カウンタの値と無効始動入賞数カウンタの値を足し合わせた値が8であるか否かを判定し、その値が8であるときは、ステップS637の処理に移行し、その値が8でないとき(8以下であるとき)は、ステップS632の処理に移行するように構成されていてもよい。このような構成であっても、図76に示す処理を実現することができる。
また、図76に示した例では、高ベース状態のときに、演出制御用CPU101が保留記憶数カウンタの値が8でない(8以下である)と判定したことを条件に、有効な保留記憶表示および無効な保留記憶表示を表示させるように構成されていたが、このような構成に限られるわけではなく、CPU56において保留記憶表示を表示可能であるかどうかを判断し、表示可能であると判断した場合にのみ、有効始動入賞指定コマンドまたは無効始動入賞指定コマンドを送信するように構成されていてもよい。具体的には、図76の保留記憶表示数カウンタのように可変表示装置9のメモリ表示領域9dに実際に表示されている背景図柄保留記憶表示の数をカウントするカウンタ(メイン側保留記憶表示数カウンタ)を遊技制御側(つまりRAM55)に設ける。そして、CPU56は、背景図柄の保留記憶表示の点灯条件が成立する毎に(有効始動入賞指定コマンドおよび無効始動入賞指定コマンドを送信する度に)メイン側保留記憶表示数カウンタの値を+1する。また、背景図柄の保留記憶表示の消去(消灯)条件が成立する毎に(背景図柄の変動の開始、切替ポイントの時点;なお、CPU56においても演出制御用CPU101と同様の処理を実行することにより消去条件の成立を判断することは可能である)メイン側保留記憶表示数カウンタの値を−1する。そして、メイン側保留記憶表示数カウンタの値が8であるときは、始動入賞指定コマンドを送信しない制御を実行する。このような構成によれば、演出制御用CPU101において背景図柄の保留記憶表示数が8であるか否かを判定する必要がなくなる。
図77および図78は、図柄変動制御処理を示すフローチャートである。図柄変動制御処理において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドが第1変動パターンコマンドであるか否かを確認する(ステップS641)。第1変動パターンコマンドでないときは(ステップS641のN)、第2変動パターンコマンドを受信したときの処理であるステップS662以降の処理に移行する。
第1変動パターンコマンドを受信したときは(ステップS641のY)、演出制御用CPU101は、第1変動パターンを受信したことを示す第1変動パターン受信フラグをセットする(ステップS642)。そして、背景図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS643)。なお、背景図柄が変動中であるか否かは、ステップS618と同様に、背景図柄プロセスフラグの値が背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。背景図柄が変動中でないということは(ステップS643のN)、第1飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味しているので、背景図柄の変動が開始可能であることを示す背景図柄変動開始フラグをセットする(ステップS644)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS645)。なお、第2飾り図柄が変動中であるか否かは、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるときは、第2飾り図柄は変動中ではなく、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値でないときは、第2飾り図柄は変動中である。なお、第2飾り図柄プロセスフラグの値が第2大当り表示処理および第2大当り遊技中処理を示す値のときは、第1変動パターンコマンドが送信されない(図38のステップS313参照)。
第2飾り図柄が変動中でないときは、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄が変動中であるときは、演出制御用CPU101は、変動中の第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS646)。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるということは、その後に変動開始される背景図柄の切替ポイントにおいて変動パターンが切り替えられる可能性があることを意味する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンドを受信したタイミングが第2飾り図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS647)。第2飾り図柄の変動開始後10秒以内でないときは、図69に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われることがないので、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動開始後10秒以内であれば、図69に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われるようにするために、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS648)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄よりも先に第1飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS649)、第2飾り図柄よりも先に第1飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS649のY)、変動時間変更Aフラグをセットする(ステップS650)。変動時間変更Aフラグがセットされると、図69に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS643において、背景図柄が変動中であるということは(ステップS643のY)、第1飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動を開始することができないことを意味している。この場合、すでに第1有効始動入賞指定コマンドを受信したことにより背景図柄保留記憶表示が点灯されており(ステップS633参照)、また、直ちに第1特別図柄(および第1飾り図柄)の変動が開始されることにより第1特別図柄保留記憶表示が1つ消去される(第1保留記憶数カウンタの値が1減算される:ステップS419参照)ので、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と背景図柄の保留記憶表示の数との差が生じることになる。従って、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値を+1する(ステップS651)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS652)。背景図柄の変動時間が20秒以上であるということは、変動中の背景図柄において切替ポイントが存在していることを意味する。背景図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンドを受信したタイミングが背景図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS653)。背景図柄の変動開始後10秒以内でないということは、切替ポイントの後に第1飾り図柄の変動が開始されることを意味する。この場合は、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動開始後10秒以内であれば、切替ポイントの前に第1飾り図柄の変動が開始されるので、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS654)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1変動パターンコマンドで指定された第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS655)。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、図68に示したような背景図柄の変動時間を変更する必要性が生じないからである。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたか(つまり、現在、背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動中であるか)どうかを確認する(ステップS656)。背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたか否かは、例えば、背景図柄の変動時間を計測する背景変動時間タイマの値と第2飾り図柄の変動時間を計測する第2変動時間タイマの値とが同じ値であるかどうかを確認することにより行われる。
背景図柄が第2飾り図柄と同期して変動開始されたということは、図68に示すように、第2飾り図柄(図68では第1飾り図柄)と背景図柄とが同期して変動開始され、その変動開始後10秒以内に第1飾り図柄(図68では第2飾り図柄)の変動が開始されたことを意味する。このような場合は、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄(および背景図柄)よりも後に第1飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS657)、第2飾り図柄よりも後に第1飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS657のY)、変動時間変更Bフラグをセットする(ステップS658)。変動時間変更Bフラグがセットされると、図68に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS641において、第1変動パターンコマンドではなく第2変動パターンコマンドであると判定されたときは(ステップS641のN)、演出制御用CPU101は、図77に示したステップS641〜S658の処理と同内容の第2変動パターンコマンドを受信した場合の処理を実行する。すなわち、演出制御用CPU101は、第2変動パターンを受信したことを示す第2変動パターン受信フラグをセットする(ステップS662)。そして、背景図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS663)。背景図柄が変動中でないということは(ステップS663のN)、第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味しているので、背景図柄の変動が開始可能であることを示す背景図柄変動開始フラグをセットする(ステップS664)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄が変動中であるかどうかを確認する(ステップS665)。なお、第1飾り図柄が変動中であるか否かは、第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるかどうかを確認することにより行われる。第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値であるときは、第1飾り図柄は変動中ではなく、第1飾り図柄プロセスフラグの値が第1変動パターンコマンド受信待ち処理を示す値でないときは、第1飾り図柄は変動中である。
第1飾り図柄が変動中でないときは、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄が変動中であるときは、演出制御用CPU101は、変動中の第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS666)。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であるということは、その後に変動開始される背景図柄の切替ポイントにおいて変動パターンが切り替えられる可能性があることを意味する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第2変動パターンコマンドを受信したタイミングが第1飾り図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS667)。第1飾り図柄の変動開始後10秒以内でないときは、図69に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われることがないので、そのまま処理を終了する。第1飾り図柄の変動開始後10秒以内であれば、図69に示したように背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の変動パターンの切り替えが行われるようにするために、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS668)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄よりも先に第2飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS669)、第1飾り図柄よりも先に第2飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS669のY)、変動時間変更Aフラグをセットする(ステップS670)。変動時間変更Aフラグがセットされると、図69に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
ステップS663において、背景図柄が変動中であるということは(ステップS663のY)、第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動を開始することができないことを意味している。この場合、すでに第2有効始動入賞指定コマンドを受信したことにより背景図柄保留記憶表示が点灯されており(ステップS633参照)、また、直ちに第2特別図柄(および第2飾り図柄)の変動が開始されることにより第2特別図柄保留記憶表示が1つ消去される(第2保留記憶カウンタの値が1減算される)ので、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶表示の数の合計と背景図柄の保留記憶表示の数との差が生じることになる。従って、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値を+1する(ステップS671)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS672)。背景図柄の変動時間が20秒以上であるということは、変動中の背景図柄において切替ポイントが存在していることを意味する。背景図柄の変動時間が20秒以上でなければ(変動時間が10秒であれば)、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、第2変動パターンコマンドを受信したタイミングが背景図柄の変動開始後10秒以内であるか否かを確認する(ステップS673)。背景図柄の変動開始後10秒以内でないということは、切替ポイントの後に第1飾り図柄の変動が開始されることを意味する。この場合は、そのまま処理を終了する。背景図柄の変動開始後10秒以内であれば、切替ポイントの前に第2飾り図柄の変動が開始されるので、演出制御用CPU101は、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行うことを示す切替フラグをセットする(ステップS674)。
次いで、演出制御用CPU101は、第2変動パターンコマンドで指定された第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であるか否かを確認する(ステップS675)。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、図68に示したような背景図柄の変動時間を変更する必要性が生じないからである。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上でなければ、そのまま処理を終了する。第2飾り図柄の変動時間が20秒以上であれば、演出制御用CPU101は、変動中の背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたか(つまり、現在、背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動中であるか)どうかを確認する(ステップS676)。背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたか否かは、例えば、背景図柄の変動時間を計測する背景変動時間タイマの値と第1飾り図柄の変動時間を計測する第1変動時間タイマの値とが同じ値であるかどうかを確認することにより行われる。
背景図柄が第1飾り図柄と同期して変動開始されたということは、図68に示すように、第1飾り図柄と背景図柄とが同期して変動開始され、その変動開始後10秒以内に第2飾り図柄の変動が開始されたことを意味する。このような場合は、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄(および背景図柄)よりも後に第2飾り図柄の変動が終了するかどうかを確認し(ステップS677)、第1飾り図柄よりも後に第2飾り図柄の変動が終了するときは(ステップS677のY)、変動時間変更Bフラグをセットする(ステップS678)。変動時間変更Bフラグがセットされると、図68に示したように、背景図柄の変動時間が変更される。
図79は、図74に示されたメイン処理における第1飾り図柄プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。第1飾り図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、第1飾り図柄プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S805のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、第2飾り図柄プロセス処理(ステップS706)も、制御対象が可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cで可変表示される第2飾り図柄であるという違いはあるが、第1飾り図柄プロセス処理と同様に構成される。
第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):コマンド受信割込処理によって、変動パターン指定の演出制御コマンド(第1変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、第1変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。第1変動パターン受信フラグは、ステップS642の処理にてセットされる。第1変動パターンコマンドを受信した場合には、第1変動パターンコマンドで指定された第1飾り図柄の変動時間を確認して決定する。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801):第1飾り図柄の変動が開始されるように制御する。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンに応じて決められている第1飾り図柄の変動時間の終了を監視する。変動時間が終了したら、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
第1飾り図柄停止処理(ステップS803):第1飾り図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1大当り表示処理(ステップS804)に対応した値に更新する。
第1大当り表示処理(ステップS804):大当り表示の制御を行う。そして、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1大当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
第1大当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技中の制御を行う。例えば、大入賞口開放時表示や大入賞口開放後表示(大入賞口閉鎖中表示)の演出制御コマンドを受信したら、ラウンド数の表示制御等を行う。大当り遊技が終了したら、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図80は、第1変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。第1変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、第1変動パターン受信フラグがセットされたか否かを確認し(ステップS811)、そのフラグがセットされたときは、第1変動パターン受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、第1変動パターンコマンドで指定された内容にもとづいて第1飾り図柄の変動時間を決定し(ステップS813)、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動開始処理を示す値に更新する(ステップS814)。なお、変動停止時に導出表示される第1飾り図柄の停止図柄は、ステップS616の処理にて既に決定され格納されている。演出制御用CPU101は、このように設定された第1飾り図柄の停止図柄と変動時間とにもとづいて、第1飾り図柄の変動する制御を開始することになる。
図81は、第1飾り図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の変動表示を開始する(ステップS815)。そして、ステップS813にて決定した第1飾り図柄の変動時間を第1変動時間タイマにセットしてスタートさせる(ステップS816)。その後、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄変動中処理を示す値に更新する(ステップS817)。
図82は、第1飾り図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。第1飾り図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、第1変動中断フラグがセットされているか否か確認し(ステップS821)、変動中断フラグがセットされていなければ、中断コマンドを受信したか否かを確認する(ステップS822)。中断コマンドを受信していなければ、演出制御用CPU101は、第1変動時間タイマの値を−1し(ステップS823)、第1飾り図柄の変動表示を継続して実行する(ステップS824)。また、演出制御用CPU101は、第1変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを確認し(ステップS825)、タイムアウトしたときは、第1飾り図柄プロセスフラグの値を第1飾り図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS826)。
中断コマンドを受信していれば、演出制御用CPU101は、第1変動中断フラグをセットし(ステップS827)、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにはずれ図柄を停止表示する(ステップS828)。また、第1飾り図柄の変動が継続中であることを報知する表示を第1飾り図柄表示領域9bにおいて行うように構成されていてもよい(ステップS829)。なお、図65に示した例では、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて飾り図柄(図65では第2飾り図柄)の変動が継続中であることを報知する表示が行われている。なお、ステップS828の処理で飾り図柄を停止表示させる場合に、演出制御用CPU101は、飾り図柄を完全に停止させるのではなく、飾り図柄をゆれ変動(例えば、上下方向に移動したり戻ったりするような変動が繰り返されること)させるようにしてもよい。
また、ステップS821で変動中断フラグがセットされていることを確認したら(ステップS821のY)、演出制御用CPU101は、再開コマンドを受信したか否か確認する(ステップS830)。再開コマンドを受信していれば、第1変動中断フラグをリセットするとともに(ステップS831)、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおいて第1飾り図柄の変動を再開させる(ステップS832)。そして、ステップS823〜S826の処理を実行する。再開コマンドを受信していなければ(ステップS830のN)、第1飾り図柄変動中処理を終了する。
以上のように、演出制御用CPU101は、可変表示装置9の第2飾り図柄表示領域9cに大当り図柄が導出表示されて大当り遊技状態となったときには、中断コマンドを受信したことにもとづいて第1変動中断フラグをセットするとともに変動中断処理を行う。そして、再開コマンドを受信するまでステップS823〜S826の処理を実行しないように制御する。すなわち、第1飾り図柄の変動を行わない制御がなされる。
図83は、図74に示されたメイン処理における背景図柄プロセス処理(ステップS707)を示すフローチャートである。背景図柄プロセス処理において、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値が変動開始待ち処理(後述する低ベース用背景図柄変動開始待ち処理(ステップS850)および高ベース用背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900))を示す値であるか否か確認する(ステップS841)。背景図柄プロセスフラグの値が変動開始待ち処理を示す値であるということは、背景図柄の変動が開始される前の状態であることを意味する。
背景図柄プロセスフラグの値が変動開始待ち処理を示す値である場合は(ステップS841のY)、遊技状態が高ベース状態であるか否かを確認する(ステップS842)。遊技状態が高ベース状態でなく低ベース状態であるときは(ステップS842のN)、演出制御用CPU101は、第2飾り図柄の表示結果(停止図柄)が大当りであることを指定するコマンド(第2確変大当り指定コマンド、第2通常大当り指定コマンド)を受信したか否かを確認することによって、第2飾り図柄が大当りになるか否かを判定する(ステップS843)。
上述したように、遊技状態が低ベース状態のときは、背景図柄は第1飾り図柄(および第1特別図柄)と同期して変動する。すなわち、背景図柄は第1始動入賞にもとづいて変動する。一方、第2始動入賞が発生したときも大当りの判定は実行され、その判定結果にもとづいて第2飾り図柄の表示結果を指定する表示結果コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信される。演出制御用CPU101は、表示結果コマンドが大当りを指定するコマンドであったときは、大当り遊技を実行する必要がある。このため、第2飾り図柄の表示結果を指定する表示結果コマンドが大当りを指定するコマンドであるかどうかを監視し、大当りを指定するコマンドであるときは、以下のステップS844〜S846の処理を実行する。なお、図75には示していないが、コマンド解析処理において、第2確変大当り指定コマンドおよび第2通常大当り指定コマンドを受信したときに第2飾り図柄の大当りの発生を示すフラグがセットされ、演出制御用CPU101は、そのフラグを確認することにより、第2確変大当り指定コマンドおよび第2通常大当り指定コマンドを受信したか否かを確認することが可能である。
ステップS844では、演出制御用CPU101は、突然大当り用のプロセステーブルを選択する。そして、プロセスタイマをスタートさせ(ステップS845)、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用大当り表示処理を示す値に更新する(ステップS846)。
演出制御用CPU101は、遊技状態が低ベース状態のときは、低ベース状態のときの背景図柄プロセス処理である低ベース用背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS847)。
ステップS842において、遊技状態が高ベース状態であるときは(ステップS842のY)、演出制御用CPU101は、高ベース状態のときの背景図柄プロセス処理である高ベース用背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS848)。
このように、遊技状態が低ベース状態のときは低ベース用背景図柄プロセス処理(ステップS847)が実行され、高ベース状態のときは高ベース用背景図柄プロセス処理(ステップS848)が実行される。ところで、遊技状態は所定のタイミングで高ベース状態から低ベース状態に変更され、低ベース状態から高ベース状態に変更される。この場合、遊技状態が低ベース状態のときは、第1飾り図柄(および第1特別図柄)と背景図柄とが同期して変動されているので、それらの図柄の変動開始時に背景図柄プロセス処理を低ベース用背景図柄プロセス処理から高ベース用背景図柄プロセス処理に変更することが可能である。しかし、遊技状態が高ベース状態のときは、第1飾り図柄(および第1特別図柄)と背景図柄とが必ずしも同期して変動されているわけではないので、それらの図柄の変動開始時に背景図柄プロセス処理を高ベース用背景図柄プロセス処理から低ベース用背景図柄プロセス処理に変更することができない場合がある。また、背景図柄の変動の途中で高ベース用背景図柄プロセス処理から低ベース用背景図柄プロセス処理に変更することも考えられるが、制御が複雑化するとともに背景図柄の変動の連続性を損なうおそれもあるので好ましくない。そこで、図83に示す制御では、ステップS841において、背景図柄プロセスフラグの値が変動開始待ち処理を示す値であるかどうかを確認し、背景図柄プロセスフラグの値が変動開始待ち処理を示す値であるときに(ステップS841のY)、そのときの遊技状態に応じて背景図柄プロセス処理を切り替えるようにしている(ステップS842,S847,S848)。
ステップS841において、背景図柄プロセスフラグの値が変動開始待ち処理を示す値でないときは(ステップS841のN)、演出制御用CPU101は、現在、低ベース用背景図柄プロセス処理を実行しているか否かを確認し(ステップS849)、低ベース用背景図柄プロセス処理を実行しているときは、そのまま低ベース用背景図柄プロセス処理を実行させるためにステップS843の処理に移行し、高ベース用背景図柄プロセス処理を実行しているときは、そのまま高ベース用背景図柄プロセス処理を実行する(ステップS848)。
図84は、ステップS847の低ベース用背景図柄プロセス処理を示すフローチャートである。低ベース用背景図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値に応じてステップS850〜S856のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
低ベース用背景図柄変動開始待ち処理(ステップS850):コマンド受信割込処理によって、第1飾り図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(第1変動パターンコマンド)を受信したか否か確認する。具体的には、第1変動パターンコマンドが受信されたことを示すフラグ(第1変動パターン受信フラグ)がセットされたか否か確認する。第1変動パターンコマンドを受信した場合には、第1変動パターンコマンドの内容にもとづいて背景図柄の変動パターンを決定し、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用予告選択処理(ステップS851)に対応した値に更新する。
低ベース用予告選択処理(ステップS851):予告演出を実行するか否かと、予告演出を実行する場合に予告演出の態様とを選択する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用背景図柄変動開始処理(ステップS852)に対応した値に更新する。
低ベース用背景図柄変動開始処理(ステップS852):背景図柄の変動が開始されるように制御する。また、背景変動時間タイマに変動時間に相当する値を設定し、使用するプロセステーブルを選択するとともに、プロセステーブルの最初に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用背景図柄変動中処理(ステップS853)に対応した値に更新する。
低ベース用背景図柄変動中処理(ステップS853):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングを制御する。なお、予告選択処理(ステップS851)において予告演出を実行すると決定されていた場合には、背景図柄の変動中に予告演出も実行される。そして、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用背景図柄停止処理(ステップS854)に対応した値に更新する。
低ベース用背景図柄停止処理(ステップS854):背景図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、停止図柄がはずれ図柄であれば、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用背景図柄変動開始待ち処理(ステップS850)に対応した値に更新し、停止図柄が大当り図柄であれば、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用大当り表示処理(ステップS855)に対応した値に更新する。
低ベース用大当り表示処理(ステップS855):大当り表示の制御を行う。そして、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用大当り遊技中処理(ステップS907)に対応した値に更新する。
低ベース用大当り遊技中処理(ステップS856):大当り遊技中の制御を行う。例えば、ラウンド数の表示制御やラウンド間のインターバル表示制御等を行う。大当り遊技が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用背景図柄変動開始待ち処理(ステップS850)に対応した値に更新する。
図85は、低ベース用背景図柄変動開始待ち処理(ステップS850)を示すフローチャートである。低ベース用背景図柄変動開始待ち処理において、演出制御用CPU101は、第1変動パターン受信フラグがセットされたか否かを確認し(ステップS861)、そのフラグがセットされたときは、第1変動パターン受信フラグをリセットする(ステップS862)。また、演出制御用CPU101は、保留記憶表示数カウンタの値を−1し(ステップS863)、背景図柄保留記憶表示を1つ消去する(ステップS865)。そして、第1変動パターンコマンドで指定された内容にもとづいて背景図柄の変動パターン(変動時間)を決定し(ステップS864)、そして、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用予告選択処理(ステップS851)を示す値に更新する(ステップS866)。なお、変動停止時に導出表示される背景図柄の停止図柄は、ステップS616の処理にて既に決定され格納されている。演出制御用CPU101は、このように設定された背景図柄の停止図柄と変動パターンとにもとづいて、背景図柄の変動する制御を開始することになる。
図86は、低ベース用予告選択処理(ステップS851)を示すフローチャートである。低ベース用予告選択処理において、演出制御用CPU101は、低ベース用背景図柄変動開始待ち処理において決定した変動パターンはリーチを伴う変動パターンであるか否かを決定する(ステップS871)。リーチを伴う変動パターンでなければ(ステップS871のN)、演出制御用CPU101は、そのまま処理を実行せずに、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用背景図柄変動開始処理(ステップS852)に対応した値に変更する(ステップS878)。
リーチを伴う変動パターンであれば(ステップS871のY)、演出制御用CPU101は、予告決定用乱数を抽出し(ステップS872)、抽出した予告決定用乱数の値にもとづいて予告演出の実行の有無と予告演出の態様とを決定する(ステップS873)。
図87は、予告決定テーブルの一例を示す説明図である。図87に示す例では、予告決定用乱数(この例では、0〜7のいずれか)の値が0、1、3であれば、予告演出Aという演出態様の予告演出を行うことに決定される。また、予告決定用乱数の値が5であれば、予告演出Bという演出態様の予告演出を行うことに決定される。また、予告決定用乱数の値が7であれば、予告演出Cという演出態様の予告演出を行うことに決定される。そして、予告決定用乱数の値が2または4であれば、予告演出を行わないことに決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、予告演出を実行すると決定した場合には(ステップS874のY)、予告演出の態様をRAMにおける所定の記憶領域(予告態様記憶領域)に記憶する(ステップS875)。また、予告演出の実行タイミングを計測するための予告実行タイマをスタートさせる(ステップS876)。さらに、予告演出を実行することを示す予告実行フラグをセットする(ステップS877)。その後、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用背景図柄変動開始処理(ステップS852)に対応した値に変更する(ステップS878)。
図88は、プロセステーブルの一構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様が記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で背景図柄を変動表示させる制御を行う。
また、演出制御用CPU101は、表示制御実行データにもとづく制御と同様に、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけランプ制御実行データにもとづいて各種ランプの点灯状態を制御し、音番号データを音声出力基板70に出力する。
図88に示すプロセステーブルは、演出制御基板80(演出制御用マイクロコンピュータ100)におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じた変動態様のそれぞれに応じて用意されている。なお、この実施の形態では、背景図柄の変動中に予告演出の実行タイミングになると、複数種類の予告演出の中から選択された所定の演出態様の予告演出が可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにて実行されるが、演出制御用CPU101は、背景図柄表示領域9aに表示されている画像に予告演出用の文字やキャラクタなどの画像を合成して表示し、また予告音を音声出力することにより予告演出を実行する。なお、予告演出の実行の有無や演出態様に応じて異なるプロセステーブルを用意しておき、予告演出を実行するときは、演出制御用CPU101が予告演出を実行するプロセステーブルを選択し、選択したプロセステーブルにもとづいて予告演出を所定のタイミングで実行するように構成されていてもよい。
図89は、低ベース用背景図柄変動開始処理(ステップS852)を示すフローチャートである。低ベース用背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、使用する飾り図柄の変動パターンに応じたプロセスデータを選択する(ステップS881)。そして、選択したプロセスデータ1におけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS882)。次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS843)。例えば、可変表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
その後、演出制御用CPU101は、背景変動時間タイマ(背景図柄の変動時間に応じたタイマ)をスタートし(ステップS884)、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用背景図柄変動中処理(ステップS853)を示す値に更新する(ステップS885)。
図90は、低ベース用背景図柄変動中処理(ステップS853)を示すフローチャートである。低ベース用背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、予告実行フラグがセットされているかどうかを確認し(ステップS891a)、予告実行フラグがセットされていれば(ステップS891aのY)、予告実行タイマがタイムアウトしているか否かを確認する(ステップS891b)。演出制御用CPU101は、予告実行タイマがタイムアウトしたときは(ステップS891bのY)、RAMの予告態様記憶領域に記憶されている態様の予告演出を実行する(ステップS891c)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算し(ステップS892a)、プロセスタイマがタイムアウトしていないかどうかを確認する(ステップS892b)。プロセスタイマがタイムアウトしたときは(ステップS892bのY)、演出制御用CPU101は、プロセスデータの切替を行う(ステップS892c)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスデータ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)に切り替える。そして、次のプロセスデータにおけるプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS892d)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータの内容(表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音番号データ)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップS893)。例えば、リーチを伴う変動パターンが選択されている場合は、リーチを伴う変動パターンのプロセスデータの内容に従って演出装置の制御を実行する。具体的には、変動開始後の所定のタイミングになると、可変表示装置9において変動表示されている左右の背景図柄を同一図柄で停止表示させてノーマルリーチを発生させる。
そして、演出制御用CPU101は、背景変動時間タイマの値を−1とし(ステップS894)、変動時間タイマがタイムアウトしたかどうかを確認し(ステップS895)、変動時間タイマがタイムアウトしたときは(ステップS895のY)、背景図柄プロセスフラグの値を低ベース用背景図柄停止処理(ステップS854)を示す値に更新する(ステップS896)。
以上のような低ベース用背景図柄プロセス処理によって、低ベース状態のときの可変表示装置9における背景図柄の可変表示が実行される。
図91は、ステップS848の高ベース用背景図柄プロセス処理を示すフローチャートである。高ベース用背景図柄プロセス処理では、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値に応じてステップS900〜S907のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
高ベース用背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900):背景図柄の変動開始条件(第3の開始条件)が成立したかどうかを確認する。具体的には、ステップS644またはステップS664において背景図柄変動開始フラグがセットされたときは、第1飾り図柄または第2飾り図柄と同期して背景図柄の変動が開始できると判断する。また、背景図柄変動開始フラグがセットされていない場合でも、差数カウンタの値が1以上であれば、未消化またはダミーの背景図柄の変動を開始しなければならないと判断する。背景図柄の変動開始条件が成立した場合には、背景図柄の変動時間および変動態様(変動期間中の背景図柄の変動速度や、背景、キャラクタの種類、キャラクタの表示開始時期など)を決定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用予告選択処理(ステップS901)に対応した値に更新する。
高ベース用予告選択処理(ステップS901):予告演出を実行するか否かと、実行する場合の予告演出の演出態様を決定する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄変動開始処理(ステップS902)に対応した値に更新する。
高ベース用背景図柄変動開始処理(ステップS902):左中右の背景図柄の変動が開始されるように制御する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄変動中処理(ステップS903)に対応した値に更新する。なお、背景図柄の変動開始時に変動時間の変更を行う必要がある場合には、背景図柄の変動時間を変更する処理も行う。
高ベース用背景図柄変動中処理(ステップS903):背景図柄の変動表示の制御を実行する。また、予告演出を実行すると決定された場合には、所定のタイミングで予告演出を実行する。また、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを行う必要がある場合には、変動パターンの切り替えを行う。変動パターンの切り替えを行ったときは、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄切替後変動中処理(ステップS904)に対応した値に更新する。また、背景図柄の変動時間の終了を監視する。背景図柄の変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄停止処理(ステップS905)に対応した値に更新する。なお、高ベース用背景図柄変動中処理では、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御も行う。
高ベース用背景図柄切替後変動中処理(ステップS904):変動パターンの切り替え後における背景図柄の変動表示の制御を実行する。また、予告演出を実行する必要がある場合には、所定のタイミングで所定の演出態様の予告演出を実行する。また、背景図柄の変動時間の終了を監視する。背景図柄の変動時間が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄停止処理(ステップS905)に対応した値に更新する。なお、高ベース用背景図柄切替後変動中処理においても、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングの制御を行う。
高ベース用背景図柄停止処理(ステップS905):背景図柄の変動を最終停止し停止図柄を表示する制御を行う。そして、停止図柄がはずれ図柄であれば、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に対応した値に更新し、停止図柄が大当り図柄であれば、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用大当り表示処理(ステップS906)に対応した値に更新する。
高ベース用大当り表示処理(ステップS906):大当り表示の制御を行う。そして、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用大当り遊技中処理(ステップS907)に対応した値に更新する。
高ベース用大当り遊技中処理(ステップS907):大当り遊技中の制御を行う。例えば、ラウンド数の表示制御やラウンド間のインターバル表示制御等を行う。大当り遊技が終了したら、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)に対応した値に更新する。
図92は、高ベース用背景図柄変動開始待ち処理(ステップS900)を示すフローチャートである。高ベース用背景図柄変動開始待ち処理において、演出制御用CPU101は、まず、図柄強制同期フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS910A)。図柄強制同期フラグは、例えば、第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動しているときに、大当りとなる第2飾り図柄の変動が開始される時点でセットされる(ステップS619参照)。図柄強制同期フラグがセットされていれば(ステップS910AのY)、演出制御用CPU101は、大当りになる飾り図柄の残り変動時間にもとづいて変動パターンを決定する(ステップS960A)。例えば、第1飾り図柄と背景図柄の変動における切替ポイントの経過後に、大当りになる第2飾り図柄の変動が開始され、その第2飾り図柄の変動時間が30秒であった場合に、第1飾り図柄と背景図柄の変動が終了した後に、新たに第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動が開始される。このとき、ステップS910AにおいてYとなり、ステップS910Bにおいて第2飾り図柄の残り変動時間(例えば25秒)に応じた変動パターンが決定される。その後、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用予告選択処理を示す値に更新する(ステップS916)。
図柄強制同期フラグがセットされていないときは(ステップS910AのN)、演出制御用CPU101は、背景図柄変動開始フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS911)。背景図柄変動開始フラグがセットされているということは、第1飾り図柄または第2飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始可能であることを意味する。背景図柄変動開始フラグがセットされているときは(ステップS911のY)、背景図柄変動開始フラグをリセットする(ステップS912)。そして、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド(背景図柄と同期して変動が開始される飾り図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド)の内容にもとづいて背景図柄の変動パターンを決定する(ステップS913)。
なお、背景図柄と同期して変動が開始される飾り図柄が第1飾り図柄であるか第2飾り図柄であるかは、例えば、背景図柄変動開始フラグを第1背景図柄変動開始フラグ(ステップS644でセットされるフラグ)と第2背景図柄変動開始フラグ(ステップS664でセットされるフラグ)とに分けて、いずれのフラグがセットされたかによって識別するようにしてもよい。
なお、ステップS913において、差数カウンタの値が所定値(例えば3)以上であるかどうかを判定して、所定値以上であるときは、変動時間(CPU56からの変動パターンコマンドにもとづく変動時間:例えば10秒)内に2回停止して3回の変動が実行されたように見せる特別な変動パターンを選択するように構成されていてもよい。この場合は、それぞれの背景図柄の停止時に背景図柄の保留記憶表示を消去するとともに、保留記憶表示数カウンタの値を−1し、また差数カウンタの値を−1するように構成される。
そして、演出制御用CPU101は、保留記憶表示数カウンタの値を−1し(ステップS914)、背景図柄保留記憶表示を1つ消去する(ステップS915)。その後、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用予告選択処理を示す値に更新する(ステップS916)。
ステップS911において、背景図柄変動開始フラグがセットされていないときは(ステップS911のN)、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS917)。差数カウンタの値が1以上であるということは、未消化の背景図柄の変動が存在しているか、または無効始動入賞にもとづくダミーの背景図柄の変動を行う必要があることを意味する。この場合は、差数カウンタの値を−1するとともに(ステップS918)、なるべく早く未消化の変動やダミーの変動を消化させるために、変動時間が最も短い変動パターン(通常遊技状態のときは10秒の変動パターン、時短状態のときは5秒の変動パターン)を決定する(ステップS919)。そして、上述したステップS914〜ステップS916の処理を実行する。
図93は、高ベース用予告選択処理(ステップS901)を示すフローチャートである。高ベース用予告選択処理において、演出制御用CPU101は、これから変動を開始する変動パターンがリーチを伴う変動パターンであるか否かを確認する(ステップS921)。リーチを伴う変動パターンであれば、演出制御用CPU101は、予告決定用乱数を抽出し(ステップS922)、予告決定用乱数と予告決定テーブルとにもとづいて、予告演出を行うか否かと、行う場合の予告演出の演出態様を決定する(ステップS923)。
なお、予告演出の実行の有無や演出態様を決めるときに用いる予告決定テーブルは、図87に示したものを使用してもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS923にて予告演出を実行することに決定されたときは(ステップS924)、決定された予告態様をRAMにおける所定の記憶領域(例えば予告態様記憶領域)に記憶する(ステップS925)。そして、予告演出の実行タイミングを計測する予告実行タイマをスタートさせ、予告演出を実行することを示す予告実行フラグをセットする(ステップS926、S927)。その後、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄変動開始処理を示す値に更新する(ステップS928)。
図94は、高ベース用背景図柄変動開始処理(ステップS902)を示すフローチャートである。高ベース用背景図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、使用する背景図柄の変動パターンに応じたプロセステーブルを選択する(ステップS931)。そして、選択したプロセステーブルにおけるプロセスデータ1のプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定してプロセスタイマをスタートさせる(ステップS932)。また、演出制御用CPU101は、使用する背景図柄の変動パターンに応じた変動時間を背景図柄変動時間タイマに設定してスタートさせる(ステップS933)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間変更禁止フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS934)。変動時間変更禁止フラグがセットされているということは、これから開始する変動において大当りになることを示している。変動時間変更禁止フラグがセットされていれば、ステップS935A〜S935Eの処理を実行せずに、ステップS936の処理に移行する。
変動時間変更禁止フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、変動時間変更Aフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS935A)。変動時間変更Aフラグがセットされていなければ、ステップS935B〜S935Eの処理を実行せずに、ステップS936の処理に移行する。変動時間変更Aフラグがセットされていれば、図69に示した状況(一方の飾り図柄の変動中に他方の飾り図柄の変動が開始され、他方の飾り図柄の変動と同期して背景図柄の変動が開始される状況)であることを示している。この場合、演出制御用CPU101は、変動時間変更Aフラグをリセットする(ステップS935B)。そして、延長すべき背景図柄の変動時間(延長分の変動時間)を算出する(ステップS935C)。
具体的には、図69に示す例では、背景図柄の変動を開始する時点において、第2飾り図柄の残り変動時間は15秒であり、第1飾り図柄および背景図柄の変動時間は10秒である。図69で説明したように、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと一致させるようにするので、背景図柄の変動時間は15秒に延長される。すなわち、背景図柄の変動時間が5秒だけ延長される。
演出制御用CPU101は、算出した延長分の変動時間をプロセスタイマに加算し(ステップS935D)、また、延長分の変動時間を背景変動時間タイマに加算する(ステップS935E)。これにより、変動開始から切替ポイントまでの通常変動の変動時間が延長されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(可変表示装置9、各種ランプ、スピーカ27)の制御を実行する(ステップ936)。例えば、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に制御信号(表示制御実行データ)を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。そして、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄変動中処理(ステップS903)を示す値に更新する(ステップS937)。
図95および図96は、高ベース用背景図柄変動中処理(ステップS903)を示すフローチャートである。高ベース用背景図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、予告実行フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS941)。予告実行フラグがセットされていれば、予告実行タイマの値を−1し(ステップS942)、予告実行タイマがタイムアウトしたかどうかを判定する(ステップS943)。予告実行タイマがタイムアウトしていれば、予め決められている態様の予告演出を実行する(ステップS944)。例えば、図73に示したような予告演出(「もしかして・・」という文字の表示)を実行する。そして、演出制御用CPU101は、予告実行フラグをリセットし(ステップS945)、予告実行済フラグをセットする(ステップS946)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置(可変表示装置9、ランプ/LED、スピーカ27)を制御する(ステップS947)。そして、プロセスデータの値を−1とし(ステップS948)、プロセスタイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS949)。プロセスタイマがタイムアウトしていれば、プロセスデータの切替を行う(ステップS950)。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定するとともに、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS951)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間変更禁止フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS952)。変動時間変更禁止フラグがセットされていれば、ステップS953〜S957の処理を実行せずにステップS958の処理に移行する。変動時間変更禁止フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、変動時間変更Bフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS953)。変動時間変更Bフラグがセットされていなければ、ステップS954〜S957の処理を実行せずにステップS958の処理に移行する。変動時間変更Bフラグがセットされていれば、図68に示した状況(一方の飾り図柄が背景図柄と同期して変動している最中に他方の飾り図柄の変動が開始される状況)であることを示している。この場合、演出制御用CPU101は、変動時間変更Bフラグをリセットする(ステップS955)。そして、延長すべき背景図柄の変動時間(延長分の変動時間)を算出する(ステップS956)。
具体的には、図68に示す例では、第2飾り図柄の変動を開始する時点において、第1飾り図柄および背景図柄の残り変動時間は15秒であり、第2飾り図柄の変動時間も20秒である。図68で説明したように、背景図柄の変動終了タイミングを第2飾り図柄の変動終了タイミングと一致させるようにするので、背景図柄の残り変動時間は20秒に延長される。すなわち、背景図柄の変動時間が5秒だけ延長される。
演出制御用CPU101は、算出した延長分の変動時間をプロセスタイマに加算し(ステップS956)、また、延長分の変動時間を背景変動時間タイマに加算する(ステップS957)。これにより、変動開始から切替ポイントまでの通常変動の変動時間が延長されることになる。
次いで、演出制御用CPU101は、背景変動時間タイマの値を−1する(ステップS958)。そして、演出制御用CPU101は、図柄強制同期フラグがセットされているかどうかを確認する(ステップS959)。図柄強制同期フラグは、例えば、第1飾り図柄と背景図柄が同期して変動しているときに、大当りとなる第2飾り図柄の変動が開始される時点でセットされる(ステップS619参照)。図柄強制同期フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、大当りになる飾り図柄の変動時間にもとづいて新たに背景図柄の変動パターンを決定する(ステップS960A)。例えば、大当りになる第2飾り図柄の変動時間が30秒であれば、30秒の変動時間の変動パターンを決定する。ステップS960Aの処理を実行する時点では、背景図柄は通常変動(高速変動)されているので、新たに変動パターンを決定し、その変動パターンにもとづく背景図柄の変動を実行しても、遊技者に違和感を与えるおそれはない。
次いで、演出制御用CPU101は、ステップS960Aにて決定した変動パターンに応じたプロセスデータを選択し(ステップS960B)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS960C)。また、演出制御用CPU101は、ステップS960Aにて決定した変動パターンの変動時間を背景変動時間タイマに設定してスタートさせる(ステップS960D)。
なお、このように新たに設定された変動パターンにもとづく背景図柄の変動が実行される場合は、背景図柄の停止図柄も大当り図柄に変更される。例えば、背景図柄の変動を開始するときに、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの表示結果コマンドにもとづいて背景図柄の停止図柄(はずれ図柄)を決定し、決定した停止図柄を背景図柄格納領域に格納する(ステップS616参照)。その後、背景図柄の変動が開始された後に、大当りを指定する表示結果コマンドが遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信されたときは、背景図柄の停止図柄(大当り図柄)を決定し、決定した停止図柄を背景図柄格納領域(既に格納されているはずれ図柄とは別の領域)に格納するとともに(ステップS616参照)、図柄強制同期フラグをセットする(ステップS617〜S619参照)。そして、背景図柄停止処理において、図柄強制同期フラグがセットされたと判定したときは、変動停止時に導出表示する背景図柄の停止図柄として背景図柄格納領域に格納されているはずれ図柄を大当り図柄に変更する。
次いで、演出制御用CPU101は、背景変動時間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS961)。タイムアウトしたときは、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS962)。
タイムアウトしていなければ、演出制御用CPU101は、差数カウンタの値が1以上であるか否かを確認する(ステップS963A)。差数カウンタの値が1以上であるときは、ステップS964の処理に移行する。差数カウンタの値が1以上でない(0である)ときは、切替フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS963B)。このとき、切替フラグがセットされているということは、切替ポイントにおいて変動パターンの切り替えを実行する必要があることを示している。
切替フラグがセットされていれば、切替ポイントに達したか否かを判定する(ステップS964)。切替ポイントは、変動時間が延長されていなければ、変動開始後10秒が経過した時点であり、変動時間が変更されていれば、変動開始後10秒に延長分の時間を加えた時間が経過した時点(図69に示すように、延長前の変動時間が10秒の場合は、変動が開始されてから延長分の時間が経過した時点)である。従って、切替ポイントに達したかどうかは、例えば、背景変動時間タイマの値にもとづいて、上記の時点に達したかどうかを確認することにより行うことができる。
切替ポイントに達していれば(ステップS964のY)、演出制御用CPU101は、残り変動時間に応じた変動パターンを決定する(ステップS965)。例えば、残り変動時間が10秒のときは、10秒の変動時間の変動パターンの中から所定の変動パターンを決定し、残り変動時間が20秒のときは、20秒の変動時間の変動パターンの中から所定の変動パターンを決定する。なお、図64等に示したように、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示するために、ステップS965にて決定される変動パターンの先頭(つまり、新たに通常変動が開始される前)に背景図柄を仮停止表示する変動態様が設定されている必要がある。
演出制御用CPU101は、ステップS965にて決定した変動パターンに応じたプロセステーブルを選択し(ステップS966)、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS967)。そして、演出制御用CPU101は、予告実行済フラグがセットされているか否かを確認し(ステップS968)、予告実行済フラグがセットされていれば、予告実行タイマをスタートさせる(ステップS969)。
なお、予告実行済フラグがセットされている場合に、必ず予告演出を実行する構成に限られるわけではなく、予告実行済フラグがセットされている場合であっても、一定の割合で変動パターンの切替後に予告演出を実行しないように構成されていてもよい。この場合、変動パターンの切替後の変動において大当り図柄が導出表示されるときは、予告演出が実行される確率が高くなるように構成されているのが好ましい。具体的には、予告の実行の有無を決定するテーブルとして大当りになるときのテーブルと大当りにならないときのテーブルとに分けて用意しておく。そして、大当りにならないときのテーブルにおける予告有りに設定される判定値の数よりも大当りになるときのテーブルにおける予告有りに設定される判定値の数を多くする。このような構成によれば、切替後の変動において大当りになるときは、大当りにならないときよりも、予告演出が実行される確率が高くなる。なお、予告演出の態様も、図73に示した態様に限られるわけではなく、切替前に出現させたキャラクタを再び切替後に出現させるような予告演出や、切替前後で段階的に発展させていくような予告演出などであってもよい。
そして、演出制御用CPU101は、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄切替後変動中処理を示す値に更新する(ステップS970)。
なお、図柄強制同期フラグがセットされている場合において、ステップS961において背景変動時間タイマがタイムアウトしていないとき(ステップS961のN)、ステップS963A〜S969の処理が実行されずに、ステップS970の処理に移行される。
図97は、高ベース用背景図柄切替後変動中処理(ステップS904)を示すフローチャートである。高ベース用背景図柄切替後変動中処理において、演出制御用CPU101は、まず、差数カウンタの値が1以上かどうかを確認する(ステップS971)。差数カウンタの値が1以上であるということは、未消化の変動やダミーの変動を実行する必要があることを示している。差数カウンタの値が1以上であれば、演出制御用CPU101は、保留記憶表示数カウンタの値を−1とし(ステップS972)、差数カウンタの値を−1とし(ステップS973)、背景図柄保留記憶表示を1つ消去する(ステップS974)。
なお、この実施の形態では、高ベース用背景図柄切替後変動中処理が実行される場合は、常に差数カウンタの値が1以上であると考えられるので、ステップS971の処理は設けられていなくてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、予告実行済フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS975)。予告実行済フラグがセットされていなければ、ステップS976〜S980の処理を実行せずにステップS981の処理に移行する。予告実行済フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、予告実行タイマの値を−1し(ステップS976)、予告実行タイマがタイムアウトしたか否かを確認する(ステップS977)。
予告実行タイマがタイムアウトしたときは、演出制御用CPU101は、予告態様記憶領域に記憶されている実行済の予告演出の態様を確認する(ステップS978)。そして、演出制御用CPU101は、実行済の予告演出の態様に応じた予告演出を実行する(ステップS979)。例えば、図73に示したように、切替ポイントの前に「もしかして・・」という文字が表示されたときは、切替ポイントの後に「大当りかも?」という文字を表示する予告演出を実行する。そして、演出制御用CPU101は、予告実行済フラグをリセットする(ステップS980)。
次いで、演出制御用CPU101は、プロセスデータnの内容に従って演出装置を制御する(ステップS981)。また、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を−1とし(ステップS982)、プロセスタイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS983)。プロセスタイマがタイムアウトしたときは、プロセスデータの切替を行う(ステップS984)。そして、プロセスタイマをスタートさせる(ステップS985)。
また、演出制御用CPU101は、背景変動時間タイマの値を−1とし(ステップS986)、変動時間タイマがタイムアウトしたかどうかを確認する(ステップS987)。背景変動時間タイマがタイムアウトしたときは、背景図柄プロセスフラグの値を高ベース用背景図柄停止処理を示す値に更新する(ステップS988)。
以上のような高ベース用背景図柄プロセス処理によって、高ベース状態のときの可変表示装置9における背景図柄の可変表示が実行される。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技制御用マイクロコンピュータは、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄になったことにもとづいて大当り遊技が実行されているときに第1特別図柄の変動制御(第1特別図柄プロセス処理)を停止させる(ステップS313〜S315)ことにより、第1特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることと、第2特別図柄の停止図柄として大当り図柄が導出表示されることとが同時に発生しないようにすることができ、また、第2大当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が変動中であるときには、第1特別図柄の停止図柄を強制的にはずれにする制御(ステップS60,S66)を実行するので、はずれ図柄が停止図柄として導出表示されることを遊技者に認識され難くすることができる。その結果、従来技術のように、2つの特別図柄の変動が同時に実行されているか否かにより、大当りになるかはずれになるかが遊技者に悟られてしまうのを回避することができる。
また、第2大当りフラグがセットされているときは、大当りの判定(抽選処理)を行わないように構成されているので、大当りの判定処理がソフトウェアによって実現されている場合に、大当り判定のプログラムをスキップするだけで強制的にはずれにする制御を実現することができ、プログラム容量を増大させないようにすることができる。
また、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理に対応した値になったときに第1特別図柄の変動が停止されるように構成されているので(ステップS313)、簡便な処理によって、早めに第1特別図柄の変動を停止させることができる。
また、特別図柄の変動が停止されているときに(変動時間の計測が中断されているときに)、第1特別図柄(第1飾り図柄)の変動が継続している旨を遊技者に報知することにより(図65参照)、遊技者に不信感を与えなくすることができる。
また、特別図柄の変動が停止されているときに(変動時間の計測が中断されているときに)、はずれ図柄を停止表示することにより(図64、図65参照)、2つの図柄が同時に大当り図柄になったと勘違いされないようにすることができる。
また、第2始動入賞口14への入賞が発生し易い高ベース状態と、第2始動入賞口14への入賞が発生し難い低ベース状態とが設けられ、低ベース状態に制御されているときに、可変表示装置9のメモリ表示領域9dにおいて第1保留記憶数カウンタがカウントした第1保留記憶数を特定可能に表示し、高ベース状態に制御されているときは、合算保留記憶数カウンタがカウントした合算保留記憶数(第1保留記憶数と第2保留記憶数の合計)を特定可能に表示するように構成されているので、遊技状態に応じて第2始動入賞口14への入賞し易さを変化させることができるとともに、遊技状態に応じてメモリ表示領域9dに表示される背景図柄の保留記憶数の上限を変化させることができ、遊技に変化を持たせることができるようになる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。
また、低ベース状態に制御されているときは、第1特別図柄(および第1飾り図柄)の可変表示が開始されるときに、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて第1特別図柄の可変表示に対応付けた(同期した)背景図柄の可変表示を実行し、所定の可変表示時間が経過したときに第1特別図柄の可変表示の表示結果に対応付けた背景図柄の表示結果を背景図柄表示領域9aに導出表示し、高ベース状態に制御されているときは、第1特別図柄(および第1飾り図柄)または第2特別図柄(第2飾り図柄)の可変表示が開始されるときに、可変表示装置9の背景図柄表示領域9aにおいて第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に対応付けた(第1特別図柄または第2特別図柄のいずれかに同期した)背景図柄の可変表示を実行し、所定の可変表示時間が経過したときに第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果に対応付けた背景図柄の表示結果を背景図柄表示領域9aに導出表示するように構成されているので、低ベース状態のときは背景図柄の可変表示を第1特別図柄の可変表示にのみ対応付ければよく、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御負担を軽減することができる。
また、遊技状態が高ベース状態に制御されているときは、背景図柄の変動開始後所定時間経過した時点に切替ポイントを設け、背景図柄の変動開始から切替ポイントまでに飾り図柄(特別図柄)の変動が開始されたときは、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止するとともに、第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計を示す背景図柄の保留記憶表示数を1つ消去するように構成されているので、背景図柄の変動の開始タイミングと背景図柄の保留記憶表示数の消去のタイミングとを一致させることができ、遊技者に違和感を与えなくすることができる。
また、背景図柄の切替ポイント以降に飾り図柄(特別図柄)の変動が開始されたときは、差数カウンタにて未消化の飾り図柄の変動を記憶しておき、その後に背景図柄の切替ポイントになったときに、背景図柄の保留記憶数表示を消去するように構成されているので、背景図柄の変動の開始タイミングと背景図柄の保留記憶表示数の消去のタイミングとを一致させることができ、遊技者に違和感を与えなくすることができる。
また、背景図柄の切替ポイントまでに予告演出が実行されたときは、予告演出が実行されたことと予告演出の態様とを記憶しておき、切替ポイント以降に実行済みの予告演出の態様に応じた予告演出を実行するように構成されているので、整合性のある連続的な予告演出の実行することができるとともに、予告演出のバリエーションを増やすことができる。
また、一方の飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始された場合に背景図柄の切替ポイントまでに他方の飾り図柄の変動が開始された場合、または他方の飾り図柄の変動が開始されてから所定時間経過するまでに一方の飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始された場合に、背景図柄の変動終了タイミングよりも他方の飾り図柄の変動終了タイミングの方が後であるときは、他方の飾り図柄の変動終了タイミングに合わせて背景図柄の変動が終了するように背景図柄の変動時間を変更するように構成されているので(図68、図69参照)、他方の飾り図柄の変動終了タイミングと背景図柄の変動終了タイミングとを一致させることができ、効率よく2つの飾り図柄の変動を1つの背景図柄の変動で消化することができるとともに、遊技者に違和感を与えることなく飾り図柄の変動と背景図柄の変動とを同期させることができる。
また、一方の飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始された場合に背景図柄の切替ポイントまでに他方の飾り図柄の変動が開始された場合において、背景図柄(および一方の飾り図柄)の変動終了タイミングよりも他方の飾り図柄の変動終了タイミングの方が後であり、かつ、一方の飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときは(図68参照)、他方の飾り図柄の変動終了タイミングに合わせて背景図柄の変動が終了するように背景図柄の変動時間を変更するとともに、背景図柄の停止図柄を大当り図柄に変更することにより、背景図柄の大当り図柄と一方の飾り図柄の大当り図柄とを同時に導出表示するように構成している。また、他方の飾り図柄の変動が開始されてから所定時間経過するまでに一方の飾り図柄の変動開始と同期して背景図柄の変動が開始された場合に、背景図柄(および一方の飾り図柄)の変動終了タイミングよりも他方の飾り図柄の変動終了タイミングの方が後であり、かつ、一方の飾り図柄の停止図柄が大当り図柄であるときは(図69参照)、背景図柄の変動時間の変更を禁止することにより、背景図柄の大当り図柄と一方の飾り図柄の大当り図柄とを同時に導出表示するように構成している。このような構成によれば、背景図柄による大当り図柄の表示が遊技者に対して全くなされないうちに突然に大当り遊技に移行されるようなことが防止され、遊技者に不審感を与えないようにすることができる。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、背景図柄の変動における切替ポイントにおいて表示演出の内容(プロセステーブル)と停止図柄を変更するように制御すればよく、演出制御用マイクロコンピュータ100の制御負担を増加させないようにすることができる。
また、高ベース状態に制御されているときに、第1始動入賞または第2始動入賞が無効な始動入賞(保留記憶数が上限値4であるときに発生した始動入賞)であっても、背景図柄の保留記憶数が上限値8に達していない限り、背景図柄の保留記憶数表示を点灯するように構成されているので、2つの飾り図柄の変動が別々の始動入賞にもとづいて実行される遊技機において、始動入賞が発生したのに保留記憶数が増加しないといった不利な印象を遊技者に与えなくすることができる。
また、無効始動入賞にもとづく背景図柄の保留記憶表示の点灯が行われた場合は、背景図柄の切替ポイントにおいて背景図柄の保留記憶表示を消去(消灯)するように構成されているので、第1保留記憶カウンタおよび第2保留記憶カウンタでカウントされている保留記憶数の合計と背景図柄の保留記憶表示として表示されている保留記憶数とのずれが生じたときでも、遊技者に違和感を与えることなく整合させることができる。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、無効始動入賞が発生したときに、無効始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100は、無効始動入賞指定コマンドにもとづいてダミーの背景図柄の保留記憶表示を点灯させるように構成されているので、始動入賞に対して不利な印象を遊技者に与えないようにする構成を遊技制御用マイクロコンピュータ560に制御負担をかけることなく実現することができる。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数カウンタの値が所定値(本例では4)以上であるか否かを判定し、所定値以上であると判定されると、第1特別図柄(第1飾り図柄)および第2特別図柄(第2飾り図柄)の変動時間を短縮するとともに、第1特別図柄(第1飾り図柄)または第2特別図柄(第2飾り図柄)に対応して変動する背景図柄の変動時間を短縮するようにしている。そのため、合算保留記憶数が所定値以上であるにもかかわらず、第1特別図柄(第1飾り図柄)または第2特別図柄(第2飾り図柄)のいずれか一方の可変表示時には短縮変動が行われるが、他方の可変表示時には短縮変動が行われない事態が発生することを防止することができる。従って、背景図柄の保留記憶数に対応して背景図の短縮変動を行うことができる。
さらに、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるときに、所定の移行条件が成立したことを条件に、遊技状態が特別遊技状態(確変状態、時短状態)であるか否かを示す状態データを所定のデータに設定する(セット・リセットする)ように構成されているので、一方の特別図柄の表示結果に応じて遊技状態を変更する必要が生じたときに、直ちに状態データを所定のデータに設定することにより、変更された遊技状態を他方の特別図柄の変動における遊技制御に直ちに反映させることができ、その結果、公平な遊技機を提供することができる。
また、この実施の形態では、遊技機への電源投入が開始されてからタイマ割込設定を行うまでに乱数回路503の初期設定(乱数回路設定処理)を行うとともに、乱数回路設定処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ560固有のIDナンバにもとづく値を乱数の初期値として設定する。そのため、乱数回路503が生成する乱数のランダム性を向上させることができる。また、乱数のランダム性を向上させることができるので、乱数生成のタイミングを遊技者や遊技店に認識されにくくすることができ、無線信号を用いた取り込み信号を遊技機に対して発生させることによって、大当り状態などの特定遊技状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことを防止することができる。
また、この実施の形態では、遊技制御処理に用いる各乱数のうち、大当りの種類を決定するための判定用乱数(大当り種別決定用乱数)として、ソフトウェア乱数を用いる。そして、大当りとするか否かを決定するための大当り判定用乱数のみを乱数回路503を用いて発生させる。例えば、大当り判定用乱数に加えて、大当り種別決定用乱数も乱数回路503を用いて発生させるようにすると、乱数回路503を用いて複数種類の乱数を発生させることとなり、乱数回路503の構成が必要以上に複雑化してしまう。この実施の形態では、大当り判定用乱数のみを乱数回路503を用いて発生させるので、乱数回路503の回路構成が複雑化することを防止することができる。
また、この実施の形態では、乱数回路503の反転回路532が極性を反転させた反転クロック信号SI2(または、遅延回路が遅延させた遅延クロック信号)を生成し、反転クロック信号SI2に同期して乱数の記憶を指示するためのラッチ信号を出力する。そのため、乱数を更新するタイミングと乱数値記憶回路531に乱数を記憶させるタイミングとをずらすことができ、生成した乱数を安定して確実に記憶させることができる。
なお、上記の実施の形態では、次のような構成も開示されている。第1可変表示実行手段は、第1の可変表示部において第1識別情報の可変表示が実行される可変表示時間を計測する計測手段と、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されているときに計測手段の計測を中断させる計測中断手段とを含む。このような構成によって、第2の可変表示部において特定表示結果が導出表示されるまでは第1の可変表示部における可変表示を継続でき、第1の可変表示部における可変表示を中断する場合に比べて、早めに第1の可変表示部における可変表示を終了させることができる。よって、可変表示の終了までの時間を長引かせて遊技者に不利益を与えることを防止できる。
また、遊技制御基板に、中継基板からの信号の入力を阻止する第1の信号方向規制手段が設けられ、中継基板に、演出制御基板からの信号の入力を阻止する第2の信号方向規制手段が設けられている。このような構成によって、遊技制御基板以外の基板から周辺基板への信号線を利用して周辺基板を経由して遊技制御基板に不正信号が送り込まれることを防止できる。
次に、本願発明の変形例について説明する。図98は、背景図柄の変動中に設けられた複数の切替ポイントを示すタイミング図である。上述した実施の形態では、切替ポイントは、背景図柄の変動が開始されてから10秒経過した時点にのみ設けられていたが、図98に示す例では、40秒の変動時間の中に3つの切替ポイントが設けられている。すなわち、背景図柄の変動開始後10秒の時点に第1の切替ポイントが設けられ、背景図柄の変動開始後20秒の時点に第2の切替ポイントが設けられ、背景図柄の変動開始後30秒の時点に第3の切替ポイントが設けられている。このような構成によれば、図98に示すように、背景図柄の変動が開始されてから10秒までに飾り図柄の変動が開始され、10秒から20秒までに新たに飾り図柄の変動が開始され、20秒から30秒までに新たに飾り図柄の変動が開始されるような場合であっても、背景図柄の変動中における3つの切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示し、変動パターンを切り替え、さらに背景図柄の保留記憶表示を消去していくことができるので、より一層効率よく飾り図柄の変動を消化していくことができるようになる。その結果、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタでカウントされている保留記憶数の合計(合算保留記憶数)と背景図柄の保留記憶表示として表示されている保留記憶数とのずれが大きくなるのを防止することができる。
図99は、変動開始後からの時間が短縮された切替ポイントを示すタイミング図である。上述した実施の形態では、背景図柄の変動が開始されてから10秒経過した時点を切替ポイントとしていたが、図99に示す例では、背景図柄の変動が開始されてから5秒経過した時点を切替ポイントとしている(なお、遊技状態が確変状態や時短状態のときは、背景図柄の変動が開始されてから例えば2.5秒経過した時点を切替ポイントとする)。このような構成によれば、図99に示すように、変動時間10秒の背景図柄の変動が開始された直後(変動開始後5秒まで)に飾り図柄の変動が開始された場合であっても、切替ポイントにおいて背景図柄を仮停止表示し、変動パターンを切り替え、さらに背景図柄の保留記憶表示を消去することができるので、効率よく飾り図柄の変動を消化していくことができることとなる。その結果、第1保留記憶数カウンタおよび第2保留記憶数カウンタでカウントされている保留記憶数の合計と背景図柄の保留記憶表示として表示されている保留記憶数とのずれが大きくなるのを防止することができる。また、第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動が全て終了しているのに、背景図柄の変動が長く(複数回)継続されてしまうような事態を回避することもできる。
なお、図98に示すように切替ポイントを複数設ける構成において、切替ポイントの間隔を短く(例えば5秒)にするようにしてもよい。また、図99では、切替ポイントが変動開始後5秒の時点とされていたが、もっと短い時点とされていてもよい。
また、高ベース状態のときに合算保留記憶数が4以上であるときは、通常変動(高速変動)の変動時間が変動開始後5秒とされているので(図34参照)、切替ポイントも変動開始後5秒の時点とされるのが好ましい。ただし、異なるタイミングであってもよい。
また、第1飾り図柄および第2飾り図柄の変動が全て終了しているのに、背景図柄の変動が長く(複数回)継続されてしまうような事態が生じた場合には、短縮された背景図柄の変動パターン(変動時間が例えば5秒の変動パターン)の変動を複数回実行して早く変動を消化させるようにしてもよい。また、差数カウンタの値が所定数(例えば3)以上であるか否かを判定して、所定数以上のときは短縮された背景図柄の変動パターンの変動を複数回実行して早く変動を消化させるように構成されていてもよい。そのような構成の場合は、それぞれの背景図柄の停止時に背景図柄の保留記憶表示を消去するとともに、保留記憶表示数カウンタの値を−1し、また差数カウンタの値を−1するように構成される。
また、例えば40秒の変動パターンが所定期間毎にリーチ態様が発展していく変動パターンである場合、例えば、最初に通常変動が10秒間行われ、その後にリーチAを伴う変動が10秒間行われ、その後にリーチAが発展したリーチBを伴う変動が10秒間行われ、最後にリーチBが発展したリーチCを伴う変動が10秒間行われる場合に、それぞれのリーチの終了時に例えば「767」のような出目(左中右の背景図柄)で一旦仮停止表示されるような演出を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、「767」で仮停止表示されるポイントも切替ポイントとして用いることができる。その結果、大当りに発展する可能性が高い一連の変動において複数の切替ポイントを設けることができ、効率よく飾り図柄の変動を消化させることができるとともに、大当りに対する期待感を遊技者に抱かせることができる。
なお、図34に示したように、低ベース状態(通常遊技状態)のときの通常変動の変動時間は15秒であり、高ベース状態(確変状態、時短状態)のときの通常変動の変動時間は10秒であるとしていたが、実際の遊技機ではもっと短い時間に設定されているので、そのような時間に設定してもよい。例えば、低ベース状態(通常遊技状態)のときの通常変動の変動時間は5秒とし、高ベース状態(確変状態、時短状態)のときの通常変動の変動時間は3秒としてもよい。この場合は、通常変動の変動時間の短縮に合わせて、リーチを伴う変動の変動時間も短縮する必要がある。例えば、通常変動の部分の変動時間が5秒で、リーチAの部分の変動時間が10秒である場合は、リーチAを伴う変動の変動時間はトータルで15秒となる。
また、図61および図62に示した保留記憶処理では、遊技状態が高ベース状態であるか低ベース状態であるかを問わずに、第1有効始動入賞コマンド、第1無効始動入賞コマンド、第2有効始動入賞コマンドおよび第2無効始動入賞コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するように構成されていた。すなわち、いずれの遊技状態においてもステップS404〜S413の処理を実行していた。しかし、低ベース状態のときは、ダミーの保留表示を表示しないように構成されていたので、無効始動入賞コマンド(第1無効始動入賞コマンドおよび第2無効始動入賞コマンド)を送信する必要はない。従って、遊技状態が高ベース状態のときにステップS404〜S413の処理を実行し、遊技状態が低ベース状態のときはステップS404〜S407,S409〜S412の処理を実行するようにしてもよい。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、遊技状態が低ベース状態のときは、背景図柄の変動は、第1始動入賞にもとづいて第1特別図柄の変動と同期して実行されるのに対し、遊技状態が高ベース状態のときは、背景図柄の変動は、第1始動入賞および第2始動入賞にもとづいて第1特別図柄または第2特別図柄の変動と同期して実行されていた。また、遊技状態が低ベース状態のときは、背景図柄の保留記憶数は第1特別図柄の保留記憶数(第1保留記憶数)のみ反映(表示)され、背景図柄の保留記憶数の上限値も第1特別図柄の保留記憶数の上限値(「4」)と同じ値とされていたのに対し、高ベース状態のときは、背景図柄の保留記憶数は第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数(合算保留記憶数)が反映され、背景図柄の保留記憶数の上限値も第1特別図柄および第2特別図柄の保留記憶数の合計値(「8」)とされていた。しかし、このような構成に限られるわけではなく、この実施の形態2では、遊技状態がいずれの状態のときも、背景図柄の変動は、第1始動入賞および第2始動入賞にもとづいて第1特別図柄または第2特別図柄の変動と同期して実行され、背景図柄の保留記憶数は合算保留記憶数(第1特別図柄の保留記憶数と第2特別図柄の保留記憶数の合計)が反映(表示)されるようにしたものである。
図100は、実施の形態2における背景図柄保留記憶表示制御処理を示すフローチャートである。図100に示すように、実施の形態1における背景図柄保留記憶表示制御処理では、低ベース状態のときに始動入賞コマンドが第1始動入賞コマンドであるか否か判定する処理(ステップS630b)を実行していたが、実施の形態2における背景図柄保留記憶表示制御処理では、ステップS630bの処理を実行しない。これにより、低ベース状態においても、背景図柄の保留記憶数は第1特別図柄の保留記憶数と第2特別図柄の保留記憶数のいずれも合算して表示させることができる。但し、低ベース状態のときは、第2始動入賞口14に遊技球が入賞する割合が低いので、背景図柄の保留記憶数として表示される保留表示数の上限値は高ベース状態のときの上限値(「8」)よりも小さい値(「4」)としている。すなわち、ステップS630cにおいて保留記憶表示数カウンタの値が4のときは、背景図柄保留記憶表示の点灯を増加させないようにしている。
また、上記の実施の形態1では、図77および図78に示した図柄変動制御処理は、高ベース状態のときにのみ実行されることとしていたが(ステップS625参照)、この実施の形態2では、低ベース状態のときにも実行するものとする。また、上記の実施の形態1では、背景図柄プロセス処理は、低ベース用背景図柄プロセス処理と高ベース用背景図柄プロセス処理とに分けていたが、遊技状態にかかわらず背景図柄の変動に関して同じ処理を行えばよいため、1つの背景図柄プロセス処理(すなわち実施の形態1における高ベース用背景図柄プロセス処理を実行するようにすればよい。
以上のように、この実施の形態2によっても、実施の形態1の場合と同様に、遊技状態に応じて第2始動入賞口14への入賞し易さを変化させることができるとともに、遊技状態に応じてメモリ表示領域9dに表示される背景図柄の保留記憶数の上限を変化させることができ、遊技に変化を持たせることができるようになる。その結果、遊技の興趣を向上させることができる。また、背景図柄の変動制御に関して低ベース用と高ベース用とに分ける必要がないので、演出制御用マイクロコンピュータ100における制御を簡略化することができ、制御負担も軽減することができる。
実施の形態3.
上記の実施の形態1,2では、2つの特別図柄表示器8a,8bにおいて大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当りが同時に発生しないようにするために、一方の特別図柄において大当り図柄になったときは他方の特別図柄の変動を中断し、大当り遊技が終了すると他方の特別図柄の変動が再開されるように構成されていた。しかし、他方の特別図柄の変動が再開されても、その変動は大当りにならないので、他方の特別図柄の変動が無駄に長く実行されると、遊技の興趣を低下させてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態3では、一方の特別図柄が大当り図柄になると、他方の特別図柄の変動を無効化して、2つの特別図柄表示器8a,8bにおいて大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当りが同時に発生するのを防止するとともに、大当り遊技後にはずれになる変動がが無駄に長く実行されてしまうことを防止するようにしている。
図101は、実施の形態3における第1特別図柄プロセス処理を示すフローチャートである。図101に示すように、実施の形態3における第1特別図柄プロセス処理では、図38に示したステップS313〜S317の処理は実行しない。第2特別図柄が大当りになったときに、第1特別図柄の変動を中断するのでなく無効化するので、変動を中断するための処理は不要だからである。なお、第1特別図柄プロセス処理のその他の処理は、実施の形態1と同様である。
図102は、実施の形態3における演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図102において、コマンドA100(H)は、第1特別図柄および第1飾り図柄の表示結果を強制的にはずれと決定されたときの第1飾り図柄の変動開始を指示する演出制御コマンド(第1強制はずれ指定コマンド)である。コマンドA200(H)は、第2特別図柄および第2飾り図柄の表示結果を強制的にはずれと決定されたときの第2飾り図柄の変動開始を指示する演出制御コマンド(第2強制はずれ指定コマンド)である。
図103は、実施の形態3における第1特別図柄通常処理を示すフローチャートである。実施の形態3における第1特別図柄通常処理では、CPU56は、遊技状態が第2大当り遊技の開始から第2大当りの遊技の終了までの間であるか否か確認する(ステップS40)。CPU56は、遊技状態がそのような状態であるか否かを、例えば、第2特別図柄プロセスフラグの値がステップS306〜S309のいずれかに応じた値(具体的には、第1特別図柄プロセスフラグについてのステップS306〜S309のいずれかに応じた値に相当する第2特別図柄プロセスフラグについての値)であるか否かによって判定する。また、第2特別図柄プロセス処理において、第2大当り図柄停止処理から第2大入賞口開放前処理に移行するときに第2大当り遊技中であることを示すフラグをセットし、第2大当り終了処理においてそのフラグをリセットし、第2大当り遊技中であるか否かを、そのフラグがセットされているか否かによって確認するようにしてもよい。遊技状態が第2大当り遊技の開始から第2大当りの遊技の終了までの間である場合には、処理を終了する。そうでない場合には、CPU56は、ステップS41の処理を実行する。ステップS40の判断によって、CPU56は、第2特別図柄表示器8bおよび第2飾り図柄表示領域9cにおいて特定表示結果(この例では、大当り図柄)が導出表示されたときから、特定表示結果が導出表示されたことにもとづく特定遊技状態(この例では、第2大当り遊技)が終了するまでの間、第1の開始条件(例えば、第1特別図柄および第1飾り図柄の最終停止後であって、保留記憶が0でないこと)を成立させない制御を実行することになる。第1特別図柄プロセス制御の処理をステップS300から先に進めないことによって、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動が開始されないからである。なお、第1特別図柄通常処理のその他の処理については、実施の形態1と同様である。
図104は、実施の形態3における第1特別図柄停止図柄設定処理を示すフローチャートである。実施の形態3における第1特別図柄停止図柄設定処理では、CPU56は、強制はずれフラグをセットした後(ステップS66)、第1強制はずれ指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する(ステップS67)。なお、第1特別図柄停止図柄設定処理のその他の処理については、実施の形態1と同様である。
図105は、実施の形態3における第1変動パターン設定処理を示すフローチャートである。実施の形態3における第1変動パターン設定処理では、CPU56は、強制はずれフラグをリセットしない(すなわち、ステップS111の処理を実行しない)。なお、第1変動パターン設定処理のその他の処理については、実施の形態1と同様である。
図106は、実施の形態3における第1特別図柄変動中処理を示すフローチャートである。実施の形態3における第1特別図柄変動中処理では、CPU56は、第1変動時間タイマを1減算し(ステップS121)、第1変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS122)、第1大当りフラグがセットされている場合には第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大当り図柄停止処理(ステップS306)に対応した値に更新し(ステップS123,S124)、第1大当り図柄表示時間タイマをセットする(ステップS125)。第1大当りフラグがセットされていない場合には第1特別図柄プロセスフラグの値を第1はずれ図柄停止処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS126)。ここまでは実施の形態1と同じ処理である。
第1変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、強制はずれフラグがセットされているときに(ステップS127のY)、第2大当り遊技の開始を指定する第2大当り開始指定コマンドが送信された場合には、強制終了フラグをセットして(ステップS128,S129)、ステップS126に移行する。強制はずれフラグがセットされていないとき、および強制はずれフラグがセットされていても第2大当り指定コマンドが送信された場合でないときには、処理を終了する。なお、第2大当り開始指定コマンドが送信されたか否かを判定するには、第2特別図柄プロセス処理において、第2大当り開始指定コマンドを送信したときにその旨を示すフラグをセットしておいて、ステップS129でそのフラグを確認すればよい。
なお、ステップS128において強制はずれフラグがセットされているか否かを確認しているが、この確認処理を実行せずに、ステップS129において第2大当り開始指定コマンドが送信されたか否かを判定するように構成されていてもよい。このような構成によれば、強制はずれの変動だけでなく全てのはずれの変動を第2大当り遊技の開始を契機として終了させることができる。また、ステップS129において、第2大当り開始指定コマンドが送信されたか否かを判定しているが、この判定処理に代えて、第2特別図柄プロセスフラグの値が第2大当り図柄停止処理または第2大入賞口開放前処理を示す値であるか否かを判定するように構成されていてもよい。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、強制はずれと決定されたときに実行されている第1飾り図柄の可変表示中に、第2大当り開始指定コマンドを受信すると、可変表示装置9の第1飾り図柄表示領域9bにおける第1飾り図柄の可変表示を終了させる制御を実行する。
図107は、実施の形態3における第1大当り図柄停止処理を示すフローチャートである。実施の形態3における第1大当り図柄停止処理では、CPU56は、第1特別図柄の変動を既に終了させた場合にはステップS133に移行する(ステップS130)。まだ終了させていない場合には、第1特別図柄の変動を終了させる(ステップS131)。また、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS132)。そして、第1大当り図柄表示時間タイマの値を−1し(ステップS133)、第1大当り図柄表示時間タイマの値が0になった場合には(ステップS134)、第1大当り開始指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS134a)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1大入賞口開放前処理(ステップS307)に対応した値に更新する(ステップS135)。
図108は、実施の形態3における第1はずれ図柄停止処理を示すフローチャートである。実施の形態3における第1はずれ図柄停止処理では、CPU56は、第1特別図柄の変動を終了させる(ステップS141)。次いで、強制終了フラグがセットされているか否か確認し(ステップS141a)、強制終了フラグがセットされている場合には、強制終了フラグをリセットして(ステップS142b)、ステップS144に移行する。強制終了フラグがセットされていない場合には、演出制御基板80に対して、第1飾り図柄停止指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS142a)。そして、ステップS144に移行する。
ステップS144では、強制はずれフラグがセットされているか否か確認し、強制はずれフラグがセットされていれば強制はずれフラグをリセットする(ステップS145)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS143)。
図109は、実施の形態3における第1大当り終了処理を示すフローチャートである。実施の形態3における第1大当り終了処理では、CPU56は、演出制御基板80に、第1大当り終了指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS146)、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS147)。
以上のように、この実施の形態2によれば、強制はずれとすることに決定されたことにもとづいて第1飾り図柄の可変表示(または、第2飾り図柄の可変表示)が行われている場合に第2大当り遊技(または、第1大当り遊技)が開始されるときに第1飾り図柄の可変表示(または、第2飾り図柄の可変表示)を終了させるように構成されているので、、第2飾り図柄表示領域9c(または、第1飾り図柄表示領域9b)に大当り図柄が導出表示されることを、第1飾り図柄表示領域9b(または、第2飾り図柄表示領域9c)における可変表示にもとづいて遊技者に認識され難くすることができる。また、2つの特別図柄表示器8a,8bにおいて大当り図柄が導出表示されたことにもとづく大当りが同時に発生するのを防止するとともに、大当り遊技後にはずれになる変動がが無駄に長く実行されてしまうことを防止することができる。
なお、上記の実施の形態2では、大当り遊技が開始されるときに、強制はずれに決定されたことにもとづいて開始された飾り図柄の可変表示を終了させたが、大当り遊技に関連する他の時点で飾り図柄の可変表示を終了させるようにしてもよい。例えば、大当り遊技が終了するときや大当り遊技中、特別図柄が停止するときに、強制はずれに決定されたことにもとづいて開始された飾り図柄の可変表示を終了させるようにしてもよい。
なお、上記の各実施の形態では、強制はずれフラグを用いて、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときには第1特別図柄表示器8aの第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当り図柄にしないように制御したが、第1特別図柄表示器8aの第1特別図柄の可変表示の表示結果を大当り図柄にしないようにするための手段は、そのようなものに限られない。例えば、CPU56は、特別図柄の変動開始時に大当りとするか否かの判定を常に行い、第2大当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が大当り変動(停止図柄を大当り図柄とする変動)中であるときには、第1の判定結果が大当りである場合には判定結果をはずれに変更するようにしてもよい。また、CPU56は、第2大当りフラグがセットされ、かつ、第2特別図柄が変動中であるときには、第1の大当り判定の処理を実行する前に、乱数バッファに格納されている大当り判定用乱数の値をはずれに相当する値に変更するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、時短状態は、確変状態の終了後にのみ移行されるように構成されているが、そのような構成に限られず、例えば大当り図柄のうち時短状態になる大当り図柄(時短図柄)を定め、時短状態になる大当り図柄で大当りとなった後に時短状態に制御されるように構成されていてもよい。そのように構成されている場合には、時間状態が、通常遊技状態よりも高い割合で第1事前決定手段および第2事前決定手段により特定表示結果とする旨が決定される特別遊技状態に相当する。また、大当り図柄の全てを時短図柄(すなわち、「1」「3」「5」「7」「9」の全ての図柄を時短図柄)にしてもよい。さらに、確変図柄と時短図柄とは区別されていても重複していてもよい。確変図柄と時短図柄とが重複しているときは、そのような図柄で大当りとなると、確変状態でかつ時短状態に制御されることになる。
また、上記の実施の形態では、第1飾り図柄および第1特別図柄の変動中であって、かつ、第2特別図柄の停止図柄が大当り図柄であったことにもとづく第2大当り遊技の実行中であるときに、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して中断コマンドを送信して、第1飾り図柄の変動時間の計測を中断したが、他の時点においても、第1飾り図柄の変動時間の計測を中断するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、一方の特別図柄の停止図柄が大当り図柄になると決定された時点から大当り図柄が導出表示されるまでに開始される他方の特別図柄の停止図柄を強制的にはずれ図柄とするように制御されるとともに、一方の特別図柄の停止図柄が大当り図柄になったことにもとづいて大当り遊技が開始されるときに他方の特別図柄の変動が停止され、大当り遊技が終了したときに他方の特別図柄の変動が再開されるように構成されていたが、大当り遊技が開始されたとき(または大当り遊技の途中や終了時)に他方の特別図柄の変動を終了させるように構成されていてもよい。この場合は、大当り遊技の終了後にあらためて2つの特別図柄の変動が開始されることになる。
なお、上記の実施の形態では、第1特別図柄および第2特別図柄は、「0」〜「9」の数字の図柄とされていたが、このような図柄に限られるわけではなく、数字以外の図柄(例えば星や三角などの図形)であってもよい。また、図柄である必要もなく、大当りかはずれかを識別できる情報であれば、ランプやLEDの点灯/消灯などの情報であってもよい。また、一方の識別情報を図柄とし、他方の識別情報をランプとしてもよい。第1飾り図柄および第2飾り図柄についても同様である。
また、上記の実施の形態では、保留記憶数を表示する方法として、特別図柄の保留記憶数は、点灯する表示器の数を増やしたり減らしたりすることにより表示し、また、背景図柄の保留記憶数は、メモリ表示領域9dに表示される保留記憶表の表示色の数を増やしたり減らしたりすることにより表示していた。しかし、このような構成に限られず、例えば、7セグメントLEDにより数字で保留記憶数を表示する(例えば、保留記憶数が3のときは数字の「3」を表示する)ような構成であってもよい。また、表示器や表示色の数ではなく、キャラクタの数によって保留記憶数を表示するような構成であってもよい。
また、上記の実施の形態では、第1保留記憶カウンタおよび第2保留記憶カウンタがカウント可能な保留記憶数はいずれも4であったが、4以上であっても4以下であってもよい。また、第1保留記憶カウンタがカウント可能な保留記憶数と第2保留記憶カウンタがカウント可能な保留記憶数とが異なる値であってもよい。
また、上記の実施の形態では、無効始動入賞が発生したときでも、遊技制御用マイクロコンピュータ560が無効始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信することにより、無効始動入賞にもとづくダミーの保留記憶表示を表示させるように構成されていたが、無効始動入賞にもとづくダミーの保留記憶表示を表示させないようにし、有効始動入賞が発生した場合のみ保留記憶表示を表示させるように構成されていてもよい。
また、上記の実施の形態では、演出制御基板(サブ基板)80に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ100が、遊技制御基板(主基板)31に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドにもとづいて各種の演出装置(可変表示装置9、スピーカ27、ランプ・LED等)の制御を実行するように構成されていたが、複数の演出装置のうちの所定の演出装置の制御を実行する第1の演出制御用マイクロコンピュータを搭載した第1の演出制御基板と、複数の演出装置のうちの所定の演出装置以外の演出装置の制御を実行する第2の演出制御用マイクロコンピュータを搭載した第2の演出制御基板とに分けてもよい。この場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの制御コマンドは、第1の演出制御基板に搭載された第1の演出制御用マイクロコンピュータに送信された後、第1の演出制御用マイクロコンピュータから第2の演出制御基板に搭載された第2の演出制御用マイクロコンピュータに送信される。例えば、スピーカ27の音声出力制御およびランプ・LEDの点灯制御を行う音/ランプ制御用マイクロコンピュータを搭載した音/ランプ制御基板を第1の演出制御基板とし、可変表示装置9の表示制御を行う表示制御用マイクロコンピュータを搭載した表示制御基板を第2の演出制御基板とした場合は、遊技制御用マイクロコンピュータ560からの制御コマンドが、音/ランプ制御用マイクロコンピュータに送信され、音/ランプ制御用マイクロコンピュータから表示制御用マイクロコンピュータに送信される。このような構成において、第1の演出制御基板(第1の演出制御用マイクロコンピュータ)から第2の演出制御基板(第2の演出制御用マイクロコンピュータ)に送信される制御コマンドは、遊技制御基板(遊技制御用マイクロコンピュータ560)から第1の演出制御基板(第1の演出制御用マイクロコンピュータ)に送信される制御コマンドと同内容の制御コマンドであっても、遊技制御基板から第1の演出制御基板に送信される制御コマンドを第1の演出制御用マイクロコンピュータにおいて加工された制御コマンドであってもよい。
なお、上記の実施の形態のパチンコ遊技機は、主として、始動入賞にもとづいて可変表示部に可変表示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になるパチンコ遊技機や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続するパチンコ遊技機であっても、本発明を適用できる。さらに、遊技メダルを投入して賭け数を設定し遊技を行うスロット機や、遊技メダルではなく遊技球を投入して賭け数を設定し遊技を行う遊技機などにも本発明を適用できる。