JP2007259545A - 需給制御システムの系統周波数緊急補正方式 - Google Patents
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Abstract
【課題】大規模な発電機脱落・負荷脱落時に、系統周波数を確実、緊急に基準周波数に戻すことができる。
【解決手段】発電機の立地点および使用燃料の違いを含めた発電機の性質や特徴から予めいくつかの発電機グループG1〜G8に分類しておき、選定した発電機グループ内の発電機を出力調整対象として決定する。
揚水式発電所の揚水機の運転/停止および動力制御を出力配分処理に含める。系統周波数緊急補正に適合する処理手段に順位をもたせ、配分順位の高い処理が可能な発電機を優先して出力調整対象とする。同じ配分順位の複数の発電機については、異なる発電機グループから1台ずつ選定していく。
【選択図】図1
【解決手段】発電機の立地点および使用燃料の違いを含めた発電機の性質や特徴から予めいくつかの発電機グループG1〜G8に分類しておき、選定した発電機グループ内の発電機を出力調整対象として決定する。
揚水式発電所の揚水機の運転/停止および動力制御を出力配分処理に含める。系統周波数緊急補正に適合する処理手段に順位をもたせ、配分順位の高い処理が可能な発電機を優先して出力調整対象とする。同じ配分順位の複数の発電機については、異なる発電機グループから1台ずつ選定していく。
【選択図】図1
Description
本発明は、電力需要の変化に追従して発電所側の供給電力を制御する需給制御システムに係り、特に災害発生等により大規模な発電機脱落や負荷脱落があったときの系統周波数緊急補正制御に関する。
電力需要は、季節などの自然環境変化による長周期的な変化、および曜日/日時などの社会活動の変化による短周期的な変化を伴い、これら変化に追従して発電所側の供給電力を制御する需給制御が行われる。この需給制御システムは、中央給電指令所のコンピュータシステムを中枢部として構築され、例えば、非特許文献1に記載されるように、需要予測と各発電所の発電可能電力量および経済性などを考慮して需給運用計画を予め作成しておき、この計画をベースに当日の需給制御を行い、時々刻々変動する電力需要に対しては供給とバランスをとると共に、水力発電、火力発電、原子力発電、融通受電および他社受電などの供給電力を総合的に組み合わせて経済的に行う。
需給運用計画をベースにした当日の需給制御には、電力需要に対する供給のアンバランスが供給電力の周波数変動を起こし、これがモータ等を使った周波数に依存する機器に大きな影響を及ぼすため、負荷周波数制御(Load Frequency Contorol、またはAutomatic Frequency Contorol)でその安定化が図られる。また、当日の需給制御では、全体の経済性を追求しながら各供給電力を適正値に配分するための経済負荷配分制御(EDC)が行われる。
系統周波数変動は、周期数分までの微小変動分と、数分から10数分程度までの短周期変動分、および10数分以上の長周期変動分に分けられる。これら周波数変動のうち、微小変動分のうち20秒程度までのものは系統の負荷特性により吸収させる。そして、20秒以上の微小変動および短周期変動については周波数偏差、負荷変動量を検出して周波数調整発電所の発電機出力を変化させる負荷周波数制御により吸収する。なお、数分までの負荷変化に対しては、調速機特性を用いて発電機回転数を一定値に保持しようとするガバナフリー運転で個別に対処している。長周期変動については、1日の負荷曲線によって支配される変化の一部としてとらえ、経済負荷配分制御により対処している。
以上のような負荷周波数制御(系統周波数制御)は、発電所、送配電系統および負荷が健全運用されている場合の制御であり、これら制御機能に加えて、大地震等によって大規模な発電機脱落や負荷脱落などが起きた場合、電力需要と供給電力の大幅なアンバランスが一定時間以上継続し、大幅な周波数上昇または周波数低下が発生するおそれがある。この対策として、中央給電指令所の需給制御システムには、系統周波数を緊急に基準周波数に戻すことを目的とした機能(以下、系統周波数緊急補正機能という)が用意されている。
この系統周波数緊急補正機能は、従来から、出力変化速度が速い発電機を優先的に選択し、それらの発電機の出力調整を行うことにより、できるだけ速く系統周波数を基準周波数に戻すものとしている。ただし、事故発生を認識できた発電機に対しては、出力調整を行う対象から除外する。
また、発電機の選択手法として、特許文献1では、出力変化速度のほか、発電機の出力余力、発電機の運転コストを協調させて出力調整を行う対象となる発電機を決定するものとしている。ただし、出力調整処理方法は発電運転中の水力発電機および火力発電機の出力調整と水力発電機の並解列に限られている。
電気学会技術報告(II部)第302号「電力系統の需給制御技術」 特開2001−177992号公報
電気学会技術報告(II部)第302号「電力系統の需給制御技術」
大地震等による大規模な発電機脱落・負荷脱落などの発生では、ほぼ確実に系統周波数緊急補正機能が動作する。また、大地震発生時には、震源に近い地域のほとんどの発電機が制御不能になること、さらにLNGガス導管の故障発生でガス導管から燃料が供給されているすべての発電機が制御不能となることが考えられる。
このような災害発生状況下において、系統周波数緊急補正機能が動作し、運転中を認識している発電機のうち、出力変化速度、出力余力、運転コストのみから発電機を選定すると、立地点が互いに近傍で、LNGを使用燃料とする火力発電機が集中して出力調整対象発電機として選定されてしまう。この場合、大地震発生時やLNGガス導管故障時においては、出力調整対象に選定された発電機のほとんどが制御不能に陥っていて、系統周波数を基準周波数に迅速に戻すことができない状態が継続してしまうおそれがある。また、同様な現象は災害発生に起因しなくても、基幹系統に重大な故障が発生し、大規模な電源脱落または負荷脱落が発生する場合も同様である。
また、従来技術での出力調整処理では、発電運転中の水力発電機および火力発電機の出力調整と水力発電機の並解列に限られていたため、水力発電機の多くが運転停止状態にされ、火力発電機が出力低下させている夜間においては、出力調整可能な量が必要な調整量に満たないことがあり、系統周波数を基準周波数に迅速に戻すことができない状態が継続するおそれがある。
本発明の目的は、大規模な発電機脱落・負荷脱落時に、系統周波数を確実、緊急に基準周波数に戻すことができる需給制御システムの系統周波数緊急補正方式を提供することにある。
(1)本発明の第1は、系統周波数が大幅に上昇または低下したときに発電機の出力を調整して系統周波数を緊急補正する系統周波数緊急補正手段を備えた需給制御システムにおいて、
前記系統周波数緊急補正手段は、
出力調整対象として決定しておく発電機について、その発電機の立地点および使用燃料の違いを含めた発電機の性質や特徴から予めいくつかの発電機グループに分類しておくデータベースと、
前記発電機グループを選定し、この選定した発電機グループ内の発電機を出力調整対象として決定する処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
前記系統周波数緊急補正手段は、
出力調整対象として決定しておく発電機について、その発電機の立地点および使用燃料の違いを含めた発電機の性質や特徴から予めいくつかの発電機グループに分類しておくデータベースと、
前記発電機グループを選定し、この選定した発電機グループ内の発電機を出力調整対象として決定する処理手段とを備えたことを特徴とするものである。
(2)本発明の第2は、前記配分処理手段は、揚水式発電所の揚水機の運転/停止および動力制御を含めたことを特徴とするものである。
(3)本発明の第3は、前記配分処理手段は、系統周波数緊急補正に適合する処理手段を高い順位にした配分順位を決定しておき、高い配分順位の処理が可能な発電機を優先して出力調整対象として決定する手段を備えたことを特徴とするものである。
(4)本発明の第4は、前記配分順位別にそれに属する発電機の出力配分を行う配分処理手段を備えたことを特徴とするものである。
(5)本発明の第5は、前記配分処理手段は、1つの発電機グループに同じ配分順位になる発電機が複数台ある場合、異なる発電機グループから1台ずつ発電機を選定および出力配分していくことを特徴とするものである。
(6)本発明の第6は、前記配分処理手段は、前記配分順位別の系統周波数調整条件によって、当該配分順位に属する発電機による出力配分可否を区別する手段を備えたことを特徴とするものである。
以上のとおり、本発明によれば、大規模な発電機脱落・負荷脱落時に、系統周波数を確実、緊急に基準周波数に戻すことができる。
具体的には、系統周波数緊急補正時には、発電機の立地点や使用燃料の違い等により分類した発電機グループから出力調整対象発電機を選定するようにしたため、一部の地域の発電機のみを集中的に出力調整対象としたり、LNGを使用燃料とする火力発電機のみを出力調整対象とするようなことはなく、大地震発生時やLNGガス導管故障時にも、確実、高速に系統周波数を基準周波数に戻すことが可能となる。
また、揚水機の並解列や可変速揚水機の揚水動力調整についても系統周波数緊急補正機能における出力調整対象に含めるため、従来よりも迅速に系統周波数を基準周波数に戻すことが可能となる。
また、配分順位別に従い選定した発電機毎にその調整量を決定することで、配分順位の高い処理手段による出力調整を優先し、系統周波数緊急補正を確実にする。
また、発電機グループに同じ処理の対応が可能な発電機が複数台ある場合、当該発電機グループから1台の発電機を選択してその調整量を決定した後は次の発電機グループから同じ配分順位の発電機を選択および調整量決定をすることで、一部の発電機グループおよび発電機に出力調整量が偏ることなく、地震の震源地の違いによって特定の発電機グループの発電機が運転停止した場合などにも、他の発電機グループの発電機による系統周波数緊急補正が期待でき、その信頼性を高めることができる。
図1は、本発明の実施形態を示す需給制御システムの要部構成と発電設備系統図である。発電設備は、大きくには原子力発電所と水力発電所および火力発電所に分類され、各発電所は設置条件に適合した地域に分散配置され、各発電所の発電電力を単独でまたは連系可能にした送配電系統を経て地域毎の負荷群に電力を供給する。
中央給電指令所に設備される給電制御システムは、コンピュータ資源(CPU、メモリ、通信機器、データベースなど)を利用したソフトウェア情報処理で図1に示す機能ブロックで構成し、これら機能は需給制御システム1、監視システム2、需給計画システム3、運用計画システム4等になり、各システム間で必要な各種情報のネットワーク通信を可能としている。
このうち、需給制御システム1は、コンピュータ処理による自動需給制御機能1Aと、操作員による手動需給制御機能1Bと、コンピュータ処理による自動周波数制御機能1Cを備え、自動需給制御機能1Aには前記の系統周波数緊急補正機能1Dが設けられる。
本発明は、系統周波数緊急補正機能の動作時の出力調整対象発電機の選定と出力調整に関わるものであり、以下これらを詳細に説明する。
(1)発電機のグループ分け
この処理は、系統周波数緊急補正で出力調整対象として決定しておく発電機の全てについて、その性質や特徴から予めいくつかの発電機グループに分類しておき、データベース化しておく。
この処理は、系統周波数緊急補正で出力調整対象として決定しておく発電機の全てについて、その性質や特徴から予めいくつかの発電機グループに分類しておき、データベース化しておく。
このグループ分けには、前記のように、大地震発生時には、震源に近い地域のほとんどの発電機が制御不能になるおそれがあることから発電機の立地点を考慮したグループ分け、さらにLNGガス導管の故障発生時には、そのガス導管から燃料が供給されているすべての発電機が制御不能となることから使用燃料の違いを考慮したグループ分けを行う。
図1に示す発電設備系統では、原子力発電所および水力発電所の発電機は、自社発電機と電力融通を受ける他社発電機に分類する。また、火力発電所の発電機は、その使用燃料の違いによってLNG発電所またはそれ以外の燃料(重油、軽油)を使用した発電機に分類する。このうち、原子力発電所の発電機は、その発電計画に沿った一定の発電量に固定されるため、系統周波数緊急補正で出力調整対象とする発電機から除外する。
以上のことから、例えば、図1にグループG1〜G8で示すように、発電機の自社/他社の違いによる出力調整方式の違い、発電機の立地点の違いおよび使用燃料の違いを考慮して、以下の8グループに分類する。なお、各発電機グループは1台の発電機に限られるものでなく、複数台の発電機が含まれる。
(G1)自社水力発電機(立地点:西側方面)
(G2)自社水力発電機(立地点:東側方面)
(G3)他社水力発電機(立地点:西側方面)
(G4)他社水力発電機(立地点:東側方面)
(G5)火力発電機(燃料:LNG、立地点:東側方面)
(G6)火力発電機(燃料:LNG以外、立地点:東側方面)
(G7)火力発電機(燃料:LNG、立地点:西側方面)
(G8)火力発電機(燃料:LNG以外、立地点:東側方面)
このように、発電機の立地点や使用燃料の違いを含めて発電機をグループ分けしたデータベースを用意しておき、災害発生状況に応じて出力調整対象発電機を選定可能としておくことで、一部の地域の発電機のみを集中的に出力調整対象としてしまうことや、LNGを燃料とする火力発電機のみを出力調整対象としてしまうことを回避した出力調整を可能にする。
(G2)自社水力発電機(立地点:東側方面)
(G3)他社水力発電機(立地点:西側方面)
(G4)他社水力発電機(立地点:東側方面)
(G5)火力発電機(燃料:LNG、立地点:東側方面)
(G6)火力発電機(燃料:LNG以外、立地点:東側方面)
(G7)火力発電機(燃料:LNG、立地点:西側方面)
(G8)火力発電機(燃料:LNG以外、立地点:東側方面)
このように、発電機の立地点や使用燃料の違いを含めて発電機をグループ分けしたデータベースを用意しておき、災害発生状況に応じて出力調整対象発電機を選定可能としておくことで、一部の地域の発電機のみを集中的に出力調整対象としてしまうことや、LNGを燃料とする火力発電機のみを出力調整対象としてしまうことを回避した出力調整を可能にする。
(2)配分処理手段の拡張
従来技術では考慮されていない揚水式発電所の揚水機の運転/停止および動力制御を配分処理手段に含めることで、出力調整能力の向上を図る。揚水機に対する出力調整は、例えば以下のものとする。
従来技術では考慮されていない揚水式発電所の揚水機の運転/停止および動力制御を配分処理手段に含めることで、出力調整能力の向上を図る。揚水機に対する出力調整は、例えば以下のものとする。
・系統周波数低下時における可変速揚水機の揚水動力下げ
・系統周波数低下時における揚水運転中の揚水機解列
・系統周波数上昇時における待機中揚水機の追加並列
・系統周波数上昇時における可変速揚水機の揚水動力上げ
このように、揚水機の並解列や可変速揚水機の揚水動力についても系統周波数緊急補正機能における出力調整対象に含めておくことで、水力発電機の多くが運転停止状態にされ、火力発電機が出力低下させている夜間の災害発生にも、必要な出力調整量を確保可能にする。
・系統周波数低下時における揚水運転中の揚水機解列
・系統周波数上昇時における待機中揚水機の追加並列
・系統周波数上昇時における可変速揚水機の揚水動力上げ
このように、揚水機の並解列や可変速揚水機の揚水動力についても系統周波数緊急補正機能における出力調整対象に含めておくことで、水力発電機の多くが運転停止状態にされ、火力発電機が出力低下させている夜間の災害発生にも、必要な出力調整量を確保可能にする。
(3)出力調整対象発電機の選定
前記の「発電機のグループ分け」および「配分処理手段の拡張」を出力調整対象に含めた上で、系統周波数緊急補正時の出力調整対象発電機を選定する。出力調整対象発電機の選定は、例えば、前記のグループG1〜G8を出力調整対象発電機グループとし、また、系統周波数緊急補正に適合する処理手段に順位をもたせる。この処理手段の順位は、以下の説明では配分順位1〜Nと呼ぶ。
前記の「発電機のグループ分け」および「配分処理手段の拡張」を出力調整対象に含めた上で、系統周波数緊急補正時の出力調整対象発電機を選定する。出力調整対象発電機の選定は、例えば、前記のグループG1〜G8を出力調整対象発電機グループとし、また、系統周波数緊急補正に適合する処理手段に順位をもたせる。この処理手段の順位は、以下の説明では配分順位1〜Nと呼ぶ。
系統周波数緊急補正に適合する処理手段の順位は、系統周波数緊急補正時の時間帯、出力調整電力の変化速度および調整余力を基に選定する。例えば、地震が夜間に発生した場合、揚水式発電所で揚水機を運転しており、この揚水機を選定してその緊急停止制御をすることで高速に出力調整を可能にする。また、水力発電機は大きな出力調整能力をもち、しかも火力発電機に比して出力調整が速いため、この水力発電機の選定と出力調整で早期にかつ大電力の出力調整を可能にする。
なお、上記の出力調整対象発電機の選定に際して、「発電機のグループ分け」したデータを格納するデータベースの参照、および監視システム2で監視する各発電機の運転情報、揚水式発電機では揚水機の運転情報を参照する。
図2は、出力上げ調整処理(系統周波数の低下で発電出力を増加調整する処理)時の出力調整対象発電機の配分順位の例を示す。
(配分順位1)緊急揚水遮断指令…揚水式発電所で揚水運転中の揚水機を遮断して負荷を軽減する。
(配分順位2)可変速揚水機揚水動力下げ指令…揚水式発電所で運転中の可変速揚水機の揚水動力(ポンプ速度)を下げ、負荷を軽減する。
(配分順位3)水力発電機上げ指令…水力発電所の発電機の出力を上げ、出力調整電力を上げる。
(配分順位4)火力発電機上げ指令(設定時間内に変化可能な火力機)…運転中の火力発電機のうち、比較的速い出力変化が可能な発電機の出力を上げ、出力調整電力を上げる。
(配分順位5)揚水機解列指令…解列予定の近い揚水運転中の揚水機を停止させ、負荷を軽減する。
(配分順位6)揚水式水力発電機追加並列指令…停止中の水力発電機を並列し、出力調整電力を上げる。
(配分順位7)水力発電機上げ指令…追加並列で上げ調整可能となった水力発電機の出力を上げ、出力調整電力を上げる。
(配分順位8)火力発電機上げ指令(出力変化に設定時間以上要する火力発電機)…出力変化時間以内に変化可能な火力発電機以外の発電機の出力を上げ、出力調整電力を上げる。
図3は、出力下げ調整処理(系統周波数の上昇で発電出力を減少調整する処理)時の出力調整対象発電機の配分順位の例を示す。
(配分順位1)待機中揚水機の追加並列指令…運転予定時刻が近い揚水機(待機中揚水機)が存在する場合、この揚水機を運転予定時刻前でも運転し、負荷を増す。
(配分順位2)可変速揚水機揚水動力上げ指令…揚水式発電所で運転中の可変速揚水機の動力(ポンプ速度)を上げ、負荷を増す。
(配分順位3)水力発電機下げ指令…水力発電所の発電機の出力を下げ、負荷を増す。
(配分順位4)火力発電機下げ指令(設定時間内に変化可能な火力機)…運転中の火力発電機のうち、比較的速い出力変化が可能な発電機の出力を下げ、出力調整電力を下げる。
(配分順位5)揚水式水力発電機解列指令…水力発電機を解列し、出力調整電力を下げる。
(配分順位6)水力発電機下げ指令…配分順位5で解列を実施した水力発電所において、解列していない水力発電機の出力を下げ、出力調整電力を下げる。
(配分順位7)火力発電機下げ指令(出力変化に設定時間以上要する火力機)…出力変化時間以内に変化可能な火力発電機以外の発電機の出力を下げ、出力調整電力を下げる。
以上の出力調整対象発電機の配分順位は、図4に模式図を示すように、選定された発電機グループGx、Gy、Gzにそれぞれ複数の発電機が含まれ、これら発電機群から順位の高い順にグループ分けして配分順位を決定する。
例えば、配分順位1には、●印で示す配分順位1の処理が可能な発電機として、発電機グループGxの発電機X1,X2,X3と、グループGyの発電機Y1と、グループGzの発電機Z4が配分される。
この配分により、順位の高い配分処理が可能な発電機を優先して出力調整対象とすることで、系統周波数緊急補正を確実にする。
(4)出力調整対象発電機による出力配分処理
前記の配分順位別に発電機の出力配分処理を行う。この出力配分処理は、配分順位単位で当該配分順位の処理が可能な発電機毎に調整量を決定する。また、出力配分処理ごとに独自の系統周波数調整条件を付加することにより、出力配分可否の区別を可能とする。なお、出力配分処理に際して、配分順位とその周波数調整条件を格納したデータベースの参照、および監視システム2で監視する系統周波数情報を参照する。
前記の配分順位別に発電機の出力配分処理を行う。この出力配分処理は、配分順位単位で当該配分順位の処理が可能な発電機毎に調整量を決定する。また、出力配分処理ごとに独自の系統周波数調整条件を付加することにより、出力配分可否の区別を可能とする。なお、出力配分処理に際して、配分順位とその周波数調整条件を格納したデータベースの参照、および監視システム2で監視する系統周波数情報を参照する。
図5は、配分順位別にした発電機の出力配分処理フローを示し、図2または図3における各配分順位毎に以下の各ステップS1〜S8で配分処理を実行する。
(S1)当該配分順位(処理開始時は配分順位1となる)において、現在の系統周波数とその基準周波数(50Hzまたは60Hz)との偏差ΔFを算出し、この偏差ΔFが当該配分順位1の出力下げ調整条件ΔFL1よりも大きいか否か、および出力上げ調整条件−ΔFL2よりも大きいか否かをチェックする。
なお、条件ΔFL1、ΔFL2は当該配分順位の処理の実施可否判定条件として配分処理ごとに設定し、これとΔFとの大小比較によって配分順位1の処理の実施可否の区別を行う。出力配分不可の場合は次の配分順位2による配分処理(S8)に移行する。
(S2)上記の配分可否判定が成立の場合、現配分順位1に属する発電機グループの発電機による配分終了/未終了をチェックする。この対象となる発電機グループは、例えば図4における配分順位1に属する発電機X1、X2,X3をもつ発電機グループGxのうちの1台の発電機(例えば、X1)についての配分終了/未終了をチェックする。
(S3)上記のチェックで配分未終了の場合、次の発電機グループを選択する。この選択は、処理開始時では発電機グループGxの発電機が対象となる。
(S4)上記の選択された当該発電機グループ内で配分可能な発電機をデータベースから検索する。例えば、発電機グループGxの発電機のうち、配分順位1の処理が可能な発電機を検索する。
(S5)検索された当該発電機グループに配分可能な発電機があるか否かをチェックする。例えば、発電機グループGxから配分順位1に属する発電機があるか否かをチェックする。図4の場合、発電機X1,X2,X3が配分可能な発電機として抽出される。
(S6)配分可能な発電機がある場合、当該発電機の調整量を現運転情報を基にして決定する。例えば、発電機グループGxから配分順位1に属する発電機はX1,X2,X3があり、このうちから発電機X1を決定する。
この調整量決定後は再び配分終了チェック(S2)に戻り、配分未終了であれば次順位の発電機グループを選択し(S3)、以降の処理を繰り返す。例えば、発電機グループGxの発電機X1に対する調整量を決定した後、発電機グループGyを選択し(S3)、このうち配分順位1に属する発電機Y1を検索し(S4)、これによる調整量を決定する(S5,S6)。
したがって、同じ配分順位1に属する発電機が複数台の場合においても、当該発電機グループから1台の発電機の調整量決定後には次の発電機グループの1台の発電機の調整量を決定する。これにより、1つの発電機グループの発電機に偏った配分調整を避ける。
(S7)上記の配分可能な発電機がない場合(S5)、全発電機グループに配分可能な発電機がないか否かをチェックする。例えば、発電機グループGyになければ、次の発電機グループGzについて、処理S2移行の処理に戻る。全発電機グループに配分可能な発電機がなくなるまで繰り返す。
(S8)上記までの処理S7において全発電機グループに対する配分順位1に属して配分可能な発電機がない場合、または処理S1において周波数条件が成立しない場合、もしくは処理S2で当該配分順位での発電機に対する配分を終了したとき、次の配分処理に移る。例えば、配分順位1の発電機についての配分が終了したとき、次の配分順位2の発電機について処理S1〜S7を実行する。
したがって、各発電機グループに属する発電機から配分順位別にした発電機毎にその調整量を決定することで、配分順位の高い発電機による出力調整を優先し、系統周波数緊急補正を確実にする。
また、発電機グループに同じ配分処理の対応が可能な発電機が複数台ある場合、当該発電機グループから1台の発電機を選択してその調整量を決定した後は次の発電機グループから同じ配分順位の発電機を選択および調整量決定をすることで、一部の発電機グループに出力調整量が偏ることなく、地震の震源地の違いによって特定の発電機グループの発電機が運転停止した場合などにも、他の発電機グループの発電機による系統周波数緊急補正が期待でき、その信頼性を高めることができる。
1…需給制御システム
1A…自動需給制御機能
1B…手動需給制御機能
1C…自動周波数制御機能
1D…系統周波数緊急補正機能
2…監視システム
3…需給計画システム
4…運用計画システム
1A…自動需給制御機能
1B…手動需給制御機能
1C…自動周波数制御機能
1D…系統周波数緊急補正機能
2…監視システム
3…需給計画システム
4…運用計画システム
Claims (6)
- 系統周波数が大幅に上昇または低下したときに発電機の出力を調整して系統周波数を緊急補正する系統周波数緊急補正手段を備えた需給制御システムにおいて、
前記系統周波数緊急補正手段は、
出力調整対象として決定しておく発電機について、その発電機の立地点および使用燃料の違いを含めた発電機の性質や特徴から予めいくつかの発電機グループに分類しておくデータベースと、
前記発電機グループを選定し、この選定した発電機グループ内の発電機を出力調整対象として決定する処理手段とを備えたことを特徴とする需給制御システムの系統周波数緊急補正方式。 - 前記配分処理手段は、揚水式発電所の揚水機の運転/停止および動力制御を含めたことを特徴とする請求項1記載の需給制御システムの系統周波数緊急補正方式。
- 前記配分処理手段は、系統周波数緊急補正に適合する処理手段を高い順位にした配分順位を決定しておき、高い配分順位の処理が可能な発電機を優先して出力調整対象として決定する手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の需給制御システムの系統周波数緊急補正方式。
- 前記配分順位別にそれに属する発電機の出力配分を行う配分処理手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3記載の需給制御システムの系統周波数緊急補正方式。
- 前記配分処理手段は、1つの発電機グループに同じ配分順位になる発電機が複数台ある場合、異なる発電機グループから1台ずつ発電機を選定および出力配分していくことを特徴とする請求項1乃至4記載の需給制御システムの系統周波数緊急補正方式。
- 前記配分処理手段は、前記配分順位別の系統周波数調整条件によって、当該配分順位に属する発電機による出力配分可否を区別する手段を備えたことを特徴とする請求項4または5記載の需給制御システムの系統周波数緊急補正方式。
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