JP2007259176A - 電力線通信装置、電力線通信ネットワークシステム、及び電力線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】隣接ネットワークグループの運転状態に応じて送信ゲインを調整することができ、隣接ネットワークグループ間の干渉を回避しつつ、より高速な電力線通信を実現することができる電力線通信装置を提供する。
【解決手段】電力線9を信号伝送路として使用する電力線通信装置。この電力線通信装置の運転状態を監視する監視手段を備えており、電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と、前記運転状態及び前記他の電力線通信の運転状態について通信し得るように構成されている。
【選択図】 図1
【解決手段】電力線9を信号伝送路として使用する電力線通信装置。この電力線通信装置の運転状態を監視する監視手段を備えており、電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と、前記運転状態及び前記他の電力線通信の運転状態について通信し得るように構成されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は電力線通信装置、電力線通信ネットワークシステム、及び電力線通信方法に関する。
電力線通信(PLC:Power Line Communication)は、電力線を信号伝送路として通信を行う技術であり、例えば、特許文献1に記載されている。
図1は、電力線通信ネットワークシステムの一例を示している。外部のインターネットに接続された光ファイバ7は、光電気変換装置6に接続されている。光電気変換装置6には、信号線S1が接続され、この信号線S1には、例えば、WAN側であるADSL回線として集合住宅の各家庭A、B、Cに設けられたブロードバンドルータ50、50、…が接続されている。
光ファイバ7が光電気変換装置6を介さずに、直接、集合住宅の各家庭A、B、Cに設けられたブロードバンドルータ50、50、…に接続される場合もある。
光ファイバ7が光電気変換装置6を介さずに、直接、集合住宅の各家庭A、B、Cに設けられたブロードバンドルータ50、50、…に接続される場合もある。
ブロードバンドルータ50には、LAN側である信号線S2を通じて、親モデム(親機となる電力線通信装置)a1、b1、c1が接続されている。
変圧器5は、三相交流の中圧電圧(例えば、6kV)を配電する中圧配電線8を1次側に接続し、2次側には電力線9を接続して、中圧電圧を低電圧(例えば、200V)に変換する。電力線9は、分電盤(図示せず)等を介して、各家庭A、B、C内の宅内電力線9a、9b、9cに繋がっている。
各家庭では、宅内電力線9a、9b、9cに電源コンセント10、10、…が適宜設けられており、電源コンセント10には、親モデムa1、b1、c1、パーソナルコンピュータ4が接続された子モデム(子機となる電力線通信装置)a2、a3、b2、b3、c2、c3が接続されている。
各家庭A、B、Cにおける電力線通信ネットワーク(LAN)は、それぞれ別個のネットワークグループとして運用される。ただし、各家庭A、B、Cにおける電力線通信ネットワークグループで信号伝送路として使用される宅内電力線9a、9b、9cは、共通の電力線9に接続されている。
集合住宅の各住戸や一戸建ての近隣家屋等、変圧器の2次側の電力線9に複数の宅内電力線9a、9b、9cが接続されている場合、それぞれ独立して宅内で電力線通信を行おうとしても、共通する電力線(配電線)9を通じてお互いの信号が干渉し合うおそれがある。
すなわち、共通する電力線9を介して2以上の電力線通信ネットワークグループが構築されている場合、一方の宅内の電力線通信ネットワークグループ(LAN)内での通信信号は、共通の電力線9を介して、他方の宅内の電力線ネットワークグループ(LAN)に届いてノイズとなる。また、逆に、他方の宅内の電力線通信ネットワークグループ(LAN)内での通信信号も、一方の宅内の電力線ネットワークグループ(LAN)にとってノイズとなる。
したがって、共通する電力線を介して2以上の電力線通信ネットワークグループが構築されている場合、それぞれのネットワークグループ内の本来の電力線通信に用いられている信号のSN比が低下し、通信品質が劣化する。
そこで、電力線通信に際し、親モデムが、隣接するネットワークグループを検出すると、当該ネットワークグループ間でネゴシエーションを行い、互いのモデムの送信ゲインを抑制することによって、前記ネットワークグループ間のアイソレーションを確立することが考えられる。このアイソレーションが確立されると、隣接するネットワークグループが見えなくなる(隣接するネットワークからの信号のレベルが閾値よりも小さくなることから、自ネットワークの電力線通信装置の受信部が当該信号を‘信号’として認識しない)ので、このアイソレーション確立以降は隣接ネットワークグループとの干渉とは無関係に電力線通信を行うことができる。
しかしながら、親モデムは、一般に直交化周波数多重(OFDM:Orthogonal Frequency Domain Multiplex)とよばれる変調方式で変調を行っているが、このOFDMでは、送信ゲインが小さくなると、一般に通信速度が単独運転時に比べると小さくなることから、前述したように干渉回避のために送信ゲインを抑制すると通信速度が小さくなってしまう。
そして、一旦アイソレーションが確立されると、隣接するネットワークグループが見えなくなることから、例えば一方のネットワークグループが運転停止等により存在しなくなっても、抑制した送信ゲインを元の状態に戻すことができず、他方のネットワークグループは小さな通信速度のままで電力線通信を続けることになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、隣接ネットワークグループの運転状態に応じて送信ゲインを調整することができ、隣接ネットワークグループ間の干渉を回避しつつ、より高速な電力線通信を実現することができる電力線通信装置、電力線通信ネットワークシステム、及び電力線通信方法を提供することを目的としている。
本発明の電力線通信装置は、電力線を信号伝送路として使用する電力線通信装置であって、
この電力線通信装置の運転状態を監視する監視手段を備えており、
電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と、前記運転状態及び前記他の電力線通信装置の運転状態について通信し得るように構成されていることを特徴としている。
この電力線通信装置の運転状態を監視する監視手段を備えており、
電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と、前記運転状態及び前記他の電力線通信装置の運転状態について通信し得るように構成されていることを特徴としている。
本発明の電力線通信装置では、監視手段により当該電力線通信装置の運転状態(動作の有無、送信ゲインの値等)を監視しており、電力線通信で、通常、データ通信に使用する周波数帯域(以下、通常周波数帯域という。例えば、2〜30MHzの範囲の周波数帯域)とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と、前記運転状態及び前記他の電力線通信の運転状態について通信可能となっている。したがって、電力線通信の通信状態とは無関係に他の電力線通信装置の運転状態を取得することができる。そして、この取得した、他の電力線通信送信の運転状態に応じて送信ゲインを調整することで、具体的には、当該他の電力線通信装置が運転状態のときには送信ゲインを抑制し、一方、非運転状態のときには抑制した送信ゲインを元の状態に戻すことで、隣接ネットワークグループ間の干渉を回避しつつ、より高速な電力線通信を実現することができる。
他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置の運転状態に応じて、電力線通信の送信信号の送信ゲインを調整する送信ゲイン調整手段を備えることができる。この場合、送信ゲイン調整手段により、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置の運転状態に応じて電力線通信の送信信号の送信ゲインを調整することができ、隣接ネットワークグループ間の干渉を回避しつつ、より高速な電力線通信を実現することができる。
また、本発明の電力線通信ネットワークシステムは、複数の電力線通信ネットワークグループを含む電力線通信ネットワークシステムであって、
前記複数の電力線ネットワークグループの電力線通信装置は、それぞれ当該電力線通信装置の運転状態を監視する監視手段を備えており、
各電力線通信装置は、電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と、前記運転状態及び前記他の電力線通信の運転状態について通信し得るように構成されていることを特徴としている。
前記複数の電力線ネットワークグループの電力線通信装置は、それぞれ当該電力線通信装置の運転状態を監視する監視手段を備えており、
各電力線通信装置は、電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と、前記運転状態及び前記他の電力線通信の運転状態について通信し得るように構成されていることを特徴としている。
本発明の電力線通信ネットワークシステムでは、監視手段により当該電力線通信装置の運転状態(動作の有無、送信ゲインの値等)を監視しており、電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と、前記運転状態及び前記他の電力線通信の運転状態について通信可能となっている。したがって、電力線通信の通信状態とは無関係に他の電力線通信装置の運転状態を取得することができる。そして、この取得した、他の電力線通信送信の運転状態に応じて送信ゲインを調整することで、具体的には、当該他の電力線通信装置が運転状態のときに送信ゲインを抑制し、一方、非運転状態のときには抑制した送信ゲインを元の状態に戻すことで、隣接ネットワークグループ間の干渉を回避しつつ、より高速な電力線通信を実現することができる。
他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置の運転状態に応じて、自ネットワークグループの電力線通信の送信信号の送信ゲインを調整する送信ゲイン調整手段を備えることができる。この場合、送信ゲイン調整手段により、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置の運転状態に応じて電力線通信の送信信号の送信ゲインを調整することができ、隣接ネットワークグループ間の干渉を回避しつつ、より高速な電力線通信を実現することができる。
さらに、本発明の電力線通信方法は、複数の電力線通信ネットワークグループが存在する場合の電力線通信方法であって、
前記複数の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置の運転状態を監視するとともに、電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と前記運転状態について通信することを特徴としている。
前記複数の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置の運転状態を監視するとともに、電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と前記運転状態について通信することを特徴としている。
本発明の電力線通信方法では、複数の電力線通信装置の運転状態(動作の有無、送信ゲインの値等)を監視しており、電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と、前記運転状態について通信する。したがって、電力線通信の通信状態とは無関係に他の電力線通信装置の運転状態を取得することができる。そして、この取得した、他の電力線通信送信の運転状態に応じて送信ゲインを調整することで、具体的には、当該他の電力線通信装置が運転状態のときに送信ゲインを抑制し、一方、非運転状態のときには抑制した送信ゲインを元の状態に戻すことで、隣接ネットワークグループ間の干渉を回避しつつ、より高速な電力線通信を実現することができる。
他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置の運転状態に応じて、自ネットワークグループの電力線通信の送信信号の送信ゲインを調整することができる。この場合、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置の運転状態に応じて電力線通信の送信信号の送信ゲインを調整することで、隣接ネットワークグループ間の干渉を回避しつつ、より高速な電力線通信を実現することができる。
本発明の電力線通信装置、電力線通信ネットワークシステム、及び電力線通信方法によれば、隣接ネットワークグループ間の干渉を回避しつつ、より高速な電力線通信を実現することができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の電力線通信装置、電力線通信ネットワークシステム、及び電力線通信方法の実施の形態について説明をする。
先に説明したように、図1は、複数の電力線通信ネットワークグループが共通の電力線9に接続された電力線通信ネットワークシステムを示している。なお、図1に関する既述の説明は、本実施の形態においても当てはまるものであることから、重複する説明は省略する。
以下の説明では、図1の家庭Aに構築された電力線通信ネットワークグループ(PLC−LAN)をネットワークグループAといい、図1の家庭Bに構築された電力線通信ネットワークグループ(PLC−LAN)をネットワークグループBといい、図1の家庭Cに構築された電力線通信ネットワークグループ(PLC−LAN)をネットワークグループCという。
各ネットワークグループA、B、Cは、それぞれ宅内の電力線9a、9b、9cを信号伝送路として電力線通信を行うよう構築されている。なお、各宅内電力線9a、9b、9cは共通の電力線9から分岐したものである。
本来の電力線通信は、各ネットワークグループA、B、C内で別個に行われるものであるが、あるネットワークグループにおける通信信号は、共通の電力線9を介して、他のネットワークグループにも届くことができる。
各ネットワークグループA、B、Cには、それぞれ、1又は複数のモデム(電力線通信装置)a1、a2、a3、b1、b2、b3、c1、c2、c3が設けられている。
各ネットワークグループ内において、いずれか1つのモデムa1、b1、c1は、自ネットワーク内の通信を統括制御する親モデム(マスタ)として機能し、他のモデムa2、a3、b2、b3、c2、c3は子モデム(スレーブ)として機能する。
また、異なるネットワークグループA、B、C間での通信を実現するため、複数のネットワークグループA、B、Cの親モデム(マスタ)のうちの1つのモデムが、複数ネットワークグループA、B、C全体の通信を統括制御するグループ間親モデム(マスタのマスタ;管理モデム)として機能する。
通常、グループ間親モデムは、他のネットワークグループに対する通信品質が良好になり易いネットワークグループの親モデムが選択される。例えば、図1の場合、ネットワークグループBは、ネットワークグループAに対してもネットワークグループCに対しても近いため、ネットワークグループBの親モデムb1をグループ間親モデムとして機能させるのが好適である。
それぞれのネットワークグループA、B、Cの区別のため、各グループには、グループを識別するためのグループ名としてSSID(Service Set Identifier)が付与されている。また、個々のモデムの識別には、各モデムに付与されたMACアドレスが用いられる。
SSID及びMACアドレスは、モデム間の通信データ(パケット)に付加されて送受信が行われる。したがって、モデムは、信号を受信した際に、受信データに含まれるSSIDを認識することで、自ネットワークグループのモデムからの信号であるか、それとも他のネットワークグループからの信号であるかを判定することができる。
また、モデムは、信号を受信した際に、受信データに含まれる送信元MACアドレスを認識することで、送信元を特定することができる。
前記親及び子モデムは、所定の電力線通信用の周波数帯域(例えば、2〜30MHzの範囲の周波数帯域)において複数のキャリア(搬送波)を用いる周波数多重方式によって通信を行うものである。具体的には、モデムは、直交化周波数多重(OFDM:Orthogonal Frequency Domain Multiplex)とよばれる変調方式で変調を行う。
また、各ネットワークグループのモデムは、いずれも同じ周波数帯域(例えば、2〜30MHzの範囲の周波数帯域)又は互いに重複する周波数帯域を使用して通信するため、自グループ内の通信信号が他のグループまで届くと、他のグループのモデムはその信号を受信してしまい、当該他のグループ本来の通信信号に対して干渉するノイズとなる。
本発明の特徴は、このような干渉を回避するためにモデムから送信される信号の送信ゲインを抑制するに際し、当該モデムの運転状態(動作の有無、送信ゲインの値等)を監視し、電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、共通の電力線に接続された他のネットワークグループのモデムと、前記運転状態について通信できるように構成したことである。具体的に、本実施の形態に係る親モデム(電力線通信装置)a1(b1、c1)は、図2に示されるように、信号を電力線に送信するための第1送信部21及び第2送信部23、電力線から信号を受信するための第1受信部22及び第2受信部24を備え、さらに、モデムの送受信等を制御する制御部25を備えている。
前記第1送信部21及び第1受信部22は電力線通信用の送受信部であり、例えば2〜30MHzの範囲の周波数帯域を使用して通信され、一方、前記第2送信部23及び第2受信部24は、モデムの運転状態を通信するために送受信部であり、前記電力線通信用の通常周波数帯域とは異なる、例えば10〜450kHzの範囲の周波数帯域を使用して通信される。
前記制御部25は、親モデムa1の運転状態を監視する監視手段としての機能を備えており、この監視手段により監視された当該親モデムa1の運転状態が、前記第2送信部23及び第2受信部24を用いて、他の親モデムb1、c1との間で通信される。
前記制御部25は、また、第2受信部24を介して取得した、共通の電力線に接続された他のネットワークグループの親モデムの運転状態に応じて、電力線通信の送信信号の送信ゲインを調整する送信ゲイン調整手段としての機能も備えている。そして、他の親モデムが運転状態のときには送信ゲインを抑制し、一方、非運転状態のときには抑制した送信ゲインを元の状態に戻す。これにより、必要なときにだけ送信ゲインを抑制して、隣接ネットワークグループ間の干渉を回避しつつ、より高速な電力線通信を実現することができる。
前述した送信ゲインの抑制及びその復帰は、例えば、次のようにして行うことができる。図1の電力線通信ネットワークシステムにおいて、ネットワークグループB及びCが既に稼動しており、ネットワークグループAが通信を開始する場合を想定する。
なお、ネットワークグループを超えた通信は、既述のように、グループ間親モデム(例えば、グループBの親モデムb1)が制御する。また、以下の処理の際には、自グループ内通信とグループ間通信とが干渉しないように、例えば、自グループ内通信とグループ間通信とは時分割方式で行われる。
まず、グループAのモデムa1の制御部25は、他のグループB、Cのモデムとの通信を確立するためのネゴシエーション処理を行う。電力線通信に用いられる周波数帯域のうち一部の周波数帯域だけでも使用可能であれば、その周波数帯域(キャリア)を用いて通信確立が行われる。
両モデムの通信が確立する際には、モデムa1からモデムb1には、送信元グループAを特定するデータとしてSSID及び送信元モデムa1を特定するデータとしてMACアドレスが通知される。これらのデータによって、モデムb1は、試験信号の送信元グループA及び送信元モデムa1を認識することができる。
両モデムa1、b1の通信が確立すると、モデムb1の制御部25は、モデムa1から通知されたSSIDを調べて、自グループではなく他のネットワークグループAから送信された信号であることを認識する。
また、グループAのモデムa1と他のグループBのモデムb1との通信が確立すると、モデムa1の制御部25は、図3に示されるような信号Ds(通信に用いる全周波数帯域で信号レベルが同一の信号)を試験信号として第1送信部21から電力線9aに送信させる。
この試験信号Dsは、電力線9a、9、9bを介して、グループBのモデムb1へ届く。ただし、試験信号Dsは、図3に示されるような減衰した信号Drとしてモデムb1へ届く。信号Drは、モデムb1において受信可能なレベルである閾値Lを超えたレベルをもっている。
続いて、モデムb1の制御部25は、干渉信号Drが閾値Lを超えたレベルをもつか否かを検出するとともに、当該しきい値Lを超えた量L1を検出する。
モデムb1の制御部25は、干渉信号の検出結果として、前記閾値Lを超えた量L1を、グループAのモデムa1に通知するべく、モデムb1の第1送信部21から、モデムa1宛に当該検出結果を送信する。
モデムb1の制御部25は、干渉信号の検出結果として、前記閾値Lを超えた量L1を、グループAのモデムa1に通知するべく、モデムb1の第1送信部21から、モデムa1宛に当該検出結果を送信する。
以上の処理は、モデムa1とモデムb1との間だけではなく、モデムa1とグループBの他のモデムb2、b3及びグループCのモデムc1、c2、c3との間でも行われる。
そして、モデムa1は、モデムb1及び他グループB、Cのその他のモデムから検出結果を受け取り、その検出結果を記憶する。そして、モデムa1は、自ネットワークグループA内での本来の通信を行う際には、送信信号の信号レベルをL1に応じて下げる、すなわち抑制する。送信信号のレベル低下の度合いは、干渉量L1と同じでもよいし、干渉量L1よりも低下度合いを大きくしてもよい。
以上の処理によって、モデムa1の出力信号レベルの調整(抑制)処理が完了する。続いて又はモデムa1の処理と並行して、グループAの他のモデムa2、a3についても、出力信号レベルの調整処理が同様にして行われる。グループA内のすべてのモデムa1、a2、a3について出力信号レベルの調整が完了すると、グループA内で通信を行っても、他のグループB、C内の通信に干渉しなくなる。
また、グループB、Cの各モデムb1、b2、b3、c1、c2、c3についても、グループAのモデムa1、a2、a3に対して干渉しないように、前記と同様の処理によって出力信号レベルが調整される。
そして、出力信号レベル(送信ゲイン)の調整が完了し、電力線通信が開始されると、モデムa1、b1、c1は、電力線通信の通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、互いの運転状態を第2送信部23及び第2受信部24を介して通信し合う。
そして、例えばネットワークグループBが非運転状態になると、他のネットワークグループA、Cのモデムは、当該ネットワークグループBへの干渉を考慮することなく、グループA、C間で干渉しないように、前記と同様にして出力信号レベルが調整される。また、ネットワークグループB、Cが非運転状態になると、ネットワークグループAのモデムの送信ゲインは、干渉回避のために抑制する必要がなくなることから、元のレベルに戻される。
なお、隣接するネットワークのモデムのベンダーが、互いに異なる場合であっても、親モデム間における制御信号の規格が統一されておれば、本発明を適用して隣接ネットワーク間の干渉を回避することができる。
また、本発明は、複数の電力線通信ネットワークグループが共通の電力線に接続されている場合に特に有効であるが、かかる場合に限定されるものではなく、共通の電力線に接続されていなくてもネットワークグループ間で干渉が起こる場合にも有用である。
また、本発明は、複数の電力線通信ネットワークグループが共通の電力線に接続されている場合に特に有効であるが、かかる場合に限定されるものではなく、共通の電力線に接続されていなくてもネットワークグループ間で干渉が起こる場合にも有用である。
7 光ファイバ
9 電力線
9a、9b、
9c 宅内電力線
10 電源コンセント
21 第1送信部
22 第1受信部
23 第2送信部
24 第2受信部
25 制御部
A、B、
C ネットワークグループ
a1、b1、
c1 親モデム(電力線通信装置)
a2、b2、
c2、a3、
b3、c3 子モデム(電力線通信装置)
9 電力線
9a、9b、
9c 宅内電力線
10 電源コンセント
21 第1送信部
22 第1受信部
23 第2送信部
24 第2受信部
25 制御部
A、B、
C ネットワークグループ
a1、b1、
c1 親モデム(電力線通信装置)
a2、b2、
c2、a3、
b3、c3 子モデム(電力線通信装置)
Claims (4)
- 電力線を信号伝送路として使用する電力線通信装置であって、
この電力線通信装置の運転状態を監視する監視手段を備えており、
電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と、前記運転状態及び前記他の電力線通信装置の運転状態について通信し得るように構成されていることを特徴とする電力線通信装置。 - 他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置の運転状態に応じて、電力線通信の送信信号の送信ゲインを調整する送信ゲイン調整手段を備えている請求項1に記載の電力線通信装置。
- 複数の電力線通信ネットワークグループを含む電力線通信ネットワークシステムであって、
前記複数の電力線ネットワークグループの電力線通信装置は、それぞれ当該電力線通信装置の運転状態を監視する監視手段を備えており、
各電力線通信装置は、電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と、前記運転状態及び前記他の電力線通信の運転状態について通信し得るように構成されていることを特徴とする電力線通信ネットワークシステム。 - 複数の電力線通信ネットワークグループが存在する場合の電力線通信方法であって、
前記複数の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置の運転状態を監視するとともに、電力線通信で使用する通常周波数帯域とは異なる周波数帯域を利用して、他の電力線通信ネットワークグループの電力線通信装置と前記運転状態について通信することを特徴とする電力線通信方法。
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