JP2007257940A - エレクトロルミネッセンス素子の製造方法およびエレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 これまで、ガラス基板上にフィルム基材の感光性樹脂凸版を印刷版とした凸版印刷法によりパターニングを行うと、凸版の伸縮によりパターンずれが生じていた。そこで、本発明は、凸版印刷法を用いるにも関らず、パターンずれを抑制し、高精細にパターン形成できるようにすることを目的とする。
【解決手段】 フィルム基板1上にパターン状の第一電極2と、発光層5と、第二電極6とをこの順で具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、有機発光材料を有機溶剤に溶解または分散させた有機エレクトロルミネッセンスインキを用い、フィルム基材上に水現像タイプの感光性樹脂層から形成したパターンを備えた樹脂凸版を印刷版とした凸版印刷法により、該発光層5を前記第一電極2の上方に形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】 フィルム基板1上にパターン状の第一電極2と、発光層5と、第二電極6とをこの順で具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、有機発光材料を有機溶剤に溶解または分散させた有機エレクトロルミネッセンスインキを用い、フィルム基材上に水現像タイプの感光性樹脂層から形成したパターンを備えた樹脂凸版を印刷版とした凸版印刷法により、該発光層5を前記第一電極2の上方に形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、有機発光層が高分子材料からなるエレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に関し、特にフィルム基板に発光層を印刷法によって形成するエレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に関する。
エレクトロルミネッセンス素子は、ふたつの対向する電極の間に有機発光材料を含む発光層が形成され、発光層に電流を流すことで発光させるものであるが、効率よく発光させるには発光層の膜厚が重要であり、100nm程度の薄膜にする必要がある。さらに、これをディスプレイ化するには高精細にパターニングする必要がある。
前記発光層を形成する有機発光材料には、低分子材料と高分子材料があり、一般に低分子材料は抵抗加熱蒸着法等により薄膜形成する。この薄膜形成時では、被蒸着基板上に微細パターンのマスクを載置してパターニングするが、この方法では基板が大型化すればするほどパターニング精度が出難いという問題がある。
そこで、最近では有機発光材料として高分子材料を用いたり、低分子発光材料と高分子材料を混合したりして、有機発光材料を溶剤に分散、または溶解させて塗工液にし、これをウェットコーティング法で薄膜形成する方法が試みられるようになってきている。薄膜形成するためのウェットコーティング法としては、スピンコート法、バーコート法、突出コート法、ディップコート法等があるが、高精細にパターニングしたりRGB3色に塗り分けしたりするためには、これらのウェットコーティング法では難しく、塗り分け・パターニングを得意とする印刷法による薄膜形成が最も有効であると考えられる。
さらに、各種印刷法のなかでも、被印刷基板としてガラス等を用いるエレクトロルミネッセンス素子では、基板のキズや応力集中によるゆがみが好ましくないことから、グラビア印刷法等のように金属製の印刷版等の硬い版を用いる方法は不向きであり、弾性を有するゴムブランケットを用いるオフセット印刷法や、同じく弾性を有するゴム版や樹脂版を用いる凸版印刷法が適正である。実際にこれらの印刷法による試みとして、オフセット印刷法による方法(特許文献1参照)や、凸版印刷法による方法(特許文献2参照)などが提案されている。
一方、高分子材料、特に高分子発光材料は、水、アルコール系の溶剤に対する溶解性が悪く、塗工液(以下インキと記す)化するには、有機溶剤を用いて溶解、または分散させる必要があり、中でも、トルエンやキシレン、その他の有機溶剤が好適である。したがって、有機発光材料をインキ化したもの(以下エレクトロルミネッセンスインキと記す)は有機溶剤のインキとなっている。
ところが、オフセット印刷に用いるゴムブランケットはトルエンやキシレン有機溶剤によって膨潤や変形を起こしやすいという問題がある。オフセット印刷は、画線が形成されている版にインキを付け、そのインキを弾性のブランケットに転移させ、さらにブランケットから被印刷基板にインキを転写することで印刷する方式であるが、インキの転移を仲介するブランケットは弾性をもつことが要求され、一般にゴム製のものが使われる。使用されるゴムの種類はオレフィン系のゴムからシリコーン系のゴムまで多様であるが、いずれのゴムもトルエン、キシレンその他の溶剤に対して耐性がなく、膨潤や変形が起こりやすく、よってエレクトロルミネッセンスインキの印刷には不適切である。
そこで、エレクトロルミネッセンスインキの溶剤であるトルエン、キシレン、その他の有機溶媒に対する耐性の高い水現像タイプの感光性樹脂版を用いる樹脂凸版印刷がエレクトロルミネッセンスインキの印刷に最適な印刷方式といえる。水現像タイプの感光性の樹脂凸版とは、未硬化状態では水に対する溶解性が高く、硬化後には不溶化する光硬化性の感光性樹脂材料から成り、画線部にのみ光が透過するマスクを利用して感光性樹脂を露光し画線部を硬化させ、未硬化部分を水で洗い流すことで凸版を形成する版である。
版材の構成は、基材の上に感光性樹脂を積層した構成となっており、版材は円筒状のシリンダーに巻き付けて用いることから、基材としてはフレキシブル性のあるプラスチックシートを用いるのが一般的である。
前述したように、エレクトロルミネッセンスインキの印刷においては、水現像タイプの感光性樹脂からなる樹脂凸版を用いた印刷が適する。この感光性樹脂は親水性のポリマー、架橋性モノマー及び光開始剤を主成分とし、露光した部分でポリマー及びモノマーの架橋が進んで硬化するが、露光、現像を終えた後も、自然光や室内光等で多少は未架橋部分の架橋が進むと考えられ、よって経時で徐々に収縮する傾向が見られる。また親水性ポリマーを含んでいることから、環境湿度の影響でも多少の寸法変化が起こり得るし、当然環境温度によっても寸法変化する。
感光性樹脂版は、基材の上に感光性樹脂を積層した構成になっており、樹脂部分の寸法変動は基材の剛性や疎水性、熱膨張率等である程度抑えることができるが、円筒状の印刷シリンダーへの取り付けの容易性からフレキシブル性のあるポリエチレンテレフタレートシートを基材として用いたものが一般的である。
これまで、ガラス基板上にフィルム基材の感光性樹脂凸版を印刷版とした凸版印刷法によりパターニングを行うと、凸版の伸縮によりパターンずれが生じていた。そこで本発明の目的は、凸版印刷法を用いるにも関らず、パターンずれを抑制し、高精細にパターン形成が可能となるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法および該製造方法により製造されたエレクトロルミネッセンス素子を提供することにある。
上記目的を達成するために、エレクトロルミネッセンスインキを用いて、凸版印刷法により被印刷基板とのパターンずれが少なく、エレクトロルミネッセンス素子を製造する上で要求される寸法精度を満たすために、次のような手段が有効であることを見出した。
本発明の請求項1に係る発明は、フィルム基板上にパターン状の第一電極と、発光層と、第二電極とをこの順で具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、有機発光材料を有機溶剤に溶解または分散させた有機エレクトロルミネッセンスインキを用い、フィルム基材上に水現像タイプの感光性樹脂層から形成したパターンを備えた樹脂凸版を印刷版とした凸版印刷法により、該発光層を前記第一電極の上方に形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
請求項2に係る発明は、前記樹脂凸版の非凸部に相当するレリーフ部の底部の前記感光性樹脂層が、製版の現像工程で全て取り除かれ、下地の前記フィルム基材表面が露出している状態であり、前記樹脂凸版の凸部の前記感光性樹脂層が分断されかつそれぞれ独立している凸版により、前記発光層を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
請求項3に係る発明は、前記樹脂凸版を構成するフィルム基材が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するフィルム基板と同じ素材であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
請求項4に係る発明は、前記樹脂凸版を構成するフィルム基材と前記有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するフィルム基板が、湿度変化率0.0015%以下のフィルムからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
請求項5に係る発明は、前記樹脂凸版を構成するフィルム基材と前記有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するフィルム基板が、温度変化率0.001%以下のフィルムからなることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
請求項6に係る発明は、少なくともフィルム基板と、該フィルム基板に支持されたパターン状の第一電極と、発光層と、第二の電極とをこの順で具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機エレクトロルミネッセンス素子が、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子である。
本発明によれば、凸版印刷法を用いるにも関らず、パターンずれを抑制し、高精細にパターン形成が可能となるエレクトロルミネッセンス素子の製造方法および該製造方法により製造されたエレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。とくに好適な形態において、本発明のエレクトロルミネッセンス素子では、素子基板にフィルムを用いており、そのフィルム基板と同じ素材のフィルム基材からなる樹脂凸版を用いたことにより、印刷した発光層の位置ずれによる混色発光などが生じず、またパネル化して発光状態を観察しても混色等は生じない。
本発明の好適な実施の形態を、パッシブマトリックスタイプのエレクトロルミネッセンス素子を作成する場合を事例に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではなく、例えば基板上に薄膜トランジスタを備えた、例えば各画素電極に対応して駆動回路を設けた、いわゆるアクティブマトリクス型のエレクトロルミネッセンス素子の製造も同様に行うことができる。
図1は、本発明におけるエレクトロルミネッセンス素子の一実施例の側断面図である。
本発明におけるエレクトロルミネッセンス素子は、フィルム基板1上に第一電極の画素電極2を形成し、該画素電極を囲むように絶縁層3を形成し、画素電極2上に正孔輸送層4を形成し、正孔輸送層4上に有機発光層5を形成した後、絶縁層3から有機発光層5までの全面に第二電極の陰極層6を形成し、フィルム封止基材7の端部とフィルム基板1を接着剤8を介して封止した構成である。
本発明におけるエレクトロルミネッセンス素子は、フィルム基板1上に第一電極の画素電極2を形成し、該画素電極を囲むように絶縁層3を形成し、画素電極2上に正孔輸送層4を形成し、正孔輸送層4上に有機発光層5を形成した後、絶縁層3から有機発光層5までの全面に第二電極の陰極層6を形成し、フィルム封止基材7の端部とフィルム基板1を接着剤8を介して封止した構成である。
このように、本発明のエレクトロルミネッセンス素子は、少なくともフィルム基板と、当該フィルム基板に支持されたパターン状の第一電極と、発光層と、第二の電極を具備する。さらに、発光層を、外部の酸素や水分の浸入から保護するパッシベーション層や外部応力から保護する保護層、あるいはその両方の機能備えた封止基材を備えてもよく、エレクトロルミネッセンス素子の具備する発光層を画像、又は文字パターン状に形成発光可能な駆動回路を有するものであってもよい。
図1を用いてパッシブマトリックス型のエレクトロルミネッセンス素子の製造方法を説明する。
エレクトロルミネッセンス素子は、フィルム基板1の上に形成される。このフィルム基板1は、水蒸気バリア性、酸素バリア性を示すのがよい。酸化ケイ素といった金属酸化物、窒化ケイ素といった酸化窒化物、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、エチレン-酢酸ビニル共重合体鹸化物からなるバリア層が必要に応じて設けられる。
フィルム基板1としては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等がある。
フィルム基板1としては例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート等がある。
最初に、フィルム基板1の上には、当該基板に支持された第一電極として陽極であるパターニングされた画素電極(陽極、第一電極)2を形成する。画素電極の材料としては、ITO(インジウムスズ複合酸化物)、IZO(インジウム亜鉛複合酸化物)、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、亜鉛アルミニウム複合酸化物等の透明電極材料が使用できる。なお、低抵抗であること、溶剤耐性があること、透明性が高いことなどからITOが好ましい。ITOはスパッタ法によりガラス基板上に形成され、フォトリソ法によりパターニングされてライン状の画素電極となる。
次いで、ライン状の画素電極2を形成後、隣接する画素電極2の間には、感光性材料を用いてフォトリソ法により絶縁層3を形成する。
次いで、絶縁層3形成後に、画素電極2上に正孔輸送層4を形成する。正孔輸送層4を形成する正孔輸送材料としては、ポリアニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリビニルカルバゾール(PVK)誘導体、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等が挙げられる。これらの材料は溶媒に溶解、または分散させて正孔輸送材料インキとし、スピンコート法やダイコート法を用いて、画素電極2および絶縁層3が形成されたフィルム基板1に全面塗布して正孔輸送層を形成することもでき、また凸版印刷法を用いて、画素電極パターンに合わせてパターン形成することもできる。
次いで、正孔輸送層4を形成後に、有機発光層5を形成する。有機発光層を形成する有機発光材料は、例えばクマリン系、ペリレン系、ピラン系、アンスロン系、ポルフィレン系、キナクドリン系、N,N’-ジアルキル置換キナクドリン系、ナフタルイミド系、N,N’-ジアリール置換ピロロピロール系、イリジウム錯体系等の発光性色素を、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルカルバゾール等の高分子中に分散させたものや、ポリアリーレン系、ポリアリーレンビニレン系やポリオレフィン系の高分子材料が挙げられる。
これらの有機発光材料は、溶媒に溶解、または分散させてエレクトロルミネッセンスインキとなる。有機発光材料を溶解、または分散させる溶媒としては、トルエン、キシレン、アセトン、アニソール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等の単独またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でもトルエン、キシレン、アニソールといった芳香族有機溶媒が有機発光材料の溶解性の面から好適である。
前記有機発光層の形成方法は、本発明による水現像タイプの樹脂凸版を用いて凸版印刷法で行う。本発明における樹脂凸版を構成する水現像タイプの感光性樹脂としては、例えば親水性のポリマーと不飽和結合を含むモノマー、いわゆる架橋性モノマー、及び光重合開始剤を構成要素とするタイプが挙げられる。このタイプでは、親水性ポリマーとしてポリアミド、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体等が用いられる。また、架橋性モノマーとしては、例えばビニル結合を有するメタクリレート類が挙げられ、光重合開始剤としては例えば芳香族カルボニル化合物が挙げられる。中でも、印刷適正の面からポリアミド系の水現像タイプの感光性樹脂が好適である。
この場合、樹脂凸版の非凸部に相当するレリーフ部の底部の前記感光性樹脂層が、製版の現像工程で全て取り除かれ、下地の前記フィルム基材表面が露出している状態であり、樹脂凸版の凸部の前記感光性樹脂層が分断されかつそれぞれ独立している凸版により、発光層を形成することが望ましい。これにより、フィルム基材上の水現像タイプの感光性樹脂層からなるパターンはそれぞれ独立している。パターンが独立していることで、各々のパターンで伸縮することに留まり、版全体の伸縮には影響を抑えることができるからである。
有機発光層の形成に用いる印刷機は、平板の被印刷基板に印刷する方式の凸版印刷機であれば使用可能であるが、以下に示すような印刷機が望ましい。
図2に印刷機の概略図を示した。本製造装置は、インキタンク10とインキチャンバー12とアニロックスロール14と樹脂凸版16を取り付けした版胴18を有している。インキタンク10には、溶剤で希釈されたエレクトロルミネッセンスインキが収容されており、インキチャンバー12にはインキタンク10よりエレクトロルミネッセンスインキが送り込まれるようになっている。アニロックスロール14は、インキチャンバー12のインキ供給部及び版胴18に接して回転するようになっている。
アニロックスロール14の回転にともない、インキチャンバーから供給されたエレクトロルミネッセンスインキ14aは、アニロクスロール表面に均一に保持されたあと、版胴18に取り付けされた樹脂凸版16の凸部に均一な膜厚で転移する。さらに、被印刷基板24は摺動可能な基板固定台20上に固定され、樹脂凸版のパターンと被印刷基板のパターンの位置調整機構により、位置調整しながら印刷開始位置まで移動して、版胴の回転に合わせて樹脂凸版の凸部が基板に接しながらさらに移動し、基板の所定位置にパターニングしてインキを転移する。
次いで、有機発光層5の形成後、画素電極2のラインパターンと直交するラインパターンで陰極(第二電極)層6を形成する。陰極(第二電極)層6の材料としては、有機発光層の発光特性に応じたものを使用でき、例えば、リチウム、マグネシウム、カルシウム、イッテルビウム、アルミニウム等の金属単体やこれらと金、銀などの安定な金属との合金などが挙げられる。また、インジウム、亜鉛、錫などの導電性酸化物を用いることもできる。なお、陰極(第二電極)層6の形成方法としては、被蒸着基板上にパターン形状のマスクを載置する真空蒸着法による形成方法が挙げられる。
次いで、最後にこれらのエレクトロルミネッセンス構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、フィルム封止基材7と接着剤8を用いて密封封止し、エレクトロルミネッセンスディスプレイ用の素子パネルを得ることができる。
なお、前記樹脂凸版を構成するフィルム基材は、有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するフィルム基板(被印刷基板24)と同じ素材であることが好ましい。このとき、 前記フィルム基材と被印刷基板24は、湿度変化率0.0015%以下、温度変化率0.001%以下のフィルムからなることが好ましい。
前記フィルム基材と被印刷基板の湿度変化率は、温度一定の環境下で湿度を40%から50%の範囲で変化させ、2水準以上の湿度における基材、基板の寸法を測定し1℃当たりの変化量を求め、該1℃当たりの変化量を湿度45%における寸法で割ることにより、求められるものである。また、前記フィルム基材と被印刷基板の温度変化率は、湿度一定の環境下で温度を20℃から30℃の範囲で変化させ、2水準以上の温度における基材、基板の寸法を測定し1℃当たりの変化量を求め、該1℃当たりの変化量を温度25℃における寸法で割ることにより、求めたものである。なお、湿度変化率、温度変化率の測定にあっては、一定湿度若しくは温度下において基材、基板を十分に放置した後に測定する必要がある。
前記フィルム基材と被印刷基板の湿度変化率は、温度一定の環境下で湿度を40%から50%の範囲で変化させ、2水準以上の湿度における基材、基板の寸法を測定し1℃当たりの変化量を求め、該1℃当たりの変化量を湿度45%における寸法で割ることにより、求められるものである。また、前記フィルム基材と被印刷基板の温度変化率は、湿度一定の環境下で温度を20℃から30℃の範囲で変化させ、2水準以上の温度における基材、基板の寸法を測定し1℃当たりの変化量を求め、該1℃当たりの変化量を温度25℃における寸法で割ることにより、求めたものである。なお、湿度変化率、温度変化率の測定にあっては、一定湿度若しくは温度下において基材、基板を十分に放置した後に測定する必要がある。
版胴18としては、印刷に対する機械的強度を有すればよく、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコールなどの公知の合成樹脂、鉄、銅、アルミニウムなどの金属、またはこれらの積層体が挙げられる。中でも、有機溶剤への耐性の高い金属、好ましくはスチールやアルミニウムがよい。
版胴18上に設けられるフィルム基材としては、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムのようなゴム類;ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂およびこれらの共重合体;セルロース誘導体;フッ素系エラストマー、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンおよびこれらの共重合体のようなフッ素系樹脂が挙げられる。
版胴18上に設けられるフィルム基材としては、ニトリルゴム、シリコーンゴム、イソプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリロニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム、ウレタンゴムのようなゴム類;ポリエチレン、ポリスチレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコールなどの合成樹脂およびこれらの共重合体;セルロース誘導体;フッ素系エラストマー、ポリ四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ六フッ化ビニリデンおよびこれらの共重合体のようなフッ素系樹脂が挙げられる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
実施例1
(樹脂凸版の製造方法)
実施例1においては、有機発光層を形成するための印刷に用いる凸版は、水現像タイプのポリアミド系の感光性樹脂層と厚さ0.5mmのポリエチレンテレフタレート(PET)の基材からなる版材を用い、該版材を画線部に光が透過するマスクすなわちネガマスクを用いてUV露光後、水で現像し、独立したパターンを有する樹脂凸版を得た。
実施例1
(樹脂凸版の製造方法)
実施例1においては、有機発光層を形成するための印刷に用いる凸版は、水現像タイプのポリアミド系の感光性樹脂層と厚さ0.5mmのポリエチレンテレフタレート(PET)の基材からなる版材を用い、該版材を画線部に光が透過するマスクすなわちネガマスクを用いてUV露光後、水で現像し、独立したパターンを有する樹脂凸版を得た。
得られたPETフィルム基材の樹脂凸版について、湿度計によって管理されたクリーンルーム内で湿度を40%、45%、50%と変えた場合での寸法変化を測定し、湿度変化率を求めた。本樹脂凸版の湿度変化率は0.001%であった。また、得られたPETフィルムについて、製版後の25℃一定温度下での寸法変化を経時的に測定した。さらに、20℃、30℃と温度を変えた場合での寸法変化を測定し、温度変化率を求めた。本樹脂凸版の温度変化率は0.0008%であった。なお、本実施例に用いたPET基材の熱膨張係数は1.0×10−3/Kであった。
(有機EL素子パネルの製造方法)
樹脂凸版の基材として用いたPETフィルムをフィルム基板として用い、300mm角のPETフィルム基板の上に、スパッタ法を用いてITO(インジウム-錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、対角5インチサイズのディスプレイが2面取れるように画素電極を形成した。ディスプレイ1面当たりの画素電極のラインパターンは、線幅40μm、スペース20μmでラインが1950ライン形成されるパターンとした。
樹脂凸版の基材として用いたPETフィルムをフィルム基板として用い、300mm角のPETフィルム基板の上に、スパッタ法を用いてITO(インジウム-錫酸化物)薄膜を形成し、フォトリソ法と酸溶液によるエッチングでITO膜をパターニングして、対角5インチサイズのディスプレイが2面取れるように画素電極を形成した。ディスプレイ1面当たりの画素電極のラインパターンは、線幅40μm、スペース20μmでラインが1950ライン形成されるパターンとした。
その上に正孔輸送層として、PEDOTから成る高分子膜をスピンコート法で形成した。さらに、有機発光材料であるポリフェニレンビニレン誘導体を濃度1%になるようにトルエンに溶解させた有機発光インキを用い、画素電極の上にそのラインパターンにあわせて有機発光層を凸版印刷法で印刷行った。このとき、150線/インチのアニロックスロールおよび水現像タイプの感光性樹脂版を使用した。印刷、乾燥後の有機発光層の膜厚は80nmとなった。
その上にCa、Alからなる陰極(第二電極)層を画素電極のラインパターンと直交するようなラインパターンで抵抗過熱蒸着法によりマスク蒸着して形成した。最後にこれらのエレクトロルミネッセンス構成体を、外部の酸素や水分から保護するために、フィルム封止基材と接着剤を用いて密閉封止し、有機EL素子パネルを作成した。
得られた有機EL素子パネルに対し各パネル素子の取り出し電極に電源をつなぎ、印刷法により形成した有機発光層の位置ずれによる混色発光などが生じていないかの確認したところ、混色等は確認されず良好な発光を有する有機EL素子であることが確認された。
よって、本発明におけるように、フィルム基材の樹脂版と版基材と同じフィルム基板を用いることで、特にクリーンルームなどの温度管理された環境で印刷を行う場合であれば、寸法変化による印刷ずれなどは問題がほとんど生じないといえる。
ただし、環境の温度管理をできない場所で印刷する場合などを考慮すると、フィルムでも熱膨張係数のできるだけ小さいものを用いることが好ましい。
1……フィルム基板、2……画素電極(陽極,第一電極)、3……絶縁層、4……正孔輸送層、5……有機発光層、6……陰極層(第二電極層)、7……フィルム封止基材、8……接着剤、10……インキタンク、12……インキチャンバー、14……アニロックスロール、14a……エレクトロルミネッセンスインキ、16……樹脂凸版、18……版胴、24……被印刷基板。
Claims (6)
- フィルム基板上にパターン状の第一電極と、発光層と、第二電極とをこの順で具備する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、有機発光材料を有機溶剤に溶解または分散させた有機エレクトロルミネッセンスインキを用い、フィルム基材上に水現像タイプの感光性樹脂層から形成したパターンを備えた樹脂凸版を印刷版とした凸版印刷法により、該発光層を前記第一電極の上方に形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記樹脂凸版の非凸部に相当するレリーフ部の底部の前記感光性樹脂層が、製版の現像工程で全て取り除かれ、下地の前記フィルム基材表面が露出している状態であり、前記樹脂凸版の凸部の前記感光性樹脂層が分断されかつそれぞれ独立している凸版により、前記発光層を形成することを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記樹脂凸版を構成するフィルム基材が、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するフィルム基板と同じ素材であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記樹脂凸版を構成するフィルム基材と前記有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するフィルム基板が、湿度変化率0.0015%以下のフィルムからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記樹脂凸版を構成するフィルム基材と前記有機エレクトロルミネッセンス素子を構成するフィルム基板が、温度変化率0.001%以下のフィルムからなることを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 少なくともフィルム基板と、該フィルム基板に支持されたパターン状の第一電極と、発光層と、第二の電極とをこの順で具備する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機エレクトロルミネッセンス素子が、請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするエレクトロルミネッセンス素子。
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