JP2007253562A - 発泡樹脂押出成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】上下面に着色を設けた発泡樹脂押出成形体を効率的に設けることのできる製造方法を提供すること。
【解決手段】加熱可塑化状態の発泡熱可塑性樹脂を押出金型で押出して成形する発泡樹脂押出成形体の製造方法において、押出金型内部の流路内の上下面に、前記発泡樹脂とは別の樹脂流入口を設けてなり、前記別の流入口より加熱可塑化状態の無発泡着色熱可塑性樹脂を流入し、押出金型内で前記発泡樹脂の上下面に着色熱可塑性樹脂層を設けた状態とし、押出して成形すること、前記押出金型が製造すべき成形体の寸法とほぼ同一の内壁面寸法を有すると共に、その内部に中子体を設け、その内部で主として内側の空洞部分に向かって発泡させるセルカ法を用いてなることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】加熱可塑化状態の発泡熱可塑性樹脂を押出金型で押出して成形する発泡樹脂押出成形体の製造方法において、押出金型内部の流路内の上下面に、前記発泡樹脂とは別の樹脂流入口を設けてなり、前記別の流入口より加熱可塑化状態の無発泡着色熱可塑性樹脂を流入し、押出金型内で前記発泡樹脂の上下面に着色熱可塑性樹脂層を設けた状態とし、押出して成形すること、前記押出金型が製造すべき成形体の寸法とほぼ同一の内壁面寸法を有すると共に、その内部に中子体を設け、その内部で主として内側の空洞部分に向かって発泡させるセルカ法を用いてなることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、発泡樹脂押出成形体の製造方法に関するものであり、特に床材、壁材、天井材、建具類等の建築材料や車両内装材、電気機械器具の部品や筐体等の用途に使用できる発泡樹脂押出成形体の製造方法に関するものである。
発泡により内部を多孔質の細胞状とした熱可塑性樹脂を所定の形状に成形してなる発泡樹脂成形体は、軽量で断熱性が高く、体積当たりの価格も低廉で、加工も容易である等の種々の長所が高く評価されて、従来既に上記した各種の用途に広く使用されている。これらの発泡樹脂成形体の製造方法は各種知られているが、中でも、一定の断面形状を有する長尺状の発泡樹脂成形体を連続的に効率良く製造可能な製造方法として、熱可塑性樹脂に発泡剤を添加してなる発泡樹脂材料を、加熱溶融混練して押出機により押出金型から押出し、これを発泡させながら冷却サイジング金型に導入して、該冷却サイジング金型の内部形状通りの断面形状及び外形寸法に成形しながら冷却固化させる発泡押出成形法が、最も広く用いられている。
ところで、表面の外観を整え表面を着色するために、押出しと同時に表面に化粧シートを一体的に成形する方法があるが、ポリプロピレン樹脂等の結晶性樹脂を用いた場合は反りが生じ、剥離してしまうなどの問題があった。
実開平6−81876号公報
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、上下面に着色を設けた発泡樹脂押出成形体を効率的に設けることのできる製造方法を提供することにある。
本発明はこの課題を解決するためになされ、すなわちその請求項1記載の発明は、加熱可塑化状態の発泡熱可塑性樹脂を押出金型で押出して成形する発泡樹脂押出成形体の製造方法において、押出金型内部の流路内の上下面に、前記発泡樹脂とは別の樹脂流入口を設けてなり、前記別の流入口より加熱可塑化状態の無発泡着色熱可塑性樹脂を流入し、押出金型内で前記発泡樹脂の上下面に着色熱可塑性樹脂層を設けた状態とし、押出して成形することを特徴とする、発泡樹脂押出成形体の製造方法である。
またその請求項2記載の発明は、前記押出金型が製造すべき成形体の寸法とほぼ同一の内壁面寸法を有すると共に、その内部に中子体を設け、その内部で主として内側の空洞部分に向かって発泡させるセルカ法を用いてなることを特徴とする、請求項1記載の発泡樹脂押出成形体の製造方法である。
またその請求項3記載の発明は、前記発泡熱可塑性樹脂と無発泡着色熱可塑性樹脂に用いる熱可塑性樹脂が同一であることを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の発泡樹脂押出成形体の製造方法である。
本発明の請求項1記載の発泡樹脂押出成形体の製造方法によれば、押出機から押出金型内に流入する加熱可塑化状態の発泡熱可塑性樹脂の流量を適宜調整すれば、押出金型上下面からの加熱可塑化状態の無発泡着色熱可塑性樹脂の流入により、押出金型内で前記発泡熱可塑性樹脂の上下面に無発泡着色熱可塑性樹脂層を設けた状態としての押出しを容易に可能としている。また、表面が着色されたものとなるので、この後に面取り加工などを施しても目立たないものとなり、また、無発泡であることから表面強度が大きくなり、各種表面適性に優れたものとなる。そして、その後に同時に一体化して冷却固化することにより、反りや剥離といった問題も発生しないものとなる。
またその請求項2記載の発明により、発泡熱可塑性樹脂と無発泡着色熱可塑性樹脂との接着性が良くなるという効果がある。
またその請求項3記載の発明により、発泡熱可塑性樹脂と無発泡着色熱可塑性樹脂との接着性が良くなるという効果がある。
以下、本発明を図面に基づき詳細に説明する。図1に本発明の発泡樹脂押出成形体の製造方法の一実施例を示す。発泡剤、充填剤、各種添加剤等を適宜添加した熱可塑性樹脂を、押出機10内にて加熱可塑化しつつ混練し、押出機10の先端に装着された押出金型11へ発泡熱可塑性樹脂12として押出される。押出金型11の流路上下面に設けた流入口30から加熱可塑化状態の着色無発泡熱可塑性樹脂を流入し、発泡熱可塑性樹脂12の上下面に無発泡着色熱可塑性樹脂13を設けた状態となる。
そして、この状態で冷却装置15内の冷却サイジング金型14に導入される。この冷却サイジング金型14(キャリブレーター金型、ガイド金型などとも言う)は、その内壁面の断面形状が、製造すべき成形体の断面形状通りに精密に製作されており、この内壁面に発泡熱可塑性樹脂12と無発泡着色熱可塑性樹脂13が、自らの発泡圧により押し付けられつつ冷却固化することにより、該冷却サイジング金型14の内壁面の断面形状を正確に写し取った、設計通りの断面形状を有する発泡樹脂押出成形体が、安定して製造される。
発泡熱可塑性樹脂12と無発泡着色熱可塑性樹脂13が冷却サイジング金型14に導入され、冷却サイジング金型14内において、自重で変形することのない程度に冷却固化され、引取機16の作用力によって冷却サイジング金型14から引取られ(脱型され)、水槽などの冷却装置15内を通過することで十分に冷却された後、切断台17に送られ、切断刃18により所定の寸法に切断される。この後40℃から90℃程度のエージングを行って、発泡樹脂押成形体を得る。
通常の熱可塑性樹脂の発泡押出成形法には、大別して2種類が知られている。その一方は、図2に示す様に、製造すべき成形体の寸法より小さ目の内壁面寸法を有する押出金型11を用い、該押出金型11から押出された発泡熱可塑性樹脂12が、押出機10内の高圧により発泡が抑えられていた状態から、大気圧状態に減圧されることにより、急激に発泡する現象を利用して、製造すべき成形体の外形寸法にほぼ近い寸法にまで発泡させてから、冷却サイジング金型14に導入する方法である。この方法は、従来最も一般的な方法であったことから通常法と称され、また、発泡熱可塑性樹脂12が大気圧下で金型等による束縛を受けることなく自由な状態で発泡することからフリー法(フリープロセス、フリーフォーミングプロセス)とも称されている。
もう一方は、図3に示す様に、押出金型11が製造すべき成形体の寸法とほぼ同一の内壁面寸法を有すると共に、その内部に中子体20を設け、発泡熱可塑性樹脂12を中空状態で押出し、その発泡が殆ど進行していない状態で冷却サイジング金型14に導入し、その内部で主として内側の空洞部分に向かって発泡させる方法である。この方法は、フランスのユージンクールマン社によって開発され、セルカ法(セルカプロセス)の名称で広く紹介された方法であり、樹脂の発泡が内部に向かって進行する特徴から、インワードフォーミングプロセスとも称されている。
本発明の発泡樹脂押出成形体の製造方法においては、上記した通常法、セルカ法のいずれも採用可能であり、目的物である成形体の用途に応じて適宜選択すれば良い。セルカ法の場合には、押出金型11から押出された発泡熱可塑性樹脂12が直ちに冷却サイジング金型14に導入され、その外表面が急激に冷却されることにより、図3に示した様に、内部に向かっての発泡により空洞部分が埋められた内部は高発泡層22となる一方、表層部には未発泡又は低発泡状態に留まったスキン層21、23が形成される特徴があり、表面硬度や耐水性、成形体全体としての剛性などが要求される用途などに適している。
また、本発明においては、無発泡着色熱可塑性樹脂13を有する構成であるので、無発泡着色熱可塑性樹脂13と発泡熱可塑性樹脂12との間の接着性が求められる。この観点からは、発泡の圧力が接着面に対して影響し、接着面が未発泡又は低発泡状態のスキン層21となるセルカ法のほうが好ましい。また、全体として剛性を有することから冷却サイジング金型14の内壁面との摩擦力に対する抵抗性も強く、冷却サイジング金型14内における樹脂の詰まりや、冷却サイジング金型14からの引取時の変形破断等の防止にも、より有効な方法であると言える。
本発明において、発泡熱可塑性樹脂12の主成分として用いられる熱可塑性樹脂の種類には特に制限はなく、目的物である発泡樹脂成形体の用途に応じて任意の熱可塑性樹脂を選択すればよい。具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体金属中和物(いわゆるアイオノマー樹脂)等のオレフィン系共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアリレート、ポリカーボネート等のポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリロニトリル等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹脂等のスチレン系樹脂、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフロロエチレン、エチレン−テトラフロロエチレン共重合体、テトラフロロエチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体等のフッ素系樹脂等、或いはそれらの複数種の混合物、共重合体等であっても良い。また、多層押出法等により同種又は異種の熱可塑性樹脂からなる複数層の積層体によって発泡層を構成することもできる。
本発明において、上記熱可塑性樹脂を発泡させるために添加される発泡剤の種類にも特に制限はなく、従来公知の発泡剤から適宜選択すればよい。具体的には、従来公知の熱可塑性樹脂の発泡法としては、一般的には、熱分解や化学反応によってガスを発生する性質を有する化学物質(化学発泡剤)を利用する化学発泡法と、低沸点の液体又は高圧下で液化した気体(物理発泡剤)が熱の作用により気化する現象を利用する物理発泡法とに分類することができる。前者に用いられる化学発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム(重曹)、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、軽金属(アルミニウム、マグネシウム等)、アジド化合物(アジ化ナトリウム等)等の無機発泡剤や、アゾ系(アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等)、ニトロソ系(ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ジメチルジニトロソテレフタルアミド等)、ヒドラジド系(p,p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルヒドラジド等)等の有機発泡剤などを、それぞれ単独若しくは任意の複数種の組み合わせで使用することができる。また、特に発泡倍率が2倍を超える高発泡化を必要とする場合には、物理発泡法が好適であり、その際、ペンタンヘキサン、ヘプタン等)、クロロフルオロカーボン類(いわゆるフロンガス)等の不活性気体が主に用いられている。また、物理発泡法による発泡押出成形に際しても、発泡体のセル形状を整えるため等の目的で、化学発泡剤を併用することもできる。
発泡熱可塑性樹脂12には上記した熱可塑性樹脂と発泡剤の他、必要に応じて例えば熱安定剤、酸中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、着色剤(染料、顔料等)、充填剤、帯電防止剤、滑剤、造核剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等の各種添加剤を適宜添加することもできる。これらの添加剤のうち、熱安定剤としてはヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系等、酸中和剤としてはステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等、光安定剤としてはヒンダードアミン系等、難燃剤としてはハロゲン系、リン系、塩素系等、充填剤としては無機系(炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、アルミナタルク、クレー、珪酸マグネシウム、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化鉄、カーボンブラック、金属粉、炭素繊維、ガラス繊維等)又は有機系(ナイロン系、ポリカーボネート系、ポリウレタン系、アクリル系、木毛、木粉、紙粉等)等、滑剤としては炭化水素系、脂肪酸系、高級アルコール系、脂肪酸アマイド系、金属石鹸系、エステル系等、造核剤としてはカルボン酸金属塩系、ソルビトール系、リン酸エステル金属塩系等、顔料としては縮合アゾ系、不溶性アゾ系、キナクリドン系、イソインドリノン系、アンスラキノン系、イミダゾロン系、フタロシアニン系、カーボンブラック、酸化チタン、酸化鉄系、コバルトブルー、パール顔料(酸化チタン被覆雲母等)等があり、これらの各種の添加剤を任意の組み合わせで用いることができる。
本発明においては特に、発泡熱可塑性樹脂12の主成分である熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂からなる無発泡着色熱可塑性樹脂13を使用すると、無発泡着色熱可塑性樹脂13に発泡熱可塑性樹脂12との接着のための特別な処理を施す必要なく、加熱可塑化状態の発泡熱可塑性樹脂12との接触により容易に強固な接着を形成可能であることに加え、製造された発泡樹脂押出成形体が、その後加工中に発生する不要な端材や使用後の廃材等の処理にあたり、無発泡着色熱可塑性樹脂13と発泡熱可塑性樹脂12とを分離する必要なく、そのまま粉砕又は加熱溶融混練して、その構成樹脂の優れた特性を失うことなく、同一用途又は他用途の樹脂成形材料として再利用(リサイクル)可能である利点がある。
具体例を挙げれば、住宅等の建築物における壁材、床材、天井材等の建築材料として使用する場合には、その優れた強度や物理化学的安定性、経済性、成形加工性などの面で、発泡熱可塑性樹脂12及び無発泡着色熱可塑性樹脂13を、ポリプロピレン系樹脂を主体として構成することが望ましい。
ここで用いられるポリプロピレン系樹脂としては、一般のホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体等を主体としつつ、必要に応じてポリブテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体やそれらの酸変性物、アイオノマー樹脂等から選ばれる1種又は2種以上を適宜添加混合した樹脂組成物などを使用することができる。但し、複数種の樹脂を混合して使用する場合には、リサイクル後の物性を確保するために、出来るだけ相溶性の良い樹脂の組合せを選択するか、若しくは相溶化剤を添加しておく等の配慮が求められる。
前記した建築材料の用途には、例えば鋸や錐、鑿等による切削性、釘打ち性や螺子止め性等、従来最も一般的な建築材料である木材と同等の加工性が求められる場合が多い。係る性能をポリプロピレン系樹脂に付与するためには、該樹脂に木質系充填剤を添加することが最も望ましい。なお、上記目的からは木質系充填剤は主として発泡熱可塑性樹脂12に添加しておけば足り、無発泡着色熱可塑性樹脂13には添加しても添加しなくても良い。発泡熱可塑性樹脂12への木質系充填剤の添加には、製造された発泡樹脂押出成形体の切断面が木質様の外観を呈することにより、切断面が露出した状態で使用されても外観上の違和感が少ないことや、発泡と相俟って熱伝導率が低下することから、木材に近似した暖かみのある触感が得られること等の利点もある。
上記木質系充填剤の素材としては特に制限されることなく選択が可能であるが、一般的には木材をカッターミルなどによって破断し、これをボールミルやインペラーミルなどにより粉砕して微粉状にしたもの(木粉)などを用いる。また、配合量が熱可塑性樹脂100重量部に対して100重量部を超えるような高配合とする場合には、特に樹脂中での分散性が重要で、比較的繊毛の少ない粒状の木質系充填剤を利用することが好ましい。繊毛の少ない木質系充填剤としては、主にパーティクルボードなどを研磨して得る研磨粉などが用いられる。また、木質系充填剤の配合量については適宜選択が可能であり、化粧材の用途に応じて最適な配合量が異なるが、一般的には熱可塑性樹脂100重量部に対して20〜400重量部程度の範囲で設計される。
発泡熱可塑性樹脂12を構成する熱可塑性樹脂に木質系充填剤を添加する際の、熱可塑性樹脂と木質系充填剤との混練方法は特に問わないが、ヘンシェルミキサーによって混練し、ペレタイザーでペレット化する方法や、2軸押出混練機によって混合、ペレット化する方法などが一般的である。また、本発明の製造方法によって製造した成形体をリサイクルする場合には、破砕した成形体に必要に応じて木質系充填剤、熱可塑性樹脂、各種添加剤などを添加して利用することもできる。その際の混練方法やペレット化方法も上記と同様であり、特に問わない。
また、無発泡着色熱可塑性樹脂13は、発泡熱可塑性樹脂12からなる発泡層と強固に接着され、表面保護層ないし装飾層などとして利用される場合が多いと思われるが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、さらに併せてその上側に、後にそれらから容易に剥離可能なフィルム等を第2の被覆シートとして設けることも可能である。
また、無発泡着色熱可塑性樹脂13には適宜絵柄層を設けても良い、絵柄層の印刷に用いるインキは、バインダーとしては硝化綿、セルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステル系等の単独もしくは各変性物の中から適宜選定すればよい。これらは水性、溶剤系、エマルジョンタイプのいずれでも問題なく、また1液タイプでも硬化剤を使用した2液タイプでも任意に選定可能である。さらに紫外線や電子線等の照射によりインキを硬化させることも可能である。中でも最も一般的な方法はウレタン系のインキを用い、イソシアネートで硬化させる方法である。これらバインダー以外には通常のインキに含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、各種添加剤が添加されている。特によく用いられる顔料には縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインドリン、アンスラキノン、イミダゾロン、コバルト、フタロシアニン、カーボン、酸化チタン、酸化鉄、雲母等のパール顔料等がある。
市販の低溶融張力ホモポリプロピレン70重量部、マレイン酸変性したホモポリプロピレン30重量部、木質系充填剤(木材をカッターミルで破断し、これをボールミルにより粉砕して微粉状にした平均粒径約20μmの木粉)400重量部を、2軸押出混練機によって混練、ペレット化した。このペレット100重量部に対し、重曹クエン酸系の化学発泡剤を45重量%含有するホモポリプロピレン樹脂系マスターバッチ3重量部を混合して、押出機に投入した。
一方、前記ペレットに着色剤10重量%を添加し、発泡剤を添加しないペレットを作製し、これを押出金型の流路上下に設けた流入口より流入した。押出金型から押出速度1m/分にて、高さ5mm×幅300mmの長方形である長尺状に押出し、これを内壁面の断面形状が高さ5.2mm×幅300mmの長方形である冷却サイジング金型に導入すると同時に、冷却、引取後、長さ1800mmに切断し、本発明に係る発泡樹脂押出成形体を得た。得られた発泡樹脂押出成形体は層間の接着性が良く、反りなどの問題もない優れたものとなった。
10…押出機
11…押出金型
12…発泡熱可塑性樹脂
13…無発泡着色熱可塑性樹脂着色
14…冷却サイジング金型
15…冷却槽
16…引取機
17…切断台
18…切断刃
19…発泡樹脂押出成形体
20…中子体
21…スキン層
22…高発泡層
30…流入口
11…押出金型
12…発泡熱可塑性樹脂
13…無発泡着色熱可塑性樹脂着色
14…冷却サイジング金型
15…冷却槽
16…引取機
17…切断台
18…切断刃
19…発泡樹脂押出成形体
20…中子体
21…スキン層
22…高発泡層
30…流入口
Claims (3)
- 加熱可塑化状態の発泡熱可塑性樹脂を押出金型で押出して成形する発泡樹脂押出成形体の製造方法において、押出金型内部の流路内の上下面に、前記発泡樹脂とは別の樹脂流入口を設けてなり、前記別の流入口より加熱可塑化状態の無発泡着色熱可塑性樹脂を流入し、押出金型内で前記発泡樹脂の上下面に着色熱可塑性樹脂層を設けた状態とし、押出して成形することを特徴とする、発泡樹脂押出成形体の製造方法。
- 前記押出金型が製造すべき成形体の寸法とほぼ同一の内壁面寸法を有すると共に、その内部に中子体を設け、その内部で主として内側の空洞部分に向かって発泡させるセルカ法を用いてなることを特徴とする、請求項1記載の発泡樹脂押出成形体の製造方法。
- 前記発泡熱可塑性樹脂と無発泡着色熱可塑性樹脂に用いる熱可塑性樹脂が同一であることを特徴とする請求項1,2のいずれかに記載の発泡樹脂押出成形体の製造方法。
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