JP2007248069A - 3自由度回転検出装置及びその方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】3自由度回転に関して非対称性をもつ磁界を付与する磁石20A,20Bが設けられた回転体10と、回転体10から離隔し、かつ、所定の位置関係にある複数の磁電変換素子40A〜40Dにより、磁界を検出し、検出磁界から磁電変換素子40A〜40Dに対する回転体10の3自由度方向の回転角度を決定する構成とした。これによれば、磁電変換素子に対して3自由度回転する被検出体の3自由度方向の回転を非接触で一意に特定できる。
【選択図】図1
Description
超音波モータの駆動部分(ロータ)の回転角度を非接触で検出する技術として、超音波モータのロータを球状磁石とし、この球状磁石の磁界を複数のホール素子により検出してロータの回転を検出するものが開示されている(特許文献2参照)。
また、超音波モータに限らず、球体の回転角度を非接触で検出する技術として、ケースに回転自在に収容された球体に磁石を埋め込み、この磁石の磁界をケースに設けたホール素子で検出することにより、多軸方向における球体の回転角度を非接触で検出するものが知られている(特許文献3参照)。
上記特許文献3に開示された技術では、球体の互いに略90度をなす位置に2つの磁石を設けると共に直交座標系の3軸周りの回転を検出するために、3対のホール素子を対称な位置にそれぞれ配置する必要がある。このため、ホール素子の配置の自由度が小さいという問題がある。さらに、この技術では、球体を回転させる操作棒の可動範囲においては球体の3自由度の回転検出が可能であるが、球体が各3軸周りに360度以上の回転をする場合には、球体の3自由度方向の回転角度を一意に特定することはできない。
この構成によれば、被検出体は、3自由度回転に関して非対称性をもつ磁界が付与されているので、磁界検出手段が検出した被検出体から離隔した所定位置関係にある3点における磁界の状態から、磁界検出手段(3点)に対する被検出体の3自由度方向の回転角度は一意に決まる。
この構成によれば、3自由度回転決定手段により被検出体の3自由度方向の回転角度が計測される。
この構成によれば、複雑な演算処理をすることなくマッピングデータから3自由度方向の回転角度を一意に特定できるので、3自由度方向の回転角度の演算処理が軽減される。
この構成によれば、複数の磁電変換素子のうち出力が最も大きな3つを使用して3自由度方向の回転角度を決定するので、精度良く回転角度を決定できる。
この構成によれば、各基板毎に3自由度方向の回転角度を計測できるので、自由度方向の回転角度の計測精度がさらに高まる。
この構成によれば、計測していないでデータ間を学習により補間できるので、連続的なマッピングデータを形成することができる。
この構成によれば、同一形状の2つの磁石の磁極の極性の向きを変えるだけで、非対称性をもつ磁界が形成される。
また、被検出体は、球状の磁石からなり、この球状の磁石の一部に凹部が形成されていることにより非対称性をもつ磁界が形成されている、構成とすることもでき、さらに、被検出体は、球状の磁石からなり、透磁率の異なる物質を不均一に含有することにより非対称性をもつ磁界が形成されている構成とすることもできる。
この構成によれば、3自由度回転が可能な超音波モータの回転子の回転を非接触で検出することが可能となる。
また、上記構成において、複数の磁電変換素子のうち、その出力が最も大きな3つを選択して前記3自由度方向の回転角度を決定するのに用いる、構成を採用できる。
図1ないし図5は本発明に係る3自由度回転検出装置(以下、回転検出装置という)の一実施形態を示す図であって、図1は本発明の回転検出装置の基本的構成を説明するための透視図、図2は回転体に設けられた磁石の形成する磁界を説明するための図、図3は回転検出装置の電気系の構成を示す機能ブロック図、図4はセンサ基板とアンプとの関係を示す図、及び図5はマッピングテーブル部のマッピングデータの一例を示す図である。
この支持体11は、内部に磁石20A、20Bを内蔵するための空洞を有していてもよく、又、インサート成形等により磁石20A、20Bと一体的に形成されて中実であってもよい。
磁石20A、20Bの各々は、図2(B)に示すように、その磁界対称軸21に関して磁界が対称である。
回転体10は、図2(A)に示すように、対称な位置に配置されると共に略同形状の2つの磁石20A、20Bを備えており、磁石20A、20Bは、磁極の極性の向きが反転している。
図2(A)に示すように、回転体10に付与される磁界は、非対称性を有し、3次元空間内のすべての位置で異なることになる。このため、少なくとも所定の位置関係にある3点(同一直線上にない)の磁界の状態がわかれば磁石20A、20Bの位置を一意に決定することができる。これが本発明の3自由度回転の検出原理である。
センサ基板30は、樹脂、金属、セラミックス等の各種の材料で形成でき、複数の磁電変換素子を搭載するための平面を備えている。
この磁電変換素子40A〜40Dは、図4に示すように、検出する磁界に応じて変化する双極性の出力電圧V1,V2をアンプ50A〜50Dへ出力する。
具体的には、演算器70は、マッピングテーブル部80に記憶されたマッピングデータを使用して回転角度RX,RY,RZを特定する。
図5に示すマッピングデータは、回転体10のセンサ基板30に対する一の姿勢についてのものであり、実際には所定の回転角度毎に全ての姿勢についてマッピングデータが存在する。
この回転支持機構は、図示しない設置面に立設された支持柱120、回転体10をX軸,Y軸,Z軸周りに回転させるためのモータ110,111,112、センサ基板30を支持する支持アーム121、Y軸用のモータ111の出力軸とX軸用のモータ110とを連結する連結アーム122、X軸用のモータ110の出力軸とZ軸用のモータ112を連結する連結アーム123、Z軸用のモータ112と回転体110とを連結する連結ロッド124等からなる。
そして、演算器80では、例えば、図8に示すように、検出された回転角度CRX,CRY,CRZと磁電変換素子40A〜40Dの出力とを対応付けるマッピングデータを回転体10の各軸について所定角度毎(例えば、1度毎)に形成し、これをマッピングテーブル部80へ記憶する。
尚、マッピングシステム上においてもマッピングテーブルを使用して回転体10の回転角度を計測することは可能であり、又、このマッピングシステムによりマッピングデータを形成した後に、回転体10及びセンサ基板30を超音波モータ等の別の対象物に組み込むと共に、この対象物において形成したマッピングデータを使用して回転角度を計測することができる。このような構成にすることにより、演算器70における演算処理負担を大幅に軽減することができる。
図6に示したマッピングシステムでは、センサ基板30を固定し、回転体10を回転させる構成にしたが、図9に示すマッピングシステムでは、支持アーム121により回転体10を支持し、センサ基板30をZ軸用のモータ112の出力軸に連結している。すなわち、このマッピングシステムにおいては、固定した回転体10に対してセンサ基板30を3自由度回転させる。この場合においても、上記と同様にマッピングデータを形成できると共に、センサ基板30に対する回転体10の3自由度方向の回転角度を検出できる。
そして、回転体10の回転角度を検出する際には、図10に示すように、磁電変換素子40A〜40Dの出力と回転体10の回転角度との関係を学習した学習システム70Bにより磁電変換素子40A〜40Dの出力を各軸周りの回転角度RX,RY,RZに変換する。
このように、磁電変換素子40A〜40Dの出力と回転体10の回転角度との関係を対応付けるマッピングデータを学習システム70Bにより形成することにより、計測していないでデータ間を学習により補間できるので、連続的なマッピングデータを形成することができる。
本例では、図11に示すように、多数の磁電変換素子40を回転体10の周囲に配置し、これらの出力を演算器70に取り込む。
図11に示す演算器70内に構成された3出力演算部70Cは、各磁電変換素子40に対して回転体10を3自由度回転させた際に、複数の磁電変換素子40のうち、その出力が最も大きな3つを選択してマッピングデータを形成する。
尚、図12に示す各種変数については、Vを磁電変換素子の出力電圧、V1,V2,V3を多数の磁電変換素子の出力電圧のうち3つの最大電圧(V1が1番大きく、V2が2番、V3が3番)、Vmを電圧保持変数、iをカウンタ変数、nを磁電変換素子数、Pを磁電変換素子40の位置、P1,P2,P3をそれぞれV1,V2,V3が得られた磁電変換素子40の位置、Pmを位置保持変数とする。
先ず、各種変数を初期化し(ステップST1)、次いで、各磁電変換素子40の出力電圧V(i)とV3との絶対値を比較し(ステップST2)、V(i)がV3よりも大きい場合には、V(i)とV2との絶対値を比較し(ステップST3)、V(i)がV3よりも小さい場合には、カウンタ変数iをインクリメントする(ステップST14)。
上記の処理を全ての磁電変換素子40の出力電圧について実行することにより(ステップST15)、V1,V2,V3及びP1,P2,P3を決定できる。
演算器70は、回転体10の回転角度を検出する際には、複数の磁電変換素子40のうち、その出力が最も大きな3つを選択して、これに対応する回転角度を図13に示すようなマッピングデータを用いて決定する。
この方法によれば、磁電変換素子40の数を増やすほど、精度良く回転体10の回転角度を検出することができる。
図14は本発明の回転検出装置が適用された3自由度回転超音波モータの概略構成を示す図、図15は超音波モータの電気系の構成を示す機能ブロック図である。尚、図14及び図15において、上記した実施形態と同一構成部分については同一符号を使用している。
また、支持機構250により支持された複数のセンサ基板30が回転体10の周囲に略等間隔で配置されている。尚、センサ基板30は上記したように磁電変換素子40A〜40Dを搭載している。
ステータ210に備わるアクチュエータは、図15に示すモータドライバ230により駆動される。
図16に示す被検出体としての回転体10Aは、球状に形成され、回転中心から離隔した位置に円盤状に形成された単一の磁石20Cを内蔵している。
図16(B)に示すように、磁石20Cの磁界対称軸線は、回転体10Aのいずれの回転軸線からも離れているので、回転体10Aには非対称性をもつ磁界が付与されることになる。尚、磁石20Cを回転体10Aの表面に設けることも可能である。
ここで、図17(B)に示すように、磁石20Dの磁界は、回転軸線J1に関して対称性を有するが、他の2つの回転軸線に関しては非対称性を有する。したがって、他の2つの回転軸線周りの回転角度は一意に決めることができる。
回転軸線J1の周りの回転については、磁石20Dの磁界を磁電変換素子によりサンプリングする際に、サンプリング時間内において、回転体10Bが回転軸線J1の周りを180度未満の範囲で回転する条件の下では、磁電変換素子に対する回転体10Bの回転軸線J1の周りの回転角度を一意に決めることができる。すなわち、直方体形状に形成された単一の磁石20Dを使用して回転体10Bに非対称性をもつ磁界を付与できる。
磁石20Eの両方の磁極に対して透磁率の異なる部材12及び部材13を設けることにより、磁石20Eの磁界の対称性が崩れるので、回転体10Dに非対称性を有する磁界を与えることができる。
また、複数の磁電変換素子40をセンサ基板30に搭載した場合について説明したが、各磁電変換素子40を別々に設置することも可能である。
20,20A〜20E…磁石
30…センサ基板(磁界検出手段)
40…磁電変換素子(磁界検出手段)
50A〜50D…アンプ
60A〜60D…A/D変換器
70…演算器(3自由度回転決定手段)
70B…学習システム(学習手段)
80…マッピングテーブル部
110、111,112…モータ
120…支持柱
121…支持部材
122,123…連結部材
124…連結棒
130〜132…ドライバ
140〜142…コントローラ
Claims (21)
- 3自由度回転に関して非対称性をもつ磁界を付与された被検出体と、
前記被検出体から離隔し、かつ、互いに所定の位置関係にある少なくとも3点において前記磁界を検出する磁界検出手段と、
を有することを特徴とする3自由度回転検出装置。 - 前記磁気検出手段による少なくとも前記3点における検出磁界に基づいて、前記磁界検出手段に対する前記被検出体の3自由度方向の回転角度を決定する3自由度回転決定手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項1に記載の3自由度回転検出装置。
- 前記3自由度回転決定手段は、3自由度方向の回転角度と少なくとも前記3点における検出磁界とを対応付けるマッピングデータを有する、ことを特徴とする請求項2に記載の3自由度回転検出装置。
- 前記磁界検出手段は、複数の磁電変換素子を有し、
前記3自由度回転決定手段は、複数の磁電変換素子のうち、その出力が最も大きな3つを選択して前記3自由度方向の回転角度を決定するのに用いる、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の3自由度回転検出装置。 - 前記磁界検出手段は、少なくとも3以上の磁電変換素子を共通に保持する複数の基板を有し、
前記複数の基板が前記被検出体にそれぞれ対向配置されている、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の3自由度回転検出装置。 - 前記3自由度回転決定手段は、前記3自由度方向の回転角度と少なくとも前記3点における検出磁界との関係を学習して前記マッピングデータを形成する学習手段を有する、ことを特徴とする請求項2ないし5のいずれかに記載の3自由度回転検出装置。
- 前記被検出体は、磁石と、前記磁石を支持する支持体とを含む、ことを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の3自由度回転検出装置。
- 前記磁石は、前記支持体に内蔵されている、ことを特徴とする請求項7に記載の3自由度回転検出装置。
- 前記磁石は、前記支持体の表面に設けられている、ことを特徴とする請求項8に記載の3自由度回転検出装置。
- 前記被検出体は、略同形状の2つの磁石を備えており、前記磁石は、対称な位置に配置されていると共に磁極の極性の向きが反転している、ことを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の3自由度回転検出装置。
- 前記磁石が前記支持体の回転中心から離れて配置されることにより、非対称性をもつ磁界が形成されている、ことを特徴とする請求項7に記載の3自由度回転検出装置。
- 前記磁石に対して透磁率の異なる複数の部材が配置されることにより、非対称性をもつ磁界が形成されている、ことを特徴とする請求項7に記載の3自由度回転検出装置。
- 前記被検出体は、球状の磁石からなり、この球状の磁石の一部に凹部が形成されていることにより非対称性をもつ磁界が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の3自由度回転検出装置。
- 前記被検出体は、球状の磁石からなり、透磁率の異なる物質を不均一に含有することにより非対称性をもつ磁界が形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の3自由度回転検出装置。
- 前記被検出体は、3自由度回転が可能な超音波モータの回転子である、ことを特徴する、請求項1ないし14のいずれかに記載の3自由度回転検出装置。
- 被検出体に3自由度回転に関して非対称性をもつように磁界を付与し、
前記被検出体から離れた所定の位置関係にある少なくとも3箇所に磁電変換素子を配置し、
前記磁電変換素子の検出する少なくとも3点における検出磁界に基づいて、前記磁電変換素子に対する前記被検出体の3自由度方向の回転角度を検出する、ことを特徴とする3自由度回転検出方法。 - 前記磁電変換素子に対して前記被検出体を3自由度回転させて得た検出磁界情報に基づいて、前記3自由度方向の回転角度と少なくとも前記3点における検出磁界とを対応付けるマッピングデータを予め形成しておき、
前記マッピングデータを使用して、前記被検出体の3自由度方向の回転角度を検出する、
ことを特徴とする請求項16に記載の3自由度回転検出方法。 - 固定された前記被検出体に対して前記磁電変換素子を保持する基板を3自由度回転させる、ことを特徴とする請求項16又は17に記載の3自由度回転検出方法。
- 前記磁電変換素子に対して前記被検出体を3自由度回転させた際に、前記複数の磁電変換素子のうち、その出力が最も大きな3つを選択して前記マッピングデータの形成に用いる、
ことを特徴とする請求項17に記載の3自由度回転検出方法。 - 前記複数の磁電変換素子のうち、その出力が最も大きな3つを選択して前記3自由度方向の回転角度を決定するのに用いる、ことを特徴とする請求項19に記載の3自由度回転検出方法。
- 前記3自由度方向の回転角度と少なくとも前記3点における検出磁界との関係を学習して前記マッピングデータを形成する、ことを特徴とする請求項17に記載の3自由度回転検出方法。
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