JP2007246419A - 2層のシート状経口製剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】胃で分解されやすい薬物、小腸上部に吸収が限られる薬物や、小腸からの吸収性の悪い薬物の吸収改善に有効な経口製剤を提供する。
【解決手段】水に溶けないポリマー層と、薬物を含む腸溶性ポリマー層からなる2層シート状とすることで、薬物が腸管内部のみで溶出し、小腸内側にシートを付着させることで、腸溶性ポリマー層が小腸粘膜側に面し、水不溶性ポリマー層が小腸管腔側に位置するようなり、その結果、腸溶性ポリマー層の侵食速度が低下し、徐放性を実現する。
【選択図】なし

Description

本発明は医薬品として用いられる経口製剤である。水不溶性ポリマー層と胃では溶解せず腸で溶解が開始する腸溶性ポリマー層の2層から成るシート状で、かつ小腸で腸溶性ポリマー層が水和することによって粘性の高いゲルを形成し小腸粘膜表面に密着することで、ゲル層の侵食を抑え薬物の放出徐放化がおこることによる吸収時間の持続性が得られることを特徴とする、徐放性製剤もしくは吸収率改善を意図した製剤である。したがって、体内からの消失半減期の短い薬物の徐放性製剤、小腸上部に吸収部位が限られている薬物の吸収率改善、たんぱく質や高分子化合物の吸収改善に応用される。
本発明の特徴は、(ア)2層シート状製剤、(イ)小腸粘膜付着性および(ウ)持続放出製剤の3点である。したがって現在までの経口層状製剤、経口層状シート製剤、経口の粘膜付着性製剤、最後に付着性製剤による吸収持持続化技術を説明する。
経口の層状製剤に関する先行技術をまとめると次のようになる。(1)化学的安定性向上を目的とした粘膜付着性を持たない層状錠剤。接触により化学的に不安定になる成分を配合するとき、安定性の改善のため両者を別の層に分けて錠剤とする。たとえば商品名バッファリンなど緩衝剤入りのアスピリン製剤が商品化されている。
(2)薬物の放出速度の異なる層を組み合わせた粘膜付着性を持たない徐放性製剤。特許文献1は徐放性溶解層と、速溶解性層からなる2層錠剤として、1層からなる錠剤に較べて初期の血中濃度の立ち上がりを早め、血中濃度が平坦になるように意図した製剤を開示している。
この技術によれば、各層とも溶解する。徐放性そのものは持続性溶解をする層の性質に直接由来している。したがってこのタイプの製剤は、日本薬局方に記載の溶出試験法第1法(回転バスケット法)においても持続放出が得られる。本発明は粘膜に付着することによって徐放性が現れるため、回転バスケット法では持続放出が得られない点で、当該技術とは異なる。
(3)経口のシート状製剤でかつ粘膜付着性を持たない徐放性製剤が特許文献2に開示されている。この製剤は、カプセルに入れられ、胃でカプセルの溶解に伴い胃内部に放出され、4本の羽根を広げたように大きくなり、胃の幽門部を容易に通過できなくすることによって胃内滞留時間を延長し持続吸収をさせるものである。
当該シート状製剤は少なくとも、消化管内で侵食され薬物を放出する層と、侵食されない層から成る。当該特許は2層状である点は本特許と類似しているが、本特許では胃では薬物は放出されない点と、本特許の放出の徐放性は、水不溶性ポリマー層が消化管粘膜表面への付着した腸溶性ポリマー層を保護することにより侵食速度を低下させることに基づいている点で異なっている。
(4)経口の層状製剤でかつ小腸粘膜付着性製剤が特許文献3に開示されている。当該特許製剤は3層状である点が、本特許と異なっている。当該特許は腸溶性ポリマー層が独立しており、薬物および粘膜付着性物質は中間層に入れられている。本特許の構造は2層状であり、当該特許に見られるように薬物層を胃液から守るための水不溶性層と腸溶性ポリマー層の間に挿入する構造を必要とせず製造上も簡単である。
当該特許は、小腸付着性であるが、製剤の大きさは半球状の場合、半球の直径(口径)は20〜800μmであり、好ましくは50〜500μmであり、より好ましくは100〜300μmであるとされており、むしろ持続放出より速やかな薬物放出を意図している。本発明の徐放性の発揮できる大きさを0.8mm以上としている点で大きく異なる。
(5−1)多層の口腔粘膜付着製剤でかつ局所適用を目的とした外用剤タイプの貼付製剤。外用剤として用いられている貼付剤は、少なくとも薬物を含んだ粘着層とそれを塗布した支持膜層の2層からなっており、通常さらに粘着層を保護する用時剥離される剥離シート層がついている。
口腔内貼付製剤は本質的にはこの構造を有している。このタイプの製剤はステロイド性抗炎症剤であるトリアムシノロンアセトニドを含むアフタ性口内炎の局所適用製剤としてすでにアフタッチ(
帝人ファーマ製品)やアフタシールS(帝國製薬製品)等の商品名で製品化されている。
口腔内適用の場合、支持層は薬物を含む粘着層が患部以外に付着するのを防ぐとともに、患部以外に散逸するのを防いでいる。特許として古くは特許文献4に開示されている。特許文献5は付着性のよい口腔内付着2層シート製剤を開示している。本発明は、構造上は当該技術に類似しているが、本発明は付着部位が小腸であるため、口内付着性を持たない工夫がされている点において異なっている。さらには、当該技術で製した製剤を口腔内付着を目的とせず、そのまま経口摂取すると、付着層が口内、食道、胃においても溶解、付着を起こすため効率的な小腸付着性は得られない。
(5−2)多層の口腔粘膜付着製剤で持続放出を目的とした貼付製剤。特許文献6には薬物の放出速度の異なる2層からなる口腔内粘膜付着製剤による持続化が開示されている。この技術では、支持層に相当する構造はなく、口腔粘膜に付着した製剤から薬物が持続放出されて長時間にわたる薬効の放出を行い、薬物放出後には溶解する。
類似技術として、薬物放出制御とともに口内で溶解する製剤技術が特許文献7、特許文献8に開示されている。特許文献9は圧感受性付着製剤で多層構造を有し、間歇的な放出や持続放出を行う粘膜付着性製剤を開示している。特許文献10はキシリトール及び又はエリスリトールを含有しポリビニルピロリドンを含む粘着層と非粘着層を有する口腔粘膜付着型徐放性錠剤を開示している。これらは、付着しない層が徐々に溶解することによって徐放性を発揮する点で、本発明とは異なる。
(5−3)高分子など消化管からの吸収が難しい薬物の吸収改善を目的とした経口付着製剤。特許文献11はヘパリンやカルシトニンなど高分子薬物ならびに胆汁酸塩を吸収促進剤として含む粘膜付着層と支持層からなる2層口腔粘膜付着製剤を開示している。本発明は、(5−1)と同じく構造上は当該技術に類似しているが、付着部位を小腸とするため、口内付着性を持たない工夫がされていることならびに、当該技術で製した製剤を経口投与する場合、付着層が口内、食道、胃においても溶解、付着を起こすため効率的な小腸付着性は得られないため、吸収促進剤が効率よく働かず、吸収改善は難しい。
国際公開番号WO2002/000219 米国特許4767627号公報 特表2002−531394号公報 特開昭58−079916号公報 特開平9−235220号公報 特表平9−510986号公報 米国特許5700478号公報 米国特許4765983号公報 米国特許5236713号公報 特開2000−178185公報 米国特許5516523号公報
次に経口の粘膜付着製剤について説明する。付着部位により分け(6)口内に付着する製剤、(7)胃に付着する製剤、(8)小腸に付着する製剤の順に説明する。
1層の口内付着製剤に関する特許は多い。(6−1)口腔粘膜付着性能の改善技術。特許文献12は口腔粘膜表面の唾液など、水分(有無、量)に影響されずに付着し、その付着力が持続するポリイソブチレン及び/又はポリブテン含有口腔粘膜付着製剤を開示している。
特許文献13は非晶質寒天及びセルロース誘導体を含有し付着性が高く、唾液等による膨潤が少ない徐放性口腔粘膜付着製剤を開示している。特許文献14、特許文献15、特許文献16は、それぞれ抗原、イトラコナゾール、化学的安定性を改善した口腔粘膜付着製剤を開示している。このタイプの特許は、付着性、安定性などの改善を目的としている。
(6−2)口腔粘膜付着徐放性製剤。特許文献17はカルボン酸基を有する高分子化合物及び、水酸基を有しカルボン酸基を有さない高分子化合物の特定の混合比率をもつ組成の基材が口腔内でゆっくりと溶解し、口腔粘膜への付着性が良好で、使用感が良好でかつ口腔内での薬物の溶解性をコントロールし有効性が持続する口腔内貼付剤を開示している。
特許文献18は粘膜付着性ポリマーを含むトローチ状の組成物を使用した、徐放性口内付着性製剤を開示している。特許文献19は舌下錠タイプの抗菌剤、抗炎症剤含有の徐放性付着製剤を開示している。特許文献20、特許文献21は口中で溶解して消失する口内付着性製剤を開示している。
これらの技術は、接着層に薬物を含みかつ接着層が徐々に溶解することによる持続化を行う方法を開示している。本発明とは異なる持続化技術に基づいている。
特開2002−249424公報 特開平8−291083公報 特表平8−508247公報 特表2004−505905公報 特表2005−528427公報 特開2005−289939公報 特開平10−203963公報 米国特許5578315号公報 米国特許5800832号公報 米国特許6159498号公報
(7)胃粘膜付着製剤に関する技術も知られている。特許文献22は水溶性又は水膨張性のアニオン性高分子電解質、酸性物質と、架橋剤の添加により、アニオン性高分子電解質の分子間を架橋剤で強固に固定して、アニオン性高分子電解質の水不溶性塩を生成させることによって、固形組成物又は固形被覆組成物の薬物放出特性や生体粘着性を制御し、中性付近の湿潤粘膜に付着させる製剤を開示している。
特許文献23は多層状粘膜付着製剤を開示している。生体付着層と、水に溶解するシート形成ポリマーを含む非付着性支持膜、粘膜透過促進剤を含むことを特徴とする、柔軟性があり生物的に分解される粘膜付着製剤を開示している。
特許文献24は炭水化物分解酵素阻害剤を含有し、アクリル酸重合体など水で粘性を生じる物質を含有する消化管粘膜付着による消化管内上部滞留延長型経口徐放性製剤を開示している。
特許文献25はプロポリスを塩基性物質とともに水溶液とし、界面活性剤と混合後油相に添加してエマルジョンとし、最後に溶媒を留去し粘膜付着性経口製剤とする技術を開示している。
特許文献26、特許文献27、特許文献28はポリグリセリン脂肪酸エステルを含むマトリックス粒子の表層近傍に、アクリル酸系重合体などの水で粘性を生じる物質が分散している顆粒状の粘膜付着性製剤を開示している。
特許文献29は水で粘性を生じ付着性を高める物質がカードランや低置換度ヒドロキシプロピルセルロースである消化管粘膜付着製剤を開示している。
特許文献30は生理活性ペプチドを含有した生体内分解性ポリマーを核として、これを消化管粘膜付着性高分子や必要に応じてポリビニルアルコールとともに被覆した経口投与用ナノスフェアの技術を開示している。特許文献31は粘土成分と粘膜付着成分を含む胃付着製剤を開示している。
特許文献32は消化管免疫系を活性化するために、抗原を水性腸溶性皮膜によりコートし、さらに粘膜付着物質を加えて、免疫原が安定である小腸の領域においてのみ免疫原を放出し付着により効率的に免疫系を活性化させる製剤を開示している。
特許文献33は薬物を含む粘膜付着性を持たない多数のマイクロユニットを粘膜付着性ポリマーで覆うことにより粘膜付着性を持つ製剤を開示している。
特開平6−247843公報 WO2005/5016321公報 WO99/10010公報 特開2001−299245公報 特開2001−354593公報 特開平5−132416公報 特開平7−126189公報 特開平10−324643公報 開平11−116499公報 特表2002−523352公報 特表2004−504264公報 特開平7−2158437公報
これらの文献は粘膜付着性を与える物質および組成を開示している。酸性物質としてアクリル酸コポリマーおよびその塩、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース及びその塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、キサンタンガム、ローカストビンガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、グアガム、塩基性物質として、キトサンおよびその誘導体、非イオン性物質としてヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ペクチン、その他の物質としてポリグリセリン脂肪酸エステル類を開示している。これらを組み合わせたり、他の成分を加えることにより、粘膜への付着性を高めている。
口腔内付着用製剤は、錠剤、シートなどの形状で直接付着部位へ手などで押し当てて付着させる。したがって、このタイプの徐放性製剤では、局所投与、全身投与のいずれであっても、製剤が初めの付着部位にとどまり、薬物層が溶解によって消失していく。口腔内の患部に付着させる局所適用製剤として用いるため、付着面が患部に接し、非付着面から薬物の消失を防き、製剤の形状を維持する目的で、保護層または支持層をつけることが多い。
粘膜付着性を与えることにより、吸収の持続性を持たせるいくつかの技術が公知である。シート状製剤では、口内と小腸付着で試みられている。口内付着性の場合、(5−2)で述べた技術である。小腸付着のシート製剤は(4)で説明したように、小腸に付着することにより長く吸収部位にとどまることによる吸収の持続化である。
非シート状製剤としては、(7)に示した技術が知られている。作用部位が胃である場合、通常の製剤では経口服用後1−2時間胃を通過してしまうために、胃に長時間滞留させる目的で胃付着性製剤が用いられている。胃の中は消化管の運動性が高いために、効率よくかつ長時間にわたり付着させておくことは困難と考えられる。
本発明は口内および胃では溶解せずに、小腸部にいたり溶解を起こす(ア)2層状シート製剤であり、(イ)小腸粘膜付着性を持つ(ウ)持続放出製剤である。
製剤中に粘性の高い水溶性ポリマーを用いたり、水膨潤性ポリマーを用いたりすることにより、製剤の侵食を遅くするか、製剤中の水和ゲル層中での薬物の拡散速度を低下させることによって放出速度を低下させる親水性ゲル浸食型製剤の技術が特許文献33に開示されている。
米国特許4678516公報
水溶性ポリマーを用いた親水性ゲル浸食型製剤は、特許文献33に開示されているよう、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(以後HPMCと表記する)、ヒドロキシプロピルセルロース(以後HPCと表記する)などを用いた水溶性ポリマーから成るゲル侵食性徐放性製剤である。それらは、薬物の徐放性を持たせるために、水和速度が遅い非崩壊型の錠剤である。一方、本発明の特徴の一つは、製剤がシート状であるところにある。
この技術を応用して、水溶性ポリマーからなる1層のシート状の製剤とした場合、消化管内での水和がシートの全面から起こるために、速やかに水和してゲルの浸食速度が速くなり十分な徐放性が得られない。これらのポリマーシートに薬物を溶解させても、本質的にこれらのポリマーが胃で溶解するため口腔内付着としない場合には十分な徐放性とならない。
口腔内で液体成分が少なく、侵食の少ない箇所に設置される製剤であれば、HPMC、HPCなどの水溶性ポリマーでシートとしただけで、そのポリマーの持つ高粘度のため溶解が遅延し徐放性となるが、きわめて特殊な条件で得られるものであり、通常の経口投与では得られない条件を必要とする。したがってこれらのポリマーを用いたシート状の経口製剤では胃部を含みそれ以下の消化管内での徐放性を達成できない。
従来技術によれば、シート状で徐放性を持たせるためには水溶性ポリマーではなく、水不溶性ポリマーを用いるマトリックスタイプか、膜透過性を制御したリザーバー型製剤となる。本発明は、小腸内で溶解する腸溶性ポリマーを用いたシート製剤で薬物の持続放出を目的としている。したがって、本発明は薬物保持層が水不溶性ポリマーでないばかりか、透過速度制御膜を持つ製剤でもない新規の手法である。
本発明は、製剤が2層シート状である事を特徴とする。本発明と類似している口腔内貼付タイプの2層シート製剤は、薬物を含むシート層の溶解を遅くすることで持続放出を実現している。薬物の局所吸収を意図しない口腔粘膜付着剤の場合、薬物層を非付着面側として徐放性は非付着面側のポリマー層の侵食を遅くすることで達成していた。この従来技術では、接着層に付着物質を入れ、非付着面側に薬物を入れる。この製剤を経口投与した場合、2層とも先に述べた親水性ゲル侵食型製剤のシート状となるため、持続放出は難しい。
したがって、従来用いられている、口腔内付着性製剤をそのままカプセルに充填しても、小腸に付着する徐放性製剤は得られない。
今回我々は、まったく異なる考えで徐放性製剤の発明に至った。水に溶けるポリマーからなるシート状の製剤ではポリマーが溶解する時間は比較的短く、0.5mmの厚みであればほぼ1時間以内に溶解する。水溶性ポリマーの片側を水不溶性ポリマーで覆い2層シートとした場合、水不溶性シート側からの薬物の溶出は実際上起こらないようになる。さらに、水溶性ポリマー層が粘膜に付着した場合、親水ゲル層を剥離させる流体力学的な力が著しく減少され、ゲルの侵食が遅くなることによる薬物の放出の持続化が得られる。このように水不溶性ポリマーと水溶性ポリマーの2層とすることで薬物放出の徐放化を達成するというまったく異なる発想である。
このような2層シート製剤が効率よく消化管に付着するためには、付着部位は小腸とすることが必要である。先に述べた水溶性ポリマーと水不溶性ポリマー層の2層シート製剤は水に触れると、水溶性ポリマー速やかに水和するため、複数のシートをカプセルに充填した場合、胃の内部でカプセルの溶解が起こると、水溶性ポリマー層同士がくっつき凝集体を作る可能性が高いばかりか、胃の中では薬物を含む水溶性ポリマー層側が必ずしも粘膜側に向くとは限らないために安定した持続放出が期待できない。
そこで、シート状で徐放性を持たせなおかつ胃での凝集を防ぐための手段を鋭意検討の結果、水に不溶性のポリマー層と腸溶性ポリマー層からなる2層シート製剤がこれらの問題を解決できることがわかった。
まず、シートの片面を水不溶性ポリマー層で覆うことによる徐放性の発現について説明する。親水性ポリマーシートの片面に水不溶性ポリマー層を接着させた2層シートを考えた。この2層シート製剤から薬物の放出は、水和が片面から起こるために溶解速度は若干遅くなる程度である。ところが、水溶性ポリマー層側も溶出液に接しない条件下では、溶出は著しく遅くなり製剤からの持続放出が得られた。
実施例1に示すように、水性ポリマーシートの片面に水不溶性ポリマー層を接着させた2層シート製剤からの色素の溶出は、溶出試験方法の影響を強く受けた。日本薬局方溶出試験法の回転バスケット法では、色素の溶出には水不溶性膜の有無は溶出速度に大きく影響しないが、シェーカー法で水溶性ポリマー層が液側に露出している場合と、容器面側に面しているときで溶出挙動に著しい違いを生じた。水溶性ポリマー層が容器面に向いている、すなわち液側に露出していない場合は水溶性ポリマー層の浸食が起こりにくくなり薬物の溶出が遅延した。
薬物の主たる吸収部位である小腸から効率よく吸収させるためには、小腸で付着する製剤が望まれる。ところが、水溶性ポリマーからなる薬物層と水不溶性ポリマー層からなる2層シート製剤を経口投与するとさまざまな問題が生ずる。
例えば、このような2層シート製剤が水に触れると、水溶性ポリマー速やかに水和するため、複数のシートをカプセルに充填した場合、カプセルが溶解する前に水溶性ポリマー層同士がくっつき凝集体を作りシート形状を維持できなくなり小腸付着性が悪くなる。
また、胃で放出される場合、薬物を含む水溶性ポリマー層側が必ずしも粘膜側に向くとは限らないために、安定した持続放出が期待できない。したがって、水性ポリマーシートの片面に水不溶性ポリマー層を接着させた2層シート製剤では、小腸に付着する徐放性製剤は得られない。
顆粒や錠剤については、口内や胃内で付着せず小腸で付着性を持たせるためには、腸溶性ポリマーが使われている。腸溶性ポリマーは口腔内や胃では溶解しないからである。本発明でも水溶性ポリマーに代えて腸溶性ポリマーを用いることとした。
食物の入っていない状態の小腸は、空気の抜けた自転車のチューブのような状態である。したがってこのようなチューブの中に、コインのような平板な形状の物体を挿入すると、平板の側面がチューブの両面に接した状態、言い換えれば、平板がチューブの面に垂直になった状態で保持されることはまれである。平板の平面がチューブの面に平行になる状態が圧倒的に多い。したがって、平板の場合、表裏いずれの面もチューブの面に平行になる。2層シート製剤で言えば、腸溶性ポリマー層はほぼ確実に粘膜に面することになり付着の確率が極めて高くなる。
一方立方体をチューブに入れると、特に好まれてとる状態はないので、各面は、上下それに側面のいずれにも位置することになる。仮に付着面が側面(チューブ面に接しない位置)に来た場合には、付着が起こらないためこのような形状では安定した付着性が期待できない。球形に近い状態でも同じように安定した付着は期待できない。
薬物の局所吸収を意図しない口腔粘膜付着剤の場合、従来の技術では、薬物層を非付着面側として徐放性は非付着面側のポリマー層の侵食を遅くすることで達成していた。本発明は付着層に薬物を入れ、非付着層は薬物層の侵食を防ぐための水不溶性ポリマー層から成ることからも、従来技術とは異なっている。
小腸への付着を意図する場合、腸溶性ポリマーが用いられているが、腸溶性ポリマーが特に優れた粘膜付着性を持っているわけではない。付着性の物質が他に製剤中に入れられており、口腔や胃で付着性とならないようにコーティングとしたり、マイクロカプセル膜として保護機能を持たせるために腸溶性ポリマーが使われ、粘膜付着性の現れる部位をコントロールするために用いられている。例えば、特許文献3では腸溶性ポリマー層の下に付着性を持たせる層をつけているが、本発明では、付着成分は必ずしも必要としない上に、付着成分を入れる場合には腸溶性ポリマー層内に入れることで十分であり、別の層に分ける必要はない。
本発明は、水不溶性の層と薬物を含み腸溶性ポリマーを主成分とする小腸で溶解する層の2層のフィル状経口製剤とすることで、小腸に付着し小腸内移動時間を延長するとともに、薬物層の侵食が遅れることによる薬物の徐放性が得られる製剤であって、胃で分解されやすい薬物、小腸上部に吸収が限られる薬物や、小腸からの吸収の悪い薬物の吸収改善に利用ができる。
本発明の製剤は、実質的に水に溶けないポリマー層と、薬物を含みpH4.5以下で水に溶けずpH6.5以上で水に溶けるポリマー層からなる2層シート状の経口製剤である。
様々な製造方法があるが、最終的な構造が2層シート状の製剤であればよいので、以下に代表的な製造方法を説明するが製造方法はここに示す方法だけに限定されない。
実質的に水に溶けないポリマー層とは、製剤が大腸にいたるまでの時間、すなわち通常6時間好ましくは12時間、酸性もしくは中性のいずれの水溶液に浸漬を続けても完全にはとけきらない層であり、ポリマーを主な成分として構成される。当該水不溶性ポリマー層は日本薬局方の回転バスケット法を用いて50回転/分で試験をするとき、崩壊試験用第1液、第2液のいずれを用いても6時間好ましくは12時間で溶けきらない。
水不溶性ポリマー層に用いられるポリマーは、エチルセルロース、酢酸セルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマー、ポリ乳酸、ポリグリコール酸およびこれらのコポリマー、水不溶化アルギン酸などが挙げられる。
さらには、ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ブタジエンなどもシートとなりやすいために用いることができる。
水不溶性ポリマー層の製造方法は、ポリマーごとに異なる。医薬品として徐放性製剤のコーティングに使われているエチルセルロース、酢酸セルロース、アミノアルキルメタクリレートコポリマーRS、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチルコポリマーについては、溶媒に溶かして成型する溶媒展開法が挙げられる。
溶媒展開法は、ポリマーをエタノール、アセトン、精製水またはこれらの混合溶媒に溶解し適当な可塑剤を混合し、定法に従ってスリットから噴出しベルト上に広げ乾燥してシートとする。可塑剤の割合はポリマーに対して10−80重量%を用いるが、可塑剤の種類、製造機種などにより調整が必要である。このとき、シートの付着凝集を防止するため、タルクや軽質無水けい酸をシート重量の10−40%加えることもできる。
可塑剤としては、たとえばクエン酸トリエチル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ポリエステル、エポキシ化ダイズ油、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエステル、カオリン、クエン酸トリエチル、グリセリン、グリセリン脂肪酸エステル、ゴマ油、ジメチルポリシロキサン・二酸化ケイ素混合物、D-ソルビトール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、トウモロコシデンプン由来糖アルコール液、トリアセチン、濃グリセリン、ヒマシ油、フィトステロール、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、プロピレングリコール、ポリエチレン(105)ポリオキシプロピレン(5)グリコール、ポリソルベー80、マクロゴール400、マクロゴール600、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000、ミリスチン酸イソプロピル、綿実油・大豆油混合物、モノステアリン酸グリセリン、リノール酸イソプロピル、アセチル化グリセリン、クエン酸トリブチル、クエン酸アセチルトリ-n-ブチル、セバシン酸ジブチル、ヒマシ油、フタル酸ジメチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸トリブチル、ココナツ、獣脂、水素添加獣脂、植物油、カカオバター、ラウリン酸グリセリン、モノオレイン酸グリセリン、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ツイーン65、ツイーン80、レシチン、モノおよびジグリセリド、アセチル化モノグリセリド、ソルビトール、フタル酸ジヘキシル,フタル酸ブチルオクチル, 多価アルコール、アゼライン酸オクチル、エポキシ化獣脂、イソオクチル・トリメリテート、トリイソノニル・トリメリテート、アセチルイソブチル
スクロース、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリグリコール、トリアセトキシステアリングリセリン、エポキシ化アマニ油、n−ブチルベンゼンスルホンアミド、
脂肪族ウレタン、グリコール酸トリエチレン、カプリン酸/カプリル酸エステル、長鎖アルキルエステル、グルタル酸エステル、アジピン酸ポリエステル、加水分解コラーゲンのエチルエステル、イソステアリン酸、ラノリン, アジピン酸ジアルキルエステル、りん酸アルキルアリルエステル、りん酸アルキルジアリルエステル、りん酸トリアリルエステル、フタル酸オクチルベンジル、フタル酸アルキルベンジル、アジピン酸ジプトキシエトキシエチル、りん酸−2−エチルヘキシルジフェニル、蟻酸ジブトキシエトキシエチル、オレイン酸イソデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ネオペンチルグリコールヂオタノエート、イソヘキシルネオペンタノエート、
エトキシル化ラノリン、ポリオキシエチレンコレステロール、プロポキシル化ラノリンアルコール、ラノリンのアセチル化ポリオキシエチレン誘導体、ジメチルポリシロキサン、2,2,4トリメチル-1,3-ペンタネジオールモノイソブチレート、フタル酸ジイソノニルなどが挙げられる。
エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリ乳酸、ポリグリコール酸についてはホットメルトによるシート化も可能である。ホットメルト法はポリマーに可塑剤を10−40%を加え、定法の押し出し機とTダイを用いシートとする。このとき、シートの付着凝集を防止するため、タルクや軽質無水けい酸を水不溶性ポリマー層重量の10−40%加えることもできる。
ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ブタジエンはシート製品が広く利用されており、それらのシートを用いることができる。
まず薬物を含む腸溶性ポリマー層をシート状とし、水不溶性ポリマー層を適当な溶媒に溶解したあと腸溶性ポリマー層の上にスプレー、さらに乾燥し水不溶性層の皮膜を形成する方法も可能である。必要に応じて、加熱処理、不溶化処理を行う。
たとえば、市販のエチルセルロース水分散液( 商品名AQUACOAT ECD,FMC社)に可塑剤としてクエン酸トリエチルを分散液の5−15重量%加え、スプレー液とする。ロール状に成型した腸溶性ポリマー層をスプレーおよび乾燥チャンバー内を移動させながら50−60度の送風下、水不溶性ポリマー層を塗布し、速やかに送風し、水を蒸発させ、最後に80−90度の温風をあててシートを形成する。
水に分散するポリマーで乾燥または加熱で水不溶性となるポリマーとは、ポリマーのみでは水に溶解しないため、微粒子として界面活性剤を用いて水に分散し用いるもので、水中に分散または溶解できる可塑剤をさらに加えて使用されるものである。例えば、エチルセルロース水分散液(商品名アクアコート ECD)、メタクリル酸コポリマー水分散液(商品名オイドラギットNE30−D)、アミノアルキルメタクリレートコポリマー水分散液(商品名オイドラギットRL30D、オイドラギットRSL30D)などが挙げられるが、これらに限らず、水に溶解しないポリマーを水に分散して用い、乾燥、加熱によりシートとできる物質であればよい。
水に溶けるポリマーで乾燥または加熱で水不溶性となるポリマーとは、例えば水不溶化アルギン酸のような物質であり、はじめは水に溶けるが、一度乾燥すると不可逆的に水には溶解しない性質を持つ物質である。水不溶化アルギン酸に限らず、乾燥または加熱で水不溶性となる性質を持つ物質であればよい。
腸溶性ポリマーとしては、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(以後HPMCASと表記する)、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート(HPMCP)、メタクリル酸コポリマーなどを用いることができる。
製薬上許容され得る溶媒(例えば、アルコール、アセトンなど)、必要に応じて精製水を加えた混合溶媒に、腸溶性ポリマーを溶媒に対して5−20%となるように溶解し、さらに既述の可塑剤を腸溶性ポリマーに対して10−40%加える。吸収に特に悪い状態でなければ、薬物の混合方法は特にこだわらず、溶解・微粒子での分散いずれでもかまわない。腸溶性ポリマー層の重量に対して、0.01重量%から40重量%、好ましくは0.01重量%から20重量%である。
本発明に適する薬物は次のようなものが挙げられるが、ここに挙げるものに限定されない。胃酸で分解を受けやすい薬物。例えば、塩化リゾチーム、カリジノゲナーゼ、セラペプターゼ、セミアルカリプロティナーゼ、プロナーゼ、ブロメライン、バリダーゼ、メカセルミン、バソプレシンなど。さらに、ソマトロピン、酢酸テリパラチド、インシュリン、顆粒球増殖因子、エリスロポエチンなどのたんぱく薬。
持続吸収により投与回数を減らすことができる薬物として、アトロピン、塩酸プロプラノロール、ピンドロール、塩酸ブニトロロール、ニフェジピン、塩酸ニカルジピン、塩酸プラゾシン、塩酸チザニジン、塩酸アンプロキソール、塩酸ブロムヘキシン、塩酸プロカテロール、塩酸ツルブテロール、硫酸テルブタリン、塩酸アゼラスチン、オキサミド、メキタジン、クロモグリク酸ナトリウム、臭化ブチルスコポラミン、臭化プロバンテリン、フマル酸ケトチフェン、ブロモクリプチン、塩酸オキシブチニンなどがある。
また、小腸粘膜に付着することから、腸管免疫器官であるパイエル板に抗原を提示することによる免疫獲得を意図した経口ワクチンなどにも応用が可能と考えられる。このような例としては、狂犬病、日本脳炎、A型肝炎、ジフテリア、破傷風、百日咳、ペストなどの不活性化ワクチンなどである。さらに、経口免疫寛容を狙いスギ花粉エピトープペプチド、各種花粉エキス、抗原たんぱく、食物アレルゲンなどを入れることもできる。口寛容誘導能を有する経口寛容誘導能を有する
粘膜付着性を高めるためにアクリル酸コポリマーおよびその塩、カルボキシビニルポリマー、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びその塩、キサンタンガム、ローカストビンガム、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、グアガム、キトサンおよびその誘導体、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ペクチン、ポリグリセリン脂肪酸エステル類などを腸溶性ポリマーの重量に対して3−80%好ましくは5−20%加えることもできる。
必要に応じて、さらに、薬物の溶解を助ける界面活性剤や、胆汁酸塩、キレート剤、脂肪酸やその塩などの吸収促進剤を加えることもできる。界面活性剤としては、例えば、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレン系界面活性剤(例えばポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、ラウロマクロゴール、ポリオキシエチレン水添硬化ヒマシ油、ショ糖脂肪酸エステル、カプリロカプロイルマクロゴール−8グリセリド等)、イオン性界面活性剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム等)等が挙げられるがこれらに限られるわけではない。これらは、1種または2種以上適宜混合して用いることもできる。
かかる界面活性剤および吸収促進剤の配合量としては、通常腸溶性ポリマー重量に対し約1〜30重量%であり、好ましくは約1〜15重量%であり、さらに好ましくは約1〜10重量%である。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、脂肪酸類としては、オレイン酸、カプリン酸ナトリウムなどが挙げられるが、これらに限られるわけではない。
また、腸溶性ポリマー層に適当な粘性や、製造時の操作性を付与する目的で、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなどの多価アルコールやソルビトール、キシリトールなどの糖類を加えることもできる。
薬物が熱に対して安定な場合、ホットメルト法による、腸溶性ポリマー層の製造も採用できる。たとえば、HPMCASを80―90重量%にクエン酸トリエチル(以後TECで表す)10−20重量%を混合し、さらに全重量に対して薬物約1−10重量%を混合し、約120度から140度でTダイを用い、水不溶性ポリマー層シート上に重ねて2層シートを製造する。
水不溶性ポリマー層を支持層とし、その上に腸溶性ポリマー層を塗布、乾燥し2層シート製剤とする方法と、腸溶性ポリマー層を先に作り、水不溶性ポリマーを塗布または付着させる方法がある。
2層シートは、適当な大きさの円形、楕円形、3角形、正方形、6角形、長方形などの形状に切断する。さらに、結晶セルロースなど、医薬品に許容された賦形剤を加えカプセルに充填するか、ポウチに充填する。
小腸付着性2層シート製剤が効率よく腸溶性ポリマー層側で付着し、安定した付着を得るためには、ある程度の面としての大きさが必要である。小さい場合、側面からの浸食が無視できなくなり徐放性に限界がある。小腸の中を製剤が移動するとき、縦/横の比が大きくなると、流体力学上、製剤は移動方向に配向しやすくなり、そのときに縦方向を回転軸として回転しやすくなることから小腸粘膜に付着面が面する確率が低下する可能性があるため縦/横の比は10以下、好ましくは5以下とする。
薬物を含む粒子など1個の製剤の大きさが小さくなると一般的に、製剤からの薬物の溶解速度は速くなる。小腸付着性2層シート製剤のサイズが小さくなると、側面からの浸食が相対的に大きくなる。さらに、平板状であっても小腸内部の粘膜の間で縦向きになる確率が高くなり付着の確立が低下することから、徐放性が発揮されにくい。本製剤は横が0.8mm以上、好ましくは1mm以上である。
小腸内部でシート製剤の腸溶性ポリマー層が高い確率で小腸粘膜側に廃校するためには、上下反転や回転のしにくい板状であることがこのましい。そのためには厚み/横の比が1/3以下、好ましくは1/5とする。
また、接着した後剥離しにくいためには、付着した製剤が流体力学的な側面からの力を受けにくい構造であることも重要である。ぶ厚い製剤は、側面からの力が加わり、消化管の中を移動しやすくなるため望ましくない。本発明の2層シート製剤の厚みは0.05mmから3.0mm、好ましくは0.1mmから1.0mmである。
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない
3種の膜を作成した。(A)水溶性の低分子量ヒドロキシプロピルセルロース(以後HPC-Lと表記する)から成る1層シート、(B)水溶性のHPLC−L層と水不溶性ポリマーであるエチルセルロース(以後ECと表記する)層とのから成る2層シート、 (C))腸溶性ポリマーであるヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートフタレート(以後HPMCASと表記する)層と水不溶性ポリマーであるEC層とのから成る2層シートを作り、薬物に代えて食用色素2号を水溶性ポリマー層に加えた。
シート(A)の製造。HPC−L(日曹HPLC−L)0.9gに食用色素1mgを加えよく混合した。この混合物にTEC0.1gを混ぜたエタノール9gを少しずつ加え混合し粘稠な液を得た。この液をフルオロカーボン製のテープを張った平らなガラス板に1.0mmの隙間をもつスプレッダーを用いて広げ室内で2時間乾燥した。得られたシートをガラス板から剥離して、さらに50℃の送風乾燥機で30分乾燥した。得られた膜の厚さは0.10mmであった。
シート(B)の製造。EC(エトセルSTD10プレミアム)0.6gとタルク0.2gを混合し、TEC0.2g含むエタノール19gに分散した。この液をフルオロカーボン製のテープを張った平らなガラス板に1.0mmの隙間をもったスプレッダーを用いて広げ室内で2時間乾燥した。引き続き、シート(A)と同じ手順で、色素を含んだHPC−L液をECシートの上に広げ、2時間乾燥したのち、ECシートと重ねたままガラス板から剥離し、50℃の送風乾燥機で30分乾燥した。得られた膜の厚さは0.15mmであった。
シート(C)の製造。HPMCAS(信越AQOAT MF)0.85gに食用色素1mgを加えよく混合した。この混合物にTEC0.15gを混ぜたエタノール9gを少しずつ加え混合し粘稠な液を得た。シート(B)で製造したEC膜上に1.0mmの隙間をもったスプレッダーを用いて広げ室内で2時間乾燥した。得られたシートをガラス板から剥離して、さらに50℃の送風乾燥機で30分乾燥した。得られた膜の厚さは0.15mmであった。
(A)、(B)、(C)のシートとも10mm角または5mm角の正方形に裁断し試料とした。
溶出試験。日本薬局方の溶出試験を一部変更して実施した。容器は200ml用を用いた。崩壊試験の第2液(pH6.8)200mlを入れ、回転バスケット内に1cm角の試料をいれ,回転数50回転/分で色素の溶出を、521mnの吸光度を測定して求めた。測定はそれぞれ3回行った。
(表1) 回転バスケット法によるシート状製剤からの色素の溶出挙動(崩壊試験第2液(pH6.8中)
(表2) 回転バスケット法によるシート状製剤からの色素の溶出挙動(崩壊試験第1液(pH1.2中)
回転バスケット法では、水溶性ポリマー層や腸溶性ポリマー層が常に溶解液に接しているために片側に水不溶性ポリマー層がついた場合は薬物の溶出速度は低下するが十分な徐放性にはいたらなかった。
シェーカー法による溶出試験の実施。内径30mm、長さ10cmのポリエチレン製円筒容器に5mm角の試料4個を入れ、崩壊試験の第2液10mlを入れ、蓋をして横に寝かせて30ストローク/分で色素の溶出挙動を吸光度により追跡した。測定はそれぞれ異なる3試料について行った。シェーカー法によると薬物層が下に位置した場合溶出が遅延していた。
(表3)シェーカー法によるシート状製剤からの色素の溶出挙動(崩壊試験第2液(pH6.8中)
実施例1で作成した5mm角の2層シート(B)および(C)を用いた。試料10片をガラス製シャーレに入れて、その上から静かに崩壊試験第1液または崩壊試験第2液を入れ、10分静置し、その後シャーレ中の液を棄て、シャーレに付着した試料の数を数えた。測定はそれぞれ異なる3試料について行った。腸溶性ポリマー層を含むシート(C)は第2液でのみ付着性がみられた。
(表4)2層シート製剤のガラス製シャーレへの付着挙動
実施例で製造したシート(C)を(C−1)5mm角4個、(C−2)3.3mmx10mmの短冊形3個、(C−3)2mmx10mmの短冊形5個、(C−4)1mmx10mmの短冊形10個、(C−5)1mm角100個と形状を変えた試料を用意した。顕微鏡用スライドグラスの上に、付着面を下にして試料を置き、約1mmの隙間を開けて上方に、もう一枚のスライドグラスを固定した。スライドグラスの側面を、プラスチック板で塞ぎ、溶出液がスライドグラスの長軸方向にのみ移動するようにした。このスライドグラスを実施例1のシェーカー法で用いた円筒容器の中に入れ、崩壊試験の第2液10mlを入れ、蓋をして横に寝かせて30ストローク/分で色素の溶出挙動を吸光度により追跡した。(C−5)については1回、それ以外はそれぞれ測定を3回行った。
(表5)2層シート製剤の形状とガラスへの付着挙動


いずれの2層シート製剤についても実施例1に示す薬物層が上の場合より溶出の遅延が認められた。
実施例1で作成した5mm角の2層シート(C)を用いた。0.5重量%重曹水10ml、または0.1M酢酸ナトリウムと0.1M酢酸でpH4.0に調整した酸性液を調製した。重曹水もしくは酸性液で口をすすいだ後、試料片10個を口中に含み重曹水もしくは酸性液10mlを口中に入れ2分後に、液を吐き出し、精製水25mlで2回口をすすぎ、口中に残った試料片を数えた。それぞれ3回ずつ試験した。
(表6)酸性またはアルカリ性水溶液を口中に含んだとき、口中に付着した試料片の数
2層シート製剤の粘膜付着挙動酸性液を用いたときは、付着は起こらなかった。重曹水を用いた場合は、小腸内を想定したものであるが、口内においてもよく付着した。
シート(D)の製造。HPMCAS(信越AQOAT MF)0.80gにポリアクリル酸(カーボポール971)0.05gを加えよく混合した。乳鉢中でこの混合物にTEC0.15gを混ぜたエタノール/水混合溶媒(
3/1、重量比)9gを少しずつ加え混合し粘稠な液を得た。シート(B)で製造したEC膜上に1.0mmの隙間をもったスプレッダーを用いて広げ室内で2時間乾燥した。得られたシートをガラス板から剥離して、さらに50℃の送風乾燥機で30分乾燥した。得られた膜の厚さは0.15mmであった。この2層シート製剤を5mm角に裁断し試料片とした。実施例3と同じ方法で、色素の入っていないシート(C)とシート(D)の口中への付着実験を行った。
(表7)2層シート製剤の粘膜付着挙動
付着性のある物質を加えることによって、付着の確率が高まった。
シート(E)の製造。ニフェジピン粉末0.1g、ポリメタクリル酸コポリマー(Eudragit L)0.75gにカーボポール971 0.05gを加えよく混合した。乳鉢中でこの混合物にTEC 0.1gを混ぜたエタノール/水混合溶媒(
3/1、重量比)6gを少しずつ加え混合し粘稠な腸溶性ポリマー液を得た。吸収促進剤としてカプリン酸0.2gをエタノール3.0gに溶かし、腸溶性ポリマー液に混合した。シート(B)で製造したEC膜上に1.0mmの隙間をもったスプレッダーを用いて広げ室内で2時間乾燥した。得られたシートをガラス板から剥離して、さらに50℃の送風乾燥機で30分乾燥した。得られた膜の厚さは0.15mmであった。
シート(F)の製造。HPMCAS(信越AQOAT MF)7gとHPC−L(日曹HPC−L)2gをよく混ぜ合わせ、アンモニア水5gと精製水50gと混合した液を少しずつ加え粘稠な液を得た。1gのポリソルベート80と塩化リゾチーム 0.1gを混合溶解した。得られた粘性の高い液を実施例1シート(B)で作ったEC膜上に1.0mmの隙間をもったスプレッダーを用いて広げ室内で4時間乾燥した。得られたシートをガラス板から剥離して、さらに50℃の送風乾燥機で60分乾燥した。得られた膜の厚さは0.17mmであった。これを直径5mmの円形状に打ち抜きシート状製剤を得た。50片を軽質無水けい酸10mgと混ぜ1号カプセルに充填した。塩化リゾチーム1.5mg含有製剤が得られた。
EC(エトセルSTD10プレミアム)3gと軽質無水けい酸1gを1gのTECを含むエタノール90gに溶解した。この液をフルオロカーボン製テープを張った平らなガラス板に1.0mmの隙間を持ったスプレッダーを用いて広げ室内で2時間乾燥した。HPMCAS(信越AQOAT MF)3.5gをアンモニア水2.5gと精製水25gと混合した液を少しずつ加え粘稠な液を得た。0.1gのトリアセチンを溶解した後、ニフェジピン0.5gを分散した。EC膜上に1.0mmの隙間を持ったスプレッダーを用いて広げ室内で4時間乾燥した。得られたシートをガラス板から剥離して、さらに50℃の送風乾燥機で60分乾燥した。得られた膜の厚さは0.17mmであった。直径5mmの円形状に打ち抜きシート状製剤を得た。50片を1号カプセルに充填した。ニフェジピンを15mg含む製剤が得られた。
EC(エトセルSTD10プレミアム)4.25kg、TEC1.75kgを混ぜ、2軸押し出し機を用い120−130度で溶融し、コンパウンドとした。このコンパウンドをスリット幅0.5mm、ダイ幅150mmのTダイを用いてシートとし、幅120mm、厚み0.05mmのシートを得た。このEC膜を支持層として、その上に実施例7で製造した薬物層溶液を展延乾燥して厚さ約0.17cmのシートを得た。これを直径5mmの円形状に打ち抜きシート状製剤を得た。50片を1号カプセルに充填した。ニフェジピンを含15mg含む製剤が得られた。
HPMCAS(信越AQOAT MF)3.8gにHPC−L(日曹HPC−L)0.5gを加えよく混合した。TEC0.5gおよびメキタジン2gをエタノール45gに溶解した。腸溶性ポリマー混合物をエタノール溶液に溶解し粘稠な液を得た。実施例7で製造したEC膜上に腸溶性ポリマー層液を展延乾燥して厚さ約0.17cmのシートを得た。これを直径5mmの円形状に打ち抜きシート状製剤を得た。50片を1号カプセルに充填した。メキタジン6mgを含む製剤が得られた。
HPMCAS(信越AQOAT MF) 4.25kgにニフェジピン500gを加えよく混合した。さらにTEC1.25kgを混ぜ、2軸押し出し機を用い100−110度で溶融し、コンパウンドとした。このコンパウンドをスリット0.5mm、ダイ幅150mmのTダイを用いてシートとし、幅120mm、厚み0.1−0.15mmの腸溶性ポリマー層のシートを得た。酢酸セルロース(イーストマンCA-394-60S)100gをエタノール900gに溶解し,引き続きTEC10gを溶解した。さらにタルク30gを分散しスプレー液とした。腸溶性ポリマー層のシート上に酢酸セルロース液をスプレーして、送風乾燥を行った。厚さ0.10−0.15mmの2層シートが得られた。これを直径5mmの円形状に打ち抜きシート状製剤を得た。50片を1号カプセルに充填した。ニフェジピン15−22mg含む製剤が得られた。
EC (エトセルSTD10プレミアム)3.5gとタルク1.0gを0.5gのTECを含むエタノール90gに溶解した。この液をフルオロカーボン製のテープを張った平らなガラス板に1.0mmの隙間をもったスプレッダーを用いて広げ室内で2時間乾燥しEC膜を得た。ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート( 信越HPMCP 55)9gをエタノール/精製水(3/1重量比)混合溶媒70gに溶解し、さらにTEC1gを加え溶解した。塩酸シプロヘプタジン1gを溶解したのち、EC膜上に1.0mmの隙間を持ったスプレッダーを用いて広げ室内で4時間乾燥した。得られたシートをガラス板から剥離して、さらに50℃の送風乾燥機で30分乾燥した。得られた膜の厚さは0.15mmであった。直径5mmの円形状に打ち抜きシート状製剤を得た。50片を1号カプセルに充填した。塩酸シプロヘプタジン12mg含む製剤が得られた。
本発明は、水不溶性の層と薬物を含み腸溶性ポリマーを主成分とする小腸で溶解する層の2層のフィル状経口製剤とすることで、小腸に付着し小腸内移動時間を延長するとともに、薬物層の侵食が遅れることによる薬物の徐放性が得られる製剤であって、胃で分解されやすい薬物、小腸上部に吸収が限られる薬物や、小腸からの吸収の悪い薬物の吸収改善に利用ができる。

Claims (15)

  1. 実質的に水に溶けないポリマー層と、薬物を含みpH4.5以下で水に溶けずpH6.5以上で水に溶けるポリマー層からなる2層のシート状経口製剤であって、口内に付着させない製剤。
  2. 実質的に水に溶けないポリマー層が、40℃以下で水への溶解度が0.01重量%以下である水に溶けないポリマーを50重量%以上含む請求項1に記載の2層のシート状経口製剤
  3. 実質的に水に溶けないポリマー層が、水に溶けないポリマーの他1種以上のポリマーを含む請求項1に記載の2層のシート状経口製剤。
  4. 水に溶けるポリマーと40℃以下で水への溶解度が1重量%以下である物質とを混ぜることにより実質的に水に溶けないポリマー層とされた請求項1に記載の2層のシート状経口製剤
  5. 水に分散または溶けるポリマーから作られ、溶媒を乾燥した後、水に不溶性となる実質的に水に溶けないポリマー層からなる請求項1に記載の2層のシート状経口製剤
  6. 水に分散または溶けるポリマーから作られ、加熱後に水に不溶性となる実質的に水に溶けないポリマー層からなる請求項1に記載の2層のシート状経口製剤
  7. pH4.5以下で水に溶けずpH6.5以上で水に溶けるポリマー層が、腸溶性ポリマーを50重量%以上含む請求項1に記載の2層のシート状経口製剤
  8. 腸溶性ポリマーが、カルボキシメチルエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、メタクリル酸コポリマーから選ばれた一種もしくは混合物である請求項7に記載の2層のシート状経口製剤
  9. pH4.5以下で水に溶けずpH6.5以上で水に溶けるポリマー層に、腸溶性ポリマーの他に水に溶解する第二のポリマー成分を含む請求項1から8に記載の2層のシート状経口製剤
  10. pH4.5以下で水に溶けずpH6.5以上で水に溶けるポリマー層に、腸溶性ポリマーの他に水に溶解する第二のポリマー成分がアルギン酸、アルギン酸塩、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースの塩、である請求項9に記載の2層のシート状経口製剤
  11. 薬物を含みpH4.5以下で水に溶けずpH6.5以上で水に溶けるポリマー層が小腸で付着することを特徴とする請求項1から10に記載の2層のシート状経口製剤
  12. 2層状製剤の大きさを、最長径を縦、中間長径を横、最短径を厚さとするとき、横が0.8mm以上でかつ縦/横の比が10以下である請求項1から11に記載の2層のシート状経口製剤
  13. 2層状製剤の大きさを、最長径を縦、中間長径を横、最短径を厚さとするとき、横が0.8mm以上でかつ縦/横の比が5以下である請求項1から11に記載の2層のシート状経口製剤
  14. 2層状製剤の大きさを、最長径を縦、中間長径を横、最短径を厚さとするとき、厚さが0.05mmから3.0mmである請求項1から11に記載の2層のシート状経口製剤
  15. 2層状製剤の大きさを、最長径を縦、中間長径を横、最短径を厚さとするとき、厚さ/横の比が0.2以下である請求項1から11に記載の2層のシート状経口製剤
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