JP2007244073A - トンネル内壁に設置したケーブル管路の耐火防護構造 - Google Patents

トンネル内壁に設置したケーブル管路の耐火防護構造 Download PDF

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Abstract

【課題】耐火防護性能及び耐酸性の高い、トンネル内壁に設置したケーブル管路の耐火防護構造を提供する。
【解決手段】トンネル内壁に設置したケーブル管路の耐火防護構造であって、(1)耐火防護構造は、コの字形状の耐火防護ケースとトンネル内壁とに囲まれた空間にケーブル管路を収容する構造であり、(2)耐火防護ケースは、ケーブル管路と対向するケース内側に断熱層を有し、ケースの最外層に耐火層を有する積層体であり、(3)前記耐火層は、i)ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、ii)高炉セメント並びにiii)(a)ウォラストナイト及び/又は(b)アルミナ及び水酸化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種のアルミニウム化合物、を含む原料から形成されるケイ酸カルシウム系耐火層であることを特徴とする、耐火防護構造。
【選択図】図1

Description

本発明は、トンネル内壁に設置したケーブル管路の耐火防護構造に関する。
通信用、電力用等のケーブルは、通常は地下に埋設されているが、トンネル、橋梁等の構造物に対しては、これらに添架される場合が多い。例えば、トンネルに添架する場合は、トンネル内壁にケーブル管路を設置し、その中にケーブルを収容するのが一般的である。
上記ケーブル管路は、鋼製電線管、硬質塩化ビニル管等が一般的であり、ケーブルは、塩化ビニルなどのプラスチック被覆材により表面被覆されたものが一般的である。
このように、ケーブルは可燃材により表面被覆されている場合が多いため、トンネルに添架される場合には、ケーブル及びケーブル管路を耐火防護する必要がある。トンネル火災では、発生した熱は逃げ場が乏しく、特にガソリンが燃焼する場合には、10分程度で最高温度は1200℃程度にも達するため、十分な耐火防護構造が要求される。
トンネル内に設置したケーブル管路の耐火防護性については、現在ではドイツ交通省が定める道路トンネル内の設備と運用に関する指針(RABT)に準拠して1200℃の高温加熱に耐える性能が具体的に要求されている。
また、排気ガスの影響によりトンネル内の酸性ガス濃度及び湿度が高いことを考慮し、耐火防護構造には、耐酸性を主とする耐久性も求められている。
従来、トンネル内のケーブル管路の耐火防護構造としては、例えば、特許文献1には、トンネル内壁に取り付けられたケーブル管路又はケーブル管路の複数本集合体の外周に断熱マット材が当接して被覆され、断熱マット材の外周にはアルミ箔層が当接して被覆され、その外側がトンネル内壁と耐火被覆材によって取り囲まれ、更に、その外側がトンネル内壁と第2耐火被覆材によって取り囲まれ、且つ、耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位並びに第2耐火被覆材とトンネル内壁の接触部位に不陸調整材を設置してなる構造が開示されている。
また、特許文献2には、被敷設体に敷設されたケーブルを火災から保護するためのケーブル用耐火防護構造であって、ケーブルを囲むようにして被敷設体に取り付けられる外装材と、外装材の内面へ重ねるように積層される断熱材とを備え、積層した断熱材のうち、少なくとも一層の断熱層は、低熱伝導断熱材で形成されることを特徴とするケーブル用耐火防護構造が開示されている。
このように、耐火防護構造としては各種のものが提案されているが、上記特性を十分に具備するものはなく、更なる改善の余地がある。
特開2005−176510号公報 特開2005−176563号公報
本発明は、耐火防護性能及び耐酸性の高い、トンネル内壁に設置したケーブル管路の耐火防護構造を提供することを目的とする。
本発明者は、従来技術の問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のケイ酸カルシウム系耐火層を有する耐火防護構造によれば、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、下記のトンネル内壁に設置したケーブル管路の耐火防護構造に関する。
1.トンネル内壁に設置したケーブル管路の耐火防護構造であって、
(1)耐火防護構造は、コの字形状の耐火防護ケースとトンネル内壁とに囲まれた空間にケーブル管路を収容する構造であり、
(2)耐火防護ケースは、ケーブル管路と対向するケース内側に断熱層を有し、ケースの最外層に耐火層を有する積層体であり、
(3)前記耐火層は、i)ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、ii)高炉セメント並びにiii)(a)ウォラストナイト及び/又は(b)アルミナ及び水酸化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種のアルミニウム化合物、を含む原料から形成されるケイ酸カルシウム系耐火層である、
ことを特徴とする、耐火防護構造。
2.ケイ酸カルシウム系耐火層が、
(1)原料中に占めるゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、高炉セメント並びにウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の合算重量が80〜100重量%であり、
(2)ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、高炉セメント並びにウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の合算重量を100重量部とした場合に、
i)その中に占めるゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物の割合が15〜50重量部であり、且つ
ii)高炉セメント並びにウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の割合の合計が85〜50重量部である、
上記項1に記載の耐火防護構造。
3.ケイ酸カルシウム系耐火層が、ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、高炉セメント及び水酸化アルミニウムを含有する原料に水を配合して混練物を調製した後、前記混練物を成形し、更に養生することにより形成される、上記項1又は2に記載の耐火防護構造。
4.断熱層が、ケイ酸カルシウム及び赤外線遮蔽材を含有する、上記項1〜3のいずれかに記載の耐火防護構造。
5.断熱層が、耐火層に比して小さい密度を有する、上記項1〜4のいずれかに記載の耐火防護構造。

以下、本発明の耐火防護構造について詳細に説明する。
本発明の耐火防護構造は、トンネル内壁に設置したケーブル管路の耐火防護構造であり、
(1)耐火防護構造は、コの字形状の耐火防護ケースとトンネル内壁とに囲まれた空間にケーブル管路を収容する構造であり、
(2)耐火防護ケースは、ケーブル管路と対向するケース内側に断熱層を有し、ケースの最外層に耐火層を有する積層体であり、
(3)前記耐火層は、i)ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、ii)高炉セメント並びにiii)(a)ウォラストナイト及び/又は(b)アルミナ及び水酸化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種のアルミニウム化合物、を含む原料から形成されるケイ酸カルシウム系耐火層である、
ことを特徴とする。
本発明の耐火防護構造は、特に耐火防護ケースの最外層として特定のケイ酸カルシウム系耐火層を有するため、優れた耐火防護性能を発揮する。具体的には、耐火性に関しては、RABT曲線に基づいて1200℃で25分の耐火試験(図3参照)において、ケーブル管路の内部温度を85℃(基準値)未満に抑えることができる。また、上記耐火層は、耐酸性が高く、しかも硬質であるため、湿気及び酸性ガス濃度が高いトンネル内でも優れた耐久性を発揮する。更に、ケース内側の断熱層としてケイ酸カルシウム系材料を採用する場合には、耐火防護構造の全てを工場でリサイクルすることができる。
ケーブル及びケーブル管路
本発明の耐火防護構造を適用できるケーブル及びケーブル管路は限定的ではない。
ケーブルとしては、例えば、外側が塩化ビニルなどのプラスチック被覆材で被覆された通信用、電力用等のケーブルが挙げられる。通信用ケーブルとしては、例えば、光ファイバーケーブルが挙げられる。
ケーブル管路としては、上記ケーブルを収容することのできる中空管であればよいが、例えば、鋼製電線管(JISC8305)、硬質塩化ビニル管(JIS K6741)、FRP(繊維補強プラスチック)管等が挙げられる。
ここで、ケーブル管路に収容されるケーブル本数は特に限定されない。また、トンネル内壁に設置されるケーブル管路の本数等も限定されない。即ち、本発明の耐火防護構造は、トンネル内壁に設置(併置)された複数本のケーブル管路に対しても適用できる。
トンネル内壁にケーブル管路を設置する方法は特に限定されない。例えば、支持金物をトンネル内壁に取り付けて、支持金物によりケーブル管路を固定する方法が挙げられる。
耐火防護構造
本発明の耐火防護構造は、コの字形状の耐火防護ケースとトンネル内壁とに囲まれた空間にケーブル管路を収容する構造である。なお、耐火防護ケースは、トンネル内壁と耐火防護ケースとの間に囲まれた空間にケーブル管路を収容できる限り、完全なコの字形状に限定されず、半円形状のケースもこれに含まれる。図1には、本発明の耐火防護構造の断面図(一例)が示されている。図1から明らかなように、コの字形状の耐火防護ケースと壁面とに囲まれた空間にケーブル管路が収容されている。また、図1から明らかなように、コの字形状は耐火防護ケースの断面形状である。
耐火防護ケースは、ケーブル管路と対向するケース内側に断熱層を有し、ケースの最外層に耐火層を有する積層体である。最も簡単な構造としては、断熱層と耐火層とを有する2層構造が挙げられる。耐火防護ケースの構造は、前記2層に限定されず、断熱層を2層以上に分けてもよい。これらの詳細については次に示す。
〔耐火層〕
耐火防護ケースの最外層には、耐火層(ケイ酸カルシウム系耐火層)がある。
当該耐火層は、i)ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、ii)高炉セメント並びにiii)(a)ウォラストナイト及び/又は(b)アルミナ及び水酸化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種のアルミニウム化合物、を含む原料から形成されるケイ酸カルシウム系耐火層である。
ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物としては、特に限定されない。前記ケイ酸カルシウム水和物は、ゾノトライトを主成分とすればよい。本発明の効果を損なわない限り、トバモライト等の他のケイ酸カルシウム水和物が含まれていてもよい。また、ケイ酸カルシウム水和物は一次粒子(単結晶)の状態であってもよいし、一次粒子が三次元的に絡み合った集塊物(二次粒子)の状態であってもよい。特に成形性、強度、軽量性等の見地より、特公昭45−25771号公報、特公昭53−12526号公報等に示されている二次粒子からなるゾノトライトを主成分とするものが好ましい。
高炉セメントとしては、特に限定されず、例えば乾燥した高炉水砕スラグとセメントクリンカー(珪酸質原料、鉄質原料、粘土、石灰石等の原料調合物を高温で半溶融状に焼成し、塊状に焼き固めたもの)に適量の石膏を加えて混合粉砕するか、又は別々に粉砕して均一に混合することにより得ることができる。また、前記高炉セメントは公知又は市販のものでもよい。高炉セメントの粒度は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。
アルミニウム化合物としては、アルミナ及び水酸化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種を用いることができる。この中でも、コスト面及び性能面から水酸化アルミニウムが好ましい。なお、水酸化アルミニウム及びアルミナは、単独又は併用して使用できる。また、これらアルミニウム化合物は公知又は市販のものも使用できる。アルミニウム化合物の粒度は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。とりわけ最終製品の物性が向上する点で、アルミニウム化合物の粒度は、細かい方が好ましい。
ウォラストナイトとしては、特に限定されず、天然品及び合成品のいずれも使用できる。ウォラストナイトの粒度は、特に限定されず、用途に応じて適宜設定すれば良い。
上記原料においては、原料中に占めるケイ酸カルシウム水和物、高炉セメント並びにウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の合算重量は、特に限定されないが、原料中、80〜100重量%であることが好ましい。
上記原料中、ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、高炉セメント並びにウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の割合は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択できる。このとき、前記合算重量を100重量部とした場合、ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物の割合が15〜50重量部、高炉セメント並びにウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の割合の合計が85〜50重量部となるように配合することが好ましい。高炉セメント並びにウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の混合比率は、特に限定されず、用途に応じて適宜選択すればよい。このとき、耐熱性の面では、ウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の割合が多い方が好ましい。また、耐酸性の面では高炉セメントの割合が多い方が好ましい。
1200℃程度の耐熱性と耐酸性とを十分に発現させる観点からは、高炉セメント及びアルミナの組合せでは、その重量比は7:3〜5:5程度が好ましい。高炉セメント及び水酸化アルミニウムの組合せでは、その重量比は6:4〜4:6程度が好ましい。高炉セメント及びウォラストナイトの組合せでは、その重量比は7:3〜3:7程度が好ましい。
なお、ケイ酸カルシウム系成形体を養生する場合、高炉セメントと水酸化アルミニウムの重量比は8:2〜2:8程度が好ましく、特に耐熱性、耐酸性、機械的強度等の点で6:4〜4:6程度がより好ましい。
上記耐火層の形成方法は、上記原料を用いる限り特に限定されない。例えば、上記原料に水を配合して混練物を調製した後、前記混練物を成形し、さらに乾燥及び/又は養生することによりケイ酸カルシウム系耐火層を形成できる。このとき、前記混練物の調製方法としては、特に限定されず、既知の手段で行えばよい。前記成形方法としては、特に限定されず、例えば、脱水プレス成形、抄造、流し込み成形等が挙げられる。前記乾燥方法としては、特に限定されず、状況に応じて適宜設定すればよい。前記養生方法は、特に限定されず、常温、常圧で充分であるが、加熱、加圧等をさらに行ってもよい。このとき、アルミニウム化合物として水酸化アルミニウムを用いる場合、養生することにより物性(耐熱性、耐酸性、機械的強度等)がさらに向上する。
上記原料には、強度等の物性の向上を目的として、必要に応じて繊維質原料等の添加物が含まれていても良い。前記添加物の含有量は、限定的ではないが、通常は上記原料中0〜20重量%とすれば良い。
繊維質原料としては、例えば、パルプ、木綿、ガラス繊維、セラミックファイバー、炭素繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、スチール繊維等の公知の有機系繊維、無機系繊維又は金属繊維を使用することができる。
また、繊維質原料以外にも用途に応じて、例えば、硬化促進剤、硬化遅延剤、可塑剤、発泡剤、界面活性剤、顔料、防水剤、撥水剤、赤外線遮蔽剤(金属酸化物等)等の添加物も適宜配合することができる。
上記添加物の種類、添加量等は、最終製品の用途及び所望の物性に応じて適宜調整すればよい。
ケイ酸カルシウム系耐火層の厚さは限定的ではないが、5〜50mm程度が好ましい。
ケイ酸カルシウム系耐火層の密度も限定的ではないが、700〜1100kg/m程度が好ましい。これらの厚さ及び密度は、施工条件に応じて、適宜設定できる。
〔断熱層〕
耐火防護ケースは、ケーブル管路と対向するケース内側に断熱層を有する。
断熱層は1層でもよく、2層以上でもよい。2層以上とする場合には、外側から内側に向かって層の密度を段階的に低くすることが好ましい。例えば、外側から内側に向かって、耐火層→断熱層1→断熱層2と積層した場合には、この順に密度を低くするのが好ましい。
断熱層としては限定的ではないが、ケイ酸カルシウム及び赤外線遮蔽材を含有するものが好ましい。ケイ酸カルシウムを含有する場合には、工場でリサイクルできて好ましい。
ケイ酸カルシウム及び赤外線遮蔽剤を含有する断熱層としては、ケイ酸カルシウム及び赤外線遮蔽材(金属酸化物、金属炭化物、金属窒化物等)を含有する限り、限定的でない。断熱層としては、例えば、特公平2−28535号公報、特公平5−43655号公報、特公昭62−57590号公報等に開示されたものを好適に使用できる。断熱層中の赤外線遮蔽材の含有量は限定的ではないが、0.5〜80重量%程度が好ましい。
断熱層の厚さ(総厚さ)は限定的ではないが、20〜150mm程度が好ましい。
断熱層の密度も限定的ではないが、50〜650kg/m程度が好ましい。これらの厚さ及び密度は、施工条件に応じて、適宜設定できる。断熱層を2層以上から構成し、外側から内側に向かって密度が段階的に小さくなるように配置することにより、断熱性能を高めて断熱層全体の厚みを薄くすることができる。このように配置する場合には、材料費、施工費等を低減することができる点で好ましい。
〔その他の層〕
本発明の耐火防護構造は、耐火防護ケースの最外層(ケイ酸カルシウム系耐火層)を被覆する態様で表面保護板を更に有していてもよい。
表面保護板は、トンネル内部での漏水、飛来物、粉塵等から前記耐火層及び断熱層を保護するとともに、美観を保つなどの役割がある。表面保護板としては限定的ではないが、鉄鋼板、ステンレス鋼板、チタン鋼板、ガルバニウム鋼板、表面処理鋼板等が挙げられる。表面保護板の厚さは限定的ではないが、0.1〜3mm程度が好ましい。
耐火防護構造の形成方法
本発明の耐火防護構造の形成方法は特に限定されない。例えば、断熱層、耐火層となる板材料を用意し、これをトンネル内壁に設けたケーブル管路を囲むように積層し、耐火防護構造を形成することができる。
耐火防護構造を形成するに際しては、支持金物をトンネル内壁に設置し、これの周囲に上記板材料を固定することにより形成することが好ましい。板材料を固定する場合には、上記板材料をアンカーボルトで貫通させて支持金物と固定することが好ましい。板の付き合わせ部分には、必要に応じて、耐火接着剤などを充填してもよい。
本発明の耐火防護構造は、特に耐火防護ケースの最外層として特定のケイ酸カルシウム系耐火層を有するため、優れた耐火防護性能を発揮する。具体的には、耐火性に関しては、RABT曲線に基づいて1200℃で25分の耐火試験(図3参照)を行った際にケーブル管路の内部温度を85℃(基準値)未満に抑えることができる。また、上記ケイ酸カルシウム系耐火層は、耐酸性が高く、しかも硬質であるため、湿気及び酸性ガス濃度が高いトンネル内でも優れた耐久性を発揮する。更に、ケース内側の断熱層としてケイ酸カルシウム系の材料を採用する場合には、耐火防護構造の全てを工場でリサイクルできる。
実施例1で作製した本発明の耐火防護構造の断面図である。 実施例1における光ファイバーケーブルと熱電対との組み合わせを示す図である。円筒状に図示されている管路は左から管路番号1〜6であり、即ち、管路番号1のFRP管に収容された光ファイバーケーブルには熱電対1及び2が取り付けられていることを示す。 実施例1の耐火試験におけるRABT加熱曲線を示す図である。 実施例1の耐火試験における光ファイバーケーブル表面温度測定結果を示す図である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明する。但し本発明は実施例に限定されない。
実施例1
〔ケイ酸カルシウム系耐火層の作製〕
二次粒子よりなる合成ゾノトライト、高炉セメント及びウォラストナイトを表1の配合割合(固形分割合)となるように秤量した。これらにビニロン繊維2重量%及びパルプ3重量%を加えて固形分の全量を100重量%とし、水と共に混練した。得られたスラリーを脱水プレス成形により成形した。その後、得られた成形体を180℃で乾燥させることにより、ケイ酸カルシウム系耐火層(厚さ20mmの板)を作製した。
Figure 2007244073
なお、使用した原料の詳細は以下の通りである。
(1)合成ゾノトライト
生石灰48重量部、珪石52重量部及び水1200重量部とを混合して原料スラリーを調製し、このスラリーをオートクレーブ中で1.47MPa(15kgf/cm)、温度197℃の条件下で4時間撹拌することにより得られた。
(2)高炉セメント:太平洋セメント(株)製 高炉セメントB種
(3)ウォラストナイト:清水工業(株)製 ウォラストナイト(G−60F)
(4)ビニロン繊維:ユニチカ(株)製 タイプAA 18T
(5)パルプ:古紙パルプ
〔耐火防護構造の形成〕
図1に示す耐火防護構造を形成した。形成工程を次に示す。
先ず、プレキャストコンクリート板(PC板)(縦4500mm、横1350mm、高さ300mm)を模擬トンネル壁面として用意した。支持金物によりケーブル管路(管路種類を表2に示す)6本をPC板表面に固定した。図1に示される6本の管路は、左から管路番号1〜6とする。ケーブル管路には光ファイバーケーブル(φ9mm)を収容した。
Figure 2007244073
各光ファイバーケーブルに熱電対を取り付けた。熱電対としてはJIS C 1602に対するクラス2の性能を有する線径0.65mmのK熱電対を用いた。図2には、光ファイバーケーブルと熱電対との組み合わせを示す。なお、図2においても、管路は左から管路番号1〜6とする。即ち、管路番号1のFRP管に収容された光ファイバーケーブルには、熱電対1及び2を取り付けた。なお、各管路は全長が4500mmであり、番号が1、3、5、7、9及び11の熱電対は、図1及び図2に示された管路の手前の端部から1500mmの位置にある部分に対応する光ファイバーケーブルに取り付けた。また、番号が2、4、6、8、10及び12の熱電対は、図1及び図2に示された管路の奥の端部(図示せず)から1500mmの位置にある部分に対応する光ファイバーケーブルに取り付けた。
耐火防護ケースは、ケーブル管路に近い方から、断熱層1、断熱層2、耐火層及びカラーステンレス板という順番で積層することにより形成した。その際には、図1に示すボルト付き支持金具を使用することにより各層を固定した。
断熱層1は、商標名「U−ブリッド」(日本インシュレーション株式会社製)を用いた。
断熱層1の厚さは40mmとし、密度は150kg/mであった。
断熱層2は、商標名「K−ブリッド」(日本インシュレーション株式会社製)を用いた。
断熱層2の厚さは25mmとし、密度は400kg/mであった。
耐火層は、商標名「S−ブリッド」(日本インシュレーション株式会社製)を用いた。
耐火層の厚さは20mmとし、密度は900kg/mであった。
カラーステンレスの厚さは0.3mmとした。
〔耐火防護構造の耐火性〕
上記で作製した耐火防護構造(管路全長4500mm)を、独立行政法人建築研究所の水平炉に搬入して耐火性を測定した。上記管路全長4500mmのうち、中心の4000mmの範囲は炉内に位置し、両端の250mmずつは炉外に位置している。即ち、中心の4000mmの範囲に対して耐火試験を実施した。
加熱は図3に示すようにRABT加熱曲線に準拠して行い、1200℃保持時間を25分とした条件で行った。
次に試験結果を示す。
光ファイバーケーブル表面温度測定結果を表3及び図4に示す。
Figure 2007244073
本発明のケーブル管路耐火防護構造は、RABT(1200℃×25分間)の耐火試験において、ケーブル管路の内部温度は85℃未満に抑えることができ、要求される耐熱性能を満たすことが分かる。図4の結果からも明らかである。
〔耐火防護構造の耐酸性〕
実施例1で作製した耐火層と同じ成形体から140×30×20mmの試験片を切り出し、これを5重量%希硫酸水溶液に1日浸漬させた後、湿潤状態(濡れた状態)で三点曲げ試験を行い、曲げ強度を測定し、下記式より残存強度率を算出して耐酸性を評価した。
残存強度率(%)=(耐酸試験後の曲げ強度/耐酸試験前の曲げ強度)×100
測定結果及び算出結果を下記表4に示す。
Figure 2007244073
以上より、耐火層の残存強度率は50%を上回っており、本発明の耐火防護構造は耐酸性に非常に優れていることが分かる。
比較例1〜3
〔ケイ酸カルシウム系耐火層の作製〕
二次粒子よりなる合成ゾノトライト、水酸化アルミニウム、アルミナ及びウォラストナイトを表5の配合割合(固形分割合)となるように秤量した。これらにビニロン繊維2重量%及びパルプ3重量%を加えて固形分の全量を100重量%とし、水と共に混練した。得られたスラリーを脱水プレス成形により成形した。その後、得られた成形体を180℃で乾燥させることにより、ケイ酸カルシウム系耐火層(厚さ20mmの板)を作製した。
Figure 2007244073
なお、使用した原料の詳細は以下の通りである。
(1)合成ゾノトライト
生石灰48重量部、珪石52重量部及び水1200重量部とを混合して原料スラリーを調製し、このスラリーをオートクレーブ中で1.47MPa(15kgf/cm)、温度197℃の条件下で4時間撹拌することにより得られた。
(2)水酸化アルミニウム:昭和電工(株)製 ハイジライトH−42
(3)アルミナ:昭和電工(株)製 α−アルミナ(AL−43L)
(4)ウォラストナイト:清水工業(株)製 ウォラストナイト(G−60F)
(5)ビニロン繊維:クラレ製 パワロン(RMH182)
(6)パルプ:古紙パルプ
〔耐火防護構造の耐酸性〕
比較例1〜3で作製した耐火層について、実施例1と同様にして耐酸性を評価した。
曲げ強度の測定結果及び残存強度率の算出結果を下記表6に示す。
Figure 2007244073
比較例1〜3で作製した耐火層は、残存強度率が10%未満であり、希硫酸水溶液への浸漬によって著しく強度が損なわれていることが分かる。一方、実施例1で作製した本発明の耐火層は、残存強度率が50%を上回っている。この結果からは、本発明の耐火防護構造の耐酸性が非常に優れていることがより明確に分かる。

Claims (5)

  1. トンネル内壁に設置したケーブル管路の耐火防護構造であって、
    (1)耐火防護構造は、コの字形状の耐火防護ケースとトンネル内壁とに囲まれた空間にケーブル管路を収容する構造であり、
    (2)耐火防護ケースは、ケーブル管路と対向するケース内側に断熱層を有し、ケースの最外層に耐火層を有する積層体であり、
    (3)前記耐火層は、i)ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、ii)高炉セメント並びにiii)(a)ウォラストナイト及び/又は(b)アルミナ及び水酸化アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種のアルミニウム化合物、を含む原料から形成されるケイ酸カルシウム系耐火層である、
    ことを特徴とする、耐火防護構造。
  2. ケイ酸カルシウム系耐火層が、
    (1)原料中に占めるゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、高炉セメント並びにウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の合算重量が80〜100重量%であり、
    (2)ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、高炉セメント並びにウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の合算重量を100重量部とした場合に、
    i)その中に占めるゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物の割合が15〜50重量部であり、且つ
    ii)高炉セメント並びにウォラストナイト及び/又はアルミニウム化合物の割合の合計が85〜50重量部である、
    請求項1に記載の耐火防護構造。
  3. ケイ酸カルシウム系耐火層が、ゾノトライトを主成分とするケイ酸カルシウム水和物、高炉セメント及び水酸化アルミニウムを含有する原料に水を配合して混練物を調製した後、前記混練物を成形し、更に養生することにより形成される、請求項1又は2に記載の耐火防護構造。
  4. 断熱層が、ケイ酸カルシウム及び赤外線遮蔽材を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載の耐火防護構造。
  5. 断熱層が、耐火層に比して小さい密度を有する、請求項1〜4のいずれかに記載の耐火防護構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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