JP2007241769A - 決済処理システム - Google Patents

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廣晃 仲光
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Abstract

【課題】電子装置内に複数の販売手段が存在し、これらの販売手段が自発的に決済情報を外部機器に通知できない場合であっても、外部機器が決済情報を効率的に得ることができる決済処理システムを提供すること。
【解決手段】電子装置200は、外部機器400と通信を行う非接触通信部204と、選択されたサービス類を提供するとともに、選択されたサービス類に関する決済情報を作成するSPアプリケーション212〜216と、決済情報を保持する決済情報保持メモリ210と、決済情報保持メモリ210が保持する決済情報を外部機器400に送信する決済仲介部208と、を備える。全てのSPアプリケーション212〜216は、作成した決済情報を決済情報保持メモリ210に格納する。決済仲介部208は、外部機器400から決済情報を要求された場合、決済情報保持メモリ210内の決済情報を外部機器400に送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、決済処理システムに関し、特に、携帯型電子装置を用いた非接触通信に好適な決済処理システムならびにこれに用いる電子装置および外部機器などに関する。
近年、多くのサービスプロバイダ(以下、「SP」と略記する)が、インターネット上でサービスや物品など(以下、「サービス類」という)を提供しており、ユーザはこれらのSPからサービス類を購入することができる。このとき、ユーザは、何らかの方法を用いて決済を行わなければならない。例えば、特許文献1には、複数ある決済手段の中から一つの決済手段(例えば、クレジットカード会社や金融機関など)を選択し、選択された決済手段を用いてオンライン決済をすることができる決済処理システムが開示されている。特許文献1の決済処理システムの構成を示すブロック図を図11に示す。
図11において、決済処理システム10は、ユーザが操作するPC(Personal Computer)12、通信網14、サービス類を提供するEC(Electronic Commerce:電子商取引)モールサーバ16〜18、決済処理を専門に行う決済モールシステム20〜22、決済システム24、クレジットオンラインシステム26、決済処理を行う決済業務サーバ28〜30から構成されている。
この決済処理システム10における決済処理の流れは次のとおりである。
まず、ユーザは、PC12を用いて複数あるECモールサーバ16〜18のうち購入したいサービス類を提供しているECモールサーバ16〜18にアクセスし、購入するサービス類を選択する。ここでは、ECモールサーバ16のサービス類が選択されたものとして以下説明する。ユーザのPC12は、購入対象のサービス類に関する購入サービス情報と、決済額やユーザが希望する決済手段、クレジットカード番号(口座番号)などを含む決済情報とを選択されたECモールサーバ16に通知する。
ECモールサーバ16は、購入サービス情報および決済情報をECモールサーバ16に接続された決済モールシステム20に通知する。決済モールシステム20は、決済額やクレジットカード番号(口座番号)などを、共同利用型の決済システム24およびクレジットオンラインシステム26を介して、ユーザが希望する決済手段の決済業務サーバ28〜30に通知する。ここでは、決済業務サーバ29が選択されたものとして、以下説明する。
選択された決済業務サーバ29は、決済処理を行い、その結果をクレジットオンラインシステム26および決済システム24を介して決済モールシステム20に通知する。決済モールシステム20は決済処理の結果などをECモールサーバ16に通知し、決済が完了する。
このように、特許文献1の発明は、各種情報をサーバに送信することから、ネットワーク通信によるオンライン処理を前提としている。したがって、SPが、ネットワーク通信機能を持たない自動販売機やAV機器に挿入されたICカードなどによってサービス類を提供する場合、ユーザは、特許文献1の方法によって決済を行うことは不可能である。
SPがネットワーク通信機能を持たない機器でサービス類を販売する場合であっても、決済を可能とする技術として、例えば、特許文献2には、携帯電話を用いて決済を行う技術が開示されている。特許文献2の情報処理システムの構成を図12に示し、このシステムにおける決済処理の流れを説明する。
図12(A)は、ユーザが自動販売機でサービス類を購入する際に、携帯電話で決済を行う情報処理システムの構成を示す図であり、図12(B)は、図12(A)の自動販売機の構成を示すブロック図である。
図12(A)において、情報処理システム40は、SPがサービス類を販売する自動販売機50、無線通信可能な携帯電話60、無線基地局62、電話回線網64、決済処理を行う取引銀行66から構成される。
図12(B)において、自動販売機50は、無線通信によって携帯電話60との間で各種情報を送受信する送受信回路51と、決済情報の作成およびサービス類をユーザに提供する販売機構52とを備える構成を採る。
この情報処理システム40における決済処理の流れを説明する。
まず、ユーザが、自動販売機50を操作することによって購入したいサービス類を選択する。販売機構52は、選択されたサービス類の代金情報などを含む決済情報を作成し、送受信回路51を介して携帯電話60に送信する。
ユーザは、携帯電話60の表示部に表示されたサービス類の代金を確認し、決定ボタンを押して取引の実行を承認する。これにより、携帯電話60は、取引承認情報を作成し、無線通信によって自動販売機50の送受信回路51に送信する。送受信回路51は、取引承認情報を販売機構52に出力する。販売機構52は、取引承認情報に基づいて選択されたサービス類の引渡し処理を行う。
一方、上記取引承認の通知とは別に、携帯電話60は、決済情報を無線基地局62および電話回線網64を介して取引銀行66に送信する。取引銀行66は、決済情報に基づいて決済処理を行う。処理完了後、取引銀行66は、決済完了情報を作成し、電話回線網64および無線基地局62を介して携帯電話60に送信する。
このように、特許文献2記載の方法を用いることで、SPがネットワーク通信機能を持たない機器によってサービス類を販売する場合であっても、ユーザは決済を行うことができる。
特開2003−16361号公報 特許第3516994号公報
しかしながら、特許文献2記載の方法にあっては、同一装置内に複数の販売機構が存在し、これらの販売機構が自発的に決済情報を携帯電話に通知できない場合、携帯電話が決済情報を効率的に得ることができないという問題がある。
すなわち、複数のSPが同一装置でサービス類を販売する場合、SPごとに販売機構を設ける必要があるため、図13(A)に示すように、自動販売機50内には複数の販売機構53〜55が存在することになる。この場合、決済情報を保持している販売機構(例えば、販売機構55)が、保持する決済情報を携帯電話に送信すれば、携帯電話は、決済情報を保持している販売機構(販売機構55)を特定することができる。一方、販売機構53〜55が決済情報を自発的に送信できない場合、携帯電話が決済情報を保持している販売機構(販売機構55)を特定するためには、各販売機構53〜55が決済情報を保持しているか否かを確認するために、全ての販売機構53〜55にアクセスしなければならず、決済処理に時間がかかってしまう。
販売機構が自発的に決済情報を送信できない場合の例として、例えば、サービス類を提供する装置(上記の例では、自動販売機)と決済を行う外部機器(上記の例では、携帯電話)との間の無線通信方法に、非接触ICカードで利用されている無線通信を適用する場合が挙げられる。具体的には、図13(B)に示すように、送受信回路71および複数の販売機構(SPアプリケーション72〜74)が1枚のICカード70に格納され、このICカード70がサービス類を提供する装置に装着される形態が考えられる。この場合、販売機構はソフトウェアプログラムとして格納されるので、以下、販売機構に相当し、サービス類の販売処理を行うソフトウェアプログラムをSPアプリケーションと呼ぶ。
この場合、一般的なICカード内のアプリケーションは、リーダ/ライタからの要求を受けてから動作するよう規格で定められているため、ICカード70内のSPアプリケーション72〜74は、自発的に決済情報を外部機器に通知することができない。したがって、リーダ/ライタである外部機器が、SPアプリケーション72〜74に決済情報の通知を要求することになるが、外部機器は、決済情報を保持するSPアプリケーション(例えば、SPアプリケーション74)を特定することができないため、ICカード70内の全てのSPアプリケーション72〜74に対し、決済情報を保持しているか否かを確認するためにアクセスしなければならず、決済処理に時間がかかってしまう。また、この場合、外部機器が、ICカード70内の全てのSPアプリケーション72〜74についての情報を把握しなければならないという問題もある
上記問題点を解決する方法として、決済情報を保持するSPアプリケーション(SPアプリケーション74)を特定できる情報を外部機器に入力することで、外部機器が決済情報を保持しているSPアプリケーション(SPアプリケーション74)を特定できるようにする方法が考えられる。しかし、この方法では、ユーザが手入力をすることから、決済処理に時間がかかってしまうことは解決できない。
また、上記ICカードの例では、ユーザが複数のSPアプリケーション(例えば、SPアプリケーション72およびSPアプリケーション74)からサービス類を同時に購入しようとする場合、外部機器は、SPアプリケーション(SPアプリケーション72およびSPアプリケーション74)ごとに個別に決済処理を行わなければならず、決済処理に時間がかかってしまうという問題もある。
このように、特許文献2記載の方法にあっては、同一装置内に複数の販売機構が存在し、これらの販売機構が自発的に決済情報を携帯電話などの外部機器に通知できない場合、外部機器が決済情報を効率的に得ることができず、決済処理に時間がかかるという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、同一装置内に複数の販売機構が存在し、これらの販売機構が自発的に決済情報を外部機器に通知できない場合であっても、外部機器が決済情報を効率的に得ることができる、決済処理システムならびにこれに用いる電子装置および外部機器、ならびに決済情報管理方法および決済処理方法を提供することを目的とする。
本発明の決済処理システムは、物品またはサービスを販売する電子装置と、前記物品またはサービスの販売に伴う決済処理を行う外部機器と、を有し、前記電子装置は、外部機器と通信を行う通信手段と、選択された物品またはサービスを提供するための処理を行い、前記選択された物品またはサービスの提供に関する決済情報を作成する販売手段と、前記販売手段によって作成された決済情報を保持する決済情報保持手段と、前記決済情報保持手段に保持された決済情報を、前記通信手段を介して前記外部機器に送信する決済仲介手段と、を備え、前記外部機器は、前記電子装置と通信を行う通信手段と、前期決済仲介手段から前記外部機器の通信手段を介して前記決済情報を受信し、前記決済情報に基づいて決済処理を行う決済処理手段と、を備える。
本発明の電子装置は、外部機器と通信を行う通信手段と、選択された物品またはサービスを提供するための処理を行い、前記選択された物品またはサービスの提供に関する決済情報を作成する販売手段と、前記販売手段によって作成された決済情報を保持する決済情報保持手段と、前記決済情報保持手段に保持された決済情報を、前記通信手段を介して前記外部機器に送信する決済仲介手段と、を備える構成を採る。
本発明の外部機器は、本発明の電子装置から決済情報を受信し、決済処理を行う外部機器であって、前記電子装置と通信を行う通信手段と、前記通信手段を介して前記決済情報を受信し、前記決済情報に基づいて決済処理を行う決済処理手段と、を備える。
本発明の決済情報管理方法は、選択された物品またはサービスの提供に関する決済情報を作成するステップと、前記決済情報を決済情報保持手段で保持するステップと、前記決済情報保持手段に保持された決済情報を、外部機器に送信するステップと、を有する。
本発明の決済処理方法は、本発明の電子装置から複数の決済情報を受信し、決済処理を行う外部機器の決済処理方法であって、前記複数の決済情報を受信するステップと、前記決済情報それぞれに対応する対価情報を作成するステップと、全ての前記対価情報を含む合算対価情報を作成するステップと、前記対価情報および乱数からハッシュ関数を用いて得られる、前記対価情報それぞれに対応する対価情報ブロックデータを作成するステップと、前記合算対価情報および全ての対価情報ブロックデータを前記電子装置に送信するステップと、前記決済情報に基づいて決済処理を行うステップと、を有する。
本発明によれば、同一装置内に複数の販売機構が存在し、これらの販売機構が自発的に決済情報を外部機器に通知できない場合であっても、外部機器は決済仲介手段にアクセスするだけで電子装置内の全ての販売機構の決済情報を得ることができるため、外部機器が決済情報を効率的に得ることができ、決済処理にかかる時間を削減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る決済システムの構成を示すブロック図である。本実施の形態は、本発明に係る電子装置を非接触ICカードの機能を備えたメモリカード(以下、「ICカード」という)に適用した例である。
図1において、ICカード決済システム100は、ICカード200、AV機器300、外部機器400を備えて構成される。
ICカード200は、AV機器300に装着可能な非接触ICカードの機能を備えたメモリカードであり、AV機器300および外部機器400との間で各種情報を送受信することができる。また、SPが提供する動画や音楽などのコンテンツをAV機器300が利用不可能な状態で格納しており、外部機器400から決済処理を完了したことを通知されると、AV機器300がコンテンツを利用(再生)できるようにする。
AV機器300は、ICカード200を装着できるように構成されている。また、AV機器300は、ICカード200との間でコンテンツの選択および再生に関する情報を送受信することができ、ICカード200内のコンテンツの選択および再生を行う。
外部機器400は、ICカード200との間で決済に関する情報を送受信することができ、ICカード200内のコンテンツを購入する際に決済処理を行う。
ICカード200は、接触通信部202、非接触通信部204、カードマネージャ206、決済仲介部208、SPアプリケーション212〜216、を備えて構成される。
接触通信部202は、ICカード200内のアプリケーションや機能部とAV機器300との間の通信を行う。
非接触通信部204は、ICカード200内のアプリケーションや機能部と外部機器400との間の通信を行う。
カードマネージャ206は、ICカード200内のアプリケーションを統括する。具体的には、例えば、ICカード200内のSPアプリケーション212〜216のリスト(以下、「SPアプリケーション一覧」という)を作成し、外部(例えば、AV機器300)からの要求に応じてSPアプリケーション一覧を送信する。
決済仲介部208は、ユーザがSPアプリケーション212〜216内のコンテンツを購入し、外部機器400を用いて決済するときに、SPアプリケーション212〜216と外部機器400の決済処理部406〜410との間の決済に関する情報のやりとりを仲介する。また、必要に応じて、内部に備える決済情報保持メモリ210に決済処理に関する情報を格納する。例えば、SPアプリケーション212〜216が、決済処理部406〜410に決済情報(後述)を通知するときに、決済仲介部208は、決済情報を保持するSPアプリケーション(例えば、SPアプリケーション216)から決済情報を一旦入力し、決済情報保持メモリ210に格納する。その後、決済処理部(例えば、決済処理部406)が、各SPアプリケーション212〜216の決済情報を要求してきた際に、格納した決済情報を決済処理部(決済処理部406)に送信する。
SPアプリケーション212〜216は、SPが動画や音楽などのコンテンツを提供する販売手段であり、ICカードが有するメモリ部(図示しない)にソフトウェアプログラムとして格納されている。SPアプリケーション212〜216は、コンテンツを提供するSPごとに設けられ、また、各SPアプリケーション212〜216には、それぞれ一つ以上のコンテンツが格納されている。各SPアプリケーション212〜216は、AV機器300が利用不可能な状態でコンテンツを格納するが、外部機器400から決済処理を完了したことを通知されると、AV機器300がコンテンツを利用できるようにする。
AV機器300は、GUI部302およびコンテンツ再生部304を備えて構成される。
GUI部302は、ユーザがICカード200内に格納されたSPアプリケーション212〜216および各SPアプリケーション212〜216が販売するコンテンツを選択するための入力部である。また、GUI部302は、選択されたSPアプリケーション(例えば、SPアプリケーション212)を起動し、選択されたコンテンツを起動したSPアプリケーション(SPアプリケーション212)に通知する。
コンテンツ再生部304は、ICカード200内の利用可能なコンテンツを再生する。
外部機器400は、通信部402、GUI部404、決済処理部406〜410を備えて構成される。
通信部402は、ICカード200の非接触通信部204と無線通信を行い、決済に関する情報を送受信する。
GUI部404は、決済処理を行う決済手段をユーザが選択するための入力部である。決済手段としては、例えば、各種電子マネーによる決済や各種クレジットカード会社による決済、各種金融機関による決済などが挙げられる。
決済処理部406〜410は、外部機器400が対応する決済手段の数だけ設けられており、決済処理部406〜410は、それぞれ所定の決済手段による決済処理を実行する。
以下、上述のように構成された決済システム100の動作について説明する。
まず、決済システム100における、コンテンツ選択からコンテンツ再生までの全体の流れについて説明する。決済に関する情報のやりとりについては、図3に示すシーケンス図を用いて後述する。
まず、ICカード200がAV機器300に装着され、AV機器300の電源が入れられると、AV機器300のGUI部302に、ICカード200内に格納されたコンテンツ(およびそのコンテンツを販売するSPアプリケーション)の一覧が表示される。
次に、ユーザは、GUI部302を操作し、コンテンツ(およびそのコンテンツを販売するSPアプリケーション)を選択する。図2(A)は、GUI部302のSP(アプリケーション)一覧の表示例であり、サービスプロバイダA(のSPアプリケーション)が選択された場合を示す図である。また、図2(B)は、GUI部302のコンテンツ一覧の表示例であり、映画Bが選択された場合を示す図である。以下、ユーザがSPアプリケーション214を選択したものとして説明する。なお、この時点では、選択されたSPアプリケーション214は、選択されたコンテンツを利用不可能な状態にしているので、AV機器300のコンテンツ再生部304は、選択されたコンテンツを再生することはできない。
次に、ユーザは、外部機器400のGUI部404を操作し、決済手段を選択する。図2(C)は、GUI部404の決済手段選択画面の表示例であり、決済手段として電子マネーAが選択された場合を示す図である。以下、ユーザが決済処理部410に対応する決済手段を選択したものとして説明する。
次に、外部機器400は、コンテンツが選択されたICカード200と通信を開始する。通信開始後、決済に関する情報が、ユーザに選択された決済処理部410とSPアプリケーション214との間でやりとりされる。このとき、決済仲介部208が決済に関する情報を仲介するので、決済処理部410は、SPアプリケーション214とではなく、決済仲介部208との間で決済に関する情報の送受信を行う。外部機器400は、決済に関する情報を送受信した後、選択されたコンテンツ購入に伴う決済処理を決済処理部410で行う。決済に関する情報のやりとりについては、図3に示すシーケンス図を用いて後述する。
決済処理が完了すると、SPアプリケーション214は、選択されたコンテンツを利用可能な状態にする。
以後、AV機器300は、ユーザの希望に応じて、選択されたコンテンツをコンテンツ再生部304で再生する。
次に、図1に示す決済システム100における決済に関する情報のやりとりについて、図3に示すシーケンス図を用いて説明する。
図3は、図1の決済システム100において、ユーザが、ICカード200内のコンテンツを購入するときに、外部機器400を用いて決済を行う手順を示すシーケンス図である。
まず、AV機器300の電源が入れられると、GUI部302は、SPアプリケーション一覧要求を作成し、接触通信部202を介してカードマネージャ206に送信する(S100)。
カードマネージャ206は、SPアプリケーション一覧要求を解釈し、保有するSPアプリケーション一覧を接触通信部202を介してGUI部302に送信する(S101)。
情報を受け取ったGUI部302は、SPアプリケーション一覧を表示する(S102)。ユーザは、GUI部302を操作し、SPアプリケーション212〜216および購入コンテンツを選択する。以下、図3に示す例では、ユーザが、SPアプリケーション212が提供するコンテンツを選択したものとして説明する。
GUI部302は、選択されたSPアプリケーション212を接触通信部202を介して起動し、選択されたコンテンツを通知する(S103)。
SPアプリケーション212は、決済情報を作成し、決済仲介部208に出力する(S104)。決済情報とは、選択されたコンテンツを提供するSPアプリケーションを特定する識別子(以下、「SPID」と略記する)、選択されたコンテンツを特定する識別子(以下、「コンテンツID」と略記する)および選択されたコンテンツの金額情報を含む情報である。図4(A)は、決済情報の一例を示す図である。なお、決済情報には、ポイント情報やクーポン情報などの金額以外の情報を含めても良い。
決済仲介部208は、決済情報を決済情報保持メモリ210に格納する(S105)。
次に、ユーザは、外部機器400のGUI部404を操作し、決済手段を選択する。以下、図3に示す例では、ユーザが、決済処理部406に対応する決済手段を選択したものとして説明する。GUI部404は、選択された決済手段に対応する決済処理部406を起動する(S106)。
決済処理部406は、決済情報取得要求を作成し、通信部402および非接触通信部204を介して決済仲介部208に送信する(S107)。
決済仲介部208は、決済情報取得要求を解釈し、保持している決済情報(この場合、SPアプリケーション212の決済情報)を非接触通信部204および通信部402を介して決済処理部406に送信する(S108)。
決済処理部406は、受信した決済情報内のコンテンツの金額に等しい額の電子マネーを含む対価情報を作成し、通信部402および非接触通信部204を介して決済仲介部208に送信する(S109)。図4(B)に対価情報の一例を示す。
決済仲介部208は、保持する決済情報を参照して、受信した対価情報を対応するSPアプリケーション212に出力する(S110)。なお、対価情報を受信したことは、決済仲介部208が決済情報を受信したことを意味するので、決済情報保持メモリ210は、メモリ容量が足りなくなることがないように、保持している決済情報を削除するのが好ましい。
SPアプリケーション212は、入力した対価情報を確認して問題がなければ、対価情報に自身のSPIDおよび提供するコンテンツのコンテンツIDを加えた決済証書情報を作成し、決済仲介部208に出力する(S111)。図4(C)に決済証書情報の一例を示す。
決済仲介部208は、入力した決済証書情報を決済情報保持メモリ210に格納すると共に、非接触通信部204および通信部402を介して決済処理部406に送信する(S112)。
決済処理部406は、受信した決済証書情報に基づいて決済処理を行う。決済処理が完了した後、決済が完了したことを伝える決済完了情報を作成し、通信部402および非接触通信部204を介して決済仲介部208に送信する(S113)。
決済仲介部208は、決済完了情報をSPアプリケーション212に出力する(S114)。なお、決済完了情報を受信したことは、決済処理部406が決済証書情報を受信したことを意味するので、決済情報保持メモリ210は、メモリ容量が足りなくなることがないように、保持している決済証書情報を削除するのが好ましい。
SPアプリケーション212は、決済完了情報を入力した後、ユーザが選択したコンテンツを利用可能にする(S115)。以後、ユーザは、AV機器のコンテンツ再生部304を用いて、好きなときにコンテンツを再生することができる。
SPアプリケーション212は、決済完了情報に対する返答(ACK)を決済仲介部208に出力する(S116)。
決済仲介部208は、ACKを非接触通信部204および通信部402を介して決済処理部406に送信し、通信を終了する(S117)。
以上のように、本実施の形態によれば、電子装置上の複数のSPアプリケーション(販売手段)は決済情報を決済仲介部に通知し、決済仲介部は各SPアプリケーションの決済情報を決済情報保持メモリに保持することで、外部機器の決済処理部は、全てのSPアプリケーションにアクセスする必要なく、決済仲介部にアクセスするだけで決済情報を取得することができる。したがって、従来の技術と比較して、外部機器との間の決済処理を短時間に完了することができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、外部機器がSPアプリケーションごとに決済処理を行う例を示した。実施の形態2は、外部機器が複数のSPアプリケーションの決済処理をまとめて行う例を示す。
図5は、本発明の実施の形態2に係る決済システムの構成を示すブロック図である。実施の形態1に係る決済システムと同じ構成要素については同一の符号を付し、重複箇所の説明を省略する。
図5において、決済システム500は、ICカード600、AV機器300、外部機器700を備えて構成される。
ICカード600は、接触通信部202、非接触通信部204、カードマネージャ206、決済仲介部602、SPアプリケーション606〜610を備えて構成される。決済仲介部602およびSPアプリケーション606〜610以外のものは、実施の形態1と同様のものなのでここでは説明しない。
決済仲介部602は、決済情報保持メモリ210および対価情報置換部604を備えて構成される。決済情報保持メモリ210は、実施の形態1と同様のものなのでここでは説明しない。
対価情報置換部604は、個別対価情報を作成する。個別対価情報については図9を参照しながら後述する。
SPアプリケーション606〜610は、それぞれ、外部機器700の決済処理部702〜706の数とそれぞれ同数(例えば、図5に示す構成の場合は3つ)のハッシュ関数708〜712および検証用公開鍵612〜616を有する。なお、ハッシュ関数708〜712および検証用公開鍵612〜616は、ICカード600内の耐タンパなメモリ領域(図示しない)に格納されることが好ましい。
ハッシュ関数708〜712は、個別対価情報を検証する際に用いられる関数である。各SPアプリケーション606〜610は、決済処理部702〜706が有するハッシュ関数と同じ関数を全て有する。
検証用公開鍵612〜616は、各決済処理部702〜706が作成した署名付き合算対価情報ブロックデータ(後述)を検証する際に用いられる鍵である。各SPアプリケーション606〜610は、決済処理部702〜706が有する署名用秘密鍵(後述)に対応する検証用公開鍵を全て有する。
外部機器700は、通信部402、GUI部404、決済処理部702〜706を備えて構成される。通信部402およびGUI部404は、実施の形態1と同様のものなのでここでは説明しない。
決済処理部702〜706は、それぞれハッシュ関数708〜712および署名用秘密鍵714〜718を一つずつ有する。
ハッシュ関数708〜712は、SPアプリケーションの対価情報を対価情報ブロックデータ(後述)に変換する際に用いられる関数である。決済処理部702〜706は、それぞれ異なるハッシュ関数を有する。
署名用秘密鍵714〜718は、合算対価情報ブロックデータ(後述)を署名付き合算対価情報ブロックデータ(後述)に変換する際に用いられる鍵である。決済処理部702〜706は、それぞれ異なる署名用秘密鍵を有する。
以下、上述のように構成された決済システムの動作について説明する。コンテンツ選択からコンテンツ再生までの全体の流れについては、実施の形態1とほぼ同じなので説明しない。ここでは、図5に示す決済システム500における決済に関する情報のやりとりについて、図6に示すシーケンス図を用いて詳細に説明する。
図6は、図5の決済システム500において、ユーザが、ICカード600内のコンテンツを購入するときに、外部機器700を用いて決済を行う手順を示すシーケンス図である。
まず、AV機器300の電源が入れられると、GUI部302は、SPアプリケーション一覧要求を作成し、接触通信部202を介してカードマネージャ206に送信する(S200)。
カードマネージャ206は、SPアプリケーション一覧要求を解釈し、カードマネージャ206に登録されているSPアプリケーション一覧を接触通信部202を介してGUI部302に送信する(S201)。
情報を受け取ったGUI部302は、SPアプリケーション一覧を表示する(S202)。ユーザは、GUI部302を操作し、SPアプリケーション606〜610および購入コンテンツを選択する。以下、図6に示すシーケンス図では、ユーザが、SPアプリケーション606およびSPアプリケーション608が提供するコンテンツをそれぞれ一つずつ選択したものとして説明する。
GUI部302は、選択された第一のSPアプリケーション606を接触通信部202を介して起動し、選択されたコンテンツを通知する(S203)。
SPアプリケーション606は、決済情報(SPID、コンテンツID、コンテンツの金額)を作成し、決済仲介部602に出力する(S204)。
決済仲介部602は、SPアプリケーション606の決済情報を決済情報保持メモリ210に格納する(S205)。
GUI部302は、選択された第二のSPアプリケーション608を接触通信部202を介して起動し、選択されたコンテンツを通知する(S206)。
SPアプリケーション608は、決済情報を作成し、決済仲介部602に出力する(S207)。
決済仲介部602は、入力したSPアプリケーション608の決済情報を決済情報保持メモリ210に格納する(S208)。
次に、ユーザは、外部機器700のGUI部404を操作し、決済手段を選択する。以下、図6に示すシーケンス図では、ユーザが決済処理部702に対応する決済手段を選択したものとして説明する。GUI部404は、選択された決済手段に対応する決済処理部702を起動する(S209)。
決済処理部702は、決済情報取得要求を作成し、通信部402および非接触通信部204を介して決済仲介部602に送信する(S210)。
決済仲介部602は、決済情報取得要求を解釈し、決済情報保持メモリ210が保持している複数の決済情報(この場合、SPアプリケーション606およびSPアプリケーション608の決済情報)を非接触通信部204および通信部402を介して決済処理部702に送信する(S211)。
決済処理部702は、合算電子マネー、合算対価情報、受信した決済情報と同数(図6に示す例では、二つ)の対価情報ブロックデータ、受信した決済情報と同数(図6に示す例では、二つ)の乱数、合算対価情報ブロックデータおよび署名付き合算対価情報ブロックデータを作成し、通信部402および非接触通信部204を介して、決済仲介部602に送信する(S212)。
ここで、合算電子マネー、合算対価情報、対価情報ブロックデータ、乱数、合算対価情報ブロックデータおよび署名付き合算対価情報ブロックデータの作成手順について図7および図8を用いて説明する。
合算電子マネーは、受信した複数の決済情報に含まれる決済金額の合計額と同額の電子マネーである。図6に示す例では、合算電子マネーの金額はSPアプリケーション606の決済金額とSPアプリケーション608の決済金額の合計額である。図7(A)に合算電子マネーの一例を示す。
合算対価情報は、各SPアプリケーションについての対価情報が記載された情報である。図6に示す例では、合算対価情報はSPアプリケーション606についての対価情報およびSPアプリケーション608についての対価情報が記載された情報であり、図8(A)に示すようになる。
対価情報ブロックデータは、合算対価情報に含まれる各SPアプリケーションの対価情報に、それぞれ異なる乱数を加え、ハッシュ関数(図6に示す例では、決済処理部702が有するハッシュ関数708)を施したデータである。このようにすることで、SPアプリケーションは、対価情報ブロックデータの内容を把握することができなくなる。対価情報ブロックデータは、合算対価情報に含まれる全ての対価情報について作成されるので、合算対価情報に含まれる対価情報の数だけ作成されることになる。図6に示す例では、SPアプリケーション606およびSPアプリケーション608の対価情報が合算対価情報に含まれるので、SPアプリケーション606の対価情報を変換して得られるデータ(以下、「対価情報ブロックデータ1」という)およびSPアプリケーション608の対価情報を変換して得られるデータ(以下、「対価情報ブロックデータ2」という)の、二つの対価情報ブロックデータが、図8(B)および(C)に示す手順で作成される。
乱数は、対価情報にハッシュ関数を施して対価情報ブロックデータを作成する際に利用するデータである。このとき、異なる対価情報には異なる乱数を加えるので、乱数は合算対価情報に含まれる対価情報の数だけ作成される。図6に示す例では、対価情報ブロックデータ1を作成する際に用いられる乱数(以下、「乱数1」という)および対価情報ブロックデータ2を作成する際に用いられる乱数(以下、「乱数2」という)の、二つの乱数が作成される。
合算対価情報ブロックデータは、各SPアプリケーションについての対価情報ブロックデータを統合したデータである。図6に示す例では、対価情報ブロックデータ1および対価情報ブロックデータ2が図8(D)に示すように統合され、合算対価情報ブロックデータが作成される。
署名付き合算対価情報ブロックデータは、合算対価情報ブロックデータに署名用秘密鍵を用いて作成した署名を付けたデータである。図6に示す例では、署名付き合算対価情報ブロックデータは、合算対価情報ブロックデータおよび署名用秘密鍵714を用いて図8(E)に示す手順で作成される。
図6に示すシーケンス図の説明に戻る。決済仲介部602は、個別対価情報1を対価情報置換部604によって作成し、合算電子マネー、個別対価情報1、合算対価情報ブロックデータ、署名付き合算対価情報ブロックデータおよび乱数1をSPアプリケーション606に出力する(S213)。
ここで、個別対価情報とは、合算対価情報に含まれる全ての対価情報のうち、送信先となるSPアプリケーション以外のSPアプリケーションの対価情報を、対応する対価情報ブロックデータに置換したものである。図6に示す例では、決済仲介部602が、個別対価情報をSPアプリケーション606に送信する場合、対価情報置換部604は、図9に示すように、合算対価情報中の二つの対価情報のうち、SPアプリケーション608の対価情報を対価情報ブロックデータ2(SPアプリケーション608の対価情報に乱数2を加え、ハッシュ関数を施したデータ)に置換し、個別対価情報1を作成する。決済仲介部602は、合算対価情報ではなく、個別対価情報1をSPアプリケーション606に送信することで、SPアプリケーション606にSPアプリケーション608の対価情報を知られることを防ぐことができる。
図6に示すシーケンス図の説明に戻る。SPアプリケーション606は、入力した個別対価情報1が正当なものであるか否かを確認するために、入力した情報(合算電子マネー、個別対価情報1、合算対価情報ブロックデータ、署名付き合算対価情報ブロックデータおよび乱数1)、対価情報の作成元である決済処理部702が有するものと同じハッシュ関数708、および決済処理部702が有する署名用秘密鍵714に対応する検証用公開鍵612を用いて、個別対価情報1の検証を行う(S214)。
ここで、SPアプリケーション606が、個別対価情報1の検証を行う手順を、図10を参照しながら説明する。
まず、個別対価情報1内のSPアプリケーション606の対価情報に乱数1を加えたものにハッシュ関数708を施し、ハッシュデータを求める(図10(A)参照)。
次に、求めたハッシュデータおよび対価情報ブロックデータ2を統合したデータと合算対価情報ブロックデータとを比較し、同一であることを確認する(図10(B)参照)。
次に、署名付き合算対価情報ブロックデータを検証用公開鍵612で検証し、署名検証用データを作成する(図10(C)参照)。
最後に、署名検証用データと合算対価情報ブロックデータとを比較し同一であることを確認する(図10(D)参照)。
以上の検証処理において、ハッシュデータおよび対価情報ブロックデータ2を統合したデータと合算対価情報ブロックデータとが同一でない場合、または、署名検証用データと合算対価情報ブロックデータとが同一でない場合、SPアプリケーション606は、個別対価情報1が不正なものであると判断し、以後の決済の手続を進めずにエラーを決済仲介部602に返す。一方、ハッシュデータおよび対価情報ブロックデータ2を統合したデータと合算対価情報ブロックデータとが同一、かつ、署名検証用データと合算対価情報ブロックデータとが同一の場合、SPアプリケーション606は、個別対価情報1が正当なものであると判断し、決済の決済を続行する。以下、個別対価情報1が正当なものであると判断したものとして説明を続ける。
図6に示すシーケンス図の説明に戻る。SPアプリケーション606は、個別対価情報1を確認して問題がなければ、入力した合算電子マネーに自身のSPIDおよび提供するコンテンツのコンテンツIDを加えた決済証書情報を作成し、決済仲介部602に出力する(S215)。
決済仲介部602は、合算対価情報に含まれる対価情報のうち、SPアプリケーション606の対価情報を対価情報ブロックデータ1に置換した個別対価情報2を対価情報置換部604に作成させた後、合算電子マネー、個別対価情報2、合算対価情報ブロックデータ、署名付き合算対価情報ブロックデータおよび乱数2をSPアプリケーション608に出力する(S216)。決済仲介部602は、合算対価情報ではなく、個別対価情報2をSPアプリケーション608に送信することで、SPアプリケーション608にSPアプリケーション606の対価情報を知られることを防ぐことができる。なお、合算電子マネーなどの情報を受信したということは、決済処理部702が決済情報を受信したということを意味するので、決済情報保持メモリ210は、メモリ容量が足りなくなることがないように、保持している決済情報を削除するのが好ましい。
SPアプリケーション608は、入力した個別対価情報2が正当なものであるか否かを確認するために、入力した情報(合算電子マネー、個別対価情報2、合算対価情報ブロックデータ、署名付き合算対価情報ブロックデータおよび乱数2)、対価情報の作成元である決済処理部702が有するものと同じハッシュ関数708、および決済処理部702が有する署名用秘密鍵714に対応する検証用公開鍵612を用いて、S214の手順と同様に、個別対価情報2の検証を行う(S217)。検証の結果、SPアプリケーション608が、個別対価情報2が不正なものであると判断した場合、SPアプリケーション608は、以後の決済処理を進めずにエラーを決済仲介部602に返す。一方、SPアプリケーション608が、個別対価情報2が正当なものであると判断した場合、SPアプリケーション608は決済処理を続行する。以下、個別対価情報2が正当なものであると判断したものとして説明を続ける。
SPアプリケーション608は、個別対価情報2を確認して問題がなければ、受信した合算電子マネーに自身のSPIDおよび提供するコンテンツのコンテンツIDを加えた決済証書情報を作成し、決済仲介部602に出力する(S218)。
決済仲介部602は、SPアプリケーション606およびSPアプリケーション608から受信した決済証書情報を基に合算決済証書情報を作成し、決済情報保持メモリ210に格納するとともに、非接触通信部204および通信部402を介して決済処理部702に送信する(S219)。図7(B)に合算決済証書情報の一例を示す。
決済処理部702は、受信した合算決済証書情報に基づいて決済処理を行う。決済処理が完了した後、決済が完了したことを伝える決済完了情報を作成し、通信部402および非接触通信部204を介して決済仲介部602に送信する(S220)。
決済仲介部602は、受信した決済完了情報をSPアプリケーション606に出力する(S221)。なお、決済完了情報を受信したことは、決済処理部702が合算決済証書情報を受信したことを意味するので、決済情報保持メモリ210は、メモリ容量が足りなくなることがないように、保持しているSPアプリケーション606の決済証書情報を削除するのが好ましい。
決済完了情報を入力したSPアプリケーション606は、ユーザが選択したコンテンツを利用可能にする(S222)。以後、ユーザは、AV機器のコンテンツ再生部304を用いて、好きなときに購入したSPアプリケーション606のコンテンツを再生することができる。
SPアプリケーション606は、決済完了情報に対する返答(ACK)を、決済仲介部602に出力する(S223)。
決済仲介部602は、受信した決済完了情報をSPアプリケーション608に出力する(S224)。なお、決済完了情報を受信したということは、決済処理部702が合算決済証書情報を受信したということを意味するので、決済情報保持メモリ210は、メモリ容量が足りなくなることがないように、保持しているSPアプリケーション608の決済証書情報および合算決済証書情報を削除するのが好ましい。
決済完了情報を入力したSPアプリケーション608は、ユーザが選択したコンテンツを利用可能にする(S225)。以後、ユーザは、AV機器のコンテンツ再生部304を用いて、好きなときに購入したSPアプリケーション608のコンテンツを再生することができる。
SPアプリケーション608は、決済完了情報に対する返答(ACK)を決済仲介部602に出力する(S226)。
決済仲介部602は、SPアプリケーション606およびSPアプリケーション608からの入力したACKを非接触通信部204および通信部402を介して決済処理部702に送信する(S227)。
このように本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加えて、ユーザが複数のSPアプリケーションで同時にコンテンツを購入する場合であっても、決済仲介部は複数のSPアプリケーションの決済情報を決済処理部に同時に送信し、決済処理部は合計額に値する合算電子マネーと個々のSPアプリケーションに支払う額が記載された合算対価情報とを同時に決済仲介部に送信することで、決済処理部と決済仲介部との間の通信を一度行うだけで決済処理を完了することができる。したがって、各SPアプリケーションと個別に通信を行う従来技術に比べて、決済処理を高速化することができる。
また、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加えて、複数のSPアプリケーションで同時にコンテンツを購入する場合であっても、決済仲介部は、各SPアプリケーションについての対価情報をそのまま含む合算対価情報ではなく、出力先のSPアプリケーション以外のSPアプリケーションについての対価情報を対応するブロックデータに置換した個別対価情報を各SPアプリケーションに送信することで、各SPアプリケーションに他のSPアプリケーションについての対価情報を知られることを防ぐことができる。
また、本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加えて、各SPアプリケーションは、合算電子マネー、個別対価情報、合算対価情報ブロックデータ、署名付き合算対価情報ブロックデータ、乱数、ハッシュ関数および検証用公開鍵を用いて個別対価情報の正当性を検証することで、不正な個別対価情報に基づく決済を防ぐことができる。
なお、上記各実施の形態では、本発明の電子装置として非接触ICカードの機能を備えたメモリカードを用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施し得る。
また、上記各実施の形態では、本発明の電子装置に備えられる販売手段として、ソフトウェアプログラムであるSPアプリケーションを用いた例について説明したが、本発明の電子装置に備えられる販売手段は、ソフトウェアプログラムに限定されない。
また、上記各実施の形態では、SPアプリケーションから決済仲介手段への決済情報の送信時に署名検証を行わなかったが、署名検証を行うようにしても良い。例えば、各SPアプリケーションは、それぞれが保有する署名用秘密鍵によって決済情報に署名を付けた後、決済情報を決済仲介部に送信するようにし、決済仲介部は、保有する各SPアプリケーションの検証用公開鍵によって決済情報の署名を検証するようにしても良い。これにより、決済仲介部は、不正なSPアプリケーションからの決済情報を把握でき、不正な決済処理を防げることができる。
なお、上記実施の形態1では、決済処理部からSPアプリケーションへの対価情報の送信時に署名検証を行わなかったが、署名検証を行うようにしても良い。例えば、各決済処理部は、それぞれが保有する署名用秘密鍵によって対価情報に署名を付けた後、対価情報をSPアプリケーションに送信するようにし、SPアプリケーションは、保有する各決済処理部の検証用公開鍵によって対価情報の署名を検証するようにしても良い。これにより、SPアプリケーションは、不正な決済処理部からの対価情報を把握でき、不正な決済処理を防げることができる。
また、上記各実施の形態では、決済仲介部が決済証書情報(合算決済証書情報を含む)を決済処理部へ一度だけ送信する場合について説明したが、決済仲介部は決済証書情報を必要に応じて再送信するようにしても良い。例えば、決済仲介部は、決済処理部へ決済証書情報を送信した後、予め設定された時間内に決済処理部から決済完了情報を受信しない場合、次の決済処理時に保持している決済証書情報を再送信するようにしても良い。これにより、何らかの障害によって決済証書情報が決済仲介部から決済処理部に通知されない時でも、障害が回復した後に決済処理を完了することができる。
また、上記各実施の形態では、外部機器は、外部機器内で決済処理を実行したが、外部機器は、通信手段を介して図示しない外部の決済サーバへ決済処理を依頼するようにしてもよい。例えば、外部機器として携帯電話を用いて、携帯電話の無線通信機能を利用してクレジットカード会社や金融機関などの決済サーバへ決済処理を依頼するようにしても良い。これにより、決済手段の幅をより広げることができる。
本発明に係る電子装置および決済処理方法は、ICカードなどのセキュアデバイスを装着でき、コンテンツの再生など様々なアプリケーション実行を行う、ネットワーク通信機能を持たないAV機器や携帯情報端末(PDA)などの情報処理装置におけるコンテンツ購入などにおいて有用である。
本発明の実施の形態1に係る決済システムの構成を示すブロック図 (A)AV機器のGUI部におけるサービスプロバイダ一覧の表示例を示す図、(B)AV機器のGUI部におけるコンテンツ一覧の表示例を示す図、(C)外部機器のGUI部における決済手段選択画面の一例を示す図 上記実施の形態1に係る決済システムにおいて決済を行う手順を示すシーケンス図 (A)決済情報の一例を示す図、(B)対価情報の一例を示す図、(C)決済証書情報の一例を示す図 本発明の実施の形態2に係る決済システムの構成を示すブロック図 上記実施の形態2に係る決済システムにおいて決済を行う手順を示すシーケンス図 (A)合算電子マネーの一例を示す図、(B)合算決済証書情報の一例を示す図 (A)合算対価情報の一例を示す図、(B)合算対価情報からSPアプリケーションの対価情報を作成する手順を示す図、(C)SPアプリケーションの対価情報から対価情報ブロックデータを作成する手順を示す図、(D)対価情報ブロックデータから合算対価情報ブロックデータを作成する手順を示す図、(E)合算対価情報ブロックデータから署名付き合算対価情報ブロックデータを作成する手順を示す図 SPアプリケーションの対価情報を二つ含む合算対価情報から個別対価情報を作成する手順を示す図 個別対価情報の署名検証を行う手順を示す図であって、(A)は個別対価情報からハッシュデータを作成する手順を示す図、(B)はハッシュデータと合算対価情報ブロックデータとを比較することを示す図、(C)は署名付き合算対価情報ブロックデータから署名検証用データを作成する手順を示す図、(D)は署名検証用データと合算対価情報ブロックデータとを比較することを示す図 従来の決済処理システムの構成を示すブロック図 (A)従来の情報処理システムの構成を示す図、(B)(A)の自動販売機の構成を示すブロック図 本発明の課題を説明するための図
符号の説明
10 決済処理システム
12 PC
14 通信網
16〜18 ECモールサーバ
20〜22 決済モールシステム
24 決済システム
26 クレジットオンラインシステム
28〜30 決済業務サーバ
40 情報処理システム
50 自動販売機
51 送受信回路
52〜55 販売機構
60 携帯電話
62 無線基地局
64 電話回線網
66 取引銀行
70 ICカード
71 送受信回路
72〜74 SPアプリケーション
100,500 決済システム
200,600 ICカード
202 接触通信部
204 非接触通信部
206 カードマネージャ
208,602 決済仲介部
210 決済情報保持メモリ
212〜216,606〜610 SPアプリケーション
300 AV機器
302 GUI部
304 コンテンツ再生部
400,700 外部機器
402 通信部
404 GUI部
406〜410,702〜706 決済処理部
604 対価情報置換部
612〜614 検証用公開鍵
708〜712 ハッシュ関数
714〜718 署名用公開鍵

Claims (24)

  1. 外部機器と通信を行う通信手段と、
    選択された物品またはサービスを提供するための処理を行い、前記選択された物品またはサービスの提供に関する決済情報を作成する販売手段と、
    前記販売手段によって作成された決済情報を保持する決済情報保持手段と、
    前記決済情報保持手段に保持された決済情報を、前記通信手段を介して前記外部機器に送信する決済仲介手段と、
    を備える電子装置。
  2. 前記決済仲介手段は、
    前記外部機器からの要求に応じて、前記決済情報の送信を行う、
    請求項1記載の電子装置。
  3. 前記決済仲介手段は、さらに、
    前記外部機器から前記通信手段を介して前記決済情報に対応する対価情報を受信し、受信した対価情報を前記販売手段に送信する、
    請求項1記載の電子装置。
  4. 前記販売手段は、さらに、
    前記対価情報に対応する決済証書情報を作成し、
    前記決済情報保持手段は、さらに、
    前記販売手段によって作成された決済証書情報を保持し、
    前記決済仲介手段は、さらに、
    前記決済情報保持手段に保持された決済証書情報を、前記通信手段を介して前記外部機器に送信する、
    請求項3記載の電子装置。
  5. 前記販売手段は、さらに、
    秘密鍵を用いて前記決済情報に署名を付与し、
    前記決済仲介手段は、さらに、
    前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて、前記販売手段によって付与された署名を検証する、
    請求項1記載の電子装置。
  6. 前記販売手段は、さらに、
    前記外部機器が秘密鍵を用いて前記対価情報に付与した署名を、前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて検証する、
    請求項3記載の電子装置。
  7. 前記販売手段は、さらに、
    秘密鍵を用いて前記決済証書情報に署名を付与し、
    前記決済仲介手段は、さらに、
    前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて、前記販売手段によって付与された署名を検証する、
    請求項4記載の電子装置。
  8. 前記決済仲介手段は、さらに、
    前記外部機器から対価情報を受信した場合、前記決済情報保持手段に保持された決済情報を削除する、
    請求項3記載の電子装置。
  9. 前記決済仲介手段は、さらに、
    前記外部機器から決済完了情報を受信した場合、前記決済情報保持手段に保持された決済証書情報を削除する、
    請求項4記載の電子装置。
  10. 前記決済仲介手段は、さらに、
    前記決済証書情報を送信した後、所定の時間内に前記外部機器から決済完了情報を受信しない場合、次回前記外部機器と通信する時に、前記決済情報を前記外部機器に再度送信する、
    請求項4記載の電子装置。
  11. 前記決済仲介手段は、
    前記決済情報保持手段に複数の決済情報が保持されている場合、前記複数の決済情報を一度に送信する、
    請求項1記載の電子装置。
  12. 前記決済仲介手段は、
    前記決済情報保持手段に複数の決済情報が保持されている場合、前記外部機器から前記通信手段を介して前記複数の決済情報のそれぞれに対応する対価情報を含む合算対価情報を受信する、
    請求項11記載の電子装置。
  13. 前記販売手段は、複数存在し、
    前記決済仲介手段は、
    前記合算対価情報に含まれる複数の対価情報のうち、前記複数の販売手段の一に対応する対価情報を除く他のすべての対価情報を、前記複数の販売手段がおのおの認識できないデータにそれぞれ置換する手段を含み、
    前記合算対価情報に含まれる複数の対価情報のうち、前記複数の販売手段の一に対応する対価情報を除く他のすべての対価情報を前記データにそれぞれ置換して得られた個別対価情報を、前記一の販売手段に送信する、
    請求項12記載の電子装置。
  14. 前記決済仲介手段は、さらに、
    前記複数の対価情報のそれぞれに対応する対価情報ブロックデータを前記外部機器から前記通信手段を介して受信し、
    受信した対価情報ブロックデータを前記データとして用いて、前記複数の販売手段の一に対応する対価情報を除く他のすべての対価情報に対応する対価情報ブロックデータと、前記一の販売手段に対応する対価情報とを含む個別対価情報を作成し、
    作成した個別対価情報を、前記一の販売手段に送信する、
    請求項13記載の電子装置。
  15. 前記対価情報ブロックデータは、対価情報および乱数からハッシュ関数を用いて作成されたデータである、請求項14記載の電子装置。
  16. 前記決済仲介手段は、さらに
    すべての対価情報ブロックデータを含む合算対価情報ブロックデータを前記外部機器から受信し、
    受信した合算対価情報ブロックデータを前記一の販売手段に送信し、
    前記一の販売手段は、
    前記決済仲介手段から個別対価情報を受信し、
    受信した個別対価情報に含まれる自己宛の対価情報および前記乱数から前記ハッシュ関数を用いて検証用データを作成し、
    作成した検証用データを合算対価情報ブロックデータと比較して、受信した個別対価情報を検証する、
    請求項15記載の電子装置。
  17. 前記一の販売手段は、さらに、
    前記外部機器が秘密鍵を用いて前記合算対価情報ブロックデータに付与した署名を、前記秘密鍵に対応する公開鍵を用いて検証する、
    請求項16記載の電子装置。
  18. 請求項1記載の電子装置から決済情報を受信し、決済処理を行う外部機器であって、
    前記電子装置と通信を行う通信手段と、
    前記通信手段を介して前記決済情報を受信し、前記決済情報に基づいて決済処理を行う決済処理手段と、
    を備える電子装置。
  19. 請求項1記載の電子装置から決済情報を受信し、決済処理を行う外部機器であって、
    前記電子装置と通信を行う通信手段と、
    前記通信手段を介して前記決済情報を受信し、前記決済情報に基づいて決済処理を前記通信手段を介して外部に依頼する決済処理手段と、
    を備える電子装置。
  20. 請求項14記載の電子装置から複数の決済情報を受信し、決済処理を行う外部機器であって、
    前記電子装置と通信を行う通信手段と、
    前記通信手段を介して前記複数の決済情報を受信し、前記決済情報それぞれに対応する対価情報と、すべての前記対価情報を含む合算対価情報と、前記対価情報および乱数からハッシュ関数を用いて得られる、前記対価情報それぞれに対応する対価情報ブロックデータと、を作成し、前記合算対価情報およびすべての対価情報ブロックデータを前記通信手段を介して前記電子装置に送信し、前記決済情報に基づいて決済処理を行う決済処理手段と、
    を備える電子装置。
  21. 物品またはサービスを販売する電子装置と、前記物品またはサービスの販売に伴う決済処理を行う外部機器と、を有する決済処理システムであって、
    前記電子装置は、
    外部機器と通信を行う第一通信手段と、
    選択された物品またはサービスを提供するための処理を行い、前記選択された物品またはサービスの提供に関する決済情報を作成する販売手段と、
    前記販売手段によって作成された決済情報を保持する決済情報保持手段と、
    前記決済情報保持手段に保持された決済情報を、前記第一通信手段を介して前記外部機器に送信する決済仲介手段と、を備え、
    前記外部機器は、
    前記電子装置と通信を行う第二通信手段と、
    前記決済仲介手段から前記第一通信手段および第二通信手段を介して前記決済情報を受信し、前記決済情報に基づいて決済処理を行う決済処理手段と、を備える、
    決済処理システム。
  22. 物品またはサービスを販売する電子装置と、前記物品またはサービスの販売に伴う決済処理を外部の決済サーバに依頼する外部機器と、を有する決済処理システムであって、
    前記電子装置は、
    外部機器と通信を行う第一通信手段と、
    選択された物品またはサービスを提供するための処理を行い、前記選択された物品またはサービスの提供に関する決済情報を作成する販売手段と、
    前記販売手段によって作成された決済情報を保持する決済情報保持手段と、
    前記決済情報保持手段に保持された決済情報を、前記第一通信手段を介して前記外部機器に送信する決済仲介手段と、を備え、
    前記外部機器は、
    前記電子装置および外部と通信を行う第二通信手段と、
    前記決済仲介手段から前記第一通信手段および第二通信手段を介して前記決済情報を受信し、前記決済情報に基づいて決済処理を前記第二通信手段を介して外部の決済サーバに依頼する決済処理手段と、を備える、
    決済処理システム。
  23. 選択された物品またはサービスの提供に関する決済情報を作成するステップと、
    前記決済情報を決済情報保持手段で保持するステップと、
    前記決済情報保持手段に保持された決済情報を、外部機器に送信するステップと、
    を有する決済情報管理方法。
  24. 請求項15記載の電子装置から複数の決済情報を受信し、決済処理を行う外部機器の決済処理方法であって、
    前記複数の決済情報を受信するステップと、
    前記決済情報それぞれに対応する対価情報を作成するステップと、
    すべての前記対価情報を含む合算対価情報を作成するステップと、
    前記対価情報および乱数からハッシュ関数を用いて得られる、前記対価情報それぞれに対応する対価情報ブロックデータを作成するステップと、
    前記合算対価情報およびすべての対価情報ブロックデータを前記電子装置に送信するステップと、
    前記決済情報に基づいて決済処理を行うステップと、
    を有する決済処理方法。
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