JP2007240648A - レーザー装置及びレーザーモジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】レーザーモジュールと光ファイバーとの接続部分の汚染や損傷を防止して光出力の低下を防ぐことができるレーザー装置及びレーザーモジュールを提供する。
【解決手段】光ファイバー44と、光ファイバー46と接続され、光ファイバー46の端部に向けてレーザー光Lを出射するレーザー光源が収容されたレーザーモジュールと、を備え、レーザー光Lの焦点位置Pが、光ファイバー46のコア42の内部となるように、光ファイバー46とレーザーモジュールとが接続されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、レーザー装置及びレーザーモジュールに係り、特に、半導体レーザー等のレーザー光源を備えたレーザーモジュールと光ファイバーの一端とを接続し、その光ファイバーの他端からレーザー光を出射するレーザー装置及びレーザーモジュールに関する。
従来、空間光変調素子で変調したレーザー光を結像光学系に通し、このレーザー光による像を所定の感光材料上に結像して当該感光材料を露光する画像露光装置が公知となっている。この種の画像露光装置は、基本的に、照射されたレーザー光を各々制御信号に応じて変調する多数の画素部が2次元状に配列されてなる空間光変調素子と、この空間光変調素子にレーザー光を照射するレーザー装置と、前記空間光変調素子により変調されたレーザー光による像を感光材料上に結像する結像光学系とを備えてなるものである。なお、特許文献1には、上記基本的構成を有する画像露光装置の一例が示されている。
この種の画像露光装置におけるレーザー装置として、半導体レーザーを含むレーザーモジュールと光ファイバーとを接続したものが用いられる場合がある。そして、このようなレーザー装置では、レーザーモジュールが光ファイバーを接続するための所謂レセプタクル構造を有し、光ファイバーを容易に接続することができるようになっているものがある(例えば特許文献2参照)。
上記のようなレーザー装置では、レーザーモジュールの端部のガラス窓から出射されるレーザー光の集光位置に光ファイバーの端部が配置されるようにする場合があり、レーザー光の出力を高めることにより光の集塵効果によってゴミ等が光ファイバーの端部に付着し、光出力が低下したり、光密度の高い集光位置の焼き付きや損傷等が発生したりする場合がある、という問題があった。
有機物は大気中に揮発し、最も光密度の高いレーザ光出射端面に、光CVD効果によって、Si、C、あるいは有機物などの物質が成膜されてしまう。この現象は特に、紫外域に近い波長を使用した場合に顕著である(例えば特許文献3参照)。
特開2004−1244号公報 特許第2898620号公報 特開2004−40051号公報
最近、紫外域に近い波長の半導体レーザの出力が大幅に改善され、高出力化が進んでいる。本発明者らは、これまでよりも4倍以上の光出力の光源を使用したモジュールを製作したが、コア径60μmの光ファイバに波長が405nmのレーザー光を結合させる際、ファイバ端に有機物質によると思われる汚染が生じ、光ファイバの端面及びスタブガラスの端面に付着物汚れが発生することを観察した。その結果、レーザーモジュールの特性劣化を引き起こしていることが判った。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、レーザー光源と光ファイバーとの接続部分の汚染や損傷を防止して光出力の低下を防ぐことができるレーザー装置及びレーザーモジュールを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明のレーザー装置は、光ファイバーと、前記光ファイバーと接続され、前記光ファイバーの端部に向けてレーザー光を出射するレーザー光源が収容されたレーザーモジュールと、を備え、前記レーザー光の焦点位置が、前記光ファイバーの端部以外の位置となるように、前記光ファイバーと前記レーザーモジュールとが接続されていることを特徴とする。
この発明によれば、レーザー光の焦点位置が、光ファイバーの端部以外の位置となるように、光ファイバーとレーザーモジュールとが接続されているため、光の集塵効果による汚染物が光ファイバーの端部に付着したり焼き付きや損傷等が発生したりするのを防ぐことができる。
なお、請求項2に記載したように、前記光ファイバーの端部以外の位置は、前記光ファイバーの内部である構成としてもよい。
また、請求項3に記載したように、前記光ファイバーの端部を曲面とした構成としてもよい。これにより、光ファイバーの端部におけるレーザー光の露光面積を大きくすることで、単位面積あたりの光パワー密度を低減することができ、特有波長の光に因ると思われる集塵効果による汚染物が光ファイバーの端部に付着したり焼き付きや損傷等が発生したりするのをより効果的に防ぐことができる。
この場合、請求項4に記載したように、前記光ファイバーの端部を球面形状としてもよい。
また、請求項5に記載したように、前記光ファイバーの端部を円錐形状としてもよい。
また、請求項6に記載したように、前記レーザーモジュールのレーザー光を出射する窓部に設けられた透光部材の空気との界面表面を曲面としてもよい。
また、請求項7に記載したように、前記光ファイバーと前記レーザーモジュールとが着脱可能である構成としてもよい。すなわち、光ファイバーとレーザーモジュールとを分離可能な構成としてもよい。
また、請求項8に記載したように、前記光ファイバーの端部に入射されるレーザー光の前記端部におけるビーム径と前記光ファイバーのコアのコア径とが略同一となるように、前記光ファイバーと前記レーザーモジュールとが接続されている構成としてもよい。コア径いっぱいに入射ビーム径を広げることが、実効上、レーザーをロスなく結合できる限界値であり、そうすることで、汚染、損傷劣化によるレーザーの結合損失を小さくすることができる。
請求項9記載の発明は、光ファイバーと接続され、前記光ファイバーの端部に向けてレーザー光を出射するレーザー光源が収容されたレーザーモジュールであって、前記光ファイバーが接続された時に、前記レーザー光の焦点位置が、前記光ファイバーの端部以外の位置となるように前記光ファイバーを位置決めする位置決め手段を備えたことを特徴とする。
このように位置決め手段を備えることにより、レーザー光の焦点位置を確実に光ファイバーの端部以外の位置とすることができる。
本発明によれば、レーザーモジュールと光ファイバーとの接続部分の汚染や損傷を防止して光出力の低下及び寿命の低下を防ぐことができる、という効果を有する。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1には、本実施形態に係るレーザーモジュール10の側面の概略断面図を示した。同図に示すように、CANパッケージ12を備えている。
丸形のCANパッケージ12は、LD(レーザーダイオード)14を備えている。このLD14は、例えば発光幅10μmのマルチモードブロードエリアLDで出力が500mWである。
LD14は、パッケージ内のブロック16にAuSnロウ材を用いて実装されている。そして、LD14からのレーザー光の出射窓18が設けられたCAP20が例えば抵抗溶接によりCANパッケージ12の基台22に取り付けられており、内部が気密封止されている。
LD14が密封されたCANパッケージ12は、LDホルダ24に圧入固定されている。なお、CANパッケージ12は、圧入以外にYAG熔接などの熔接や半田、接着剤を用いてLDホルダ24に固定しても良い。
CANパッケージ12のレーザー光の出射側には、集光レンズ26が設けられている。この集光レンズ26は、例えば倍率4倍のレンズが用いられ、LD14から出射されたレーザー光を集光する。
集光レンズ26は、例えば接着剤によって集光レンズホルダ28に固定されている。なお、集光レンズ26は、圧入により集光レンズホルダ28に固定されてもよい。
集光レンズホルダ28は、LDホルダ24にレーザー光の光軸方向に摺動自在に嵌め合わされている。
また、集光レンズホルダ28には、ガラススタブ30を保持するスタブホルダ32が取り付けられている。なお、ガラススタブ30は、例えば屈折率が1.5のガラスを用いることができる。スタブホルダ32は、レンズホルダ28上に例えばYAG溶接によって固定されるが、接着剤や半田で固定されてもよい。
スタブホルダ32の内周にはスリーブ34が設けられている。このスリーブ34内に光ファイバーケーブル40が挿入される。このように、レーザーモジュール10は、光ファイバーケーブル40を着脱可能な構成となっている。
光ファイバーケーブル40は、図2に示すように、コア42がクラッド44に覆われた構成の光ファイバー46の一端に、フェルール48が取り付けられた構成である。なお、光ファイバー46とフェルール48とは、例えばエポキシ系接着剤樹脂によって固定されている。
なお、光ファイバー46は、例えばNA(開口率)が0.22、コア径が50μmのマルチモードファイバを用いることができる。
また、スリーブ34のレーザー光出射側の端部とフェルール48とは、図1に示すように高粘性接着剤50によって接着され固定されていてもよいが、スリーブ34内にフェルール48を挿入するだけで固定されるのであれば、必ずしも接着剤によって固定する必要はない。
コア径が小さい光ファイバー46のレーザー光入射側の端部に短波長領域の高輝度のレーザー光を集光させると、光ファイバー46のレーザー光入射側の端部におけるパワー密度が高くなり、集塵効果によって光ファイバー46のレーザー光入射側の端部が汚染したり、焼き付きや損傷が発生したりする場合がある。
そこで、本実施形態では、図3に示すように、LD14から出射されたレーザー光Lの集光位置(焦点位置)Pが光ファイバー46の内部、すなわちコア42の内部となるような位置で、光ファイバー46とレーザーモジュール10とが接続されている。
このように、レーザー光Lの集光位置Pを光ファイバー46の内部、すなわちコア42の内部に位置させることにより、光の集塵効果による汚染物が光ファイバー46の端部に付着したり焼き付きや損傷等が発生したりするのを防ぐことができる。
なお、図4に示すように、光ファイバー46の端部を球面形状としてもよい。これにより、図3に示す光ファイバー46の端部が平面の場合と比較して、光ファイバー46の端部、すなわち空気との界面におけるレーザー光の露光面積を大きくすることができる。これにより、光ファイバー46の端部におけるレーザー光のパワー密度を小さくすることができ、光の集塵効果による汚染物が光ファイバー46の端部に付着したり焼き付きや損傷等が発生したりするのをより効果的に防ぐことができる。
さらに、図5に示すように、光ファイバー46の端部に入射されるレーザー光Lの端部におけるビーム径が光ファイバー46のコア42のコア径r以下、好ましくは略同一となるような位置で、光ファイバー46とレーザーモジュール10とが接続されることが好ましい。これにより、レーザー光の損失を小さくすることができると共に、汚染による劣化も抑えることができる。
なお、光ファイバー46の端部の形状は球面に限らず、光ファイバー46の端部におけるレーザー光の露光面積を大きくできるような形状であればよい。
例えば、図6に示すように、光ファイバー46の端部を円錐形状としてもよい。このような形状とすることにより、図4に示すように球面形状とした場合と比較して、光ファイバー46の端部におけるレーザー光の露光面積をより大きくすることができる。
ここで、本発明者らが図6に示すように光ファイバー46のコア42の突出部分の長さR(mm)とその部分における露光面積との関係を求めた結果を図7に示す。なお、コア径は33μmである。同図に示すように、Rを大きくするに従って、露光面積が大きくなっているのが判る。
また、光ファイバー46のコア42のコア半径と露光面積との関係を、光ファイバー46の端部を図3に示すように平面にした場合と、図4に示すように球面形状(半円形状)にした場合と、図6に示すように円錐形状(R=100μm)にした場合と、のそれぞれについて求めた結果を図8に示す。同図に示すように、光ファイバー46の端部を平面にした場合よりも球面形状あるいは円錐形状とした場合の方が露光面積が大きくなっている。なお、光ファイバー46の端部を平面にした場合に、コア半径が3.0E−05m(直径が60μm)の光ファイバーにレーザーを結合するとき、そのレーザービーム径を焦点位置の調整によりコア径に対してほぼいっぱいのφ55μmにした状態で評価した場合に有機物の汚染が確認されるレベルであった。
また、本発明者らが汚染レベルと露光面積との関係について測定した結果を図11に示す。汚染レベルは3段階で評価し、汚染レベル1が特性劣化が著しいレベル、汚染レベル2が特性劣化に影響があるレベル、汚染レベル3が特性劣化に影響がない合格レベルとした。同図の一点鎖線で示すように2.38E−09(m2)が有機物の汚染が確認されるレベルの露光面積であるといえる。すなわち、本実施形態におけるレーザモジュールの光パワーレベルにおいては、上述の露光面積よりも広い照射エリアを必要とする。同パワーで同性能のレーザーモジュールを得るためには、光ファイバーの端部を球形、錐形にすることで対応できる。
なお、光ファイバー46の端部の形状は球面形状や円錐形状に限らず、露光面積を大きくできる形状、すなわち曲面であればよく、また、凸形状でも凹形状でもよい。
また、図9に示すように、ガラススタブ30のレーザー光出射側の形状を曲面としてもよい。すなわち凸レンズで構成してもよい。これにより、レーザー光Lがガラススタブ20によって屈折され、コア径が小さい光ファイバーに対してもレーザー光Lの損失を抑えつつコア内部に集光させることができる。
また、図10に示すように、スリーブ34の内側に、レーザー光Lの集光位置がコア内部となるような位置で位置決めするための位置決め機構としてストッパー52を備えた構成としてもよい。なお、位置決め機構は、図10に示したものに限らず、レーザー光Lの集光位置がコア内部となるような位置でレーザーモジュール10と光ファイバーケーブル40とが接続されるように光ファイバーケーブル40を位置決めするものであればよい。このようにストッパー52を設けることにより、光ファイバー46が必要以上にスリーブ内に挿入されるのを防ぐことができ、確実にレーザー光の集光位置をコア内部にすることができる。
なお、本実施形態では、レーザー光の集光位置が光ファイバーのコア内部となるようにレーザーモジュール10と光ファイバーケーブル40とが接続された場合について説明したが、これに限らず、レーザー光の集光位置が光ファイバーのコアの外部、例えばガラススタブ30内となるようにレーザーモジュール10と光ファイバーケーブル40とが接続されるように構成してもよい。この場合、例えば図9に示すように、ガラススタブ30のレーザー光出射側の形状を曲面としてもよい。これにより、空気との界面におけるレーザー光の露光面積を大きくすることができるため、レーザー光のパワー密度を小さくすることができ、汚染による特性劣化を防ぐことができる。
また、本実施形態では、ガラススタブ30と光ファイバー46とが離間した構成について説明したが、例えば図4〜6及び図9に示したように、光ファイバー46及びガラススタブ30の少なくとも一方の空気との界面の形状を曲面とした場合には、ガラススタブ30と光ファイバー46とが当接していてもよい。この場合、ガラススタブ30と光ファイバー46との接触部分以外は、空気との界面となるため汚染対象となるが、本発明を適用することにより、汚染による特性劣化を防ぐことができる。
レーザーモジュール及び光ファイバーケーブルが接続された状態の側面断面図である。 光ファイバーケーブルの側面断面図である。 レーザー光の集光位置について説明するための図である。 端部を球面形状とした光ファイバーについて説明するための図である。 端部を球面形状とした光ファイバーについて説明するための図である。 端部を円錐形状とした光ファイバーについて説明するための図である。 光ファイバーのコアの突出部分の長さとその部分における露光面積との関係を示すグラフである。 光ファイバーのコアのコア半径と露光面積との関係を示すグラフである。 端面を曲面形状としたガラススタブについて説明するための図である。 位置決めガイドを備えたレーザーモジュールの一部断面図である。 汚染レベルと露光面積との関係を示すグラフである。
符号の説明
10 レーザーモジュール
12 パッケージ
16 ブロック
18 出射窓
20 ガラススタブ
22 基台
24 ホルダ
26 集光レンズ
28 レンズホルダ
28 集光レンズホルダ
30 ガラススタブ(透光部材)
32 スタブホルダ
34 スリーブ
40 光ファイバーケーブル
42 コア
44 クラッド
46 光ファイバー
48 フェルール
50 高粘性接着剤
52 ストッパー(位置決め手段)

Claims (9)

  1. 光ファイバーと、
    前記光ファイバーと接続され、前記光ファイバーの端部に向けてレーザー光を出射するレーザー光源が収容されたレーザーモジュールと、
    を備え、
    前記レーザー光の焦点位置が、前記光ファイバーの端部以外の位置となるように、前記光ファイバーと前記レーザーモジュールとが接続されている
    ことを特徴とするレーザー装置。
  2. 前記光ファイバーの端部以外の位置は、前記光ファイバーの内部であることを特徴とする請求項1記載のレーザー装置。
  3. 前記光ファイバーの端部を曲面としたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレーザー装置。
  4. 前記光ファイバーの端部を球面形状としたことを特徴とする請求項3記載のレーザー装置。
  5. 前記光ファイバーの端部を円錐形状としたことを特徴とする請求項3記載のレーザー装置。
  6. 前記レーザーモジュールのレーザー光を出射する窓部に設けられた透光部材の空気との界面表面を曲面としたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のレーザー装置。
  7. 前記光ファイバーと前記レーザーモジュールとが着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のレーザー装置。
  8. 前記光ファイバーの端部に入射されるレーザー光の前記端部におけるビーム径と前記光ファイバーのコアのコア径とが略同一となるように、前記光ファイバーと前記レーザーモジュールとが接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか1項に記載のレーザー装置。
  9. 光ファイバーと接続され、前記光ファイバーの端部に向けてレーザー光を出射するレーザー光源が収容されたレーザーモジュールであって、
    前記光ファイバーが接続された時に、前記レーザー光の焦点位置が、前記光ファイバーの端部以外の位置となるように前記光ファイバーを位置決めする位置決め手段を備えたことを特徴とするレーザーモジュール。
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