JP2007239723A - 排気ガスの推定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モデル計算による排出ガス成分の推定精度を向上すること。
【解決手段】内燃機関の運転状態に基づいて、触媒へ流入するガスの特性を推定する触媒入りガスモデル12と、予め構築された触媒反応の総括式を用いて、触媒へ流入するガスの特性に基づいて、触媒から排出されるガスの特性を推定する触媒モデル10と、触媒に与えられた熱負荷に基づいて、総括式を補正する補正項を求める触媒劣化モデル14と、を備える。触媒に与えられた熱負荷に基づいて、総括式を補正するため、触媒から排出されるガスの特性を高精度に推定することが可能となる。
【選択図】図1

Description

この発明は、排気ガスの推定装置に関する。
従来、例えば特開2005−105981号公報には、内燃機関の触媒内の浄化反応を表したモデルに、実際に検出、取得される特定ガスの触媒に流入する際の濃度、特定ガスが触媒から流出する際の濃度、触媒に流入し、特定ガスと反応する際の反応ガスの濃度、およびその触媒の温度を利用することにより、頻度因子を算出することが記載されている。
特開2005−105981号公報 特開2004−8908号公報 特開平9−209740号公報
しかしながら、実際の触媒は、高温の排気ガスが通過するため、触媒の温度、および排気ガス中の酸素濃度によって劣化する。上記従来の技術では、このような熱負荷による触媒劣化を考慮していないため、触媒から排出されたガスのエミッション値を精度良く推定することは困難である。
この発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、モデル計算による排出ガス成分の推定精度を向上することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の運転状態に基づいて、触媒へ流入するガスの特性を推定する触媒入りガス推定手段と、予め構築された触媒反応の総括式を用いて、前記触媒へ流入するガスの特性に基づいて、触媒から排出されるガスの特性を推定する触媒出ガス推定手段と、触媒に与えられた熱負荷に基づいて、前記総括式を補正する補正手段と、を備えたことを特徴とする。
第2の発明は、第1の発明において、前記総括式は、触媒内で行われる反応の反応速度定数を表す数式であり、前記数式中には、触媒中の活性点の数を表す頻度因子の項と、反応の際のエネルギーを表す活性化エネルギーの項とが含まれることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記触媒出ガス推定手段は、前記総括式によって触媒におけるガスの浄化率を規定し、当該浄化率に基づいて前記触媒から排出されるガスの特性を推定することを特徴とする。
第4の発明は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記補正手段は、触媒へ流入するガスの空燃比に基づいて、前記総括式の補正量を可変することを特徴とする。
第5の発明は、第1〜第3の発明のいずれかにおいて、前記補正手段は、触媒へ流入するガスの空燃比及び温度に基づいて、前記総括式の補正量を可変することを特徴とする。
第6の発明は、第1〜第5の発明のいずれかにおいて、前記補正手段は、前記触媒入りガス推定手段で推定された前記触媒へ流入するガスの温度及び酸素濃度に基づいて、前記総括式を補正することを特徴とする。
第1の発明によれば、予め構築された触媒反応の総括式を用いて、触媒から流出するガスの特性を推定するモデルにおいて、触媒に与えられた熱負荷に基づいて、総括式を補正するため、触媒から排出されるガスの特性を高精度に推定することが可能となる。従って、触媒から排出されるガスのエミッション値を精度良く求めることが可能となる。
第2の発明によれば、熱負荷により触媒劣化が進行すると、触媒中の活性点の数を表す頻度因子の値と、反応の際のエネルギーを表す活性化エネルギーの値の少なくとも一方が変化するため、頻度因子の項と、活性化エネルギーの項とを含む総括式を用いて排出ガスの特性を推定するモデルにおいて、熱負荷に応じて総括式を補正することで、排出ガスの特性を精度良く推定することが可能となる。
第3の発明によれば、総括式によって触媒におけるガスの浄化率を規定するため、浄化率に基づいて触媒から排出されるガスの特性を推定することができる。
第4の発明によれば、触媒における浄化率は、触媒へ流入するガスの空燃比に応じて変化するため、触媒へ流入するガスの空燃比に基づいて総括式の補正量を可変することで、触媒から排出されるガスの特性を精度良く推定することができる。
第5の発明によれば、触媒における浄化率は、触媒へ流入するガスの空燃比及び温度に応じて変化するため、触媒へ流入するガスの空燃比及び温度に基づいて総括式の補正量を可変することで、触媒から排出されるガスの特性を精度良く推定することができる。
第6の発明によれば、触媒へ流入するガスの温度及び酸素濃度から熱負荷が求まるため、触媒へ流入するガスの温度及び酸素濃度に基づいて総括式を補正することで、熱負荷による総括式の補正を行うことができる。
以下、図面に基づいてこの発明の一実施形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。なお、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る触媒モデル10及びその周辺の構成を示す模式図である。図1の構成は、実機の内燃機関システムが排気通路に備える触媒と、その周辺の構成をモデル化したものである。実機の内燃機関システムにおいては、吸入空気量、燃料噴射量などが車載のECU(Electronic Control Unit)によって制御される。図1に示すモデルは、例えばECU内に構築されるものである。
図1に示すように、触媒モデル10には、触媒入りガスモデル12、触媒劣化モデル14が接続されている。触媒入りガスモデル12は、内燃機関の機関回転数Ne、負荷率KL、空燃比A/F、点火時期SA、バルブタイミングVTなどの運転条件の入力値に基づいて、触媒に入るガス(触媒入りガス)の成分、温度、流量などを算出するモデルである。
触媒モデル10は、触媒入りガスモデル12で算出された触媒入りガスの成分、温度、流量等を入力として、触媒から排出されるガス(触媒出ガス)の成分、温度を出力するモデルである。触媒モデル10は、実機の触媒で行われる反応を、三元反応と酸素吸脱の総括反応でモデル化したものである。触媒モデル10によれば、触媒出ガスの成分、温度に基づいて、排気ガスのエミッション値が明らかになる。従って、排気ガスの成分を実測することなく、エミッション値をモデル計算により求めることが可能である。
図1に示すように、触媒モデル10には、触媒形状の物性値が入力される。触媒形状の物性値としては、例えば、触媒のセルの開口面積、セル数、熱伝達率などがある。触媒モデル10は、これらの特性値を考慮した上で、触媒出ガスの成分、温度を出力する。
実機システムの触媒内では、一酸化炭素COと一酸化窒素NOとの反応、一酸化炭素COと酸素Oとの反応、炭化水素HCと酸素Oとの反応など、複数の反応が行われる。触媒モデル10では、これらの全ての反応がモデル化される。そして、触媒モデル10は、これらの反応のそれぞれについて、触媒が有するガスの浄化率に基づいて、触媒入りガスの成分、温度、流量から触媒出ガスの成分、温度を算出する。
以下、一酸化炭素COと酸素Oとの反応を例に挙げて説明する。触媒内において、一酸化炭素COは酸素Oと反応して二酸化炭素COになる。図2は、この反応による一酸化炭素COの浄化率(触媒の反応効率)を示す特性図である。図2に示すように、一酸化炭素COの浄化率は、触媒へ流入する排気ガスの空燃比A/Fに応じて変化する。浄化率は、以下の(1)式で表すことができる。
浄化率=([CO]−[CO])/[CO] ・・・(1)
上式において、[CO]は、触媒入りガス中における一酸化炭素COの濃度である。また、[CO]は、触媒出ガス中における一酸化炭素COの濃度である。
図2に示すように、空燃比A/Fがリッチの場合は、排気ガスに含まれる酸素量が少ないため、一酸化炭素COの浄化率は低下する。空燃比A/Fがリーンになると、排気ガス中に含まれる酸素量が増加するため、一酸化炭素COの浄化率は増加する。
触媒モデル10では、一酸化炭素COと酸素Oとの反応において、反応速度定数Kを同定することによって、予め図2の特性がモデル化されている。従って、触媒モデル10によれば、図2の特性を用いることで、触媒入りガスモデル12から入力された触媒入りガス中の一酸化炭素濃度に基づいて、触媒出ガス中の一酸化炭素濃度を算出することができる。
以下、触媒モデル10において、図2の特性をモデル化する手法を説明する。一酸化炭素COと酸素Oが反応する際の速度は、反応速度Rによって表される。そして、反応速度Rは、反応速度定数Kによって決定される。ここで、反応速度Rと反応速度定数Kとの間には、以下の(2)式の関係が成立する。
R=K*[CO]*[O/G ・・・(2)
また、反応速度定数Kは、通常、以下の(3)式より算出される。
K=a*exp(−E/RT) ・・・(3)
これらの式において、aは頻度因子、Gは抑制項、Eは活性化エネルギーを示している。また、[Oは、触媒入りガス中における酸素Oの濃度である。また、Rは気体定数、Tはガスの温度である。ここで、頻度因子aは、触媒における活性ポイントの数を表すパラメータである。頻度因子aの値が増加するほど活性ポイントの数が増加するため、触媒における反応が促進される。従って、頻度因子aの値が大きくなるほど、反応速度定数Kの値は大きくなる。また、活性化エネルギーEは、反応が生じる際に必要なエネルギーを示している。活性化エネルギーEの値が小さくなるほど、反応が生じ易くなるため、反応速度定数Kの値は大きくなる。
(3)式によれば、頻度因子a、抑制項G、活性化エネルギーEの値を適正値に設定することで、図2の特性を同定することができる。触媒モデル10は、(3)式を総括式として触媒反応をモデル化することで、触媒入りガス中の成分等に基づいて、触媒出ガス中のエミッション値を出力する。
図2の特性をモデル化する際には、実機の触媒から得られる浄化率の実測値に基づいて、反応速度定数Kを同定する処理が行われる。以下、図3及び図4に基づいて、反応速度定数Kを同定する手法を説明する。図3は、空燃比と浄化率との関係を実測する方法を示す模式図である。図3(A)は、触媒入りガス中および触媒出ガス中の一酸化炭素の濃度の実測値を示している。図3(A)において、破線で示す特性は触媒入りガス中の一酸化炭素濃度を示しており、実線で示す特性は触媒出ガス中の一酸化炭素濃度を示している。また、図3(B)は、実機の触媒へ送られる触媒入りガスの空燃比を示している。
図3(B)に示すように、反応速度定数Kを同定する際には、触媒入りガスの空燃比がリッチ−リーンの間で変化するように、内燃機関へ供給される混合気の空燃比が制御される。図3(B)の例では、時間Tを周期として、空燃比が14と15の間で変化するように制御が行われる。なお、図3(B)に示す時刻t0以前には、触媒入りガスの空燃比はリーンに設定されている。
図3(A)に示す一酸化炭素濃度は、触媒入りガスの空燃比を図3(B)に示す特性で可変させた場合に実測されたものである。図3(B)中に破線で示すように、時刻t0で空燃比が14(リッチ)に設定されると、触媒入りガス中の一酸化炭素濃度は比較的高い値となり、時刻t1で空燃比が15(リーン)に設定されると、触媒入りガス中の一酸化炭素濃度は低下する。
図3(A)に実線で示すように、時刻t0で空燃比が14(リッチ)に設定された直後は、時刻t0以前の空燃比がリーンであることから、触媒出ガス中の一酸化炭素濃度は低下している。その後、触媒出ガス中の一酸化炭素濃度は、時間の経過とともに上昇し、触媒入りガス中の一酸化炭素濃度と同程度の値となる。
時刻t1で空燃比が15に設定されると、触媒入りガス中の一酸化炭素濃度が低下し、触媒入りガス中に含まれる一酸化炭素は触媒を通過する際に殆ど浄化される。従って、空燃比が15に設定されている時刻t1から時刻t2の間では、触媒出ガス中の一酸化炭素濃度はほぼ0となる。
図3のように、空燃比がリッチの場合とリーンの場合のそれぞれについて、触媒入りガス中の一酸化炭素濃度と、触媒出ガス中の一酸化炭素濃度が求まると、(1)式に基づいて、空燃比がリッチの場合とリーンの場合のそれぞれについて、一酸化炭素の浄化率の実測値を求めることができる。
反応速度定数kの同定は、空燃比がリッチの場合における浄化率と、空燃比がリーンの場合の浄化率とに基づいて行われる。この際、一酸化炭素の濃度は、時刻t1の直前の時刻t3、および時刻t2の直前の時刻t4で安定状態となっているため、時刻t3および時刻t4のタイミングで実測された浄化率に基づいて、反応速度定数kの同定を行うことで、酸素の吸脱反応による影響を抑えることができ、精度良く同定を行うことができる。
上述のように、時刻t3及び時刻t4における浄化率は、(1)式から算出することができる。また、時刻t3における触媒入りガスの空燃比は14であり、時刻t4における触媒出ガスの空燃比は15である。従って、空燃比が14と15の場合における浄化率を算出することができる。
図4は、図3の手法により算出された空燃比と浄化率の関係に基づいて、反応速度定数Kを同定する手法を示す模式図である。図4に示すように、空燃比が14の場合の浄化率と、空燃比が15の場合の浄化率は図4中に黒丸でプロットされる。そして、図3の手法による浄化率の算出は、触媒入りガスの空燃比を例えば14.2と14.8の間で変化させた場合にも行われる。これにより、図4に示すように、空燃比が14.2の場合の浄化率と、空燃比が14.8の場合の浄化率は図4中に白丸でプロットされる。従って、触媒入りガスの空燃比を可変して、このような処理を繰り返すことにより、図2で示すにように、浄化率と空燃比との関係を取得することができる。
そして、このようにして求められた浄化率の特性に適合するように、反応速度定数Kの同定が行われる。具体的には、図4の浄化率の特性に適合するように、反応速度乗数Kを決定するパラメータのうち、頻度因子a、抑制項G、活性化エネルギーEの値が決定される。上述のように反応速度Rは以下のように表すことができる。
R=K*[CO]*[O/G=(a/G)*exp(−E/RT)*[CO]*[O
また、図5は、触媒入りガス及び触媒出ガスの濃度(浄化特性)が、温度及びA/Fに応じて変化する様子を示している。反応速度定数Kの同定は、上式のa,E,Gが図5の温度、濃度に対する浄化特性となるように同定する。同定された反応速度乗数Kによれば、図2の特性を再現することができる。これにより、触媒モデル10によれば、触媒入りガスの一酸化炭素濃度に基づいて、触媒出ガスの一酸化炭素濃度を算出することが可能となる。
次に、触媒劣化モデル14について説明する。実機の触媒は、排気ガスによって高温状態となり、触媒温度、酸素濃度(空燃比)などの熱負荷の要因によって劣化していく。触媒劣化モデル14は、触媒モデル10から触媒温度、酸素濃度などの熱負荷の入力を受け、熱負荷に応じて触媒反応速度定数K、最大酸素吸蔵量などの特性値が変化する様子をモデル化する。
そして、触媒劣化モデル14から触媒モデル10には、これらの特性値の変化量を表す入力値が贈られる。従って、触媒モデル10は、反応速度定数Kを同定することで得られた上述した浄化率のモデルと、触媒劣化モデル14から入力された反応速度定数Kの変化量を表すパラメータとに基づいて、触媒劣化を考慮した上で触媒出ガスのエミッションを正確に出力することができる。
以下、触媒劣化モデル14で行われる処理について説明する。熱負荷によって触媒が劣化すると、(3)式で表される触媒反応速度定数の右辺の項において、主として、頻度因子a、活性化エネルギーEの項が熱負荷に応じて変化する。図6は、頻度因子a、活性化エネルギーEが熱負荷に応じて変化する様子の一例を示す特性図である。図6において、横軸は触媒に与えられた熱負荷の積算値を示している。図6に示すように、頻度因子a、活性化エネルギーEは、触媒に与えられた熱負荷の総量が多くなるほど変化する。
図7は、図3及び図4に示す方法で取得された浄化率の特性が、熱負荷に応じて変化した様子を示す特性図である。ここで、図7中に示す破線の特性は、図3及び図4の手法で反応速度定数Kを同定することによって得られた浄化率の特性を示しており、触媒に熱負荷による劣化が生じていない状態で取得した特性を示している。また、図7中に実線で示す特性は、熱負荷の総量が図6中に示す所定値Sに到達した時点で、実機の触媒から得られた実測値の浄化率を示している。
図7に示すように、触媒は熱負荷の総量に応じて劣化するため、熱負荷の総量が図6中に示す所定値Sに到達した時点では、浄化率の実測値と、モデル化により得られた浄化率との間に乖離が生じる。従って、熱負荷を考慮しない場合は、触媒モデル10により算出された触媒出ガスのエミッション値と実際のエミッション値との間に誤差が生じる。
図7に示すように、浄化率の実測値と、モデル化により得られた浄化率との間の乖離量は、触媒入りガスの空燃比によって変化する。このため、本実施形態では、(3)式の右辺に、空燃比A/Fに応じて変化する補正項f(A/F)を追加することとしている。以下の(3)’式は、(3)式の右辺に補正項f(A/F)を乗算して得られた式である。
K=f(A/F)*a*exp(−E/RT) ・・・(3)’
補正項f(A/F)は、空燃比A/Fの関数であり、また、触媒に与えられた熱負荷に応じて変化する係数である。(3)’式によれば、(3)式の右辺に空燃比A/Fに応じた補正係数f(A/F)を乗算しているため、図7中に矢印で示すように、熱負荷の総量に応じて、破線で示されるモデル算出値を実測値に補正することが可能となる。
具体的には、図3及び図4の手法により、リッチ−リーンの間で反応速度定数Kを同定する際に、ストイキでの補正係数f(A/F)は1として、その他のA/Fで補正係数f(A/F)の値を変化させて、(3)式の右辺に補正係数f(A/F)を乗算するようにする。または、リッチとリーンで反応速度定数Kを同定する際に、実測値との乖離が少ない空燃比側での補正係数f(A/F)は1として、その他のA/Fで補正係数f(A/F)の値を変化させて、(3)式の右辺に補正係数f(A/F)を乗算するようにする。
なお、補正方法としては、補正係数f(A/F)のように関数の値を乗算しても良いし、マップから算出した補正係数を用いて補正を行うなど、マップにより反応速度定数Kを補正しても良い。マップの場合は、補間などの手法を用いることで、算出値の精度を高めることが好適である。
図1に示すように、触媒劣化モデル14は、触媒モデル10から触媒温度、酸素濃度などの値を取得し、触媒に与えられた熱負荷の総量を算出する。そして、触媒劣化モデル14は、熱負荷の総量に応じて、補正係数f(A/F)を算出し、算出した補正係数f(A/F)を触媒モデル10へ入力する。触媒モデル10では、(3)式の右辺に補正係数f(A/F)を乗算し、(3)’式を構築する。このような手法によれば、触媒モデル10において、熱負荷による触媒劣化を考慮した上で、触媒出ガスの成分を高精度に算出することが可能となる。
なお、(3)’式では、(3)式の右辺に補正係数f(A/F)を乗算しているが、空燃比A/Fをストイキの空燃比14.7で除算して得られる空気過剰率λ(=A/F/14.7)を変数とし、補正係数f’(λ)を(3)式の右辺に乗算しても良い。
また、図7で説明した、浄化率の実測値と、モデル化による浄化率との間の乖離量は、触媒入りガスの温度に応じて変化する場合がある。このため、補正係数f(A/F)を触媒入りガスの温度Tに応じて変化させるようにしても良い。すなわち、この場合は、補正係数f(A/F,T)を(3)式の右辺に乗算して得られた以下の(3)”式により、触媒反応をモデル化する。
K=f(A/F,T)*a*exp(−E/RT) ・・・(3)”
これにより、モデル算出値をより正確に補正することが可能となり、エミッション値の算出精度を向上することが可能となる。
上述したように、触媒内では、一酸化炭素COと酸素O2との反応以外にも複数の反応が行われる。触媒モデル10では、これらの全ての反応についても、一酸化炭素COと酸素O2との反応と同様に、反応速度定数Kが同定される。そして、触媒劣化モデル14では、これらの全ての反応のそれぞれについて、熱負荷に応じて変化する補正係数f(A/F)を算出する。従って、モデル化された複数の反応の全てにおいて、熱負荷による触媒劣化を考慮した上で、触媒出ガスの成分を高精度に算出することが可能である。
以上説明したように本実施形態によれば、熱負荷による触媒劣化を考慮した上で、触媒モデル10から触媒出ガスの成分、温度などを算出することが可能となり、触媒出ガスのエミッションを高精度に算出することが可能となる。従って、算出した触媒出ガスのエミッションに基づいて、内燃機関システムを高精度に制御することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る触媒モデル10及びその周辺の構成を示す模式図である。 一酸化炭素COと酸素Oとの反応において、触媒による一酸化炭素COの浄化率(触媒の反応効率)を示す特性図である。 図3は、空燃比と浄化率との関係を実測する方法を示す模式図である。 図3の手法により算出された空燃比と浄化率の関係に基づいて、反応速度定数Kを同定する手法を示す模式図である。 触媒入りガス及び触媒出ガスの濃度(浄化特性)が、温度及びA/Fに応じて変化する様子を示す特性図である。 頻度因子a、活性化エネルギーEが熱負荷に応じて変化する様子の一例を示す特性図である。 図3及び図4に示す方法で取得された浄化率の特性が、熱負荷に応じて変化した様子を示す特性図である。
符号の説明
10 触媒モデル
12 触媒入りガスモデル
14 触媒劣化モデル

Claims (6)

  1. 内燃機関の運転状態に基づいて、触媒へ流入するガスの特性を推定する触媒入りガス推定手段と、
    予め構築された触媒反応の総括式を用いて、前記触媒へ流入するガスの特性に基づいて、触媒から排出されるガスの特性を推定する触媒出ガス推定手段と、
    触媒に与えられた熱負荷に基づいて、前記総括式を補正する補正手段と、
    を備えたことを特徴とする排気ガスの推定装置。
  2. 前記総括式は、触媒内で行われる反応の反応速度定数を表す数式であり、前記数式中には、触媒中の活性点の数を表す頻度因子の項と、反応の際のエネルギーを表す活性化エネルギーの項とが含まれることを特徴とする請求項1記載の排気ガスの推定装置。
  3. 前記触媒出ガス推定手段は、前記総括式によって触媒におけるガスの浄化率を規定し、当該浄化率に基づいて前記触媒から排出されるガスの特性を推定することを特徴とする請求項1又は2記載の排出ガスの推定装置。
  4. 前記補正手段は、触媒へ流入するガスの空燃比に基づいて、前記総括式の補正量を可変することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排気ガスの推定装置。
  5. 前記補正手段は、触媒へ流入するガスの空燃比及び温度に基づいて、前記総括式の補正量を可変することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の排気ガスの推定装置。
  6. 前記補正手段は、前記触媒入りガス推定手段で推定された前記触媒へ流入するガスの温度及び酸素濃度に基づいて、前記総括式を補正することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の排気ガスの推定装置。
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