JP2007237299A - Dnaを用いた部品組付方法、部品組付基材、組付部品 - Google Patents

Dnaを用いた部品組付方法、部品組付基材、組付部品 Download PDF

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Abstract

【課題】DNAを用いて基材に部品を自律的に組み付ける方法である。
【解決手段】部品組付方法は、第1のDNA一本鎖(12a)を含む第1のDNA一本鎖群(13a)を基材(10)に担持させる工程と、第1のDNA一本鎖(12a)と相補関係を有する第2のDNA一本鎖(22a)を含む第2のDNA一本鎖群(23a)を部品(20)に担持させる工程と、基材(10)に担持されている第1のDNA一本鎖(12a)と部品(20)に担持されている第2のDNA一本鎖(22a)との水素結合に基づいて、基材(10)に部品(20)を固定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、DNA(デオキシペントース核酸:deoxypentose nucleic acid)を利用して、基材に部品又は部品を組み付ける部品組付方法、また、この部品組付方法に利用される基材及び部品に関する。さらに詳しく説明すると、例えば、微小サイズの半導体部品やマイクロ部品を、外部からの力を必要とせずに、DNAの相補性及び結合力を利用して自律的に組み付ける部品組付方法及びそれに利用する部品組付基材と組付部品に関する。
微細加工分野における精密部品組付技術として、MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術(例えば、LIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)、リソグラフィ技術)を利用して、組付部品と部品組付用基材にそれぞれ三次元の凹凸を形成し、それらの凹凸を嵌め合わせることにより、基材に部品を組み付ける方法が提案されている。
特表平11−501379号
しかし、この部品組付技術は、基材の部品組付面とこれに対応する部品表面のそれぞれにMEMS技術を用いて凹凸を形成する必要があることから、生産性が悪く、大量生産が難しい、という問題がある。
本発明は、人工的に合成されたDNAを利用して、基材に部品(特に、マイクロ部品)を正確に位置決めして組み付ける方法及びそれに利用される基材及び部品を提供することを目的とする。
人をはじめとするすべての生物の遺伝子を構成するDNAは、DNA二本鎖の二重らせん構造をしており、糖とリン酸基が交互につながった構成された二本の軸が糖から出た塩基によって互いに結合して構成されている。これら糖、リン酸、塩基からなる単位がヌクレオチドと呼ばれる。塩基には、プリン誘導体のアデニン(A)とグアニン(G)、ピリミジン誘導体のシトシン(C)とチミン(T)の4種類があり、これらの誘導体はアデニン(A)とチミン(T)が2本の水素結合で結ばれており、グアニン(G)とシトシン(C)が3本の水素結合で結ばれている。これら2組の組み合せ〔アデニン(A)とチミン(T)、グアニン(G)とシトシン(C)を「相補的塩基対」、また、アデニン(A)とチミン(T)及びグアニン(G)とシトシン(C)の選択的な結合関係を「相補関係」という。
DNAにおける各水素結合は非常に弱い結合であり、水素結合のエネルギは共有結合の10分の1にも満たない。しかし、多数の塩基を有するDNA(DNA二本鎖)の集合は、微小な部品(マイクロ部品)の固定に十分な強度を有するものと考えられる。
このような考えから、本願発明の部品組付方法は、第1のDNA一本鎖(12a)を含む第1のDNA一本鎖群(13a)を基材(10)に担持させる工程(A)と、上記第1のDNA一本鎖(12a)と相補関係を有する第2のDNA一本鎖(22a)を含む第2のDNA一本鎖群(23a)を部品(20)に担持させる工程(B)と、上記基材(10)に担持されている第1のDNA一本鎖(12a)と上記部品(20)に担持されている第2のDNA一本鎖(22a)との水素結合に基づいて、上記基材(10)に上記部品(20)を組み付ける工程(C)を備えたことを特徴とする。
本発明の他の形態は、第1の塩基配列を有する第1のDNA一本鎖(12a)を含む第1のDNA一本鎖群(13a)と第2の塩基配列を有する第2のDNA一本鎖(12b)を含む第2のDNA一本鎖群(13b)を基材(10)の異なる場所(11a、11b)に担持させる工程(A)と、上記第1の塩基配列と相補関係にある第3の塩基配列を備えた第3のDNA一本鎖(22a)を含む第3のDNA一本鎖群(23a)と上記第2の塩基配列と相補関係にある第4の塩基配列を備えた第4のDNA一本鎖(22b)を含む第4のDAN一本鎖群(23b)を部品(20)の異なる場所(21a、21b)に付着させる工程(B)と、上記基材(10)の第1のDNA一本鎖(12a)と上記部品(20)の第3のDNA一本鎖(22a)を結合させ、上記基材(10)の第2のDNA一本鎖(12b)と上記部品(20)の第4のDNA一本鎖(22b)を結合させて、上記基材(10)に上記部品(20)を組み付ける工程(C)を備えたことを特徴とする。
本発明の他の形態は、第1の塩基配列を有する第1のDNA一本鎖(12a)を含む第1のDNA一本鎖群(13a)を基材(10)の第1の領域(11a)に担持させる工程(A)と、第2の塩基配列を有する第2のDNA一本鎖(112a)を含む第2のDNA一本鎖群(113a)を基材(10)の第2の領域(111a)に担持させる工程(B)と、上記第1の塩基配列と相補関係にある第3の塩基配列を有する第3のDNA一本鎖(22a)を含む第3のDNA一本鎖群(23a)を第1の部品(20)に担持させる工程(C)と、上記第2の塩基配列と相補関係にある第4の塩基配列を有する第4のDNA一本鎖(122b)を含む第4のDNA一本鎖群(123a)を第2の部品(120)に担持させる工程(D)と、上記基材(10)の第1のDNA一本鎖(12a)と上記第1の部品(20)のDNA一本鎖(22a)を結合させて、上記基材(10)の第1の領域(11a)に上記第1の部品(20)を組み付ける工程(E)と、上記基材(10)の第2のDNA一本鎖(112a)と上記第2の部品(120)のDNA一本鎖(122a)を結合させて、上記基材(10)の第2の領域(111a)に上記第2の部品(120)を組み付ける工程(F)を備えたことを特徴とする。
以上の部品組付方法の他の形態は、上記部品(20)を含む液体(30)を上記基材(10)上に流す工程を含むことを特徴とする。
本発明に係る基材は、一つ又は複数の部品(20)が実装される基材(10)であって、上記部品(20)に担持されているDNA一本鎖(22a)と相補関係にある別のDNA一本鎖(12a)が担持されており、上記基材(10)のDNA一本鎖(12a)と上記部品(20)のDNA一本鎖(22a)との結合に基づいて上記部品(20)が実装されることを特徴とする。
本発明に係る部品は、基材(10)に実装される部品(20)であって、上記基材(10)に担持されているDNA一本鎖(12a)と相補関係にある別のDNA一本鎖(22a)が担持されており、上記基材(10)のDNA一本鎖(12a)と上記部品(20)のDNA一本鎖(22a)との結合に基づいて上記基材(10)に実装されることを特徴とする。
本発明に係る部品実装基材は、基材(10)と、上記基材(10)に実装された部品(20)を有し、上記基材(10)と部品(20)が、上記基材(10)に担持されているDNA一本鎖(12a)と上記部品(20)に担持されているDNA一本鎖(22a)との相補関係に基づいて連結されていることを特徴とする。
本発明に係る部品組付方法によれば、DNAを用いて基材に部品、特に微小な部品を、外部から力を加えることなく、自律的に組み付けることができる。
以下、添付図面を参照して本発明の複数の実施形態を説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明に係る部品組付方法及びそれに利用する基材と部品の実施形態を説明するための図である。図示する実施形態の部品組付方法は、DNAの水素結合を利用して、基材(10)に部品(20)を組み付ける又は実装するものである。基材(10)は、ガラス基板、シリコン基板、金属基板が好適に用いられるが、DNAの性質に悪影響を与えない材料やDNAの付着に適した材料からなるものであればいかなる材料からなるものであってもよい。部品は、DNAの相補関係に基づく塩基の結合力によって基材(10)に固定できる重さを有する部品(20)、例えば電子部品、半導体装置、マイクロ部品が好適に利用できる。具体的なマイクロ部品としては、例えば1mm以下(50〜500μm)の寸法を有するマイクロレンズ、マイクロミラー、マイクロ回折格子、マイクロプリズム、マイクロアパーチャ、マイクロビーズ,マイクロ波長変換素子、その他のマイクロ光学素子(例えば、波長板、偏光子、拡散板)がある。
基材(10)の部品実装領域(部品が実装された状態で部品に対向する部分)と、部品(20)の基材対向領域(実装状態で基材に対向する部品部分)には、DNAを付着されている。図2を参照して更に詳細に説明すると、基材(10)の実装領域(11)は、複数の基材サブ領域に分割されている。例えば、図示する実施形態では、実装領域(11)は4つのサブ領域(11a〜11d)に分割されている。具体的には、実装領域(11)の四角形の場合、実装領域(11)を縦横の線によって分割し、ほぼ一定の面積を有する4つのサブ領域(11a〜11d)が定義されている。各サブ領域(11a〜11d)の形状や面積は任意に決めることができる。
図1(A)と図2を参照すると、サブ領域(11a)は、アデニン(A)のみの塩基配列を有するDNA一本鎖(12a)のDNA一本鎖群(13a)を担持している。同様に、サブ領域(11b、11c、11d)はそれぞれ、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)のみを含むヌクレオチドを所定数配列した塩基配列のDNA一本鎖(12b、12c、12d)のDNA一本鎖群(13b、13c、13d)を担持している。
図1(A)と図2を参照すると、部品(20)の基材対向領域(21)は、基材(10)の実装領域(11)とほぼ同一の大きさと形状を有する。実施の形態では、基材対向領域(21)は、基材の実装領域(11)とほぼ同一の大きさの四角形で、基材サブ領域(11a〜11d)に対応して4つのサブ領域(21a〜21d)に分割されている。サブ領域(21a〜21d)には、対応する4つの基材サブ領域(11a〜11d)に担持されている塩基と相補塩基対を形成する塩基を所定数配列した塩基配列からなるDNA一本鎖のDNA一本鎖群が担持されている。具体的に、部品サブ領域(21a)には、基材サブ領域(11a)が担持しているアデニン(A)と共に相補塩基対を構成するチミン(T)からなるDNA一本鎖(22a)のDNA一本鎖群(23a)が担持されている。同様に、部品サブ領域(21b〜21d)にはそれぞれ、基板サブ領域(11b〜11d)が担持している、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)と共に相補塩基対を構成するアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)からなるDNA一本鎖(22b〜22d)のDNA一本鎖群(23b〜23d)が担持されている。
図面を簡略化するため、図1に表された各DNA一本鎖には4つの塩基のみを示している。しかし、塩基の配列数は任意であり、例えばマイクロ部品を固定するためには、約20〜25又はそれ以上の塩基配列を有することが好ましい。また、同様に図面を簡略化するために、図1では、DNA一本鎖群は一つのDNA一本鎖で代表させている。
図1(B)に示すように、DNAを担持した部品(20)は、同様にDNAを担持した基板(10)上に置かれると、基板(10)のサブ領域(11a〜11d)に担持されているDNA一本鎖(12a〜12d)と部品(20)のサブ領域(21a〜21d)に担持されているDNA一本鎖(22a〜22d)がそれぞれ、水素結合によって結合する。具体的に、基板サブ領域(11a)のDNA一本鎖(12a)のアデニン(A)と部品サブ領域(21a)のチミン(T)が水素結合によって結合されて相補塩基対を形成する。同様に、基板サブ領域(11b、11c、11d)のDNA一本鎖(12b、12c、12d)のチミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)と部品サブ領域(21a)のDNA一本鎖(22b、22c、22d)のアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)が水素結合によって結合して相補塩基対を形成する。図示するように、DNAの結合は、結合エネルギが最も高く且つ安定した状態に落ち着き、部品(20)のサブ領域(11a〜11d)が基板(10)のサブ領域(21a〜21d)に完全に又はほぼ完全に重なりあった状態で終了する。その結果、基板(10)に対して部品(20)が位置精度良く組み付けられる。
(実施形態2)
実施形態1では、基板(10)と部品(20)の各サブ領域(11a〜11d)、(21a〜21d)に、単一の塩基のみを含むDNA一本鎖を担持させたが、図3に示すように、各サブ領域に担持するDNA一本鎖群は、2種類又はそれ以上の種類の塩基を含むDNA一本鎖であってもよい。具体的に、図示する実施形態では、基板(10)のサブ領域(11a)には、基端側〔基板(10)に近い側〕に所定数のシトシン(C)を有し、末端側〔基板(10)から遠い側〕に所定数のアデニン(A)を有するDNA一本鎖(12a)が担持されている。サブ領域(11b)には、基端側に所定数のチミン(T)を有し、末端側に所定数のシトシン(C)を有するDNA一本鎖(12b)が担持されている。サブ領域(11c)には、基端側に所定数のグアニン(G)を有し、末端側に所定数のチミン(T)を有するDNA一本鎖(12c)が担持されている。サブ領域(11d)には、基端側に所定数のシトシン(C)を有し、末端側に所定数のグアニン(G)を有するDNA一本鎖(12b)が担持されている。
部品(20)のサブ領域(21a)には、基端側〔部品(20)に近い側〕に所定数のチミン(T)を有し、末端側〔部品(20)から遠い側〕に所定数のグアニン(G)を有するDNA一本鎖(22a)が担持されている。サブ領域(21b)には、基端側に所定数のグアニン(G)を有し、末端側に所定数のアデニン(A)を有するDNA一本鎖(22b)が担持されている。サブ領域(21c)には、基端側に所定数のアデニン(A)を有し、末端側に所定数のシトシン(C)を有するDNA一本鎖(22c)が担持されている。サブ領域(21d)には、基端側に所定数のシトシン(C)を有し、末端側に所定数のグアニン(G)を有するDNA一本鎖(22d)が担持されている。
基材(10)と部品(20)のそれぞれに関して、基端側に配置される塩基の数と末端側に配置される塩基の数は等しくてもよいし、違ってもよい。また、サブ領域ごとに、DNA一本鎖に含まれる全塩基数は同一でもよいし、多少違ってもよい。さらに、基端側塩基の数と末端側塩基の数はサブ領域で違ってもよい。ただし、基材サブ領域とそれに対応する部品サブ領域の間では、両サブ領域に含まれる全塩基数は同一又はほぼ同一であることが好ましい。さらにまた、図示する実施形態のように、各DNA一本鎖が2種類の塩基からなる場合、基材サブ領域の基端側塩基数と部品サブ領域の末端側塩基数及び基材サブ領域の末端側塩基数と部品サブ領域の基端側塩基数は同一又はほぼ同一であることが好ましい。当然、各DNA一本鎖は、4種類の塩基を自由に配列して構成することができる。
以上の説明では、部品の基材対向領域のすべてをサブ領域としたが、実際にDNAを担持するサブ領域は、部品の基材対向領域の一部であってもよい。当然、部品及び基材のDNA担持領域(サブ領域)の形は任意であり、例えば、図4(A)〜(F)に示すように、四角形、丸、三角形、多角形、扇形、またそれらの任意の組み合わせのいずれであってもよい(図中、符号21a〜21iはサブ領域を示す)。なお、図4(A)〜(F)は、部品の基材対向面に形成されるサブ領域の種々の形状を示しているが、基材には対応する形状のサブ領域が定義され、それぞれの対向サブ領域に相補塩基対を構成するDNA一本鎖が担持される。
(実施形態3)
実施形態1,2では、基材に1つの部品を組み付ける部品組付方法を示したが、基材に複数の部品を組み立てる部品組付もDNAの相補関係を利用して行うことができる。
例えば、図5に示す実施形態では、基材(10)に複数の部品実装領域(11,111)が定義されている。実施形態では2つの部品実装領域(11、111)が設けてある。各部品実装領域(11、111)は、複数のサブ領域を有する。各部品実装領域に含まれるサブ領域の数、大きさ、配置は任意である。実施形態では、各部品実装領域に4つのサブ領域(11a〜11d、111a〜11d)が含まれている。
各部品(20、120)の基材対向領域(21、121)には、該部品(20、120)が実装される基材の実装領域(11、111)に定義されている複数のサブ領域に対応する複数のサブ領域が定義されている。部品のサブ領域の数、大きさ、形状は、対応する基材のサブ領域の数、大きさ、形状と同一又はほぼ同一である。実施形態では、基材(10)の各実装領域(11、111)に4つのサブ領域(11a〜11d,111a〜111d)が定義されており、該実装領域(11)に実装される部品(10、110)の実装領域(21、121)に、それら4つのサブ領域(11a〜11d、111a〜111d)と同一の形状・大きさを有する4つのサブ領域(21a〜21d、121a〜121d)が定義されている。
図示するように、基材(10)の各サブ領域には、そのサブ領域に固有の塩基配列を有するDNA一本鎖(12a〜12d、112a〜112d)からなるDNA一本鎖群(13a〜13d、113a〜113d)が担持されている。すなわち、基材の任意のサブ領域におけるDNA一本鎖の塩基配列は、他のすべてのサブ領域におけるDNA一本鎖と異なる塩基配列を有する。各部品(20、120)の各サブ領域には、対応する基材のサブ領域に含まれているDNA一本鎖と相補塩基対を構成する固有の塩基配列を有するDNA一本鎖を担持している。
具体的に説明すると、図5(A)の左側に示す基板サブ領域(11a)には、基端側からCCAAの塩基配列を有するDNA一本鎖が担持されている。これに対し、基板サブ領域(11a)に固着される部品サブ領域(21a)には、末端側からTTGGの塩基配列を有するDNA一本鎖が担持されている。したがって、基材のDNA一本鎖の塩基CCAAが対応する部品のDNA一本鎖の塩基TTGGと相補塩基対を形成できるようにしてある。
このように構成された基材(10)と部品(10,110)を用いることにより、基材にDNA一本鎖と部品のDNA一本鎖の相補性に基づいて、基材(10)の所定箇所(実装領域(11))に対応部品(20)を正確に位置決めして固着できる。
以上、上述の実施形態の説明では、発明の理解を容易にするために、各DNA一本鎖が非常に単純な塩基配列を有するものとしたが、各DNA一本鎖の塩基配列は4種類の塩基を任意に組み合わせることによって自由に塩基配列パターンを設計できる。例えば、各DNA一本鎖に25個の塩基を配列する場合、425組のDNA配列が可能であることから、多数の部品を同時に基材の目的の場所に組み付けることが可能である。
(組付方法)
基材(10)に対する部品(20)の組付(実装、固着)は、部品(20)を含む液体を基材(10)の部品実装面に沿って流すことで、上述したように、DNAの相補性に基づいて、自律的に部品(20)が基材(10)の所定位置に実装される。例えば、図6Aに示すように、基材(10)の部品実装面に定義されている複数の部品実装領域(1011a〜1011h)に目的の部品(2010a〜2010h)を組み付ける場合、各部品実装領域(1011a〜1011h)には、そこに定義された一つ又は複数のサブ領域(実施形態1〜3を参照)に固有の塩基配列を有するDNA一本鎖からなるDNA一本鎖群を担持させておく。当然、各部品が目的の実装領域以外の実装領域に組み付けられることを防止するために、基材上の各サブ領域に担持されるDNA一本鎖の塩基配列は、基材上の他のすべてのサブ領域の塩基配列と異なること(すなわち、ユニークであること)が好ましい。
部品(2010a〜2010h)の基材対向面には、該部品が実装される実装領域(1011a〜1011h)のサブ領域に対応して、一つ又は複数のサブ領域(実施形態1〜3を参照)が定義されており、各サブ領域には対応する基材のサブ領域に担持されているDNA一本鎖に含まれている複数の塩基と相補塩基対を形成する複数の塩基からなるDNA一本鎖のDNA一本鎖群が担持されている。
図7に示すように、実装時、基材(10)は液体(30)の流れの中に置かれる。液体(30)は、DNA、基材、部品に悪い影響を与えることがない材料が選択され、例えば蒸留水、生理食塩水が好適に用いられる。液体(30)は、多数の部品(2010a〜2010h)を含み、例えば所定の方向に流れている。これにより、液体(30)と共に移動する部品(2010a〜2010h)は、基板(10)上を移動する際、各部品(20)に担持されているDNA一本鎖と相補関係にあるDNA一本鎖を含むサブ領域(1011a〜1011h)に、それらDNAの相補的結合に基づいて自律的に、すなわち、外部から何ら力を及ぼすことなく、目的の場所に位置決めされて固着される(図6(B)参照)。
(DNAの合成及び付着方法)
上述した実施形態に用いるDNA一本鎖は、公知のポリミラーゼ連鎖反応(PCR:Polymerase Chain Reaction)法、フォトマスクを用いたDNAチップ製造方法(例えば、特開2004−85955号公報を参照)を用いて合成することができる。
合成されたDNA(DNA一本鎖)は、インクジェットプリント法に類似した、合成されたDNAを圧電素子の振動に基づいてノズルから噴射する技術を用いた、またはDNAチップ製造方法として知られているDNAスタンピング技術を用いて、基材と部品に付着して担持させることができる。このようなDNA付着技術によれば、精度良くDNAを目的の場所に担持させることができることから、基材に精度良く部品を組み付けることができる。なお、部品がマイクロ部品である場合、多数のマイクロ部品を所定の方向に向けて格子状に整列し、これら多数のマイクロ部品の基材対向面又はそのサブ領域に、上述の方法を用いて目的のDNAを付着させる。
本発明に係る部品組付方法の概念を説明する図である。 図1と共に、本発明に係る部品組付方法の概念を説明する図である。 本発明に係る部品組付方法の他の形態の概念を説明する図である。 DNAが担持される部品サブ領域の例を示す図である。 本発明に係る部品組付方法の他の形態の概念を説明する図である。 本発明の基材と、基材に部品が組み付けられた状態を示す平面図である。 液体を用いて基材に部品を自律的に組み付ける方法を説明する図である。
符号の説明
10:基材、11:実装領域、11a〜11d:サブ領域、12a〜12d:DNA一本鎖、13a〜13d:DNA一本鎖群、20:部品、21:基材対向領域、21a〜21d:サブ領域、22a〜22d:DNA一本鎖、23a〜23d:DNA一本鎖群、30:液体。

Claims (10)

  1. 第1のDNA一本鎖(12a)を含む第1のDNA一本鎖群(13a)を基材(10)に担持させる工程(A)と、
    上記第1のDNA一本鎖(12a)と相補関係を有する第2のDNA一本鎖(22a)を含む第2のDNA一本鎖群(23a)を部品(20)に担持させる工程(B)と、
    上記基材(10)に担持されている第1のDNA一本鎖(12a)と上記部品(20)に担持されている第2のDNA一本鎖(22a)との水素結合に基づいて、上記基材(10)に上記部品(20)を組み付ける工程(C)を備えたことを特徴とする部品組付方法。
  2. 上記工程(C)は、上記部品(20)を含む液体(30)を上記基材(10)上に流す工程を含むことを特徴とする請求項1の部品組付方法。
  3. 第1の塩基配列を有する第1のDNA一本鎖(12a)を含む第1のDNA一本鎖群(13a)と第2の塩基配列を有する第2のDNA一本鎖(12b)を含む第2のDNA一本鎖群(13b)を基材(10)の異なる場所(11a、11b)に担持させる工程(A)と、
    上記第1の塩基配列と相補関係にある第3の塩基配列を備えた第3のDNA一本鎖(22a)を含む第3のDNA一本鎖群(23a)と上記第2の塩基配列と相補関係にある第4の塩基配列を備えた第4のDNA一本鎖(22b)を含む第4のDAN一本鎖群(23b)を部品(20)の異なる場所(21a、21b)に付着させる工程(B)と、
    上記基材(10)の第1のDNA一本鎖(12a)と上記部品(20)の第3のDNA一本鎖(22a)を結合させ、上記基材(10)の第2のDNA一本鎖(12b)と上記部品(20)の第4のDNA一本鎖(22b)を結合させて、上記基材(10)に上記部品(20)を組み付ける工程(C)を備えたことを特徴とする部品組付方法。
  4. 上記工程(C)は、上記部品(20)を含む液体(30)を上記基材(10)上に流す工程を含むことを特徴とする請求項3の部品組付方法。
  5. 第1の塩基配列を有する第1のDNA一本鎖(12a)を含む第1のDNA一本鎖群(13a)を基材(10)の第1の領域(11a)に担持させる工程(A)と、
    第2の塩基配列を有する第2のDNA一本鎖(112a)を含む第2のDNA一本鎖群(113a)を基材(10)の第2の領域(111a)に担持させる工程(B)と、
    上記第1の塩基配列と相補関係にある第3の塩基配列を有する第3のDNA一本鎖(22a)を含む第3のDNA一本鎖群(23a)を第1の部品(20)に担持させる工程(C)と、
    上記第2の塩基配列と相補関係にある第4の塩基配列を有する第4のDNA一本鎖(122b)を含む第4のDNA一本鎖群(123a)を第2の部品(120)に担持させる工程(D)と、
    上記基材(10)の第1のDNA一本鎖(12a)と上記第1の部品(20)のDNA一本鎖(22a)を結合させて、上記基材(10)の第1の領域(11a)に上記第1の部品(20)を組み付ける工程(E)と、
    上記基材(10)の第2のDNA一本鎖(112a)と上記第2の部品(120)のDNA一本鎖(122a)を結合させて、上記基材(10)の第2の領域(111a)に上記第2の部品(120)を組み付ける工程(F)を備えたことを特徴とする部品組付方法。
  6. 上記工程(E)は、上記第1の部品(20)を含む液体(30)を上記基板(10)上に流す工程を含むことを特徴とする請求項5の部品組付方法。
  7. 上記工程(E)は、上記第2の部品(120)を含む液体(30)を上記基板(10)上に流す工程を含むことを特徴とする請求項5又は6の部品組付方法。
  8. 一つ又は複数の部品(20)が実装される基材(10)であって、上記部品(20)に担持されているDNA一本鎖(22a)と相補関係にある別のDNA一本鎖(12a)が担持されており、上記基材(10)のDNA一本鎖(12a)と上記部品(20)のDNA一本鎖(22a)との結合に基づいて上記部品(20)が実装されることを特徴とする基材。
  9. 基材(10)に実装される部品(20)であって、上記基材(10)に担持されているDNA一本鎖(12a)と相補関係にある別のDNA一本鎖(22a)が担持されており、上記基材(10)のDNA一本鎖(12a)と上記部品(20)のDNA一本鎖(22a)との結合に基づいて上記基材(10)に実装されることを特徴とする部品。
  10. 基材(10)と、
    上記基材(10)に実装された部品(20)を有し、
    上記基材(10)と部品(20)が、上記基材(10)に担持されているDNA一本鎖(12a)と上記部品(20)に担持されているDNA一本鎖(22a)との相補関係に基づいて連結されていることを特徴とする部品実装基材。
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