JP2007236461A - 刺繍データ作成装置及び刺繍データ作成プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】刺繍ミシンにより縫製する単位模様間の糸切り設定を、適切かつ迅速に設定できる刺繍データ作成装置及び刺繍データ作成プログラムを提供する。
【解決手段】単位模様カウンタkで指示する縫製順序の単位模様である対象単位模様の閉領域縫製データと、当該対象単位模様の直前に縫製される直前単位模様の縫い終了点の位置データとをそれぞれ取得する(S15、S16)。そして、当該閉領域縫製データと当該位置データとに基づき、直前単位模様の縫い終了点が対象単位模様の縫製領域に存在するか否かを判定し(S17)、存在すると判断された場合(S17:Yes)には、当該縫い終了点における糸切り設定を無と設定する(S18)。一方、存在しないと判断された場合(S17:NO)には、当該縫い終了点における糸切り設定を有又は保留と設定する(S19)。
【選択図】図10

Description

本発明は、刺繍ミシンの刺繍データ作成装置及び刺繍データ作成プログラムに関し、詳細には、糸切り機能を有する刺繍ミシンの刺繍データ作成装置及び刺繍データ作成プログラムに関するものである。
従来より、欧文字や数字等の文字や記号からなる単位模様を複数刺繍縫い可能な機能を備えた刺繍ミシンにおいて、単位模様間で糸切りをするかしないかの糸切り設定を指定することができるものが知られている。この糸切り設定を、手動で指定するものと自動で指定するものとがあり、手動で糸切り設定を指定するものでは、オペレータが刺繍の仕上がりと作業効率とを考慮して手入力により糸切り設定を行うようにしている。
一方、自動で糸切り設定を指定するものとして、例えば、文字の書体情報により自動的に文字間の糸切り設定を指定するネーム刺繍データ作成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、文字の種類、文字の書体、文字サイズ、大文字であるか小文字であるか等の文字属性に対応付けて、自動的に文字間の糸切り設定を指定する刺繍データ作成装置及び刺繍データ作成用記録媒体が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2001−17758号公報 特開2003−265876号公報
しかしながら、手動で糸切り設定を指定するものでは、オペレータが単位模様の書体や大きさ等の属性や微妙な縫製仕上がりを考慮して糸切り設定を指定する必要があり、作業効率が悪いという問題があった。また、オペレータが糸切り設定の判断を誤ったり、糸切り設定を指定し忘れたりする恐れがあるという問題があった。
一方、文字の書体情報に従って自動で糸切り設定を指定するネーム刺繍データ作成装置では、手動で糸切り設定を指定する場合に比べて作業効率は改善されているが、書体に応じて画一的に糸切り設定が指定されているため、各単位模様同士の一部が重なるため糸切りを行わなくてもよい場合にも糸切りされている。このため、糸始末が煩雑になったり、縫製時間が余分にかかってしまったりするという問題があった。
また、文字属性に応じて自動で糸切り設定を指定する刺繍データ作成装置及び刺繍データ作成用記録媒体では、文字属性に応じた糸切り設定を細かく指定できているが、文字属性ごとに糸切り設定を自動的に指定するための糸切り設定情報の作成や修正を、書体の特徴を熟知した上で行う必要がある。このため、多大な労力と時間を要するという問題があった。
本発明は、上述の問題点を解決するためになされたものであり、刺繍ミシンにより縫製する単位模様間の糸切り設定を、適切かつ迅速に設定できる刺繍データ作成装置及び刺繍データ作成プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の刺繍データ作成装置は、1つの文字又は記号からなる単位模様を、刺繍ミシンにより複数刺繍縫製する為の刺繍データを作成する刺繍データ作成装置において、前記単位模様を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された1つの単位模様からなる対象単位模様の縫製領域内に、前記記憶手段に記憶された前記対象単位模様の直前に縫製される単位模様である直前単位模様の縫製順序が最後の縫製点である縫い終了点が存在するか否かを判定する縫製領域判定手段と、前記縫製領域判定手段により前記対象単位模様の縫製領域内に前記直前単位模様の前記縫い終了点が存在すると判定された場合には、前記直前単位模様の前記縫い終了点での刺繍ミシンの糸切り機構による糸切り動作を設定する糸切り設定を糸切り無と設定し、前記縫製領域判定手段により前記対象単位模様の縫製領域内に前記直前単位模様の前記縫い終了点が存在しないと判定された場合には、当該糸切り設定を糸切り有又は保留と設定する領域判定糸切り設定手段とを備えている。
また、請求項2に係る発明の刺繍データ作成装置は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記単位模様を入力する入力手段を備え、前記記憶手段は、前記入力手段により入力された前記単位模様を記憶することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明の刺繍データ作成装置は、請求項1又は2に記載の発明の構成に加えて、前記縫製領域判定手段は、前記対象単位模様の縫製領域を1又は複数に区画した閉領域の刺繍位置情報である閉領域縫製データ内に、前記直前単位模様の前記縫い終了点の刺繍位置情報である縫い終了点データが存在するか否かを判定することにより、前記対象単位模様の縫製領域内に前記直前単位模様の前記縫い終了点が存在するか否かを判定することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明の刺繍データ作成装置は、請求項3に記載の発明の構成に加えて、前記縫製領域判定手段は、前記対象単位模様が異なる縫い始め点を有する部分模様からなる場合には、当該対象単位模様における縫製順序が最初の部分模様である第一部分模様の縫製領域の前記閉領域縫製データ内に、前記直前単位模様の前記縫い終了点データが存在するか否かを判定することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明の刺繍データ作成装置は、請求項3又は4に記載の発明の構成に加えて、前記縫製領域判定手段は、前記対象単位模様が異なる縫い始め点を有する部分模様からなる場合には、当該対象単位模様における縫製順序が最初の部分模様である第一部分模様の縫製領域である部分模様縫製領域と当該部分模様縫製領域に連続する部分模様の縫製領域である連続縫製領域とのそれぞれの前記閉領域縫製データ内に、前記直前単位模様の前記縫い終了点データが存在するか否かを判定することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明の刺繍データ作成装置は、請求項3乃至5のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記直前単位模様の縫製順序が最後となる縫製点の候補である終了予定点と、当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上の任意の点の位置データが、前記対象単位模様の前記閉領域縫製データ内に存在するか否かを判定する位置データ判定手段と、前記位置データ判定手段により終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上の任意の点の位置データが、前記対象単位模様の前記閉領域縫製データ内に存在すると判定された場合には、当該線分上の前記閉領域縫製データ内に存在すると判定された点のいずれかを前記直前単位模様の前記縫い終了点と設定し、前記位置データ判定手段により終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上の任意の点の位置データが、前記対象単位模様の前記閉領域縫製データ内に存在しないと判定された場合には、前記終了予定点を前記直前単位模様の前記縫い終了点と設定する縫い終了点設定手段とを備えている。
また、請求項7に係る発明の刺繍データ作成装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記領域判定糸切り設定手段により糸切り有又は保留と設定された前記直前単位模様と前記対象単位模様との間の距離に関する情報である間隔情報を取得する間隔情報取得手段と、前記領域判定糸切り設定手段による前記糸切り設定の有無に関わらず、前記間隔情報取得手段が取得した間隔情報が所定の値よりも小さい場合には、前記直前単位模様の前記縫い終了点での前記糸切り設定を糸切り無と設定し、当該間隔情報が所定の値以上の場合には、前記糸切り設定を糸切り有又は保留と設定する間隔判定糸切り設定手段とを備えている。
また、請求項8に係る発明の刺繍データ作成プログラムは、請求項1乃至7のいずれかに記載の刺繍データ作成装置の各処理手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
請求項1に係る発明の刺繍データ作成装置では、複数の単位模様を縫製する際に、各単位模様の糸切り設定を、直前に縫製される直前単位模様の縫い終了点が対象単位模様の縫製領域内に存在するか否かを判定する縫製領域判定手段の判定結果と対応付けて、領域判定糸切り設定手段により自動的に行っている。このため、縫製順序が前後する単位模様の一部が重なるため糸切りを行わなくてもよい場合には、当該縫製領域判定手段により直前単位模様の縫い終了点が対象単位模様の縫製領域内に存在すると判定され、当該判定に基づき、領域判定糸切り設定手段により直前単位模様の縫い終了点での糸切り設定は糸切り無と設定される。そして刺繍データに基づき縫製する刺繍ミシンでは、刺繍データ作成装置による糸切り無との設定に従い、糸切り無と判断された直前単位模様の縫い終了点においては糸切りせずに縫製が行われる。この糸切り無と判断された直前単位模様の縫い終了点と対象単位模様の縫い始め点との間は、一針縫い又は走り縫い等で縫製され、当該縫い終了点と当該縫い始め点との間に発生する縫い糸は、対象単位模様の縫製領域が刺繍ミシンにより縫製されることにより覆い隠される。
このように、本発明によれば、各単位模様の縫い終了点における糸切り設定を迅速かつ的確に行うことができ、刺繍の仕上がりに影響を与えることなく、単位模様間の糸切り回数を軽減させることができる。また、刺繍段階においては、糸切りした糸の始末にかかる労力が軽減され、縫製時間を短縮することが可能である。さらに、請求項1に係る発明の刺繍データ作成装置においては、文字属性ごとに糸切り設定情報を作成したり修正したりする必要がなく、文字属性の追加や修正に迅速に対応できる。
また、請求項2に発明の刺繍データ作成装置では、請求項1に記載の発明の効果に加えて、刺繍データ作成装置は縫製対象となる単位模様を入力する入力手段を有しているため、単位模様を刺繍データ作成装置に入力した直後に当該単位模様の糸切り設定を行うことができる。このため、入力手段を刺繍データ作成装置とは別に設けている場合に比べ、各単位模様の糸切り設定を迅速に行うことが可能である。
また、請求項3に係る発明の刺繍データ作成装置は、請求項1又は2に記載の発明の効果に加えて、縫製領域判定手段は、対象単位模様の閉領域縫製データ内に、直前単位模様の前記縫い終了点の刺繍位置情報である縫い終了点データが存在するか否かを判定する。この閉領域縫製データは、単位模様の刺繍データとして広く利用されている技術である。この閉領域縫製データには、刺繍ミシンにより縫目で埋めるべき領域の相対的座標又は絶対的座標に関する位置情報が包含されている。したがって、この閉領域縫製データと、直前単位模様の縫い終了点データとを用いれば、対象単位模様の縫製領域内に、直前単位模様の縫い終了点が存在するか否かを容易に判定することができる。また、すでに閉領域縫製データを利用している刺繍データに対しては、縫製領域判定手段に供するデータとして既存のデータを用いることができ、単位模様ごとに新たなデータを追加することなく、適切な糸切り設定を自動的に行うことができる。
また、請求項4に係る発明の刺繍データ作成装置は、請求項3に記載の発明の効果に加えて、縫製領域判定手段は、対象単位模様が異なる縫い始め点を有する部分模様からなる場合には、対象単位模様における縫製順序が最初の部分模様である第一部分模様の縫製領域の閉領域縫製データを参照して判定を行っている。このため、縫製領域判定手段の判定対象となる閉領域縫製データとして、第一部分模様の縫製領域の閉領域縫製データを指定しているので、部分模様の縫製順序を勘案した適切な糸切り設定を行うことができる。また、縫製領域判定手段は、判定に際して、第一部分模様の縫製領域の閉領域縫製データのみを参照すればよく、対象単位模様の全ての閉領域縫製データを参照して判定する場合に比べ、迅速に糸切り判定を行うことが可能である。
また、請求項5に係る発明の刺繍データ作成装置は、請求項3又は4に記載の発明の効果に加えて、縫製領域判定手段は、対象単位模様が異なる縫い始め点を有する部分模様からなる場合には、対象単位模様における縫製順序が最初の部分模様である第一部分模様の縫製領域である部分模様縫製領域と当該部分模様縫製領域に連続する部分模様の縫製領域である連続縫製領域とのそれぞれの閉領域縫製データを参照している。このため、部分模様の縫製順序を勘案しつつ、刺繍の仕上がりに影響を与えずに直前単位模様の縫い終了点において極力糸切りを行わないように糸切り設定を行うことが可能である。
また、請求項3に記載の発明の効果に加えて、対象単位模様の全ての閉領域縫製データを参照して、当該データ内に直前単位模様の縫い終了点が存在するか否かを判定する場合に比べ、迅速に糸切り判定を行うことが可能である。
また、請求項6に係る発明の刺繍データ作成装置は、請求項3乃至5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、直前単位模様の終了予定点の位置データが、対象単位模様の縫製領域の閉領域縫製データ内に存在しない場合であっても、当該終了予定点と当該終了予定点の直前の縫製される縫製点とを結ぶ線分上の点のいずれかが、当該閉領域縫製データ内に存在すると位置データ判定手段により判定された場合には、当該判定結果に基づき、直前単位模様の縫い終了点の位置データを当該閉領域縫製データ内に存在させるように設定している。したがって、直前単位模様の縫い終了点における糸切りを極力させないように、当該縫い終了点を自動的に設定することができる。
また、請求項7に係る発明の刺繍データ作成装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、領域判定糸切り設定手段により糸切り有又は保留と設定された直前単位模様について、間隔判定糸切り設定手段により再度糸切り設定を行っている。このため、例えば、直前単位模様の縫い終了点は対象単位模様の縫製領域内に存在せず、領域判定糸切り設定手段により糸切り有又は保留と設定された場合であっても、前記直前単位模様と前記対象単位模様との間隔が刺繍の仕上がりに影響が少ないと判断される場合には、糸切り無と判断させることができる。このように、本発明によれば、渡り糸の発生による刺繍の仕上がりと、糸切りによる縫製時間の増加や糸始末にかかる労力とを考慮したより適切な糸切り判定を自動的に行うことができる。
また、請求項8に係る発明の刺繍データ作成プログラムは、コンピュータに実行させることにより請求項1乃至7のいずれかに記載の刺繍データ作成装置の各処理手段としての作用効果を奏することができる。したがって、コンピュータを利用して請求項1乃至7のいずれかに記載の刺繍データ作成装置を構成することができ、同装置と同様の作用効果を得ることができる。
以下、本発明に係る刺繍データ作成装置を適用した実施の形態について、図面を参照して説明する。本発明の刺繍データ作成装置は、刺繍ミシンに供給される刺繍データを作成・編集するためのものであり、刺繍ミシンに組み込まれている場合と、刺繍ミシンとは別体に設けられている場合とがある。最初に、それぞれの場合について、物理的構成及び機能的構成を説明する。
まず、刺繍データ作成装置が、刺繍ミシンに組み込まれている場合の構成について、図1乃至図4を参照して説明する。図1は、刺繍ミシン1の斜視図である。図2は、刺繍ミシン1の機能的構成を示すブロック図である。図3はROM22の記憶領域の説明図である。図4はRAM23の記憶領域の説明図である。図1に示すように、刺繍ミシン1は、ミシンベッド3上に配置された、刺繍を施そうとする加工布を保持する刺繍枠4を、Y方向駆動部5及び本体ケース6内に収容されたX方向駆動機構によって装置固有のX・Y座標系で示される所定位置に移動させながら、縫針7及び糸輪捕捉用釜回転機構32(図2参照)による縫製動作を行うことにより、その加工布に所定の模様の刺繍を施すようになっており、前記Y方向駆動部5、X方向駆動機構や針棒8等は、刺繍ミシン1に内蔵されたマイクロコンピュータ等から構成される制御装置により制御される。
また、刺繍ミシン1の脚柱部11の側面には、メモリカードスロット12が搭載されており、刺繍データが記憶されたメモリカードMCをメモリカードスロット12に装着することにより、外部からの刺繍データを取り込むことができるようになっている。刺繍ミシン1は、縫製に際して、刺繍ミシン1に設けられた刺繍データ作成装置により作成された刺繍データ又は、外部から取り込まれた刺繍データに基づいて、刺繍ミシン1の制御装置が自動的に刺繍動作を実行する。尚、この刺繍データには、色コード、刺繍位置及び刺繍サイズを示す情報と、閉領域縫製データ、縫製順序、針落ち点、糸切り設定等を示す情報とが含まれている。
また、脚柱部11の前面部には、カラー表示可能な液晶ディスプレイ(LCD)10が設けられている。この液晶ディスプレイ10には、文字又は記号からなる単位模様や刺繍模様等の種々の縫目模様、縫製作業に必要な各種の機能を実行させる機能名、更には各種のメッセージ等が表示される。そして、液晶ディスプレイ10の下部には入力ボタン13が設けられ、入力ボタン13のそれぞれは液晶ディスプレイ10に表示された縫目模様、機能名、メッセージ等に対応付けられている。それ故、当該入力ボタン13を選択することで、液晶ディスプレイ10に表示された単位模様の選択や、数値設定等、種々の指令を入力可能になっている。
次に、図2を参照して、刺繍ミシン1の機能的構成について説明する。図2に示すように、この刺繍ミシン1の装置本体20は、CPU21、ROM22、RAM23、EEPROM24、入力インターフェイス25、出力インターフェイス26等で構成され、これらはバス34により相互に接続されている。入力インターフェイス25には、刺繍ミシン1の縫製作業の起動と停止を指令するスタート・ストップキー9、前述のメモリカードスロット12及び、入力ボタン13等が接続されている。一方、出力インターフェイス26には、送り量調整用パルスモータ27、ミシン主軸33を回転駆動させるミシンモータ28、針棒8を駆動する針振り用パルスモータ29、上糸繰出用パルスモータ30、液晶ディスプレイ10を駆動制御するLCDコントローラ31、X方向駆動機構を駆動させるX方向パルスモータ14a及びY方向駆動部5を駆動させるY方向パルスモータ14b等が接続されている。
CPU21は、刺繍ミシン1の主制御を司り、読み出し専用の記憶素子であるROM22の刺繍データ作成プログラム記憶領域225(図3参照)に記憶された本発明に係る刺繍データ作成プログラムに従って、各種演算及び処理を実行するものである。尚、刺繍データ作成プログラムはメモリカード等の外部記憶装置に記憶されていてもよく、その場合は、当該プログラムをRAM23上に読み込んで実行する。
ROM22には、刺繍データに基づき刺繍ミシン1を動作するためのプログラムを記憶する記憶領域が設けられている。ROM22の詳細について、図3を参照して説明する。図3に示すように、ROM22には、刺繍縫製に必要な諸機器を駆動制御するプログラムを記憶する刺繍縫製用制御プログラム記憶領域220、縫製以外のときに制御対象の諸機器を制御するプログラムを格納する機器制御プログラム記憶領域221、液晶ディスプレイ10を制御するプログラムを格納する表示制御プログラム記憶領域222、刺繍ミシン1とは別体に設けられた刺繍データ作成装置との間でコマンドやデータを授受するプログラムを格納する通信制御プログラム記憶領域223が設けられている他、刺繍ミシン1の機種を示す機種情報と、縫製エリアのサイズ情報等を記憶する基本情報記憶領域224が設けられている。また、ROM22には、本発明に係る刺繍データ作成プログラムを記憶する刺繍データ作成プログラム記憶領域225が設けられており、刺繍データを作成するための情報として、種々の単位模様に対応する閉領域縫製データが閉領域縫製データ記憶領域226に予め記憶されている。この閉領域縫製データは、例えば特開平5−7676号公報の刺繍データ作成装置において提案されている技術であり、閉領域縫製データは、例えば、刺繍模様の図形を単純な四辺形等に分割し、その各頂点を示す座標を指定するデータとしてROM22の閉領域縫製データ記憶領域226に記憶されている。尚、上述の位置データは相互に比較可能データであればよく、相対的座標あるいは絶対的座標のいずれでもよい。
RAM23は、任意に読み書き可能な記憶素子であり、刺繍データを作成するためのデータを記憶する記憶領域が設けられている。RAM23の詳細について、図4を参照して説明する。RAM23の記憶領域には、縫製領域の糸密度を記憶する糸密度記憶領域230,縫製対象を記憶する縫製対象記憶領域231,縫製対象に対応する閉領域縫製データを記憶する閉領域縫製データ記憶領域232,閉領域縫製データと糸密度とから公知の方法で算出される針落ち点を記憶する針落ち点データ記憶領域233,各閉領域縫製データ及び各針落ち点の縫製順序を記憶する縫製順序記憶領域234,縫製対象を構成する各単位模様の糸切り設定を記憶する糸切り設定記憶領域235,対象単位模様の閉領域縫製データを記憶する対象単位模様閉領域縫製データ記憶領域236,直前単位模様の縫い終了点を記憶する直前単位模様縫い終了点記憶領域237,糸切り設定に際して糸切り有と設定するか、それとも、保留と設定するかを記憶する糸切り有/保留記憶領域238,縫製対象を構成する各単位模様を縫製順序に従って参照するためのカウンタを記憶する単位模様カウンタ記憶領域239等が設けられている。
以上の刺繍ミシン1は、本発明でいうところの刺繍データ作成装置としての機能を有するもので、加工布に対する所定の図形の刺繍を実行するのに際し、各針落ち点及び糸切り設定を指定する刺繍データを作成するようになっている。
次に、刺繍データ作成装置が、刺繍ミシン1とは別体に設けられた場合の構成について、図5乃至図8を参照して説明する。図5は、刺繍データ作成装置41の物理的構成を示す全体構成図である。図6は、刺繍データ作成装置41の機能的構成を示すブロック図である。図7はROM52の記憶領域の説明図である。図8はRAM53の記憶領域の説明図である。
まず、図5を参照して、刺繍データ作成装置41の物理的構成について説明する。図5に示すように、この刺繍データ作成装置41は、刺繍ミシンに供給される刺繍データを作成、編集するためのものである。基本的には、装置本体46と、この装置本体46に接続される表示装置42、キーボード43、マウス44、メモリカードコネクタ45及びイメージスキャナ装置47から構成されている。
次に、図6を参照して、刺繍データ作成装置41の機能的構成について説明する。図6に示すように、装置本体50は、CPU51、ROM52、RAM53、I/Oインターフェイス54及び、ハードディスク(HDD)55を備えており、これらはバス56により相互に接続されている。一方、I/Oインターフェイス54には、キーボード43、マウス44、メモリカードコネクタ45、表示装置42及びイメージスキャナ装置47が接続されている。MCは、メモリカードコネクタ45に接続可能なメモリカードである。
CPU51は、読み出し専用の記憶素子であるROM52の刺繍データ作成プログラム記憶領域525に記憶された本発明に係る刺繍データ作成プログラムに従って、各種演算及び処理を実行するものである。尚、専用機の場合は、ROM52にプログラムが記憶されているが、汎用機(パーソナルコンピュータ等)の場合は、ハードディスク55等に記憶されたプログラムをRAM53上に読み込んで実行する。
ROM52には、刺繍データを作成するためのプログラム及びデータを記憶する記憶領域が設けられている。ROM52の詳細について、図7を参照して説明する。図7に示すように、ROM52には、キーボード43、マウス44、メモリカードコネクタ45及びイメージスキャナ装置47等の諸機器を制御するプログラムを格納する機器制御プログラム記憶領域521、表示装置42を制御するプログラムを格納する表示制御プログラム記憶領域522、刺繍ミシンとの間でコマンドやデータ授受するプログラムを格納する通信制御プログラム記憶領域523が設けられている。また、本発明に係る刺繍データ作成プログラムを記憶する刺繍データ作成プログラム記憶領域525及び刺繍データを作成するための情報として、単位模様に対応する閉領域縫製データを書体、サイズ等の属性ごとに記憶する閉領域縫製データ記憶領域526等が設けられている。
RAM53は、任意に読み書き可能な記憶素子であり、刺繍データを作成するためのデータを記憶する記憶領域が設けられている。RAM53の詳細について、図8を参照して説明する。RAM53の記憶領域には、縫製領域の糸密度を記憶する糸密度記憶領域530,縫製対象を記憶する縫製対象記憶領域531,縫製対象に対応する閉領域縫製データを記憶する閉領域縫製データ記憶領域532,閉領域縫製データと糸密度から公知の方法で算出される針落ち点を記憶する針落ち点データ記憶領域533,各閉領域縫製データ及び各針落ち点の縫製順序を記憶する縫製順序記憶領域534,縫製対象を構成する各単位模様の糸切り設定を記憶する糸切り設定記憶領域535,対象単位模様の閉領域縫製データを記憶する対象単位模様閉領域縫製データ記憶領域536,直前単位模様の縫い終了点を記憶する直前単位模様縫い終了点記憶領域537,糸切り設定に際して糸切り有と設定するか、それとも、保留と設定するかを記憶する糸切り有/保留記憶領域538,縫製対象を構成する各単位模様を縫製順序に従って呼び出すためのカウンタを記憶する単位模様カウンタ記憶領域539等が設けられている。
次に、以上のように構成された刺繍データ作成装置41を使用して、イタリック体の欧文字で「milk」を刺繍する具体例1の刺繍データを作成する処理手順について図面を参照して説明する。最初に、イタリック体の欧文字で「milk」を刺繍する具体例1について図11及び図12を参照して説明する。図11は具体例1「milk」の刺繍仕上がりを表した説明図である。具体例1「milk」は、左側の文字から順に縫製されるものとする。図12は具体例1「milk」のうち、縫製順序が2番目の単位模様である「i」と、同3番目の単位模様である「l」の閉領域縫製データによって表される縫製領域を抜き出した説明図である。
この閉領域縫製データは、例えば、刺繍模様の図形を単純な四辺形等に分割し、その各頂点を示す座標を指定するデータとしてROM52に記憶されているものであり、4点は記憶されている順番に、第1点、第2点、第3点、第4点と称されている。その第1点と第3点とを結ぶ線分及び第2点と第4点とを結ぶ線分上で、縫目の進行方向が反転するように構成されている。その第1点と第3点とを結ぶ線分及び第2点と第4点とを結ぶ線分は主辺と称されている。一方、その第1点と第2点とを結ぶ線分及び第3点と第4点とを結ぶ線分は副辺と称されている。
図12においては、単位模様「i」と「l」の縫製領域を4点で囲まれる四辺形に分割している。そして、図中実線で表した線は主辺、波線で示す線は複数の区画に分割したことにより生成された副辺である。図中b1,b2,b11,b12,b13,b14及び、b15が単位模様「i」の閉領域縫製データによって表される縫製領域であり、b21,b22,b23,b24及び、b25が単位模様「l」の閉領域縫製データによって表される縫製領域である。また、図中、点71は単位模様「i」の縫い終了点、点72は単位模様「l」の縫い始め点である。
次に、具体例1「milk」の刺繍データを作成する処理手順について説明する。図9は、刺繍データ作成のメイン処理の流れを示すメインフローチャートである。図10は、メイン処理で実行される第一の実施形態における縫製対象の糸切り設定処理の手順を表すフローチャートである。尚、図9に示すメイン処理及び図10に示す糸切り設定処理を実行させるプログラムはROM52の刺繍データ作成プログラム記憶領域525に記憶されており、図6に示すCPU51が実行する。
図9に示すように、メイン処理が開始されるとまず、イタリック体の欧文字「milk」は、オペレータにより、キーボード43及び、マウス44を用いて刺繍データ作成装置41に入力される(S1)。そして、入力された具体例1「milk」はRAM53の縫製対象記憶領域531に記憶される。続いて、入力された具体例1「milk」を構成する各単位模様の閉領域縫製データが、ROM52の閉領域縫製データ記憶領域526から呼び出される(S2)。続いて、縫製対象となる各単位模様の幅、高さ、回転等の属性に従い、公知の方法で当該閉領域縫製データを補正され(S3)、当該補正後の閉領域縫製データをRAM53に設けられた閉領域縫製データ記憶領域532に格納される。
続いて、公知の方法により、RAM53の糸密度記憶領域530に記憶された糸密度に基づいて、当該閉領域縫製データの4点で囲まれる縫製領域ごとに針落ち点が算出され、当該針落ち点と、各単位模様及び各針落ち点の縫製順序とがRAM53に設けられた針落ち点データ記憶領域533と、縫製順序記憶領域534とにそれぞれ格納される。その後、糸切り設定処理により縫製対象の各単位模様の糸切り設定が行われ(S5)、メイン処理を終了する。S5の糸切り設定処理の詳細については、図10を参照して後述する。尚、具体例1「milk」は、オペレータにより入力される場合に限らず、メモリカードに記録したデータを、メモリカードコネクタ45から刺繍データ作成装置41に取り込んでもよい。
次に、具体例1「milk」の縫製順序が3番目の単位模様「l」を対象単位模様とし、直前単位模様を「i」とした場合(S12においてk=3)に糸切り設定がどのように行われるかを、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
尚、以下の具体例1を用いた説明では、S11及びS12についての説明を省略するが、S11においては、縫製対象の単位模様を縫製順序に従って参照するための単位模様カウンタkを初期化するために、単位模様カウンタkは0にセットされ、kの値が単位模様カウンタ記憶領域539に記憶される。続いて、S12において、単位模様カウンタkは1を加えられ、kの値が単位模様カウンタ記憶領域539に記憶される。これらの処理により、縫製対象の各単位模様を縫製順序に従って参照することができる。
まず、第一の実施形態の処理の対象となる対象単位模様と直前単位模様とを特定するために、S13において縫製対象の縫製順序がk番目の対象単位模様が有るか否かを判断する(S13)。具体例1においては、縫製順序が3番目の対象単位模様「l」が縫製対象記憶領域531に記憶されているので、対象単位模様が有ると判断される(S13:Yes)。一方、RAM53の縫製対象記憶領域531が参照され、縫製順序がk番目の対象単位模様が当該縫製対象記憶領域531に記憶されていないと判断される場合(S13:NO)には、全ての単位模様について処理が終了したと判断されるので、糸切り設定処理が終了される。そして、図9に示すメインフローチャートに戻り、刺繍データ作成のメイン処理が終了される。
続いて、RAM53の縫製対象記憶領域531が参照され、対象単位模様の直前に縫製される直前単位模様が有るか否かが判断される(S14)。具体例1においては、縫製順序が2番目の単位模様「i」が縫製対象記憶領域531に記憶されているので、直前単位模様が有ると判断される(S14:Yes)。以上のS13及びS14により、第一の実施形態の処理の対象となる対象単位模様「l」と直前単位模様「i」とが特定される。一方、縫製順序がk−1番目の単位模様が縫製対象記憶領域531に記憶されていない場合には、直前単位模様が無いと判断され(S14:NO)、次の縫製順序の対象単位模様及び直前単位模様についての糸切り設定処理を行うため、S12に戻る。
続いて、直前単位模様が対象単位模様の縫製領域に存在しているか否かを判定するためのデータとして、まず、RAM53の閉領域縫製データ記憶領域532に記憶されている対象単位模様の閉領域縫製データが取得され(S15)、対象単位模様閉領域縫製データ記憶領域536に格納される。具体例1においては、図12に示す縫製領域b21,b22,b23,b24及び、b25で表された対象単位模様「l」の閉領域縫製データが取得される(S15)。続いて、RAM53の針落ち点データ記憶領域533に記憶されている直前単位模様の針落ち点のうち、縫製順序が最後の針落ち点の位置データが縫い終了点の位置データとして取得され(S16)、直前単位模様縫い終了点記憶領域537に格納される。尚、針落ち点データ記憶領域533に記憶されている各針落ち点の縫製順序は縫製順序記憶領域534に記憶されており、針落ち点データ記憶領域533に記憶されている針落ち点と縫製順序記憶領域534に記憶されている当該針落ち点の縫製順序とから、縫製順序が最後の針落ち点の位置データが特定される。具体例1では、S16において、図12に示す直前単位模様「i」の縫い終了点71の位置データが取得される。
次に、S15で取得され、対象単位模様閉領域縫製データ記憶領域536に記憶されている対象単位模様の閉領域縫製データと、S16で取得され、直前単位模様縫い終了点記憶領域537に記憶されている直前単位模様の縫い終了点の位置データとに基づき、縫い終了点の位置データが対象単位模様の閉領域縫製データの内部に存在するかが判断される(S17)。このS17の判断は、当該縫い終了点の位置データが当該対象単位模様の閉領域縫製データとして記憶されている4点によって囲まれる一又は複数の縫製領域のうち、いずれかの縫製領域の内部に存在するか否かにより判断される。このS17の処理により、当該縫い終了点が当該対象単位模様の縫製領域内に存在するか否かが判断される。具体例1においては、図12に示すように、縫い終了点71は、対象単位模様「l」の閉領域縫製データの4点によって囲まれる縫製領域b21,b22,b23,b24及び、b25のうち、縫製領域b21の内部に存在するので、S17において内部に存在すると判定される(S17:Yes)。続いて、直前単位模様「i」の縫い終了点における糸切り設定が、糸切り無と設定され(S18)、糸切り設定記憶領域535に当該糸切り設定が記憶される。尚、縫製に際しては、糸切り無と判断された直前単位模様「i」の縫い終了点71と対象単位模様の縫い始め点72との間は、図12に示す線分73上を公知の走り縫い又は一針縫いを縫製される。そして、このとき生じる縫製跡は、対象単位模様「l」の縫製領域b21が縫製される際に覆い隠される。
続いて、次の縫製順序の対象単位模様及び直前単位模様についての処理を行うため、S12に戻って処理が繰り返される。具体例では、処理が繰り返されることによりS12のkが5になった場合に、S13において、縫製順序が5番目の対象単位模様は縫製対象記憶領域531に記憶されていないので、対象単位模様が無いと判断され(S13:NO)、図10に示す糸切り設定処理が終了される。そして、図9に示すメインフローチャートに戻り、刺繍データ作成のメイン処理が終了される。
一方、S17において、縫い終了点の位置データが対象単位模様の閉領域縫製データの内部に存在しないと判断される場合(S17:NO)には、直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定は、糸切り有又は保留と設定され(S19)、糸切り設定記憶領域535に記憶される。その後、次の縫製順序の対象単位模様及び直前単位模様についての処理を行うため、S12に戻って処理が繰り返される。そして、S13において対象単位模様が無いと判断される場合(S13:NO)に、図10に示す糸切り設定処理が終了され、図9に示すメインフローチャートに戻り、刺繍データ作成のメイン処理が終了される。
尚、S19において、糸切り有と設定されるか、又は、保留と設定されるかは、RAM53の記憶領域内の糸切り有/保留記憶領域538に記憶された情報に基づいている。S19において糸切り有と設定されるか、又は、保留と設定されるかについて、予め取り決めてRAM53の記憶領域内の糸切り有/保留記憶領域538に記憶させておいてもよいし、刺繍データを作成するごとにオペレータが設定し、RAM53の記憶領域内の糸切り有/保留記憶領域538に記憶させるようにしてもよい。
以上のように、第一の実施形態による糸切り設定では、対象単位模様の閉領域縫製データと直前単位模様の縫い終了点の位置データとを参照して、直前単位模様の縫い終了点が対象単位模様の縫製領域に存在するか否かの判定を行い、直前単位模様の縫い終了点が対象単位模様の縫製領域に存在すると判断される場合には、当該縫い終了点における糸切り設定を無と設定し、存在しないと判断された場合には、当該縫い終了点における糸切り設定を有又は保留と設定する。
ここで、直前単位模様の縫い終了点が対象単位模様の閉領域縫製データの内部に存在するが、直前単位模様の縫い終了点と対象単位模様の縫い始め点との間を結び線分を公知の走り縫い又は一針縫いで縫製した場合には、当該線分が対象単位模様の閉領域縫製データ内に収まらず、刺繍の仕上がりに影響が出てしまう場合が想定される。例えば、具体例1において、図13に示すように、対象単位模様「l」の縫い始め点が点76であった場合、直前単位模様「i」の縫い終了点71は対象単位模様「l」の閉領域縫製データの内部に存在するが、直前単位模様「i」の縫い終了点71と対象単位模様「l」の縫い始め点76との間を直線で結ぶ場合には、当該直線が対象単位模様の閉領域縫製データ内に収まらない。このような場合には、例えば、直前単位模様の縫い終了点と対象単位模様との間は、前述の副辺上の所定の点を介して繋ぐように公知の走り縫いをする縫製点を定め、直前単位模様の縫い終了点と対象単位模様の縫い始め点との間を結ぶ縫製跡が、対象単位模様の閉領域縫製データ内に収まるよう縫製すればよい。図13に示す具体例1では、直前単位模様の縫い終了点71と対象単位模様の縫い始め点76との間を結ぶ縫製跡が、走り縫い線77のようになるよう、対象単位模様「l」の縫製領域b21,b22,b23,b24及び、b25内に縫製点を定めている。
以上の糸切り設定により、各単位模様の縫い終了点における糸切り設定を閉領域縫製データを用いて迅速かつ的確に行うことができ、刺繍の仕上がりに影響を与えることなく、単位模様間の糸切り回数を軽減させることができる。また、刺繍段階においては、糸切りした糸の始末にかかる労力が軽減され、縫製時間を短縮することが可能である。さらに、第一の実施形態においては、文字属性ごとに糸切り設定情報を作成したり修正したりする必要がなく、文字属性の追加や修正に迅速に対応できる。
尚、第一の実施形態において、刺繍データ作成装置が刺繍ミシン1に内蔵されている場合には、図4に示すRAM23が記憶手段として機能する。一方、刺繍データ作成装置41の場合には図5に示すRAM53が記憶手段として機能する。また、第一の実施形態では、刺繍データ作成装置が刺繍ミシン1に内蔵されている場合には、図1に示す入力ボタン13が、入力手段として機能する。一方、刺繍データ作成装置41の場合には、図5に示すキーボード43、マウス44、イメージスキャナ装置47がそれぞれ入力手段として機能する。
また、図10のS17において、S15で取得した対象単位模様の閉領域縫製データと、S16で取得した直前単位模様の縫い終了点の位置データとに基づき、当該縫い終了点の位置データが当該対象単位模様の閉領域縫製データの内部に存在するか否かを判断するCPU51が、本発明における縫製領域判定手段として機能する。また、縫い終了点の位置データが対象単位模様の閉領域縫製データの内部に存在する場合(S17:Yes)には、直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定を、S18で糸切り無と設定し、縫い終了点の位置データが対象単位模様の閉領域縫製データの内部に存在しない場合(S17:NO)には、直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定を、S19で糸切り有又は保留と設定するCPU51は本発明における領域判定糸切り設定手段として機能する。尚、刺繍データ作成装置が刺繍ミシン1に内蔵されている場合には、上記各ステップを実行する図2に示すCPU21が縫製領域判定手段、領域判定糸切り設定手段として機能する。
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。まず、第一の実施形態においては、縫製領域判定手段に供するデータとして、対象単位模様の閉領域縫製データ及び直前単位模様の縫い終了点の位置データを用いていたが、これらに限定されず、直前単位模様の縫い終了点と対象単位模様の縫製領域との位置関係を比較可能な情報を選択可能である。
また、第一の実施形態においては、刺繍データ作成装置に入力手段が設けられていたが、縫製対象が予め刺繍データ作成装置の記憶手段に格納されている場合や、メモリカード等の外部記憶装置から供給される場合には、刺繍データ作成装置に入力手段を設けなくてもよい。さらに、本発明の入力手段は、少なくとも単位模様を記憶手段に与えるためのインターフェイスをいい、第一の実施形態で示す入力ボタン13、キーボード43、マウス44、イメージスキャナ装置47の他、トラックボールやタッチパネル、音声入力装置等、オペレータとのインターフェイスをとるものを採用可能である。
また、第一の実施形態においては、図9に示すメイン処理のS5において、糸切り設定処理を行っていたが、これに限定されるものではない。例えば、縫製対象の閉領域縫製データ、針落ち点及び、縫製順序に関する情報が予め刺繍データ作成装置の記憶手段に格納されている場合やメモリカード等の外部記憶装置から刺繍データ作成装置に供給される場合には、図9に示すメイン処理のS1乃至S4を省略することができる。これらの場合には、刺繍データ作成装置の記憶領域として、図3に示す閉領域縫製データ記憶領域226又は図7に示す閉領域縫製データ記憶領域526のような閉領域縫製データを単位模様ごとに予め記憶しておく記憶領域を設ける必要は無い。
ところで、上記第一の実施形態においては、イタリック体の欧文字等のように、直前単位模様の縫い終了点が対象単位模様の縫製領域内に存在することが予想され、かつ、画数の少ない単位模様を想定していた。この方法では、単位模様の構成により場合分けを要しない、という長所があるが、一方で、漢字等のように、画数の多い文字が縫製対象となる場合には、直前単位模様の縫い終了点と対象単位模様の縫い始め点との間を糸切りしないで縫製すると、意図しない渡り糸が生じて刺繍の仕上がりに悪影響を与えてしまう場合がある。そこで、図9のS5に示す、糸切り設定処理を、次に示す第二の実施形態及び、第三の実施形態のようにしてもよい。以下、第二の実施形態及び、第三の実施形態の刺繍データ作成装置を使用して、図22乃至図29に示す具体例2乃至具体例5の刺繍データを作成する処理手順について図面を参照して説明する。尚、第二の実施形態及び第三の実施形態における刺繍データ作成装置の物理的形態及び機能的形態については第一の実施形態と同様であるので説明を省略する。また、第一の実施形態の場合と同様、以下、刺繍ミシンとは別体に設けられている刺繍データ作成装置41について説明する。
最初に、太ゴシック体で「入口」、「入川」、「入江」、「入地」を刺繍する具体例2乃至5について説明する。図22乃至図25はそれぞれ、具体例2「入口」、具体例3「入川」、具体例4「入江」、具体例5「入地」の刺繍仕上がりを表した説明図である。本具体例2乃至5においては、左の文字から順に縫製されるものとする。また、図26乃至図29はそれぞれ、具体例2「入口」、具体例3「入川」、具体例4「入江」、具体例5「入地」の閉領域縫製データによって表される縫製領域の説明図である。具体例2乃至5の各単位模様は、画数に対応する部分模様から構成され、各部分模様の縫製順序は単位模様の書き順に従っている。そして、具体例2乃至5は、縫製順序が1番目の単位模様「入」が共通し、その縫い終了点78はいずれも、縫製順序が2番目の単位模様の縫製領域内に存在している。
次に、具体例2「入口」の縫製順序が2番目の単位模様「口」を対象単位模様とし、直前単位模様「入」とした場合(S12においてk=2)に、第二の実施形態の刺繍データ作成装置41により、図9のS5に示す糸切り設定処理がどのように行われるかを、図14及び図15を参照して説明する。図14は、第二の実施形態における糸切り設定処理の流れを示すフローチャートである。図14に示すように、第二の実施形態における糸切り設定処理の流れはS20の処理において第一の実施形態と異なる。第一の実施形態と共通する処理については説明を省略し、以下、第一の実施形態と異なる処理S20について、図15を参照して説明する。図15は、S20の処理の流れを示すサブフローチャートである。尚、図14及び図15に示す糸切り設定処理を実行させるプログラムはROM52の刺繍データ作成プログラム記憶領域525に記憶されており、図6に示すCPU51が実行する。
第二の実施形態においては、対象単位模様が複数の部分模様からなる場合には、当該複数の部分模様のうち、縫製順序が最初の部分模様である第一部分模様の閉領域縫製データを参照して縫製領域判定を行うようにしている。そこでまず、S201において、閉領域縫製データ記憶領域532と縫製順序記憶領域534とを参照して、縫製対象の縫製順序がk番目の対象単位模様が異なる縫い始め点を有する複数の部分模様からなる否かが判断される。具体例2において、図25に示すように、対象単位模様「口」は画数に対応する部分模様B21,B22及び、B23の3つの部分模様から構成されるため、複数の部分模様からなると判断される(S201:Yes)。続いて、閉領域縫製データ記憶領域532と縫製順序記憶領域534とを参照して、当該部分模様のうち縫製順序が最初の第一部分模様が抽出される(S203)。具体例2においては、各部分模様の縫製順序は書き順に従うので、部分模様B21が抽出される(S203)。続いて、図14に示す第二の実施形態における糸切り設定処理のフローチャートのS17において参照するデータとして、閉領域縫製データ記憶領域532記憶されている閉領域縫製データのうち、当該第一部分模様B21の閉領域縫製データが取得され(S204)、RAM53の対象単位模様閉領域縫製データ記憶領域536に記憶される。その後、図14に示す糸切り設定処理のフローチャートに戻り、S16に進む。
一方、閉領域縫製データ記憶領域532と縫製順序記憶領域534とを参照して、対象単位模様が複数の部分模様から構成されていないと判断される場合(S201:NO)には、図14に示す糸切り設定処理のフローチャートのS17において参照するデータとして、閉領域縫製データ記憶領域532に記憶されている閉領域縫製データのうち、対象単位模様の閉領域縫製データが取得され(S202)、RAM53の対象単位模様閉領域縫製データ記憶領域536に記憶される。その後、図14に示す糸切り設定処理のフローチャートに戻り、S16に進む。
以上のように、図14のS20において、第一の実施形態の処理とは異なる処理が行われる。そして、対象単位模様が複数の部分模様からなる場合には、S17において、S20で取得した第一部分模様の閉領域縫製データを参照して縫製領域判定を行い、対象単位模様が複数の部分模様から構成されていない場合には、S17において、S20で取得した対象単位模様の閉領域縫製データが参照され、直前単位模様の縫い終了点が対象単位模様の縫製領域に存在するか否かが判定される。
同様に、具体例3「入川」においては、図27に示す対象単位模様「川」を構成する部分模様B31,B32及び、B33のうち、第一部分模様B31の閉領域縫製データが参照され、糸切り無と設定される。具体例4「入江」においては、図28に示す対象単位模様「江」を構成する部分模様B41,B42,B43,B44,B45及び、B46のうち、第一部分模様B41の閉領域縫製データが参照され、糸切り有又は保留と設定される。具体例5「入地」においては、図29に示す対象単位模様「地」を構成する部分模様B51,B52,B53,B54,B55及び、B56のうち、第一部分模様B51の閉領域縫製データが参照され、糸切り有又は保留と設定される。
以上の具体例2乃至5において、第一番目の単位模様「入」の縫い終了点78はいずれも、縫製順序が2番目の単位模様の縫製領域内に存在しているので、第一の実施形態によれば、縫い終了点78における糸切り設定はすべて糸切り無と設定される。しかし、画数に対応する部分模様の縫製順序を変えることなく、直前単位模様の縫い終了点と対象単位模様の縫い始め点との間を縫製すると、具体例4「入江」及び、具体例5「入地」においては単位模様間に意図しない渡り糸が発生する。第二の実施形態によれば、具体例2「入口」、具体例3「入川」においては、第一の実施形態と同様糸切り無と設定される一方、具体例4「入江」、具体例5「入地」は糸切り有又は保留と設定されるので、このような事態を回避できる。また、第一の実施形態においては、図10のS17において、直前単位模様の縫い終了点の位置データと、対象単位模様の閉領域縫製データとを参照していたのに対し、具体例2乃至5のいずれの例においても、図14のS17において、対象単位模様の一部を構成する第一部分模様の閉領域縫製データを参照すればよい。
以上説明した第二の実施形態によれば、縫製順序が最初の第一部分模様の閉領域縫製データを用いているので、部分模様の縫製順序を勘案した適切な糸切り設定を行うことができる。また、縫製領域判定手段は、判定に際して、第一部分模様の縫製領域の閉領域縫製データのみを参照すればよく、対象単位模様の全ての閉領域縫製データを参照して判定する場合に比べ、迅速に糸切り判定を行うことが可能である。
尚、図14のS17において、S20で取得した閉領域縫製データと、S16で取得した直前単位模様の縫い終了点の位置データとに基づき、当該縫い終了点の位置データが当該対象単位模様の閉領域縫製データの内部に存在するか否かを判断するCPU51が、本発明における縫製領域判定手段として機能する。また、縫い終了点の位置データがS20で取得した閉領域縫製データの内部に存在する場合(S17:Yes)には、直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定を、S18で糸切り無と設定し、縫い終了点の位置データがS20で取得した閉領域縫製データの内部に存在しない場合(S17:NO)には、直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定を、S19で糸切り有又は保留と設定するCPU51は本発明における領域判定糸切り設定手段として機能する。尚、刺繍データ作成装置が刺繍ミシン1に内蔵されている場合には、上記各ステップを実行する図2に示すCPU21が縫製領域判定手段、領域判定糸切り設定手段として機能する。
次に、具体例2「入口」の縫製順序が2番目の単位模様「口」を対象単位模様とし、直前単位模様「入」とした場合(S12においてk=2)に、第三の実施形態の刺繍データ作成装置41により、図9のS5に示す糸切り設定処理がどのように行われるかを図16及び図17を参照して説明する。図16は、第三の実施形態における糸切り設定処理の流れを示すフローチャートである。図16に示すように、第三の実施形態における刺繍データ作成処理の流れはS30において、第一の実施形態と異なる。第一の実施形態と共通する処理については説明を省略し、以下、第一の実施形態と異なる処理S30について、図17を参照して説明する。図17は、S30の処理の流れを示すサブフローチャートである。尚、図16及び図17に示す糸切り設定処理を実行させるプログラムはROM52の刺繍データ作成プログラム記憶領域525に記憶されており、図6に示すCPU51が実行する。
第三の実施形態においては、対象単位模様が複数の部分模様からなり、当該複数の部分模様のうち、縫製順序が最初の部分模様である第一部分模様に連続する連続部分模様がある場合には、当該第一部分模様と当該連続部分模様との閉領域縫製データをそれぞれ参照して縫製領域判定を行うようにしている。そこでS301において、閉領域縫製データ記憶領域532と縫製順序記憶領域534とが参照され、縫製対象の縫製順序がk番目の対象単位模様が異なる縫い始め点を有する複数の部分模様からなる否かが判断される。対象単位模様が複数の部分模様から構成されていない場合(S301:NO)には、図16に示すフローチャートのS17において参照するデータとして、閉領域縫製データ記憶領域532に記憶されている閉領域縫製データのうち、対象単位模様の閉領域縫製データが取得され(S302)、RAM53の対象単位模様閉領域縫製データ記憶領域536に記憶される。その後、図16に示すフローチャートに戻り、S16に進む。
具体例2においては、図26に示すように、対象単位模様「口」は部分模様B21,B22及び、B23の3つの部分模様から構成されるため、複数の部分模様からなると判断される(S301:Yes)。続いて、閉領域縫製データ記憶領域532と縫製順序記憶領域534とが参照され、当該部分模様のうち縫製順序が最初の部分模様である第一部分模様が抽出される(S303)。具体例2においては、各部分模様の縫製順序は単位模様の書き順に従うので、部分模様B21が第一単位模様として抽出される(S303)。続いて、閉領域縫製データ記憶領域532が参照され、第一部分模様に連続する部分模様である連続部分模様が有るか否かが判断される(S304)。ここで、第一部分模様に連続するとは、第一部分模様と直接連続する部分を有する場合に限らず、第一部分模様と連続する部分模様に連続している部分模様も含む趣旨である。S304においては、閉領域縫製データ記憶領域532に記憶されている第一部分模様の閉領域縫製データの4点で囲まれる縫製領域と、対象単位模様を構成する部分模様のうち第一部分模様以外の部分模様の閉領域縫製データの4点で囲まれる縫製領域とが比較され、縫製領域が連続しているかが判断される。
S304において、連続部分模様が無いと判断される場合(S304:NO)には、図16に示すフローチャートのS17において参照するデータとして、閉領域縫製データ記憶領域532に記憶されている閉領域縫製データのうち、対象単位模様の第一部分模様の閉領域縫製データが取得され(S305)、RAM53の対象単位模様閉領域縫製データ記憶領域536に記憶される。その後、図16に示すフローチャートに戻り、S16に進む。尚、連続部分模様が無い場合(S304:NO)に、対象単位模様の第一部分模様の閉領域縫製データを取得するのは、第二の実施形態と同様、部分模様の縫製順序を考慮した糸切り設定を行うためである。したがって、連続部分模様が無い場合(S304:NO)に、対象単位模様の閉領域縫製データを取得するようにしてもよい。
一方、具体例2においては、図26に示すように第一部分模様B21は,B22及びB23と連続しているので、第一部分模様に連続する部分模様が有ると判断される(S304:Yes)。続いて、閉領域縫製データ記憶領域532に記憶されている対象単位模様の閉領域縫製データのうち、第一部分模様B21と、第一部分模様に連続する連続部分模様B22及びB23の閉領域縫製データがそれぞれ取得され(S306)、RAM53の対象単位模様閉領域縫製データ記憶領域536に記憶される。その後、図16の糸切り設定処理のフローチャートに戻り、針落ち点データ記憶領域533と縫製順序記憶領域534とが参照され、直前単位模様である「入」の縫い終了点78の位置データが取得される(S16)。
以上のように、第三の実施形態の糸切り設定処理では、S30において、第一の実施形態の処理とは異なる処理が行われる。そして、対象単位模様が複数の部分模様からなり、かつ第一部分模様に連続する連続部分模様が有る場合には、図16のS17において、第一部分模様及び連続部分模様のそれぞれの閉領域縫製データが参照され、直前単位模様の縫い終了点が対象単位模様の縫製領域に存在するか否かが判定される。
同様に、具体例3「「入川」においては、図27に示す対象単位模様「川」を構成する部分模様B31,B32及び、B33のうち、第一部分模様B31のみの閉領域縫製データを参照して、糸切り無と設定される。具体例4「入江」においては、図28に示す対象単位模様「江」を構成する部分模様B41,B42,B43,B44,B45及び、B46のうち、第一部分模様B41のみの閉領域縫製データを参照して、糸切り有又は保留と設定される。具体例5「入地」においては、図29に示す対象単位模様「地」を構成する部分模様B51,B52,B53,B54,B55及び、B56のうち、第一部分模様B51と第一部分模様B51と連続する連続部分模様B52及び、B52に連続する連続部分模様B53の閉領域縫製データをそれぞれ参照して、糸切り無と設定される。
上述の具体例2乃至5について、第二の実施形態と第三の実施形態とによる糸切り設定を比較すると、具体例5「入地」の糸切り設定において異なる。図29に示すように、具体例5「入地」は、対象単位模様「地」の縫製領域b53内に直前単位模様「入」の縫い終了点78がある。B53は、第一部分模様の縫製領域に連続しているので、当該連続する縫製領域内に走り縫い点を定めることで、縫い終了点78における糸切り無と設定した場合であっても、縫製順序を変更させること無く、かつ、渡り糸を発生させることなく縫製をすることが可能である。第三の実施形態によれば、第一部分模様の縫製領域に連続する縫製領域に直前単位模様の縫い終了点が存在する具体例5「入地」では、糸切り無と設定されるので、前述のような糸切り設定を極力少なくする縫製に対応できる。
また、第一の実施形態では、図10のS17において、対象単位模様の閉領域縫製データを参照していたのに対し、第三の実施形態では、具体例2「「入口」では、対象単位模様を構成するすべての閉領域縫製データを参照するが、他の具体例3乃至5においては、対象単位模様の一部を構成する第一部分模様と連続部分模様のそれぞれの閉領域縫製データを参照すればよい。
以上説明した第の三の実施形態によれば、部分模様の縫製順序を勘案しつつ、刺繍の仕上がりに影響を与えずに直前単位模様の縫い終了点において極力糸切りを行わないように糸切り設定を行うことが可能である。また、縫製領域判定手段は、判定に際して、第一部分模様と連続部分模様の縫製領域の閉領域縫製データのそれぞれを参照すればよく、対象単位模様の全ての閉領域縫製データを参照して判定する場合に比べ、迅速に糸切り判定を行うことが可能である。
尚、図16のS17において、S30で取得した閉領域縫製データと、S16で取得した直前単位模様の縫い終了点の位置データとに基づき、当該縫い終了点の位置データが当該対象単位模様の閉領域縫製データの内部に存在するか否かを判断するCPU51が、本発明における縫製領域判定手段として機能する。また、縫い終了点の位置データがS30で取得した閉領域縫製データの内部に存在する場合(S17:Yes)には、直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定を、S18で糸切り無と設定し、縫い終了点の位置データがS30で取得した閉領域縫製データの内部に存在しない場合(S17:NO)には、直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定を、S19で糸切り有又は保留と設定するCPU51は本発明における領域判定糸切り設定手段として機能する。尚、刺繍データ作成装置が刺繍ミシン1に内蔵されている場合には、上記各ステップを実行する図2に示すCPU21が縫製領域判定手段、領域判定糸切り設定手段として機能する。
ところで、上記第一乃至第三の実施形態においては、直前単位模様の縫い終了点が予め定められている場合を想定していた。この方法では、予め閉領域縫製データに格納されている縫い終了点を利用して、迅速な糸切り設定を行うことが可能である、という長所があるが、一方で、当該縫い終了点は縫製時の糸切りを少なくすることを考慮して定められているとは限らない。そこで、次に示す第四の実施形態のようにしてもよい。以下、第四の実施形態における処理の流れについて図を参照して説明する。尚、第四の実施形態における刺繍データ作成装置の物理的形態及び機能的形態は、RAMの記憶領域を除き同様であるので、第一の実施形態と異なるRAMの記憶領域については後述し、第一の実施形態と同様の形態の説明は省略する。また、第一の実施形態の場合と同様、以下、刺繍ミシンとは別体に設けられている刺繍データ作成装置41について説明する。
まず、第一の実施形態と異なるRAM53の記憶領域について図30を参照して説明する。図30は第四の実施形態におけるRAM53の記憶領域の説明図である。図30に示すように、図8に示す第一の実施形態のRAM53の記憶領域の他に、直前単位模様の縫製順序が最後となる縫製点の候補である終了予定点、当該終了予定点の直前に縫製される縫製点縫い終了点及び、これらの点を結んだ線分上の点を記憶する縫い終了点候補記憶領域541等が設けられている。
次に、第四実施形態における糸切り設定処理(図9のS5)の流れを図18及び図19を参照して説明する。図18は、第四実施形態における糸切り設定処理(図9のS5)の流れを示すフローチャートである。図18に示すように、第四実施形態における糸切り設定処理の流れは、S40の処理において第一の実施形態と異なる。第一の実施形態と共通する処理については説明を省略し、以下、異なる処理S40について、図19を参照して説明する。図19は、S40の処理の流れを示すサブフローチャートである。尚、図18及び図19に示す糸切り設定処理を実行させるプログラムはROM52の刺繍データ作成プログラム記憶領域525に記憶されており、図6に示すCPU51が実行する。
第四の実施形態においては、直前単位模様の縫い終了点を取得するに際して、直前単位模様の縫製順序が最後となる縫製点の候補である終了予定点と、当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結んだ線分上のいずれかの点が、対象単位模様の閉領域縫製データ内に存在するか否かに基づき、縫い終了点を定めるようにしている。そこでS401において、針落ち点データ記憶領域533と縫製順序記憶領域534とが参照され、直前単位模様の縫製順序が最後となる縫製点の候補である終了予定点と、当該終了予定点の直前に縫製される縫製点の位置データが取得され、RAM53の縫い終了点候補記憶領域541に記憶される。このとき、各点の縫製領域内フラグはOFFとして記憶されている。
続いて、縫い終了点候補記憶領域541に記憶された当該終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上の任意の点の位置データが、図18のS15で取得した対象単位模様の閉領域縫製データ内に存在するか否かが判断される(S402)。この判断において、対象単位模様の閉領域縫製データ内に存在する当該線分上の点には、縫製領域内フラグがONとして、縫い終了点候補記憶領域541に記憶される。当該終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上のいずれの点の位置データの縫製領域内フラグがONになっていない場合には、閉領域縫製データ内に存在しないと判断され(S402:NO)、縫い終了点候補記憶領域541に記憶された終了予定点が縫い終了点として設定され(S403)、当該縫い終了点における位置データと縫製順序がそれぞれ針落ち点データ記憶領域533と縫製順序記憶領域534とに記憶される。その後、S403で設定された縫い終了点の位置データが、直前単位模様縫い終了点記憶領域537に記憶される(S406)。続いて、図18に示すフローチャートに戻り、S17に進む。
一方、終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上のいずれかの点の縫製領域内フラグがONになっている場合には、終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上のいずれかの点の位置データが、閉領域縫製データ内に存在すると判断される(S402:Yes)。続いて、縫製領域内フラグがONになっている終了予定点と終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上の点のうち1つの点が選択される(S404)。尚、選択方法については後述する。その後、当該選択した点が縫い終了点として設定され(S405)、当該縫い終了点における位置データと縫製順序がそれぞれ針落ち点データ記憶領域533と縫製順序記憶領域534に記憶される。続いて、S405で設定された縫い終了点の位置データが、直前単位模様縫い終了点記憶領域537に記憶され(S406)、図18に示すフローチャートに戻り、S17に進む。
尚、S404における線分上の点の選択方法は、任意の選択方法を採用可能である。例えば、終了予定点又は当該終了予定点の直前に縫製される縫製点のいずれかに最も近い点を選んでもよいし、閉領域縫製データ内に存在する、当該終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上の点のうち、中間に位置する点を選択するようにしてもよい。また、S406にて定められる縫い終了点は直前単位模様における縫製順序が最後になればよく、終了予定点の直後に縫製される点として縫い終了点の位置データを定めてもよいし、終了予定点を縫製しないように縫い終了点を定めてもよい。
以上のように、S40において、第一の実施形態の処理とは異なる処理が行われる。そして、図18のS17において、S406で取得した縫い終了点が参照され、直前単位模様の縫い終了点が対象単位模様の縫製領域に存在するか否かが判定される。
以上説明した第四の実施形態によれば、直前単位模様の縫い終了点における糸切りを極力させないように、当該縫い終了点を自動的に設定することができる。
尚、第四の実施形態では、図19のS402において、S401で取得した終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上の任意の点の位置データが、対象単位模様の閉領域縫製データ内に存在するか否かを判断するCPU51が本発明における位置データ判定手段として機能する。また、当該終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上のいずれの点の位置データも、閉領域縫製データ内に存在しない場合(S402:NO)には、S403で当該終了予定点を縫い終了点に設定し、当該終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上のいずれかの点の位置データが、閉領域縫製データ内に存在する場合(S402:Yes)には、S404で閉領域縫製データ内に存在する、当該終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上の点のうち1つの点を選択し、S405で当該選択した点を縫い終了点に設定するCPU51は、本発明における縫い終了点設定手段として機能する。尚、刺繍データ作成装置が刺繍ミシン1に内蔵されている場合には、前述の各ステップを実行する図2に示すCPU21が位置データ判定手段、縫い終了点設定手段として機能する。
尚、本発明は、以上詳述した第四の実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。第四の実施形態においては、図18及び図19に示す直前単位模様縫い終了点取得処理(S40)を図10に示す第一の実施形態に適用していたが、これに限らず、図14に示す第二の実施形態及び図16に示す第三の実施形態に適用することも可能である。第二の実施形態に適用する場合には、図14の直前単位模様の縫い終了点を取得する処理(S16)に、図18に示す直前単位模様縫い終了点取得処理(S40)を適用することができる。同様に、第三の実施形態に適用する場合には、図16の直前単位模様の縫い終了点を取得する処理(S16)に、図18に示す直前単位模様縫い終了点取得処理(S40)を適用することができる。
ところで、上記第一乃至第四の実施形態においては、直前単位模様の縫い終了点と対象単位模様の縫製領域に存在するか否かにより、当該直前単位模様における糸切り設定を行っていた。この方法では、縫製順序が前後する単位模様の一部が重なるため糸切りを行わなくてもよい場合には、領域判定糸切り設定手段により、糸切り無とする適切な糸切り設定を行うことが可能である、という長所があるが、一方で、縫製順序が前後する単位模様の一部が重なっていない場合には、単位模様間の間隔が狭く糸切りをしなくても刺繍の仕上がりに大きな影響を与えないと判断される場合であっても、糸切り有と設定されてしまうか、保留と設定される。そこで、次に示す第五の実施形態のようにしてもよい。以下、第五の実施形態における処理の流れについて図20及び図21を参照して説明する。尚、第四の実施形態における刺繍データ作成装置の物理的形態及び機能的形態は、RAMの記憶領域を除き同様であるので、第一の実施形態と異なるRAMの記憶領域については後述し、第一の実施形態と同様の形態の説明は省略する。また、第一の実施形態の場合と同様、以下、刺繍ミシンとは別体に設けられている刺繍データ作成装置41について説明する。
まず、第一の実施形態と異なるRAM53の記憶領域について図31を参照して説明する。図31は第五の実施形態におけるRAM53の記憶領域の説明図である。図31に示すように、第五の実施形態におけるRAM53の記憶領域には、図8に示す第一の実施形態のRAM53の記憶領域の他に、間隔判定糸切り設定手段に用いられる所定値を記憶する間隔閾値記憶領域551,直前単位模様と対象単位模様との間隔情報を記憶する間隔情報記憶領域552等が設けられている。
次に、第五の実施形態における糸切り設定処理(図9のS5)の流れを図20及び図21を参照して説明する。図20は、第五の実施形態における糸切り設定処理(図9のS5)の流れを示すフローチャートである。図20に示すように、第五の実施形態における刺繍データ作成処理の流れは、S50の処理において第一の実施形態と異なる。第一の実施形態と共通する処理については説明を省略し、以下、異なる処理S50について、図21を参照して説明する。図21は、S50の処理の流れを示すサブフローチャートである。尚、図20及び図21に示す糸切り設定処理を実行させるプログラムはROM52の刺繍データ作成プログラム記憶領域525に記憶されており、図6に示すCPU51が実行する。
第五の実施形態においては、領域判定糸切り設定手段により糸切り有又は保留と設定された直前単位模様と対象単位模様との間隔情報が所定値以上か否かに基づき、再度糸切り設定を行うようにしている。そこでS501において、直前単位模様と対象単位模様の間隔情報が取得され、RAM53の間隔情報記憶領域552に記憶される。この間隔情報としては、仕上がりに影響するか否かを判断する任意の間隔情報を採用可能である。例えば、直前単位模様の縫い終了点と対象単位模様との最短距離を間隔情報としてもよいし、直前単位模様の縫い終了点と対象単位模様の縫い始め点との間の距離を間隔情報としてもよい。
続いて、S501により取得され、RAM53上に記憶された間隔情報の値が所定値以上であるか否かが判断される(S502)。この所定値は、予め定めてRAM53の間隔閾値記憶領域551に記憶させておいてもよいし、刺繍データを作成するごとにオペレータが入力したものを間隔閾値記憶領域551に記憶させるようにしてもよい。S502において、間隔情報の値が所定値以上ではないと判断される場合(S502:NO)には、直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定は糸切り無と設定され(S503)、糸切り設定記憶領域535に設定結果が記憶される。その後、図20に示す糸切り処理のフローチャートのS12に進む。この処理により、単位模様間の間隔が狭く糸切りをしなくても刺繍の仕上がりに大きな影響を与えないと判断される場合の糸切り設定を糸切り無と設定することができる。一方、当該間隔情報の値が所定値以上である場合(S502:Yes)には、直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定は糸切り有又は保留と設定され(S504)、糸切り設定記憶領域535に設定結果が記憶される。その後、図20に示すフローチャートに戻り、S12に戻って処理を繰り返す。
以上のように、S50では第一の実施形態とは異なる処理が行われる。尚、S504において、糸切り有と設定されるか、又は、保留と設定されるかは、RAM53の記憶領域内の糸切り有/保留記憶領域538に記憶された情報に基づいている。S504において糸切り有と設定されるか、又は、保留と設定されるかについて、予め取り決めてRAM53の記憶領域内の糸切り有/保留記憶領域538に記憶させておいてもよいし、刺繍データを作成するごとにオペレータが設定し、RAM53の記憶領域内の糸切り有/保留記憶領域538に記憶させるようにしてもよい。また、S504において、糸切り有と設定されるか、又は、保留と設定されるかの設定は、S19において糸切り有と設定されるか、又は、保留と設定されるかの設定と同じ設定にする必要はない。また、S502では、間隔情報が所定値以上であるか否かが判断されているが、所定値よりも大きいか否かが判断されるようにしてもよい。その場合には、当該間隔情報の値が所定値より大きくない場合、即ち当該間隔情報の値が所定値以下だった場合(S502:NO)には、S503で直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定を糸切り無と設定し、当間隔情報の値が所定値より大きい場合(S502:Yes)には、S504で直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定を糸切り有又は保留と設定される。
以上説明した第五の実施形態によれば、渡り糸の発生による刺繍の仕上がりと、糸切りによる縫製時間の増加や糸始末にかかる労力とを考慮したより適切な糸切り判定を自動的に行うことができる。
尚、上記第五の実施形態において、図21に示すS501の直前単位模様と対象単位模様の間隔情報を取得するCPU51が本発明における間隔情報取得手段として機能する。また、S501において取得した間隔情報の値が所定値以上であるか否かを判断し、当該間隔情報の値が所定値以上ではない場合(S502:NO)には、S503で直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定を糸切り無と設定し、当間隔情報の値が所定値以上である場合(S502:Yes)には、S504で直前単位模様の縫い終了点における糸切り設定を糸切り有又は保留と設定するCPU51は本発明における間隔判定糸切り設定手段として機能する。尚、刺繍データ作成装置が刺繍ミシン1に内蔵されている場合には、前述の各ステップを実行する図2に示すCPU21が間隔情報取得手段、間隔判定糸切り設定手段として機能する。
尚、本発明は、以上詳述した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。第五の実施形態においては、縫製領域判定手段に供するデータとして、対象単位模様の閉領域縫製データ及び直前単位模様の縫い終了点の位置データを用いていたが、これらに限定されず、直前単位模様の縫い終了点と対象単位模様の縫製領域との位置関係を比較可能な情報を選択可能である。
また、第五の実施形態においては、図20及び図21に示す間隔判定糸切り設定処理(S50)を図10に示す第一の実施形態に適用していたが、これに限らず、図14に示す第二の実施形態、図16に示す第三の実施形態及び、図18に示す第四の実施形態に適用することも可能である。第二の実施形態に適用する場合には、図14の直前単位模様の縫い終了点を糸切り有又は保留と設定する処理(S19)と単位模様カウンタkをインクリメントする処理(S12)との間に行う処理として、図20に示す間隔判定糸切り設定処理(S50)を適用することができる。同様に、第三の実施形態に適用する場合には、図16の直前単位模様の縫い終了点を糸切り有又は保留と設定する処理(S19)と単位模様カウンタkをインクリメントする処理(S12)との間に行う処理として、図20に示す間隔判定糸切り設定処理(S50)を適用することができる。第四の実施形態に適用する場合には、図18の直前単位模様の縫い終了点を糸切り有又は保留と設定する処理(S19)と単位模様カウンタkをインクリメントする処理(S12)との間に行う処理として、図20に示す間隔判定糸切り設定処理(S50)を適用することができる。
刺繍ミシン1の斜視図である。 刺繍ミシン1の機能的構成を示すブロック図である。 ROM22の記憶領域を示す説明図である。 RAM23の記憶領域を示す説明図である。 刺繍データ作成装置41の物理的構成を示す全体構成図である。 刺繍データ作成装置41の機能的構成を示すブロック図である。 ROM52の記憶領域を示す説明図である RAM53の記憶領域を示す説明図である。 刺繍データ作成のメイン処理の流れを示すメインフローチャートである。 第一の実施形態における糸切り設定処理の流れを示すフローチャートである。 具体例1の刺繍仕上がりを表した説明図である。 具体例1を構成する一部の単位模様の閉領域縫製データによって表される縫製領域の説明図である。 具体例1を構成する一部の単位模様の閉領域縫製データによって表される縫製領域の説明図である。 第二の実施形態における糸切り設定処理の流れを示すフローチャートである。 第二の実施形態における糸切り設定処理の流れを示すサブフローチャートである。 第三の実施形態における糸切り設定処理の流れを示すフローチャートである。 第三の実施形態における糸切り設定処理の流れを示すサブフローチャートである。 第四の実施形態における糸切り設定処理の流れを示すフローチャートである。 第四の実施形態における糸切り設定処理の流れを示すサブフローチャートである。 第五の実施形態における糸切り設定処理の流れを示すフローチャートである。 第五の実施形態における糸切り設定処理の流れを示すサブフローチャートである。 具体例2の刺繍仕上がりを表した説明図である。 具体例3の刺繍仕上がりを表した説明図である。 具体例4の刺繍仕上がりを表した説明図である。 具体例5の刺繍仕上がりを表した説明図である。 具体例2を構成する単位模様の閉領域縫製データによって表される縫製領域の説明図である。 具体例3を構成する単位模様の閉領域縫製データによって表される縫製領域の説明図である。 具体例4を構成する単位模様の閉領域縫製データによって表される縫製領域の説明図である。 具体例5を構成する単位模様の閉領域縫製データによって表される縫製領域の説明図である。 第四の実施形態のRAM53の記憶領域を示す説明図である。 第五の実施形態のRAM53の記憶領域を示す説明図である。
符号の説明
1 刺繍ミシン
12 メモリカードスロット
13 入力ボタン
20 装置本体
21 CPU
22 ROM
23 RAM
41 刺繍データ作成装置
43 キーボード
44 マウス
45 メモリカードコネクタ
47 イメージスキャナ装置
50 装置本体
51 CPU
52 ROM
53 RAM

Claims (8)

  1. 1つの文字又は記号からなる単位模様を、刺繍ミシンにより複数刺繍縫製する為の刺繍データを作成する刺繍データ作成装置において、
    前記単位模様を記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された1つの単位模様からなる対象単位模様の縫製領域内に、前記記憶手段に記憶された前記対象単位模様の直前に縫製される単位模様である直前単位模様の縫製順序が最後の縫製点である縫い終了点が存在するか否かを判定する縫製領域判定手段と、
    前記縫製領域判定手段により前記対象単位模様の縫製領域内に前記直前単位模様の前記縫い終了点が存在すると判定された場合には、前記直前単位模様の前記縫い終了点での刺繍ミシンの糸切り機構による糸切り動作を設定する糸切り設定を糸切り無と設定し、前記縫製領域判定手段により前記対象単位模様の縫製領域内に前記直前単位模様の前記縫い終了点が存在しないと判定された場合には、当該糸切り設定を糸切り有又は保留と設定する領域判定糸切り設定手段と
    を備えたことを特徴とする刺繍データ作成装置。
  2. 前記単位模様を入力する入力手段を備え、
    前記記憶手段は、前記入力手段により入力された前記単位模様を記憶することを特徴とする請求項1に記載の刺繍データ作成装置。
  3. 前記縫製領域判定手段は、前記対象単位模様の縫製領域を1又は複数に区画した閉領域の刺繍位置情報である閉領域縫製データ内に、前記直前単位模様の前記縫い終了点の刺繍位置情報である縫い終了点データが存在するか否かを判定することにより、前記対象単位模様の縫製領域内に前記直前単位模様の前記縫い終了点が存在するか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の刺繍データ作成装置。
  4. 前記縫製領域判定手段は、前記対象単位模様が異なる縫い始め点を有する部分模様からなる場合には、当該対象単位模様における縫製順序が最初の部分模様である第一部分模様の縫製領域の前記閉領域縫製データ内に、前記直前単位模様の前記縫い終了点データが存在するか否かを判定することを特徴とする請求項3に記載の刺繍データ作成装置。
  5. 前記縫製領域判定手段は、前記対象単位模様が異なる縫い始め点を有する部分模様からなる場合には、当該対象単位模様における縫製順序が最初の部分模様である第一部分模様の縫製領域である部分模様縫製領域と当該部分模様縫製領域に連続する部分模様の縫製領域である連続縫製領域とのそれぞれの前記閉領域縫製データ内に、前記直前単位模様の前記縫い終了点データが存在するか否かを判定することを特徴とする請求項3又は4に記載の刺繍データ作成装置。
  6. 前記直前単位模様の縫製順序が最後となる縫製点の候補である終了予定点と、当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上の任意の点の位置データが、前記対象単位模様の前記閉領域縫製データ内に存在するか否かを判定する位置データ判定手段と、
    前記位置データ判定手段により終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上の任意の点の位置データが、前記対象単位模様の前記閉領域縫製データ内に存在すると判定された場合には、当該線分上の前記閉領域縫製データ内に存在すると判定された点のいずれかを前記直前単位模様の前記縫い終了点と設定し、前記位置データ判定手段により終了予定点と当該終了予定点の直前に縫製される縫製点とを結ぶ線分上の任意の点の位置データが、前記対象単位模様の前記閉領域縫製データ内に存在しないと判定された場合には、前記終了予定点を前記直前単位模様の前記縫い終了点と設定する縫い終了点設定手段と
    を備えたことを特徴とする請求項3乃至5のいずれかに記載の刺繍データ作成装置。
  7. 前記領域判定糸切り設定手段により糸切り有又は保留と設定された前記直前単位模様と前記対象単位模様との間の距離に関する情報である間隔情報を取得する間隔情報取得手段と、
    前記領域判定糸切り設定手段による前記糸切り設定の有無に関わらず、前記間隔情報取得手段が取得した間隔情報が所定の値よりも小さい場合には、前記直前単位模様の前記縫い終了点での前記糸切り設定を糸切り無と設定し、当該間隔情報が所定の値以上の場合には、前記糸切り設定を糸切り有又は保留と設定する間隔判定糸切り設定手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の刺繍データ作成装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の刺繍データ作成装置の各処理手段としてコンピュータを機能させるための刺繍データ作成プログラム。
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