JP2007235971A - 画像符号化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力された画像データの符号化後の画質や容量を領域ごとに制御すること。
【解決手段】画像符号化装置103は、DCT変換を用いて、入力画像データを符号化する画像符号化装置であって、入力画像データの領域毎の属性を保持した領域データを記憶する領域データバッファ109と、入力画像データをDCT変換するDCT変換処理部108と、DCT変換処理部108により作成されたDCT係数を領域データに基づいて、属性に応じた丸め処理を行う丸め処理部112とを備える。
【選択図】図1
【解決手段】画像符号化装置103は、DCT変換を用いて、入力画像データを符号化する画像符号化装置であって、入力画像データの領域毎の属性を保持した領域データを記憶する領域データバッファ109と、入力画像データをDCT変換するDCT変換処理部108と、DCT変換処理部108により作成されたDCT係数を領域データに基づいて、属性に応じた丸め処理を行う丸め処理部112とを備える。
【選択図】図1
Description
この発明は、画像符号化装置、画像符号化方法および画像符号化プログラムに関し、特に、画像データの画質や圧縮率を領域ごとに制御する画像符号化装置、画像符号化方法および画像符号化プログラムに関する。
従来、デジタルカメラ等で撮影されて得られる画像は、インターネット等のネットワークを用いて伝送されたり、ハードディスク等の記録媒体に蓄積する際に圧縮されたりする。画像データを圧縮する技術としては、JPEG(Joint Photographic Experts Group)符号化方式が広く用いられている。JPEG符号化方式は、自然画像の符号化に特に適した方式である。近年では、複写機のディジタル化、電子書籍の普及等に伴い、文字、写真、イラスト等の複数種の画像要素を含んだ画像データの符号化にもJPEG符号化方式が利用される機会が増えてきた。
JPEG符号化方式は、直交変換の1つである離散コサイン変換(DCT変換)することにより、画素データをDCT係数に変換した後に、量子化テーブルを用いて量子化し、最後にエントロピー符号化を行なう方式である。このJPEG符号化方式は、量子化テーブルの値を変更することにより、画質および圧縮率をコントロールすることができる。しかしながら、たとえば、画像データに文字が表されている場合と、写真が表されている場合と、イラストが表されている場合など、画像の性質により、最適な量子化テーブルの値が異なる。
一方、JPEG符号化方式では、量子化テーブルは1つの画像成分につき1つと規定されている。画像成分とは、画像プレーンをいい、例えば、RGBカラー画像は、R成分、G成分、B成分の3つの画像成分からなる。このため、画像データに、異なる属性の領域を含む場合、たとえば、文字が表された領域と、写真が表された領域と、イラストが表された領域とを含む場合等は、画像の部分的な領域毎に量子化テーブルを異ならせることができない。すなわち、領域毎に他の領域と独立して画質および圧縮率をコントロールすることができない。このため、次の2つの問題が生じる。
(1) 全ての領域の画質を一定以上に保つように量子化テーブルを設定した場合、過剰画質の領域が生じ、圧縮性能が低下する。
(2) 画像全体での画質評価値(たとえば、PSNR(peak-signal to noise ratio))を基準に量子化テーブルを設定した場合、画質の低い領域が生じる。この場合には、特定の領域、例えば文字が表された領域だけを他の領域と比べて画質を高めることができない。
これを緩和するための画像符号化制御方式が、特開平5−344348号公報(特許文献1)に記載されている。この画像符号化制御方式は、上述したJPEG符号化方式では1成分につき1つに限定されていた量子化テーブルを、画像の種別ごとに複数の量子化テーブルを準備し、領域毎にその種別に対応する量子化テーブルを用いる方式である。
特開平5−344348号公報
しかしながら、特開平5−344348号公報に開示されている画像符号化制御方式は、デコーダ側で、領域毎にどの量子化テーブルを用いたかを特定できなければならない。このため、符号化データ内に領域毎の量子化テーブル番号が付加データとして埋込まれている。この付加データの容量は、領域毎の量子化テーブルの切替を細かく設定すればする程増大する。また、用いる量子化テーブルの数を増やせば増やす程増大する。したがって、量子化テーブルを最適に設定する程圧縮性能が著しく低下してしまう。
また、現在一般的に用いられているJPEG符号化方式やMPEG符号化方式といった規格は、画像1成分につき量子化テーブルを複数使うことができない。そのため、複数の量子化テーブルの使用が前提である特開平5−344348号公報で開示されている画像符号化制御方式は、先の一般的な規格に対応した汎用的なデコーダで復号可能なデータを生成することができない。そのため独自仕様の複雑な処理を伴ったデコーダが必要となり、復号処理時間や復号に必要なリソースが増大する。また、量子化テーブルの数により、データ格納方法を変える必要があるため、量子化テーブル数を変更するとデコーダのアルゴリズムも変更しなければならず、拡張性に乏しいといった問題がある。
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、入力された画像データの符号化後の画質や圧縮率を領域ごとに制御することが可能な画像符号化装置、画像符号化方法および画像符号化プログラムを提供することである。
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、画像符号化装置は、直交変換を用いて、入力画像データを符号化する画像符号化装置であって、入力画像データの領域毎の属性を保持した領域データを記憶する領域データ記憶手段と、入力画像データの直交変換を行なう直交変換処理手段と、直交変換処理手段により作成された直交係数データを領域データに基づいて、属性に応じた丸め処理を行う丸め処理手段とを備える。
この発明に従えば、入力画像データが直交変換されて作成された直交係数データが、領域データに基づいて属性に応じて丸められる。このため、入力画像データの符号化後の画質や圧縮率を領域ごとに制御することが可能な画像符号化装置を提供することができる。
好ましくは、丸め処理手段で丸められた直交係数データを量子化する量子化処理手段をさらに備える。
好ましくは、入力画像データの属性毎に丸め後に取りうる値を規定した丸めスケールテーブルを複数記憶する丸めスケールテーブル記憶手段をさらに備え、丸め処理手段は、直交変換処理手段により作成された直交係数データを、領域データに関連して記憶されている丸めスケールテーブルで規定された値に丸める。
好ましくは、入力画像データの属性に関連した丸め精度を定義する丸めテーブルを複数記憶する丸めテーブル記憶手段をさらに備え、丸め処理手段は、直交変換処理手段により作成された直交係数データを、領域データに関連して記憶されている丸めテーブルを用いて丸める。
この発明に従えば、各領域において直交係数データが量子化に適した値に丸められる。このため、効率的に量子化することができる。
好ましくは、丸めテーブルは、領域の属性毎に異なる。
好ましくは、丸め処理手段で丸められた直交係数データを量子化する量子化処理手段をさらに備え、量子化処理手段で用いる量子化テーブルの要素は、丸め処理手段により用いられた丸めテーブルの対応する要素の公約数である。
好ましくは、丸め処理手段で丸められた直交係数データを量子化する量子化処理手段をさらに備え、量子化処理手段で用いる量子化テーブルの要素は、丸め処理手段により用いられた丸めテーブルの対応する要素の公約数である。
この発明に従えば、各領域において直交係数データが量子化にさらに適した値に丸められる。このため、さらに効率的に量子化することができる。
好ましくは、量子化処理手段で用いる量子化テーブルの要素は、丸め処理手段により用いられた丸めテーブルの対応する要素の最大公約数である。
好ましくは、直交変換処理手段は、ブロック単位で直交変換し、丸め処置手段は、直交変換されるブロック単位と同じブロック単位で丸め処理する。
好ましくは、複数の領域を含む入力画像データの複数の領域の属性を判定して領域データを生成する領域判定処理手段をさらに備える。
好ましくは、領域判定処理手段は、所定のアルゴリズムに従って領域を決定して属性を判定する。
好ましくは、領域判定処理手段は、ユーザによる指定の有無により領域を決定して属性を判定する。
好ましくは、領域判定処理手段は、画像中の位置から領域を決定して属性を判定する。
好ましくは、領域判定処理手段は、画像中から所定の形状を抽出する形状抽出手段を含み、抽出された形状を含む領域を決定して属性を判定する。
好ましくは、領域判定処理手段は、画像中から所定の形状を抽出する形状抽出手段を含み、抽出された形状を含む領域を決定して属性を判定する。
好ましくは、直交変換処理手段は、ブロック単位で直交変換し、領域判定処理手段は、ブロック単位の領域の直交係数データに基づいて属性を判定する。
この発明の他の局面によれば、画像符号化方法は、直交変換を用いて、入力画像データを符号化する画像符号化装置で実行される画像符号化方法あって、入力画像データの領域毎の属性を保持した領域データを記憶するステップと、入力画像データの直交変換を行なうステップと、直交変換ステップにより作成された直交係数データを領域データに基づいて、属性に応じた丸め処理を行なうステップとを含む。
この発明に従えば、入力画像データの符号化後の画質や圧縮率を領域ごとに制御することが可能な画像符号化方法を提供することができる。
この発明のさらに他の局面によれば、画像符号化プログラムは、上記画像符号化方法の各ステップをコンピュータに実行させる。
この発明に従えば、入力画像データの符号化後の画質や圧縮率を領域ごとに制御することが可能な画像符号化プログラムを提供することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態における画像符号化装置は、入力された画像データ(入力画像データ)を直交変換し、画像の領域毎に異なった丸め処理を行うことにより、領域毎に最適化した符号化処理を実現する装置である。本実施の形態における画像符号化装置は、文字画像要素を含んだ文字領域と、写真、イラスト等の画像を含み文字画像要素を含まない領域である非文字領域とで異なった丸め処理を行なう。また、直交変換はDCT変換を用い、変換は8画素×8画素のブロック単位で行なう。
第1の実施の形態における画像符号化装置は、入力された画像データ(入力画像データ)を直交変換し、画像の領域毎に異なった丸め処理を行うことにより、領域毎に最適化した符号化処理を実現する装置である。本実施の形態における画像符号化装置は、文字画像要素を含んだ文字領域と、写真、イラスト等の画像を含み文字画像要素を含まない領域である非文字領域とで異なった丸め処理を行なう。また、直交変換はDCT変換を用い、変換は8画素×8画素のブロック単位で行なう。
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像符号化装置の全体構成を示す図である。図1を参照して、画像符号化装置103は、画像入力装置101から入力画像データを受取り一時的に記憶する入力画像データバッファ105と、入力画像データに含まれる領域の属性を判定する領域判定処理部106と、判定された領域の属性を一時的に記憶するための領域データバッファ109と、入力データに直交変換するためのDCT変換処理部108と、DCT変換処理部108より出力されるDCT係数データを一時的に記憶するためのDCT係数データバッファ111と、丸めテーブル入力装置102より入力された丸めテーブルAを記憶するための丸めテーブルAバッファ107と、丸めテーブル入力装置102より入力された丸めテーブルBを記憶するための丸めテーブルBバッファ110と、丸めテーブルAと丸めテーブルBとから量子化テーブルを作成する量子化テーブル作成処理部113と、丸めテーブルAまたは丸めテーブルBを用いて、DCT係数データを丸める丸め処理部112と、丸められたDCT係数データを量子化する量子化処理部114と、量子化されたDCT係数データをエントロピー符号化するためのエントロピー符号化処理部116と、符号化されたエントロピー符号化データを一時的に記憶するためのエントロピー符号化データバッファ117と、エントロピー符号化データと量子化テーブルとから符号化データを作成するための符号化データ作成処理部118と、符号化データを一時的に記憶するための符号化データバッファ119とを含む。
符号化データバッファ119に記憶された符号化データは、符号化データ出力装置104により読出されて出力される。
入力画像データバッファ105は、画像入力装置101と接続されており、画像入力装置101から画像データが入力される。入力画像データバッファ105は、入力された入力画像データを一時的に記憶する。画像入力装置101は、画像データを出力し、たとえば、イメージスキャナ、デジタルカメラ、画像データを記憶したハードディスクなどの記憶装置である。入力画像データバッファ105は、領域判定処理部106およびDCT変換処理部108と接続され、それぞれからの読出し指示に応じて入力画像データを出力する。ここでは、入力画像データの大きさを、横画素数XSIZEとし、縦画素数YSIZEとする。
丸めテーブルAバッファ107と丸めテーブルBバッファ110とは、丸めテーブル入力装置102と接続されており、丸めテーブル入力装置102から丸めテーブルAと丸めテーブルBとがそれぞれ入力される。丸めテーブルAバッファ107は、入力された丸めテーブルAを記憶する。丸めテーブルBバッファ110は、入力された丸めテーブルBを記憶する。丸めテーブル入力装置102は、キーボードまたはマウス等の入力装置、または、丸めテーブルを記憶するハードディスク等の記憶装置である。丸めテーブルAバッファ107は、量子化テーブル作成処理部113および丸め処理部112と接続されており、それぞれからの読出し指示に応じて丸めテーブルAを出力する。丸めテーブルBバッファ110は、量子化テーブル作成処理部113および丸め処理部112と接続されており、それぞれからの読出し指示に応じて丸めテーブルBを出力する。
丸めテーブルAは、文字領域の丸め処理に用いられ、丸めテーブルBは非文字領域の丸め処理に用いられる。文字領域とは、文字が表された領域をいい、非文字領域とは文字領域以外の領域をいう。ここでは、丸めテーブルAおよび丸めテーブルBは、8行8列の行列とする。丸めテーブルA,Bは、後述する丸め処理部112で用いられ、DCT係数データの丸め単位を規定する。丸め単位は丸めテーブルA,Bの要素ごとに独立して規定される。このため、すべての要素で互いに異なる丸め単位とすることも可能である。
領域判定処理部106は入力画像データバッファ105から入力画像データを読出し、入力画像データから領域データを生成して、生成した領域データを領域データバッファ109に出力する。本実施の形態においては、領域データは、入力画像データの縦横画素数のそれぞれ1/8の大きさの縦画素数がXSIZE/8で横画素数がYSIZE/8の行列データとしている。このため、領域データの1つの要素は、入力画像データに直交変換するブロックに対応する。
領域判定処理部106は、入力画像データを縦8画素横8画素の複数のブロックに分割し、ブロック毎に画像の属性を判定する。ここでは、画像の属性は、文字属性と非文字属性とを含む。文字属性は文字が表されたブロックに与えられ、非文字属性は文字属性が与えられないブロックに与えられる。文字属性が与えられたブロックは文字領域となり、非文字種別が与えられたブロックは非文字領域となる。領域データの要素の値は、対応するブロックの種別が文字領域である場合に「1」が設定され、非文字領域である場合に「0」が設定される。なお、領域データは入力データの各ブロックの属性が特定できるデータであれば、他の格納形式であってもよい。
領域データバッファ109は、入力された領域データを一時的に記憶する記憶装置である。領域データバッファ109は、丸め処理部112と接続され、丸め処理部112からの読出し指示に応じて、領域データを出力する。
DCT変換処理部108は、入力画像データバッファ105から入力画像データを読取り、入力画像データを直交変換してDCT係数データを算出する。より具体的には、入力画像データを縦8画素、横8画素の複数のブロックに分割し、ブロック毎に直交変換してDCT係数データを算出する。DCT変換処理部108は、算出したDCT係数データをDCT係数データバッファ111に出力する。DCT変換処理部108で直交変換処理の対象とするブロックと、丸め処理部112で用いる丸めテーブルAおよび丸めテーブルBとは、サイズが同じである。このため、直交変換処理されるブロック単位と同じブロック単位で丸め処理される。
DCT係数データバッファ111は、記憶装置であり、入力されたDCT係数データを一時的に記憶する。DCT係数データバッファ111は、丸め処理部112、量子化処理部114およびエントロピー符号化処理部116とも接続される。
量子化テーブル作成処理部113は、丸めテーブルAバッファ107から丸めテーブルAを読出し、丸めテーブルBバッファ110から丸めテーブルBを読出し、量子化テーブルを作成する。本実施の形態においては、丸めテーブルAと丸めテーブルBとは、8×8の行列である。量子化テーブル作成処理部113は、丸めテーブルAおよび丸めテーブルBとサイズが同じ、8×8の行列である。量子化テーブルは、丸めテーブルAと丸めテーブルBの対応する位置の値の公約数とされる。好ましくは、最大公約数である。
そして、作成した量子化テーブルを量子化テーブルバッファ115に出力する。量子化テーブルバッファ115は、量子化テーブルを一時的に記憶するための記憶装置である。量子化テーブルバッファ115は、量子化処理部114に接続され、読出し指示に応じて量子化テーブルを出力する。
丸め処理部112は、領域データバッファ109から領域データを、丸めテーブルAバッファ107から丸めテーブルAを、丸めテーブルBバッファ110から丸めテーブルBを読取り、DCT係数データバッファ111に格納されているDCT係数データを丸めて、丸めた値に書き換える。このDCT係数データの丸めは、処理対象となるDCT係数データの属する領域の領域データにより、丸めテーブルAと丸めテーブルBのいずれかを用いて丸める。ここでは、領域データが「1」の場合には丸めテーブルAを用い、領域データが「0」の場合には丸めテーブルBを用いる。丸め処理とは、DCT係数データを、丸めテーブルA,Bで規定される丸め単位を整数倍した値のうち近い値とする処理である。本実施の形態においては、丸め処理は、DCT係数データを、丸めテーブルA,Bで規定される丸め単位で除算した商(整数)に、丸め単位を乗算した値としている(切捨て処理)。なお、DCT係数データを、丸めテーブルA,Bで規定される丸め単位で除算した商(整数)に1を加算した値に丸め単位を乗算した値としてもよい(切上げ処理)。さらに、DCT係数データを、丸めテーブルA,Bで規定される丸め単位で除算した商を四捨五入して整数とした値に丸め単位を乗算した値としてもよい(四捨五入処理)。
量子化処理部114は、量子化テーブルバッファ115から量子化テーブルを読取り、DCT係数データバッファ111に格納されている、丸め処理されたDCT係数データを量子化して書き換える。ここでの量子化は、DCT係数データを量子化テーブルの各要素で除算した商(整数)とすることをいう。
エントロピー符号化処理部116は、DCT係数データバッファ111から、DCT係数データを読取り、エントロピー符号化してエントロピー符号化データを生成し、エントロピー符号化データをエントロピー符号化データバッファ117に出力する。
符号化データ作成処理部118は、量子化テーブルバッファ115から量子化テーブルを、エントロピー符号化データバッファ117からエントロピー符号化データを読取り、符号化データを符号化データバッファ119に出力する。
入力画像データバッファ105、丸めテーブル1バッファ107、丸めテーブル2バッファ110、領域データバッファ109、DCT係数データバッファ111、量子化テーブルバッファ115、エントロピー符号化データバッファ117、符号化データバッファ119は、フラッシュメモリ、ハードディスク等のRAM(ランダムアクセスメモリ)によって実現される。
領域判定処理部106、DCT変換処理部108、丸め処理部112、量子化テーブル作成処理部113、量子化処理部114、エントロピー符号化処理部116、符号化データ作成処理部118は、例えばそれぞれ独立した回路によって実現される。また、例えばコンピュータ等の演算処理回路によって実現される仮想回路とされてもよい。この場合、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体に記録された画像符号化プログラムが、CD−ROMドライブ等により読取られてハードディスクに一旦格納され、さらに、ハードディスクからランダムアクセスメモリ(RAM)に読出されてCPU(Central Processing Unit)により実行されることにより、コンピュータのCPUに仮想回路が実現される。
図2は、入力される画像データと領域データとのサイズの関係を示す図である。図2(A)は画像データのサイズを示し、図2(B)は領域データのサイズを示す。図2(A)に示すように、入力画像データのサイズは、横画素数がXSIZEであり、縦画素数がYSIZEである。本実施の形態においては、領域判別に用いるブロックサイズを横画素数を8、縦画素数を8としているため、領域データのサイズは、図2(B)に示すように横画素数がXSIZE/8となり、縦画素数がYSIZE/8となる。
図3は、本実施の形態における画像符号化装置103に入力される文字領域用の丸めテーブルAの一例を示す図である。図4は、本実施の形態における画像符号化装置103に入力される非文字領域用の丸めテーブルBの一例を示す図である。図5は、本実施の形態における画像符号化装置103で生成される量子化データの一例を示す図である。
図4に示す非文字領域用の丸めテーブルの各要素の丸め単位は、図3に示す文字領域用の丸めテーブルの各要素の丸め単位に比較して大きな値となっている。これは、文字領域の画像は非文字領域の画像に比較して高周波成分が多く含まれていることによる。高周波成分が多く含む画像の丸め単位を小さくすることにより、復号後の画像の画質を向上させることができる。一方、高周波成分の少ない非文字領域の画像は、丸め単位を大きくしても、復号後の画像の画質に与える影響は少ない。丸め単位を大きくすることにより、丸め単位が小さい場合に比較して符号化効率を向上させることができる。
図5を参照して、量子化テーブルの各要素は、丸めテーブルAおよび丸めテーブルBの対応する要素の最大公約数となる。なお、最大公約数に代えて、公約数を用いることもできる。このように公約数を用いれば、量子化処理によって新たな誤差が生じない。
次に、画像符号化装置103の処理の流れを説明する。図6は、画像符号化装置103で実行される処理の流れを示すフローチャートである。図6を参照して、画像入力装置101から入力された画像データを入力画像データバッファ105に格納する(S202)。丸めテーブル入力装置102から入力された丸めテーブルAおよび丸めテーブルBを丸めテーブルAバッファ107および丸めテーブルBバッファ110にそれぞれ格納する(S203)。
領域判定処理部106にて、入力画像データバッファ105から、入力画像データを読取り、所定のアルゴリズムに従って文字領域と非文字領域を抽出して、領域データを作成する(S204)。より具体的には、縦×横が8画素×8画素のブロック単位で文字領域と非文字領域とのいずれかを判別し、領域データを作成する。そして、作成された領域データを領域データバッファ109に格納する(S205)。
領域データの作成には、特開2002―298139号公報に記載されている文字抽出アルゴリズムを用い、抽出結果からブロック毎に文字要素の有無を判定する。判定の結果、文字要素があれば「1」に、文字要素がなければ「0」をそのブロックに対応する領域データの要素に設定する。なお、本実施の形態においては、領域データを作成するアルゴリズムとして、文字要素の有無を基準に領域の判定を行う文字抽出アルゴリズムを用いたが、これに代えて、周知のアルゴリズムを任意に用いることができる。たとえば、平坦部とエッジ部等の基準で文字領域か否かを判別してもよい。また、ブロック単位で領域の属性を判定するのではなく、文字領域と非文字領域を抽出して、領域データを生成するようにしてもよい。
次に、DCT変換処理部108にて、入力画像データバッファ105に格納されている入力画像データを読込み、その画像データを縦×横が8画素×8画素のブロック単位でDCT係数データにDCT変換する(S206)。DCT係数データはDCT係数データバッファ111に記憶される(S207)。
量子化テーブル作成処理部113にて、量子化テーブルが作成される(S208)。量子化テーブルは、図3に示した丸めテーブルAと図4に示した丸めテーブルBのそれぞれ対応する要素の値の最大公約数をユークリッドの互除法を用いて求め、量子化テーブルの対応する要素の値に、求めた最大公約数を設定することにより作成される。このように図5に示した量子化テーブルを作成して、量子化テーブルバッファ115に格納する(S209)。なおここでは、最大公約数の算出にユークリッドの互除法を用いたが、公約数を算出するための他の算出法を用いてもよい。
そして、丸め処理部112にて、DCT係数データの各ブロックを領域データで指定されている丸めテーブルを用いて丸め処理する(S210)。すなわち、領域データの要素が「1」とされたブロックに対しては文字領域用の丸めテーブルAを用いてDCT係数データが丸められ、領域データの要素が「0」とされたブロックに対しては非文字領域用の丸めテーブルBを用いてDCT係数データが丸められる。
次に、量子化処理部114にて、丸め処理されたDCT係数データを量子化テーブルに基づいて量子化する(S211)。この量子化処理の対象となるDCT係数データは、上述したステップS210で丸め処理されたDCT係数データである。量子化テーブルの各要素は、複数の丸めテーブルの対応する各要素の最大公約数なので、丸め処理されたDCT係数データは、すべて割り切れる値となっているはずであり、丸め処理以上にデータが失われることがない。
さらに、エントロピー符号化処理部116にて、量子化されたDCT係数データに対してエントロピー符号化を行い(S212)、符号化されたエントロピー符号化データをエントロピー符号化データバッファ117に格納する(S213)。なお、エントロピー符号化を用いたが、可逆な符号化方式であれば、他の方式で符号化してもよい。
符号化データ作成処理部118は、エントロピー符号化データに量子化テーブルを埋め込んで符号化データを作成する(S214)。符号化データは、エントロピー符号化データと量子化テーブルとを含む。そして、符号化データを符号化データバッファ119に格納する(S215)。格納された符号化データは、符号化データ出力装置に出力される(S216)。
なお、第1の実施の形態における画像符号化装置103の丸め処理(S210)と、量子化処理(S211)の処理順序は入れ替えてもかまわない。
なお、直交変換は、DCT変換以外のフーリエ変換や、KL(Karhunen-Loeve)変換等を用いてもよい。また、直交変換を行なう単位は、8画素×8画素のブロック単位である必要はなく、M画素×N画素(M,N:正数)のブロック単位であれば良い。また、直交変換をM画素×N画素単位で行う場合、丸めテーブルA、丸めテーブルBおよび量子化テーブルはすべてN行M列(M×N)の行列となる。ステップS204での領域判定処理は、M画素×N画素のブロック単位で行い、領域データを入力画像データの横画素数の1/M倍の大きさの列と、縦画素数の1/N倍の大きさの行とからなる行列データとする。また、ステップS204での領域判定処理をM画素×N画素のブロック単位で行なわない場合であっても、領域データは入力画像データの横画素数の1/M倍の大きさの列と、縦画素数の1/N倍の大きさの行とからなる行列データとする。
本実施の形態では、静止画像データの画像符号化装置を示したが、動画像データの各フレーム画像は静止画像データである。したがって、本実施の形態の画像符号化装置は、動画像データのフレーム画像の符号化にそのまま用いることができる。
<領域判定処理の変形例>
上述した領域判定処理部106では、所定のアルゴリズムを用いて文字属性の文字領域と非文字属性の非文字領域とを抽出して領域データを作成する例を示した。画像の属性は、任意に定義できる。本実施の形態で例に用いた文字属性の他に、たとえば、指定属性、形状属性、位置属性、周波数属性等を定義することができる。
上述した領域判定処理部106では、所定のアルゴリズムを用いて文字属性の文字領域と非文字属性の非文字領域とを抽出して領域データを作成する例を示した。画像の属性は、任意に定義できる。本実施の形態で例に用いた文字属性の他に、たとえば、指定属性、形状属性、位置属性、周波数属性等を定義することができる。
(1) 指定属性
指定属性とは、画像データ中のユーザが指定した領域に与えられる属性である。ユーザが、ディスプレイに表示された画像データを見ながら、ポインティングデバイスなどで領域を指定することにより、画像中の指定された領域が指定属性とされる。領域判定処理部106は、ユーザによる指定の有無が判断されて、指定された領域の属性を指定属性に判定する。
指定属性とは、画像データ中のユーザが指定した領域に与えられる属性である。ユーザが、ディスプレイに表示された画像データを見ながら、ポインティングデバイスなどで領域を指定することにより、画像中の指定された領域が指定属性とされる。領域判定処理部106は、ユーザによる指定の有無が判断されて、指定された領域の属性を指定属性に判定する。
なお、領域データは、領域判定処理部106で判定することなく、入力画像データとともに画像符号化装置103に入力されるようにしてもよい。この場合には、領域判定処理部106は不要となる。
指定属性と指定属性以外の領域には、異なる丸めテーブルが対応付けられる。これにより、指定属性の領域と指定属性以外の領域とで丸め量を異ならせることができる。文字属性以外の写真が表された非文字属性の領域であっても、DCT係数データの高周波成分が重要となる領域と重要でない領域とがある。高周波成分が重要となる領域を指定することにより、重要でない領域の丸め量を多くすることができ、その結果、重要でない領域の圧縮率を高くしつつ、重要な領域の画質が劣化するのを防止することができる。
(2) 形状属性
形状属性とは、画像データに含まれる所定の形状の領域に与えられる属性をいう。たとえば、画像データに人物を撮影した写真画像が含まれている場合に、人の顔の輪郭を所定の形状とすることにより、画像データから人の顔の領域を抽出することができる。この抽出された領域に形状属性が与えられる。領域判定処理部106は、入力画像データから所定の形状を抽出する形状抽出部を含み、形状抽出部により抽出された形状を含む領域を決定し、その領域を形状属性と判定する。
形状属性とは、画像データに含まれる所定の形状の領域に与えられる属性をいう。たとえば、画像データに人物を撮影した写真画像が含まれている場合に、人の顔の輪郭を所定の形状とすることにより、画像データから人の顔の領域を抽出することができる。この抽出された領域に形状属性が与えられる。領域判定処理部106は、入力画像データから所定の形状を抽出する形状抽出部を含み、形状抽出部により抽出された形状を含む領域を決定し、その領域を形状属性と判定する。
形状属性の領域用の丸めテーブルを準備すれば、画像中に含まれる形状属性の領域だけ、他の領域とは異なる丸め処理を行うことができる。たとえば、形状属性用の丸めテーブルの丸め単位を他の丸めテーブルよりも小さな値とすれば、人物の領域のみの画質の劣化を防止しながら、人物以外の領域の画質をある程度劣化させて圧縮率を向上させることができる。すなわち、所定の形状の領域の画質が劣化するのを防止しつつ、圧縮率を向上させることができる。
(3) 位置属性
位置属性とは、画像データ中の位置により定まる領域に与えられる属性をいう。人物の顔を撮影した写真は、写真の中央部分に人物の顔が通常は位置する。したがって、入力画像データ中の中央部分の所定範囲の領域に位置属性を与える。領域判定処理部106は、入力画像データ中の位置から領域を決定して、その領域の属性を形状属性に判定する。
位置属性とは、画像データ中の位置により定まる領域に与えられる属性をいう。人物の顔を撮影した写真は、写真の中央部分に人物の顔が通常は位置する。したがって、入力画像データ中の中央部分の所定範囲の領域に位置属性を与える。領域判定処理部106は、入力画像データ中の位置から領域を決定して、その領域の属性を形状属性に判定する。
位置属性の領域用の丸めテーブルを準備すれば、画像中に含まれる位置属性の領域だけ、他の領域とは異なる丸め処理を行うことができる。たとえば、位置属性用の丸めテーブルの丸め単位を他の丸めテーブルよりも小さな値とすれば、画像の中央部分の画質の劣化を防止しながら、周辺部分の画質をある程度劣化させて圧縮率を向上させることができる。
(4) 周波数属性
周波数属性とは、直交変換後のDCT係数データに基づき定められる属性である。周波数属性は、たとえば、直交変換後のDCT係数データの周波数成分の総和を周波数成分のうちブロックの右下近傍のDCT係数データの和で除算した値が、所定のしきい値よりも小さい場合に周波数成分が重要な周波数属性のブロックとし、そうでない場合に周波数成分が重要でない非周波数属性のブロックとする。領域判定処理部106は、ブロック単位の領域のDCT係数データに基づいて属性を判定する。好ましくは、領域判定処理部106は、ブロック単位の領域のDCT係数データの周波数成分に基づいて属性を判定する。
周波数属性とは、直交変換後のDCT係数データに基づき定められる属性である。周波数属性は、たとえば、直交変換後のDCT係数データの周波数成分の総和を周波数成分のうちブロックの右下近傍のDCT係数データの和で除算した値が、所定のしきい値よりも小さい場合に周波数成分が重要な周波数属性のブロックとし、そうでない場合に周波数成分が重要でない非周波数属性のブロックとする。領域判定処理部106は、ブロック単位の領域のDCT係数データに基づいて属性を判定する。好ましくは、領域判定処理部106は、ブロック単位の領域のDCT係数データの周波数成分に基づいて属性を判定する。
右下近傍の要素は、たとえば、8行8列のブロックの場合、8行6列、8行7列、8行8列、7行7列、7行8列、6行8列の6つの要素とすればよい。
DCT係数データの周波数成分は、1行1例の直流成分の要素を除くすべての要素である。
DCT係数データの周波数成分は、1行1例の直流成分の要素を除くすべての要素である。
(5) 画像属性の組み合わせ
画像の属性は、任意に定義して、それを組合わせて用いてもよい。たとえば,前述の文字属性、形状属性、位置属性、周波数属性をそれぞれ単独で定義してもよいが、これらを組合わせて定義してもよい。具体的には、文字属性かつ指定属性、非文字属性かつ形状属性、非文字属性かつ周波数属性などである。
画像の属性は、任意に定義して、それを組合わせて用いてもよい。たとえば,前述の文字属性、形状属性、位置属性、周波数属性をそれぞれ単独で定義してもよいが、これらを組合わせて定義してもよい。具体的には、文字属性かつ指定属性、非文字属性かつ形状属性、非文字属性かつ周波数属性などである。
たとえば、文字属性と周波数属性とを組み合わせた場合に画像の属性は、文字属性かつ周波数属性、文字属性かつ非周波数属性、非文字属性かつ周波数属性および非文字属性かつ非周波数属性の4通りがある。4通りの属性それぞれに対して丸めテーブルを準備して、丸め処理を行えば、4つの属性の領域ごとに異なる丸め処理を行うことができる。
なお、組合わせは2つの属性の組み合わせに限らず、3つ以上の属性を組あわせてもよい。例に挙げたすべての属性を組み合わせた場合、領域データは、各要素を6ビットとして、第1ビットを文字属性、第2ビットを指定属性、第3ビットを形状属性、第4ビットを位置属性、第5ビットを周波数属性を割り当てればよい。
各属性および組み合わせられた属性それぞれに丸めテーブルを対応させることができる。このようにして領域データの属性をL通り用意すれば、L個の丸めテーブルを用い、L通りの異なる丸め処理をおこなうことができる。この場合には、丸めテーブルバッファはL個備える必要がある。L個の丸めテーブルを用いる場合であっても、量子化テーブルの各要素は、L個の丸めテーブルの対応する要素の公約数または最大公約数なので、量子化テーブルは1つでよい。
以上説明したように本実施の形態における画像符号化装置103は、領域毎に異なった丸めテーブルを用いた丸め処理を行うので、領域毎に圧縮後の画質や圧縮率を制御することが可能となる。
また、文字領域用の丸めテーブルAと非文字領域用の丸めテーブルBとは領域の種類に応じて定められるため、画像データの画質や符号化後の圧縮率を領域の属性毎に制御することができる。
さらに、量子化テーブルの要素は、文字領域用の丸めテーブルAと非文字領域用の丸めテーブルBとの対応する要素の公約数なので、DCT係数データが量子化に適した値に丸められるので、領域ごとに効率的に量子化することができる。最大公約数とすれば、さらに効率的に量子化することができる。
本実施の形態における画像符号化装置103は、量子化テーブルは画像1成分につき1つでよいため量子化テーブルが1つでよい。このため、特開平5−344348号公報に記載されている画像符号化制御方式で必要であった領域毎の量子化テーブル識別情報を符号化データに埋め込む必要がない。その結果、圧縮性能を高くすることができ、同容量下での画質を向上させることができる。
また、量子化テーブルが1つであることの利点はこれだけにとどまらず、JPEG方式やMPEG方式が適用された従来から用いられているデコーダを改良することなく、それらに入力するためのデータを作成することができる。
また、デコーダ側の復号処理は、特開平5−344348号公報で開示されている画像符号化制御方式と比べると単純となるため、少ないリソースでの高速復号処理が可能となる。
また、丸めテーブルの数の増加や、領域毎の設定の細分化を行なっても、領域に関する情報は復号に全く必要ないため、特開平5−344348号公報で開示されている画像符号化制御方式のように圧縮性能が著しく低下することはなく、むしろ領域毎に丸めテーブルを細かく最適に設定すればするほど、圧縮性能は向上する。これにより、例えば、同じ文字でも、小さい文字では、高周波に対応した箇所の丸めテーブルの要素値を比較的小さくし、大きい文字では高周波に対応した箇所の丸めテーブルの要素値を比較的大きくするなど、細かな設定が可能となる。
また、DCT係数データに基づいて、丸め処理に用いる丸めテーブルを切換えるようにしてもよい。
なお、本実施の形態においては、画像の属性として、文字属性、指定属性、形状属性、位置属性、周波数属性を示したが、これに限られることなく、ある領域を他の領域と区別できる領域に、他のいかなる属性を含めてもよい。そして、その属性に適した丸めテーブルを用いて丸め処理をすればよい。
また、本実施の形態においては、量子化処理部114で量子化処理をするようにしたが、この量子化処理部114は必ずしも必要でない。丸め処理されたDCT係数データを直接エントロピー符号化するようにしてもよく、この場合であっても異なる属性の領域ごとに圧縮後の画質やデータ圧縮率を制御することができる。
さらに、本実施の形態においては、画像符号化装置103について説明したが、図6に示した処理を実行する画像符号化方法、または、それらの処理をコンピュータに実行させるための画像符号化プログラムとしても実現できる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態における画像符号化装置は、第1の実施の形態における画像符号化装置103が領域判定処理部106を備えたのと異なり、外部から領域データを読込むようにしたものである。その他の構成は第1の実施の形態における画像符号化装置103と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
本発明の第2の実施の形態における画像符号化装置は、第1の実施の形態における画像符号化装置103が領域判定処理部106を備えたのと異なり、外部から領域データを読込むようにしたものである。その他の構成は第1の実施の形態における画像符号化装置103と同様であるので、ここでは説明を繰り返さない。
図7は、第2の実施の形態における画像符号化装置の全体構成を示す図である。画像符号化装置103Aは、図1に示した第1の実施の形態における画像符号化装置103と異なるところは、画像符号化装置103Aには領域判定処理部106に相当する部分がなく、領域データが外部の領域データ入力装置201から入力され、領域データバッファ109に記憶される点である。
図8は、第2の実施の形態における画像符号化装置103Aで実行される処理の流れを示すフローチャートである。図6に示した第1の実施の形態における画像符号化装置103の処理と異なるところは、ステップS204における領域判定処理に相当する処理がなくなっている点と、領域データの領域データバッファ109へ格納するステップS205において、領域データが入力装置201から入力される点である。
領域データが外部から入力されるので、画像符号化装置103Aの処理負荷を低減することができる。
なお、第2の実施の形態における画像符号化装置103Aの丸め処理(S210)と、量子化処理(S211)の処理順序は入れ替えてもかまわない。
<第3の実施の形態>
上述した第1または第2の実施の形態における画像符号化装置103,103Aでは、量子化テーブルを丸めテーブルから内部的に生成するものであった。第3の実施の形態における画像符号化装置は、量子化テーブルを外部から入力するようにした点で異なる。
上述した第1または第2の実施の形態における画像符号化装置103,103Aでは、量子化テーブルを丸めテーブルから内部的に生成するものであった。第3の実施の形態における画像符号化装置は、量子化テーブルを外部から入力するようにした点で異なる。
図9は、第3の実施の形態における画像符号化装置の全体構成を示す図である。第3の実施の形態における画像符号化装置103Bと、図7に示した第2の実施の形態における画像符号化装置103Aの異なるところは、画像符号化装置103Bには量子化テーブル作成処理部113に相当する部分がなく、量子化テーブルが外部の量子化テーブル入力装置301から入力され、量子化テーブルバッファ115に記憶される点である。
図10は、第3の実施の形態における画像符号化装置103Bで実行される処理の流れを示すフローチャートである。図8に示した第2の実施の形態における画像符号化装置103Aの処理と異なるところは、ステップS208の量子化テーブル作成処理がない点だけでありそれ以外は全く同じである。第1または第2の実施の形態における画像符号化装置103,103Aでは、量子化処理によってDCT係数データの情報が失われることはなかったが、第3の実施の形態における画像符号化装置103Bでは、DCT係数データは量子化処理により一部失われる。また、丸め処理が属性に応じて実行される点は、第1または第2の実施の形態における画像符号化装置103、103Aと同じであるので、第1または第2の実施の形態における画像符号化装置103、103Aと同様に、画像の属性に応じて領域毎に圧縮率を制御することが可能である。
第3の実施の形態における画像符号化装置103Bは、量子化テーブル作成処理部113がないため、第1または第2の実施の形態における画像符号化装置103、103Aと比べると、システム構成が単純で、計算コストを下げることができる。また、第1または第2の実施の形態における画像符号化装置103、103Aは、量子化テーブルを丸めテーブルの最大公約数とすることで、画質コントロールを丸め処理のみで行うため、画質制御のし易い合理的な装置であったが、丸めテーブルに例えば素数が多く含まれていた場合など最大公約数が小さくなる可能性がある。量子化テーブルの値の大きさは全体の圧縮率に関連するため、この場合、量子化テーブルの要素が小さい値となり、全体の圧縮率を下げる結果になる恐れがある。そのため、第1または第2の実施の形態の画像符号化装置103、103Aは、丸めテーブルをどう設定するかに気を配る必要があった。それに対して、第3の実施の形態の画像符号化装置103Bでは、丸め処理と量子化処理の両方で画質コントロールを行うため、画質コントロールは第1または第2の実施の形態と比べ、しづらいところもあるが、量子化テーブルが丸めテーブルにより、変わらないため、丸めテーブルの設定に気を配る必要がない。
なお、第1の実施の形態における画像符号化装置103のように、領域判定処理部106を設けて、入力画像データから領域データを生成するようにしてもよい。
第3の実施の形態における画像符号化装置103Bによれば、領域の属性に応じて異なる丸めテーブルを用いて丸め処理を実行した後に、外部から入力された1つの量子化テーブルに従って量子化処理を実行するので、領域ごとに異なる量子化をしたのと同様の結果が得られる。このため、送信する量子化テーブルが1つでも、画像の属性に応じて圧縮率を異ならせることができる。
また、第3の実施の形態における画像符号化装置103Bの丸め処理(S210)と、量子化処理(S211)の処理順序は入れ替えてもかまわない。
<第4の実施の形態>
上述した第1〜第3の実施の形態における画像符号化装置103,103A,103Bはいずれも(DCTの)各要素の丸め処理の刻み幅を規定した丸めテーブルを用いた。第4の実施の形態における画像符号化装置103Cは、丸め処理の刻み幅が一定とは限らない丸めスケールテーブルを用いるようにしたものである。
上述した第1〜第3の実施の形態における画像符号化装置103,103A,103Bはいずれも(DCTの)各要素の丸め処理の刻み幅を規定した丸めテーブルを用いた。第4の実施の形態における画像符号化装置103Cは、丸め処理の刻み幅が一定とは限らない丸めスケールテーブルを用いるようにしたものである。
図11は、第4の実施の形態における画像符号化装置の全体構成を示す図である。第4の実施の形態における画像符号化装置103Cは、図9に示した第3の実施の形態における画像符号化装置103Bと異なるところは、丸め処理に関連するデータの入力が、丸めテーブル入力装置102から丸めスケールテーブル入力装置401に変更された点と、丸めテーブルバッファAおよび丸めテーブルバッファBが丸めスケールテーブルAバッファ402および丸めスケールテーブルBバッファ403に変更された点と、丸め処理部112がスケールによる丸め処理部404に変更された点である。
スケールテーブル入力装置401から入力されるスケールテーブルは、丸め処理により丸めることが可能な値を(DCTの)要素毎に規定する。このスケールテーブルを用いた丸め処理では、丸め処理の刻み幅を任意に設定することが可能である。丸めスケールテーブルAバッファ402、丸めスケールテーブルBバッファ403は、フラッシュメモリ、ハードディスク等のRAM(ランダムアクセスメモリ)によって実現される。
スケールテーブルによる丸め処理部404は、たとえばそれぞれ独立した回路によって実現される。また、たとえばコンピュータ等の演算処理回路によって実現される仮想回路とされてもよい。この場合、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の記録媒体に記録された画像符号化プログラムが、CD−ROMドライブ等により読取られてハードディスクに一旦格納され、さらに、ハードディスクからランダムアクセスメモリ(RAM)に読出されてCPU(Central Processing Unit)により実行されることにより、コンピュータのCPUに仮想回路が実現される。
次に、画像符号化装置103Cの処理の流れを説明する。図12は、第4の実施の形態における画像符号化装置103Cで実行される処理の流れを示すフローチャートである。図12を参照して、画像入力装置101から入力された画像データを入力画像データバッファ105に格納する(S202)。丸めスケールテーブル入力装置401から入力された丸めスケールテーブルAおよび丸めスケールテーブルBを丸めスケールテーブルAバッファ402および丸めスケールテーブルBバッファ403にそれぞれ格納する(S203A)。
領域データ入力装置201から、領域データを領域データバッファ109に格納する(S205)。
次に、入力画像データをDCT変換し(S206)、DCT係数をDCT係数バッファ111に格納する(S207)。
そして、スケールテーブルによる丸め処理部404にて、DCT係数データの各ブロックを領域データで指定されている丸めスケールテーブルを用いて丸め処理する(S210A)。すなわち、領域データの要素が「1」とされたブロックに対しては文字領域用の丸めスケールテーブルAを用いてDCT係数データが丸められ、領域データの要素が「0」とされたブロックに対しては非文字領域用の丸めスケールテーブルBを用いてDCT係数データが丸められる。
スケールテーブルによる丸め処理とは、丸めスケールテーブルで規定されている丸めることが可能な値に丸めることであり、その方法はどのようなものであってもよい。ここでは、最も近い値に丸めた。その他、スケールテーブルによる丸め処理には、たとえば、丸めスケールテーブルで規定されている値のなかで、値が減少する方向に最も近い値に丸める方式でもよい。
次に、量子化テーブル入力装置301から、量子化テーブルを量子化テーブルバッファ115に読み込み、量子化処理部114にて、丸め処理されたDCT係数データを量子化テーブルに基づいて量子化する(S211)。この量子化処理の対象となるDCT係数データは、上述したステップS210Aで丸め処理されたDCT係数データである。
さらに、エントロピー符号化処理部116にて、量子化されたDCT係数データに対してエントロピー符号化を行い(S212)、符号化されたエントロピー符号化データをエントロピー符号化データバッファ117に格納する(S213)。なお、エントロピー符号化を用いたが、可逆な符号化方式であれば、他の方式で符号化してもよい。
符号化データ作成処理部118は、エントロピー符号化データに量子化テーブルを埋め込んで符号化データを作成する(S214)。符号化データは、エントロピー符号化データと量子化テーブルとを含む。そして、符号化データを符号化データバッファ119に格納する(S215)。格納された符号化データは、符号化データ出力装置104に出力される(S216)。
なお、直交変換は、DCT変換以外のフーリエ変換や、KL(Karhunen-Loeve)変換等を用いてもよい。また、直交変換を行なう単位は、8画素×8画素のブロック単位である必要はなく、M画素×N画素(M,N:正数)のブロック単位であれば良い。また、直交変換をM画素×N画素単位で行う場合、量子化テーブルはN行M列(M×N)の行列となる。ステップS204での領域判定処理は、M画素×N画素のブロック単位で行い、領域データを入力画像データの横画素数の1/M倍の大きさの列と、縦画素数の1/N倍の大きさの行とからなる行列データとする。また、ステップS204での領域判定処理をM画素×N画素のブロック単位で行なわない場合であっても、領域データは入力画像データの横画素数の1/M倍の大きさの列と、縦画素数の1/N倍の大きさの行とからなる行列データとする。
第4の実施の形態における画像符号化装置103Cによれば、領域の属性に応じて異なるスケールテーブルを用いて丸め処理を実行した後に、外部から入力された1つの量子化テーブルに従って量子化処理を実行するので、領域ごとに異なる量子化をしたのと同様の結果が得られる。このため、送信する量子化テーブルが1つでも、画像の属性に応じて圧縮率を異ならせることができる。
なお、第1の実施の形態における画像符号化装置103のように、領域判定処理部106を設けて、入力画像データから領域データを生成するようにしてもよい。
また、第4の実施の形態における画像符号化装置103Cのスケールテーブルによる丸め処理(S210A)と、量子化処理(S211)の処理順序は入れ替えてもかまわない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
101 画像入力装置、102 テーブル入力装置、103,103A,103B,103C 画像符号化装置、104 符号化データ出力装置、105 入力画像データバッファ、106 領域判定処理部、107 丸めテーブルAバッファ、108 変換処理部、109 領域データバッファ、110 丸めテーブルBバッファ、111 DCT係数データバッファ、112 処理部、113 量子化テーブル作成処理部、114 量子化処理部、115 量子化テーブルバッファ、116 エントロピー符号化処理部、117 エントロピー符号化データバッファ、118 符号化データ作成処理部、119 符号化データバッファ、201 領域データ入力装置、301 量子化テーブル入力装置、401 丸めスケールテーブル入力装置、402 丸めスケールテーブルAバッファ、403 丸めスケールテーブルBバッファ、404 スケールテーブルによる丸め処理部。
Claims (1)
- 直交変換を用いて、入力画像データを符号化する画像符号化装置であって、
前記入力画像データの領域毎の属性を保持した領域データを記憶する領域データ記憶手段と、
前記入力画像データの直交変換を行なう直交変換処理手段と、
前記直交変換処理手段により作成された直交係数データを前記領域データに基づいて、属性に応じた丸め処理を行なう丸め処理手段とを備えた、画像符号化装置。
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