JP2007234916A - 波長可変レーザ光源およびそのパラメータ調整方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】波長選択特性が良好で、小形で組み立ての容易なリトローキャビティ構造を適用した波長可変レーザ光源を提供する。
【解決手段】外部共振器型の波長可変レーザ光源において、光通信で定められた波長グリッド間隔と、当該光源の外部共振器の縦モードの間隔である自由スペクトラルレンジ(FSR)との比が、概ね整数+0.5対1の比率となる外部共振器の長さを有し、かつ外部共振器内の利得媒体10に位相を変化させる機能を有する位相調整部を有する。さらに、波長可変フィルタである回折格子30の駆動体にMEMS31を用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光通信に用いられる波長多重用の光源に関し、特に、波長可変レーザ光源およびそのパラメータ調整方法に適用して有効な技術に関する。
複数の波長の光を変調して1本の光ファイバで伝送する波長多重(WDM)は、近年のデータ通信の容量の拡大に伴い必須の方式となってきている。このWDMのシステムを構成する光源には、定められたグリッド波長のみを出力する固定波長光源から、複数の波長の光を出力することの出来る波長可変光源を用いる場合が多くなってきている。なかでも、ある帯域全域(たとえばCバンドと呼ばれる帯域は波長で約1.52μmから1.57μmの範囲にわたり、この範囲内で約0.04μmまたは0.08μmごとに通信に用いられる波長グリッドが設定されている)にわたって波長を変えることのできる光源の需要が増加してきている。
このような波長可変光源を実現する方式はいくつかある。たとえば、光の利得媒体と、動作波長領域で1つまたは複数の透過ピーク特性を有する波長可変フィルタと、反射鏡とで外部共振器型のレーザ共振器構造を構成するという方式がある。なお、波長可変フィルタが反射鏡の機能を含んでも良く、この場合には前記の透過特性(透過ピーク特性)を反射特性と読み替える。
光の利得媒体は、ファブリーペロー型のレーザダイオードと同一の構成で、片方の光導波路端面の反射率を小さくすることで得られる。このような利得媒体内で光が透過する領域の断面寸法は数μmと小さく、利得媒体から出射される光線は発散光となる。そのため、利得媒体と波長可変フィルタとの間には、利得媒体からの出射光をコリメート光に変換するレンズが配置される。
利得媒体とレンズと波長可変フィルタ、または利得媒体とレンズと波長可変フィルタと反射鏡とで構成された外部共振器型レーザ光源の発振波長は、波長可変フィルタの透過または反射がピークとなる特性と、共振器の反射面両端間で位相がそろう縦モード条件との積条件で定まる。縦モード条件による特性は、共振器の長さによって定まる周波数の自由スペクトラルレンジ(FSR)の整数倍で繰返しのピークを有する特性となる。
外部共振器型レーザ光源で、波長フィルタの波長透過または反射特性が、縦モードによる繰返しピークの周期に比較して広い場合には、複数のモードで発振する可能性がある。これを防ぐため、通信に用いられる波長グリッドに透過ピークを有する、帯域の狭い波長フィルタを併用する場合がある。
波長可変フィルタを実現する方式は種々あるが、たとえば回折格子を用いる方式がある。利得媒体からレンズを介して光線が回折格子に照射され、波長によって回折角度に差異が生じ、特定の角度の光線のみが利得媒体に戻るようにして、共振器を構成する方式である。波長を変えるには、利得媒体に戻る回折光の角度を変化させる。波長の選択特性は、所望の波長からのずれが、回折角度のずれとなり、利得媒体側に戻る際にレンズによって角度のずれが、利得媒体の光線出射面での光軸の位置ずれとなり、この位置ずれが戻り光と利得媒体との結合量の低下となって生じる。したがって波長選択特性は、回折格子による波長と回折角度との関係と、光線角度のずれによる戻り光の利得媒体との結合特性という2つの特性によって定まる。
利得媒体の回折格子を波長可変フィルタとして用いるレーザ共振器の構造としては、(1)回折格子に入射した光線の回折光の光軸が入射光線の光軸と一致する構成のリトローキャビティ構造、(2)回折光をミラーで反射させ、反射光が回折格子に入射してもう一度回折されて利得媒体に戻るリットマンキャビティ構造、が良く知られている。
図7は、上記レーザ共振器の構成を簡単に示す図で、図7(a)はリトローキャビティ構造、図7(b)はリットマンキャビティ構造を示している。利得媒体10から出射された光線12は、レンズ20を通ってコリメート光13となり、リトローキャビティ構造の場合には、図7(a)の回折格子30に入射し、回折光はコリメート光13と同じ光路で利得媒体10に戻る。図7(b)のリットマンキャビティ構造の場合には、回折格子30に入射したコリメート光13は、入射した光線とは異なる方向に回折し、ミラー40によって反射され、その反射光はミラー40に入射した光線と同じ光路をたどって利得媒体10に戻る。なお、これらの構成による共振器長さは屈折率を考慮して真空中の光路長に換算しておよそ10mm以上20mm以下程度であり、この長さによるFSRは10GHz前後となる。
波長可変とするには、図7(a)のリトローキャビティ構造では回折格子30の傾きを矢印Aの向きで変化させる。図7(b)のリットマンキャビティ構造ではミラー40を矢印Bの向きで変化させる。リトローキャビティ構造は、回折格子自体を傾けて波長を変えるので、ミラー不要で構成は簡単になる。リットマンキャビティ構造は、ミラーの回転中心を利得媒体の端面近傍に配置することで、レーザ発振の波長条件と位相条件の両者を同時に成立させることが可能となり、これにより波長可変時に波長跳びなどのモード異常の無い波長変化が実現できる。また、リットマンキャビティ構造はミラーによる反射で、波長のずれによる角度のずれがリトローキャビティ構造の倍となるため、波長選択特性が良くなる。
回折格子を波長フィルタとして用いる光通信用の波長光源、特に小形のパッケージで実現したものは、たとえば非特許文献1に記載されており、この光源はリットマンキャビティ構造を用いたものである。
リトローキャビティは、ミラーが不要で部品数は少なくてすむが、波長選択特性があまり良好でない。本発明者らの計算によると、利得媒体の出射光広がりの半値幅が16度、レンズの焦点距離が0.7mm、回折格子のリトロー角度を70度としてリトローキャビティ型のレーザ共振器を構成すると、その選択帯域は約200GHzとなり、これは通信によく用いられる波長グリッドの周期50または100GHzに比べて大きい。この状態では、所望の通信グリッドの隣の波長でも発振する可能性が生じる。波長選択特性を改善するには、レンズの焦点距離を長くすることが有効であるが、レンズの焦点距離を長くすることは、レンズ径ならびに光路長の増大を招いて小形のパッケージに収めることを困難にし、さらに共振器を構成するミラーの傾きに関して高精度な実装を必要とするようになる。小型化が求められる通信用の光モジュールでは、レンズの長焦点化を適用するには制限がある。
また、回折格子は面で働くので傾きは2軸ある。1軸は波長設定にかかわる回折角度であるが、もう1軸は回折には関与せず反射として働く。たとえば、特許文献1は、回折格子を波長選択フィルタとして用い、傾きを変えるアクチュエータ上に回折格子を搭載して波長を可変とする構成を示しているが、回折格子が反射面として働く軸の傾きについての特段の記載は無い。回折格子面が反射として働く軸は、利得媒体に光線が戻るため光軸に対して直角である必要があり、その許容誤差は100分の数度程度である。
米国特許第6526071号明細書 Jill D.Berger,et al.,External cavity diode lasers tuned with silicon MEMS,IEEE−LEOS Topical Paper,July 2001
前述したように、従来のリトローキャビティ構造では、波長選択特性が不足するという問題があり、特に小型化が求められる光通信モジュールに適用するには困難である。また、2軸ある回折格子を有するレーザ共振器を実現するには、高い精度の位置決めが可能で、位置ずれの起こりにくい構造が必要であることと、組み立てにおいて高い精度が必要となる。これらは、コストの増加を招くことにつながる。
そこで、本発明の目的は、これらの課題を解決し、波長選択特性が良好で、小形で組み立ての容易なリトローキャビティ構造を適用した波長可変レーザ光源を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
本発明は、利得媒体と、波長可変フィルタとからなる外部共振器型の波長可変レーザ光源に適用され、光通信で定められた波長グリッド間隔と、当該光源の外部共振器の縦モードの間隔である自由スペクトラルレンジ(FSR)との比が、概ね整数+0.5対1の比率となる外部共振器の長さを有し、かつ外部共振器内に位相を変化させる機能を有する位相調整部を有することを特徴とする。また、この波長可変レーザ光源のパラメータ調整方法は、回折格子の角度調整信号、位相調整部の調整信号のパラメータを、個々に使用波長ごとに事前に測定して求めた値を記憶しておき、波長設定時に記憶した値を出力し、各パラメータを独立にわずかに遥動させて、モニタした光出力と遥動させた信号との相関を解析し、各パラメータの最適値を判断して設定することを特徴とする。
すなわち、本発明において、波長選択特性で帯域が広いことに対しては、前記のように通信に用いられる波長グリッドに透過ピークを有する、帯域の狭い波長フィルタを併用することで部分的に解決される。ところが、この波長グリッドの隣のグリッド波長でも、波長可変フィルタの減衰量が十分で無い場合がある。このような場合には、隣接グリッドのピークにおいて、縦モードのピークとが重ならず、ずれた位置にあるようにする。こうすることで、隣接グリッドとその近傍で、波長フィルタの特性と縦モード特性との積が、所望の波長での特性に対して抑制された大きさとなり、所望の波長以外での発振を防止できる。この場合、最も良い条件は隣接グリッド波長が縦モードによるピークの中間に位置するように共振器を構成することである。すなわち、波長グリッド間隔が縦モードの自由スペクトラルレンジ(FSR)の概ね(整数+0.5)倍となるようにすることである。
ところで、このような縦モードと波長グリッドとの関係を有するレーザ発振器で、波長を可変する場合、特に隣のグリッドの波長に変更する場合、上記の条件の状態では、変更波長での発振は困難である。これを解決するため、利得媒体に位相調整部を付加する。位相調整部は、利得部と一体であることが望ましい。位相調整部とは、注入する電流によって光導波路での屈折率が変化する機能を有する部分で、屈折率が変化することは共振器長の変化と等価的であり、これにより縦モードのFSRが調整できる。これにより、所望の波長で波長フィルタのピークと縦モードのピークとを合致させて、レーザ発振を実現できる。
回折格子からの回折光が利得媒体に高効率で戻るには、回折格子の傾きの調整が必要であるが、回折格子を外部から信号で2軸の傾きを変更できる駆動機構に結合させ、1軸は波長の設定変更のために用い、もう1軸は回折格子からの戻り光が利得媒体に高効率で結合するように、フィードバックで調整するために用いるようにする。これにより、高い精度で回折格子の角度を調整することが不要となる。また、光通信用の小型のモジュールとして構成するためには、小型の駆動機構が必要であるが、MEMS(Micro Electo Mechanical Systems)は、小さな駆動機構を構成することが可能で、この目的に合致する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明によれば、波長選択特性の帯域が広い波長フィルタを用いても、隣接グリッドまたは縦モードの隣のモードに対して特性の十分な抑制を与えることでサイドモード抑圧比が良好で、単一のモードで発振し、かつ波長可変にあたって所望の波長でレーザ発振を可能とすることのできるレーザ光源が実現できる。
また、本発明によれば、高精度で機械的な調整を必要とせず実装が容易であり、駆動機構が小形なので、小形で低コストの通信用レーザ光源が実現できる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
まず、図1により、本発明の一実施の形態による波長可変レーザ光源の構成の一例を説明する。図1は、波長可変レーザ光源を示す構成図である。
本実施の形態の波長可変レーザ光源は、利得媒体10、レーザ共振器を構成するレンズ20、外部へ光を取り出すためのレンズ21、回折格子(面)30、MEMS31、サブマウント32、エタロン(ファブリーペローエタロン)50などから構成される。
この波長可変レーザ光源において、利得媒体10から出射された光線12はレンズ20を通ってコリメート光13となり、エタロン50を透過して回折格子30の面に照射される。回折格子30は2軸に傾きを変えることのできる平面を有するMEMS31の上に形成されており、MEMS31はサブマウント32に実装される。利得媒体10の回折格子30と反対側にはレンズ21が設けられ、外部へ光を出力する光学系(図示せず)を構成する。利得媒体10、レンズ20,21、エタロン50、サブマウント32は1つのベース(図示せず)上に搭載され、当該ベースはペルチェークーラー(図示せず)に載せられて、これら全体がパッケージに実装されてレーザ光源のモジュールとなる。
次に、図2により、本実施の形態において、制御系を含めた波長可変レーザ光源の制御構成の一例を説明する。図2は、制御系を含む波長可変レーザ光源を示す制御ブロック図である。
利得媒体10は、利得部10aと位相調整部10bとからなり、それぞれ制御部70に電気的に接続されている。利得媒体10の両端から光線が出射され、レンズ20の側では、エタロン50と回折格子30に向かい、レンズ21の側では当該レーザ光源モジュールからの光を出力する光学系(図示せず)へ向かう。受光素子60は、本実施の形態においてはレンズ21側に配置され、レンズ21からの光線を部分的に分岐採取して光量をモニタし、モニタ信号は制御部70へ入力される。
回折格子30に照射された光線の回折光で、入射光線の入射角度と回折光の出射角度が等しくなる波長の光のみが利得媒体10に戻り、当該波長光で利得媒体10の端面と回折格子30との間で共振器を構成し、レーザ発振が生じる。他の波長の光は、回折角度がずれるため、回折格子30からレンズ20に戻る光線の角度が、コリメート光13の角度からずれ、その光線はレンズ20によって、利得媒体10の光線出射部からずれた位置に収束する。ずれた位置に収束することで、その戻り光と利得媒体10との結合効率は小さいものとなり、他の波長でのレーザ発振は制限される。この波長選択特性は、回折格子30での波長と回折角度との変化率、レンズ20の焦点距離、利得媒体10のビームスポット径によって定まる。前述のように、このリトローキャビティ構造では、周波数選択特性を半値幅で表すと、約200GHzとなり、この大きさは共振器の長さで定まるFSRよりもはるかに大きい。
次に、図3〜図6により、波長可変フィルタと共振器の縦モード特性、波長グリッドフィルタの特性、および共振器の特性の一例を説明する。図3および図4は本発明に対する比較例としての従来の技術を示し、図5および図6は本実施の形態の技術を示す。
図3(a)は、回折格子による波長可変フィルタ、縦モード特性の特性を併記したグラフである。なお、光通信でのグリッドは通常周波数で表されるので、当グラフでは横軸を周波数で標記している。図3(a)では、中心周波数を194THzとし、その周波数がピークとなる波長可変フィルタの特性を記している。この2つの特性を合わせた特性が共振器の特性となり、図3(b)のグラフに示す。共振器特性は194THzで最大のピークとなるが、隣接する縦モードの周波数での特性値の大きさは最大ピークとほとんど変わらない。このため、回折格子のみを用いる構成では、縦モードの選択が不十分となり、複数の縦モードで発振し易くなって単一の波長を必要とする光源を実現することは困難である。
そこで、隣接する縦モードの排除のため、狭帯域の選択特性を有する波長フィルタ、特に通信で使用される波長グリッドで透過ピークを有する波長フィルタを併用する。波長グリッドフィルタの選択特性は、共振器の縦モード間隔よりも狭い帯域とし、隣接する縦モードを抑制する。図1でエタロン50が、その狭帯域の波長フィルタとなる。図4(a)は、回折格子による波長可変フィルタ、縦モード特性、波長グリッドフィルタの特性を併記したグラフである。これらの特性を合わせると共振器の特性となり、図4(b)にその特性を示す。波長可変フィルタの中心周波数は194THzである。共振器特性で、194THzに隣接する縦モードは、波長グリッドフィルタにより抑制されてこのモードでの発振は生じにくい。
しかし、波長グリッドの隣の周波数(193.95THz、194.05THz)には中心周波数のピークより少し小さいピークが現われている。これは、共振器の縦モードFSRと波長グリッド間隔とが整数倍の関係にあるために生じた現象である。この場合には、サイドモード抑圧比の劣化や、隣のグリッドへの波長跳びという現象が起こる。
そこで、本実施の形態においては、この現象を防止するために、共振器の縦モードFSRと波長グリッド間隔との比を整数倍とはせず、好ましくは整数+0.5倍(波長グリッド間隔とFSRとの比が概ね整数+0.5対1)とすると良い。図5(a)はこのような場合の、波長可変フィルタ特性、縦モード、波長グリッドフィルタの特性を併記したグラフで、図5(b)は、それらを合わせた共振器の特性を示すグラフである。波長グリッドの隣の周波数では、縦モードのピークが波長グリッドフィルタのピークとずれているため、共振器のピークは小さいものとなる。したがって、この条件ではサイドモード抑圧比の良い、波長跳びの起こりにくい波長可変レーザ光源が実現できる。
図6(a)は、この条件で波長可変フィルタのピーク周波数を194THzから隣の波長グリッドへ変化させた場合の特性を示すグラフである。共振器のピークは194THzでまだ最大であり、波長可変フィルタの特性の変更が共振器の特性に反映されず、波長可変となっていない。これは、共振器の縦モードFSRと波長グリッド間隔との比を整数+0.5倍としたためである。この例で隣の波長グリッドで用いるためには、隣の波長グリッドでピークとなるように縦モードのピークをずらす必要がある。図6(b)は縦モードのピーク周波数をずらした場合の特性で、図6(a)と比較して、変更した波長可変フィルタのピーク周波数に縦モードのピークが合致するよう変化している。
このような縦モードの変化は、共振器の長さを変化させることで実現できるが、より簡便に精度良く実現するには、図1の利得媒体10に電気信号で位相を変化させることのできる位相調整部を設け、外部から電気信号で位相を調整することで実現できる。図2で示す利得媒体10の位相調整部10bは、この位相調整を行う領域で、電流を流すことによって光導波路の屈折率が変化する機能を有する。屈折率が変化することで、等価的に真空換算の光路長が変化して位相が変わる。位相調整部10bは、利得媒体10で利得部10aと光導波路が連結されて一体で構成する。
図1に示す構成例で、発振波長(周波数)を変えるには、MEMS31の回折格子30を形成している面の傾きを変えて実現する。このような面の傾きの変化は、通常、傾きを変化させる面の後背部に電極を形成して、その電極に電圧を印加して静電気でMEMS31の傾きを変化させる面を吸引することで行う。したがって、本実施の形態では、回折格子30の傾きの変化をMEMS31に印加する電圧を変えることで制御でき、簡便な制御が実現できる。
図1に示すMEMS31は、2軸で傾きを変えられる構造となっており、1軸はこのように波長を変えるために用いる。回折格子30の溝の方向は、この波長可変のための傾き変更の回転軸と平行に形成し、回転軸と垂直な面内で回折が生じる。傾きを変えるためのもう1軸においては、回転軸と垂直な面内で光線はそのまま反射する。前述のように共振器として機能するには、回折格子30からの戻り光が、利得媒体10に戻す必要があるが、反射として働く面の傾きを調整することで、利得媒体10への光の戻りを実現する。すなわち、面の傾きは電圧によって制御されるので、利得媒体10へ光線が戻るようにして共振器を構成するための調整は、電気信号で行うことができる。
なお、従来の技術のように、回折格子30の駆動体が1軸の傾き変化能力しか有しない場合には、回折格子30の反射として働く面の傾きを機械的に調整して固定する必要が生じ、その精度は前述のように100分の数度と高精度な調整が必要である。通信用の光モジュールとして用いる程度の寸法で、この調整工程は手間を必要とし、かつそのような傾き変位と固定のための構造を必要とする。しかし、本実施の形態では、反射として働く面の傾きの調整と固定のための工程を必要とせず、かつ調整後の状態を保持するための構造が不要となる。
次に、図2により、本実施の形態の波長可変レーザ光源において、波長可変の制御におけるパラメータ調整方法の一例を説明する。
波長はMEMS31の回折格子30の面の傾きと位相調整部10bの電流との両者の設定が必要で、あらかじめ制御部70に波長ごとに両者の設定値を記憶してある。すなわち、回折格子30の角度調整信号、位相調整部10bの調整信号のパラメータを、個々に使用波長ごとに事前に測定して求めた値を記憶しておく。また、波長グリッドフィルタであるエタロン50の透過ピークは、光通信で用いられる波長に一致するように調整済みであるものとする。
所望の波長に設定するには、制御部70内であらかじめ記憶された設定値を読み出して、MEMS31と位相調整部10bとに設定値を印加する。しかし、初期設定時の設定値に対し、使用環境の変化などにより設定値が最適値からずれる場合がある。このため、各パラメータをわずかに遥動させ、すなわちMEMS31への印加電圧ならびに位相調整部10bへの印加電流をわずかに変化させ、受光素子60からの光量モニタ信号が最大となるように、MEMS31への印加電圧ならびに位相調整部10bへの印加電流を調整する。
このようにして、モニタした光出力と変化させた信号との相関を解析し、各パラメータの最適値を判断して設定する。なお、MEMS31への印加電圧の調整は2軸の傾きの両者とも行うが、独立して実施する。これらの調整は、いわゆる山登り方と呼ばれる手法で、フィードバック制御系で最適値に調整する手法としてはよく用いられる手法であり、これ以上の詳細な説明は省略する。
以上のように、本実施の形態によれば、共振器の縦モードFSRと波長グリッド間隔との比を整数+0.5倍とすることで、波長可変フィルタの透過または反射帯域が、縦モード間隔や通信用の波長グリッドに対して広くても、サイドモード抑圧比が優れ、波長跳びが起こりにくく、小形で組み立ての容易な通信用の波長可変レーザ光源を実現することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
たとえば、前記実施の形態では、波長可変フィルタとして回折格子を用いる例を説明したが、これに限定されるものではなく、回折格子以外の波長可変フィルタで構成しても良い。
本発明は、光通信に用いられる波長多重用の光源に関し、特に、波長可変レーザ光源およびそのパラメータ調整方法に適用して有効である。
本発明の一実施の形態による波長可変レーザ光源を示す構成図である。 本発明の一実施の形態において、制御系を含めた波長可変レーザ光源を示す制御ブロック図である。 本発明に対する比較例としての従来の技術において、波長可変フィルタと共振器の縦モードの特性を示すグラフであり、(a)は個別の特性を示し、(b)は(a)で示した特性を合成した共振器の特性を示す。 本発明に対する比較例としての従来の技術において、共振器の縦モード間隔と波長グリッドの間隔の比が整数倍の場合の波長可変フィルタと共振器の縦モードと波長グリッドフィルタの特性および共振器の特性を示すグラフであり、(a)は個別の特性を示し、(b)は(a)で示した特性を合成した共振器の特性を示す。 本発明の一実施の形態において、共振器の縦モード間隔と波長グリッドの間隔の比が整数+0.5倍の場合の波長可変フィルタと共振器の縦モードと波長グリッドフィルタの特性および共振器の特性を示すグラフであり、(a)は個別の特性を示し、(b)は(a)で示した特性を合成した共振器の特性を示す。 本発明の一実施の形態において、共振器の縦モード間隔と波長グリッドの間隔の比が整数+0.5倍の場合の共振器の特性を示すグラフにおいて、波長可変フィルタのピーク波長を1波長グリッド分ずらした場合の特性のグラフであり、(a)は個別の特性を示し、(b)は(a)で示した特性を合成した共振器の特性を示す。 本発明に対する従来の技術において、レーザ共振器を示す構成図であり、(a)はリトローキャビティ構造、(b)はリットマンキャビティ構造を示す。
符号の説明
10…利得媒体、10a…利得部、10b…位相調整部、12…光線、13…コリメート光、20…レンズ、21…レンズ、30…回折格子、31…MEMS、32…サブマウント、40…ミラー、50…エタロン、60…受光素子、70…制御部。

Claims (6)

  1. 利得媒体と、波長可変フィルタとからなる外部共振器型の波長可変レーザ光源であって、
    外部共振器は、
    光通信で定められた波長グリッド間隔と、前記波長可変レーザ光源の外部共振器の縦モードの間隔である自由スペクトラルレンジとの比が、整数+0.5対1の比率となる長さを有し、
    内部に位相を変化させる機能を有する位相調整部を有することを特徴とする波長可変レーザ光源。
  2. 請求項1記載の波長可変レーザ光源において、
    前記波長可変フィルタは、傾きを変えることのできる駆動体に実装された回折格子であることを特徴とする波長可変レーザ光源。
  3. 請求項1記載の波長可変レーザ光源において、
    前記位相調整部は、前記利得媒体と一体で形成されていることを特徴とする波長可変レーザ光源。
  4. 請求項1記載の波長可変レーザ光源において、
    前記外部共振器中には、所望の複数の発振波長で透過率がピークを有する波長フィルタが配置され、
    前記波長フィルタは、ファブリーペローエタロンであることを特徴とする波長可変レーザ光源。
  5. 請求項2記載の波長可変レーザ光源において、
    前記駆動体は、直交する2軸で角度が変位する角度変位面を有するMEMSからなり、
    前記回折格子は、前記角度変位面上に実装されていることを特徴とする波長可変レーザ光源。
  6. 利得媒体と、波長可変フィルタとからなる外部共振器型の波長可変レーザ光源のパラメータ調整方法であって、
    外部共振器は、内部に位相を変化させる機能を有する位相調整部を有し、
    前記波長可変フィルタは、傾きを変えることのできる駆動体に実装された回折格子であり、
    前記回折格子の角度調整信号および前記位相調整部の調整信号のパラメータを、個々に使用波長ごとに事前に測定して求めた値を記憶しておき、
    波長設定時に前記記憶した値を出力し、
    各パラメータを独立にわずかに遥動させて、モニタした光出力と前記遥動させた信号との相関を解析し、前記各パラメータの最適値を判断して設定することを特徴とする波長可変レーザ光源のパラメータ調整方法。
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