JP2007234296A - ワーク処理装置 - Google Patents

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滋 増田
Kiyotaka Arai
清孝 新井
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Abstract

【課題】ワークに対して連続的にプラズマ処理を行うことができ、また大面積のワークに対しても効率良くしかも均質にプラズマ処理を行うことができるようにする。
【解決手段】ワーク処理装置Sは、2.45GHzのマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置20と、マイクロ波を伝搬する導波管10と、導波管10のワークWとの対向面に設けられたプラズマ発生部30とを各々具備する3つのプラズマ発生ユニットPU−1〜PU−3と、プラズマ発生部30を通過するようにワークWを搬送するワーク搬送手段Cとを備える。プラズマ発生ユニットPU−1〜PU−3は、各々導波管10の長手方向と直交する方向に所定角度だけ傾斜させた状態で吊り止め支持されている。これにより導波管10の断面二次モーメントが高められ、導波管10が長尺化してもその撓みが抑制される。
【選択図】図6

Description

本発明は、基板等の被処理ワークに対してプラズマを照射しワーク表面の清浄化や改質等を図る場合に好適に用いられるワーク処理装置に関するものである。
例えば半導体基板等の被処理ワークに対してプラズマを照射し、その表面の有機汚染物の除去、表面改質、エッチング、薄膜形成又は薄膜除去等を行うワーク処理装置が知られている。例えば特許文献1には、内側電極と外側電極とを有するプラズマ発生ノズルを用い、常圧下において両電極間に電界を印加することでグロー放電プラズマを発生させ、プラズマ化されたガスを固定的に配置された被処理ワークに放射するワーク処理装置が開示されている。また、プラズマを発生させるエネルギー源として、例えば2.45GHzのマイクロ波を用いた常圧プラズマ発生装置を利用したワーク処理装置も知られている。
特開2003−197397号公報
しかしながら、従来のワーク処理装置は、被処理ワークをチャンバーや作業ステージ上に固定的に配置した状態で、その表面にプラズマ化されたガスを吹き付ける構成とされている。このため、ワークに対する処理工程はバッチ処理とならざるを得ず、多数のワークをプラズマ処理する場合に作業性が悪いという問題があった。また、特許文献1のように単一のノズルを備えるワーク処理装置であると、例えば大面積基板の表面処理等を行うことが困難であるという問題があった。
そこで、複数のプラズマ発生ノズルをワークの幅方向に配列したプラズマ発生部を形成し、該プラズマ発生部にワークを連続供給するようにワーク処理装置を構成することが考えられる。この場合、プラズマ処理ムラの発生を防止するために、各プラズマ発生ノズルとワークとの離間距離を一定として、それぞれのノズルから同じ高さでプラズマ化されたガスを照射するようにすることが求められる。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、複数の被処理ワークに対して連続的にプラズマ処理を行うことができ、また大面積のワークに対しても効率良くしかも均質にプラズマ処理を行うことができるワーク処理装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係るワーク処理装置は、処理対象とされるワークを搬送しつつ該ワークにプラズマを照射して所定の処理を施与するワーク処理装置であって、マイクロ波を発生するマイクロ波発生手段と、前記マイクロ波を伝搬する導波管と、前記マイクロ波を受信しそのマイクロ波のエネルギーに基づきプラズマ化したガスを生成して放出するプラズマ発生ノズルが前記導波管に複数個配列して取り付けられてなるプラズマ発生部とを具備するプラズマ発生手段と、前記プラズマ発生部を通過するようにワークを搬送するワーク搬送手段とを備え、前記導波管は断面形状が非円形の長尺管からなり、前記断面において互いに直交する所定の2軸であって、断面二次モーメントが所定値よりも低い第1の値となる2軸があるとき、断面二次モーメントを所定値よりも高い第2の値とするべく、前記所定の2軸が、前記導波管の長手方向と直交する方向に所定角度だけ傾斜されるように前記導波管が配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、ワーク搬送手段でワークを搬送しつつ、導波管に取り付けられたプラズマ発生ノズルから、プラズマ化されたガスをワークに対して放射することで、ワークの表面処理等を連続的に行うことが可能となる。しかも、プラズマ発生ノズルは、断面形状が非円形の長尺管からなる導波管に複数個配列して取り付けられているので、大面積のワークにも対応することができる。さらに、導波管が長尺管で構成されることから、当該導波管に撓みが発生し結果的にプラズマ発生ノズルの高さ位置が前記撓みに起因してばらつく問題が生じ得るが、導波管の断面二次モーメントが所定値以上となるような態様で導波管を配置することで、かかる撓みの問題も解消されるようになる。
上記構成において、前記導波管が、断面形状が矩形である矩形導波管からなり、該矩形導波管の各側辺が水平面に対して所定角度だけ傾斜された状態で所定の支持部材で支持されていることが望ましい(請求項2)。
断面形状が矩形である矩形導波管では、4つの側辺のうち、互いに対向する2辺が水平面と平行となるように配置されるとき(断面長方形の導波管では長辺が水平面と平行であるとき)、断面二次モーメントは低い値となる。しかし、かかる矩形導波管を水平面に対して所定角度だけ傾斜させることで断面二次モーメントを高い値とすることができ、これにより長尺の矩形導波管の撓みを抑制することができる。
この場合、前記矩形導波管が前記ワークと対向する対向面を有し、前記複数のプラズマ発生ノズルが前記対向面に整列配置して突設されており、前記矩形導波管がその長手方向と直交する方向に所定角度だけ傾斜して配置されることで、前記対向面のプラズマ発生ノズルの前記ワークに対する指向角度が所定角度だけ傾斜される構成とすることが望ましい(請求項3)。
この構成によれば、矩形導波管が傾斜配置されることでプラズマ発生ノズルの前記ワークに対する指向角度も傾斜される。これにより、プラズマ発生ノズルのワークに対するプラズマ照射エリアを、指向角度をワークの法線方向と一致させた垂直方向とした場合に比べて拡大することができる。
また、前記支持部材が、吊り止め支持具からなる構成とすることができる(請求項4)。この構成によれば、矩形導波管が傾斜配置された状態で吊り止め支持される。この場合、矩形導波管の断面二次モーメントが高いことから当該矩形導波管自身を吊り止め構造体の一部として活用することも可能となり、矩形導波管の吊り止め構造を簡素化することができる。
上記いずれかの構成において、前記プラズマ発生部が備えられた導波管が、前記ワーク搬送手段によるワークの搬送方向に複数配列されていることが望ましい(請求項5)。この構成によれば、搬送手段で搬送されてくるワークに対して満遍なくプラズマ化されたガスを照射し易くなり、またワークを高速搬送させても十分なプラズマ処理が行えるようになる。
請求項1に係るワーク処理装置によれば、ワーク搬送手段でワークを搬送しつつ、導波管に複数個配列して取り付けられたプラズマ発生ノズルからプラズマ化されたガスをワークに対して放射することが可能であるので、複数の被処理ワークに対して連続的にプラズマ処理を行うことができ、また大面積のワークに対しても効率良くプラズマ処理を行うことができる。しかも、断面二次モーメントが所定値よりも高くなるように導波管が配置されているので、導波管がプラズマ発生ノズルの複数配列により長尺化してもその撓みを規制でき、各プラズマ発生ノズルの高さ位置が撓みに起因して不均一になることを抑制することができる。従って、複数の被処理ワークに対して連続的にプラズマ処理を行うことができ、また大面積のワークに対しても効率良くしかも均質にプラズマ処理を行うことができるワーク処理装置を提供することができる。
請求項2に係るワーク処理装置によれば、導波管として断面形状が矩形である矩形導波管を採用した場合に、その断面二次モーメントを高くする構造を簡単に実現できる。
請求項3に係るワーク処理装置によれば、1つあたりのプラズマ発生ノズルのワークに対するプラズマ照射エリアを拡大することができるので、プラズマ発生ノズルの配列個数を減少させることが可能となる。従って、装置構成を簡素化できるようになる。
請求項4に係るワーク処理装置によれば、矩形導波管自身を吊り止め構造体の一部として活用して吊り止め構造を構成することができるので、大がかりなトラス構造等を採用することなく簡易な吊り止め支持構造とすることができる。
請求項5に係るワーク処理装置によれば、ワークに対するプラズマ処理の均質化、並びに高速処理が可能となり、大面積基板等のワークに対する処理性能に優れたワーク処理装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明に係るワーク処理装置S0の全体構成を簡略的に示す正面図、図2は、図1のI−I線断面図である。このワーク処理装置S0は、処理対象とされる平板状のワークWを搬送しつつ該ワークにプラズマを照射して所定の処理、例えば表面の有機汚染物の除去、表面改質、エッチング、薄膜形成又は薄膜除去等を行うものである。
当該ワーク処理装置S0は、マイクロ波を発生するマイクロ波発生手段101と、前記マイクロ波を伝搬する導波管102と、前記マイクロ波を受信しそのマイクロ波のエネルギーに基づきプラズマ化したガスを生成して放出するプラズマ発生ノズル103Nが導波管102に複数個配列して取り付けられてなるプラズマ発生部103とを具備するプラズマ発生ユニットPU(プラズマ発生手段)と、プラズマ発生部103を通過するようにワークWを搬送する搬送路を構成する複数の搬送ローラ105を有するワーク搬送手段Cとを備えて構成されている。
導波管102は、断面形状が矩形(非円形)である長尺の矩形導波管からなる。複数のプラズマ発生ノズル103Nは、導波管102のワークWとの対向面102B(下面側)に突設して配置されており、ワークWの幅員に概ね一致する範囲に所定間隔を置いて一列に整列配置されている。後記でより具体的な実施形態に基づき詳述するため簡略的に説明するが、各プラズマ発生ノズル103Nは、絶縁部材で保持されると共に一端が導波管102の内部に突出した中心導電体1031と、この中心導電体1031を取り囲むように配置され導波管102と同電位(アース電位)とされた外部導電体1032とからなる。中心導電体1031は、導波管102の内部を伝搬するマイクロ波を受信するもので、プラズマ発生ノズル103Nは外部導電体1032の内部空間に対して供給される処理ガスを、受信したマイクロ波のエネルギーに基づきプラズマ化してノズル先端から放出する。ワークWは、ワーク搬送手段Cで搬送されつつ、プラズマ発生部103においてプラズマ発生ノズル103Nからプラズマ化されたガスを照射され、これにより所定の表面処理等が連続的に施与されるものである。
ここで導波管102(プラズマ発生ユニットPU)は、その両端部において支持部材104により吊り止め支持されている。これは、ワークWが導波管102の下面側を通過することから、支持部材がワーク搬送手段Cと干渉しないようにするためであり、またプラズマ発生部103に支持部材を介在させないようにするためである。このような吊り止め支持が行われることから、本実施形態では導波管102の各側辺が水平面に対して所定角度だけ傾斜された状態で、導波管102の両端部が支持部材104により吊り止め支持されている。これは、長尺管である導波管102の断面二次モーメントを高め、当該導波管102の中央部における撓みを抑止するためである。なお、本発明において「長尺管」とは、片端支持又は両端支持を行った場合に、その他端側又は中央部において事実上問題となる撓み現象が生じるような長さを有する管体をいう。
断面形状が矩形である導波管102では、4つの側辺のうち、互いに対向する2辺が水平面と平行となるように配置されるとき(断面長方形の導波管では長辺が水平面と平行であるとき)、断面二次モーメントは低い値となる。このため、図3に示すように、両端吊り止め支持の場合は導波管102の自重により中央部が撓んで垂下するようになる。例えば厚さが2mm程度のアルミニウム板で構成された長さが3000mm程度の導波管の場合、中央部分で約3mm程度、下方向に撓みが生じる。
このような撓みによって、プラズマ発生部103が設けられている導波管102の対向面102Bに撓みが生じることから、導波管102の端部付近に取り付けられているプラズマ発生ノズル103N−1と、中央部付近に取り付けられているプラズマ発生ノズル103N−2とでは、その高さ位置に差異が生じてしまうこととなる。このため、ワークWが通過する水平な基準面W0に対するプラズマ照射高さが端部付近と中央部付近とで異なってしまい、結果としてワークWの幅員方向に対して均質な処理が行えないという不都合が生じ得る。
長尺の導波管102を準備し、そのような長尺導波管に多くのプラズマ発生ノズル103Nを装着させることで、大面積のワークWに対応できるようになる。しかし、上記のような導波管102の撓みが生じては、処理性能が著しく低下する。すなわち、プラズマは寿命が短いことから、なるべくワークWの至近距離(数mm程度)にプラズマ発生ノズル103Nを対向配置することが望ましいが、上述の例示のように中央部で3mm程度もの撓みが生じると、均質なプラズマ照射は実質的に行えない。なお、支持フレームをトラス構造等に組み付けた強固な支持機構で導波管102を支持するようにすれば、導波管102の撓みを規制することは可能である。しかしながら、支持機構が複雑化するために装置の大型化が招来され、またコストアップにも繋がるという不具合が生じる。
そこで本発明に係る実施形態では、矩形の導波管102を水平面に対して所定角度だけ傾斜させて配置するようにし、断面二次モーメントを高い値とすることで長尺の導波管102の撓みを抑制している。この点を図4、図5に基づいて説明する。
図4(a)に示すように、矩形の導波管102を水平面に対して平行(導波管102の下側辺と上側辺とが水平面に対して平行)になるように配置して吊り止め支持した場合、断面方向において幅b、高さh(断面において互いに直交する2軸方向の寸法)の矩形導波管102における断面二次モーメントIは、次式で与えられる(但し、単純な矩形断面と見た場合)。
I=1/12・b・h
これに対し、図5(a)に示すように、矩形の導波管102を水平面に対して所定角度θだけ傾けた状態(2軸;幅b方向の軸と高さh方向の軸が、導波管102の長手方向と直交する方向に所定角度θだけ傾斜した状態)で吊り止め支持すると、導波管102の角部が効いてある程度自重を支えることができ、導波管102の撓みが抑制されるようになる。つまり、上記断面二次モーメントIを第1の値とすると、導波管102を傾けたときの断面二次モーメントI’は、前記第1の値よりも高い第2の値となる。
ここで、導波管102の撓み量を実質的に問題とならない範囲に抑制できる断面二次モーメントをIとするとき、上記第1の値がIよりも低い値である場合、上記第2の値がIと等しい若しくは超過するように、導波管102の傾斜角度である角度θが選ばれる。これにより、導波管102がプラズマ発生ノズル103Nの複数配列により長尺化してもその撓みを規制でき、各プラズマ発生ノズル103Nの高さ位置が撓みに起因して不均一になることを防止することができる。
なお、導波管を傾斜させることで、プラズマ照射エリアが拡大されるという効果が副次的に奏される。すなわち、本実施形態では導波管102のワークWと対向する対向面102Bに複数のプラズマ発生ノズル103Nが整列配置して突設されていることから、導波管102がその長手方向と直交する方向に所定角度θだけ傾斜して配置されることで、プラズマ発生ノズル103NのワークWに対する指向角度が所定角度だけ傾斜されるようになる。プラズマ発生ノズル103NがワークWに対して垂直に指向している場合、図4(b)に示すように、プラズマ照射エリアE1は比較的狭い面積の円形を呈する。これに対し、図5(b)に示すように、プラズマ発生ノズル103Nの指向角度が傾斜されると、そのプラズマ照射エリアE2は略楕円形となり、前記プラズマ照射エリアE1よりも広い面積のプラズマ照射エリアE2となる。従って、その分だけプラズマ発生ノズル103Nの配列個数を減少させることが可能となる。
続いて、本発明のより具体的な実施形態につき説明する。図6は、多連式の導波管を採用したワーク処理装置Sの全体構成を斜視図である。なお、この図6、並びに後出の図7〜図9において、X−X方向を前後方向、Y−Y方向を左右方向、Z−Z方向を上下方向というものとし、−X方向を前方向、+X方向を後方向、−Yを左方向、+Y方向を右方向、−Z方向を下方向、+Z方向を上方向として説明する。
このワーク処理装置Sは、プラズマを発生し被処理物となるワークWに前記プラズマを照射する3つのプラズマ発生ユニットPU−1、PU−2、PU−3(プラズマ発生装置)と、ワークWを前記プラズマの照射領域を経由する所定のルートで搬送する搬送手段Cとから構成されている。各プラズマ発生ユニットPU−1、PU−2、PU−3は断面矩形で長尺の導波管10を含み、該導波管10のワークWとの対向面には複数のプラズマ発生ノズルが配列されてなるプラズマ発生部30が具備されている。そして、各々の導波管10がその長手方向と直交する方向に所定角度だけ傾斜して配置された状態で吊り止め支持されている。なお、ここでは図示簡略化のため、吊り止め支持機構は省略している(後出の図16に一例を示している)。また搬送手段Cは、図略の駆動手段により回転駆動される搬送ローラ80を含んで構成されている。本実施形態では、平板状のワークWが搬送手段Cにより搬送される例を示している。
プラズマ発生ユニットPU−1、PU−2、PU−3は、マイクロ波を利用し常温常圧でのプラズマ発生が可能なユニットである。これらは同一の構造を有しており、ワーク搬送手段Cによるワークの搬送方向に沿って配列されている。以下、図7〜図15に基づいて、1つのプラズマ発生ユニットPUについて詳細に説明する。
図7は、プラズマ発生ユニットPUの斜視図、図8は、図7とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットPUの斜視図、図9は一部透視側面図である。このプラズマ発生ユニットPUは、大略的に、マイクロ波を伝搬させる導波管10、この導波管10の一端側(左側)に配置され所定波長のマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置20、導波管10に設けられたプラズマ発生部30、導波管10の他端側(右側)に配置されマイクロ波を反射させるスライディングショート40、導波管10に放出されたマイクロ波のうち反射マイクロ波がマイクロ波発生装置20に戻らないよう分離するサーキュレータ50、サーキュレータ50で分離された反射マイクロ波を吸収するダミーロード60及びインピーダンス整合を行うスタブチューナ70を備えて構成されている。
導波管10は、例えば非磁性金属(アルミニウム等)からなり、断面矩形の長尺管状を呈し、マイクロ波発生装置20により発生されたマイクロ波をプラズマ発生部30へ向けて、その長手方向に伝搬させるものである。導波管10は、分割された複数の導波管ピースが互いのフランジ部同士で連結された連結体で構成されており、一端側から順に、マイクロ波発生装置20が搭載される第1導波管ピース11、スタブチューナ70が組み付けられる第2導波管ピース12及びプラズマ発生部30が設けられている第3導波管ピース13が連結されてなる。なお、第1導波管ピース11と第2導波管ピース12との間にはサーキュレータ50が介在され、第3導波管ピース13の他端側にはスライディングショート40が連結されている。
また、第1導波管ピース11、第2導波管ピース12及び第3導波管ピース13は、それぞれ金属平板からなる上面板、下面板及び2枚の側面板を用いて角筒状に組み立てられ、その両端にフランジ板が取り付けられて構成されている。なお、このような平板の組み立てによらず、押し出し成形や板状部材の折り曲げ加工等により形成された矩形導波管ピース若しくは非分割型の導波管を用いるようにしても良い。また、断面矩形の導波管に限らず、例えば断面楕円の導波管を用いることも可能である。さらに、非磁性金属に限らず、導波作用を有する各種の部材で導波管を構成することができる。
マイクロ波発生装置20は、例えば2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロン等のマイクロ波発生源と、このマイクロ波発生源にて発生されたマイクロ波の強度を所定の出力強度に調整するアンプとを具備する装置本体部21と、装置本体部21で発生されたマイクロ波を導波管10の内部へ放出するマイクロ波送信アンテナ22とを備えて構成されている。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、例えば1W〜3kWのマイクロ波エネルギーを出力できる連続可変型のマイクロ波発生装置20が好適に用いられる。
図9に示すようにマイクロ波発生装置20は、装置本体部21からマイクロ波送信アンテナ22が突設された形態のものであり、第1導波管ピース11に載置される態様で固定されている。詳しくは、装置本体部21が第1導波管ピース11の上面板11Uに載置され、マイクロ波送信アンテナ22が上面板11Uに穿設された貫通孔111を通して第1導波管ピース11内部の導波空間110に突出する態様で固定されている。このように構成されることで、マイクロ波送信アンテナ22から放出された例えば2.45GHzのマイクロ波は、導波管10により、その一端側(左側)から他端側(右側)に向けて伝搬される。
プラズマ発生部30は、第3導波管ピース13の下面板13B(矩形導波管の一つの側面;処理対象ワークとの対向面)に、左右方向へ一列に整列して突設された8個のプラズマ発生ノズル31を具備して構成されている。このプラズマ発生部30の幅員、つまり8個のプラズマ発生ノズル31の左右方向の配列幅は、平板状ワークWの搬送方向と直交する幅方向のサイズtと略合致する幅員とされている。これにより、ワークWを搬送ローラ80で搬送しながら、ワークWの全表面(下面板13Bと対向する面)に対してプラズマ処理が行えるようになっている。
なお、8個のプラズマ発生ノズル31の配列間隔は、導波管10内を伝搬させるマイクロ波の波長λに応じて定めることが望ましい。例えば、波長λの1/2ピッチ、1/4ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列することが望ましく、2.45GHzのマイクロ波を用いる場合、矩形の導波管10の断面サイズが2.84インチ×1.38インチのとき、λ=230mmであるので、115mm(λ/2)ピッチ、或いは57.5mm(λ/4)ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列すれば良い。
図10は、2つのプラズマ発生ノズル31を拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズル31は分解図として描いている)、図11は、図10のA−A線側断面図である。プラズマ発生ノズル31は、中心導電体32(内部導電体)、ノズル本体33(外部導電体)、ノズルホルダ34、シール部材35及び保護管36を含んで構成されている。
中心導電体32は、良導電性の金属から構成された棒状部材からなり、その上端部321の側が第3導波管ピース13の下面板13Bを貫通して導波空間130に所定長さだけ突出(この突出部分を受信アンテナ部320という)する一方で、下端部322がノズル本体33の下端縁331と略面一になるように、上下方向に配置されている。この中心導電体32には、受信アンテナ部320が導波管10内を伝搬するマイクロ波を受信することで、マイクロ波エネルギー(マイクロ波電力)が与えられるようになっている。当該中心導電体32は、長さ方向略中間部において、シール部材35により保持されている。
ノズル本体33は、良導電性の金属から構成され、中心導電体32を収納する筒状空間332を有する筒状体である。また、ノズルホルダ34も良導電性の金属から構成され、ノズル本体33を保持する比較的大径の下部保持空間341と、シール部材35を保持する比較的小径の上部保持空間342とを有する筒状体である。一方、シール部材35は、テフロン(登録商標)等の耐熱性樹脂材料やセラミック等からなる絶縁性部材からなり、前記中心導電体32を固定的に保持する保持孔351をその中心軸上に備える筒状体からなる。
ノズル本体33は、上方から順に、ノズルホルダ34の下部保持空間341に嵌合される上側胴部33Uと、後述するガスシールリング37を保持するための環状凹部33Sと、環状に突設されたフランジ部33Fと、ノズルホルダ34から突出する下側胴部33Bとを具備している。また、上側胴部33Uには、所定の処理ガスを前記筒状空間332へ供給させるための連通孔333が穿孔されている。
このノズル本体33は、中心導電体32の周囲に配置された外部導電体として機能するもので、中心導電体32は所定の環状空間H(絶縁間隔)が周囲に確保された状態で筒状空間332の中心軸上に挿通されている。ノズル本体33は、上側胴部33Uの外周部がノズルホルダ34の下部保持空間341の内周壁と接触し、またフランジ部33Fの上端面がノズルホルダ34の下端縁343と接触するようにノズルホルダ34に嵌合されている。なお、ノズル本体33は、例えばプランジャやセットビス等を用いて、ノズルホルダ34に対して着脱自在な固定構造で装着されることが望ましい。
ノズルホルダ34は、第3導波管ピース13の下面板13Bに穿孔された貫通孔131に密嵌合される上側胴部34U(上部保持空間342の位置に略対応する)と、下面板13Bから下方向に延出する下側胴部34B(下部保持空間341の位置に略対応する)とを備えている。下側胴部34Bの外周には、処理ガスを前記環状空間Hに供給するためのガス供給孔344が穿孔されている。図示は省略しているが、このガス供給孔344には、所定の処理ガスを供給するガス供給管の終端部が接続するための管継手等が取り付けられる。かかるガス供給孔344と、ノズル本体33の連通孔333とは、ノズル本体33がノズルホルダ34への定位置嵌合された場合に互いに連通状態となるように、各々位置設定されている。なお、ガス供給孔344と連通孔333との突き合わせ部からのガス漏洩を抑止するために、ノズル本体33とノズルホルダ34との間にはガスシールリング37が介在されている。
シール部材35は、その下端縁352がノズル本体33の上端縁334と当接し、その上端縁353がノズルホルダ34の上端係止部345と当接する態様で、ノズルホルダ34の上部保持空間342に保持されている。すなわち、上部保持空間342に中心導電体32を支持した状態のシール部材35が嵌合され、ノズル本体33の上端縁334でその下端縁352が押圧されるようにして組み付けられているものである。
保護管36(図11では図示省略している)は、所定長さの石英ガラスパイプ等からなり、ノズル本体33の筒状空間332の内径に略等しい外径を有する。この保護管36は、ノズル本体33の下端縁331での異常放電(アーキング)を防止して後述するプルームPを正常に放射させる機能を有しており、その一部がノズル本体33の下端縁331から突出するように、前記筒状空間332に内挿されている。なお、保護管36は、その先端部が下端縁331と一致するように、或いは下端縁331よりも内側へ入り込むように、その全体が筒状空間332に収納されていても良い。
プラズマ発生ノズル31は上記のように構成されている結果、ノズル本体33、ノズルホルダ34及び第3導波管ピース13(導波管10)は導通状態(同電位)とされている一方で、中心導電体32は絶縁性のシール部材35で支持されていることから、これらの部材とは電気的に絶縁されている。従って、図12に示すように、導波管10がアース電位とされた状態で、中心導電体32の受信アンテナ部320でマイクロ波が受信され中心導電体32にマイクロ波電力が給電されると、その下端部322及びノズル本体33の下端縁331の近傍に電界集中部が形成されるようになる。
かかる状態で、ガス供給孔344から例えば酸素ガスや空気のような酸素系の処理ガスが環状空間Hへ供給されると、前記マイクロ波電力により処理ガスが励起されて中心導電体32の下端部322付近においてプラズマ(電離気体)が発生する。このプラズマは、電子温度が数万度であるものの、ガス温度は外界温度に近い反応性プラズマ(中性分子が示すガス温度に比較して、電子が示す電子温度が極めて高い状態のプラズマ)であって、常圧下で発生するプラズマである。
このようにしてプラズマ化された処理ガスは、ガス供給孔344から与えられるガス流によりプルームPとしてノズル本体33の下端縁331から放射される。このプルームPにはラジカルが含まれ、例えば処理ガスとして酸素系ガスを使用すると酸素ラジカルが生成されることとなり、有機物の分解・除去作用、レジスト除去作用等を有するプルームPとすることができる。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、プラズマ発生ノズル31が複数個配列されていることから、左右方向に延びるライン状のプルームPを発生させることが可能となる。
因みに、処理ガスとしてアルゴンガスのような不活性ガスや窒素ガスを用いれば、各種基板の表面クリーニングや表面改質を行うことができる。また、フッ素を含有する化合物ガスを用いれば基板表面を撥水性表面に改質することができ、親水基を含む化合物ガスを用いることで基板表面を親水性表面に改質することができる。さらに、金属元素を含む化合物ガスを用いれば、基板上に金属薄膜層を形成することができる。
スライディングショート40は、各々のプラズマ発生ノズル31に備えられている中心導電体32と、導波管10の内部を伝搬されるマイクロ波との結合状態を最適化するために備えられているもので、マイクロ波の反射位置を変化させて定在波パターンを調整可能とするべく第3導波管ピース13の右側端部に連結されている。従って、定在波を利用しない場合は、当該スライディングショート40に代えて、電波吸収作用を有するダミーロードが取り付けられる。
図13は、スライディングショート40の内部構造を示す透視斜視図である。図13に示すように、スライディングショート40は、導波管10と同様な断面矩形の筐体構造を備えており、導波管10と同じ材料で構成された中空空間410を有する筐体部41と、前記中空空間410内に収納された円柱状の反射ブロック42と、反射ブロック42の基端部に一体的に取り付けられ前記中空空間410内を左右方向に摺動する矩形ブロック43と、この矩形ブロック43に組み付けられた移動機構44と、反射ブロック42にシャフト45を介して直結されている調整ノブ46とが備えられている。
反射ブロック42は、マイクロ波の反射面となる先端面421が第3導波管ピース13の導波空間130に対向するよう左右方向に延在する円柱体である。この反射ブロック42は、矩形ブロック43と同様な角柱状を呈していても良い。前記移動機構44は、調整ノブ46の回転操作により矩形ブロック43及びこれと一体化された反射ブロック42を左右方向に推進若しくは後退させる機構であって、調整ノブ46を回転させることで反射ブロック42が中空空間410内において矩形ブロック43にてガイドされつつ左右方向に移動可能とされている。かかる反射ブロック42の移動による先端面421の位置調整によって、定在波パターンが最適化される。なお、調整ノブ46の回転操作を、ステッピングモータ等を用いて自動化することが望ましい。
サーキュレータ50は、例えばフェライト柱を内蔵する導波管型の3ポートサーキュレータからなり、一旦はプラズマ発生部30へ向けて伝搬されたマイクロ波のうち、プラズマ発生部30で電力消費されずに戻って来る反射マイクロ波を、マイクロ波発生装置20に戻さずダミーロード60へ向かわせるものである。このようなサーキュレータ50を配置することで、マイクロ波発生装置20が反射マイクロ波によって過熱状態となることが防止される。
図14は、サーキュレータ50の作用を説明するためのプラズマ発生ユニットPUの上面図である。図示するように、サーキュレータ50の第1ポート51には第1導波管ピース11が、第2ポート52には第2導波管ピース12が、さらに第3ポート53にはダミーロード60がそれぞれ接続されている。そして、マイクロ波発生装置20のマイクロ波送信アンテナ22から発生されたマイクロ波は、矢印aで示すように第1ポート51から第2ポート52を経由して第2導波管ピース12へ向かう。一方、第2導波管ピース12側から入射する反射マイクロ波は、矢印bで示すように、第2ポート52から第3ポートへ向かうよう偏向され、ダミーロード60へ入射される。
ダミーロード60は、上述の反射マイクロ波を吸収して熱に変換する水冷型(空冷型でも良い)の電波吸収体である。このダミーロード60には、冷却水を内部に流通させるための冷却水流通口61が設けられており、反射マイクロ波を熱変換することにより発生した熱が前記冷却水に熱交換されるようになっている。
スタブチューナ70は、導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るためのもので、第2導波管ピース12の上面板12Uに所定間隔を置いて直列配置された3つのスタブチューナユニット70A〜70Cを備えている。図15は、スタブチューナ70の設置状況を示す透視側面図である。図示するように、3つのスタブチューナユニット70A〜70Cは同一構造を備えており、第2導波管ピース12の導波空間120に突出するスタブ71と、該スタブ71に直結された操作棒72と、スタブ71を上下方向に出没動作させるための移動機構73と、これら機構を保持する外套74とから構成されている。
スタブチューナユニット70A〜70Cに各々備えられているスタブ71は、その導波空間120への突出長が各操作棒72により独立して調整可能とされている。これらスタブ71の突出長は、例えばマイクロ波電力パワーをモニターしつつ、中心導電体32による消費電力が最大となるポイント(反射マイクロ波が最小になるポイント)を探索することで決定される。なお、このようなインピーダンス整合は、必要に応じてスライディングショート40と連動させて実行される。このスタブチューナ70の操作も、ステッピングモータ等を用いて自動化することが望ましい。
本実施形態に係るワーク処理装置Sは、図6に示したように、上記で説明したプラズマ発生ユニットPU(PU−1〜PU−3)が、ワークWの搬送方向に3列(勿論、2列、或いは3列以上であっても良い)に並んで配置されている。従って、ワークWを高速搬送した場合でも、十分にプラズマを照射することができる。また、各プラズマ発生ユニットPU−1〜PU−3のプラズマ発生ノズル31の配列ピッチを相互にずらすようにすれば、ワークWに対して満遍なくプラズマを照射し易くなるので望ましい。
搬送手段Cは、所定の搬送路に沿って配置された複数の搬送ローラ80を備え、図略の駆動手段により搬送ローラ80が駆動されることで、処理対象となるワークWを、前記プラズマ発生部30を経由して搬送させるものである。ここで、処理対象となるワークWとしては、プラズマディスプレイパネルや半導体基板のような平型基板、電子部品が実装された回路基板等を例示することができる。また、平型形状でないパーツや組部品等も処理対象とすることができ、この場合は搬送ローラに代えてベルトコンベア等を採用すれば良い。
以上の通り構成されたワーク処理装置Sによれば、プラズマ発生ユニットPUが傾斜して配置されることからその断面二次モーメントが高くなり、これによりプラズマ発生ユニットPUの吊り止め支持機構を簡素化することができる。この点を図16、図17に基づいて説明する。図16は、4つのプラズマ発生ユニットPU−1〜PU−4を、各々導波管10の長手方向と直交する方向に所定角度だけ傾斜させた状態で吊り止め支持する吊り止め支持具1040を例示した斜視図である。
プラズマ発生ユニットPU−1〜PU−4を傾斜させた状態とすることで導波管10の断面二次モーメントを上げることができ、これにより導波管10自体を支持機構の一部として活用することが可能となる。従って、吊り止め支持具1040は、プラズマ発生ユニットPU−1〜PU−4の上方に配置された長手方向フレーム1041と、幅方向フレーム1042とで梯子状のフレーム枠体を形成し、該フレーム枠体により支持された吊り止め片1043で導波管10を吊支する構造とすれば足り、フレーム組み立て構造を簡素化することができる。
これに対し、図17は、4つのプラズマ発生ユニットPU−1〜PU−4を傾斜させることなく、水平状態で吊り止め支持する吊り止め支持具1040’を例示した斜視図である。この場合、導波管10の断面二次モーメントは低く、導波管10が自重により撓んでしまう虞がある。従って、このような撓みの発生を抑止するために、吊り止め支持具1040’は、プラズマ発生ユニットPU−1〜PU−4の上方並びに下方に配置された長手方向フレーム1044と、上方側幅方向フレーム1045並びに下方側幅方向フレーム1047とで梯子状のフレーム枠体を上下面に形成し、これらを高さ方向フレーム1046で連結してなるフレーム組み立て構造とされている。かかるフレーム組み立て構造は、図16のものと比較して複雑さが否めず、スペース面やコスト面で不利である。
次に、本実施形態に係るワーク処理装置Sの電気的構成について説明する。図18は、ワーク処理装置Sの制御系90を示すブロック図である。ここでは、図6に合わせて、3つのプラズマ発生ユニットPU−1〜PU−3が用いられる場合を例示している。この制御系90はCPU(中央演算処理装置)等からなり、機能的にマイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92、モータ制御部93、全体制御部94が備えられている。さらに、全体制御部94に対して所定の操作信号を与える操作部95が備えられている。
マイクロ波出力制御部91は、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のON−OFF制御、出力強度制御を行うもので、所定のパルス信号を生成してマイクロ波発生装置20の装置本体部21によるマイクロ波発生の動作制御を行う。
ガス流量制御部92は、プラズマ発生ユニットPU−1〜PU−3に各々備えられているプラズマ発生部30の各プラズマ発生ノズル31へ供給する処理ガスの流量制御を行うものである。具体的には、ガスボンベ等の処理ガス供給源921とプラズマ発生ノズル31との間をそれぞれ接続するガス供給管9221、9222、9223に設けられた流量制御弁9231、9232、9233の開閉制御乃至は開度調整をそれぞれ行う。
モータ制御部93は、搬送ローラ80を回転駆動させる駆動モータ931の動作制御を行うもので、ワークWの搬送開始及び停止、搬送速度の制御等を行うものである。
全体制御部94は、当該ワーク処理装置Sの全体的な動作制御を司るもので、操作部95から与えられる操作信号に応じて、上記マイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92及びモータ制御部93を、所定のシーケンスに基づいて動作制御する。すなわち、予め与えられた制御プログラムに基づいて、ワークWの搬送を開始させてワークWをプラズマ発生部30へ導き、所定流量の処理ガスを各プラズマ発生ノズル31へ供給させつつマイクロ波電力を与えてプラズマ(プルームP)を発生させ、ワークWを搬送しながらその表面にプルームPを放射させるものである。これにより、複数のワークWを連続的に処理することができる。
以上説明したワーク処理装置Sによれば、ワーク搬送手段CでワークWを搬送しつつ、導波管10に複数個配列して取り付けられたプラズマ発生ノズル31からプラズマ化されたガスをワークWに対して放射することが可能であるので、複数の被処理ワークWに対して連続的にプラズマ処理を行うことができ、また大面積のワークに対しても効率良くプラズマ処理を行うことができる。従って、バッチ処理タイプのワーク処理装置に比較して、各種の被処理ワークに対するプラズマ処理作業性に優れるワーク処理装置S若しくはプラズマ発生装置を提供することができる。しかも、外界の温度及び圧力でプラズマを発生させることができるので、真空チャンバー等を必要とせず、設備構成を簡素化することができる。
また、マイクロ波発生装置20から発生されたマイクロ波を、各々のプラズマ発生ノズル31が備える中心導電体32で受信させ、そのマイクロ波のエネルギーに基づきそれぞれのプラズマ発生ノズル31からプラズマ化されたガスを放出させることができるので、マイクロ波が保有するエネルギーの各プラズマ発生ノズル31への伝達系を簡素化することができる。従って、装置構成のシンプル化、コストダウン等を図ることができる。
さらに、複数のプラズマ発生ノズル31が一列に整列配置されてなるプラズマ発生部30が、平板状のワークWの搬送方向と直交する幅方向のサイズtに略合致した幅員を有しているので、当該ワークWを、搬送手段Cにより一度だけプラズマ発生部30を通過させるだけで、その全面の処理を完了させることができ、平板状のワークWに対するプラズマ処理効率を格段に向上させることができる。また、搬送されて来るワークWに対して同じタイミングでプラズマ化されたガスを放射できるようになり、均質的な表面処理等を行うことができる。
以上に加えて、断面二次モーメントが所定値よりも高くなるように傾斜させた態様で導波管10が配置されているので、導波管10がプラズマ発生ノズル31の複数配列により長尺化してもその撓みを規制でき、各プラズマ発生ノズル31の高さ位置が撓みに起因して不均一になることを抑制することができる。従って、複数のワークWに対して連続的にプラズマ処理を行うことができ、また大面積のワークWに対しても効率良くしかも均質にプラズマ処理を行うことができる。さらに、プラズマ発生ユニットPUの断面二次モーメントが高いことから、その吊り止め支持機構を簡素化できるという利点もある。
以上、本発明の一実施形態に係るワーク処理装置Sについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば下記の実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、1つのプラズマ発生ユニットPUについて複数のプラズマ発生ノズル31を一列に整列配置した例を示したが、ノズル配列はワークの形状やマイクロ波電力のパワー等に応じて適宜決定すれば良く、例えばワークの搬送方向に複数列プラズマ発生ノズル31をマトリクス整列したり、千鳥配列したりしても良い。
(2)上記実施形態では、搬送手段Cとして搬送ローラ80の上面に平板状のワークWを載置して搬送する形態を例示したが、この他に例えば上下の搬送ローラ間にワークをニップさせて搬送させる形態、搬送ローラを用いず所定のバスケット等にワークを収納し前記バスケット等をラインコンベア等で搬送させる形態、或いはロボットハンド等でワークを把持してプラズマ発生部30へ搬送させる形態であっても良い。
(3)上記実施形態では、マイクロ波発生源として2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロンを例示したが、マグネトロン以外の各種高周波電源も使用可能であり、また2.45GHzとは異なる波長のマイクロ波を用いるようにしても良い。
(4)導波管10内におけるマイクロ波電力を測定するために、パワーメータを導波管10の適所に設置することが望ましい。例えば、マイクロ波発生装置20のマイクロ波送信アンテナ22から放出されたマイクロ波電力に対する反射マイクロ波電力の比を知見するために、サーキュレータ50と第2導波管ピース12との間に、パワーメータを内蔵する導波管を介在させるようにすることができる。
(5)上記実施形態では、導波管10を所定角度に傾斜させて固定的に吊り止め支持させる例について説明したが、その傾斜角度を調整する機構を設けても良い。これにより、プラズマ発生ノズル31のワークWに対する指向角度を調整できるようになり、ひいてはプラズマ照射エリアの大きさを調整できるようになる。従って、ワークWの性質等に合わせて、最適なプラズマ照射エリアを設定することが可能となる。
(6)プラズマ発生ノズル31のワーク搬送方向下流側に、プラズマ照射によって生じた塵埃等を回収するバキューム式の集塵装置を配置するようにしても良い。
本発明に係るワーク処理装置及びプラズマ発生装置は、半導体ウェハ等の半導体基板に対するエッチング処理装置や成膜装置、プラズマディスプレイパネル等のガラス基板やプリント基板の清浄化処理装置、医療機器等に対する滅菌処理装置、タンパク質の分解装置等に好適に適用することができる。
本発明に係るワーク処理装置S0の全体構成を簡略的に示す正面図である。 図1のI−I線断面図である。 導波管の撓み状態を示す説明図である。 矩形の導波管を水平面に対して平行になるように配置して吊り止め支持した場合についての説明図である。 矩形の導波管を水平面に対して所定角度θだけ傾けた状態に配置して吊り止め支持した場合についての説明図である。 多連式の導波管を採用した、本発明に係るワーク処理装置Sの全体構成を斜視図である。 プラズマ発生ユニットPUの斜視図である。 図7とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットPUの斜視図である。 ワーク処理装置Sの一部透視側面図である。 2つのプラズマ発生ノズル31を拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズル31は分解図として描いている)である。 図10のA−A線側断面図である。 プラズマ発生ノズル31におけるプラズマの発生状態を説明するための透視側面図である。 スライディングショート40の内部構造を示す透視斜視図である。 サーキュレータ50の作用を説明するためのプラズマ発生ユニットPUの上面図である。 スタブチューナ70の設置状況を示す透視側面図である。 4つのプラズマ発生ユニットPU−1〜PU−4を、所定角度だけ傾斜させた態様で吊り止め支持した状態を示す斜視図である。 4つのプラズマ発生ユニットPU−1〜PU−4を、水平にした態様で吊り止め支持した状態を示す斜視図である。 ワーク処理装置Sの制御系90を示すブロック図である。
符号の説明
101 マイクロ波発生手段
102 導波管
103 プラズマ発生部
103N プラズマ発生ノズル
104 支持部材
10 導波管
20 マイクロ波発生装置(マイクロ波発生手段)
30 プラズマ発生部
31 プラズマ発生ノズル
32 中心導電体
33 ノズル本体
34 ノズルホルダ
40 スライディングショート
50 サーキュレータ
60 ダミーロード
70 スタブチューナ
S ワーク処理装置
PU、PU−1〜PU−4 プラズマ発生ユニット(プラズマ発生装置)
C 搬送手段
W ワーク

Claims (5)

  1. 処理対象とされるワークを搬送しつつ該ワークにプラズマを照射して所定の処理を施与するワーク処理装置であって、
    マイクロ波を発生するマイクロ波発生手段と、前記マイクロ波を伝搬する導波管と、前記マイクロ波を受信しそのマイクロ波のエネルギーに基づきプラズマ化したガスを生成して放出するプラズマ発生ノズルが前記導波管に複数個配列して取り付けられてなるプラズマ発生部とを具備するプラズマ発生手段と、
    前記プラズマ発生部を通過するようにワークを搬送するワーク搬送手段とを備え、
    前記導波管は断面形状が非円形の長尺管からなり、
    前記断面において互いに直交する所定の2軸であって、断面二次モーメントが所定値よりも低い第1の値となる2軸があるとき、
    断面二次モーメントを所定値よりも高い第2の値とするべく、前記所定の2軸が、前記導波管の長手方向と直交する方向に所定角度だけ傾斜されるように前記導波管が配置されていることを特徴とするワーク処理装置。
  2. 前記導波管が、断面形状が矩形である矩形導波管からなり、
    該矩形導波管の各側辺が水平面に対して所定角度だけ傾斜された状態で所定の支持部材で支持されていることを特徴とする請求項1に記載のワーク処理装置。
  3. 前記矩形導波管が前記ワークと対向する対向面を有し、前記複数のプラズマ発生ノズルが前記対向面に整列配置して突設されており、
    前記矩形導波管がその長手方向と直交する方向に所定角度だけ傾斜して配置されることで、前記対向面のプラズマ発生ノズルの前記ワークに対する指向角度が所定角度だけ傾斜されていることを特徴とする請求項2に記載のワーク処理装置。
  4. 前記支持部材が、吊り止め支持具からなることを特徴とする請求項2又は3に記載のワーク処理装置。
  5. 前記プラズマ発生部が備えられた導波管が、前記ワーク搬送手段によるワークの搬送方向に複数配列されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のワーク処理装置。
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