JP2007232556A - 光学式変位センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】測定対象物が拡散反射面でない場合でも、その測定対象物からの反射光の受光レベル分布のピーク位置を正確に検出することができる光学式変位センサを提供する。
【解決手段】測定対象物Mに光を照射する投光素子1と、照射された光の測定対象物Mからの反射光を受光するイメージセンサ4とを有し、イメージセンサ4の受光レベル分布のピーク位置に基づき測定対象物Mまでの距離を測定するものにおいて、受光レベルの閾値Thに基づいてピーク位置を判定するピーク位置判定手段8と、受光量の大きさに基づいて閾値Thを調整して設定する閾値設定手段7とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、投光素子により光が照射された測定対象物からの反射光を受光したイメージセンサからの受光データに基づいて、測定対象物までの距離を測定して測定対象物の変位を検出する光学式変位センサに関するものである。
従来から、物体の移動や物体の寸法などを測定するめに、測定対象物までの距離を三角測距方式で測定して測定対象物の変位を検出する光学式変位センサが用いられている(例えば、特許文献1参照)。この光学式変位センサは、図5に示すように、投光素子1から出射された光を投光レンズ2を通して測定対象物Mに照射し、測定対象物Mからの反射光を受光レンズ3を通してイメージセンサ4で受光し、このイメージセンサ4への反射光の受光スポット位置に基づき測定対象物Mまでの距離を測定するようになっている。したがって、例えば、測定対象物Mが実線の図示位置から2点鎖線の図示位置に変位した場合には、この測定対象物Mからの反射光のイメージセンサ4への受光スポット位置が矢印で示すように変化するので、その反射光の受光スポット位置の変化に基づき測定対象物Mの変位量を検出することができる。
特開昭62−218802号公報
前記イメージセンサ4への反射光の受光スポット位置の検出は、例えば以下のように行われる。図6(a)はイメージセンサ4に入射した反射光の受光レベル分布の波形の一例を示したものであり、予め設定された受光レベルの閾値Thと受光レベル分布の波形との2箇所の交点におけるイメージセンサ4上の画素座標L1,L2を求めた上で、この両画素座標L1,L2の中間値を演算により求める〔(L1+L2)/2〕。この演算により算出される画素座標Pが、イメージセンサ4への反射光の受光スポット位置として、以後の測定対象物Mまでの距離の演算に用いられる。測定対象物Mにおける光の照射面が平滑な拡散反射面であれば、反射光が全ての方向に均一に反射される、つまり拡散反射されるので、イメージセンサ4での受光レベル分布は、図6(a)に示したように、受光レベルのピーク位置に対して左右対称の波形となり、上述のように算出した画素座標Pが、受光レベル分布のピーク位置の受光レベルTPの受光スポット位置に合致する。
しかしながら、例えば、測定対象物Mの光照射面に細かな凹凸が存在したり、あるいは測定対象物Mが半透明のものである場合には、不均一な光反射や入射光の一部が透光するなどの現象が生じて、図6(b)に示すように、イメージセンサ4での受光レベル分布が受光ピークレベルTPを示すピーク位置Pに対して左右対称の波形とならないことがある。この場合には、上述した算出手段で求められる反射光の受光スポット位置P1〔=(L1+L2)/2〕は、実際のピーク位置Pに対し誤差Eがあり、この受光スポット位置P1を反射光の受光スポット位置として用いると、測定対称物Mまでの距離を正確に測定することができない。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたもので、測定対象物が拡散反射面でない場合であっても、その測定対象物からの反射光の受光レベル分布のピーク位置を容易かつ正確に検出することができる光学式変位センサを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明に係る光学式変位センサは、測定対象物に光を照射する投光素子と、照射された光の前記測定対象物からの反射光を受光するイメージセンサとを有し、前記イメージセンサの受光レベル分布のピーク位置に基づいて前記測定対象物までの距離を測定するものであって、前記受光レベルの閾値に基づいて前記ピーク位置を判定するピーク位置判定手段と、前記イメージセンサの受光量の大きさに基づいて前記閾値を調整して設定する閾値設定手段と、を備えている。
この構成によれば、閾値設定手段が、イメージセンサの受光量の大きさに基づいて、例えばイメージセンサの各画素の受光量の総和に基づいて、受光レベルの閾値を調整して設定すると、その設定された閾値に基づいて、ピーク位置判定手段がイメージセンサの受光レベル分布のピーク位置を判定する。例えば、ピーク位置判定手段は、従来と同様に、受光レベル分布における閾値に等しい2つの座標の中間位置をピーク位置と判定する。これにより、以下のとおり、測定対象物の光照射面が拡散反射面でないのに伴いイメージセンサが受光した受光レベル分布がピーク位置に対し左右非対称な波形である場合においても、前記判定したピーク位置が、受光レベル分布の実際の受光ピーク位置に近づく。
すなわち、測定対象物の光照射面が拡散反射面でない場合のメージセンサの受光レベル分布は、全体として見た場合にピーク位置に対して左右非対称な歪んだ波形となるが、光学式変位センサの光学的特性上、比較的高い特定の受光レベル以上の頭部側の分布部分のみを抽出して見た場合、ピーク位置に対しほぼ左右対称の波形となる。また、このように歪んだ波形は一般に、波形の裾野が広い分だけ、面積(受光量)が大きい。したがって、受光量の大きさに対応して個々に調整して設定された閾値の受光レベルは前記特定の受光レベルに対応した高いものとなる。これにより、イメージセンサの受光レベル分布における閾値以上の頭部側の分布部分のみにおけるピーク位置を判定すれば、そのピーク位置は受光レベル分布の実際のピーク位置に近いものとなり、このピーク位置に基づき測定対象物までの距離を正確に測定することができる。また、前記頭部側の分布が十分に左右対称でない場合であっても、閾値が高くなることで、閾値に合致した2つの画素座標が接近するから、ピーク位置が狭い2つの画素座標の間に追い込まれることになり、これによって、ピーク位置がより正確に求まる。
本発明において、前記閾値設定手段は前記受光レベル分布の平均値に基づいて前記閾値を設定する。この構成によれば、測定対称物の材質や表面状態に応じて反射率が異なるのに対応して反射光の強度も異なり、これに伴いイメージセンサの受光量も増減するが、受光レベル分布の平均値に基づいて算出した閾値の受光レベルは、受光量の大小に対応して波形が種々に異なる各受光レベル分布に対して、受光レベルのピーク位置に近い、比較的高い受光レベルになる。その結果、閾値よりも高い頭部側の左右対称に近い受光レベル分布から、実際のピーク位置を高精度に判定することができる。
また、本発明において、前記イメージセンサとして、例えば、CMOS型トランジスタまたは電荷結合素子を用いたリニアイメージセンサを使用できる。
さらに、本発明において、前記ピーク位置を手動で修正するピーク位置修正手段を備えている。これにより、受光レベルの閾値を調整して設定した上で、この閾値に基づき判定した受光レベル分布のピーク位置であっても、測定対象物の材質や表面状態によっては、実際のピーク位置に対し多少のずれが生じることがあり、そのような場合には、例えば受光レベル分布の表示画面を見ながら、ピーク位置修正手段の手動操作により画面表示中のピーク位置を強制的にシフトさせて、受光レベル分布の実際のピーク位置に一致するように修正することができる。
本発明の光学式変位センサによれば、イメージセンサの受光量の大きさに基づき受光レベルの閾値を調整して設定する閾値設定手段と、その設定された閾値に基づきイメージセンサの受光レベル分布のピーク位置を判定するピーク位置判定手段とを備えているので、測定対象物が拡散反射面でないのに対応してイメージセンサでの受光レベル分布がそのピーク位置に対し左右非対称な波形となる場合であっても、イメージセンサの受光レベル分布における受光ピーク位置を容易かつ正確に判定することができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る光学式変位センサを示すブロック図であり、この光学式変位センサの本体部Aは、投光レンズ2を通して測定対象物Mに光を照射する投光素子1と、照射された光の測定対象物Mからの反射光を受光レンズ3を通して受光するリニアイメージセンサ4と、このイメージセンサ4の受光量の大きさに基づいて受光レベルの閾値を調整して設定する閾値設定手段7と、この閾値設定手段7が設定した受光レベルの閾値に基づいてイメージセンサ4における受光レベル分布のピーク位置の画素座標を判定するピーク位置判定手段8と、このピーク位置判定手段8が判定したピーク位置の画素座標に基づいて、一定の基準面測定対象物Mまでの距離、例えば本体部Aの測定対象物Mに対向した前面から測定対象物Mまでの距離Dを測定して距離信号RSを出力する距離演算手段9と、前記投光素子1を駆動する投光素子駆動回路10とを備えている。
さらに、前記光学式変位センサは、外部装置として、ピーク位置判定手段8が判定したピーク位置をイメージセンサ4が受光した受光レベル分布と共に画面表示する画面表示手段(モニタ)11と、この画面表示手段11に表示されたピーク位置判定手段8の判定によるピーク位置が同時に表示中の受光レベル分布の実際のピーク位置に対し誤差がある場合に、その誤差を手動操作で修正するための手動操作手段12とを備えている。また、本体部Aには、手動操作手段12から入力された修正指令信号に基づきピーク位置判定手段8が判定したピーク位置を修正してピーク位置修正手段13を有している。
前記投光素子1には例えばレーザーダイオードが用いられており、このレーザーダイオードは、所定の投光パワーおよび投光時間で光出射するように投光素子駆動回路10により制御される。リニアイメージセンサ4としては、CMOS型トランジスタまたは電荷結合素子(CCD)などをリニアに配列したものが用いられる。この電荷結合素子(CCD)は、配列された各画素が、入射光の強度に比例した信号電荷を個々に蓄積して、その各画素にそれぞれ蓄積された各信号電荷を順次転送するものであるから、配列した各画素への反射光の受光量に基づき受光レベル分布を得ることができる。
前記閾値設定手段7は、図2に示すように、イメージセンサ4の各画素A〜L毎にこれらの受光レベル(受光信号の強度)をそれぞれ求めて、その求めた各受光レベルを加算してイメージセンサ4の受光量の総和を算出した上で、この受光量の総和をイメージセンサ4の受光した画素数で除算して受光した各画素の受光量の平均値を算出し、この平均値に、測定すべき測定対象物Mの反射率などに対応して予め個々に設定された定数を掛けることにより、閾値Thを算出して、この閾値Thをピーク位置判定手段8に対し設定入力する。
したがって、図3(a)と図3(b)との対比から明らかなように、イメージセンサ4が受光する毎に種々に波形が異なる受光レベル分布に対応して閾値設定手段7が設定した閾値Th1,Th2は、個々の受光レベル分布におけるピークレベルTP1,TP2よりも低く、かつ、ピークレベルTP1,TP2に比較的近い、高いレベルとなる。そのため、受光レベル分布における閾値Th1,Th2よりも高い頭部側はピーク位置Pを中心として概ね左右対称形となる。また、この頭部側の分布が十分に左右対称でない場合であっても、閾値が高くなることで、閾値Th1,Th2に合致した2つの画素座標L1,L2が接近するから、ピーク位置が狭い2つの画素座標L1,L2の間に追い込まれることになる。その結果、設定した閾値Th1,Th2の受光レベルに基づき、前述の〔(L1+L2)/2〕、つまり閾値Th1,Th2に合致した受光位置の中間値により判定したピーク位置は、受光レベル分布の実際のピーク位置Pとほぼ一致するものとなる。つまり、前記平均値を使用することにより、ピーク位置判定の精度が向上する。また、簡単な前記平均値と中間値の演算によって、ピーク位置Pを容易に求めることができる。
したがって、ピーク位置判定手段8は、閾値設定手段7から入力した閾値Th1,Th2を現在設定中の閾値に代えて更新登録したのちに、閾値Th1,Th2と受光レベル分布の波形との2箇所の交点におけるイメージセンサ4上の画素座標L1,L2を求めた上で、両画素座標L1,L2間の中点位置の画素座標Pを算出して〔(L1+L2)/2〕、この画素座標Pを受光レベル分布のピーク位置と判定する。これにより、測定対象物Mの光照射面が拡散反射面でないのに伴いイメージセンサ4での受光レベル分布がピーク位置に対し左右非対称な波形となる場合であっても、ピーク位置判定手段8が判定した前記ピーク位置の画素座標Pは、受光レベル分布におけるピークに近い頭部側の分布からピーク位置を判定しているから、実際のピーク位置によく合致したものとなる。
ここで、閾値設定手段7は受光レベル分布の平均値に基づいて閾値Th1,Th2を調整して設定しているので、前述のとおり、ピーク位置判定の精度が向上する。仮に、受光レベル分布におけるピーク位置に対し左右対称となる頭部の分布部分の抽出を目的として、従来よりも高い目の受光レベルを閾値として固定的に設定したときには、測定対象物Mの光照射面が黒色のように光反射率の低い場合に、受光レベル分布のピーク位置が閾値を下回る不具合が生じたり、逆に測定対象物Mの光照射面が白色のように光反射率が高い場合に、受光レベル分布における閾値の受光レベル以上の分布に非対称な波形部分が含まれてしまう不具合が生じる(図6(b)参照)。
上述のように受光量の大きさに基づき閾値Th1,Th2を設定した上で、この閾値Th1,Th2に基づき正確に判定するように図ったピーク位置であっても、測定対象物Mの材質や表面状態によっては、実際のピーク位置に対し多少のずれが生じることがあるので、このような不具合の発生を次のようして抑制している。画面表示手段11には、図4に示すようにピーク位置判定手段8が判定した受光レベル分布のピーク位置P0が、受光レベル分布の波形および閾値Thと共に画像表示されており、表示中のピーク位置P0が受光レベル分布の実際のピーク位置Pに対しずれている場合には一目瞭然に視認できる。その場合には、図1の手動操作手段12により誤差を無くす操作を行う。これにより、ピーク位置修正手段13が手動操作手段12からの設定入力に対応する位置シフト信号をピーク位置判定手段8に対し出力して、画面表示手段11に表示されている図4の判定ピーク位置P0が左右方向に強制的にシフトされるので、この表示画面を見ながら、判定ピーク位置P0を受光レベル分布の実際のピーク位置Pに一致するまでシフトさせる。ピーク位置判定手段8は、以後、前記手動操作によるピーク位置のシフト量を記憶して、自身が算出したピーク位置にシフト量分だけ修正して正確なピーク位置を判定する。
前記受光レベル分布の平均値に合致した閾値による判定がピーク位置の誤差をもたらす場合、適宜平均値に1を越える定数、または1未満の定数を掛けたものを閾値として設定することにより、誤差を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る光学式変位センサを示すブロック図である。 同上の光学式変位センサにおける閾値設定手段での閾値の設定手法を示す特性図である。 (a),(b)は異なる測定対象物における受光レベル分布とこれに対応して設定した閾値との関連を示す特性図である。 受光レベルの表示画面を示す図である。 同上の光学式変位センサによる距離測定を説明するための概略図である。 (a),(b)は従来の光学式変位センサにおける異なる測定対象物における受光レベル分布と閾値との関連を示す特性図である。
符号の説明
1 投光素子
4 イメージセンサ
7 閾値設定手段
8 ピーク位置判定手段
13 ピーク位置修正手段(修正手段)
M 測定対象物
Th,Th1,Th2 閾値

Claims (3)

  1. 測定対象物に光を照射する投光素子と、照射された光の前記測定対象物からの反射光を受光するイメージセンサとを有し、前記イメージセンサの受光レベル分布のピーク位置に基づいて前記測定対象物までの距離を測定する光学式変位センサであって、
    前記受光レベルの閾値に基づいて前記ピーク位置を判定するピーク位置判定手段と、
    前記イメージセンサの受光量の大きさに基づいて前記閾値を調整して設定する閾値設定手段と、
    を備えた光学式変位センサ。
  2. 請求項1において、前記閾値設定手段は前記受光レベル分布の平均値に基づいて前記閾値を設定する光学式変位センサ。
  3. 請求項1または2において、さらに、前記ピーク位置を手動で修正する修正手段を備えている光学式変位センサ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012137313A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Pulstec Industrial Co Ltd 3次元形状測定装置
CN108571927A (zh) * 2017-03-10 2018-09-25 株式会社三丰 光学位移计、光学位移计调节方法、和光学位移测量方法

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