JP2007232138A - バルブ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 開口度0%〜100%の間で流量の傾向が大きく変動することのない範囲を広範囲にすることができ、広範囲の開口度で適正な流量調整のできるバルブ装置を提供する。
【解決手段】 一次側の配管が流体的に接続される一次側流路及び二次側の配管が流体的に接続される二次側流路が形成されたバルブ本体と、該バルブ本体に内装されて一次側流路と二次側流路との間でスライド可能に設けられたスライド弁体とを備え、該スライド弁体に、一次側流路と二次側流路とを連通させる連通穴と、一次側流路と二次側流路との連通を遮断する遮断部とが該スライド弁体のスライド方向に並んで設けられてなるバルブ装置において、一次側流路及び二次側流路の少なくとも何れか一方は、スライド弁体と隣接する開口が非円形状に形成されてなることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 一次側の配管が流体的に接続される一次側流路及び二次側の配管が流体的に接続される二次側流路が形成されたバルブ本体と、該バルブ本体に内装されて一次側流路と二次側流路との間でスライド可能に設けられたスライド弁体とを備え、該スライド弁体に、一次側流路と二次側流路とを連通させる連通穴と、一次側流路と二次側流路との連通を遮断する遮断部とが該スライド弁体のスライド方向に並んで設けられてなるバルブ装置において、一次側流路及び二次側流路の少なくとも何れか一方は、スライド弁体と隣接する開口が非円形状に形成されてなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、流路の開閉を行うバルブ装置に関し、特には、流路の開口度の調整を行って流量調整を行うためのバルブ装置に関する。
従来から、流路を開閉するバルブ装置には、種々のタイプのものが提供されており、その一つとして、図22(イ)及び(ロ)に示す如く、一次側の配管(図示しない)が流体的に接続される一次側流路P1、及び二次側の配管(図示しない)が流体的に接続される二次側流路P2の形成されたバルブ本体50と、該バルブ本体50に内装されて一次側流路P1と二次側流路P2との間でスライド可能に設けられたスライド弁体51とを備え、該スライド弁体51に、一次側流路P1と二次側流路P2とを連通させる連通穴510と、一次側流路P1と二次側流路P2との連通を遮断する遮断部511とが該スライド弁体51のスライド方向に並んで形成されたものがある。
かかるバルブ装置は、一次側流路P1及び二次側流路P2が全長に亘って断面円形(開口形状円形)に形成されている。そして、該バルブ装置は、スライド弁体51をバルブ本体50内でスライドさせることで、一次側流路P1及び二次側流路P2(円形の開口)と連通穴510との重なり度合い、すなわち、流路の開口度を調整して一次側から二次側に向けて流通する流体の流量を調整できるようになっている。そして、該バルブ装置は、スライド弁体51に連通穴510及び遮断部511が形成されているため、開口度100%のときにフルボアとなり、流体を円滑に流通させることができる一方で、一次側流路P1及び二次側流路P2と連通穴510とが重ならない状態で遮断部511が流路を閉ざして流体の流通を確実に遮ることができるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−133899号公報
ところで、上記構成のバルブ装置は、開口度によって流量の変化する度合いが異なる傾向にあった。そこで、上記構成のバルブ装置(一次側流路P1、二次側流路P2、及びスライド弁体51の連通穴510の開口形状が略真円形状で内径を同径にしたバルブ装置)の流量特性試験(実流試験)を行った結果、図23に示す如く、開口度0%〜100%の間において、狭い間隔で流量の傾向が変わる変曲点P…が多数箇所にあることが判った。
すなわち、広い範囲(例えば、開口度40%程度〜開口度90%程度の範囲)で開口度に応じて同じような傾向で流量が変化すれば、その範囲で流量調整を行うような配管系に採用することができるが、上記バルブ装置は、開口度20%〜80%の広範囲で概ね開口度10%おきに流量の変化率が大きくなったり小さくなったりするポイント(変曲点)P…ができるため、適正に流量調整できる範囲が非常に狭いといった問題があった。
そこで、本発明は、斯かる実情に鑑み、開口度0%〜100%の間で流量の傾向が大きく変動することのない範囲を広範囲にして、広範囲の開口度で適正な流量調整を行うことができるバルブ装置を提供することを課題とする。
本発明に係るバルブ装置は、一次側の配管が流体的に接続される一次側流路及び二次側の配管が流体的に接続される二次側流路の形成されたバルブ本体と、該バルブ本体に内装されて一次側流路と二次側流路との間でスライド可能に設けられたスライド弁体とを備え、該スライド弁体に、一次側流路と二次側流路とを連通させる連通穴と、一次側流路と二次側流路との連通を遮断する遮断部とが該スライド弁体のスライド方向に並んで設けられてなるバルブ装置において、一次側流路及び二次側流路の少なくとも何れか一方は、スライド弁体と隣接する開口が非円形状に形成されてなることを特徴とする。なお、ここで「スライド弁体と隣接」とは、スライド弁体に隣り合って対向していることを意味し、スライド弁体と密接状態で隣り合うことは勿論のこと、スライド弁体との間に隙間を形成して隣り合うことも含む概念である。また、「非円形状」とは、開口の輪郭が真円以外の形状で、楕円形や、多角形、角部を介して複数の辺が環状に接続され、その複数の辺のうち少なくとも一辺が、内側又は外側に凸状をなして湾曲した形状(例えば、扇形状)等を含む概念である。
そして、本発明の一態様として、一次側流路及び二次側流路の少なくとも何れか一方は、スライド弁体と隣接する開口端から所定範囲の内周壁面が、平面又は曲面からなる分割壁面を三つ以上接続して前記開口を画定するように形成されていることを特徴とする。
そして、前記開口は、スライド弁体のスライド方向に延びる該開口の中心線を境に二分される領域が該中心線を基準に対称形状となるように形成されていることがより好ましい。さらに、前記非円形状の開口が形成されるとともに、バルブ本体に装着可能に構成されたシート部材を備え、該シート部材をバルブ本体に装着した状態で、バルブ本体側の流路とシート部材の開口とが連通して一次側流路又は二次側流路の少なくとも何れか一方が形成されるように構成されれば、異なる形態の開口が設けられたシート部材を適宜選択してバルブ本体に装着することで、種々の流量特性のバルブ装置を提供することができる。
本発明に係るバルブ装置は、鋭意研究の結果、一次側流路及び二次側流路の少なくとも何れか一方のスライド弁体と隣接する開口を非円形状にすることで、開口度0%〜100%の間で流量の傾向が変わる変曲点が少なくなる、或いは無くなることを見出したもので、開口度0%〜100%の間で流量の傾向が大きく変動することのない範囲を広範囲にして、広範囲の開口度で適正な流量調整を行うことができるという優れた効果を奏し得る。
以下、本発明の一実施形態に係るバルブ装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係るバルブ装置は、図1及び図2に示す如く、一次側の配管(図示しない)が流体的に接続される一次側流路P1、及び二次側の配管(図示しない)が接続される二次側流路P2の形成されたバルブ本体1と、該バルブ本体1に内装されて一次側流路P1と二次側流路P2との間でスライド可能に設けられ、一次側流路P1及び二次側流路P2を連通状態と遮断状態とに切り換えるスライド弁体2と、該スライド弁体2をスライド(移動)させる駆動手段3とを備えている。なお、図1は、本実施形態に係るバルブ装置の内部構造を説明するための説明図であって、(イ)は、一次側流路P1と二次側流路P2とが連通した状態の縦断面図であり、(ロ)は、一次側流路P1と二次側流路P2とが連通する状態で、後述する第二部材を取り外した際の正面図である。そして、図2についても、本実施形態に係るバルブ装置の内部構造を説明するための説明図であって、(イ)は、一次側流路P1と二次側流路P2との連通を遮断した状態の縦断面図であり、(ロ)は、一次側流路P1と二次側流路P2との連通を遮断した状態で、第二部材を取り外した際の正面図である。
前記バルブ本体1は、内部にスライド弁体2を内装するための空間(以下、内装空間という)Aが形成されており、該内装空間Aを介在させて一次側流路P1と二次側流路P2とが略同心で対向するように形成されている。該一次側流路P1及び二次側流路P2のそれぞれは、配管の接続されるフランジ部112,122から内装空間Aに至るように形成されており、内装空間Aに内装されたスライド弁体2に隣接(隣り合って対向)する開口10a,10bが非円形状に形成されている。
一次側流路P1及び二次側流路P2のそれぞれは、スライド弁体2と隣接する(隣り合う)開口端から反対の開口端側に向けて、所定範囲の内周壁面Bが、平面又は曲面からなる複数の分割壁面を環状に接続して前記開口10a,10bを画定している。本実施形態においては、前記内周壁面Bは、平面からなる四つの分割壁面Ba,Bb,Bc,Bdを環状に接続して形成され、前記開口10a,10bの輪郭を構成している。すなわち、四つの角部C…を介して平面からなる四つの分割壁面Ba,Bb,Bc,Bdが接続されて内周壁面Bが形成されており、スライド弁体2に隣接する開口10a,10bが該内周壁面Bによって多角形状(正方形状)に画定されている。
本実施形態において、前記開口10a,10bは、スライド弁体2のスライド方向に延びる該開口10a,10bの中心線を境に二分される領域が該中心線を基準に対称形状となるように形成されている。すなわち、互いに対向する二対の分割壁面Ba,Bb,Bc,Bdのうちの一対の分割壁面Ba,Bdが、スライド弁体2のスライド方向と直交するように形成され、その中心とスライド弁体2のスライド中心とが一致するように形成されている。
本実施形態に係るバルブ本体1は、一次側流路P1の形成された第一部材11と、二次側流路P2の形成された第二部材12とで構成されており、これらを組み合わせた状態で、第一部材11と第二部材12との間に内装空間Aが形成されるとともに、該内装空間Aを介して一次側流路P1及び二次側流路P2が対向した状態になるように構成されている。
具体的に説明すると、第一部材11は、スライド弁体2がスライド可能に収納される弁体収容凹部A’が形成された本体部110と、該本体部110に連設された第一筒状部111と、該第一筒状部111の先端部から径方向外方に向けて延出して鍔状に形成された前記フランジ部(第一フランジ部)112とで構成されている。前記本体部110は、平面視長方形状をなすプレート状の第一板部113と、該第一板部113の各端縁部から該第一板部113と直交する方向に延出した四つの壁部114a,114b,114c,114dとで構成されており、前記弁体収容凹部A’が第一板部113及び壁部114a,114b,114c,114dによって形成されている。
そして、第一板部113は、一方の面に前記第一筒状部111が延設され、他方の面側に後述する第一シート部材4aを嵌入するための第一嵌入穴115が、第一筒状部111と略同心で貫通するように形成されている。該第一嵌入穴115の内周面は、互いに対向する平面からなる一対の位置決面(図示しない)と、該位置決面同士を連結し、外側に凸状をなした一対の円弧面(採番しない)とで構成され、前記一対の位置決面がスライド弁体2のスライド方向に延びるように形成されている。そして、前記壁部114a,114b…のうち、第一板部113の長手方向の一端側にある壁部114aには、駆動手段3の後述するロッド30を挿通するための挿通穴117が穿設されている。
前記第一シート部材4aは、一端部に大径の鍔部41の形成された筒状の部材で、開口一端(鍔部41の一方の面)から他端に向けて所定範囲(所定の深さ)で、流体の流通方向から見て非円形状の開口10aが形成され、その所定範囲よりも他端側(一次側)の開口(穴)形状が、第一筒状部111の内穴、すなわち、一次側の配管の穴と同径の円形状に形成されている。本実施形態においては、第一シート部材4aの非円形状の開口10aは、一次側の配管の穴に対して外接するサイズに設定されている。該第一シート部材4aは、一端面(鍔部41の一方の面)にスライド弁体2の外面に密接してシール状態を維持させるためのシール部40aが非円形状の開口10aを包囲するように環状に凸設されている。
そして、該第一シート部材4aは、鍔部41を除いて外形が第一嵌入穴115の穴形状に対応するように形成されている。すなわち、第一シート部材4aは、鍔部41を除く部分の外周面が、前記一対の位置決面に対応する一対の平面部(図示しない)と、該一対の平面部同士を接続した一対の円弧部(採番しない)とで構成されている。これにより、該第一シート部材4aは、第一板部113に形成された第一嵌入穴115に嵌入されることで、一対の平面部が第一嵌入穴115の内周面を構成する一対の位置決面と略密接な状態(位置決めされた状態)となり、第一シート部材4aの非円形状の開口10aが所定の態様となるようになっている。そして、該第一シート部材4aは、第一嵌入穴115に嵌入されることで、第一筒状部111の内穴(バルブ本体1内の流路)と該第一シート部材4aの内穴とが連通し、スライド弁体2に隣接する開口10aが非円形状(本実施形態においては上述の如く略正方形状)をなす一次側流路P1を形成するようになっている。
前記第二部材12は、第一板部113と同様に長方形状に形成された第二板部120と、該第二板部120の一方の面側に延設された第二筒状部121と、該第二筒状部121の先端部から径方向外方に向けて延出して鍔状に形成された前記フランジ部(第二フランジ部)122とで構成されている。
該第二板部120は、他方の面側に第一シート部材4aと外形が略同一に形成された第二シート部材4bを嵌入するための第二嵌入穴123が第二筒状部121と略同心で貫通するように形成されている。該第二嵌入穴123の内周面は、第一嵌入穴115の内周面と同様に、互いに対向する平面からなる一対の位置決面(図示しない)と、該位置決面同士を連結し、外側に凸状をなした一対の円弧面(採番しない)とで構成され、前記一対の位置決面がスライド弁体2のスライド方向に延びるように形成されている。
さらに、該第二板部120は、他方の面側の外周縁部に段部124が形成されており、その面側の一部を第一部材11の弁体収容凹部A’に嵌入可能に形成されている。すなわち、第一部材11に対して第二部材12を嵌め込むことで第一板部113と第二板部120との間に内装空間Aが形成され、且つ該内装空間Aに連通した状態で一次側流路P1及び二次側流路P2が略同心で対向するようになっている。そして、該第二板部120は、第一部材11との間にシール部材Sを介在させた状態で、該第一部材11(壁部114a,114b…の端面)に対して締結(ネジ止め)されるようになっている。
前記第二シート部材4bは、一端部に大径の鍔部42の形成された筒状の部材で、開口一端(鍔部42の一方の面)から他端に向けて所定範囲(所定の深さ)で、流体の流通方向から見て非円形状の開口10bが形成され、その所定範囲よりも他端側(二次側)の開口(穴)形状が、第二筒状部121の内穴、すなわち、二次側の配管の穴と同径の円形状に形成されている。本実施形態においては、第二シート部材4bの非円形状の開口10bは、二次側の配管の穴に対して外接するサイズに設定されている。該第二シート部材4bは、一端面(鍔部42の一方の面)にスライド弁体2の外面に密接してシール状態を維持させるためのシール部40bが非円形状の開口10bを包囲するように環状に凸設されている。
そして、前記第二シート部材4bは、第一シート部材4aと同様、鍔部42を除いて外形が第二嵌入穴123の穴形状に対応するように形成されている。すなわち、第二シート部材4bは、鍔部42を除く部分の外周面が、前記一対の位置決面に対応する一対の平面部(図示しない)と、該一対の平面部同士を接続した一対の円弧部(採番しない)とで構成されている。これにより、該第二シート部材4bは、第二板部120に形成された第二嵌入穴123に嵌入されることで、一対の平面部が第二嵌入穴123の内周面を構成する一対の位置決面と略密接な状態(位置決めされた状態)となり、第二シート部材4bの非円形状の開口10bが所定の態様となるようになっている。そして、第二シート部材4bは、第二嵌入穴123に嵌入されることで、第二筒状部121の内穴(バルブ本体1内の流路)と該第二シート部材4bの内穴とが連通し、スライド弁体2に隣接する開口10aが非円形状(本実施形態においては上述の如く略正方形状)をなす二次側流路P2を形成するようになっている。なお、第二シート部材4bには、開口10bの形状が第一シート部材4aの開口10aと同形又は異形のものが採用されるが、本実施形態においては、第一シート部材4aと第二シート部材4bとの互換性を持たせて何れか一方として使用できるように、第一シート部材4a及び第二シート部材4bの外形が同一に設定されている。
前記スライド弁体2は、第一部材11と第二部材12とが組み付けられた状態で対向する第一シート部材4aと第二シート部材4bとの間隔に対応する板厚の板材から形成されている。該スライド弁体2は、幅が前記弁体収容凹部A’の幅(第一板部113の短手方向の長さ)に対応し、該幅方向と直交する方向の長さが弁体収容凹部A’の長さ(第一板部113の長手方向の長さ)よりも短く形成されている。これにより、スライド弁体2は、弁体収容凹部A’(内装空間A)内で幅方向の移動が規制されつつ第一板部113の長手方向でスライドできるようになっている。そして、該スライド弁体2には、一次側流路P1と二次側流路P2とを連通させる連通穴20と、一次側流路P1と二次側流路P2との連通を遮断する遮断部21とが該スライド弁体2のスライド方向に並んで形成されている。連通穴20の開口形状は、所望する流量特性に応じて適宜設定され、例えば真円形状や、三角形状や矩形状等の多角形状、扇形状や瓢箪形状等の特殊形状等に設定することができるが、本実施形態においては、一次側流路P1及び二次側流路P2の開口10a,10bに対応させて正方形状に形成している。
そして、連通穴20は、穴中心が一次側流路P1及び二次側流路P2の流路中心と直交する仮想線上(スライド弁体2のスライド方向に延びる中心線)上に位置するように形成されている。前記遮断部21は、板状をなすスライド弁体2の非穿設部分(板部分)で、一次側流路P1の開口10a、及び二次側流路P2の開口10bよりも広い領域で構成されている。そして、本実施形態に係るスライド弁体2は、長手方向の一端部に駆動手段3のロッド30を接続するためのT溝22が設けられている。
ここで、スライド弁体2とロッド30との連結構造について説明すると、ロッド30の先端部に設けられた雄ねじ部30aが、スライド弁体2に長手方向の一端面上に開口を形成するT溝22の縦溝部に嵌め込まれ、該縦溝部に連通するように形成されたT溝22の横溝部に皿バネ(採番しない)とナット(採番しない)を嵌め込み、縦溝部に嵌め込んだロッド30(雄ねじ部30a)をナットに螺合させる。なお、ナットは縦溝部側に位置し、皿バネは、ナットとスライド弁体2との間に介装されており、雄ねじ部30aとナットとが螺合された状態で皿バネがロッド30を付勢した状態、すなわち、ナットがスライド弁体2に係止された状態になるように構成されている。
前記駆動手段3は、スライド弁体2に連結される前記ロッド30と、該ロッド30を軸線方向に案内する案内手段31と、ロッド30を往復移動させるため作動手段32とを備えている、
前記ロッド30は、一端部に前記雄ねじ部30aが形成され、他端部がジョイント部材33を介して案内手段31(後述する案内バー310)に連結されている。そして、該ロッド30は、前記バルブ本体1の壁部114aに穿設された挿通穴117を介して一端側がバルブ本体1内に挿入され、上述の如くスライド弁体2に接続されている。
前記案内手段31は、前記案内バー310と、前記ロッド30と略同心となるように案内バー310が挿通され、該案内バー310を軸心方向に案内する案内部311とで構成されている。前記案内部311は、バルブ本体1に連結された該駆動手段3のフレーム34に取り付けられている。該案内手段31は、案内バー310が案内部311によって軸心方向に案内されることで、該案内バー310に連結されたロッド30についても、その軸線上で案内できるようになっている。
前記作動手段32は、先端部がロッド30(実際にはジョイント部材33)にピン結合されたレバー320と、該レバー320の基端部に回転力を付加し、レバー320を基端部に設けられた支点回りで回転させるアクチュエータ321とを備えている。該アクチュエータ321は、レバー320を所定の角度範囲内で回転させるようになっており、連続的な回転は勿論のこと、任意角度で回転させることができるようになっている。そして、該作動手段32は、アクチュエータ321の作動でレバー320が回転することで、該レーバー320を介してロッド30を移動させるようになっている。
本実施形態に係るバルブ装置は、以上の構成からなり、次に、該バルブ装置の使用態様について説明する。
まず、第一フランジ部112に一次側の配管を接続し、第二フランジ部122に二次側に接続しておく。そうすると、一次側の配管内部と一次側流路P1とが連通し、二次側の配管内部と二次側流路P2とが連通した状態となる。そして、一次側流路P1及び二次側流路P2とスライド弁体2の連通穴20とが連なった状態で、一次側の配管から流体を供給すると、該流体は一次側流路P1、連通穴20、及び二次側流路P2を介して二次側の配管に送り込まれることになる。
このとき、バルブ装置の開口度100%(一次側流路P1及び二次側流路P2と、連通穴20とが完全に重なりあった状態)である場合、バルブ装置内に形成される流路上(一次側流路P1、連通穴20、二次側流路P2)の何れの箇所にも、流体の流れを阻害するようなものが介在しないフルボアの状態になり、流体が円滑に流通することになる。そして、駆動手段3を作動してスライド弁体2をスライドさせると、一次側流路P1と二次側流路P2との間を遮断部21が助序に遮るため、開口度がそのスライド弁体2の移動に伴って小さくなっていくことになり、流体の流量が少なくなる。
そして、スライド弁体2が移動した結果、連通穴20が完全に一次側流路P1及び二次側流路P2からずれると、一次側流路P1と二次側流路P2との間に遮断部21が介在し、これらの連通が完全に遮断されることになる。そして、スライド弁体2を逆方向に移動させると、上述の場合とは逆に、開口度0%から100%に向けて大きくなって最終的にフルボアの状態となり、上述の如く円滑な流通が可能となる。従って、スライド弁体2を移動させることで開口度を変化させることができ、必要に応じて流量調整を行うことができる。
発明者は、上記構成のバルブ装置の性能を検証すべく、開口10a,10bの形状の異なる複数種類のシート部材4a,4b、連通穴20の形状の異なる複数のスライド弁体2を用意し、これらを組合せた複数パターンについて、JIS B 2005「工業用プロセス用調整弁」(JIS B2005−2−3「試験手順」)に従い、流体…水、流体温度…5〜40℃、一次側の流体圧0.3Mpa、一次側及び二次側の配管…20A(内径19mm)、非円形の開口10a,10bと配管との間の流路(穴径)…19mmの条件の下に実流試験を行った。なお、図3〜図6は、一次側流路P1、二次側流路P2、及び連通穴20の組合せパターンを以下の実施例毎に説明するための説明図である。
そして、図7〜図20に示すグラフは、各実施例に係るバルブ装置における開口度と流量との関係を示しており、X軸に開口度(%)、Y軸にCv(%)をとっている。なお、Cv(%)は、JIS B 2005−1にある「相対容量係数」の定義に基づくもので、全開時のCv値に対する実測データから得られる容量係数Cvの比を百分率で示したものである。
以下、実施例毎に開口10a,10b及び連通穴20の形状、寸法等を説明しつつ実流試験の結果について説明する。
本実施例1において、図3(イ)に示す如く、一次側流路P1の開口10a、二次側流路P2の開口10b、及びスライド弁体2の連通穴20の何れをも略矩形状(一辺Lが19mmの正方形状)に形成した。そして、スライド弁体2の厚み(連通穴20の長さ)を10mmに設定し、一次側流路P1の正方形状に形成される開口10aの深さ(開口端からの所定範囲)を20mmに設定するとともに、二次側流路P2の正方形状に形成される開口10bの深さ(開口端からの所定範囲)を20mmに設定した。
さらに、各開口10a,10b及び連通穴20は、接続される配管と略同心で、且つスライド弁体2のスライド方向(以下、縦方向という)に延びる所定の仮想線(スライド弁体2のスライド中心を通る仮想面)上に中心を位置させ、対向する二辺の中間点が仮想線に対応した位置、すなわち、仮想線を基準に二分される領域が対称な長方形状となるように配置されている。これにより、開口度100%のときに連通穴20が一次側流路P1の開口10a及び二次側流通路P2の開口10bと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図7に示す如く、開口度略全域において流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度5%〜90%の広範囲で略一次比例的な関係にあることが判った。
本実施例2において、図3(ロ)に示す如く、一次側流路P1の開口10a、及び二次側流路P2の開口10bを略矩形状(一辺Lが19mmの正方形状)に形成し、連通穴20を略真円形状(直径Dが19mmで前記開口10a,10bと内接関係にある円形)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の正方形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の正方形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、各開口10a,10bは、実施例1と同様の配置とし、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに一次側流路P1の開口10a、及び二次側流路P2の開口10bと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図8に示す如く、開口度略全域において流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度15%〜100%にかけて略一次比例的な関係にあることが判った。
本実施例3において、図3(ハ)に示す如く、一次側流路P1の開口10a及び連通穴20を略矩形状(一辺Lが19mmの正方形状)に形成するとともに、二次側流路P2の開口10bを略真円形状(直径Dが19mmで前記開口10aと内接関係にある円形)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の正方形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の真円形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、一次側流路P1の開口10aを実施例1と同様の配置にするとともに、二次側流路P2の開口10bを一次側流路P1の開口10aと同心となるように配置し、連通穴20は、前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに一次側流路P1の開口10aと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図9に示す如く、開口度略全域において流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度15%〜100%の広範囲で略比例的な関係にあることが判った。
本実施例4において、図3(ニ)に示す如く、一次側流路P1の開口10a及び連通穴20を略真円形状(直径Dが19mmの円形)に形成するとともに、二次側流路P2の開口10bを略矩形状(一辺Lが19mmで一次側流路P1の開口10a及び連通穴20に対して外接関係にある正方形状)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の真円形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の正方形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、一次側流路P1の開口10aを一次側の配管と略同心で配置するとともに、二次側流路P2の開口10bを一次側流路P1の開口10a及び二次側の配管と同心となるように配置し、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに一次側流路P1の開口10aと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図10に示す如く、開口度15%〜90%の広範囲で流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度15%〜90%の広範囲で比例的な関係にあることが判った。
本実施例5において、図4(イ)に示す如く、一次側流路P1の開口10a、及び連通穴20を略矩形状(一辺Lが19mmの正方形状)に形成し、二次側流路P2の開口10bを菱形状(一辺L’が19mmの正方形状を45°回転させた態様の(対向する二つの角部が縦方向に位置する)菱形状)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の正方形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の菱形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、一次側流路P1の開口10aは、実施例1と同様の配置にするとともに、二次側流路P2の開口10bを一次側流路P1の開口10aと同心で配置し、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに一次側流路P1の開口10aと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図11に示す如く、開口度略全域において流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度15%〜100%の広範囲で比例的で、15%〜80%の広範囲で一次比例的な関係にあることが判った。
本実施例6において、図4(ロ)に示す如く、一次側流路P1の開口10aを菱形状(一辺L’が19mmの正方形状を45°回転させた態様の菱形状)に形成し、二次側流路P2の開口10b及び連通穴20を略矩形状(一辺Lが19mmの正方形状)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の菱形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の正方形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、一次側流路P1の開口10aは、実施例1と同様の配置にするとともに、二次側流路P2の開口10bを一次側流路P1の開口10aと同心で配置し、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに二次側流路P2の開口10bと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図12に示す如く、開口度略全域において流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度15%〜100%の広範囲で比例的で、30%〜90%の広範囲で一次比例的な関係にあることが判った。
本実施例7おいて、図4(ハ)に示す如く、一次側流路P1の開口10a及び二次側流路P2の開口10bを菱形状(一辺L’が19mmの正方形状を45°回転させた態様の菱形状)に形成し、連通穴20を真円形状(直径Dが19mmで、一次側流路P1の開口10a及び二次側流路P2の開口10bと内接関係にある円形)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の菱形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の菱形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、一次側流路P1の開口10aは、一次側の配管と同心となるように配置し、二次側流路P2の開口10bを一次側流路P1の開口10aと同心で配置し、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに一次側流路P1の開口10a、及び二次側流路P2の開口10bと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図13に示す如く、開口度15%〜100%の広範囲で流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度15%〜100%の広範囲で比例的で、30%〜80%の広範囲で一次比例的な関係にあることが判った。
本実施例8おいて、図4(ニ)に示す如く、一次側流路P1の開口10aを略矩形状(一辺Lが19mmの正方形状)に形成するとともに、二次側流路P2の開口10bを菱形状(一辺L’が19mmの正方形状を45°回転させた態様の菱形状)に形成し、連通穴20を真円形状(直径Dが19mmで、一次側流路P1の開口10a及び二次側流路P2の開口10bと内接関係にある円形)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の正方形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の菱形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、一次側流路P1の開口10aは、一次側の配管と同心となるように配置し、二次側流路P2の開口10bを一次側流路P1の開口10aと同心で配置し、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに一次側流路P1の開口10a、及び二次側流路P2の開口10bと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図14に示す如く、開口度15%〜90%の広範囲で流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度15%〜90%の範囲で比例的な関係にあることが判った。
本実施例9おいて、図5(イ)に示す如く、一次側流路P1の開口10a及び二次側流路P2の開口10bを略矩形状(一辺Lが19mmの正方形状)に形成し、連通穴20を三角形状(一辺L’’が約26mmで、一次側流路P1の開口10a及び二次側流路P2の開口10bと略内接関係にあり、且つ縦方向上側に一つの頂点がある正三角形状)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の正方形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の正方形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、一次側流路P1の開口10aは、一次側の配管と同心となるように配置し、二次側流路P2の開口10bを一次側流路P1の開口10aと同心で配置し、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに一次側流路P1の開口10a、及び二次側流路P2の開口10bと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図15に示す如く、開口度0%〜100%の間で流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度の全域で比例的な関係にあることが判った。
本実施例10おいて、図5(ロ)に示す如く、一次側流路P1の開口10a及び二次側流路P2の開口10bを略矩形状(一辺Lが19mmの正方形状)に形成し、連通穴20を逆三角形状(一辺L’’が約26mmで、一次側流路P1の開口10a及び二次側流路P2の開口10bと略内接関係にあり、且つ縦方向下側に一つの頂点がある三角形状)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の正方形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の正方形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、一次側流路P1の開口10aは、一次側の配管と同心となるように配置し、二次側流路P2の開口10bを一次側流路P1の開口10aと同心で配置し、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに一次側流路P1の開口10a、及び二次側流路P2の開口10bと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図16に示す如く、開口度0%〜100%の間で流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度の全域で比例的な関係にあることが判った。
本実施例11において、図5(ハ)に示す如く、一次側流路P1の開口10aを略真円形状(直径Dが19mmの略真円形状)に形成するとともに、二次側流路P2の開口10b及び連通穴20を略矩形状(一辺Lが19mmで一次側流路P1の開口10aに対して外接関係にある正方形状)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の真円形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の正方形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、一次側流路P1の開口10a及び二次側流路P2の開口10bを実施例4と同様に配置し、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに流体の流通方向から見て一次側流路P1の開口10aに外接した態様になるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図17に示す如く、開口度15%〜100%の広範囲で流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度15%〜100%の広範囲で比例的な関係にあることが判った。
本実施例12において、図5(ニ)に示す如く、一次側流路P1の開口10a及び連通穴20を略真円形状(直径Dが19mmの円形)に形成するとともに、二次側流路P2の開口10bを菱形状(一辺L’が19mmの正方形状を45°回転させた態様で、且つ一次側流路P1の開口10a及び連通穴20に対して外接関係にある菱形状)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の真円形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の菱形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、一次側流路P1の開口10aを一次側の配管と略同心で配置にするとともに、二次側流路P2の開口10bを一次側流路P1の開口10a及び二次側の配管と略同心となるように配置し、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに一次側流路P1の開口10aと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図18に示す如く、開口度15%〜100%の広範囲で流量の傾向が大きく変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が開口度15%〜100%の広範囲で比例的な関係にあることが判った。
本実施例13において、図6(イ)に示す如く、一次側流路P1の開口10a、及び二次側流路P2の開口10bを略矩形状(一辺Lが19mmの正方形状)に形成し、連通穴20を縦方向と横方向の長さ比が1:1で縦方向の略中間部を絞った形状に形成した。具体的には、連通穴20の内周面を、縦方向に間隔(仮想線の延びる方向の間隔Hが19mm)をおいて略平行に対向する一対の平面(横方向の長さWが19mm)と、各平面の両端から開口中心側に傾斜(平面に対して傾斜角度θが73°で傾斜)した二対の傾斜面とで構成し、これらを角部を介して接続し、これによって縦方向の中間部が横方向において開口中心側に絞られた特殊な形状に連通穴20を形成した。
そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1及び二次側流路P2の正方形状に形成される開口10a,10bの深さを20mmに設定した。さらに、各開口10a,10bは、実施例1と同様の配置とし、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに一次及び二次側流路P2の開口10bと全てが重なるような配置(穴中心が一致する配置)にした。
かかるバルブ装置は、図19に示す如く、開口度25%近傍の略一カ所に流量の変化する変曲点があるものの、開口度30%〜90%の広範囲でCv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が比例的な関係であることが判った。
本実施例14おいて、図6(ロ)に示す如く、一次側流路P1の開口10aを菱形状(一辺L’が19mmの正方形状を45°回転させた態様の菱形状)に形成するとともに、二次側流路P2の開口10bを略矩形状(一辺Lが19mmの正方形状)に形成し、連通穴20を真円形状(直径Dが19mmで、一次側流路P1の開口10a及び二次側流路P2の開口10bと内接関係にある円形)に形成した。そして、連通穴20の長さを10mmに設定し、一次側流路P1の菱形状に形成される開口10aの深さを20mmに設定するとともに、二次側流路P2の正方形状に形成される開口10bの深さを20mmに設定した。
さらに、一次側流路P1の開口10aは、一次側の配管と同心となるように配置し、二次側流路P2の開口10bを一次側流路P1の開口10aと同心で配置し、連通穴20は前記仮想線上に中心を位置させ、開口度100%のときに一次側流路P1の開口10a、及び二次側流路P2の開口10bと全てが重なるような配置にした。
かかるバルブ装置は、図20に示す如く、開口度15%〜95%の広範囲で流量の傾向が変化する変曲点が存在することなく、Cv(%)と開口度(%)との関係(流量特性)が、開口度15%〜95%の広範囲で比例的な関係にあることが判った。
以上のように、スライド弁体2の連通穴20が如何なる形状であっても、スライド弁体2と隣接する一次側流路P1の開口10a、及びスライド弁体2と隣接する二次側流路P2の開口10bの少なくとも何れか一方が非円形状に形成されることで、開口度0%〜100%の間の広範囲で流量の傾向が大きく変動することがなく、広範囲の開口度で適正な流量調整を行うことができるという優れた効果を奏し得る。
特に、スライド弁体2と隣接する一次側流路P1の開口10a、及びスライド弁体2と隣接する二次側流路P2の開口10bの少なくとも何れか一方が、平面からなる分割壁面Ba,Bb,Bc,Bdが三つ以上接続されて形成される内周壁面Bで画定されれば、開口度0%〜100%の間の広範囲で流量の傾向が変わる変曲点が少なくなる、或いは無くなる上に、開口度と流量とが一次比例的な関係になり、高精度な流量調整を行うことができるという優れた効果を奏し得る。
そして、前記開口10a,10bは、スライド弁体2のスライド方向に延びる該開口10a,10bの中心線を境に二分される領域が該中心線を基準に対称形状となるように形成されることで、スライド弁体2のスライドによる流量調整を定量化することができる。
また、バルブ本体1に装着可能なシート部材4a,4bを設け、各シート部材4a,4bに一次側流路P1の開口10a、又は二次側流路P2の開口10bを形成するようにしたので、シート部材4a,4b(開口形状)を適宜組み合わせることで種々の流量特性のバルブ装置を提供することができる。
尚、本発明のバルブ装置は、上記実施形態(実施例)に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
上記実施形態において、シート部材4a,4bに非円形の開口を形成し、該第一部材11及び第二部材12にシート部材4a,4bを嵌入して取り付けることで、スライド弁体2に隣接する一次側流路P1及び二次側流路P2の開口10a,10bを非円形状にするようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、シート部材4a,4bを設けることなく、バルブ本体(第一部材11及び第二部材12)に直接非円形状の開口10a,10bを形成してもよい。
また、上記実施形態において、シート部材4a,4bにシール部40aを設けて、スライド弁体2とのシール性を図るようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、スライド弁体2とバルブ本体1に内面(内装空間Aを画定する内面)とを直接又は間接的に面シールするようにしてもよい。この場合、スライド弁体2とバルブ本体1との間にシート状のシール材を介装するか、或いは、スライド弁体2とバルブ本体1とをメタルタッチにしてシール性を図ればよい。但し、シート状のシール材を介装させる場合、連通穴と一次側流路P1及び二次側流路P2の開口10a,10bとを連通させるのに開口を形成する必要があるので、この場合においては直近の開口10a,10bと同一の形状及びサイズの開口を形成し、当該開口をも一次側流路P1或いは二次側流路P2の一部とするようにすればよい。
さらに、上記実施形態において、一次側流路P1の開口10a及び二次側流路P2の開口10bを、該開口10a,10bの中心線を基準に二分される領域が該中心線を基準に対称(鏡像関係)になる形状としたが、これに限定されるものではなく、例えば、開口10a,10bを、該開口の中心線を基準に二分される領域を非対称に形成するようにしてもよい。
上記実施例で、複数パターンの組合せについての流量特性について説明したが、一次側流路P1の開口10a、二次側流路P2の開口10b、及び連通穴20の形状の組合せは、上述の各実施例に限定されるものではなく、例えば、一次側流路P1の開口10a、及び二次側流路P1,P2の開口10bは、図21(イ)に示す如く台形状に形成したり、図21(ロ)に示す如く六角形状に形成したりして、多角形状に形成するようにしてもよい。また、一次側流路P1の開口10a及び二次側流路P2の開口10bは、一般的な多角形状に限定されるものではなく、例えば、図21(ハ)に示す如く扇型状に形成したり、実施例13の連通穴20の如く特殊な形状に形成したりしてもよい。すなわち、一次側流路P1及び二次側流路P2の少なくとも何れか一方のスライド弁体2と隣接する開口10a,10bの形状が非円形状であればよい。
そして、Cv(%)と開口度(%)との関係を一次比例的にするには、三つ以上の分割壁面Ba,Bb,Bc,Bdが接続されてなる内周壁面Bで、一次側流路P1及び二次側流路P2の少なくとも何れか一方の開口10a,10bを画定し、前記分割壁面Ba,Bb,Bc,Bdを平面又は開口中心に向けて凸状をなす湾曲面で構成すればよい。さらに、Cv(%)と開口度(%)との関係をより一次比例的にする(直線性を持たせる)には、三つ以上の平面からなる分割壁面Ba,Bb,Bc,Bdが角部C…を介して接続されてなる内周壁面Bで、一次側流路P1及び二次側流路P2の少なくとも何れか一方の開口10a,10bを多角形状に画定すればよい。
また、一次側流路及び二次側流路の開口寸法は、上述の各実施例に限定されるものではなく、接続される配管径に対応して適宜変更すればよい。
1…バルブ本体、2…スライド弁体、3…駆動手段、4a…第一シート部材(シート部材)、4b…第二シート部材(シート部材)、10a,10b…開口、11…第一部材、12…第二部材、20…連通穴、21…遮断部、22…T溝、30…ロッド、30a…雄ねじ部、31…案内手段、32…作動手段、33…ジョイント部材、34…フレーム、40a…シール部、41,42…鍔部、110…本体部、111…第一筒状部、112…第一フランジ部、113…第一板部、114a,114b…壁部、115…第一嵌入穴、115a…鍔用穴、117…挿通穴、120…第二板部、121…第二筒状部、122…第二フランジ部、123…第二嵌入穴、124…段部、310…案内バー、311…案内部、320…レバー、321…アクチュエータ、A…内装空間、A’…弁体収容凹部、B…内周壁面、Ba,Bb,Bc,Bd…分割壁面、C…角部、P1…一次側流路、P2…二次側流路、S…シール部材
Claims (4)
- 一次側の配管が流体的に接続される一次側流路及び二次側の配管が流体的に接続される二次側流路の形成されたバルブ本体と、該バルブ本体に内装されて一次側流路と二次側流路との間でスライド可能に設けられたスライド弁体とを備え、該スライド弁体に、一次側流路と二次側流路とを連通させる連通穴と、一次側流路と二次側流路との連通を遮断する遮断部とが該スライド弁体のスライド方向に並んで設けられてなるバルブ装置において、一次側流路及び二次側流路の少なくとも何れか一方は、スライド弁体と隣接する開口が非円形状に形成されてなることを特徴とするバルブ装置。
- 一次側流路及び二次側流路の少なくとも何れか一方は、スライド弁体と隣接する開口端から所定範囲の内周壁面が、平面又は曲面からなる分割壁面を三つ以上接続して前記開口を画定するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブ装置。
- 前記開口は、スライド弁体のスライド方向に延びる該開口の中心線を境に二分される領域が該中心線を基準に対称形状となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の記載のバルブ装置。
- 前記非円形状の開口が形成されるとともに、バルブ本体に装着可能に構成されたシート部材を備え、該シート部材をバルブ本体に装着した状態で、バルブ本体側の流路とシート部材の開口とが連通して一次側流路又は二次側流路の少なくとも何れか一方が形成されるように構成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のバルブ装置。
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RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20080625 |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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