JP2007231782A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関1の吸気バルブ14の作動特性を可変するための可変動弁機構3であって、バルブ打部材42による吸気バルブ14の作動特性を複数パターンに変更可能とし、制御の自由度を高める。
【解決手段】可変動弁機構3は、ロッカシャフト31、コントロールシャフト32、カム被打部材41、バルブ打部材42、スライダギア43を有する。バルブ打部材42に、バルブ14の作動特性を可変するためのカム面42d1,42d2を二つ以上軸方向隣り合わせに設ける。必要に応じて、バルブ打部材42およびカム被打部材41をコントロールシャフト32と平行な方向に変位させることによりバルブ打部材41のいずれかのカム面42d1,42d2を選択的に使用するための切り替え手段6を有する。これにより、バルブ打部材42による吸気バルブ14の作動特性を複数パターンのなかから選べるようになる。
【選択図】図11
【解決手段】可変動弁機構3は、ロッカシャフト31、コントロールシャフト32、カム被打部材41、バルブ打部材42、スライダギア43を有する。バルブ打部材42に、バルブ14の作動特性を可変するためのカム面42d1,42d2を二つ以上軸方向隣り合わせに設ける。必要に応じて、バルブ打部材42およびカム被打部材41をコントロールシャフト32と平行な方向に変位させることによりバルブ打部材41のいずれかのカム面42d1,42d2を選択的に使用するための切り替え手段6を有する。これにより、バルブ打部材42による吸気バルブ14の作動特性を複数パターンのなかから選べるようになる。
【選択図】図11
Description
本発明は、内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブの作動特性を可変する可変動弁機構に関する。
内燃機関の運転状態に応じて、吸気バルブや排気バルブのバルブリフト量や作用角等の作動特性を可変とする可変動弁機構が知られている(例えば特許文献1参照。)。
この可変動弁機構は、カムとバルブとの間に配置される仲介駆動機構を有しており、この仲介駆動機構は、ロッカシャフトの中心孔に挿通されるコントロールシャフトの軸方向の動きに連動するスライダギアによって入力部(カム被打部材)と二つの揺動カム(バルブ打部材)とを相対的に回動させることで、それらの相対位相差を変更し、バルブのリフト量を調整するようになっている。
この従来例では、コントロールシャフトを軸方向に変位させることで、入力部に対して二つの揺動カムを同時に相対回動させるようにしており、入力部に対する左右の揺動カムの位相差を個別に変更するようにはなっていない。
ところで、上記のような可変動弁機構において、入力部と二つの揺動カムとを含むアッセンブリ全体を軸方向一方向へ変位させることで揺動カムにより吸気バルブをリフトさせないようにして吸気バルブを閉状態とする気筒休止を行えるようにしたものが考えられている(例えば特許文献2参照。)。
特開2001−263015号公報
特開平5−248218号公報
上記従来例では、例えばアイドリング運転や低負荷運転時等において、吸気バルブの作動を停止させる気筒休止を行うことによって燃費の低減を図ることが可能である。
しかしながら、吸気バルブ(または排気バルブ)の作動特性パターンは一種類になっており、二種類の作動特性パターンを意図的に選択できるようにはなっていない。ここに改良の余地がある。
本発明は、内燃機関の可変動弁機構において、バルブ打部材によるバルブの作動特性の自由度を高めることを目的としている。
本発明は、シリンダヘッド上にカムシャフトと平行に固定支持されるロッカシャフトの中心孔にコントロールシャフトを軸方向変位可能に挿通し、前記ロッカシャフトの外周にスライダギアを前記コントロールシャフトと連動可能に外装し、このスライダギアにカム被打部材およびバルブ打部材を軸方向隣り合わせにそれぞれ傾斜方向が反対のヘリカルスプラインを介して外装し、前記コントロールシャフトを軸方向に変位させて前記カム被打部材に対する前記バルブ打部材の相対位相差を変更することで内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブの作動特性を変更可能とする構成の可変動弁機構であって、前記バルブ打部材には、バルブの作動特性を変化させるためのカム面が二つ以上軸方向隣り合わせに設けられており、必要に応じて、前記バルブ打部材およびカム被打部材を前記コントロールシャフトと平行な方向に変位させることにより前記バルブ打部材のいずれかのカム面を選択的に使用する切り替え手段を有することを特徴としている。
この構成では、内燃機関の運転状況に応じてバルブの作動特性を任意に二つ以上のパターンに切り替えることが可能になり、内燃機関の運転状況に見合った細かな制御が可能になる。
なお、バルブの作動特性とは、バルブリフト量やバルブ作用角等である。また、一気筒あたりの吸気用または排気用のバルブの使用数は、一つ以上とされる。その場合、バルブ打部材の数が、前記バルブの使用数と同数となる。
例えば作動特性の調整対象となるバルブを吸気バルブとする場合、仮に、アイドリング運転や低負荷運転時等のように燃焼室への混合気導入速度が比較的遅くなる状況において、例えば二つの吸気バルブの開度を異ならせることによって、二つの吸気ポートから燃焼室に対する混合気の導入量をアンバランスにさせることが可能になる。それによって、燃焼室内で混合気の旋回流(スワール)が発生しやすくなる等、燃焼条件を良好とすることが可能になる。
好ましくは、前記バルブ打部材は、円筒形でかつ外周に径方向外向きへ突出するノーズを有するものとされ、前記ノーズの一辺に前記二つ以上のカム面が幅方向に並んで設けられる。
この構成によれば、二つ以上のカム面を持つバルブ打部材の形状が比較的簡単であるから、比較的容易に製造することが可能になる。
好ましくは、前記切り替え手段は、前記カム被打部材およびバルブ打部材を軸方向両側から挟む形態で保持するホルダと、前記コントロールシャフトと平行に配置されて前記ホルダが一体的に固定される直線形状の操作バーと、操作バーをその長手方向に沿って変位させる駆動系と、駆動系の動作を制御する制御系とを含む。
この構成では、切り替え手段について一般的に知られるような送り機構を備える構成としたうえで、この送り機構を駆動系ならびに制御系で動作させるように構成しているから、その構成自体が比較的簡素になり、設備コストを抑制するうえで有利となる。
好ましくは、前記制御系は、要求に応じて前記ホルダの現在位置を検出する検出手段の検出出力と目標値との偏差に基づき前記駆動系の動作を制御する。
この構成によれば、バルブ打部材の変位位置を高精度に管理することが可能になる。
好ましくは、前記バルブ打部材は、カム被打部材の軸方向両側に一つずつ計二つ設けられていて、この二つのバルブ打部材が、一気筒あたりに設られる二つの吸気バルブまたは排気バルブを個別に開閉動作させるよう配置される。
この構成では、可変動弁機構の装備対象となる内燃機関の構成を明確にしている。
好ましくは、前記いずれか一方のバルブ打部材には、バルブの作動特性を変化させるための機能が異なる二つのカム面を有し、前記残り他方のバルブ打部材は、単一のカム面を有する。
この構成では、一方のバルブ打部材のみが二つのカム面のうちのいずれか一方を選択的に使えるようになるから、二つのバルブ打部材によるバルブの作動特性を、同じにする共通組み合わせ形態や、異ならせる異種組み合わせ形態にすることが可能になる。
好ましくは、前記両バルブ打部材は、それぞれ、バルブの作動特性を変化させるための機能が異なる二つのカム面を有する。
この構成によれば、例えば内燃機関の運転状況に応じて、前記二つのバルブ打部材が二つのカム面のうちのいずれか一方のカム面を選択することが可能になっているから、内燃機関の運転状況に適した燃焼条件を確保するうえで有利となる。
本発明によれば、バルブ打部材によるバルブの作動特性の自由度を高めることが可能になり、内燃機関を運転状況に応じて様々な形態で制御することが可能になる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1から図20に本発明の一実施形態を示している。
まず、本発明の特徴構成の説明に先立ち、本発明の前提となる内燃機関の可変動弁機構の構成を説明する。ここでは、図1および図2に示すように、内燃機関1として直列4気筒型DOHCエンジンで、一気筒あたりの吸気バルブ14および排気バルブ15をそれぞれ二つとした四バルブタイプを例に挙げており、この内燃機関1における一気筒あたり二つの吸気バルブ14,14に可変動弁機構3を付設した例を挙げている。なお、排気バルブ15についても同様に可変動弁機構3を用いて駆動する構成にできるが、説明を簡単にするため、ここでの説明を割愛する。
可変動弁機構3は、吸気バルブ14,14のバルブリフト量や作用角を連続的に変更可能とするものであって、その構成については、例えば特開2001−263015号公報に詳細に記載されているが、例えば図1から図10に示すように、ロッカシャフト31と、コントロールシャフト32と、アクチュエータ33と、およびバルブリフト機構4等とを備えている。
この可変動弁機構3は、吸気カムシャフト16のカムロブ17とローラロッカアーム24との間に配設されている。なお、ローラロッカアーム24は、一端がラッシュアジャスタ25に支持され、他端が吸気バルブ14上端のタペット14aに当接されている。ローラロッカアーム24は、長手方向中間にローラ24aが回動可能に支持された、いわゆるエンドピボッドタイプと呼ばれるものである。ラッシュアジャスタ25は、例えば油圧式であり、吸気バルブ14のタペットクリアランスを常にゼロに保つように機能する公知の構成である。
ロッカシャフト31は、シリンダヘッド12に一定間隔ごとに設けられた多数の隔壁(支持台に相当)21と、この隔壁21上に被せるように取り付けられるカムキャップ22とによって軸方向ならびに周方向に不動となるように支持されている。このロッカシャフト31は、吸気カムシャフト16および排気カムシャフト18と平行つまり気筒(燃焼室13)の配列方向に沿って配置されている。
コントロールシャフト32は、中空パイプからなるロッカシャフト31の中心孔内に軸方向変位可能に挿入されており、アクチュエータ33によって軸方向に進退駆動される。
バルブリフト機構4は、気筒数と同数設けられており、ロッカシャフト31に対し各気筒と対応するように外装されている。このバルブリフト機構4は、カム被打部材としての入力アーム41、バルブ打部材としての二つの出力アーム42A,42Bおよびスライダギア43を備えている。
入力アーム41は、円筒形のハウジング41aを有し、その内周面には、スライダギア43の入力側ヘリカルスプライン43aに噛み合うヘリカルスプライン41bが形成されている。
この入力アーム41において、ハウジング41aの外周には、径方向外向きへ突出する一対のフォーク41cL,41cRが設けられ、この一対のフォーク41cL,41cRの間には、ロッカシャフト31と平行な支軸41dが架け渡され、この支軸41dには、ローラ41eが回転自在に外嵌支持されている。
出力アーム42A,42Bは、共に、円筒形のハウジング42aを有し、その内周面には、スライダギア43の出力側ヘリカルスプライン43bに噛み合うヘリカルスプライン42bが形成されている。この出力アーム42A,42Bのハウジング42aの外周には、径方向外向きへ突出するノーズ42cが設けられている。このノーズ42cは、側面視で略三角形状に形成されており、その一辺にカム面42dが設けられている。
スライダギア43は、ロッカシャフト31上にコントロールシャフト32と連動して軸方向に移動可能に外装されていて、その外径側に入力アーム41と二つの出力アーム42A,42Bとが外装されている。
このスライダギア43は、中心に貫通孔43cを有する円筒形状に形成されており、その外周における軸方向中間には、入力アーム41のヘリカルスプライン41bに噛み合う入力側ヘリカルスプライン43aが、また、外周における軸方向両側には、出力アーム42A,42Bのヘリカルスプライン42bに噛み合う出力側ヘリカルスプライン43bが形成されている。
出力側ヘリカルスプライン43bは、入力側ヘリカルスプライン43aに対して外径が小さく形成されている。入力側ヘリカルスプライン43aと出力側ヘリカルスプライン43bとは、歯すじの傾斜方向が反対となるように形成されている。
そして、入力アーム41のローラ41eは、シリンダヘッド12に圧縮状態で配設されたロストモーションスプリング26によって、常にカムロブ17へ押しつけられるように弾発付勢されている。出力アーム42A,42Bのハウジング42aのベース円部分、またはノーズ42cのカム面42dのいずれかに、吸気バルブ14のバルブスプリング14bによってローラロッカアーム24のローラ24aが圧接されている。このような関係により、カムロブ17の回転によって入力アーム41が揺動され、この入力アーム41と一体的に揺動する出力アーム42A,42Bによって、ローラロッカアーム24を介して吸気バルブ14がリフトされるようになっている。
ここで、ロッカシャフト31およびコントロールシャフト32に対するスライダギア43の結合形態について、図5から図8を用いて説明する。
ロッカシャフト31に外嵌されるスライダギア43を、ロッカシャフト31内のコントロールシャフト32に動力伝達可能に連結するために、スライダギア43の内周溝43d内には、縦断面で部分円弧状のブッシュ46が配設されている。
このブッシュ46には、周方向中間にピン挿入孔(貫通孔)46aが形成されており、コネクトピン44を介してコントロールシャフト32に連結されている。
具体的には、コネクトピン44の先端部がブッシュ46のピン挿入孔46aに挿入されており、コネクトピン44の末端部がコントロールシャフト32のピン挿入孔32aに挿入されている。また、コネクトピン44の中間部がロッカシャフト31の長孔31aに挿入されている。
このように組み付けられたスライダギア43は次のように動作する。
コントロールシャフト32は、ロッカシャフト31の長孔31aの軸方向長さの範囲内で、ロッカシャフト31に対して軸方向に移動可能となっている。また、スライダギア43は、内周溝43dとブッシュ46との係合により、コントロールシャフト32に対する軸方向の位置が固定されている。
そのため、アクチュエータ33の駆動によりコントロールシャフト32が軸方向に移動されると、その動作がコネクトピン44およびブッシュ46を介してスライダギア43に伝えられる。これにより、コントロールシャフト32に連動してスライダギア43が軸方向に移動する。
加えて、ブッシュ46がスライダギア43の内周溝43d内を周方向に移動可能となっているので、その範囲内で、スライダギア43がコントロールシャフト32に対し回動可能となっている。これにより、コントロールシャフト32が軸方向に移動されると、スライダギア43は、軸方向に移動しながら、コントロールシャフト32に対して回動する。
また、入力アーム41に吸気カムシャフト16のトルクが伝達されると、そのトルクが入力アーム41からスライダギア43を介して出力アーム42A,42Bに伝達されるが、このとき、スライダギア43は、ロッカシャフト31の回りを揺動する。
このようなバルブリフト機構4において、コントロールシャフト32とともにスライダギア43を軸方向に移動させて、スライダギア43と入力アーム41および出力アーム42A,42Bとの軸方向における相対位置を変更することにより、入力アーム41と出力アーム42A,42Bとに互いに逆方向のねじり力が付与されることになる。これにより、入力アーム41と出力アーム42A,42Bとが相対回転し、入力アーム41のローラ41eと出力アーム42A,42Bのノーズ42cとの相対位相差が変更されるようになる。
なお、上記可変動弁機構3においては、共通する1本のコントロールシャフト32に気筒毎のバルブリフト機構4・・・がそれぞれ固定されているので、コントロールシャフト32の軸方向移動にともなって全気筒の吸気バルブ14のリフト量が同時に変更されるようになっている。但し、気筒毎のバルブリフト機構4を個別に動作させるようにすることも可能である。
次に、可変動弁機構3の動作を説明する。
図9(a)に示すように、カムロブ17のベース円部分が入力アーム41のローラ41eに当接しているとき、ローラロッカアーム24のローラ24aは、出力アーム42A,42Bのハウジング42aのベース円部分と当接した状態にある。このため、吸気バルブ14はリフト量が「0」の状態(吸気ポート12aを閉じた状態)に維持される。
そして、吸気カムシャフト16の時計方向の回転に伴い、入力アーム41のローラ41eがカムロブ17のリフト部分を通じて押し下げられると、入力アーム41がロッカシャフト31に対して、図9(a)の反時計回り方向(矢符A方向)に回動する。また、これにともなって、出力アーム42A,42Bおよびスライダギア43が一体となって回動する。
これにより、出力アーム42A,42Bのノーズ42cに形成されたカム面42dが、ローラロッカアーム24のローラ24aに当接し、カム面42dの押圧によってローラ24aが押し下げられる。
図9(b)に示すように、ローラロッカアーム24のローラ24aがカム面42dにより押圧されているとき、ローラロッカアーム24がラッシュアジャスタ25との当接部を中心として揺動し、吸気バルブ14が開弁される。
コントロールシャフト32がアクチュエータ33から離れる方向(図3における矢符F方向)に最大限まで移動した状態では、ロッカシャフト31の軸心回りにおける入力アーム41のローラ41eと、出力アーム42A,42Bのノーズ42cとの相対位相差が最大となる。
これにより、カムロブ17がローラ41eを最大限に押し下げたとき、ローラロッカアーム24のローラ24aの変位差が最も大きくなり、吸気バルブ14は最大のバルブリフト量および作用角で開閉される。
図10(a)に示すように、カムロブ17のベース円部分が入力アーム41のローラ41eに当接しているときには、出力アーム42A,42Bとローラ24aとの当接位置は、カム面42dから最大限まで離れた位置にある。そして、吸気カムシャフト16の回転によって、入力アーム41のローラ41eがカムロブ17のリフト部分により押し下げられると、入力アーム41と出力アーム42A,42Bとが一体となって回動する。
ただし、この場合、出力アーム42A,42Bとローラ24aとの当接位置は、カム面42dから最大限離れているので、カム面42dによるローラロッカアーム24のローラ24aの押し下げが開始されるまでの出力アーム42A,42Bの回転量が、図9に示した作動状態に比べて大きくなる。また、カムロブ17のリフト部分を通じて入力アーム41のローラ41eが押し下げられた際、ローラ24aと当接するカム面42dの範囲が、ノーズ42cの基端側の一部のみに縮小される。このため、カムロブ17のリフト部分によるローラ41eの押し下げに応じたローラロッカアーム24の揺動量は小さくなる。
図10(b)に示すように、ローラロッカアーム24の揺動量が小さいことにより、吸気バルブ14は、より小さいバルブリフト量にて開弁されるようになる。
また、コントロールシャフト32がアクチュエータ33に近づく方向(図3における矢符R方向)に最大限まで移動した状態では、ロッカシャフト31の軸心回りにおけるローラ41eとノーズ42cとの相対位相差が最小となる。
これにより、カムロブ17がローラ41eを最大限に押し下げたときのローラ24aの変位量は最も小さくなり、吸気バルブ14が最小のバルブリフト量および作用角で開閉されるようになる。
なお、図10では、吸気バルブ14の最大リフト量が「0」となる場合を示しているため、カムロブ17がローラ41eを最大限に押し下げた場合でも、図10(b)に示すように、吸気バルブ14のリフト量が「0」の状態に維持される。
次に、上述した基本構成を有する可変動弁機構3に本発明の特徴に関する構成を適用した実施形態について、図11から図20を参照して説明する。図では、説明をわかりやすくするために、一つの気筒(燃焼室13)のみを示している。
上述した可変動弁機構3は、バルブリフト機構4の入力アーム41に対する二つの出力アーム42A,42Bの相対位相差を連続的に変えることによってバルブリフト量やバルブ作用角等の作動特性を調整するようになっているが、その作動特性について、予め特定された二つの作動特性のなかから適宜に選択できるように工夫している。
この実施形態では、一気筒あたりの吸気バルブ14および排気バルブ15をそれぞれ二つとした四バルブタイプの内燃機関1において、一気筒あたり二つの吸気バルブ14,14のうち、一方の吸気バルブ14を、二つの作動特性のうちの一方に任意に切り替えできるようにし、残り他方の吸気バルブ14を、単一の作動特性に固定するようにしている。
以下、具体的に、上記一方の吸気バルブ14の作動特性を切り替えるための切り替え手段6について、図11から図20を参照して以下で詳細に説明する。
つまり、二つの出力アーム42A,42Bのうち、例えば図11の右側に位置する第1の出力アーム42Aのノーズ42cには、単一のカム面42dが設けられているが、例えば図11の左側に位置する第2の出力アーム42Bのノーズ42cには、図16から図18に示すように、二つのカム面42d1,42d2が軸方向で隣り合うように設けられている。
この実施形態では、第1の出力アーム42Aに備える単一のカム面42dおよび第2の出力アーム42Bに備える二つのカム面42d1,42d2のすべてを凹状に湾曲する断面形状にするとともに曲率を同じにしたうえで、第2の出力アーム42Bに備える第1のカム面42d1だけを、第2の出力アーム42Bに備える第2のカム面42d2および第1の出力アーム42Aに備える単一のカム面42dに対し円周方向に所定角度ずらして配置している。
具体的に、例えば図11の左側に位置する第2のカム面42d2は、図19のグラフ中の実線で示すように、コントロールシャフト32の軸方向変位量に応じて吸気バルブ14の作用角が所定の傾きαでもってリニアに増加する作動特性(矢符X参照)を得るような機能を有している。
一方、例えば図11の右側に位置する第1のカム面42d1については、図19のグラフ中の一点鎖線で示すように、コントロールシャフト32の初期段階の軸方向変位に対し吸気バルブ14の作用角をわずかな傾きβでもってリニアに増加させた後、軸方向変位量が一定以上になると前記第1パターンと同一の傾きαでリニアに増加する作動特性(矢符Y参照)を得るような機能を有している。
なお、第1の出力アーム42Aに備える単一のカム面42dは、上述した第2の出力アーム42Bに備える第2のカム面42d2と同一の作動特性(図19の矢符X参照)を得るような断面形状になっている。
つまり、必要に応じて、一気筒あたり二つの吸気バルブ14,14に関する両作動特性について、図19に示すように、X,Yと異ならせる異種組み合わせ形態や、図20に示すように、X,Xと同じにする共通組み合わせ形態にすることが可能になる。
前記異種組み合わせ形態では、第2の出力アーム42Bに備える第1のカム面42d1を選択して、この第1のカム面42d1と、第1の出力アーム42Aに備える単一のカム面42dとで二つの吸気バルブ14,14を開閉動作させることになる。この場合、二つの吸気バルブ14,14の開度は、異なるようになる。
前記共通組み合わせ形態では、第2の出力アーム42Bに備える第2のカム面42d2を選択して、この第2のカム面42d2と、第1の出力アーム42Aに備える単一のカム面42dとで二つの吸気バルブ14,14を開閉動作させることになる。この場合、二つの吸気バルブ14,14の開度は、同じになる。
また、第1の出力アーム42Aに備える単一のカム面42dの幅寸法については、第2の出力アーム42Bに備える二つのカム面42d1,42d2の総幅と同じかそれより大きく、または下記ストロークの寸法以上に設定される。
このようにする理由については、下記動作説明においてアームアッセンブリ(入力アーム41および二つの出力アーム42A,42B)を軸方向に所定ストローク範囲で往復変位させる際に、第1の出力アーム42Aに備える単一のカム面42dの幅内にローラロッカアーム24のローラ24aを必ず配置させて、両者をエッジ当たりさせないようにするためである。
言い換えれば、アームアッセンブリを軸方向に変位させても、第1の出力アーム42Aに備える単一のカム面42dとローラ24aとを必ず広い面で当接させるようにすることにより、両者間にエッジ荷重や偏荷重を発生させないようにしているのである。このようにすれば、各部の動作を円滑に保つうえで有利となる。
ここで、切り替え手段6は、要するに、必要に応じて、アームアッセンブリ(入力アーム41および二つの出力アーム42A,42B)をコントロールシャフト32と平行な方向に変位させることによって、第2の出力アーム42Bに備える二つのカム面42d1,42d2のうちのいずれか一方を、当該第2の出力アーム42Bの駆動対象となる一方の吸気バルブ14に対応するローラロッカアーム24のローラ24aに当接させるようにするためのものである。
この切り替え手段6は、ホルダ61、操作バー62、駆動系(63,64)、制御系(65,66)を含んでいる。
ホルダ61は、入力アーム41および二つの出力アーム42A,42Bを軸方向両側から挟む形態で保持するもので、図11から図13に示すように、長板状の胴部61aの長手方向両端に一対の突片61b,61cを一体に設けて平面視で略コ字形となるように形成されている。
このホルダ61の胴部61aの背面には、凸部61dが設けられており、この凸部61dには、胴部61aの長手方向に沿う貫通孔61eが設けられている。
なお、ホルダ61において、第1の出力アーム42Aとそれに軸方向で対向する一方(図11の右側)の突片61bとの対向間、および第2の出力アーム42Bとそれに軸方向で対向する他方(図11の左側)の突片61cとの対向間には、バルブリフト量やバルブ作用角等の作動特性の初期値を調整するためのシム7,7が介装される。
このシム7,7の厚みを適宜選択することによって、スライダギア43に対するアームアッセンブリ(入力アーム41および二つの出力アーム42A,42B)の初期相対位置を適宜変更することができる。このシム7は、馬蹄形状になっていて、その上端の取付片7aがホルダ61の突片61b,61cにボルト7b等によって固定される。
操作バー62は、直線形状の丸棒からなり、ロッカシャフト31およびコントロールシャフト32と平行に配置されるようにシリンダヘッド12の隔壁21とカムキャップ22とからなる支持台に対し、軸方向変位可能に支持されている。
この操作バー62は、それが軸方向に変位駆動されたときに、その変位に連動してホルダ61を軸方向に変位させるように一体的に連結されている。この連結部分の構成については後で詳しく説明する。
駆動系は、操作バー62をその長手方向に沿って直線的に変位させるものであって、例えば油圧シリンダ63と、オイルコントロールバルブ64とを含む構成である。
なお、油圧シリンダ63は、そのピストン(図示省略)の外端が操作バー62の一端に同軸上に突き合わされるような状態で連結されるようになっている。また、オイルコントロールバルブ64は、油圧シリンダ63における油圧室(図示省略)内の油圧を制御するものである。このオイルコントロールバルブ64は、例えばシリンダヘッド12内に設置される油圧経路(図示省略)に設置される。
制御系は、前記駆動系の動作を制御するものであって、制御手段65と、検出手段66とを含む構成である。
制御手段65は、要求に応じて検出手段66からの検出出力に基づきホルダ61の現在位置を検出し、この検出した現在位置と目標位置との偏差を求め、この偏差に基づきオイルコントロールバルブ64を駆動することにより油圧シリンダ63を制御するようになっている。この制御手段65は、内燃機関1の動作制御を司るエンジンECUによって構成されたものとすることができるが、それとは別の独立したECUとすることができる。
また、検出手段66は、例えば一般的に公知の各種の非接触式の近接センサとされ、ホルダ61において第1の出力アーム42A寄りの突片61bの外側面と軸方向で対向する部分、例えば隔壁21およびカムキャップ22からなる支持台に設置されて、前記突片61bの外側面との離隔距離を検出する。
次に、上述した切り替え手段6の動作を説明する。
まず、制御系、駆動系によって操作バー62を図11中の矢印R方向(エンジンリア方向)に所定ストローク変位させると、この操作バー62と一体的に同方向へ連動されるホルダ61でもってアームアッセンブリ(入力アーム41および二つの出力アーム42A,42B)が、図14中の矢印R方向へ動かされて図14中の左側に片寄った位置に配置される。
なお、このときは、スライダ43が軸方向不動とされる関係より、各アーム41,42A,42Bのヘリカルスプラインとスライダギア43の各ヘリカルスプラインとの動力変換作用でもって、アームアッセンブリである入力アーム41および二つの出力アーム42A,42Bが所定角度だけ回転する。但し、入力アーム41と二つの出力アーム42A,42Bとは反対向きに回る。
これにより、第2の出力アーム42Bに備える第1のカム面42d1が、図14および図16に示すように、ローラロッカアーム24のローラ24aに当接する状態になる。ちなみに、この状態が、上述した異種組み合わせ形態である。
一方、操作バー62を図11中の矢印F方向(エンジンフロント方向)に所定ストローク変位させると、この操作バー62と一体的に同方向へ追従変位するホルダ61でもってアームアッセンブリが、図15中の矢印F方向へ動かされて図15中の右側に片寄った位置に配置される。
なお、このときも、上記同様に、入力アーム41および二つの出力アーム42A,42Bが所定角度だけ回転する。
これにより、第2の出力アーム42Bに備える第2(図11の左側)のカム面42d2が、図15および図17に示すように、ローラロッカアーム24のローラ24aに当接する状態になる。ちなみに、この状態が、上述した共通組み合わせ形態である。
このようにして、内燃機関1の運転状況に応じて上述した異種組み合わせ形態や共通組み合わせ形態を適宜に選択することが可能になるのである。参考までに、例えば内燃機関1のアイドリング運転時や低負荷運転時等に、上述した異種組み合わせ形態とし、内燃機関1の中速、高速運転時に、上述した共通組み合わせ形態とすることが考えられる。
前述したようなアイドリング運転や低負荷運転時等では、燃焼室13への混合気導入速度が比較的遅くなる。このような状況において、上記共通組み合わせ形態、つまり二つの吸気バルブ14,14の開度を同一にすると、燃焼室13内の隅々へ混合気が行き届きにくくなる現象が発生することが懸念される。
このような状況では、上記異種組み合わせ形態とすれば、第2出力アーム42Bに備える第1カム面42d1で動作される一方の吸気バルブ14のリフト量が、第1出力アーム42Aに備える単一のカム面42dで動作される他方の吸気バルブ14のリフト量より小さくなる。
このようにすれば、二つの吸気バルブ14,14の開度が異なることになるので、二つの吸気ポート12a,12aから燃焼室13への混合気導入量がアンバランスとなり、それによって、燃焼室13内で混合気の旋回流(スワール)が発生しやすくなる等、燃焼条件を良好とすることが可能になる。
ところで、この実施形態では、各気筒(燃焼室13)のアームアッセンブリそれぞれにホルダ61を個別に取り付けるのであるが、それらすべてのホルダ61の軸方向変位動作を、単一の操作バー62および駆動系でもって行わせるようにしている。
このようにした場合、通常は、すべてのホルダ61が同じタイミングで同じ方向に動かされることになるが、そもそも、吸気バルブ14や排気バルブ15の開閉タイミングが気筒毎に相違しているので、気筒毎のホルダ61を動かすタイミングを気筒毎に変える必要がある。
このようなことから、前述したように操作バー62および駆動系を単一としながら、気筒毎のホルダ61を動かすタイミングを気筒毎に変えるための構成について、以下で詳しく説明する。
そもそも、気筒毎のホルダ61を軸方向に変位させるタイミングについては、次のように特定するのが好ましい。
つまり、第2の出力アーム42Bに備える二つのカム面42d1,42d2が軸方向で段差がついているので、図16または図17に示すようなリフト状態、つまり第2の出力アーム42Bに備える第1カム面42d1または第2のカム面42d2が、ローラロッカアーム24のローラ24aに当接して吸気バルブ14をリフトさせている状態のときに、仮に、ホルダ61を軸方向に変位させると、次のような不具合が生ずる。
例えば、まず、図14および図16に示すように、第2の出力アーム42Bに備える第1のカム面42d1でローラロッカアーム24のローラ24aを押さえている場合において、第2の出力アーム42Bに備える第2のカム面42d2を使用する状態に切り替えるために、ホルダ61を図14の矢印R方向(図中の左側)に変位させようとしても、その変位自体が不可能となる。というのは、第1のカム面42d1がローラロッカアーム24のローラ24aへ乗り移ろうとする際に、第1のカム面42d1と第2のカム面42d2との間の段壁面にローラロッカアーム24のローラ24aが衝突することになるからである。
また、それとは逆に、図15および図17に示すように、第2の出力アーム42Bに備える第2のカム面42d2でローラロッカアーム24のローラ24aを押さえている場合において、第2の出力アーム42Bに備える第1のカム面42d1を使用する状態に切り替えるために、ホルダ61を図15の矢印F方向(図中の右側)に変位させようとすると、その変位自体は可能であるものの、第1のカム面42d1がローラロッカアーム24のローラ24aへ乗り移る過程で、第2のカム面42d2と第1のカム面42d1との段差分について第1のカム面42d1とローラロッカアーム24のローラ24aとの間に隙間が生じ、ラッシュアジャスタ25によってローラロッカアーム24のローラ24aを上昇させるまでのロスタイムによって第1のカム面42d1が吸気バルブ14をリフトさせることができなくなってしまう等、吸気バルブ14のリフト動作が途切れるおそれがある。
このようなことから、第1、第2の出力アーム42A,42Bが吸気バルブ14,14をリフトしている期間、例えば図16または図17に示すようなリフト状態のときには、ホルダ61の軸方向変位を阻止して、図18に示すような非リフト状態、つまりノーズ42cの付け根側つまり第2の出力アーム42Bのベース円領域(ハウジング42a外周面)のように前記軸方向の段差が無い部分が、ローラロッカアーム24のローラ24aに当接している状態のときに、ホルダ61と共にアームアッセンブリを軸方向に変位させるようにする必要がある。
このように、図16または図17に示すようなリフト状態のときに、操作バー62の動きに対しホルダ61を軸方向不動とする状態にする一方で、図18に示すような非リフト状態のときのみ、操作バー62の軸方向変位にホルダ61を一体的に連動させる状態にするという、動作制御が必要になる。
このようなホルダ61の動作制御を、上述したように単一の操作バー62および駆動系でもって行うようにするために、要するに、操作バー62を軸方向に変位させたときに、一部の気筒に対応するホルダ61を軸方向に変位させるようにしながら、一部の気筒に対応するホルダ61を軸方向に変位させないように構成している。この構成について、以下で説明する。
まず、第2の出力アーム42Bの外周所定位置に、径方向外向きに突出する突片42eを設けるとともに、シリンダヘッド12に前記突片42eより幅広なストッパ12cを設けている。
この突片42eとストッパ12cとは、円周方向の所定角度領域で径方向ならびに軸方向で重なるような寸法関係に設定されている。
また、操作バー62は、ホルダ61の貫通孔61eに対し、例えばラジアル隙間を持つ状態で挿通されることによって軸方向変位可能とされている。
このように操作バー62をホルダ61の貫通孔61eに挿通させた状態において、操作バー62の軸方向に離隔した二箇所にそれぞれ止め輪67,67を固定状態で取り付けるとともに、この各止め輪67,67とホルダ61の凸部61dの外壁面との軸方向対向間に、円筒コイルバネ等の弾性部材68A,68Bを圧縮状態で介装する。
この二つの弾性部材68A,68Bは、略同一の弾性係数に設定されており、両方の弾性部材68A,68Bの弾性復元力でもってホルダ61を操作バー62に対し軸方向不動に保持させるようにする。
つまり、このような連結構造であれば、例えば、操作バー62でホルダ61を軸方向に変位させようとしたときに、第2の出力アーム42Bが、図16または図17に示すようなリフト状態になっていると、操作バー62を操作してホルダ61を軸方向に変位させようとしたときに、第2の出力アーム42Bの突片42eがストッパ12cに軸方向から衝突することになるので、ホルダ61の軸方向への動きが強制的に停止されることになる。
そのとき、油圧シリンダ63による操作バー62の軸方向変位動作を停止させなくても、一方の弾性部材8A(または8B)が圧縮されて他方の弾性部材8B(または8A)が伸張することになって、前記のように軸方向不動に停止されたホルダ61を置き去りにして操作バー62の軸方向変位が継続されるようになる。このとき、操作バー62は、ホルダ61の貫通孔61e内で軸方向に変位する。
但し、第2の出力アーム42Bが、図18に示すような非リフト状態になっている場合には、操作バー62を軸方向に変位させると、第2の出力アーム42Bの突片42eがストッパ12cに軸方向から当接しない状態になるので、ホルダ61が二つの弾性部材8A,8Bによって操作バー62に軸方向不動に保持された状態のまま、操作バー62に連動して軸方向同方向へ変位させられることになる。
このような連結構造を採用すれば、複数の気筒のうちのいずれか一つの気筒において第2出力アーム42Bの駆動対象となる片方の吸気バルブ14のバルブ開閉タイミングが非リフト状態になるときをトリガーとして、操作バー62の軸方向変位を開始させるようにするだけで、全ての気筒に配置されるホルダ61を最適なタイミングで個別に軸方向に変位させることが可能になる。
なお、前記非リフト状態になる時期は、例えば吸気用カムシャフト16の回転角度を検出するカムセンサ(図示省略)等からの出力を利用して、制御系の構成要素である制御手段65でもって認識することが可能である。したがって、この制御手段65は、異種組み合わせ形態とする必要がある場合に、カムセンサ(図示省略)等からの出力に基づき非リフト状態になる時期を認識してから、駆動系に操作バー62を軸方向一方へ変位させるための指示を行うようにすればよい。
このようなことから、複数の気筒毎にホルダ61を設置していても、単一の操作バー62および駆動系でもって複数のホルダ61の動作を個別に制御することが可能になるのである。また、ホルダ61の動作制御手段を、上述したような機械的構造で構成していれば、気筒数と同数の操作バーや駆動系が不要となり、構成簡素化ならびに設備コストの低減を図るうえで有利となる。
以上説明したように、本発明を適用した上記実施形態では、内燃機関1の運転状況に応じて共通組み合わせ形態や異種組み合わせ形態を適宜に選択することができる。これにより、一気筒あたり二つの吸気バルブ14,14を適宜多彩なバリエーションで開閉動作させることが可能になり、内燃機関1の運転状況に応じて好適な燃焼状態を確保するうえで有利となる。
以下、本発明の他の実施形態を説明する。
(1)上記実施形態では、第2の出力アーム42Bに二つのカム面42d1,42d2を設けた例を挙げているが、その設置数は二つに限らず、二つ以上の任意数とすることが可能である。
(2)上記実施形態では、第1の出力アーム42Aに単一のカム面42dを設けて、第2の出力アーム42Bに複数(二つ)のカム面(42d1,42d2)を設けた例を挙げているが、それとは反対に第2の出力アーム42Bに単一のカム面42dを設け、第1の出力アーム42Aに複数(二つ)のカム面(42d1,42d2)を設けるように構成することも可能であり、また、両方の出力アーム42A,42Bに複数(二つ)のカム面(42d1,42d2)を設けるような構成とすることも可能である。
(3)上記実施形態では、複数の気筒に対応して配置される複数のホルダ61を単一の操作バー62および駆動系(63,64)を用いて軸方向変位させるように構成した例を挙げているが、例えば前記複数のホルダ61を個別に軸方向変位させるようにしてもよい。
その場合、各操作バー62の使用数を気筒毎のホルダ61の数と同数用意し、気筒毎の各ホルダ61の貫通孔61eに、それに対応する各操作バー62を単に圧入することによって一体的に連結するようできる。
1 内燃機関
12 シリンダヘッド
14 吸気バルブ
15 排気バルブ
16 吸気カムシャフト
17 カムリブ
21 隔壁(支持台)
22 カムキャップ(支持台)
3 可変動弁機構
31 ロッカシャフト
32 コントロールシャフト
33 アクチュエータ
4 バルブリフト機構
41 入力アーム(カム被打部材)
42A 第1の出力アーム(バルブ打部材)
42B 第2の出力アーム(バルブ打部材)
42c 出力アームのノーズ
42d 第1の出力アームのカム面
42d1 第2の出力アームの第1カム面
42d2 第2の出力アームの第2カム面
43 スライダギア
6 切り替え手段
61 ホルダ
62 操作バー
63 油圧シリンダ(駆動系)
64 オイルコントロールバルブ(駆動系)
65 制御手段(制御系)
66 検出手段(制御系)
12 シリンダヘッド
14 吸気バルブ
15 排気バルブ
16 吸気カムシャフト
17 カムリブ
21 隔壁(支持台)
22 カムキャップ(支持台)
3 可変動弁機構
31 ロッカシャフト
32 コントロールシャフト
33 アクチュエータ
4 バルブリフト機構
41 入力アーム(カム被打部材)
42A 第1の出力アーム(バルブ打部材)
42B 第2の出力アーム(バルブ打部材)
42c 出力アームのノーズ
42d 第1の出力アームのカム面
42d1 第2の出力アームの第1カム面
42d2 第2の出力アームの第2カム面
43 スライダギア
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61 ホルダ
62 操作バー
63 油圧シリンダ(駆動系)
64 オイルコントロールバルブ(駆動系)
65 制御手段(制御系)
66 検出手段(制御系)
Claims (7)
- シリンダヘッド上にカムシャフトと平行に固定支持されるロッカシャフトの中心孔にコントロールシャフトを軸方向変位可能に挿通し、前記ロッカシャフトの外周にスライダギアを前記コントロールシャフトと連動可能に外装し、このスライダギアにカム被打部材およびバルブ打部材を軸方向隣り合わせにそれぞれ傾斜方向が反対のヘリカルスプラインを介して外装し、前記コントロールシャフトを軸方向に変位させて前記カム被打部材に対する前記バルブ打部材の相対位相差を変更することで内燃機関の吸気バルブまたは排気バルブの作動特性を変更可能とする構成の可変動弁機構であって、
前記バルブ打部材には、バルブの作動特性を変化させるためのカム面が二つ以上軸方向隣り合わせに設けられており、
必要に応じて、前記バルブ打部材およびカム被打部材を前記コントロールシャフトと平行な方向に変位させることにより前記バルブ打部材のいずれかのカム面を選択的に使用する切り替え手段を有することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。 - 請求項1のバルブ打部材は、円筒形でかつ外周に径方向外向きへ突出するノーズを有するものとされ、前記ノーズの一辺に前記二つ以上のカム面が幅方向に並んで設けられることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
- 請求項1または2の切り替え手段は、前記カム被打部材およびバルブ打部材を軸方向両側から挟む形態で保持するホルダと、前記コントロールシャフトと平行に配置されて前記ホルダが一体的に固定される直線形状の操作バーと、操作バーをその長手方向に沿って変位させる駆動系と、駆動系の動作を制御する制御系とを含むことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
- 請求項3の制御系は、要求に応じて前記ホルダの現在位置を検出する検出手段の検出出力と目標値との偏差に基づき前記駆動系の動作を制御することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
- 請求項1から4のいずれかに記載のバルブ打部材は、カム被打部材の軸方向両側に一つずつ計二つ設けられていて、この二つのバルブ打部材が、一気筒あたりに設られる二つの吸気バルブまたは排気バルブを個別に開閉動作させるよう配置されることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
- 請求項5において、前記いずれか一方のバルブ打部材には、バルブの作動特性を変化させるための機能が異なる二つのカム面を有し、前記残り他方のバルブ打部材は、単一のカム面を有することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
- 請求項5において、前記両バルブ打部材は、それぞれ、バルブの作動特性を変化させるための機能が異なる二つのカム面を有することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006052625A JP2007231782A (ja) | 2006-02-28 | 2006-02-28 | 内燃機関の可変動弁機構 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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Family Applications (1)
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JP2006052625A Pending JP2007231782A (ja) | 2006-02-28 | 2006-02-28 | 内燃機関の可変動弁機構 |
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-
2006
- 2006-02-28 JP JP2006052625A patent/JP2007231782A/ja active Pending
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