JP2007227805A - 成膜装置と成膜装置のパーティクル制御方法 - Google Patents

成膜装置と成膜装置のパーティクル制御方法 Download PDF

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Abstract


【課題】 被処理物を移送する際にパーティクルが付着して汚染することを抑えることができるCVD装置などの成膜装置とパーティクルの制御方法を提供する。
【解決手段】 反応室1と、該反応室1に被処理物7を移送する搬送室2と、該反応室1に連なる真空排気系3とを有する成膜装置100において、該反応室1は不活性ガス4を導入するガス導入口41を有し、該搬送室2は室内の気圧を監視する圧力センサ5を有し、該真空排気系3は、第1の排気制御部34を介して真空ポンプ33に連なる主排気管路31と、該主排気管路31から分岐し第2の排気制御部35を介して該第1の排気制御部34をバイパスするバイパス排気管路32とを有し、該第1の排気制御部34が閉成されて該被処理物7が該反応室1と搬送室2との間を移送される際に、該反応室1に不活性ガス4が該ガス導入口41から導入され、該圧力センサ5の静圧変動が起こらないように該第2の排気制御部35が微調整されるように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被処理物にパーティクルが付着して汚染することを抑えることができるCVD装置などの成膜装置とその成膜装置において、特に反応室内におけるパーティクルの制御方法に関する。
近年、半導体装置の高集積化が進むに従って、半導体素子の製造プロセスにおいて、例えば、成膜を行う真空処理装置内で発生する微細な異物、いわゆるパーティクルによる半導体素子の汚染を如何に防止するかが重要な課題となっている。
成膜装置の中でも多用されている化学的気相成長装置(以下、CVD装置と略称)においては、反応ガスの中に含まれる異物を除去する必要がある。また、CVDの性質上反応室内で反応副生産物と呼ばれる微細なパーティクルが生じて反応室の内壁面などに付着したり反応室内の雰囲気中に浮遊したりして存在しているパーティクルを除去する必要もある。さらに、成膜の前後に、半導体ウェーハなどの被処理物を移載する際に汚染しないようにすることも必要である。
図4にCVD装置の典型例の模式的な構成図を示す。図において、CVD装置101は、CVDによる成膜処理が行われる反応室1と、反応室1に連なり半導体ウェーハなどの被処理物7を移送する搬送室2と、反応室1を減圧する真空排気系3とによって構成されている。
真空排気系3は、主排気管路31が第1の排気制御部34を介して真空ポンプ33に連なり、排気ガス6が排出される。主排気管路31から分岐した第2ののバイパス排気管路32がオリフィス36やニードル弁37などからなる第2の排気制御部35を介して第1の排気制御部34をバイパスした構成になっている。また、図示してないが、反応室1と搬送室2との間には移送手段が内装されており、反応室1の中には、例えば、反応ガスの導入、基板加熱などの手段が内装されている。
CVD装置において、パーティクルによる被処理物の汚染の防止あるいは低減に対しては、従来からいろいろな提案がなされている。
例えば、被処理物を載置する試料台を加熱したり冷却したりできるようにする。あるいは、反応室の内壁をカバーで覆ったりする、こうして、異物となるパーティクルの発生を防ぐ(例えば、特許文献1参照)。
あるいは、反応室内の入口と出口とに粒子状物質の収集チャンバーを設けたり、静電コレクタを設けたりして、パーティクルが反応ガスの流体管路内から流出することを阻止する(例えば、特許文献2参照)。
あるいは、被処理物の予熱過程で反応室内の一端から他端へ1方向流れとなる不活性ガスを流し、室内のパーティクル数を低減させる(例えば、特許文献3参照)。
あるいは、減圧熱CVD装置において、成膜時に通電型静電吸着部材に電圧を印加し、反応ガスに含まれるパーティクルを静電吸着する。成膜後、被処理物を反応室から搬出したら通電型静電吸着部材の電圧印加をオフにしてパーティクルを離脱させて反応室外へ排出する(たとえば、特許文献4参照)。
このように、CVDにおける反応室内のパーティクルをいろいろな方法で減らし、その結果として反応室内で成膜処理されて搬出される被処理物の半導体ウェーハなどが汚染することを防ぐことが行われている。
ところで、図4において、搬送室2から反応室1に被処理物7を搬入したり、成膜処理が終わった被処理物7を反応室1から搬送室2へ搬出したりする際に、雰囲気中に浮遊しているパーティクルが被処理物7に付着することを抑制する手段として、被処理物7の搬入/搬出時に反応室1の中に不活性ガス43を導入し、パーティクルを含んだ雰囲気を真空排気系3を介して排気ガス6として排出させる技術が確立されている。
特開平5−140747号公報 特開1998−144669号公報 特開2001−77099号公報 特開2003−253446号公報
このような反応室内の雰囲気を乱さないようにしながらパーティクルを含んだ雰囲気を真空排気系を介して室外へ排出する技術は、一方で反応室内に不活性ガスを導入ながら、他方で反応室内の雰囲気を排出するものである。従って、導入する不活性ガス量と排出量とが均衡していることが重要となる。特に、反応室内へ導入する不活性ガス流入量を最適化された流入量に固定し、室外へ排出される不活性ガスの排出量も最適化された排出量で固定されることが望ましい。
ところが、現実には、第2の排気制御部内に設けられたオリフィスにおいては、内径に成膜副生成物が付着したり、オリフィスの交換などによって内径が変動したりすることが起こる。あるいは、真空ポンプ自体の排気量変動が間々起こる。
そのため、真空排気系の排気能力が変動し、反応室の中に導入する不活性ガスの導入量と排出量との均衡が破れてしまう。その結果、導入する不活性ガスの導入量と排出量との不均衡が、被処理物へのパーティクル付着による汚染を引き起こす原因となっていた。
図5は、反応室内におけるパーティクルの振舞いを模式的に示したものである。図5(A)において、反応室1の中は、導入した不活性ガス43と排気ガス6の排出量との均衡が破れた状態における導入した不活性ガス43の振舞いを示しており、不活性ガス43は反応室1の中に載置されている被処理物7の間隙を這うような乱流91となっている。
ところが、反応室1の内壁面では、成膜の度ごとに層をなして堆積した成膜副生成物がパーティクル発生源となっている。そのため、図5(B)に模式的に示したように、反応室1の内壁面に導入した不活性ガス43の乱流が衝突して成膜副生成物81の剥離が起こる。そして、次々とパーティクル8となって被処理物7に向かって飛散する。
その結果、図6(C)に示したように、例えば、半導体ウェーハのような被処理物7の表面上には微細な異物がパーティクル8となって大量に付着し、パーティクル汚染が起こることになる。
因みに、〔導入不活性ガス量〕>〔排気させるガス量〕のように均衡が破れた場合には、反応室内が陽圧となり、反応室内の雰囲気が搬送室側に吹き出し、被処理物に対してパーティクル付着の機会を与えてしまう。さらに、不活性ガスの導入による反応室内の乱流によって、反応室内の壁面に堆積しているパーティクルが飛散する不具合が生じる。
他方、〔導入不活性ガス量〕<〔排気させるガス量〕のように均衡が破れた場合には、反応室内が負圧となり、搬送室内の雰囲気が反応室側に巻き込まれる。その結果、搬送室内のパーティクルを被処理物に付着させる機会を増やしてしまう。また、搬送室内に大気成分が存在する場合には、反応室への酸素ガスの巻き込みが起こり、被処理物の表面に酸化膜を形成させる原因となる不具合が生じる。
そこで、本発明は成膜工程の前後に成膜装置の反応室に被処理物を移送する際に、反応室の中に導入する不活性ガスの導入量と真空排気系の排出量との均衡を保ち、被処理物にパーティクルが付着して汚染することを低減することができる成膜装置と成膜装置のパーティクル制御方法を提供することを目的とする。
上で述べた課題は、請求項1において、反応室と、該反応室に被処理物を移送する搬送室と、該反応室に連なる真空排気系とを有する成膜装置において、該反応室は不活性ガスを導入するガス導入口を有し、該搬送室は室内の気圧を監視する圧力センサを有し、該排気系は、第1の排気制御部を介して真空ポンプに連なる主排気管路と、該主排気管路から分岐し第2の排気制御部を介して該第1の排気制御部をバイパスするバイパス排気管路とを有し、該第1の排気制御部が閉成されて該被処理物が該反応室と搬送室との間を移送される際に、該反応室に不活性ガスが該ガス導入口から導入され、該圧力センサの静圧変動が起こらないように該第2の排気制御部が微調整されるように構成された成膜装置によって解決される。
つまり、CVD装置の反応室に連なり、反応室の被処理物を移載する搬送室に圧力センサを設けて内部の気圧が監視できるようにする。そして、真空排気系の第1の排気制御部を閉成して被処理物を反応室に搬入したり反応室から搬出したりする際に、反応室に導入する不活性ガスの所定の導入量と真空排気系を介した排気量とが均衡するように第2の排気制御装置を微調整する。この均衡の確認は、圧力センサの静圧変動が起こらない状態を監視することによって行われる。
こうして、不活性ガスの導入量と排気量とが均衡すると、反応室内に導入された不活性ガスの振舞いは層流となり、反応室の内壁面などにCVDによって堆積している副生産物に衝撃を与えて離脱することが抑えられる。その結果、パーティクルの発生と被処理物に付着して起こる汚染を低減することができる。
次いで、請求項2において、該第2の排気制御部が、オリフィスとニードル弁とからなるように構成された請求項1記載の成膜装置によって解決される。
つまり、第2の排気制御部を、バイパス排気管路の流量を安定にするオリフィスと排気量を微調節できるニードル弁とによって構成するようにしている。
こうすると、搬送室に設けた圧力センサの静圧変動が起こらない状態にバイパス排気管路の排気量を微調節することによって反応室内への不活性ガスの導入量と排気量とを均衡させることができる。
その結果、反応室内に導入された不活性ガスが乱流を起こして反応室の内壁面などに衝突してパーティクルを生じさせ、パーティクルの巻き上げなどによる被処理物の汚染を防ぐことができる。
次いで、請求項3において、該第2の排気制御部が、オリフィスと第2の不活性ガスの導入量を制御するマスフローコントローラとからなり、該マスフローコントローラが、該圧力センサによって制御されるように構成された請求項1記載の成膜装置によって解決される。
つまり、第2の排気制御部を、オリフィスと第2の不活性ガスの導入量を制御するマスフローコントローラとによって構成するようにしている。そして、マスフローコントローラが、搬送室に設けた圧力センサで静圧変動が起こらない状態に第2の不活性ガスの導入量を制御し、バイパス排気路の排気量の微妙な増減を制御するようにしている。
こうすると、第2の排気制御部を設けたバイパス排気管路の排気量の調節を第2の不活性ガスの導入量を微調節しながら、反応室内へのガスの導入量と排気量とを均衡させる作業を人手を介さずに自動的に行うことができる。
その結果、反応室内に導入される不活性ガスの乱流の発生を抑えて、パーティクルの巻き上げなどに起因する被処理物の汚染を自動的に防ぐことができる。
次いで、請求項4において、反応室と、気圧を監視する圧力センサを有し、該反応室に被処理物を移送する搬送室と、第1の排気制御部を介して真空ポンプに連なる主排気管路と該主排気管路と分岐し第2の排気制御部を介して該第1の排気制御部を分岐するバイパス排気管路とを有する真空排気系とを有する成膜装置のパーティクル制御方法であって、該被処理物を該反応室と搬送室との間で移送するに際して、該第1の排気制御部を閉成し、該反応室に不活性ガスを導入し、該圧力センサの静圧変動が起こらないように該第2の排気制御部を微調整するように構成された成膜装置のパーティクル制御方法によって解決される。
つまり、搬送室に設けた圧力センサの静圧が変動することは、反応室内に導入された導入ガスが乱流となり、CVDなどによって反応室の内壁面などに堆積している副生産物に衝撃を与えてパーティクル発生の原因となることを警告している。
そこで、第1の排気制御部を閉成して反応室に不活性ガスを導入した際に、搬送室に設けた圧力センサの静圧変動が起こらない状態に第2の排気制御部を微調整するようにしている。
こうして、反応室内に発生するパーティクルの振舞いを制御すれば、反応室内に導入された不活性ガスの乱流を抑え、パーティクルの発生とそのパーティクルが被処理物に付着して起こる汚染を低減することができる。
本発明によれば、CVD装置などの成膜装置の反応室と搬送室との間で被処理物を移送する際に、反応室内に導入した不活性ガスの乱流に起因するパーティクルの発生とそのパーティクルの付着による被処理物の汚染を防ぐことができる。
その結果、半導体装置などの製造に際して、成膜工程におけるパーティクル付着によるウェーハなどの被処理物の汚染を低減することができるばかりでなく、成膜装置のメンテナンスに際して避けられない排気量変動に起因したパーティクルの発生要因の低減に対しても大きく寄与できる。
図1は本発明の第一の実施例の模式的な構成図、図2は本発明の第二の実施例の模式的な構成図、図3は本発明の効果をよるパーティクルの振舞いの模式図である。
〔実施例1〕
図1は本発明の第一の実施例の模式的な構成図で、成膜装置100の基本構成は、CVDなどによって成膜する反応室1と、反応室1に連なる搬送室2と、反応室1を真空排気する真空排気系3とからなる。
反応室1は、いわゆるチャンバーと呼ばれる真空容器で、例えば、CVD装置の場合には、図示してないが、成膜の材料となる反応ガスの導入手段や半導体ウェーハなどの被処理物7を支持したり加熱したりする手段、被処理物7を反応室1と搬送室2との間を移送する手段などが装備されている。
搬送室2は、成膜前後の被処理物7を一時貯蔵する容器で、反応室1への被処理物7の移送と、成膜装置100の外部へ被処理物7を出し入れする役目がある。
真空排気系3は、反応室1や搬送室2を排気して真空雰囲気にするもので、反応室1に連なる主排気管路31に第1の排気制御部34が介在して真空ポンプ33に接続され、排気ガス6として系外に排出される。主排気管路31からはバイパス排気管路32が分岐しており、第2の排気制御部35がバイパスされている。
この第2の排気制御部35は、オリフィス36とニードル弁37とから構成されており、第1の排気制御部34を閉成すれば主排気管路31からバイパス排気管路32に排気管路が切り換わり、ニードル弁37の操作によってバイパス排気管路32を通して排気ガス6の排気量を微調整できるようになっている。
反応室1には不活性ガス4を導入できるガス導入口41が設けられている。不活性ガス4は、アルゴンガスなどの不活性ガスに限定せず、必要に応じて窒素ガスなどの化学的に安定なガスでもよく、図示してないが所定の流量に制御して導入できるようになっている。また、搬送室2には圧力センサ5を設け、室内の雰囲気の気圧を監視できるようになっている。
成膜装置100が、例えば、CVD装置の場合には、反応室1に被処理物7を載置し、主排気管路31を通して第1の排気制御部34を介して一旦高真空に排気したあとバイパス排気管路32に切り換え、反応ガスを導入して第2の排気制御部35によって所定の低真空度に保ちながら成膜を行う。
成膜工程の前後に被処理物7を搬送室2と反応室1との間で移送する際には、パーティクルの付着などによる被処理物7の汚染を防ぐために、主排気管路31の第1の排気制御部34を閉成し、ガス導入口41から不活性ガス4を導入することが行われている。その際に、本発明においては、圧力センサ5を監視しながら導入する。そして、不活性ガス4の所定の導入量に対して、圧力センサ5が静圧変動を起こさないように、第2の排気制御部35のニードル弁37を微調整する。
この圧力センサ5の静圧変動とは、反応室1と搬送室2との間で被処理物7の移送を行う際に不活性ガス4を流し込んでも、静的に室内の気圧が動かないことを意味している。つまり、不活性ガス4が反応室1の中を穏やかな層流となってバイパス排気管路32を経由して排気ガス6となって排気されている状態を示している。
こうして、反応室1と搬送室2との室内の静的な気圧変動なしの状態が保持されると、反応室1の中に導入された不活性ガス4が反応室1の内壁面などに堆積している成膜副生成物に衝突してパーティクルが発生することを抑えることができる。その結果、反応室1と搬送室2との間で被処理物7を移送する際に発生するパーティクルの汚染を低減することができる。
〔実施例2〕
図2は本発明の第二の実施例の模式的な構成図で、成膜装置100において、反応室1から連なる真空排気系3の主排気管路31から分岐しているバイパス排気管路32の第2の排気制御部35をオリフィス36とマスフローコントローラ38とから構成する。
マスフローコントローラ38は、搬送室2に圧力監視用として設けた圧力センサ5に連なる圧力コントローラ51によって制御され、第2の不活性ガス42をバイパス排気管路32に流れ込ませる導入量を微調整するようになっている。
成膜工程の前後に被処理物7を搬送室2と反応室1との間で移送する際には、主排気管路31の第1の排気制御部34を閉成し、ガス導入口41から所定の導入量の不活性ガス4を反応室1の中に導入する。その際に、圧力センサ5が室内の静的な気圧を監視し、気圧変動が起こると圧力コントローラ51を介してマスフローコントローラ38を制御し、第2の不活性ガス42の導入量を微調整する。
つまり、マスフローコントローラ38は、不活性ガス4の所定の導入量に対して、反応室1に連なる搬送室2の圧力センサ5が監視している気圧が動的に上昇傾向の変動したときには第2の不活性ガス42の導入を封止し、気圧が動的に下降傾向に変動したときには第2の不活性ガス42の導入の開封するように圧力コントローラ51によって制御される。その結果、実施例1のニードル弁による手動操作よりも、より能動的により効果的に自動調整される。
こうして、反応室1と搬送室2との室内気圧無変動の状態が保持され、すなわち、換言すれば、不活性ガス4の導入量と排気ガス6の排出量との均衡状態が保たれると、反応室1の中に導入された不活性ガス4の振舞いは、穏やかな層流となってバイパス排気管路32から排気ガス6となって排出される。
その結果、不活性ガス4が乱流となって反応室1の内壁面などに堆積している成膜副生成物に衝突し、パーティクルが発生することを抑制することができる。この抑制効果によって、反応室1と搬送室2の間の被処理物7の移送に伴うパーティクルの汚染を低減することができる。
図3は本発明の効果に依存したパーティクルの振舞いの模式図で、成膜装置100における成膜工程の前後で、被処理物7を反応室1と搬送室2の間を移送する際のパーティクルの振舞いを示している。
図3(A)において、反応室1の中に導入された不活性ガス4は、主排気管路31から図示してないバイパス排気管路を経由して排気ガス6として排気される。そして、搬送室2に設けた圧力センサ5で静圧変動が起こらない状態は、不活性ガス4の導入量と排気ガス6の排出量が均衡している状態に相当する。
さらに、この不活性ガス4の導入量と排気ガス6の排出量との均衡状態は、不活性ガス4が被処理物7が載置されている反応室1の中を流れる際の振舞いが、模式的に破線で示したように穏やかな層流9になっていることを意味している。つまり、不活性ガス4の流れが反応室1の内壁面に堆積している成膜副生成物に衝撃を与えパーティクルを発生させることを抑えている状態になっている。
その結果、本発明の効果は、図3(B)において、評価試料として、被処理物7に6インチ径の半導体ウェーハを用いて複数枚のウェーハ上に付着しているパーティクル8の個数を係数したところ、ウェーハ1枚当たりの平均個数が定常的に20個以下であることが確認できた。
因みに、すでに述べたように、図6に示したような第2の排気制御部のメンテナンス後の排気量が変動した場合には、反応室の内壁面で発生したパーティクル8が被処理物7であるウェーハの周縁部位を取り巻くように、400個の大量のパーティクル8が付着していることが確認された。こうした事実から、本発明はパーティクル汚染を低減する効果が顕著であることが実証できた。
本発明の第一の実施例の模式的な平面図である。 図1のレチクルを形成する露光マスク構成を分解した平面図である。 本発明の第二の実施例の模式的な説明図である。 本発明の第三の実施例の模式的な説明図である。 本発明の第四の実施例の模式的な説明図である。 従来の位相シフトレチクルの模式的な平面図である。
符号の説明
1 反応室
2 搬送室
3 真空排気系
31 主排気管路 32 バイパス排気管路
33 真空ポンプ 34 第1の排気制御部
35 第2の排気制御部 36 オリフィス
37 ニードル弁 38 マスフローコントローラ
4 不活性ガス
41 ガス導入口 42 第2の不活性ガス
5 圧力センサ
51 圧力コントローラ
6 排気ガス
7 被処理物
8 パーティクル
9 層流
100 成膜装置

Claims (4)

  1. 反応室と、該反応室に被処理物を移送する搬送室と、該反応室に連なる真空排気系とを有する成膜装置において、
    該反応室は不活性ガスを導入するガス導入口を有し、
    該搬送室は室内の気圧を監視する圧力センサを有し、
    該排気系は、第1の排気制御部を介して真空ポンプに連なる主排気管路と、該主排気管路から分岐し第2の排気制御部を介して該第1の排気制御部をバイパスするバイパス排気管路とを有し、
    該第1の排気制御部が閉成されて該被処理物が該反応室と搬送室との間を移送される際に、該反応室に不活性ガスが該ガス導入口から導入され、該圧力センサの静圧変動が起こらないように該第2の排気制御部が微調整される
    ことを特徴とする成膜装置。
  2. 該第2の排気制御部が、オリフィスとニードル弁とからなる
    ことを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 該第2の排気制御部が、オリフィスと第2の不活性ガスの導入量を制御するマスフローコントローラとからなり、
    該マスフローコントローラが、該圧力センサによって制御される
    ことを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  4. 反応室と、気圧を監視する圧力センサを有し、該反応室に被処理物を移送する搬送室と、第1の排気制御部を介して真空ポンプに連なる主排気管路と該主排気管路と分岐し第2の排気制御部を介して該第1の排気制御部を分岐するバイパス排気管路とを有する真空排気系とを有する成膜装置のパーティクル制御方法であって、
    該被処理物を該反応室と搬送室との間で移送するに際して、該第1の排気制御部を閉成し、該反応室に不活性ガスを導入し、該圧力センサの静圧変動が起こらないように該第2の排気制御部を微調整する
    ことを特徴とする成膜装置のパーティクル制御方法。
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