JP2007224004A - 超小型豚の人工授精用精液の希釈保存剤。 - Google Patents

Abstract

【課題】体重が１０ｋｇ前後の超小型種雄豚を対象とし、更に、長時間低温保存が可能で、高い受胎率が期待できる、流通用及び自家用のための人工授精用精液希釈保存剤を提供する。
【解決手段】ブドウ糖、クエン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、ＥＤＴＡ−２Ｎａ、クエン酸、及び、トリス等の組成による人工授精用精液希釈保存剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、超小型豚の精液を長時間低温保存が可能で、高い受胎率が期待できる希釈保存剤で、これを通して、超小型豚の流通用及び自家用のための人工授精用精液の希釈保存剤の分野である。

従来の豚用の精液希釈保存剤は、いわゆる、一般的な肉用豚や小型豚を対象として考案されたものである。日本国内飼養の肉用豚と小型豚の体重は、一般的に、成豚（１年齢）で、それぞれ、前者で２００ｋｇ、後者のオーミニ系で３５ｋｇ、クラウン系で４０ｋｇ、ＣＳＫ系で２５ｋｇ、ピットマンムア系で７０ｋｇ、及び、ユカタン系で４０ｋｇと言われている。
特開２０００−１１９１０１号公報 特開２０００−２４７８０１号公報 特開平１１−３４６５９６号公報 特開平６−１５８６７１号公報 鳥生厚夫著「豚の実験動物用化育種改良についての提言」、畜産の研究、第５０巻 １１号（１９９６）Ｐ．１１６

ここで解決しようとする課題は、一般的な肉用豚や小型豚を対象とするものではなく、毒性試験等の実験用として、また、室内飼育の可能な愛玩用として、市場性の拡大が期待される、体重が１０ｋｇ前後の超小型種雄豚を対象として、更に、長時間低温保存が可能で、高い受胎率が期待できる、流通用及び自家用のための人工授精用精液希釈保存液を提供することを課題とする。

以上の課題を解決するため、超小型豚（成豚体重１０ｋｇ前後）の人工授精のための、長時間の低温保存が可能で、高い受胎率が期待できる、流通用及び自家用のための人工授精用精液の製造を可能とする組成の希釈保存剤である。

この発明により、実験用や愛玩用として市場性が期待される、超小型豚の人工授精用精剤を効率的且つ安価に製造し、自家用のみならず、広域流通を可能とする。

以下、この発明の超小型種雄豚（成豚体重１０ｋｇ前後）を対象とする、精液希釈保存剤の実施の形態について、実施例を含めて説明する。

この精液希釈保存剤の超小型豚の体重等特性は、［表１］に示すとおりである。

超小型豚の精液希釈保存液は、［表２］の希釈保存剤を１０００ｍｌの蒸留水に溶かせばよい。

この精液希釈保存液の保存有効日数は、精液保存温度帯５〜２０℃で、１４日間である。
なお、この精液希釈保存液の使用は、精液の有効精子数や温度等を検査し、精液希釈保存液を調整して混合する。
精液に対する希釈保存液の希釈比率は、おおよそ、１５対８５である。
この調整精液希釈液を超小型豚所定の精液ボトルに注入し、カテーテルに接続し、子宮に挿入し、注入すればよい。

この精液希釈保存液は、［表３］で示すとおり、５℃の精子活力（生存指数）が、１週間で８５％以上、２週間で７５％以上であり、１５℃の精子活力が、１週間で９０％以上、２週間で８０％以上であることを示した。

保存温度１５と５℃の精液希釈液の交配成績は［表４］で示すとおりであり、それらの平均受胎率と産子数は、それぞれ、９０％と６．８頭であった。

この発明の産業上の利用は、実験用や愛玩用として市場性が期待される、超小型豚の生産のためのコストを低減するとともに、超小型豚の人工授精用精液の広域流通を可能にし、生産拠点の拡大につなげる可能性を持つ。

Claims (2)

1. 超小型豚（成豚体重１０ｋｇ前後）の人工授精のため、その精液を長時間低温保存することを可能にし、高い受胎率が期待できる組成の希釈保存剤。
2. 請求項１を通して、実験用や愛玩用として市場性が期待される、超小型豚の流通用及び自家用のための人工授精用精液の希釈保存剤。