JP2007223953A - 虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤,及び虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】新規な虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤,及び虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療方法を提供することである。
【解決手段】プロトンポンプ阻害作用を有する物質を有効成分して含むことを特徴とする、虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤,及びこれを用いた虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療方法である。
【選択図】なし
【解決手段】プロトンポンプ阻害作用を有する物質を有効成分して含むことを特徴とする、虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤,及びこれを用いた虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、新規な虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤,及び虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療方法に関する。
虚血性心疾患とは、冠動脈(冠状動脈)の閉塞や狭窄等が原因となって心筋への血流が阻害され、心臓に障害が起こる疾患の総称である。動脈硬化や血栓等のために、心臓の血管が狭くなり、血液の流れが悪くなることで、心臓の筋肉に必要な酸素や栄養が行き渡らず、急な激しい運動やストレス等により、心臓の筋肉が一時的な血液(酸素・栄養)不足となり、主に胸部,時には左腕や背中に痛みや圧迫を感じる等の症状を呈する。
また、心不全とは、心臓が不全状態である,つまり心臓が正常に機能していない状態を示す疾患である。
心不全は、あらゆる心疾患の末期症状であり、虚血性のものと非虚血性のものがあるが、それらの原因として、弁膜症や心筋梗塞,高血圧,心筋症,心筋炎,及び先天性心疾患が挙げられる。
心不全は、あらゆる心疾患の末期症状であり、虚血性のものと非虚血性のものがあるが、それらの原因として、弁膜症や心筋梗塞,高血圧,心筋症,心筋炎,及び先天性心疾患が挙げられる。
これまで、虚血性心疾患の予防又は治療剤としては、利尿薬,強心薬,血管拡張薬,アンジオテンシン転換酵素阻害薬,β遮断薬等が用いられてきたが、必ずしも満足のいくものでは無かった。
また、慢性心不全(CHF)治療薬としても、利尿薬,アンジオテンシン転換酵素阻害薬,β−アドレナリン受容体遮断薬等が用いられてきたが、これについても、必ずしも満足のいくものでは無かった(非特許文献1)。
Braunwald E, Bristow MR. Congestive heart failure: fifty years of progress. Circulation. 2000;102:14-23
一方、プロトンポンプ阻害作用とは、胃の壁細胞のプロトンポンプに作用し、胃酸の分泌を抑制する作用を言い、この作用を有する物質は、PPI(Proton pump inhibitor)と略される。プロトンポンプ阻害作用を有する物質は、以下の疾患の治療に用いられる。
(1)胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍
(2)Zollinger-Ellison症候群
(3)逆流性食道炎
(4)ヘリコバクター・ピロリの除菌補助
(1)胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍
(2)Zollinger-Ellison症候群
(3)逆流性食道炎
(4)ヘリコバクター・ピロリの除菌補助
しかし、PPIが、虚血性の疾患又は心不全の治療に役立つと言う報告はこれまでなされていない。
従って、本発明の目的とするところは、既存の治療薬では不十分であった効果を補足することのできる、新規な虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤,及び虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療方法を提供するにある。
上述の目的は、下記(第1の発明),(第2の発明),及び(第3の発明)によって達成される。
(第1の発明)
プロトンポンプ阻害作用を有する物質を有効成分して含むことを特徴とする、虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤。
(第2の発明)
プロトンポンプ阻害作用を有する物質が、オメプラゾール,ランソプラゾール,ラベプラゾール,レミノプラゾール,パントプラゾール,又はこれらの誘導体から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする、第1の発明に記載の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤。
(第3の発明)
第1の発明又は第2の発明に記載の予防又は治療剤を用いることを特徴とする、虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療方法。
(第1の発明)
プロトンポンプ阻害作用を有する物質を有効成分して含むことを特徴とする、虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤。
(第2の発明)
プロトンポンプ阻害作用を有する物質が、オメプラゾール,ランソプラゾール,ラベプラゾール,レミノプラゾール,パントプラゾール,又はこれらの誘導体から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする、第1の発明に記載の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤。
(第3の発明)
第1の発明又は第2の発明に記載の予防又は治療剤を用いることを特徴とする、虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療方法。
本発明の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤は、虚血性心疾患又は心不全を効果的に予防又は治療することができる。
また、従来用いられていたような、心筋梗塞急性期に心筋保護作用を有すると考えられている薬剤は、血圧低下を来すものが多いが、本薬剤は血圧に影響を与えないと言う利点をも有している。
また、従来用いられていたような、心筋梗塞急性期に心筋保護作用を有すると考えられている薬剤は、血圧低下を来すものが多いが、本薬剤は血圧に影響を与えないと言う利点をも有している。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられるプロトンポンプ阻害作用を有する物質としては、オメプラゾール(オメプラール(登録商標)アストラゼネカ社製,オメプラゾン(登録商標)三菱ウェルファーマ株式会社製 等),ランソプラゾール(タケプロン(登録商標)武田薬品工業株式会社製 等),ラベプラゾールナトリウム(パリエット(登録商標)エーザイ株式会社製 等),レミノプラゾール(日本ケミファ,杏林製薬),パントプラゾール(第一製薬)等が挙げられる。
プロトンポンプ阻害作用を有する物質には、上記の他、これらの誘導体も含まれる。誘導体としては、薬学的に許容される塩(有機酸塩,無機酸塩,金属塩等)の他、エーテル,エステル等が挙げられる。
また、本発明の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤には、その予防又は治療効果を阻害しない範囲で、他の成分を含有させることができ、例えば薬学的に許容される担体として、賦形剤,滑沢剤,結合剤,崩壊剤,安定剤,矯味矯臭剤,希釈剤,界面活性剤,乳化剤,可溶化剤,吸収促進剤,保湿剤,吸着剤,充填剤,増量剤,付湿剤,防腐剤等の添加剤を用いて周知の方法で製剤化することができる。
ここに、賦形剤としては、有機系賦形剤及び無機系賦形剤等が挙げられる。
また、本発明の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤は、従来知られている虚血性心疾患や心不全の予防又は治療剤との、合剤としても良い。
本発明の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤の剤形は、例えば錠剤,カプセル剤,顆粒剤,散剤,丸剤,トローチ,もしくはシロップ剤,注射剤等の液剤,等の形態が挙げられる。液剤製品等は、必要に応じて、メンブランフィルター等による濾過滅菌後に密封充填する方法や、その後更に高圧蒸気滅菌,熱水滅菌を施す等の、汎用されている滅菌処理を施しても良い。
本発明の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤中の、有効成分の含有量は、投与経路や剤形によって様々であり、一概に限定できず、各種剤形化が可能な範囲で、投与量との関係で適宜選択すれば良いが、例えば液剤の場合、0.0001〜10(w/v%),好ましくは0.001〜5(w/v%),特に注射剤の場合、0.0002〜0.2(w/v%),好ましくは0.001〜0.1(w/v%),固形剤の場合、0.01〜60(w/w%),好ましくは0.02〜50(w/w%)等として調製できるが、必ずしもこの範囲に限定されるものでは無い。
本発明の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤の投与量は、投与経路,症状,年齢,体重,あるいは予防又は治療剤の形態等によって異なり、一概に限定できないが、例えば、虚血性心疾患の予防又は治療剤中の有効成分の量が、一日約1〜1000mgとなるように、1回又は数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。
本発明の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤の投与経路としては、経口投与,静注等の静脈投与,動注等の動脈投与(冠動脈内投与等),筋注等の筋肉内投与,経皮投与,経鼻投与,皮内投与,皮下投与,腹腔内投与,直腸内投与,粘膜投与、吸入等が挙げられるが、急性心筋梗塞の場合には、非経口的な投与方法が好ましく、陳旧性心筋梗塞(前壁中隔心筋梗塞)の場合には、経口投与が好ましい。
本発明の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療方法は、上記本発明の予防又は治療剤を投与することによって実施できるが、その他、虚血性心疾患又は心不全の、他の予防又は治療方法と併用して実施することができる。例えば本発明の予防又は治療剤が、注射剤等の液剤である場合、経皮的冠動脈形成術(PTCA)等と組み合わせることが可能である。
具体的には、PTCAと液剤点滴を並行して行う方法,PTCAにより患部に直接液剤を投与する方法,PTCAにおけるバルーンに、液剤を浸潤させておく方法等が挙げられる。
具体的には、PTCAと液剤点滴を並行して行う方法,PTCAにより患部に直接液剤を投与する方法,PTCAにおけるバルーンに、液剤を浸潤させておく方法等が挙げられる。
本発明の予防又は治療剤の、予防・治療対象となる心疾患の具体的な症状としては、狭心症,心筋梗塞及びその末期症状である虚血性心筋症(Ischemic Cardiomyopathy:ICM)等の心不全,及び不整脈,更にはこれらの末期症状である心不全をも含む、虚血性・非虚血性の心不全等が挙げられる。
本発明の治療剤は、これら疾病の急性期,亜急性期,慢性期に用いることができる。
本発明の予防は、疾病発症前の、例えば虚血症状を起こすことが予測されるような場合に用いることができる。虚血症状を起こすことが予測されるのは、人工心肺の使用後,PTCA施術後,或いは肺循環悪化に伴う心機能低下時等である。
尚、本発明で言う予防又は治療剤には、大動脈遮断を伴う開心術等において、心筋の無血状態の回避を目的として使用する心筋保護剤も含まれる。
本発明の治療剤は、これら疾病の急性期,亜急性期,慢性期に用いることができる。
本発明の予防は、疾病発症前の、例えば虚血症状を起こすことが予測されるような場合に用いることができる。虚血症状を起こすことが予測されるのは、人工心肺の使用後,PTCA施術後,或いは肺循環悪化に伴う心機能低下時等である。
尚、本発明で言う予防又は治療剤には、大動脈遮断を伴う開心術等において、心筋の無血状態の回避を目的として使用する心筋保護剤も含まれる。
狭心症は、動脈硬化や血栓,冠動脈の一部の収縮等によって、血液の流れが悪くなりって起こるものであるが、心筋の壊死までは起こっておらず、後に心筋の回復が可能である。胸が締め付けられるように痛み、圧迫感を伴うが、痛みは数分から15分程度で治まるのが一般的である。
一方、心筋梗塞は、冠動脈が完全に詰まってしまい、心筋の一部は壊死し、回復しない。症状としては、激しい胸の痛み,呼吸困難,冷や汗,嘔吐,吐き気等があり、痛みは数時間以上続くことも多い。そして、その末期症状として、心不全等が起こる。
不整脈とは、心筋梗塞の合併症として起こるものであり、脈が飛ぶ,脈が乱れる,脈が一時的に遅くなる等の症状が起こる。
以下、実施例に先だって、本発明の予防又は治療剤による、虚血性心疾患又は心不全の効果を表す試験例を示す。
(試験例1)PPIの薬理的標的存在確認試験
H/K ATPaseはプロトンポンプインヒビターの薬理的標的である。通常では心筋における発現は少ないが、高血糖(等のストレス)に心筋(新生仔ラット初代培養心筋細胞)が曝されると発現の著明な増加が認められる(図1参照)。(PC:ポジティブコントロール、新生仔ラットの胃を使用、 GAPDH 全体の遺伝子発現量を確認するためのコントロール。)
H/K ATPaseはプロトンポンプインヒビターの薬理的標的である。通常では心筋における発現は少ないが、高血糖(等のストレス)に心筋(新生仔ラット初代培養心筋細胞)が曝されると発現の著明な増加が認められる(図1参照)。(PC:ポジティブコントロール、新生仔ラットの胃を使用、 GAPDH 全体の遺伝子発現量を確認するためのコントロール。)
(試験例2)PPIの心臓肥大抑制効果確認試験
図2は、フェニレフリン負荷による新生仔ラット初代培養心筋細胞のタンパク質生成量(心臓肥大のマーカー)の変化を示す図である。
フェニレフリン,及び被験物質を、培養液中に混入して、新生仔ラット初代培養心筋細胞のタンパク質生成量を測定した。
フェニレフリンとは、心筋細胞中のタンパク質量を増加させる作用を有する、心臓肥大のマーカーである。
被験物質として、ランソプラゾール(培養液中の最終濃:1μM,10μM)を用いた。
フェニレフリンは、培養液中の最終濃:100μMを用いた。
図2から分かる通り、フェニレフリン負荷により、タンパク質生成量は増加するが、PPI(ランソプラゾール)は、1uMでも増加を抑制した。
図2は、フェニレフリン負荷による新生仔ラット初代培養心筋細胞のタンパク質生成量(心臓肥大のマーカー)の変化を示す図である。
フェニレフリン,及び被験物質を、培養液中に混入して、新生仔ラット初代培養心筋細胞のタンパク質生成量を測定した。
フェニレフリンとは、心筋細胞中のタンパク質量を増加させる作用を有する、心臓肥大のマーカーである。
被験物質として、ランソプラゾール(培養液中の最終濃:1μM,10μM)を用いた。
フェニレフリンは、培養液中の最終濃:100μMを用いた。
図2から分かる通り、フェニレフリン負荷により、タンパク質生成量は増加するが、PPI(ランソプラゾール)は、1uMでも増加を抑制した。
(試験例3)心不全モデルマウスを用いた試験
リュン・リャオ等(Yulin Liao et al.)(Circulation Research October 17, 2003, P.759-766)に記載の方法に従って、大動脈縮窄により心不全モデルマウスを作成した。
作成した大動脈縮窄モデルに、ランソプラゾールを強制経口投与し(TAC+Lanso)、4週後の随時血糖値を測定した。
対象としては、開胸のみを行い、大動脈縮窄を行わなかったSham群,大動脈縮窄後、ランソプラゾールを投与しなかった(TAC)群を用いた。
結果を図3に示す。図中の横軸において( )中の数字は、群中のマウスの数を表し、グラフの値は、それぞれの群における平均値を示す。
リュン・リャオ等(Yulin Liao et al.)(Circulation Research October 17, 2003, P.759-766)に記載の方法に従って、大動脈縮窄により心不全モデルマウスを作成した。
作成した大動脈縮窄モデルに、ランソプラゾールを強制経口投与し(TAC+Lanso)、4週後の随時血糖値を測定した。
対象としては、開胸のみを行い、大動脈縮窄を行わなかったSham群,大動脈縮窄後、ランソプラゾールを投与しなかった(TAC)群を用いた。
結果を図3に示す。図中の横軸において( )中の数字は、群中のマウスの数を表し、グラフの値は、それぞれの群における平均値を示す。
図3によって、マウスの大動脈縮窄モデル(TAC)群において、心肥大の指標となる、心重量(Heart Weight:HW)/体重(Body Weight:BW)は、Sham群に比べて上昇しているが、大動脈縮窄モデルにランソプラゾールを投与した群(TAC+Lanso)では、その上昇が有意に抑制されていることが示された。
即ち、ランソプラゾールには、心肥大抑制効果があることが分かった。
即ち、ランソプラゾールには、心肥大抑制効果があることが分かった。
(試験例4)麻酔開胸犬モデルを用いた試験
麻酔開胸犬モデルを用いた試験のプロトコルを図4に示す。
麻酔・開胸した犬において、冠動脈前下行枝を90分間結紮し、360分間再灌流した後に、心筋梗塞サイズの検討を行った。
麻酔開胸犬モデルを用いた試験のプロトコルを図4に示す。
麻酔・開胸した犬において、冠動脈前下行枝を90分間結紮し、360分間再灌流した後に、心筋梗塞サイズの検討を行った。
ランソプラゾール(AG1749)投与群(1)では、結紮前10分間と再灌流時開始時の60分間、ランソプラゾールを、冠動脈内に細い管を挿入して投与した(1mg/kg/時)。
また、再灌流時開始時の60分間にのみ、ランソプラゾールを冠動脈内に投与した(1mg/kg/時)群を、ランソプラゾール投与群(2)とした。
また、再灌流時開始時の60分間にのみ、ランソプラゾールを冠動脈内に投与した(1mg/kg/時)群を、ランソプラゾール投与群(2)とした。
対照群では、薬物を含まない生理食塩水をランソプラゾール投与群と同様に、結紮前10分間と再灌流時開始時の60分間、冠動脈内に投与した(1ml/kg/時)。実験中は、平均血圧を100mmHg前後に,心拍数を130bpm前後に維持した。
結果を、図6に示す。
尚、図5として、心筋虚血によるリスクエリア(虚血の存在する範囲)を示す。
リスクエリアは、6時間の再灌流後、リスクエリアをエバンスブルーにてTTC染色する方法(WO01/12198公報等参照)で測定した。
リスクエリアは、6時間の再灌流後、リスクエリアをエバンスブルーにてTTC染色する方法(WO01/12198公報等参照)で測定した。
リスクエリアは、3群間では有意差がなかった。
このことは、図6の心筋梗塞サイズの大小が、虚血範囲の大小によるものでは無く、投与薬物の効果によるものであることを示している。
このことは、図6の心筋梗塞サイズの大小が、虚血範囲の大小によるものでは無く、投与薬物の効果によるものであることを示している。
図6は、心筋梗塞サイズの比較データであり、心筋梗塞サイズは、ランソプラゾール投与群が、有意に低値であった。
また、虚血の後にのみ投与する場合よりも、虚血の前後にランソプラゾールを投与した場合の方が、心筋梗塞サイズの抑制効果が高い傾向が見られた。
また、虚血の後にのみ投与する場合よりも、虚血の前後にランソプラゾールを投与した場合の方が、心筋梗塞サイズの抑制効果が高い傾向が見られた。
これらの結果は、ランソプラゾールが、虚血性心筋障害時に心筋の保護作用を発揮し、心筋梗塞サイズ縮小作用を有すること,及び、虚血の発症後でも効果があるが、予防剤として、虚血が起こる前に投与しておくことが、より効果的である可能性を示唆している。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、これらの実施例により本発明は限定されるものではない。
実施例1(注射剤)
ランソプラゾール(1重量部)を注射用蒸留水(1000重量部)に溶解し、この水溶液をメンブランフィルターで濾過する。濾液を窒素置換したアンプルに1mlずつ分注し、120℃で15分間滅菌処理して注射剤を得る。
ランソプラゾール(1重量部)を注射用蒸留水(1000重量部)に溶解し、この水溶液をメンブランフィルターで濾過する。濾液を窒素置換したアンプルに1mlずつ分注し、120℃で15分間滅菌処理して注射剤を得る。
実施例2(錠剤)
以下の通り、1錠中にランソプラゾール100mgを含有する錠剤を得る。
[処方]
成 分 配 合 量
主薬(ランソプラゾール) 100重量部
コーンスターチ 46重量部
微結晶セルロース 98重量部
ヒドロキシプロピルセルロース 2重量部
ステアリン酸マグネシウム 4重量部
[操作]
主薬、コーンスターチ及び微結晶セルロースを混合し、これに水50重量部に溶解したヒドロキシプロピルセルロースを加えて充分練合する。この練合物を篩に通して顆粒上に造粒して乾燥した後、得られた顆粒にステアリン酸マグネシウムを混合し1錠250mgに打錠する。
以下の通り、1錠中にランソプラゾール100mgを含有する錠剤を得る。
[処方]
成 分 配 合 量
主薬(ランソプラゾール) 100重量部
コーンスターチ 46重量部
微結晶セルロース 98重量部
ヒドロキシプロピルセルロース 2重量部
ステアリン酸マグネシウム 4重量部
[操作]
主薬、コーンスターチ及び微結晶セルロースを混合し、これに水50重量部に溶解したヒドロキシプロピルセルロースを加えて充分練合する。この練合物を篩に通して顆粒上に造粒して乾燥した後、得られた顆粒にステアリン酸マグネシウムを混合し1錠250mgに打錠する。
実施例3(カプセル剤)
以下の通り、1カプセル中にランソプラゾール100mgを含有するカプセル剤を得る。
[処方]
成 分 配 合 量
主薬(ランソプラゾール) 100重量部
乳糖 35重量部
コーンスターチ 60重量部
ステアリン酸マグネシウム 5重量部
[操作]
上記の各成分を充分混合して、この混合末の200mg宛をカプセルに充填してカプセル剤を得る。
以下の通り、1カプセル中にランソプラゾール100mgを含有するカプセル剤を得る。
[処方]
成 分 配 合 量
主薬(ランソプラゾール) 100重量部
乳糖 35重量部
コーンスターチ 60重量部
ステアリン酸マグネシウム 5重量部
[操作]
上記の各成分を充分混合して、この混合末の200mg宛をカプセルに充填してカプセル剤を得る。
本発明の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤,及び虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療方法は、心筋梗塞を効果的に予防又は治療することができる。
Claims (3)
- プロトンポンプ阻害作用を有する物質を有効成分して含むことを特徴とする、虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤。
- プロトンポンプ阻害作用を有する物質が、オメプラゾール,ランソプラゾール,ラベプラゾール,レミノプラゾール,パントプラゾール,又はこれらの誘導体から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする、請求項1記載の虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療剤。
- 請求項1又は2に記載の予防又は治療剤を用いることを特徴とする、虚血性心疾患又は心不全の予防又は治療方法。
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US8026994B2 (en) | 2006-02-20 | 2011-09-27 | Lg Display Co., Ltd. | Liquid crystal display device having members for preventing shifting of the light guide plate and method of assembling the same |
CN108703969A (zh) * | 2018-07-12 | 2018-10-26 | 南方医科大学南方医院 | 质子泵抑制剂兰索拉唑用于制备治疗心衰的药物的用途 |
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