JP2007223951A - 身体用液状洗浄剤組成物 - Google Patents

Abstract

【課題】低温安定性および初期の泡立ちに優れ、かつ泡質のクリーミー性、すすぎ時の感触、すすぎ時の泡切れ、および洗い上がり乾燥後の感触に優れた身体用液状洗浄剤組成物を提供すること。
【解決手段】本発明は、炭素数が１２の脂肪酸塩（ａ）、炭素数が１８の不飽和脂肪酸塩（ｂ）、特定のタウリン誘導体（ｃ）、および特定のアルキルイミノジカルボキシレート（ｄ）を特定の割合で含有する身体用液状洗浄剤組成物を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ボディーソープ、ハンドソープ、洗顔料などの身体用液状洗浄剤組成物に関する。さらに詳しくは、低温安定性および初期の泡立ちに優れ、かつ泡質のクリーミー性、すすぎ時の感触および泡切れ、ならびに洗い上がり乾燥後の感触に優れた身体用液状洗浄剤組成物に関する。

従来から、ボディーソープ、ハンドソープ、洗顔料などの身体用液状洗浄剤組成物には、初期の泡立ちのよさや日本人が好む洗い上がりのさっぱり感を得る点から脂肪酸塩が用いられている。そして使いやすさの点から固形状の洗浄剤よりも液状の洗浄剤が好まれる傾向にある。

しかしながら、脂肪酸塩によって得られる乾燥後のさっぱり感は、時にはつっぱり感となる場合がある。さらに脂肪酸塩は肌のかさつきの原因となる場合もある。したがって、肌の弱い人、湿疹やかぶれなどがある人は使用が制限されるという欠点がある。また、脂肪酸塩を用いた液状の組成物は、冬季の低温下では白濁あるいはさらに固化してしまうという欠点もある。

それらの欠点を解決するために、脂肪酸塩に各種界面活性剤を組み合わせることが試みられている。特許文献１には、炭素数が１０〜２２の脂肪族アシル基を有する脂肪酸塩（ａ）と、アルキルイミノジカルボキシレート型両性界面活性剤（ｂ）と、エーテルサルフェート型陰イオン性界面活性剤（ｃ）と、炭素数が１０〜２２の脂肪族アシル基を有するアシルアルキルタウレート型陰イオン性界面活性剤（ｄ）と、アルカノールアミド型非イオン性界面活性剤（ｅ）とを、（ａ）＋（ｂ）＋（ｃ）＋（ｄ）＋（ｅ）が１０〜６５重量％、（ｃ）＋（ｄ）＋（ｅ）が２〜１５重量％、（ａ）／（ｂ）の重量比が１／１０〜１０／１、（ｃ）／（ｄ）の重量比が１／３〜３／１、{（ｃ）＋（ｄ）}／（ｅ）の重量比が１／２〜４／１、および｛（ａ）＋（ｂ）｝／｛（ｃ）＋（ｄ）＋（ｅ）｝の重量比が３／１〜１０／１となるように含有する洗浄剤組成物が開示されている。

また、特許文献２には、炭素数が１０〜２２の脂肪族アシル基を有する高級脂肪酸塩（ａ）と、アルキルイミノジカルボキシレート型両性界面活性剤（ｂ）と、炭素数が１０〜２２の脂肪族アシル基を有するアシルアルキルタウレート型陰イオン性界面活性剤、アシルイセチオネート型陰イオン性界面活性剤、またはアミドエーテルサルフェート型陰イオン性界面活性剤（ｃ）とを、（ａ）／（ｂ）の重量比が１０／１〜１／１０および｛（ａ）＋（ｂ）／（ｃ）｝の重量比が２０／１〜１／５となるように含有する洗浄剤組成物が開示されている。

しかしながら、これらの洗浄剤組成物は、冬季や寒冷地などの低温下では白濁、沈殿、固化などの現象がおこる場合があり、低温安定性に優れた（低温下でも透明性が良好な）組成物を得るためのさらなる改善が望まれている。

さらに、近年、衛生管理が向上して幼児や子供も手の洗浄は日常生活で欠かせない行動であることから、ハンドソープは初期の泡立ちを速くすることが求められている。しかしながら、液状の組成物においては初期の泡立ちに優れたものが十分に開発されているとはいえない。そのため泡で出てくる容器などを使って対応しているというのが現状である。
特開平１０−１４０１８７号公報 特開平６−１７２７９７号公報

本発明の目的は、低温安定性および初期の泡立ちに優れる身体用液状洗浄剤組成物を提供することにある。この組成物は、さらに泡質のクリーミー性、すすぎ時の感触および泡切れ、ならびに洗い上がり乾燥後の感触も良好である。

本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、炭素数が１２の脂肪酸塩と、炭素数が１８の不飽和脂肪酸塩と、特定のタウリン誘導体と、特定のアルキルイミノジカルボキシレートとを特定の割合で組み合わせることによって、上記目的を達成できることを見出して本発明を完成するに至った。

本発明の身体用液状洗浄剤組成物は、炭素数が１２の脂肪酸塩（ａ）、炭素数が１８の不飽和脂肪酸塩（ｂ）、タウリン誘導体（ｃ）、およびアルキルイミノジカルボキシレート（ｄ）を含有する身体用液状洗浄剤組成物であって、該タウリン誘導体（ｃ）が、式（Ｉ）：
Ｒ^１ＣＯＮＲ^２Ｃ_２Ｈ_４ＳＯ_３Ｍ^１ （Ｉ）
（式中、Ｒ^１ＣＯは炭素数が６〜１０のアシル基であり、Ｒ^２は水素または炭素数が１〜３のアルキル基であり、Ｍ^１は水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、有機アンモニウム、アミノ酸、アミノ酸のアルカリ金属塩、タウリン、Ｎ−メチルタウリン、タウリンのアルカリ金属塩、またはＮ−メチルタウリンのアルカリ金属塩である）で表され、該アルキルイミノジカルボキシレート（ｄ）が、式（ＩＩ）：

（Ｒ^３は炭素数が１０〜１４のアルキル基またはアルケニル基であり、Ｒ^４およびＲ^５はそれぞれ炭素数が１〜３のアルキレン基であり、Ｍ^２およびＭ^３はそれぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、または有機アンモニウムである）で表され、そして該組成物中に、該（ａ）が４〜１０質量％、該（ｂ）が１〜５質量％、該（ｃ）が１〜１０質量％、および該（ｄ）が１〜１０質量％含有され、かつ該（ａ）、該（ｂ）、該（ｃ）、および該（ｄ）の合計量が７〜３０質量％、該（ａ）および該（ｂ）の合計量と該（ｃ）および該（ｄ）の合計量との質量比（ａ＋ｂ）／（ｃ＋ｄ）が１／１〜４／１、ならびに該（ａ）と該（ｂ）との質量比（ａ）／（ｂ）が２／１〜４／１となるように含有される。

本発明の身体用液状洗浄剤組成物は、低温安定性（０℃にて１週間保存したときに透明性を保持すること）および初期の泡立ちに優れる。この組成物は、さらに泡質のクリーミー性、すすぎ時の感触、すすぎ時の泡切れ、および洗いあがり乾燥後の感触も良好である。

本発明の身体用液状洗浄剤組成物は、炭素数が１２の脂肪酸塩（ａ）、炭素数が１８の不飽和脂肪酸塩（ｂ）、タウリン誘導体（ｃ）、およびアルキルイミノジカルボキシレート（ｄ）を特定割合で含有し、必要に応じて、その他の成分（ｅ）を含有し得る。以下、各成分および身体用液状洗浄剤組成物について順次説明する。

（脂肪酸塩（ａ）および（ｂ））
本発明においては、炭素数が１２の脂肪酸塩（ａ）と炭素数が１８の不飽和脂肪酸塩（ｂ）とを組み合わせて用いる。上記の脂肪酸塩以外の脂肪酸塩を用いる場合、所望の身体用液状洗浄剤組成物が得られない場合がある。例えば、炭素数が１１以下の脂肪酸塩を用いる場合、得られる組成物の泡質が粗くクリーミー性が不十分となる。さらに洗い上がり乾燥後の感触が悪くなる（乾燥後に肌のつっぱり感やかさつきを感じる）。炭素数が１９以上の脂肪酸塩を用いる場合、低温安定性、初期の泡立ち、泡持ち、および泡切れが不十分となる。これらの脂肪酸塩は、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩、塩基性アミノ酸塩、酸性または中性アミノ酸のアルカリ金属塩、タウリンのアルカリ金属塩、またはＮ−メチルタウリンのアルカリ金属塩である。具体的には、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、トリエタノールアンモニウム塩、タウリンナトリウム塩、タウリンカリウム塩、Ｎ−メチルタウリンナトリウム塩である。

上記炭素数が１２の脂肪酸塩（ａ）は、直鎖状脂肪酸塩および分岐鎖を有する脂肪酸塩のいずれであってもよい。このような脂肪酸塩としては、ラウリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ラウリン酸トリエタノールアンモニウム、ラウリン酸とタウリンナトリウムとの塩、ラウリン酸とタウリンカリウムとの塩、ラウリン酸とＮ−メチルタウリンナトリウムとの塩などが挙げられる。

上記炭素数が１８の不飽和脂肪酸塩（ｂ）は、直鎖状脂肪酸塩および分岐鎖を有する脂肪酸塩のいずれであってもよい。このような脂肪酸塩としては、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸トリエタノールアンモニウム、オレイン酸とタウリンナトリウムとの塩、オレイン酸とタウリンカリウムとの塩、オレイン酸とＮ−メチルタウリンナトリウムとの塩などが挙げられる。

（タウリン誘導体（ｃ））
本発明に用いられるタウリン誘導体は、以下の式（Ｉ）：
Ｒ^１ＣＯＮＲ^２Ｃ_２Ｈ_４ＳＯ_３Ｍ^１ （Ｉ）
（式中、Ｒ^１ＣＯは炭素数が６〜１０のアシル基であり、Ｒ^２は水素または炭素数が１〜３のアルキル基であり、Ｍ^１は水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、有機アンモニウム、アミノ酸、アミノ酸のアルカリ金属塩、タウリン、Ｎ−メチルタウリン、タウリンのアルカリ金属塩、またはＮ−メチルタウリンのアルカリ金属塩である）で表される。

上記一般式（Ｉ）において、Ｒ^１ＣＯの炭素数が６〜１０のアシル基は、飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸のいずれに由来するアシル基であってもよいし、直鎖状脂肪酸および分岐鎖を有する脂肪酸のいずれに由来するアシル基であってもよい。炭素数が５以下の場合は、得られる組成物の皮膚への刺激性が強くなり、泡質が粗くクリーミー性が不十分となる。炭素数が１１以上の場合、得られる組成物の初期の泡立ちが不十分となる場合がある。

上記一般式（Ｉ）において、Ｒ^２の炭素数が１〜３のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、およびプロピル基が挙げられる。

上記一般式（Ｉ）において、Ｍ^１は水素原子、アルカリ金属原子、１／２アルカリ土類金属原子、アンモニウム、有機アンモニウム、アミノ酸、アミノ酸の金属塩、タウリン、Ｎ−メチルタウリン、タウリンのアルカリ金属塩、またはＮ−メチルタウリンのアルカリ金属塩である。Ｍ^１としては、具体的には、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、１／２マグネシウム原子、１／２カルシウム原子、アンモニウム、トリエタノールアンモニウム、タウリン、Ｎ−メチルタウリン、タウリンナトリウム、タウリンカリウム、Ｎ−メチルタウリンナトリウムなどが挙げられる。

（アルキルイミノジカルボキシレート（ｄ））
本発明に用いられるアルキルイミノジカルボキシレートは、以下の式（ＩＩ）：

（Ｒ^３は炭素数が１０〜１４のアルキル基またはアルケニル基であり、Ｒ^４およびＲ^５はそれぞれ炭素数が１〜３のアルキレン基であり、Ｍ^２およびＭ^３はそれぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、または有機アンモニウムである）で表される。

上記一般式（ＩＩ）において、Ｒ^３の炭素数が１０〜１４のアルキル基またはアルケニル基は、直鎖状であっても分岐鎖を有していてもよい。炭素数が９以下の場合、得られる組成物の皮膚への刺激性が強くなり、泡質が粗くクリーミー性が不十分となる。炭素数が１５以上の場合、得られる組成物の初期の泡立ちが不十分となり、泡質が粗くクリーミー性が不十分となる。

上記一般式（ＩＩ）において、Ｒ^４の炭素数が１〜３のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、およびプロピレン基が挙げられる。

上記一般式（ＩＩ）において、Ｍ^２およびＭ^３はそれぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、または有機アンモニウムである。Ｍ^２またはＭ^３としては、具体的には、水素原子、ナトリウム原子、カリウム原子、１／２カルシウム原子、１／２マグネシウム原子、アンモニウム、トリエタノールアンモニウムなどが挙げられる。

（その他の成分（ｅ））
本発明の組成物に用いられ得るその他の成分は、当業者が洗浄剤に通常用いる添加剤であり、本発明の洗浄剤組成物の性能を損なわない範囲で含有され得る。例えば、ｐＨ調整剤、抗菌剤、キレート剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、ビタミン類、動植物由来の天然エキス、色素、顔料、香料などが挙げられる。

（身体用液状洗浄剤組成物）
本発明の身体用液状洗浄剤組成物は、上記炭素数が１２の脂肪酸塩（ａ成分）、炭素数が１８の不飽和脂肪酸塩（ｂ成分）、タウリン誘導体（ｃ成分）、およびアルキルイミノジカルボキシレート（ｄ成分）を特定割合で含有し、必要に応じて、その他の成分（ｅ成分）を含有し得る。

本発明の組成物中のａ成分の含有量は、４〜１０質量％、好ましくは５〜８質量％である。４質量％未満の場合、低温安定性、初期の泡立ち、および泡のクリーミー性が不十分となり、１０質量％を超える場合、洗い上がり乾燥後の感触が不十分となる。

本発明の組成物中のｂ成分の含有量は、１〜５質量％、好ましくは２〜４質量％である。また、１質量％未満の場合、低温安定性が不十分となり、さらに泡質が粗くクリーミー性が不十分となる。さらにすすぎ時の感触も不十分となる。５質量％を超える場合には、初期の泡立ち、泡のクリーミー性、およびすすぎ時の感触が不十分となり、さらに泡切れも悪い。

本発明の組成物中のｃ成分の含有量は１〜１０質量％、好ましくは３〜８質量％である。１質量％未満の場合、初期の泡立ちが不十分となり、さらに初期の泡立ちおよび洗い上がり乾燥後の感触が不十分となる。１０質量％を超える場合、低温安定性が不十分となり、泡質が粗くクリーミー性が不十分となり、そしてすすぎ時の感触が不十分（肌にぬめり感を感じる）となる。

本発明の組成物中のｄ成分の含有量は１〜１０質量％、好ましくは３〜８質量％である。また、１質量％未満の場合、初期の泡立ちが不十分である。１０質量％を超える場合、低温安定性が不十分となり、泡質が粗くクリーミー性も不十分となる。さらにすすぎ時の泡切れおよび洗い上がり乾燥後の感触も不十分となる。

本発明の組成物中のａ成分、ｂ成分、ｃ成分、およびｄ成分の合計量は、７〜３０質量％、好ましくは１０〜２５質量％である。７質量％未満の場合、低温安定性および初期の泡立ちが不十分となり、さらに泡質が粗くクリーミー性が不十分となる。３０質量％を超える場合、低温安定性および泡のクリーミー性が不十分となり、さらにすすぎ時の泡切れおよび洗い上がり乾燥後の感触が不十分となる。

本発明の組成物中のａ成分およびｂ成分の合計量とｃ成分およびｄ成分との質量比（ａ＋ｂ）／（ｃ＋ｄ）は、１／１〜４／１、好ましくは４／３〜３／１である。（ａ＋ｂ）／（ｃ＋ｄ）が１／１未満の場合、低温安定性が不十分となり、泡質が粗くクリーミー性が不十分となる。さらにすすぎ時の感触が不十分（肌にぬめり感を感じる）となる。４／１を超える場合、洗い上がり乾燥後の感触が不十分となる。

本発明の組成物中のａ成分とｂ成分との質量比（ａ）／（ｂ）は２／１〜４／１、好ましくは５／２〜３／１である。（ａ）／（ｂ）が２／１未満の場合、泡質が粗くクリーミー性が不十分となる。さらにすすぎ時の感触が不十分（肌にぬめり感を感じる）となる。４／１を超える場合、低温安定性、泡のクリーミー性、すすぎ時の泡切れ、および洗い上がり乾燥後の感触が不十分となる。

以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。

以下の実施例および比較例で調製された各組成物について、以下の（１）〜（６）の方法により評価した。

（評価方法）
（１）低温安定性
組成物を０℃の恒温槽に入れ１週間静置する。静置後、目視にて以下の基準で評価する。◎または○であれば、低温安定性が良好な組成物であると評価する。

（評価基準）
◎：組成物が完全に透明である
○：組成物がほぼ透明である
△：組成物がやや白濁している
×：組成物が白濁、固化したり、沈殿を生じている

（２）初期の泡立ち
組成物を水で希釈して、該組成物に含まれるａ〜ｄ成分の合計量が１質量％となるように調製した。この水溶液５０ｇをカップに入れ、ミルサー試験機（ＩＦＭ−１００、Ｉｗａｔａｎｉ製）を用いて４０℃にて２分間攪拌する。撹拌停止から１分間静置後の泡の高さ（カップの最低位置からの泡の高さ）を測定する。３回測定した平均値が７ｃｍ以上の場合、初期の泡立ちが良好であると評価し、７ｃｍ未満であれば初期の泡立ちが不十分であると評価する。

（３）泡のクリーミー性の評価
２０名の男女（２０〜４０歳）をパネラーとし、組成物３ｇを用いて前腕および手指を洗浄する。洗浄時の泡質について以下の基準で採点し、２０名の平均値を小数点第一位で四捨五入して算出する。

（評価基準）
２０点：泡質が非常にクリーミーであると感じた
１５点：泡質がややクリーミーであると感じた
１０点：泡質がふつうであると感じた
５点：泡質があまりよくない（やや粗い）と感じた
０点：泡質が悪い（粗い）と感じた

平均点が１５点以上の場合、泡のクリーミー性が良好であると評価し、１５点未満の場合、泡のクリーミー性が不十分であると評価する。

（４）すすぎ時の感触（すすぎ時のぬめり感の有無）の評価
２０名の男女（２０〜４０歳）をパネラーとし、組成物３ｇを用いて前腕および手指を洗浄する。すすぎ時の感触について以下の基準で採点し、２０名の平均値を小数点第一位で四捨五入して算出する。

（評価基準）
２０点：ぬめり感が感じられず、非常にさっぱりした
１５点：ぬめり感がやや感じられたが、さっぱりした
１０点：ぬめり感が感じられ、あまりさっぱりしなかった
５点：明らかなぬめり感が感じられ、さっぱりしなかった
０点：しつこくぬめり感が感じられ、全くさっぱりしなかった

平均点が１５点以上の場合、すすぎ時の感触が良好であると評価し、１５点未満の場合、すすぎ時の感触が不十分であると評価する。

（５）すすぎ時の泡切れの評価
２０名の男女（２０〜４０歳）をパネラーとし、組成物３ｇを用いて前腕および手指を洗浄する。すすぎ時の泡切れについて以下の基準で採点し、２０名の平均値を小数点第一位で四捨五入して算出する。

（評価基準）
２０点：泡切れが非常に速いと感じた
１５点：泡切れが速いと感じた
１０点：泡切れがやや速いと感じた
５点：泡切れが少し遅いと感じた
０点：泡切れが遅いと感じた

平均点が１５点以上の場合、すすぎ時の泡切れが良好であると評価し、１５点未満の場合、すすぎ時の泡切れが不十分であると評価する。

（６）洗い上がり乾燥後の感触の評価
２０名の男女（２０〜４０歳）をパネラーとし、組成物３ｇを用いて前腕および手指を洗浄する。洗い上がり乾燥後の感触について以下の基準で採点し、２０名の平均値を小数点第一位で四捨五入して算出する。

（評価基準）
２０点：さらっとしており、しっとり感を強く感じる
１５点：さらっとしており、しっとり感をやや感じる
１０点：さらっとしているが、しっとり感はない
５点：肌のつっぱり感およびかさつきをやや感じる
０点：肌のつっぱり感およびかさつきを強く感じる

平均点が１５点以上の場合、洗い上がり乾燥後の感触が良好であると評価し、１５点未満の場合、洗い上がり乾燥後の感触が不十分であると評価する。

（実施例１〜５）
表１に示す各成分を表１に示す割合で混合して身体用液状洗浄剤を得た（洗浄剤１〜５）。得られた洗浄剤１〜５を用いて、低温安定性、初期の泡立ち、泡のクリーミー性、すすぎ時のぬめり感、すすぎ時の泡切れ、および洗い上がり乾燥後の感触について、上記試験方法により評価した。結果を表１に示す。

（比較例１〜９）
表１に示す各成分を表１に示す割合で混合して身体用液状洗浄剤を得た（洗浄剤６〜１４）。得られた洗浄剤６〜１４を用いて、低温安定性、初期の泡立ち、泡のクリーミー性、すすぎ時のぬめり感、すすぎ時の泡切れ、および洗い上がり乾燥後の感触について、上記試験方法により評価した。結果を表１に併せて示す。

表１の結果から、実施例１〜５の身体用液状洗浄剤は、いずれも低温安定性および初期の泡立ちに優れていた。さらに泡のクリーミー性、すすぎ時の感触、すすぎ時の泡切れ、および洗い上がり乾燥後の感触が良好であった。

他方、比較例１〜９の身体用液状洗浄剤は、本発明の範囲を満たさず、身体用液状洗浄剤としての性能が十分得られなかった。すなわち、比較例１では、ａ成分の含有量が低く、さらにａ成分とｂ成分とｃ成分とｄ成分との合計量が低いため、低温安定性および初期の泡立ちが不十分であった。比較例２では、ａ成分の含有量が高く、（ａ＋ｂ）／（ｃ＋ｄ）の値が高いため、洗い上がり乾燥後の感触が不十分であった。比較例３では、ｂ成分が含有されていないため、低温安定性、初期の泡立ち、および泡のクリーミー性が不十分であった。比較例４では、ｂ成分の含有量が高く、ａ／ｂの値が低いため、初期の泡立ち、泡のクリーミー性、すすぎ時の感触、およびすすぎ時の泡切れが不十分であった。比較例５では、ｃ成分が含有されていないため、初期の泡立ちおよび洗い上がり乾燥後の感触が不十分であった。比較例６では、ｃ成分の含有量が高く、（ａ＋ｂ）／（ｃ＋ｄ）の値が低いため、低温安定性、泡のクリーミー性、およびすすぎ時の感触が不十分であった。比較例７では、ｄ成分が含有されていないため、初期の泡立ちが不十分であった。比較例８では、ａ成分とｂ成分とｃ成分とｄ成分との合計量が高く、（ａ＋ｂ）／（ｃ＋ｄ）の値が低く、そしてａ／ｂの値が高いため、低温安定性、泡のクリーミー性、すすぎ時の泡切れ、および洗い上がり乾燥後の感触が不十分であった。比較例９では、ｃ成分のタウリン誘導体が有するアシル基の炭素数が高いため、初期の泡立ちが不十分であった。

本発明によれば、低温安定性および初期の泡立ちに優れる身体用液状洗浄剤組成物を提供する。この組成物は、さらに泡質のクリーミー性、すすぎ時の感触、すすぎ時の泡切れ、および洗い上がり乾燥後の感触も良好である。本発明の身体用液状洗浄剤組成物は、ボディーソープ、ハンドソープ、洗顔料などとして利用される。

Claims (1)

1. 炭素数が１２の脂肪酸塩（ａ）、炭素数が１８の不飽和脂肪酸塩（ｂ）、タウリン誘導体（ｃ）、およびアルキルイミノジカルボキシレート（ｄ）を含有する身体用液状洗浄剤組成物であって、
   該タウリン誘導体（ｃ）が、式（Ｉ）：
   Ｒ^１ＣＯＮＲ^２Ｃ_２Ｈ_４ＳＯ_３Ｍ^１ （Ｉ）
   （式中、Ｒ^１ＣＯは炭素数が６〜１０のアシル基であり、Ｒ^２は水素または炭素数が１〜３のアルキル基であり、Ｍ^１は水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、有機アンモニウム、アミノ酸、アミノ酸のアルカリ金属塩、タウリン、Ｎ−メチルタウリン、タウリンのアルカリ金属塩、またはＮ−メチルタウリンのアルカリ金属塩である）で表され、
   該アルキルイミノジカルボキシレート（ｄ）が、式（ＩＩ）：
   

   

   （Ｒ^３は炭素数が１０〜１４のアルキル基またはアルケニル基であり、Ｒ^４およびＲ^５はそれぞれ炭素数が１〜３のアルキレン基であり、Ｍ^２およびＭ^３はそれぞれ水素原子、アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、アンモニウム、または有機アンモニウムである）で表され、そして
   該組成物中に、該（ａ）が４〜１０質量％、該（ｂ）が１〜５質量％、該（ｃ）が１〜１０質量％、および該（ｄ）が１〜１０質量％含有され、かつ該（ａ）、該（ｂ）、該（ｃ）、および該（ｄ）の合計量が７〜３０質量％、該（ａ）および該（ｂ）の合計量と該（ｃ）および該（ｄ）の合計量との質量比（ａ＋ｂ）／（ｃ＋ｄ）が１／１〜４／１、ならびに該（ａ）と該（ｂ）との質量比（ａ）／（ｂ）が２／１〜４／１となるように含有される、組成物。