JP2007222719A - 管状器具の内壁面洗浄方法及びその内壁面洗浄装置 - Google Patents

管状器具の内壁面洗浄方法及びその内壁面洗浄装置 Download PDF

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Abstract

【課題】管状器具の内壁面を損傷することなく付着した汚れを除去し得る管状器具の内壁面洗浄方法を提供する。
【解決手段】アクリル製の管体10の内壁面に付着した汚れを洗浄する際に、該管体10の外周面側に一対の永久磁石12a,12bを2極配置して、管体10の内壁面側に形成した磁界内に、磁性体粒子の表面が樹脂皮膜で被覆された被覆粒子から成る粒子群を挿入し、前記磁界によって管体10の内壁面に押し付けた粒子群に、前記汚れを剥離する押付力を発生させた状態で、一対の永久磁石12a,12bを回転しつつ、一対の永久磁石12a,12bを管体10の長手方向に移動すると共に、前記内壁面から剥離した汚れ片を粒子群から排出できるように、管体10の一端側から供給した洗浄水を他端側から排出することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は管状器具の内壁面洗浄方法及びその内壁面洗浄装置に関し、更に詳細には常磁性材料から成る管状器具の内壁面に付着した汚れを洗浄する管状器具の内壁面洗浄方法及びその内壁面洗浄装置に関する。
医療器具等に汎用されているカテーテル等の管状器具の内壁面を洗浄する洗浄方法として、例えば下記特許文献1には、磁性流体を利用した洗浄方法が提案されている。
この洗浄方法は、低表面張力の磁性流体と微細砥粒とを混合したスラリーを磁場内にて磁力駆動し、このスラリーとスラリー内にセットされた常磁材料から成る細管とを相対運動させて、細管の内壁面を洗浄するものである。ここで用いる磁性流体は、強磁性材料から成る強磁性体粒子、界面活性剤及び溶媒から構成されている。
特開2003−62747号公報
前記特許文献1で提案された磁性流体を利用した洗浄方法によれば、従来の水流や超音波を利用した洗浄方法では除去できなかった、細管の内壁面に強固に付着した汚れも短時間で除去できる。
しかし、特許文献1で提案された洗浄方法では、強磁性体粒子の表面を露出した状態で用いるため、細管の内壁面が研磨されて磨耗され易いことが懸念される。
そこで、本発明の課題は、管状器具の内壁面を損傷することなく付着した汚れを除去し得る管状器具の内壁面洗浄方法及びその内壁面洗浄装置を提供することにある。
本発明者等は前記課題を解決すべく、先ず、前掲の特許文献1で提案された洗浄方法で用いるスラリーに配合された微細砥粒が細管の内壁面を研磨する可能性が高いと考え、微細砥粒を除去したスラリーを用いて細管の内壁面の洗浄を試みた。
この微細砥粒を除去したスラリーを用いた細管の内壁面の洗浄では、細管の内壁面の研磨程度を軽減できたものの、依然として細管の内壁面に対する研磨が認められた。
本発明者等は、かかる研磨を防止すべく更に検討を重ねたところ、表面を樹脂皮膜で覆った強磁性体粒子を用いることによって、細管の内壁面の研磨を防止できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、常磁性材料又は非磁性材料から成る管状器具の内壁面に付着した汚れを洗浄する際に、該管状器具内に、強磁性材料から成る強磁性体粒子の表面が前記管状器具の内壁面を形成する材料よりも低硬度の材料で被覆された被覆粒子から成る粒子群を挿入し、且つ前記粒子群を管状器具内に保持すると共に、前記粒子群に前記汚れを剥離する押付力を発生させるように、前記管状器具の外周面に沿って回転磁界を形成することを特徴とする管状器具の内壁面洗浄方法にある。
また、本発明は、常磁性材料又は非磁性材料によって形成された管状器具の内壁面に付着した汚れを洗浄する管状器具の内面洗浄装置であって、該管状器具内に挿入された、強磁性材料から成る強磁性体粒子の表面が前記管状器具の内壁面を形成する材料よりも低硬度の材料で被覆された被覆粒子から成る粒子群と、前記管状器具の外周面側に設けられ、前記粒子群に前記汚れを剥離する押圧力が発生するように、前記管状器具の外周面に沿って回転磁界を形成する回転磁界発生手段とを具備することを特徴とする管状器具の内面洗浄装置でもある。
かかる本発明において、回転磁界として、前記管状器具の長さよりも幅狭の回転磁界を形成し、前記回転磁界を管状器具の長手方向に移動することによって、長い管状器具の内壁面も洗浄できる。
この回転磁界を、管状器具の外周面側に磁石を配設し、前記磁石又は管状器具を回転することによって容易に形成できる。かかる磁石としては、一対の磁石を用い、前記一対の磁石のうち、一方の磁石のN極と他方の磁石のS極とが管状器具を挟んで対向する2極配置とすることによって、対向して配置された一対の磁石のN極とS極との間に粒子群を円柱状に形成でき、剥離した汚れ片等を管状器具の内壁面との隙間から排出できる。
また、管状器具の内壁面から剥離した汚れ片を粒子群から排出できるように、前記管状器具の一端側から供給した洗浄水を他端側から排出することによって、剥離した汚れ片が粒子群内に蓄積することを防止できる。
この洗浄水として、水又は水と洗剤との混合液を用いることによって、排出水等の取扱性を良好にできる。
かかる粒子群として、強磁性体粒子の表面が樹脂皮膜で被覆された被覆粒子から成る粒子群を好適に用いることができる。
更に、粒子群として、粒径又は硬度の異なる少なくとも二種の粒子群を用い、大粒径又は高硬度の粒子群を用いて洗浄した後、小粒径又は低硬度の粒子群を用いて洗浄することによって、大粒径又は高硬度の粒子群により管状器具の内壁面の大きな汚れを除去する粗洗浄を施した後、小粒径又は低硬度の粒子群による細かな汚れを除去する精密洗浄を施すことができる。
ところで、本発明において言う「常磁性体材料」とは、磁界を加えるとその方向に磁化し、磁界を取り去ると磁化が消滅する性質を有する材料をいい、例えばステンレス、銅等を挙げることができる。更に、「強磁性材料」とは、磁界を加えると、その方向に磁化し、磁界を取り去っても磁気を残す性質を有する材料をいい、例えば鉄、ニッケル、コバルトを挙げることができる。また、「非磁性材料」とは、磁界を加えても磁化しない材料、例えばガラス、樹脂等を挙げることができる。
尚、本発明で用いる「常磁性材料から成る管状器具」には、磁界を取り去ったとき、若干の磁気が残留する材料から成る管状器具であっても、粒子群を挿入した管状器具に磁界を加えた後、磁界を取り去ってから管状器具を傾斜したとき、挿入された粒子群が排出されるものを含む。
本発明では、洗浄対象の管状器具の外周面に沿って形成された回転磁界によって、管状器具内に挿入された、主として強磁性体粒子から成る粒子群は、管状器具の内壁面に押し付けられて回転する。このため、管状器具の内壁面に付着していた汚れは剥離される。
しかも、本発明で用いる粒子群を構成する粒子は、強磁性体粒子の表面が管状器具の内壁面を形成する材料よりも低硬度の材料で被覆されている被覆粒子である。従って、粒子群が管状器具の内壁面に押し付けられた状態で回転しても、管状器具の内壁面を研磨することを防止でき結果、管状器具の内壁面を損傷することなく付着した汚れを除去できる。
本発明に係る管状器具の内面洗浄装置の一例を図1に示す。図1に示す内面洗浄装置では、管状器具として、傾斜して設けた非磁性材料から成る管状器具であるアクリル製の管体10の外周面側に、回転磁界発生手段として一対の永久磁石12a,12bを設けた。この一対の永久磁石12a,12bは、永久磁石12aのN極と永久磁石12bのS極とが管体10を挟んで対向する2極配置とした。
かかる管体10の上端側には、洗浄水供給手段として、洗浄水である水が貯留された洗浄水タンク14を設けており、ホース15を経由して管体10の上端側に洗浄水を供給する。更に、管体10の下端側には、上端側から供給されて管体10を通過した洗浄水を回収する回収タンク16を設けている。
かかる一対の永久磁石12a,12bは、図3に示す磁極回転手段としての回転装置60によって、図2に示す様に、管体10の外周面側を回転する。図3に示す回転装置60では、その図3(a)に示す様に、本体部18に回転可能に設けられたVプーリ20内に固着されたヨーク22に永久磁石12aのN極と永久磁石12bのS極とが、管体10を挟み込むように対向して設けられている。かかる管体10の外周面とN極及びS極との間には、所定の間隙が形成されている。
尚、本体部18とVプーリ20との間には、図3(a)に示すX−Xに断面図である図3(b)に示す様に、複数個のボールベアリング32,32・・が設けられている。
このVプーリ20と、本体部18に固設されている補助部24に回転可能に設けられたVプーリ26との間には、ベルト30が掛け渡されている。更に、Vプーリ26は、駆動モータ(図示せず)によって回転するフレキシブルシャフト28に連結されている。
このため、駆動モータ(図示せず)を駆動してフレキシブルシャフト28を回転することによって、Vプーリ26とベルト30とを介して回転するVプーリ20に伴ってヨーク22が回転し、一対の永久磁石12a,12bを、図2に示す様に、管体10の外周面に沿って回転できる。
また、図3に示す一対の永久磁石12a,12bを回転する回転装置60は、ロボットアーム等の移動手段によって、図1の矢印Bに示す様に、管体10の一端側から他端側に往復動可能に設けられている。
図1に示す様に、一対の永久磁石12a,12bを管体10の外周面側に配置することによって、図2に示す様に、永久磁石12aのN極と永久磁石12bのS極との間に挟まれる管体10内にも磁界が形成される。
かかる磁界内に、図2に示す様に、粒子40,40・・から成る粒子群を挿入する。この粒子40は、図4に示す様に、鉄等の強磁性材料から成る強磁性体粒子40aの表面がフッ素樹脂等の樹脂皮膜40bで被覆された被覆粒子である(以下、被覆粒子40と称することがある)。
この様に、主として強磁性材料によって形成された被覆粒子40,40・・から成る粒子群を管体10内に挿入すると、図2に示す様に、粒子群は磁界に沿って柱状に形成される。この柱状の粒子群は、その両端を形成する被覆粒子40,40・・は、永久磁石12aのN極と永久磁石12bのS極との磁力によって管体10の内壁面に押し付けられる、いわゆる磁気ブラシを形成する。
かかる磁気ブラシは、管体10よりも幅狭であるため、一対の永久磁石12a,12bは、回転磁界移動手段としてのロボットアームによる管体10の長手方向への一対の永久磁石12a,12bの移動に伴って、その両端を管体10の内壁面に押し付けつつ移動する。このため、一対の永久磁石12a,12bを、図2に示すように回転しつつ、管体10の長手方向に移動することによって、磁気ブラシの両端は管体10の内壁面の全面をブラシできる。
その際に、磁気ブラシを形成する被覆粒子40は、その外周面がアクリル製の管体10よりも低硬度の樹脂皮膜40bによって形成されているため、管体10の内壁面を損傷することを防止できる。
この磁気ブラシによってブラシされて管体10の内壁面から剥離された汚れ片は、管体10の上端側から供給された洗浄水によって下端側に洗い流され、磁気ブラシ内に滞留することを防止できる。
この様に、磁気ブラシを形成する粒子群を構成する被覆粒子40が洗浄水と接触しても、被覆粒子40の外周面が樹脂皮膜40bで形成されていることによって、強磁性体粒子40aと洗浄水との接触を防止でき、強磁性体粒子40aの錆発生を防止できる。このため、被覆粒子40,40・・から構成する粒子群の耐久性を向上でき、繰り返して使用できる。
かかる洗浄水としては、溶媒に界面活性剤等の洗剤が添加された洗浄水を用いることができるが、特に水のみを用いることが汚れ片を含む洗浄水の処理を容易に行うことができ好ましい。
この洗浄水の管体10内に供給する供給量は、磁気ブラシを形成する粒子群から汚れ片を除去できる程度でよく、管体10の管内断面積の1/3以下の洗浄水量となるように供給することが好ましい。
また、粒子群の管体10内への挿入量は、一対の永久磁石12a,12bの磁力の強さによって変わるが、一対の永久磁石12a,12bの磁界が形成される管体10の体積、具体的には、図5に示す様に、管体10の管内断面積A×磁石12a,12bの長さLで表される体積(VC)に対する挿入した粒子群の体積(VP)の体積比率[(VP/VC)×100%]で表した充填率を10%程度とすることが好ましい。この充填率が10%を超える量の粒子群を管体10内に挿入しても、一対の永久磁石12a,12bの磁界から脱落し洗浄水によって洗い流される被覆粒子40が多くなる傾向にある。
この粒子群を構成する被覆粒子40の粒径は、管体10の内壁面の凹凸形状に合わせて選択する。つまり、図6に示す様に、管体10の内壁面の凹凸よりも小さい粒径の被覆粒子40−A,40−Bは凹部内に入り込むことができ、凹部内の汚れを除去できる。これに対して、管体10の内壁面の凹凸よりも大きな粒径の被覆粒子40−Cは凹部内に入り込むことができず、凹部内の汚れを除去できない。
このため、洗浄を施す管体10の内壁面に付着する汚れに近似した擬似汚れを予め塗布した後、被覆粒子40の粒径を変更した粒子群を管体10内に挿入して洗浄を施し、擬似汚れの洗浄程度を観察し、最適の粒径の被覆粒子40から成る粒子群を採用することが好ましい。この擬似汚れとしては、例えば血液やリンパ液等の体液やprENISO15883に示されるテストソイル等の人工汚れを採用できる。
また、管体10の内壁面の汚れ程度によっては、粒径及び/又は硬度の異なる少なくとも二種の粒子群を順次用いて洗浄を行ってもよい。例えば、大粒径又は高硬度の粒子群によって大きな汚れを洗浄する粗洗浄を施した後、小粒径又は低硬度の粒子群よる洗浄を行って細かな汚れを洗浄する精密洗浄を施すことができる。
以上の説明では、磁石として、管体10の外周面側に2極配置した一対の磁石12a,12bについて説明してきたが、図7に示す様に、管体10の外周面側に4個の永久磁石50,50・・を、隣接する永久磁石との交差角が90°で且つ隣接してN極とS局極とが配置された4極配置したものでも採用できる。
但し、4極配置した4個の永久磁石50,50・・では、磁界は図7に示す様に、隣接するN極とS極との間で管体10の内壁面に沿って形成される。かかる磁界が形成された管体10内に挿入された粒子群は、磁界に沿って膜状となって管体10の内壁面を覆い、洗浄水が滞留し易い傾向がある。更に、粒子群を構成する被覆粒子40が磁界から脱落して洗浄水に伴って管体10外に排出され易い傾向もあった。
また、管体10として、常非磁性材料であるステンレスから成る管体を用いる場合、粒子群としては、鉄等の強磁性体粒子40aの表面が亜鉛めっき層等の防錆めっき層によって被覆された被覆粒子から成る粒子群を採用できる。この管体10として、一部が蛇腹部に形成された管体10でも、その内壁面を洗浄できる。
更に、磁石を固定して、管体10を回転及び移動可能に設け、管体10を回転しつつ、その長手方向に移動させてもよく、一対の永久磁石12a,12b或いは永久磁石50,50・・に代えて、電磁石を用いてもよい。
図1に示す内壁面洗浄装置では、自動化が図られていないが、洗浄作業の効率を向上するには、その自動化を図ることが必要である。
かかる自動化を図った内壁面洗浄装置の一例の概略図を図8に示す。図8に示す内壁面洗浄装置では、傾斜して設けられたアクリル製の管体10の外周面側に、回転磁界発生手段としての一対の永久磁石12a,12bが設けられている。この一対の永久磁石12a,12bは、図3に示す磁極回転手段としての回転装置60によって回転される。
かかる管体10の上端側には、洗浄水供給手段として、洗浄水である水が貯留された洗浄水タンク14と、浄水タンク14と管体10の上端側に洗浄水を供給するホース15の途中に電磁弁15aとが設けられている。この管体10の下端側には、上端側から供給されて管体10を通過した洗浄水を回収する回収タンク16が設けられている。
更に、管体10の上端側には、粒子群供給手段として、図4に示す被覆粒子40から成り且つ粒径の異なる粒子群が貯留されたホッパー54a,54bの各々から粒子群が供給される供給配管が設けられている。更に、ホッパー54a,54bの近傍の供給配管には、電磁弁56a,56bが設けられている。ホッパー54aには、ホッパー54bに充填されている粒子群よりも大粒径の粒子群が充填されている。
また、管体10の外周面側に設けられた一対の永久磁石12a,12bは、回転磁界移動手段としてのロボットアーム62によって管体10の長手方向(矢印B方向)に移動可能に設けられている。この一対の永久磁石12a,12bは、ロボットアーム62によって、管体10の下端側から抜き出すことができる。
かかる回転装置60、ロボットアーム62、電磁弁15a,56a,56bは、制御部66からの信号によって駆動・停止する。この制御部66には、入力部64から種々のデータを入力できる。
尚、図8に示す内壁面洗浄装置では、図1に示す内壁面洗浄装置と同一部材については、図1と同一番号を付して詳細な説明を省略した。
図8に示す内壁面洗浄装置の動作を図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
先ず、操作者は、入力部64に、洗浄する管体10の内壁面の汚れ程度に応じて、洗浄時間、ホッパー54a,54bの各々に貯留されている粒子群の供給順序及び切替時間、粒子群の供給時間(粒子群の供給量)、磁極回転数及び回転磁界移動速度の各々を入力する。入力値に基づいて、制御部66は制御する。入力された洗浄時間はタイマー1にセットされ、粒子群の供給時間はタイマー2にセットされる。
ここで、粒子群の供給順序は、ホッパー54aからの大粒径の粒子群の次にホッパー54bからの小粒径の粒子群を用い、その供給時間は等しいものとする。
操作者は、入力部64に所定のデータを入力した後、運転スタートボタンを押し、運転をスタートする。この運転スタートと同時に、磁極回転手段としての回転装置60及び回転磁界移動手段としてのロボットアーム62の各々が駆動開始する信号が制御部66から発信される。
更に、制御部66からは、粒子群供給手段としての電磁弁56aを開く信号が発信され、タイマー2がUPするまでホッパー54aから大粒径の粒子群が管体10内に供給される。管体10内に供給された粒子群は、回転する一対の永久磁石12a,12bによって形成される回転磁界に捉えられ、図2に示す磁気ブラシを形成する。かかる大粒径の粒子群から成る磁気ブラシによって大きな汚れを洗浄する粗洗浄を施す。
タイマー2がUPしてホッパー54aからの粒子群の管体10への供給が終了したとき、電磁弁56aを閉める信号が制御部66から発信され、タイマー1がスタートする。この際に、洗浄水供給手段としての電磁弁15aを開く信号が制御部66から発信され、洗浄水タンク14から洗浄水を管体10の上端側に供給し、磁気ブラシによって管体10の内壁面から剥離された汚れ片を洗浄して、管体10の下端側から回収タンク16内に流出する。
かかる大粒径の粒子群から成る磁気ブラシによる粗洗浄が継続している間に、タイマー1のスタートからの時間と予め入力した切替時間とが等しくなったとき、制御部66からは、回転装置60を停止すると共に、タイマー1の進行を一時停止する信号を発信する。
更に、制御部66からは、ロボットアーム62に対し、一対の永久磁石12a,12bを管体10の下端側から抜き出す信号を発信し、管体10内の大粒径の粒子群を回収タンク16に排出した後、一対の永久磁石12a,12bを管体10の所定位置に戻す信号を発信する。
次いで、制御部66からは、タイマー2をスタートする信号を発信した後、電磁弁56bを開く信号を発信して、ホッパー54bから小粒径の粒子群を管体10内に供給する。
その後、タイマー2がUPしたとき、制御部66からは、電磁弁56を閉じる信号を発信すると共に、回転装置60を起動する信号を発信した後、タイマー1の進行を再開する信号を発信し、小粒径の粒子群から成る磁気ブラシによって、粗洗浄後に残留した細かな汚れを洗浄する精密洗浄を開始する。
かかる精密洗浄を開始した後、タイマー1がUPして精密洗浄が終了したとき、制御部66からは回転装置60を停止する信号を発信する。次いで、制御部66からは、ロボットアーム62に対し、一対の永久磁石12a,12bを管体10の下端側から抜き出す信号を発信する。更に、制御部66からは、管体10内の粒子群を回収タンク16に排出した後、一対の永久磁石12a,12bを管体10の所定位置に戻す信号を発信する。
その後、制御部66からは、ロボットアーム62の停止信号及び電磁弁15aを閉じる信号が発せられ、一連の洗浄を終了する。
ところで、図8に示すホッパー54a,54bには、粒径の異なる粒子群を充填したが、硬度の異なる粒子群を充填してもよい。この場合、高硬度の粒子群を用いた粗洗浄の後、低硬度の粒子群を用いて精密洗浄することが好ましい。
図1に示す様に、外径13mmで内径10mmのアクリル製の管体10を傾斜して設けた。この管体10の内壁面の初期粗さは0.08μmRaであった。この管体10内の内壁面の所定部分に、prENISO15883に示されるテストソイルの人工汚れを塗布した。
かかる管体10の外周面に2極配置された一対の永久磁石12a,12bは、図3に示す回転装置によって、管体10の外周面に沿って回転する。この回転数を300min―1とした。
更に、この回転装置は、ロボットアームによって回転装置の全体が管体10の長手方向に往復動可能に装着されている。このため、一対の永久磁石12a,12bも管体10の長手方向に回転装置に伴って往復動可能である。回転装置の移動速度は300mm/minとした。この一対の永久磁石12a,12bとしては、Nd−Fe−B系希土類磁石(4t×5×8)を用いた。
管体10の上端側には、洗浄水としての水が貯留された洗浄水タンク14を設けており、ホース15を経由して管体10の上端側に洗浄水を供給する。この管体10の下端側には、回収タンク16を設けており、管体10の上端側に供給されて管体10を通過した洗浄水を回収する。洗浄水の供給量は、管体10の管内断面積の1/3程度とした。
また、管体10内に挿入する粒子群としては、鋼球から成る強磁性体粒子40aの表面がフッ素樹脂から成る樹脂皮膜40bで被覆された被覆粒子40から構成される粒子群を用いた。この粒子群の平均粒径は800μmであった。更に、管体10内に挿入する粒子群の充填率を10%とした。
管体10内に挿入された粒子群は、図2に示す柱状の磁気ブラシを形成する。この磁気ブラシは、一対の永久磁石12a,12bの回転によって回転し、一対の永久磁石12a,12bの管体10の長手方向への移動に伴って移動する。
かかる一対の永久磁石12a,12bの回転及び管体10の長手方向への往復動によって、管体10のテストソイルの人工汚れを塗布した内壁面部分に洗浄を施すことができる。一対の永久磁石12a,12bの長手方向への往復動を三回繰り返すことによって、人工汚れを塗布した部分の汚れを完全に除去できた。
管体10の内壁面の粗さは、初期粗さと殆ど同じであり、磁気ブラシによって内壁面は殆ど損傷されていかった。
比較例1
実施例1において、管体10内に挿入する粒子群として、表面が樹脂皮膜等で被覆することなく表面が露出している鋼球から成る磁性体粒子40aから構成される粒子群を用いた他は、実施例1と同様にして管体10のテストソイルの人工汚れを塗布した内壁面部分に洗浄を施した。
一対の永久磁石12a,12bの長手方向への往復動を三回繰り返すことによって、人工汚れを塗布した部分の汚れを完全に除去できた。
しかし、管体10は若干不透明感を呈するものとなった。管体10の内壁面に、磁気ブラシによって多数の損傷が付けられたからである。
本発明に係る管状器具の内面洗浄装置の一例を説明する概略図である。 図1に示す永久磁石の配置について説明する説明図である。 図1に示す永久磁石を回転する回転装置を説明する正面図及び断面図である。 管体内に挿入する粒子群を構成する被覆粒子を説明する断面図である。 粒子群の充填率を説明する部分断面図である。 管体の内壁面の凹凸と被覆粒子の粒径との関係を説明する説明図である。 磁石の他の配置について説明する説明図である。 本発明に係る管状器具の内面洗浄装置の他の例を説明する概略図である。 図8に示す管状器具の内面洗浄装置のフローチャートである。
符号の説明
10 管体
12a,12b,50 永久磁石
14 洗浄水タンク
15 ホース
15a,56a,56b 電磁弁
16 回収タンク
18 本体部
20 Vプーリ
22 ヨーク
24 補助部
28 フレキシブルシャフト
30 ベルト
32,32 ボールベアリング
40a 強磁性体粒子
40b 樹脂皮膜
40 被覆粒子
54a,54b ホッパー
60 回転装置
62 ロボットアーム
64 入力部
66 制御部

Claims (16)

  1. 常磁性材料又は非磁性材料から成る管状器具の内壁面に付着した汚れを洗浄する際に、
    該管状器具内に、強磁性材料から成る強磁性体粒子の表面が前記管状器具の内壁面を形成する材料よりも低硬度の材料で被覆された被覆粒子から成る粒子群を挿入し、
    且つ前記粒子群を管状器具内に保持すると共に、前記粒子群に前記汚れを剥離する押付力を発生させるように、前記管状器具の外周面に沿って回転磁界を形成することを特徴とする管状器具の内壁面洗浄方法。
  2. 回転磁界として、前記管状器具の長さよりも幅狭の回転磁界を形成し、前記回転磁界を管状器具の長手方向に移動する請求項1記載の管状器具の内壁面洗浄方法。
  3. 回転磁界を、管状器具の外周面側に磁石を配設し、前記磁石又は管状器具を回転することによって形成する請求項1又は請求項2記載の管状器具の内壁面洗浄方法。
  4. 磁石として、一対の磁石を用い、前記一対の磁石のうち、一方の磁石のN極と他方の磁石のS極とが管状器具を挟んで対向する2極配置とする請求項3記載の管状器具の内壁面洗浄方法。
  5. 管状器具の内壁面から剥離した汚れ片を粒子群から排出できるように、前記管状器具の一端側から供給した洗浄水を他端側から排出する請求項1〜4のいずれか一項記載の管状器具の内壁面洗浄方法。
  6. 洗浄水として、水又は水と洗剤との混合液を用いる請求項5記載の管状器具の内壁面洗浄方法。
  7. 粒子群として、粒径又は硬度の異なる少なくとも二種の粒子群を用い、大粒径又は高硬度の粒子群を用いて洗浄した後、小粒径又は低硬度の粒子群を用いて洗浄する請求項1〜6のいずれか一項記載の管状器具の内壁面洗浄方法。
  8. 粒子群として、強磁性体粒子の表面が樹脂皮膜で被覆された被覆粒子から成る粒子群を用いる請求項1〜7のいずれか一項記載の管状器具の内壁面洗浄方法。
  9. 常磁性材料又は非磁性材料によって形成された管状器具の内壁面に付着した汚れを洗浄する管状器具の内面洗浄装置であって、
    該管状器具内に挿入された、強磁性材料から成る強磁性体粒子の表面が前記管状器具の内壁面を形成する材料よりも低硬度の材料で被覆された被覆粒子から成る粒子群と、
    前記管状器具の外周面側に設けられ、前記粒子群に前記汚れを剥離する押圧力が発生するように、前記管状器具の外周面に沿って回転磁界を形成する回転磁界発生手段とを具備することを特徴とする管状器具の内面洗浄装置。
  10. 回転磁界発生手段が、前記管状器具の長さよりも幅狭の回転磁界を形成する回転磁界発生手段であって、前記回転磁界発生手段を管状器具の長手方向に移動する回転磁界移動手段が設けられている請求項9記載の管状器具の内壁面洗浄装置。
  11. 回転磁界発生装置が、管状器具の外周面側に配設した磁石と、前記磁石又は管状器具を回転する回転手段とを具備する回転磁界発生装置である請求項9又は請求項10記載の管状器具の内壁面洗浄装置。
  12. 磁石が、一対の磁石であって、前記一対の磁石のうち、一方の磁石のN極と他方の磁石のS極とが管状器具を挟んで対向する2極配置である請求項11記載の管状器具の内壁面洗浄装置。
  13. 管状器具の内壁面から剥離した汚れ片を粒子群から排出できるように、前記管状器具が傾斜して設けられおり、前記管状器具の上端側から洗浄水を供給する洗浄水供給手段が設けられている請求項9〜12のいずれか一項記載の管状器具の内壁面洗浄装置。
  14. 洗浄水が、水又は水と洗剤との混合液である請求項13記載の管状器具の内壁面洗浄装置。
  15. 粒子群が、粒径又は硬度の異なる少なくも二種の粒子群であって、大粒径又は高硬度の粒子群による洗浄を行った後、小粒径又は低硬度の粒子群による洗浄を行う粒子群供給手段を具備する請求項9〜14のいずれか一項記載の管状器具の内壁面洗浄装置。
  16. 粒子群が、強磁性体粒子の表面が樹脂皮膜で被覆された被覆粒子から成る粒子群である請求項9〜15のいずれか一項記載の管状器具の内壁面洗浄方法。

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