JP2007220498A - プラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板の改質等、ワークの処理などに使用されるプラズマ発生装置において、確実かつ速やかにプラズマ(プルーム)点灯を行わせる。
【解決手段】プラズマ発生部30の直下に点灯補助手段38およびその変位手段39を設ける。点灯補助手段38は、プラズマ発生ノズル31の保護管36内に出没可能な金属棒381と、それがノズル31の配列ピッチに対応して植設される金属板382とを備えて構成される。この点灯補助手段38を、プラズマ(プルームP)点灯時に、リミットスイッチ395がONするまで変位手段39によって上昇させ、金属棒381を保護管36内に突出させた状態で、マイクロ波発生装置20からマイクロ波電力の給電を開始し、変位手段39が点灯補助手段38を下降させてゆくと、金属棒381の先端面と中心導電体の下端部との間にアーク放電が生じ、やがてノズル本体33との間のグロー放電に遷移する。
【選択図】図2

Description

本発明は、基板等の被処理ワークなどに対してプラズマを照射することで、前記ワークの表面の清浄化や改質などを図ることが可能なプラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置に関する。
たとえば半導体基板等の被処理ワークに対してプラズマを照射し、その表面の有機汚染物の除去、表面改質、エッチング、薄膜形成または薄膜除去等を行うワーク処理装置が知られている。たとえば特許文献1には、同心状の内側導電体と外側導電体とを有するプラズマ発生ノズルを用い、両導電体間に高周波のパルス電界を印加することで、アーク放電ではなく、グロー放電を生じさせてプラズマを発生させ、ガス供給源からの処理ガスを両導電体間で旋回させながら基端側から遊端側へ向かわせることで高密度なプラズマを生成し、前記遊端に取付けられたノズルから被処理ワークに放射することで、常圧下で高密度なプラズマを得ることができるプラズマ処理装置が開示されている。
特開2003−197397号公報
上述の従来技術は、常圧下で高密度なプラズマを得ることができる優れたプラズマ処理装置である。しかしながら、プラズマ(プルーム)の点灯性には、改善の余地がある。特に、1つのマイクロ波発生手段で複数のプラズマ発生ノズルを駆動する場合、各プラズマ発生ノズルの内側導電体で受信されるマイクロ波の強度に多少差があったり、ガス流量に差があったりして、プラズマ点火のし易さに差が生じることが多い。その場合、もれなく、確実かつ速やかにプラズマ(プルーム)点灯を行わせることが困難である。
本発明の目的は、確実かつ速やかにプラズマ(プルーム)点灯を行わせることができるプラズマ発生装置およびそれを用いるワーク処理装置を提供することである。
本発明のプラズマ発生装置は、同心状の内側導電体と外側導電体とを有するプラズマ発生ノズルを用い、両導電体間に高周波のパルス電界を印加することで、グロー放電を生じさせてプラズマを発生させ、それらの間にガス供給源からの処理ガスを供給することで、吹出し口のノズルから常圧下でプラズマ化したガスを被処理ワークに放射するプラズマ発生装置において、前記吹出し口のノズルを通して内部の内側導電体に臨み、前記外側導電体よりも内側導電体に近接可能であり、外側導電体以下の電位に保持される点灯補助手段と、プラズマ点灯時に、前記点灯補助手段を内側導電体に近接させてそれらの間でアーク放電を発生させ、点灯後に、前記点灯補助手段を内側導電体から離反させることで、前記内側導電体と外側導電体との間にグロー放電を生じさせる変位手段とを含むことを特徴とする。
上記の構成によれば、基板の改質等、ワークの処理などに使用することができるプラズマ発生装置において、プラズマ発生ノズルが同心状の内側導電体と外側導電体とを有し、それらの間に高周波のパルス電界を印加することで、アーク放電ではなく、グロー放電を生じさせてプラズマを発生させ、さらにそれらの間にガス供給源からの処理ガスを供給することで、吹出し口のノズルから常圧下でプラズマ化したガスを被処理ワークに放射するように構成される場合、前記吹出し口のノズル内に出没可能な金属棒、或いは前記吹出し口のノズルに接触/離反可能な金属板などのように、前記吹出し口のノズルを通して内部の内側導電体に臨み、外側導電体よりも内側導電体に近接可能であり、外側導電体と同電位の接地電位などの外側導電体以下の電位に保持される部材を点灯補助手段として設け、プラズマ点灯時に、変位手段がその点灯補助手段を変位させることで、先ずその点灯補助手段と内側導電体との間にアーク放電を生じさせ、その後に内側導電体と外側導電体との間の前記グロー放電に遷移させる。具体的には、点灯補助手段を内側導電体に一旦接触させた後僅かに離反させ、或いは接触しないまでも近接させてそれらの間でアーク放電を発生させ、点灯後に、前記点灯補助手段を内側導電体から離反させることで、前記内側導電体と外側導電体との間にグロー放電を生じさせる。
したがって、確実かつ速やかにプラズマ(プルーム)点灯を行わせることができる。
また、本発明のプラズマ発生装置では、マイクロ波発生手段からのマイクロ波は、導波管によって伝搬され、プラズマ発生部の導波管において複数個配列して取付けられる前記プラズマ発生ノズルの内側導電体でそれぞれ受信されることを特徴とする。
上記の構成によれば、マイクロ波発生手段からのマイクロ波が導波管によって伝搬され、前記プラズマ発生ノズルがプラズマ発生部の導波管において複数個配列して取付けられ、1つのマイクロ波発生手段で複数のプラズマ発生ノズルを駆動するにあたって、各プラズマ発生ノズルの内側導電体で受信されるマイクロ波の強度に多少差があったり、ガス流量に差があったりして、プラズマ点火のし易さに差があっても、前記点灯補助手段および変位手段を用いることで、もれなく、確実かつ速やかにプラズマ(プルーム)点灯を行わせることができる。
さらにまた、本発明のワーク処理装置は、前記のプラズマ発生装置に、そのプラズマ照射方向とは交差する面上で前記ワークとプラズマ発生ノズルとを相対的に移動させる移動手段を備え、相対的な移動を行いつつ、前記ワークにプラズマを照射して所定の処理を施与することを特徴とする。
上記の構成によれば、確実かつ速やかにプラズマ(プルーム)点灯を行わせることができるワーク処理装置を実現することができる。
本発明のプラズマ発生装置は、以上のように、基板の改質等、ワークの処理などに使用することができるプラズマ発生装置において、プラズマ発生ノズルが同心状の内側導電体と外側導電体とを有し、それらの間に高周波のパルス電界を印加することでグロー放電を生じさせてプラズマを発生させ、さらにそれらの間にガス供給源からの処理ガスを供給することで、先端のノズルから常圧下でプラズマ化したガスを被処理ワークに放射するように構成される場合、前記ノズル内に出没可能な金属棒、或いは前記ノズルに接触/離反可能な金属板などのように、前記ノズルを通して内部の内側導電体に臨み、前記外側導電体よりも内側導電体に近接可能であり、外側導電体と同電位の接地電位などの外側導電体以下の電位に保持される部材を点灯補助手段として設け、プラズマ点灯時に、変位手段がその点灯補助手段を変位させることで、先ずその点灯補助手段と内側導電体との間にアーク放電を生じさせ、その後に内側導電体と外側導電体との間の前記グロー放電に遷移させる。
それゆえ、確実かつ速やかにプラズマ(プルーム)点灯を行わせることができる。
さらにまた、本発明のワーク処理装置は、以上のように、前記のプラズマ発生装置に、そのプラズマ照射方向とは交差する面上で前記ワークとプラズマ発生ノズルとを相対的に移動させる移動手段を備え、相対的な移動を行いつつ、前記ワークにプラズマを照射して所定の処理を施与する。
それゆえ、確実かつ速やかにプラズマ(プルーム)点灯を行わせることができるワーク処理装置を実現することができる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の一形態に係るワーク処理装置Sの全体構成を示す斜視図である。このワーク処理装置Sは、プラズマを発生し被処理物となるワークWに前記プラズマを照射するプラズマ発生ユニットPU(プラズマ発生装置)と、ワークWを前記プラズマの照射領域を経由する所定のルートで搬送する搬送手段Cとから構成されている。図2は、図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットPUの斜視図、図3は一部透視側面図である。なお、図1〜図3において、X−X方向を前後方向、Y−Y方向を左右方向、Z−Z方向を上下方向というものとし、−X方向を前方向、+X方向を後方向、−Yを左方向、+Y方向を右方向、−Z方向を下方向、+Z方向を上方向として説明する。
プラズマ発生ユニットPUは、マイクロ波を利用し、常温常圧でのプラズマ発生が可能なユニットであって、大略的に、マイクロ波を伝搬させる導波管10、この導波管10の一端側(左側)に配置され所定波長のマイクロ波を発生するマイクロ波発生装置20、導波管10に設けられたプラズマ発生部30、導波管10の他端側(右側)に配置されマイクロ波を反射させるスライディングショート40、導波管10に放出されたマイクロ波のうち反射マイクロ波がマイクロ波発生装置20に戻らないよう分離するサーキュレータ50、サーキュレータ50で分離された反射マイクロ波を吸収するダミーロード60および導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るスタブチューナ70を備えて構成されている。また、搬送手段Cは、図略の駆動手段により回転駆動される搬送ローラ80を含んで構成されている。本実施形態では、平板状のワークWが搬送手段Cにより搬送される例を示している。
導波管10は、アルミニウム等の非磁性金属から成り、断面矩形の長尺管状を呈し、マイクロ波発生装置20により発生されたマイクロ波をプラズマ発生部30へ向けて、その長手方向に伝搬させるものである。導波管10は、分割された複数の導波管ピースが互いのフランジ部同士で連結された連結体で構成されており、一端側から順に、マイクロ波発生装置20が搭載される第1導波管ピース11、スタブチューナ70が組付けられる第2導波管ピース12およびプラズマ発生部30が設けられている第3導波管ピース13が連結されて成る。なお、第1導波管ピース11と第2導波管ピース12との間にはサーキュレータ50が介在され、第3導波管ピース13の他端側にはスライディングショート40が連結されている。
また、第1導波管ピース11、第2導波管ピース12および第3導波管ピース13は、それぞれ金属平板からなる上面板、下面板および2枚の側面板を用いて角筒状に組立てられ、その両端にフランジ板が取付けられて構成されている。なお、このような平板の組み立てによらず、押出し成形や板状部材の折り曲げ加工等により形成された矩形導波管ピースもしくは非分割型の導波管を用いるようにしてもよい。また、断面矩形の導波管に限らず、たとえば断面楕円の導波管を用いることも可能である。さらに、非磁性金属に限らず、導波作用を有する各種の部材で導波管を構成することができる。
マイクロ波発生装置20は、たとえば2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロン等のマイクロ波発生源を具備する装置本体部21と、装置本体部21で発生されたマイクロ波を導波管10の内部へ放出するマイクロ波送信アンテナ22とを備えて構成されている。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、たとえば1W〜3kWのマイクロ波エネルギーを出力できる連続可変型のマイクロ波発生装置20が好適に用いられる。
図3に示すように、マイクロ波発生装置20は、装置本体部21からマイクロ波送信アンテナ22が突設された形態のものであり、第1導波管ピース11に載置される態様で固定されている。詳しくは、装置本体部21が第1導波管ピース11の上面板11Uに載置され、マイクロ波送信アンテナ22が上面板11Uに穿設された貫通孔111を通して第1導波管ピース11内部の導波空間110に突出する態様で固定されている。このように構成されることで、マイクロ波送信アンテナ22から放出された、たとえば2.45GHzのマイクロ波は、導波管10により、その一端側(左側)から他端側(右側)に向けて伝搬される。
プラズマ発生部30は、第3導波管ピース13の下面板13B(処理対象ワークとの対向面)に、左右方向へ一列に整列して突設された8個のプラズマ発生ノズル31を具備して構成されている。このプラズマ発生部30の幅員、つまり8個のプラズマ発生ノズル31の左右方向の配列幅は、平板状ワークWの搬送方向と直交する幅方向のサイズtと略合致する幅員とされている。これにより、ワークWを搬送ローラ80で搬送しながら、ワークWの全表面(下面板13Bと対向する面)に対してプラズマ処理が行えるようになっている。なお、8個のプラズマ発生ノズル31の配列間隔は、導波管10内を伝搬させるマイクロ波の波長λに応じて定めることが望ましい。たとえば、波長λの1/2ピッチ、1/4ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列することが望ましく、2.45GHzのマイクロ波を用いる場合は、λ=230mmであるので、115mm(λ/2)ピッチ、或いは57.5mm(λ/4)ピッチでプラズマ発生ノズル31を配列すればよい。
図4は、2つのプラズマ発生ノズル31を拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズル31は分解図として描いている)、図5は、図4のA−A線側断面図である。プラズマ発生ノズル31は、中心導電体32(内部導電体)、ノズル本体33(外部導電体)、ノズルホルダ34、シール部材35および保護管36を含んで構成されている。
中心導電体32は、銅、アルミ、真鍮などの良導電性の金属から構成され、φ1〜5mm程度の棒状部材から成り、その上端部321の側が第3導波管ピース13の下面板13Bを貫通して導波空間130に所定長さだけ突出(この突出部分を受信アンテナ部320という)する一方で、下端部322がノズル本体33の下端縁331と略面一になるように、上下方向に配置されている。この中心導電体32には、受信アンテナ部320が導波管10内を伝搬するマイクロ波を受信することで、マイクロ波エネルギー(マイクロ波電力)が与えられるようになっている。当該中心導電体32は、長さ方向略中間部において、シール部材35により保持されている。
ノズル本体33は、良導電性の金属から構成され、中心導電体32を収納する筒状空間332を有する筒状体である。また、ノズルホルダ34も良導電性の金属から構成され、ノズル本体33を保持する比較的大径の下部保持空間341と、シール部材35を保持する比較的小径の上部保持空間342とを有する筒状体である。一方、シール部材35は、テフロン(登録商標)等の耐熱性樹脂材料やセラミック等の絶縁性部材から成り、前記中心導電体32を固定的に保持する保持孔351をその中心軸上に備える筒状体から成る。
ノズル本体33は、上方から順に、ノズルホルダ34の下部保持空間341に嵌合される上側胴部33Uと、後述するガスシールリング37を保持するための環状凹部33Sと、環状に突設されたフランジ部33Fと、ノズルホルダ34から突出する下側胴部33Bとを具備している。また、上側胴部33Uには、所定の処理ガスを前記筒状空間332へ供給させるための連通孔333が穿孔されている。
このノズル本体33は、中心導電体32の周囲に配置された外部導電体として機能するもので、中心導電体32は所定の環状空間H(絶縁間隔)が周囲に確保された状態で筒状空間332の中心軸上に挿通されている。ノズル本体33は、上側胴部33Uの外周部がノズルホルダ34の下部保持空間341の内周壁と接触し、またフランジ部33Fの上端面がノズルホルダ34の下端縁343と接触するようにノズルホルダ34に嵌合されている。なお、ノズル本体33は、たとえばプランジャやセットビス等を用いて、ノズルホルダ34に対して着脱自在な固定構造で装着されることが望ましい。
ノズルホルダ34は、第3導波管ピース13の下面板13Bに穿孔された貫通孔131に密嵌合される上側胴部34U(上部保持空間342の位置に略対応する)と、下面板13Bから下方向に延出する下側胴部34B(下部保持空間341の位置に略対応する)とを備えている。下側胴部34Bの外周には、処理ガスを前記環状空間Hに供給するためのガス供給孔344が穿孔されている。図示は省略しているが、このガス供給孔344には、所定の処理ガスを供給するガス供給管の終端部が接続するための管継手等が取り付けられる。かかるガス供給孔344と、ノズル本体33の連通孔333とは、ノズル本体33がノズルホルダ34への定位置嵌合された場合に互いに連通状態となるように、各々位置設定されている。なお、ガス供給孔344と連通孔333との突き合わせ部からのガス漏洩を抑止するために、ノズル本体33とノズルホルダ34との間にはガスシールリング37が介在されている。
これらガス供給孔344および連通孔333は、周方向に等間隔に複数穿孔されていてもよく、また中心へ向けて半径方向に穿孔されるのではなく、前述の特許文献1のように、処理ガスを旋回させるように、前記筒状空間332の外周面の接線方向に穿孔されてもよい。また、ガス供給孔344および連通孔333は、中心導電体32に対して垂直ではなく、処理ガスの流れを良くするために、上端部321側から下端部322側へ斜めに穿設されてもよい。
シール部材35は、その下端縁352がノズル本体33の上端縁334と当接し、その上端縁353がノズルホルダ34の上端係止部345と当接する態様で、ノズルホルダ34の上部保持空間342に保持されている。すなわち、上部保持空間342に中心導電体32を支持した状態のシール部材35が嵌合され、ノズル本体33の上端縁334でその下端縁352が押圧されるようにして組付けられているものである。
吹出し口のノズルである保護管36は、所定長さの透明な石英ガラスパイプ等から成り、ノズル本体33の筒状空間332の内径に略等しい外径を有する。この保護管36は、ノズル本体33の下端縁331での異常放電(アーキング)を防止して、後述するプルームPを正常に放射させる機能を有しており、その一部がノズル本体33の下端縁331から突出するように、前記筒状空間332に内挿されている。なお、保護管36は、その先端部が下端縁331と一致するように、或いは下端縁331よりも内側へ入り込むように、その全体が筒状空間332に収納されていてもよい。
プラズマ発生ノズル31は上記のように構成されている結果、ノズル本体33、ノズルホルダ34および第3導波管ピース13(導波管10)は導通状態(同電位)とされている一方で、中心導電体32は絶縁性のシール部材35で支持されていることから、これらの部材とは電気的に絶縁されている。したがって、図6に示すように、導波管10がアース電位とされた状態で、中心導電体32の受信アンテナ部320でマイクロ波が受信され中心導電体32にマイクロ波電力が給電されると、その下端部322およびノズル本体33の下端縁331の近傍に電界集中部が形成されるようになる。
かかる状態で、ガス供給孔344から、たとえば酸素ガスや空気のような酸素系の処理ガスが環状空間Hへ供給されると、前記マイクロ波電力により処理ガスが励起されて中心導電体32の下端部322付近においてプラズマ(電離気体)が発生する。このプラズマは、電子温度が数万度であるものの、ガス温度は外界温度に近い反応性プラズマ(中性分子が示すガス温度に比較して、電子が示す電子温度が極めて高い状態のプラズマ)であって、常圧下で発生するプラズマである。
このようにしてプラズマ化された処理ガスは、ガス供給孔344から与えられるガス流によりプルームPとしてノズル本体33の下端縁331から放射される。このプルームPにはラジカルが含まれ、たとえば処理ガスとして酸素系ガスを使用すると酸素ラジカルが生成されることとなり、有機物の分解・除去作用、レジスト除去作用等を有するプルームPとすることができる。本実施形態に係るプラズマ発生ユニットPUでは、プラズマ発生ノズル31が複数個配列されていることから、左右方向に延びるライン状のプルームPを発生させることが可能となる。
因みに、処理ガスとしてアルゴンガスのような不活性ガスや窒素ガスを用いれば、各種基板の表面クリーニングや表面改質を行うことができる。また、フッ素を含有する化合物ガスを用いれば基板表面を撥水性表面に改質することができ、親水基を含む化合物ガスを用いることで基板表面を親水性表面に改質することができる。さらに、金属元素を含む化合物ガスを用いれば、基板上に金属薄膜層を形成することができる。
搬送手段Cにおいて、プラズマ発生部30の直下には搬送ローラ80は設けられておらず、この部分には、点灯補助手段38およびその変位手段39が設けられている。点灯補助手段38は、前記プラズマ発生ノズル31の保護管36内に出没可能な金属棒381と、それが前記プラズマ発生ノズル31の配列ピッチに対応して植設される金属板382とを備えて構成される。この点灯補助手段38は、前記導波管10と共に、アース電位に接続されている。
前記変位手段39は、前記金属板382の底面に固着されるボールねじ391と、固定位置で回転自在であり、内周面に刻設されたねじが前記ボールねじ391に噛合する歯車392と、前記歯車392を回転駆動するウォームギア393と、前記ウォームギア393が出力軸に固着されるパルスモータ394と、前記金属板382が上限位置および下限位置に到達したことを検出するリミットスイッチ395,396とを備えて構成される。したがって、パルスモータ394が回転すると、ウォームギア393が回転し、歯車392が回転してボールねじ391が昇降変位され、これによって点灯補助手段38が昇降し、上限位置または下限位置に到達して金属板382がリミットスイッチ395または396の作動片を押圧して該リミットスイッチ395,396がONすると、前記パルスモータ394の回転が停止される。
前記変位手段39は、搬送手段CによりワークWが搬送されていない状態で、プラズマ(プルームP)点灯時に、前記点灯補助手段38をリミットスイッチ395がONするまで上昇させ、金属棒381を保護管36内に突出させ、その先端面3811を中心導電体32の下端部322に接触させる。その状態でマイクロ波発生装置20からマイクロ波電力の給電が開始され、変位手段39が点灯補助手段38を下降させてゆくと、前記金属棒381の先端面3811と中心導電体32の下端部322との間にアーク放電が生じる。さらに点灯補助手段38を下降すると、内側導電体である中心導電体32と外側導電体であるノズル本体33との間のグロー放電に遷移する。こうして、中心導電体32とノズル本体33との間に、確実かつ速やかにプラズマ(プルーム)点灯を行わせることができる。ワークWに対する定常のプラズマ照射時には、点灯補助手段38はリミットスイッチ396がONするまで下降されており、ワークWの搬送の邪魔にはならない。
なお、上述の説明では、金属棒381の先端面3811を中心導電体32の下端部322に接触させた後にマイクロ波電力の給電を開始し、前記先端面3811を下端部322から離反してゆくことでアーク放電を開始させたけれども、マイクロ波電力を供給している状態で、先端面3811を下端部322へ近付けてゆくことで放電を開始させるようにしてもよい。また、点灯補助手段38としては、保護管36内に侵入して中心導電体32の下端部322に近接するために金属棒381を立設したけれども、前記保護管36が設けられておらず、ノズル本体33の下端縁331に金属板382が近接した状態で、該金属板382との間でアーク放電が開始されるのであれば、前記金属棒381は特に設けられなくてもよい。
さらにまた、変位手段39には、ボールねじ391やパルスモータ394などを用いたものではなく、エアシリンダーなどの他の手段が用いられてもよく、金属板382を水平に(導波管10と平行に)昇降するものであればよい。また、リミットスイッチ395,396にも、光センサや近接センサなどの他の手段が用いられてもよく、さらには、パルスモータ394に与えるパルス数などから点灯補助手段38の昇降位置を検知可能であれば、特に設けられなくてもよい。
スライディングショート40は、各々のプラズマ発生ノズル31に備えられている中心導電体32と、導波管10の内部を伝搬されるマイクロ波との結合状態を最適化するために備えられているもので、マイクロ波の反射位置を変化させて定在波パターンを調整可能とするべく第3導波管ピース13の右側端部に連結されている。したがって、定在波を利用しない場合は、当該スライディングショート40に代えて、電波吸収作用を有するダミーロードが取付けられる。
図7は、スライディングショート40の内部構造を示す透視斜視図である。図7に示すように、スライディングショート40は、導波管10と同様な断面矩形の筐体構造を備えており、導波管10と同じ材料で構成された中空空間410を有する筐体部41と、前記中空空間410内に収納された円柱状の反射ブロック42と、反射ブロック42の基端部に一体的に取り付けられ前記中空空間410内を左右方向に摺動する矩形ブロック43と、この矩形ブロック43に組付けられた移動機構44と、反射ブロック42にシャフト45を介して直結されている調整ノブ46とを備えている。
反射ブロック42は、マイクロ波の反射面となる先端面421が第3導波管ピース13の導波空間130に対向するよう左右方向に延在する円柱体である。この反射ブロック42は、矩形ブロック43と同様な角柱状を呈していてもよい。前記移動機構44は、調整ノブ46の回転操作により、矩形ブロック43およびこれと一体化された反射ブロック42を左右方向に推進若しくは後退させる機構であって、調整ノブ46を回転させることで反射ブロック42が中空空間410内において矩形ブロック43にてガイドされつつ左右方向に移動可能とされている。かかる反射ブロック42の移動による先端面421の位置調整によって、定在波パターンが最適化される。なお、調整ノブ46の回転操作を、ステッピングモータ等を用いて自動化することが望ましい。
サーキュレータ50は、たとえばフェライト柱を内蔵する導波管型の3ポートサーキュレータからなり、一旦はプラズマ発生部30へ向けて伝搬されたマイクロ波のうち、プラズマ発生部30で電力消費されずに戻って来る反射マイクロ波を、マイクロ波発生装置20に戻さずダミーロード60へ向かわせるものである。このようなサーキュレータ50を配置することで、マイクロ波発生装置20が反射マイクロ波によって過熱状態となることが防止される。
図8は、サーキュレータ50の作用を説明するためのプラズマ発生ユニットPUの上面図である。図示するように、サーキュレータ50の第1ポート51には第1導波管ピース11が、第2ポート52には第2導波管ピース52が、さらに第3ポート53にはダミーロード60がそれぞれ接続されている。そして、マイクロ波発生装置20のマイクロ波送信アンテナ22から発生されたマイクロ波は、矢印aで示すように第1ポート51から第2ポート52を経由して第2導波管ピース12へ向かう。これに対して、第2導波管ピース12側から入射する反射マイクロ波は、矢印bで示すように、第2ポート52から第3ポートへ向かうよう偏向され、ダミーロード60へ入射される。
ダミーロード60は、上述の反射マイクロ波を吸収して熱に変換する水冷型(空冷型でも良い)の電波吸収体である。このダミーロード60には、冷却水を内部に流通させるための冷却水流通口61が設けられており、反射マイクロ波を熱変換することにより発生した熱が前記冷却水に熱交換されるようになっている。
スタブチューナ70は、導波管10とプラズマ発生ノズル31とのインピーダンス整合を図るためのもので、第2導波管ピース12の上面板12Uに所定間隔を置いて直列配置された3つのスタブチューナユニット70A〜70Cを備えている。図9は、スタブチューナ70の設置状況を示す透視側面図である。図示するように、3つのスタブチューナユニット70A〜70Cは同一構造を備えており、第2導波管ピース12の導波空間120に突出するスタブ71と、該スタブ71に直結された操作棒72と、スタブ71を上下方向に出没動作させるための移動機構73と、これら機構を保持する外套74とから構成されている。
スタブチューナユニット70A〜70Cに各々備えられているスタブ71は、その導波空間120への突出長が各操作棒72により独立して調整可能とされている。これらスタブ71の突出長は、たとえばマイクロ波電力パワーをモニタしつつ、中心導電体32による消費電力が最大となるポイント(反射マイクロ波が最小になるポイント)を探索することで決定される。なお、このようなインピーダンス整合は、必要に応じてスライディングショート40と連動させて実行される。このスタブチューナ70の操作も、ステッピングモータ等を用いて自動化することが望ましい。
搬送手段Cは、所定の搬送路に沿って配置された複数の搬送ローラ80を備え、図略の駆動手段により搬送ローラ80が駆動されることで、処理対象となるワークWを、前記プラズマ発生部30を経由して搬送させるものである。ここで、処理対象となるワークWとしては、プラズマディスプレイパネルや半導体基板のような平型基板、電子部品が実装された回路基板等を例示することができる。また、平型形状でないパーツや組部品等も処理対象とすることができ、この場合は搬送ローラに代えてベルトコンベア等を採用すればよい。
次に、本実施形態に係るワーク処理装置Sの電気的構成について説明する。図10は、ワーク処理装置Sの制御系を示すブロック図である。この制御系は、CPU(中央演算処理装置)901およびその周辺回路等から成り、制御手段である全体制御部90と、出力インタフェイスや駆動回路等から成るマイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92、搬送制御部93および昇降制御部94と、表示手段や操作パネル等から成り、前記全体制御部90に対して所定の操作信号を与える操作部95と、入力インタフェイスやアナログ/デジタル変換器等から成るセンサ入力部96,97,98,99と、センサ961,971、前記リミットスイッチ395,396、パルスモータ394、駆動モータ931および流量制御弁923とを備えて構成される。
マイクロ波出力制御部91は、マイクロ波発生装置20から出力されるマイクロ波のON−OFF制御、出力強度制御を行うもので、前記2.45GHzのパルス信号を生成してマイクロ波発生装置20の装置本体部21によるマイクロ波発生の動作制御を行う。
ガス流量制御部92は、プラズマ発生部30の各プラズマ発生ノズル31へ供給する処理ガスの流量制御を行うものである。具体的には、ガスボンベ等の処理ガス供給源921と各プラズマ発生ノズル31との間を接続するガス供給管922に設けられた前記流量制御弁923の開閉制御乃至は開度調整をそれぞれ行う。
搬送制御部93は、搬送ローラ80を回転駆動させる駆動モータ931の動作制御を行うもので、ワークWの搬送開始/停止、および搬送速度の制御等を行うものである。昇降制御部94は、前記パルスモータ394を駆動し、点灯補助手段38を昇降制御するものである。
全体制御部90は、当該ワーク処理装置Sの全体的な動作制御を司るもので、操作部95から与えられる操作信号に応じて、センサ入力部96から入力される流量センサ961の測定結果、センサ入力部97から入力される速度センサ971によるワークWの搬送速度、センサ入力部98,99から入力される各リミットスイッチ395,396の検出結果等をモニタし、上記マイクロ波出力制御部91、ガス流量制御部92、搬送制御部93および昇降制御部94を、所定のシーケンスに基づいて動作制御する。
具体的には、前記CPU901は、メモリ902に予め格納されている制御プログラムに基づいて、ワークWの搬送を開始する前に、リミットスイッチ395がONするまでパルスモータ394を駆動し、点灯補助手段38の金属棒381の先端面3811と中心導電体32の下端部322とを接触させる。その後、所定流量の処理ガスを各プラズマ発生ノズル31へ供給させつつマイクロ波電力を与えてアーク放電を生じさせ、パルスモータ394を駆動し、先端面3811を下端部322から離反させてゆき、リミットスイッチ396がONするとパルスモータ394を停止する。さらにその後、ワークWの搬送を開始させてワークWをプラズマ発生部30へ導き、所定流量の処理ガスを各プラズマ発生ノズル31へ供給させつつマイクロ波電力を与えてプラズマ(プルームP)を発生させ、ワークWを搬送しながらその表面にプルームPを放射させる。これにより、前述のように確実かつ速やかにプラズマ(プルームP)点灯を行った後、複数のワークWを連続的に処理する。
以上説明したワーク処理装置Sによれば、ワーク搬送手段CでワークWを搬送しつつ、導波管10に複数個配列して取付けられたプラズマ発生ノズル31からプラズマ化されたガスをワークWに対して放射することが可能であるので、複数の被処理ワークに対して連続的にプラズマ処理を行うことができ、また大面積のワークに対しても効率良くプラズマ処理を行うことができる。したがって、バッチ処理タイプのワーク処理装置に比較して、各種の被処理ワークに対するプラズマ処理作業性に優れるワーク処理装置S若しくはプラズマ発生装置PUを提供することができる。しかも、外界の温度および圧力でプラズマを発生させることができるので、真空チャンバー等を必要とせず、設備構成を簡素化することができる。
また、マイクロ波発生装置20から発生されたマイクロ波を、各々のプラズマ発生ノズル31が備える中心導電体32で受信させ、そのマイクロ波のエネルギーに基づきそれぞれのプラズマ発生ノズル31からプラズマ化されたガスを放出させることができるので、マイクロ波が保有するエネルギーの各プラズマ発生ノズル31への伝達系を簡素化することができる。したがって、装置構成のシンプル化、コストダウン等を図ることができる。
さらに、複数のプラズマ発生ノズル31が一列に整列配置されて成るプラズマ発生部30が、平板状のワークWの搬送方向と直交する幅方向のサイズtに略合致した幅員を有しているので、当該ワークWを、搬送手段Cにより一度だけプラズマ発生部30を通過させるだけで、その全面の処理を完了させることができ、平板状のワークに対するプラズマ処理効率を格段に向上させることができる。また、搬送されて来るワークWに対して同じタイミングでプラズマ化されたガスを放射できるようになり、均質的な表面処理等を行うことができる。
さらにまた、その複数のプラズマ発生ノズル31に対して、点灯補助手段38およびその変位手段39を設けることで、複数のプラズマ発生ノズル31に対して、確実かつ速やかにプラズマ(プルーム)点灯を行わせることができる。
以上、本発明の一実施形態に係るワーク処理装置Sについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば下記の実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、複数のプラズマ発生ノズル31を一列に整列配置した例を示したが、ノズル配列はワークWの形状やマイクロ波電力のパワー等に応じて適宜決定すればよく、たとえばワークWの搬送方向に複数列プラズマ発生ノズル31をマトリクス整列したり、千鳥配列したりしてもよい。
(2)上記実施形態では、移動手段としてワークWを搬送する搬送手段Cが用いられ、その搬送手段Cとしては搬送ローラ80の上面にワークWを載置して搬送する形態を例示したが、この他に、たとえば上下の搬送ローラ間にワークWをニップさせて搬送させる形態、搬送ローラを用いず所定のバスケット等にワークを収納し前記バスケット等をラインコンベア等で搬送させる形態、或いはロボットハンド等でワークWを把持してプラズマ発生部30へ搬送させる形態であってもよい。或いは、移動手段としてはプラズマ発生ノズル31側を移動させる構成であってもよい。すなわち、ワークWとプラズマ発生ノズル31とは、プラズマ照射方向(Z方向)とは交差する面(X,Y面)上で相対的に移動すればよい。
(3)上記実施形態では、マイクロ波発生源として2.45GHzのマイクロ波を発生するマグネトロンを例示したが、マグネトロン以外の各種高周波電源も使用可能であり、また2.45GHzとは異なる波長のマイクロ波を用いるようにしてもよい。
(4)導波管10内におけるマイクロ波電力を測定するために、パワーメータを導波管10の適所に設置することが望ましい。たとえば、マイクロ波発生装置20のマイクロ波送信アンテナ22から放出されたマイクロ波電力に対する反射マイクロ波電力の比を知見するために、サーキュレータ50と第2導波管ピース12との間に、パワーメータを内蔵する導波管を介在させるようにすることができる。
本発明に係るワーク処理装置およびプラズマ発生装置は、半導体ウェハ等の半導体基板に対するエッチング処理装置や成膜装置、プラズマディスプレイパネル等のガラス基板やプリント基板の清浄化処理装置、医療機器等に対する滅菌処理装置、タンパク質の分解装置等に好適に適用することができる。
本発明に係るワーク処理装置の全体構成を示す斜視図である。 図1とは視線方向を異ならせたプラズマ発生ユニットの斜視図である。 ワーク処理装置の一部透視側面図である。 2つのプラズマ発生ノズルを拡大して示す側面図(一方のプラズマ発生ノズルは分解図として描いている)である。 図4のA−A線側断面図である。 プラズマ発生ノズルにおけるプラズマの発生状態を説明するための透視側面図である。 スライディングショートの内部構造を示す透視斜視図である。 サーキュレータの作用を説明するためのプラズマ発生ユニットの上面図である。 スタブチューナの設置状況を示す透視側面図である。 ワーク処理装置の制御系を示すブロック図である。
符号の説明
10 導波管
20 マイクロ波発生装置(マイクロ波発生手段)
30 プラズマ発生部
31 プラズマ発生ノズル
32 中心導電体(内部導電体)
33 ノズル本体(外部導電体)
34 ノズルホルダ
344 ガス供給孔(ガス供給部)
36 保護管
38 点灯補助手段
381 金属棒
382 金属板
39 変位手段
391 ボールねじ
392 歯車
393 ウォームギア
394 パルスモータ
395,396 リミットスイッチ
40 スライディングショート
50 サーキュレータ
60 ダミーロード
70 スタブチューナ
80 搬送ローラ
90 全体制御部
901 CPU
902 メモリ
91 マイクロ波出力制御部
92 ガス流量制御部
921 処理ガス供給源
922 ガス供給管
923 流量制御弁
93 搬送制御部
931 駆動モータ
94 昇降制御部
95 操作部
96,97,98,99 センサ入力部
S ワーク処理装置
PU プラズマ発生ユニット(プラズマ発生装置)
C 搬送手段
W ワーク

Claims (3)

  1. 同心状の内側導電体と外側導電体とを有するプラズマ発生ノズルを用い、両導電体間に高周波のパルス電界を印加することで、グロー放電を生じさせてプラズマを発生させ、それらの間にガス供給源からの処理ガスを供給することで、吹出し口のノズルから常圧下でプラズマ化したガスを被処理ワークに放射するプラズマ発生装置において、
    前記吹出し口のノズルを通して内部の内側導電体に臨み、前記外側導電体よりも内側導電体に近接可能であり、外側導電体以下の電位に保持される点灯補助手段と、
    プラズマ点灯時に、前記点灯補助手段を内側導電体に近接させてそれらの間でアーク放電を発生させ、点灯後に、前記点灯補助手段を内側導電体から離反させることで、前記内側導電体と外側導電体との間にグロー放電を生じさせる変位手段とを含むことを特徴とするプラズマ発生装置。
  2. マイクロ波発生手段からのマイクロ波は、導波管によって伝搬され、プラズマ発生部の導波管において複数個配列して取付けられる前記プラズマ発生ノズルの内側導電体でそれぞれ受信されることを特徴とする請求項1記載のプラズマ発生装置。
  3. 前記請求項2記載のプラズマ発生装置に、そのプラズマ照射方向とは交差する面上で前記ワークとプラズマ発生ノズルとを相対的に移動させる移動手段を備え、相対的な移動を行いつつ、前記ワークにプラズマを照射して所定の処理を施与することを特徴とするワーク処理装置。
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