以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。なお、実施形態1は主に請求項1、4について説明する。実施形態2は主に請求項2、3、4について説明する。実施形態3は主に請求項5、7について説明する。実施形態4は主に請求項6について説明する。
≪実施形態1≫
(実施形態1の概念)図1は本実施形態の防犯設計手法の概要を示す図である。まず、狙われにくい、侵入しにくい、被害が出にくいという3つの視点から複数のチェック項目(0101)を定め、これらのチェック項目を周辺環境、建物、生活習慣という3つのカテゴリーである第一の観点に振り分けたテーブル(0102)と、テーブルを用いて行う採点に応じて建物に対して施すべき防犯対策を示す防犯対策カード(0103)を用意する。次に、該テーブル(0102)を用いて、特定の建物(0104)を第一の観点に分けて採点すると、対象とした建物の防犯上の弱点を抽出することができる。そして、テーブル(0102)での採点結果に応じて防犯対策カード(0103)を選択すると、選択された防犯対策カード(0103a)には、対象とした建物(0104)の防犯上の弱点を克服するための防犯設計が記載されており、対象とした建物に施すべき防犯設計を容易に把握することができる。
(実施形態1の構成)図2に本実施形態における防犯設計手法の処理の流れを示す。本実施形態における防犯設計手法は、「採点結果取得工程」(S0201)と、「防犯対策カード選択工程」(S0202)とからなり、必要に応じて「防犯設計工程」(S0203)を有する。
(実施形態1の構成の説明)「採点結果取得工程」(S0201)では、テーブル(0102)を用いて特定の建物(0104)を周辺環境、建物、生活習慣という3つの第一の観点に分けて採点結果を取得する。
「テーブル」(0102)は、複数のチェック項目を周辺環境、建物、生活習慣という3つのカテゴリーである第一の観点からチェックすることで任意の建物を採点可能なように構成されている。採点対象となる建物は、実際に現存している建物を対象として行うことだけでなく、これから建築する予定の建物をも対象とすることができる。これから建築する予定の建物を対象として採点を行う場合には、建物の施工場所、建物の設計図や住宅プラン、建物に居住すると予想される居住者などにより、建物が建築された後をある程度想定可能であれば良い。3つのカテゴリーである第一の観点は、相互に独立した関係にあり、各観点ごとの防犯設計を独立に行うことで、全体の防犯度合いを所望の度合いに設計することができる。なお、一の観点にて行う防犯対策は、他の観点には直接的には影響を及ぼさない。このため、「狙われにくい建物か」、「侵入しにくい建物か」、「被害が出にくい建物か」との共通する視点から定められた複数のチェック項目を、周辺環境、建物、生活習慣という3つのカテゴリーである第一の観点に分けてテーブルが構成されている。
周辺環境とは、建物が建築されているあるいは建築する予定の敷地の周辺の様子などをいう。建物とは、建築されているあるいは建築する予定の建物や建物に付属する設備(外構、部品)などをいう。生活習慣とは、建物の居住者あるいは居住予定者の日常生活における習慣などをいう。周辺環境の観点から採点可能なテーブルの一部を「周辺環境チェックリスト」(図3:0300)、建物の観点から採点可能なテーブルの一部を「建物チェックリスト」(図4:0400)、生活習慣から採点可能なテーブルの一部を「生活習慣チェックリスト」(図5:0500)とする。すなわち、図1に示すように、テーブル(0102)は、周辺環境チェックリスト(0300)、建物チェックリスト(0400)、生活習慣チェックリスト(0500)から構成されるということもできる。これらのチェックリストは、コンピュータなどを用いて形成されていてもよい。なお、図3乃至図5に示す各チェックリストは既にチェックされた後の状態を示している。周辺環境チェックリストは、対象となる建物の周辺環境にどのような防犯上の弱点が存在するかを抽出するためのチェックリストである。建物チェックリストは、建物の設計が、どのような防犯上の弱点を有しているかを抽出するためのチェックリストである。生活習慣チェックリストは、対象となる建物の居住者又は居住予定者の普段の生活習慣や防犯意識にどのような防犯上の弱点を有しているかを抽出するためのチェックリストである。
これらのチェックリストに記載のチェック項目は、狙われにくい建物か、侵入しにくい建物か、被害が出にくい建物かという3つの視点から定められている。例えば、図3の「街路樹が茂っていて通りの見通しが悪い」というチェック項目(0301)は、主に「狙われにくい建物か」、及び、「侵入しにくい建物か」との視点から定められたチェック項目である。また、このチェック項目は建物の周辺環境の様子に関するものであるから、周辺環境チェックリストのチェック項目としてテーブルの1要素となっている。同様に、図4の「塀、柵、垣は見通しの良い構造になっている」とのチェック項目(0401)は、主に狙われにくい建物かという視点から定められたチェック項目であり、建物の構造に関するものであるから、建物チェックリストのチェック項目としてテーブルの1要素となっている。また、図4の防犯設計欄(0404)に示すように、チェック項目がどのような視点から定められたものであるかを明示しても良い。さらに、図5の「近所でどんな犯罪が起きているか知っている」とのチェック項目(0501)は、主に狙われにくい建物か、及び、被害が出にくい建物かという視点から定められたチェック項目であり、日頃の生活習慣の様子に関するものであるから、生活習慣チェックリストのチェック項目としてテーブルの1要素となっている。このように、各チェックリストは、主として複数のチェック項目を記載する項目欄(0302、0402、0502)と、各項目について特定の建物をチェックするための欄(0303、0403、0503)とから構成される。採点結果取得工程(S0201)では、これらのチェックリストにて構成されているテーブルを用いて特定の建物(0104)を各々採点することで、周辺環境、建物、生活習慣という3つの第一の観点に分けて採点結果を取得することができる。
「採点」とは、採点者が各チェック項目に回答していくことで行われる。本実施形態では、全てのチェック項目が2択形式で回答するように構成されているが、例えば、「1・2・3・4・5」の5段階にて採点する形式などであっても良いし、点数を実際に書くチェック項目に記入していく形式で採点することとしてもよい。以下に、各チェックリストにて採点する方法を述べる。
例えば、図3に示す周辺環境チェックリスト(0300)では、対象となる建物の周辺環境が、各チェック項目(0302)についてA列に該当するかB列に該当するかをチェック欄(0303)にチェックすることで採点を行う。A列に該当する場合は、防犯上望ましい周辺環境であるとの判断になるようにチェック項目及びチェック欄が構成されている。したがって、B列に該当する項目は、採点対象とした建物の周辺環境における防犯上の弱点であるとして抽出することができる。また、B列に該当する項目が多いほど、対象となる建物の周辺環境には防犯上の弱点が多く存在することになる。
同様に、図4に示す建物チェックリスト(0400)では、対象となる建物の設計が各チェック項目(0402)についてYESに該当するかNOに該当するかをチェック欄(0403)にチェックすることで採点を行う。YESに該当する場合は、防犯上望ましい設計であるとの判断になるようにチェック項目及びチェック欄が構成されている。したがって、NOに該当する項目は、採点対象とした建物の設計における防犯上の弱点であるとして抽出することができる。また、NOに該当する項目が多いほど、対象となる建物の設計には防犯上の弱点が多く存在することになる。
同様に、図5に示す生活習慣チェックリスト(0500)では、対象となる建物の居住者の生活習慣が各チェック項目(0502)についてYESに該当するかNOに該当するかをチェック欄(0503)にチェックすることで採点を行う。YESに該当する場合は、防犯上望ましい生活習慣であるとの判断になるようにチェック項目及びチェック欄が構成されている。したがって、NOに該当する項目は、採点対象とした建物の居住者又は居住予定者の生活習慣における防犯上の弱点であるとして抽出することができる。また、NOに該当する項目が多いほど、対象となる建物の居住者又は居住予定者の生活習慣には、防犯上の弱点が多く存在することになる。
以上のようにして、周辺環境チェックリスト(0300)、建物チェックリスト(0400)、生活習慣チェックリスト(0500)にて構成されるテーブル(0102)を用いてチェックすることで、周辺環境、建物、生活習慣の3つのカテゴリーである第一の観点から特定の建物(0104)を採点することができる。
「防犯対策カード選択工程」(S0202)では、防犯対策選択カードの中から採点結果取得工程(S0201)で取得した採点結果に応じて対応するカードを選択する。
「防犯対策カード」(0103)は、前記テーブル(0102)を用いて行う採点に応じて建物に施すべき防犯対策を示すように構成されている。図1に示すように、防犯対策カード(0103)は、複数の防犯対策カードから構成されており、採点結果取得工程にて取得した採点結果に応じて対応する防犯対策カード(0103a)が選択される。対応する防犯対策カードは、一枚であっても良いし、複数枚であっても良い。また、防犯上の弱点が全く無ければ、選択される防犯対策カードは無い。防犯対策カードの具体例を図6乃至図8に示す。本実施形態の防犯対策カードには、図6乃至図8に示すように、例えば1−(1)などと防犯対策番号(0601、0701、0801:図中は番号を( )ではなく、○で囲んでいる。以下本明細書を通じて同様。)が記載される。防犯対策番号(0601、0701、0801)の略下側には、建物チェックリストの各チェック項目に対応した防犯に適した設計指針が、ガイドライン(0602、0702、0802)として記載されている。該ガイドライン(0602、0702、0802)の略下側には、防犯対策欄(0603、0703、0803)が設けられている。防犯対策欄(0603、0703、0803)には、該設計指針にそった設計をするための設計手法が、簡単な図と解説とともに記載されている。防犯対策カードはコンピュータを用いて形成されていても良い。
図6は、主に周辺環境の犯罪状況を知るための防犯対策カードである。図7は、主に建物に防犯設計を施すための防犯対策カードである。図8は主に建物の居住者または居住予定者の日頃の生活における防犯意識を高めるための防犯対策カードである。なお、図6乃至図8は防犯対策カードの一例であり、これらの防犯対策カードに限られず、さらに複数の防犯対策カードからなる。防犯対策カード選択工程(S0202)では、採点結果取得工程で取得した採点結果に応じてこれらの防犯対策カードを選択する。
例えば、図3に示す周辺環境チェックリスト(0300)にて、「街路樹が茂っていて通りの見通しが悪い」とのチェック項目(0301)と図6に示す周辺環境を知るための防犯対策カードが関連付けられていると、B列の「悪い」にチェックした場合には、周辺環境の犯罪状況を知るために、図6に示すカードを参照する。図6に示すカードには、犯罪状況を知るためにどのようにすれば良いのかが記載されており、このカードを参照することで、周囲環境の犯罪状況に関する知識を深めることができる。さらに、該チェック項目(0301)と図7に示す建物自体に防犯設計を施すための防犯対策カードと関連付けられていると、該防犯対策カードに記載されているように、塀や柵を建物の敷地内の見通しが良くなるようなデザインに変更すれば良いことが分かる。このように異なる観点の防犯対策カードに関連付けることで、間接的に上記チェック項目(0301)に該当する弱点を補うこととしても良い。しかし、この場合には、図7に示す防犯対策を施した場合であっても、0301に示すチェック項目の問題点が根本的に解消されたわけではない。なお、建物自体に防犯設計を施すための防犯対策カードでは、防犯ガイドラインと、防犯ガイドラインにそった具体的な防犯対策が記載されているため、記載された防犯対策を採点対象とした建物に施すことで、防犯上の弱点を補う設計をすることが可能である。
また、各チェック項目に対応する防犯対策カード番号(0601、0701、0801)を、図4に示すようにテーブルに防犯対策カード欄(0405)を設けて明示的に記載しても良い。
また、各チェックリストに重み付けを行って防犯対策カードを選択することとしても良い。例えば、図3の周辺環境チェックリスト(0300)では、全17項目中8項目がB列にチェックされている。また、図4の建物チェックリスト(0400)では、全45項目中30項目がNOにチェックされている。また、図5の生活習慣チェックリスト(0500)では、全12項目中3項目がNOにチェックされている。これらを集計すると、周辺環境チェックリストは47%、建物チェックリストは67%、周辺環境チェックリストは25%が防犯上望ましくない結果であることが算出される。これを、各チェックリストの弱点率とすると、弱点率の最も高い建物チェックリストの各チェック項目に対応した防犯対策カードを優先的に選択する必要があるといえる。したがって、防犯対策カード選択工程(S0202)では、建物チェックリスト(0400)のNOに該当すると判断されたチェック項目に対応したカードを優先的に選択する。例えば、図4の建物チェックリストでは、「塀、柵、垣は見通しの良い構造になっている」とのチェック項目(0401)がNOに該当している。このため、防犯対策カード選択工程(S0202)では、この防犯上の弱点を補うべく、図7に示すような対応する防犯対策カードを選択する。
「防犯設計工程」(S0203)では、防犯対策カード選択工程(S0202)にて選択された防犯対策カードの記載に応じて防犯設備を建物に取り入れる設計をする。防犯対策カードにはチェック項目に応じた防犯対策を行うための指針と、該指針にそった設計をするための設計手法が記載されている。防犯設計工程では、防犯対策カードに記載された該設計手法を建物の設計に取り入れる。例えば、図7に示す防犯対策カードが選択された場合には、防犯設計工程では、建物の外構の柵について、見通しの良い柵を新たに建物の設計に取り入れる。
(実施形態1の処理の流れ)本実施形態における処理の流れを図2にそって説明する。まず、採点結果取得工程(S0201)にて、テーブルを用いて特定の建物を周辺環境、建物、生活習慣という3つの第一の観点に分けて採点結果を取得する。採点結果は、採点者が、特定の建物を図3乃至図5に示すように、テーブルを構成する各チェックリストのチェック項目に回答することで得られる。次に、防犯対策カード選択工程(S0202)では、前記採点結果取得工程(S0201)にて取得した採点結果に応じて対応するカードを選択する。防犯設計工程(S0203)では、前記防犯対策カード選択工程(S0202)にて選択されたカードに記載の防犯設計を実際に建物の設計に取り入れる。
(実施形態1の効果)本実施形態の防犯設計手法では、建築士等の専門家でない住宅施工業者の営業担当者や顧客などもテーブルを用いて自らで建物の設計を防犯上の観点からチェックすることができるため、その建物にどのような防犯設計が欠如していて、どのような防犯対策を施すべきかを防犯対策カードを参照することで、容易に捉えることができ、効率的に設計に防犯対策を反映させることができるという優れた効果を奏する。
《実施形態2》
(実施形態2の概要)本実施形態の防犯対策カードは、実施形態1に記載の防犯対策カードが、さらに、周辺環境、建物の外構、建物自体、建物の部品、生活習慣の5つの第二の観点に分けられている。そして、採点結果取得工程では、第一の観点の建物カテゴリーがさらに、建物の外構、建物自体、建物の部品の3つのサブカテゴリーを含む5つのカテゴリーに分けられて採点結果が取得されることで、さらに、建物が防犯上のどのような弱点を有しているのかを詳細に把握することができる。
(実施形態2の構成)図9に本実施形態における防犯設計手法の処理の流れを示す。本実施形態における防犯設計手法は、「採点結果取得工程」(S0901)と、「防犯対策カード選択工程」(S0902)と、「防犯設計工程」(S0903)とからなり、「採点結果取得工程」(S0901)では、5つのカテゴリーである第二の観点ごとに採点が行われ、「防犯対策カード選択工程」(S0902)では、5つのカテゴリーに分けられた第二の観点ごとに防犯対策カードが選択されることを特徴とする。
(実施形態2の構成の説明)本実施形態における第一の観点に含まれる建物カテゴリーは、さらに、建物の外構、建物自体、建物の部品、という3つのサブカテゴリーに分けられており、本実施形態における「採点結果取得工程」(S0901)では、この3つのサブカテゴリーにも分けて採点結果を取得する。また、本実施形態における防犯対策カードは、周辺環境、建物の外構、建物自体、建物の部品、生活習慣の5つの第二の観点に分けられている。
周辺環境の観点に分けられた防犯対策カードは、図6にて示したように、主に建物の周辺環境の犯罪状況を知るための防犯対策カードである。また、生活習慣の観点に分けられた防犯対策カードは、図8にて示したように、主に建物の居住者の日頃の生活における防犯意識を高めるための防犯対策カードである。本実施形態における防犯対策カードは、建物に防犯設計を施すための防犯対策カードがさらに、建物の外構、建物自体、建物の部品の観点に分けられている。図7にて示した防犯対策カードは、建物の外構の観点に分けられた防犯対策カードであり、建物の外構に防犯設計を施すためのカードである。さらに、図10に示すのは、建物自体の観点に分けられた防犯対策カードであり、図11に示すのは、建物の部品の観点に分けられた防犯対策カードである。建物の外構とは、塀や柵、門扉、庭の植栽等の建物を取り囲む構造物をいう。建物自体とは、建物自体の構造をいう。建物の部品とは、ドア、窓、ドアフォン、防犯カメラ等の建物に取り付けられる部品等をいう。
本実施形態におけるテーブルを構成する建物チェックリストは、図12に示すように各チェック項目を、さらに建物の外構(1201)、建物自体(1202)、建物の部品(1203)に分けておく。このようにして、建物チェックリスト(1200)にて対象となる建物の防犯上のチェックを行うと、建物の外構、建物自体、建物の部品の観点に分けて採点結果を取得することができる。例えば、図12に示す建物チェックリストにて対象となる建物の設計が各チェック項目のYESに該当するかNOに該当するかをチェック欄にチェックして採点結果を取得すると、各チェック項目に対応した建物の外溝、建物自体、建物の部品について振り分けられた採点結果が得られる。図12において、建物の外構に関するチェック項目(1201)は13項目あり、そのうち3項目について「NO」がチェックされている。また、建物自体に関するチェック項目(1202)は9項目あり、そのうち6項目について「NO」がチェックされている。また、建物の部品に関するチェック項目(1203)は23項目あり、そのうち9項目について「NO」がチェックされている。これらより、前述のようにして弱点率を算出すると、建物の外溝に関する弱点率が23%、建物自体に関する弱点率が67%、建物の部品に関する弱点率は39%であることがわかる。段落0033に記載したように、周辺環境チェックリストと、生活習慣チェックリストについても図3及び図5に示すようにチェックしたとすると、周辺環境に関する弱点率は35%、生活習慣に関する弱点率は25%であるから、5つの第二の観点から見たとき、弱点率の最も高い「建物自体に対応した防犯対策カード」を優先的に選択する必要があることがわかる。このように、本実施形態における採点結果取得工程(S0901)では、採点結果を5つの第二の観点に分けて取得することができる。
本実施形態の「防犯対策カード選択工程」(S0902)は、採点結果取得工程(S0901)にて5つのカテゴリーである第二の観点ごとに取得された採点結果に応じて防犯対策カードが選択される。上記のとおり、それぞれの弱点率が算出された場合には、防犯対策カード選択工程では、建物自体に関するチェック項目に対応する防犯対策カードを優先的に選択する。例えば、図12では、建物自体に関するチェック項目にて、「建物外周には通り等から死角になるスペースがない」とのチェック項目(1204)に「NO」とのチェックがされている。このため、このチェック項目に対応して関連付けられている防犯対策カード番号3−(1)(1205)の防犯対策カードが選択される。
(実施形態2の処理の流れ)本実施形態における処理の流れを図9にそって説明する。本実施形態における建物カテゴリーはさらに、建物の外構、建物自体、建物の部品という3つのサブカテゴリーに分けられており、この3つのサブカテゴリーを含む5つのカテゴリーである第二の観点に分けて特定の建物を採点し、防犯対策カードを選択する。このため、まず、採点結果取得工程(S0901)にて、テーブルを用いて特定の建物を、周辺環境、建物の外構、建物自体、建物の部品、生活習慣の5つのカテゴリーである第二の観点に分けて採点結果が取得される。採点結果は、採点者が、特定の建物を図3、図12、図5に示すように、テーブルを構成する各チェックリストのチェック項目に回答することで得られる。次に、防犯対策カード選択工程(S0902)では、第二の観点ごとに行われた採点結果に応じて対応する防犯対策カードを選択する。そして、防犯設計工程(S0903)では、選択された防犯対策カードに記載された防犯設計を実際の建物の設計に取り入れる。
(実施形態2の効果)本実施形態の防犯設計手法では、建築士等の専門家でない住宅施工業者の営業担当者や顧客などもテーブルを用いて自らで建物の設計を防犯上の観点からチェックすることができるため、その建物にどのような防犯設計が欠如していて、どのような防犯対策を施すべきかを防犯対策カードを参照することで容易に、かつより詳細に捉えることができる。
また、本発明の防犯設計手法によって、複数の観点から対象となる建物が防犯上の弱点を有する設計か否かをチェックして、施すべき防犯設計を容易に把握することができる。そして、選択された防犯対策カードに記載の設計指針を参照することにより、効率的に設計に防犯対策を反映させることができるという優れた効果を奏する。
《実施形態3》
(実施形態3の概要)本実施形態の防犯設計手法では、図13に示すように、実施形態1及び2に記載の防犯対策カード(1303)に、さらに、アイテムリスト(1303b)が記載される。アイテムリスト(1303b)には、防犯設計手法を取り入れるためのアイテムが記載されており、各アイテムごとに対応するアイテムカード(1305)を有する。アイテムカードは防犯対策カードの記載のアイテムリストに応じて選択され、選択されたアイテムカード(1305a)に記載された製品を、対象とした建物(1304)の防犯設計に取り入れることで、前記防犯対策カードに記載された防犯対策を施すことができる。
(実施形態3の構成)図14に本実施形態における防犯設計手法の処理の流れを示す。本実施形態に記載の防犯設計手法は、「採点結果取得工程」(S1401)と、「防犯対策カード選択工程」(S1402)と、「アイテムカード選択工程」(S1403)と、「防犯設計工程」(S1404)とからなる。「アイテムカード選択工程」(S1403)以外については、実施形態1又は2にて説明済みであるため、説明を省略する。
(実施形態3の構成の説明)「アイテムカード選択工程」(S1403)では、防犯対策カード選択工程(S1402)にて選択された防犯対策カードの記載に応じてアイテムカードを選択する。以下、アイテムカードの選択の仕方を、本実施形態の防犯対策カードを例示した図15にて説明する。
本実施形態の防犯対策カード(1303)は、図15に示すように、例えば2−(2)などと防犯対策番号(1501)が記載され、テーブル(1302)を構成する各チェックリストの各チェック項目(1301)との対応を示す。また、防犯対策カードが、狙われにくい建物か、侵入しにくい建物か、被害が出にくい建物かのいずれの視点に関するものであるかという点と、周辺環境、建物の外構、建物自体、建物の部品、生活習慣のいずれの観点に関するものであるかという点を示す欄(1502)を設けても良い。図15では○印にて示しているが、このような態様には限られない。なお、防犯対策カードは、複数のチェック項目に関連付けられていることがあるため、1502に示す欄には、複数の○印が記載されていても良い。1502に示す欄を参照することで、該防犯対策カードがどのような防犯設計に関するものであるかを容易に把握することができる。防犯対策番号(1501)の略下側には、建物チェックリストの各チェック項目に対応した防犯に適した設計指針が、ガイドライン(1503)として記載されている。該ガイドライン(1503)の略下側には、防犯対策欄(1504)が設けられている。防犯対策欄(1504)には、該設計指針にそった設計をするための設計手法(1505)が、簡単な図と解説(1506)とともに記載されている。また、設計手法は一の設計手法が記載されていても良いし、図15に示すように、複数段階に設定された設計手法が記載されていても良い。設計手法が複数段階に設定されるのは、一の設計手法を取り入れることで上記設計指針にそった設計とすることができるが、さらに、より望ましい設計手法がある場合である。例えば、図15では、A段階とB段階の設計手法が設定されている。これは、少なくともA段階の設計手法を取り入れることでガイドライン(1503)に記載された設計指針を充足することができるが、より設計指針を充足する、あるいは、設計指針以上の防犯設計を施すことが可能な設計手法をB段階の設計手法として記載している。防犯対策カードの最下欄には、該防犯対策欄に記載された設計手法を施すためのアイテムが複数記載されたアイテムリスト(1507)が記載されている。アイテムとは、防犯対策欄(1504)に記載された設計手法を施すための部材を用途や設置箇所に応じて分類分けし、この分類分けしたものを代表する名称などである。例えば、「フェンス・垣根」、「植栽」、「錠前・シリンダー」などの直感的に建物のどこに使われるものであるかが分かりやすい名称がアイテムとして記載される。また、アイテムを簡略的な絵で表すことにより、視覚的にも分かりやすく記載することが望ましい。さらに、利用不可能なアイテムの絵には斜線を記載することで、利用の可否を表示することができる。アイテムリストには、これらのアイテムが複数記載されている。
アイテムカード(1305)には、防犯対策カードのアイテムリストの各アイテムごとに、前記設計指針にそった設計をするための一以上の防犯部材が品名、特徴、価格帯などとともに記載されている。図13に示すように、選択されたアイテムカード(1305a)に記載された防犯部材を対象となる建物(1304)の設計に反映させることで、防犯対策カード(1303)に記載の設計指針にそった防犯設計をすることができる。
図16乃至図17にアイテムカードの具体例を示す。図16には、「フェンス・垣根」に関するアイテムカード、図17には「ドア本体・ドア枠」に関するアイテムカードを例示する。図16を用いてアイテムカードを詳細に説明する。図16に示すように、アイテムカードの最上部には、「フェンス・垣根」などのアイテムの名称(1601)が記載され、該アイテムカードがどのアイテムに関するカードであるかを示している。また、図15に示すように、アイテムリスト(1507)にアイテムの名称とともに簡略化した絵を記載している場合には、アイテムカードにもアイテムの名称(1601)とともに該簡略化した絵を記載することが望ましい。このようにすることで、視覚的にも該アイテムカードがどのアイテムに関するカードであるかをわかりやすくすることができる。アイテムの名称の下側には、前記防犯対策カードの設計指針にそった設計をするための一以上の防犯部材が品名、特徴、価格帯などとともに表形式にて記載されている。品名欄(1602)には、各防犯部材を表す名称が記載される。特徴欄(1603)には、各防犯部材の特徴や具体的な商品名などが記載される。価格帯欄(1604)には、その防犯部材を設計に取り入れる場合にかかる費用等が記載される。図16に示す価格帯欄には費用を、価格ごとに「一万円未満・五万円未満・五万円以上」の三段階に分けてそれぞれの欄を構成し、いずれかの欄に○印を付すことで各防犯部材の価格帯を示している。また、価格帯欄をひとつの欄とし、防犯部材の実際の価格を記載するなどしても良い。
アイテムカード選択工程(S1403)では、このような複数のアイテムカードの中から一のアイテムカードを選択する。例えば、防犯対策カード選択工程(S1402)にて図18に示す4−(1)の防犯対策カードが選択された場合について具体的に説明する。図18に示す防犯対策カードは、図11にて例示した防犯対策カードにアイテムリストが付加されたものである。図18に示す防犯対策カードでは、設計手法がA段階(1801)、B段階(1802)、C段階(1803)に設定されている。そして、防犯対策カード最下欄のアイテムリストには、これらの各段階に応じたアイテムが記載されている。
例えば、図18において、A段階の設計手法「壊されにくいドアにする」(1801)を取り入れるためには、アイテム「ドア・ドア枠」(1804)に関する防犯設計を施すことが分かる。従って、対象となる建物には、図17に示すようなアイテム「ドア・ドア枠」に対応するアイテムカードの中から防犯部材を選択して、防犯設計を施すべきであることが分かる。また同様に、B段階の設計手法「開けにくい鍵にする」(1802)を取り入れるためには、「錠前・シリンダー」(1805)、「補助錠」(1806)「サムターン」(1807)などのアイテムに対応するアイテムカードの中から防犯部材を選択して防犯設計を施すべきであることが分かる。C段階の設計手法「センサーを設置する」(1803)を取り入れる場合についても、同様にして対応するアイテムカードの中から防犯部材を選択して防犯設計を施すことができる。
アイテムカードには、図16又は図17に示すように、品名欄(1602)、特徴欄(1603)、価格欄(1604)が横列に設けられており、該当する防犯部材に関する情報が各欄に記載されている。従って、いずれの防犯部材がどのような特徴を有し、その防犯部材を設計手法に取り入れるためには、どの程度の費用がかかるかを即座に把握することができる。
本実施形態の「防犯設計工程」(S1404)では、前記アイテムカード選択工程(S1403)にて選択されたアイテムカードの記載に応じて、上述の通り、防犯設備を建物に取り入れる設計をする。例えば、図16に記載された「フェンス・垣根」のアイテムカードが選択された場合には、居住者や営業担当者は、設計の専門的な知識がなくても、価格と性能のバランスを考えた上でどのアイテムを選択するか判断することができる。
また、図13に示すように、これらの処理を行うためのテーブルが記載されたテーブルシートと、防犯対策カードと、アイテムカードと、からなる防犯設計カードセットを予め備えておくことが望ましい。
(実施形態3の処理の流れ)本実施形態における処理の流れを図14にそって説明する。まず、採点結果取得工程(S1401)にて、テーブルを用いて特定の建物を周辺環境、建物、生活習慣という3つの第一の観点に分けて採点結果を取得する。採点結果は、採点者が、特定の建物を図3乃至図5に示すように、テーブルを構成する各チェックリストのチェック項目に回答することで得られる。次に、防犯対策カード選択工程(S1402)では、前記採点結果取得工程(S1401)にて取得した採点結果に応じて対応する防犯対策カードを選択する。次に、アイテムカード選択工程(S1403)では、前記選択された防犯対策カードに応じてアイテムカードを選択する。そして、防犯設計工程(S1404)では、前記アイテムカード選択工程(S1403)にて選択されたアイテムカードに記載の防犯製品を実際に建物の設計に取り入れる。
(実施形態3の効果)本実施形態の防犯設計手法では、建築士等の専門家でない住宅施工業者の営業担当者や顧客などもテーブルを用いて自らで建物の設計を防犯上の観点からチェックすることができるため、その建物にどのような防犯設計が欠如していて、どのような防犯対策を施すべきかを防犯対策カードを参照することで、容易に捉えることができる。
また、本発明の防犯設計手法によって、複数の観点から対象となる建物が防犯上の弱点を有する設計か否かをチェックして、施すべき防犯設計を容易に把握することができる。さらに、防犯設計を反映させるために、どのような製品を実際に用いたらいいのかを容易に捉えることができ、これを設計に効率的に反映させることができるという優れた効果を奏する。
《実施形態4》
(実施形態4の概要)本実施形態の防犯設計手法では、実施形態1から3に記載のテーブルのチェック項目が、狙われにくい建物か、侵入しにくい建物か、被害が出にくい建物かのいずれの視点から定められたものであるかに応じて、防犯対策カードを選択することを特徴とする。
(実施形態4の構成)図19に本実施形態における防犯設計手法の処理の流れを示す。本実施形態における防犯設計手法は、「採点結果取得工程」(S1901)と、「防犯対策カード選択工程」(S1902)と、「防犯設計工程」(S1903)に加えて、「防犯対策カード選択工程」(S1902)は「重み付け割当工程」(S1904)と、「不十分さ採点工程」(S1905)と、「必要度数算出工程」(S1906)を含むことを特徴とする。
(実施形態4の構成の説明)「重み付け割当工程」(S1904)では、チェック項目で不十分とされた項目の数を3つの視点ごとに集計して、不十分とされるチェック項目数が多い視点ほど重い係数を割り当てる。不十分とされるチェック項目とは、例えば、図3に示す周辺環境チェックリスト(0300)では、B列に該当するとの採点結果となったチェック項目をいい、図4、図5に示す建物チェックリスト(0400)、生活習慣チェックリスト(0500)では、NOに該当するとの採点結果となったチェック項目をいう。
以下に、図20を用いて具体例を示す。図20では、建物チェックリストを、防犯設計に関する各チェック項目(2001)は、「狙われにくい建物か」、「侵入しにくい建物か」、「被害が出にくい建物か」、の3つの視点のうち、いずれの視点から定められたものであるかを防犯設計欄(2002)にて○印を記載することで示している。「侵入しにくい建物か」については、さらに、「侵入に時間がかかる」と、「侵入を発見できる」とに細分化して示しているが、ここでの集計はこれらをまとめて行う。建物チェックリストの最右欄には、防犯対策カード欄(2003)が設けられ、防犯設計に関する各チェック項目に対応する防犯対策などが記載された防犯対策カードを示す防犯対策カード番号が記載されている。この各チェック項目は、いずれの視点にて定められた防犯設計であるかによって重み付けをすることができる。例えば、図20に示す建物チェックリストでは、チェック欄の下欄に、各視点ごとに「NO」に該当するチェック項目の項目数を記載している(2004)。図20では、「狙われにくい建物か」との視点に関する項目が15項目中7項目、「侵入しにくい建物か」との視点に関する項目が27項目中10項目、「被害が出にくい建物か」との視点に関する項目が3項目中1項目、NOとの採点結果を示している。そして、この項目数などに応じていずれの視点の防犯設計を優先的に行うべきかを順位付けすることが可能である。一例としては、前述の段落0033に記載したのと同様に、各視点に関する項目ごとに弱点率を計算することで順位付けを行うことができる。弱点率を計算すると、「狙われにくい建物か」に関する項目は47%、「侵入しにくいか」に関する項目は37%、「被害が出にくいか」に関する項目は33%となる。さらに、この弱点率の順番に応じて重み付けをする。例えば、弱点率の高さに応じて「狙われにくい建物か」に関する項目は10ポイント、「侵入しにくいか」に関する項目は7ポイント、「被害が出にくいか」に関する項目は3ポイントなどと設定する。このようにして、重み付け割当工程にて、各視点の重み付けを行うことができる。
「不十分さ採点工程」(S1905)では、割り当てされた重み付けに応じて各チェック項目ごとに不十分であるとのチェックがされた視点を点数化してそのチェック項目の採点を行う。不十分さ採点工程では、上記のとおり、チェックリストにおける各視点の重み付けが行われると、NOに該当するチェック項目を点数化する。例えば、図20では、「塀、柵、垣は上階への足場となっていない」とのチェック項目(2007)は、NOに該当し、「侵入しにくい」との視点である項目であるから、7ポイントと採点される(2005)。
「必要度数算出工程」(S1906)では、防犯対策カードごとにその防犯対策カードが対策を施そうとするチェック項目に与えられた採点を集計して防犯対策カードの必要度数を算出する。必要度数とは、防犯対策カードに記載の防犯対策を施すことが必要であるかどうかを表す値である。必要度数が大きければ、その防犯対策カードに記載の防犯対策を施す必要性が高いことを示す。
前記不十分さ採点工程(S1905)にて各チェック項目に採点が行われると、各チェック項目に対応する防犯対策カードをこれらのポイントの累積値により必要度数を表すことができる。例えば、図20の2006に示す4−(1)の防犯対策カード番号にて識別される防犯対策カードは、複数のチェック項目に関連付けられており、各チェック項目のポイントの累計値が4−(1)の防犯対策カードの必要度数として付与することができる。同様にして、建物チェックリストに関連付けられている防犯対策カードの全てについて必要度数を算出することで防犯対策カードの順位付けをすることができる。これらの順位付けにより、いずれの防犯対策カードに記載された防犯対策を優先的に行うべきかを判断することが可能である。図20に示すチェック結果より、各防犯対策カードにポイントによって必要度数を付与し、優先順位付けした結果を図21に示す。図21に示す結果では、防犯対策カード4−(1)に記載された防犯対策を優先的に行うべきであることがわかる。図21のように順位付けされた防犯対策カードは、順位付けに応じて並び替えることで、より優先順位を明確にすることができる。なお、いずれの防犯対策カードに記載された防犯対策を優先的に行うべきかの順位付け方法については、これらの方法に限られない。また、テーブルや防犯対策カードの構成にコンピュータを利用する場合には、これらの順位付けをコンピュータによって処理させても良い。
また、防犯対策カードの必要度数の算出は、一つの防犯設計を施すたびに繰り返し行うこととしても良い。例えば、防犯対策カード4−(1)に記載の設計手法を施した後の建物は、施す前の建物と比較して、建物チェックリストにチェックする項目が変化する。従って、抽出される防犯対策カードや、防犯対策カードの優先順位も変化する。
以上のとおり、順位選択工程(S1904)にて、優先すべき防犯対策カードが導き出されると、該防犯対策カードを参照することで対象とする建物の防犯上の弱点に最も適した設計指針と、該設計指針にそった設計をするための設計手法を容易に把握することができる。
(実施形態4の処理の流れ)本実施形態における処理の流れを図19にそって説明する。まず、採点結果取得工程(S1901)にて、テーブルを用いて特定の建物を周辺環境、建物、生活習慣という3つの第一の観点に分けて採点結果を取得する。採点結果は、採点者が、特定の建物を図3、図20、図5に示すように、テーブルを構成する各チェックリストのチェック項目に回答することで得られる。次に、防犯対策カード選択工程(S1902)では、前記採点結果取得工程(S1901)にて取得した採点結果に応じて対応する防犯対策カードを選択する。本実施形態では、防犯対策カード選択工程(S1902)に含まれる重み付け割当工程(S1904)により、チェック項目で不十分とされた項目の数を3つの視点ごとに集計して、不十分とされるチェック項目が多い視点ほど重い係数を割り当てる。そして、不十分さ採点工程(S1905)では、重み付け割当工程(S1904)にて割り当てられた重み付けに応じて各チェック項目ごとに不十分であるとのチェックがされた視点を点数化してそのチェック項目の採点を行う。不十分さ採点工程(S1905)にて各チェック項目が採点された後に、必要度数算出工程(S1906)では、防犯対策カードごとにその防犯対策カードの必要度数を算出する。防犯対策カード選択工程(S1902)では、この算出された必要度数に応じて防犯対策カードを選択する。そして、防犯設計工程(S1903)では、前記防犯対策カード選択工程(S1902)にて選択されたカードに記載の防犯設計を実際に建物の設計に取り入れる。
(実施形態4の効果)本実施形態の防犯設計手法では、建築士等の専門家でない住宅施工業者の営業担当者や顧客などもテーブルを用いて自らで建物の設計を防犯上の観点からチェックすることができるため、その建物にどのような防犯設計が欠如していて、どのような防犯対策を施すべきかを防犯対策カードを参照することで容易に捉えることができる。
また、本発明の防犯設計手法によって、複数の観点から対象となる建物が防犯上の弱点を有する設計か否かをチェックして、どのような順番で防犯設計を施すべきであるかを容易に把握することができるという優れた効果を奏する。