JP2007218864A - 不感域のない4モード安定化半導体レーザジャイロ - Google Patents

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Abstract

【課題】不感域のない4モード安定化半導体レーザジャイロを提供する。
【解決手段】本発明は、回転速度又は相対角度位置の測定に用いる半導体レーザジャイロに関する。この種の装置は特に航空用途に使用される。本発明の目的は、測定バイアスを付加することなく不感域を除去する特殊な光学装置を用いて、リング形状の半導体レーザの不安定性を制御するのに必要な光学装置を完成させることにある。これによって、可動部品がなく、安定でかつ不感域のない「完全に光学的な」半導体レーザが得られる。これらのデバイスは、特に、偏光分離光学デバイス(8、9)と、相反光学回転子(4)と非相反光学回転子(5、13)とを含み、直線偏光された4つの光学モードがモードロッキングを回避するに十分な異なる周波数において共振器(1)内を伝播するように配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転速度又は角度位置の測定に用いる半導体レーザジャイロに関する。この種の装置は特に航空用途に使用される。
レーザジャイロはおよそ30年前に開発されたもので、今日では広く販売され、使用されている。その作動はサニャック効果に基づいているが、サニャック効果は、回転する双方向のリング形状のレーザ共振器において生じる周波数の差で、対向伝播と言われる反対方向に伝播する2つの光学放射モード間の周波数の差Ωを意味している。通常、周波数の差Ωは、次式、すなわち、
Ω=4Aω/λL
で表される。式中、L及びAはそれぞれ共振器の長さ及び面積、λはサニャック効果を含まないレーザ放射の平均波長であり、ωはレーザジャイロの回転角速度である。
2つの放射ビームのビートのスペクトル分析によって得られるΩの値から、ωの値をきわめて正確に得ることができる。角度位置が変化する間に進行するビートの縞を電子的にカウントすると、角度位置の相対値もきわめて正確に得られる。
レーザジャイロを製作するには、いくつかの技術的難点を解決する必要がある。第1の問題は2つのビーム間のビートの質に関連しており、このビートの質がレーザの正確な作動を決定する。ビートが正確であるためには、双方向に放射される強度における適度の安定性と相対的な同等性とが必要である。しかし、半導体レーザの場合には、安定性と同等性とは、モード−モード競合のために確実には実現されない。この競合によって、2つの対向伝播モードの一方が利用可能なゲインを独占して、もう一方のモードが損なわれるからである。半導体のリング形状レーザにおける双方向放射の不安定性の問題は、2つの対向伝播モードの強度間の差異をある設定値の近傍に従属化制御するように考えられた反作用ループを設けることによって解決することができる。このループは、例えば相反回転素子、非相反回転素子及び偏光素子を用いてその損失を伝播方向に連結する(特許文献1)か、あるいは、例えば相反回転素子、非相反回転素子及び偏光放射結晶を用いてそのゲインを伝播方向に連結する(特許文献2)ことによって、レーザに作用する。一旦従属化制御されてしまうと、レーザは2つの対向伝播ビームを安定した強度で放射するので、レーザジャイロとして用いることができる。
第2の技術的な難点は低回転速度に関連している。レーザジャイロはある回転速度を超えて初めて正確に作動するからである。低回転速度においては、サニャックのビート信号が、ロッキングとしても知られる2つの対向伝播モードの結合によって消失する。これは、共振器中の存在する種々の光学素子の光の後方散乱によるものである。この現象が観察される回転速度範囲は、一般的に不感域と呼称され、数10kHzの最低ビート周波数に相当する。この問題は半導体に固有のものではなく、ガスのレーザジャイロでも現れる。レーザジャイロのこの第2のタイプの問題に対する最も普通の解決策は、装置を人工的に不感域外に置くような強制的かつ周知の動きを装置に与えることによって、それをできるだけ頻繁に機械的に動かすことである。
仏国特許出願公開第2853061号明細書 仏国特許出願公開第2863702号明細書
本発明の目的は、測定バイアスを付加することなく不感域を除去する特殊な光学装置によって、半導体レーザの不安定性を制御するのに必要な光学装置を完成させることにある。これによって、可動部品がなく、安定でかつ不感域のない「完全に光学的な」半導体レーザが得られる。
より正確に言えば、本発明は、少なくとも、
・リング形状の光学共振器と、
・半導体増幅器手段と、
・第1の非相反光学回転子及び光学素子からなる第1の光学組立品であって、この光学素子は相反光学回転子又は複屈折素子のいずれかであり、さらにその効果の少なくとも1つ又はその複屈折性が調節可能である第1の光学組立品を含む従属化制御装置と、
・測定計器と、
を備えたレーザジャイロにおいて、
前記共振器が、又、
・第1の空間フィルタデバイス及び第1の偏光分離光学素子からなる第2の光学組立品と、
・第2の空間フィルタデバイス及び第2の偏光分離光学素子からなる第3の光学組立品と(第2の光学組立品及び第3の光学組立品は第1の光学組立品のいずれかの側に互いに対称的に配置されている)、
・連続的に、第1の四分の一波長板、第2の非相反光学回転子、及び、第1の四分の一波長板の主軸に垂直な主軸を有する第2の四分の一波長板からなる第4の光学組立品と、
を備えて、
第1の直線偏光伝播モードと、その第1の伝播モードに垂直に直線偏光された第2の伝播モードとを共振器の中で第1の方向に確立することができ、かつ又、第1の伝播モードに平行に直線偏光されて反対方向に伝播する第3の伝播モードと、第2のモードに平行に直線偏光されて反対方向に伝播する第4の伝播モードとを共振器の中に確立することができ、その場合、第1の四分の一波長板及び第2の四分の一波長板の主軸は、4つの伝播モードの直線偏光方向に対して45°傾いており、かつ、4つのモードの光学周波数はすべて異なっているようにすることを特徴とするレーザジャイロを対象としている。
測定システムは、
・一方で第1の伝播モードを第3の伝播モードと干渉させ、他方で第2の伝播モードを第4の伝播モードと干渉させる光学装置と、
・一方で第1の伝播モードと第3の伝播モードとの間の第1の光学周波数差を測定し、他方で第2の伝播モードと第4の伝播モードとの間の第2の光学周波数差を測定する光電子工学装置と、
・上記の第1の周波数差と上記の第2の周波数差との間の差異を算定する電子装置と、を含むことが有利である。通常、第1の周波数差及び第2の周波数差は約100kHzよりも大きい。結果的に得られる周波数差は、角度位置を得るために、電子式の縞カウント装置によって時間積分することができる。
共振器は複屈折の遅延板を含むことが有利である。
好ましい実施形態においては、第1の偏光分離光学素子及び第2の偏光分離光学素子は平坦な平行側面を有する複屈折の遅延板であって、複屈折の軸は側面の平面に対して45°傾いている。
前記の従属化制御装置は、少なくとも、第3の非相反光学回転子と、複屈折素子又は相反光学回転子のいずれかである第2の光学素子であって、その複屈折性又は相反効果が調節可能である第2の光学素子とからなる第5の光学組立品を含むことが有利である。この場合、第1及び第3の伝播モードが、第1の非相反光学回転子及び第1の光学素子と交差し、第2及び第4の伝播モードが、第3の非相反光学回転子及び第2の光学素子と交差する。複屈折素子は、特に、四分の一波長板のような複屈折の遅延板である。
以下の非制限的な説明と添付の図面とから、本発明がさらによく理解され、さらに別の利点が明らかになるであろう。
本発明による特殊な装置は、次の3つの特殊機能、すなわち、
・対向伝播モードの強度を従属化制御すること、
・不感域を除去すること、
・測定バイアスを導入しないこと、
を実現しなければならない。
これらの機能を実現するため、装置は、異なる周波数において直線偏光された4つの光学モードを共振器の内部に発生させる。第1及び第2の伝播モードは共振器の内部を第1の方向に伝播するが、この場合、第2のモードは、第4光学組立品の外側では第1のモードに垂直に直線偏光されている。第4の光学組立品の中では、第1及び第2の伝播モードは円偏光される。第3及び第4のモードは反対方向に伝播し、その場合、第4の光学組立品の外側では、第3の伝播モードは第1のモードに平行に、かつ第4の伝播モードは第2のモードに平行に直線偏光され、第4の光学組立品の中では両者とも円偏光される。
これらの4つのモードは、本発明に従って、図1に示すレーザジャイロによって生成されかつ制御される。図1のレーザジャイロでは光学素子が相反光学回転子となっている。レーザジャイロは、主として、
・リング形状の光学共振器1であって、この共振器の外側で対向伝播モードを処理するための少なくとも1つの部分反射鏡11を含む光学共振器1と、
・半導体増幅器手段2と、
・光学回転子4及び5を制御する(図面上では点線の矢印)従属化制御装置3と、
・測定計器6と
・光学系であって、
* 第1の非相反光学回転子5及び相反光学回転子4からなる第1の光学組立品と、
* 第1の空間フィルタデバイス7及び第1の偏光分離光学素子8からなる第2の光学組立品、並びに、
* 第2の空間フィルタデバイス10及び第2の偏光分離光学素子9からなる第3の光学組立品であって、第1の光学組立品のいずれかの側に互いに対称的に配置される第2の光学組立品並びに第3の光学組立品と、
を含む光学系と、
・連続的に、第1の四分の一波長板12、第2の非相反光学回転子13、及び、第1の四分の一波長板の主軸に対して90°回転した主軸を有する第2の四分の一波長板14からなる第4の光学組立品と、
を備えている。
光学系は相反光学回転子4及び非相反光学回転子5を有している。光波の偏光の光学回転は、この特性を有する光学構成素子において光波が反射された(往き及び戻り)後に、偏光の回転の効果が加わる場合、非相反的と呼称され、この光学構成素子は非相反光学回転子と呼称される。例えば、ファラデー効果を有する材料は、磁界に置かれた場合に、それを通過するビームの偏光面を回転する材料である。この効果は相反的ではない。従って、反対方向に通過する同じビームは、その偏光面が同じ方向に回転されることになろう。この原理が図3に示されている。直線偏光されたビーム101の偏光方向は、そのビームが構成素子5を通過するとファラデー効果によって直接センス(direct sense)において角度βだけ回転される(図3上)。その偏光方向が当初の方向からβだけ回転されたビーム103で逆方向に伝播する同じビーム103を、ファラデー効果を有する構成素子に再照射すると、その偏光方向は、その構成素子を通過する際に再度βだけ回転し、反射後の全回転角は2βとなる(図3下)。
従来の相反回転子4においては、偏光方向は直接センスにおいて+αだけ回転し、逆の伝播方向において−αだけ回転するので、図2に示すように当初の偏光方向が得られる。
光学系は、さらに2つの偏光分離光学素子をも含んでいる。偏光されたビームを確実に分離する多くの幾何学的形状が存在する。1つの例として、図4aは、直線偏光されたビームを分離する複屈折遅延板8を示している。遅延板は、2つの平坦な平行側面を有しており、常光線屈折率及び異常光線屈折率によって特徴付けられる単軸の複屈折結晶からカットされる。
図4aの点線で示すように、遅延板内部における常光線屈折率の変化は球形であり、異常光線屈折率の変化は楕円体形である。図中の傾斜した二重矢印線で示す好ましい方向(光学軸)においては、常光線屈折率及び異常光線屈折率は等しい。遅延板は、この方向から45°傾斜した面に沿ってカットされる。第1の直線偏光された光ビーム101がこの複屈折遅延板の入射側に垂直に入射すると、そのビームは方向を変えることなく遅延板を通過することが示される。ビーム101に対して垂直に直線偏光された第2の光ビーム102がこの複屈折遅延板の入射側に垂直に入射すると、そのビームは、遅延板を通過する際に、空間的に位置のずれが生じることが示される。従って、2つのビーム101及び102が複屈折遅延板を出射するときには、それらは互いに平行で、図4aに示すように距離dだけ分離している。距離dは遅延板の光学特性及び厚さによって変化する。
光学系の作動が図5に示される。図は、直線偏光された第1の伝播モード101と第2の伝播モード102とが第1の光学組立品を通る光路を示している。第1の空間フィルタデバイス7の前では、第1のモード101の直線偏光はページの面上にあり、第2のモード102の直線偏光はページ面に垂直である。これらの偏光方向は直線の矢印で示されている。第1の空間フィルタは、明らかにこれらの偏光方向を維持する。
強度Iの第1の伝播モードは、第1の偏光分離光学素子8を通過し、図示のようにdだけ位置がずれて、その入射方向に平行に出射する。次に、それは、相反回転子4、次いで第1の非相反回転子5を通過する。その結果、その偏光方向は、第1の素子通過後に角度αだけ回転され、第2の素子通過後にα+βに等しい角度だけ回転される。第1の光学組立品の出力端では、第1のモードの直線偏光は、2つの直交成分、すなわち、当初の方向に平行でかつ当初強度I1に係数cos(α+β)を乗じた値に等しい強度を有する第1の成分と、当初の方向に垂直でかつ当初強度Iに係数sin(α+β)を乗じた値に等しい強度を有する第2の成分とに分解することができる。第1の成分は、第2の偏光分離光学素子9を通過し、−dだけ位置がずれる。この第2の光学素子は第1の光学素子に対称に配置されており、従って、この成分は減衰することなく第2のフィルタ10を通過する。第2のフィルタは第1のフィルタと同一軸上に配置される。第2の成分は、第2の偏光分離光学素子を位置ずれなしで通過する(図5の点線の矢印)ので、第2のフィルタを通過することはできない。
以上から、第1のモードは、最後に、係数cos(α+β)だけ減衰してしまうことになる。
同様に、第2の伝播モード102も同じ係数だけ減衰する。反対方向に伝播する第3及び第4の伝播モードも1つの共通の係数だけ減衰する。この第2の係数がcos(α−β)であることは容易に証明することができる。ビームの分離素子におけるビームの損失は、ビームの強度データを提供するために、最終的に従属化制御システムの光検出器に送ることができることを注記しておかなければならない。
さらに又、この種の装置においては、2つの偏光状態間に相反位相差がよく出現することを注記しなければならない。この位相差は、周波数ロッキングを避けることができるバイアスに対応するので有用であるが、その値は必ずしも十分に高くない。必要な場合には共振器の中に複屈折素子を挿入して付加的な位相差を導入する。
以上から、モードはその伝播方向によって異なる形で減衰し、その減衰量は、2つのモードの偏光が受けた効果の程度に直接依存している。このため、2つの値α又はβの少なくともいずれかを変えて、従属化制御装置を通る2つのモードが受ける偏光の効果を変化させることによって、対向伝播するモードの強度を変えることが可能になる。このようにして、異なるモードの強度が一定値の近傍に従属化制御される。
この形態においては、一方では第1及び第2の伝播モード、他方では第3及び第4の伝播モードが同じように減衰する。しかし、それぞれ異なる偏光をもたらす2つの独立のリトロアクションのループを用いて、同じ方向に伝播するモードに対して異なる減衰値を得ることができる。その原理を図6に示す。第2及び第3の光学組立品はそれぞれ空間フィルタと偏光分離光学素子とからなるが、その2つの光学組立品の間に、それぞれ非相反光学回転子5又は51と、相反光学回転子4又は41とから構成される2つの光学組立品を挿入する。これら2つの組立品は、図6には示されていない従属化制御装置によって独立に制御される。もちろん、2つの偏光ビーム間の分離距離dは、異なる回転子を組み込み得るに十分なものでなければならない。この形態においては、増幅器手段2を、図6に示すように分離光路上に配置することができるかもしれない。このようにすると、光学的ポンピングが異なる2点で行われ、絞り10が、分離デバイスの外側でのビームの空間的重ね合わせを確実に行う。本発明のこの実施態様は、ゲインに関して4つのモードを完全に切り離して、モード間の競合効果を排除するという付加的な利点を有している。
第4の光学組立品の作動が図7に示される。直線偏光された光学モード101(図7における直角矢印)が第1の四分の一波長板12を通過するときに、二重線の矢印で示すこの遅延板の主軸が偏光方向に対して45°傾いていると、モードの偏光は、右回りの円偏光で出射する(図7の実線の半円矢印)。
この円偏光波には、それが第2の非相反光学回転子13を通過する際に、非相反位相差γが生じる。円偏光波は、それから、第1の四分の一波長板の主軸に対して垂直な主軸を有する第2の四分の一波長板14によって、再度直線偏光波に変換される。このようにして、この第4の光学組立品を通過するモードに非相反位相差が導入されるが、光波の直線偏光は保持されている。当然のことながら、光波が101の方向に垂直に直線偏光されると、それは左回りの円偏光波に変換され、それには−γの非相反位相差が生じる。
従って、上記の装置を用いると、共振器の内部に、反対方向に2本ずつ伝播する4つのモードを発生させること、それらを同じ強度レベルに維持する制御方法で可変に減衰させること、かつ又、これらのモードに相反及び非相反位相差を導入することが可能になる。固有モードとその周波数を決定するために、ジョーンズ行列の形式を用いる。一般的には、この行列は、光学伝播モードに対する構成素子の影響を、光学モードの伝播方向に垂直な平面に関連付けられる2×2行列によって表現するものであるが、本明細書では、既に述べたように共振器内に2つの伝播光路が可能である場合に適応する一般化されたジョーンズ形式を用いる。この光路を、上部又は「頂部」光路、及び下部又は「底部」光路と呼称する。この場合、表現行列は4×4行列である。軸が光学ビームの伝播方向に垂直な面内にある正規直交化基準(x、y)において、光学モードの電場は4成分(T、T、B、B)のベクトルによって表現される。ここで、(T、T)は、図4bに示すように、頂部光路に沿う電場のジョーンズベクトルであり、(B、B)は底部光路に沿う電場のジョーンズベクトルである。図4bにおいては、光路が、光学軸に対して45°にカットされた単軸の複屈折波長板8の内部に表現されている。
共振器内の全構成素子の最終的な影響を求めるために、これらの構成素子を表現する種々の行列の積の固有状態だけを決定する。この積は必ずしも可換ではないので、行列はビームの伝播方向に従って変わる場合がある。
この形式において、光学軸に対して45°にカットされた複屈折の結晶からなる第1の偏光分離光学素子は、それが適切な伝播方向に交差される場合に、2つの入力端と2つの出力端つまり「頂部」及び「底部」を有する構成素子と見なされるが、その構成素子は、
・常光線軸に平行にそれ自体の上を伝播するB及びTを送り出し、
・異常光線軸に平行に伝播するB及びTをそれぞれT及び0上に送り出すことによって、B及びTを「持ち上げる」作用をする。
成分Tは、結晶の側面に遮断されるか、あるいは共振器の伝播軸に方向が一致していないので、発振することができない。
この構成素子を逆の方向に交差する場合は、結晶は固有的にB及びTを「引き下げ」、B及びTは不変のままである。
共振器の全複屈折性は、2つの偏光状態の間にφ/2の位相差を導入する。従って、第1又は第2の偏光分離光学素子のジョーンズ行列は、光学ビームが持ち上げられる伝播方向の場合には、下記数1式で表される。
Figure 2007218864
逆の伝播方向に交差する場合は、第1(又は第2)の偏光分離光学素子は光学ビームを引き下げるので、行列は、下記数2式で表される。
Figure 2007218864
空間フィルタデバイスの行列は、下記数3式である。
Figure 2007218864
横方向の効果を全く含まない素子で、その2×2ジョーンズ行列が行列mである素子の4×4形式の行列は、下記数4式である。
Figure 2007218864
従って、この装置の中にある他の素子の行列は以下のように記述することができる。
直接センスと呼称される回転方向において交差される相反回転子に対しては、行列R+(α)は、下記数5式となる。
Figure 2007218864
逆センス(opposite sense)と呼称される逆の回転方向において交差される相反回転子に対しては、行列R−(α)は、下記数6式となる。
Figure 2007218864
非相反回転子については、行列は、伝播方向に無関係であって、下記数7式である。
Figure 2007218864
45°回転された四分の一波長板については、行列は、下記数8式である。
Figure 2007218864
又、135°回転された四分の一波長板については、行列は、下記数9式である。
Figure 2007218864
直接センス及び逆方向に伝播するモードに対して、共振器中にある全光学デバイスを表現する行列J及びJは、簡単な乗算によって、下記数10式として得ることができる。
Figure 2007218864
行列J及びJを知ることによって、共振器内を伝播するであろう光学モードの固有状態を決定することができる。それぞれの伝播方向において、軸x及びy方向の2つの異なる固有状態が存在するので、合計次の4つの固有状態、すなわち、
・(+、x):第1の伝播方向に伝播する水平直線偏光の固有状態、
・(+、y):第1の伝播方向に伝播する垂直直線偏光の固有状態、
・(−、x):逆の伝播方向に伝播する水平直線偏光の固有状態、
・(−、y):逆の伝播方向に伝播する垂直直線偏光の固有状態、
が存在することになる。
固有状態(+、x)及び(+、y)の係数はcos(α+β)に等しく、固有状態(−、x)及び(−、y)の係数はcos(α−β)に等しい。係数が伝播方向によって異なるので、2つの係数値α又はβのいずれかを変えることによって、対向伝播モードを一定の強度差に従属化制御することが可能になる。
もしレーザジャイロが回転しなければ、長さLのリング形状のレーザ共振器内の光学モードの周波数νは、このモードが共振器を1周した後毎に受ける位相差φに一般的に関連付けられ、下記数11式で表現される。但し、式中のnは整数である。
Figure 2007218864
従って、所与のn値に対して、各固有モードの周波数は、下記数12式となる。
Figure 2007218864
共振器が回転する場合は、固有周波数は、サニャック効果によって±Ω/2の周波数だけずれることになる。符合はモードの伝播方向による。この場合のモードの周波数は、下記数13式である。
Figure 2007218864
厳密に言えば、光学モードの周波数をきわめて正確に決定するべきであるならば、複屈折による共振器長さの変化及びサニャック効果を考慮しなければならないが、この効果は無視可能で、測定精度には影響を及ぼさないことを示すことができる。
モード間の結合と不感域の出現を避けるために、十分な周波数の分離が保証されなければならない。このため、項(c/2πL)γと項(c/2πL)(φ−2γ)との両者が、レーザジャイロの所定の作動範囲によって決定される最小設定値よりも大きくなければならない。この条件を確実に実現するには、ただ、相反回転子及び非相反回転子の光学的並びに幾何学的パラメータを適切に決めればよい。
一方でビーム(+、x)と(−、x)とのビート、他方で(+、y)と(−、y)とのビートは、下記数14式のような2つのビート周波数ν及びνを発生させる。
Figure 2007218864
これらの2つの周波数の差Δνは、
Δν= ν − ν = 2Ω
である。
従って、Δνを測定することによって、回転角速度を定めるビート周波数Ωを得ることができる。この値は、共振器のバイアス値及びバイアス値におけるいかなる変動とも無関係である。
周波数の差Δνを測定するための種々の操作は測定計器によって行う。この計器は次の各装置を含んでいる。すなわち、
・一方で第1の伝播モード(+、x)を第3の伝播モード(−、x)と干渉させ、他方で第2の伝播モード(+、y)を第4の伝播モード(−、y)と干渉させる光学装置、但し、一方で(+、x)を(−、y)と干渉させ、他方で(+、y)を(−、x)と干渉させる変形態様も可能とする、
・一方で第1の伝播モードと第3の伝播モードとの間の第1の光学周波数差νを測定し、他方で第2の伝播モードと第4の伝播モードとの間の第2の光学周波数差νを測定する光電子工学装置、及び、
・第1の周波数差νと第2の周波数差νとの間の周波数差Δνを算定する電子装置、
である。
共振器の中に光学標準タイプのファブリ−ペロ装置を導入することが有用である場合もある。当然、それは、異なるモードの周波数が過度に強く結合することを避けるために、精細でありすぎてはならない。ガラスによる反射の伝播を避けるために、標準品の側面をビームの伝播方向に対して傾けることが有利になる場合もある。
本発明によるいくつかのレーザジャイロを組み合わせて、3つの異なる軸に従って角速度測定システムを作り上げることももちろん可能である。このようなシステムは、例えば1つの共通の機械構造に搭載された3つのレーザジャイロを含む。
本発明によるレーザジャイロの全体概略図である。 相反光学回転子の作動原理を示す図である。 非相反光学回転子の作動原理を示す図である。 偏光分離複屈折遅延板の作動原理を示す図と、この遅延板の等価ダイアグラムを一般化されたジョーンズ形式で示す図である。 第1、第2及び第3の光学組立品の直接伝播方向における作動を示す図である。 変形実施形態における第1、第2及び第3の光学組立品の直接伝播方向における作動を示す図である。 第1及び第2の伝播モードに対する第4の光学組立品の作動を示す図である。
符号の説明
1 リング形状の光学共振器、共振器
2 半導体増幅器手段
3 従属化制御装置
4 相反光学回転子
41 相反光学回転子
5 第1の非相反光学回転子
51 第3の非相反光学回転子
6 測定計器
7 第1の空間フィルタデバイス
8 第1の偏光分離光学素子
9 第2の偏光分離光学素子
10 第2の空間フィルタデバイス
11 部分反射鏡
12 第1の四分の一波長板
13 第2の非相反光学回転子
14 第2の四分の一波長板
101 第1の伝播モード
102 第2の伝播モード

Claims (8)

  1. 設定された回転軸に関する角速度又は相対角度位置を測定するレーザジャイロであって、少なくとも、
    ・リング形状の光学共振器(1)と、
    ・半導体増幅器手段(2)と、
    ・少なくとも、第1の非相反光学回転子(5)及び光学素子からなる第1の光学組立品であって、前記光学素子は相反光学回転子(4)又は複屈折素子のいずれかであり、さらにその効果の少なくとも1つ又はその複屈折性が調節可能である第1の光学組立品を含む従属化制御装置(3)と、
    ・測定計器(6)と、
    を備えたレーザジャイロにおいて、
    前記共振器(1)が、又、
    ・第1の空間フィルタデバイス(7)及び第1の偏光分離光学素子(8)からなる第2の光学組立品と、
    ・第2の空間フィルタデバイス(10)及び第2の偏光分離光学素子(9)からなる第3の光学組立品と(前記第2の光学組立品及び前記第3の光学組立品は第1の光学組立品のいずれかの側に互いに対称的に配置されている)、
    ・連続的に、第1の四分の一波長板(12)、第2の非相反光学回転子(13)、及び、前記第1の四分の一波長板の主軸に垂直な主軸を有する第2の四分の一波長板(14)からなる第4の光学組立品と、
    を備えて、
    第1の直線偏光伝播モードと、その第1の伝播モードに垂直に直線偏光された第2の伝播モードとが前記共振器の中で第1の方向に伝播することができ、かつ又、前記第1のモードに平行に直線偏光された第3の伝播モードと、前記第2のモードに平行に直線偏光された第4の伝播モードとが前記共振器の中で反対方向に伝播することができ、その場合、前記第1の四分の一波長板及び前記第2の四分の一波長板の主軸は、前記4つの伝播モードの直線偏光方向に対して45°傾いており、かつ、前記4つのモードの光学周波数はすべて異なっているようにすることを特徴とするレーザジャイロ。
  2. 前記共振器が、直交偏光状態間の周波数差を導入又は増幅する助けになる複屈折遅延板を含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザジャイロ。
  3. 前記測定計器(6)が、
    ・一方で前記第1の伝播モードを前記第3の伝播モードと干渉させ、他方で前記第2の伝播モードを前記第4の伝播モードと干渉させる光学装置と、
    ・一方で前記第1の伝播モードと前記第3の伝播モードとの間の第1の光学周波数差を測定し、他方で前記第2の伝播モードと前記第4の伝播モードとの間の第2の周波数差を測定する光電子工学装置と、
    ・前記第1の周波数差と前記第2の周波数差との間の周波数差を算定する電子装置と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載のレーザジャイロ。
  4. 前記第1の周波数差及び前記第2の周波数差が約100kHzよりも大きいことを特徴とする請求項3に記載のレーザジャイロ。
  5. 前記第1の偏光分離光学素子(8)及び前記第2の偏光分離光学素子(9)が、平坦な平行側面を有する単軸の複屈折遅延板であって、その光学軸は前記側面の平面に対して約45°傾いていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザジャイロ。
  6. 前記従属化制御装置(3)が、少なくとも、第3の非相反光学回転子(51)と第2の光学素子とからなる第5の光学組立品であって、前記光学素子は相反光学回転子(41)又は複屈折素子のいずれかであり、その効果の少なくとも1つ又はその複屈折性が調節可能で、前記第1の光学組立品とは独立に調節される第5の光学組立品を含んでおり、さらに、前記第1の伝播モード及び前記第3の伝播モードが、前記第1の非相反光学回転子及び前記第1の光学素子を通過し、前記第2の伝播モード及び前記第4の伝播モードが、前記第3の非相反光学回転子及び前記第2の光学素子を通過することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザジャイロ。
  7. 前記共振器(1)が光学標準タイプのファブリ−ペロ装置を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のレーザジャイロ。
  8. 3つの異なる軸に従って角速度又は相対角度位置を測定するシステムにおいて、そのシステムが、異なる方向に向けられ、1つの共通の機械構造に搭載された、請求項1〜7のいずれか1項に記載の3つのレーザジャイロを含むことを特徴とするシステム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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RU2504732C2 (ru) * 2007-12-18 2014-01-20 Таль Твердотельный лазерный гироскоп-мультигенератор с использованием кристаллической среды усиления со срезом на <100>
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