JP2007212320A - 表面状態劣化促進試験方法、並びに、表面状態劣化促進試験装置 - Google Patents

表面状態劣化促進試験方法、並びに、表面状態劣化促進試験装置 Download PDF

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Abstract

【課題】試料の劣化状態を短期間で十分に再現可能な表面状態劣化促進試験方法、並びに、簡単な装置構成で前記表面状態劣化促進試験方法を実施可能な表面状態劣化促進試験装置の提供を目的とする。
【解決手段】試験装置1は、噴霧ノズル10から液体と気体とを混合して形成されたミストを試料配置部2に配置された試料Wに対して直接的に吹き付けることができる。また、試験装置1は、流量調整弁16,17の開度を調整することにより、噴霧ノズル10から噴霧されるミストの量や、ミストに含まれる液体と気体との混合比率を調整することができる。さらに、試験装置1は、加熱手段5によって試料Wを加熱した状態で表面状態劣化促進試験を実施することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、試料の表面状態の劣化を促進させて試験する表面状態劣化促進試験方法と、当該試験方法に好適に使用可能な表面状態劣化促進試験装置の提供を目的とする。
従来より、試料を屋外等に曝露することにより試料表面の劣化状態についての試験が実施されている。このような方法で試料表面の劣化状態を試験する場合は、実際の使用環境とほぼ同様の環境下で試料が劣化した場合と同様の試験結果が得られる反面、試験に年単位の膨大な時間が必要となってしまうという問題がある。
そこで、かかる問題を解決すべく、従来技術として下記特許文献1,2に開示されているような表面状態劣化促進試験方法や表面状態劣化促進試験装置が提供されている。
特開2003−139682号公報 特開2003−322607号公報
上記特許文献1には、コロナ放電によるプラズマ活性雰囲気下に試験対象となる試料を配置することにより試料表面の塗膜の劣化を促進させることが可能な表面状態劣化促進試験方法や表面状態劣化促進試験装置が開示されている。
また、上記特許文献2には、試料が配置される試験環境を減圧状態とすると共に酸素を供給した状態とし、この試験環境下においてリモートプラズマ装置を用いることによって試料表面の塗膜を劣化させることが可能な表面状態劣化促進試験方法や表面状態劣化促進試験装置が開示されている。
上記特許文献1,2等に開示されているような表面状態劣化促進試験方法や表面状態劣化促進試験装置によれば、試料を単に屋外等に曝露して劣化させる場合に比べて試料表面の劣化を促進させ、試験に要する期間を短縮できる。
しかし、上記特許文献1に開示されているような表面状態劣化促進試験方法や表面状態劣化促進試験装置は、プラズマ活性雰囲気下にさらすことによって試料を劣化させるものであるため、試料を屋外等に曝露して劣化させる場合のように実際の使用環境下における試料の劣化状態を十分に再現できないという問題があった。
また、上記特許文献2に開示されているような表面状態劣化促進試験方法や表面状態劣化促進試験装置では、プラズマ発生装置や酸素の供給系統を確保しなければならないため、その分だけ装置が複雑になってしまうという問題があった。
そこで、かかる知見に基づき、本発明は、試料の劣化状態を短期間で十分に再現可能な表面状態劣化促進試験方法と、簡単な装置構成で前記表面状態劣化促進試験方法を実施可能な表面状態劣化促進試験装置の提供を目的とする。
上記した課題を解決すべく提供される請求項1に記載の発明は、試料を劣化させることが可能な液体と試料を劣化させることが可能な気体とを霧状にしたミストを、試料に対して直接的に噴霧することを特徴とする表面状態劣化促進試験方法である。
本発明の表面状態劣化促進試験方法によれば、試料に対して試料を劣化させることが可能な液体や気体を噴霧し、効率よく供給することができる。また、本発明の表面状態劣化促進試験方法では、液体が気体と共にミストとして噴霧されるため、この噴霧圧力の影響で試料表面に吹き付けられた液体が常に入れ替わる。さらに、本発明の表面状態劣化促進試験方法では、気体についても先に試料表面に吹き付けられた気体が後から吹き付けられた気体と順次入れ替わっていく。そのため、本発明の表面状態劣化促進試験方法によって試験を行うと、試料の劣化によって発生する反応生成物が試料表面から順次取り除かれると共に、試料の劣化原因となる液体や気体が連続的に供給されることとなり、試料の劣化を十分促進することができる。
また、本発明の表面状態劣化促進試験方法によれば、実際の使用環境下等において試料の劣化の原因となる液体や気体を用いることにより、実際の使用環境等の任意の雰囲気下における試料の劣化状態を短期間で十分に再現することができる。
請求項2に記載の発明は、試料を加熱した状態とし、当該試料に対して液体と気体とを霧状にしたミストを噴霧することを特徴とする表面状態劣化促進試験方法である。
本発明の表面状態劣化促進試験方法によって試験を行えば、温度による劣化の促進作用も加わり、その分だけ試料の劣化をさらに促進することができる。従って、本発明の表面状態劣化促進試験方法によれば、試料がさらされる温度条件下における試料の劣化状態を忠実に再現することができる。
請求項3に記載の発明は、試料に対して噴霧されるミストを構成する液体と気体との混合比を調整することにより試験条件を変更可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面状態劣化促進試験方法である。
本発明のように液体と気体の混合比を調整すれば、実際の使用環境下等において試料がさらされる雰囲気にあわせて試料がさらされる環境を調整することができる。従って、本発明によれば、任意の試験環境下における試料の劣化状態を十分再現することができる。
請求項4に記載の発明は、試料の温度を検知し、当該温度に応じてミストの噴霧量を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面状態劣化促進試験方法である。
本発明のように試料の温度に応じてミストの噴霧量を調整すれば、試料の劣化状態の再現に最適な状態で表面状態劣化促進試験を実施することができる。
請求項5に記載の発明は、試料を配置するための試料配置部と、試料を劣化させることが可能な液体と試料を劣化させることが可能な気体とを霧状のミストにして試料に対して直接的に噴霧可能な噴霧手段とを有することを特徴とする表面状態劣化促進試験装置である。
本発明の表面状態劣化促進試験装置は、試料の劣化原因となりうる液体や気体を直接的に試料に向けて噴霧し、効率よく供給することができる。また、本発明の表面状態劣化促進試験装置によれば、液体を気体と共にミストとして噴霧できるため、試料表面において先に試料表面に吹き付けられた気体や液体が後から吹き付けられた気体や液体と常に入れ替わる。そのため、本発明の表面状態劣化促進試験装置によって試験を行えば、試料の劣化によって発生する反応生成物を試料表面から順次取り除くと共に、試料の劣化原因となる液体や気体を試料の表面に連続的に供給し、試料の劣化を十分促進することができる。
また、本発明の表面状態劣化促進試験装置によれば、実際の使用環境下において試料の劣化の原因となる液体や気体を用いて試験を行うことにより、試料の劣化状態を短期間で忠実に再現することができる。
上記したように、本発明の表面状態劣化促進試験装置は、試料配置部と噴霧手段とによって構成されており、従来技術の装置に比べて装置構成が極めてシンプルである。
請求項6に記載の発明は、試料を加熱可能な加熱手段を有し、当該加熱手段によって試料を加熱した状態において、噴霧手段から試料に対してミストを噴霧可能であることを特徴とする請求項5に記載の表面状態劣化促進試験装置である。
本発明の表面状態劣化促進試験装置によって試験を行えば、液体や気体による劣化の促進作用に加えて温度による劣化の促進作用も加わり、その分だけ試料の劣化をさらに促進させることができる。従って、本発明の表面状態劣化促進試験装置によれば、試料の表面状態がどのように劣化するのかを迅速かつ的確に再現することができる。
請求項7に記載の発明は、噴霧手段が、ミストを構成する液体および気体の混合比を調整可能であることを特徴とする請求項5又は6に記載の表面状態劣化促進試験装置である。
かかる構成によれば、ミストを構成する液体および気体の混合比を調整することにより、実際の使用環境等の任意の試験環境下における試料の劣化促進試験を実施できる。従って、本発明の表面状態劣化促進試験装置によれば、実際の使用環境等、任意の試験環境下における試料の劣化状態を迅速かつ的確に再現することができる。
請求項8に記載の発明は、試料の温度を検知可能な温度検知手段を有し、当該温度検知手段によって検知される試料の温度に応じて、噴霧手段から噴霧されるミストの量が調整されることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の表面状態劣化促進試験装置である。
かかる構成によれば、試料の劣化状態の再現に最適な状態で表面状態劣化促進試験を実施することができる。
本発明によれば、試料の劣化状態を短期間で十分に再現可能な表面状態劣化促進試験方法、並びに、簡単な装置構成で前記表面状態劣化促進試験方法を実施可能な表面状態劣化促進試験装置の提供を目的とする。
続いて、本発明の一実施形態にかかる表面状態劣化促進試験装置、並びに、表面状態劣化促進試験方法について図面を参照しながら詳細に説明する。図1において、1は本実施形態の表面状態劣化促進試験装置である。表面状態劣化促進試験装置1(以下、単に試験装置1と称す)は、試料配置部2と、噴霧手段3と、加熱手段5と、制御手段6とを有する。
試料配置部2は、表面状態劣化促進試験の試験対象物たる試料Wを配置するために設けられたものである。試料配置部2は、図1に示すように噴霧手段3を構成する噴霧ノズル10の噴霧開口15に対向するように試料Wを配置できる構成とされている。
噴霧手段3は、噴霧ノズル10と、これに対して外部の供給源から試料Wの劣化の原因となりうる液体を供給するための液体供給系統11と、外部の供給源から試料Wの劣化の原因となりうる気体を供給するための気体供給系統12とを備えた構成とされている。さらに具体的には、例えば風雨にさらされることによる試料Wの表面状態の劣化状態を再現したい場合は、液体供給系統11を介して水を供給し、気体供給系統12を介して空気を供給する構成とすることができる。
噴霧ノズル10は、いわゆる2流体ノズルによって構成されている。噴霧ノズル10は、液体供給系統11および気体供給系統12を介して供給された液体と気体とを混合し、これを先端側に設けられた噴霧開口15から霧状のミストにして噴霧することができる。
噴霧ノズル10は、噴霧開口15が試料配置部2に配置された試料Wの表面に対向するように位置決めされて設置されている。換言すれば、図1に示すように、噴霧ノズル10は、噴霧開口15から噴霧されるミストの軌跡に対して試料Wの表面が横切るように配置されている。
また、試験装置1において、試料配置部2と噴霧ノズル10との間に、噴霧開口15から噴霧されたミストの流れを遮るようなものが存在していない。そのため、試験装置1は、噴霧ノズル10からミストを噴霧することにより、このミストを試料Wの表面に直接的に吹き付けることができる。
噴霧ノズル10は、いかなる仕様のものが採用されてもよいが、例えば噴霧開口15から噴霧されるミストの平均粒子径や、粒子径分布、粒子速度、スプレーパターン、噴霧量、噴霧圧力、打力、流量分布等について次のような仕様のものを好適に採用することができる。
ミストの平均粒子径 : 50[μm]以下
噴出直後のミスト粒子の速度 : 200[m/秒]程度
スプレーパターン : 円形
ミストの噴霧量 : 20[ml/分]以下
ミストの流量分布 : スプレーパターンの外周部を除き、略均等
試験装置1は、噴霧ノズル10の仕様等を調整することにより、表面状態劣化促進試験の実施条件を調整することができる。すなわち、試験条件に応じてミストの平均粒子径を調整することにより試料Wの濡れ具合を調整したり、試料Wに応じたスプレーパターンの選択等をすることができる。
液体供給系統11および気体供給系統12の中途には、それぞれ流量調整弁16,17が設けられている。そのため、噴霧手段3は、流量調整弁16,17の開度調整を行うことにより、液体および気体の混合比を調整したり、噴霧開口15から噴霧されるミストの噴霧量を調整することができる。
液体供給系統11は、液体の供給圧力を0.1[MPa]〜0.3[MPa]の範囲で調整して噴霧ノズル10に供給することができる。液体としては、水や濃度5[%]の塩水(ph=6.5〜7.2)等が用いられ、外部の供給源から供給される。
また、気体供給系統12は、気体を供給圧力0.2[MPa]〜0.8[MPa]の範囲で調整して噴霧ノズル10に供給することができる。本実施形態では、気体として空気が供給される。
加熱手段5は、図1に示すように試料配置部2の裏側、すなわち噴霧ノズル10とは反対側に取り付けられている。加熱手段5は、従来公知の電気ヒータによって構成されており、試料配置部2に設置された試料Wを裏面側から加熱可能な構成とされている。加熱手段5には、試料Wを120[℃]〜160[℃]程度に加熱可能なものが採用されている。
制御手段6は、上記した噴霧手段3や加熱手段5の動作を制御することができる。さらに具体的には、制御手段6は、表面状態劣化促進試験の実施条件に合わせて、液体供給系統11や気体供給系統12に設けられた流量調整弁16,17の開度を調整し、噴霧手段3から噴霧されるミストの噴霧圧や、噴霧量、平均粒子径等を調整することができる。
続いて、試験装置1の動作、すなわち本実施形態の表面状態劣化促進試験方法について説明する。試験装置1によって表面状態劣化促進試験を実施する場合は、図1に示すように試料配置部2に試料Wが設置され、試料Wの表面が噴霧ノズル10の噴霧開口15に対向し、露出した状態とされる。また、試料配置部2に配置された試料Wは、加熱手段5によって120[℃]〜160[℃]程度に加熱される。
表面状態劣化促進試験は、上記したように試料Wを設置して加熱した状態において、噴霧ノズル10から噴霧されたミストを直接的に試料Wに吹き付けることにより実施される。この時、表面状態劣化促進試験の試験条件に応じて、流量調整弁16,17の開度調整等により、噴霧ノズル10に対する液体や気体の供給量や供給圧力が調整される。これにより、噴霧ノズル10から噴霧されるミストの噴霧状態(噴霧量、噴霧状態)が調整される。
また、本実施形態では、試料Wに取り付けられた温度センサ20の検知温度に基づいて流量調整弁16,17の開度を調整して噴霧ノズル10から試料Wに向けて噴霧されるミストの噴霧量を調整し、試料Wの温度を調整する。さらに具体的には、試料Wの温度が試験条件に基づいて設定された設定温度よりも高い場合に、噴霧ノズル10から噴霧されるミストの量を増加させる。また逆に、試料Wの温度が設定温度よりも低い場合に、噴霧ノズル10から噴霧されるミストの量を減少させる。これにより、加熱手段5によって温度制御を行うよりも、試料Wの温度が精度良く調整される。すなわち、加熱手段5による温度制御を行うだけは、応答性が十分でなく、試料Wの温度が乱れやすい。しかし、本実施形態のように噴霧ノズル10から噴霧されるミストの量を調整すれば、試料Wの温度を精度良く、スムーズに調整することができる。
上記したように本実施形態の試験装置1では、試料Wの劣化原因となりうる液体や気体を試料Wに向けて直接的に噴霧することができるため、噴霧ノズル10からミストを連続的に噴霧すると、試料Wの表面において先に試料表面に吹き付けられた気体や液体が後から吹き付けられた気体や液体と常に入れ替わっていく。そのため、試験装置1によって表面状態劣化促進試験を実施すると、試料Wの劣化によって発生する反応生成物が順次、試料Wの表面から取り除かれ、ミストが常に試料W自身に直接的に当たることとなる。従って、試験装置1により表面状態劣化促進試験を実施すれば、試料Wの劣化原因となる液体や気体を試料Wの表面に連続的に供給し、試料Wの劣化を十分促進することができる。
また、上記したように、本実施形態の試験装置1では、試料Wの実際の使用環境下において試料の劣化の原因となる液体や気体を試料Wに吹き付けて表面状態劣化促進試験を実施することができる。すなわち、上記した試験装置1および試験方法によれば、風雨にさらされる環境下における試料Wの劣化状態を試験したい場合は、水と空気とを噴霧ノズル10に供給し、これをミスト状にして試料Wに吹き付けることにより、表面状態劣化促進試験を実施することができる。そのため、上記した構成によれば、試料Wの実際の使用環境下における劣化状態を迅速かつ忠実に再現することができる。
上記実施形態では、表面状態劣化促進試験の一形態として水と空気とを噴霧ノズル10に供給してミスト状とし、試料Wに吹き付ける構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに具体的には、噴霧ノズル10に供給される液体としては、例えば塩水やアンモニア水、塩化第二銅水溶液、オゾン水や、JIS−H8502(めっきの耐食性試験方法)に耐食性試験溶液として規定されている中性塩水や酢酸酸性塩水、塩化第二銅塩水等、任意の液体を採用することができる。また、噴霧ノズル10に供給される気体としては、例えば窒素(N2)や酸素(O2)、フッ素(F2)、塩素(Cl2)、アルゴン(Ar)に代表される単ガスや、塩化水素(HCl)や二酸化硫黄(SO2)、硫化水素(H2S)に代表される複合ガス等、任意の気体を採用することができる。
さらに、上記実施形態では、表面状態劣化促進試験の実施中に加熱手段5によって試料Wを加熱することができる構成とされている。そのため、試験装置1によれば、液体や気体による試料Wの劣化促進作用に加えて、温度による劣化促進作用も加わり、試料Wの劣化をより一層促進させることができる。従って、試験装置1によれば、試料Wの表面状態の劣化の様子を迅速かつ的確に再現することができる。
上記実施形態で示した試験装置1は、加熱手段5を備えたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、加熱手段5を備えていない構成としてもよい。かかる構成とした場合は、熱の影響による試料Wの劣化促進効果は期待できないが、従来技術の表面状態劣化促進試験装置や表面状態劣化促進試験方法による場合に比べて十分迅速かつ的確に試料Wの劣化の様子を再現することができる。
上記したように、試験装置1は、試料配置部2や噴霧手段3、加熱装置5、制御手段6によって構成されたものであり、装置構成が極めてシンプルである。そのため、試験装置1は、従来より供給されている表面状態劣化促進試験装置に比べて小型であり、製造コストも安価である。
上記したように、本実施形態の試験装置1では、噴霧ノズル10に供給する液体や気体の量を調整することにより、試料Wに向けて噴霧されるミストにおける液体と気体との混合比を調整することができる。そのため、試験装置1によって表面状態劣化促進試験を実施すれば、試料Wが実際の使用環境下にさらされる状態にあわせて試験を実施できる。従って、本発明の表面状態劣化促進試験装置によれば、試料の劣化状態を迅速かつ的確に再現することができる。
上記したように、本実施形態の試験装置1では、試料Wの温度を温度センサ20で検知し、この検知温度に応じて、噴霧ノズル10から噴霧されるミストの量が調整される。そのため、本実施形態の試験装置1では、加熱手段5により温度制御を行うよりも試料Wの温度を精度良く調整することができる。すなわち、加熱手段5による温度制御を行うだけは応答性が十分でなく、試料Wの温度が乱れやすい傾向にある。しかし、本実施形態のように噴霧ノズル10から噴霧されるミストの量を調整することにより、前記したような応答性の問題を解消でき、試料Wの温度を精度良く、スムーズに調整することができる。
上記実施形態では、噴霧手段3として、いわゆる2流体ノズルによって構成される噴霧ノズル10を採用し、液体と気体とを混合してミスト状にしたものを試料Wに向けて吹き付ける構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。さらに具体的には、試験装置1は、例えば噴霧ノズル10としていわゆる衝突形微霧発生ノズルと称されるようなものを採用した構成としてもよい。また、試験装置1は、噴霧手段3として試料Wに液体を吹き付けるためのノズルと、気体を吹き付けるためのノズルとを別々に用意し、両者から試料Wに向けて液体および気体を吹き付ける構成としてもよい。
続いて、上記した試験装置1によって表面状態劣化促進試験を実施した場合の試験結果について、大気中に下記の試料Wを曝露して表面状態劣化試験を実施した場合の試験結果と比較して説明する。
本実施例では、試料Wとして、以下の条件で基材の表面に塗料を塗布して塗膜を形成したものを用意した。
基材 : 電気亜鉛メッキ鋼板
基材の板厚 : 1.0mm
塗料 : メラミン樹脂系
塗膜 : 35μm以上
処理 : 焼き付け乾燥仕上げ
本実施例では、上記した試験装置1を用い、板厚が1.0mmの銅板に電気亜鉛メッキを施した試料Wについて以下の条件の下で表面状態劣化促進試験を実施した。
液体 : 水
液体の供給圧力 : 0.1[MPa](一定)
気体 : 空気
気体の供給圧力 : 0.5〜0.6[MPa]で制御
ミスト噴霧時間 : 10[時間]
試料Wの加熱温度 : 150[℃]
上記した試験条件の下、表面状態劣化促進試験を実施したところ、初期状態において図2(a)に示すような表面状態であった試料Wが、僅か10時間の間に図2(b)のような状態まで劣化した。
一方、上記した表面状態劣化促進試験を実施したのと同一の試料Wについて、大気中に曝露して表面状態劣化試験を実施したところ、初期状態において図3(a)に示すような表面状態であった試料Wが、11年間もの期間を経てようやく図3(b)のような状態まで劣化した。
上記した比較試験の結果、上記実施形態の試験装置1によれば、大気中に長年にわたって曝露することにより得られる試験結果と同様の試験結果が、短時間のうちに得られることが判明した。
本発明の一実施形態にかかる表面状態劣化促進試験装置の構成を示す概念図である。 (a)は、図1に示す表面状態劣化促進試験装置による表面状態劣化促進試験の実施前における試料の表面状態を示す顕微鏡写真(倍率:100倍)であり、(b)は表面状態劣化促進試験の実施後における試料の表面状態を示す顕微鏡写真(倍率:100倍)である。 (a)は、試料を大気中に曝露することによる表面状態劣化試験の実施前における試料の表面状態を示す実体写真であり、(b)は表面状態劣化試験の実施後における試料の表面状態を示す実体写真である。
符号の説明
1 表面状態劣化促進試験装置(試験装置)
2 試料配置部
3 噴霧手段
5 加熱手段
10 噴霧ノズル
15 噴霧開口
20 温度センサ
W 試料

Claims (8)

  1. 試料を劣化させることが可能な液体と試料を劣化させることが可能な気体とを霧状にしたミストを、試料に対して直接的に噴霧することを特徴とする表面状態劣化促進試験方法。
  2. 試料を加熱した状態とし、当該試料に対して液体と気体とを霧状にしたミストを噴霧することを特徴とする表面状態劣化促進試験方法。
  3. 試料に対して噴霧されるミストを構成する液体と気体との混合比を調整することにより試験条件を変更可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面状態劣化促進試験方法。
  4. 試料の温度を検知し、当該温度に応じてミストの噴霧量を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面状態劣化促進試験方法。
  5. 試料を配置するための試料配置部と、
    試料を劣化させることが可能な液体と試料を劣化させることが可能な気体とを霧状のミストにして試料に対して直接的に噴霧可能な噴霧手段とを有することを特徴とする表面状態劣化促進試験装置。
  6. 試料を加熱可能な加熱手段を有し、
    当該加熱手段によって試料を加熱した状態において、噴霧手段から試料に対してミストを噴霧可能であることを特徴とする請求項5に記載の表面状態劣化促進試験装置。
  7. 噴霧手段が、ミストを構成する液体および気体の混合比を調整可能であることを特徴とする請求項5又は6に記載の表面状態劣化促進試験装置。
  8. 試料の温度を検知可能な温度検知手段を有し、
    当該温度検知手段によって検知される試料の温度に応じて、噴霧手段から噴霧されるミストの量が調整されることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の表面状態劣化促進試験装置。
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