JP2007210306A - 同時二軸延伸機及び光学フィルムの製造方法 - Google Patents

同時二軸延伸機及び光学フィルムの製造方法 Download PDF

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敬一 川田
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Abstract

【課題】製作が容易であり、厚さのみならず配向においても均質な二軸延伸フィルムを製造できる同時二軸延伸機、並びに厚さのみならず配向においても均質な二軸延伸光学フィルムを低コストで製造することができる光学フィルムの製造方法を提供する。
【解決手段】複数のリンクプレートをジグザグに連結してなるリンク装置、及び前記リンクプレートのそれぞれの一端に設けられる、熱可塑性樹脂フィルムを把持するための複数の把持子を備えるパンタグラフ方式同時二軸延伸機であって:前記複数の把持子が、前記リンク装置収縮時のリンクピッチが10〜40mmの間隔で位置し;各把持子の把持面積が、75〜710mm2であり;前記二軸延伸の延伸倍率が縦方向及び横方向それぞれ1.1〜2倍であることを特徴とする同時二軸延伸機;並びにそれを用いて、熱可塑性樹脂フィルムを二軸延伸することを特徴とする、光学フィルムの製造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、熱可塑性樹脂フィルムを延伸するための同時二軸延伸機に関する。
熱可塑性樹脂等の樹脂フィルムを二軸延伸し、シート状物を製造する方式としては、逐次二軸延伸及び同時二軸延伸が知られている。同時二軸延伸は、逐次二軸延伸より生産性が高い方式として採用されている。同時二軸延伸機としては、リニアモーター方式、パンタグラフ方式及びモーター・チェーン駆動方式等の方式のものが知られている。この中でも、パンタグラフ方式の延伸機は、構造が簡易で且つ延伸機を含む製造ライン全体の立ち上げが迅速に行える等の利点がある。
パンタグラフ方式の同時二軸延伸機は、例えば、特許文献1(特公平4−62530号公報)に開示されるように、複数のリンクプレートをジグザグに連結したエンドレスのリンク装置、リンクプレートの一端に設けられた把持子、及びリンク装置をガイドするガイドレールを備える。当該延伸機において、ダイス等から連続的に供給される、延伸前の樹脂フィルムは、把持子によりその両端を把持される。延伸前の樹脂フィルムを把持子により把持したリンク装置は、ガイドレールにより、収縮していたジグザグが伸展し且つ樹脂フィルムを横方向(樹脂フィルムの面上における、樹脂フィルムが進行する方向と直角の方向)に延伸するようにガイドされる。即ち、把持子は、樹脂フィルムの進行方向に対して斜めに進行し、それにより、延伸前樹脂フィルムは横方向及び縦方向(樹脂フィルムが進行する方向)の両方に同時に延伸され、樹脂フィルムの同時二軸延伸が達成される。
従来、同時二軸延伸は、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等からなる、日用品等の雑貨用のフィルムを製造するために広く用いられていた。このようなフィルムを製造する際には、例えば、縦横それぞれ7倍以上の高い延伸倍率でフィルムの延伸が行われていた。
近年需要が増している、光学的な用途に用いる二軸延伸フィルムの製造においても、このような同時二軸延伸を適用すれば、高性能な光学フィルムを効率的に生産できることが期待される。
また、従来の逐次二軸延伸により光学フィルムを製造した場合、一方向に延伸してから他方向に延伸するまでの間に樹脂が一旦冷却され、熱緩和が起き、得られる二軸延伸フィルムの均一性が阻害されることがあったが、同時二軸延伸によれば、そのような樹脂が一旦冷却される不都合を回避できることが期待される。
しかしながら、同時二軸延伸により光学フィルムの生産をするに当たっては、下記のような問題点がある。
光学フィルムを製造する場合、精度の高い均一な延伸を、縦横それぞれ2倍程度以下の低い延伸倍率で行うことが求められるが、同時二軸延伸において、このような低い延伸倍率で延伸を行うと、把持子の近傍と遠方とで延伸倍率のムラが大きくなりやすい。そのため、同時二軸延伸で得られたフィルムを光学フィルムとして用いるには、フィルムの厚さ及び配向の均一さが不十分であった。
特公平4−62530号公報
本発明の目的は、製作が容易であり、厚さのみならず配向においても均質な二軸延伸フィルムを製造できる、同時二軸延伸機を提供することにある。
本発明の別の目的は、厚さのみならず配向においても均質な二軸延伸光学フィルムを低コストで製造することができる、光学フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明によれば、下記のものが提供される:
〔1〕 複数のリンクプレートをジグザグに連結してなるリンク装置、及び前記リンクプレートのそれぞれの一端に設けられる、熱可塑性樹脂フィルムを把持して延伸するための複数の把持子を備えるパンタグラフ方式同時二軸延伸機であって:前記複数の把持子が、前記リンク装置の収縮時のリンクピッチが10〜60mmの間隔で位置し;各把持子が熱可塑性樹脂フィルムと接触する接触面の面積が、75〜1000mm2であり;前記熱可塑性樹脂フィルムの延伸倍率が縦方向及び横方向それぞれ1.1〜2倍であることを特徴とする同時二軸延伸機。
〔2〕 前記把持子が、前記熱可塑性樹脂フィルムと接触する接触面が、円形、楕円形、又は近似楕円形状である、〔1〕記載の同時二軸延伸機。
〔3〕 〔1〕又は〔2〕記載の同時二軸延伸機を用いて、熱可塑性樹脂フィルムを二軸延伸することを特徴とする、延伸光学フィルムの製造方法。
本発明の同時二軸延伸機においては、把持子のリンクピッチ及び把持面積が上記特定の値であることにより、リンクピッチの粗さに基づく延伸ムラ及び把持子間の距離の短さに基づく延伸ムラの両方を低減でき、厚さ及び配向のいずれも均質で高品質な、二軸延伸光学フィルムを製造することができる。
本発明の延伸光学フィルムの製造方法では、上記同時二軸延伸機を用いて二軸延伸を行うため、厚さのみならず配向においても均質な二軸延伸光学フィルムを低コストで製造することができる。
本発明の同時二軸延伸機は、複数のリンクプレートをジグザグに連結してなるリンク装置、及び前記リンクプレートのそれぞれの一端に設けられる、延伸材料を把持するための複数の把持子を備える、パンタグラフ方式の同時二軸延伸機である。当該パンタグラフ方式を取ることにより、適切な範囲のリンクピッチ及び延伸倍率を有する延伸機とすることができる。ここで、「リンク装置」とは、延伸機においてフィルムの両縁部を把持した把持子を、フィルムを延伸せしめるよう誘導する一対の装置をいう。またここで、「リンクプレート」とは、前記リンク装置を構成する、通常概略板状の部材をいい、具体的には、後に詳細に説明する図4における符号102a〜102dで示される部材、及び図5における符号302a〜302dで示される形状の部材とすることができる。リンクプレートは、通常概略板状の形状の部材の組み合わせからなるため、リンク「プレート」と称されるが、同様の機能を有するものであれば板状の形状のものに限定されず、棒状などの任意の形状とすることができる。また、ここでいうリンクプレートの「端部」とは、通常は、ジグザグを構成する全てのリンクプレートの端部ではなく、図4におけるリンクプレート102a、又は図5におけるリンクプレート302a及び302cのように、リンク装置を構成する全てのリンクプレートのうちフィルムに最も近い位置に端部を有するリンクプレートの端部とすることができる。
本発明の同時二軸延伸機においては、前記複数の把持子が、前記リンク装置収縮時のリンクピッチ10〜60mm、好ましくは25〜45mmの間隔で位置する。ここでリンクピッチとは、隣接する把持子のそれぞれの把持部の中心間の距離をいい、リンク装置収縮時のリンクピッチとは、リンク装置が最も縮まった際のリンクピッチをいう。また、本発明の同時二軸延伸機においては、把持子の把持面積が、75〜1000mm2であり、好ましくは155〜495mm2である。ここで把持子の把持面積とは、把持子が熱可塑性樹脂フィルムを把持する際に、熱可塑性樹脂フィルムの一面と接触する面積をいう。把持子のリンクピッチ及び把持面積を上記特定の範囲内とすることにより、短いリンクピッチにおいて、把持力を十分に確保しながら、把持子間の距離も保つことができるので、厚さ及び配向のいずれも均質な延伸を行うことができる。把持子の把持面積が上記特定の範囲を下回ると、熱可塑性樹脂フィルムの延伸時にフィルムが、破断してしまうおそれがある。把持子のリンクピッチ及び把持面積が上記特定の範囲を上回ると、延伸光学フィルムの厚さ及び配向が均質にならないおそれがある。
前記把持子が前記熱可塑性樹脂フィルムと接触する接触面の形状は、特に限定されないが、円形、楕円形、及び近似楕円形の形状をとることができ、円形の形状が好ましい。前記近似楕円形とは、例えば長方形の角を丸めた形状など、多角形の角を丸めた形状をいう。接触面が円形の場合、具体的には例えば直径10〜30mm程度、好ましくは14〜25mmの円形とすることができる。
本発明の同時二軸延伸機においては、延伸倍率は、所望の条件に応じて適宜調節することができるが、縦方向及び横方向それぞれ、1.1〜2倍、好ましくは1.2〜1.5である。縦横の延伸倍率は、同一である必要はなく、所望の特性に応じて適宜異なる倍率とすることができる。この範囲の延伸倍率とすることにより、光学フィルムの製造に特に適した延伸機とすることができ、延伸光学フィルムの厚さ及び配向を均一にすることができる。
本発明の同時二軸延伸機において、延伸は、上に述べたパンタグラフ方式のリンク装置の伸展により達成されるが、それに加えて、横方向の延伸は、リンク装置の進行及び伸展を案内する手段(ガイドレール等;以下、この手段を単にガイドレールという。)によっても達成される。即ち、リンク装置が伸展するのに伴い、リンク装置の軌道が横方向にずれるよう、ガイドレールの軌道を設けることにより、リンク装置の伸展による横方向の延伸の幅を調節することができる。そして、ガイドレールを、ガイドレールの軌道を横方向に調節可能な状態で支持する手段をさらに設けることにより、横方向の延伸幅を調節し、所望の延伸倍率での延伸を達成することができる。当該支持手段としては、後により具体的に説明する駆動軸、及び必要に応じて駆動軸に付随する保持部などの構成を挙げることができる。駆動軸は、横方向左端及び右端のガイドレールの位置を独立に調節しうる複数の駆動軸であることが好ましい。このようにガイドレールの軌道を調節可能とすることにより、延伸光学フィルムの配向を、より精密に制御することができる。
本発明の同時二軸延伸機により延伸される熱可塑性樹脂フィルムは、通常平板状の形状で、その長さ方向に連続的に供給される。熱可塑性樹脂フィルムの幅は、特に限定されないが、450〜2000mm、好ましくは1000〜1500mmとすることができる。また、熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、特に限定されないが、40〜400mm、好ましくは60〜300mmとすることができる。
本発明の延伸光学フィルムの製造方法では、上記本発明の同時二軸延伸機を用いて、熱可塑性樹脂フィルムを二軸延伸する。特に、従来逐次二軸延伸でも二軸延伸することが困難であった、熱緩和性の高い熱可塑性樹脂も良好に二軸延伸することが可能である。前記熱可塑性樹脂としては、脂環式構造含有重合体を好ましく挙げることができる。また、前記熱可塑性樹脂は、紫外線吸収剤等の任意成分を含むことができる。本発明の光学フィルムの製造方法では、前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度をTgとすると、Tg−5(℃)〜Tg+15(℃)の温度下で、前記二軸延伸を行うことが好ましい。
本発明の延伸光学フィルムの製造方法においては、熱可塑性樹脂フィルムの延伸を行う領域の温度のムラを±0.5℃以内に制御することが好ましい。そのような温度制御を行うことにより、延伸光学フィルムの配向を均一なものとすることができる。当該温度制御を達成する同時二軸延伸機の好ましい構成としては、延伸を行う領域を囲むオーブンを備えることが挙げられる。さらに、当該オーブンは、千鳥配置されたヒーター、各ヒーターに接続されたファン、ファンからの温風をオーブンの上下に振り分けるダクト、並びにダクトからの温風をオーブン内のフィルムへ広範囲に吹き付けるノズルを備えることにより、さらに良好に温度制御を達成することができる。またさらに、オーブン内のフィルム近傍の温度を検出するセンサー、並びにセンサーにより検出されたデータを元にヒーター及びファンの動作を手動又は自動で制御する制御装置などをさらに備えることができる。また、センサー及び制御装置からの指示を元にファンからの温風の上下ダクトへの振り分けを手動又は自動で制御する弁等も、必要に応じてさらに備えることができる。
さらに、オーブンの加熱手段は、前記ノズルからオーブン内のフィルムへ吹き出される空気中の、埃等の異物を除くための、HEPAフィルター等のフィルターを備えることができる。それにより、より高品質な光学フィルムを製造することができる。
本発明の延伸光学フィルムの製造方法においては、オーブン内のフィルムの縦方向への移動速度を、高精度に制御することが好ましい。具体的には、リンク装置を駆動するスプロケットを回転させる駆動装置が、3万分の1の回転精度を有する駆動装置であることが好ましい。このような制御を行うことにより、より均一な配向を有するフィルムを製造することができる。
次に、以下において、本発明の同時二軸延伸機及び光学フィルムの製造方法を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の同時二軸延伸機の一例における、フィルムの延伸に係る主要部の上面概略図である。図1において、延伸される熱可塑性樹脂フィルムは、矢印B1で示される幅を持つ板状に加工された原反の状態で送り出し装置(図示せず)より供給され、矢印A5の方向に沿って、延伸を実行する部分に導入される。樹脂105は、ガイドレール104により誘導されスプロケット106a及び106bにより駆動されるリンク装置(図1において図示せず;後述)により導かれ、縦方向(延伸される熱可塑性樹脂フィルムの進行方向、矢印A5で示される)に延伸されると同時に横方向にも延伸され、矢印B2で示される幅を有する延伸光学フィルム105として送り出される。ガイドレール104は、保持部130により支持されており、保持部130は駆動軸120によりその位置が調節可能であるため、駆動軸120をオーブン191の外部から操作することにより、ガイドレール104の幅方向の位置を調節することが可能となっている。
延伸を実行する部分は、好ましくはオーブン191のような筐体で囲み、延伸に適した一定温度に保たれる。オーブン191内の空気は、ヒーター255及びファン254により、熱可塑性樹脂フィルムの延伸に適した温度とするよう加熱することができる。図示されるように、ヒーター255及びファン254を縦方向に沿って千鳥配置することにより、より均一な加熱が達成される。
図2に、係る加熱を行う手段のより具体的な例を模式的に示す。図2は、図1の装置の、フィルム幅方向に平行な鉛直面に沿った部分断面図である。ヒーター255によって加熱した空気は、ファン254より、上ノズル行きダクト252a及び下ノズル行きダクト252bへ送られ、上ノズル250a及び下ノズル250bそれぞれの開口251a及び251bより噴出され、フィルムを均一な一定温度に保つ。噴出された空気は吸入ダクト256を通してヒーター255に戻される。このような加熱手段を、図1に示す通り千鳥配置することにより、均一な、好ましくはオーブン内における温度ムラが±0.5℃以内となる加熱を達成することができる。
図3は、本発明の同時二軸延伸機の一例における、リンク装置による延伸の機構を概略的に示す平面図であり、図4は、図3に示すリンク装置101の一単位107を説明する縦断面図である。
図3及び図4において、リンク装置101は、ジグザグ状に連結された複数のリンクプレート102a〜102dから主に構成される。リンク装置101は、通常複数のリンクプレートを輪状に連結させ無端リンク装置とするが、図3においてはその一部を省略して図示している。また、リンク装置101は通常、縦方向(延伸される熱可塑性樹脂フィルムの進行方向、矢印A5で示される)の両端に一対設けられるが、図3においてはその一端側を省略して図示している。リンク装置101は、軸受けローラー103a及び103bがガイドレール104a〜104cにより形成される溝内を通り、スプロケット106a及び106bにより駆動されることにより、矢印A1に示される方向に回転する。
リンクプレート102aの端部には把持子108が設けられる。図4に示した例では、把持子108はバネ109により付勢され把持部110が閉じられているが、把持子頂部111が図3の点線D1で示される領域に入る前に矢印A3方向に押され、領域D1に入った後に戻されるように延伸機を構成する(図示せず)ことにより、領域D1において樹脂105を把持することができる。また、ガイドレール104の幅の増減により、リンク装置101は領域D1で完全に収縮した状態となり、収縮時のリンクピッチは図3においてP1で示す長さとなる。
リンク装置101はその後伸展しながらオーブン内のフィルムの進行方向A5に対し末広がりに進行し、領域D2において伸展した状態となり、リンクピッチはP2で示す長さとなる。この末広がりの進行により、熱可塑性樹脂フィルムは横方向に、(B2/B1)倍の延伸倍率で延伸され、且つ縦方向には(P2/P1)倍の延伸倍率で延伸される。(B2/B1)の値及び(P2/P1)の値はいずれも上記の通り1.1倍〜2倍に調整され、この倍率は固定又は可変とすることができる。リンクプレート102が領域D2を出る前に把持子頂部111が再び矢印A3方向に押されるよう構成することにより、把持子108は延伸光学フィルム105を離し、その後リンクプレート102は領域D1に向かって戻される。
図5は、リンク装置の一部のより具体的な構造及びその収縮と伸展の例を示す平面図である。図5に示す例において、リンク装置の一単位は、(a)外側(オーブン内のフィルム305と反対側)の軸受けローラー303a及び内側(オーブン内のフィルム305に近い側)の軸受けローラー303bの両方の上に支点を持ち、さらに内側に延長し、その内側端に把持子308を有するリンクプレート302a、(b)リンクプレート302aと軸受けローラー303b上において共通する支点を有し、別の軸受けローラー303a上のもう一点の支点に延長するリンクプレート302b、(c)リンクプレート302bの支点間の部分に支点を有し、そこから内側に延長し、内側端に把持子308を有するリンクプレート302c、及び(d)リンクプレート302cの内側端及び外側端との間に支点を有し、そこから外側に延長し、隣接する単位のリンクプレート302a上に支点を有するリンクプレート302d、から主に構成される。
図5に示すリンク装置においては、ガイドローラの溝の間隔W1がW2に縮まることにより、リンクピッチを収縮状態から伸展状態へと変化させることができる。図5に示す装置においては、収縮時リンクピッチP1及び伸展時リンクピッチP2は、それぞれ軸受けローラーの軸間距離2xP1及び2xP2の半分となるため、軸受けローラーの通常の大きさに比べて短い、本発明の延伸機の所望の短い収縮時リンクピッチを得ることができる。
本発明の同時二軸延伸機においては、把持子の収縮時リンクピッチ及び把持子の把持面積が上記特定の値とされるため、例えば図5に示す場合においてリンクピッチ(P1,P2)が短く、且つ把持子間の距離(P3,P4)がある程度長い距離に保たれ、且つ十分な把持力が得られ、その結果、厚さのみならず配向においても均質な二軸延伸光学フィルムを製造することができる。
ガイドレール104を支持する保持部103a及び103b、並びに保持部を位置調節可能に支持する駆動軸120は図3には単に概略的に図示されており、その間隔は特に限定されないが、駆動軸間の間隔は200〜5000mmの間隔とすることが好ましい。
駆動軸120及び保持部130のより具体的な実施形態の一例を、図6を参照して説明する。図6に示す実施形態では、駆動軸120は複数対の第一駆動軸120a及び第二の駆動軸(図6において第一駆動軸120aの裏側に位置する;図示せず)から構成されており、この第一駆動軸及び第二駆動軸はねじが切られており、それぞれ保持部130a及び130bの螺合部131a及び131bを貫通し、これらと螺合している。
保持部130a及び130b上には、台部132a及び132bを介し、リンク装置101を案内するためのガイドレール104が設けられる。ガイドレール104が保持部130a及び130bに支持される態様は特に限定されず、ガイドレールは保持部に単に固着されていてもよく、ガイドレールの軌道を滑らかに保つため水平方向に回動可能に支持されていてもよい。
台部132a及び132bを介して、第一駆動軸及び第二駆動軸をそれぞれ独立に回転させることにより、保持部130a及び130bの幅方向(図6において左右方向)の位置を独立に調節することができ、それによりリンク装置101の軌道の幅方向の位置を、左右独立に調節することができる。駆動軸の回転は、手動で行うこともでき、モーター等の適切な装置を設けそれを制御することにより行うこともできる。また、駆動軸をオーブン191の外部まで延長することにより、オーブン外部からガイドレールの位置を調整することが可能となり、オーブン内の温度の均一性を損なわずに延伸倍率等の調整を行うことができる。
図6に示す実施形態においては、第一駆動軸及び第二駆動軸は、オーブン内のフィルムと平行な面上に平行に配置されている。横方向から見た場合、第一駆動軸及び第二駆動軸は水平方向にずれて位置することになるが、保持部130a及び130bの形状及びその上の台部132a及び132bの位置を適宜設計することにより、ガイドレール104を横方向から見た場合同一位置において支持することも可能であり、それにより、熱可塑性樹脂フィルムの延伸方向が、フィルムの幅方向に対して精密に平行および垂直な方向となるような延伸を行うことができる。
駆動軸120及び保持部130の別の実施形態の一例を、図7を参照して説明する。図7に示す実施形態では、第一駆動軸120c及び第二駆動軸120dが、同一垂直面上に上下の関係となるよう配置されている。第一駆動軸120cは、保持部130cの螺合部131cを貫通し螺合し、一方第二駆動軸120dは、保持部130dの螺合部131dを貫通し螺合している。また、第一駆動軸120cは、保持部130cとは接触しないか、非螺合的に貫通する。このような構成により、左右のガイドレール104は横方向から見た場合同一位置に位置する台部において支持され、且つ左右のリンク装置101の軌道を独立に調整することができる。
上記の開示は、説明のため、本発明を、好ましい実施例を参照して記載したものであるが、本発明は、本願請求の範囲及びその均等の全範囲のみにより限定されるものであるため、上記実施の形態において、さらにさまざまな修正及び変更を行うことができる。例えば、図6及び図7において駆動軸120a〜dは、フィルム105の下部を通って延長しているが、これを保持部130a〜dの下部までのみ延長させ、フィルムの真下にまで延長しないよう構成し、フィルム105の下部に空間を設けることにより、オーブン、ブロワー等の加熱手段によりフィルム105をフィルム下部から加熱することを容易にし、フィルムをより効率的に加熱することができる。
以下、実施例に基づき、本発明についてさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
図1〜6に示す構成を有する同時二軸延伸機であって、リンクピッチ35mmで、把持面積154mm2の円形の接触面を有する把持子を備え、オーブン長さが約13mである装置を用い、幅480mmの熱可塑性樹脂フィルムを、148℃において、縦横それぞれ1.5倍の延伸倍率にて、ライン速度0.5m/分で延伸した。延伸されたフィルムの、横方向における中央部600mmより外側の両端をクリップ部として切り捨て、延伸光学フィルムを製造した。
得られた延伸光学フィルムの厚み(μm)を、フィルムの幅方向にわたり卓上型厚さ計(明産株式会社製、RC‐1‐200/1000)により測定した。結果を図8に示す。
また、延伸光学フィルム配向角(フィルムの幅方向とフィルムの遅相軸とのなす角度)(°)を、フィルム幅方向にわたり、オンライン複屈折計測装置(王子計測機器株式会社製、KOBRA-WIST)により測定した。なお、フィルムの幅方向に平行な方向を0°とする。結果を図9に示す。
図8及び図9に示す結果より、クリップ部を除く全幅にわたって厚さのばらつきが±0.2μm以下で、且つフィルムの遅相軸のずれが少ない、高精度の延伸が達成できたことが分かる。
図1は、本発明の同時二軸延伸機の一例における、フィルムの延伸に係る主要部の上面概略図である。 図2は、図1の例におけるフィルムを加熱する手段の具体例を示す縦断面図である。 図3は、本発明の同時二軸延伸機の一例における、リンク装置による延伸の機構を概略的に示す平面図である。 図4は、図3に示すリンク装置の一単位を説明する縦断面図である。 図5は、本発明の同時二軸延伸機の一例におけるリンク装置のより具体的な例を概略的に示す平面図である。 図6は、本発明の同時二軸延伸機の一例におけるガイドレールの支持の一態様を概略的に示す縦断面図である。 図7は、本発明の同時二軸延伸機の一例におけるガイドレールの支持の別の一態様を概略的に示す縦断面図である。 図8は、本願実施例で製造された延伸光学フィルムの幅方向に渡る厚さの測定結果を示すグラフである。 図9は、本願実施例で製造された延伸光学フィルムの遅相軸の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
101 リンク装置
102a〜102d、302a〜302d リンクプレート
103a、103b、303a、303b 軸受けローラー
104a〜104c ガイドレール
105、305 フィルム
106a、106b スプロケット
107 リンク装置の一単位
108、308 把持子
109 バネ
110 把持部
111 把持子頂部
120、120a〜120d 駆動軸
130、130a〜130d 保持部
131a〜131d 螺合部
132a〜132d 台部
191 オーブン
250a 上ノズル
250b 下ノズル
251a 上ノズル開口
251b 下ノズル開口
252a 上ノズル行きダクト
252b 下ノズル行きダクト
253 HEPAフィルター
254 ファン
255 ヒーター
256 吸入ダクト

Claims (3)

  1. 複数のリンクプレートをジグザグに連結してなるリンク装置、及び前記リンクプレートのそれぞれの一端に設けられる、熱可塑性樹脂フィルムを把持して延伸するための複数の把持子を備えるパンタグラフ方式同時二軸延伸機であって:
    前記複数の把持子が、前記リンク装置の収縮時のリンクピッチが10〜60mmの間隔で位置し;
    各把持子が熱可塑性樹脂フィルムと接触する接触面の面積が、75〜1000mm2であり;
    前記熱可塑性樹脂フィルムの延伸倍率が縦方向及び横方向それぞれ1.1〜2倍であることを特徴とする同時二軸延伸機。
  2. 前記把持子が、前記熱可塑性樹脂フィルムと接触する接触面が、円形、楕円形、又は近似楕円形状である、請求項1記載の同時二軸延伸機。
  3. 請求項1又は2記載の同時二軸延伸機を用いて、熱可塑性樹脂フィルムを二軸延伸することを特徴とする、延伸光学フィルムの製造方法。
JP2006035630A 2006-02-13 2006-02-13 同時二軸延伸機及び光学フィルムの製造方法 Pending JP2007210306A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009073109A (ja) * 2007-09-21 2009-04-09 Sumitomo Chemical Co Ltd 延伸フィルムの製造方法
KR101082577B1 (ko) 2011-05-09 2011-11-10 지봉구 수지 확장 장치

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