JP2007210105A - 光書き込み装置及び光書き込み装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ロッドレンズによる光量のばらつきを抑えることが可能な光書き込み装置及び光書き込み装置の製造方法を提供する
【解決手段】基板Sの光出射面である上側面Sa上であって各有機EL素子33に対向する位置に、基板Sの屈折率よりも小さい屈折率を有する材料で構成され、且つ素子形成面Sa側からみて下に凸状を成す光学素子LZaを設けた。従って、有機EL素子33から発せられた光は、光学素子LZaを透過することによってZX平面上に広がって出射されるので、各有機EL素子33の正面(領域Z)に配置されるロッドレンズに比べて周囲に配置されるロッドレンズに対してより大きな光量の光が入射する。
【選択図】図3
【解決手段】基板Sの光出射面である上側面Sa上であって各有機EL素子33に対向する位置に、基板Sの屈折率よりも小さい屈折率を有する材料で構成され、且つ素子形成面Sa側からみて下に凸状を成す光学素子LZaを設けた。従って、有機EL素子33から発せられた光は、光学素子LZaを透過することによってZX平面上に広がって出射されるので、各有機EL素子33の正面(領域Z)に配置されるロッドレンズに比べて周囲に配置されるロッドレンズに対してより大きな光量の光が入射する。
【選択図】図3
Description
本発明は、光書き込み装置及び光書き込み装置の製造方法に関する。
電子写真方式を用いたプリンタには、像担持体としての感光ドラムを露光して同感光ドラム上に潜像を形成する光書き込み装置としての露光ヘッドが使用される。近年、この種の露光ヘッドにおいて、その発光素子として複数個の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、単に、「有機EL素子」という)で構成された発光素子アレイを使用することで、露光ヘッドの小型化や軽量化等を図ること試みられている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
一般にこの様な発光素子アレイを用いて感光ドラム上に光による書き込み(潜像の形成)を行うには、複数の集束性ロッドレンズアレイ(屈折率分布型レンズアレイ)を使用した等倍型の結像系が用いられる。
特開2004−90553号公報
特開2003−94729号公報
この様な、集束性ロッドレンズアレイを使用した光書き込み装置では、発光素子と各ロッドレンズの位置関係に依存した、結像した像の光量のばらつきが問題となる。これは、主には発光素子から出射する光の指向性と個々の0レンズ位置の関係により発生する。一
般的に発光素子から出射する光のうち、発光素子が設けられた面から垂直に近い方向の成分の比率が大きい。このため、発光素子の正面にロッドレンズが配置された場合には比率の大きい垂直に近い方向に出射した光が、結像に寄与できるため、像が明るくなる。これに対し、発光素子の正面にロッドレンズが存在しない(ロッドレンズの境界が配置された)場合には、比率大きい垂直に誓い方向に出射した光が、結像に寄与できない。このため、比率の小さい、垂直方向から角度を持って出射する光のみが結像に寄与することになり、像が暗くなる。
般的に発光素子から出射する光のうち、発光素子が設けられた面から垂直に近い方向の成分の比率が大きい。このため、発光素子の正面にロッドレンズが配置された場合には比率の大きい垂直に近い方向に出射した光が、結像に寄与できるため、像が明るくなる。これに対し、発光素子の正面にロッドレンズが存在しない(ロッドレンズの境界が配置された)場合には、比率大きい垂直に誓い方向に出射した光が、結像に寄与できない。このため、比率の小さい、垂直方向から角度を持って出射する光のみが結像に寄与することになり、像が暗くなる。
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたもので、発光素子とロッドレンズの位置関係に依存した、結像した像の光量のばらつきを抑えることが可能な光書き込み装置及び光書き込み装置の製造方法を提供する。
本発明の光書き込み装置は、基板上に複数の発光素子を配置した発光素子アレイと、前記発光素子対向して配置され、前記発光素子から出射した光を感光体上に結像する複数のロッドレンズとを備えた光書き込み装置において、前記各発光素子と前記ロッドレンズの間に、前記発光素子から発せられた光の基板に垂直な成分を、前記基板に垂直な方向以外に屈折させる光学素子設けた。
これによれば、発光素子から出射した光の成分のうち、基板に垂直な方向に出射する成分を減らし、基板に垂直な方向以外の方向に出射する成分を増加させることができる。このため、各発光素子の正面に配置されたロッドレンズに比べて周囲に配置されたロッドレンズに入射する光の比率が高くなり、発光素子の正面に位置するロッドレンズの結像への寄与が低減される。この結果、発光素子とロッドレンズの位置の関係に依らず常に複数のロッドレンズが平均的に結像に寄与する様になり、各発光素子に対するロッドレンズの配
置位置によって生じる結像した像の光量のばらつきが抑制される。
置位置によって生じる結像した像の光量のばらつきが抑制される。
この光書き込み装置において、前記屈折させる角度は、10度〜45度であってもよい。
これによれば、各発光素子の正面に配置されたロッドレンズよりも、たとえば、その周囲2本分の範囲内にあるロッドレンズに入射する光の光量が多くなる。この結果、各ロッドレンズに入射する光の光量は平均化されるので、各発光素子に対するロッドレンズの配置位置によって生じる光量のばらつきが抑制される。
これによれば、各発光素子の正面に配置されたロッドレンズよりも、たとえば、その周囲2本分の範囲内にあるロッドレンズに入射する光の光量が多くなる。この結果、各ロッドレンズに入射する光の光量は平均化されるので、各発光素子に対するロッドレンズの配置位置によって生じる光量のばらつきが抑制される。
この光書き込み装置において、前記光学素子が、前記発光素子の夫々に対応して設けられ、周囲の材質よりも低い屈折率を有する材料で形成された、発光素子側から見て凸形状を有する光学素子であってもよい。
これによれば、所謂、発光素子を形成した基板の側から光を出射するボトムエミッション型の発光素子アレイにおいて、発光素子から出射した光を効果的に屈折させ、基板面に垂直な方向以外への成分の比率を高めることができる。また、発光素子アレイに発光素子を形成するのと同様な工程を用いて集積することが可能であり、また、装置の複雑化を招く事無く適用することができる。
この光書き込み装置において、前記光学素子が、前記発光素子の夫々に対応して設けられ、周囲の材質よりも高い屈折率を有する材料で形成され、発光素子側から見て凹形状を有する光学素子であってもよい。
これによれば、所謂、発光素子を形成した基板の側から光を出射するボトムエミッション型の発光素子アレイにおいて、発光素子から出射した光を効果的に屈折させ、基板面に垂直な方向以外への成分の比率を高めることができる。また、発光素子アレイに発光素子を形成するのと同様な工程を用いて集積することが可能であり、また、装置の複雑化を招く事無く適用することができる。
この光書き込み装置において、前記発光素子から出射した光が、前記基板を通過してロッドレンズアレイに入射してもよい。
これによれば、ロッドレンズアレイによって発光素子から出射した光を感光体上に結像させる光書き込み装置で、各発光素子の正面に配置されたロッドレンズよりもその周囲にあるロッドレンズに入射する光の光量が多くなる。この結果、各ロッドレンズに入射する光の光量は平均化されるので、各発光素子に対するロッドレンズの配置位置によって生じる光量のばらつきが抑制される。
これによれば、ロッドレンズアレイによって発光素子から出射した光を感光体上に結像させる光書き込み装置で、各発光素子の正面に配置されたロッドレンズよりもその周囲にあるロッドレンズに入射する光の光量が多くなる。この結果、各ロッドレンズに入射する光の光量は平均化されるので、各発光素子に対するロッドレンズの配置位置によって生じる光量のばらつきが抑制される。
この光書き込み装置において、前記発光素子は、その中央部に非発光領域を有していてもよい。
これによれば、発光素子の中央部から基板に対して法線方向には光が出射しないので、発光素子の正面に位置するロッドレンズの結像への寄与を低減することができる。この結果、各ロッドレンズに入射する光の光量は、さらに平均化されるので、各発光素子に対するロッドレンズの配置位置によって生じる光量のばらつきが抑制される。
これによれば、発光素子の中央部から基板に対して法線方向には光が出射しないので、発光素子の正面に位置するロッドレンズの結像への寄与を低減することができる。この結果、各ロッドレンズに入射する光の光量は、さらに平均化されるので、各発光素子に対するロッドレンズの配置位置によって生じる光量のばらつきが抑制される。
発光素子とロッドレンズとの間に上述した様な光学素子を設けた場合でも、発光素子の中心付近から出射される光を効果的に屈折させることは難しい。この様に発光素子の中心部付近に非発光領域を設けることで、上記の様な光学素子により屈折させることの出来ない光の成分を減少させ、発光素子から出射される光のうち、基板に垂直以外の方向の成分の比率をより高くすることができる。このため、発光素子とロッドレンズの位置関係に依存した、結像した像の明るさ場ばらつきを効果的に抑えることができる。
この光書き込み装置において、前記発光素子の中央部には、遮光層が設けられ、前記非発光領域は、前記遮光層によって形成されていてもよい。
これによれば、遮光層によって発光素子の中央部から基板に対して法線方向には光が遮光される。この結果、発光素子の正面に位置するロッドレンズの結像への寄与を低減することができることから、各ロッドレンズに入射する光の光量は、さらに平均化されるので、各発光素子に対するロッドレンズの配置位置によって生じる光量のばらつきが抑制される。
これによれば、遮光層によって発光素子の中央部から基板に対して法線方向には光が遮光される。この結果、発光素子の正面に位置するロッドレンズの結像への寄与を低減することができることから、各ロッドレンズに入射する光の光量は、さらに平均化されるので、各発光素子に対するロッドレンズの配置位置によって生じる光量のばらつきが抑制される。
遮光層を設けることで、容易に発光素子の中心部付近からの光の出射を減らすことができる。また、遮光層に金属等の光を反射する性質を有するものを用いた場合には、遮光層で反射された光が再度発光素子の背面電極で反射されて、出射されるため、遮光層を設けることによる発光素子の光量の減少を抑えることができる。
この光書き込み装置において、前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であってもよい。
これによれば、発光素子は有機エレクトロルミネッセンス素子であるので、発光素子/画素を精度良く配置し長尺で作成できるので、高精細な像を形成できる。従って、像担持体上には高精細な像を形成することができる。
これによれば、発光素子は有機エレクトロルミネッセンス素子であるので、発光素子/画素を精度良く配置し長尺で作成できるので、高精細な像を形成できる。従って、像担持体上には高精細な像を形成することができる。
本発明の光書き込み装置の製造方法は、基板上に複数の発光素子を配置した発光素子アレイと、前記発光素子に対向して配置され、前記発光素子から出射した光を感光体上に結像する複数のロッドレンズとを備えた光書き込み装置の製造方法において、前記基板上の前記発光素子が形成される位置に対応した領域に前記発光素子が形成される側から見て周辺部より中心部が高い窪みを形成する工程と、前記窪みに周囲の材料よりも大きい屈折率を有する材料を埋め込む工程と前記窪みを埋め込んだ領域上に発光素子を形成する工程とを備えた。
上記の様な工程を用いることにより、所謂、ボトムエミッション型の発光素子を用いる場合に、効率良く発光素子から出射した光を屈折させる光学素子を基板内に集積することができる。また、発光素子を形成する工程と同様な精度の形成工程を用いることができるため、高い精度で、発光素子と光学素子の位置を重ね合わせることができる。また、通常発光素子の基板側には発光素子を駆動する素子や、配線等を形成するため、それらの工程の一部或いは全部と窪みを形成する工程や窪みを埋め込む工程を共用しても良い。
これによれば、光学系によって発光素子から発せられた光が光出射面に沿って平面上に広がって出射される光書き込み装置を製造することができる。従って、各発光素子の正面に配置されるロッドレンズに比べて周囲に配置されるロッドレンズに対してより大きな光量の光が入射するので、発光素子の正面に位置するロッドレンズの結像への寄与が低減される。この結果、各ロッドレンズに入射する光の光量は平均化されるので、各発光素子に対するロッドレンズの配置位置によって生じる光量のばらつきが抑制される。
この光書き込み装置の製造方法において、前記窪みを形成する工程にて、リング状の開口部を用いてエッチングを行ってもよい。
これによれば、所謂、ボトムエミッション型の発光素子アレイを備えた光書き込み装置において、発光素子から発せられた光を光出射面に沿って平面状に広がって出射させることができる。従って、各発光素子の正面に配置されるロッドレンズに比べて周囲に配置されるロッドレンズに対してより大きな光量の光が入射するので、発光素子の正面に位置するロッドレンズの結像への寄与が低減される。この結果、各ロッドレンズに入射する光の光量は平均化されるので、各発光素子に対するロッドレンズの配置位置によって生じる光
量のばらつきが抑制される。
これによれば、所謂、ボトムエミッション型の発光素子アレイを備えた光書き込み装置において、発光素子から発せられた光を光出射面に沿って平面状に広がって出射させることができる。従って、各発光素子の正面に配置されるロッドレンズに比べて周囲に配置されるロッドレンズに対してより大きな光量の光が入射するので、発光素子の正面に位置するロッドレンズの結像への寄与が低減される。この結果、各ロッドレンズに入射する光の光量は平均化されるので、各発光素子に対するロッドレンズの配置位置によって生じる光
量のばらつきが抑制される。
この光書き込み装置の製造方法において、前記窪みは、ウェットエッチングによって形成するようにしてもよい。
これによれば、ウェットエッチングを等方的に施すようにすることで光学系を形成する窪みを簡単に形成することができる。
これによれば、ウェットエッチングを等方的に施すようにすることで光学系を形成する窪みを簡単に形成することができる。
本発明の光書き込み装置の製造方法は、基板上に複数の発光素子を配置した発光素子アレイと、前記発光素子に対向して配置され、前記発光素子から出射した光を感光体上に決像する複数のロッドレンズを備えた光書き込み装置の製造方法において、前記基板上に前記複数の発光素子間に隔壁を形成する工程と、前記隔壁及び前記発光素子を覆い、前記隔壁による段差を緩和する形状を有する光学素子を形成する工程を備えた。
上記の様な工程を用いることにより、所謂、トップエミッション型の発光素子を用いる場合に、効率良く発光素子から出射した光を屈折させる光学素子を基板内に集積することができる。また、発光素子を形成する工程と同様な精度の形成工程を用いることができるため、高い精度で、発光素子と光学素子の位置を重ね合わせることができる。また、通常発光素子の基板側には発光素子を駆動する素子や、配線等を形成するため、それらの工程の一部或いは全部と窪みを形成する工程や窪みを埋め込む工程を共用しても良い。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。まず、本発明の光書き込み装置を搭載した電子写真方式プリンタについて以下に説明する。
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図1〜図8に従って説明する。まず、本発明の光書き込み装置を搭載した電子写真方式プリンタについて以下に説明する。
図1において、電子写真方式プリンタ(以下単に、プリンタという。)10は、その筐体11の内部に、駆動ローラ12、従動ローラ13及びテンションローラ14を備えるとともに、各ローラ12,13,14に対して転写ベルト15を張設している。そして、駆動ローラ12を回転すると、転写ベルト15が図1中反時計回り方向に循環駆動するようになっている。
転写ベルト15の上方(図1中Y矢印方向)には、4体の感光ドラム16が、図1中Z矢印方向(紙面手前方向)を回転軸方向として図1中時計回り方向に回転可能に併設されている。各感光ドラム16の外周面には、光導電性を有する図示しない感光層が形成されている。この感光層に、所定の波長領域の光を照射することにより、照射した領域の感光層の表面に配置された電荷が消失するようになっている。
各感光ドラム16の外周には、その感光層に摺接するように帯電ローラ17が配設されており、帯電ローラ17によって感光ドラム16の感光層全周面に所定の帯電電位が供給されるようになっている。また、各感光ドラム16の外周には、光書き込み装置としての露光ヘッド20がそれぞれ配設されている。
露光ヘッド20は直方体形状のもので、その長辺方向が、対応する感光ドラム16の回転軸方向(図1中Z矢印方向)に沿う様に配置されている。露光ヘッド20は、対応する各感光ドラム16に印刷データに基づいた所定の波長領域の光Lを出射するようになっている。そして、光Lが入射すると、光Lが入射した部位感光層が導電性となり、その部位の電荷が消失する。この結果、各感光ドラム16の感光層上には、静電荷による画像(静電潜像)が形成される。
また、各感光ドラム16の外周には、画像形成ユニット21a〜21dがそれぞれ配設
されている。各画像形成ユニット21a〜21dのうち、図1中最左側に配設された画像形成ユニット21aには黒の着色粒子(トナー)Taが収容されている。また、その右側に配設された画像形成ユニット21bにはシアンの着色粒子(トナー)Tbが、また、その右側に配設された画像形成ユニット21cにはマゼンタの着色粒子(トナー)Tcが、さらに最右側に配設された画像形成ユニット21dにはイエロの着色粒子(トナー)Tdがそれぞれ収容されている。各画像形成ユニット21a〜21dは、帯電させた各色の着色粒子(トナー)Ta〜Tdを対応する感光ドラム16の感光層にそれぞれ供給するようになっている。
されている。各画像形成ユニット21a〜21dのうち、図1中最左側に配設された画像形成ユニット21aには黒の着色粒子(トナー)Taが収容されている。また、その右側に配設された画像形成ユニット21bにはシアンの着色粒子(トナー)Tbが、また、その右側に配設された画像形成ユニット21cにはマゼンタの着色粒子(トナー)Tcが、さらに最右側に配設された画像形成ユニット21dにはイエロの着色粒子(トナー)Tdがそれぞれ収容されている。各画像形成ユニット21a〜21dは、帯電させた各色の着色粒子(トナー)Ta〜Tdを対応する感光ドラム16の感光層にそれぞれ供給するようになっている。
そして、各感光ドラム16に帯電電位と略等しいバイアス電位を印加して、対応する画像形成ユニット21a〜21dからトナーTa〜Tdを供給すると、供給されたトナーTa〜Tdが感光ドラム16の感光層の露光された領域にのみ付着する。この結果、各感光ドラム16の感光層には、それぞれ前記静電潜像に対応した単色の可視像(顕像)が形成される(現像される)。
そして、4体の感光ドラム16に形成された各色の顕像が転写ベルト15上で重ねられてフルカラーの画像(トナー像)を形成する。転写ベルト15に形成されたフルカラーのトナー像は、各種ローラによって記録紙Pに順次転写され、筐体11の排出口29から筐体11の外側に排出するようになっている。
次に、各露光ヘッド20について図2及び図3に従って詳述する。尚、各露光ヘッドは、全て同じ構成であるので、以下、説明の便宜上、そのうちの一つの露光ヘッド20についてのみ説明することとし、他の3つの露光ヘッドについては、その詳細な説明を省略する。
図2に示すように、露光ヘッド20は、感光ドラム16の回転軸方向(Z矢印方向)に沿って配置された発光素子アレイ32が配設されている。発光素子アレイ32は、その長手方向(Z矢印方向)に沿って配置された複数個の発光素子としての有機EL素子33を備えている(図3(b)参照)。各有機EL素子33は、図示しない駆動回路に電気的に接続されており、該駆動回路から供給される駆動信号に基づいた輝度の光Lを出射するようになっている。また、発光素子アレイ32に対向して収束性ロッドレンズアレイ34が配置されている。
収束性ロッドレンズアレイ34は、個々に正立した等倍を結像する収束性ロッドレンズを1次元或いは2次元状に複数配列したものである。図2に示す例では、感光ドラム16の回転軸に沿った方向に千鳥状に2列配列したものを用いており、発光素子アレイ32から出射した光を感光ドラム16上で結像する様に配置している。
図3(a)は、発光素子アレイ32を反Y矢印方向から見た平面図であり、図3(b)は、そのa−a線断面図である。
図3(a),(b)に示すように、発光素子アレイ32は、光透過性を有する基板Sを有し、該基板Sの素子形成面Sa上には有機EL素子33を形成する領域Zに開口部Hを有する絶縁膜からなる形成層36(有機EL素子33間の隔壁)が設けられている。基板Sには、たとえば無アルカリガラスを用いることができる。
図3(a),(b)に示すように、発光素子アレイ32は、光透過性を有する基板Sを有し、該基板Sの素子形成面Sa上には有機EL素子33を形成する領域Zに開口部Hを有する絶縁膜からなる形成層36(有機EL素子33間の隔壁)が設けられている。基板Sには、たとえば無アルカリガラスを用いることができる。
形成層36の開口部Hには、有機EL素子33が形成されている。有機EL素子33と基板Sとの間には、有機EL素子33側から見て凸形状を有する光学素子LZaが設けられている。さらに、有機EL素子33と光学素子LZaの間には有機EL素子33を配置する位置に対応してリング状の開口部Haを有する遮光層38が設けられている。有機EL素子33は、基板S側から画素電極37、正孔注入層40a、正孔輸送層40b、発光
層40c、電子輸送層40d、電子注入層40eを含む機能層39及び共通電極41が順次積層されることで構成されている。画素電極37には周知の様々な透明導電材料を用いることが可能で、本実施形態ではインジウム錫酸化物(ITO)を用いている。また、共通電極41には様々な金属材料を用いることが可能で、本実施形態ではアルミニウムを用いている。画素電極37と共通電極41の間に、書き込み信号に応じた電流を流すことで、書き込み信号に応じた強度の光Lが出射される。また、共通電極41上全面には保護層42が形成されている。
層40c、電子輸送層40d、電子注入層40eを含む機能層39及び共通電極41が順次積層されることで構成されている。画素電極37には周知の様々な透明導電材料を用いることが可能で、本実施形態ではインジウム錫酸化物(ITO)を用いている。また、共通電極41には様々な金属材料を用いることが可能で、本実施形態ではアルミニウムを用いている。画素電極37と共通電極41の間に、書き込み信号に応じた電流を流すことで、書き込み信号に応じた強度の光Lが出射される。また、共通電極41上全面には保護層42が形成されている。
前記光学素子LZaは、周囲の材料よりも屈折率の低い透明材料で形成されており、例えばフッ素を含有する低屈折率の樹脂材料を用いることができる。有機EL素子33から出射した光は、遮光層38に設けられたリング状の開口部Haを通過して光学素子LZaに入射する。光学素子LZaは有機EL素子33側から見て基板側に凸形状をしており、周囲の材質よりも屈折率が低いことから、光学素子LZaに入射した有機EL素子33からの光Lは光学素子LZaの外周方向に向かって屈折し、基板Sの有機EL素子33が形成されたのと反対側(即ち、収束性ロッドレンズアレイ34が配置される側)の面Sbから出射する。光学素子LZaの中心付近を通過する光は殆ど屈折しないが、遮光層38により光学素子LZaの中心付近に入射する光の殆どは遮光されている。つまり、遮光層38によって非発光領域が形成される。尚、有機EL素子33の中心付近に配置された遮光層38に遮られた光の一部は遮光層38で反射し、更に共通電極41で反射されることにより、遮光層38の開口部Haより出射することができる。このため、有機EL素子33の中央部付近に遮光層38を設けても、発光素子アレイ32より出射する光の強度は大きく低下することは無い。
次に、有機EL素子33から出射した光の、発光素子アレイ32から出射するときの配光特性の一例を図4に従って説明する。図4(a),(b)中の破線は、その方向の成分の光の強度を示す。
図4(a)に示すように、光学素子LZa及び遮光層38を設けることにより、基板Sに垂直な方向の成分の光の強度よりも、一定の角度を持った成分の光の強度の方が大きくなっている。一方、光学素子LZa及び遮光層38を設けない場合は、図4(b)に示す様に基板Sに垂直な方向の成分の光の強度が最も大きくなる。
このように、有機EL素子33が図4(a)に示す様な配向特性を有することにより、有機EL素子33から出射した光のうち、ロッドレンズアレイ34の中のその有機EL素子33の正面に配置されたロッドレンズ35に入射する光の成分の強度の比率が小さくなる。即ち、有機EL素子33から出射した光は、常にその正面のロッドレンズ35の他にその周辺のロッドレンズ35に対してもかなり比率で入射することになる。従って、各有機EL素子33から出射した光の結像に関して、ロッドレンズ35の位置関係によらず常に複数のロッドレンズ35が寄与することになる。このため、各有機EL素子33とロッドレンズアレイ34中の各ロッドレンズ35の相対的位置関係により結像した像の明るさの変動を抑えることができる。
光学素子LZaによる配光特性の制御は、配光領域を広げる範囲が狭ければ結像した像の明るさの変動を充分に抑えることができない。また、あまり広い範囲に広げると結像した像そのものの明るさが暗くなってしまう。使用するロッドレンズアレイ34の特性や、有機EL素子33の精細度にも依存するが、光の方向成分の強度が最も大きくなるのが基板Sに垂直な方向に対して15度〜30度程度が望ましい。また、1つの有機EL素子33から出射した光のうち、その正面よりもロッドレンズ35の太さの1から2本分程度離れた位置のロッドレンズ35に入射する光の成分の強度が最も大きくなる様にすることが望ましい。この様な配光特性は、光学素子LZaにより光を曲げる角度を10度〜45度
程度とすることにより得ることができる。
程度とすることにより得ることができる。
次に、発光素子アレイ32の製造方法について図5〜図8に従って説明する。
先ず、図5(a),(b)に示すように、基板Sの素子形成面Sa上に複数の円形状の開口部Raを設けたレジストマスクM1を形成する。続いて、等方性のエッチング手段で一定の深さまで基板Sをエッチングする。ここでは、フッ酸系のエッチング液を用いたウェットエッチングを行うものとするが、等方性のエッチング条件であれば、ドライエッチング法を用いても良い。この結果、図6(a)に示すように、等方性のエッチングを行うことにより基板Sには素子形成面Sa側から見て下に凸(周辺部より中心部が深い形状となる)窪みが形成される。
先ず、図5(a),(b)に示すように、基板Sの素子形成面Sa上に複数の円形状の開口部Raを設けたレジストマスクM1を形成する。続いて、等方性のエッチング手段で一定の深さまで基板Sをエッチングする。ここでは、フッ酸系のエッチング液を用いたウェットエッチングを行うものとするが、等方性のエッチング条件であれば、ドライエッチング法を用いても良い。この結果、図6(a)に示すように、等方性のエッチングを行うことにより基板Sには素子形成面Sa側から見て下に凸(周辺部より中心部が深い形状となる)窪みが形成される。
その後、レジストマスクM1を除去した後、フッ素を含む低屈折率樹脂材料Qを窪みの深さよりも厚い膜厚で基板Sの素子形成面Sa上全面に成膜する(図6(b)参照)。この様な低屈折率の樹脂材料は、半導体素子の配線間の層間絶縁膜として用いられる低誘電率絶縁材料を用いることができる。そして、化学機械研磨(CMP)等の手段を用いて表面を研磨し平坦化する(図6(c)参照)。これにより基板Sの素子形成面Sa側から見て下に凸な形状を有する光学素子LZaを形成することができる。
次に、図7(a)、(b)に示すように、素子形成面Sa上に開口部Haを備えた遮光層38を形成する。遮光層38には着色した樹脂や金属酸化物等、周知の遮光性を有する絶縁材料を用いることができる。本実施形態では、スパッタ法で形成した酸化クロムを用いている。そして、形成した遮光層38を周知のフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングし、光学素子LZaが形成された領域にリング状の開口部Haを形成する。
更に、図8(a)に示すように、遮光層38上に画素電極37を形成する。これは、遮光層38上に透明電極層を形成し、その形成した透明導電層を周知のフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングして、遮光層38の開口部Haを覆う位置に透明導電層を残すことで画素電極37を形成する。透明導電層には酸化錫、酸インジウム−亜鉛等周知の透明な導電材料を用いることができる。本実施例ではインジウム−スズ酸化物(ITO)を用いている。続いて、図8(b)に示すように、感光性樹脂を周知のフォトリソグラフィー技術を用いて画素電極37に開口部Hを有する形成層36を形成する。形成層36は、たとえば、アクリル樹脂やポリイミド樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂材料を用いて形成し、1〜2μm程度の厚さとするのが好ましい。
次に、図8(c)に示すように、公知の液滴吐出装置Dを使用して前記各開口部Hに各種液状体Lpを塗布し、乾燥処理をそれぞれ施す。この結果、図8(d)に示すように、画素電極37及び遮光層38上に、正孔注入層40a、正孔輸送層40b、発光層40c、電子輸送層40d、電子注入層40eを順次構成する。
その後、電子注入層40eに接触するように形成層36上全面にマグネシウム(Mg)-銀(Ag)を共蒸着して共通電極41を形成する。続いて、共通電極41上全面に樹脂
等を塗布して保護層42を形成する。必要に応じ、保護層42を接着剤としてガラス基板などを接着してもよい。これにより、発光素子アレイ32が完成する。
等を塗布して保護層42を形成する。必要に応じ、保護層42を接着剤としてガラス基板などを接着してもよい。これにより、発光素子アレイ32が完成する。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、素子形成面Sa上に形成された有機EL素子33の夫々に対応して、基板Sの材質よりも低い屈折率を有する材料で形成された、有機EL素子33側から見て凸形状を有する光学素子LZaを設けた。従って、有機EL素子33から発せられた光Lは、光学素子LZaを透過することによってZX平面上に広がって出射されるので、各ロッドレンズ35に入射する光Lの光量は平均化されることから、各有機EL素
子33と各ロッドレンズ35の相対的な位置関係に依存した結像した像の光量(明るさ)のばらつきを低減することができる。
(1)本実施形態によれば、素子形成面Sa上に形成された有機EL素子33の夫々に対応して、基板Sの材質よりも低い屈折率を有する材料で形成された、有機EL素子33側から見て凸形状を有する光学素子LZaを設けた。従って、有機EL素子33から発せられた光Lは、光学素子LZaを透過することによってZX平面上に広がって出射されるので、各ロッドレンズ35に入射する光Lの光量は平均化されることから、各有機EL素
子33と各ロッドレンズ35の相対的な位置関係に依存した結像した像の光量(明るさ)のばらつきを低減することができる。
(2)さらに、本実施形態によれば、通常、有機EL素子33から出射される光の光量の補正は、最も暗くなった部分を基準に明るい部分の光量を合わせる形で行うが、結像した像の光量(明るさ)のばらつきが低減されているので、均一化のための補正が少なくて済む。この結果、あわせこむ基準となる光量が大きくすることが出来、その階調を制御する範囲(ダイナミックレンジ)を大きくすることができる。
(3)本実施形態によれば、発光素子として有機EL素子33を使用した。従って、発光素子/画素を精度良く配置し長尺で作成できるので、高精細な像を形成できることから、感光ドラム16上には高精細な潜像を形成することができる。この結果、電子写真方式プリンタ10は高解像度の画像を印刷することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図9〜図13に従って説明する。本実施形態においては、第1実施形態に係る光書き込みヘッドとしての露光ヘッド20における発光素子アレイの構成が異なっている以外は上記第1実施形態と同様である。従って、同じ構成の部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
(第2実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を図9〜図13に従って説明する。本実施形態においては、第1実施形態に係る光書き込みヘッドとしての露光ヘッド20における発光素子アレイの構成が異なっている以外は上記第1実施形態と同様である。従って、同じ構成の部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9(a)は、本実施形態に係る発光素子アレイ51を反Y矢印方向に向かって観たときの上面図であり、図9(b)は、そのa−a線断面図である。
図9(a),(b)に示すように、発光素子アレイ51は、その基板Sの素子形成面Sa上であって、有機EL素子33が形成された位置に対向した各領域Zに光学素子LZbが配設されている。光学素子LZbは、周囲の基板Sよりも大きい屈折率を有する光透過性材料で構成されおり、例えば、アクリル樹脂の様な高屈折率の樹脂材料を用いることができる。光学素子LZbは、有機EL素子33からみて凹状をしており、周囲よりも屈折率が高いことから、LZbに入射した有機EL素子33からの光Lは光学素子LZbの外周方向に向かって屈折し、素子形成面Saと反対側の面Sbより出射する。
図9(a),(b)に示すように、発光素子アレイ51は、その基板Sの素子形成面Sa上であって、有機EL素子33が形成された位置に対向した各領域Zに光学素子LZbが配設されている。光学素子LZbは、周囲の基板Sよりも大きい屈折率を有する光透過性材料で構成されおり、例えば、アクリル樹脂の様な高屈折率の樹脂材料を用いることができる。光学素子LZbは、有機EL素子33からみて凹状をしており、周囲よりも屈折率が高いことから、LZbに入射した有機EL素子33からの光Lは光学素子LZbの外周方向に向かって屈折し、素子形成面Saと反対側の面Sbより出射する。
従って、遮光層38を形成することなく上記第1実施形態と同様に、有機EL素子33から出射した光のうち、ロッドレンズアレイ34の中のその有機EL素子33の正面に配置されたロッドレンズ35に入射する光の成分の強度の比率を小さくすることができる。
次に、発光素子アレイ51の製造方法について図10〜図13に従って説明する。
先ず、図10(a),(b)に示すように、基板Sの素子形成面Sa上に有機EL素子33を配置する領域よりもやや大きなリング状の開口部Rbが形成されたレジストマスクM2を形成する。続いて、実施形態1と同様の等方性のエッチング手段を用いて、一定の深さまで基板Sをエッチングする。そして、図11(a)に示すように、有機EL素子33を設ける側からみて周辺部より中央部の高いリング状窪みWが形成される。
先ず、図10(a),(b)に示すように、基板Sの素子形成面Sa上に有機EL素子33を配置する領域よりもやや大きなリング状の開口部Rbが形成されたレジストマスクM2を形成する。続いて、実施形態1と同様の等方性のエッチング手段を用いて、一定の深さまで基板Sをエッチングする。そして、図11(a)に示すように、有機EL素子33を設ける側からみて周辺部より中央部の高いリング状窪みWが形成される。
続いて、レジストマスクM2を除去し、図11(b)に示すように、アクリル樹脂材料Qaを窪みの深さよりも厚い膜厚で基板Sの素子形成面Sa上の全面に成膜する。そして、CMP等の手段を用いて表面を研磨し平坦化する。これにより基板S中に有機EL素子33を形成する面側からみて、中央部に凹面形状を有する光学素子LZbが形成する(図11(c)参照)。
次に、画素電極37を形成する。これは、図12(a)、(b)に示すように、光学素子LZbが形成された領域上に、スパッタ法や蒸着法等、公知の成膜方法を使用して透明導電層を形成する。そして形成した透明導電層を、公知のフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングし、光学素子LZbの中央部分を覆う位置に画素電極37を形成する。
続いて、上記第1実施形態と同様に、前記画素電極37上に開口部Hを有する形成層36を形成する(図13(a)参照)。次に、上記第1実施形態と同様にして、図13(b)に示すように、公知の液滴吐出装置Dを使用して形成層36に形成された各開口部Hに正孔注入層40a、正孔輸送層40b、発光層40c、電子輸送層40d及び電子注入層40eを順次形成する(図13(c)参照)。その後、電子注入層40eに接触するように形成層36上にマグネシウム(Mg)-銀(Ag)を共蒸着して第2電極としての共通
電極41を形成する。続いて、共通電極41上全面に樹脂等を塗布して保護層42を形成する。必要に応じ、保護層42を接着剤としてガラス基板などを接着してもよい。これにより、発光素子アレイ51が完成する。
電極41を形成する。続いて、共通電極41上全面に樹脂等を塗布して保護層42を形成する。必要に応じ、保護層42を接着剤としてガラス基板などを接着してもよい。これにより、発光素子アレイ51が完成する。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、素子形成面Sa上に形成された有機EL素子33の夫々に対応して、基板Sの材質よりも高い屈折率を有する材料で形成された、有機EL素子33側から見て凹状を有する光学素子LZbを設けた。従って、遮光層38を形成することなく各有機EL素子33と各ロッドレンズ35の相対的な位置関係に依存した結像した像の光量(明るさ)のばらつきを低減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図14〜図17に従って説明する。本実施形態においては、第1実施形態に係る光書き込みヘッドとしての露光ヘッド20における発光素子アレイの構成が異なっている以外は上記第1実施形態と同様である。従って、同じ構成の部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
(1)本実施形態によれば、素子形成面Sa上に形成された有機EL素子33の夫々に対応して、基板Sの材質よりも高い屈折率を有する材料で形成された、有機EL素子33側から見て凹状を有する光学素子LZbを設けた。従って、遮光層38を形成することなく各有機EL素子33と各ロッドレンズ35の相対的な位置関係に依存した結像した像の光量(明るさ)のばらつきを低減することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を図14〜図17に従って説明する。本実施形態においては、第1実施形態に係る光書き込みヘッドとしての露光ヘッド20における発光素子アレイの構成が異なっている以外は上記第1実施形態と同様である。従って、同じ構成の部材については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図14(a)は、本実施形態に係る発光素子アレイ61を反Y矢印方向に向かって観たときの上面図であり、図14(b)は、そのa−a線断面図である。
図14(a),(b)に示すように、発光素子アレイ61は、基板S上形成された有機EL素子33及びそれを覆う保護層42を備えている。本実施形態では、共通電極41及び保護層42は、光透過性を有した材料で構成されており、さらには画素電極37と基板Sとの間には反射層62を有している。有機EL素子33(発光層40c)にて発せられた光Lのうち、共通電極41方向へ向かう成分はそのまま共通電極41を通過して出射する。反射層62の側に向かう成分は反射層62により反射されて、共通電極41側より出射することになる。つまり、本実施形態の発光素子アレイ61は、光Lを有機EL素子33を形成した側の面より出射する所謂トップエミッション型の発光素子アレイとなる。
図14(a),(b)に示すように、発光素子アレイ61は、基板S上形成された有機EL素子33及びそれを覆う保護層42を備えている。本実施形態では、共通電極41及び保護層42は、光透過性を有した材料で構成されており、さらには画素電極37と基板Sとの間には反射層62を有している。有機EL素子33(発光層40c)にて発せられた光Lのうち、共通電極41方向へ向かう成分はそのまま共通電極41を通過して出射する。反射層62の側に向かう成分は反射層62により反射されて、共通電極41側より出射することになる。つまり、本実施形態の発光素子アレイ61は、光Lを有機EL素子33を形成した側の面より出射する所謂トップエミッション型の発光素子アレイとなる。
また、共通電極41上の有機EL素子33が形成された位置に対応した各領域Zには光学素子LZcが配設されている。この光学素子LZcは、形成層36の高さを利用して、その段差を緩和する様にして配置された光透過性を有した層(樹脂層)63を形成することで実現されている。即ち、光学素子LZcは、有機EL素子33側からみて凹形状となっている。従って、各有機EL素子33にて発せられた光Lは、光学素子LZcを通過した光は、光学素子LZcの外周方向に向かって屈折する。
このように構成された発光素子アレイ61は、上記第1実施形態と同様に、光学素子LZcを透過することによって有機EL素子33から出射した光のうち、ロッドレンズアレイ34の中のその有機EL素子33の正面に配置されたロッドレンズ35に入射する光の成分の強度の比率が小さくなる。従って、各有機EL素子33とロッドレンズアレイ34中の各ロッドレンズ35の相対的位置関係により結像した像の明るさの変動を抑えることができる。
次に、発光素子アレイ61の製造方法について図15〜図17に従って説明する。
先ず、図15(a),(b)に示すように、基板Sの素子形成面Sa上にスパッタ法や
蒸着法など周知の方法で透明導電層を形成する。透明導電層は酸化錫、酸化インジウム−亜鉛等周知の透明な導電材料を用いることができる。本実施形態ではITOを用いている。形成した透明導電層を周知のフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングし、千鳥状に配置したリング状の画素電極37を形成する。
先ず、図15(a),(b)に示すように、基板Sの素子形成面Sa上にスパッタ法や
蒸着法など周知の方法で透明導電層を形成する。透明導電層は酸化錫、酸化インジウム−亜鉛等周知の透明な導電材料を用いることができる。本実施形態ではITOを用いている。形成した透明導電層を周知のフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングし、千鳥状に配置したリング状の画素電極37を形成する。
続いて、図16(a)に示すように、感光性樹脂と周知のフォトリソグラフィー技術を用いて画素電極37に開口部Hを有する形成層36を形成する。形成層36は、例えばアクリル樹脂やポリイミド樹脂、変性フッ素樹脂等の樹脂材料を用いて形成し、2〜5μm程度の厚さとするのが好ましい。
次に、公知の液滴吐出装置Dを使用して開口部Hに正孔注入層40a、正孔輸送層40b、発光層40c、電子輸送層40d及び電子注入層40eを順次形成する(図16(b),(c)参照)。その後、電子輸送層40dに接触するように形成層36上にマグネシウム(Mg)-銀(Ag)を蒸着して共通電極41を形成する。これにより、有機EL素
子33が形成される(図17(a)参照)。
子33が形成される(図17(a)参照)。
続いて、図17(b)に示すように、形成層36及び有機EL素子33上に透明な液状の樹脂材料を塗布して光透過性を有した層(樹脂層)63を成膜する。この層(樹脂層)63の材料としては、アクリル樹脂等やエポキシ樹脂が好適に用いられる。粘度の高い材料を塗布することで、この層(樹脂層)63は形成層36の段差部分を緩和する様に形成される。このため、有機EL素子33に対応する領域に形成された層(樹脂層)63は、有機EL素子33側から見て凹形状となり、光学素子LZcを構成することができる。この層(樹脂層)63は、複数回液状の樹脂を塗布する方式で形成しても良い。光学素子LZcの特性は、形成層36の厚さや透明樹脂材料の粘度、屈折率等により調整可能である。層(樹脂層)63を構成する材料としては、屈折率の高いものが望ましく、形成層の膜厚の1/3から2/3の程度の膜厚で形成することが好ましい。形成層の段差を利用することで、少ない工程数で光学素子LZcを形成することができる。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を有する。
(1)本実施形態によれば、共通電極41上であって、各有機EL素子33を区画形成するための形成層36に形成された開口部Hに、その開口部Hの段差を緩和する様な層を形成することで、光学素子LZcを形成した。従って、遮光層38を形成することなく各有機EL素子33と各ロッドレンズ35の相対的な位置関係に依存した結像した像の光量(明るさ)のばらつきを低減することができる。
(1)本実施形態によれば、共通電極41上であって、各有機EL素子33を区画形成するための形成層36に形成された開口部Hに、その開口部Hの段差を緩和する様な層を形成することで、光学素子LZcを形成した。従って、遮光層38を形成することなく各有機EL素子33と各ロッドレンズ35の相対的な位置関係に依存した結像した像の光量(明るさ)のばらつきを低減することができる。
(2)本実施形態によれば、各有機EL素子33を区画形成するための形成層36に形成された開口部Hに、粘度のある光透過性を有した樹脂の液体を塗布することで、光学素子LZcを形成した。従って、簡単に光学素子LZcを形成することができる。
尚、この発明は以下のように変更して具体化することもできる。
・上記各実施形態では、各有機EL素子33は、その画素電極37の中央部に遮光層38を設け、発光層40cからの発光が外部に出射されないようにしたが、遮光層38を設けなくてもよい。図18に示すように、遮光層38が無い場合、上記第1実施形態とは異なりその配光特性には、中央部の窪みは無く、ZX平面方向に広がって分布する。このようにすることによっても光学素子LZa及び遮光層38を設けない場合に比べて、基板Sに垂直な方向の成分の光の強度を弱めることができることから、各ロッドレンズ35に入射する光Lの光量は平均化されるので、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
・上記各実施形態では、各有機EL素子33は、その画素電極37の中央部に遮光層38を設け、発光層40cからの発光が外部に出射されないようにしたが、遮光層38を設けなくてもよい。図18に示すように、遮光層38が無い場合、上記第1実施形態とは異なりその配光特性には、中央部の窪みは無く、ZX平面方向に広がって分布する。このようにすることによっても光学素子LZa及び遮光層38を設けない場合に比べて、基板Sに垂直な方向の成分の光の強度を弱めることができることから、各ロッドレンズ35に入射する光Lの光量は平均化されるので、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
・上記各実施形態では、画素電極37は、その形状がドーナツ型であったが、本発明は此に限定されるものではない。たとえば、円形状であってもよい。
・上記各実施形態では、機能層39は、正孔注入層40a、正孔輸送層40b、発光層40c、電子輸送層40d及び電子注入層40eから構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。機能層39は、少なくとも発光層40cを備えていればよい。
・上記各実施形態では、機能層39は、正孔注入層40a、正孔輸送層40b、発光層40c、電子輸送層40d及び電子注入層40eから構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではない。機能層39は、少なくとも発光層40cを備えていればよい。
・上記各実施形態では、有機EL素子33の機能層39を構成する各層40a〜40eを液滴吐出法によって形成したが、本発明はこれに限定されず、公知の蒸着法やスパッタ法を使用して形成してもよい。
・上記各実施形態では、発光素子として有機EL素子を使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の形態を成した発光素子であってもよい。たとえば、発光ダイオードであってもよい。
・上記各実施形態では、各有機EL素子33は、その画素電極37の中央部に遮光層38を設け、発光層40cからの発光が外部に出射されないようにしたが、本発明はこれに限定されるものではない。たとえば、画素電極がドーナツ状ではなく、円形または矩形状であって、発光層40cがその画素電極の周囲に対応した領域にのみ形成されて中心部には発光層が形成されていない構成を成したものであってもよい。
L…光、LZa,LZb,LZc…光学系及びレンズとしての光学素子、S…基板、Sa…素子形成面、16…感光ドラム、20…光書き込み装置としての露光ヘッド、32,51,61…発光素子アレイ、33…発光素子としての有機EL素子、34…ロッドレンズアレイ35…ロッドレンズ、37…第1電極としての画素電極、38…遮光層
Claims (13)
- 基板上に複数の発光素子を配置した発光素子アレイと、
前記発光素子に対向して配置され、前記発光素子から出射した光を感光体上に結像する複数のロッドレンズと
を備えた光書き込み装置において、
前記各発光素子と前記ロッドレンズの間に、前記発光素子から発せられた光の前記基板に垂直な成分を、前記基板に垂直な方向以外に屈折させる光学素子設けたことを特徴とする光書き込み装置。 - 請求項1に記載の光書き込み装置において、
前記屈折させる角度が、10〜45度であることを特徴とする光書き込み装置。 - 請求項1または2に記載の光書き込み装置において、
前記光学素子が、前記発光素子の夫々に対応して設けられ、周囲の材質よりも低い屈折率を有する材料で形成された、発光素子側から見て凸形状を有する光学素子であることを特徴とする光書き込み装置。 - 請求項1または2に記載の光書き込み装置において、
前記光学素子が、前記発光素子夫々に対応して設けられ、周囲の材質よりも高い屈折率を有する材料で形成され、発光素子側から見て凹形状を有する光学素子であることを特徴とする光書き込み装置。 - 請求項3または4に記載の光書き込み装置において、
前記発光素子から出射した光が、前記基板を通過してロッドレンズアレイに入射することを特徴とする光書き込み装置。 - 請求項1〜5のいずれか一つに記載した光書き込み装置において、
前記発光素子は、その中央部に非発光領域を有していることを特徴とする光書き込み装置。 - 請求項6に記載した光書き込み装置において、
前記発光素子の中央部には、遮光層が設けられ、
前記非発光領域は、前記遮光層によって形成されていることを特徴とする光書き込み装置。 - 請求項1〜7に記載した光書き込み装置において、
前記発光素子は、有機エレクトロルミネッセンス素子であることを特徴する光書き込み装置。 - 基板上に複数の発光素子を配置した発光素子アレイと、
前記発光素子に対向して配置され、前記発光素子から出射した光を感光体上に結像する複数のロッドレンズと
を備えた光書き込み装置の製造方法において、
前記基板上の前記発光素子が形成される位置に対応した領域に前記発光素子が形成される側から見て周辺部より中心部が深い形状となる窪みを形成する工程と、
前記窪みに周囲の材料よりも小さい屈折率を有する材料を埋め込む工程と、
前記窪みを埋め込んだ領域上に発光素子を形成する工程と
を備えたことを特徴とする光書き込み装置の製造方法。 - 基板上に複数の発光素子を配置した発光素子アレイと、
前記発光素子に対向して配置され、前記発光素子から出射した光を感光体上に結像する複数のロッドレンズと
を備えた光書き込み装置の製造方法において、
前記基板上の前記発光素子が形成される位置に対応した領域に前記発光素子が形成される側から見て周辺部より中心部が高い窪みを形成する工程と、
前記窪みに周囲の材料よりも大きい屈折率を有する材料を埋め込む工程と
前記窪みを埋め込んだ領域上に発光素子を形成する工程
を備えたことを特徴とする光書き込み装置の製造方法。 - 請求項10に記載の光書き込み装置の製造方法において、
前記窪みを形成する工程にて、リング状の開口部を用いてエッチングを行ったことを特徴とする光書き込み装置の製造方法。 - 請求項9〜11のいずれか一つに記載の光書き込み装置の製造方法において、
前記窪みは、ウェットエッチングによって形成するようにしたことを特徴とする光書き込み装置の製造方法。 - 基板上に複数の発光素子を配置した発光素子アレイと、前記発光素子に対向して配置され、前記発光素子から出射した光を感光体上に決像する複数のロッドレンズを備えた光書き込み装置の製造方法において、
前記基板上に前記複数の発光素子間に隔壁を形成する工程と、
前記隔壁及び前記発光素子を覆い、前記隔壁による段差を緩和する形状を有する光学素子を形成する工程を備えたことを特徴とする光書き込み装置の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006029289A JP2007210105A (ja) | 2006-02-07 | 2006-02-07 | 光書き込み装置及び光書き込み装置の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006029289A JP2007210105A (ja) | 2006-02-07 | 2006-02-07 | 光書き込み装置及び光書き込み装置の製造方法 |
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JP2007210105A true JP2007210105A (ja) | 2007-08-23 |
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ID=38488954
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JP2006029289A Withdrawn JP2007210105A (ja) | 2006-02-07 | 2006-02-07 | 光書き込み装置及び光書き込み装置の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2007210105A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010192763A (ja) * | 2009-02-19 | 2010-09-02 | Fuji Xerox Co Ltd | 発光素子、発光素子製造方法、露光ヘッド及び画像形成装置 |
-
2006
- 2006-02-07 JP JP2006029289A patent/JP2007210105A/ja not_active Withdrawn
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