JP2007205393A - フライホイール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】慣性モーメントの変更幅を拡大することができるフライホイール装置を提供することを課題とする。
【解決手段】低回転域から高回転域へ移行するときには、制御装置51により、クラッチオフの状態にする。図(b)でエンジン52を加速状態にすると、サンギヤ22がプラネタリギヤ23を相対的に回し始める。加速中にはサンギヤ22の回転速度が、プラネタリギヤ23の回転速度より大きくなるため、速度差で回転が進行するからである。この結果、錘28は回転中心に接近する。錘28が最も回転中心に接近した状態を(c)に示す。(d)において、制御装置51により、クラッチオンの状態にして動力伝達モードに切替える。
【効果】(d)において、錘28を回転中心近傍に配置することができるため、慣性モーメントの変更幅を拡大することができる。
【選択図】図6
【解決手段】低回転域から高回転域へ移行するときには、制御装置51により、クラッチオフの状態にする。図(b)でエンジン52を加速状態にすると、サンギヤ22がプラネタリギヤ23を相対的に回し始める。加速中にはサンギヤ22の回転速度が、プラネタリギヤ23の回転速度より大きくなるため、速度差で回転が進行するからである。この結果、錘28は回転中心に接近する。錘28が最も回転中心に接近した状態を(c)に示す。(d)において、制御装置51により、クラッチオンの状態にして動力伝達モードに切替える。
【効果】(d)において、錘28を回転中心近傍に配置することができるため、慣性モーメントの変更幅を拡大することができる。
【選択図】図6
Description
本発明は回転中心から錘までの距離を変更することができるフライホイール装置に関する。
エンジンのフライホイール装置は、回転変動やトルク変動(以下、回転変動等と記す。)が大となる場合(例えばアイドリング時)において、回転変動等を効果的に抑える作用を発揮する有益な装置である。反面、フライホイール装置は、回転変動等が小さいとき(例えば高回転時)には負荷的な負担となり、燃費性能の悪化や、加速時での加速応答性の低下を招く。
上述の問題点を解決すべく、可変フライホイールと呼ばれる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
実開昭56−173241号公報(第1図)
この特許文献1を改良した可変フライホイールも提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平5−263874号公報(図1)
さらに、特許文献2を改良した可変フライホイールも提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開2004−263766公報(図1)
特許文献3を次図に基づいて説明する。
図8は従来の技術の基本構成を説明する図であり、クランク軸101の一端に第1フライホイール102をボルト103、103で固定し、この第1フライホイール102に軸受104を介して第2フライホイール105を空転可能に取付け、この第2フライホイール105に太陽ローラ106を一体形成し、一方、第1フライホイール102から延ばした支軸107、107の各々に遊星ローラ108、108を回転自在に取付け、これらの遊星ローラ108、108を太陽ローラ106に周回させるようにした遊星機構付きのフライホイールが示されている。
図8は従来の技術の基本構成を説明する図であり、クランク軸101の一端に第1フライホイール102をボルト103、103で固定し、この第1フライホイール102に軸受104を介して第2フライホイール105を空転可能に取付け、この第2フライホイール105に太陽ローラ106を一体形成し、一方、第1フライホイール102から延ばした支軸107、107の各々に遊星ローラ108、108を回転自在に取付け、これらの遊星ローラ108、108を太陽ローラ106に周回させるようにした遊星機構付きのフライホイールが示されている。
さらに、遊星ローラ108、108はリング体109で囲い、このリング体109は、ハウジング111に設けたブレーキ機構112で制動させることができるように構成される。
ブレーキ機構112を「非制動」状態にした場合には、リング体109が空転するため、第1フライホイール102から第2フライホイール105に向かって遊星機構は減速作用を発揮し、第1フライホイール102が回転しているときに、第2フライホイール105は低速で回転する。
この結果、第2フライホイール105はフライホイール効果を発揮しない。すなわち、第1フライホイール102のみがフライホイール効果を発揮する。
第2フライホイール105を回転させるためのエネルギーは微小であるため、燃費性能の向上を図ることができる。
この形態は、高回転時など回転変動等が小さいときに採用できる。
第2フライホイール105を回転させるためのエネルギーは微小であるため、燃費性能の向上を図ることができる。
この形態は、高回転時など回転変動等が小さいときに採用できる。
一方、ブレーキ機構112を「制動」状態にした場合には、リング体109が静止するため、第1フライホイール102から第2フライホイール105に向かって遊星機構は増速作用を発揮し、第1フライホイール102が回転しているときに、第2フライホイール105は高速で回転する。
この結果、第2フライホイール105は大きなフライホイール効果を発揮する。すなわち、第1フライホイール102と第2フライホイール105とで大きなフライホイール効果を発揮させることができる。
この形態は、アイドリング時など回転変動等が大きいときに採用できる。
この形態は、アイドリング時など回転変動等が大きいときに採用できる。
しかし、特許文献3の技術には次に述べる問題がある。
慣性モーメントの変更幅が小さいという問題がある。一般に、慣性モーメントの変更幅が大きいほど、可変制御性が高まる。そして、慣性モーメントの下限値を下げるにはマス(フライホイール質量、錘)を回転中心に接近させることが有効となる。
しかし、特許文献3では回転中心をクランク軸101が占めているため、マスを回転中心に接近させることができない。このため、慣性モーメントの変更幅が制限され、可変制御性が低下する。
慣性モーメントの変更幅が小さいという問題がある。一般に、慣性モーメントの変更幅が大きいほど、可変制御性が高まる。そして、慣性モーメントの下限値を下げるにはマス(フライホイール質量、錘)を回転中心に接近させることが有効となる。
しかし、特許文献3では回転中心をクランク軸101が占めているため、マスを回転中心に接近させることができない。このため、慣性モーメントの変更幅が制限され、可変制御性が低下する。
本発明は、慣性モーメントの変更幅を拡大することができるフライホイール装置を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、回転中心から錘までの距離を変更することができるように構成した可変フライホイール機構を備えるフライホイール装置において、
前記可変フライホイール機構は、エンジンの出力軸に接続するサンギヤと、このサンギヤに噛み合せる複数個のプラネタリギヤと、これらのプラネタリギヤを各々回転可能に支持するキャリヤ軸部と、これらのキャリヤ軸部に揺動可能に取付けるとともに前記プラネタリギヤで揺動させる揺動アームと、前記揺動アームに取付ける前記錘とを備えるとともに、前記回転中心の近傍に前記錘を収納することができる錘収納部を備えることを特徴とする。
前記可変フライホイール機構は、エンジンの出力軸に接続するサンギヤと、このサンギヤに噛み合せる複数個のプラネタリギヤと、これらのプラネタリギヤを各々回転可能に支持するキャリヤ軸部と、これらのキャリヤ軸部に揺動可能に取付けるとともに前記プラネタリギヤで揺動させる揺動アームと、前記揺動アームに取付ける前記錘とを備えるとともに、前記回転中心の近傍に前記錘を収納することができる錘収納部を備えることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、請求項1記載のフライホイール装置は、回転中心から放射状に延びる複数のリブと、これらのリブの先端に固定するとともにキャリヤ軸部を貫通させることができるカラーとからなるキャリヤ補強部材を備え、複数のリブを屈曲させることで、キャリヤ補強部材に錘収納部を形成したことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、回転中心の近傍に錘を収納することができる錘収納部を備えたので、揺動アームを揺動させることで錘を回転中心に接近させることができる。この結果、慣性モーメントの変更幅を拡大することができる。
請求項2に係る発明では、複数のキャリヤ軸部をキャリヤ補強部材で補強するので、キャリヤ軸部材が変形や撓む心配が無くなり、フライホイール装置の動力伝達能力を高めることができる。加えて、キャリヤ補強部材に錘収納部を形成したので、錘を回転中心近傍に接近させることができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係るフライホイール装置の斜視図であり、フライホイール装置10は、可変フライホイール機構20と、切替えクラッチ機構40とからなり、詳細構造は次図で説明する。
図1は本発明に係るフライホイール装置の斜視図であり、フライホイール装置10は、可変フライホイール機構20と、切替えクラッチ機構40とからなり、詳細構造は次図で説明する。
図2は本発明に係るフライホイール装置の断面図であり、可変フライホイール機構20は、エンジンの出力軸21に接続するサンギヤ22と、このサンギヤ22に噛み合せる複数個のプラネタリギヤ23・・・(・・・は複数を示す。以下同様)と、これらのプラネタリギヤ23・・・を各々回転可能に支持するキャリヤ軸部24・・・と、これらのキャリヤ軸部24・・・の先端同士を連結するキャリヤ集合部25と、このキャリヤ集合部25から延ばすフライホイール出力軸26と、キャリヤ軸部24に揺動可能に取付けるとともにプラネタリギヤ23・・・で揺動させる揺動アーム27・・・と、揺動アーム27・・・に取付けた錘28・・・とを備える。
なお、錘28は図左右の揺動アーム27、27に渡した長いボルト29を介して揺動アーム27、27に一体的に取付ける。この構造であれば、錘28を交換することができる。錘28を交換する必要がなければ、錘28を揺動アーム27に溶接で固定してもよい。すなわち、プラネタリギヤ23と揺動アーム27と錘28は相対移動不能の一体物である。
キャリヤ軸部24・・・はキャリヤ集合部25から延ばした非回転軸であり、他端を軸端支持板31で支える。
なお、軸端支持板31を回転させてキャリヤ集合部25を回すときに、キャリヤ軸部24・・・は変形や撓むことが考えられる。そこで、キャリヤ軸部24・・・にキャリヤ補強部材32を掛け渡した。このキャリヤ補強部材32により、キャリヤ軸部24・・・が変形や撓む心配はなくなり、大きなトルクを軸端支持板31からキャリヤ軸部24へ伝達することが可能となる。
なお、軸端支持板31を回転させてキャリヤ集合部25を回すときに、キャリヤ軸部24・・・は変形や撓むことが考えられる。そこで、キャリヤ軸部24・・・にキャリヤ補強部材32を掛け渡した。このキャリヤ補強部材32により、キャリヤ軸部24・・・が変形や撓む心配はなくなり、大きなトルクを軸端支持板31からキャリヤ軸部24へ伝達することが可能となる。
そして、軸端支持板31に切替えクラッチ機構40をボルト38・・・で連結する。
切替えクラッチ機構40の一構造例を示すと、切替えクラッチ機構40は、軸端支持板31にボルト38・・・で固定する固定クラッチ板41と、この固定クラッチ板41に対向配置する可動クラッチ板42と、この可動クラッチ板42をクラッチオフ側へ付勢するばね43と、可動クラッチ板42をクラッチオン側へ付勢する電磁コイル44と、この電磁コイル44を支持すると共に可動クラッチ板42などを囲うクラッチカバー45とからなる。
切替えクラッチ機構40の一構造例を示すと、切替えクラッチ機構40は、軸端支持板31にボルト38・・・で固定する固定クラッチ板41と、この固定クラッチ板41に対向配置する可動クラッチ板42と、この可動クラッチ板42をクラッチオフ側へ付勢するばね43と、可動クラッチ板42をクラッチオン側へ付勢する電磁コイル44と、この電磁コイル44を支持すると共に可動クラッチ板42などを囲うクラッチカバー45とからなる。
可動クラッチ板42は、エンジンの出力軸21に設けたスプライン部46に沿ってクラッチのオンオフ方向に移動可能であり、電磁コイル44に通電をしなければ、ばね43の作用で図のように固定クラッチ板41から可動クラッチ板42は離れる。この状態をクラッチオフという。
電磁コイル44に通電をすると、可動クラッチ板42は、ばね43の作用に抗して固定クラッチ板41へ移動し、固定クラッチ板41の摩擦面41aに可動クラッチ板42の摩擦面42aが密着する。この状態をクラッチオンという。
電磁コイル44に通電をすると、可動クラッチ板42は、ばね43の作用に抗して固定クラッチ板41へ移動し、固定クラッチ板41の摩擦面41aに可動クラッチ板42の摩擦面42aが密着する。この状態をクラッチオンという。
47は軸受、48は回り止め片であり、この回り止め片48を適当な固定部49に連結する。軸受47の作用で出力軸21の回転を許容しつつ、回り止め片48及び固定部49でクラッチカバー45の回転(空転)を防止することができる。
以上に説明した切替えクラッチ機構40は電磁作用を利用した電磁クラッチであるが、油圧作用を利用した油圧クラッチや空圧作用を利用した空圧クラッチであってもよく、構成、種類は任意に変更可能である。
以上に説明した切替えクラッチ機構40は電磁作用を利用した電磁クラッチであるが、油圧作用を利用した油圧クラッチや空圧作用を利用した空圧クラッチであってもよく、構成、種類は任意に変更可能である。
図1に戻って、三角形のキャリヤ集合部25と軸端支持板31とに、3本のキャリヤ軸部24・・・を渡し、これらのキャリヤ軸部24・・・にキャリヤ補強部材32(これの詳細構造は後述する。)を渡し、また、3本のキャリヤ軸部24・・・の各々に揺動アーム27・・・及び錘28・・・を取付け、揺動アーム27・・・をプラネタリギヤ23・・・に一体化すると共に、プラネタリギヤ23・・・をサンギヤ22に噛み合わせることで可変フライホイール機構20を構成したが、この可変フライホイール機構20は、従来の第1フライホイール(又は第2フライホイール)のスペースに納めることができるため、従来の可変フライホイールに比較して、小型で、軽量化が図れる。
次に可変フライホイール機構20の要部を別の図面で補足説明する。
図3は図2の3−3線断面図であり、サンギヤ22に噛み合うプラネタリギヤ23・・・は、正円のギヤであってもよいが、本例では、扇形のギヤとした。扇形のギヤは正円のギヤより格段に軽量化を図ることができる。サンギヤ22を図反時計方向に回すことで、プラネタリギヤ23・・・及び揺動アーム27・・・を図時計方向に回すことができる。
図3は図2の3−3線断面図であり、サンギヤ22に噛み合うプラネタリギヤ23・・・は、正円のギヤであってもよいが、本例では、扇形のギヤとした。扇形のギヤは正円のギヤより格段に軽量化を図ることができる。サンギヤ22を図反時計方向に回すことで、プラネタリギヤ23・・・及び揺動アーム27・・・を図時計方向に回すことができる。
図4は図2の4−4線断面図であり、キャリヤ補強部材32は、キャリヤ軸部24・・・の各々を貫通させることができるカラー33・・・と、これらのカラー33・・・を繋ぐ前後の壁材34、34(手前の34は見えない。図2参照)と、これらのカラー33・・・及び壁材34、34に渡したくの字状(又はV字断面)のリブ35・・・とから構成する。なお、リブ35・・・は、錘28・・・の形状に対応する錘収納部36・・・を形成する。この結果、錘収納部36・・・に、矢印で示すように、錘28・・・を進入させることができる。
また、3本のキャリヤ軸部24・・・は動力伝達部材であり、動力伝達の際に変形や撓むことを防止する必要がある。三角形形状のキャリヤ補強部材32で、キャリヤ軸部24・・・を補強するため、キャリヤ軸部24・・・の変形や撓みを防止することができ、十分に大きなトルクを伝達させることができる。
以上の構成からなる可変フライホイール機構20の作用を次に説明する。
図5は図3及び図4の作用説明図である。
図3の作用図である図5(a)は、サンギヤ22を回したことにより、プラネタリギヤ23・・・を時計方向に一杯に回した後の状態を示す。
図5は図3及び図4の作用説明図である。
図3の作用図である図5(a)は、サンギヤ22を回したことにより、プラネタリギヤ23・・・を時計方向に一杯に回した後の状態を示す。
図4の作用図である図5(b)は、錘28・・・が錘収納部36・・・に収納された状態を示す。
すなわち図4は回転中心から錘28・・・までの距離が十分に大きくて最大のフライホイール効果が得られる状態を示し、図5(b)は回転中心から錘28・・・までの距離が十分に小さくて錘28・・・が回転エネルギーのロスを招く心配がないことを示す。
すなわち図4は回転中心から錘28・・・までの距離が十分に大きくて最大のフライホイール効果が得られる状態を示し、図5(b)は回転中心から錘28・・・までの距離が十分に小さくて錘28・・・が回転エネルギーのロスを招く心配がないことを示す。
また、図5(a)から明らかなように、サンギヤ22はプラネタリギヤ23・・・を約180°だけ回転させる、駆動手段として部材であると言える。
すなわち、サンギヤ22とプラネタリギヤ23・・・とからなる遊星ギヤ機構は、一般には減速作用、増速作用を発揮するが、本発明では錘28・・・の位置変更機構として作用させることに特徴がある。
すなわち、サンギヤ22とプラネタリギヤ23・・・とからなる遊星ギヤ機構は、一般には減速作用、増速作用を発揮するが、本発明では錘28・・・の位置変更機構として作用させることに特徴がある。
次に、本発明のフライホイール装置10の総合的な作用を説明する。
図6は本発明のフライホイール装置の作用説明図である。図面は符号の向きに見るものとする。
図6は本発明のフライホイール装置の作用説明図である。図面は符号の向きに見るものとする。
図左下の(a)は、切替えクラッチ機構40がクラッチオンの状態にあり、錘28・・・が回転中心54から十分に離れた「低回転の動力伝達モード」を示す。このモードでは、クラッチオンであるため、サンギヤ22とプラネタリギヤ23・・・の相対回転は阻止され、エンジン52の出力が、フライホイール出力軸26に伝達され、負荷としてのトランスミッション53を駆動する。このモードはアイドリング時や発進や低速走行時に好適である。
低回転域から高回転域へ移行するときには、制御装置51により、切替えクラッチ機構40をクラッチオフの状態にする。この状態を図左上の(b)に示す。
(b)において、エンジン52を加速状態にすると、サンギヤ22がプラネタリギヤ23・・・を相対的に回し始める。すなわち、加速中にはサンギヤ22の回転速度が、プラネタリギヤ23・・・の回転速度より大きくなるため、速度差が発生し、この速度差でプラネタリギヤ23・・・を回転させる。
この結果、錘28・・・は回転中心54に接近する。錘28・・・が最も回転中心に接近した状態を(c)に示す(図5(b)参照)。これらの(b)及び(c)が「マス制御モード」に相当する。
(b)において、エンジン52を加速状態にすると、サンギヤ22がプラネタリギヤ23・・・を相対的に回し始める。すなわち、加速中にはサンギヤ22の回転速度が、プラネタリギヤ23・・・の回転速度より大きくなるため、速度差が発生し、この速度差でプラネタリギヤ23・・・を回転させる。
この結果、錘28・・・は回転中心54に接近する。錘28・・・が最も回転中心に接近した状態を(c)に示す(図5(b)参照)。これらの(b)及び(c)が「マス制御モード」に相当する。
(d)において、制御装置51により、切替えクラッチ機構40をクラッチオンの状態にする。この状態は、錘28・・・が回転中心に十分に接近した「高回転時の動力伝達モード」に相当する。このモードでは、クラッチオンであるため、サンギヤ22とプラネタリギヤ23・・・の相対回転は阻止され、エンジン52の出力が、フライホイール出力軸26に伝達され、負荷としてのトランスミッション53を駆動する。このモードは高速走行時に好適である。
高回転域から低回転域へ移行するときには、(d)→(c)→(b)→(a)の順で制御すればよい。このときには、(c)において、エンジンブレーキング作用により、サンギヤ22の回転速度がプラネタリギヤ23・・・の回転速度より小さくなるため、相対的に速度差が発生し、(c)→(b)が実現する。
以上に簡単に述べた制御装置51の作用を、以下に詳しく説明する。
図6(b)において、制御装置51は、エンジン52に関する負荷情報(アイドリング、加速、定速、減速などの情報)を入手し、エンジン52の出力が所定の負荷値内では、図6(a)や(d)に代表される動力伝達モードを選択する。この動力伝達モードでは錘の位置は問わなく、切替えクラッチ機構40がクラッチオンの状態であるときの総称である。
図6(b)において、制御装置51は、エンジン52に関する負荷情報(アイドリング、加速、定速、減速などの情報)を入手し、エンジン52の出力が所定の負荷値内では、図6(a)や(d)に代表される動力伝達モードを選択する。この動力伝達モードでは錘の位置は問わなく、切替えクラッチ機構40がクラッチオンの状態であるときの総称である。
また制御装置51は、エンジン52の出力が所定の負荷値以下/又は負荷値以上となると、切替えクラッチ機構40を一旦所定時間クラッチオフの状態にする。この状態はマス制御モードに相当し、このマス制御モードで、図6(b)→(c)や(c)→(b)のように、錘28・・・の位置を変更する。この変更に要する時間が所定時間に相当する。所定時間が経過したら、切替えクラッチ機構40をクラッチオンの状態に戻して動力伝達モードに移行する。
すなわち、フライホイール装置10は、エンジン52に関する負荷情報を読込み、この負荷情報に応じて動力伝達モードからマス制御モードへ切替え、回転中心から錘までの距離を変更し、動力伝達モードに戻すという一連の制御を行う制御装置51を、備えることを特徴とする。
なお、(a)では回転中心54から錘28・・・が十分に離れた状態を示し、(d)では回転中心に錘28・・・が最も接近した状態を示したが、所定時間の調整する若しくはサンギヤ22の回転数を調整することで、錘28・・・を任意の位置に置くことができることはいうまでもない。
したがって、回転中心54から錘28までの距離は、揺動アーム27の揺動角度を変更することで、連続的に変更することができる。この結果、超低回転域、低回転域、中回転域、高回転域、超高回転域の全てにわたって、きめ細かく錘28・・・の位置を変更することができ、多様のフライホイール効果を得ることができる。
次に、本発明に係る比較例及び変更例を説明する。
図7は本発明に係るフライホイール装置の比較例、基本例及び変更例を示す原理図である。
(a)は比較例を示し、エンジンの出力軸121をトランスミッション153に直結すると共に、サンギヤ122は軸受157を介して出力軸121に空転可能に取付け、このサンギヤ122を切替えクラッチ機構140を介して固定部材149に連結可能に構成したものである。
図7は本発明に係るフライホイール装置の比較例、基本例及び変更例を示す原理図である。
(a)は比較例を示し、エンジンの出力軸121をトランスミッション153に直結すると共に、サンギヤ122は軸受157を介して出力軸121に空転可能に取付け、このサンギヤ122を切替えクラッチ機構140を介して固定部材149に連結可能に構成したものである。
図はクラッチオフの状態にあるため、プラネタリギヤ123はサンギヤ122とともに出力軸121を中心にして連れ回るため、回転中心から錘128までの距離は固定したままで、動力をエンジン152からトランスミッション153へ伝達することができる。
すなわち、クラッチオフで動力伝達モードが達成できる。
すなわち、クラッチオフで動力伝達モードが達成できる。
次に制御装置151で電磁コイル144に通電すると、固定部材149にサンギヤ122が繋がり、サンギヤ122は空転不能に静止する。静止したサンギヤ122をプラネタリギヤ123が自転しながら周回するため、錘128の位置を変更することができる。すなわち、クラッチオンでマス制御モードが達成できる。
錘128の位置変更が終了したら、クラッチをオフにして動力伝達モードに戻ればよい。
錘128の位置変更が終了したら、クラッチをオフにして動力伝達モードに戻ればよい。
しかし、(a)では回転中心に出力軸121が存在するため、錘128を回転中心に接近させることはできない。そのため、慣性モーメントの変更幅を拡大することが難しくなる。これを解決し得る実施例を(b)及び(c)で説明する。
(b)は図6(a)の省略図であり、切替えクラッチ機構40をエンジンの出力軸21と、可変フライホイール機構20のキャリヤ軸部24・・・との間に介在させたものであった。これを基本例として、変更例を次に示す。
(c)は切替えクラッチ機構40をエンジンの出力軸21と、リングギヤ56との間に介在させた変更例を示す。この変更例では、可動クラッチ板42を電磁コイル44の吸着力でリングギヤ56に繋げると、動力伝達モードとなる。可動クラッチ板42をリングギヤ56から離すと、マス制御モードとなり、サンギヤ22でプラネタリギヤ23・・・を回すことができ、錘28・・・の位置を変更することができる。
(b)及び(c)は、回転中心若しくはその近傍に錘28・・・を進入させることができる。この結果、慣性モーメントの変更幅を拡大することができる。
尚、本発明のフライホイール装置は、エンジンとトランスミッションとの間に介在させる車両用フライホイールに好適であるが、負荷はトランスミッションに限らない。したがって、本発明のフライホイール装置は、車両以外の例えばポンプやローターなど回転機械に広く適用することができる。
また、実施例ではプラネタリギヤの数を3としたが、プラネタリギヤの数は錘の数と同数であれば良く、数は限定しない。
本発明のフライホイール装置は、エンジンとトランスミッションとの間に介在させる車両用フライホイールに好適である。
10…フライホイール装置、20…可変フライホイール機構、21…エンジンの出力軸、22…サンギヤ、23…プラネタリギヤ、24…キャリヤ軸部、25…キャリヤ集合部、26…フライホイール出力軸、27…揺動アーム、28…錘、32…キャリヤ補強部材、33…カラー、34…壁材、35…リブ、36…エンジン、53…負荷としてのトランスミッション、54…回転中心。
Claims (2)
- 回転中心から錘までの距離を変更することができるように構成した可変フライホイール機構を備えるフライホイール装置において、
前記可変フライホイール機構は、エンジンの出力軸に接続するサンギヤと、このサンギヤに噛み合せる複数個のプラネタリギヤと、これらのプラネタリギヤを各々回転可能に支持するキャリヤ軸部と、これらのキャリヤ軸部に揺動可能に取付けるとともに前記プラネタリギヤで揺動させる揺動アームと、前記揺動アームに取付ける前記錘とを備えるとともに、前記回転中心の近傍に前記錘を収納することができる錘収納部を備えることを特徴とするフライホイール装置。 - 請求項1記載のフライホイール装置は、前記回転中心から放射状に延びる複数のリブと、これらのリブの先端に固定するとともに前記キャリヤ軸部を貫通させることができるカラーとからなるキャリヤ補強部材を備え、前記複数のリブを屈曲させることで、キャリヤ補強部材に前記錘収納部を形成したことを特徴とするフライホイール装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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- 2006-01-31 JP JP2006022445A patent/JP2007205393A/ja active Pending
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