JP2007204458A - 抗真菌作用三環性複素環化合物 - Google Patents

抗真菌作用三環性複素環化合物 Download PDF

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勝浩 川上
Takao Horiuchi
貴雄 堀内
Kazuo Kanai
一夫 金井
Yutaka Takeshita
裕 竹下
Makoto Takemura
真 竹村
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Abstract

【課題】1,6−β−グルカン合成阻害という作用メカニズムに基づく抗真菌作用を、カンジダ属などの病原性真菌に特異的または選択的に発現し得る化合物の提供。
【解決手段】下記の式(I)で示される化合物、その塩、またはそれらの水和物(式中、R1は含窒素複素環基または塩基性置換基を有する基を示し、Aを含む構造部分は、窒素原子を1〜3個有していてもよい6員の芳香環を示す)。例えば、Xが酸素、Aがピリジン環、Rがジメチルアミノピロリジル基、Rがフェニル基、Rがメチル基、Rがニトリル基等の場合、高い抗真菌活性を示す。
Figure 2007204458

【選択図】なし

Description

本発明は、病原性真菌に対して抗真菌作用を示す化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物(水和物を含む。)に関する。またこれらを含有する抗真菌剤に関する。
真菌は、ヒト、動物、植物等に感染して様々な疾病を引き起こすことが知られている。例えば、ヒトの皮膚の表皮角質層や爪、毛髪等の角化組織、口腔等の粘膜上皮に表在性真菌症を起こす他、体表面から深い部位にある皮膚組織に対しても深部皮膚真菌症を起こし、食道や内臓、脳などの深部組織でも深在性真菌症を起こす。ヒトに感染して深在性真菌症を起こす病原性真菌の主なものとしては、カンジダ属、クリプトコッカス属、アスペルギルス属等が知られ、表在性真菌症では、皮膚、口腔、膣等に感染するカンジダ属、手足の皮膚に感染する白癬菌等が主なものと考えられている。その他にも多様な真菌が存在し、動植物に感染すると考えられている。
1950年以降の抗生物質、化学療法薬に関する研究開発の急速な進歩、およびそれらの広範な普及により、細菌性の感染症に対する多くの治療薬が開発されてきた。同様に抗真菌薬の開発へ向けても多大な努力が払われたが、抗菌化学療法剤の開発に比較して、現在臨床の場に供されている化合物は少ない。その一方で、医療現場における抗菌性薬剤(抗生物質や化学療法剤)の繁用、悪性腫瘍、白血病、臓器や骨髄移植、および後天性免疫不全症候群等により免疫力の低下したコンプロマイズトホストの増加等により、近年では深在性真菌症が増加して、問題となっている。
現在の臨床の場にて使用されている主な抗真菌剤としては、ポリエンマクロライド系、フロロピリミジン系、アゾール系等がある。表在性真菌症の治療には、主に外用として使用され、それらには多種のアゾール系薬剤を始め、ポリエンマクロライド系のナイスタチン、グリセオフルビン、塩酸テルビナフィン、塩酸ブテナフィン、塩酸アモロルフィン等が用いられている。一方、近年増加が著しい深在性真菌症の治療においては、ポリエンマクロライド系薬剤であるアンホテリシンBは、抗菌スペクトルが広く有効性も高いが、毒性(副作用)の面からみて問題がある。さらに、フロロピリミジン系薬剤であるフルシトシンは、毒性は低いものの容易に真菌の耐性化を招く。このように、現在、深在性真菌症の治療に使用されている薬剤は、抗菌スペクトル、有効性、安全性等の面からみて医療満足度の高いものは極めて少ない。さらに、これら抗深在性真菌剤のうちで特に多用されているフルコナゾールは病原性真菌のうち、例えば、カンジダ・グラブラタ、カンジダ・トロピカリス、カンジダ・クルーセイ等には低感受性であり、また、耐性菌も出現しつつある。したがって、臨床ではこれらの問題点を克服した新規抗真菌薬が待ち望まれている。
一方、近年の真菌症療法の発達や新規抗真菌剤の開発へ向けて、有用性を科学的に評価するための試験方法が確立され、作用メカニズムの研究の進歩と相俟って、より有効で安全な薬剤の開発が望まれている。耐性菌問題の克服という点からも、新規作用メカニズムを有する抗真菌剤の開発も待望されている。
さらには、安全性面の問題から、真菌が細菌(原核細胞)とは異なって、ヒトと同様の真核細胞であるため、特異的(選択的)に真菌細胞に障害を及ぼす化合物を開発する必要がある。
こうした状況下、真菌の主要な細胞壁構成成分の合成、いわゆる細胞壁多糖合成系を阻害する薬剤、すなわち真菌に特異的に存在する細胞壁多糖系の合成酵素を作用標的分子とする抗真菌剤が作用メカニズムの新規性や選択毒性の面から期待されている。真菌細胞壁を構成している多糖としては、β−グルカン、キチンあるいはキトサン、そしてマンナンが知られており、そのうちの真菌細胞壁の主要な構成成分であるβ−グルカンは、1,3−β−グルカンと1,6−β−グルカンに分けられる。
1,3−β−グルカン合成酵素阻害剤としては、これまでにパプラカンジン類(非特許文献1)、エキノカンジン類(非特許文献2)、ニューモカンジン類(非特許文献3)、アクレアシン類(非特許文献4)等が報告されている。近年、キャスポファンギン(非特許文献5)やミカファンギン(非特許文献6)等が開発されて上市されている。しかしながら、これらはいずれも注射剤しかなく、経口投与でも有効な新規抗真菌剤が望まれている。
1,6−β−グルカン合成酵素阻害剤としては3環系のイミダゾ[1,2−a]ピリジン誘導体が報告されている(特許文献1)が、より増殖抑制の強い、広い対象病原性真菌スペクトラムをもつ1,6−β−グルカン合成酵素阻害剤を開発する必要がある。
一方、2環系の骨格をもつピリジン誘導体として、イミダゾピリジン、トリアゾロピリジン、ピラゾロピリジンおよびその誘導体が、非常に広範囲にわたる領域で薬理活性をもつことが知られており、イミダゾピリミジンやピラゾロピリミジン誘導体が植物病害を起こす真菌に対する抗真菌作用を示す報告がある(特許文献2、3および非特許文献7)。
国際公開2003/064422号パンフレット 国際公開2003/022850号パンフレット 国際公開2005/077948号パンフレット ジャーナル オブ アンチビオティクス、第36巻、1539頁(1983年) ジャーナル オブ メディシナルケミストリー、第38巻、3271頁(1995年) ジャーナル オブ アンチビオティクス、第45巻、1875頁(1992年) ジャーナル オブ バイオケミストリー、第105巻、606頁(1989年) ジャーナル オブ メディシナルケミストリー、第37巻、222頁(1994年) ジャーナル オブ アンチビオティクス、第52巻、674頁(1999年) ジャーナル オブ メディシナルケミストリー、第18巻、1253頁(1975年)
本発明の目的は、1,6−β−グルカン合成阻害という作用メカニズムに基づく抗真菌作用を、カンジダ属などの病原性真菌に特異的または選択的に発現し得るような化合物を提供することにあり、さらにはこのような化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する経口投与可能な医薬、特に感染症治療薬、更には抗真菌剤を提供することである。
本発明者らは、1,6−β−グルカン合成酵素の阻害による抗真菌活性を示す化合物を獲得する目的で、化合物の探索を実施し、[14C]−グルコースの取り込みを指標とする生体高分子合成阻害試験により1,6−β−グルカン合成阻害作用を示す化合物を見出した。さらにその化合物と構造的に類似した化合物群が病原性の真菌に抗真菌作用を示すかを検証した。その結果、式(I)で示される、塩基性置換基を置換基として有する、ベンゾフロピリジン、ジベンゾフランなどの骨格を有する誘導体、その塩並びにそれらの溶媒和物が、1,6−β−グルカン合成阻害を作用メカニズムとする、広範囲で強い抗真菌作用を示し、特に深在性真菌症の起因菌、とりわけカンジダ属、に対して優れた抗菌作用を示すことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む;
1. 下式(I)で示される化合物、その塩、またはそれらの水和物:
Figure 2007204458
[式中、Rは、
窒素原子を1個または2個含む、飽和または部分飽和の4員環から8員環の含窒素複素環基(ここで、窒素原子が1個のときはこの窒素原子は母核への結合部位とはならず、また、窒素原子上には炭素数1から6のアルキル基が置換していてもよい。)
を示すか、あるいは、塩基性置換基として
(1) アミノ基、
(2) 炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
(3) 同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、
(4) アミノメチル基、
(5) 炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノメチル基、または
(6) 同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノメチル基、
が置換した下記の[a]ないし[c]から選ばれる基を示し;
[a]:窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から、重複して選ばれてもよい複素原子を1個または2個含む、飽和または部分飽和の4員環から8員環の複素環基、
[b]:二重結合を含んでいてもよい4員環から6員環の環状炭化水素基、
[c]:
次式:
−X−(炭素数1から6のアルキル基)
[式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、−CH−、または式:
−N(−R11)−
(ここで、窒素原子上のR11は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数3から6のシクロアルキル基、または炭素数7から9のアラルキル基を示す。)
で示される構造を示す。]
で示される基を示し、
ここで、[a]の複素環基および[b]の環状炭化水素基は、[置換基群1]から重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよく;
[置換基群1]:
ハロゲン原子、
水酸基、
カルボキシ基、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3からの6シクロアルキル基、
炭素数7から9のアラルキルオキシ基、
炭素数8から10のアラルキルオキシカルボニル基、および
下式:
−C(=O)−N(−R12)R13
(式中、窒素原子上のR12およびR13は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
で示される基;
は、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素数1から8のアルキル基、
炭素数2から8のアルケニル基、
炭素数2から8のアルキニル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、
炭素数5から6のシクロアルケニル基、
単環式もしくは二環式のアリール基、
単環式もしくは二環式のヘテロアリール基(窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から重複して選択されてもよい複素原子を1個から4個含む。)、または
下式:
−X−R21
[式中、Xは、−C(=O)−、−(CH−、−C(=O)−N(−R22)−、または−N(−R23)−C(=O)−を示し、
nは、1から3の整数のいずれかを示し、
21は、
炭素数1から6のアルキル基、
単環式もしくは二環式のアリール基、または
単環式もしくは二環式のヘテロアリール基(窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から重複して選択されてもよい複素原子を1個から4個含む。)
を示し、
22およびR23は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。]
で示される基を示すが、
これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、[置換基群2]から重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよく;
[置換基群2]:
ハロゲン原子、
アミノ基、
水酸基、
カルボキシ基、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数6から10のアリール基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3からの6シクロアルキル基、および
次式:
−C(=O)−N(−R24)R25
(式中、窒素原子上のR24およびR25は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
で示される基;
ここで、[置換基群2]のアミノ基は、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、
炭素数6から10のアリール基、
炭素数7から12のアラルキル基、
芳香族複素環基、
炭素数1から6のアルキルスルホニル基、および
炭素数6から10のアリールスルホニル基
からなる群の基から選ばれる1個または2個の基を置換基として有していてもよく、さらに、置換基が2個の場合は互いに結合して環状構造を形成してもよい;
は、
水素原子、
炭素数1から4の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、
炭素数3または4の環状アルキル基、
炭素数1から4のアルコキシ基、
同一もしくは異なるアルキル鎖を有し、炭素数の合計が2から4であるジアルキルアミノ基、
トリハロゲノアルキル基、および
炭素数1から3のアルコキシ基を有するアルコキシメチル基
からなる群の基から選ばれる基を示し;
は、
シアノ基、次式:
−COOR41、または次式:
−C(=O)−N(−R42)R43
(これらの式中、R41、R42およびR43は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。)
で示される基であるか、あるいは
とRとは一体化して、次式(−R−R−を示す。):
−(C=Y)−Y−(CH
(式中、Yは、酸素原子、硫黄原子、N−R44、またはC(−R45)R46を示し、Yは、N−R47、酸素原子、または硫黄原子を示し、R44、R45、R46、およびR47は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示し、pは、整数の1または2である。)
で示される構造を形成してもよく;
式:
Figure 2007204458
で示される構造のうちのAを含む構造部分は、窒素原子を1個、2個または3個有していてもよい6員環の芳香環を示し;
は、水素原子を示すかまたは次の[i]ないし[iv]に示される置換基群から選ばれる基を示す:
[i]:
ハロゲン原子、
水酸基、
カルボキシ基、
直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、および
炭素数3からの6シクロアルキル基;
[ii]:
アミノ基、
炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、および
窒素原子を結合部位とする4員環から6員環の飽和含窒素複素環基;
[iii]:
下式:
−C(=O)R51
(式中、炭素原子上のR51は、
炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキル基および炭素数1から6のアルコキシ基を有するアルキル(アルコキシ)アミノ基、
窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子を1個または2個含有し、窒素原子上でカルボニルと結合する5員環または6員環の飽和環状含窒素複素環基、
窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子を1個から4個含む、5員環または6員環の芳香族複素環基、
同一であってもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、および
窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子を1個から4個含む、5員環または6員環の芳香族複素環基と炭素数1から3のアルキレン基とからなる芳香族複素環置換アルキル基、
からなる群の基から選ばれる基を示す。)
で示される基;
[iv]:
下式:
−N(−R52)−C(=O)R53
(式中、R52およびR53は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。)
で示される基;
さらに、置換基群[i]から[iv]の基におけるアルキル部分およびアルコキシ基のアルキル部分は[置換基群5]から重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよく、また、芳香族または飽和の複素環基および含窒素複素環基は、[置換基群5]に炭素数1から6のアルキル基をリンカーとして加えて構成される基であって、重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよい;
[置換基群5]:
ハロゲン原子、
アミノ基、
水酸基、
カルボキシ基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3からの6シクロアルキル基、
炭素数7から9のアラルキルオキシ基、
炭素数8から10のアラルキルオキシカルボニル基、および
下式:
−C(=O)−N(−R54)R55
(式中、窒素原子上のR54およびR55は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
で示される基;
ここで、[置換基群5]のアミノ基は、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、
炭素数6から10のアリール基、
炭素数7から12のアラルキル基、
芳香族複素環基、
炭素数1から6のアルキルスルホニル基、および
炭素数6から10のアリールスルホニル基
からなる群の基から選ばれる基を1個または2個置換基として有していてもよく、さらに、該アミノ基の置換基が2個の場合は互いに結合して環状構造を形成してもよく;
Xは、酸素原子、硫黄原子、N−R、または−C(−R71)R72を示し、
、R71およびR72は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。]
2. Xが、酸素原子である上記1.または2.に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物。
3. 上記1.または2.に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する医薬。
4. 上記1.または2.に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する感染症治療剤。
5. 上記1.または2.に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する抗真菌剤。
6. 上記1.または2.に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を使用する感染症の治療方法。
7. 上記1.または2.に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の感染症治療のための使用。
8. 上記1.または2.に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の感染症治療の製造のための使用。
本発明は、1,6−β−グルカン合成阻害という作用メカニズムに基づく抗真菌作用を広スペクトルで、かつ特異的または選択的に発現し得るような化合物を提供し、このような化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を含有する医薬、特に感染症治療薬、抗真菌剤を提供する。
本明細書において用いられる用語の定義は以下の通りである。これらのうちから、R、X、およびYの各々の記号を含む置換基各々の限定に応じてこれらから選択すればよい。
「アルキル基」またはアルキル部分を含む置換基(例えばアルコキシ基等)におけるアルキル部分は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。具体的には、アルキル基として、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、ノルマルブチル基、ノルマルペンチル基、ノルマルヘキシル基、ノルマルヘプチル基、ノルマルオクチル基、ノルマルノニル基、ノルマルウンデシル基、ノルマルドデシル基、ノルマルトリデシル基、ノルマルテトラデシル基、ノルマルペンタデシル基、ノルマルヘキサデシル基、ノルマルヘプタデシル基、ノルマルオクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、第二級ブチル基、第三級ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、第三級ペンチル基、イソヘキシル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等を挙げることができる。
「シクロアルキル基」は、単環式または二環式の環状アルキル基を示し、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ビシクロ[3.2.1]オクト−2−イル基等を挙げることができる。
「アルケニル基」は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよく、炭素炭素二重結合を1個または2個以上有する。具体的には、ビニル基、プロペニル基、ブテン−1−イル基、イソブテニル基、ペンテン−1−イル基、2−メチルブテン−1−イル基、3−メチルブテン−1−イル基、ヘキセン−1−イル基、ヘプテン−1−イル基、オクテン−1−イル基等を挙げることができる。
「シクロアルケニル基」は、単環式または二環式の環状アルケニル基を示し、例えば、2−シクロペンテン−1−イル基、2,4−シクロペンタジエン−1−イル基、5−ノルボルネン−2−イル基等を挙げることができる。
「アルキニル基」は、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよく、炭素炭素三重結合を1個または2個以上有する。具体的には、エチニル基、プロピニル基等を挙げることができる。
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を示す。
「アリール基」とは、芳香族炭化水素の芳香環から水素原子1個を除いた1価基のことを示す。アリール基を構成する芳香環は単環または縮合環のいずれでもよい。例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、アズレニル基等を挙げることができる。
「アラルキル基」とは、アルキル基の水素原子が1個または2個以上前記のアリール基で置換されている基を示す。例えば、ベンジル基、ベンズヒドリル基、トリチル基等を挙げることができる。
「複素環基」とは、飽和、部分飽和、または不飽和の複素環化合物から導かれる基を示し、単環式、二環式、またはスピロ環式のいずれでもよい。複素環基を与える複素環化合物としては、例えば、アジリジン、アゼチジン、ピロール、フラン、チオフェン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、イミダゾール、ピラゾール、イミダゾリジン、ピラゾリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、ピリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピラン、ピペリジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、ピラジン、ピペラジン、ピロリドン、ジオキサン、ピラン、モルホリン、ベンゾフラン、インドリジン、ベンゾチオフェン、インドール、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、クロマン等を挙げることができ、さらに、下式で表されるものを例示することができる。
Figure 2007204458
(式中、R81は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロゲノアルキル基、または炭素数3から6のシクロアルキル基を示し、置換基Qは、次式:
−(C(−R91)R92)q−N(−R93)R94
で示される置換基を示し、bは、0、1、または2の整数を示し、qは0、1または2の整数を示し、R93およびR94は、各々独立に、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数1から6のハロゲノアルキル基であるか、アミノ酸、ジペプチド、もしくは3個から5個のアミノ酸からなるポリペプチドを示し、R91およびR92は、各々独立に、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数1から6のハロゲノアルキル基、炭素数1から6のヒドロキシアルキル基、炭素数1から6のアミノアルキル基、炭素数2から12のアルコキシアルキル基、炭素数3から6のシクロアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、または置換基を有していてもよい炭素数3から10のヘテロアリール基を示す。)
81としては、水素原子、またはアルキル基が好ましく、アルキル基としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、またはイソプロピル基が好ましい。
93およびR94としては、水素原子、またはアルキル基が好ましく、アルキル基としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、またはイソプロピル基が好ましい。
91とR92は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲノアルキル基、アルコキシルアルキル基、シクロアルキル基、またはフェニル基が好ましい。これらのうちでも水素原子、メチル基、エチル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、メトキシメチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、またはフェニル基がさらに好ましい。
また、R91とR92は、一体化して、炭素数3から6の環構造を形成してもよい。さらに、この環には環を構成する原子として窒素原子を含んでいてもよい。好ましい環構造として、シクロプロピル、シクロブチル、またはシクロペンチルを挙げることができる。
「ヘテロアリール基」とは、上記の複素環基の中で、芳香性(あるいは芳香族性)を有するものを特に示し、「アロマティックヘテロサイクル」と称されるものを示す。
例えば、5員環や6員環で単環性のものや、双環性でベンゾ縮合環系あるいは複素環−複素環縮合環系で、5−6縮合環系、6−6縮合環系のもの等を挙げることができる。例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ピラジニル基、ベンゾフリル基、インドリル基、ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基等を挙げることができる。
さらに、本願明細書において「芳香族複素環基」とは、上記のヘテロアリール基のうちで、単環性の5員環または6員環で、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子からなる群から選ばれる1種以上の複素原子を1個から4個を含むものを特に示す。例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、ピラジニル基等を挙げることができる。
本明細書中に、アミノ基、水酸基、またはメルカプト基等について、「保護基によって保護されていてもよい」とある場合の「保護基」はこの分野で汎用されるものであれば特に限定されないが、例えば、第三級ブトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基類;ベンジルオキシカルボニル基、パラメトキシベンジルオキシカルボニル基、パラニトロベンジルオキシカルボニル基等のアラルキルオキシカルボニル基類;アセチル基、メトキシアセチル基、トリフルオロアセチル基、クロロアセチル基、ピバロイル基、ホルミル基、ベンゾイル基等のアシル基類;第三級ブチル基、ベンジル基、パラニトロベンジル基、パラメトキシベンジル基、トリフェニルメチル基等のアルキル基類、またはアラルキル基類;メトキシメチル基、第三級ブトキシメチル基、テトヒドロピラニル基、2,2,2−トリクロロエトキシメチル基等のエーテル類;トリメチルシリル基、イソプロピルジメチルシリル基、第三級ブチルジメチルシリル基、トリベンジルシリル基、第三級ブチルジフェニルシリル基等の(アルキルおよび/またはアラルキル)置換シリル基を挙げることができる。また、アミノ基がフタルイミドとなって保護されていてもよい。
「アミノ酸、ジペプチド、もしくは3個から5個のアミノ酸からなるポリペプチドから導かれる基」、あるいは「アミノ基に結合するアミノ酸、ジペプチド、または3個から5個のアミノ酸からなるポリペプチド」とは、例えば、アミノ酸類、ジペプチド類、およびトリペプチド類、あるいはこれらから導かれる置換カルボニル基である。すなわち、グリシン、アラニン、アスパラギン酸等のアミノ酸類、グリシン−グリシン、グリシン−アラニン、アラニン−アラニン等のジペプチド類、そしてグリシン−グリシン−アラニン、グリシン−アラニン−アラニン等のトリペプチド類、あるいはこれらから導かれる置換カルボニル基を挙げることができる。
本発明の式(I)で表される化合物の部分構造および置換基について述べる。
下式(I):
Figure 2007204458
で示される化合物は、置換基RからR、およびR、そしてシアノ基を主とするRを置換基として三環性母核(RとRとが一体化して環状構造を形成したときは四環性母核となる。)に有する構造を有している。なお、この三環性母核は、Xを含む環およびAを含む環状部分がいずれも芳香環であり、全体として三環性芳香族環状構造となっている。これらの置換基などについて以下に説明する。
は塩基性基である。塩基性基としては、窒素原子を1個または2個含む、飽和または部分飽和の4員環から8員環の含窒素複素環基の場合と、次に記載の、塩基性置換基を有する塩基性基の場合がある。
前者の含窒素複素環基の場合、環内の窒素原子部分が塩基性発現部分として機能する。したがって、窒素原子が1個のときは窒素原子は三環性母核への結合部位とはならない。また、窒素原子上には炭素数1から6のアルキル基が置換していてもよい。含窒素複素環基としては、4員環から8員環の大きさのものであればよいが、好ましくは4員環から6員環の大きさである。この環は、飽和環であってもよく、また二重結合を含んで部分飽和となっていてもよい。含窒素複素環基が二重結合を含むときは三環性母核と共役する位置にあるものが好ましい。
後者の塩基性置換基を有する塩基性基は以下に示す基である。先ず塩基性置換基であるが;
(1) アミノ基、
(2) 炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
(3) 同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、
(4) アミノメチル基、
(5) 炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノメチル基、または
(6) 同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノメチル基、
であればよい。
(2)の例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基等である。アルキル基は直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。
(3)の例としては、上記(2)で示したアルキルアミノ基の窒素原子がさらに炭素数1から6のアルキル基によってアルキル化されたものであり、このような第2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基等である。2個のアルキル基は、同一でも異なっていてもよい。
(4)、(5)、または (6)に記載のアミノメチル基またはアルキルアミノメチル基、ジアルキルアミノメチル基は上記(1)のアミノ基、あるいは(2)または(3)で説明したアルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基とメチレン基(−CH−)とから構成されるものでよい。
塩基性置換基としては、アルキルアミノ基またはジアルキルアミノ基がよく、具体的には、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基が好ましい。
上記の(1)から(6)の塩基性置換基は下記の[a]から[c]として示される基の上に置換して塩基性基が構成される。
[a]:窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から、重複して選ばれてもよい複素原子1または2を含む、飽和または部分飽和の4員環から8員環の複素環基、
[b]:二重結合を含んでいてもよい4員環から6員環の環状炭化水素基、
[c]:
次式:
−X−(炭素数1から6のアルキル基)
[式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、−CH−、または式:
−N(−R11)−
(ここで、窒素原子上のR11は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数3から6のシクロアルキル基、または炭素数7から9のアラルキル基を示す。)
で示される構造を示す。]
で示される基を示す。
ここで、[a]の複素環基および[b]の環状炭化水素基は、[置換基群1]から重複して選択されてもよい1個以上の基を有していてもよく;
[置換基群1]:
ハロゲン原子、
水酸基、
カルボキシ基、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3からの6シクロアルキル基、
炭素数7から9のアラルキルオキシ基、
炭素数8から10のアラルキルオキシカルボニル基、および
下式:
−C(=O)−N(−R12)R13
(式中、窒素原子上のR12およびR13は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
で示される基。
[a]に示した飽和もしくは部分飽和の複素環基は、先に示した複素環基の中から、次の要件を満たす複素環基を選択すればよい。
1.含まれる複素原子は、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から、重複して選ばれてもよい1個または2個であり;
2.飽和または部分飽和であり;さらに
3.単環性で、4、5、または6員環である。
例えば、アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペリジニル基を複素環基として挙げることができ、さらにこれらのピロリジニル基およびピペリジニル基に、硫黄原子または酸素原子を第2の複素原子として有する複素環基等を挙げることができる。
これらのうち、窒素原子を複素原子として有する、飽和環の、5員環の複素環基がより好ましい。さらに、この複素環基は窒素原子において三環性母核と結合していることが好ましい。
[b]に示した環状炭化水素基としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、およびシクロヘキシル基、さらには二重結合を含むシクロブテニル基、シクロペンテニル基、そしてシクロヘキセニル基が好ましものとして挙げることができる。なお、二重結合を有する炭化水素基において二重結合の位置は、三環性母核と結合する炭素原子が2重結合の一方の炭素原子となり、三環性母核と共役する位置であることが好ましい。
これらの[a]および[b]の基において、塩基性置換基を有する、[a]または[b]の基としては、アミノメチル基またはジアルキルアミノ基を有する、5員環の飽和複素環基であるか、または二重結合を1個有する炭化水素基が好ましい。これらのうちでは、ジアルキルアミノ基を有する5員環の飽和複素環基または二重結合を1個有する炭化水素基が好ましい。さらに具体的には、メチルアミノ基またはジメチルアミノ基を有する、1−ピロリジニル基、シクロペンチル基、または1−シクロペンテニル基が好ましい。
また、塩基性置換基の結合する炭素原子はさらに置換基を有していてもよい。このような置換基としては、炭素数1から6のアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基が好ましく、より好ましくはメチル基である。これらのものを以下に示す。
Figure 2007204458
[c]で示した基は、窒素原子、酸素原子、メチレン、または硫黄原子を三環性母核とのリンカーとして含むアルキル基である。このアルキル部分の炭素数は1から6であり、直鎖状、分枝鎖状のいずれでもよい。このアルキル上の塩基性置換基の位置はいずれでもよいが、アルキル鎖の末端にあるものがより好ましい。
リンカーとしては窒素原子が好ましく、さらにこの窒素原子上にアルキル基を置換基として有するこの好ましい。リンカー部分を含む鎖長は、3または4原子分の鎖長が好ましい。
の塩基性基としては環状構造を有するものがより好ましい。すなわち、[a]または[b]で示された置換基上に塩基性置換基を有する構造のものが好ましい。
は、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素数1から8のアルキル基、
炭素数2から8のアルケニル基、
炭素数2から8のアルキニル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、
炭素数5から6のシクロアルケニル基、
単環式もしくは二環式のアリール基、
単環式もしくは二環式のヘテロアリール基(窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から重複して選択されてもよい複素原子を1個から4個含む。)、または
下式:
−X−R21
[式中、Xは、−C(=O)−、−(CH−、−C(=O)−N(−R22)−、または−N(−R23)−C(=O)−を示し、
nは、1から3の整数のいずれかを示し、
21は、
炭素数1から6のアルキル基、
単環式もしくは二環式のアリール基、または
単環式もしくは二環式のヘテロアリール基(窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から重複して選択されてもよい複素原子を1個から4個含む。)を示し、
22およびR23は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。]で示される基である。
これらの基において、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、[置換基群2]から重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよい。
[置換基群2]:
ハロゲン原子、
アミノ基、
水酸基、
カルボキシ基、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数6から10のアリール基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3からの6シクロアルキル基、および
次式:
−C(=O)−N(−R24)R25
(式中、窒素原子上のR24およびR25は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
で示される基である。
さらに、[置換基群2]のアミノ基は、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、
炭素数6から10のアリール基、
炭素数7から12のアラルキル基、
芳香族複素環基、
炭素数1から6のアルキルスルホニル基、および
炭素数6から10のアリールスルホニル基
からなる群の基から選ばれる1個または2個の基を置換基として有していてもよく、さらに、置換基が2個の場合は互いに結合して環状構造を形成してもよい。
としては、
単環式もしくは二環式のアリール基、または
単環式もしくは二環式のヘテロアリール基(窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選択されてもよい複素原子を1個から4個含む。)が好ましい。
アリール基としては、単環性のものが好ましく、フェニル基が好ましい。このフェニル基は置換基を有していてもよく、水酸基、アミノ基などが置換していてもよい。アリール基としては、2−ヒドロキシフェニル基、2−アミノフェニル基などが好ましい。
また、ヘテロアリール基としては、単環性の5または6員環のヘテロアリール基が好ましい。5または6員環のヘテロアリール基は、複素原子として、窒素原子、酸素原子、および硫黄原子から重複して選択され手もよい複素原子または2を含む。例えば、フリル基、チアゾリル基、ピリジル基、ピリミジル基、ピリダジル基、等を挙げることができる。
これらのうちでは、4−チアゾリル基、2−フリル基、2−ピロリル基、3−ピリジル基、2−ピリジル基等が好ましい。これらのうちでは、4−チアゾリル基、2−フリル基が好ましい。ヘテロアリー基は置換基を有していてもよく、炭素数1から6のアルキル基が置換していてもよい。アルキル基としてはメチル基が好ましい。ヘテロアリール基としては、2−メチル−4−チアゾリル基、2−フリル基が好ましい。
なお、アリール基、ヘテロアリール基以外ではハロゲン原子が好ましく、塩素原子または臭素原子が好ましい。
は、
水素原子、
炭素数1から4の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、
炭素数3または4の環状アルキル基、
炭素数1から4のアルコキシ基、
同一もしくは異なるアルキル鎖を有し、炭素数の合計が2から4であるジアルキルアミノ基、
トリハロゲノアルキル基、および
炭素数1から3のアルコキシ基を有するアルコキシメチル基、
からなる群の基から選ばれる基を示す。
としては炭素数1から4程度の嵩高さの基が好ましい。例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基等である。
としてはメチル基またはエチル基が好ましい。
は、
シアノ基、次式:
−COOR41、または次式:
−C(=O)−N(−R42)R43
(これらの式中、R41、R42およびR43は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。)
で示される基であるか、あるいは
とRとは一体化して、次式(−R−R−を示す。):
−(C=Y)−Y−(CH
(式中、Yは、酸素原子、硫黄原子、N−R44、またはC(−R45)R46を示し、Yは、N−R47、酸素原子、または硫黄原子を示し、R44、R45、R46、およびR47は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示し、pは、整数の1または2である。)
で示される構造を形成してもよい。
が環状構造を形成していないとき、これはシアノ基であるか
−COOR41
で示されるカルボキシ基またはエステル基であるか、あるいは、
−C(=O)−N(−R42)R43
で示される、窒素原子上に1または2の置換基を有していてもよいカルボキサミド基である。
がエステル基であるときは、炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルエステルがよく、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル類、ブチルエステル類等を挙げることができる。
また、Rがカルボキサミドであるとき、この窒素原子上に炭素数1から6のアルキル基1または2を有していてもよく、カロボキサミド、メチルカルボキサミド、エチルカルボキサミド、プロピルカルボキサミド類、N、N−ジメチルカルボキサミド、N−メチル−N−エチルカルボキサミド、N、N−ジエチルカルボキサミド等を挙げることができる。
がRと一体化するときに形成される構造は母核の一部を含んで環状構造を形成するが、このようにして形成された環は5員環(p=1)または6員環(p=2)の大きさである。環の大きさとしては5員環が好ましい。なお、
−(C=Y)−Y−(CH
として示した構造は、−R−R−として一体化したことを意味しており、すなわち、左端の結合はR由来であり、右端の結合はR由来であることを示している。このようにして一体化した構造を含む具体的な構造の例を次に示す。
Figure 2007204458
は、酸素原子、硫黄原子、N−R44、またはC(−R45)R46を示すが、これらのうちで好ましくは、酸素原子、N−R44、またはC−R45であり、より好ましくは酸素原子またはN−R44である。
がN−R44のとき、R44は水素原子または炭素数1から6のアルキル基であるが、炭素数1から6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基類、ブチル基類等を挙げることができる。R44としては水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。
がC(−R45)R46のとき、R45およびR46は水素原子または炭素数1から6のアルキル基であるが、これらはR44と同様に考えればよく、R45およびR46としては、いずれもが水素原子であるか、一方が水素原子で、他方が炭素数1から6のアルキル基、さらにいずれもが炭素数1から6のアルキル基の組合せがある。R45およびR46としては、いずれも水素原子、水素原子とメチル基、あるいはいずれもがメチル基等の組合せが好ましい。
は、酸素原子、硫黄原子または=NR47を示すが、これらのうちでは酸素原子が好ましい。
式:
Figure 2007204458
のAを含む構造部分は、窒素原子を1個または2個有していてもよい6員環の芳香環を示す。
すなわち、本願発明化合物は三環性化合物であり、更にRがRと一体化する場合には四環性化合物となる。
この部分の環構造は、炭化水素環であるか、またはこの炭素原子のうちの1から3が窒素原子となった含窒素芳香族複素環のいずれかである。また、環の大きさは六員環であり、芳香環である。Aを含む構造部分が炭化水素環である場合、さらに窒素原子1を含む方芳香環である場合の構造を下に示した。
Figure 2007204458
は、水素原子を示すかまたは次の[i]ないし[iv]に示される置換基群から選ばれる基を示す;
[i]:
ハロゲン原子、
水酸基、
カルボキシ基、
直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1から6のアルキル基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、および
炭素数3からの6シクロアルキル基;
[ii]:
アミノ基、
炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、
窒素原子を結合部位とする4員環から6員環の飽和含窒素複素環基、および
炭素原子を結合部位とする4員環から6員環の飽和含窒素複素環基;
[iii]:
下式:
−C(=O)R51
(式中、炭素原子上のR51は、
炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキル基および炭素数1から6のアルコキシ基を有するアルキル(アルコキシ)アミノ基、
窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子1または2を含有し、窒素原子上でカルボニルと結合する5員環または6員環の飽和環状含窒素複素環基、
窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子1から4を含む、5員環または6員環の芳香族複素環基、
同一であってもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、および
窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子を1個から4個を含む、5員環または6員環の芳香族複素環基と炭素数1から3のアルキレン基とからなる芳香族複素環置換アルキル基、
からなる群の基から選ばれる基を示す。)
で示される基;
[iv]:
下式:
−N(−R52)−C(=O)R53
(式中、R52およびR53は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。)
で示される基;
さらに、置換基群[i]から[iv]の基におけるアルキル部分およびアルコキシ基のアルキル部分は、[置換基群5]から重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよく、また、芳香族または飽和の複素環基および含窒素複素環基は、[置換基群5]に炭素数1から6のアルキル基をリンカーとして加えて構成される基であって、重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよい。
[置換基群5]:
ハロゲン原子、
アミノ基、
水酸基、
カルボキシ基、
炭素数1から6のアルコキシ基、
炭素数1から6のアルキルチオ基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
炭素数3からの6シクロアルキル基、
炭素数7から9のアラルキルオキシ基、
炭素数8から10のアラルキルオキシカルボニル基、および
下式:
−C(=O)−N(−R54)R55
(式中、窒素原子上のR54およびR55は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
で示される基。
ここで、[置換基群5]のアミノ基は、
炭素数1から6のアルキル基、
炭素数2から7のアシル基、
炭素数3から6のシクロアルキル基、
炭素数6から10のアリール基、
炭素数7から12のアラルキル基、
芳香族複素環基、
炭素数1から6のアルキルスルホニル基、および
炭素数6から10のアリールスルホニル基
からなる群の基から選ばれる基を1個または2個置換基として有していてもよく、さらに、該アミノ基の置換基が2個の場合は互いに結合して環状構造を形成してもよい。
[i]として示される基のうちのアルキル基であるが、鎖状のアルキル基としては鎖長として炭素数2または3程度のものが好ましい。例えば、エチル基、イソプロピル基、第三級ブチル基であり、一方、環状アルキル基としてはシクロプロピル基等が好ましい。これらは置換基を有していてもよく、水酸基、炭素数1から6のアルコキシ基、さらには炭素数2から9のアラルキルオキシ基等が置換していてもよい。アルコキシ基としてはメトキシ基がよい。
[ii]として示される基は、アミン型の置換基である。これらは鎖状構造であっても、環状構造であってもいずれでもよい。
鎖状構造のものとしては、アルキルアミン型、ジアルキルアミン型があるが、いずれであってもよい。なお、これらのアルキル基を除去した単なるアミノ基であってもよい。窒素原子上のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基等である。アルキル基は直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。また、これらのアルキル基上には、置換基があってもよく、水酸基、カルボキシ基、(置換)カルボアミド基等を有していてもよい。これらの好ましいものとしては、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルイソプロピルアミノ基、メチル第三級ブチルアミノ基等が好ましい。水酸基を有するものとしては2−ヒドロキシエチルメチルアミノ基、2−(ジメチルアミノカルボニル)エチルメチルアミノ基、3−(ジメチルアミノカルボニル)プロピルメチルアミノ基等である。
環状構造のものとしては、飽和の4から6員環の含窒素複素環置換基で、窒素原子が二環性母核への結合部位であるものが好ましい。アゼチジニル基、ピロリジニル基、ピペラジニル基等である。これらは鎖状構造のものと同様、置換基を有していてもよく、水酸基、カルボキシ基、を有していてもよい。このようなものとして、3−ヒドロキシアゼチジニル基、3−カルボキシアゼチジニル基を挙げることができる。
[iii]に示したものは、カルボニル基を結合部位とする置換基で、エステルまたはアミド構造の置換基である。
エステル構造の場合、カルボニル基に結合する基は炭素数1から6のアルコキシ基でよく、このアルキル部分は、直鎖状でも分枝鎖状でもいずれであってもよい。このようなアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等を挙げることができる。この部分のアルコキシ基としてはエトキシ基が好ましい。
アミド構造となる置換基としては、置換アミノ基がカルボニル基に結合すればよく、この置換アミノ基は、鎖状構造でも環状構造であってもよい。環状構造は、カルボニル基に結合する窒素原子を含んで環状構造を形成する構造となる。例えば、アルキルアミノ基類を形成するアルキル基は炭素数1から6で、直鎖状または分枝鎖状のいずれでもよい。例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基等である。このようなアルキルアミノ基類としては、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基を挙げることができる。このアルキル基にはさらに置換基があってもよく、水酸基、アルコキシ基、(置換)アミノカルボニル基等を有していてもよい。例えば、2−ヒドロキシエチルメチルアミノ基、2−メトキシエチルメチルアミノ基、(ジメチルアミノカルボニルメチル)メチルアミノ基等である。
また、アルキルアミノ基にさらにアルコキシ基が窒素原子上に置換したアルコキシアルキルアミノ基でもよい。例えば、メチルメトキシアミノ基を挙げることができる。
環状構造のアミノ基の場合は、5員環または6員環の飽和の含窒素複素環置換基で、窒素原子がカルボニル基の結合部位とするものである。具体的にはピロリジニル基、ピペラジニル基であるが、環内にはさらに窒素原子、酸素原子または硫黄原子の複素原子を1個以上含んでいてもよい。第2の複素原子が窒素原子の時には置換基を有していてもよく、炭素数1から6のアルキル基、炭素数2から7のアシル基等を有していてもよい。このような環状アルキル基としては、ピペラジニル基、モルホリニル基、ピペリジニル基等を挙げることができ、置換基を有するものとしては、4−アセチルピペラジニル基を挙げることができる。
[iv]として示される基は、窒素原子を結合部位とする置換アミド基である。カルボニル基および窒素原子上の置換基としては、水素原子またはアルキル基でよいが、いずれもアルキル基であるものが好ましい。特に好ましくはいずれもメチル基である場合である。
Xは、酸素原子、硫黄原子、N−R、またはC(−R71)R72を示し、ここでR、R71およびR72は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。
、R71、およびR72は水素原子またはアルキル基であるが、アルキル基の場合はメチル基が好ましい。Xとしては酸素原子が好ましい。
本発明の式(I)で示される化合物が、鏡像異性体(エナンチオマー)の存在する構造であるとき、その各エナンチオマー、その1:1比の混合物であるラセミ体、および各エナンチオマーが適宜の混合比で存在し、光学純度が100%未満であるエナンチオマー混合物のいずれもが、本発明化合物に包含される。さらに、式(I)で示される化合物がジアステレオマーの存在する構造であるとき、本発明の化合物には、単一のジアステレオマーおよびジアステレオマーの混合物が包含される。
式(I)で示される化合物がエナンチオマーの存在する構造であるとき、本発明の化合物をヒトや動物に投与する際は単一のエナンチオマーからなるものを投与することが望ましい。この「単一のエナンチオマーからなる」とは、もう一方の鏡像異性体(エナンチオマー)を全く含有しない場合だけでなく、化学的に純粋であると通常言える程度の場合を含むと解される。つまり、物理定数や、生理活性に対して影響がない程度であれば、もう一方の鏡像異性体(エナンチオマー)が含まれていてもよいと解される。
さらに、式(I)で示される化合物がジアステレオマーの存在する構造であるとき、本発明の化合物をヒトや動物に投与する際は単一のジアステレオマーからなるものを投与することが望ましい。この「単一のジアステレオマーからなる」とは、他のジアステレオマーを全く含有しない場合だけでなく、化学的に純粋であると通常言える程度の場合を含むと解される。つまり、物理定数や、生理活性に対して影響がない程度であれば、他のジアステレオマーが含まれていてもよいと解される。
また、「立体化学的に単一な」とは、化合物等において不斉炭素原子が含まれるために、異性体関係となる場合にそれらのうちの1種のみにて構成されたものであることを示す。この場合においてもこの「単一な」の解釈に関しても上記と同様に考える。
式(I)で示される化合物が、任意の置換基部分に、フェノール性水酸基、カルボキシ基(カルボン酸誘導体)、またはスルホ基(スルホン酸誘導体)を有する酸誘導体である場合、それらの酸誘導体は遊離体のままでよいが、フェノール性水酸基、カルボキシ基、またはスルホ基の塩としてもよい。
これらの塩のとしては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、またはトリエチルアミン塩やN−メチルグルカミン塩、トリス−(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩等で無機塩類、有機塩類のいずれでもよい。また、これらの酸誘導体の遊離体や塩は水和物として存在することもある。
一方、式(I)で示される化合物が、任意の置換基部分に、アミノ基、アミン構造を有する塩基性誘導体である場合、それらの塩基性誘導体は遊離体のままでよいが、酸付加塩としてもよい。
酸付加塩とする場合の例としては、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩等の無機酸塩類、あるいはメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩(スルホン酸塩)、酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩(カルボン酸塩)等の有機酸塩を挙げることができる。また、これらの塩基性誘導体の遊離体や塩は水和物として存在することもある。
式(I)で示される化合物が、カルボン酸化合物である場合、カルボン酸部分がエステルとなった誘導体は合成中間体やプロドラッグとして有用である。例えば、アルキルエステル類やベンジルエステル類、アルコキシアルキルエステル類、フェニルアルキルエステル類およびフェニルエステル類は合成中間体として有用である。
また、本発明のカルボン酸化合物を抗真菌目的に使用する場合、プロドラッグとして用いられるエステルとしては、生体内で容易に切断されてカルボン酸の遊離体を生成するようなエステルであり、例えば、アセトキシメチルエステル、ピバロイルオキシメチルエステル、エトキシカルボニルエステル、コリンエステル、ジメチルアミノエチルエステル、5−インダニルエステルおよびフタリジニルエステル、5−アルキル−2−オキソ−1,3−ジオキソール−4−イルメチルエステル、そして3−アセトキシ−2−オキソブチルエステル等のオキソアルキルエステルを挙げることができる。
さらに、式(I)で示される化合物が、アミノ基を有する塩基性化合物であり、アミノ基にアミノ酸、ジペプチド、トリペプチドが結合した誘導体はプロドラッグとして有用である。
プロドラッグとして用いられるアミノ酸、ジペプチド、およびトリペプチドとしては、これらのカルボキシ基と本発明化合物である式(I)のアミノ基から形成されるペプチド結合が生体内で容易に切断されてアミンの遊離体を生成するようなものであり、例えば、グリシン、アラニン、アスパラギン酸等のアミノ酸類、グリシン−グリシン、グリシン−アラニン、アラニン−アラニン等のジペプチド類、およびグリシン−グリシン−アラニン、グリシン−アラニン−アラニン等のトリペプチド類を挙げることができる。
式(I)で示される本発明の化合物は種々の方法により製造される。その好ましい例として代表的な製造法を次式に示し説明するが、これらに限定されるものではない。なお、反応に際しては必要に応じて置換基を保護基で保護して実施し、各置換基(官能基)の変換順序は特に限定されない。
Figure 2007204458
(式中、Rは低級アルキル基などの水酸基の保護基、X、X、およびXは、各々独立に、ハロゲン原子またはOR(例えば、OTf、OMs等を表す。))
製造法1−1は、式(I)で示される化合物を製造する際に合成中間体として用いることのできる置換ベンゾニトリル(9)の製造法である。
すなわち、化合物(1)(市販:X=F)から、下記の工程1から8を経て、化合物(9)を製造することができる。
工程1:ハロゲン化(ex. Br2 −酢酸)
工程2:ニトロ化(ex. 発煙硝酸−濃硫酸)
工程3:水酸基、カルボキシル基の保護(ex. ジメチル硫酸でのメチル化)
工程4:ニトロ基の還元(ex. 鉄粉)
工程5:カルボキシル基の脱保護(ex. アルカリ条件下での加水分解)
工程6および7:カルボキシル基のニトリル基への変換
工程8:ハロゲン化(ex. N-ヨードコハク酸イミド−酢酸)
製造法1−2:
Figure 2007204458
(式中、X、X、XおよびXはハロゲン原子またはOR(例えば、 OTf, OMs等を表す。)を表し、R、R、およびRは(I)の置換基の定義と同様である)
製造法1−2は、製造法1−1で得たベンゾニトリル化合物(10)から式(I)で示される化合物を製造する方法である。
すなわち、化合物(10、例示:X=F、X=Br、X=I、Rb=Me)から、下記の工程9から14を経て式(I)で示される化合物を製造できる。
工程9:ベンゼン環上の置換基Xに対してパラジウム触媒存在下、ボロン酸やボロン酸エステル類を作用させる(鈴木カップリング)条件や、スズ化合物を作用させる(Stilleカップリング)条件などによりRに相当する置換基もしくはその前駆体となる置換基を導入する工程である。
工程10:ベンゼン環上の置換基Xに対してパラジウム触媒存在下、ボロン酸やボロン酸エステル類を作用させる(鈴木カップリング)条件や、スズ化合物を作用させる(Stilleカップリング)条件などによりRに相当する置換基もしくはその前駆体となる置換基を導入する工程である。
工程11:アミノ基をSandmeyer反応などによりXに変換する工程である。
工程12:Tetrahedron, 58, 3323 (2002) またはTetrahedron, 58, 4369 (2002) 記載の方法により得られるボロン酸やボロン酸エステル類を、ベンゼン環上の置換基Xに対してパラジウム触媒存在下作用させる(鈴木カップリング)条件や、スズ化合物を作用させる(Stilleカップリング)条件などによりアリール基を導入する工程である。
工程13:ベンゼン環上の置換基ORの保護基(R)の除去およびフラン環を形成させる工程である。
工程14:ベンゼン環上の置換基Xに対してアミン誘導体を作用させて式(I)で表される本発明化合物を製造する工程である。この際、Rがアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルケニル基、またはアルキル基の場合には、上述の鈴木カップリング条件もしくはStilleカップリング条件などにより得られた生成物から導くことができる。
工程9から工程14の順序は、導入する置換基(官能基)や生成物の化学的性質などにより、適宜変換することができ、導入した置換基は必要に応じて官能基の保護ならびに保護基の除去や官能基変換を適宜実施することができる。
Figure 2007204458
(式中、Xはハロゲン原子またはOR(例えば、OTf、OMs等を表す。)を表し、R、RおよびRは化合物(I)の置換基の定義と同じである。)
製造法2は、化合物(16, 例として下部が−B=C−D=E−なる環をベンゼン環で示す)から式(I)で示される目的化合物を製造する方法である。
すなわち、化合物(16、例示:B、C、D、およびEがいずれもCH)から、下記の工程15から19を経て、本発明の式(I)で示される化合物を製造できる。
工程15:Wittig反応などにより酢酸単位を導入し、ベンゾフラニル酢酸(ベンゾフラニルアセトニトリル)誘導体(17)に導く工程である。
工程16:TiClなどのルイス酸触媒存在下、酸クロリドを反応させてアシル体(17)を得る工程である。
工程17:ジメチルアセトアミドジメチルアセタールを反応させてジベンゾフラン骨格を構築する工程である(R=Me)。
工程18:必要に応じてエステル部位(COOR)のニトリル基への変換ならびにORからXへの変換工程である。
工程19:置換基Xに対してアミン誘導体を作用させて式(I)で表される本発明化合物を製造する工程である。この際、Rがアリール基、ヘテロアリール基、シクロアルケニル基、またはアルキル基の場合には、上述の鈴木カップリング条件もしくはStilleカップリング条件などにより得られた生成物から導くことができる。
工程15から工程19において導入した置換基は、必要に応じて官能基の保護ならびに保護基の除去や官能基変換を適宜実施することができる。
本発明の化合物は、抗菌作用や抗癌作用を示さず抗真菌作用を特異的(選択的)に示すとともに、各種の真菌感染症の原因となる広範囲の真菌類に対して活性であり、これらの病原体によって引き起こされる疾病を治療し、予防し、または軽減することができる。
本発明の化合物が有効な真菌類として、カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラタ、カンジダ・クルーセイ、カンジダ・トロピカリス等のカンジダ属諸菌種、クリプトコッカス・ネオフォルマンス等のクリプトコッカス属、アスペルギルス・フミガタス、アスペルギルス・フラバス等のアスペルギウス属、ニューモシスティス・カリニ菌、クモノスカビ属、アブシディア属、ヒストプラスマ・カプスラータム等のヒストプラスマ属、コクシジオイデス・イミティス等のコクシジオイデス属、ブラストミセス属、パラコクシジオイデス・ブラジリエンシス等のパラコクシジオイデス属、ペニシリウム属、シューダレシア属、スポロトリクス属、黒色真菌、トリコフィトン属、ミクロスポルム属、エピデルモフィトン属、マラセチア属、ホンセンカエア属、フサリウム属、ペシロミセス属、トリコスポロン・クタネウム等のトリコスポロン属、ヒアロホーラ属、クラドスポリウム等を例示することができる。さらに、サッカロミセス セレヴィシエ、カンジダ アルビカンス、カンジダ グラブラタ、カンジダ クルーセイ、カンジダ トロピカリス、クリプトコックス ネオフォルマンス、トリコスポロン・クタネウム、アスペルギルス・フミガタス等を例示することができる。
また、これらの病原体によって引き起こされる疾病として、内臓真菌症(深在性真菌症)としては、カンジダ症、クリプトコッカス症、アスペルギルス(糸状菌症)、アクチノマイセス症(放線菌症)、ノカルジア症、ムコール症(接合菌症)、ゲオトリクム症、ヒストプラスマ症、コクシジオイデス症、パラコクシジオイデス症、ブラストミセス症、ペニシリウム症等、具体的には、真菌血症、呼吸器真菌症、消化器真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎等が、深部皮膚真菌症としては、スポロトリコーシス、クロモミコーシス(黒色真菌症)、菌腫(マイセトーマ)等が、表在性真菌症としては、通常病型白癬、深在性白癬、難治性白癬、爪白癬、癜風、皮膚カンジダ症、口腔カンジダ症等を例示することができる。
本発明の医薬の投与方法、投与量および投与回数は特に限定されずに、病原性真菌の種類や患者の年齢、体重、症状等の種々の条件に応じて適宜選択することができる。通常成人に対しては、経口または非経口(注射、点滴等)的投与により、1日、0.1〜100mg/kgを1回から数回に分割して投与すればよい。
また、本発明の化合物は、動物の真菌感染症の原因となる各種の真菌類にも有効である。
本発明化合物の病原性の真菌に対する抗真菌作用を利用して、本発明化合物、その塩、またはこれらの溶媒和物を含有する医薬、感染症治療剤、または抗真菌剤として用いることができる他、動物薬、水産用薬、または抗真菌性の保存剤にも応用が可能である。
本発明の化合物、その塩、またはこれらの溶媒和物は、これらを含有する医薬、感染症治療剤、または抗真菌剤の生産に使用してもよい。例えば、溶液状態で提供される注射剤または液剤等の生産のために本発明化合物、その塩、またはこれらの溶媒和物を使用してもよい。また、本発明化合物、その塩、またはこれらの溶媒和物を配合し、必要に応じて適宜添加剤を加える等の通常の製剤の方法により、医薬、感染症治療剤、または抗真菌剤を生産することができる。
本発明化合物を、その塩、またはこれらの溶媒和物からなる抗真菌剤の剤型としては例えば錠剤、散剤、顆粒剤、もしくはカプセル剤、あるいは溶液剤、シロップ剤、エリキシル剤、または油性もしくは水性の懸濁液等を経口用製剤として例示できる。
注射剤としては、製剤中に安定剤、防腐剤、または溶解補助剤を使用することもあり、これらの補助剤を含むこともある溶液を容器に収納後、凍結乾燥等によって固形製剤として用時調製の製剤としてもよい。
また外用製剤として溶液剤、懸濁液、乳濁液、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、またはスプレー等を例示できる。
固形製剤としては、本発明化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物とともに製剤学上許容されている添加物を含んでよく、例えば、充填剤類や増量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶解促進剤類、湿潤剤類、潤滑剤類等を必要に応じて選択して混合し、製剤化することができる。
液体製剤としては、溶液、懸濁液、乳液剤等を挙げることができるが添加剤として懸濁化剤、乳化剤等を含むこともある。
本発明の化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を動物に投与する方法としては、直接あるいは飼料中に混合して経口的に投与する方法、また溶液とした後、直接もしくは飲水、飼料中に添加して経口的に投与する方法、注射によって投与する方法等を例示することができる。
本発明の化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物を動物に投与するための製剤としては、この分野において通常用いられている技術によって、適宜、散剤、細粒剤、可溶散剤、シロップ剤、溶液剤、あるいは注射剤とすることができる。
以下に、本発明を実施例により例証する。
[参考例1]
メチル 5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシベンゾエート(I−1)
4−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(7.51g,48.08mmol)を酢酸(100ml)に溶解し、ここに臭素(2.6ml,50.49mmol)の酢酸溶液(50ml)を滴下し、室温にて16時間撹拌した。さらに、60℃にて4時間撹拌した。溶媒を減圧下に濃縮し、得られた残留物に水を加え、結晶を析出させた。水で洗浄しながら析出物をろ取し、n−ヘキサンにて洗浄し、40℃にて減圧乾燥して、5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸9.51g(84%)を褐色固体として得た。得られたブロモ体の一部(3.00g,12.77mmol)をメタノール(60ml)に溶解し、濃硫酸(6ml)を加え、16時間加熱還流した。反応液を放冷後、溶媒を減圧濃縮した。得られた残留物を水に溶解し、酢酸エチルにて抽出して、有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(9:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物2.87g(90%)を白色固体として得た。
MS(FAB)m/z:250(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.96(3H,s),6.77(1H,d,J=9.5Hz),8.05(1H,d,J=8.1Hz),10.91(1H,d,J=1.7Hz).
[参考例2]
メチル 6−フルオロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルボキシレート(I−2)
窒素雰囲気下にメチル 5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシベンゾエート(I−1)(2.87g,11.54mmol)をテトラヒドロフラン(57ml)に溶解し、室温にてフェニルボロン酸(1.55g,12.70mmol)、リン酸三カリウム(4.90g,23.08mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(133mg,0.12mmol)を加えた。16時間加熱還流し、室温に冷却した。不溶物を酢酸エチルで洗浄しながらろ去し、ろ液を酢酸エチルおよび飽和塩化アンモニウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(10:1,v/v)の混合溶媒で溶出し標記化合物2.37g(83%)を黄色油状物質として得た。
MS(ESI)m/z:247(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.96(3H,s),6.78(1H,d,J=11.7Hz),7.36−7.50(5H,m),7.95(1H,d,J=8.8Hz),10.92(1H,d,J=1.5Hz).
[参考例3]
メチル 6−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヨードビフェニル−3−カルボキシレート(I−3)
窒素雰囲気下にメチル 6−フルオロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルボキシレート(I−2)(2.37g,9.61mmol)をジクロロメタン(100ml)およびメタノール(25ml)の混液に溶解し、ベンジルトリメチルアンモニウムジクロロヨウ素酸塩(4.01g,11.53mmol)および炭酸水素ナトリウム(5.24g,62.43mmol)を加えて、室温にて16時間撹拌した。不溶物をセライトにてろ去し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をクロロホルムに溶解し、飽和塩化アンモニウム水溶液、チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水の順に洗浄して、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物3.49g(98%)を淡褐色固体として得た。
MS(ESI)m/z:371(M−1)
H−NMR(CDCl)δ:4.00(3H,s),7.36−7.49(5H,m),7.97(1H,d,J=8.5Hz),11.86(1H,d,J=2.2Hz).
[参考例4]
メチル 6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボキシレート(I−4)
窒素雰囲気下にメチル6−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヨードビフェニル−3−カルボキシレート(I−3)(2.00g,5.37mmol)をアセトニトリル(40ml)に溶解し、炭酸カリウム(891mg,6.45mmol)およびジメチル硫酸(560μl,5.91mmol)を加え、60℃にて15時間撹拌した。反応液にジエチルエーテルを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄して、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物2.10g(quant.)を無色透明油状物質として得た。
MS(ESI)m/z:387(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.94(3H,s),3.96(3H,s),7.40−7.52(5H,m),7.97(1H,d,J=8.8Hz).
[参考例5]
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボン酸(I−5)
メチル 6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボキシレート(I−4)(742.7mg,1.92mmol)をメタノール(7.5ml)に溶解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液(2.2ml)を加え、3時間加熱還流した。反応を放冷後、溶媒を減圧濃縮し、水および酢酸エチルにて分画した。水層に1規定塩酸水溶液を加えて酸性(pH1)とし、得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、標記化合物683.5mg(96%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:373(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:4.06(3H,s),7.42−7.53(5H,m),8.23(1H,d,J=8.8Hz).
[参考例6]
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボキサミド(I−6)
窒素雰囲気下に6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボン酸(I−5)(1.91g,5.13mmol)をジクロロメタン(20ml)に溶解し、氷冷下にN,N−ジメチルホルムアミド1滴とオキザリルクロリド(660μl,7.69mmol)を加え、室温にて16時間撹拌した。減圧下に溶媒を濃縮し、ベンゼンにて2回共沸させた。得られた残留物を酢酸エチル(40ml)に溶解し、氷冷下に28%アンモニウム水溶液(20ml)を加え、0℃にて5時間撹拌した。反応液を1規定塩酸水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、標記化合物1.56g(82%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:372(M+1)
[参考例7]
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−7)
窒素雰囲気下に6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボキサミド(I−6)(1.56g,4.20mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(25.7mg,0.21mmol)をピリジン(16ml)に溶解し、0℃にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.48ml,8.83mmol)を滴下し、室温にて4時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、得られた残留物を酢酸エチルに溶解した。1規定塩酸水溶液にて分画し、有機層を水および飽和食塩水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物1.54g(quant.)を白色固体として得た。
MS(FAB)m/z:354(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:4.15(3H,s),7.43−7.50(5H,m),7.66(1H,d,J=8.1Hz).
IR(ATR):2229,1465,1423,1043cm−1
[参考例8]
6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−8)
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−7)(1.05g,2.96mmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(793mg,3.55mmol)および炭酸セシウム(1.45g,4.44mmol)をトルエン(20ml)に懸濁させ、窒素気流下室温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(171mg,0.15mmol)を加え、80℃にて15時間撹拌した。反応が完結しなかったため、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(171mg,0.15mmol)を加え、4時間加熱還流したが反応は進行しなかった。反応液を室温に放冷し、酢酸エチルで洗浄しながら不溶物をセライトにてろ去し、ろ液を酢酸エチルおよび水にて分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物284mg(30%)を黄色透明油状物質として得た。また、未反応のヨウ素体原料(I−7)512mg(49%)を回収した。
MS(ESI)m/z:323(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.94(3H,s),7.34(1H,ddd,J=2.0,4.9,7.1Hz),7.41−7.52(6H,m),7.76(1H,d,J=8.1Hz),7.83(1H,ddd,J=2.0,7.3,9.3Hz),8.34(1H,d,J=4.2Hz).
[参考例9]
5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−9)
窒素気流下に塩化アルミニウム(III)(122mg,0.92mmol)をベンゼン(5ml)に溶解し、6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−8)(134mg,0.42mmol)のベンゼン溶液(5ml)を加え、16時間加熱還流した。室温に放冷し、反応液を酢酸エチルおよび希炭酸水素ナトリウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルボニトリル(127mg,99%)を黄色透明油状物質として得た。同様の方法により得られた6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルボニトリルとあわせて(153mg,0.50mmol)をアセトニトリル(6ml)に溶解し、炭酸カリウム(82.4mg,0.60mmol)を加えて、20時間加熱還流した。反応を放冷後、不溶物をセライトにてろ去し、ろ液を減圧下に濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物82mg(58%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:289(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:7.45−7.60(6H,m),7.89(1H,d,J=7.1Hz),8.45(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.60(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
[実施例1]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#1)
Figure 2007204458
窒素雰囲気下に5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−9)(82mg,0.29mmol)をジメチルスルホキシド(2.6ml)に溶解させ、トリエチルアミン(92μl,0.66mmol)および(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(47μl,0.37mmol)を加え、90℃にて17時間撹拌した。反応液を放冷し、クロロホルムを加え、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物をプレパラティブTLC(クロロホルム:メタノール=20:1,v/v)を用いて精製した。n−ヘキサン、酢酸エチルおよびジエチルエーテルの混合溶媒にて再結晶し、標記化合物49mg(44%)を白色固体として得た。
mp:171−173℃
MS(ESI)m/z:383(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:1.74−1.83(1H,m),2.04−2.08(1H,m),2.13(6H,s),2.95(2H,br s),3.16−3.20(3H,m),7.37−7.50(5H,m),7.60(1H,dd,J=4.9,7.8Hz),7.67(1H,s),8.28(1H,dd,J=1.5,7.6Hz),8.50(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2227,1469,1389cm−1
Anal. Calcd for C2422O・0.5HO:C,73.64;H,5.92;N,14.31. Found:C,73.62;H,5.75;N,14.25.
[実施例2]
5−[(3S)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#2)
5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−9)(550mg,2.40mmol)のジメチルスルホキシド(11ml)懸濁液に、(3S)−3−(メチルアミノ)ピロリジン(0.33ml,3.1mmol)とトリエチルアミン(0.84ml,6.00mmol)を加え90℃で15時間半撹拌した。このとき反応液は温度があがるにつれて均一になった。室温まで放冷後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過、減圧濃縮後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーに付しクロロホルム−メタノール(50:1,v/v)で溶出する部分を減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテルで懸濁洗浄後乾燥し、標記化合物511mg(58%)を黄色固体として得た。
mp:151−153℃
MS(FAB)m/z:369(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.36(1H,brs),1.68−1.78(1H,m),2.11−2.22(1H,m),2.38(3H,s),2.92(1H,dd,J=4.5,9.9Hz),3.06−3.21(2H,m),3.24−3.33(2H,m),7.29−7.32(2H,m),7.39−7.49(4H,m),7.56(1H,s),8.27(1H,dd,J=1.5,7.5Hz),8.49(1H,dd,J=1.5,4.8Hz).
IR(diffuse reflectance spectroscopy):2840,2225,1598,1473,1398cm−1
Anal. Calcd for C2320O・0.25HO:C,74.07;H,5.54;N,15.02. Found:C,74.12;H,5.35;N,15.04.
[実施例3]
6−フェニル−5−(ピペラジン−1−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#3)
5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−9)(180mg,0.79mmol)のジメチルスルホキシド(4ml)懸濁液に、無水ピペラジン(89mg,1.03mmol)とトリエチルアミン(0.28ml,2.00mmol)を加え90℃で16時間半撹拌した。このとき反応液は温度があがるにつれて均一になった。室温まで放冷後、反応液に水を加え、析出した固体を濾取し、得られた固体をジエチルエーテルで懸濁洗浄後乾燥し、標記化合物91mg(33%)を淡褐色固体として得た。
mp:264−269℃(dec.)
MS(FAB)m/z:355(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:2.79(8H,s),7.35−7.38(2H,m),7.42−7.52(4H,m),7.64−7.68(1H,m),7.76(1H,s),8.55(1H,d,J=6.0Hz).
IR(diffuse reflectance spectroscopy):2813,2229,1596,1391,1232cm−1
Anal. Calcd for C2218O・1.25HO:C,70.10;H,5.48;N,14.86. Found:C,69.90;H,5.20;N,14.18.
[実施例4]
N−メチル−1−(6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)アゼチジン−3−アミン(#4)
Figure 2007204458
5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−9)(550mg,2.40mmol)のジメチルスルホキシド(11ml)懸濁液に、3−(メチルアミノ)アゼチジン二トリフルオロ酢酸塩(734mg,2.34mmol)とトリエチルアミン(1.70ml,12.0mmol)を加え90℃で16時間撹拌した。このとき反応液は温度があがるにつれて均一になった。室温まで放冷後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過、減圧濃縮後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーに付しクロロホルム−メタノール(25:1,v/v)で溶出する部分を減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテルで懸濁洗浄後乾燥し、標記化合物570mg(67%)を淡黄色固体として得た。
mp:170−172℃
MS(FAB)m/z:355(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.45(1H,brs),2.31(3H,s),3.37−3.45(1H,m),3.65(2H,dd,J=4.8,9.0Hz),4.08(2H,dd,J=8.1,9.0Hz),7.31−7.45(6H,m),7.50(1H,s),8.12(1H,dd,J=1.5,7.8Hz),8.38(1H,dd,J=1.5,4.8Hz).
IR(diffuse reflectance spectroscopy):3316,2942,2851,2210,1613,1450,1397cm−1
Anal. Calcd for C2218O・0.25HO:C,73.62;H,5.20;N,15.61. Found:C,73.59;H,5.01;N,15.35.
[実施例5]
N,N−ジメチル−1−(6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)アゼチジン−3−アミン(#5)
N−メチル−1−(6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)アゼチジン−3−アミン(#4)(200mg,0.56mmol)をテトラヒドロフラン(15ml)とジクロロメタン(15ml)の混合溶液に溶かし、36%ホルムアルデヒド水溶液(0.28ml,2.80mmol)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(593mg,2.80mmol)を加え室温で15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えクロロホルムで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過、減圧濃縮後、得られた残渣をカラムクロマトグラフィーに付しクロロホルム−メタノール(50:1,v/v)で溶出する部分を減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテルで懸濁洗浄後乾燥し、標記化合物181mg(88%)を淡黄色固体として得た。
mp:180−182℃
MS(FAB)m/z:369(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.04(6H,s),2.84−2.92(1H,m),3.70(2H,dd,J=5.1,9.0Hz),4.00(2H,t,J=8.4Hz),7.32−7.45(6H,m),7.52(1H,s),8.11(1H,dd,J=1.5,7.8Hz),8.40−8.42(1H,m).
IR(diffuse reflectance spectroscopy):2947,2206,1611,1556,1495,1445cm−1
Anal. Calcd for C2320O:C,74.98;H,5.47;N,15.21. Found:C,74.56;H,5.47;N,14.83.
[参考例10]
メチル 6−フルオロ−4−ヒドロキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボキシレート(I−10)
窒素雰囲気下にメチル 5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシベンゾエート(I−1)(990mg,3.98mmol)をテトラヒドロフラン(20ml)に溶解し、室温にて2−メチルフェニルボロン酸(595mg,4.37mmol)、リン酸三カリウム(1.69g,7.95mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(46mg,0.04mmol)を加えた。11時間加熱還流し、室温に冷却した。不溶物を酢酸エチルで洗浄しながらろ去し、ろ液をジエチルエーテルおよび飽和塩化アンモニウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(8:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物784.6mg(76%)を無色透明油状物質として得た。
MS(ESI)m/z:261(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.19(3H,s),3.93(3H,s),6.76(1H,d,J=10.7Hz),7.17−7.30(6H,m),7.78(1H,d,J=8.5Hz),10.95(1H,d,J=1.5Hz).
[参考例11]
メチル 6−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヨード−2’−メチルビフェニル−3−カルボキシレート(I−11)
窒素雰囲気下にメチル 6−フルオロ−4−ヒドロキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボキシレート(I−10)(784mg,3.01mmol)をジクロロメタン(32ml)およびメタノール(8ml)の混合溶液に溶解し、ベンジルトリメチルアンモニウムジクロロヨウ素酸塩(1.26g,3.62mmol)および炭酸水素ナトリウム(1.64g,19.58mmol)を加えて、室温にて18時間撹拌した。不溶物をセライトにてろ去し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物をクロロホルムに溶解し、飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液および飽和食塩水の順に洗浄して、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物1.03g(89%)を淡黄色油状物質として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.18(3H,s),3.97(3H,d,J=10.7Hz),7.16(1H,d,J=7.1Hz),7.22−7.32(8H,m),7.81(1H,d,J=8.3Hz),11.86(1H,d,J=2.2Hz).
[参考例12]
メチル 6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボキシレート(I−12)
窒素雰囲気下にメチル 6−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヨード−2’−メチルビフェニル−3−カルボキシレート(I−11)(1.03g,2.68mmol)をアセトニトリル(20ml)に溶解し、炭酸カリウム(444mg,3.21mmol)およびジメチル硫酸(279μl,2.94mmol)を加え、60℃にて14時間撹拌した。不溶物をセライトろ過し、ろ液に酢酸エチルを加え、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄して、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、標記化合物1.03g(97%)を淡黄色透明油状物質として得た。
MS(ESI)m/z:401(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.19(3H,s),3.92(3H,s),3.98(3H,s),7.17(1H,d,J=7.3Hz),7.23−7.34(4H,m),7.80(1H,d,J=8.5Hz).
[参考例13]
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボン酸(I−13)
メチル 6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボキシレート(I−12)(1.03g,2.60mmol)をメタノール(10ml)に溶解し、1規定水酸化ナトリウム水溶液(2.7ml)を加え、20時間加熱還流した。反応を放冷後、溶媒を減圧濃縮し、水およびn−ヘキサンにて分画した。水層に1規定塩酸水溶液を加えて酸性(pH=1)とし、酢酸エチルにて抽出し、得られた有機層を飽和食塩水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、標記化合物943mg(94%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:387(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.19(3H,s),4.07(3H,s),7.17(1H,d,J=7.3Hz),7.26−7.35(5H,m),8.04(1H,d,J=8.3Hz).
[参考例14]
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボキサミド(I−14)
窒素雰囲気下に6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボン酸(I−13)(943mg,2.44mmol)をジクロロメタン(9ml)に溶解し、氷冷下にN,N−ジメチルホルムアミド1滴とオキザリルクロリド(314μl,3.66mmol)を加え、室温にて23時間撹拌した。原料が残っていたため、さらに2時間加熱還流した。放冷後、減圧下に溶媒を濃縮し、ベンゼンにて2回共沸させた。得られた残留物を酢酸エチル(18ml)に溶解し、氷冷下に28%アンモニウム水溶液(9ml)を加え、0℃にて2時間撹拌した。反応液を1規定塩酸水溶液、水、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、標記化合物873mg(93%)を黄白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:386(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.18(3H,s),3.96(3H,s),5.84(1H,br s),7.16−7.34(7H,m),7.55(1H,br s),8.04(1H,d,J=8.5Hz).
[参考例15]
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−15)
窒素雰囲気下に6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボキサミド(I−14)(873mg,2.27mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(13.8mg,0.11mmol)をピリジン(8.7ml)に溶解し、0℃にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(458μl,2.72mmol)を滴下し、室温にて4時間撹拌した。溶媒を減圧下に留去し、得られた残留物を酢酸エチルに溶解した。1規定塩酸水溶液にて分画し、有機層を水および飽和食塩水にて洗浄して、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(10:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物759mg(91%)を淡黄色透明油状物質として得た。
MS(FAB)m/z:368(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.18(3H,s),4.17(3H,s),7.13(1H,d,J=7.6Hz),7.25−7.37(4H,m),7.50(1H,d,J=7.8Hz).
IR(ATR):2229,1466,1423cm−1
[参考例16]
6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−16)
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−15)(758mg,2.06mmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(553mg,2.48mmol)および炭酸セシウム(1.01g,3.10mmol)をトルエン(15ml)に懸濁させ、窒素気流下室温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(119mg,0.10mmol)を加え、90℃にて17時間撹拌した。反応液を室温に放冷し、酢酸エチルで洗浄しながら不溶物をセライトにてろ去し、ろ液を酢酸エチルおよび水にて分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物330mg(48%)を黄色透明油状物質として得た。
MS(ESI)m/z:337(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.23(3H,s),3.95(3H,s),7.20(1H,d,J=7.6Hz),7.27−7.37(4H,m),7.59(1H,d,J=7.8Hz),7.84(1H,ddd,J=2.1,7.3,9.3Hz),8.33(1H,dt,J=0.9,4.9Hz).
[参考例17]
5−フルオロ−6−(2−メチルフェニル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−17)
窒素気流下に塩化アルミニウム(III)(275mg,2.06mmol)をベンゼン(6.6ml)に溶解し、6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−16)(330mg,0.98mmol)のベンゼン溶液(3ml)を加え、19時間加熱還流した。反応液がタール状となり、未反応原料が確認されたため、テトラヒドロフラン(2ml)を加えて完全に溶解させ、塩化アルミニウム(III)(275mg,2.06mmol)を加えて、21時間加熱還流した。室温に放冷し、反応液を酢酸エチルおよび希炭酸水素ナトリウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−ヒドロキシ−2’−メチルビフェニル−3−カルボニトリルを淡黄色透明油状物質として得た。得られたヒドロキシ体をアセトニトリル(4.7ml)に溶解し、炭酸カリウム(60.7mg,0.44mmol)を加えて、19時間加熱還流した。反応を放冷後、不溶物をセライトにてろ去し、ろ液を減圧下に濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物79mg(27%)を黄白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:303(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.24(3H,s),7.23−7.42(4H,m),7.49(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),7.72(1H,d,J=6.6Hz),8.43(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.60(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
[実施例6]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジニル]−6−(2−メチルフェニル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#6)
窒素雰囲気下に5−フルオロ−6−(2−メチルフェニル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−17)(78mg,0.26mmol)をジメチルスルホキシド(2.4ml)に溶解させ、トリエチルアミン(83μl,0.59mmol)および(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(43μl,0.34mmol)を加え、90℃にて25時間撹拌した。反応液を放冷し、クロロホルムを加え、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物をプレパラティブTLC(クロロホルム:メタノール=20:1,v/v)を用いて精製した。n−ヘキサン−酢酸エチル−ジエチルエーテルの混合溶媒にて再結晶し、標記化合物18mg(18%)を黄色固体として得た。
mp:161−163℃
MS(ESI)m/z:397(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:1.65−1.73(1H,m),2.06(4H,s),2.12(3H,d,J=6.8Hz),2.74−2.86(2H,m),3.03−3.16(6H,m),7.18(1H,t,J=8.8Hz),7.24−7.28(1H,m),7.34(2H,d,J=4.6Hz),7.57−7.61(2H,m),8.24(1H,m),8.50(1H,d,J=4.9Hz).
IR(ATR):2224,1464,1387,1358,1161cm−1
Anal. Calcd for C2524O・0.5HO:C,74.05;H,6.21;N,13.84. Found:C,74.11;H,6.10;N,14.13.
[参考例18]
メチル 3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルボキシレート(I−18)
窒素雰囲気下、メチル 5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシベンゾエート(I−1)(4.60g,18.5mmol)、3−ベンジルオキシフェニルボロン酸(5.05g,22.2mmol)、リン酸三カリウム(7.85g,37.0mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.07g,925μmol)の1,4−ジオキサン(93ml)懸濁液を、16時間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(8:1,v/v)溶出部より標記化合物2.35g(36%)を黄色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:353(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.96(3H,s),5.11(2H,s),6.77(1H,d,J=11.7Hz),6.96−7.00(1H,m),7.08−7.14(2H,m),7.31−7.42(4H,m),7.44−7.48(2H,m),7.95(1H,d,J=8.8Hz),10.93(1H,d,J=1.7Hz).
IR(ATR):1674,1599,1485,1441,1336,1252,1213,1144cm−1
[参考例19]
メチル 3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヨードビフェニル−3−カルボキシレート(I−19)
メチル 3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−4−ヒドロキシビフェニル−3−カルボキシレート(I−18)(2.35g,6.67mmol)のメタノール−ジクロロメタン(17ml−67ml)混合溶液に、ベンジルトリメチルアンモニウムジクロロヨウ素塩(2.79g,8.00mmol)及び炭酸水素ナトリウム(3.64g,43.4mmol)を氷冷下加え、室温にて24時間撹拌した。反応液をセライトろ過した後、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−クロロホルム(1:1,v/v)溶出部より標記化合物2.74g(86%)を淡赤色固体として得た。
MS(EI)m/z:478(M).
H−NMR(CDCl)δ:3.99(3H,s),5.11(2H,s),6.97−7.02(1H,m),7.06−7.12(2H,m),7.31−7.48(6H,m),7.97(1H,d,J=8.5Hz),11.87(1H,d,J=2.2Hz).
IR(ATR):1678,1577,1435,1331,1232,1215,1174cm−1
[参考例20]
メチル 3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボキシレート(I−20)
メチル 3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヨードビフェニル−3−カルボキシレート(I−19)(2.74g,5.73mmol)、炭酸カリウム(950mg,6.88mmol)及びジメチル硫酸(598μl,6.30mmol)のアセトニトリル(57ml)懸濁液を、60℃にて5時間撹拌した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)溶出部より標記化合物2.91g(100%)を無色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:493(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.94(3H,s),3.96(3H,s),5.11(2H,s),7.00−7.04(1H,m),7.08−7.15(2H,m),7.31−7.48(6H,m),7.97(1H,d,J=8.8Hz).
IR(ATR):1728,1579,1460,1423,1234,1169,1049cm−1
[参考例21]
3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボン酸(I−21)
メチル 3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボキシレート(I−20)(2.91g,5.73mmol)のメタノール(29ml)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(6.30ml,6.30mmol)を加えた後、テトラヒドロフラン(8ml)を加え2.5時間加熱還流した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物を水で希釈した。この水層をn−ヘキサンで洗浄後、1規定塩酸水溶液を加え酸性とし、酢酸エチルにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮することにより標記化合物2.64g(96%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:479(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:4.04(3H,s),5.11(2H,s),7.03(1H,dd,J=8.3,2.4Hz),7.09−7.15(2H,m),7.31−7.48(6H,m),8.20(1H,d,J=8.8Hz).
IR(ATR):1703,1674,1589,1462,1421,1377,1311,1290,1248,1188cm−1
[参考例22]
3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボキサミド(I−22)
3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボン酸(I−21)(2.64g,5.52mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(55ml)溶液に、室温にて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(895mg,6.62mmol)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.27g,6.62mmol)及び28%アンモニア水1.01ml(16.6mmol)を加え、20時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、得られた残留物をクロロホルムに溶解し、この有機層を1規定塩酸水溶液で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をアセトニトリルにて懸濁洗浄することにより標記化合物1.78gを白色固体として得た。また、ろ液を減圧下濃縮して得た残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)溶出部より標記化合物548mgを得、合計で2.33g(88%)を得た。
MS(ESI)m/z:478(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.94(3H,s),5.11(2H,s),5.84(1H,brs),6.99−7.03(1H,m),7.10−7.17(2H,m),7.32−7.36(2H,m),7.37−7.42(2H,m),7.44−7.47(2H,m),7.54(1H,brs),8.23(1H,d,J=8.8Hz).
IR(ATR):3390,3178,1639,1577,1450,1414,1244,1188cm−1
[参考例23]
3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−23)
窒素雰囲気下、3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボキサミド(I−22)(1.78g,3.73mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(23mg,187μmol)のピリジン(15ml)溶液に、0℃にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(941μl,5.59mmol)を滴下し、室温にて17時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、得られた残留物を酢酸エチルに溶解し、この有機層を1規定塩酸水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1,v/v)溶出部より標記化合物1.52g(89%)を淡赤色固体として得た。
MS(EI)m/z:459(M).
H−NMR(CDCl)δ:4.15(3H,s),5.11(2H,s),7.02−7.08(3H,m),7.32−7.47(6H,m),7.65(1H,d,J=7.8Hz).
IR(ATR):2227,1595,1469,1417,1255,1238cm−1
[参考例24]
3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−24)
窒素雰囲気下、3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−23)(500mg,1.09mmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(291mg,1.31mmol)、炭酸セシウム(710mg,2.18mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(63mg,55μmol)のトルエン(11ml)懸濁液を、100℃にて22時間撹拌した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1,v/v)溶出部より標記化合物195mg(42%)を黄色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:429(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.94(3H,s),5.11(2H,s),7.02−7.06(1H,m),7.07−7.13(2H,m),7.31−7.47(6H,m),7.57−7.63(1H,m),7.74(1H,d,J=8.1Hz),7.80−7.85(1H,m),8.32−8.35(1H,m).
IR(ATR):2229,1572,1473,1419,1396,1244,1215,1161cm−1
[参考例25]
6−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−5−フルオロ[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−25)
窒素雰囲気下、3’−(ベンジルオキシ)−6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−24)(422mg,985μmol)及びトリエチルアミン(412μl,2.95mmol)のジメチルスルホキシド(10ml)溶液を、130℃にて17.5時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を水で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(4:1,v/v)溶出部より標記化合物215mg(55%)を淡黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:395(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:5.15(2H,s),7.06−7.11(1H,m),7.15−7.20(2H,m),7.33−7.52(7H,m),7.88(1H,d,J=6.8Hz),8.44(1H,dd,J=7.7,1.6Hz),8.60(1H,dd,J=4.9,1.6Hz).
IR(ATR):2231,1593,1487,1390,1350,1281,1227cm−1
[実施例7]
6−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#7)
窒素雰囲気下、6−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−5−フルオロ[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−25)(228mg,578μmol))、トリエチルアミン(242μl,1.73mmol)及び(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(147μl,1.16mmol)のジメチルスルホキシド(6ml)溶液を、90℃にて18時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(30:1,v/v)溶出部より標記化合物を得、その一部をジイソプロピルエーテルにて懸濁洗浄することにより標記化合物22mg(8%)を淡茶色固体として得た。また、残りは185mgをアモルファスとして得、合計で207mg(73%)の標記化合物を得た。
mp:167−170℃.
MS(ESI)m/z:489(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.75−1.88(1H,m),2.06−2.21(1H,m),2.19(6H,s),2.65−2.75(1H,m),3.02−3.24(4H,m),5.13(2H,s),6.87−6.92(2H,m),7.01−7.06(1H,m),7.33−7.47(7H,m),7.56(1H,s),8.15(1H,d,J=7.6Hz),8.51(1H,dd,J=4.9,1.5Hz).
Anal. Calcd for C3128・0.25HO:C,75.51;H,5.83;N,11.36. Found:C,75.65;H,5.51;N,11.41.
[実施例8]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−6−(3−ヒドロキシフェニル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#8)
6−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#7)(20mg,40.9μmol)及び10%パラジウム炭素触媒(4mg)のテトラヒドロフラン(1ml)懸濁液に酢酸(7μl)を加え、水素雰囲気下、6.5日間撹拌した。反応系内を窒素置換後、反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。次いで、得られた残留物をクロロホルムに溶解し、有機層を1規定水酸化ナトリウム水溶液で洗浄後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(20:1,v/v)溶出部より粗標記化合物2mgを白色固体として得た。また、同様にして、6−[3−(ベンジルオキシ)フェニル]−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#7)137mg(280μmol)より粗標記化合物7mgを淡黄色固体として得た。これらをあわせ、再びシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(10:1,v/v)溶出部より標記化合物5mgを白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:399(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.82−1.96(1H,m),2.10−2.19(1H,m),2.30(6H,s),2.86−2.97(1H,m),3.12−3.28(3H,m),3.43−3.50(1H,m),6.84−6.90(3H,m),7.31−7.36(1H,m),7.44(1H,dd,J=7.8,4.9Hz),7.61(1H,s),8.09(1H,dd,J=7.8,1.7Hz),8.52(1H,dd,J=4.9,1.7Hz).
[参考例26]
メチル 6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3’−ニトロビフェニル−3−カルボキシレート(I−26)
窒素雰囲気下、メチル 5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシベンゾエート(I−1)(5.23g,21.0mmol)、3−ニトロフェニルボロン酸(5.26g,31.5mmol)、リン酸三カリウム(8.92g,42.0mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.21g,1.05mmol)の1,4−ジオキサン(105ml)懸濁液を、70分間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(8:1,v/v)溶出部より標記化合物3.34g(55%)を淡黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:292(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:4.00(3H,s),6.83(1H,d,J=11.7Hz),7.62(1H,t,J=8.1Hz),7.85(1H,d,J=7.6Hz),8.00(1H,d,J=8.8Hz),8.23(1H,d,J=8.1Hz),8.37(1H,s),11.06(1H,s).
IR(ATR):1668,1604,1527,1446,1342,1284,1254,1221,1149,1105cm−1
[参考例27]
メチル 6−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヨード−3’−ニトロビフェニル−3−カルボキシレート(I−27)
メチル 6−フルオロ−4−ヒドロキシ−3’−ニトロビフェニル−3−カルボキシレート(I−26)(3.34g,11.5mmol)のメタノール−ジクロロメタン(29ml−115ml)混合溶液に、ベンジルトリメチルアンモニウムジクロロヨウ素塩(4.79g,13.8mmol)及び炭酸水素ナトリウム(6.28g,74.8mmol)を氷冷下加え、室温にて6時間撹拌した。反応液をセライトろ過した後、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−クロロホルム(1:1,v/v)溶出部より標記化合物4.32g(90%)を黄色固体として得た。
MS(EI)m/z:418(M).
H−NMR(CDCl)δ:4.03(3H,s),7.61−7.66(1H,m),7.82−7.86(1H,m),8.02(1H,d,J=8.8Hz),8.23−8.27(1H,m),8.35−8.38(1H,m),11.98−12.00(1H,m).
IR(ATR):3076,1674,1529,1439,1342,1246,1205cm−1
[参考例28]
メチル 6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−3’−ニトロビフェニル−3−カルボキシレート(I−28)
メチル 6−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−ヨード−3’−ニトロビフェニル−3−カルボキシレート(I−27)(4.32g,10.4mmol)、炭酸カリウム(1.72g,12.5mmol)及びジメチル硫酸(1.08ml,11.4mmol)のアセトニトリル(100ml)懸濁液を、60℃にて4時間撹拌した。冷却後、反応液をジエチルエーテルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた固体のH−NMR及びLC−MSより未反応の原料の存在が確認されたため、再び炭酸カリウム(860mg)、ジメチル硫酸(540μl)及びアセトニトリル(100ml)を用い60℃にて23.5時間撹拌した。冷却後、同様の後処理を行い、得られた固体をジイソプロピルエーテルにて懸濁洗浄することにより標記化合物3.30g(74%)を淡黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:432(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.97(3H,s),3.98(3H,s),7.66(1H,t,J=7.8Hz),7.86(1H,d,J=7.8Hz),8.01(1H,d,J=8.8Hz),8.28(1H,d,J=8.3Hz),8.39(1H,s).
IR(ATR):1732,1525,1348,1238,1200cm−1
[参考例29]
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−3’−ニトロビフェニル−3−カルボン酸(I−29)
メチル 6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−3’−ニトロビフェニル−3−カルボキシレート(I−28)(2.80g,6.49mmol)のメタノール(32ml)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液(7.14ml,7.14mmol)を加え2.5時間加熱還流した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物を水で希釈した。この水層をn−ヘキサンで洗浄後、1規定塩酸水溶液を加え酸性とし、酢酸エチルにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮することにより標記化合物2.56g(95%)を淡黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:418(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:4.08(3H,s),7.67(1H,t,J=8.1Hz),7.84−7.88(1H,m),8.24(1H,d,J=8.8Hz),8.28−8.32(1H,m),8.41(1H,s).
IR(ATR):1678,1527,1458,1348,1292,1257cm−1
[参考例30]
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−3’−ニトロビフェニル−3−カルボキサミド(I−30)
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−3’−ニトロビフェニル−3−カルボン酸(I−29)(2.56g,6.14mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(61ml)溶液に、室温にて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(996mg,7.37mmol)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.41g,7.37mmol)及び28%アンモニア水(1.12ml,18.4mmol)を加え、15.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、得られた残留物をクロロホルムに溶解し、この有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水、1規定塩酸水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、水層をクロロホルムにて抽出し、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をジイソプロピルエーテルにて懸濁洗浄することにより標記化合物2.26g(89%)を淡黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:417(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.97(3H,s),5.87(1H,brs),7.55(1H,brs),7.63−7.67(1H,m),7.85−7.89(1H,m),8.26−8.29(2H,m),8.41−8.43(1H,m).
IR(ATR):3446,3298,1682,1641,1583,1533,1456,1406,1352cm−1
[参考例31]
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−3’−ニトロビフェニル−3−カルボニトリル(I−31)
窒素雰囲気下、6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−3’−ニトロビフェニル−3−カルボキサミド(I−30)(2.26g,5.43mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(33mg,272μmol)のピリジン(22ml)溶液に、0℃にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.37ml,8.15mmol)を滴下した後、ピリジン(10ml)を加え、室温にて17.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、得られた残留物に酢酸エチルを加え、この有機層を1規定塩酸水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層の不溶物をろ取し、得られた個体をジイソプロピルエーテルにて懸濁洗浄することにより標記化合物1.68g(78%)を白色固体として得た。
MS(EI)m/z:398(M).
H−NMR(CDCl)δ:4.20(3H,s),7.66−7.72(2H,m),7.79−7.82(1H,m),8.28−8.33(1H,m),8.34−8.38(1H,m).
IR(ATR):2227,1525,1466,1414,1348,1240,1147cm−1
[参考例32]
3’−アセタミド−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−3−カルボニトリル(I−32)
6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−3’−ニトロビフェニル−3−カルボニトリル(I−31)(1.07g,2.69mmol)及び鉄粉(450mg,8.06mmol)の酢酸(27ml)懸濁液を20時間加熱還流した。冷却後、不溶物をろ去し、ろ液を減圧下濃縮した。次いで、得られた残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、この水層を酢酸エチルにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)溶出部より標記化合物730mg(66%)を白色固体として得た。
MS(EI)m/z:411(M).
H−NMR(CDCl)δ:2.20(3H,s),4.15(3H,s),7.19(1H,d,J=7.6Hz),7.40(2H,t,J=7.8Hz),7.51(1H,d,J=7.8Hz),7.65(1H,d,J=8.1Hz),7.70(1H,s).
IR(ATR):3356,3315,3282,2229,1668,1593,1552,1466,1404,1367,1250cm−1
[参考例33]
3’−アミノ−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−33)
3’−アセタミド−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシ−3−カルボニトリル(I−32)(455mg,1.11mmol)のエタノール(10ml)溶液に濃塩酸(3ml)を加え、70℃にて3.5時間撹拌した。冷却後、析出した固体をろ取し、この固体をエタノールで洗浄した。次いで、この固体を水に入れ懸濁状態とし、1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、水層をクロロホルム−メタノール混合溶媒にて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮することにより標記化合物264mg(65%)を白色固体として得た。
MS(EI)m/z:369(M).
H−NMR(CDCl)δ:3.78(2H,brs),4.14(3H,s),6.71−6.77(2H,m),6.80−6.84(1H,m),7.23(1H,d,J=7.6Hz),7.65(1H,d,J=8.1Hz).
IR(ATR):3421,3332,2229,1597,1589,1468,1419,1394,1269cm−1
[参考例34]
3’−アミノ−6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−34)
窒素雰囲気下、3’−アミノ−6−フルオロ−5−ヨード−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−33)(346mg,940μmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(252mg,1.13mmol)、炭酸セシウム(613mg,1.88mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(54mg,47μmol)のトルエン(10ml)懸濁液を、24時間加熱還流した。冷却後、反応液をろ過し、ろ液を水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(2:1,v/v)溶出部より標記化合物141mg(45%)を黄色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:338(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.81−4.05(2H,m),3.93(3H,s),6.72−6.77(1H,m),6.81(1H,q,J=1.8Hz),6.85−6.89(1H,m),7.22−7.27(1H,m),7.31−7.35(1H,m),7.74(1H,d,J=8.1Hz),7.79−7.85(1H,m),8.32−8.35(1H,m).
IR(ATR):3465,3367,2231,1604,1570,1473,1419,1398,1250cm−1
[実施例9]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−6−(3−アミノフェニル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#9)
窒素雰囲気下、3’−アミノ−6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−34)(137mg,406μmol)及びトリエチルアミン(137μl,1.22mmol)のジメチルスルホキシド(4ml)溶液を、130℃にて19.5時間撹拌し、(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(103μl,812μmol)を同温にて加えた後、さらに6時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(20:1,v/v)溶出部より粗標記化合物を得、ジイソプロピルエーテルで懸濁洗浄することにより標記化合物46mg(29%)を淡淡黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:398(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.81−1.91(1H,m),2.09−2.19(1H,m),2.22(6H,s),2.72−2.81(1H,m),3.06−3.14(1H,m),3.18−3.26(2H,m),3.28−3.35(1H,m),3.80(2H,brs),6.61−6.63(1H,m),6.65−6.68(1H,m),6.72−6.75(1H,m),7.22(1H,t,J=7.8Hz),7.43(1H,dd,J=7.8,4.9Hz),7.57(1H,s),8.14(1H,dd,J=7.8,1.7Hz),8.50(1H,dd,J=4.9,1.7Hz).
IR(ATR):2224,1599,1469,1446,1390,1363,1209,1159cm−1
Anal. Calcd for C2423O・0.25HO:C,71.71;H,5.89;N,17.42. Found:C,71.65;H,5.78;N,17.09.
[参考例35]
メチル 5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−ヨードベンゾエート(I−35)
メチル 5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシベンゾエート(I−1)(2.79g,11.2mmol)のメタノール−ジクロロメタン(56ml−220ml)混合溶液に、ベンジルトリメチルアンモニウムジクロロヨウ素塩(4.68g,13.4mmol)及び炭酸水素ナトリウム(6.12g,72.8mmol)を室温にて加え19時間撹拌した。反応液をセライトろ過した後、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(8:1,v/v)溶出部より標記化合物3.69g(88%)を白色固体として得た。
MS(EI)m/z:374,376(M).
H−NMR(CDCl)δ:3.99(3H,s),8.10(1H,d,J=7.8Hz),11.85(1H,s).
IR(ATR):1668,1591,1319,1236,1213,1122cm−1
[参考例36]
メチル 5−ブロモ−4−フルオロ−3−ヨード−2−メトキシベンゾエート(I−36)
メチル 5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−ヨードベンゾエート(I−35)(2.19g,5.84mmol)、炭酸カリウム(969mg,7.01mmol)及びジメチル硫酸(610μl,6.43mmol)のアセトニトリル(60ml)懸濁液を、60℃にて1.5時間撹拌した。冷却後、反応液をジエチルエーテルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(9:1,v/v)溶出部より標記化合物2.14g(94%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:389,391(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.91(3H,s),3.93(3H,s),8.10(1H,d,J=8.1Hz).
IR(ATR):1728,1458,1429,1373,1282,1238,1186,1109cm−1
[参考例37]
5−ブロモ−4−フルオロ−3−ヨード−2−メトキシ安息香酸(I−37)
メチル 5−ブロモ−4−フルオロ−3−ヨード−2−メトキシベンゾエート(I−36)(2.14g,5.50mmol)のメタノール(21ml)溶液に、1規定水酸化ナトリウム水溶液6.05ml(6.05mmol)を加え2時間加熱還流した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物を水で希釈した。この水層をn−ヘキサンで洗浄後、1規定塩酸水溶液を加え酸性とし、酢酸エチルにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮することにより標記化合物2.04g(99%)を白色固体として得た。
MS(EI)m/z:374,376(M).
H−NMR(CDCl)δ:4.00(3H,s),8.31(1H,d,J=7.8Hz).
IR(ATR):1668,1574,1452,1419,1373,1292,1248,1221cm−1
[参考例38]
5−ブロモ−4−フルオロ−3−ヨード−2−メトキシ安息香酸アミド(I−38)
5−ブロモ−4−フルオロ−3−ヨード−2−メトキシ安息香酸(I−37)(2.04g,5.44mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(55ml)溶液に、室温にて1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(882mg,6.53mmol)、1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.25g,6.53mmol)及び28%アンモニア水(993μl,16.3mmol)を加え、15.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、得られた残留物をクロロホルムに溶解し、この有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、1規定塩酸水溶液及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテルにて懸濁洗浄することにより標記化合物1.59g(78%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:374,376(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.90(3H,s),5.85(1H,brs),7.47(1H,brs),8.35(1H,d,J=8.1Hz).
IR(ATR):3411,3186,1645,1616,1576,1450,1404,1356,1211,1122,1043cm−1
[参考例39]
5−ブロモ−4−フルオロ−3−ヨード−2−メトキシベンゾニトリル(I−39)
窒素雰囲気下、5−ブロモ−4−フルオロ−3−ヨード−2−メトキシ安息香酸アミド(I−38)(1.59g,4.25mmol)及び4−(ジメチルアミノ)ピリジン(26mg,213μmol)のピリジン(17ml)溶液に、0℃にてトリフルオロメタンスルホン酸無水物(1.50ml,5.59mmol)を滴下し、室温にて20.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、得られた残留物を酢酸エチルに溶解し、この有機層を1規定塩酸水溶液、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテルで懸濁洗浄することにより標記化合物660mgを乳白色固体として得た。また、ろ液を濃縮して得た残留物をジイソプロピルエーテルで懸濁洗浄することにより539mg及び206mgの標記化合物を得、合計で1.41g(93%)得た。
MS(EI)m/z:355,357(M).
H−NMR(CDCl)δ:4.11(3H,s),7.65(1H,d,J=7.3Hz).
IR(ATR):2231,1460,1431,1381,1227,1153,1051cm−1
[参考例40]
5−ブロモ−4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシベンゾニトリル(I−40)
窒素雰囲気下、5−ブロモ−4−フルオロ−3−ヨード−2−メトキシベンゾニトリル(I−39)(646mg,1.81mmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(486mg,2.18mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(105mg,91μmol)の1,2−ジメトキシエタン(18ml)溶液に、1.5M炭酸ナトリウム水溶液を加え23時間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(4:1,v/v)溶出部より粗標記化合物を得、ジイソプロピルエーテルで懸濁洗浄して析出した固体をろ去した。ろ液を濃縮後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、トルエン−アセトン(50:1,v/v)溶出部より標記化合物53mg(9%)を黄色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:325,327(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.91(3H,s),7.32−7.36(1H,m),7.75−7.80(1H,m),7.87(1H,d,J=7.3Hz),8.34−8.37(1H,m).
[参考例41]
6−ブロモ−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−41)
窒素雰囲気下、5−ブロモ−4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシベンゾニトリル(I−40)(112mg,344μmol)及びトリエチルアミン(144μl,1.03mmol)のジメチルスルホキシド(3ml)溶液を、130℃にて18時間撹拌し、(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(87μl,688μmol)を同温にて加えた後、さらに80分間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を水で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(20:1,v/v)溶出部より標記化合物37mg(28%)を淡黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:385,387(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.09−2.21(1H,m),2.34−2.38(1H,m),2.37(6H,s),3.01−3.10(1H,m),3.51−3.57(1H,m),3.59−3.73(3H,m),7.45(1H,dd,J=7.8,4.9Hz),7.93(1H,s),8.32(1H,dd,J=7.8,1.7Hz),8.53(1H,dd,J=4.9,1.7Hz).
[実施例10]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−6−(ピリジン−3−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#10)
窒素雰囲気下、6−ブロモ−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−41)(43mg,112μmol))、ピリジン−3−ボロン酸(27mg,223μmol)、リン酸三カリウム(47mg,223μmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(13mg,11.2μmol)の1,4−ジオキサン(1ml)懸濁液を、19時間加熱還流した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(20:1,v/v)溶出部より標記化合物4mg(9%)を淡茶褐色固体として得た。
MS(ESI)m/z:384(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.80−1.96(1H,m),2.12−2.22(1H,m),2.21(6H,s),2.71−2.80(1H,m),3.07−3.26(4H,m),7.42−7.49(2H,m),7.57(1H,s),7.66−7.69(1H,m),8.18−8.22(1H,m),8.53(1H,dd,J=4.9,1.7Hz),8.62−8.63(1H,m),8.69(1H,dd,J=4.9,1.7Hz).
[参考例42]
2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(I−42)
J. Org. Chem.,60,5717(1995)記載の方法に従い合成した。
窒素雰囲気下にN,N−ジメチルホルムアミド(450ml)を氷冷し、10℃以下に調整しながらオキシ塩化リン(90ml)を滴下し、30分間激しく撹拌した。3,5−ジヒドロキシトルエン(100g,805.5mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド溶液(200ml)を10℃以下になるように滴下し、室温にて1時間撹拌した。反応液を氷冷し、10%水酸化ナトリウム水溶液にてpH=9にし、10分間加熱撹拌して懸濁液を均一相にした。再度氷冷し、10%塩酸水溶液にてpH=3酸性として、水で洗浄しながら析出した固体をろ取した。得られた固体を減圧下に乾燥して標記化合物81.69g(67%)を黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:153(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.45(3H,s),3.81(1H,s),5.86(1H,s),6.32(1H,s),6.40(1H,s).
[参考例43]
2−シアノ−5−メトキシ−3−メチルフェニルアセテート(I−43)
2,4−ジヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒド(I−42)(23.4g,153.85mmol)をアセトニトリル(420ml)およびメタノール(46ml)に溶解し、ジイソプロピルエチルアミン(34.5ml,200mmol)を加えた。氷冷下に、トリメチルシリルジアゾメタン(2M n−ヘキサン溶液)(100ml,200mmol)を滴下して激しく撹拌した。反応が終了しなかったため、トリメチルシリルジアゾメタン(2M n−ヘキサン溶液)(15.4ml,40mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(5.3ml,40mmol)を滴下して2.5時間撹拌した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物を酢酸エチルにて溶解して、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(4:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルベンズアルデヒド16.56g(99.66mmol)を黄色固体として得た。これをエタノール(170ml)に溶解し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(7.27g,104.64mmol)を加え加熱還流した。室温に放冷後、エタノールで洗いながら析出した黄色固体をろ取し、オキシム体(12.65g,58.12mmol)を得た。また、ろ液を減圧濃縮し、酢酸エチルおよび炭酸水素ナトリウム水溶液にて分画した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を留去し、粗体としてオキシム体6.62g(36.53mmol)を褐色油状物質として得た(合計19.27g)。オキシム体(15.58g,71.58mmol)を無水酢酸(78ml)に溶解し、140℃にて1時間撹拌した。室温に放冷後、減圧下に反応液を濃縮し、トルエンにて共沸を行った。得られた残留物をジイソプロピルエーテルにて再結晶精製し、黄白色固体として得た。またろ液に対して酢酸エチルを加え、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥して減圧濃縮した。得られた残留物をジイソプロピルエーテルにて再結晶精製し、上記黄白色固体と併せ、標記化合物12.43gを黄白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:206(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.38(3H,s),2.51(3H,s),3.83(4H,s),6.60(1H,d,J=2.0Hz),6.69(1H,dd,J=0.6,2.3Hz).
[参考例44]
2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−44)
2−シアノ−5−メトキシ−3−メチルフェニルアセテート(I−43)(12.43g,60.57mmol)をテトラヒドロフラン(60ml)およびメタノール(60ml)の混合溶液に溶解し、1規定炭酸カリウム水溶液(66.7ml,66.63mmol)を加え、室温にて13時間撹拌した。反応終了後に水を加えて、1規定塩酸水溶液にてpH=1酸性とし、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をn−ヘキサン−酢酸エチルの混合溶媒にて再結晶し、標記化合物8.25g(83%)を黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:164(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.34(3H,s),3.75(3H,s),6.33(1H,d,J=2.0Hz),6.44(1H,d,J=1.0Hz).
[参考例45]
3−ブロモ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンゾニトリル(I−45)
2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−44)(15.26g,93.52mmol)をクロロホルム(75ml)およびメタノール(75ml)の混合溶液に溶解し、氷冷下に臭素(2.83ml,93.52mmol)のクロロホルム溶液(15ml)を30分間かけて滴下し、0℃にて30分間撹拌した。反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をジイソプロピルエーテル−酢酸エチル−クロロホルムの混合溶媒にて再結晶し、標記化合物17.54g(77%)を黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:240,242(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.46(3H,s),3.85(3H,s),6.52(1H,s).
[参考例46]
6−メトキシ−4−(メトキシメトキシ)−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−46)
窒素雰囲気下に3−ブロモ−6−ヒドロキシ−4−メトキシ−2−メチルベンゾニトリル(I−45)(15.0g,61.97mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(125ml)に溶解し、室温にてフェニルボロン酸(9.07g,74.36mmol)、炭酸セシウム(44.4g,136.33mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.15g,1.86mmol)を加えた。80℃にて20時間撹拌した後、室温に冷却した。不溶物を酢酸エチルで洗浄しながらろ去し、ろ液を酢酸エチルおよび1規定塩酸水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をジイソプロピルエーテル−酢酸エチル−トルエンの混合溶媒にて再結晶し、4−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリルと未反応原料(I−45)の混合物11.24g(混合比約2:1)を白色固体として得た。得られた粗体をN,N−ジメチルホルムアミド(79ml)に溶解し、氷冷下に炭酸カリウム(4.61g,33.39mmol)およびクロロメチルメチルエーテル(2.97ml,39.45mmol)を加え、室温にて18時間撹拌した。反応液をジエチルエーテルおよび水にて分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(4:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物とI−45の混合物7.35g(混合比約2:1)を白色固体として得た。これをN,N−ジメチルホルムアミド(70ml)に溶解し、室温にてフェニルボロン酸(1.88g,15.41mmol)、炭酸セシウム(5.02g,15.41mmol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(445mg,0.39mmol)を加えた。80℃にて11時間撹拌した後、室温に冷却した。不溶物を酢酸エチルで洗浄しながらろ去し、ろ液を酢酸エチルおよび飽和塩化アンモニウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物6.86g(39%)を黄白色油状物質として得た。
MS(ESI)m/z:284(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.21(3H,s),3.57(3H,s),3.74(3H,s),5.33(2H,s),6.69(1H,s),7.13(2H,dd,J=1.5,7.3Hz),7.34−7.44(3H,m).
[参考例47]
4−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−47)
6−メトキシ−4−(メトキシメトキシ)−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−46)(4.93g,17.38mmol)をメタノール(50ml)に溶解し、濃塩酸2滴を加えて、60℃にて20時間撹拌した。放冷後、溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をn−ヘキサン−酢酸エチルの混合溶媒にて再結晶し、標記化合物3.47g(84%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:240(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.20(3H,s),3.72(3H,s),6.44(1H,s),7.12(1H,s),7.14(1H,d,J=1.5Hz),7.36−7.44(3H,m).
[参考例48]
4−[(3−ヨードピリジン−2−イル)オキシ]−6−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−48)
窒素雰囲気下に4−ヒドロキシ−6−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−47)500mg(2.09mmol)、2−フルオロ−3−ヨードピリジン(559mg,2.51mmol)および炭酸セシウム(817mg,2.51mmol)をジメチルスルホキシド(10ml)に溶解し、80℃にて19時間撹拌した。室温に放冷後、ジエチルエーテルおよび水を加えて分画し、有機層を飽和食塩水で洗浄して、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残留物をn−ヘキサン−酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルの混合溶媒にて再結晶し、標記化合物428mg(46%)を黄白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:443(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.26(3H,s),3.73(3H,s),6.73(1H,s),6.85(1H,dd,J=4.8,7.4Hz),7.19(1H,dd,J=1.5,6.8Hz),7.36−7.47(3H,m),8.14−8.22(2H,m).
[参考例49]
5−ヒドロキシ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンズフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−49)
窒素雰囲気下に4−[(3−ヨードピリジン−2−イル)オキシ]−6−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−48)(60mg,0.14mmol)および酢酸ナトリウム(33.5mg,0.41mmol)をジメチルアセトアミド(24ml)に溶解し、酢酸パラジウム(4.6mg,0.02mmol)を加えて、130℃にて1.5時間撹拌した。室温に放冷後、ジエチルエーテルを加え、水および飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧濃縮して、得られた残留物n−ヘキサン−酢酸エチル−クロロホルム−メタノールの混合溶媒にて再結晶し、標記化合物38mg(89%)を黄白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:301(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.41(3H,s),6.01(1H,br s),7.32−7.34(2H,m),7.38(1H,dd,J=4.9,7.3Hz),7.53−7.64(3H,m),8.35(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.46(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
[参考例50]
8−シアノ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−50)
窒素雰囲気下に5−ヒドロキシ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−49)(331mg,1.10mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(6.7mg,0.06mmol)をピリジン(6ml)に溶解し、氷冷下にトリフルオロメタンスルホン酸無水物(558μl,3.30mmol)を滴下し、室温にて1時間撹拌した。反応液に氷水を加え、ピリジンを減圧留去した。1規定塩酸水溶液を加え、酢酸エチルにて抽出し、有機層を飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧下に溶媒を留去した。得られた残留物をジイソプロピルエーテル−酢酸エチル−n−ヘキサンの混合溶媒で再結晶し、標記化合物471mg(98%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:433(M+1)
[実施例11]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)−1−ピロリジニル]−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#11)
Figure 2007204458
窒素雰囲気下に炭酸セシウム(476.2mg,1.46mmol)および(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(159μl,1.25mmol)をトルエン(3ml)に溶解し、酢酸パラジウム(4.7mg,0.02mmol)および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(14.3mg,0.02mmol)を加え、80℃にて10分間撹拌した。8−シアノ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−50)(452mg,1.04mmol)のトルエン溶液(1ml)をゆっくりと20分間かけて滴下し、80℃にて16時間撹拌した。反応液を放冷し、クロロホルムにて希釈し、不溶物をろ去した。得られたろ液を減圧下に濃縮し、酢酸エチルおよび水にて分画した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(10:1,v/v、1%トリエチルアミン含有)の混合溶媒で溶出し、標記化合物8.6mg(2%)を淡褐色固体として得た。
mp:206−208℃
MS(ESI)m/z:397(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:1.66−1.76(1H,m),2.02−2.10(1H,m),2.14(6H,s),2.33(3H,s),2.55−2.63(1H,m),2.74(1H,t,J=8.4Hz),2.98−3.10(3H,m),7.15−7.23(2H,m),7.39−7.50(4H,m),8.10(1H,dd,J=1.7,7.8Hz),8.47(1H,dd,J=1.6,5.0Hz).
IR(ATR):2218,1460,1390cm−1
Anal. Calcd for C2524O・0.5HO:C,74.05;H,6.20;N,13.82. Found:C,73.65;H,5.87;N,13.38.
[実施例12]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)−1−ピロリジニル]−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボキサミド(#12)
窒素雰囲気下に5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)−1−ピロリジニル]−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル塩酸塩(#12)(20mg,0.04mmol)をエタノール(0.2ml)に溶解させ、1規定水酸化ナトリウム水溶液(100μl,0.10mmol)を加え、47時間加熱還流した。反応が終了しなかったため、25%水酸化ナトリウム水溶液(200μl)を加え、さらに24時間加熱還流した。室温に冷却後、クロロホルムを加え、1規定塩酸水溶液で中和し、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物を酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルの混合溶媒で再結晶し、標記化合物10mg(58%)を白色固体として得た。
MS(FAB)m/z:415(M+1)
HRMS(FAB)m/z:415.2121(Calcd for C2526 415.2134).
H−NMR(DMSO−d)δ:1.70(1H,br s),2.04(1H,br s),2.14(6H,s),2.31(3H,s),2.56(1H,br s),2.72(1H,br s),3.01−3.10(3H,m),5.93(1H,br s),6.55(1H,br s),7.20(1H,dd,J=8.1,12.9Hz),7.37−7.48(4H,m),8.15(1H,dd,J=1.7,7.8Hz),8.41(1H,dd,J=1.7,5.1Hz).
IR(ATR):2835,1678,1385cm−1
[参考例51]
tert−ブチル [3−(8−シアノ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)シアノペント−2−エン−1−イル]カルバメート(I−51)
8−シアノ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−50)(400mg,0.93mmol)、tert−ブチル(3−トリn−ブチルスタニルシクロペント−2−エン−1−イル)カルバメート(568mg,1.20mmol)を1,4−ジオキサン(10ml)に溶解し、室温下塩化リチウム(118mg,2.78mmol)、2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(4mg,0.02mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(107mg,0.09mmol)を加えた。窒素気流下100℃にて24時間撹拌した後、室温に冷却した。不溶物を酢酸エチルで洗浄しながら濾別し、濾液を減圧下濃縮した。残渣を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、減圧下溶媒を留去した。残渣をジクロロメタン(6.6ml)に溶解し、水(0.3ml)およびフッ化カリウム(976mg)を加え、室温下4時間激しく撹拌した。不溶物をジクロロメタンで洗浄しながら濾別し、減圧下濾液を濃縮した。再び、生じた不溶物を同様に濾別し、濾液の溶媒を留去して得られる残留物を、中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1,v/v)、標記化合物155mg(36%)を無色ゲル状物として得た。
MS(FAB)m/z:466(M+1)
HRMS(FAB)m/z:466.2127(Calcd for C2928 466.2130).
H−NMR(CDCl)δ:1.46(9H,s),1.50−1.65(2H,d,J=6.6Hz),2.20−2.40(3H,m),2.43(3H,s),4.74(1H,br),5.67(1H,br s),7.18(2H,d,J=6.6Hz),7.32(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),7.39−7.50(3H,m),8.03(1H,br),8.47(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):3406,2227,1705,1493,1392,1365,1225,1163,768,754,710cm−1
[実施例13]
5−[3−(ジメチルアミノ)シクロペント−1−エン−1−イル]−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#13)
Figure 2007204458
tert−ブチル [3−(8−シアノ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)シアノペント−2−エン−1−イル]カルバメート(I−51)(495mg,1.06mmol)を4規定塩酸1,4−ジオキサン溶液(9ml)に溶解し、室温にて2時間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得た残留物にテトラヒドロフランを加え、共沸蒸留した。本操作をさらにもう一度繰り返した。このようにして得た黄土色固体を減圧下乾燥した後、本固体に酢酸エチルおよび1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え10分間激しく撹拌した。有機層を分け、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物は減圧下乾燥し、精製することなく次の反応に用いた。
上記に得た黄土色固体にメタノール(10ml)を加え、本懸濁液に順次0℃にて37%ホルムアルデヒド溶液(516μl,6.36mmol)、酢酸(378μl,6.36mmol)およびシアノ水素化ホウ酸ナトリウム(240mg,3.82mmol)を加えた。0℃から徐々に室温まで昇温し、同温で17時間撹拌した。本反応液にクロロホルムおよび1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温にて30分間激しく撹拌した。有機層を分け、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を、中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;クロロホルム:メタノール=85:15,v/v)、さらに得られた淡茶色固体をジイソプロピルエーテルで洗浄し、標記化合物276mg(66%)を白色粉末として得た。
MS(ESI)m/z:394(M+1)
HRMS(EI)m/z:393.1837(Calcd for C2623O 393.1841).
H−NMR(CDCl)δ:1.60−1.80(2H,m),1.90−2.50(8H,m),2.40(3H,s),3.50−4.20(1H,br),5.75(1H,q,J=2.0Hz),7.14−7.20(2H,m),7.33(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),7.35−7.44(3H,m),8.09(1H,br s),8.48(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2769,2226,1392,1338,1209,1039,976,910,902,768,721cm−1
Anal. Calcd for C2623O・0.25HO:C,78.47;H,5.95;N,10.56. Found:C,78.52;H,5.74;N,10.40.
[参考例52]
tert−ブチル 4−(8−シアノ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(I−52)
窒素雰囲気下に8−シアノ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−50)(1.0g,2.31mmol)のトルエン溶液(20ml)に、塩化リチウム(294mg,6.94mmol)、tert−ブチル 4−(トリn−ブチルスタニル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(1.4g,3.01mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(267mg,0.23mmol)を加えて、20時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、不溶物をセライトにてろ去した。溶媒を減圧留去して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(100:0→4:1→3:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物150mg(14%)を白色固体として得た。
MS(FAB)m/z:466(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.48(9H,s),1.77(1H,br s),2.27(1H,br s),2.44(3H,s),2.73−2.85(1H,m),3.68(1H,td,J=4.6,13.2Hz),3.72−3.77(1H,m),4.15−4.25(1H,m),5.68−5.77(1H,m),7.15(2H,t,J=7.3Hz),7.30−7.45(4H,m),8.12(1H,d,J=7.6Hz),8.49(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
[実施例14]
7−メチル−6−フェニル−5−(1,2,3,6−テトラヒドロピリジン−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#14)
Figure 2007204458
tert−ブチル 4−(8−シアノ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−カルボキシレート(I−52)(149mg,0.32mmol)を4規定塩酸1,4−ジオキサン溶液(3.0ml)を加え、室温にて24時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、エタノールにて共沸した。得られた残留物を酢酸エチル−n−ヘキサン−ジイソプロピルエーテルにて再結晶し、標記化合物103mg(73%)を白色固体として得た。
MS(FAB)m/z:366(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:1.84−1.90(1H,m),2.34(1H,br s),2.37(3H,s),2.57(1H,br s),3.30(1H,br s),3.44(1H,br s),3.77(1H,br s),5.82(1H,br s),7.26(2H,d,J=14.2Hz),7.42−7.51(4H,m),8.53(1H,dd,J=1.5,4.9Hz),8.74(1H,dd,J=1.6,7.7Hz).
IR(ATR):2721,2225,1587,1390cm−1
Anal. Calcd for C2419O・1.75HO・HCl:C,66.51;H,5.47;N,9.69;Cl,8.18. Found:C,66.78;H,5.17;N,9.64;Cl,8.03.
[参考例53]
5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(I−53)
4−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(29.01g,0.186mol)を酢酸(290ml)に溶解し、臭素(31.18g,0.195mol)を酢酸(15ml)に溶解した溶液を室温下1時間かけてゆっくり滴下した。本溶液を60℃にて24時間撹拌した後、室温に冷却した。減圧下、反応液を濃縮して得た残留物をメタノール(100ml)に溶解し、これを水(600ml)に注いだ。室温にて15分間撹拌した後析出した結晶を水洗後ろ取、乾燥して、標記化合物35.36g(93%)を無色固体として得た。
H−NMR(DMSO−d)δ:7.03(1H,d,J=10.3Hz),7.98(1H,d,J=8.1Hz).
[参考例54]
5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−ニトロ安息香酸(I−54)
5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ安息香酸(I−53)(34.39g,0.146mol)を濃硫酸(260ml)に溶解し、0℃に冷却した。同温にて、発煙硝酸(d=1.52)(6.67ml,0.161mol)を内温10℃以下に保ちながら20分かけて滴下した。滴下終了後、TLCにて原料消失を確認後、反応液を氷にゆっくり注いだ。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。減圧下溶媒を留去して得られる残留物にn−ヘキサンを加え、結晶を粉砕し懸濁液として室温にて1時間ほど撹拌した(ソニケーションも随時実施)。結晶を、n−ヘキサンを用いて洗浄後ろ取、乾燥して、標記化合物33.82g(83%)を橙色固体として得た。
MS(ESI)m/z:280,282(M+1).
HRMS(EI)m/z:278.9169(Calcd for C 79BrNO 278.9170).
H−NMR(CDCl)δ:6.08(1H,br),8.29(1H,d,J=7.3Hz),11.31(1H,br s).
IR(ATR):3076,2860,1668,1541,1431,1228,1213,1167,1072,685,654cm−1
[参考例55]
メチル 5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−3−ニトロベンゾエート(I−55)
5−ブロモ−4−フルオロ−2−ヒドロキシ−3−ニトロ安息香酸(I−54)(35.89g,0.128mol)をアセトニトリル(600ml)に溶解し、室温にて炭酸カリウム(53.1g,0.385mol)を加えた後、ジメチル硫酸(30.3ml,0.32mol)を滴下した。60℃にて2.5時間撹拌した後、室温に冷却し不溶物をろ去した(アセトニトリルを用いて洗浄)。ろ液を減圧下濃縮し、残留物に水を加え室温にて撹拌した。析出した結晶を水洗後乾燥し、標記化合物36.5g(92%)を淡黄色固体として得た。
MS(EI)m/z:307,309(M).
HRMS(EI)m/z:306.9494(Calcd for C 79BrFNO 306.9492),308.9481(Calcd for C 81BrFNO 308.9472).
H−NMR(CDCl)δ:3.97(3H,s),4.00(3H,s),8.26(1H,d,J=7.6Hz).
IR(ATR):1722,1537,1296,1255,1147,1078,991,673,636cm−1
[参考例56]
メチル 3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシベンゾエート(I−56)
メチル 5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−3−ニトロベンゾエート(I−55)(1.0g,3.25mmol)を酢酸(10ml)に溶解し、室温下鉄粉(544mg,9.74mmol)を加え、130℃にて4時間加熱した。室温に冷却後、不溶物を酢酸エチルで洗浄しながら濾別した。濾液の有機層を減圧下留去し得られた残留物を酢酸エチルおよび1規定水酸化ナトリウム溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を、中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物798mg(88%)を無色ゲル状物質として得た。
MS(EI)m/z:277,279(M).
HRMS(EI)m/z:276.9759(Calcd for C 79BrFNO 276.9750),278.9748(Calcd for C 81BrFNO 278.9729).
H−NMR(CDCl)δ:3.87(3H,s),3.90(3H,s),4.80(2H,br s),7.43(1H,d,J=7.8Hz).
IR(ATR):3475,1724,1614,1466,1435,1319,1294,1205,1009,924,787cm−1
[参考例57]
メチル 5−アミノ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボキシレート(I−57)
メチル 3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシベンゾエート(I−56)(504mg,1.81mmol)を1,4−ジオキサン(10ml)に溶解し、窒素気流下室温にてフェニルボロン酸(456mg,3.62mmol),リン酸三カリウム(770mg,3.62mmol),テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(210mg,0.18mmol)を加えた。90℃にて36時間撹拌した後、室温に冷却した。不溶物を酢酸エチルで洗浄しながら濾別し、濾液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を、中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1,v/v)、標記化合物459mg(92%)を無色ゲル状物質として得た。
MS(EI)m/z:275(M).
HRMS(EI)m/z:275.0967(Calcd for C1514FNO 275.0958).
H−NMR(CDCl)δ:3.90(3H,s),3.91(3H,s),4.02(2H,br),7.32−7.38(2H,m),7.39−7.45(2H,m),7.49−7.52(2H,m).
IR(ATR):3371,1724,1468,1425,1238,1203,1009,700cm−1
[参考例58]
5−アミノ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボキサミド(I−58)
メチル 5−アミノ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボキシレート(I−57)(3.0g,10.90mmol)をテトラヒドロフラン(90ml)および水(45ml)に溶解し、0℃にて水酸化リチウム一水和物(4.57g,108.98mmol)をゆっくり加えた。5時間加熱還流した後、室温に冷却した。減圧下、有機層を留去して得られた残留物を0℃に冷却し、2N塩酸(55ml)をゆっくり加えた。滴下後、混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、減圧下溶媒を留去し、5−アミノ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボン酸を白色固体として得た。本品は精製することなく、N,N−ジメチルホルムアミド(60ml)に溶解し、室温下1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(3.14g,16.35mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(2.21g,16.35mmol)さらに28%アンモニア水(2.0ml,32.70mmol)をゆっくり加えた。本溶液を室温下11時間撹拌した後、酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を、中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;クロロホルム:メタノール=98:2,v/v)、標記化合物2.83g(99.8%)を白色固体として得た。
MS(EI)m/z:260(M).
HRMS(EI)m/z:260.0959(Calcd for C1413FN 260.0961).
H−NMR(CDCl)δ:3.87(3H,s),4.02(2H,br s),6.67(1H,br s),7.32−7.44(3H,m),7.51−7.65(4H,m).
IR(ATR):3452,3336,3190,1662,1618,1579,1464,1396,1240,1020,752,698cm−1
[参考例59]
N−(5−シアノ−2−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−イル)−2,2,2−トリフルオロアセタミド(I−59)
5−アミノ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボキサミド(I−58)(2.28g,8.76mmol)をテトラヒドロフラン(36ml)に溶解し、0℃にてトリエチルアミン(4.88ml,35.04mmol)および無水トリフルオロ酢酸(3.71ml,26.28mmol)をテトラヒドロフラン(10ml)に溶解した溶液をゆっくり加えた。0℃にて2時間撹拌した後、水(46ml)を加え、5分間激しく撹拌した。減圧下テトラヒドロフランを留去し、残留物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を、中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物2.782g(94%)を白色固体として得た。
MS(FAB)m/z:339(M+1)
HRMS(FAB)m/z:339.0760(Calcd for C1611 339.0757).
H−NMR(CDCl)δ:4.16(3H,s),7.39−7.50(5H,m),7.63(1H,d,J=7.8Hz),8.03(1H,br s).
IR(ATR):3232,2231,1726,1479,1433,1417,1207,1153,1059,958,908,766,692cm−1
[参考例60]
5−アミノ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−60)
N−(5−シアノ−2−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−イル)−2,2,2−トリフルオロアセタミド(I−59)(2.78g,8.22mmol)をメタノール(31.8ml)に溶解し、室温にて15wt%炭酸カリウム水溶液(31.8ml,34.5mmol)を加えた。70℃にて38時間撹拌した。室温まで冷却した後、減圧下メタノールを留去して得られた残留物を酢酸エチルで抽出した。有機層分け、再び水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を、中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物1.833g(92%)を無色ゲル状物質として得た。
MS(EI)m/z:242(M).
HRMS(EI)m/z:242.0854(Calcd for C1411FNO 242.0855).
H−NMR(CDCl)δ:4.09(3H,s),4.05−4.20(2H,br),7.00(1H,d,J=8.1Hz),7.38−7.49(5H,m).
IR(ATR):3477,3367,2229,1618,1481,1470,1427,1254,1188,1170,1153,1049,1001,770,698cm−1
[参考例61]
5−アミノ−2−ブロモ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−61)
5−アミノ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−60)(500mg,2.06mmol)を酢酸(9.5ml)に溶解し、室温下ゆっくりN−ブロモコハク酸イミド(441mg,2.48mmol)を加えた。窒素気流下室温で1時間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルおよび1規定水酸化ナトリウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を、中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1,v/v)、標記化合物592mg(89%)を淡茶色固体として得た。
MS(EI)m/z:320,322(M).
HRMS(EI)m/z:319.9984(Calcd for C1410Br79FNO 319.9960),321.9958(Calcd for C1410Br81FNO 321.9940).
H−NMR(CDCl)δ:4.05−4.10(2H,br),4.08(3H,s),7.24−7.29(2H,m),7.42−7.50(3H,m).
IR(ATR):3369,2231,1616,1465,1452,1434,1417,1190,1155,1061,1011,937,775,716,698cm−1
[参考例62]
N−(6−ブロモ−5−シアノ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−イル)−2,2,2,−トリフルオロアセタミド(I−62)
5−アミノ−2−ブロモ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−61)(500mg,1.56mmol)をテトラヒドロフラン(5ml)に溶解した。本溶液に対し窒素気流下0℃にてトリエチルアミン(651μl,4.67mmol)、次いでトリフルオロ酢酸無水物(330μl,2.34mmol)をテトラヒドロフラン(5ml)に溶解した溶液をゆっくり滴下した。0℃で3時間撹拌した後、同温にて本反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、さらに10分撹拌した。減圧下有機溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を、シリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーで精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物605mg(93%)を淡褐色固体として得た。
MS(ESI)m/z:417,419(M+1)
HRMS(EI)m/z:415.9772(Calcd for C16 79BrF 415.9783),417.9763(Calcd for C16 81BrF 417.9763).
H−NMR(CDCl)δ:4.19(3H,s),7.26−7.29(2H,m),7.47−7.51(3H,m),7.67(1H,br s).
IR(ATR):3250,2237,1732,1408,1213,1155cm−1
[参考例63]
N−(5−シアノ−2−フルオロ−4−メトキシ−6−ビニルビフェニル−3−イル)−2,2,2,−トリフルオロアセタミド(I−63)
N−(6−ブロモ−5−シアノ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−イル)−2,2,2,−トリフルオロアセタミド(I−62)(100mg,0.24mmol)、トリn−ブチル(ビニル)スズ(91μl,0.31mmol)、塩化リチウム(31mg,0.72mmol)および2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(2粒)を1,4−ジオキサン(3ml)に溶解し、窒素気流下室温テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(28mg,0.024mmol)を加えた。反応液を100℃にて8時間撹拌した後、室温に冷却した。不溶物を酢酸エチルで洗浄しながら濾別し、濾液を飽和食塩水で洗浄後無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をジクロロメタン(3ml)に溶解し、本溶液に順次水(0.15ml)およびフッ化カリウム(90mg,1.55mmol)を加えた。室温にて4時間激しく撹拌した後、不溶物をジクロロメタンで洗浄しながら濾別した。濾液を減圧下濃縮し、残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物67mg(77%)を無色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:365(M+1)
HRMS(EI)m/z:364.0860(Calcd for C1812 364.0835).
H−NMR(CDCl)δ:4.10(3H,s),5.59(1H,d,J=11.7Hz),5.77(1H,d,J=17.8Hz),6.43(1H,dd,J=11.7,17.8Hz),7.20−7.25(2H,m),7.40−7.48(3H,m),7.97(1H,br s).
IR(ATR):3234,3035,2231,1732,1527,1470,1402,1215,1153,1088,698cm−1
[参考例64]
N−(5−シアノ−6−エチル−2−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−イル)−2,2,2−トリフルオロアセタミド(I−64)
N−(5−シアノ−2−フルオロ−4−メトキシ−6−ビニルビフェニル−3−イル)−2,2,2,−トリフルオロアセタミド(I−63)(100mg,0.28mmol)を酢酸エチル(2ml)に溶解し、本溶液に10%パラジウム炭素(20mg)を加えた。本懸濁液を室温にて常圧水素気流下に5時間撹拌した。触媒を酢酸エチルで洗浄しながら濾別した。次いで濾液を減圧下濃縮することにより得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物98mg(97%)を無色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:367(M+1)
HRMS(EI)m/z:366.0987(Calcd for C1814 366.0992).
H−NMR(CDCl)δ:1.09(3H,t,J=7.6Hz),2.69(2H,q,J=7.6Hz),7.20−7.23(2H,m),7.41−7.50(3H,m),7.96(1H,br s).
IR(ATR):2229,1728,1529,1471,1421,1213,1153,1101,708cm−1
[参考例65]
5−アミノ−2−エチル−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−65)
N−(5−シアノ−6−エチル−2−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−イル)−2,2,2−トリフルオロアセタミド(I−64)(842mg,2.30mmol)をメタノール(8.5ml)に溶解し、炭酸カリウム水溶液(炭酸カリウム15gを水に溶かして100mlにした溶液)(8.5ml,9.19mmol)を室温にて加えた。本溶液を70℃で18時間撹拌した後、室温まで冷却した。減圧下有機溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物541mg(87%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:271(M+1)
HRMS(EI)m/z:270.1167(Calcd for C1615FNO 270.1168).
H−NMR(CDCl)δ:1.03(3H,t,J=7.6Hz),2.57(2H,q,J=7.6Hz),3.90(2H,br s),4.05(3H,s),7.20−7.26(2H,m),7.39−7.49(3H,m).
IR(ATR):3452,3363,2225,1626,1572,1475,1452,1433,1358,1286,1198,1159,1036,935,879,754,704cm−1
[参考例66]
5−ブロモ−2−エチル−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−66)
臭化銅(II)(982mg,4.4mmol)をアセトニトリル(4ml)に溶解し、窒素気流下室温にて亜硝酸tert−ブチル(純度90%,528μl,4.0mmol)を加えた。本溶液を60℃にて10分間撹拌した後、5−アミノ−2−エチル−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−65)(540mg,2.0mmol)をアセトニトリル(6ml)に溶解した溶液をゆっくり加えた。同温にて2時間撹拌した後、室温に冷却した。反応液を酢酸エチルおよび1規定塩酸水溶液で分画した。有機層を分け、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1,v/v)、標記化合物596mg(89%)を白色固体として得た。
HRMS(EI)m/z:333.0163(Calcd for C1613 79BrFNO 333.0165),335.0147(Calcd for C1613 81BrFNO 335.0144).
H−NMR(CDCl)δ:1.08(3H,t,J=7.6Hz),2.67(2H,q,J=7.6Hz),4.11(3H,s),7.20−7.25(2H,m),7.43−7.51(3H,m).
IR(ATR):2225,1412,1095,1049,957,744,700cm−1
[参考例67]
2−エチル−6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−67)
5−ブロモ−2−エチル−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−66)(596mg,1.78mmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボラン−2−イル)ピリジン(796mg,3.57mmol)および炭酸セシウム(1.162g,3.57mmol)をトルエン(12ml)に懸濁し、窒素気流下室温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(206mg,0.18mmol)を加えた。本懸濁液を16時間加熱還流した後、室温に冷却した。酢酸エチルで洗浄しながら不溶物を濾別した。濾液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物546mg(87%)を無色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:351(M+1)
HRMS(EI)m/z:350.1223(Calcd for C2116O 350.1231).
H−NMR(CDCl)δ:1.15(3H,t,J=7.6Hz),2.75(2H,q,J=7.6Hz),3.84(3H,s),7.25−7.33(3H,m),7.40−7.50(3H,m),7.83(1H,ddd,J=2.0,7.6,9.0Hz),8.29−8.31(1H,m).
IR(ATR):2225,1564,1406,1097,1049,795,756,708cm−1
[参考例68]
7−エチル−5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−68)
2−エチル−6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−67)(545mg,1.56mmol)をジメチルスルホキシド(11ml)に溶解し、窒素気流下室温にてトリエチルアミン(650μl,4.67mmol)を加えた。室温から徐々に120℃まで昇温し、同温にて12時間撹拌した。反応液を室温まで冷却した後、減圧下に溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を分け、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物432mg(88%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:317(M+1)
HRMS(EI)m/z:316.1011(Calcd for C2013FNO 316.1012).
H−NMR(CDCl)δ:1.16(3H,t,J=7.6Hz),2.87(2H,q,J=7.6Hz),7.30−7.33(2H,m),7.44(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),7.47−7.56(3H,m),8.33(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.55(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2224,1597,1400,1306,1227,1043,810,698cm−1
[実施例15]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−エチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#15)
Figure 2007204458
7−エチル−5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−68)(200mg,0.63mmol)をジメチルスルホキシド(4ml)に溶解し、室温にてトリエチルアミン(176μl,1.26mmol)および(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(120μl,0.95mmol)を加えた。本懸濁液を90℃で23時間撹拌した後、室温に冷却した。本溶液にクロロホルムを加え、減圧下溶媒を留去した。残留物をクロロホルムおよび飽和食塩水で分画した。有機層を分け、水層をクロロホルムで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLCを用いて精製し(展開液;クロロホルム:メタノール=9:1,v/v)、標記化合物149mg(57%)を淡茶色固体として得た。
MS(ESI)m/z:411(M+1)
HRMS(EI)m/z:410.2109(Calcd for C2626O 410.2106).
H−NMR(CDCl)δ:1.11(3H,t,J=7.6Hz),1.66−1.76(1H,m),2.01−2.10(1H,m),2.14(6H,s),2.59(1H,quint,J=7.6Hz),2.67−2.73(1H,m),2.70(2H,q,J=7.6Hz),2.97−3.10(3H,m),7.20−7.29(2H,m),7.40(1H,dd,J=4.9,7.8Hz),7.43−7.50(3H,m),8.10(1H,dd,J=1.7,7.8Hz),8.45(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2218,1589,152,1456,1394,1367,1207,151,761,710cm−1
Anal. Calcd for C2626O・0.5HO:C,74.44;H,6.49;N,13.35. Found:C,74.54;H,6.25;N,13.29.
[参考例69]
3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ安息香酸(I−69)
メチル 3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシベンゾエート(I−56)(4.50g,16.2mmol)のテトラヒドロフラン(160ml)溶液に、氷冷下水酸化リチウム一水和物6.80g(162mmol)の水(70ml)溶液を加え、70oCにて3.5時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物に氷冷下2規定塩酸水溶液(81ml)を加えた。この水層を酢酸エチルにて抽出し、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮することにより標記化合物4.01g(94%)を淡茶褐色固体として得た。
MS(ESI)m/z:264,266(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.95(3H,s),3.99−4.10(2H,m),7.68(1H,d,J=7.8Hz).
IR(ATR):3471,3369,1672,1608,1585,1469,1423,1309,1261,1230,1211,1155cm−1
[参考例70]
3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ安息香酸アミド(I−70)
3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ安息香酸(I−69)(500mg,1.89mmol)を塩化チオニル(1ml)に懸濁し、徐々に加熱し95℃で2時間撹拌した(加温していくと徐々に溶解した)。室温に冷却後、減圧下溶媒を留去した。残留物にトルエンを加え共沸蒸留した(2回実施)。残留物を減圧下によく乾燥した後、酢酸エチル(5ml)を加え溶解し0℃に冷却した。同温にて28%アンモニア水(2.5ml)をゆっくり加えた。同温にて2時間撹拌した後、酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を分け、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;クロロホルム:メタノール=98:2,v/v)、標記化合物464mg(93%)を白色固体として得た。
MS(EI)m/z:262,264(M).
HRMS(EI)m/z:261.9764(Calcd for CBr79FN 261.9753),263.9748(Calcd for C 81BrFN 263.9732).
H−NMR(CDCl)δ:3.70(3H,s),5.43(2H,br s),6.97(1H,d,J=7.6Hz),7.51(1H,br s),7.63(1H,br s).
IR(ATR):3458,3336,3149,1685,1577,1456,1392,1146,1016,924cm−1
[参考例71]
3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシベンゾニトリル(I−71)
3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ安息香酸アミド(I−70)(1.346g,5.12mml)をテトラヒドロフラン(26ml)に溶解し、窒素気流下0℃にてトリエチルアミン(2.14ml,15.35mmol)ついで無水トリフルオロ酢酸(1.59ml,11.26mmol)をテトラヒドロフラン(14ml)に溶解した溶液を滴下した。同温にて1.5時間撹拌した後、水を0℃にて加え、5分間激しく撹拌した。減圧下溶媒を留去して得られる残留物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾別後、減圧下に溶媒を留去し、薄茶色固体を得た。これをメタノール(19ml)に溶解し、室温下炭酸カリウム水溶液(15gの炭酸カリウムに水を加えて100mlにした)を加え、70℃にて11時間撹拌した。本反応液を室温で12時間放置した。水を加えた後、5分間激しく撹拌した。水で洗浄しながら淡茶色板状結晶743mg(59%)を濾取した。濾液を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム乾燥した。濾別後、減圧下溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物101mg(8%)を白色固体として得た(合計844mg,67%)。
MS(EI)m/z:244,246(M).
HRMS(EI)m/z:243.9663(Calcd for CBr79FNO 243.9648),245.9642(Calcd for C 81BrFNO 245.9627).
H−NMR(CDCl)δ:4.06(3H,s),4.11(2H,br s),7.11(1H,d,J=7.1Hz).
IR(ATR):3464,3354,2233,1612,1462,1427,1263,1207,1153,1047,999,924,825,775cm−1
[参考例72]
3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−6−ヨード−2−メトキシベンゾニトリル(I−72)
3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシベンゾニトリル(I−71)(6.43g,26.2mmol)の酢酸(260ml)溶液に、水冷下N−ヨードコハク酸イミド(7.08g,31.5mmol)を加え、室温にて22.5時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、得られた残留物をクロロホルムに溶解し、有機層を1規定水酸化ナトリウム水溶液で洗浄後、水層をクロロホルムにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をジイソプロピルエーテルにて懸濁洗浄することにより標記化合物5.96g(61%)を淡茶褐色固体として得た。また、ろ液を減圧下濃縮した後、得られた残留物を再びジイソプロピルエーテルにて懸濁洗浄することにより1.51gの標記化合物を得、合計7.47g(77%)の標記化合物を得た。
MS(ESI)m/z:371,373(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:4.02(3H,s),4.15(2H,brs).
IR(ATR):3473,3361,2233,1614,1468,1437,1410,1290,1151cm−1
[参考例73]
3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−73)
窒素雰囲気下、3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−6−ヨード−2−メトキシベンゾニトリル(I−72)(4.88g,13.2mmol)、トリメチルボロキシン(50%テトラヒドロフラン溶液)(3.30ml,13.2mmol)、炭酸カリウム(3.65g,26.4mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.53g,1.32mmol)の1,4−ジオキサン−水(66ml−6.6ml)混合溶液を110℃にて135時間撹拌した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)溶出部より標記化合物1.02g(30%)を黄色固体として得た。また、酢酸エチル溶出部とシリカゲル上に溶け残った個体をあわせ、減圧下溶媒を留去した後、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)溶出部より1.00gの標記化合物を得、合計2.02g(59%)の標記化合物を得た。
MS(ESI)m/z:259,261(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.52(3H,s),3.95(2H,brs),4.00(3H,s).
IR(ATR):3477,3365,2227,1614,1477,1450,1346,1261,1153,1057cm−1
[参考例74]
5−アミノ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチル−3’−ニトロビフェニル−3−カルボニトリル(I−74)
窒素雰囲気下、3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−73)(1.02g,3.94mmol)、3−ニトロフェニルボロン酸(986mg,5.91mmol)、リン酸三カリウム(1.67g,7.88mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(455mg,394μmol)の1,4−ジオキサン(20ml)懸濁液を、62時間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、ろ過後、ろ液を水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(4:1,v/v)溶出部より不純物を含む標記化合物831mgを黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:302(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.23(3H,s),3.95(2H,brs),4.08(3H,s),7.55−7.59(1H,m),7.62−7.68(1H,m),8.12−8.14(1H,m),8.25−8.31(1H,m).
[参考例75]
5−ブロモ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチル−3’−ニトロビフェニル−3−カルボニトリル(I−75)
窒素雰囲気下、臭化銅(1.35g,6.05mmol)のアセトニトリル(18ml)懸濁液に亜硝酸tert−ブチル(655μl,5.50mmol)を加えた後、60℃にて、参考例74で得た5−アミノ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチル−3’−ニトロビフェニル−3−カルボニトリル(I−74)(829mg)のアセトニトリル(10ml)懸濁液を滴下し、同温にて5時間撹拌した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をジエチルエーテルで懸濁洗浄することにより粗製の標記化合物768mgを橙色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.33(3H,s),4.14(3H,s),7.55−7.60(1H,m),7.66−7.73(1H,m),8.12−8.16(1H,m),8.29−8.38(1H,m).
[参考例76]
N−(3’−ブロモ−5’−シアノ−2’−フルオロ−4’−メトキシ−6’−メチルビフェニル−3−イル)アセタミド(I−76)
参考例75で得た5−ブロモ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチル−3’−ニトロビフェニル−3−カルボニトリル(I−75)(764mg)及び鉄粉(351mg,6.28mmol)の酢酸(21ml)懸濁液を17時間加熱還流した。冷却後、反応液をセライトろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。次いで、得られた残留物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、この水層を酢酸エチルにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)溶出部より、不純物を含む標記化合物731mgをアモルファスとして得た。
MS(ESI)m/z:377,379(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.19(3H,s),2.31(3H,s),4.11(3H,s),6.92−6.96(1H,m),7.39−7.74(3H,m).
[参考例77]
3’−アミノ−5−ブロモ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−77)
参考例76で得たN−(3’−ブロモ−5’−シアノ−2’−フルオロ−4’−メトキシ−6’−メチルビフェニル−3−イル)アセタミド(I−76)(729mg)のエタノール(10ml)溶液に濃塩酸(6ml)を加え、70℃にて4時間撹拌した。冷却後、反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、この混合液をクロロホルム−メタノール(10:1,v/v)混合溶液にて抽出した。次いで、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(2:1,v/v)溶出部より、不純物を含む標記化合物444mgを乳白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:335,337(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.32(3H,s),3.77(2H,brs),4.10(3H,s),6.48−6.50(1H,m),6.54−6.57(1H,m),6.72−6.77(1H,m),7.23(1H,d,J=8.1Hz).
[参考例78]
3’−アミノ−6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−78)
窒素雰囲気下、参考例77で得た3’−アミノ−5−ブロモ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−77)(439mg)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(438mg,1.96mmol)、炭酸セシウム(854mg,2.62μmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(76mg,66μmol)のトルエン(7ml)懸濁液を17時間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、ろ過後、ろ液を水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:2,v/v)溶出部より不純物を含む標記化合物352mgをアモルファスとして得た。
MS(ESI)m/z:352(M+1)
[実施例16]
6−(3−アミノフェニル)−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#16)
Figure 2007204458
窒素雰囲気下、不純物を含む3’−アミノ−6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−78)(352mg)及びトリエチルアミン(338μl,3.00mmol)のジメチルスルホキシド(10ml)溶液を、130℃にて18時間撹拌し、(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(254μl,2.00mmol)を同温にて加えた後、さらに6.5時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(10:1,v/v)溶出部より粗標記化合物を得、エタノールから再結晶することにより標記化合物44mgを淡黄色固体として得た。
mp:255−257℃.
MS(ESI)m/z:412(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.68−1.80(1H,m),2.03−2.11(1H,m),2.17(6H,s),2.37(3H,d,J=1.7Hz),2.60−2.70(1H,m),2.80−2.91(1H,m),3.04−3.20(3H,m),6.46−6.60(2H,m),6.71−6.76(1H,m),7.23(1H,d,J=7.8Hz),7.40(1H,dd,J=7.8,4.9Hz),8.07−8.12(1H,m),8.46(1H,dd,J=4.9,1.5Hz).
IR(ATR):3450,3313,3192,2220,1585,1464,1389,1363,1211,1157cm−1
Anal. Calcd for C2525O:C,72.97;H,6.12;N,17.02. Found:C,72.61;H,6.09;N,16.88.
[参考例79]
N−(3−ブロモ−5−シアノ−2−フルオロ−6−メトキシ−4−メチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセタミド(I−79)
窒素雰囲気下、3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−73)(2.05g,7.91mmol)及びトリエチルアミン(2.20ml,15.8mmol)のテトラヒドロフラン(30ml)溶液に、0℃にてトリフルオロ酢酸無水物(1.68ml,11.9mmol)のテトラヒドロフラン(10ml)溶液を滴下し、室温にて17時間撹拌した。氷冷下、飽和食塩水を加え、室温にて撹拌した後、混合液を酢酸エチルにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(4:1,v/v)溶出部より標記化合物2.53g(90%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.68(3H,s),4.10(3H,s),7.61(1H,brs).
IR(ATR):3215,2231,1730,1531,1471,1410,1338,1180,1149cm−1
[参考例80]
3−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル(I−80)
窒素雰囲気下、N−(3−ブロモ−5−シアノ−2−フルオロ−6−メトキシ−4−メチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセタミド(I−79)(200mg,563μmol))、トリn−ブチル(2−ピリジル)スズ(311mg,845μmol)及び2,6ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(5粒)のトルエン(6ml)溶液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(40mg,56μmol)を加え19.5時間加熱還流した。冷却後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)溶出部より白色固体を得た。続いて、この白色固体のメタノール(1ml)溶液に、室温にて濃塩酸(500μl)を加え25時間撹拌した。反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液を0℃にて加えた後、この混合液をクロロホルムにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮することにより標記化合物41mg(28%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:258(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.25(3H,s),3.90(2H,brs),4.04(3H,s),7.30−7.35(1H,m),7.78−7.83(1H,m),8.72−8.75(1H,m).
[参考例81]
3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル(I−81)
窒素雰囲気下、臭化銅(668mg,2.99mmol)のアセトニトリル(8ml)懸濁液に亜硝酸tert−ブチル(324μl,2.72mmol)を加えた後、60℃にて3−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル(I−80)(350mg,1.36mmol)のアセトニトリル(6ml)懸濁液を滴下し、同温にて7.5時間撹拌した。冷却後、28%アンモニア水(6ml)を加えて室温にて撹拌し、この混合液を酢酸エチルにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)溶出部より標記化合物284mg(65%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:321,323(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.35(3H,s),4.11(3H,s),7.32−7.39(2H,m),7.81−7.86(1H,m),8.73−8.76(1H,m).
IR(ATR):2233,1587,1462,1402,1333,1082cm−1
[参考例82]
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル(I−82)
窒素雰囲気下、3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル(I−81)(273mg,850μmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(284mg,1.28mmol)、炭酸セシウム(554mg,1.70mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(98mg,85μmol)のトルエン(4ml)懸濁液を19時間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、ろ過後、ろ液を水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)溶出部より標記化合物142mg(74%)を淡黄色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:338(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.44(3H,s),3.85(3H,s),7.28−7.33(1H,m),7.34−7.40(2H,m),7.78−7.85(2H,m),8.30−8.33(1H,m),8.74−8.77(1H,m).
IR(ATR):2227,1587,1568,1439,1400,1250cm−1
[参考例83]
5−フルオロ−7−メチル−6−(ピリジン−2−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−83)
窒素雰囲気下、4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−2−イル)ベンゾニトリル(I−82)(137mg,406μmol)及びトリエチルアミン(170μl,1.22mmol)のジメチルスルホキシド(8ml)溶液を、120℃にて15時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を水で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)溶出部より標記化合物76mg(62%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:304(M+1)
[実施例17]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル−6−(ピリジン−2−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#17)
窒素雰囲気下、5−フルオロ−7−メチル−6−(ピリジン−2−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−83)(76mg,251μmol)、トリエチルアミン(105μl,753μmol)及び(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(64μl,501μmol)のジメチルスルホキシド(3ml)溶液を、90℃にて18時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(9:1,v/v)溶出部より粗標記化合物を得、ジイソプロピルエーテルにて懸濁洗浄することにより標記化合物54mg(54%)を淡茶褐色固体として得た。
mp:204−207℃.
MS(ESI)m/z:398(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.68−1.77(1H,m),2.02−2.17(1H,m),2.15(6H,s),2.32(3H,s),2.58−2.75(1H,m),2.97−3.17(4H,m),7.27−7.35(1H,m),7.35−7.44(2H,m),7.84(1H,t,J=7.6Hz),8.09(1H,d,J=7.6Hz),8.46−8.49(1H,m),8.76−8.79(1H,m).
IR(ATR):2224,1583,1460,1390,1362,1155cm−1
Anal. Calcd for C2423O・0.25HO:C,71.71;H,5.89;N,17.42. Found:C,71.82;H,5.73;N,17.29.
[参考例84]
3−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−3−イル)ベンゾニトリル(I−84)
窒素雰囲気下、3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−73)(1.00g,3.86mmol)、ピリジン−3−ボロン酸(569mg,4.63mmol)、リン酸三カリウム(1.64g,7.72mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(446mg,386μmol)の1,4−ジオキサン(19ml)懸濁液を、62時間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、ろ過後、ろ液を水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)溶出部より標記化合物483mg(49%)を茶色固体として得た。
MS(ESI)m/z:258(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.24(3H,s),3.94(2H,brs),4.07(3H,s),7.38−7.43(1H,m),7.55−7.60(1H,m),8.49−8.51(1H,m),8.66(1H,dd,J=4.9,1.7Hz).
IR(ATR):3444,3311,3182,2222,1631,1481,1408,1296,1161,1063cm−1
[参考例85]
3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−3−イル)ベンゾニトリル(I−85)
窒素雰囲気下、臭化銅(904mg,4.05mmol)のアセトニトリル(12ml)懸濁液に、亜硝酸tert−ブチル(438μl,3.68mmol)を加えた後、60℃にて3−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−3−イル)ベンゾニトリル(474mg,1.84mmol)のアセトニトリル(6ml)懸濁液を滴下し、同温にて5時間撹拌した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水を加えた。次いで、析出した固体をろ取した後、この固体をテトラヒドロフラン−水(5ml−5ml)混合溶媒に溶解し、ヨウ化カリウム(611mg,3.68mmol)を加え室温にて93時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈した後、有機層を水及び飽和食塩水で洗浄した。不溶物をろ去後、ろ液を飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル溶出部より標記化合物203mg(34%)を橙色固体として得た。
MS(ESI)m/z:321,323(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.34(3H,s),4.13(3H,s),7.44(1H,dd,J=7.8,4.9Hz),7.56−7.60(1H,m),8.50(1H,brs),8.71(1H,d,J=4.2Hz).
IR(ATR):2231,1396,1335,1147,1078cm−1
[参考例86]
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−3−イル)ベンゾニトリル(I−86)
窒素雰囲気下、3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−3−イル)ベンゾニトリル(I−85)(96mg,299μmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(100mg,448μmol)、炭酸セシウム(195mg,598μmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(35mg,30μmol)のトルエン(1.5ml)懸濁液を18時間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、ろ過後、ろ液を水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:2,v/v)溶出部より標記化合物75mg(74%)を淡黄色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:338(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.43(3H,s),3.87(3H,s),7.31−7.35(1H,m),7.41−7.50(1H,m),7.61−7.66(1H,m),7.80−7.86(1H,m),8.31−8.35(1H,m),8.55(1H,brs),8.68−8.71(1H,m).
[実施例18]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル−6−(ピリジン−3−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#18)
Figure 2007204458
窒素雰囲気下、4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−3−イル)ベンゾニトリル(I−86)(138mg,409μmol)及びトリエチルアミン(138μl,1.23mmol)のジメチルスルホキシド(4ml)溶液を、130℃にて4.5時間撹拌し、(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(104μl,818μmol)を同温にて加えた後、さらに13.5時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(10:1,v/v)溶出部より粗標記化合物を得、ジエチルエーテルで懸濁洗浄することにより標記化合物36mg(22%)を淡茶褐色固体として得た。
mp:194−196℃.
MS(ESI)m/z:398(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.75−2.00(1H,m),2.02−2.30(7H,m),2.36(3H,s),2.80−3.20(5H,m),7.41−7.50(2H,m),7.53−7.62(1H,m),8.12−8.25(1H,m),8.47−8.53(2H,m),8.70−8.73(1H,m).
IR(ATR):2222,1587,1566,1464,1390,1363,1211,1165cm−1
Anal. Calcd for C2423O・1.25HO:C,68.63;H,6.12;N,16.67. Found:C,68.93;H,5.78;N,16.43.
[参考例87]
3−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−4−イル)ベンゾニトリル(I−87)
窒素雰囲気下、3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−73)(554mg,2.14mmol)、ピリジン−4−ボロン酸(399mg,3.25mmol)、リン酸三カリウム(909mg,4.28mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(247mg,214μmol)の1,4−ジオキサン(11ml)懸濁液を、88時間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、ろ過後、ろ液を水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)溶出部より標記化合物204mg(37%)を淡茶褐色固体として得た。
MS(ESI)m/z:258(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.23(3H,s),3.95(2H,brs),4.07(3H,s),7.19(2H,brs),8.76(2H,brs).
IR(ATR):3406,3313,3197,2233,1643,1597,1477,1406,1360,1294,1203cm−1
[参考例88]
3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−4−イル)ベンゾニトリル(I−88)
窒素雰囲気下、臭化銅(762mg,3.41mmol)のアセトニトリル(10ml)懸濁液に亜硝酸tert−ブチル(370μl,3.11mmol)を加えた後、60℃にて3−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−4−イル)ベンゾニトリル(I−87)(400mg,1.55mmol)のアセトニトリル(6ml)懸濁液を滴下し、同温にて5時間撹拌した。冷却後、28%アンモニア水(6ml)を加えて室温にて撹拌し、この混合液を酢酸エチルにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をジイソプロピルエーテルにて懸濁洗浄することにより標記化合物273mg(55%)を淡茶褐色固体として得た。
MS(ESI)m/z:321,323(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.32(3H,s),4.13(3H,s),7.20−7.35(4H,m).
IR(ATR):2227,1595,1462,1412,1336,1080cm−1
[参考例89]
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−4−イル)ベンゾニトリル(I−89)
窒素雰囲気下、3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−4−イル)ベンゾニトリル(I−88)(270mg,841μmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(281mg,1.26mmol)、炭酸セシウム(548mg,1.68mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(97mg,84μmol)のトルエン(4ml)懸濁液を18.5時間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、ろ過後、ろ液を水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:2,v/v)溶出部より標記化合物143mg(50%)を淡黄色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:338(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.42(3H,s),3.87(3H,s),7.22−7.24(2H,m),7.31−7.35(1H,m),7.79−7.85(1H,m),8.31−8.34(1H,m),8.75(2H,d,J=6.1Hz).
IR(ATR):2227,1601,1568,1439,1404,1080cm−1
[実施例19]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル−6−(ピリジン−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#19)
窒素雰囲気下、4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−(ピリジン−4−イル)ベンゾニトリル(I−89)(133mg,394μmol)及びトリエチルアミン(133μl,954μmol)のジメチルスルホキシド(4ml)溶液を、130℃にて19.5時間撹拌し、(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(100μl,788μmol)を同温にて加えた後、さらに23時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(10:1,v/v)溶出部より粗標記化合物を得、ジイソプロピルエーテルで懸濁洗浄することにより標記化合物20mg(13%)を淡茶褐色固体として得た。
mp:267−270℃.
MS(ESI)m/z:398(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.73−1.86(1H,m),2.05−2.13(1H,m),2.19(6H,s),2.34(3H,s),2.61−2.71(1H,m),2.91−3.17(4H,m),7.16−7.23(2H,m),7.41−7.46(1H,m),8.13−8.18(1H,m),8.50(1H,d,J=4.9Hz),8.76(2H,d,J=5.1Hz).
IR(ATR):2224,1597,1466,1389,1211,1159cm−1
Anal. Calcd for C2423O・0.75HO:C,70.14;H,6.01;N,17.04. Found:C,70.40;H,5.79;N,16.58.
[参考例90]
5−アミノ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−90)
5−アミノ−2−ブロモ−6−フルオロ−4−メトキシビフェニル−3−カルボニトリル(I−61)(2.02g,6.29mmol)、炭酸カリウム(2.61g,18.87mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(727mg,0.63mmol)を10%水含有1,4−ジオキサン(50ml)に溶解し、室温下トリメチルボロキシン(50wt%テトラヒドロフラン溶液;1.90ml,7.55mmol)を加えた。窒素気流下110℃にて8時間撹拌した後、室温に冷却し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(727mg,0.63mmol)を加え、さらに11時間110℃にて撹拌した。室温に冷却し、不溶物を濾別後、濾液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を分け、水層を再び酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を少量のクロロホルムに溶解し、シリカゲルを加えた後、過剰の溶媒を留去した。本粉末をシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物1.567g(97%)を淡茶色固体として得た。
MS(EI)m/z:256(M).
HRMS(EI)m/z:256.1014(Calcd for C1513FNO 256.1012).
H−NMR(CDCl)δ:2.22(3H,s),3.88(2H,br s),4.05(3H,s),7.18−7.23(2H,m),7.38−7.48(3H,m).
IR(ATR):3367,2224,1477,1431,1358,1296,1151,1059,939,775,711cm−1
[参考例91]
5−ブロモ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−91)
臭化銅(II)(1.54g,6.87mmol)をアセトニトリル(15ml)に溶解し、窒素気流下室温にて亜硝酸tert−ブチル(純度90%,825μl,6.24mmol)を加えた。本溶液を60℃にて10分間撹拌した後、5−アミノ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−90)(800mg,3.12mmol)をアセトニトリル(16ml)に溶解した溶液をゆっくり加えた。同温にて1時間撹拌した後、室温に冷却した。反応液を酢酸エチルおよび1規定塩酸水溶液で分画した。有機層を分け、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1,v/v)、標記化合物828mg(83%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:320,322(M+1)
HRMS(EI)m/z:319.0023(Calcd for C1511 79BrFNO 319.0008),321.0012(Calcd for C1511 81BrFNO 320.9988).
H−NMR(CDCl)δ:2.31(3H,s),4.11(3H,s),7.19−7.22(2H,m),7.41−7.50(3H,m).
IR(ATR):2227,1412,1336,1082,943,752,702cm−1
[参考例92]
6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−92)
5−ブロモ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−91)(828mg,2.586mmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボラン−2−イル)ピリジン(1.154g,5.17mmol)および炭酸セシウム(1.685g,5.17mmol)をトルエン(17ml)に懸濁し、窒素気流下室温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(448mg,0.39mmol)を加えた。本懸濁液を12時間加熱還流した後、室温に冷却した。酢酸エチルで洗浄しながら不溶物を濾別し、濾液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を分け、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物606mg(70%)を無色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:337(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.40(3H,s),3.84(3H,s),7.23−7.30(2H,,m),7.31(1H,ddd,J=1.7,4.9,7.3Hz),7.40−7.50(3H,m),7.83(1H,ddd,J=1.7,7.3,9.0Hz),8.30−8.33(1H,m).
[参考例93]
5−フルオロ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−93)
6−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−92)(605mg,1.80mmol)をジメチルスルホキシド(12ml)に溶解し、窒素気流下室温にてトリエチルアミン(752μl,5.40mmol)を加えた。室温から徐々に120℃まで昇温し、同温にて11.5時間撹拌した。室温に冷却した後、反応液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を分け、水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物415mg(76%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:303(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.51(3H,s),7.27−7.32(2H,m),7.44(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),7.47−7.56(3H,m),8.33(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.55(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
[実施例20]
5−[(3S)−3−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル塩酸塩(#20)
Figure 2007204458
窒素雰囲気下に5−フルオロ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−93)(300mg,0.99mmol)をジメチルスルホキシド(6ml)に溶解させ、トリエチルアミン(349μl,2.48mmol)および(3S)−3−(メチルアミノ)ピロリジン(137μl,1.29mmol)を加え、90℃にて14時間撹拌した。室温に冷却後、クロロホルムを加え、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物をシリカゲルクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール(40:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、主成績体を263mg黄白色固体として得た。これをエタノール(10ml)およびクロロホルム(5ml)の混液に溶解し、1規定塩酸(エタノール溶液)756μl(0.756mmol)を加え、室温にて15時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、クロロホルム−ジイソプロピルエーテル−エタノールにて再結晶し、標記化合物286mg(64%)を白色固体として得た。
mp:283−284℃(dec.)
MS(FAB)m/z:383(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:1.91−2.00(1H,m),2.25(3H,s),2.17−2.24(1H,m),2.44(3H,s),2.91(1H,dd,J=6.7,10.4Hz),3.01−3.07(1H,m),3.14−3.22(3H,m),3.58−3.65(1H,m),7.30(2H,t,J=7.7Hz),7.46−7.59(4H,m),8.29(1H,dd,J=1.6,7.9Hz),8.51(1H,dd,J=1.3,4.8Hz).
IR(ATR):2224,1593,1464,1390cm−1
Anal. Calcd for C2422O・1.75HO・HCl:C,63.99;H,5.93;N,12.44;Cl,7.87. Found:C,64.12;H,5.66;N,12.15,Cl,8.50.
[実施例21]
5−[(3S,4S)−3−エチル−4−(メチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#21)
窒素雰囲気下に5−フルオロ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−93)(250mg,0.83mmol)をジメチルスルホキシド(5ml)に溶解させ、トリエチルアミン(291μl,2.07mmol)およびtert−ブチル (3S,4S)−4−エチルピロリジニル(メチル)カルバメート(245mg,1.08mmol)を加え、90℃にて15時間撹拌、さらに110℃にて26時間撹拌した。室温に冷却後、水を加え、酢酸エチルでは懸濁したため過剰のクロロホルムにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物をプレパラティブ薄層クロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、主生成物を得た。これを4規定塩酸1,4−ジオキサン溶液(6ml)に溶解し、室温にて7時間撹拌した。反応液にn−ヘキサンを加え、水にて抽出し、得られた水層を1規定水酸化ナトリウム水溶液にて塩基性とし、クロロホルムにて再抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物をクロロホルム−酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルにて再結晶し、標記化合物180mg(52%)を淡褐色固体として得た。
mp:232−234℃(dec.)
MS(ESI)m/z:411(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:0.76(3H,t,J=7.4Hz),1.11−1.19(1H,m),1.41−1.48(1H,m),1.95(1H,br s),2.20(3H,s),2.25(3H,s),2.81(2H,dd,J=8.3,8.8Hz),2.87(2H,dd,J=5.4,11.5Hz),2.99−3.13(3H,m),7.27(2H,d,J=6.6Hz),7.43−7.58(4H,m),8.32(1H,dd,J=1.5,7.6Hz),8.46(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2218,1589,1392cm−1
Anal. Calcd for C2626O・0.5HO:C,74.44;H,6.49;N,13.35. Found:C,74.55;H,6.26;N,13.08.
[参考例94]
7−ブロモメチル−5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−94)
5−フルオロ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−93)(300mg,0.99mmol)を四塩化炭素(6ml)およびベンゼン(6ml)に溶解し、本溶液に室温にてN−ブロモコハク酸イミド(265mg,1.49mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(16mg,0.1mmol)を加えた。窒素気流下85℃で3時間撹拌した後、室温に冷却した。反応液をクロロホルムおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分画した。水層を分け、これをクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物366mg(97%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:381,383(M+1)
HRMS(EI)m/z:379.9944(Calcd for C1910 79BrFNO 379.9961),381.9910(Calcd for C1910 81BrFNO 381.9940)
H−NMR(CDCl)δ:4.57(2H,s),7.43−7.51(3H,m),7.52−7.60(3H,m),8.38(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.59(1H,dd,J=1.7,5.1Hz).
IR(ATR):2229,1589,1389,1315,1296,1109,1049,839,802,771,760,702cm−1
[参考例95]
5−メトキシ−7−メトキシメチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−95)
7−ブロモメチル−5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−94)(429mg,1.13mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(4ml)およびメタノール(8ml)に溶解し、室温にて炭酸カリウム(311mg,2.25mmol)を加えた。本懸濁液を70℃で5.5時間撹拌した。室温に冷却した後、減圧下有機溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を分け、これを酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物280mg(72%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:345(M+1)
HRMS(EI)m/z:344.1144(Calcd for C2116 344.1161).
H−NMR(CDCl)δ:3.34(3H,s),3.62(3H,s),4.38(2H,s),7.40−7.44(3H,m),7.47−7.54(3H,m),8.38(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.49(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2227,1581,1379,1298,1093,1061,773,723,704cm−1
[参考例96]
8−シアノ−7−メトキシメチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−96)
5−メトキシ−7−メトキシメチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−95)(280mg,0.81mmol)、酢酸ナトリウム(200mg,2.44mmol)をN,N−ジメチルアセタミド(5.6ml)に溶解し、130℃で17時間撹拌した。本反応液を室温に冷却した後、減圧下溶媒を留去した。残留物を5%メタノール含有クロロホルムおよび1規定塩酸水溶液で分画した。水層を分け、これをクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去すると淡茶色固体を得た。これを減圧下乾燥し、ピリジン(5.4ml)に溶解した。室温にて4−(ジメチルアミノ)ピリジン(20mg,0.16mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(412μl,2.44mmol)を加え、窒素気流下室温で24時間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得られる残留物を酢酸エチルおよび1規定塩酸水溶液で分画した。水層を分け、これを酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物332mg(88%)を白色固体として得た。
HRMS(EI)m/z:462.0491(Calcd for C2113FNS 462.0498).
H−NMR(CDCl)δ:3.36(3H,s),4.43(2H,s),7.38−7.41(2H,m),7.49−7.55(4H,m),8.63(1H,s),8.65(1H,q,J=1.7Hz).
IR(ATR):2237,1593,1396,1215,1126,1099,987,816cm−1
[参考例97]
tert−ブチル [3−(8−シアノ−7−メトキシメチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)シクロペント−2−エン−1−イル]カルバメート(I−97)
8−シアノ−7−メトキシメチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−96)(331mg,0.72mmol)、tert−ブチル (3−トリn−ブチルスタニルシクロペント−2−エン−1−イル)カルバメート(507mg,1.07mmol)を1,4−ジオキサン(6.6ml)に溶解し、室温下塩化リチウム(91mg,2.15mmol)、2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(3.2mg,0.02mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(75mg,0.11mmol)を加えた。窒素気流下110℃で24時間撹拌した後、室温に冷却した。不溶物を酢酸エチルで洗浄しながら濾別した。濾液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、減圧下溶媒を留去した。残渣をジクロロメタン(6.6ml)に溶解し、水(193μl,10.74mmol)およびフッ化カリウム(312mg,5.37mmol)を加え、室温下8時間激しく撹拌した。不溶物をジクロロメタンで洗浄しながら濾別し、濾液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物え濾別後、減圧下溶媒を留去した。残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1,v/v)、標記化合物294mg(83%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:496(M+1)
HRMS(FAB)m/z:496.2218(Calcd for C3030 496.2236).
H−NMR(CDCl)δ:1.23−1.40(2H,m),1.46(9H,s),1.55−1.68(1H,m),2.20−2.40(2H,m),3.32(3H,s),4.41(2H,s),4.66−4.86(1H,br),5.69(1H,br s),7.23−7.28(2H,m),7.36(1H,dd,J=4.9,7.8Hz),7.40−7.48(3H,m),8.03−8.16(1H,br),8.52(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2229,1709,1495,1390,1165,1097,754,704cm−1
[実施例22]
5−(3−ジメチルアミノシクロペント−1−エン−1−イル)−7−メトキシメチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#22)
tert−ブチル [3−(8−シアノ−7−メトキシメチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)シクロペント−2−エン−1−イル]カルバメート(I−97)(290mg,0.59mmol)を4規定塩酸1,4−ジオキサン溶液(5.8ml)に溶解し、室温にて3時間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得た残留物にテトラヒドロフランを加え、共沸蒸留した。本操作をさらに2度繰り返した。残留物にクロロホルムおよび1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、30分間激しく撹拌した。水層を分け、これをクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物は減圧下乾燥し、精製することなく次の反応に用いた。この淡茶色固体にメタノール(6ml)を加え、本懸濁液に順次0℃にて37%ホルムアルデヒド溶液(285μl,3.51mmol)、酢酸(209μl,3.51mmol)およびシアノ水素化ホウ酸ナトリウム(132mg,2.11mmol)を加えた。0℃から徐々に室温まで昇温し、同温で12時間撹拌した。本反応液にクロロホルムおよび1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、室温にて20分間激しく撹拌した。水層を分け、これをクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLCを用いて精製し(溶離液;クロロホルム:メタノール=85:15,v/v)、標記化合物147mg(59%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:424(M+1)
HRMS(EI)m/z:423.1968(Calcd for C2725 423.1947).
H−NMR(CDCl)δ:1.70−2.75(10H,m),3.30(3H,s),3.45−4.45(1H,br),4.35(1H,d,J=10.3Hz),4.39(1H,d,J=10.3Hz),5.79(1H,d,J=2.0Hz),7.21−7.28(2H,m),7.34−7.43(4H,m),8.03−8.23(1H,br),8.51(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2225,1390,1379,1342,1103,768,721cm−1
Anal. Calcd for C2725・0.25HO:C,75.77;H,6.00;N,9.82. Found:C,75.49;H,5.96;N,9.32.
[参考例98]
7−アセトキシメチル−5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−98)
7−ブロモメチル−5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−94)(366mg,0.96mmol)を酢酸(7.3ml)に溶解し、室温にて無水酢酸ナトリウム(788mg,960mmol)を加え、窒素気流下100℃で9時間撹拌した。室温に冷却した後、減圧下溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を分け、これを酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1,v/v)、標記化合物302mg(87%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:361(M+1)
HRMS(EI)m/z:360.0903(Calcd for C2113FN 360.0910).
H−NMR(CDCl)δ:2.06(3H,s),5.17(2H,s),7.31−7.35(2H,m),7.49(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),7.49−7.55(3H,m),8.40(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.61(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2231,1741,1392,1211,1111,1026,864,721,702cm−1
[実施例23]
7−アセトキシメチル−5−[(3S)−3−ジメチルアミノピロリジン−1−イル]−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#23)
7−アセトキシメチル−5−フルオロ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−98)(296mg,082mmol)をジメチルスルホキシド(6ml)に溶解し、室温にてトリエチルアミン(229μl,1.64mmol)および(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(136μl,1.07mmol)を加えた。本懸濁液を100℃で10時間撹拌した後、室温に冷却した。反応液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を分け、これを酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(クロロホルム:メタノール=95:5,v/v)を用いて精製し、標記化合物237mg(64%)を淡茶色固体として得た。
MS(ESI)m/z:455(M+1)
HRMS(EI)m/z:454.2029(Calcd for C2726 454.2005).
H−NMR(CDCl)δ:1.74(1H,dq,J=8.3,2.2Hz),2.02(3H,s),2.03−2.15(1H,m),2.15(6H,s),2.61(1H,dq,J=7.8,10.0Hz),2.78(1H,dd,J=7.8,9.5Hz),3.05(2H,dd,J=5.6,7.8Hz),3.09(1H,dd,J=7.8,9.5Hz),5.00 and 5.03(each 1H,each d,J=12.2Hz),7.20−7.27(2H,m),7.43−7.50(4H,m),8.16(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.51(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2222,1732,1398,1363,1224,1153,1026,700cm−1
Anal. Calcd for C2726・0.25HO:C,70.65;H,5.82;N,12.21. Found:C,70.55;H,5.67;N,12.13.
[実施例24]
(3S)−1−(1−イミノ−4−フェニル−1,3−ジヒドロフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン(#24)
7−アセトキシメチル−5−[(3S)−3−ジメチルアミノピロリジン−1−イル]−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#23)(131mg,0.29mmol)をメタノール(2.6ml)に溶解し、室温にて炭酸カリウム(120mg,0.87mmol)を加えた後、同温で3.5時間撹拌した。反応液をクロロホルムおよび飽和食塩水で分画した。水層を分け、これをクロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、残留物を酢酸エチルから再結晶し、標記化合物87mg(73%)を淡茶色結晶として得た。
MS(ESI)m/z:413(M+1)
HRMS(EI)m/z:412.1899(Calcd for C2524 412.1899).
H−NMR(CDCl)δ:1.78(1H,dq,J=8.3,12.0Hz),2.08−2.20(1H,m),2.16(6H,s),2.68(1H,quint,J=7.6Hz),2.93(1H,t,J=8.3Hz),3.12−3.26(3H,m),5.08(2H,s),7.28−7.30(2H,m),7.42−7.51(4H,m),8.18(1H,dd,J=1.5,7.6Hz),8.50(1H,dd,J=1.5,4.9Hz).
IR(ATR):1662,1456,1389,1356,1151,1043,966,910,808,777,719,704cm−1
Anal. Calcd for C2524・1.5HO:C,68.32;H,6.19;N,12.75. Found:C,68.05;H,5.40;N,12.21.
[実施例25]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−4−フェニルフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−1(3H)−オン(#25)
Figure 2007204458
(3S)−1−(1−イミノ−4−フェニル−1,3−ジヒドロフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン(#24)(20mg,0.05mmol)をクロロホルムに溶解し、プレパラティブTLCに吸着させ、クロロホルム−メタノール(9:1,v/v)の混合溶媒を用いて1.75時間かけて展開した。展開後、本プレートを12時間室温で放置し乾燥した。UV(254nm)吸収のある部分をかきとり、クロロホルム−メタノール(9:1,v/v)の混合溶液を加えて10分間撹拌した。不溶物を濾別後、濾液を減圧下濃縮し、標記化合物19.6mg(98%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:414(M+1)
HRMS(EI)m/z:413.1750(Calcd for C2523 413.1740).
H−NMR(CDCl)δ:1.81(1H,dq,J=8.3,12.0Hz),2.10−2.20(1H,m),2.20(6H,s),2.73(1H,dq,J=7.6,7.6Hz),2.97(1H,t,J=8.3Hz),3.15−3.30(3H,m),4.99(2H,s),7.33(2H,d,J=6.6Hz),7.39(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),7.45−7.55(3H,m),8.11(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.46(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):1767,1639,1587,1362,1055,1028,1005,721,704cm−1
Anal. Calcd for C2523・0.25HO:C,71.84;H,5.67;N,10.05. Found:C,71.48;H,5.61;N,9.91.
[参考例99]
5−メトキシ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−99)
5−フルオロ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−93)(2.62g,8.67mmol)をメタノール(50ml)に懸濁し、室温にてナトリウムメトキシド(4.2ml,18.20mmol)を加えた。本懸濁液を6時間加熱還流した後、室温に冷却した。減圧下溶媒を留去して得られた残留物を酢酸エチル、水および飽和食塩水で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。濾別後、減圧下溶媒を留去して得られた残留物は精製することなく、次の反応に用いた。
MS(ESI):315(M+1)
[参考例100]
7−アセトキシメチル−5−メトキシ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−100)
5−メトキシ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−99)(490mg,1.56mmol)を四塩化炭素(10ml)およびベンゼン(10ml)に溶解し、室温にてN−ブロモコハク酸イミド(416mg,2.34mmol)およびアゾビスイソブチロニトリル(26mg,0.16mmol)を加えた。窒素気流下85℃で1時間40分撹拌した後、室温に冷却した。反応液をクロロホルムおよび飽和食塩水で分画した。水層を分け、これをクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をN,N−ジメチルホルムアミド(10ml)に溶解した。本溶液に対し、室温にて酢酸ナトリウム(640mg,7.80mmol)を加え、窒素気流下70℃で6時間撹拌した。室温に冷却した後、反応液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。その際両層に不溶の固体を濾取し、標記化合物の白色固体を106mg(18%)を得た。一方、水層を酢酸エチルでさらに抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;クロロホルム:メタノール=98:2,v/v)、標記化合物164mg(28%)を白色固体として得た(合計270mg,46%)。
MS(ESI)m/z:373(M+1)
HRMS(EI)m/z:372.1105(Calcd for C2216 372.1110).
H−NMR(CDCl)δ:2.05(3H,s),3.63(3H,s),5.11(2H,s),7.32−7.35(2H,m),7.45(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),7.47−7.52(3H,m),8.40(1H,dd,J=1.7Hz,7.6Hz),8.55(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2231,1736,1296,1225,1020,773,723cm−1
[参考例101]
5−メトキシ−4−フェニルフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−1(3H)−オン(I−101)
7−アセトキシメチル−5−メトキシ−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−100)(485mg,1.30mmol)をメタノール(9ml)およびN,N−ジメチルホルムアミド(4.5ml)に溶解し、室温にて炭酸カリウム(540mg,3.91mmol)を加えた。本溶液を70℃に加熱し、30分間撹拌した。室温に冷却後、クロロホルム(4.5ml)を加え、不溶物を完全に溶解した。15分間室温で撹拌後、さらに70℃で1.5時間撹拌した。これを室温に冷却した後、反応液に酢酸エチルおよび水を加え、10分間激しく撹拌した。減圧下溶媒を留去して得られる残留物をクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、減圧下溶媒を留去し、茶色固体を得た。これをクロロホルム(8ml)およびメタノール(8ml)に溶解し、室温にて1規定塩酸水溶液(8ml)を加えた。同温で15分間撹拌した後、さらに濃塩酸(4ml)を加え、4日間撹拌した。有機層を分け、水層をクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、減圧下溶媒を留去した。残留物を減圧下乾燥して、標記化合物386mg(90%)を茶色固体として得た。
MS(ESI)m/z:332(M+1)
HRMS(EI)m/z:331.0831(Calcd for C2013NO 331.0845).
H−NMR(DMSO−d)δ:3.77(3H,s),5.43(2H,s),7.53−7.68(6H,m),8.61(1H,s),8.63(1H,q,J=1.7Hz).
IR(ATR):1761,1390,1309,1228,1065,1016,771cm−1
[参考例102]
5−ヒドロキシ−4−フェニルフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−1(3H)−オン(I−102)
5−メトキシ−4−フェニルフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−1(3H)−オン(I−101)(375mg,1.13mmol)、酢酸ナトリウム(279mg,3.40mmol)をN,N−ジメチルアセタミド(7.5ml)に溶解し、130℃で21時間撹拌した。本反応液を氷冷下1規定塩酸水溶液にあけ、5分間撹拌した。生じた固体を水洗しながら濾取した。集めた黄色固体を減圧下50℃で15時間乾燥し、標記化合物335mg(81%)を得た。
MS(ESI)m/z:318(M+1)
HRMS(EI)m/z:317.0685(Calcd for C1911NO 317.0688).
H−NMR(CDCl)δ:5.21(2H,s),7.36−7.47(5H,m),7.49(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),8.42(1H,dd,J=1.7,4.9Hz),8.51(1H,dd,J=1.7,7.6H),10.88(1H,br s).
IR(ATR):3518,1761,1610,1394,1315,1209,1063cm−1
[参考例103]
1−オキソ−4−フェニル−1,3−ジヒドロフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル トリフルオロメタンスルフォネート(I−103)
5−ヒドロキシ−4−フェニルフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−1(3H)−オン(I−102)(330mg,1.04mmol)をピリジン(6.6ml)に溶解した。室温にて4−(ジメチルアミノ)ピリジン(26mg,0.21mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸無水物(527μl,3.12mmol)を加え、窒素気流下室温で6.5時間撹拌した。本溶液を酢酸エチルおよび1モル塩酸水で分画した。水層を分け、これを酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1,v/v)、標記化合物407mg(87%)を白色固体として得た。
HRMS(EI)m/z:449.0187(Calcd for C2010NOS 449.0181).
H−NMR(CDCl)δ:5.33(2H,s),7.42−7.46(2H,m),7.52−7.59(4H,m),8.65(1H,t,J=1.7Hz),8.66(1H,t,J=1.7Hz).
IR(KBr):1780,1599,1415,1402,1223,1132,1063,1036,984,885,858,822,793,768cm−1
[参考例104]
tert−ブチル [3−(1−オキソ−4−フェニル−1,3−ジヒドロフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)シクロペント−2−エン−1−イル]カルバメート(I−104)
1−オキソ−4−フェニル−1,3−ジヒドロフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル トリフルオロメタンスルフォネート(I−103)(400mg,0.89mmol)およびtert−ブチル (3−トリn−ブチルスタニルシクロペント−2−エン−1−イル)カルバメート(631mg,1.34mmol)を1,4−ジオキサン(8ml)に溶解し、室温下塩化リチウム(113mg,2.67mmol)、2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(4mg,0.02mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(94mg,0.13mmol)を加えた。窒素気流下110℃で21時間撹拌した後、室温に冷却した。不溶物を酢酸エチルで洗浄しながら濾別した。濾液を減圧下濃縮した。溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:2,v/v)、標記化合物274mg(64%)を白色ワックスとして得た。
MS(ESI)m/z:483(M+1)
HRMS(FAB)m/z:483.1891(Calcd for C2927 483.1920).
H−NMR(CDCl)δ:1.48(9H,s),1.60−1.70(1H,m),1.77(1H,br s),2.25−2.60(1H,br),4.70−4.95(1H,br),5.14(1H,d,J=15.9Hz),5.20(1H,d,J=15.9Hz),5.92(1H,br s),7.20−7.30(1H,m),7.32−7.39(2H,m),7.41−7.56(3H,m),8.11(1H,d,J=7.6Hz),8.45(1H,d,J=3.7Hz).
IR(ATR):1770,1705,1496,1456,1392,1228,1165,1030,754cm−1
[実施例26]
5−[3−(ジメチルアミノ)シクロペント−1−エン−1−イル]−4−フェニルフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−1(3H)−オン(#26)
Figure 2007204458
tert−ブチル [3−(1−オキソ−4−フェニル−1,3−ジヒドロフロ[3’,4’:6,7][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)シクロペント−2−エン−1−イル]カルバメート(I−104)(270mg,0.56mmol)を4規定塩酸1,4−ジオキサン溶液(5.4ml)に溶解し、室温にて1.5時間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得た残留物にテトラヒドロフランを加え、共沸蒸留した。本操作をさらに2度繰り返した。残留物は減圧下乾燥した後、メタノール(6ml)およびクロロホルム(2ml)に溶解した。これにトリエチルアミン(86μl,0.62mmol)を加え、室温にて10分間撹拌した。これに順次室温にて酢酸(200μl,3.36mmol)、37%ホルムアルデヒド溶液(273μl,3.36mmol)およびシアノ水素化ホウ酸ナトリウム(127mg,2.02mmol)を加え、同温で12.5時間撹拌した。反応液にクロロホルムおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温で15分間激しく撹拌した。水層を分け、これをクロロホルムで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(溶離液;クロロホルム:メタノール=9:1,v/v)を用いて精製し、標記化合物118mg(51%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:411(M+1)
HRMS(EI)m/z:410.1628(Calcd for C2622 410.1630).
H−NMR(CDCl)δ:1.79−1.88(1H,m),2.00−2.55(9H,m),3.70−4.20(1H,br),5.12(1H,d,J=6.1Hz),5.20(H,d,J=6.1Hz),5.93(1H,q,J=2.0Hz),7.29−7.32(2H,m),7.34(1H,dd,J=4.9,7.8Hz),7.40−7.49(3H,m),8.10−8.25(1H,br),8.51(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):1770,1456,1392,1338,1059,1030,1007,773cm−1
Anal. Calcd for C2622・0.5HO:C,74.45;H,5.53;N,6.68. Found:C,74.37;H,5.38;N,6.54.
[参考例105]
5−アセチル−3−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−105)
窒素雰囲気下、N−(3−ブロモ−5−シアノ−2−フルオロ−6−メトキシ−4−メチルフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセタミド(I−79)900mg(2.53mmol)、トリブチル(1−エトキシビニル)スズ(1.10g,3.04mmol)及び2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(10粒)のトルエン(25ml)溶液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(89mg,127μmol)を加え18.5時間加熱還流した。冷却後、減圧下溶媒を留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)溶出部より黄色油状物を得た。この黄色油状物のメタノール(9ml)溶液に、0℃にて濃塩酸(9ml)を加え、室温にて88時間撹拌した。反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液を0℃にて加えた後、この混合液をクロロホルムにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(2:1,v/v)溶出部より標記化合物463mg(82%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:223(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.38(3H,s),2.53(3H,d,J=2.9Hz),3.94(2H,brs),4.04(3H,s).
IR(ATR):3448,3350,2227,1687,1631,1570,1481,1340,1200cm−1
[参考例106]
5−アセチル−3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−106)
窒素雰囲気下、臭化銅(781mg,3.50mmol)のアセトニトリル(10ml)懸濁液に亜硝酸tert−ブチル(379μl,3.19mmol)を加えた後、60℃にて5−アセチル−3−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−105)(354mg,1.59mmol)のアセトニトリル(6ml)懸濁液を滴下し、同温にて18時間撹拌した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)溶出部より標記化合物369mg(81%)を白色固体として得た。
H−NMR(CDCl)δ:2.48(3H,s),2.56(3H,d,J=2.9Hz),4.11(3H,s).
IR(ATR):2229,1701,1581,1358,1327,1252,1155,1088cm−1
[参考例107]
3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)ベンゾニトリル(I−107)
5−アセチル−3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−106)254mg(888μmol)の酢酸(7ml)溶液に、臭素156mg(977μmol)の酢酸(2ml)溶液を室温にて加えた後、60℃にて13時間撹拌した。冷却後、減圧下溶媒を留去した。
得られた残留物とチオアセタミド100mg(1.33mmol)のエタノール(9ml)溶液を、3.5時間加熱還流した。冷却後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、この混合液を酢酸エチルにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:1,v/v)溶出部より標記化合物155mg(51%)を乳白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:341,343(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.43(3H,s),2.78(3H,s),4.09(3H,s),7.19(1H,d,J=1.0Hz).
IR(ATR):2231,1458,1435,1400,1333,1292,1169,1084cm−1
[参考例108]
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)ベンゾニトリル(I−108)
窒素雰囲気下、3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)ベンゾニトリル(I107)(205mg,601μmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(201mg,901μmol)、炭酸セシウム(392mg,1.20mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(69mg,60μmol)のトルエン(3ml)懸濁液を17時間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、ろ過後、ろ液を水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(2:1,v/v)溶出部より標記化合物105mg(49%)を無色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:358(M+1)
[実施例27]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#27)
Figure 2007204458
窒素雰囲気下、4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)ベンゾニトリル(I−108)105mg(294μmol)及びトリエチルアミン123μl(881μmol)のジメチルスルホキシド(3ml)溶液を、130℃にて18時間撹拌し、(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(75μl,588μmol)を同温にて加えた後、さらに3時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(20:1,v/v)溶出部より粗標記化合物を得、ジイソプロピルエーテルで懸濁洗浄することにより標記化合物20mg(16%)を淡茶褐色固体として得た。
mp:164−167℃.
MS(ESI)m/z:418(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.75−1.90(1H,m),2.12−2.30(1H,m),2.24(6H,s),2.39(3H,s),2.60−2.90(2H,m),2.82(3H,s),3.07−3.25(3H,m),7.05(1H,s),7.39−7.45(1H,m),8.11(1H,d,J=7.8Hz),8.46−8.49(1H,m).
IR(ATR):2220,1591,1456,1390,1373,1209,1169,1146cm−1
Anal. Calcd for C2323OS・0.5HO:C,64.77;H,5.67;N,16.42;S,7.52. Found:C,64.79;H,5.47;N,16.26;S,7.64.
[参考例109]
5−フルオロ−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−109)
窒素雰囲気下、4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)ベンゾニトリル(I−108)(1.33g,3.72mmol)及びトリエチルアミン(1.56ml,11.2mmol)のジメチルスルホキシド(37ml)溶液を、130℃にて4.5時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を水で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(2:1,v/v)溶出部より標記化合物282mg(23%)を黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:324(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.64(3H,s),2.82(3H,s),7.28(1H,d,J=0.7Hz),7.45(1H,dd,J=7.6,4.9Hz),8.34(1H,dd,J=7.6,1.7Hz),8.55(1H,dd,J=4.9,1.7Hz).
IR(ATR):2229,1591,1390,1309,1227,1184,1130,1111,1070cm−1
[参考例110]
5−メトキシ−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−110)
窒素雰囲気下、5−フルオロ−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−109)386mg(1.19mmol)のメタノール−N,N−ジメチルホルムアミド(8ml−4ml)混合溶液に、室温にて炭酸カリウム(330mg,2.39mmol)を加え、70℃にて2.5時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を水で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)溶出部より標記化合物318mg(80%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:336(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.51(3H,s),2.83(3H,s),3.70(3H,s),7.20(1H,s),7.41(1H,dd,J=7.6,4.9Hz),8.34(1H,dd,J=7.6,1.5Hz),8.50(1H,dd,J=4.9,1.5Hz).
IR(ATR):2229,1581,1483,1389,1308,1227,1176cm−1
[参考例111]
8−シアノ−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イルトリフルオロメタンスルホネート(I−111)
窒素雰囲気下、5−メトキシ−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−110)(312mg,930μmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(9ml)溶液に、室温にて酢酸ナトリウム(229mg,2.79mmol)を加え、110℃にて21時間、120℃にて5時間、130℃にて15時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルム−メタノール混合溶媒に溶解した。次いで、有機層を1規定塩酸水溶液で洗浄した後、水層をクロロホルム−メタノール混合溶媒にて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮することにより、淡茶褐色固体を得た。また、水層に浮遊する不溶物をろ取して淡茶褐色固体を得、あわせて次の反応に用いた。窒素雰囲気下、上述の淡茶褐色固体のピリジン(9ml)溶液に、室温にて4−(ジメチルアミノ)ピリジン(41mg,186μmol)及びトリフルオロメタンスルホン酸無水物(471μl,2.79mmol)を加え同温にて27時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮した後、得られた残留物を酢酸エチルに溶解し、有機層を1規定塩酸水溶液で洗浄した。次いで、水層を酢酸エチルにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、酢酸エチル溶出部より不純物を含む標記化合物431mgを淡黄色固体として得た。
[参考例112]
tert−ブチル [3−(8−シアノ−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)シクロペント−2−エン−1−イル]カルバメート(I−112)
窒素雰囲気下、不純物を含む8−シアノ−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−111)(431mg)、tert−ブチル (3−トリn−ブチルスタニルシクロペント−2−エン−1−イル)カルバメート(659mg,1.40mmol)、塩化リチウム(118mg,2.79mmol)及び2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(5粒)の1,4−ジオキサン(9ml)懸濁液に、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(98mg,140μmol)を加え7時間加熱還流した。冷却後、減圧下溶媒を留去し、得られた残渣にn−ヘキサンを加え室温にて1時間撹拌した。次いで、析出した固体をろ取した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(1:1,v/v)溶出部より不純物を含む標記化合物140mgを茶色固体として得た。
MS(ESI)m/z:487(M+1)
[実施例28]
5−[3−(ジメチルアミノ)シクロペント−1−エン−1−イル)−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#28)
不純物を含むtert−ブチル [3−(8−シアノ−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−チアゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)シクロペント−2−エン−1−イル]カルバメート(I−112)(132mg)のテトラヒドロフラン(3ml)溶液に、氷冷下5規定塩酸水溶液を加え、室温にて16時間撹拌した。氷冷下、反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、この混合液をクロロホルムにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をジイソプロピルエーテルにて懸濁洗浄することにより63mgの黄色固体を得た。窒素雰囲気下、上述の黄色固体の1,2−ジクロロエタン(2ml)溶液に、室温にて37%ホルムアルデヒド溶液(38μl,474μmol)及びトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(84mg,395μmol)を加えた後、酢酸(158μl)を氷冷下加え、室温にて80分間撹拌した。氷冷下、反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、この混合液をクロロホルムにて抽出した。次いで、あわせた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、クロロホルム−メタノール(5:1,v/v)溶出部より標記化合物21mgを淡茶褐色固体として得た。
mp:172−174℃.
MS(ESI)m/z:415(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.81−1.95(1H,m),2.04−2.15(1H,m),2.19(6H,s),2.31−2.47(2H,m),2.49(3H,s),2.77(3H,s),3.85−4.00(1H,m),5.85−5.88(1H,m),7.03(1H,s),7.33−7.37(1H,m),8.08−8.14(1H,m),8.50(1H,dd,J=4.9,1.5Hz).
Anal. Calcd for C2422OS・0.25HO:C,68.79;H,5.41;N,13.37. Found:C,68.70;H,5.36;N,12.97.
[参考例113]
2−(3−ブロモ−5−シアノ−2−フルオロ−4−メトキシ−6−メチルフェニル)−2−オキソエチル アセテート(I−113)
3−アセチル−5−ブロモ−4−フルオロ−6−メトキシ−2−メチルベンゾニトリル(I−106)(2.064g,7.21mmol)を酢酸(30ml)に溶解し、臭素(1.268g,7.94mmol)を酢酸(10ml)に溶解した溶液を室温下滴下した。窒素気流下60℃で12時間撹拌した後、室温に冷却した。減圧下溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、減圧下溶媒を留去し、残留物を酢酸(30ml)に溶解した。本溶液に室温下、酢酸ナトリウム(5.92g,72.1mmol)を加え、窒素気流下95℃で17時間撹拌した。室温に冷却した後、反応液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1,v/v)、標記化合物913mg(37%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:344,346(M+1)
HRMS(EI)m/z:342.9843(Calcd for C1311 79BrFNO 342.9855),344.9825(Calcd for C1311 81BrFNO 344.9835).
H−NMR(CDCl)δ:2.17(3H,s),2.52(3H,s),4.14(3H,s),4.93(2H,d,J=2.4Hz).
IR(ATR):2231,1757,1716,1213,1128,1086,926,795cm−1
[参考例114]
3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(2−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)ベンゾニトリル(I−114)
2−(3−ブロモ−5−シアノ−2−フルオロ−4−メトキシ−6−メチルフェニル)−2−オキソエチル アセテート(I−113)(1.195g,3.47mmol)を酢酸(24ml)に溶解し、室温にて酢酸アンモニウム(1.34g,17.36mmol)を加えた。窒素気流下120℃にて12.5時間撹拌した後、室温に冷却した。減圧下溶媒を留去し、残留物を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1,v/v)、標記化合物634mg(56%)を橙色固体として得た。
MS(ESI)m/z:325,327(M+1)
HRMS(EI)m/z:323.9924(Calcd for C1310 79BrFN 323.9909),325.9890(Calcd for C1310 81BrFN 344.9835).
H−NMR(CDCl)δ:2.56(3H,s),2.58(3H,s),4.12(3H,s),7.18(1H,d,J=2.0Hz).
IR(ATR):2225,1539,1456,1406,1333,1144,1086,960,921,849,727cm−1
[参考例115]
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−(2−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)ベンゾニトリル(I−115)
3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−(2−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)ベンゾニトリル(I−114)(633mg,1.95mmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(869mg,3.89mmol)および炭酸セシウム(1.27g,3.89mmol)をトルエン(15ml)に懸濁し、室温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(225mg,0.19mmol)を加えた。窒素気流下115℃にて18時間撹拌した後、室温に冷却した。酢酸エチルで洗浄しながら不溶物を濾別した。濾液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウム乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=2:1,v/v)、標記化合物431mg(65%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:342(M+1)
HRMS(EI)m/z:341.0965(Calcd for C1813 341.0976).
H−NMR(CDCl)δ:2.55(3H,s),2.66(3H,s),3.85(3H,s),7.17(1H,d,J=2.0Hz).
IR(ATR):2224,1568,1439,1402,1331,1201,1132,1084,920,798,762cm−1
[参考例116]
5−フルオロ−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−116)
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−(2−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)ベンゾニトリル(I−115)(428mg,1.25mmol)をジメチルスルホキシド(8.5ml)に溶解し、室温にてトリエチルアミン(524μl,3.76mmol)を加えた。本反応液を窒素気流下120℃にて1.5時間撹拌した。室温に冷却した後、反応液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を酢酸エチルでさらに2度抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1,v/v)、標記化合物186mg(48%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:308(M+1)
HRMS(EI)m/z:307.0767(Calcd for C1710FN 307.0757).
H−NMR(CDCl)δ:2.60(3H,s),2.76(3H,s),7.24(1H,d,J=1.7Hz),7.49(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),8.38(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.58(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2231,1591,1564,1392,1311,1217,1138,1113,825,802,773,756,731cm−1
[実施例29]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#29)
5−フルオロ−7−メチル−6−(2−メチル−1,3−オキサゾール−4−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−116)(185mg,0.60mmol)をジメチルスルホキシド(4ml)に溶解し、室温にてトリエチルアミン(126μl,0.90mmol)および(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(99μl,0.78mmol)を加えた。本反応液を窒素気流下90℃にて12.5時間撹拌した後、室温に冷却した。反応液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を酢酸エチルでさらに2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(溶離液;クロロホルム:メタノール=9:1,v/v)を用いて精製し、標記化合物216mg(89%)を茶色固体として得た。
MS(ESI)m/z:402(M+1)
HRMS(EI)m/z:401.1845(Calcd for C2323 401.1852).
H−NMR(CDCl)δ:1.88(1H,dq,J=8.3,12.2Hz),2.14−2.25(1H,m),2.24(6H,s),2.46(3H,s),2.58(3H,s),2.78(1H,dq,J=7.6,7.8Hz),3.04(1H,dd,J=7.6,9.5Hz),3.11−3.20(2H,m),3.23(1H,dd,J=7.1,9.5Hz),6.97(1H,s),7.43(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),8.14(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.47(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2224,1614,1587,1570,1456,1383,1363,1207,1174,1120,810cm−1
Anal. Calcd for C2323・0.25HO:C,68.05;H,5.83;N,17.25. Found:C,68.27;H,5.71;N,16.95.
[参考例117]
5−アセチル−4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−117)
窒素雰囲気下、5−アセチル−3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−106)(1.00g,3.50mmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1.17g,5.24mmol)、炭酸セシウム(2.28g,7.00mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(404mg,350μmol)のトルエン(18ml)懸濁液を19時間加熱還流した。冷却後、反応液を酢酸エチルで希釈し、ろ過後、ろ液を水及び飽和食塩水で洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1,v/v)溶出部より標記化合物806mg(76%)を淡黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:303(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.56−2.58(6H,m),3.85(3H,s),7.32−7.36(1H,m),7.76−7.81(1H,m),8.33−8.36(1H,m).
IR(ATR):2225,1701,1560,1442,1433,1419,1323,1194,1090cm−1
[実施例30]
6−アセチル−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#30)
窒素雰囲気下、5−アセチル−4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−117)465mg(1.54mmol)及び(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(429μl,3.38mmol)のジメチルスルホキシド(15ml)溶液を、100℃にて14.5時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物をクロロホルムに溶解した。次いで、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した後、水層をクロロホルムにて抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(9:1,v/v)溶出部より標記化合物を得、一部をジイソプロピルエーテルで懸濁洗浄することにより標記化合物20mg(4%)を淡茶褐色固体として得た。合計380mg(68%)の標記化合物を得た。
mp:174−177℃.
MS(ESI)m/z:363(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.02−2.15(1H,m),2.28−2.38(1H,m),2.31(6H,s),2.53−2.54(3H,m),2.55−2.56(3H,m),2.89−2.98(1H,m),3.33−3.39(1H,m),3.46−3.52(3H,m),7.42−7.47(1H,m),8.18(1H,d,J=7.6Hz),8.49−8.52(1H,m).
IR(ATR):2227,1703,1458,1389,1346,1211,1151cm−1
Anal. Calcd for C2122・0.25HO:C,68.74;H,6.18;N,15.27. Found:C,69.03;H,6.09;N,15.07.
[実施例31]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル−6−(1H−ピラゾール−3−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#31)
窒素雰囲気下、6−アセチル−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#30)(100mg,276μmol)のN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(3ml)懸濁液を、5時間加熱還流した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物を次の反応に付した。窒素雰囲気下、上述の残留物のエタノール(3ml)懸濁液にヒドラジン一水和物(20μl,414μmol)を室温にて加え、46時間加熱還流した。冷却後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(5:1,v/v)溶出部より粗標記化合物を得、ジイソプロピルエーテルで懸濁洗浄することにより標記化合物48mg(45%)を淡茶褐色固体として得た。
mp:196−199℃.
MS(ESI)m/z:387(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.77−1.88(1H,m),2.07−2.17(1H,m),2.22(6H,s),2.39(3H,s),2.69−2.77(1H,m),2.81−2.88(1H,m),2.99−3.07(1H,m),3.11−3.19(1H,m),3.23(1H,dd,J=9.3,6.6Hz),6.34(1H,d,J=2.2Hz),7.41(1H,dd,J=7.6,5.0Hz),7.74(1H,d,J=2.2Hz),8.09(1H,dd,J=7.6,1.7Hz),8.45−8.47(1H,m).
IR(ATR):2222,1589,1466,1392,1219,1205cm−1
Anal. Calcd for C2222O・0.75HO:C,66.07;H,5.92;N,21.01. Found:C,66.00;H,5.79;N,20.77.
[実施例32]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−6−(イソオキサゾール−5−イル)−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#32)
Figure 2007204458
窒素雰囲気下、6−アセチル−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#30)(153mg,422μmol)のN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(4ml)懸濁液を、4時間加熱還流した。冷却後、反応液を減圧下濃縮し、得られた残留物を次の反応に付した。窒素雰囲気下、上述の残留物のエタノール−水(4ml−400μl)混合溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(80mg,1.27mmol)を室温にて加え、1.5時間加熱還流した。冷却後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残留物をトルエンと共沸した後、テトラヒドロフラン(4ml)に溶解し、室温にて濃塩酸(2ml)を加え68時間撹拌した。氷冷下反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、混合液をクロロホルムにて抽出した。次いで、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(5:1,v/v)溶出部より粗標記化合物を得、ジイソプロピルエーテルで懸濁洗浄することにより標記化合物79mg(48%)を淡黄色固体として得た。
mp:158−160℃.
MS(ESI)m/z:388(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.80−1.91(1H,m),2.11−2.21(1H,m),2.23(6H,s),2.43(3H,s),2.73−2.83(1H,m),2.97−3.04(1H,m),3.11−3.24(3H,m),6.39(1H,d,J=1.7Hz),7.45(1H,dd,J=7.7,4.9Hz),8.14(1H,dd,J=7.7,1.7Hz),8.44(1H,d,J=1.7Hz),8.50(1H,dd,J=4.9,1.7Hz).
IR(ATR):2225,1606,1587,1464,1390,1155cm−1
Anal. Calcd for C2221・0.25HO:C,67.42;H,5.53;N,17.87. Found:C,67.61;H,5.43;N,17.65.
[参考例118]
6−[(2E)−3−(ジメチルアミノ)ブット−2−エノイル]−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−118)
窒素雰囲気下、6−アセチル−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#30)(400mg,1.10mmol)のN,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール(6ml)懸濁液を、80−90℃にて48.5時間撹拌した。冷却後、反応液を減圧下濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(5:1,v/v)溶出部より標記化合物198mg(42%)を茶色固体として得た。
MS(ESI)m/z:432(M+1)
[実施例33]
5−[(3S)−3−ジメチルアミノピロリジン−1−イル]−7−メチル−6−(3−メチルイソオキサゾール−5−イル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#33)
窒素雰囲気下、6−[(2E)−3−(ジメチルアミノ)ブット−2−エノイル]−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−118)(198mg,459μmol)のエタノール−水(5ml−500μl)混合溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(96mg,1.38mmol)を室温にて加え、3.5時間加熱還流した。冷却後、反応液を減圧下濃縮した。得られた残留物をトルエンと共沸した後、テトラヒドロフラン(4ml)に溶解し、室温にて濃塩酸(2ml)を加え24時間撹拌した。氷冷下反応液に1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えた後、混合液をクロロホルムにて抽出した。次いで、有機層を合わせ、無水硫酸マグネシウムにて乾燥した後、ろ過し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ジクロロメタン−メタノール(5:1,v/v)溶出部より粗標記化合物を得、ジイソプロピルエーテルで懸濁洗浄することにより標記化合物58mg(32%)を淡茶褐色固体として得た。
mp:159−162℃.
MS(ESI)m/z:402(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.81−1.93(1H,m),2.12−2.28(1H,m),2.24(6H,s),2.43(3H,s),2.44(3H,s),2.74−2.83(1H,m),3.02−3.27(4H,m),6.21(1H,s),7.42−7.47(1H,m),8.12−8.17(1H,m),8.48−8.51(1H,m).
IR(ATR):2224,1603,1583,1468,1396,1205,1149cm−1
Anal. Calcd for C2323・0.25HO:C,68.05;H,5.83;N,17.25. Found:C,68.36;H,5.70;N,17.27.
[参考例119]
3−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−[(E)−2−フェニルビニル]ベンゾニトリル(I−119)
3−アミノ−5−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−73)(10.0g,38.60mmol)、(E)−2−フェニルビニルボロン酸(11.78g,77.20mmol)およびリン酸三カリウム(16.39g,77.20mmol)を1,4−ジオキサン(200ml)に懸濁し、室温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(4.46g,3.86mmol)を加えた。窒素気流下105℃で17時間撹拌した。室温に冷却した後、反応液に飽和食塩水を加えた。生じた不溶物を酢酸エチルで洗浄しながら濾別した。濾液の有機層を減圧下留去し、水層を酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーに付しn−ヘキサン−酢酸エチル(4:1,v/v)流分より、標記化合物10.04g(92%)を淡橙色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:283(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.54(3H,s),3.65−4.10(2H,br),4.01(3H,s),6.91(1H,d,J=16.6Hz),7.05(1H,d,J=16.6Hz),7.29−7.32(1H,m),7.35−7.40(2H,m),7.48−7.52(2H,m).
[参考例120]
3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−[(E)−2−フェニルビニル]ベンゾニトリル(I−120)
臭化銅(II)(7.94g,35.56mmol)をアセトニトリル(100ml)に溶解し、室温にて亜硝酸tert−ブチル(純度90%;5.64ml,42.68mmol)を加えた。本懸濁液を10分間60℃で撹拌した後、3−アミノ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−[(E)−2−フェニルビニル]ベンゾニトリル(I−119)(10.04g,35.56mmol)をアセトニトリル(100ml)に溶解した溶液を同温にて30分掛けて滴下した。同温で3時間撹拌した後、室温に冷却した。本反応液に0℃で1規定塩酸水溶液を加え、10分間撹拌した。減圧下溶媒を留去して得られる残留物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=19:1,v/v)、標記化合物9.217g(75%)を得た。さらに不純物を含んだフラクションを中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=95:5,v/v)、標記化合物403mg(3%)を白色固体として得た(合計9.62g,78%)。
MS(ESI)m/z:346,348(M+1)
HRMS(EI)m/z:345.0165(Calcd for C1713 79BrFNO 345.0165),347.0137(Calcd for C1713 81BrFNO 347.0144)
H−NMR(CDCl)δ:2.58(3H,s),4.06(3H,s),6.88(1H,d,J=16.6Hz),7.06(1H,d,J=16.6Hz).
IR(ATR):2227,1406,1115,962,748cm−1
[参考例121]
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−[(E)−2−フェニルビニル]ベンゾニトリル(I−121)
3−ブロモ−4−フルオロ−2−メトキシ−6−メチル−5−[(E)−2−フェニルビニル]ベンゾニトリル(I−120)(9.21g,26.60mmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(11.86g,53.21mmol)および炭酸セシウム(17.34g,53.21mmol)をトルエン(184ml)に懸濁し、室温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3.08g,2.66mmol)を加えた。窒素気流下110℃で20時間撹拌した。室温に冷却した後、反応液に飽和食塩水を加え、同温で30分間激しく撹拌した。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=5:1,v/v)、標記化合物7.039g(73%)を橙色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:363(M+1)
HRMS(EI)m/z:362.1225(Calcd for C2216O 362.1230).
H−NMR(CDCl)δ:2.68(3H,s),3.79(3H,s),6.92(1H,d,J=16.6Hz),7.08(1H,d,J=16.6Hz),7.27−7.40(4H,m),7.50(1H,d,J=7.3Hz),7.82(1H,ddd,J=2.0,7.6,11.2Hz),8.30−8.34(1H,m).
IR(ATR):2227,1593,1560,1439,1404,1115,1099,966cm−1
[参考例122]
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−5−ホルミル−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−122)
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−[(E)−2−フェニルビニル]ベンゾニトリル(I−121)(1.0g,2.76mmol)をtert−ブタノール(20ml)および水(10ml)に溶解し、室温にてピリジン(670μl,8.28mmol)を加えた。本溶液を10分間撹拌した後、同温にてメタ過ヨウ素酸ナトリウム(1.77g,8.28mmol)次いで四酸化オスミウム(数粒)を加えた。同温で7.5時間撹拌した後、本反応液に水(10ml)および亜硫酸ナトリウム(1.04g,8.28mmol)を加えた。室温にて13時間撹拌した後、減圧下溶媒を留去した。残留物を酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1,v/v)、標記化合物431mg(54%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:289(M+1)
HRMS(FAB)m/z:289.0770(Calcd for C1511 289.0789).
H−NMR(CDCl)δ:2.91(3H,s),3.94(3H,s),7.38(1H,ddd,J=1.9,4.9,7.3Hz),7.82(1H,ddd,J=1.9,7.3,9.0Hz),8.37(1H,ddd,J=1.0,1.9,4.9Hz),10.43(1H,s).
IR(ATR):2231,1697,1593,1560,1439,1394,1323,1113,1099,789cm−1
[参考例123]
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−ビニルベンゾニトリル(I−123)
メチルトリフェニルホスホニウムブロミド(248mg,0.69mmol)をテトラヒドロフラン(1.5ml)に溶解し、窒素気流下0℃にてn−ブチルリチウム(1.60M n−ヘキサン溶液)(390μl,0.63mmol)を加えた。同温で30分撹拌した後、4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−5−ホルミル−2−メトキシ−6−メチルベンゾニトリル(I−122)(100mg,0.35mmol)をテトラヒドロフラン(1.5ml)に溶解した溶液を滴下した。同温で2時間撹拌した後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。これを酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=7:1,v/v)、標記化合物36mg(36%)を無色油状物として得た。
MS(ESI)m/z:287(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.61(3H,s),3.78(3H,s),5.69(1H,dt,J=1.5,11.7Hz),5.71(1H,dt,J=1.5,17.8Hz),6.59(1H,dd,J=11.7,17.8Hz),7.33(1H,ddd,J=2.0,4.9,7.6Hz),7.80(1H,ddd,J=2.0,7.6,8.8Hz),8.32(1H,ddd,J=1.0,2.0,4.9Hz).
[参考例124]
3−[(1S)−1,2−ジヒドロキシエチル]−4−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシ−2−メチルベンゾニトリル(I−124)
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−ビニルベンゾニトリル(I−123)(35mg,0.12mmol)をtert−ブタノール(1ml)および水(1ml)に溶解し、0℃にてAD−mix−α(172mg)およびメタンスルホンアミド(12mg,0.12mmol)を加え、同温で24時間撹拌した。反応液に0℃にて亜硫酸ナトリウム(180mg)を加え、室温にて1.5時間撹拌した。本溶液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を更に酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(クロロホルム:メタノール=94:6,v/v)を用いて精製し、標記化合物39mg(quant.)を無色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:321(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.70(3H,s),2.90−3.15(1H,br),3.35−3.70(1H,br),3.74(3H,s),3.65−3.80(1H,m),3.98(1H,q,J=9.8Hz),5.24(1H,br s),7.32(1H,t,J=4.9Hz),7.79(1H,t,J=7.6Hz),8.29(1H,d,J=4.9Hz).
[参考例125]
3−[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]−4−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシ−2−メチルベンゾニトリル(I−125)
3−[(1S)−1,2−ジヒドロキシエチル]−4−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシ−2−メチルベンゾニトリル(I−124)(39mg,0.12mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(2ml)に溶解し、室温にて2,2−ジメトキシプロパン(45μl,0.37mmol)およびピリジニウムp−トルエンスルホン酸(9mg,0.04mmol)を加えた。窒素気流下室温にて18時間撹拌した後、再び2,2−ジメトキシプロパン(45μl,0.37mmol)およびピリジニウムp−トルエンスルホン酸(9mg,0.04mmol)を加えた。室温にて24時間撹拌した後、反応液を酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分画した。水層を酢酸エチルで再び抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1,v/v)を用いて精製し、標記化合物31mg(70%)を無色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:361(M+1)
HRMS(EI)m/z:360.1283(Calcd for C1918 360.1286).
H−NMR(CDCl)δ:1.45 and 1.46(each 1.5H,each s),1.55 and 1.57(each 1.5H,each s),2.72 and 2.73(each 1.5H,eachs),3.77 and 3.78(each 1.5H,each s),4.00(1H,q,J=7.6Hz),4.28(1H,q,J=7.6Hz),5.51(1H,dt,J=7.6,14.9Hz),7.32(1H,ddd,J=1.7,4.9,7.3Hz),7.74−7.81(1H,m),8.32(1H,d,J=4.9Hz).
IR(ATR):2229,1597,1568,1410,1381,1209,1157,1119,1099,1051,858cm−1
[参考例126]
6−[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]−5−フルオロ−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−126)
3−[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]−4−フルオロ−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシ−2−メチルベンゾニトリル(I−125)(30mg,0.08mmol)をジメチルスルホキシド(1.5ml)に溶解し、室温にてトリエチルアミン(35μl,0.25mmol)を加えた。窒素気流下110℃にて24時間撹拌した。反応液を室温に冷却した後、酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を酢酸エチルでさらに抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1,v/v)を用いて精製し、標記化合物21mg(78%)を無色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:327(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.51(3H,s),1.63(3H,s),2.85(3H,s),4.10(1H,dd,J=1.2,8.1Hz),4.35(1H,t,J=8.1Hz),5.63(1H,t,J=8.1Hz),7.46(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),8.36(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.54(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
[実施例34]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−6−[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#34)
6−[(4S)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル]−5−フルオロ−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−126)(21mg,0.06mmol)をジメチルスルホキシド(1ml)に溶解し、室温にてトリエチルアミン(14μl,0.10mmol)および(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(12μl,0.1mmol)を加えた。100℃にて28時間撹拌した後、室温に冷却した。反応液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層をさらに酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(クロロホルム:メタノール=95:5,v/v)を用いて精製し、標記化合物11mg(41%)を淡茶色固体として得た。
MS(ESI)m/z:421(M+1)
HRMS(FAB)m/z:421.2236(Calcd for C2429 421.2240).
H−NMR(CDCl)δ:1.50(3H,s),1.66(3H,s),2.18−2.30(1H,m),2.37(6H,s),2.35−2.49(1H,m),2.85(3H,s),3.01−3.12(1H,m),3.37(1H,t,J=8.0Hz),3.45(1H,dt,J=7.1,9.0Hz),3.58(1H,t,J=8.0Hz),4.00(1H,t,J=8.0Hz),4.30(1H,t,J=8.0Hz),5.90(1H,t,J=8.0Hz),7.43(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),8.24(1H,d,J=1.5,7.6Hz),8.49(1H,dd,J=1.5,4.9Hz).
IR(ATR):2227,1512,1466,1394,1377,1207,1047,862,754cm−1
[参考例127]
5−フルオロ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−127)
4−フルオロ−3−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2−メトキシ−6−メチル−5−[(E)−2−フェニルビニル]ベンゾニトリル(I−121)(5.03g,13.88mmol)をジメチルスルホキシド(100ml)に溶解し、室温にてトリエチルアミン(5.8ml,41.64mmol)を加えた。室温から徐々に100℃まで昇温しながら10時間撹拌した。室温に冷却した後、溶媒を減圧下留去した。残留物を酢酸エチルおよびで飽和食塩水で分画した。水層を酢酸エチルでさらに抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;クロロホルム)、標記化合物2.897g(64%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:329(M+1)
HRMS(EI)m/z:328.1008(Calcd for C2113FNO 328.1012).
H−NMR(CDCl)δ:2.77(3H,s),6.98(1H,d,J=16.4Hz),7.15(1H,d,J=16.4Hz),7.32−7.46(4H,m),7.53−7.57(2H,m),8.35(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.52(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2227,1591,1408,1225,1116,960,808,777,742cm−1
[参考例128]
tert−ブチル ((3S)−1−{8−シアノ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル}ピロリジン−3−イルカルバメート(I−128)
5−フルオロ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−127)(300mg,0.91mmol)をジメチルスルホキシド(6ml)に溶解し、室温にてトリエチルアミン(191μl,1.37mmol)および(3S)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)ピロリジン(255mg,1.37mmol)を加えた。本反応液を窒素気流下100℃にて25時間撹拌した。室温に冷却した後、これを酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を酢酸エチルでさらに抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1,v/v)、標記化合物202mg(45%)を淡黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:495(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.45(9H,s),1.89−1.99(1H,m),2.34−2.44(1H,m),2.63(3H,s),3.28(1H,dd,J=4.4,9.8Hz),3.45(1H,ddd,J=6.1,8.1,9.8Hz),3.62(1H,ddd,J=6.1,8.1,9.8Hz),3.77(1H,dd,J=6.1,9.8Hz),4.25−4.45(1H,m),4.85−5.00(1H,m),6.50(1H,d,J=16.6Hz),7.14(1H,d,J=16.6Hz),7.32−7.38(2H,m),7.43(2H,dd,J=7.3,7.8Hz),7.54(2H,d,J=7.3Hz),7.98(1H,dd,J=1.7,7.8Hz),8.45(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
[参考例129]
tert−ブチル {(3S)−1−[8−シアノ−7−メチル−6−(2−フェニルエチル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]ピロリジン−3−イル}カルバメート(I−129)
tert−ブチル ((3S)−1−{8−シアノ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル}ピロリジン−3−イルカルバメート(I−128)(102mg,0.21mmol)を酢酸エチル(3ml)に溶解し、室温にて10%パラジウム炭素(20mg)を加えた。本懸濁液を常圧水素気流下室温で4時間撹拌した。触媒を酢酸エチルで洗浄しながら濾別し、濾液を減圧濃縮した。残留物を再度酢酸エチル(3ml)に溶解し、室温にて10%パラジウム炭素(102mg)を加えた。本懸濁液を常圧水素気流下室温で14時間撹拌した。触媒を酢酸エチルで洗浄しながら濾別し、濾液を減圧濃縮した。溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(クロロホルム:メタノール=97:3,v/v)を用いて精製し、標記化合物76mg(74%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:497(M+1)
HRMS(EI)m/z:496.2495(Calcd for C3032 496.2475).
H−NMR(CDCl)δ:1.49(9H,s),2.08−2.15(1H,m),2.55−2.65(1H,m),2.68(3H,s),2.83(2H,t,J=7.8Hz),3.10−3.20(3H,m),3.41(2H,t,J=6.8Hz),3.70(1H,dd,J=6.1,9.2Hz),4.45−4.60(1H,br),5.03(1H,d,J=6.8Hz),7.19−72.6(3H,m),7.30−7.35(2H,m),7.38(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),8.08(1H,dd,J=1.5,7.6Hz),8.46(1H,dd,J=1.5,4.9Hz).
IR(ATR):3363,2225,1705,1392,1165,750cm−1
[実施例35]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル−6−(2−フェニルエチル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#35)
tert−ブチル {(3S)−1−[8−シアノ−7−メチル−6−(2−フェニルエチル)[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]ピロリジン−3−イル}カルバメート(I−129)(75mg,0.15mmol)を4規定塩酸1,4−ジオキサン溶液(2ml)に溶解し、室温で6時間撹拌した。減圧下溶媒を留去した後、その残留物にテトラヒドロフラン(10ml)を加えた。これを減圧濃縮した。この操作をさらに2度繰り返した。得られた残留物を減圧下良く乾燥し、メタノール(3ml)に溶解した。本溶液に室温にてトリエチルアミン(23μl,0.17mmol)を加え、同温で10分間撹拌した。次いで、酢酸(54μl,0.90mmol)、37%ホルムアルデヒド溶液(73μl,0.90mmol)、シアノ水素化ホウ酸ナトリウム(34mg,0.54mmol)を加えた。同温で22時間撹拌した後、反応液にクロロホルムおよび1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えた。室温で10分間激しく撹拌した後、有機層を分け、その水層をクロロホルムでさらに抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(クロロホルム:メタノール=93:7,v/v)を用いて精製し、標記化合物48mg(74%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:425(M+1)
HRMS(EI)m/z:424.2293(Calcd for C2728O 424.2263).
H−NMR(CDCl)δ:2.13−2.25(1H,m),2.34(6H,s),2.35−2.45(1H,m),2.69(3H,s),2.78−2.88(2H,m),3.00−3.20(3H,m),3.39−3.50(4H,m),7,19−7.26(3H,m),7.33(2H,t,J=7.6Hz),7.42(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),8.27(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.47(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2224,1452,1389,1348,1151,1014,908,779,746,696cm−1
Anal. Calcd for C2728O・0.25HO:C,75.58;H,6.70;N,13.06. Found:C,75.29;H,6.65;N,12.91.
[参考例130]
5−メトキシ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−130)
5−フルオロ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−127)(131mg,0.40mmol)をメタノール(2.6ml)およびN,N−ジメチルホルムアミド(1.3ml)に溶解し、室温にて炭酸カリウム(110mg,0.80mmol)を加えた。この懸濁液を70℃にて4時間撹拌した後、室温に冷却した。反応液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。この水層を酢酸エチルでさらに抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;クロロホルム)、標記化合物110mg(81%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:341(M+1)
HRMS(EI)m/z:340.1192(Calcd for C2216 340.1202).
H−NMR(CDCl)δ:2.73(3H,s),4.00(3H,s),7.07(1H,d,J=16.6Hz),7.12(1H,d,J=16.6Hz),7.31−7.37(1H,m),7.39−7.45(3H,m),7.56−7.59(2H,m).
IR(ATR):2224,1577,1389,1302,1230,1117,1009,968,779,750cm−1
[参考例131]
8−シアノ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−131)
5−メトキシ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−130)(110mg,0.32mmol)をN,N−ジメチルアセタミド(2.2ml)に溶解し、室温にて酢酸ナトリウム(80mg,0.97mmol)を加えた。本懸濁液を130℃にて21時間撹拌した。室温に冷却した後、氷冷下反応液を1規定塩酸水溶液に加えた。本混合液を同温にて10分間撹拌後、水洗しながら固体を濾取した。十分に水を切った後、この固体を減圧下乾燥した。これをピリジン(2ml)に溶解し、0℃にて4−(ジメチルアミノ)ピリジン(7mg,0.06mmol)次いでトリフルオロメタンスルホン酸無水物(148μl,0.87mmol)を加えた。室温にて24時間撹拌後、反応液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を分け、水層を酢酸エチルでさらに抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=9:1,v/v)、標記化合物83mg(56%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:459(M+1)
HRMS(EI)m/z:458.0549(Calcd for C2213S 458.0548).
H−NMR(CDCl)δ:2.79(3H,s),6.86(1H,d,J=16.6Hz),6.98(1H,d,J=16.6Hz),7.39−7.46(3H,m),7.51(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),7.52−7.58(2H,m),8.54(1H,dd,J=1.2,7.6Hz),8.60(1H,dd,J=1.2,4.9Hz).
IR(ATR):2233,1593,1398,1219,1134,760cm−1
[参考例132]
tert−ブチル [3−(8−シアノ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)シクロペント−2−エン−1−イル]カルバメート(I−132)
8−シアノ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−131)(400mg,0.87mmol)およびtert−ブチル (3−トリn−ブチルスタニルシクロペント−2−エン−1−イル)カルバメート(618mg,1.31mmol)を1,4−ジオキサン(8ml)に溶解し、室温にて塩化リチウム(111mg,2.62mmol)、2,6−ジtert−ブチル−p−クレゾール(4mg,0.02mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(92mg,0.13mmol)を加えた。窒素気流下110℃にて12時間撹拌した後、室温に冷却した。酢酸エチルで洗浄しながら不溶物を濾別し、その濾液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を分け、その水層を酢酸エチルでさらに抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=4:1→2:1,v/v)、粗精製物として標記化合物287mgを得た。これをジクロロメタン(5.7ml)に溶解し、室温にて水(0.57ml)およびフッ化カリウム(381mg,6.55mmol)を加えた。これを室温にて12時間激しく撹拌した。反応液をジクロロメタンおよび飽和食塩水で分画した。有機層を分け、水層をジクロロメタンで抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1,v/v)、標記化合物281mg(66%)を無色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:492(M+1)
HRMS(FAB)m/z:492.2311(Calcd for C3130 492.2287).
H−NMR(CDCl)δ:1.47(9H,s),1.75−1.85(1H,m),2.52−2.85(3H,m),2.70(3H,s),4.60−4.80(1H,br),4.92−5.08(1H,br),6.04(1H,d,J=1.7Hz),6.71(1H,d,J=16.6Hz),7.06(1H,d,J=16.6Hz),7.30−7.38(2H,m),7.40−7.44(2H,m),7.48−7.52(2H,m),8.14(1H,d,J=7.6Hz),8.45(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2227,1699,196,1390,1234,1163,748cm−1
[実施例36]
5−(3−ジメチルアミノシクロペント−1−エン−1−イル)−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(#36)
tert−ブチル [3−(8−シアノ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−5−イル)シクロペント−2−エン−1−イル]カルバメート(I−132)(100mg,0.20mmol)を4規定塩酸1,4−ジオキサン溶液(3ml)に溶解し、室温にて4時間撹拌した。減圧下溶媒を留去し、残留物にテトラヒドロフラン(5ml)を加えた。本溶液を減圧濃縮した。この操作を2回繰り返した。残留物を減圧下よく乾燥し、これにメタノール(4ml)を加えた。本溶液に室温下トリエチルアミン(31μl,0.22mmol)を加え、同温で10分間撹拌した。本溶液に室温下37%ホルムアルデヒド溶液(97μl,1.20mmol)、酢酸(71μl,1.20mmol)、シアノ水素化ホウ酸ナトリウム(46mg,0.72mmol)を加え、同温で11時間撹拌した。本懸濁液にクロロホルムおよび1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、15分間激しく撹拌した。有機層を分け、水層をクロロホルムでさらに抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(溶離液;クロロホルム:メタノール=9:1,v/v)を用いて精製し、標記化合物54mg(63%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:420(M+1)
HRMS(EI)m/z:419.1995(Calcd for C2825O 419.1998).
H−NMR(CDCl)δ:1.95−2.10(1H,m),2.15−2.25(1H,m),2.30(6H,s),2.58−2.70(1H,m),2.73(3H,s),2.73−2.82(1H,m),3.85−4.5(1H,br),6.05(1H,d,J=1.7Hz),6.70(1H,d,J=16.6Hz),.09(1H,d,J=16.6Hz),7.30−7.35(2H,m),7.39(2H,t,J=7.1Hz),7.47(2H,t,J=7.1Hz),8.18(1H,br d,J=6.1Hz),8.46(1H,dd,J=1.7,4.9Hz).
IR(ATR):2225,1390,775,754,698cm−1
Anal. Calcd for C2825O・0.5HO:C,78.48;H,6.12;N,9.81. Found:C,78.29;H,5.87;N,9.68.
[参考例133]
5−フルオロ−6−ホルミル−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−133)
5−フルオロ−7−メチル−6−[(E)−2−フェニルビニル][1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−127)(360mg,1.10mmol)をジクロロエタン(4ml)および水(4ml)に溶解し、室温にて塩化ルテニウム(11mg,0.06mmol)およびメタ過ヨウ素酸ナトリウム(469mg,2.20mmol)を加えた。同温にて24時間撹拌した後、酢酸エチルで洗浄しながら不溶物を濾別した。濾液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物を中圧液体クロマトグラフィーを用いて精製し(溶離液;n−ヘキサン:酢酸エチル=3:1,v/v)、標記化合物82mg(29%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:255(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.03(3H,s),754(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),8.44(1H,dd,J=1.7,7.6Hz),8.61(1H,dd,J=1.7,4.9Hz),10.64(1H,s).
[参考例134]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−6−ホルミル−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−134)
5−フルオロ−6−ホルミル−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−133)(51mg,0.20mmol)をジメチルスルホキシド(1ml)に溶解し、室温にてトリエチルアミン(42μl,0.30mmol)および(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(255μl,0.30mmol)を加えた。本反応液を窒素気流下室温にて10時間撹拌した。これを酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。水層を酢酸エチルでさらに抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(溶離液;クロロホルム:メタノール=9:1,v/v)を用いて精製し、標記化合物55mg(78%)を橙色固体として得た。
MS(ESI)m/z:349(M+1)
HRMS(EI)m/z:348.1577(Calcd for C2020 348.1587).
H−NMR(CDCl)δ:2.05(1H,dq,J=9.0,12.3Hz),2.28−2.36(1H,m),2.29(6H,s),2.88−2.97(1H,m),2.90(3H,s),3.59(1H,dd,J=8.1,10.5Hz),3.70−3.83(3H,m),7.38(1H,dd,J=4.9,7.8Hz),8.18(1H,dd,J=1.5,7.8Hz),8.41(1H,dd,J=1.5,4.9Hz),10.23(1H,s).
IR(ATR):2225,1678,1556,1460,1383,1340,1205,1142,1097,796,775cm−1
[実施例37]
メチル (2E)−3−{8−シアノ−5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−6−イル}アクリレート(#37)
Figure 2007204458
水素化ナトリウム(55% in mineral oil;18mg,0.41mmol)のテトラヒドロフラン(1ml)懸濁液に0℃にてトリメチルホスホノアセテート(70μl,0.43mmol)を加えた。同温で10分間撹拌した後、5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−6−ホルミル−7−メチル[1]ベンゾフロ[2,3−b]ピリジン−8−カルボニトリル(I−134)(68mg,0.20mmol)をテトラヒドロフラン(2ml)に溶解した溶液を滴下した。同温で1.5時間撹拌した後、室温で7時間撹拌した。0℃にて反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加えた。本溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(溶離液;クロロホルム:メタノール=9:1,v/v)を用いて精製し、標記化合物67mg(85%)を黄色固体として得た。
MS(ESI)m/z:405(M+1)
HRMS(EI)m/z:404.1847(Calcd for C2324 404.1848).
H−NMR(CDCl)δ:2.06(1H,dq,J=8.8,12.2Hz),2.30−2.40(1H,m),2.33(6H,s),2.96(1H,dq,J=7.1,8.1Hz),3.40(1H,dd,J=8.1,9.5Hz),3.50−3.60(3H,m),3.87(H,s),6.05(1H,d,J=16.1Hz),7.41(1H,dd,J=4.9,7.6Hz),7.83(1H,d,J=16.1Hz),8.15(1H,dd,J=1.5,7.6Hz),8.43(1H,dd,J=1.5,4.9Hz).
IR(ATR):2218,1711,1464,1439,1392,1311,1275,1169,1142,983,783cm−1
Anal. Calcd for C2324・0.25HO:C,67.55;H,6.04;N,13.70. Found:C,67.20;H,5.89;N,13.85.
[参考例135]
6−フルオロ−5−(3−フルオロピリジン−4−イル)−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−135)
5−ブロモ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−91)(365mg,1.14mmol)、3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(509mg,5.17mmol)および炭酸セシウム(744mg,2.28mmol)にトルエン(7.3ml)を加え、窒素気流下室温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(132mg,0.11mmol)を加え、35時間加熱還流した。室温に冷却し、酢酸エチルで洗浄しながら不溶物をろ去し、ろ液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(4:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物376mg(98%)を黄色透明油状物質として得た。
MS(ESI)m/z:337(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.41(3H,s),3.85(3H,s),7.24−7.36(3H,m),7.43−7.49(2H,m),7.57−7.63(1H,m),8.52(1H,d,J=4.4Hz),8.61(1H,s).
[参考例136]
5−フルオロ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−c]ピリジン−8−カルボニトリル(I−136)
6−フルオロ−5−(3−フルオロピリジン−4−イル)−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−135)(100mg,0.30mmol)をジメチルスルホキシド(4ml)に溶解し、窒素気流下室温にてトリエチルアミン(125μl,0.89mmol)を加えた。室温から徐々に120℃まで昇温し、同温にて17.5時間撹拌した。室温に冷却し、反応液を酢酸エチルおよび飽和食塩水で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(3:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物24mg(27%)を黄白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:303(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.53(3H,s),7.25−7.31(3H,m),7.49−7.55(3H,m),7.94(1H,d,J=5.1Hz),8.70(1H,d,J=5.1Hz),9.12(1H,s).
[実施例38]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−c]ピリジン−8−カルボニトリル(#38)
窒素雰囲気下に5−フルオロ−7−メチル−6−フェニル[1]ベンゾフロ[2,3−c]ピリジン−8−カルボニトリル(I−136)(302mg,1.00mmol)をジメチルスルホキシド(3.0ml)に溶解させ、トリエチルアミン(351μl,2.50mmol)および(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(165μl,1.30mmol)を加え、90℃にて5時間撹拌した。室温に冷却後、酢酸エチルおよびジエチルエーテルを加え、1規定水酸化ナトリウム水溶液で洗い、有機層を1規定塩酸水溶液で抽出した。得られた水層に1規定水酸化ナトリウム水溶液を加え塩基性とし、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物を酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルの混合溶媒で再結晶し、標記化合物282mg(71%)を淡褐色固体として得た。
mp:201−203℃(dec.)
MS(ESI)m/z:397(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.73(1H,br s),2.08(1H,br s),2.15(6H,s),2.35(3H,s),2.63(1H,br s),2.73(1H,br s),3.00−3.15(3H,m),7.18(1H,d,J=7.8Hz),7.21(1H,d,J=6.6Hz),7.42−7.51(3H,m),7.71(1H,d,J=5.1Hz),8.66(1H,d,J=5.4Hz),9.07(1H,s).
IR(ATR):2225,1421cm−1
Anal. Calcd for C2524O:C,75.73;H,6.10;N,14.13. Found:C,75.46;H,6.03;N,13.88.
[参考例137]
5−(4−クロロピリジン−3−イル)−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−137)
5−ブロモ−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−91)(134mg,0.42mmol)、4−クロロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(200mg,0.84mmol)および炭酸セシウム(272mg,0.84mmol)をトルエン(2.7ml)に懸濁させ、窒素気流下室温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(48mg,0.04mmol)を加え、15時間加熱還流した。反応が完結しなかったため、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(24mg,0.02mmol)を加え、3時間加熱還流した。放冷し、酢酸エチルで洗浄しながら不溶物をセライトにてろ去し、ろ液を酢酸エチルおよび水にて分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を減圧濃縮して得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(4:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物103mg(70%)を黄色透明油状物質として得た。
MS(ESI)m/z:353(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.42(3H,s),3.79(3H,s),7.25−7.49(4H,m),8.54(1H,s),8.57(1H,d,J=5.4Hz).
[参考例138]
9−フルオロ−7−メチル−8−フェニル[1]ベンズフロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニトリル(I−138)
5−(4−クロロピリジン−3−イル)−6−フルオロ−4−メトキシ−2−メチルビフェニル−3−カルボニトリル(I−137)(81mg,0.23mmol)をジメチルスルホキシド(0.8ml)に溶解し、窒素気流下に室温にてトリエチルアミン(97μl,0.69mmol)を加えた。室温から徐々に120℃まで昇温し、同温にて3時間撹拌した。室温に冷却し、反応液を酢酸エチルおよび希炭酸水素ナトリウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(2:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物48mg(68%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:303(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.52(3H,s),7.30(2H,dd,J=1.7,8.1Hz),7.47−7.56(3H,m),7.66(1H,d,J=5.9Hz),8.78(1H,d,J=5.9Hz),9.30(1H,s).
[実施例39]
9−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−7−メチル−8−フェニル[1]ベンゾフロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニトリル(#39)
窒素雰囲気下に9−フルオロ−7−メチル−8−フェニル[1]ベンズフロ[3,2−c]ピリジン−6−カルボニトリル(I−138)(160mg,0.53mmol)をジメチルスルホキシド(3.2ml)に溶解させ、トリエチルアミン(178μl,1.27mmol)および(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(81μl,0.64mmol)を加え、80℃にて16時間撹拌した。反応が終了していなかったため、さらに(3S)−3−ジメチルアミノピロリジン(14μl,0.11mmol)を加え、80℃にて6時間撹拌した。放冷し、ジクロロメタンを加え、水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られた残留物をプレパラティブTLC(クロロホルム:メタノール=20:1,v/v)にて精製した。得られた粗体のエタノール溶液(2ml)に1規定塩酸エタノール溶液(1.1ml)を加え、室温にて撹拌した。溶媒を減圧下に濃縮留去し、得られた残留物をプレパラティブTLCに付し、クロロホルム−メタノール(20:1,v/v,1%トリエチルアミン含有)の混合溶媒で溶出したが、精製が不十分であった。そのため、得られた粗体を酢酸エチルに溶解し、1規定塩酸水溶液にて抽出した。水層を1規定水酸化ナトリウム水溶液にてアルカリ性とし、ジクロロメタンにて抽出して、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。得られた有機層を減圧下に濃縮し、n−ヘキサン−酢酸エチル−ジイソプロピルエーテルの混合溶媒で再結晶し、標記化合物41mg(19%)を白色固体として得た。
mp:168−170℃
MS(ESI)m/z:397(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:1.59−1.68(1H,m),1.95−2.01(1H,m),2.05(6H,s),2.25(3H,s),2.62−2.69(1H,m),2.73(1H,dd,J=7.6,8.5Hz),2.97−3.07(3H,m),7.28(2H,dd,J=7.8,13.9Hz),7.44−7.54(3H,m),7.89(1H,d,J=5.6Hz),8.70(1H,d,J=5.6Hz),9.03(1H,s).
IR(ATR):2222,1587,1431cm−1
Anal. Calcd for C2524O:C,75.73;H,6.10;N,14.13. Found:C,75.35;H,6.04;N,14.00.
[参考例139]
5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロベンゾニトリル(I−139)
3−ブロモ−4−フルオロベンゾニトリル(25g,0.125mmol)を濃硫酸(200ml)に溶解し、0℃にて1時間かけて発煙硝酸を滴下した。同温で30分間撹拌した後、1.5時間かけて室温まで昇温した。これを氷にゆっくりあけた。生じた沈殿を水で洗浄しながら濾取し、減圧下乾燥した。集めた黄色粉末をクロロホルムおよび1規定水酸化ナトリウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物を減圧下良く乾燥して標記化合物14.7g(48%)を黄色粉末として得た。
H−NMR(CDCl)δ:8.11(1H,d,J=7.3Hz),8.16(1H,d,J=6.4Hz).
[参考例140]
6−フルオロ−4−ニトロビフェニル−3−カルボニトリル(I−140)
5−ブロモ−4−フルオロ−2−ニトロベンゾニトリル(I−139)(9.1g,37.14mmol)をテトラヒドロフラン(270ml)に溶解し、室温にてフェニルボロン酸(9.06g,74.28mmol)、リン酸三カリウム(15.77g,74.28mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2.15g,1.86mmol)を加えた。窒素気流下75℃で48時間撹拌した後、室温に冷却した。不溶物を濾別後、濾液を減圧濃縮した。残留物をクロロホルムおよび飽和塩化アンモニウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液;クロロホルム:ヘキサン=1:1,v/v)、標記化合物7.75g(86%)を茶色粉末として得た。
H−NMR(CDCl)δ:7.52−7.60(5H,m),8.02(1H,d,J=7.1Hz),8.17(1H,d,J=9.5Hz).
[参考例141]
6−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン1−イル]−4−ニトロビフェニル−3−カルボニトリル(I−141)
6−フルオロ−4−ニトロビフェニル−3−カルボニトリル(I−140)(6.0g,24.77mmol)をジメチルスルホキシド(60ml)に溶解し、室温にてトリエチルアミン(6.9ml,49.54mmol)および(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(3.77ml,29.73mmol)を加えた。同温で19時間撹拌した後、反応液を酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液;クロロホルム:メタノール=95:5,v/v)、標記化合物7.90g(95%)を橙色粉末として得た。
HRMS(EI)m/z:322.1428(Calcd for C1818 322.1428).
H−NMR(CDCl)δ:1.43(1H,br),1.72−1.81(1H,m),1.99−2.08(1H,m),2.34(3H,s),2.81(1H,dd,J=3.7,9.8Hz),3.12−3.24(3H,m),3.26−3.32(1H,m),7.30−7.33(2H,m),7.36−7.44(3H,m),7.50(1H,s),7.57(1H,s).
IR(ATR):3330,2220,1608,1520,1419,1336,901,827,754,702cm−1
[参考例142]
4−アミノ−6−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン1−イル]ビフェニル−3−カルボニトリル(I−142)
6−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン1−イル]−4−ニトロビフェニル−3−カルボニトリル(I−141)(7.9g,23.5mmol)を濃塩酸(40ml)に溶解し、室温にて酢酸(4.0ml,70.5mmol)およびメタノール(10ml)を加えた後、0℃に冷却して塩化スズ(II)二水和物(15.9g,70.5mmol)をゆっくり加えた。同温にて20分撹拌、次いで室温で20分撹拌した。本懸濁液に室温にてメタノール(30ml)を加え、同温で24時間撹拌した。反応液を酢酸エチルおよび1規定水酸化ナトリウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をシリカゲルを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し(溶離液;クロロホルム:メタノール=95:5,v/v)、標記化合物6.475g(90%)を淡茶色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:307(M+1)
HRMS(EI)m/z:306.1841(Calcd for C1922 306.1845).
H−NMR(CDCl)δ:1.60−1.70(1H,m),1.93−2.10(1H,m),2.12(6H,s),2.50−2.59(1H,m),2.82(1H,t,J=9.0Hz),2.99−3.09(3H,m),4.35(2H,br),6.04(1H,s),7.11(1H,s),7.22−7.34(5H,m).
IR(ATR):3359,2198,1606,1477,1435,1348,1157cm−1
[参考例143]
4−アミノ−6−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−5−ヨードビフェニル−3−カルボニトリル(I−143)
4−アミノ−6−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]ビフェニル−3−カルボニトリル(I−142)(75mg,0.25mmol)を酢酸(1ml)に溶解し、室温にてN−ヨードコハク酸イミド(66mg,0.29mmol)を加えた。窒素気流下同温にて6時間撹拌した後、反応液をクロロホルムおよび1規定水酸化ナトリウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。不溶物を濾別後、溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(溶離液;クロロホルム:メタノール=9:1,v/v)を用いて精製し、標記化合物67mg(63%)を茶色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:433(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:1.58−1.70(1H,m),1.91−2.01(1H,m),2.15(6H,s),2.55−2.65(1H,m),2.93(1H,t,J=8.3Hz),3.10(2H,dd,J=4.9,8.8Hz),3.25(1H,t,J=8.3Hz),4.99(2H,br s),7.19−7.42(6H,m).
[参考例144]
4−アミノ−6−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)ビフェニル−3−カルボニトリル(I−144)
4−アミノ−6−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−5−ヨードビフェニル3−カルボニトリル(I−143)(75mg,0.17mmol)、2−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(77mg,0.35mmol)およびリン酸三カリウム(74mg,0.35mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(3ml)に溶解し、室温にてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(20mg,0.02mmol)を加えた。窒素気流下90℃にて12時間撹拌後、室温に冷却した。反応液を酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で分画した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(溶離液;クロロホルム:メタノール=9:1,v/v)を用いて精製し、標記化合物23mg(33%)を褐色ゲルとして得た。
MS(ESI)m/z:402(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:59−1.71(1H,m),1.90−2.01(6H,m),2.10−2.90(6H,m),4.05−4.25(2H,m),7.10−7.45(9H,m).
[実施例40]
5−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−6−フェニル−9H−ピリド[2,3−b]インドール−8−カルボニトリル(#40)
4−アミノ−6−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]−5−(2−フルオロピリジン−3−イル)ビフェニル−3−カルボニトリル(I−144)(23mg,0.06mmol)およびピリジン塩酸塩(2.5g)を200℃で1.5時間加熱した。反応液を熱時28%アンモニア水にあけた。本溶液を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。溶媒を留去して得られる残留物をプレパラティブTLC(溶離液;酢酸エチル:メタノール=95:5→9:1→8:2,v/v)を用いて精製し、標記化合物5mg(23%)を淡茶色粉末として得た。
MS(ESI)m/z:382(M+1)
HRMS(EI)m/z:381.1965(Calcd for C2423 381.1954).
H−NMR(CDCl)δ:1.80−1.90(2H,m),2.20(6H,s),2.77(1H,quint,J=7.8Hz),3.00(1H,t,J=8.8Hz),3.22−3.35(3H,m),7.34−7.50(6H,m),7.63(1H,s),8.27(1H,dd,J=1.2,7.8Hz),8.99(1H,d,J=5.1Hz),12.62(1H,br s).
IR(ATR):2921,2852,1726,1583,1466,1392,1271,912,764,708cm−1
[参考例145]
メチル [3−(フェニルアセチル)−1−ベンゾフラン−2−イル]アセテート(I−145)
窒素雰囲気下にメチル (1−ベンゾフラン−2−イル)アセテート(2.00g,10.52mmol)、塩化フェニルアセチル(2.08ml,15.77mmol)にジクロロメタン溶液(40ml)を加え、氷冷下に塩化チタン(IV)(1.73ml,15.77mmol)のジクロロメタン溶液(10ml)を滴下した。同温にて15時間撹拌した後、反応液に氷水を加え、クロロホルムにて抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和し、飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(10:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物2.56g(79%)を黄色油状物質として得た。
MS(ESI)m/z:309(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.71(3H,s),4.24(2H,s),4.35(2H,s),7.24−7.40(7H,m),7.53−7.55(1H,m),7.93−7.95(1H,m).
[参考例146]
メチル 1−メトキシ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキシレート(I−146)
メチル [3−(フェニルアセチル)−1−ベンゾフラン−2−イル]アセテート(I−145)(1.89g,6.11mmol)をN,N−ジメチルアセトアミドジメチルアセタール(19ml)に溶解し1時間加熱還流した。放冷後、溶媒を減圧下留去し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。n−ヘキサン−酢酸エチル(8:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物1.23g(58%)を黄色結晶として得た。
mp:142−143℃.
MS(ESI)m/z:347(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.29(3H,s),3.61(3H,s),4.06(3H,s),7.26−7.50(7H,br),7.62(1H,d,J=8.3Hz),8.03(1H,d,J=7.6Hz).
IR(ATR):1709,1232,1065cm−1
Anal. Calcd for C2218:C,76.29;H,5.24. Found:C,75.86;H,5.16.
[参考例147]
1−メトキシ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボン酸(I−147)
メチル 1−メトキシ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキシレート(I−146)(996mg,2.88mmol)をメタノール(20ml)に懸濁させ、1規定水酸化ナトリウム水溶液(8.70ml,8.70mmol)を加え、19時間加熱還流した。反応液を室温に戻した後、1規定塩酸水溶液にてpH=5に調整し、溶媒を減圧下留去した。得られた残留物に水を加え、析出した固体をろ取し、水およびn−ヘキサンにて洗浄し、減圧下に乾燥させ、標記化合物909mg(95%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:333(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:2.13(3H,s),3.55(3H,s),7.29(1H,d,J=6.9Hz),7.39−7.54(5H,m),7.72(1H,d,J=8.3Hz),7.99(1H,d,J=7.6Hz).
[参考例148]
1−メトキシ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキサミド(I−148)
窒素雰囲気下に1−メトキシ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボン酸(I−147)(700mg,2.11mmol)をジクロロメタン(7ml)に懸濁させ、氷冷下に触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド(3滴)とオキザリルクロリド(289μl,3.37mmol)を滴下し、油浴40℃にて3時間加熱還流した。反応溶媒を減圧下留去し、得られた残留物に酢酸エチル(7ml)を加え、氷冷下に0.5規定アンモニア1,4−ジオキサン溶液(12.6ml,6.32mmol)を滴下し、室温にて16時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルにて希釈し、水および飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残留物をn−ヘキサン−酢酸エチルにて再結晶し、標記化合物528mg(76%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:332(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.37(3H,s),3.60(3H,s),6.03(1H,br),6.48(1H,br),7.24−7.50(7H,m),7.60(1H,d,J=8.3Hz),8.04(1H,d,J=7.1Hz).
[参考例149]
1−ヒドロキシ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキサミド(I−149)
窒素雰囲気下に1−メトキシ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキサミド(I−148)(527mg,1.59mmol)を1−ドデカンチオール(5ml)に溶解し、氷冷下に塩化アルミニウム(III)(636mg,4.77mmol)の1−ドデカンチオール溶液(5ml)を滴下し、油浴50℃にて1.5時間加熱撹拌した。反応液を酢酸エチルにて抽出し、1規定塩酸水溶液および飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残留物にn−ヘキサンを加え、析出物をろ取し、標記化合物485mg(96%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:318(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.40(3H,s),5.11(1H,s),5.93(1H,br),6.69(1H,br),7.26−7.60(8H,m),8.08(1H,d,J=7.3Hz).
[参考例150]
4−シアノ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−1−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−150)
窒素雰囲気下に1−ヒドロキシ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキサミド(I−149)(382mg,1.20mmol)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジン(7.3mg,5mol%)をピリジン(3.8ml)に溶解し、氷冷下にトリフルオロメタンスルホン酸無水物(809μl,4.81mmol)を滴下し、室温にて1.5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルにて抽出し、1規定塩酸水溶液および飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残留物をn−ヘキサン−酢酸エチルにて再結晶し、標記化合物405mg(78%)を白色固体として得た。
MS(FAB)m/z:432(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:2.50(3H,s),7.30(2H,dd,J=2.2,7.6Hz),7.46−7.54(4H,m),7.62(1H,t,J=7.4Hz),7.73(1H,d,J=8.3Hz),8.25(1H,d,J=8.1Hz).
IR(ATR):2231cm−1
[実施例41]
1−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジニル]−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボニトリル(#41)
窒素雰囲気下にビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(5.0mg,8.70μmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(16mg,29μmol)、ナトリウム tert−ブトキシド(200mg,2.09mmol)をトルエン(18ml)へ懸濁させ、室温にて(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン(0.21ml,1.63mmol)を滴下した。80℃に昇温し、10分間加熱撹拌した。反応液を室温に戻し、トルエン(5ml)に懸濁させた4−シアノ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−1−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−150)(500mg,1.16mmol)をゆっくり滴下し、再び80℃に昇温して、24時間撹拌した。反応液を室温に戻し、不溶物をセライトにてろ去した。ろ液を減圧下に濃縮し、得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。n−ヘキサン−酢酸エチル(30:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物を得たが固化しなかったため、エタノール(5ml)に溶解し、4規定塩酸1,4−ジオキサン溶液(2.50ml)を加え、室温にて15時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、エタノールおよびベンゼンにて共沸させ、得られた残留物を少量のクロロホルム−メタノールに溶解し、n−ヘキサン−酢酸エチルにて再結晶して、標記化合物142mg(26%)を白色固体として得た。
mp:170−172℃.
MS(FAB)m/z:396(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:1.70−1.73(1H,m),2.06−2.13(1H,m),2.13(6H,s),2.32(3H,s),2.63−2.69(2H,m),3.02−3.06(1H,m),3.13−3.22(2H,m),7.18−7.22(2H,m),7.39−7.52(1H,m),7.67(1H,d,J=8.1Hz),7.79(1H,d,J=7.8Hz).
IR(ATR):2459,2224,1593,1434cm−1
Anal. Calcd for C2625O・HCl・2HO:C,66.73;H,6.46;N,8.98;Cl,7.58. Found:C,66.46;H,6.00;N,8.94;Cl,8.08.
[実施例42]
1−(3−アミノシクロペント−1−エン−1−イル)−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボニトリル(#42)
窒素雰囲気下にて4−シアノ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−1−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−150)(855mg,1.98mmol)の1,4−ジオキサン溶液(17ml)に、塩化リチウム(252mg,5.95mmol)、2,6−ジ−tert−ブチルクレゾール(4.3mg,0.02mmol)、tert−ブチル (3−トリn−ブチルスタニルシクロペント−2−エン−1−イル)カルバメート(1.22g,2.58mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(46mg,0.04mmol)を加えて、48時間加熱還流した。反応液を室温に戻し、不溶物をセライトにてろ去した。得られたろ液を酢酸エチルにて希釈し、フッ化カリウム水溶液を加え、室温にて一晩激しく撹拌した。反応液を酢酸エチルにて抽出し、水および飽和食塩水にて洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、n−ヘキサン−酢酸エチル(8:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、tert−ブチル [3−(4−シアノ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−1−イル)シクロペント−2−エン−1−イル]カルバメートを粗体淡黄色油状物質として得た。続いて、4規定塩酸1,4−ジオキサン溶液(1.4ml)を加え、室温にて15時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、得られた残留物を酢酸エチルおよび水にて分液し、得られた水層を1規定水酸化ナトリウム水溶液にてアルカリ性としたのち、クロロホルムにて再抽出し、飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。着色があるため、クロロホルム−メタノール混液に溶解し、活性炭にて脱色を行い、不溶物をセライトにてろ去した。溶媒を減圧下留去して、得られた残留物を少量のクロロホルムに溶解し、n−ヘキサン−酢酸エチルにて再結晶して、標記化合物206.9mg(20%)を黄白色固体として得た。
mp:213−215℃(dec).
MS(FAB)m/z:365(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:1.85(1H,m),2.18(2H,m),2.34(3H,s),2.50(1H,m),4.07(1H,br s),5.75(1H,s),7.22(2H,d,J=7.1Hz),7.43(4H,m),7.61(1H,t,J=8.1Hz),7.84(1H,d,J=8.1Hz),8.03(1H,d,J=6.8Hz),8.25(2H,br s).
IR(ATR):2224,742,707cm−1
Anal. Calcd for C2520O・1HCl・0.75HO:C,72.46;H,5.47;N,6.76;Cl,8.55. Found:C,72.64;H,5.29;N,6.81;Cl,8.52.
[実施例43]
1−(3−ジメチルアミノシクロペント−1−エン−1−イル)−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボニトリル(#43)
Figure 2007204458
1−(3−アミノシクロペント−1−エン−1−イル)−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボニトリル(#42)(200mg,0.549mmol)をメタノール(4ml)に溶解し、37%ホルムアルデヒド水溶液(0.9ml)を加えた。シアノ水素化ホウ酸ナトリウム(109mg,1.65mmol)を少量ずつ加え懸濁した反応液に、酢酸(113μl,1.98mmol)を滴下し、室温にて19時間撹拌した。1規定水酸化ナトリウム水溶液(0.12ml)を加え、反応溶媒を減圧下に濃縮した。得られた残留物をクロロホルムにて希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧下留去した。続いて、残留物に1規定塩酸−エタノール溶液(5ml)を加え、室温にて18時間撹拌した。反応溶媒を減圧下留去し、得られた残留物を少量のエタノールに溶解し、酢酸エチル−ジエチルエーテルにて再結晶して、標記化合物210mg(88%)を白色固体として得た。
mp:229−231℃(dec).
MS(FAB)m/z:393(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:1.99(1H,m),2.20−2.58(m,3H),2.32(9H,s),4.59(1H,br s),5.86(1H,s),7.29(1H,m),7.44(4H,m),7.61(1H,t,J=7.6Hz),7.77(1H,m),7.86(2H,d,J=7.8Hz).
IR(ATR):2231,1211cm−1
Anal. Calcd for C2724O・HCl・0.25HO:C,74.82;H,5.93;N,6.46;Cl,8.18. Found:C,74.47;H,5.79;N,6.62;Cl,8.40.
[参考例151]
メチル 1−メトキシ−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキシレート(I−151)
メチル [3−(フェニルアセチル)−1−ベンゾフラン−2−イル]アセテート(I−145)(2.80g,9.06mmol)をN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(6ml)に溶解し24時間加熱還流した。放冷後、酢酸エチルにて希釈し、1規定塩酸水溶液および飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残留物をn−ヘキサン−酢酸エチルにて再結晶し、標記化合物2.06g(68%)を淡褐色固体として得た。
MS(ESI)m/z:333(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.69(3H,s),4.04(3H,s),7.39−7.42(2H,m),7.47(2H,d,J=7.6Hz),7.50(1H,dt,J=7.1,7.3Hz),7.64(2H,dd,J=0.7,7.6Hz),7.71(1H,d,J=8.3Hz),8.13(1H,s),8.17(1H,d,J=7.8Hz).
[参考例152]
1−メトキシ−3−メチル−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキサミド(I−152)
メチル 1−メトキシ−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキシレート(I−151)(2.06g,6.19mmol)をメタノール(20ml)に懸濁させ、1規定水酸化ナトリウム水溶液(13ml,13.0mmol)を加え、42時間加熱還流した。反応液を室温に戻した後、1規定塩酸水溶液にてpH=5に調整し、溶媒を減圧下留去した。得られた残留物に水を加え、析出した固体をろ取し、水およびn−ヘキサンにて洗浄し、減圧下に乾燥させ白色固体を得た。これをジクロロメタン(19ml)に懸濁させ、氷冷下に触媒量のN,N−ジメチルホルムアミド(1滴)とオキザリルクロリド(820μl,9.55mmol)を滴下し、油浴40℃にて1.5時間加熱還流した。反応溶媒を減圧下留去し、得られた残留物に酢酸エチル40mlを加え、氷冷下に28%アンモニア水溶液(19ml)を滴下し、0℃から室温にて65時間撹拌した。反応終了後、酢酸エチルにて希釈し、水および飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残留物をn−ヘキサン−酢酸エチルにて再結晶し、標記化合物1.63g(83%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:318(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:3.69(3H,s),6.04(1H,br),7.37−7.55(6H,m),7.62−7.67(3H,m),8.20(1H,d,J=7.6Hz),8.29(1H,s).
[参考例153]
1−ヒドロキシ−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキサミド(I−153)
窒素雰囲気下に1−メトキシ−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキサミド(I−153)(1.63g,5.14mmol)を1−ドデカンチオール(16ml)に溶解し、氷冷下に塩化アルミニウム(III)(2.05g,15.41mmol)の1−ドデカンチオール溶液(16ml)を滴下し、油浴50℃にて1時間さらに油浴70℃にて1時間加熱撹拌した。反応液を室温に放冷後、1規定塩酸を加え、酢酸エチルにて抽出し、飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残留物をn−ヘキサン−酢酸エチルにて再結晶し、標記化合物1.51g(97%)を白色固体として得た。
MS(ESI)m/z:304(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:7.39−7.68(7H,m),7.69(2H,d,J=7.6Hz),7.78(1H,d,J=7.8Hz),7.83(1H,s),8.24(1H,d,J=7.8Hz),10.12(1H,s).
[参考例154]
4−シアノ−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−1−イル トリフルオロメタンスルホネート(I−154)
窒素雰囲気下に1−ヒドロキシ−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボキサミド(I−153)(1.51g,4.97mmol)および触媒量の4−(ジメチルアミノ)ピリジン(30mg,5mol%)をピリジン(15ml)に溶解し、氷冷下にトリフルオロメタンスルホン酸無水物(2.51ml,14.91mmol)を滴下し、室温にて3時間撹拌した。反応終了後、溶媒を減圧下に留去し、残留物を酢酸エチルにて希釈し、1規定塩酸水溶液および飽和食塩水にて洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた残留物をn−ヘキサン−酢酸エチルにて再結晶し、標記化合物1.43g(69%)を白色固体として得た。
MS(FAB)m/z:459(M+1)
H−NMR(CDCl)δ:7.47−7.55(6H,m),7.67(1H,dt,J=1.2,8.5Hz),7.75(1H,t,J=8.5Hz),7.83(1H,s),8.30(1H,d,J=8.1Hz).
[実施例44]
1−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジニル]−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−4−カルボニトリル(#44)
窒素雰囲気下にビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(6.9mg,12.0μmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン(20mg,36.0μmol)およびナトリウムtert−ブトキシド(207mg,2.16mmol)をトルエン(18ml)へ懸濁させ、室温にて(3S)−3−(ジメチル)アミノピロリジン(0.21ml,1.68mmol)を滴下した。80℃に昇温し、10分間加熱撹拌した。反応液を室温に戻し、トルエン(5ml)に懸濁させた4−シアノ−2−フェニルジベンゾ[b,d]フラン−1−イルトリフルオロメタンスルホネート(I−154)(500mg,1.20mmol)をゆっくり滴下し、再び80℃に昇温して3時間撹拌した。反応液を室温に戻し、不溶物をセライトにてろ去した。得られたろ液を減圧下に濃縮し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付した。クロロホルム−メタノール(50:1,v/v)の混合溶媒で溶出し、標記化合物を得たが固化しなかったため、1,4−ジオキサン(5ml)に溶解し、4規定塩酸1,4−ジオキサン溶液(0.3ml)を加え、室温にて18時間撹拌した。反応液を減圧下に濃縮し、トルエンにて共沸させ、得られた残留物をn−ヘキサン−酢酸エチルにて再結晶して、標記化合物32mg(6%)を白色固体として得た。
mp:170−172℃.
MS(FAB)m/z:382(M+1)
H−NMR(DMSO−d)δ:2.15−2.20(1H,m),2.30−2.40(1H,m),2.65(6H,br),3.11−3.26(3H,m),3.43(1H,dd,J=7.8,10.5Hz),3.91(1H,m),7.41−7.57(6H,m),7.65(1H,t,J=6.8Hz),7.72(1H,s),7.86(1H,d,J=8.0Hz),7.92(1H,d,J=7.3Hz).
IR(ATR):2231,1435,1165cm−1
Anal. Calcd for C2523O・1HCl・1.5HO:C,67.48;H,6.12;N,9.44;Cl,7.97. Found:C,67.44;H,5.98;N,8.74;Cl,8.62.
[試験例1]
本発明化合物の抗真菌活性の測定は、以下に記す方法により実施した。
(1)使用培地
YPD20培地 (1% yeast extract, 2% peptone, 20% glucose)を用いた。
(2)接種菌液の調整
Sabouraud dextrose agarで30℃、一晩培養した菌を0.1% Tween80加生理食塩水に懸濁し、最終菌濃度が5×103 cells/mlになるように濃縮培地(1.33% yeast extract, 2.67% pepton, 13.33% glucose)に添加して、接種菌液とした。
(3)薬剤希釈プレートの作製
秤量した検体をdimethyl sulfoxideに溶解し、dimethyl sulfoxideを用いて2倍希釈系列を作製した。40% glucose を48 μL分注した平底96穴プレートに薬剤希釈液各2 μLを添加し、薬剤希釈プレートを作製した。
(4)菌液の接種および培養
(3)で作製した薬剤希釈プレートに(2)で調整した菌液150 μLを添加し、37℃で好気的に静置培養した。
(5)抗真菌活性(GI80値)の測定
培養18〜24時間後にプレートを攪拌し、吸光度(600 nm)を測定した。吸光度を指標にして、薬剤無添加well の菌の増殖を80%以上阻害する最小薬剤濃度をGI80値として算出した。
結果を次の表に示す。
Figure 2007204458
本発明の化合物は、優れた抗真菌活性を示すことが分かる。

Claims (8)

  1. 下記の式(I)で示される化合物、その塩、またはそれらの水和物:
    Figure 2007204458
    [式中、Rは、
    窒素原子を1個または2個を含む、飽和または部分飽和の4員環から8員環の含窒素複素環基(ここで、窒素原子が1個のときはこの窒素原子は母核への結合部位とはならず、また、窒素原子上には炭素数1から6のアルキル基が置換していてもよい。)
    を示すか、あるいは、塩基性置換基として
    (1) アミノ基、
    (2) 炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
    (3) 同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基
    (4) アミノメチル基、
    (5) 炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノメチル基、または
    (6) 同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノメチル基、
    が置換した下記の[a]ないし[c]から選ばれる基を示し;
    [a]:窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から、重複して選ばれてもよい複素原子を1個または2個含む、飽和または部分飽和の4員環から8員環の複素環基、
    [b]:二重結合を含んでいてもよい4員環から6員環の環状炭化水素基、
    [c]:
    次式:
    −X−(炭素数1から6のアルキル基)
    [式中、Xは、酸素原子、硫黄原子、−CH−、または式:
    −N(−R11)−
    (ここで、窒素原子上のR11は、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、炭素数3から6のシクロアルキル基、または炭素数7から9のアラルキル基を示す。)
    で示される構造を示す。]
    で示される基を示し、
    ここで、[a]の複素環基および[b]の環状炭化水素基は、[置換基群1]から重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよく;
    [置換基群1]:
    ハロゲン原子、
    水酸基、
    カルボキシ基、
    炭素数1から6のアルキル基、
    炭素数1から6のアルコキシ基、
    炭素数1から6のアルキルチオ基、
    炭素数2から7のアシル基、
    炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
    炭素数3からの6シクロアルキル基、
    炭素数7から9のアラルキルオキシ基、
    炭素数8から10のアラルキルオキシカルボニル基、および
    下式:
    −C(=O)−N(−R12)R13
    (式中、窒素原子上のR12およびR13は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
    で示される基;
    は、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    炭素数1から8のアルキル基、
    炭素数2から8のアルケニル基、
    炭素数2から8のアルキニル基、
    炭素数3から6のシクロアルキル基、
    炭素数5から6のシクロアルケニル基、
    単環式もしくは二環式のアリール基、
    単環式もしくは二環式のヘテロアリール基(窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から重複して選択されてもよい複素原子を1個から4個含む。)、または
    下式:
    −X−R21
    [式中、Xは、−C(=O)−、−(CH−、−C(=O)−N(−R22)−、または−N(−R23)−C(=O)−を示し、
    nは、1から3の整数のいずれかを示し、
    21は、
    炭素数1から6のアルキル基、
    単環式もしくは二環式のアリール基、または
    単環式もしくは二環式のヘテロアリール基(窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群の複素原子から重複して選択されてもよい複素原子を1個から4個含む。)
    を示し、
    22およびR23は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。]
    で示される基を示すが、
    これらのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、およびヘテロアリール基は、[置換基群2]から重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよく;
    [置換基群2]:
    ハロゲン原子、
    アミノ基、
    水酸基、
    カルボキシ基、
    炭素数1から6のアルキル基、
    炭素数1から6のアルコキシ基、
    炭素数1から6のアルキルチオ基、
    炭素数6から10のアリール基、
    炭素数2から7のアシル基、
    炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
    炭素数3からの6シクロアルキル基、および
    次式:
    −C(=O)−N(−R24)R25
    (式中、窒素原子上のR24およびR25は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
    で示される基;
    ここで、[置換基群2]のアミノ基は、
    炭素数1から6のアルキル基、
    炭素数2から7のアシル基、
    炭素数3から6のシクロアルキル基、
    炭素数6から10のアリール基、
    炭素数7から12のアラルキル基、
    芳香族複素環基、
    炭素数1から6のアルキルスルホニル基、および
    炭素数6から10のアリールスルホニル基
    からなる群の基から選ばれる1個または2個の基を置換基として有していてもよく、さらに、置換基が2個の場合は互いに結合して環状構造を形成してもよい;
    は、
    水素原子、
    炭素数1から4の直鎖状または分枝鎖状のアルキル基、
    炭素数3または4の環状アルキル基、
    炭素数1から4のアルコキシ基、
    同一もしくは異なるアルキル鎖を有し、炭素数の合計が2から4であるジアルキルアミノ基、
    トリハロゲノアルキル基、および
    炭素数1から3のアルコキシ基を有するアルコキシメチル基
    からなる群の基から選ばれる基を示し;
    は、
    シアノ基、次式:
    −COOR41、または次式:
    −C(=O)−N(−R42)R43
    (これらの式中、R41、R42およびR43は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。)
    で示される基であるか、あるいは
    とRとは一体化して、次式(−R−R−を示す。):
    −(C=Y)−Y−(CH
    (式中、Yは、酸素原子、硫黄原子、N−R44、またはC(−R45)R46を示し、Yは、N−R47、酸素原子、または硫黄原子を示し、R44、R45、R46、およびR47は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示し、pは、整数の1または2である。)
    で示される構造を形成してもよく;
    式:
    Figure 2007204458
    で示される構造のうちのAを含む構造部分は、窒素原子を1個、2個または3個有していてもよい6員環の芳香環を示し;
    は、水素原子を示すかまたは次の[i]ないし[iv]に示される置換基群から選ばれる基を示す:
    [i]:
    ハロゲン原子、
    水酸基、
    カルボキシ基、
    直鎖状もしくは分枝鎖状の炭素数1から6のアルキル基、
    炭素数1から6のアルコキシ基、
    炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、および
    炭素数3からの6シクロアルキル基;
    [ii]:
    アミノ基、
    炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
    同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、および
    窒素原子を結合部位とする4員環から6員環の飽和含窒素複素環基;
    [iii]:
    下式:
    −C(=O)R51
    (式中、炭素原子上のR51は、
    炭素数1から6のアルキル基を有するアルキルアミノ基、
    同一でも異なっていてもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、
    炭素数1から6のアルコキシ基、
    炭素数1から6のアルキル基および炭素数1から6のアルコキシ基を有するアルキル(アルコキシ)アミノ基、
    窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子を1個または2個含有し、窒素原子上でカルボニルと結合する5員環または6員環の飽和環状含窒素複素環基、
    窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子を1個から4個含む、5員環または6員環の芳香族複素環基、
    同一であってもよい炭素数1から6のアルキル基を有するジアルキルアミノ基、および
    窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から重複して選ばれてもよい複素原子を1個から4個含む、5員環または6員環の芳香族複素環基と炭素数1から3のアルキレン基とからなる芳香族複素環置換アルキル基、
    からなる群の基から選ばれる基を示す。)
    で示される基;
    [iv]:
    下式:
    −N(−R52)−C(=O)R53
    (式中、R52およびR53は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。)
    で示される基;
    さらに、置換基群[i]から[iv]の基におけるアルキル部分およびアルコキシ基のアルキル部分は[置換基群5]から重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよく、また、芳香族または飽和の複素環基および含窒素複素環基は、[置換基群5]に炭素数1から6のアルキル基をリンカーとして加えて構成される基であって、重複して選択されてもよい基を1個以上有していてもよい;
    [置換基群5]:
    ハロゲン原子、
    アミノ基、
    水酸基、
    カルボキシ基、
    炭素数1から6のアルコキシ基、
    炭素数1から6のアルキルチオ基、
    炭素数2から7のアシル基、
    炭素数2から7のアルコキシカルボニル基、
    炭素数3からの6シクロアルキル基、
    炭素数7から9のアラルキルオキシ基、
    炭素数8から10のアラルキルオキシカルボニル基、および
    下式:
    −C(=O)−N(−R54)R55
    (式中、窒素原子上のR54およびR55は、各々独立して、水素原子、炭素数1から6のアルキル基、または炭素数6から10のアリール基を表す。)
    で示される基;
    ここで、[置換基群5]のアミノ基は、
    炭素数1から6のアルキル基、
    炭素数2から7のアシル基、
    炭素数3から6のシクロアルキル基、
    炭素数6から10のアリール基、
    炭素数7から12のアラルキル基、
    芳香族複素環基、
    炭素数1から6のアルキルスルホニル基、および
    炭素数6から10のアリールスルホニル基
    からなる群の基から選ばれる基を1個または2個置換基として有していてもよく、さらに、該アミノ基の置換基が2個の場合は互いに結合して環状構造を形成してもよく;
    Xは、酸素原子、硫黄原子、N−R、またはC(−R71)R72を示し、
    、R71およびR72は、各々独立に、水素原子または炭素数1から6のアルキル基を示す。]
  2. Xが酸素原子である請求項1に記載の塩、またはそれらの水和物。
  3. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する医薬。
  4. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する感染症治療剤。
  5. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を含有する抗真菌剤。
  6. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物を使用する感染症の治療方法。
  7. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の感染症治療のための使用。
  8. 請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの水和物の感染症治療薬の製造のための使用。
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