JP2007200653A - 高分子電解質膜の製造方法、およびその方法で得られる高分子電解質膜、並びに、それらを使用した燃料電池 - Google Patents

高分子電解質膜の製造方法、およびその方法で得られる高分子電解質膜、並びに、それらを使用した燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、固体高分子形燃料電池、直接液体形燃料電池、及び直接メタノ−ル形燃料電池からなる群から選択される少なくとも1種に用いられる高分子電解質膜、それらの製造方法を提供する。
【解決手段】固体高分子形燃料電池、直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池、に用いる、高分子電解質膜を、芳香族単位を有する高分子化合物と芳香族単位がない高分子化合物を含む高分子フィルムをプロトン伝導性基導入剤と接触させて高分子電解質膜を得る工程、更に得られた高分子電解質膜を40℃以上の水および/または有機化合物溶液に浸漬する工程を含む方法で製造する。

Description

本発明は、固体高分子形燃料電池、直接液体形燃料電池、直接メタノ−ル形燃料電池、に用いる高分子電解質膜の製造方法、およびその方法で得られる高分子電解質膜、並びに、それらを使用した燃料電池、に関するものである。
スルホン酸基などのプロトン伝導性官能基を含有する高分子電解質は、固体高分子形燃料電池、直接液体形燃料電池、直接メタノ−ル形燃料電池、湿度センサ−、ガスセンサ−、エレクトロクロミック表示素子などの電気化学素子の原料として使用される。これらの中でも、固体高分子形燃料電池は、新エネルギ−技術の柱の一つとして期待されている。プロトン伝導性官能基を有する高分子化合物からなる電解質膜を使用した固体高分子形燃料電池は、低温における作動、小型軽量化が可能などの特徴を有し、自動車などの移動体、家庭用コ−ジェネレ−ションシステム、および民生用小型携帯機器などへの適用が検討されている。直接液体形燃料電池、特に、メタノ−ルを直接燃料に使用する直接メタノ−ル形燃料電池は、単純な構造と燃料供給やメンテナンスの容易さ、さらには高エネルギ−密度化が可能などの特徴を有し、リチウムイオン二次電池代替として、携帯電話やノ−ト型パソコンなどの民生用小型携帯機器への応用が期待されている。
固体高分子形燃料電池に使用される電解質膜としては、1950年代に開発されたスチレン系の陽イオン交換膜があるが、燃料電池動作環境下における安定性に乏しく、充分な寿命を有する燃料電池を製造するには至っていない。一方、実用的な安定性を有する電解質膜としては、ナフィオン(登録商標)(Nafion)に代表されるパ−フルオロカ−ボンスルホン酸膜が広く検討されている。パ−フルオロカ−ボンスルホン酸膜は、高いプロトン伝導性を有し、耐酸性、耐酸化性などの化学的安定性に優れているとされている。しかしながらナフィオン(登録商標)は、使用原料が高く、複雑な製造工程を経るため、非常に高価であるという欠点がある。また、電極反応で生じる過酸化水素やその副生物であるヒドロキシラジカルで劣化すると指摘されている。さらに直接液体形燃料電池の原料になるメタノ−ルなどの水素含有液体などの透過(クロスオ−バ−ともいう)が大きく、いわゆる化学ショ−ト反応が起こる。これにより、カソ−ド電位、燃料効率、セル特性などの低下が生じ、直接メタノ−ル形燃料電池などの直接液体形燃料電池の電解質膜として用いるのが困難である。またナフィオン(登録商標)では、未発電時にもクロスオ−バ−による燃料の消失が懸念される。
このような背景から、高分子電解質膜として、種々のものが提案されている。
例えば、特許文献1には、非プロトン性極性溶媒に可溶なスルホン酸基含有ポリフェニレンサルファイドが提案されている。これはポリフェニレンサルファイドのクロロスルホン酸均一溶液下でスルホン酸基を導入することにより、非プロトン性極性溶媒への溶解性が付与でき、容易にフィルムに加工できることが開示されている。しかし、ここに開示されている方法では、燃料電池の燃料として検討されているメタノールへの溶解性も同時に付与される恐れがあり、その使用範囲が著しく制約されるものである。また、溶媒およびスルホン化剤としてクロロスルホン酸を使用するため、スルホン酸基導入量の制御が困難であったり、ポリフェニレンサルファイドの劣化を引き起こしたりする恐れがある。さらに、この電解質膜を使用した燃料電池は、プロトンを乖離しにくく、良好な発電特性が得られない可能性がある。
例えば、特許文献2には、高分子の多孔質支持体に、電解質モノマーを充填して、高分子量化する方法によって得られる高分子電解質膜について開示されている。また、特許文献3には、高分子の多孔質支持体に、モノマーを充填して高分子量化したものにスルホン酸基を導入する方法によって得られる高分子電解質膜について開示されている。これらは、燃料として使用するメタノールや水に対する膨潤を多孔質支持体によって抑制するため、それらの透過(クロスオーバー)が抑制されるとされている。しかしながら、その製造工程が複雑であるため、製造コストや生産性の面で課題があることが容易に想定される。また、充分なプロトン伝導性を発現させるためには、電解質部分のプロトン伝導性基の含有量を高く設定する必要があり、この部分での耐久性や、電解質と支持体界面の耐久性に懸念がある。更に、この電解質膜を使用した燃料電池は、プロトンを乖離しにくく、良好な発電特性が得られない可能性がある。
例えば、特許文献4には、ポリスルホン等が共重合した芳香族炭化水素系化合物を、80℃以上の溶媒に浸漬する方法によって得られる高分子電解質膜について開示されている。しかし、浸漬処理の温度が高く、溶媒の蒸気圧による加圧下で実施されることもあるため、耐久性に懸念がある。
特表平11−510198号公報。 再公表WO00/54531号公報。 特開2005−5171号公報。 特許第3651684号公報。
本発明の目的は、上記問題を鑑みてなされたものであり、固体高分子形燃料電池、直接液体形燃料電池、直接メタノ−ル形燃料電池に用いる高分子電解質膜の製造方法、およびその方法で得られる高分子電解質膜、並びに、それらを使用した燃料電池を提供することである。
(1)本発明の第1は、
「固体高分子形燃料電池、直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池、に用いる、
(X)芳香族単位を有する高分子化合物と
(Y)芳香族単位がない高分子化合物と
(Z)プロトン伝導性基と
を含む高分子電解質膜の製造方法であって、
前記(X)と
前記(Y)と
を含む高分子フィルムを原料とし、
下記工程(A)および(B)を含む工程を経て得られうる、高分子電解質膜の製造方法。
(A)該高分子フィルムをプロトン伝導性基導入剤と接触させて高分子電解質膜を得る工程。
(B)得られた高分子電解質膜を40℃以上の水に浸漬する工程。」
、である。
この製造方法によって優れた発電特性を示す高分子電解質膜を実現できる。
(2)本発明の第2は、
「前記(B)に代えて下記(C)を含む工程を経て得られうる、(1)に記載の高分子電解質膜の製造方法。
(C)得られた高分子電解質膜を有機化合物溶液に浸漬する工程。」

である。
この製造方法によって優れた発電特性を示す高分子電解質膜を実現できる。
(3)本発明の第3は、
「前記芳香族単位を有する高分子化合物が、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリフェニレンサルファイド、および、それらの共重合体、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、(1)〜(2)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
この高分子化合物を材料とすることよって、加工性に優れ、プロトン伝導性基の導入が容易であるという点で好ましい高分子電解質膜を実現できる。
(4)本発明の第4は、
「前記芳香族単位を有する高分子化合物がポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン―ポリスチレングラフト共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
この高分子化合物を材料とすることよって、加工性に優れ、プロトン伝導性基の導入が容易であるという点で、好ましい高分子電解質膜を実現できる。
(5)本発明の第5は、
「前記芳香族単位がない高分子化合物が、下記一般式(1)
Figure 2007200653
(式中、X14は、H、CH3、Cl、F、OCOCH3、CN、COOH、COOCH3、およびOC49、からなる群から選択されるいずれかであって、X14は互いに独立で同一であっても異なっていてもよい)の化学構造を含む高分子化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。この高分子化合物を材料とすることよって、化学的安定性が高く、メタノール遮断性に優れた高分子電解質膜を実現できる。
(6)本発明の第6は、
「前記芳香族単位がない高分子化合物が、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリメチルペンテン、並びに、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
この高分子化合物を材料とすることよって、化学的安定性が高く、メタノール遮断性に優れた高分子電解質膜を実現できる。
(7)本発明の第7は、
「前記工程(A)が有機溶媒存在下で実施されることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
有機溶媒下で実施することで、高分子電解質膜へプロトン伝導性基を均一に導入しやすくなり、優れたプロトン伝導性を発現しうる高分子電解質膜を実現できる。
(8)本発明の第8は、
「前記有機溶媒が、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよび1−クロロブタンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、(7)に記載の高分子電解質膜の製造方法。」
これらは工業的入手が容易であるとともに、プロトン伝導性基が導入しやすく、得られる高分子電解質膜のプロトン伝導性及びメタノール遮断性が両立でき、好ましい。
(9)本発明の第9は、
「前記プロトン性基導入剤がスルホン化剤であることを特徴とする、(1)〜(8)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
スルホン化剤を使用することで、プロトン伝導性基であるスルホン酸基の導入がし易く、高分子電解質膜が優れたプロトン伝導性を実現できるため好ましい。
(10)本発明の第10は、
「前記スルホン化剤がクロロスルホン酸であることを特徴とする、(9)に記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
スルホン化剤が、クロロスルホン酸であると、スルホン酸基の導入が容易となり、優れたプロトン伝導性を発現しうる高分子電解質を実現でき、好ましい。
(11)本発明の第11は、
「前記有機化合物が、メタノールまたはエタノールから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、(2)〜(10)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
(12)本発明の第12は、
「前記有機化合物溶液が、有機化合物の水溶液であることを特徴とする、(2)〜(11)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
(13)本発明の第13は、
「前記工程(B)を、水の沸点より低い温度で実施することを特徴とする、(1)、(3)〜(10)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
工程(A)で得られた高分子電解質膜に、工程(B)を施すことにより、高分子電解質膜中のプロトン伝導性基が機能しやすくなり、優れたプロトン伝導性を示す高分子電解質膜を実現できる。また、この方法で得られた高分子電解質膜を使用した燃料電池は、優れた発電特性を発現しうる。
(14)本発明の第14は、
「前記工程(C)を、有機化合物溶液の構成成分の沸点より低い温度で実施することを特徴とする、(2)〜(12)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
工程(A)で得られた高分子電解質膜に、工程(C)を施すことにより、高分子電解質膜中のプロトン伝導性基が機能しやすくなり、優れたプロトン伝導性を示す高分子電解質膜を実現できる。また、この方法で得られた高分子電解質膜を使用した燃料電池は、優れた発電特性を発現しうる。
(15)本発明の第15は、
「前記工程(A)と工程(B)との間に、高分子電解質膜を乾燥する工程を含むことを特徴とする、(1)、(3)〜(10)、(13)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
この製造方法によって優れた発電特性を示す高分子電解質膜を実現できる。
(16)本発明の第16は、
「前記工程(A)と工程(C)との間に、高分子電解質膜を乾燥する工程を含むことを特徴とする、(2)〜(12)、(14)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。」、
である。
この製造方法によって優れた発電特性を示す高分子電解質膜を実現できる。
(17)本発明の第17は、
「前記(1)〜(16)のいずれかに記載の製造方法で得られうる高分子電解質膜。」、
である。
(18)本発明の第18は、
「前記高分子電解質膜のイオン交換容量が、0.2〜5.0ミリ当量/gであることを特徴とする、(17)に記載の高分子電解質膜。」、
である。
本発明の(17)または(18)に示す高分子電解質膜は、優れたプロトン伝導性や高いメタノール遮断性などを発現し、燃料電池用の高分子電解質膜として好ましい。
(19)本発明の第19は、
「(1)〜(16)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法で得られうる高分子電解質膜、あるいは、(17)または(18)のいずれかに記載の高分子電解質膜、を使用していることを特徴とする、固体高分子形燃料電池。」、
である。
(20)本発明の第20は、
「(1)〜(16)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法で得られうる高分子電解質膜、あるいは、(17)または(18)のいずれかに記載の高分子電解質膜、を使用していることを特徴とする、直接液体形燃料電池。」、
である。
(21)本発明の第21は、
「(1)〜(16)のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法で得られうる高分子電解質膜、あるいは、(17)または(18)のいずれかに記載の高分子電解質膜、を使用していることを特徴とする、直接メタノール形燃料電池。」、
である。
本発明の(19)〜(21)に示す通り、さらに、本発明の製造方法により得られた高分子電解質膜、あるいは、本発明の高分子電解質膜を使用した固体高分子形燃料電池、直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池は、優れた発電特性を実現でき、好ましい。
本発明によれば、芳香族単位を有する高分子化合物と芳香族単位がない高分子化合物を含む高分子フィルムをプロトン伝導性基導入剤と接触させて高分子膜を得る工程と、得られた高分子電解質膜を40℃以上の水および/または有機化合物溶液に浸漬する工程を含む、高分子電解質膜の製造方法で得られた高分子電解質膜は、優れたプロトン伝導性を示す。さらに、これらの高分子電解質膜を使用した固体高分子形燃料電池、直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池は高い発電特性を発現しうる。
本発明の高分子電解質膜の製造方法は、固体高分子形燃料電池、直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池、に用いる、高分子電解質膜の製造方法であって、(A)芳香族単位を有する高分子化合物と芳香族単位がない高分子化合物を含む高分子フィルムをプロトン伝導性基導入剤と接触させて高分子電解質膜を得る工程、更に(B)得られた高分子電解質膜を40℃以上の水および/または(C)有機化合物溶液に浸漬する工程を含む、ものである。
本発明で使用する高分子フィルムは、芳香族単位を有する高分子化合物と芳香族単位がない高分子化合物を含むものである。芳香族単位を有する高分子化合物を含むことによって、この高分子化合物中に含まれる芳香族単位に、スルホン酸基などのプロトン伝導性基を置換することができ、高分子電解質膜とした場合にプロトン伝導性を発現することが可能となり、好ましい。また、芳香族単位がない高分子化合物は構造中に芳香族単位がないため、スルホン酸基などのプロトン伝導性基が芳香族単位に導入されることがない。従って、これらから得られる高分子電解質膜は、スルホン酸基などの親水性のプロトン伝導性基が他の高分子化合物の芳香族単位に導入されていても、燃料に含まれる水やメタノールなどの含水素液体による膨潤を抑制でき、燃料や酸化剤の遮断性を高く維持することができ、好ましい。
前記芳香族単位を有する高分子化合物としては、例えば、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリスルホン、ポリパラフェニレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルホキシド、ポリフェニレンスルフィドスルホン、ポリフェニレンスルホン、ポリベンズイミダゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリエーテルスルホン、ポリ1,4−ビフェニレンエーテルエーテルスルホン、ポリアリーレンエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、シアン酸エステル樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなどが例示できる。また、それらの誘導体および共重合体なども本発明の範疇である。特に、他の高分子化合物成分に対する相溶性や分散性、プロトン伝導性基の導入のし易さ、高分子フィルムを製造する際の加工性や得られる高分子フィルムのハンドリング性、さらにはそれから得られる高分子電解質のプロトン伝導性やメタノール遮断性、化学的・熱的安定性などを考慮すると、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリフェニレンサルファイド、並びに、それらの誘導体および共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。さらにポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン―ポリスチレングラフト共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることが、プロトン伝導性やメタノール遮断性のバランスに優れており好ましい。
また前記芳香族単位がない高分子化合物としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘプテンなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体などのポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−オレフィン共重合体などの塩化ビニル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−エキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルフルオライドなどのフッ素系樹脂などが例示できる。特に他の高分子化合物成分に対する相溶性や分散性、高分子フィルムを製造する際の加工性や得られる高分子フィルムのハンドリング性、さらにはそれから得られる高分子電解質のメタノール遮断性、化学的・熱的安定性などを考慮すると、下記一般式(1)の化学構造を含む高分子化合物であることが好ましい。
Figure 2007200653
(式中、X14は、H、CH3、Cl、F、OCOCH3、CN、COOH、COOCH3、およびOC49、からなる群から選択されるいずれかであって、X14は互いに独立で同一であっても異なっていてもよい)
さらに、工業的入手の容易さや得られる高分子フィルムの機械的特性やハンドリング性、得られる高分子電解質膜のプロトン伝導性やメタノール遮断性、化学的安定性などを考慮すると、ポリエチレンおよび/またはポリプロピレンであることが好ましい。
高分子フィルムにおいて、芳香族単位がない高分子化合物の含有量と、芳香族単位を有する高分子化合物に共重合体を選択した場合、芳香族単位を有する高分子化合物の共重合体に含まれる芳香族単位がない高分子化合物との含有量の合計が、30重量%以上90重量%以下であることが好ましい。含有量が30重量%よりも少ない場合は、高分子電解質膜の水やメタノール水溶液に対する膨潤抑制効果が不充分となり、所望のメタノール遮断性を発現しない恐れがある。また、90重量%よりも多いと、プロトン伝導性基を導入可能な芳香族単位を有する高分子化合物量が少なくなりすぎ、所望のプロトン伝導性を発現しにくくなる恐れがある。
前記高分子フィルムの製造方法は、公知の方法が使用できる。例えば、インフレーション法、Tダイ法などの溶融押出成形、カレンダー法、キャスト法、切削法、エマルション法、ホットプレス法、などが例示できる。さらに、高分子フィルムを得た後に、分子配向などを制御するため二軸延伸などの処理を施したり、結晶化度を制御するための熱処理を施したりしても構わない。さらに、必要に応じて架橋剤や開始剤を添加して、高分子フィルム中に架橋構造を導入すること、フィルムの機械強度を上げるために各種フィラーを添加すること、ガラス不織布などの補強剤とプレスにより複合化させることも本発明の範疇である。
また通常用いられる各種添加剤、例えば本来相溶性はよい系であるがいっそうの相溶性向上のための相溶化剤、樹脂劣化防止のための酸化防止剤、フィルムとしての成型加工における取り扱いを向上するための帯電防止剤や滑剤などは、電解質膜としての加工や性能に影響を及ぼさなければ適宜用いることも可能である。
上記方法の中でも生産性や得られる高分子フィルムの機械的特性、フィルム厚みの制御のし易さ、種々の樹脂への適用性、環境への負荷などを考慮すると、溶融押出成形で製造する方法が好ましい。具体的には、高分子フィルムの主原料である芳香族単位を有する高分子共重合体と、芳香族単位がない高分子化合物のペレットやパウダーを所定の配合比で予め混合し、Tダイをセットした押出機に投入し、溶融混練しながらフィルム化を行う方法が適用できる。このとき、使用する押出機が二軸押出機であれば、これらの成分を溶融して均一に分散させた高分子フィルムを得ることができる。さらに、予め所定の配合比になるように二軸押出機で溶融混練したペレットを使用してフィルム化を実施しても構わないし、マスターバッチ化したペレットを使用して、所定の配合比になるように溶融混練しながらフィルム化しても構わない。また、組み合わせる成分の分散性に問題がない場合には、Tダイをセットした単軸押出機でフィルム化を実施しても構わない。
高分子フィルムの厚さは、用途に応じて任意の厚さを選択することができる。高分子フィルムから得られる高分子電解質膜の内部抵抗を低減することを考慮した場合、高分子フィルムの厚みは薄い程良い。一方、得られた高分子電解質膜のメタノール遮断性やハンドリング性を考慮すると、高分子フィルムの厚みは薄すぎると好ましくない。これらを考慮すると、高分子フィルムの厚みは、1.2μm〜350μmであるのが好ましい。前記高分子フィルムの厚さが1.2μmより薄いと、フィルム化が困難であるとともに、プロトン伝導性基を導入する際の加工時や乾燥時にシワになりやすくまた、破損が生じるなどハンドリング性が著しく低下する恐れがある。前記高分子フィルムの厚さが350μmを超えると、得られた高分子電解質膜のプロトン伝導性が発現しにくくなる恐れがある。
本発明の高分子電解質膜に含まれるプロトン伝導性基としては、含水状態でプロトンを解離するものであれば使用可能である。例えば、スルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基、フェノール性水酸基などが例示できるが、これらのみに限定されるものではない。特にプロトン伝導性基の導入のし易さや得られる高分子電解質のプロトン伝導性などを考慮すると、スルホン酸基であることが好ましい。
また、本発明の高分子電解質膜のイオン交換容量は、好ましくは0.2〜5.0ミリ当量/g、より好ましくは0.5〜3.0ミリ当量/gである。イオン交換容量が前記範囲よりも小さい場合は、所望のプロトン伝導性が発現しない恐れがある。また、前記範囲よりも大きい場合は、水やメタノールなどに対する膨潤を充分抑制することができないばかりでなく、これらで劣化あるいは溶解する恐れが生じる。
また、前記高分子フィルムとプロトン伝導性基導入剤と接触させる工程は、高分子フィルムを有機溶媒存在下でプロトン伝導性基導入剤と接触させる方法であることが好ましい。プロトン伝導性基導入剤は、スルホン化剤であることが好ましい。有機溶媒存在下で高分子フィルムとプロトン伝導性基導入剤(好ましくはスルホン化剤)を接触させることで、プロトン伝導性基導入剤(好ましくはスルホン化剤)が高分子フィルムと直接接触し劣化するのを抑制しつつ、所望量のスルホン酸基を導入することが可能となる。本発明で使用可能なスルホン化剤としては、例えば、クロロスルホン酸、発煙硫酸、三酸化硫黄、三酸化硫黄−トリエチルフォスフェート、濃硫酸、トリメチルシリルクロロサルフェートなどの公知のスルホン化剤が例示でき好ましい。工業的入手の容易さやスルホン酸基の導入の容易さや得られる高分子電解質膜の特性を考慮すると、クロロスルホン酸であること・クロロスルホン酸を含むことが好ましい。
本発明の有機溶媒は、スルホン化剤を分解することなく、芳香族単位へのスルホン酸基導入を阻害せずに、フィルム中の熱可塑性高分子や酸化防止剤の分解などの劣化を引き起こさないようなものであれば使用可能である。有機溶媒を使用することによって、高分子フィルムが膨潤しやすくなり、フィルム内部までスルホン化剤を拡散させることができる。また、スルホン化剤と高分子フィルムが直接接触し、過度の反応が生じてフィルムが劣化するのを抑制することができる。本発明においては、スルホン酸基の導入のしやすさや得られる高分子電解質膜の特性を考慮するとハロゲン化炭化水素であることが好ましい。ハロゲン化炭化水素としては、例えばジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロフォルム、1−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1,4−ジクロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、1−クロロペンタン、1−クロロヘキサン、クロロシクロヘキサンなどが列挙できる。特に、工業的入手の容易さやスルホン酸基の導入のしやすさ、得られる電解質膜の特性を考慮すると、ハロゲン化炭化水素は、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン及び1−クロロブタンからなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
スルホン化剤の使用量としては、高分子フィルムに対して、0.1〜100倍量(重量比)、さらには0.5〜50倍量(重量比)であるのが好ましい。スルホン化剤の使用量が、0.1倍量よりも少ない場合には、スルホン酸基の導入量が少なくなり、得られる高分子電解質膜のプロトン伝導性などの特性が不充分となる恐れがある。一方、100倍量を超える場合には、高分子フィルムが化学的に劣化し、得られる高分子電解質膜の機械的強度が低下し、ハンドリングが困難となったり、スルホン酸基の導入量が多くなりすぎて、メタノール遮断性が低下したり、水溶性やメタノール水溶液に可溶になるなど、高分子電解質膜の実用的な特性が損なわれる恐れがある。
有機溶媒中のスルホン化剤の濃度は、スルホン酸基の目標とする導入量や反応条件(温度・時間)を勘案して適宜設定すればよい。具体的には、0.05〜20重量%であることが好ましく、より好ましい範囲は、0.2〜10重量%である。0.05重量%より低いとスルホン化剤と高分子フィルム中の芳香族単位とが接触しにくくなり、所望のスルホン酸基量が導入できなかったり、導入するのに時間がかかりすぎたりする恐れがある。一方、20重量%を超えるとスルホン酸基の導入が不均一となり、得られた高分子電解質膜の機械的特性が損なわれる恐れがある。
また、接触させる際の反応温度、反応時間については特に限定は無いが、0〜100℃、さらには10〜30℃、0.5時間以上、さらには2〜100時間の範囲で設定するのが好ましい。反応温度が、0℃より低い場合は、設備上冷却等の措置が必要になるとともに、反応に必要以上の時間がかかる恐れがあり、100℃を超えると反応が過度に進行したり、副反応を生じたりして、膜の特性を低下させる恐れがある。より好ましくは、使用する有機溶媒の沸点以下であることが、耐圧容器を用いる必要がないため好ましい。また、反応時間が、0.5時間より短い場合は、スルホン化剤と高分子フィルム中の芳香族単位との接触が不充分となり、所望のスルホン酸基が導入しにくくなる恐れがあり、反応時間が100時間を超える場合は、生産性が著しく低下する恐れがあるとともに、高分子電解質膜の特性向上にあまり寄与しない恐れがある。実際には、使用するスルホン化剤や有機溶媒などの反応雰囲気、目標とする生産量などを考慮して、所望の特性を有する高分子電解質膜を効率的に製造することができるように設定すればよい。
次に、得られた高分子電解質膜を水および/または有機化合物溶液に浸漬する工程について説明する。
上記のようにして得られた高分子電解質膜は、水および/または有機化合物溶液に浸漬することが好ましい。水および/または有機化合物溶液に浸漬することで、高分子電解質膜中のプロトン伝導性基が水と接触してプロトンを乖離しやすい状態となり、優れたプロトン伝導性を発現しうる。水はプロトン伝導性基との親和性が強く、また有機化合物溶液は高分子骨格との親和性が強いため、膜内部のプロトン伝導性基まで作用しやすくなり、好ましい。前記有機化合物は、高分子電解質膜の構成成分を劣化あるいは溶解させないものであれば使用可能である。それらの中でも、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールなどのアルコール類であることが好ましく、膜内部のプロトン伝導性基まで作用することを考慮すると、低分子量のメタノールまたはエタノールから選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記有機化合物溶液は、プロトン伝導性基が親水性であることを考慮すると、水溶液であることが好ましい。有機化合物溶液の濃度は特に制限されるものではないが、有機化合物溶液の濃度が50重量%以下の水溶液であることが、プロトン伝導性基と高分子骨格との親和性とのバランスの面から好ましい。50%より大きい場合、プロトン伝導性基に有効に作用せずに、高分子骨格の劣化や溶解などを引き起こしやすくなる恐れがある。
水および/または有機化合物溶液への浸漬温度は水および/または有機化合物溶液の構成成分の沸点より低いことが好ましい。沸点以上で実施すると、耐圧容器を用いなければならないだけでなく、高分子骨格の劣化や溶解などを引き起こしやすくなる恐れがある。さらに、水および/または有機化合物溶液の構成成分の沸点が80℃以上の場合、80℃より低い浸漬温度であることが好ましい。80℃以上で実施すると、高分子骨格の劣化や溶解などを引き起こしやすくなる恐れがある。さらに、水への浸漬温度は40℃以上であることがよい。40℃より低い浸漬温度の場合、本発明の効果が得られない、または浸漬時間が十分必要であり生産性が著しく低下する、恐れがある。
本発明において、水および/または有機化合物溶液への浸漬時間は、高分子電解質膜の特性が所望値となるならば、短いほど好ましく、概ね100時間以内であることが好ましい。100時間より長いと、生産性が著しく低下する恐れがあるとともに、高分子電解質膜の特性向上にあまり寄与しない恐れがある。
つぎに、本発明の高分子電解質膜を使用した固体高分子形燃料電池(直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池)について、一例として、図面を引用して説明する。
図1は、本発明の高分子電解質膜を使用した固体高分子形燃料電池(直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池)の要部断面図である。
これは、高分子電解質膜1と、高分子電解質膜1に接触する触媒層2、触媒層2に接触する拡散層3、さらにその外側にセパレーター5が配置され、固体高分子形燃料電池(直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池)のセルが構成される。セパレーター5には、燃料ガスまたは液体(メタノール水溶液など)、並びに、酸化剤を送り込むための5が形成されている。
一般的に、高分子電解質膜1に触媒層2を接合したものや、高分子電解質膜1に触媒層2と拡散層3を接合したものは、膜−電極接合体(以下、MEAと表記)といわれ、固体高分子形燃料電池(直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池)の基本部材として使用される。
MEAを作製する方法は、従来検討されている、パーフルオロカーボンスルホン酸からなる高分子電解質膜やその他の炭化水素系高分子電解質膜(例えば、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリフェニレンサルファイドなど)で行われる公知の方法が適用可能である。
MEAの具体的作製方法の一例を下記に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
触媒層2の形成は、高分子電解質の溶液あるいは分散液に、金属担持触媒を分散させて、触媒層形成用の分散溶液を調合する。この分散溶液をポリテトラフルオロエチレンなどの離型フィルム上にスプレーで塗布して分散溶液中の溶媒を乾燥・除去し、離型フィルム上に所定の触媒層2を形成させる。この離型フィルム上に形成した触媒層2を高分子電解質膜1の両面に配置し、所定の加熱・加圧条件下でホットプレスし、高分子電解質膜1と触媒層2を接合し、離型フィルムをはがすことによって、高分子電解質膜1の両面に触媒層2が形成されたMEAが作製できる。また、前記分散溶液をコーターなどを用いて拡散層3上に塗工して、分散溶液中の溶媒を乾燥・除去し、拡散層3上に触媒層2が形成された触媒担持ガス拡散電極を作製し、高分子電解質膜1の両側にその触媒担持ガス拡散電極の触媒層2側を配置し、所定の加熱・加圧条件下でホットプレスすることによって、高分子電解質膜1の両面に触媒層2と拡散層3とが形成されたMEAが製造できる。前記触媒担持ガス拡散電極には、市販のガス拡散電極(米国E−TEK社製、など)を使用しても構わない。
前記高分子電解質の溶液としては、パーフルオロカーボンスルホン酸高分子化合物のアルコール溶液(アルドリッチ社製ナフィオン(登録商標)溶液など)やスルホン化された芳香族高分子化合物(例えば、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン、スルホン化ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、スルホン化ポリイミド、スルホン化ポリフェニレンサルファイドなど)の有機溶媒溶液などが使用できる。前記金属担持触媒としては、高比表面積の導電性粒子が担体として使用可能であり、例えば活性炭、カーボンブラック、ケッチェンブラック、バルカン、カーボンナノホーン、フラーレン、カーボンナノチューブなどの炭素材料が例示できる。金属触媒としては、燃料の酸化反応および酸素の還元反応を促進するものであれば使用可能であり、燃料極と酸化剤極で同じであっても異なっていても構わない。例えば、白金、ルテニウムなどの貴金属あるいはそれらの合金などが例示でき、それらの触媒活性の促進や、反応副生物による被毒を抑制するための助触媒を添加しても構わない。前記触媒層形成用の分散溶液は、スプレーで塗布したり、コーターで塗工しやすい粘度に調整するため、水や有機溶媒で適宜希釈しても構わない。また、必要に応じて触媒層2に撥水性を付与するため、テトラフルオロエチレンなどのフッ素系化合物を混合してもよい。前記拡散層3としては、カーボンクロスやカーボンペーパーなどの多孔質の導電性材料が使用可能である。これらは燃料や酸化剤の拡散性や反応副生物や未反応物質の排出性を促進するため、テトラフルオロエチレンなどで被覆して撥水性を付与したものを使用するのが好ましい。また、高分子電解質膜1と触媒層2との間に必要に応じて前述したような高分子電解質からなる接着層を設けてもよい。高分子電解質膜1と触媒層2を加熱・加圧条件下でホットプレスする条件は、使用する高分子電解質膜1や触媒層2に含まれる高分子電解質の種類に応じて適宜設定する必要がある。一般的には、高分子電解質膜や高分子電解質の熱劣化や熱分解温度以下であって、高分子電解質膜1あるいは高分子電解質のガラス転移点や軟化点以上の温度、さらには高分子電解質膜1および高分子電解質のガラス転移点や軟化点以上の温度条件下で実施するのが好ましい。加圧条件としては、概ね0.1MPa〜20MPaの範囲であることが、高分子電解質膜1と触媒層2が充分に接触するとともに、使用材料の著しい変形にともなう特性低下がなく好ましい。特にMEAが高分子電解質膜1と触媒層2とからのみ形成される場合は、拡散層3を触媒層2の外側に配置して特に接合することなく接触させるのみで使用しても構わない。
上記のような方法で得られたMEAを、燃料ガスまたは液体、並びに、酸化剤を送り込む流路5が形成された一対のセパレーター4などの間に挿入することにより、本発明の高分子電解質膜からなる固体高分子形燃料電池(直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池)が得られる。これに燃料ガスまたは液体として、水素を主たる成分とするガスや、メタノールを主たる成分とするガスまたは液体を、酸化剤として、酸素を含むガス(酸素あるいは空気)を、それぞれ別個の流路5より、拡散層3を経由して触媒層2に供給することにより、固体高分子形燃料電池は発電する。このとき燃料として含水素液体を使用する場合には直接液体形燃料電池となるし、メタノールを使用する場合には直接メタノール形燃料電池となる。
前記セパレーター4としてはカーボングラファイトやステンレス鋼の導電性材料のものが使用できる。特にステンレス鋼などの金属製材料を使用する場合は、耐腐食性の処理を施していることが好ましい。
本発明の固体高分子形燃料電池を単独で、あるいは複数積層して、スタックを形成し、使用することや、それらを組み込んだ燃料電池システムとすることもできる。
さらに、本発明の高分子電解質膜を使用した直接メタノール形燃料電池について、一例として、図面を引用して説明する。
図2は、本発明の高分子電解質膜からなる直接メタノール形燃料電池の要部断面図である。上記方法で得られたMEA6が、燃料(メタノールあるいはメタノール水溶液)充填部8や供給部8を有する燃料(メタノールあるいはメタノール水溶液)タンク7の両側に必要数が平面状に配置される。さらにその外側には、酸化剤流路10が形成された支持体9が配置され、これらに狭持されることによって、直接メタノール形燃料電池のセル、スタックが構成される。
前記の例以外にも、本発明の高分子電解質膜は、特開2001−313046号公報、特開2001−313047号公報、特開2001−93551号公報、特開2001−93558号公報、特開2001−93561号公報、特開2001−102069号公報、特開2001−102070号公報、特開2001−283888号公報、特開2000−268835号公報、特開2000−268836号公報、特開2001−283892号公報などで公知になっている直接メタノール形燃料電池の電解質膜として、使用可能である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
(実施例1)
<高分子フィルムの調製>
芳香族単位を有する高分子化合物としてポリフェニレンサルファイド(大日本インキ化学工業株式会社製、LD10p11)、芳香族単位がない高分子化合物として高密度ポリエチレン(三井化学株式会社製、HI−ZEX 3300F)を使用した。
ポリフェニレンサルファイドのペレット40重量部、高密度ポリエチレンのペレット60重量部とをドライブレンドした。ドライブレンドしたペレット混合物を、スクリュー温度290℃、Tダイ温度290℃の条件で、Tダイをセットした二軸押出機により、溶融押出成形し、高分子フィルムを得た(高分子フィルム中に高密度ポリエチレンを60重量%含有する)。
<高分子電解質膜の調製>
ガラス容器に、ジクロロメタン905g、クロロスルホン酸9.0gを秤量し、1重量%のクロロスルホン酸溶液を調製した。前記高分子フィルムを2.1g秤量し、前記クロロスルホン酸溶液に浸漬し、25℃で20時間、放置した(クロロスルホン酸添加量は、高分子フィルムの重量に対して4.3倍量)。室温で20時間放置後に、高分子フィルムを回収し、イオン交換水で中性になるまで洗浄した。
洗浄後の高分子フィルムを23℃に調温した恒温恒湿器内で、相対湿度98%、80%、60%および50%の湿度調節下で、それぞれ30分間放置してフィルムを乾燥し、高分子電解質膜を得た。
<高分子電解質膜の水浸漬処理>
前記高分子電解質膜を、イオン交換水中に浸漬し、60℃に調温した恒温器内に63時間放置した。洗浄後の高分子電解質膜を23℃に調温した恒温恒湿器内で、相対湿度98%、80%、60%および50%の湿度調節下で、それぞれ30分間放置して高分子電解質膜を乾燥し、水浸漬処理の高分子電解質膜を得た。
<触媒シートの作製>
カソード触媒として白金50%担持カーボン(エヌ・イー ケムキャット製SA50BK)を用いた。結着剤として5%ナフィオン(登録商標)分散溶液(アルドリッチ製)を用いた。カソード触媒と純水とを、重量比1:10となる割合で混合し溶液Aを得た。前記溶液Aと結着剤とをカソード触媒に対して結着剤が重量比1:7.3となるように混合し、溶液Bを得た。アノード触媒として白金27%ルテニウム13%担持カーボン(エヌイーケムキャット製SA27−13RCBK)を用いた。アノード触媒と純水とを、重量比1:10となる割合で混合し溶液Cを得た。前記溶液Cと結着剤とをアノード触媒に対して結着剤が重量比1:7.1となるように混合し溶液Dを得た。アセトンで洗浄した22mm角、厚さ50μmのテフロン(登録商標)シート上に溶液Bを塗布し乾燥させる工程を数回繰り返し、白金量1mg/cm2とし、カソード触媒シートとした。同様に溶液Dを塗布し白金量1mg/cm2とし、アノード触媒シートとした。
<膜−電極接合体の作製>
高分子電解質膜として上記実施例1記載の水浸漬処理の高分子電解質膜を用い、これを上記アノード触媒シート、カソード触媒シートで挟持し、さらに厚さ50μmのテフロン(登録商標)シート、ろ紙、SUS板の順に挟持した。これを150℃、50kgf/cm2で熱プレスし、5分間保持した。プレス後テフロン(登録商標)シート、ろ紙、SUS板をはずし、さらに触媒シートのテフロン(登録商標)シートをはずして膜−電極接合体とした。
<セルの作製>
東レ製TGP−H−60カーボンペーパーをアセトンで洗浄し、さらにテフロン(登録商標)分散溶液(ダイキン工業製POLYFLON PTFE D−1E)を塗布し360℃で1時間焼成することで、撥水処理を施した拡散層を得た。厚さ180μm、80角のテフロン(登録商標)シートの中心を25角に切り抜きガスケットとした。MEAを拡散層、ガスケットで挟持し、電極面積5cm2の燃料電池用セル(ElectroChem社製FC05−01SP)に装着した。
<直接メタノール形燃料電池の発電特性評価>
評価装置には株式会社東陽テクニカ製GFT−MWを用いた。1Mメタノール水溶液をアノード極側に流量0.5mL/minで供給し、酸化剤として空気をカソード極側に流量160mL/min供給した。セル温度を60℃として、直接メタノール形燃料電池の発電特性を評価した。アイドリング兼ねて、評価は複数回実施し、出力密度が最高値を示し、安定したときの値を使用した。結果を表1に示す。
Figure 2007200653
(比較例1)
実施例1の電解質膜の水浸漬処理を行わなかったこと以外、同様の方法で直接メタノール形燃料電池の発電特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
芳香族単位を有する高分子化合物としてポリエチレン−ポリスチレングラフト共重合体(日本油脂株式会社製、モディパー(登録商標)A1100)、芳香族単位がない高分子化合物として高密度ポリエチレン(三井化学株式会社製、HI−ZEX 3300F)を使用した。
ポリエチレン−ポリスチレングラフト共重合体のペレット65重量部、高密度ポリエチレンのペレット35重量部とをドライブレンドした。ドライブレンドしたペレット混合物を、スクリュー温度265℃、Tダイ温度265℃の条件で、Tダイをセットした二軸押出機により、溶融押出成形し、高分子フィルムを得た(高分子フィルム中に高密度ポリエチレンを35重量%含有する)。
ガラス容器に、1−クロロブタン654g、クロロスルホン酸3.3gを秤量し、0.5重量%のクロロスルホン酸溶液を調製した。前記高分子フィルムを1.5g秤量し、前記クロロスルホン酸溶液に浸漬し、25℃で20時間、放置した(クロロスルホン酸添加量は、高分子フィルムの重量に対して2.2倍量)。室温で20時間放置後に、高分子フィルムを回収し、イオン交換水で中性になるまで洗浄した。
洗浄後の高分子フィルムを23℃に調温した恒温恒湿器内で、相対湿度98%、80%、60%および50%の湿度調節下で、それぞれ30分間放置してフィルムを乾燥し、高分子電解質膜を得た。
さらに、実施例1と同様の方法で本発明の電解質膜の水浸漬処理を実施し、直接メタノール形燃料電池の発電特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例2の電解質膜の水浸漬処理を行わなかったこと以外、同様の方法で直接メタノール形燃料電池の発電特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
芳香族単位を有する高分子化合物としてポリフェニレンサルファイド(大日本インキ化学工業株式会社製、LD10p11)、芳香族単位がない高分子化合物として高密度ポリエチレン(三井化学株式会社製、HI−ZEX 3300F)を使用した。
ポリフェニレンサルファイドのペレット30重量部、高密度ポリエチレンのペレット70重量部とをドライブレンドした。ドライブレンドしたペレット混合物を、スクリュー温度290℃、Tダイ温度290℃の条件で、Tダイをセットした二軸押出機により、溶融押出成形し、高分子フィルムを得た(高分子フィルム中に高密度ポリエチレンを70重量%含有する)。
<高分子電解質膜の調製>
ガラス容器に、1−クロロブタン667g、クロロスルホン酸20.0gを秤量し、3重量%のクロロスルホン酸溶液を調製した。前記高分子フィルムを1.5g秤量し、前記クロロスルホン酸溶液に浸漬し、25℃で20時間、放置した(クロロスルホン酸添加量は、高分子フィルムの重量に対して13.3倍量)。室温で20時間放置後に、高分子フィルムを回収し、イオン交換水で中性になるまで洗浄した。
洗浄後の高分子フィルムを23℃に調温した恒温恒湿器内で、相対湿度98%、80%、60%および50%の湿度調節下で、それぞれ30分間放置してフィルムを乾燥し、高分子電解質膜を得た。
さらに、実施例1と同様の方法で本発明の電解質膜の水浸漬処理を実施し、直接メタノール形燃料電池の発電特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例3の電解質膜の水浸漬処理を行わなかったこと以外、同様の方法で直接メタノール形燃料電池の発電特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1と同様に高分子フィルムの調製、高分子電解質膜の調製を行った。
<高分子電解質膜の有機化合物溶液浸漬処理>
得られた高分子電解質膜を、64重量%メタノール水溶液に浸漬し、60℃に調温した恒温器内に24時間放置した。洗浄後の高分子電解質膜を23℃に調温した恒温恒湿器内で、相対湿度98%、80%、60%および50%の湿度調節下で、それぞれ30分間放置して高分子電解質膜を乾燥し、有機化合物溶液浸漬処理の高分子電解質膜を得た。さらに、得られた有機化合物溶液浸漬処理の高分子電解質膜を使用し、実施例1と同様の方法で膜−電極接合体、セルの作製、直接メタノール形燃料電池の発電特性評価を実施した。結果を表1に示す。
(比較例4)
比較例1の高分子電解質膜に、デュポン社製ナフィオン(登録商標)112を使用した以外、同様の方法で直接メタノール形燃料電池の発電特性を評価した。結果を表1に示す。
表1の実施例1〜4と比較例1〜4との比較より、本発明の高分子電解質膜は、発電特性が大きく向上することが明らかとなり、直接メタノール形燃料電池などの直接液体形燃料電池用の高分子電解質膜として有用であることが示された。
本発明の固体高分子形燃料電池(直接メタノール形燃料電池)の要部断面図である。 本発明の直接メタノール形燃料電池の要部断面図である。
符号の説明
1 高分子電解質膜
2 触媒層
3 拡散層
4 セパレーター
5 流路
6 膜−電極接合体(MEA)
7 燃料タンク
8 燃料充填部
9 支持体
10 酸化剤流路

Claims (21)

  1. 固体高分子形燃料電池、直接液体形燃料電池、直接メタノール形燃料電池、に用いる、
    (X)芳香族単位を有する高分子化合物と
    (Y)芳香族単位がない高分子化合物と
    (Z)プロトン伝導性基と
    を含む高分子電解質膜の製造方法であって、
    前記(X)と
    前記(Y)と
    を含む高分子フィルムを原料とし、
    下記工程(A)および(B)を含む工程を経て得られうる、高分子電解質膜の製造方法。
    (A)該高分子フィルムをプロトン伝導性基導入剤と接触させて高分子電解質膜を得る工程。
    (B)得られた高分子電解質膜を40℃以上の水に浸漬する工程。
  2. 前記(B)に代えて下記(C)を含む工程を経て得られうる、請求項1に記載の高分子電解質膜の製造方法。
    (C)得られた高分子電解質膜を有機化合物溶液に浸漬する工程。
  3. 前記芳香族単位を有する高分子化合物が、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトンおよびポリフェニレンサルファイド、および、それらの共重合体、および、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  4. 前記芳香族単位を有する高分子化合物がポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエチレン―ポリスチレングラフト共重合体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  5. 前記芳香族単位がない高分子化合物が、下記一般式(1)
    Figure 2007200653
    (式中、X14は、H、CH3、Cl、F、OCOCH3、CN、COOH、COOCH3、およびOC49、からなる群から選択されるいずれかであって、X14は互いに独立で同一であっても異なっていてもよい)の化学構造を含む高分子化合物から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  6. 前記芳香族単位がない高分子化合物が、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリメチルペンテン、並びに、それらの誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  7. 前記工程(A)が有機溶媒存在下で実施されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  8. 前記有機溶媒が、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよび1−クロロブタンからなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項7に記載の高分子電解質膜の製造方法。
  9. 前記プロトン性基導入剤がスルホン化剤であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  10. 前記スルホン化剤がクロロスルホン酸であることを特徴とする、請求項9に記載の高分子電解質膜の製造方法。
  11. 前記有機化合物が、メタノールまたはエタノールから選択される少なくとも1種を含むことを特徴とする、請求項2〜10のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  12. 前記有機化合物溶液が、有機化合物の水溶液であることを特徴とする、請求項2〜11のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  13. 前記工程(B)を、水の沸点より低い温度で実施することを特徴とする、請求項1、3〜10のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  14. 前記工程(C)を、有機化合物溶液の構成成分の沸点より低い温度で実施することを特徴とする、請求項2〜12のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  15. 前記工程(A)と工程(B)との間に、高分子電解質膜を乾燥する工程を含むことを特徴とする、請求項1、3〜10、13のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  16. 前記工程(A)と工程(C)との間に、高分子電解質膜を乾燥する工程を含むことを特徴とする、請求項2〜12、14のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法。
  17. 前記請求項1〜16のいずれかに記載の製造方法で得られうる高分子電解質膜。
  18. 前記高分子電解質膜のイオン交換容量が、0.2〜5.0ミリ当量/gであることを特徴とする、請求項17に記載の高分子電解質膜。
  19. 請求項1〜16のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法で得られうる高分子電解質膜、あるいは、請求項17または18のいずれかに記載の高分子電解質膜、を使用していることを特徴とする、固体高分子形燃料電池。
  20. 請求項1〜16のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法で得られうる高分子電解質膜、あるいは、請求項17または18のいずれかに記載の高分子電解質膜、を使用していることを特徴とする、直接液体形燃料電池。
  21. 請求項1〜16のいずれかに記載の高分子電解質膜の製造方法で得られうる高分子電解質膜、あるいは、請求項17または18のいずれかに記載の高分子電解質膜、を使用していることを特徴とする、直接メタノール形燃料電池。
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