JP2007197542A - 導電性付与剤及び導電性樹脂組成物 - Google Patents
導電性付与剤及び導電性樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2007197542A JP2007197542A JP2006017002A JP2006017002A JP2007197542A JP 2007197542 A JP2007197542 A JP 2007197542A JP 2006017002 A JP2006017002 A JP 2006017002A JP 2006017002 A JP2006017002 A JP 2006017002A JP 2007197542 A JP2007197542 A JP 2007197542A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rubber
- resin composition
- resin
- conductive
- conductivity
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Conductive Materials (AREA)
Abstract
【課題】過塩素酸塩を使用することなく、廃棄処分に際しては環境負荷が小さく、かつ、金属に対して腐食性なく、低抵抗を発現する導電性付与剤及び導電性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】トリフルオロ酢酸リチウムを含有するイオン導電性高分子組成物。及び該イオン導電性高分子組成物を導電性付与剤として用い、樹脂に添加し、成型した導電性樹脂組成物とすることで、過塩素酸塩を使用せず、従来よりも低い抵抗値を有する導電性樹脂組成物が得られる。
【選択図】なし
【解決手段】トリフルオロ酢酸リチウムを含有するイオン導電性高分子組成物。及び該イオン導電性高分子組成物を導電性付与剤として用い、樹脂に添加し、成型した導電性樹脂組成物とすることで、過塩素酸塩を使用せず、従来よりも低い抵抗値を有する導電性樹脂組成物が得られる。
【選択図】なし
Description
本発明は、導電性付与剤及び導電性ゴム、電子写真式プリンター、複写機等の帯電ロール、クリーニングロール、現像ロール等の導電性ロールに用いることができる導電性樹脂組成物に関する。
一般にイオン導電剤を含有した導電性樹脂組成物は表面抵抗が107〜109Ω/□程度のものが知られており、主に帯電防止用途に使用されている。イオン成分には、従来、過塩素酸リチウムなどの過塩素酸塩が使用されていたが(例えば、特許文献1参照)、最近では廃棄処分に対する環境への配慮、あるいは金属に対する腐食性などの観点から該過塩素酸塩の使用が敬遠されるようになった。
一方、電子写真式プリンターや複写機に使用される帯電ロール、クリーニングロール、現像ロールなどの導電性ロールに使用される導電性樹脂組成物には、従来スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)やエピクロルヒドリンゴム等のゴム材料に、導電剤であるカーボンブラックや酸化鉄などの金属酸化物を添加したものが知られているが、そのような導電性樹脂組成物については、導電剤添加に従いゴム硬度が高くなる為、別途軟化剤等を配合し、硬度を30°(Hs:JIS A)程度に低く調整する必要がある。このように従来の導電性ロールは、カーボンブラックや金属酸化物を含有しているため、硬度が高く感光体ドラムに対するニップ性が悪いため、軟化剤等を添加しなければならなかった。その為、軟化剤の滲み出しによる感光体ドラムの汚染などの不具合も発生した。
本発明は、前記問題を解決し、従来使用されていた過塩素酸塩を使用することなく、廃棄処分に際しては環境負荷が小さく、使用に関しては腐食性を有しなく、低表面抵抗を発現させることのできる導電性付与剤及び導電性樹脂組成物を提供することである。
一方、導電性ゴムまたは導電性ロールに適用した際、硬度が低く柔軟性があり、更に導電性ロールにおいては導電性ロールの構造を簡素化することを可能とし、また導電性ゴムにおいては従来よりも優れた導電特性を与える導電性樹脂組成物を提供することである。
本発明者等は、前記課題に鑑み、鋭意検討した結果、トリフルオロ酢酸リチウムを含有するイオン導電性高分子組成物が導電性付与剤として優れており、該導電性付与剤を含有する導電性樹脂組成物は、従来よりも低い表面抵抗を有することを見出した。一方、導電性ゴムまたは導電性ロールにおいては、ゴムまたは発泡体ゴム材料にトリフルオロ酢酸リチウムを添加した導電性樹脂組成物が、低硬度で優れた柔軟性及び導電性を有し、導電性ゴムまたは導電性ロールに適した導電性樹脂組成物を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、トリフルオロ酢酸リチウムが含有されていることを特徴とする導電性付与剤である。
また、トリフルオロ酢酸リチウムとポリエーテルポリオール類とが含有されていることを特徴とする前記導電性付与剤である。
また、前記ポリエーテルポリオール類が、末端に水酸基を有するポリエーテルポリオール、末端に水酸基を有するポリアルキレングリコール、及び末端に水酸基を有するポリエチレン主鎖とポリアルキレンオキサイドとのグラフト重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする前記導電性付与剤である。
また、前記導電性付与剤において、トリフルオロ酢酸リチウムの含有量が0.1〜20重量部であることを特徴とする導電性付与剤である。
また、前記導電性付与剤が樹脂に添加され、成型されてなることを特徴とする導電性樹脂組成物である。
また、前記樹脂が、熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂であることを特徴とする前記導電性樹脂組成物である。
また、前記樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つの樹脂であることを特徴とする前記導電性樹脂組成物である。
また、前記導電性樹脂組成物において、前記樹脂100重量部に対し、前記導電性付与剤が1〜50重量部添加され、成型されてなることを特徴とする導電性樹脂組成物である。
また、トリフルオロ酢酸リチウムがゴム又は発泡体ゴムに添加され、成型されてなることを特徴とする導電性樹脂組成物である。
また、前記ゴム又は発泡体ゴムが、ウレタン系ゴム、アクリル系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、シリコン系ゴム、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体ウレタンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムからなる群から選ばれる少なくとも一つからなるゴム又は発泡体ゴムであることを特徴とする前記導電性樹脂組成物である。
また、前記導電性樹脂組成物において、前記ゴム又は発泡体ゴム100重量部に対し、トリフルオロ酢酸リチウムが0.1〜20重量部添加され、成型されてなることを特徴とする導電性樹脂組成物である。
本発明である、トリフルオロ酢酸リチウムを含有するイオン導電性高分子組成物からなる導電性付与剤及びこれを含有した導電性樹脂組成物は、消防法上の危険物に該当する過塩素酸塩を使用していない為、製造上安全であり、金属への腐食性がなく、また脱塩素型イオン導電剤を使用しているため廃棄焼却によりダイオキシン類の発生の恐れがなく環境負荷が少ない。また、得られる導電性樹脂組成物の表面抵抗値は従来のものより低く、優れた帯電防止性能を有する。
また、本発明の、トリフルオロ酢酸リチウムが添加されたゴムまたは発泡体ゴムからなる導電性樹脂組成物は、従来の導電性発泡体材料より硬度が低く柔軟性に優れ、さらに導電性に優れる。
本発明は、トリフルオロ酢酸リチウムを含有してなることを特徴とする導電性付与剤である。また、樹脂に、該導電性付与剤が含有され、成型されたことを特徴とする導電性樹脂組成物である。また、ゴムまたは発泡体ゴムに、トリフルオロ酢酸リチウムが含有され、成型されたことを特徴とする導電性樹脂組成物である。
以下、本発明の導電性付与剤について詳細に説明する。
本発明の導電性付与剤は、トリフルオロ酢酸リチウムが含有されてなり、好ましくはトリフルオロ酢酸リチウムとポリエーテルポリオール類とが含有されてなるイオン導電性高分子組成物である。本発明に用いるトリフルオロ酢酸リチウムは、必要に応じて他の1種類以上のリチウム塩と混合して使用しても良い。
前記ポリエーテルポリオール類としては、特に限定されないが、末端水酸基を有するポリエーテルポリオール、または末端水酸基を有するポリアルキレンレングリコール、または末端水酸基を有するポリエチレン主鎖とポリアルキレンオキサイドとのグラフト重合体が挙げられ、これらの中から少なくとも一つのポリエーテルポリオール類であることが好適である。
導電性付与剤において、トリフルオロ酢酸リチウムの含有量は0.1〜20重量部であることが好ましい。トリフルオロ酢酸リチウムが0.1重量部に満たない場合、良好な導電性が発現されない場合があり、20重量部を超える場合、経済的に劣り不都合である。
次に、本発明の導電性樹脂組成物について詳細に説明する。
本発明の導電性樹脂組成物は、樹脂に前記導電性付与剤が添加され、成型されてなることを特徴とする導電性樹脂組成物であり、好ましくは樹脂100重量部に対し、前記イオン導電性高分子組成物からなる導電性付与剤を1〜50重量部添加され、成型されてなるものである。
イオン導電性高分子組成物の含有量が樹脂100重量部に対して1重量部に満たない場合は十分な導電性が得られず、50重量部を超える場合、導電性は十分であるが表面がブリーディングしてしまい物性に悪い影響を及ぼす場合がある。
本発明の導電性樹脂組成物を得る方法としては、樹脂にイオン導電性高分子組成物を加えて混合しフィルム状あるいはシート状等に成型する一般的な方法であればなんでもよい。
一例としては、末端水酸基を有するポリエチレン主鎖とポリアルキレンオキサイドとのグラフト重合体を加熱溶融し、所定量のトリフルオロ酢酸リチウムを加え、加熱混練してイオン導電性高分子組成物を調製し、ついで所定量の樹脂に、先に調製したイオン導電性高分子組成物の所定量を加え、混練した後、成型する方法があげられる。
本発明に用いられる樹脂としては、熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂を好適に使用することができ、より具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリオレフィン系樹脂及びその組成物、ポリアセタール、ポリアクリレート、アクリル樹脂及びその組成物、ポリフェニレンエーテル(以下PPEと略記)、PPE/ポリスチレン、PPE/ポリアミド(以下PAと略記)、PPE/ポリブチレンテレフタレート(以下PBTと略記)等のポリフェニレンエーテル系樹脂及びその組成物、ポリエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略記)、PBT/ABS等のポリエステル系樹脂及びその組成物、ポリカーボネート(以下PCと略記)、PC/ABS、PC/PET、PC/PBT等ポリカーボネート系樹脂及びその組成物、ポリウレタン及びその組成物、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド系樹脂及びその組成物、ポリサルホン等が挙げられる。導電性に優れる点からより好ましくは、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は1種または2種以上混合して用いられる。
次に、導電性樹脂組成物の別の構成について詳細に説明する。
本発明の導電性樹脂組成物は、トリフルオロ酢酸リチウムがゴム又は発泡体ゴムに添加され、成型されてなる導電性樹脂組成物であり、好ましくはゴムまたは発泡体ゴム100重量部に対し、トリフルオロ酢酸リチウムを0.1重量部から20.0重量部の割合で添加され、成型されている導電性樹脂組成物である。
トリフルオロ酢酸リチウムの添加量がゴム又は発泡体ゴムに対して0.1重量部に満たない場合は十分な導電性が得られず、20.0重量部を超える場合、導電性は十分であるが、ゴム表面の粗さや硬度などに悪い影響を及ぼす。
当該導電性樹脂組成物において、ゴム又は発泡体ゴムは特に制限されないが、具体的にはウレタン系ゴム、アクリル系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、シリコン系ゴム、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体ウレタンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムなどから選択されたゴム又は発泡体ゴムを好適に例示できる。
本発明の導電性樹脂組成物はカーボンブラックや金属酸化物などを含まず、トリフルオロ酢酸リチウムを含有したイオン導電性発泡体ゴムであるため、導電性ロールに用いた場合、硬度が低く柔軟性に優れている。そのため導電性ロールと感光体の接触性が良好で均一なニップが得られるようになる。
したがって本発明の導電性樹脂組成物を電子写真式の複写機等の導電性ロールに使用した場合、軟化剤を使用した低硬度層を形成させる必要がなく、また配合を最適化することにより良好な導電性が得られる為、外層に低抵抗層を形成させる必要がない。しかるに従来の導電性ロールよりも構造が単純化でき、製造コストを抑えることが可能となる。また、帯電ロールのみならず複写機等のクリーニングロール、現像ロールにも適用可能である。本発明の導電性樹脂組成物からなる導電性ゴムはイオン導電体にトリフルオロ酢酸リチウムを含有している為、従来よりも高い導電性を有する導電性ゴムが得られる。
以下、本発明について、実施例を挙げより詳細に説明する。なお、本発明は実施例により、なんら限定されない。尚、実施例中の「部」は「重量部」を表す。
実施例1
混練機中、温度70℃で加熱溶融したスミエード300G(住友化学工業社製、分子量4000、末端水酸基を有するポリエチレン主鎖とポリアルキレンオキサイドとのグラフト重合体)90部に、塩としてトリフルオロ酢酸リチウム(日本カーリット社製)10部を加えた後、加熱混練してイオン導電性高分子組成物を得、粘度計(レオメーターCR−500DX、サン科学社製)にて粘度を測定した。ついでテストロール機(HR−2型、日新科学社製)中、温度100℃で加熱溶融したアクリル樹脂(アクリペットIR H−70;三菱レーヨン社製)100部に対し、先に得られたイオン導電性高分子組成物20部を添加し加熱混練し、厚さ1mmのシート状樹脂組成物に成型した。得られた導電性樹脂組成物について表面抵抗測定機(HT−210、三菱化学社製)を用い表面抵抗を測定した。その結果表面抵抗は2×107Ω/□であり帯電防止に十分な導電性が得られた。また表面にブリーディングが発生するか指触して確認したところブリーディングは見られなかった。さらにシート状樹脂組成物を相対湿度95%、温度60℃の環境下にて、72時間アルミ板と密着させたが、アルミ板の腐食は見られなかった。結果を表1に示す。
混練機中、温度70℃で加熱溶融したスミエード300G(住友化学工業社製、分子量4000、末端水酸基を有するポリエチレン主鎖とポリアルキレンオキサイドとのグラフト重合体)90部に、塩としてトリフルオロ酢酸リチウム(日本カーリット社製)10部を加えた後、加熱混練してイオン導電性高分子組成物を得、粘度計(レオメーターCR−500DX、サン科学社製)にて粘度を測定した。ついでテストロール機(HR−2型、日新科学社製)中、温度100℃で加熱溶融したアクリル樹脂(アクリペットIR H−70;三菱レーヨン社製)100部に対し、先に得られたイオン導電性高分子組成物20部を添加し加熱混練し、厚さ1mmのシート状樹脂組成物に成型した。得られた導電性樹脂組成物について表面抵抗測定機(HT−210、三菱化学社製)を用い表面抵抗を測定した。その結果表面抵抗は2×107Ω/□であり帯電防止に十分な導電性が得られた。また表面にブリーディングが発生するか指触して確認したところブリーディングは見られなかった。さらにシート状樹脂組成物を相対湿度95%、温度60℃の環境下にて、72時間アルミ板と密着させたが、アルミ板の腐食は見られなかった。結果を表1に示す。
実施例2
混練機中、温度70℃で加熱溶融したスミエード300G90部に、塩としてトリフルオロ酢酸リチウム10部を加えた後、加熱混練してイオン導電性高分子組成物を得た。ついでテストロール機中、温度180℃で加熱溶融したポリウレタン樹脂(パンデックスT−8190N;大日本インキ化学工業社製)100部に先に得られたイオン導電性高分子組成物40部を添加し加熱混練し、厚さ1mmのシート状樹脂組成物に成型した。実施例1と同様にして粘度、表面抵抗、ブリーディングの有無、アルミ板への腐食性を調べた。その結果表面抵抗は2×107Ω/□であり帯電防止に十分な導電性が得られた。また表面にブリーディングは見られず、アルミ板への腐食も見られなかった。結果を表1に示す。
混練機中、温度70℃で加熱溶融したスミエード300G90部に、塩としてトリフルオロ酢酸リチウム10部を加えた後、加熱混練してイオン導電性高分子組成物を得た。ついでテストロール機中、温度180℃で加熱溶融したポリウレタン樹脂(パンデックスT−8190N;大日本インキ化学工業社製)100部に先に得られたイオン導電性高分子組成物40部を添加し加熱混練し、厚さ1mmのシート状樹脂組成物に成型した。実施例1と同様にして粘度、表面抵抗、ブリーディングの有無、アルミ板への腐食性を調べた。その結果表面抵抗は2×107Ω/□であり帯電防止に十分な導電性が得られた。また表面にブリーディングは見られず、アルミ板への腐食も見られなかった。結果を表1に示す。
実施例3
ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック共重合体90部に、塩としてトリフルオロ酢酸リチウム塩10部を加えてイオン導電性高分子組成物を得た。ついでテストロール機中、温度250℃で加熱溶融したポリエステル樹脂のポリブチレンテレフタレート(大日本インキ化学工業社製)100部に先に得られたイオン導電性高分子組成物10部を添加し加熱混練し、厚さ1mmのシート状樹脂組成物に成型した。実施例1と同様にして粘度、表面抵抗、ブリーディングの有無、アルミ板への腐食性を調べた。その結果表面抵抗は5×107Ω/□であり帯電防止に十分な導電性が得られた。また表面にブリーディングは見られず、アルミ板への腐食も見られなかった。結果を表1に示す。
ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとのブロック共重合体90部に、塩としてトリフルオロ酢酸リチウム塩10部を加えてイオン導電性高分子組成物を得た。ついでテストロール機中、温度250℃で加熱溶融したポリエステル樹脂のポリブチレンテレフタレート(大日本インキ化学工業社製)100部に先に得られたイオン導電性高分子組成物10部を添加し加熱混練し、厚さ1mmのシート状樹脂組成物に成型した。実施例1と同様にして粘度、表面抵抗、ブリーディングの有無、アルミ板への腐食性を調べた。その結果表面抵抗は5×107Ω/□であり帯電防止に十分な導電性が得られた。また表面にブリーディングは見られず、アルミ板への腐食も見られなかった。結果を表1に示す。
実施例4
ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロック共重合体に、塩としてトリフルオロ酢酸リチウム10部を加えてイオン導電性高分子組成物を得た。ついでテストロール機中、温度220℃で加熱溶融したポリアミド樹脂のナイロン612(ダイアナミド1700ダイセルヒュルス社製)100部に先に得られたイオン導電性高分子組成物5部を添加し加熱混練し、厚さ1mmのシート状樹脂組成物に成型した。実施例1と同様にして粘度、表面抵抗、ブリーディングの有無、アルミ板への腐食性を調べた。その結果表面抵抗は5×107Ω/□であり帯電防止に十分な導電性が得られた。また表面にブリーディングは見られず、アルミ板への腐食も見られなかった。結果を表1に示す。
ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロック共重合体に、塩としてトリフルオロ酢酸リチウム10部を加えてイオン導電性高分子組成物を得た。ついでテストロール機中、温度220℃で加熱溶融したポリアミド樹脂のナイロン612(ダイアナミド1700ダイセルヒュルス社製)100部に先に得られたイオン導電性高分子組成物5部を添加し加熱混練し、厚さ1mmのシート状樹脂組成物に成型した。実施例1と同様にして粘度、表面抵抗、ブリーディングの有無、アルミ板への腐食性を調べた。その結果表面抵抗は5×107Ω/□であり帯電防止に十分な導電性が得られた。また表面にブリーディングは見られず、アルミ板への腐食も見られなかった。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、塩として過塩素酸リチウム10部を加えた以外は実施例1と同様にしてシート状樹脂組成物を得た。実施例1と同様にして粘度、表面抵抗、ブリーディングの有無、アルミ板への腐食性を調べた。その結果表面抵抗は2×108Ω/□であった。また表面にブリーディングが見られ、アルミ板への腐食も見られた。結果を表1に示す。
実施例1において、塩として過塩素酸リチウム10部を加えた以外は実施例1と同様にしてシート状樹脂組成物を得た。実施例1と同様にして粘度、表面抵抗、ブリーディングの有無、アルミ板への腐食性を調べた。その結果表面抵抗は2×108Ω/□であった。また表面にブリーディングが見られ、アルミ板への腐食も見られた。結果を表1に示す。
比較例2
実施例2において、塩として過塩素酸リチウム10部を加えた以外は実施例2と同様にしてシート状樹脂組成物を得た。実施例1と同様にして粘度、表面抵抗、ブリーディングの有無、アルミ板への腐食性を調べた。その結果表面抵抗は5×108Ω/□であった。また表面にブリーディングは見られ、アルミ板への腐食も見られた。結果を表1に示す。
実施例2において、塩として過塩素酸リチウム10部を加えた以外は実施例2と同様にしてシート状樹脂組成物を得た。実施例1と同様にして粘度、表面抵抗、ブリーディングの有無、アルミ板への腐食性を調べた。その結果表面抵抗は5×108Ω/□であった。また表面にブリーディングは見られ、アルミ板への腐食も見られた。結果を表1に示す。
実施例5〜8
イオン導電性発泡体ゴムを作製するため、まず表2に記載の通り、各種発泡材料にそれぞれトリフルオロ酢酸リチウムを添加混合し、次いで成型用金型に流し込み、加熱により発泡及び架橋を行って、各発泡体ゴムを得た。(実施例5〜8とする。)
イオン導電性発泡体ゴムを作製するため、まず表2に記載の通り、各種発泡材料にそれぞれトリフルオロ酢酸リチウムを添加混合し、次いで成型用金型に流し込み、加熱により発泡及び架橋を行って、各発泡体ゴムを得た。(実施例5〜8とする。)
こうして得られた各発泡体ゴムについて、JIS K 6253に準じてゴム硬度を測定した。また、発泡体ゴムの導電性を知る為に、比抵抗測定器により比抵抗を測定した。これらの結果を表2に示した。
比較例3〜5
比較のイオン導電性発泡体ゴムを作製するため、まず表2に記載の通り、各種発泡材料にトリフルオロ酢酸リチウムに変えそれぞれカーボンブラック、過塩素酸リチウム及びTiO2からなる導電剤を添加混合し、次いで成型用金型に流し込み、加熱により発泡及び架橋を行って、各発泡体ゴムを得た。(比較例3〜5とする。)
比較のイオン導電性発泡体ゴムを作製するため、まず表2に記載の通り、各種発泡材料にトリフルオロ酢酸リチウムに変えそれぞれカーボンブラック、過塩素酸リチウム及びTiO2からなる導電剤を添加混合し、次いで成型用金型に流し込み、加熱により発泡及び架橋を行って、各発泡体ゴムを得た。(比較例3〜5とする。)
こうして得られた各発泡体ゴムについて、JIS K 6253に準じてゴム硬度を測定した。また、発泡体ゴムの導電性を知る為に、比抵抗測定器により比抵抗を測定した。これらの結果を表2に示した。
尚、表中に示した各材料は以下に記すものを使用した。
ウレタン :ニッポラン5199;日本ポリウレタン工業社製
エピクロルヒドリンゴム :エピクロマーCG−102;ダイソー社製
アクリル :アクリルラテックスAE832;JSR社製
カーボンブラック :トーカ#5500;東海カーボン社製
トリフルオロ酢酸リチウム:日本カーリット社製
過塩素酸リチウム :日本カーリット社製
TiO2 :タイペークET500W;石原産業社製
ウレタン :ニッポラン5199;日本ポリウレタン工業社製
エピクロルヒドリンゴム :エピクロマーCG−102;ダイソー社製
アクリル :アクリルラテックスAE832;JSR社製
カーボンブラック :トーカ#5500;東海カーボン社製
トリフルオロ酢酸リチウム:日本カーリット社製
過塩素酸リチウム :日本カーリット社製
TiO2 :タイペークET500W;石原産業社製
Claims (11)
- トリフルオロ酢酸リチウムが含有されていることを特徴とする導電性付与剤。
- トリフルオロ酢酸リチウムとポリエーテルポリオール類とが含有されていることを特徴とする請求項1に記載の導電性付与剤。
- 前記ポリエーテルポリオール類が、末端に水酸基を有するポリエーテルポリオール、末端に水酸基を有するポリアルキレングリコール、及び末端に水酸基を有するポリエチレン主鎖とポリアルキレンオキサイドとのグラフト重合体からなる群から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項2に記載の導電性付与剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の導電性付与剤において、トリフルオロ酢酸リチウムの含有量が0.1〜20重量部であることを特徴とする導電性付与剤。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の導電性付与剤が樹脂に添加され、成型されてなることを特徴とする導電性樹脂組成物。
- 前記樹脂が、熱硬化性樹脂及び/又は熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項5に記載の導電性樹脂組成物。
- 前記樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、及びエポキシ樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一つの樹脂であることを特徴とする請求項5又は6に記載の導電性樹脂組成物。
- 請求項5〜7のいずれかに記載の導電性樹脂組成物において、前記樹脂100重量部に対し、前記導電性付与剤が1〜50重量部添加され、成型されてなることを特徴とする導電性樹脂組成物。
- トリフルオロ酢酸リチウムがゴム又は発泡体ゴムに添加され、成型されてなることを特徴とする導電性樹脂組成物。
- 前記ゴム又は発泡体ゴムが、ウレタン系ゴム、アクリル系ゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、エピクロルヒドリン−エチレンオキサイド共重合ゴム、シリコン系ゴム、フルオロオレフィンビニルエーテル共重合体ウレタンゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴムからなる群から選ばれる少なくとも一つからなるゴム又は発泡体ゴムであることを特徴とする請求項9に記載の導電性樹脂組成物。
- 請求項9又は10に記載の導電性樹脂組成物において、前記ゴム又は発泡体ゴム100重量部に対し、トリフルオロ酢酸リチウムが0.1〜20重量部添加され、成型されてなることを特徴とする導電性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006017002A JP2007197542A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | 導電性付与剤及び導電性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006017002A JP2007197542A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | 導電性付与剤及び導電性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007197542A true JP2007197542A (ja) | 2007-08-09 |
Family
ID=38452461
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006017002A Pending JP2007197542A (ja) | 2006-01-26 | 2006-01-26 | 導電性付与剤及び導電性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2007197542A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111386074A (zh) * | 2018-01-15 | 2020-07-07 | Nok株式会社 | 生物电极 |
CN112566982A (zh) * | 2018-08-22 | 2021-03-26 | 株式会社大阪曹达 | 含树脂的橡胶组合物 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63243155A (ja) * | 1987-03-30 | 1988-10-11 | Sekisui Chem Co Ltd | 塩化ビニル系導電性樹脂組成物 |
JPH01101150A (ja) * | 1987-10-14 | 1989-04-19 | Sekisui Chem Co Ltd | 合成樹脂成形体の帯電防止方法 |
JPH01223134A (ja) * | 1988-03-02 | 1989-09-06 | Sekisui Chem Co Ltd | 合成樹脂成形体の帯電防止方法 |
JPH10130488A (ja) * | 1996-10-29 | 1998-05-19 | Japan Carlit Co Ltd:The | イオン導電性高分子組成物及びこれを含有する樹脂組成物 |
-
2006
- 2006-01-26 JP JP2006017002A patent/JP2007197542A/ja active Pending
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63243155A (ja) * | 1987-03-30 | 1988-10-11 | Sekisui Chem Co Ltd | 塩化ビニル系導電性樹脂組成物 |
JPH01101150A (ja) * | 1987-10-14 | 1989-04-19 | Sekisui Chem Co Ltd | 合成樹脂成形体の帯電防止方法 |
JPH01223134A (ja) * | 1988-03-02 | 1989-09-06 | Sekisui Chem Co Ltd | 合成樹脂成形体の帯電防止方法 |
JPH10130488A (ja) * | 1996-10-29 | 1998-05-19 | Japan Carlit Co Ltd:The | イオン導電性高分子組成物及びこれを含有する樹脂組成物 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111386074A (zh) * | 2018-01-15 | 2020-07-07 | Nok株式会社 | 生物电极 |
CN112566982A (zh) * | 2018-08-22 | 2021-03-26 | 株式会社大阪曹达 | 含树脂的橡胶组合物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8275293B2 (en) | Conductive member, charging device, process cartridge, and image forming device | |
US8445113B2 (en) | Electro-conductive member for electrophotography, electrophotographic apparatus, and process cartridge | |
JP5146983B2 (ja) | 導電性ゴム部材 | |
JP5146982B2 (ja) | 導電性ゴム部材 | |
JP4187754B2 (ja) | 転写ローラ及び画像形成装置 | |
JP6519362B2 (ja) | 導電性部材、帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 | |
JP2010072115A (ja) | 導電性ロール | |
JP5500574B2 (ja) | 導電性ゴム部材 | |
JP5079985B2 (ja) | 導電性ロール | |
JP2011033838A (ja) | トナー供給ロール | |
JP2008250101A (ja) | 導電性ロール | |
JP7319907B2 (ja) | 電子写真機器用導電性ロール | |
US10656555B2 (en) | Development roll for electrophotography device | |
JP2007197542A (ja) | 導電性付与剤及び導電性樹脂組成物 | |
JP4117830B2 (ja) | 導電性ローラ | |
JP2007197541A (ja) | 導電性付与剤及び導電性樹脂組成物 | |
JP2017116685A (ja) | 電子写真機器用導電性部材 | |
JP5724087B2 (ja) | 導電性ゴム部材及び帯電ロール | |
US9477169B1 (en) | Elastic member, process cartridge, and image-forming apparatus | |
JP2007199599A (ja) | 帯電ローラ | |
JP2017156396A (ja) | 電子写真機器用帯電ロール | |
CN107229204B (zh) | 导电部件、处理盒和图像形成设备 | |
JP2003342466A (ja) | 半導電性熱可塑性ポリウレタン組成物、および該組成物からなるシームレスベルト | |
JP2004269805A (ja) | 導電性付与剤及び導電性材料 | |
JP2024137526A (ja) | 導電性部材、帯電装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20081209 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20110608 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110613 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20111012 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |