JP2007195374A - 地絡保護継電器システム - Google Patents

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Abstract

【課題】地絡発生回数の大幅な削減および作業時間の大幅な短縮を図ることができる地絡方向継電器の試験機能を備えた地絡保護継電器システムを提供する。
【解決手段】地絡保護継電器システム1は、母線101に地絡を発生させるための地絡発生装置10と、複数の配電線1021〜1023に地絡事故が発生した場合に複数の遮断器1331〜1333を動作させるための複数の地絡方向継電器2101〜2103を備える継電器部と、接地形計器用変圧器103から入力される零相電圧V0、地絡発生装置10から入力される地絡電流Igおよび複数の零相変流器1341〜1343から入力される零相電流I01〜I03に基づいて複数の地絡方向継電器1351〜1353の試験を行うための試験部とからなる試験機能付一体型継電器200と、両端が地絡発生装置10に接続されたかつ複数の零相変流器1341〜1343を貫通する直列貫通線20とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、地絡保護継電器システムに関し、特に、母線に地絡を人工的に発生させてこの母線の系統の複数の配電線にそれぞれ設けられた複数の地絡方向継電器の1次試験を行う機能を備えた地絡保護継電器システムに関する。
配電線に地絡事故が発生した場合に遮断器(CB)を動作させるための地絡保護継電器である地絡方向継電器(DG)の整定値(動作点)は対地線路特性に基づいて決められているが、配電線の亘長は毎年変わるため、地絡方向継電器の整定値も調整する必要がある。そのため、電力会社では、配電線人工地絡試験を毎年1回行って、地絡方向継電器の整定値を調整している。
従来、このような配電線人工地絡試験は、図7に示すように、地絡発生装置110と試験器120と接続線130とを用いて行われている。
地絡発生装置110は、3相(赤相R、白相Wおよび青相B)の母線101の1相(ここでは、赤相R)に地絡を人工的に発生させるためのものであり、接触棒111と、入力端子が接触棒111に接続されたスイッチ112と、一方の端子がスイッチ112の出力端子に接続されたパワーフューズ113と、一方の端子がパワーフューズ113の他方の端子に接続された地絡抵抗器114(地絡抵抗=3,000Ω)と、変流器からなる接地回路115とを備える。
試験器120は、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の内部方向試験(自回線事故時の試験)および外部方向試験(他回線事故時の試験)時の母線101に設けられた接地形計器用変圧器(GPT)103から入力される零相電圧V0、地絡発生装置110の接地回路115から入力される地絡電流Igおよび第1乃至第3の零相変流器(ZCT)1341〜1343から入力される第1乃至第3の零相電流I01〜I03に基づいて、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の試験を行うためのものである。
まず、第1の地絡方向継電器2101の内部方向試験を行うために、作業員は、地絡電流Igが母線101から第1の配電線1021の末端に向けて(すなわち、図示右方向に)流れるように、接続線130を第1の零相変流器1341の第1の試験用貫通線1371に接続する。ここで、第1の零相変流器1341は2つの断路器(DS)1311,1312の間に設けられており、また、第1の遮断器1331が母線101側の断路器1311と第1の零相変流器1341との間に設けられている。
その後、作業員は、地絡発生装置110の接触棒111を母線101の赤相Rに接触させたのち、スイッチ112を瞬時の間だけ押す。これにより、母線101の赤相Rが人工的に地絡されて、第1乃至第3の配電線1021〜1023には、第1乃至第3の1次電流I1〜I3が第1乃至第3の配電線1021〜1023の末端から母線101に向けて(すなわち、図示左方向に)それぞれ流れる。
また、第1乃至第3の1次電流I1〜I3の合成電流である地絡電流Ig(=I1+I2+I3)が母線101→接触棒111→スイッチ112→パワーフューズ113→地絡抵抗器114→接続線130→第1の試験用貫通線1371→接続線130→接地回路115という電流経路を流れる。
このとき、第1の零相変流器1341には地絡電流Igとは逆方向に第1の1次電流I1が流れるため、地絡電流Igから第1の1次電流I1を引いた電流Ig−I1(=I2+I3)に相当する第1の零相電流I01が第1の地絡方向継電器2101に入力される。
試験器120は、接地回路115から入力される地絡電流Igと、接地形計器用変圧器103から入力される零相電圧V0と、第1の零相変流器1341から第1の地絡方向継電器2101を介して入力される第1の零相電流I01とを測定する。
このようにして第1の地絡方向継電器2101の内部方向試験が終了すると、作業員は、接触棒111を母線101の赤相Rから離すとともに、接続線130を第1の試験用貫通線1371から外す。
続いて、第1の地絡方向継電器2101の外部方向試験を行うために、作業員は、接続線130の両端を接続して、地絡抵抗器114と接地回路115とを直接接続する。
その後、作業員は、接触棒111を母線101の赤相Rに所定の時間だけ接触させたのち、スイッチ112を瞬時の間だけ押す。これにより、母線101の赤相Rが人工的に地絡されて、第1乃至第3の配電線1021〜1023には、第1乃至第3の1次電流I1〜I3が第1乃至第3の配電線1021〜1023の末端から母線101に向けてそれぞれ流れる。
また、第1乃至第3の1次電流I1〜I3の合成電流である地絡電流Ig(=I1+I2+I3)が母線101→接触棒111→スイッチ112→パワーフューズ113→地絡抵抗器114→接続線130→接地回路115という電流経路を流れる。
このとき、第1の零相変流器1341には第1の1次電流I1しか流れないため、第1の1次電流I1に相当する第1の零相電流I01が第1の地絡方向継電器2101に入力される。
試験器120は、接地回路115から入力される地絡電流Igと、接地形計器用変圧器103から入力される零相電圧V0と、第1の零相変流器1341から第1の地絡方向継電器2101を介して入力される第1の零相電流I01とを測定する。
試験器120は、内部方向試験において測定した地絡電流Ig、零相電圧V0および第1の零相電流I01と、外部方向試験において測定した地絡電流Ig、零相電圧V0および第1の零相電流I01とに基づいて、第1の地絡方向継電器2101の整定値を調整する。試験器120は、調整した整定値に対応する試験用零相電圧V0’および第1の試験用零相電流I01’を第1の地絡方向継電器2101に出力して、第1の地絡方向継電器2101から入力されるリレー接点動作信号S1に基づいて第1の地絡方向継電器2101の応答動作を確認する。
このようにして第1の地絡方向継電器2101の試験が終了すると、作業員は、第2の地絡方向継電器2102の内部方向試験および外部方向試験を同様にして行うことにより第2の地絡方向継電器2102の試験を行ったのち、第3の地絡方向継電器2103の内部方向試験および外部方向試験を同様にして行うことにより第3の地絡方向継電器2103の試験を行う。
なお、下記の特許文献1には、人工地絡試験を半自動化し、作業量の低減と試験時間の短縮および危険防止を促進するために、配電線路を人工地絡させる地絡装置の開閉制御を行う地絡装置制御部と、零相電圧、地絡電流などの高速サンプリングを行う測定部と、地絡保護リレーの試験信号として模擬零相電圧および模擬地絡電流を発生し、地絡保護リレーの動作値を測定するリレー試験回路部と、これら各部を制御するとともに、測定部の出力データに対して所定の演算を行い、試験信号発生のための基礎データとなる線路の地絡特性を求めるマイクロコンピュータ部とを具備した、配電線を瞬時的に人工地絡させて対地線路特性の測定と地絡保護継電器の動作試験を行う配電線人工地絡試験装置が開示されている。
特開平2−105073号公報
しかしながら、上述したような配電線人工地絡試験方法では、1つの配電線の外部方向試験をこの配電線以外の配電線の内部方向試験と兼ねて行うことができるが、それでも合計で配電線数と同じ回数ほど地絡を人工的に発生させる必要があるため、運転中の配電線に何度も対地電圧の変動を与えるとともに作業員の感電の危険性があるという問題があった。
また、地絡方向継電器の内部方向試験を行う際に、地絡発生装置の接続線を各配電線の零相変流器の試験用貫通線に接続するのに時間を要して効率的でないほか、誤配線の恐れもあるという問題があった。
さらに、地絡方向継電器は配電線ごとに設けられているため、地絡方向継電器のロック操作および接点取込みの配線接続に時間がかかり、作業時間が長くなるという問題があった。
本発明の目的は、地絡発生回数の大幅な削減および作業時間の大幅な短縮を図ることができる地絡方向継電器の試験機能を備えた地絡保護継電器システムを提供することにある。
本発明の地絡保護継電器システムは、母線(101)に地絡を発生させるための地絡発生装置(10)と、前記母線の系統の複数の配電線(1021〜1023)に地絡事故が発生した場合に該複数の配電線にそれぞれ設けられた複数の遮断器(1331〜1333)を動作させるための複数の地絡方向継電器(2101〜2103)を備える継電器部と、前記母線に設けられた接地形計器用変圧器(103)から入力される零相電圧(V0)、前記地絡発生装置から入力される地絡電流(Ig)および前記複数の配電線にそれぞれ設けられた複数の零相変流器(1341〜1343)から入力される零相電流(I01〜I03)に基づいて前記複数の地絡方向継電器の試験を行うための試験部とからなる試験機能付一体型継電器(200)と、両端が前記地絡発生装置に接続された、かつ、前記複数の零相変流器を貫通する直列貫通線(20)とを具備することを特徴とする。
ここで、前記直列貫通線が、前記複数の零相変流器内を前記母線から前記複数の配電線の末端に向けて前記地絡電流がそれぞれ流れるように、該複数の零相変流器をそれぞれ貫通していてもよい。
前記試験機能付一体型継電器の前記継電器部が、前記接地形計器用変圧器から入力される前記零相電圧に基づいて動作する地絡過電圧継電器(211)をさらに備えてもよい。
前記試験機能付一体型継電器の前記試験部が、前記複数の零相変流器からそれぞれ入力される前記複数の零相電流を測定する零相電流測定部(221)と、前記接地形計器用変圧器から入力される前記零相電圧を測定する零相電圧測定部(222)と、前記地絡発生装置から入力される前記地絡電流を測定する地絡電流測定部(223)と、前記零相電流測定部によって測定された前記複数の零相電流、前記零相電圧測定部によって測定された前記零相電圧および前記地絡電流測定部によって測定された前記地絡電流に基づいて前記複数の地絡方向継電器の整定値を調整するとともに、該調整した整定値に対応する試験用零相電圧(V0’)および複数の試験用零相電流(I01’〜I03’)を前記複数の地絡方向継電器に出力する整定値調整部(224)と、該整定値調整部から前記試験用零相電圧および前記複数の試験用零相電流を出力したときに前記複数の地絡方向継電器から入力される複数のリレー接点動作信号(S1〜S3)に基づいて、該複数の地絡方向継電器の応答動作を確認する制御部(230)とを備えてもよい。
前記整定値調整部が、前記複数の試験用零相電流を前記複数の地絡方向継電器に直列に出力してもよい。
前記試験機能付一体型継電器の前記試験部が、外部からの試験・整定指令信号に基づいて、前記複数の地絡方向継電器の試験機能およびモード変更の要求を前記制御部に出力する試験・整定指令入力部(228)をさらに備えてもよい。
前記試験機能付一体型継電器の前記試験部が、外部から前記試験・整定指令信号を受信して前記試験・整定指令入力部に出力するとともに、前記試験・整定結果出力部からの試験結果および整定結果を整理した試験・整定結果データを外部に送信する伝送制御部(231)をさらに備えてもよい。
前記試験機能付一体型継電器の前記試験部が、前記複数の地絡方向継電器の試験の開始時に複数のトリップ信号(T1〜T3)の該複数の地絡方向継電器からの出力をロックするトリップ出力ロック部(225)と、前記複数の地絡方向継電器から入力される前記複数のリレー接点動作信号に基づいて、前記地絡発生装置を用いて前記母線に地絡を人工的に発生させたときから前記複数の地絡方向継電器が動作するまでの時間を算出する動作時間算出部(226)と、前記制御部から入力される試験結果および整定結果を整理して外部に出力する試験・整定結果出力部(229)とをさらに備えてもよい。
前記地絡発生装置が、入力端子が前記母線の1つの相に接続された第1のスイッチ(12)と、該第1のスイッチから出力される前記地絡電流が入力される地絡抵抗器(14)と、入力端子が前記地絡抵抗器の出力端子に接続された第2のスイッチ(17)と、該第2のスイッチの第2の出力端子に接続された接地回路(15)とを備え、前記直列貫通線の一端が前記第2のスイッチの第1の出力端子に接続され、該直列貫通線の他端が前記第2のスイッチの前記第2の出力端子に接続され、前記地絡電流が前記接地回路から前記試験機能付一体型継電器に出力され、前記試験機能付一体型継電器の前記試験部が、前記第1のスイッチの開閉制御をするとともに、前記第2のスイッチの切換制御をするスイッチ制御手段(227)を備えてもよい。
前記地絡発生装置が、前記第1のスイッチの代わりに、第1乃至第3の入力端子が前記母線の3つの相にそれぞれ接続された第3のスイッチ(31)を備え、前記スイッチ制御手段が、前記第3のスイッチの切換制御をしてもよい。
前記地絡発生装置が、入力端子が前記第3のスイッチの出力端子に接続された第5のスイッチ(61)をさらに備えてもよい。
前記地絡発生装置が、前記地絡抵抗器として、地絡抵抗を変えることができかつ抵抗値を確認できる地絡可変抵抗器(41)を備えてもよい。
前記地絡発生装置が、前記第2のスイッチの代わりに、2端子スイッチである第4のスイッチ(51)を備え、前記直列貫通線の一端が前記第4のスイッチの入力端子に接続され、該直列貫通線の他端が該第4のスイッチの出力端子に接続されており、前記スイッチ制御手段が、前記第4のスイッチの開閉制御をしてもよい。
リアクトル接地方式の配電線がある場合には、前記母線のペテンゼルコイルのリアクタンスを変えることができるとともに該リアクタンスの値を認識できるリアクタンス可変・認識手段をさらに具備してもよい。
本発明の地絡保護継電器システムは、以下の効果を奏する。
(1)母線に地絡を2回発生するだけで複数の地絡方向継電器の内部方向試験および外部方向試験を行うことができるので、地絡発生回数の大幅な削減を図ることができる。
(2)図7に示した接続線130を第1乃至第3の試験用貫通線1371〜1373に接続したり外したりする必要がなく、地絡発生装置のスイッチ操作により複数の地絡方向継電器の内部方向試験および外部方向試験を行うことができるので、作業時間の大幅な短縮を図ることができる。
(3)地絡発生装置を母線に常に接続しておくため、接触棒を用いて母線に地絡を発生させる必要はないので、作業員が感電する危険性をなくすことができる。
(4)上記特許文献1に開示されている配電線人工地絡試験装置のように、作業の安全性を確保するために切替母線に地絡を発生させる必要は必ずしもない。
(5)複数の地絡方向継電器を一体化しているため、地絡方向継電器のロック操作および接点取込みを容易に行うことができるので、作業時間の大幅な短縮が図れる。
地絡発生回数の大幅な削減および作業時間の大幅な短縮を図ることができる地絡方向継電器の試験機能を備えるという目的を、複数の地絡方向継電器を備える継電器部と、接地形計器用変圧器から入力される零相電圧、地絡発生装置から入力される地絡電流および複数の零相変流器から入力される零相電流に基づいて複数の地絡方向継電器の試験を行うための試験部とからなる試験機能付一体型継電器を用いるとともに、両端が地絡発生装置に接続されたかつ複数の零相変流器を貫通する直列貫通線を用いることにより実現した。
以下、本発明の地絡保護継電器システムの実施例について、図面を参照して説明する。なお、母線101の系統として3つの配電線(第1乃至第3の配電線1021〜1023)がある場合を例として説明する。
本発明の一実施例による地絡保護継電器システム1は、図1に示すように、地絡発生装置10と、試験機能付一体型継電器200と、直列貫通線20とを具備する。
地絡発生装置10は、3相(赤相R、白相Wおよび青相B)の母線101の1相(ここでは、赤相R)に地絡を人工的に発生させるためのものであり、入力端子が母線101の赤相Rに接続された第1のスイッチ12と、一方の端子が第1のスイッチ12の出力端子に接続されたパワーフューズ13(保護手段)と、一方の端子がパワーフューズ13の他方の端子に接続された地絡抵抗器14(地絡抵抗=3,000Ω)と、入力端子が地絡抵抗器14の他方の端子に接続された第2のスイッチ17と、第2のスイッチ17の第2の出力端子に接続されたかつ変流器からなる接地回路15とを備える。
ここで、第1のスイッチ12は、試験機能付一体型継電器200のスイッチ制御表示部227(図2参照)からの第1のスイッチ制御信号SW1によって開閉制御され、また、第2のスイッチ17は、スイッチ制御表示部227からの第2のスイッチ制御信号SW2によって切換制御される。
試験機能付一体型継電器200は、継電器部と試験部とから構成されている。
継電器部は、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103と、地絡過電圧継電器211とを備える。
第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103は、母線101に設けられた接地形計器用変圧器103から入力される零相電圧V0と、第1乃至第3の配電線1021〜1023にそれぞれ設けられた第1乃至第3の零相変流器1341〜1343(図1参照)から入力される第1乃至第3の零相電流I01〜I03とに基づいて、第1乃至第3の配電線1021〜1023にそれぞれ設けられた第1乃至第3の遮断器1331〜1333(図1参照)に出力する第1乃至第3のトリップ信号T1〜T3をそれぞれ生成する。
地絡過電圧継電器211は、接地形計器用変圧器103から入力される零相電圧V0に基づいて動作する。
試験部は、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の試験を行うためのものであり、零相電流測定部221と、零相電圧測定部222と、地絡電流測定部223と、整定値調整部224と、トリップ出力ロック部225と、動作時間算出部226と、スイッチ制御表示部227と、試験・整定指令入力部228と、試験・整定結果出力部229と、制御部230と、伝送制御部231とを備える。
零相電流測定部221は、第1乃至第3の零相変流器1341〜1343から入力される第1乃至第3の零相電流I01〜I03を測定して記憶する。
零相電圧測定部222は、接地形計器用変圧器103から入力される零相電圧V0を測定して記憶する。
地絡電流測定部223は、地絡発生装置10の接地回路15から入力される地絡電流Igを測定して記憶する。
整定値調整部224は、零相電流測定部221によって測定された第1乃至第3の零相電流I01〜I03と零相電圧測定部222によって測定された零相電圧V0と地絡電流測定部223によって測定された地絡電流Igとに基づいて第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の整定値を調整するとともに、調整した整定値に対応する試験用零相電圧V0’および第1乃至第3の試験用零相電流I01’〜I03’を生成して、生成した第1乃至第3の試験用零相電流I01’〜I03’を第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103にそれぞれ出力する。
トリップ出力ロック部225は、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の試験の開始時にトリップロック信号TLを第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103に出力して、第1乃至第3のトリップ信号T1〜T3の出力をロックする。なお、トリップ出力ロック部225は、トリップロック指令が外部から入力されると、トリップロック信号TLを第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103に出力することにより、現地で手動でトリップロックを行うことができるようにもされている。
動作時間算出部226は、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103から入力される第1乃至第3のリレー接点動作信号S1〜S3に基づいて、地絡発生装置10を用いて母線101に地絡を人工的に発生させたときから第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103が動作するまでの時間を算出して記憶する。
スイッチ制御表示部227は、制御部230の制御の下、地絡発生装置10の第1のスイッチ12の開閉制御をするための第1のスイッチ制御信号SW1を出力するとともに、地絡発生装置10の第2のスイッチ17の切換制御をするための第2のスイッチ制御信号SW2を出力する。また、スイッチ制御表示部227は、第1および第2のスイッチ12,17から入力されるかつ第1および第2のスイッチ12,17の状態を表わす第1および第2のスイッチ状態信号に基づいて、第1および第2のスイッチ12,17の状態を監視するとともに外部に表示する。
試験・整定指令入力部228は、外部から入力される試験・整定指令信号に基づいて、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の各試験機能およびモード変更(試験、整定、運転など)の要求を制御部230に出力する。
試験・整定結果出力部229は、制御部230から入力される試験結果および整定結果を整理して外部(たとえば、プリンタやパーソナルコンピュータなど)に出力する。
制御部230は、整定値調整部224から試験用零相電圧V0’および第1乃至第3の試験用零相電流I01’〜I03’を出力したときに第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103から動作時間算出部226を介して入力される第1乃至第3のリレー接点動作信号S1〜S3に基づいて、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の応答動作を確認する。また、制御部230は、試験結果および整定結果(調整後の整定値、動作時間および応答動作確認結果など)を試験・整定結果出力部229に出力する。さらに、制御部230は、試験・整定指令入力部228から入力される第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の各試験機能およびモード変更の要求に応じて、零相電流測定部221、零相電圧測定部222、地絡電流測定部223、整定値調整部224、トリップ出力ロック部225、動作時間算出部226、スイッチ制御表示部227、試験・整定指令入力部228および試験・整定結果出力部229を制御する。
伝送制御部231は、外部から試験・整定指令信号を受信して試験・整定指令入力部228に出力したり、試験・整定結果出力部229からの試験結果および整定結果を整理した試験・整定結果データを外部に送信したりする。
図1に示した直列貫通線20の一端は地絡発生装置10の第2のスイッチ17の第1の出力端子に接続され、直列貫通線20の他端は第2のスイッチ17の第2の出力端子に接続されている。また、直列貫通線20は、第2のスイッチ17の第1の出力端子から出力される地絡電流Igが第1乃至第3の零相変流器1341〜1343を母線101から第1乃至第3の配電線1021〜1023の末端に向けて(すなわち、図示右方向に)それぞれ流れるように、第1乃至第3の零相変流器1341〜1343を貫通している。
次に、本実施例による地絡保護継電器システム1の通常時の動作について説明する。
試験機能付一体型継電器200の制御部230は、地絡発生装置10の第1のスイッチ12を開かせる第1のスイッチ制御信号SW1と、第2のスイッチ17を中立位置にさせる第2のスイッチ制御信号SW2とを出力するように、スイッチ制御表示部227を制御する。
試験機能付一体型継電器200の地絡過電圧継電器211は、第1乃至第3の配電線1021〜1023に地絡事故が発生して接地形計器用変圧器103からの零相電圧V0が所定の電圧以上になると動作する。
試験機能付一体型継電器200の第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103は、接地形計器用変圧器103からの零相電圧V0と第1乃至第3の零相変流器1341〜1343からの第1乃至第3の零相電流I01〜I03とに基づいて第1乃至第3の配電線1021〜1023に地絡事故が発生したことを検出すると、第1乃至第3のトリップ信号T1〜T3を生成して第1乃至第3の遮断器1331〜1333に出力する。このとき、第1乃至第3のトリップ信号T1〜T3は、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103および地絡過電圧継電器211の両方が動作したら第1乃至第3の遮断器1331〜1333にそれぞれ出力される(図2の3つの論理積回路参照)。
次に、本実施例による地絡保護継電器システム1の試験時の動作について説明する。
試験機能付一体型継電器200の試験・整定指令入力部228は、内部方向試験および外部方向試験の開始を指示する試験・整定指令信号が外部または伝送制御部231から入力されると、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の試験開始の要求を制御部230に出力する。
試験機能付一体型継電器200の制御部230は、この要求を試験・整定指令入力部228から受け取ると、第1乃至第3のトリップ信号T1〜T3の出力をロックさせるトリップロック信号TLを第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103に出力するようにトリップ出力ロック部225を制御する。
また、制御部230は、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の内部方向試験を行うために、地絡発生装置10の第2のスイッチ17の入力端子と第1の出力端子とを接続させる第2のスイッチ制御信号SW2を出力するように、スイッチ制御表示部227を制御する。これにより、地絡発生装置10の第2のスイッチ17は、中立位置から入力端子・第1の出力端子接続位置に切り換えられる。
続いて、制御部230は、地絡発生装置10の第1のスイッチ12を瞬時の間だけ閉じさせる第1のスイッチ制御信号SW1を出力するように、スイッチ制御表示部227を制御する。
これにより、第1のスイッチ12が瞬時の間だけ閉じて、母線101の赤相Rが人工的に地絡される。その結果、第1乃至第3の配電線1021〜1023には、第1乃至第3の1次電流I1〜I3が第1乃至第3の配電線1021〜1023の末端から母線101に向けて(すなわち、図1図示左方向に)それぞれ流れる。
また、第1乃至第3の1次電流I1〜I3の合成電流である地絡電流Ig(=I1+I2+I3)が、母線101→第1のスイッチ12→パワーフューズ13→地絡抵抗器14→第2のスイッチ17の入力端子→第2のスイッチ17の第1の出力端子→直列貫通線20→第1の零相変流器1341→直列貫通線20→第2の零相変流器1342→直列貫通線20→第3の零相変流器1343→直列貫通線20→第2のスイッチ17の第2の出力端子→接地回路15という電流経路を流れる。なお、地絡電流Igは、試験機能付一体型継電器200の地絡電流測定部223によって測定されたのち記憶される。
このとき、第1の零相変流器1341には地絡電流Igとは逆方向に第1の1次電流I1が流れるため、地絡電流Igから第1の1次電流I1を引いた電流Ig−I1(=I2+I3)に相当する第1の零相電流I01が試験機能付一体型継電器200の零相電流測定部221に入力される。
また、第2の零相変流器1342には地絡電流Igとは逆方向に第2の1次電流I2が流れるため、地絡電流Igから第2の1次電流I2を引いた電流Ig−I2(=I3+I1)に相当する第2の零相電流I02が零相電流測定部221に入力される。
さらに、第3の零相変流器1343には地絡電流Igとは逆方向に第3の1次電流I3が流れるため、地絡電流Igから第3の1次電流I3を引いた電流Ig−I3(=I1+I2)に相当する第3の零相電流I03が零相電流測定部221に入力される。
なお、第1乃至第3の零相電流I01〜I03は、試験機能付一体型継電器200の零相電流測定部221によって測定されたのち記憶される。
接地形計器用変圧器103から試験機能付一体型継電器200に入力される零相電圧V0は、零相電圧測定部223によって測定されたのち記憶される。
その後、制御部230は、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の外部方向試験を行うために、地絡発生装置10の第2のスイッチ17の入力端子と第2の出力端子とを接続させる第2のスイッチ制御信号SW2を出力するように、スイッチ制御表示部227を制御する。これにより、地絡発生装置10の第2のスイッチ17は、入力端子・第1の出力端子接続位置から入力端子・第2の出力端子接続位置に切り換えられる。
続いて、制御部230は、地絡発生装置10の第1のスイッチ12を瞬時の間だけ閉じさせる第1のスイッチ制御信号SW1を出力するように、スイッチ制御表示部227を制御する。
これにより、母線101の赤相Rが人工的に地絡されて、第1乃至第3の配電線1021〜1023には、第1乃至第3の1次電流I1〜I3が第1乃至第3の配電線1021〜1023の末端から母線101に向けてそれぞれ流れる。
また、第1乃至第3の1次電流I1〜I3の合成電流である地絡電流Ig(=I1+I2+I3)が、母線101→第1のスイッチ12→パワーフューズ13→地絡抵抗器14→第2のスイッチ17の入力端子→第2のスイッチ17の第2の出力端子→接地回路15という電流経路を流れる。なお、地絡電流Igは、試験機能付一体型継電器200の地絡電流測定部223によって測定されたのち記憶される。
このとき、地絡電流Igは、直列貫通線20には出力されないので、第1乃至第3の零相変流器1341〜1343には流れない。
したがって、第1の零相変流器1341には第1の1次電流I1しか流れないため、第1の1次電流I1に相当する第1の零相電流I01が零相電流測定部221に入力される。
また、第2の零相変流器1342には第2の1次電流I2しか流れないため、第2の1次電流I2に相当する第2の零相電流I02が零相電流測定部221に入力される。
さらに、第3の零相変流器1343には第3の1次電流I3しか流れないため、第3の1次電流I3に相当する第3の零相電流I03が零相電流測定部221に入力される。
なお、第1乃至第3の零相電流I01〜I03は、試験機能付一体型継電器200の零相電流測定部221によって測定されたのち記憶される。
接地形計器用変圧器103から試験機能付一体型継電器200に入力される零相電圧V0は、零相電圧測定部223によって測定されたのち記憶される。
整定値調整部224は、内部方向試験において零相電流測定部221、零相電圧測定部222および地絡電流測定部223によってそれぞれ測定された第1乃至第3の零相電流I01〜I03、零相電圧V0および地絡電流Igと、外部方向試験において零相電流測定部221、零相電圧測定部222および地絡電流測定部223によってそれぞれ測定された第1乃至第3の零相電流I01〜I03、零相電圧V0および地絡電流Igとに基づいて、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の整定値を調整したのち、調整した整定値に対応する試験用零相電圧V0’および第1乃至第3の試験用零相電流I01’〜I03’を第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103に出力する。
動作時間算出部226は、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103からそれぞれ入力される第1乃至第3のリレー接点動作信号S1〜S3に基づいて第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の応答動作を確認する。これにより、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の試験を一括して行うことができる。
以上説明したように、本実施例による試験機能付一体型継電器1によれば、母線101の赤相Rに地絡を2回発生するだけで第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の試験を行うことができるので、地絡発生回数の大幅な削減を図ることができる。また、接触棒を用いて母線101の赤相Rに地絡を発生させる必要はないので、作業員が感電する危険性をなくすことができる。
また、地絡発生装置10の第1および第2のスイッチ12,17が試験機能付一体型継電器1のスイッチ制御表示部227によって自動的に制御されて第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の内部方向試験および外部方向試験が行われるので、作業時間の大幅な短縮を図ることができる。
以上の説明においては、母線101の赤相Rにのみ地絡を発生させたが、母線101の赤相R、白相Wおよび青相Bに地絡をそれぞれ発生させる場合には、図3に示す地絡発生装置30(地絡発生装置の第1の変形例)のように、第1のスイッチ12の代わりに、第1乃至第3の入力端子が母線101の赤相R、白相Wおよび青相Bにそれぞれ接続され、出力端子がパワーフューズ13の一方の端子に接続された第3のスイッチ31を用いればよい。
なお、試験機能付一体型継電器200のスイッチ制御表示部227が、制御部230の制御の下、第3のスイッチ制御信号SW3を第3のスイッチ31に出力することにより、第3のスイッチ31の切換制御を行う。
また、地絡抵抗を変えて第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の内部方向試験および外部方向試験を行う場合には、図4に示す地絡発生装置40(地絡発生装置の第2の変形例)のように、地絡抵抗が固定である地絡抵抗器14の代わりに、地絡抵抗を変えることができる地絡可変抵抗器41を用いればよい。
さらに、図5に示す地絡発生装置50(地絡発生装置の第3の変形例)のように、3端子スイッチである第2のスイッチ17の代わりに、2端子スイッチである第4のスイッチ51を用いて、直列貫通線20の一端を第4のスイッチ51の入力端子に接続し、直列貫通線20の他端を第4のスイッチ51の出力端子に接続しておくようにしてもよい。この場合には、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の内部方向試験を行うときには第4のスイッチ51を開き、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の外部方向試験を行うときには第4のスイッチ51を閉じるようにする。
なお、試験機能付一体型継電器200のスイッチ制御表示部227が、制御部230の制御の下、第4のスイッチ制御信号SW4を第4のスイッチ51に出力することにより、第4のスイッチ51の開閉制御を行う。
さらにまた、図6に示す地絡発生装置60(地絡発生装置の第4の変形例)のように、コストの高い第3のスイッチ31の遮断容量を小さくするために、第3のスイッチ31とパワーフューズ13との間に第5のスイッチ61を設けてもよい。
なお、試験機能付一体型継電器200のスイッチ制御表示部227が、制御部230の制御の下、第5のスイッチ制御信号SW5を第5のスイッチ61に出力することにより、第5のスイッチ61の開閉制御を行う。
以上の説明では、地絡発生装置に設ける保護手段としてパワーフューズ13を用いたが、パワーフューズ13の代わりに、保護継電器や、図6に示した第5のスイッチ61のトリップ回路などを用いてもよい。
また、第1乃至第3の試験用零相電流I01’〜I03’は、第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103の試験を同時に行って試験の効率化を図るために、整定値調整部224から第1乃至第3の地絡方向継電器2101〜2103に直列に入力してもよい。
さらに、試験機能付一体型継電器200は、リアクトル接地方式の配電線がある場合には、リアクタンス制御信号を用いて母線のペテンゼルコイルのリアクタンスを変えることができるとともに、リアクタンス値データを受け取ってこのリアクタンスの値を認識できるリアクタンス可変・認識装置をさらに具備してもよい。
以上説明したように、本発明の地絡保護継電器システムは、地絡保護継電器として利用することができるほか、母線に地絡を人工的に発生させてこの母線の系統の複数の配電線にそれぞれ設けられた複数の地絡方向継電器の1次試験を行うのにも利用することができる。
本発明の一実施例による配電線人工地絡試験装置の構成を示す図である。 図1に示した試験機能付一体型継電器200の構成を示す図である。 地絡発生装置の第1の変形例の構成を示す図である。 地絡発生装置の第2の変形例の構成を示す図である。 地絡発生装置の第3の変形例の構成を示す図である。 地絡発生装置の第4の変形例の構成を示す図である。 従来の配電線人工地絡試験方法を説明するための図である。
符号の説明
10,30,40,50,60,110 地絡発生装置
12 第1のスイッチ
13 パワーフューズ
14 地絡抵抗器
15 接地回路
17 第2のスイッチ
20 直列貫通線
31 第3のスイッチ
41 地絡可変抵抗器
51 第4のスイッチ
61 第5のスイッチ
101 母線
1021〜1023 第1乃至第3の配電線
103 接地形計器用変圧器
120 試験器
1311〜1313,1321〜1323 断路器
1341〜1343 第1乃至第3の零相変流器
200 試験機能付一体型継電器
2101〜2103 第1乃至第3の地絡方向継電器
211 地絡過電圧継電器
221 零相電流測定部
222 零相電圧測定部
223 地絡電流測定部
224 整定値調整部
225 トリップ出力ロック部
226 動作時間算出部
227 スイッチ制御表示部
228 試験・整定指令入力部
229 試験・整定結果出力部
230 制御部
231 伝送制御部
R 赤相
W 白相
B 青相
0 零相電圧
0’ 試験用零相電圧
01〜I03 第1乃至第3の零相電流
01’〜I03’ 試験用第1乃至第3の零相電流
g 地絡電流

Claims (14)

  1. 母線(101)に地絡を発生させるための地絡発生装置(10)と、
    前記母線の系統の複数の配電線(1021〜1023)に地絡事故が発生した場合に該複数の配電線にそれぞれ設けられた複数の遮断器(1331〜1333)を動作させるための複数の地絡方向継電器(2101〜2103)を備える継電器部と、前記母線に設けられた接地形計器用変圧器(103)から入力される零相電圧(V0)、前記地絡発生装置から入力される地絡電流(Ig)および前記複数の配電線にそれぞれ設けられた複数の零相変流器(1341〜1343)から入力される零相電流(I01〜I03)に基づいて前記複数の地絡方向継電器の試験を行うための試験部とからなる試験機能付一体型継電器(200)と、
    両端が前記地絡発生装置に接続された、かつ、前記複数の零相変流器を貫通する直列貫通線(20)と、
    を具備することを特徴とする、地絡保護継電器システム。
  2. 前記直列貫通線が、前記複数の零相変流器内を前記母線から前記複数の配電線の末端に向けて前記地絡電流がそれぞれ流れるように、該複数の零相変流器をそれぞれ貫通していることを特徴とする、請求項1記載の地絡保護継電器システム。
  3. 前記試験機能付一体型継電器の前記継電器部が、前記接地形計器用変圧器から入力される前記零相電圧に基づいて動作する地絡過電圧継電器(211)をさらに備えることを特徴とする、請求項1または2記載の地絡保護継電器システム。
  4. 前記試験機能付一体型継電器の前記試験部が、
    前記複数の零相変流器からそれぞれ入力される前記複数の零相電流を測定する零相電流測定部(221)と、
    前記接地形計器用変圧器から入力される前記零相電圧を測定する零相電圧測定部(222)と、
    前記地絡発生装置から入力される前記地絡電流を測定する地絡電流測定部(223)と、
    前記零相電流測定部によって測定された前記複数の零相電流、前記零相電圧測定部によって測定された前記零相電圧および前記地絡電流測定部によって測定された前記地絡電流に基づいて前記複数の地絡方向継電器の整定値を調整するとともに、該調整した整定値に対応する試験用零相電圧(V0’)および複数の試験用零相電流(I01’〜I03’)を前記複数の地絡方向継電器に出力する整定値調整部(224)と、
    該整定値調整部から前記試験用零相電圧および前記複数の試験用零相電流を出力したときに前記複数の地絡方向継電器から入力される複数のリレー接点動作信号(S1〜S3)に基づいて、該複数の地絡方向継電器の応答動作を確認する制御部(230)と、
    を備えることを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の地絡保護継電器システム。
  5. 前記整定値調整部が、前記複数の試験用零相電流を前記複数の地絡方向継電器に直列に出力することを特徴とする、請求項4記載の地絡保護継電器システム。
  6. 前記試験機能付一体型継電器の前記試験部が、外部からの試験・整定指令信号に基づいて、前記複数の地絡方向継電器の試験機能およびモード変更の要求を前記制御部に出力する試験・整定指令入力部(228)をさらに備えることを特徴とする、請求項4または5記載の地絡保護継電器システム。
  7. 前記試験機能付一体型継電器の前記試験部が、外部から前記試験・整定指令信号を受信して前記試験・整定指令入力部に出力するとともに、前記試験・整定結果出力部からの試験結果および整定結果を整理した試験・整定結果データを外部に送信する伝送制御部(231)をさらに備えることを特徴とする、請求項6記載の地絡保護継電器システム。
  8. 前記試験機能付一体型継電器の前記試験部が、
    前記複数の地絡方向継電器の試験の開始時に複数のトリップ信号(T1〜T3)の該複数の地絡方向継電器からの出力をロックするトリップ出力ロック部(225)と、
    前記複数の地絡方向継電器から入力される前記複数のリレー接点動作信号に基づいて、前記地絡発生装置を用いて前記母線に地絡を人工的に発生させたときから前記複数の地絡方向継電器が動作するまでの時間を算出する動作時間算出部(226)と、
    前記制御部から入力される試験結果および整定結果を整理して外部に出力する試験・整定結果出力部(229)と、
    をさらに備えることを特徴とする、請求項4乃至7いずれかに記載の地絡保護継電器システム。
  9. 前記地絡発生装置が、
    入力端子が前記母線の1つの相に接続された第1のスイッチ(12)と、
    該第1のスイッチから出力される前記地絡電流が入力される地絡抵抗器(14)と、
    入力端子が前記地絡抵抗器の出力端子に接続された第2のスイッチ(17)と、
    該第2のスイッチの第2の出力端子に接続された接地回路(15)とを備え、
    前記直列貫通線の一端が前記第2のスイッチの第1の出力端子に接続され、該直列貫通線の他端が前記第2のスイッチの前記第2の出力端子に接続され、
    前記地絡電流が前記接地回路から前記試験機能付一体型継電器に出力され、
    前記試験機能付一体型継電器の前記試験部が、前記第1のスイッチの開閉制御をするとともに、前記第2のスイッチの切換制御をするスイッチ制御手段(227)を備える、
    ことを特徴とする、請求項1乃至8いずれかに記載の地絡保護継電器システム。
  10. 前記地絡発生装置が、前記第1のスイッチの代わりに、第1乃至第3の入力端子が前記母線の3つの相にそれぞれ接続された第3のスイッチ(31)を備え、
    前記スイッチ制御手段が、前記第3のスイッチの切換制御をする、
    ことを特徴とする、請求項9記載の地絡保護継電器システム。
  11. 前記地絡発生装置が、入力端子が前記第3のスイッチの出力端子に接続された第5のスイッチ(61)をさらに備えることを特徴とする、請求項10記載の地絡保護継電器システム。
  12. 前記地絡発生装置が、前記地絡抵抗器として、地絡抵抗を変えることができかつ抵抗値を確認できる地絡可変抵抗器(41)を備えることを特徴とする、請求項9乃至11いずれかに記載の地絡保護継電器システム。
  13. 前記地絡発生装置が、前記第2のスイッチの代わりに、2端子スイッチである第4のスイッチ(51)を備え、
    前記直列貫通線の一端が前記第4のスイッチの入力端子に接続され、該直列貫通線の他端が該第4のスイッチの出力端子に接続されており、
    前記スイッチ制御手段が、前記第4のスイッチの開閉制御をする、
    ことを特徴とする、請求項9乃至12いずれかに記載の地絡保護継電器システム。
  14. リアクトル接地方式の配電線がある場合には、前記母線のペテンゼルコイルのリアクタンスを変えることができるとともに該リアクタンスの値を認識できるリアクタンス可変・認識手段をさらに具備することを特徴とする、請求項1乃至13いずれかに記載の地絡保護継電器システム。
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